JP2006016662A - 光不透過性SiC成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱部材として好適に用いられる光不透過性に優れたCVD−SiC成形体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 CVD法により得られるCVD−SiC成形体であって、平均粒子径2μm以下、厚さ15〜30μmの光不透過層4、その上下両側にSiC(111)面のX線回折ピークの強度が5000cps以上に配向した厚さ5〜15μmの中間層3、5、及び、その外側に平均粒子径8〜30μm、厚さ100μm以上の光透過層2、6の多層構造からなる光透過性SiC成形体。その製造方法はCVD法によりSiC被膜を成膜する過程でCVD反応条件を設定変更して、光透過層2、中間層3、光不透過層4、中間層5、光透過層6を順次に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高純度で耐熱性や強度特性に優れ、特に光不透過性が高く、例えば半導体製造用装置の熱処理装置用遮蔽体、均熱リング等の各種耐熱部材、あるいは半導体製造用装置の拡散炉装置、エッチング装置、CVD装置などに用いられるダミーウエハやサセプター等の各種部材として好適に用いることのできる光不透過性SiC成形体及びその製造方法に関する。
SiCは耐熱性、耐蝕性、強度特性等の材質特性が優れており、各種工業用の部材として有用されている。特に、CVD法(化学的気相蒸着法)を利用して作製したSiC成形体(CVD−SiC成形体)は、緻密で高純度であるため半導体製造用の各種部材をはじめ高純度が要求される用途分野において好適に用いられている。
このCVD−SiC成形体は、原料ガスを気相反応させて基材面上にSiCの結晶粒を析出させ、結晶粒の成長により被膜を形成したのち基材を除去することにより得られるもので、材質的に緻密、高純度で組織の均質性が高いという特徴があり、一般に純度が高い程、光透過性が高いことが知られている。
このようにCVD法によるSiC成形体は高純度で光透過性が高いため、半導体製造装置や熱処理装置等の各種部材として使用する場合には、用途分野によってはSiCの物理的性質が問題となることがある。例えば、半導体の製造プロセスにはラピッドサーマルプロセス(RTP)と呼ばれる急速に熱処理する工程があり、特許文献1ではウエハ基板が高速加熱によっても面内均一性に優れた性状を呈するように遮蔽体としてSiCにより構成することが提案されており、輻射熱に対して不透明な材質性状が要求されている。
また、このRTPではウエハ基板の精確な温度管理が必要となるが、パイロメーターにより測温する場合にはウエハ基板の処理面とは反対の面に黒体キャビティを形成するときにウエハ基板を支持する部材などの光の透過があると外乱光となって精確な温度管理が困難となる問題がある。そのため、特許文献2ではウエハ基板を支持する支持リングをシリコンや酸化珪素とし、支持リングを保持するシリンダはパイロメーターの周波数の範囲で不透明となるようシリコンをコートした石英製とすることが提案されている。
また、プラズマエッチング処理においてウエハのエッチング条件を安定化させるために用いるダミーウエハやCVD処理においてウエハの条件を安定させるために用いられるダミーウエハには光透過性が小さいことが要求される。ウエハは搬送用ロボットで支持ボートに装着されるが、ウエハの認識はレーザー光を照射することにより行われるので、ウエハの光透過性が高いとロボットがウエハの位置を的確に認識することができず、反応装置内の所定の位置にウエハを装着することが困難となる。また、ダミーウエハに光を照射して、反射光を検出してウエハへのパーティクル付着状態などを検出しているので、光を透過せず十分に反射光が得られることが必要となる。
そこで、特許文献3には含有する金属元素の各々が0.3ppm 以下の高純度を有し、肉厚が0.1〜1mmであるCVD−SiC質プレートで、波長2.5〜20μmの赤外線領域における赤外線の最大透過率が5%以下である高純度CVD−SiC質の半導体熱処理用部材が提案されている。また、特許文献4にはCVD法によりSiCの層を複数積層して形成した多層SiCウエハが提案されており、光の透過率が異なる複数のSiC層を積層すること、光の透過率の小さなSiC層の両面により光透過率の大きなSiC層を配置することなどが開示されている。
また、本出願人も光不透過性に優れたSiC成形体としてCVD法により得られるCVD−SiC成形体であって、その表面部あるいは内部に少なくとも1層の粒子性状の異なるSiC層を有し、300〜2500nmの波長域における光透過率が0.4%以下、2500nmを超える波長域における光透過率が2.5%以下であることを特徴とするSiC成形体及びその製造方法(特許文献5)を提案した。
更に、本出願人はCVD法により得られるβ型結晶からなるCVD−SiC成形体であって、その表面部あるいは内部に厚さ2〜20μmの可視光不透過性CVD−SiC層が少なくとも1層形成されてなり、300〜2500nmの波長域における光透過率が0.4%以下であることを特徴とするSiC成形体及びその製造方法(特許文献6)を開発、提案した。
特開平09−237789号公報 特開平08−255800号公報 特開平10−012563号公報 特開平11−121315号公報 特開平11−228233号公報 特開2000−119064号公報
本発明者らは、引き続き低光透過性のCVD−SiC成形体の開発について研究を行い、SiC成形体の材質組織として光の透過方向を制御して光を散乱・反射させる層を存在させると、より一層光透過性が低減化することを確認した。
すなわち、本発明の目的は、例えば遮蔽体やダミーウエハ等の半導体製造用の各種部材、あるいは熱処理装置用の各種耐熱部材等として好適に用いることのできる高純度で耐熱性や強度特性に優れた光不透過性のCVD−SiC成形体及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明による光不透過性SiC成形体は、CVD法により得られるβ型結晶からなるCVD−SiC成形体であって、平均粒子径2μm以下、厚さ15〜30μmの光不透過層4、その上下両側にSiC(111)面のX線回折ピークの強度が5000cps以上に配向した厚さ5〜15μmの中間層3、5、及び、その外側に平均粒子径8〜30μm、厚さ100μm以上の光透過層2、6の多層構造からなることを構成上の特徴とする。
また、その製造方法は、黒鉛基材面にCVD法によりSiC被膜を成膜後黒鉛基材を除去するCVD−SiC成形体の製造方法において、SiC被膜を成膜する過程でCVD反応条件を設定変更して、光透過層2、中間層3、光不透過層4、中間層5、及び、光透過層6を順次形成するSiC成膜工程からなることを構成上の特徴とする。
更に、他の製造方法としては黒鉛基材面にCVD法により平均粒子径8〜30μm、厚さ100μm以上のSiC被膜を成膜後黒鉛基材を除去して得られたCVD−SiC成形体を光透過層2として、該光透過層2面にSiC被膜を成膜する過程でCVD反応条件を設定変更して、中間層3、光不透過層4、中間層5、及び、光透過層6を順次形成するSiC成膜工程を施すことを構成上の特徴とする。
本発明の光不透過性SiC成形体によれば、光透過層2、中間層3、光不透過層4、中間層5、光透過層6を順次に積層した多層構造から形成し、各層の粒子性状や(111)結晶面の配向度、および、その厚さなどを特定したSiC成形体から構成され、特に、SiC(111)結晶面の配向度が高い中間層を介在させて透過光を垂直方向主体に制御することにより、層間の界面における光の反射をより増大させることができるので、光透過率を効果的に低減することが可能となる。更に、この多層構造を複数層に設けると、一層光透過性を低減することができる。また、基材面にSiC粒子を析出させる際に、CVD反応条件を制御することにより、本発明の光不透過性SiC成形体を製造することができる。
したがって、本発明は、半導体製造用装置の熱処理装置用遮蔽体、均熱リング等の各種耐熱部材、あるいは半導体製造用装置の拡散炉装置、エッチング装置、CVD装置などに用いられるダミーウエハやサセプター等の各種部材として好適な光不透過性SiC成形体及びその製造方法として有用性が高い。
本発明の光不透過性SiC成形体は、図1に例示した側断面図に示すように、光透過層2の上に中間層3、光不透過層4、中間層5、及び、光透過層6が順次に積層された多層構造から形成されたものであり、この場合は5層構造から構成されている。
これらの各層のうち、光不透過層4は平均粒子径が2μm以下のSiC微粒子から構成される。SiCの粒子層に光が入射すると光は粒子の表面や粒間の界面で反射、屈折、散乱等が起こり、透過光が減少する。したがって、粒子径が小さいほど粒子の表面や粒間の界面が大きくなり、透過光が減少することになる。そして、本発明はこの光不透過層4を平均粒子径が2μm以下の微粒子から構成するものである。平均粒子径が2μmを越えると光透過率の低下が十分でなくなるためである。また光不透過層4は15〜30μmの厚さに形成される。厚さが15μm未満では光不透過性の効果が十分でなく、また30μmを越える層厚にすると、成膜速度が遅いので生産性が低下するうえに耐熱衝撃性も低くなる。
この光不透過層4の上下両側には、SiC(111)面のX線回折ピークの強度が5000cps以上に配向した厚さ5〜15μmの中間層3、5が形成されている。すなわち中間層3、5はSiC(111)の結晶面が高度に発達したSiC層であり、この中間層により透過光の方向は垂直方向主体に制御される。そして、中間層3を透過した光は、平均粒子径が2μm以下の微粒子からなる光不透過層4の界面及び光不透過層4と中間層5の界面において光の反射が増大するため、さらに光透過率の低下を図ることができる。
X線回折ピークの強度が5000cpsを下回る場合には、SiC(111)面の配向度が小さいために垂直方向への光の制御が十分でないので、界面における透過光の減少効果も小さくなる。また、中間層3、5の厚さは5〜15μmに設定する。厚さが5μm未満では透過光の垂直成分が少ないので光不透過層4との界面における光の反射が十分でなくなるためであるが、一方、厚さが15μmを越えるとSiC(111)面へ高度に配向しているため、機械的強度の低下や熱衝撃による剥離が生じ易くなるためである。
なお、X線回折ピークの強度はX線にCuのKα線を用いて、印加電圧;40KV、印加電流;20mA、走査速度;4°/分、発散スリット;1°入射スリット;1°、散乱スリット;0.3mm、フィルター;Ni、の条件でX線回折を行って、回折ピーク値より求める。
この中間層3、5の外側には平均粒子径8〜30μm、厚さ100μm以上の光透過層2、6が形成されている。この光透過層は、本発明の光不透過性SiC成形体の強度を保持するためと生産能率を維持するために形成させるもので、光不透過層4及び中間層3、5等はその粒子性状等から強度が低く、またその成膜条件もCVD反応を遅くする条件設定が必要となる。そこで、CVD法により析出したSiC粒を十分に成長させてSiC被膜を成膜させ、強度を維持させるとともに成膜速度を上げるために平均粒子径が8〜30μmのSiC被膜を100μm以上の厚さに成膜した光透過層2、6を設けた多層構造とする。
このように本発明の光不透過性SiC成形体は、平均粒子径が2μm以下の微細粒子からなる光不透過層4により、微細粒子による光の反射、屈折、散乱される度合が増大して透過光を著しく低減することができる。更に、光不透過層4の上下両側に形成したSiC(111)面のX線回折ピークの強度が5000cps以上と高度に配向した中間層3、5により、中間層を透過する光は主に中間層に垂直方向の光成分となり、この透過光が光不透過層4の界面において反射、屈折、散乱する度合がより一層増大することにより、光透過率の一層の低減化を図ることが可能となる。更に、平均粒子径を8〜30μm、厚さを100μm以上に形成した光透過層2、6により十分な強度を有する自立したCVD−SiC成形体とすることができる。
更に、図2に示すように、図1に示した多層構造を繰り返した複数層に設けることにより、光不透過性を一層向上させることもできる。なお、図2の符号番号は図1と同じである。
本発明の光不透過性SiC成形体、例えば、図1に示した光不透過性SiC成形体の製造は図3に示した工程図のように、黒鉛基材面にCVD法によりSiC被膜を成膜後黒鉛基材を除去するCVD−SiC成形体の製造方法において、SiC被膜を成膜する過程でCVD反応条件を設定変更して、光透過層2、中間層3、光不透過層4、中間層5、及び、光透過層6を順次形成するSiC成膜工程により製造することができる。
なお、図3の工程図において、Aのプロセスを繰り返すことにより図1の多層構造を複数層に設けた図2に示す光不透過性SiC成形体を製造することができる。
あるいは、図4に示した工程図のように、黒鉛基材面にCVD法により平均粒子径8〜30μm、厚さ100μm以上にSiC被膜を成膜した後、黒鉛基材を除去して得られた光透過層2を基材として、該基材にCVD反応条件を設定変更して、中間層3、光不透過層4、中間層5、及び、光透過層6を順次形成するSiC成膜工程を施すことにより製造することもできる。
また、図4の工程図において、Bのプロセスを繰り返すことにより図1の多層構造を複数層に設けた図2に示す光不透過性SiC成形体を製造することもできる。
CVD法によるSiC被膜の形成は、CVD反応炉内に例えば黒鉛基材をセットし、系内の空気を排気したのち所定の温度に加熱保持し、次いで水素ガスを送入して常圧水素ガス雰囲気に置換した後、水素ガスをキャリアガスとして、トリクロロメチルシラン、トリクロロフェニルシラン、ジクロロメチルシラン、ジクロロジメチルシラン等のハロゲン化有機珪素化合物を原料ガスとして送入し、還元熱分解反応によりSiCを気相析出させて黒鉛基材面にSiC被膜を被着する方法、あるいは、四塩化珪素等の珪素化合物とメタン等の炭素化合物との原料ガスを送入して加熱し、気相反応によりSiCを気相析出させて黒鉛基材面にSiC被膜を被着する方法、で行われる。
SiC被膜の形成プロセスは、先ず、原料ガスが気相反応して基材面上にSiCの核が生成し、このSiC核が成長してアモルファス質SiCになり、更に微細な多結晶質SiC粒を経て柱状形態の結晶組織へ成長を続けて、SiC被膜が形成される。したがって、CVD−SiC成形体の強度特性、熱的特性、光特性等の性状は基体面上に析出して形成されたSiC被膜の粒子性状により異なったものとなる。
このSiC被膜を形成する成膜過程において、例えば、SiC核の生成速度はCVD反応温度、原料ガス濃度、原料ガス量等に影響されるところが大きく、またSiC核の成長及び柱状結晶組織への粒成長は主に反応温度に影響される。そして、微細粒子からなるSiC被膜の形成はCVD反応温度を低温域に設定することにより、また柱状形態の大粒子からなるSiC被膜の形成はCVD反応温度を高温域に設定することにより形成することができる。
すなわち、SiC被膜を形成する成膜過程において、CVD反応条件を設定変更することにより光透過層2、6、中間層3、5、光不透過層4を形成することが可能となる。
例えば、平均粒子径8〜30μm、厚さ100μm以上の光透過層2、6の形成は、原料ガス濃度、原料ガス量、反応炉内圧力等を一定に保持した状態で、反応温度範囲を1350〜1450℃に設定して適宜時間反応させることにより、柱状組織のSiC粒子からなるSiC被膜に成膜することができる。
また、SiC(111)面のX線回折ピークの強度が5000cps以上に配向した厚さ5〜15μmの中間層3、5は反応温度範囲を1200〜1350℃に設定して、一定温度で適宜時間反応させる方法、あるいはこの温度範囲で昇温あるいは降温させて適宜時間反応させる方法で形成することができる。
また、平均粒子径2μm以下、厚さ15〜30μmの光不透過層4は反応温度範囲を1050〜1200℃に設定して適宜時間反応させることにより、微細な多結晶質SiC粒の柱状結晶粒子への成長を阻止する段階で止める方法で形成することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
実施例1
嵩密度1.8 g/cm3、熱膨張係数4.3×10-6/K、灰分20 ppm以下の等方性黒鉛材を直径202mm、厚さ5mmに加工して黒鉛基材を作製した。この黒鉛基材をCVD反応装置の石英反応管内にセットして、系内を水素ガスで置換後、原料ガスにトリクロロメチルシランを、キャリアガスに水素ガスを用いて、混合ガス中のトリクロロメチルシランの濃度を7.5 vol%に、混合ガスの流量を200 l/minとなるように流量調節して反応管内に送入した。CVD反応温度を1400℃に保持して10時間CVD反応を行って、厚さ400μmのSiC被膜(光透過層2)を成膜した。
次いで、反応管内の温度を1250℃に下げ、0.25時間CVD反応を行って、厚さ5μmのSiC被膜(中間層3)を成膜し、その後、反応管内の温度を1100℃に下げて2時間CVD反応を行って、厚さ20μmのSiC被膜(光不透過層4)を成膜した。更に、反応管内の温度を1250℃に上げて0.25時間CVD反応を行い、厚さ5μmのSiC被膜(中間層5)を成膜した後、反応管内の温度を1400℃に上げて10時間CVD反応を行って、厚さ400μmのSiC被膜(光透過層6)を成膜した。次いで、黒鉛基材を燃焼除去した後、研磨加工して表面を平滑化して、直径200mmの図1に示した5層構造からなるSiC成形体を製造した。
実施例2
実施例1において、中間層3及び中間層5となるSiC被膜を成膜するCVD反応時間を0.5時間として、厚さ10μmのSiC被膜を成膜した他は、全て実施例1と同じ方法により、図1に示した5層構造からなるSiC成形体を製造した。
比較例1
実施例1において、中間層3及び中間層5となるSiC被膜の形成を行わずに、すなわち、光透過層2となるSiC被膜を成膜した後、その上に光不透過層4となるSiC被膜を成膜し、次いで光透過層6を成膜した他は、全て実施例1と同じ方法により、3層構造からなるSiC成形体を製造した。
このようにして製造した多層構造のSiC被膜からなるSiC成形体の、各SiC被膜の性状を表1に示した。
Figure 2006016662
次に、これらのSiC成形体について、下記の方法により光透過率、耐薬品性、及び熱衝撃試験を行って、その結果を表2に示した。
光透過率の測定:
厚さ5mmの金属アルミニウム板を標準試料として、島津製作所製自記分光光度計を用いて光透過率を測定し、下記式により算出した。
T=B−A
ここで、T;SiC成形体の光透過率
A;金属アルミニウム板の光透過率測定値
B;SiC成形体の光透過率測定値
耐薬品性の測定:
濃度49wt%のフッ酸と濃度62wt%の硝酸との混合液に、常温でSiC成形体を24時間浸漬した後、水洗、乾燥して外観を目視観察および重量変化率を測定した。目視観察は色、変形、剥離などを観察し、また、重量変化率は0.01%未満を変化無しとした。
熱衝撃試験:
空気中で1200℃の温度に保持した電気炉内にSiC成形体を入れて、SiC成形体の温度が1200℃になった時点より2分間保持した。その後、SiC成形体を電気炉から取り出して空気中で200℃まで自然冷却した。この加熱保持、冷却する操作を繰り返し行い、最高300回まで繰り返し行った時に、SiC成形体に生じた割れ、剥離の状況を観察した。
Figure 2006016662
光透過層2、中間層3、光不透過層4、中間層5、光透過層6が順次に積層された多層構造からなる本発明の光不透過性SiC成形体の側断面図である。 図1の多層構造を、複数層に設けた本発明の光不透過性SiC成形体を例示した側断面図である。 本発明の光不透過性SiC成形体の製造方法を例示した工程図である。 本発明の光不透過性SiC成形体の他の製造方法を例示した工程図である。
符号の説明
1 光不透過性SiC成形体
2 光透過層
3 中間層
4 光不透過層
5 中間層
6 光透過層

Claims (6)

  1. CVD法により得られるβ型結晶からなるCVD−SiC成形体であって、平均粒子径2μm以下、厚さ15〜30μmの光不透過層4、その上下両面にSiC(111)面のX線回折ピークの強度が5000cps以上に配向した厚さ5〜15μmの中間層3、5、及び、その外側に平均粒子径8〜30μm、厚さ100μm以上の光透過層2、6の多層構造からなることを特徴とする光不透過性SiC成形体。
  2. 請求項1の光不透過層4、中間層3、5、及び、光透過層2、6からなる多層構造を複数層に設ける光不透過性SiC成形体。
  3. 黒鉛基材面にCVD法によりSiC被膜を成膜後黒鉛基材を除去するCVD−SiC成形体の製造方法において、SiC被膜を成膜する過程でCVD反応条件を設定変更して、光透過層2、中間層3、光不透過層4、中間層5、及び、光透過層6を順次形成するSiC成膜工程からなることを特徴とする請求項1記載の光不透過性SiC成形体の製造方法。
  4. 請求項3のSiC成膜工程を複数回繰り返し行う請求項2の光不透過性SiC成形体の製造方法。
  5. 黒鉛基材面にCVD法により平均粒子径8〜30μm、厚さ100μm以上のSiC被膜を成膜後黒鉛基材を除去して得られたCVD−SiC成形体を光透過層2として、該光透過層2面にSiC被膜を成膜する過程でCVD反応条件を設定変更して、中間層3、光不透過層4、中間層5、及び、光透過層6を順次形成するSiC成膜工程を施すことを特徴とする請求項1記載の光不透過性SiC成形体の製造方法。
  6. 請求項5のSiC成膜工程を複数回繰り返し行う請求項2の光不透過性SiC成形体の製造方法。
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