JPH11172218A - 粘着剤組成物及びその利用 - Google Patents

粘着剤組成物及びその利用

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JPH11172218A
JPH11172218A JP33669697A JP33669697A JPH11172218A JP H11172218 A JPH11172218 A JP H11172218A JP 33669697 A JP33669697 A JP 33669697A JP 33669697 A JP33669697 A JP 33669697A JP H11172218 A JPH11172218 A JP H11172218A
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JP
Japan
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paper
monomer
water
pressure
sensitive adhesive
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JP33669697A
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English (en)
Inventor
Kimihide Shiozawa
公英 塩沢
Eiji Watanabe
英二 渡辺
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 再生紙を製造する工程において使用する抄紙
機の機材,例えば網、脱水のための毛布、濾紙などから
べたつくことなく容易に紙繊維を回収でき、表面がべた
つかない滑りの良好な紙を再生し得る粘着剤組成物を提
供する。 【解決手段】 少なくとも下記(a)〜(c)の3種の
モノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃
以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50
以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重
量%、ガラス転移温度が100℃以上の水分散性アクリ
ル樹脂(Y1)を10〜50重量%含有することを特徴
とする粘着剤組成物。 (a)アルキル鎖の炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル、ビニリデン芳香族モノマ−、及び共
役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1
種のモノマー (b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有
するモノマー (c)アルコール性水酸基を有するモノマー

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用時には従来の
粘着剤シートと同様の粘着物性を示し、中性水中で熱す
ることもなく容易に分散・離解する粘着剤、及び係る粘
着剤を基材上に塗工した粘着塗工物に関し、さらには該
粘着塗工物と紙との混合物を中性水中で熱することもな
く容易に紙繊維を離解せしめ、これを回収し、紙を再生
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全、省資源の見地から古紙
のリサイクルが進められいるが、雑誌等についているタ
ックラベルシ−ト等に由来する粘着剤が紙再生工程にお
いて混入すると、粘着剤由来の汚れが原因で、抄紙機の
機材からの剥離の際再生紙が破れたり、または再生紙の
表面のべたつきを生じたり、滑りを損なう等再生紙の歩
留まりを悪くするばかりでなく、品質も悪化させ、古紙
のリサイクルを普及・発展し難くしている原因の1つと
なっている。係る粘着剤の混入を防ぐためには、現在雑
誌等を回収した後に、紙を再生する工程の前に予め人手
でタックラベルシ−トを除去する煩雑な作業を必要と
し、作業性が悪いばかりでなく、結果として再生紙の価
格が高くなり、これもまた古紙のリサイクルを普及・発
展し難くしている原因の1つとなっている。
【0003】また、再生紙用粘着剤は、pH10〜11
及び50〜70℃のアルカリ温水中で20〜30分の長
時間かけて再分散してきたが、工程の効率化の要請か
ら、常温の中性水で比較的短時間に容易に離解される粘
着剤の開発が求められるようになってきた。尚、「離
解」とは、紙の繊維が「ほぐれる」「ばらける」ことを
意味し、粘着剤の「離解」とは粘着剤が紙の繊維と共に
「ほぐれる」「ばらける」ことを意味する。
【0004】上記のような種々の開発要請に応えて、水
離解性粘着剤も提案されつつあるが、水離解性と粘着物
性とを両立するには至っていない。例えば特開平8−1
2727号公報には、カルボキシル化ロジンエステル含
有モノマ−、カルボキシル基含有モノマ−、及び水溶性
モノマ−を共重合して成るビニル系共重合体の粘着剤と
しての利用が開示されてはいるが、初期・経時・加湿後
の接着力いずれも十分とは言えず、積み置きの際のアブ
レージョンで簡単に剥離してしまう。また保持力・加湿
後の保持力も弱いという問題点もある。
【0005】また、特開平8−81661号公報には、
クラフト紙の基材に水溶性の粘着剤層と剥離層との少な
くとも2層を設けるクラフト粘着テープが提案されてい
るが、複数の塗工工程を必要とするなど工程が煩雑にな
り、一般紙基材用途としては展開できない。
【0006】また特開平6−184508号公報には、
「アルカリ可溶性粘着剤組成物」が開示されているが、
中性水では離解しない。
【0007】中性水での離解性の向上せしめるためには
粘着剤の親水性を高めればよく、そのためには、親水性
基の量とりわけアルコール性水酸基の量を多くすればよ
い。しかしながら、単に親水性基の量を多くし水に対す
る離解性を幾ら高めても、再生の工程において紙の原料
たる繊維上に粘着剤の一部が残存し、再生紙を製造する
工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水の
ための毛布、濾紙などに付着し易く紙繊維を回収するこ
とが難しく、また再生紙自体にも残りその品質を損なう
ものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用時には
十分な粘着強度を有しながら、古紙回収後にタックラベ
ルシ−トを人手によって分離せずに、タックラベルシ−
トが混入した状態で再生紙を製造する場合に、中性水で
紙繊維と共に粘着剤を簡単に離解でき、離解した粘着剤
が紙繊維上に残り難く、仮に残存しても再生紙を製造す
る工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水
のための毛布、濾紙などからべたつくことなく容易に紙
繊維を回収でき、表面がべたつかない滑りの良好な紙を
再生し得る粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、少なくと
も下記(a)〜(c)の3種のモノマーを共重合して成
り、ガラス転移温度が−10℃以下であり、水酸基価が
100以上であり、酸価が50以下である水分散性アク
リル樹脂(X)を50〜90重量%、ガラス転移温度が
100℃以上の水分散性アクリル樹脂(Y1)を10〜
50重量%含有することを特徴とする粘着剤組成物であ
る。 (a)アルキル鎖の炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル、ビニリデン芳香族モノマ−、及び共
役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1
種のモノマー (b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有
するモノマー (c)アルコール性水酸基を有するモノマー
【0010】第2の発明は、少なくとも下記(a)〜
(c)の3種のモノマーを共重合して成り、ガラス転移
温度が−10℃以下であり、水酸基価が100以上であ
り、酸価が50以下である水分散性アクリル樹脂(X)
を50〜90重量%、無機粒子(Y2)を10〜50重
量%含有することを特徴とする粘着剤組成物である。 (a)アルキル鎖の炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル、ビニリデン芳香族モノマ−、及び共
役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1
種のモノマー (b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有
するモノマー (c)アルコール性水酸基を有するモノマー
【0011】第3の発明は、基材上に第1又は第2の発
明記載の粘着剤組成物を塗工したことを特徴とする粘着
塗工物である。
【0012】第4の発明は、第3の発明記載の粘着塗工
物と紙との混合物を水に浸漬するか、又は前記混合物に
水をかけることによって、紙繊維を離解せしめ、回収
し、該紙繊維から紙を再生する方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明においては、ガラス転移温
度(以下、Tgという)が低く、かつ親水性に富む水分
散性アクリル樹脂(X)と、Tgが比較的高い水分散性
アクリル樹脂(Y1)とを含有するか、又は前記(Y
1)の代わりに再生紙のプレス加工時に時に軟化しない
ような無機粒子(Y2)を含有することが重要である。
(Y1)又は(Y2)を含有せしめることによって、紙
の再生工程において原料パルプに粘着剤が残ってもべた
つくことがない。
【0014】水分散性アクリル樹脂(X)は、粘着組成
物のベースとなる部分であり、できるだけ低Tg、高水
酸基価であることが好ましい。水分散性アクリル樹脂
(X)のTgが−10℃を超えたり、水酸基価が100
未満であると、水離解の際のスティッキーな浮遊物が多
くなり、かかる浮遊物が原料パルプに残りやすく,プレ
ス乾燥後再生紙が濾紙から剥がれ難くなる。また、酸価
が50以下であることを要し、50を越えると塗工物の
加湿試験後(60℃−95%、3日)に塗膜が硬くな
り、粘着力が著しく低下する。
【0015】本発明に用いられるモノマー(a)群のう
ち、アルキル鎖の炭素数1から13の(メタ) アクリル
酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)
アクリレ−ト、エチル(メタ) アクリレ−ト、n−ブチ
ル(メタ) アクリレ−ト、i−ブチル(メタ) アクリレ
−ト、オクチル(メタ) アクリレ−ト、2−エチルヘキ
シル(メタ) アクリレ−ト、ドデシル(メタ) アクリレ
−トなどが挙げられる。本発明に用いられるモノマー
(a)群のうち、モノビニリデン芳香族としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンな
どが挙げられ、共役ジエンモノマ−としては、例えば、
1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
【0016】上記モノマー(a)の使用量は、基材に対
する接着力と水離解の際の凝集物の量、及び製造された
再生紙の滑り性を考慮して選択すればよい。粘着剤組成
物のTgが高いときは再生紙の滑りは良好であるが、接
着力及び離解の際の凝集物生成に悪影響を及ぼす。後述
するモノマー(b)(c)が多いとアクリル樹脂(X)
のTgが高くなる傾向にあり、モノマー(a)の量が必
要以上に少ないとアクリル樹脂(X)のTgが高くなり
過ぎ、逆に多すぎると離解性、その他すべての性能が悪
くなる。
【0017】本発明に用いられるスルホン酸基またはス
ルホン酸ナトリウム基を有するモノマー(b)として
は、例えば、ビニルスルホン酸(ナトリウム) 、アリル
スルホン酸(ナトリウム) 、メタリルスルホン酸(ナト
リウム) 、スルホキシルエチルメタクリル酸(ナトリウ
ム)、スチレンスルホン酸(ナトリウム) などが挙げら
れる。モノマー(b)は、後述するアルコール性水酸基
を有するモノマ−(c)を大量に使用して乳化重合する
際には乳化助剤として機能し、また水/アルコ−ル溶媒
中で分散重合する際には分散剤として機能する。かかる
モノマー(b)は、全モノマー中通常は1〜20重量%
使用することが好ましく、3〜10重量%使用すること
がより好ましい。乳化重合の場合は、モノマー(b)の
使用量が少ないと、滴下の為のプレエマルションが形成
し難くなり、モノマ−と水とが分離する傾向にある。一
方、モノマー(b)の使用量が多いと、アクリル樹脂
(X)のTgが著しく高くなり、また一方では基材への
塗工性や転写法で粘着塗工物を得る際の剥離材に対する
濡れ性が劣る傾向にある。また、分散重合の場合は、モ
ノマー(b)の使用量が少ないと、粒径が大きくなり粘
着剤組成物の粘度が低下し、所望の膜厚の粘着剤層を有
する粘着塗工物が得難い。一方、モノマー(b)の使用
量が多いと、粒径が小さくなり過ぎ、粘着剤組成物が高
粘度化し、塗工性を損ない易く、良好な塗工性を確保す
るためには希釈しなければならず、この場合は乾燥性を
損なうので好ましくない。尚、吸湿による粘着諸物性の
低下を防止するために共重合後、モノマー(b)に由来
するスルホン酸基をエチレンイミンで架橋してもよい。
【0018】本発明に用いられるアルコール性水酸基を
含有するモノマー(c)としては、例えば、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコー
ル、グリセロールメタクリレートなどが挙げられる。か
かるモノマー(c)が、粘着剤の水への離解性を制御す
る。モノマー(c)を多量に使用すると高湿下において
粘着剤が吸湿して、著しく軟化するために接着力、凝集
力が共に低下するので、かかる粘着諸物性と水離解性と
のバランスをとるべくモノマー(c)の量を選択する。
また、吸湿による粘着諸物性の低下を防止するために共
重合後、モノマー(c)に由来するアルコール性水酸基
を硼砂で架橋してもよい。
【0019】本発明においては、上記(a)〜(c)の
モノマーの他にこれらと共重合し得る種々のモノマー、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸等の炭素数3〜9の不飽
和エチレン性モノ(ジ)カルボン酸モノマーも使用する
ことができる。かかる不飽和エチレン性モノ(ジ)カル
ボン酸モノマーを使用すると、粘着剤が紙基材に含まれ
るカルシウムと架橋して粘着剤層が硬くなるので粘着剤
の吸湿による軟化を防ぎ、粘着諸物性の低下を防止する
ことができる。
【0020】さらに、水分散性アクリル樹脂(X)に、
内部架橋をもたらすために不飽和二重結合を2個以上含
有するモノマー、例えばジビニルベンゼン、ポリエチレ
ングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジアリルフタレートな
ども5重量%以下であれば使用することが可能である。
【0021】さらにまた、水分散性アクリル樹脂(X)
の分子量を調整するために連鎖移動剤、例えばオクチル
チオグリコレート、t−ドデシルメルカプタン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン等を1重量%以下
使用したり、次亜燐酸ナトリウムを5重量%以下使用し
たりすることもできる。
【0022】本発明において使用する水分散性アクリル
樹脂(X)は、乳化重合・分散重合で製造しても良い
し、溶液重合後水性媒体を加えるなどして水分散体とし
て用いても良いが、乳化重合・分散重合で製造すること
が好ましい。
【0023】水分散性アクリル樹脂(X)を乳化重合に
て製造する場合には、界面活性剤、または場合によって
は水溶性保護コロイドが適宜用いられる。
【0024】界面活性剤としては、ノニオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、又
は両性界面活性剤等をそれぞれ単独で、又は各種組み合
わせて使用することができ、共重合に供される全モノマ
ーに対して0.1〜10重量%使用することが好まし
い。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエ
ーテル類、ソルビタン高級脂肪酸エステル類、グリセリ
ン高級脂肪酸エステル類等が挙げられる。アニオン系界
面活性剤としては、高級脂肪酸塩類、アルキル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩類、アルキルスルホコハク酸エステル塩等が挙
げられる。カチオン系界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩類、アルキル第4級アンモニウム塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類等が挙げられる。両性界面
活性剤としては、アミノ酸等が挙げられる。
【0025】水溶性保護コロイドとしては、ポリビニル
アルコ−ル、セルロ−ス誘導体、デンプン・水飴などの
天然多糖類などが挙げられ、かかる水溶性保護コロイド
を使用する場合には、共重合に供される全モノマーに対
して30重量%以下使用することが好ましい。
【0026】本発明において使用する水分散性アクリル
樹脂(Y1)は、Tgが100℃以上であることを要す
る。即ち、水分散性アクリル樹脂(Y1)は、水分散性
アクリル樹脂(X)に比較して硬い成分であり、かかる
成分を分散性は水分散性アクリル樹脂(X)に添加する
ことにより、再生パルプに残存する粘着剤全体のTgを
高め、べたつきを生じないようにできたものである。か
かる水分散性アクリル樹脂(Y1)は、上記水分散性ア
クリル樹脂(X)と同様にして得ることができる。
【0027】本発明においては、水分散性アクリル樹脂
(Y1)の代わりの「硬い成分」として、コロイダルシ
リカ、アルミナゾル等の無機粒子(Y2)も同様に使用
することができる。
【0028】本発明においては、水分散性アクリル樹脂
(X)を50〜90重量%,水分散性アクリル樹脂(Y
1)又は無機粒子(Y2)を10〜50重量%の割合で
使用することが必要であり、(X)/(Y1)又は(Y
2)は70〜80/20〜30(重量%)であることが
好ましい。水分散性アクリル樹脂(X)が50重量%未
満、即ち(Y1)又は(Y2)が50重量%を越える
と、粘着物性が全て劣り、一方(X)が90重量%を越
え、(Y1)又は(Y2)が10重量未満だと水離解性
が劣り、とりわけ再生紙のすべり性が不良となる。
【0029】初期接着力の向上、または特定基材への接
着力の向上を目的として、本発明の粘着剤組成物には、
粘着性付与剤を含有することもできる。例えば、ロジン
樹脂、フェノール樹脂、ポリテルペン、アセチレン樹
脂、石油系炭化水素樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
体、合成ゴム、天然ゴム等を粘着性付与剤として粘着剤
組成中に30重量%以下含有してもよい。
【0030】更には、本発明の粘着剤組成物には、必要
に応じて種々の添加剤を含有することができる。例え
ば、消泡剤、中和剤、可塑剤、湿潤剤、増粘剤、充填
剤、架橋剤、着色剤、防腐剤、防黴剤、溶剤等が挙げら
れる。
【0031】本発明の粘着剤組成物は、塗工適性を考慮
すると、不揮発分は30〜60%であることが好まし
く、40〜50%であることがより好ましく、かかる範
囲において、BL型粘度計6000rpm、#4ロータ
ー使用したときの粘度は、3000〜10000cps
であることが好ましく、4000〜5000cpsであ
ることがより好ましい。また、pHは経時保存安定性、
作業環境性の観点から4〜9であることが好ましく、
7.5〜8.5であることがより好ましい。
【0032】本発明の粘着剤組成物は、紙・水溶性フィ
ルムなどの基材に塗工して粘着塗工物を得ることが可能
である。紙としては、上質紙、スーパーコート紙、グロ
ス紙などが挙げられ、水溶性フィルムとしてはポリビニ
ルアルコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレ
ングリコール共重合体のフィルム等が挙げられる。本発
明の粘着塗工物は、コンマコーターあるいはリバースコ
ーター等を用いて粘着剤組成物を紙へ直接又は転写塗工
するか、あるいは基材として水溶性フィルムを用いる場
合には転写塗工することにより得ることができる。尚、
転写塗工とは、剥離材上に粘着剤組成物を塗工し、乾燥
した後に粘着剤組成物層上に基材を積層する方法であ
る。かかる粘着塗工物上の粘着剤組成物層の塗工量は乾
燥重量で5〜50g/m2であることが好ましく、15
〜25g/m2 であることが好ましい。
【0033】本発明の粘着塗工物は、雑誌等の紙と共に
古紙として回収された後、人手で分離することなくその
まま水によって離解することができる。粘着塗工物の紙
基材は雑誌等の紙の繊維と共に再生され、また基材が水
溶性フィルムの場合には溶解し、濾液として分離すれば
よい。そして、粘着塗工物上の粘着剤組成物は、紙の繊
維と共に水によって離解することができる。
【0034】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。 合成例1(水分散性アクリル樹脂(X1)の合成) 2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 29部 ヒドロキシエチルアクリレート(HEA) 12部 アリルスルホン酸ソーダ(50%水溶液)(SAS) 6部 アクリル酸(AA) 1部 アニオン系乳化剤(30%水溶液) 6部 イオン交換水 14部 を混合し緩やかに攪拌してモノマー混合乳化液を調整
し、滴下槽に仕込む。一方反応槽に、イオン交換水:2
5.6部を仕込み、窒素を50ml/分で吹き込みなが
ら80℃に加熱する。過硫酸アンモニウム(5%水溶
液)1.1部を反応槽に仕込む。上記のモノマー混合乳
化液と、過硫酸アンモニウム(5%水溶液)3.3部と
を同時にそれぞれ反応槽に3時間かけて滴下し、反応温
度を60℃に下げ、パーブチルH(5%水溶液)0.9
部とロンガリット1.1部を3回に分けて30分毎に添
加し、反応を終了し、不揮発分47%のアクリル樹脂
(X1)の水分散体を得た。
【0035】合成例2〜4(水分散性アクリル樹脂(X
2)〜(X4)の合成) 表1に示すモノマー処方にて合成例1と同様にして、不
揮発分47%のアクリル樹脂(X2)〜(X4)の水分
散体を得た。
【0036】合成例5(水分散性アクリル樹脂(X5)
の合成) 反応槽にイオン交換水32.4部、イソプロピルアルコ
ール10部を仕込み、窒素を50ml/分で吹き込みな
がら60℃に加熱し、過硫酸アンモニウム(10%水溶
液)2部添加し、 2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 20部 ヒドロキシエチルアクリレート(HEA) 25部 アリルスルホン酸ソーダ(50%水溶液)(SAS) 10部 の混合モノマーを90分かけて滴下し、60℃で2時間
反応した後、80℃に昇温してさらに2時間(この間1
時間置きに過硫酸アンモニウム10%水溶液0.6部を
3回に分けて添加)反応させ、不揮発分50%のアクリ
ル樹脂(X5)の水分散体を得た。
【0037】 合成例6(水分散性アクリル樹脂(Y1)の合成) メチルメタクリレート(MMA) 54部 ブチルアクリレート(BA) 3部 アクリル酸(AA) 1部 アニオン系乳化剤 5部 イオン交換水 15.8部 を混合し緩やかに攪拌してモノマー混合乳化液を調整
し、滴下槽に仕込む。一方反応槽に、イオン交換水:1
9部を仕込み、窒素を50ml/分で吹き込みながら8
0℃に加熱し、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)
0.7部を添加する。上記のモノマー混合乳化液と、過
硫酸アンモニウム(10%水溶液)1.6部とを同時に
それぞれ反応槽に3時間かけて30分毎に添加し、反応
を終了し、不揮発分60%のアクリル樹脂(Y1)の水
分散体を得た。
【0038】以上合成例1〜6の各樹脂のモノマー組
成、及び得られた各アクリル樹脂のTg,水酸基価、酸
価を表1に示す。
【0039】実施例1(粘着剤塗工物の作製) 水分散性アクリル樹脂(X1)と水分散性アクリル樹脂
(Y1)を固形分で80部と20部混合し、25%アン
モニアでpHを7.5〜8.5,粘度を4000〜50
00cpsに調整し、さらに消泡剤、濡れ改良剤を添加
した。かかる粘着剤組成物を市販のグラシン紙セパレー
タ上に塗工し(塗工量:20±1g/m2 )、90℃−
30秒乾燥した後、市販の上質紙<55>を張り合わせ
粘着シート(粘着塗工物)を作製した。
【0040】実施例2〜7 表2に示す処方にて粘着剤組成物を得、実施例1と同様
にして粘着シートを作製した。
【0041】実施例8〜9 実施例8は実施例1における水分散性アクリル樹脂(Y
1)の代わりにコロイダルシリカであるルドックスAM
(Du pont社(株)製)を、実施例9はアルミナ
ゾルであるカタロイドAP−3を用いた以外は実施例1
と同様にして粘着剤組成物,及び粘着シートを作製し
た。
【0042】実施例10〜13 水分散性アクリル樹脂(X1)及び水分散性アクリル樹
脂(Y1)の他に、表1に示す処方にて、水飴(実施例
10)、ポリイタコン酸(実施例11)、ロジンマレイ
ン酸樹脂(実施例12)、アニオン性乳化剤(実施例1
3)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成
物,及び粘着シートを作製した。
【0043】比較例1〜5 比較例1〜5は、アクリル樹脂(X1〜X5)水分散体
をそれぞれ単独で用いた以外は実施例1と同様にして粘
着剤組成物,及び粘着シートを作製した。
【0044】比較例6 水分散性アクリル樹脂(X1):50部と水分散性アク
リル樹脂(Y1):50部とを混合し、実施例1と同様
にして粘着剤組成物,及び粘着シートを作製した。
【0045】実施例1〜13、比較例1〜6で得た粘着
シートについて、下記の通り粘着物性試験、水離解性試
験等を行い、その結果を表3に示した。 (1)初期及び24時間後の接着力の測定 試験片を25mm×100mmに切断しグラシン紙セパ
レーターを剥がした後、JIS Z−0237で規定さ
れる圧着装置を用いてSUS304板上に圧着し、圧着
直後及び24時間後に、テンシロン引っ張り試験機を用
いて、180°ピール強度を求めた(引っ張り速度:3
00mm/分)。
【0046】(2)保持力の測定 JIS Z−0237に準じて貼付面積を25mm×2
5mmとして、40℃−1kgの荷重にて、粘着テープ
が落下するまでの時間を最大70000秒まで計測し
た。
【0047】(3)ボールタック JIS Z−0237に準拠したJ.Dow法により測
定した。
【0048】(4)水離解性試験及び再生紙抄紙試験 実施例1〜13、比較例1〜6で得た粘着シート:1.
6gをできるだけ細かく千切り水道水130gと共に、
家庭用ミキサー(700ml容量)で5000rpm−
5分間撹拌した後、水道水を加え0.15%の濃度のス
ラリーを得る内径16cmの鋼管中に150メッシュの
金網を固定し、該金網の下部に水を張り、金網上に希釈
した上記スラリーを抄き、金網上に湿紙を得る。
【0049】かかる湿紙上にほぼ同じ大きさの濾紙を重
ね、さらに吸水濾紙を網の下に3枚重ねた後、この上に
厚手の金属板を乗せ、該金属板上をコーチロール(直径
102mm、面長177.8mm、質量13kg)で5
回往復する。吸水濾紙を除き、湿紙を濾紙ごと金網から
剥がし、湿紙の金網に接していた方の面を金属板に接触
させ、新たに濾紙上に吸水濾紙3枚を重ねて3.5kg
/cm2 の圧力で5分間脱水する。最後に圧をかけずに
120℃−100秒乾燥し、濾紙、吸水濾紙を剥がし再
生紙を得る。一連の操作において、金網からの剥離性、
濾紙からの剥離性、得られた再生紙のべたつき・滑りを
評価した。
【0050】尚、上記の評価試験では、紙再生に対する
粘着剤組成物の混入の影響をはっきり評価すべく、紙を
基材とする粘着シート(粘着塗工物)のみから紙繊維を
回収し、紙を再生したものである。
【0051】(金網からの剥離性) ○:良好。 ×:金網にパルプが取られる。
【0052】(濾紙からの剥離性) ○:スムーズに取れる。 △:剥離が重い。 ×:再生紙が破れる。
【0053】(再生紙のべたつき・滑り) ○:べたつきなく滑る。 △:べたつかないが湿潤感有り。 ×:べたつく。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明によって、使用時には十分な粘着
強度を有しながら、古紙回収後にタックラベルシ−トを
人手によって分離せずに、タックラベルシ−トが混入し
た状態で再生紙を製造する場合においても、中性水で紙
繊維と共に粘着剤を簡単に離解でき、離解した粘着剤が
紙繊維上に残り難く、仮に残存しても再生紙を製造する
工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水の
ための毛布、濾紙などからべたつくことなく容易に紙繊
維を回収でき、表面がべたつかない滑りの良好な紙を再
生し得る粘着剤組成物を提供することができるようにな
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08F 212/00 C08F 212/00 220/12 220/12 228/02 228/02 236/04 236/04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記(a)〜(c)の3種の
    モノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃
    以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50
    以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重
    量%、ガラス転移温度が100℃以上の水分散性アクリ
    ル樹脂(Y1)を10〜50重量%含有することを特徴
    とする粘着剤組成物。 (a)アルキル鎖の炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸
    アルキルエステル、ビニリデン芳香族モノマ−、及び共
    役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1
    種のモノマー (b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有
    するモノマー (c)アルコール性水酸基を有するモノマー
  2. 【請求項2】 少なくとも下記(a)〜(c)の3種の
    モノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃
    以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50
    以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重
    量%、無機粒子(Y2)を10〜50重量%含有するこ
    とを特徴とする粘着剤組成物。 (a)アルキル鎖の炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸
    アルキルエステル、ビニリデン芳香族モノマ−、及び共
    役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1
    種のモノマー (b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有
    するモノマー (c)アルコール性水酸基を有するモノマー
  3. 【請求項3】 基材上に請求項1又は2記載の粘着剤組
    成物を塗工したことを特徴とする粘着塗工物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の粘着塗工物と紙との混合
    物を水に浸漬するか、又は前記混合物に水をかけること
    によって、紙繊維を離解せしめ、回収し、該紙繊維から
    紙を再生する方法。
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