JP2006016516A - 水性粘着剤組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題手段】 アルキル基の炭素数が4〜14であるアクリレート(a)70〜87.5重量%、アルキル基の炭素数が1〜2であるメタクリレート(b)10〜15重量%、水酸基を含有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(c)2〜6重量%、及びカルボキシル基を含有する単量体(d)0.5〜5重量%を含有するエチレン性不飽和単量体を水性媒体中で重合してなる樹脂組成物水性分散体(A)と、前記(a)成分を55〜95重量%、(d)成分を0.5〜5重量%を含有するエチレン性不飽和単量体を水性媒体中で重合してなる樹脂組成物水性分散体(B)とを、(A)/(B)の固形分重量比率が5/95〜30/70の割合にて含有することを特徴とする水性粘着剤組成物。
【選択図】 なし
Description
さらに、本発明は、上記水性粘着剤組成物の製造方法に関する。
故に、曲面貼り付け性を良好にならしめるためには、粘着剤の接着力と凝集力という2つの物性項目が、どちらか一方に大幅に偏る事なくその両方が満足されていなければならない。
本発明に用いられるラジカル重合性エチレン性不飽和単量体のうち、アルキル基の炭素数が4〜14であるアルキルアクリレート(a)としては、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレートなどの直鎖又は分岐脂肪族アルコールのアクリル酸エステルなどが例示でき、なかでもアルキル基の炭素数が4〜12であるアルキルアクリレートが好ましく用いられ、これらは(A)を構成するエチレン性不飽和単量体の合計100重量%中70〜87.5重量%含有され、単独であるいは2種類以上併用して用いる事ができる。使用量が70重量%より少ないと接着力が十分でなく、87.5重量%を超えると曲面貼り付け性の向上効果が十分に得られない。
共重合可能な他の単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキルアクリレート、アルキル基の炭素数が3〜14であるアルキルメタクリレート、アルキル部の炭素数が4以上であり、水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、またはカルボニル基を有する単量体(e)、例えばアクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、好ましくは4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトンなど)、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−(メタ)アクリレート−アセチルアセテート等、さらには不飽和結合を2個以上有する単量体(f)、例えばフタル酸(オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)のジアリルエステル、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングルリールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、およびこれら以外の単量体(g)として、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ−(2−ヒドロキシルエチル−α−クロロ(メタ)アクリレート)アシッドホスフェート、ビニルブロックトイソシアネート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−トリブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、ブタジエン、クロロプレンなどが例示でき、それぞれ単独で、あるいは2種類以上併用して用いる事ができる。
アニオン系乳化剤としてはノニルフェニル骨格の旭電化工業株式会社製「アデカリアソープSE−10N」、第一工業製薬株式会社製「アクアロンHS−10、HS−20」等、長鎖アルキル骨格の第一工業製薬株式会社製「アクアロンKH−05、KH−10」、旭電化工業株式会社製「アデカリアソープSR−10N」等、燐酸エステル骨格の日本化薬株式会社製「KAYARAD」等が例示できる。
ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタン高級脂肪酸エステル類、グリセリン高級脂肪酸エステル類等の分子末端あるいは中間部に不飽和二重結合を有し、単量体と共重合するものであり、旭電化工業株式会社製「アデカリアソープNE−10」、第一工業製薬株式会社製「アクアロンRN−10、RN−20、RN−50」、日本乳化剤株式会社製「アントックスNA−16」等が例示できる。
アニオン系乳化剤としてはステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類等が例示できる。
ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類等が例示できる。
これらは(A)を構成するエチレン性不飽和単量体の合計100重量部に対し4〜8重量部の割合にて用いられる。4重量部より少ないと重合が不安定になり凝集物が発生しやすくなり、8重量部より多いと接着力の低下を引き起こす。
まず本発明で使用するエチレン性不飽和単量体を混合し、均一な混合溶液とする。この混合溶液はそのままで重合に供しても良いし、水および乳化剤の一部又は全量を加えて攪拌し、乳化液とした後に重合に供しても良い。
これらの混合溶液又は乳化液を調製後、重合開始剤の存在下で重合をおこなうのであるが、その方法としては混合溶液又は乳化液を全量反応容器に仕込んで重合を開始しても良く、一部を反応容器に仕込んで重合を開始した後にさらに数回に分けて分割添加しても良く、一部を反応容器に仕込んで重合を開始した後に残りを連続滴下しても良く、あるいはあらかじめ水および必要に応じて乳化剤の一部又は全量を反応容器に仕込んでおき、全量を連続滴下しても良い。混合溶液を用いて重合する場合にはあらかじめ反応容器に乳化剤の全量および水の一部又は全量を仕込んでおく事が好ましい。
重合開始剤の添加方法としては、あらかじめ全量を反応容器に仕込んでおいても良く、昇温後に全量を添加しても良く、一部を反応容器に仕込んでおき重合を開始した後にさらに数回に分けて分割添加しても良く、一部を反応容器に仕込んでおき重合を開始した後に残りを連続滴下しても良く、あるいは全量を連続滴下しても良い。重合開始剤を分割添加又は連続滴下する場合には、単独で反応容器内に分割添加又は連続滴下しても良く、混合溶液又は乳化液と混合された状態にて分割添加または連続滴下されても良い。なおこれらの手法により重合開始剤を添加した後、反応率を高める目的で1回又は2回以上重合開始剤を追加添加しても良い。
かくして本発明の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)を得る事ができる。
アルキル基の炭素数が4〜14であるアルキルアクリレート(a)としては、粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)の項にて例示したものを用いる事ができ、なかでもアルキル基の炭素数が4〜12であるアルキルアクリレートが好ましく用いられ、これらは(B)を構成するエチレン性不飽和単量体の合計100重量%中55〜95重量%含有され、単独であるいは2種類以上併用して用いる事ができる。使用量が55重量%より少ないと接着力が十分でなく、95重量%を超えると曲面貼り付け性の向上効果が十分に得られない。
カルボキシル基を含有する単量体(d)としては、粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)の項にて例示したものを用いる事ができ、これらは(B)を構成するエチレン性不飽和単量体の合計100重量%中0.5〜5重量%含有され、単独であるいは2種類以上併用して用いる事ができる。使用量が0.5重量%より少ないと重合が不安定になりやすく、また重合物自身の安定性も不足し、分散体粒子が沈降する等の不都合を生じやすくなる。使用量が5重量%を超えると耐水性の低下等の弊害を引き起こすため好ましくない。
上記単量体(a)、(d)に加え、粘着剤としてのより好ましい物性を付与すべく、これらと共重合可能な他の単量体を併用する事が好ましい。共重合可能な他の単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキルアクリレート、アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキルメタクリレート、水酸基を含有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、及び粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)の項にて例示した(e)、(f)、(g)などを用いる事ができ、それぞれ単独で、あるいは2種類以上併用して用いる事ができる。
これらは(B)を構成するエチレン性不飽和単量体の合計100重量部に対し1.5〜3重量部の割合にて用いられる。1.5重量部より少ないと重合が不安定になり凝集物が発生しやすくなり、3重量部より多いと接着力の低下を引き起こすのに加え、耐水性が低下する傾向となるため好ましくない。
粘着剤用樹脂組成物水性分散体(B)は、エチレン性不飽和単量体を重合する際に、粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)の項にて例示した連鎖移動剤を用いる事ができる。
エチレン性不飽和単量体を、乳化剤及び重合開始剤を用いて水性媒体中で重合し、粘着剤用樹脂組成物水性分散体(B)を得る方法については、粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)の項にて説明した方法による事ができる。
かくして本発明の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(B)を得る事ができる。
(A)の固形分重量比率が5重量%より少ないと接着力及び曲面貼り付け性の向上効果が十分に得られず、(A)の固形分重量比率が30重量%を超えると接着力および曲面貼り付け性が低下傾向となるため、好ましくない。
またさらに、本発明の水性粘着剤組成物中の粘着剤用樹脂組成物水性分散体を粒子間架橋させるため、任意の架橋剤を配合しても良く、例えばエチレン性不飽和単量体成分として水酸基を有する単量体を用いた場合には、イソシアネート化合物、チタンやジルコニウムなどのアルコキシド化合物等を用いる事ができ、カルボニル基を有する単量体を用いた場合には、アミン類、ヒドラジド化合物等を用いる事ができる。
紙またはプラスチックフィルム基材上に粘着剤組成物を塗布した場合は、乾燥後に剥離性シートと貼り合わせることにより、また剥離性シート上に粘着剤組成物を塗布した場合は、乾燥後に紙またはプラスチックフィルム基材と貼りあわせることにより、どちらの手法によっても各種粘着塗工物を得ることができる。
剥離性シートは、セパレーターとも称されるものであり、紙やプラスチックフィルムの少なくとも一方の面が剥離処理されてなるものである。剥離処理剤としては従来公知のものを用いることができる。
2−エチルヘキシルアクリレート82.5部、メチルメタクリレート11部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3部、アクリル酸3.5部、これら全エチレン性不飽和単量体100部に対して連鎖移動剤としてチオグリコール酸オクチル0.02部、反応性アンモニア中和型アニオン性乳化剤として第一工業製薬(株)製「アクアロンKH−10」5部を脱イオン水30.5部に溶解したものを加えて攪拌して乳化物を得、これを滴下ロートに入れた。
撹拌機、冷却管、温度計および上記滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに、脱イオン水を57部仕込み、フラスコ内部を窒素ガスで置換し、撹拌しながら内温を80℃まで昇温し、3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.1部添加した。5分後、上記滴下ロートから上記乳化物の滴下を開始し、これと並行して3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.3部を別の滴下口から3時間かけて滴下した。
内温を80℃に保ったまま、上記乳化物および3%過硫酸カリウム水溶液滴下終了30分後に、3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.06部を2回に分けて30分おきに添加した。
さらに撹拌しながら80℃にて2時間熟成した後冷却し、固形分50%の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A−1)を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート39.5部、ブチルアクリレート40部、メチルメタクリレート13部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5部、アクリル酸2.5部、これら全エチレン性不飽和単量体100部に対してチオグリコール酸オクチル0.02部、「アクアロンKH−10」5部を脱イオン水30.5部に溶解したものを加えて攪拌して乳化物を得た。以下、製造例−1と同様にして固形分50%の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A−2)を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート19部、ブチルアクリレート60部、メチルメタクリレート14部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部、アクリル酸3部、これら全エチレン性不飽和単量体100部に対してチオグリコール酸オクチル0.03部、「アクアロンKH−10」5部を脱イオン水30.5部に溶解したものを加えて攪拌して乳化物を得た。以下、製造例−1と同様にして固形分50%の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A−3)を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート84.5部、メチルメタクリレート11部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、アクリル酸3.5部、これら全エチレン性不飽和単量体100部に対してチオグリコール酸オクチル0.02部、「アクアロンKH−10」5部を脱イオン水30.5部に溶解したものを加えて攪拌して乳化物を得た。以下、製造例−1と同様にして固形分50%の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A−4)を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート86.5部、メチルメタクリレート7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3部、アクリル酸3.5部、これら全エチレン性不飽和単量体100部に対してチオグリコール酸オクチル0.02部、「アクアロンKH−10」5部を脱イオン水30.5部に溶解したものを加えて攪拌して乳化物を得た。以下、製造例−1と同様にして固形分50%の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A−5)を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート89.8部、メチルメタクリレート8部、アクリル酸2部、ジアセトンアクリルアミド0.2部、これら全エチレン性不飽和単量体100部に対して「アクアロンKH−10」2部を脱イオン水30.5部に溶解したものを加えて攪拌して乳化物を得、これを滴下ロートに入れた。
撹拌機、冷却管、温度計および上記滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに、脱イオン水を54部、「アクアロンKH−10」を0.1部仕込み、フラスコ内部を窒素ガスで置換し、撹拌しながら内温を80℃まで昇温し、3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.1部添加した。5分後、上記滴下ロートから上記乳化物の滴下を開始し、これと並行して3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.3部を別の滴下口から3時間かけて滴下した。
内温を80℃に保ったまま、上記乳化物および3%過硫酸カリウム水溶液滴下終了30分後に、3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.06部を2回に分けて30分おきに添加した。
さらに撹拌しながら80℃にて2時間熟成した後冷却し、固形分50%の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(B−1)を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート52.3部、ブチルアクリレート40部、メチルメタクリレート6部、アクリル酸1.5部、ジアセトンアクリルアミド0.2部、これら全エチレン性不飽和単量体100部に対して「アクアロンKH−10」2部を脱イオン水30.5部に溶解したものを加えて攪拌して乳化物を得、これを滴下ロートに入れた。
以下、製造例−6と同様にして固形分50%の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(B−2)を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート88.92部、メチルメタクリレート8.36部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.36部、アクリル酸2.18部、ジアセトンアクリルアミド0.18部、これら全エチレン性不飽和単量体100部に対して連鎖移動剤としてチオグリコール酸オクチル0.0024部、「アクアロンKH−10」2.36部を脱イオン水30.5部に溶解したものを加えて攪拌して乳化物を得、これを滴下ロートに入れた。
撹拌機、冷却管、温度計および上記滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに、脱イオン水を57部、「アクアロンKH−10」を0.09部仕込み、フラスコ内部を窒素ガスで置換し、撹拌しながら内温を80℃まで昇温し、3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.1部添加した。5分後、上記滴下ロートから上記乳化物の滴下を開始し、これと並行して3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.3部を別の滴下口から3時間かけて滴下した。
内温を80℃に保ったまま、上記乳化物および3%過硫酸カリウム水溶液滴下終了30分後に、3%過硫酸カリウム水溶液を固形分として0.06部を2回に分けて30分おきに添加した。
さらに撹拌しながら80℃にて2時間熟成した後冷却し、固形分50%の粘着剤用樹脂組成物水性分散体(C−1)を得た。
粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)として製造例−1で得られた(A−1)を固形分で12部、および粘着剤用樹脂組成物水性分散体(B)として製造例−6で得られた(B−1)を固形分で88部を混合した後アンモニア水にてpH=7.5に調整し、消泡剤、レベリング剤、防腐剤を加え、さらにロジン系粘着付与樹脂として荒川化学(株)製「スーパーエステルE−720」(固形分50%)を固形分として15部、および架橋剤として6%アジピン酸ジヒドラジド水溶液を固形分として0.2部加え、さらに粘度調整剤で粘度を3000mPa・s(BL型粘度計、#4ローター使用、60rpmにて測定)に調整し、水性粘着剤組成物を得た。
これをコンマコーターで剥離紙上に乾燥塗膜量が20g/m2になるように塗工し、100℃の乾燥オーブンで40秒間乾燥させ、厚さ50μmのPETフィルムとラミネートして巻き取り、粘着剤塗工物を得、後述する試験方法で、粘着塗工物としての性能を評価し、その結果を表2に示した。
粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)および(B)の種類、混合比率を表2に示すように変更した以外は実施例−1と同様にして水性粘着剤組成物を得、粘着塗工物としての性能を評価した。なお製造例−8で得られた粘着剤用樹脂組成物水性分散体(C−1)については、単独で固形分として100部を用いた以外は実施例−1と同様にして水性粘着剤組成物を得、粘着塗工物としての性能を評価した。
1)接着力
粘着剤塗工物を幅25mmの短冊状にカットし剥離紙を剥がして、厚さ2mmのポリエチレン板に貼り付け、2kgロールで1往復した後、23℃雰囲気下にて24時間放置した。所定時間経過後、23℃雰囲気下で、300mm/分の速さで塗工物を180゜方向に剥離した際の接着強度を測定した。
粘着剤塗工物を幅20mm、長さ15mmの大きさにカットし剥離紙を剥がして、長さが30cm、直径が10mmのポリエチレン製の棒の周囲に貼り付けた。貼り付ける方向としては、塗工物試料の幅方向(長手方向)がポリエチレン棒の長さ方向と平行となるようにした。貼り付け後、指にて強く圧着し、23℃雰囲気下にて7日間放置した。所定期間経過後、試料が剥離しているかどうかを目視にて観察した。
○:剥離なし。
△:試料の端部が剥離している。
×:全面剥離し、基材が平坦になっている。
またさらに、比較例−7においては、実施例−1における(A−1)/(B−1)の固形分比率が12/88である混合物の、全体としての各単量体、連鎖移動剤、乳化剤量を平均化して単一の粘着剤用樹脂組成物水性分散体として重合した例を示したのであるが、実施例−1とは相反して、接着力及び曲面貼り付け性が劣っている。
その機構は明らかではないが、特に比較例−7の結果に見られるように、全体としての平均組成は同一組成であっても、単一の樹脂組成物とした場合には本発明の効果が得られていない事から、本発明の粘着剤組成物から得られる粘着剤塗膜中においては、組成の異なる分散体粒子が完全に複合化する事なく独立して存在しており、それに起因する組成の異なる粒子間の相互作用によって上記のような効果を奏しているものと推察される。
Claims (2)
- アルキル基の炭素数が4〜14であるアルキルアクリレート(a)70〜87.5重量%、アルキル基の炭素数が1〜2であるアルキルメタクリレート(b)10〜15重量%、アルキル部の炭素数が2〜3であり、水酸基を含有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(c)2〜6重量%、及びカルボキシル基を含有する単量体(d)0.5〜5重量%を含有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体を、該エチレン性不飽和単量体の全量100重量部に対して4〜8重量部の乳化剤及び重合開始剤を用いて水性媒体中で重合してなる粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)と、アルキル基の炭素数が4〜14であるアルキルアクリレート(a)55〜95重量%、カルボキシル基を含有する単量体(d)0.5〜5重量%を含有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体を、該エチレン性不飽和単量体の全量100重量部に対して1.5〜3重量部の乳化剤及び重合開始剤を用いて水性媒体中で重合してなる粘着剤用樹脂組成物水性分散体(B)とを、(A)/(B)の固形分重量比率が5/95〜30/70の割合にて含有することを特徴とする水性粘着剤組成物。
- アルキル基の炭素数が4〜14であるアルキルアクリレート(a)70〜87.5重量%、アルキル基の炭素数が1〜2であるアルキルメタクリレート(b)10〜15重量%、アルキル部の炭素数が2〜3であり、水酸基を含有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(c)2〜6重量%、及びカルボキシル基を含有する単量体(d)0.5〜5重量%を含有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体を、該エチレン性不飽和単量体の全量100重量部に対して4〜8重量部の乳化剤及び重合開始剤を用いて水性媒体中で重合してなる粘着剤用樹脂組成物水性分散体(A)と、アルキル基の炭素数が4〜14であるアルキルアクリレート(a)55〜95重量%、カルボキシル基を含有する単量体(d)0.5〜5重量%を含有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体を、該エチレン性不飽和単量体の全量100重量部に対して1.5〜3重量部の乳化剤及び重合開始剤を用いて水性媒体中で重合してなる粘着剤用樹脂組成物水性分散体(B)とを、(A)/(B)の固形分重量比率が5/95〜30/70の割合にて混合することを特徴とする水性粘着剤組成物の製造方法。
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