JP2002241731A - 感圧性接着剤組成物およびそれを用いた感圧性接着シート - Google Patents

感圧性接着剤組成物およびそれを用いた感圧性接着シート

Info

Publication number
JP2002241731A
JP2002241731A JP2001041314A JP2001041314A JP2002241731A JP 2002241731 A JP2002241731 A JP 2002241731A JP 2001041314 A JP2001041314 A JP 2001041314A JP 2001041314 A JP2001041314 A JP 2001041314A JP 2002241731 A JP2002241731 A JP 2002241731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
pressure
water
paper
adhesive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001041314A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Ariyoshi
泰 有吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2001041314A priority Critical patent/JP2002241731A/ja
Publication of JP2002241731A publication Critical patent/JP2002241731A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、使用時には充分な接着力、保持力を
有する感圧性接着剤組成物であって、中性水で紙繊維と
共に感圧性接着剤を簡単に離解でき、再生紙を製造する
工程において使用する抄紙機の機材からべたつくことな
く容易に紙繊維を回収でき、表面がべたつかない滑りの
良好な紙を再生し得る性質を持つ感圧性接着剤組成物を
提供することを目的とする。 【解決手段】ガラス転移温度が−10℃以下のエマルジ
ョン型ポリマー(E)を含む水分散性感圧性接着剤組成
物であって、前記エマルジョン型ポリマー(E)が全体
の1重量%になるように水で希釈時の20℃における粘
度が2mPa・s以上であることを特徴とする水分散性
感圧性接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用時には従来の
感圧性接着剤シートと同様の感圧性接着物性を示し、中
性水中で熱することもなく容易に分散・離解する感圧性
接着剤、及び係る感圧性接着剤を基材上に塗工した感圧
性接着剤塗工物に関し、さらには該感圧性接着剤塗工物
と紙との混合物を中性水中で熱することもなく容易に紙
繊維を離解せしめ、これを回収し、紙を再生する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全、省資源の見地から古紙
のリサイクルが進められているが、雑誌等についている
タックラベルシ−ト等に由来する感圧性接着剤が紙再生
工程において混入すると、感圧性接着剤由来の汚れが原
因で、抄紙機の機材からの剥離の際再生紙が破れたり、
または再生紙の表面のべたつきを生じたり、滑りを損な
う等再生紙の歩留まりを悪くするばかりでなく、品質も
悪化させ、古紙のリサイクルを普及・発展し難くしてい
る原因の1つとなっている。係る感圧性接着剤の混入を
防ぐためには、現在雑誌等を回収した後に、紙を再生す
る工程の前に予め人手でタックラベルシ−トを除去する
煩雑な作業を必要とし、作業性が悪いばかりでなく、結
果として再生紙の価格が高くなり、これもまた古紙のリ
サイクルを普及・発展し難くしている原因の1つとなっ
ている。
【0003】また、再生紙用感圧性接着剤は、pH10
〜11及び50〜70℃のアルカリ温水中で20〜30
分の長時間かけて再分散してきたが、工程の効率化の要
請から、常温の中性水で比較的短時間に容易に離解され
る感圧性接着剤の開発が求められるようになってきた。
尚、「離解」とは、紙の繊維が「ほぐれる」「ばらけ
る」ことを意味し、感圧性接着剤の「離解」とは感圧性
接着剤が紙の繊維と共に「ほぐれる」「ばらける」こと
を意味する。
【0004】上記のような種々の開発要請に応えて、水
離解性感圧性接着剤も提案されつつあるが、水離解性と
感圧性接着物性とを両立するには至っていない。例えば
特開平8−12727号公報には、カルボキシル化ロジ
ンエステル含有モノマ−、カルボキシル基含有モノマ
−、及び水溶性モノマ−を共重合して成るビニル系共重
合体の感圧性接着剤としての利用が開示されてはいる
が、初期・経時・加湿後の接着力いずれも十分とは言え
ず、積み置きの際のアブレージョンで簡単に剥離してし
まう。また保持力・加湿後の保持力も弱いという問題点
もある。
【0005】また、特開平8−81661号公報には、
クラフト紙の基材に水溶性の感圧性接着剤層と剥離層と
の少なくとも2層を設けるクラフト感圧性接着テープが
提案されているが、複数の塗工工程を必要とするなど工
程が煩雑になり、一般紙基材用途としては展開できな
い。
【0006】また、特開平10−110149号公報に
は、(メタ)アクリル酸7〜20重量%と、(メタ)ア
クリル酸のカプロラクトン付加物1〜10重量%を含む
モノマーを共重合した水分散液に、220℃以上の第三
級アミノアルコールを添加することで中性水でも離解可
能な感圧性接着剤組成物が開示されているが、この感圧
性接着剤組成物を用いた場合、炭酸カルシウムを含む紙
を基材として使用すると、高温条件下、特に高温高湿度
下で感圧性接着剤中に高密度で存在するカルボキシル基
がカルシウムイオンと架橋し、感圧性接着剤の接着力が
低下する問題がある。
【0007】これは、一般の水性感圧性接着剤でも頻繁
に起こっている問題であり、縮合リン酸塩やクエン酸な
どのオキシカルボン酸類、またEDTAのようなポリア
ミノカルボン酸類などのキレート剤を添加することで抑
制できることが公知の事実として知られている。しか
し、この方法で接着力の低下率は低くできるが、感圧性
接着剤と紙との接触時間が長くなればやはり接着力の低
下は免れず、根本的な解決にはならなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用時には
充分な接着力、保持力を有する感圧性接着剤組成物およ
びその塗工物であって、かつ古紙回収後にタックラベル
シ−トを人手によって分離せずに、タックラベルシ−ト
が混入した状態で再生紙を製造する場合に、中性水で紙
繊維と共に感圧性接着剤を簡単に離解でき、再生紙を製
造する工程において使用する抄紙機の機材からべたつく
ことなく容易に紙繊維を回収でき、表面がべたつかない
滑りの良好な紙を再生し得る性質を持つ感圧性接着剤組
成物およびその塗工物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ガラ
ス転移温度が−10℃以下のエマルジョン型ポリマー
(E)を含む水分散性感圧性接着剤組成物であって、前
記エマルジョン型ポリマー(E)が全体の1重量%にな
るように水で希釈時の20℃における粘度が2mPa・
s以上であることを特徴とする水分散性感圧性接着剤組
成物に関する。
【0010】また、本発明は、エマルジョン型ポリマー
(E)のメディアン径が700nm以上であることを特
徴とする上記感圧性接着剤組成物に関する。
【0011】また、本発明は、エマルジョン型ポリマー
(E)の、アルコール性水酸基量が1.80mmol/
g〜3.00mmol/g、かつカルボキシル基量が
0.00mmol/g〜0.30mmol/g、かつス
ルホン酸基量が0.12mmol/g〜0.40mmo
l/gである上記感圧性接着剤組成物に関する。
【0012】また、本発明は、エマルジョン型ポリマー
(E)には、2−ヒドロキシエチルアクリレートが20
〜50%共重合されていることを特徴とする上記感圧性
接着剤組成物に関する。
【0013】また、本発明は、水と、上記感圧性接着剤
組成物とからなる感圧性接着剤組成物に関する。
【0014】また、本発明は、基材上に上記感圧性接着
剤を塗工してなる感圧性接着剤塗工物に関する。
【0015】また、本発明は、感圧性接着剤組成物含む
紙類を水に浸漬するか、又は該紙類に水をかけることに
よって、前記紙類に含まれる紙繊維を離解させることを
特徴とする、紙繊維の回収方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は上記した様に、使用時は
通常の感圧性接着剤と同様の粘着物性を有しながら、か
つ中性水中で紙繊維と共に感圧性接着剤を簡単に離解で
き、再生紙を製造する工程において使用する抄紙機の機
材からべたつくことなく容易に紙繊維を回収でき、表面
がべたつかない滑りの良好な紙を再生し得る性質を持つ
感圧性接着剤塗工物とその紙の再生方法を提供するもの
である。
【0017】本発明のエマルジョン型ポリマーとは、水
に分散してエマルジョンとなりうるポリマーをいう。
【0018】本発明者らは、この様な再生紙化可能な感
圧性接着剤塗工物は、塗工される感圧性接着剤に、全体
の1重量%になるように水で希釈時の粘度が20℃で2
mPa・s以上であるエマルジョン型ポリマー(E)を
主成分として含ませることで得られることを見いだし本
発明に至った。
【0019】一般の感圧性接着剤に含まれるエマルジョ
ン型ポリマーを水に全体の1重量%になるように希釈時
の水の粘度は、同温度での水だけの粘度と同様になる
が、本発明の感圧性接着剤組成物に含まれるエマルジョ
ン型ポリマー(E)は、親水性のポリマー成分が多いた
めに、エマルジョン型ポリマーの表面は水和したポリマ
ーで厚く覆われる形態をとると考えられ、このため、1
%希釈時において一般の感圧性接着剤の場合よりも粘度
が増加したものと思われる。水離解性を満足する感圧性
接着剤は、この主成分のエマルジョン型ポリマー(E)
を1重量%に希釈した時の粘度が20℃で2mPa・s
以上である必要がある。さらに好ましくは2.3mPa
・s〜5.0mPa・sの場合である。2mPa・s未
満であると、水と親和性のある部分が少なく、十分な水
離解性が得られない。
【0020】ここで、「1重量%に希釈」とは、エマル
ジョン型ポリマー(E)が含まれる感圧性接着剤組成物
のエマルジョンをさらに、エマルジョン型ポリマー
(E)を構成する全モノマー量に由来する分量が1重量
%を占める割合まで希釈したことと定義する。
【0021】また、「1重量%に希釈時の粘度」は、2
0℃の条件下、振動式粘度計(例えば、山一電機(株)
製DIGITAL VISCOMATE VM−10
0)を用いて測定された値とする。
【0022】さらに、エマルジョン型ポリマー(E)
は、メディアン径が700nm以上であることが好まし
い。さらに好ましくは1000nm〜5000nmの場
合である。メディアン径が700nm未満の場合、エマ
ルジョン型ポリマーが乾燥工程でより密にパッキングさ
れ、再度この塗工物を水に接触さたときに、水の浸入、
ポリマーの水への拡散の障害となり、結果として水離解
性が悪くなる。
【0023】ここで言う、「メディアン径」とは、水中
での粒子径を動的光散乱法で測定した場合の、累積体積
平均径で、例えば、日機装(株)製マイクロトラックU
PA粒度分布計で測定された値から求めたものである。
この測定装置では、測定する分散液の粘度が水の粘度と
異なる場合、測定された見かけ上の粒子径は、粘度に比
例する関数であるため、測定された粒子径を粘度で割っ
た値と定義した。
【0024】このエマルジョン型ポリマー(E)は、感
圧性接着剤組成物の有効固形成分を100重量%とした
とき、50〜100重量%含まれるのが好ましく、さら
に好ましくは70〜100重量%である。50%重量未
満であると、十分に水の通り道が形成できず離解性が悪
くなる。
【0025】エマルジョン型ポリマー(E)は感圧接着
能力を有すために、ガラス転移温度が−10℃以下であ
る必要がある。さらに好ましくは−20℃以下である。
最も好ましくは−30℃以下の時である。ガラス転移温
度が−10℃を越えると、感圧性接着剤として十分な接
着力を発現できない。
【0026】ここで言うガラス転移温度とは、示差走査
熱量計(たとえば、セイコー電子工業(株)製のDSC
6200)により測定されたものである。測定するエマ
ルジョン型ポリマーによっては、ガラス転移点が複数現
れるものがあるが、熱量の一番大きな変化があった最大
傾斜部分の接線との接点を、そのポリマーのガラス転移
温度とした。
【0027】上記のようなエマルジョン型ポリマー
(E)を製造する場合、(メタ)アクリル基などのα、
βエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを、水中
でラジカル乳化重合するか、または有機溶剤中でラジカ
ル分散重合を行うのが簡便で望ましい。特に好ましく
は、乳化重合で製造する場合である。
【0028】また、前記官能基を一部または全部有さな
いポリマーをあらかじめ合成した後、当該ポリマーを前
記官能基を有する化合物で変性することにより、前記官
能基を有するポリマー(E)を製造することも可能であ
る。
【0029】エマルジョン型ポリマー(E)は、アルコ
ール性水酸基量が1.80mmol/g〜3.00mm
ol/g、かつカルボキシル基量が0.00mmol/
g〜0.30mmol/g、かつスルホン酸基量が0.
12mmol/g〜0.40mmol/gであることが
好ましい形態である。さらに好ましくはアルコール性水
酸基量が2.00mmol/g〜2.50mmol/
g、かつカルボキシル基量が0.00mmol/g〜
0.20mmol/g、かつスルホン酸基量が0.15
mmol/g〜0.30mmol/gの場合である。エ
マルジョン型ポリマー(E)に含まれるこれら官能基
は、それぞれの官能基を有するラジカル重合可能なモノ
マー類と、これら官能基を有さないモノマー類の混合物
を乳化重合または分散重合することで導入できる。
【0030】アルコール性水酸基量が1.80mmol
/g未満の場合、水離解性が悪くなり好ましくなく、
3.00mmol/gを越えると、分散安定性の良いエ
マルジョンを製造することができなくなり、激しい高粘
度になる場合や、ゲル化する場合があり好ましくない。
また、接着力も低くなることがある。
【0031】カルボキシル基は、親水性の被着体に対す
る接着力を上げるため必要に応じて導入されるが、0.
30mmol/gを越えると、基材にカルシウム塩を含
む紙類を用いた場合、湿熱環境下での接着力低下度が非
常に大きくなり好ましくない。
【0032】スルホン酸基量が0.12mmol/g未
満の場合、水離解性が悪くなり好ましくなく、0.40
mmol/gを越えると、分散安定性の良いエマルジョ
ンを製造することができなくなり、激しい高粘度になる
場合や、ゲル化する場合があり好ましくない。また、接
着力も低くなることがある。
【0033】エマルジョン型ポリマー(E)にアルコー
ル性水酸基を与えるモノマーとしては、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、グ
リセロールメタクリレートなどのアルコール性水酸基を
含有するモノマー類が挙げられるが、必ずしもこれらに
限定されるわけではなく、アルコール性水酸基を1つ以
上含み、ラジカル重合可能なモノマーならばどのような
ものでもかまわない。このうち好ましいのは分子量が2
00以下のアルコール性水酸基を含有するモノマーの場
合であり、特に好ましくは2−ヒドロキシエチルアクリ
レートの場合である。これらは、2種以上同時に用いて
も良い。
【0034】エマルジョン型ポリマー(E)にカルボキ
シル基を与えるモノマーとしては、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、
アクリル酸のマイケル付加型2量体、アクリル酸のカプ
ロラクトン付加物、またはこれらのアルカリ金属塩が挙
げられるが、必ずしもこれらに限定されるわけではな
く、カルボキシル基またはそのアルカリ金属塩類を1つ
以上含み、ラジカル重合可能なモノマーならばどのよう
なものでもかまわない。これらは、2種以上同時に用い
ても良い。
【0035】エマルジョン型ポリマー(E)にスルホン
酸基を与えるモノマーとしてはビニルスルホン酸、アリ
ルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−スルホエチル
メタクリレート、2−スルホブチルメタクリレート、ス
チレンスルホン酸、スルホフェニルアリルエーテル、ス
ルホフェニルメタリルエーテル、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有
するモノマー類、またはこれらのアンモニア塩、有機ア
ミン塩、アルカリ金属塩類が挙げられるが、必ずしもこ
れらに限定されるわけではなく、スルホン酸基またはス
ルホン酸塩を1つ以上含み、ラジカル重合可能なモノマ
ーならばどのようなものでもかまわない。このうち好ま
しいのは、2−スルホエチルメタクリレート、2−スル
ホブチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸またはこれらの塩類の場合であ
る。さらに好ましくは2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸またはこれの塩を共重合した場合で
ある。これらは、2種以上同時に用いても良い。
【0036】エマルジョン型ポリマー(E)に重合され
るその他のモノマーとしては、メチル(メタ) アクリ
レ−ト、エチル(メタ) アクリレ−ト、n−プロピル
(メタ) アクリレ−ト、i−プロピル(メタ) アクリ
レ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、i−ブチル
(メタ) アクリレ−ト、tert−ブチル(メタ)ア
クリレ−ト、アミル(メタ) アクリレ−ト、ヘキシル
(メタ) アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ) アク
リレ−ト、ヘプチル(メタ) アクリレ−ト、オクチル
(メタ) アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレ−ト、ノニル(メタ) アクリレ−ト、デシル
(メタ) アクリレ−ト、ドデシル(メタ)アクリレ−
トなどのアルキル鎖の炭素数1から13の(メタ) ア
クリル酸アルキルエステル類、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエンなどのモノビニリデン芳香族
類、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン
モノマ−類が挙げられるが、ラジカル重合可能なモノマ
ーならばどのようなものでもかまわなく、使用される種
類に制限はない。これらは先に述べた、アルコール性水
酸基を有するモノマー、スルホン酸基を有するモノマ
ー、必要に応じてカルボキシル基を有するモノマーと共
重合した場合、ガラス転移温度が−10℃以下になるよ
うな組み合わせを選ぶ必要がある。このうち、アルキル
鎖の炭素数1から8の(メタ) アクリル酸アルキルエ
ステル類が共重合されるのが好ましい。
【0037】ここで、(メタ) アクリル酸とはメタク
リル酸、アクリル酸、(メタ)アクリレートとは、メタ
クリレート、アクリレート、(メタ)アリルとは、メタ
リル、アリルの意味である。
【0038】さらに、エマルジョン型ポリマー(E)
に、内部架橋をもたらすために不飽和二重結合を2個以
上含有するモノマー、例えばジビニルベンゼン、ポリエ
チレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジアリルフタレー
トなども5重量%以下であれば使用することが可能であ
る。
【0039】さらにまた、エマルジョン型ポリマー
(E)の分子量を調整するために連鎖移動剤、例えばオ
クチルチオグリコレート、t−ドデシルメルカプタン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を1重量
%以下使用したり、次亜燐酸ナトリウムを5重量%以下
使用したりすることもできる。
【0040】本発明において使用するエマルジョン型ポ
リマー(E)を乳化重合にて製造する場合には、界面活
性剤、または場合によっては水溶性保護コロイドが適宜
用いられる。
【0041】界面活性剤としては、ノニオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、又
は両性界面活性剤等をそれぞれ単独で、又は各種組み合
わせて使用することができ、共重合に供される全モノマ
ーに対して0.1〜10重量%使用することが好まし
い。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエ
ーテル類、ソルビタン高級脂肪酸エステル類、グリセリ
ン高級脂肪酸エステル類等が挙げられる。アニオン系界
面活性剤としては、高級脂肪酸塩類、アルキル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩類、アルキルスルホコハク酸エステル塩等が挙
げられる。カチオン系界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩類、アルキル第4級アンモニウム塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類等が挙げられる。両性界面
活性剤としては、アミノ酸等が挙げられる。さらに界面
活性能を有し、かつアリル基、プロペニル基、アクリロ
イル基、メタクリロイル基、マレイン酸基の様な共重合
性二重結合を持った反応性の界面活性剤を使用しても構
わない。
【0042】このうち、アニオン系またはアニオン系と
ノニオン系の併用が機械安定性、重合安定性、重合釜の
劣化防止等の点で好ましい。
【0043】更に、保護コロイドとしてポリビニルアル
コールおよびその誘導体、セルロース誘導体、ポリアク
リル酸オリゴマー、ポリビニルピロリドン等の水溶性高
分子を使用することができる。
【0044】本発明においては、ラジカル重合開始剤と
して水溶性、油溶性のどちらを用いても両者を用いても
構わない。水溶性の開始剤としては、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ターシャリーブチル
ハイドロパーオキサイド等の水溶性の過酸化物、アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド等の水
溶性アゾ化合物が挙げられ、油溶性の開始剤としてはベ
ンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートなどの油溶性過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)等の油溶性アゾ化合物が挙げられるが必ずしも
これらに限定されるわけではなく、ラジカル重合開始剤
として働き、乳化重合に悪影響を与えないものならばど
の様なものを用いても構わない。これらは、2種以上用
いても良い。このうち特に好ましくは過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩を使用する場合であ
る。
【0045】さらに必要に応じ、ロンガリット、アスコ
ルビン酸、ジメチルアニリンなどの還元剤を用いてレド
ックス系にしても構わない。
【0046】ラジカル重合開始剤の量は、全α,β−エ
チレン性不飽和モノマー100重量部に対し、0.01
重量部から10重量部とすればよい。特に好ましくは
0.1重量部以上3重量部以下である。0.01重量部
未満であると転化率が低くなり、10重量部以上である
と凝集物を発生する場合がある。
【0047】本発明において、主成分となるエマルジョ
ン型ポリマー(E)を製造するには、公知の方法に準じ
て水中に重合開始剤、モノマー及び界面活性剤を存在さ
せて乳化し重合させるという一括仕込み法を用いても良
いし、また界面活性剤及び重合開始剤が存在する水中に
モノマーを滴下するという方法や、あらかじめモノマ
ー、界面活性剤、水を混合乳化したプレ乳化液を、重合
開始剤を溶解させた水中へ滴下する方法を採用しても構
わない。
【0048】本発明の感圧性接着剤組成物には、初期接
着力の向上、または特定基材への接着力の向上を目的と
して、粘着付与剤を含有することもできる。例えば、ロ
ジン樹脂、フェノール樹脂、ポリテルペン、アセチレン
樹脂、石油系炭化水素樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
体、合成ゴム、天然ゴム等を粘着付与剤として感圧性接
着剤組成中に30重量%以下含有してもよい。
【0049】更には、本発明の感圧性接着剤組成物に
は、必要に応じて種々の添加剤を含有することができ
る。例えば、消泡剤、中和剤、可塑剤、湿潤剤、増粘
剤、充填剤、架橋剤、着色剤、防腐剤、防黴剤、溶剤等
が挙げられる。
【0050】本発明の感圧性接着剤組成物は、塗工適性
を考慮すると、不揮発分は20〜60重量%であること
が好ましく、30〜50重量%であることがより好まし
く、かかる範囲において、BL型粘度計60rpm、#
4ローター使用したときの粘度は、3000〜1000
0mPa・sであることが好ましく、4000〜600
0mPa・sであることがより好ましい。また、pHは
経時保存安定性、作業環境性の観点から4〜9であるこ
とが好ましく、6〜8であることがより好ましい。
【0051】本発明の感圧性接着剤組成物は、紙・水溶
性フィルムなどの基材に塗工して感圧性接着剤塗工物を
得ることが可能である。紙としては、上質紙、スーパー
コート紙、グロス紙、クラフト紙などが挙げられ、水溶
性フィルムとしてはポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体のフ
ィルム等が挙げられる。本発明の感圧性接着剤塗工物
は、公知の方法で塗工でき、例えばコンマコーターある
いはリバースコーター等を用いて感圧性接着剤組成物を
紙へ直接又は転写塗工するか、あるいは基材として水溶
性フィルムを用いる場合には転写塗工することにより得
ることができる。尚、転写塗工とは、剥離材上に感圧性
接着剤組成物を塗工し、乾燥した後に感圧性接着剤組成
物層上に基材を積層する方法である。かかる感圧性接着
剤塗工物上の感圧性接着剤組成物層の塗工量は乾燥重量
で5〜100g/m2であることが好ましく、さらに1
5〜60g/m2 であることが好ましい。
【0052】本発明の感圧性接着剤塗工物は、離型紙/
感圧性接着剤/基材の順で積層されたシート状のもので
も構わないし、片面に離型性能を持たせた基材を利用し
て、ロール状に巻いたものでも構わない。シート状の感
圧性接着剤塗工物は、感圧性接着面とは逆の面に手書
き、または印刷で字や絵を施し、各種ラベルとして使用
できる。ロール状の感圧性接着剤塗工物は、シート状の
場合と同様の用途に用いることができるほか、感圧性接
着テープとして使用できる。
【0053】本発明の感圧性接着剤塗工物は、雑誌、段
ボール、オフィス用紙、葉書、封書等の紙と共に古紙と
して回収された後、人手で分離することなくそのまま水
によって離解することができる。感圧性接着剤塗工物の
紙基材は他の紙繊維と共に再生され、また基材が水溶性
フィルムの場合には溶解し、濾液として分離すればよ
い。そして、感圧性接着剤塗工物上の感圧性接着剤組成
物は、紙の繊維と共に水によって離解することができ
る。
【0054】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらに限定されるものでは
ない。また、例中の部、割合は特に断らない限り、すべ
て固形分重量を示すものとする。
【0055】「製造例1」(エマルジョン型ポリマー
(E−1)の合成および感圧性接着剤(N−1)の調
製) 2−エチルヘキシルアクリレート67部 メチルメタクリレート1部 2−スルホエチルメタクリレートのナトリウム塩5部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部 2−ヒドロキシエチルアクリレート25部 アニオン系界面活性剤(25%水溶液) 20部 イオン交換水 70部 を混合し緩やかに攪拌してモノマー混合乳化液を調整
し、滴下槽に仕込んだ。一方反応槽に、イオン交換水:
70部を仕込み、窒素を50ml/分で吹き込みながら
80℃に加熱する。過硫酸アンモニウム(5%水溶液)
3部を反応槽に仕込み、上記のモノマー混合乳化液と、
過硫酸アンモニウム(5%水溶液)7部とを同時にそれ
ぞれ反応槽に2時間かけて滴下し重合を行った。つい
で、反応温度を60℃に下げ、ターシャリーブチルハイ
ドロパーオキサイド(6.3%水溶液)1.6部とアス
コルビン酸2.0部(5%水溶液)を3回に分けて30
分毎に添加し、反応を終了し、不揮発分40%のエマル
ジョン型ポリマー(E−1)の水分散体を得た。続い
て、ホモミキサーで攪拌しながらエマルジョン型ポリマ
ー(E−1)を10%苛性ソーダでpH7〜8に調製
し、さらに消泡剤、濡れ改良剤を添加して感圧性接着剤
(N−1)を得た。
【0056】「製造例2〜9」(エマルジョン型ポリマ
ー(E−2)〜(E−9)の合成、および感圧性接着剤
(N−2)〜(N−7)の調製)
【0057】
【表1】
【0058】表1に示すモノマー処方にて合成例1と同
様にして、不揮発分40%のエマルジョン型ポリマー
(E−2)〜(E−9)の水分散体を得た。しかし、こ
のうち(E−4)、(E−6)、(E−7)は重合中に
非常に高粘度になり、感圧性接着剤として使用できるも
のではなかった。続いて、ホモミキサーで攪拌しながら
それぞれのエマルジョン型ポリマーを10%苛性ソーダ
でpH7〜8に調製し、さらに消泡剤、濡れ改良剤を添
加して、それぞれ感圧性接着剤(N−2)〜(N−7)
を得た。表中の略字は、以下の通りである。 2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート MMA:メチルメタクリレート AA:アクリル酸 C−AA:アクリル酸のカプロラクトン付加物(東亞合
成(株)製、商品名:アロニックスM−5300、カプ
ロラクトンの平均付加モル数:約2、酸化:187mg
KOH/g) SEMA・Na:2−スルホエチルメタクリレートのナ
トリウム塩 AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート 以上、各エマルジョン型ポリマーのポリマー1gあたり
のアルコール性水酸基量、カルボキシル基量、スルホン
酸基量を表2に示した。
【0059】得られた感圧性接着剤(N−1)〜(N〜
7)を用いて、それぞれ以下の測定を行った。
【0060】「ガラス転移温度の測定」得られた感圧性
接着剤を、DSC測定用アルミパンに所定量取り、10
0℃で2分乾燥した後、1日真空乾燥を行った。このサ
ンプルに封をし、セイコー電子工業(株)製の示差走査
熱量計DSC6200で−120℃から150℃まで昇
温しながら熱量の変化を追った。得られた温度−DSC
チャートから最大傾斜点に接線を引き、その接点をその
ポリマーのガラス転移温度とした。
【0061】「1%粘度の測定」得られた感圧性接着剤
を、エマルジョン型ポリマーの構成モノマーが、1重量
%含まれている割合まで希釈し、20℃で1日放置し
た。その希釈した感圧性接着剤に、山一電機(株)製D
IGITAL VISCOMATE VM−100振動
式粘度計のプローブを浸して測定した。
【0062】「メディアン径の測定」まず、上記と同様
に1重量%に希釈したサンプルを使用して20℃の環境
下、日機装(株)製マイクロトラックUPA粒度分布計
を用いることにより累計体積平均径D50値を求めた。
この値を、上記の「1%粘度」で割ることにより、実際
のメディアン径を求めた。
【0063】以上、感圧性接着剤(N−1)〜(N〜
7)のガラス転移温度(Tg)、1%粘度およびメディ
アン径を表2に示した。
【0064】「実施例1」(感圧性接着剤塗工物の作
製) 粘着付与剤として重合ロジンエステルの水分散体(荒川
化学工業(株)製、商品名:スーパーエステルE−65
0、固形分:50%)を、感圧性接着剤(N−1)に含
まれるエマルジョン型ポリマー(E−1)100%に対
して、固形分換算で5%加え、必要に応じて増粘剤と水
を用い、粘度を4000〜5000mPa・sに調整し
た。かかる感圧性接着剤組成物を、再生紙化できるよう
に設計されている市販のグラシン紙離型紙上に塗工し
(塗工量:30±1g/m2 )、100℃のオーブンで
2分乾燥した後、市販の上質紙<55>を張り合わせ感
圧性接着剤塗工物を作製した。
【0065】「実施例2〜4、比較例2、5、6」表2
に示す処方にて粘着剤組成物を得、実施例1と同様にし
て粘着シートを作製した。
【0066】実施例1〜4、比較例1、4、5で得た粘
着シートについて、下記の通り粘着物性試験、水離解性
試験等を行い、その結果を表3に示した。
【0067】「初期接着力の測定」試験片を25mm×
100mmに切断しグラシン紙セパレーターを剥がした
後、JIS Z−0237で規定される圧着装置を用い
てSUS304板上に圧着し、圧着直後に、テンシロン
引っ張り試験機を用いて、180°ピール強度を求めた
(引っ張り速度:300mm/分)。
【0068】「熱経時後初期接着力の測定」試験片を2
5mm×100mmに切断し、70℃のオーブンに1週
間放置した。その後室温に戻し、グラシン紙セパレータ
ーを剥がした後、JIS Z−0237で規定される圧
着装置を用いてSUS304板上に圧着し、圧着直後
に、テンシロン引っ張り試験機を用いて、180°ピー
ル強度を求めた(引っ張り速度:300mm/分)。
【0069】「湿熱経時後初期接着力の測定」試験片を
25mm×100mmに切断し、60℃、湿度95%の
恒温恒湿装置に3日間放置した。その後室温に戻し、グ
ラシン紙セパレーターを剥がした後、JIS Z−02
37で規定される圧着装置を用いてSUS304板上に
圧着し、圧着直後に、テンシロン引っ張り試験機を用い
て、180°ピール強度を求めた(引っ張り速度:30
0mm/分)。
【0070】「保持力の測定」JIS Z−0237に
準じて貼付面積を25mm×25mmとして、40℃−
1kgの荷重にて、粘着テープが落下するまでの時間を
最大70000秒まで計測した。また70000秒保持
したものは、その接着部分のズレを測った。
【0071】「水離解性試験及び再生紙抄紙試験」実施
例1〜4、比較例2、5、6で得た粘着シート:1.6
gをできるだけ細かく千切り水道水130gと共に、家
庭用ミキサー(700ml容量)で5000rpm−5
分間撹拌した後、水道水を加え0.15%の濃度のスラ
リーを得た。ついで、内径16cmの鋼管中に150メ
ッシュの金網を固定し、該金網の下部に水を張り、金網
上に希釈した上記スラリーを抄き、金網上に湿紙を得
た。
【0072】かかる湿紙上にほぼ同じ大きさの濾紙を重
ね、さらに吸水濾紙を網の下に3枚重ねた後、この上に
厚手の金属板を乗せ、該金属板上をコーチロール(直径
102mm、面長177.8mm、質量13kg)で5
回往復する。吸水濾紙を除き、湿紙を濾紙ごと金網から
剥がし、湿紙の金網に接していた方の面を金属板に接触
させ、新たに濾紙上に吸水濾紙3枚を重ねて3.5kg
/cm2 の圧力で5分間脱水する。最後に圧をかけずに
120℃−100秒乾燥し、濾紙、吸水濾紙を剥がし再
生紙を得る。一連の操作において、金網からの剥離性、
濾紙からの剥離性、得られた再生紙のべたつき・滑りを
評価した。
【0073】尚、上記の評価試験では、紙再生に対する
粘着剤組成物の混入の影響をはっきり評価すべく、紙を
基材とする粘着シート(粘着塗工物)のみから紙繊維を
回収し、紙を再生したものである。
【0074】(金網からの剥離性) ○:良好。 ×:金網にパルプが取られる。
【0075】(濾紙からの剥離性) ○:スムーズに取れる。 △:剥離が重い。 ×:再生紙が破れる。
【0076】(再生紙のべたつき) ○:べたつきなく滑る。 △:べたつかないが湿潤感有り。 ×:べたつく。
【0077】
【表2】
【0078】表中※:分散安定性の良いエマルジョン型
ポリマーが得られなかった
【0079】
【表3】
【0080】上記のように、比較例1、4はそれぞれア
ルコール性水酸基量、スルホン酸基量が多く、分散安定
性の良いエマルジョン型ポリマーが得られなかった。ま
た、比較例2、3、5は、1%希釈時の粘度が2mPa
・s未満であるため、離解性が悪かった。特に、比較例
3はカルボキシル基量が本発明の範囲を超えているた
め、特に熱経時、湿熱経時での接着力の低下が激しかっ
た。また、比較例6は、1%希釈時の粘度が2mPa・
s以上で離解性は非常によかったが、ガラス転移温度が
高いため接着力が著しく低かった。
【0081】これに対し、実施例1〜3は、1%希釈時
の粘度が2mPa・s以上であるため、離解性が良く、
さらに特定の官能基量が、相応しい量であるため、安定
なエマルジョン型ポリマーが得られ、初期接着力も高
く、さらに接着力の熱経時、湿熱経時低下率が小さかっ
た。
【0082】
【発明の効果】従って、本発明によって、使用時には十
分な粘着強度を有しながら、過乾燥状態でも接着力の低
下がなく、古紙回収後にタックラベルシ−トを人手によ
って分離せずに、タックラベルシ−トが混入した状態で
再生紙を製造する場合においても、中性水で紙繊維と共
に粘着剤を簡単に離解でき、離解した粘着剤が紙繊維上
に残り難く、仮に残存しても再生紙を製造する工程にお
いて使用する抄紙機の機材、例えば網、脱水のための毛
布、濾紙などからべたつくことなく容易に紙繊維を回収
でき、表面がべたつかない滑りの良好な紙を再生し得る
感圧性接着剤組成物、感圧性接着剤塗工物、および紙の
再生方法を提供することができるようになった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス転移温度が−10℃以下のエマルジ
    ョン型ポリマー(E)を含む水分散性感圧性接着剤組成
    物であって、前記エマルジョン型ポリマー(E)が全体
    の1重量%になるように水で希釈時の20℃における粘
    度が2mPa・s以上であることを特徴とする水分散性
    感圧性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】エマルジョン型ポリマー(E)のメディア
    ン径が700nm以上であることを特徴とする請求項1
    記載の感圧性接着剤組成物。
  3. 【請求項3】エマルジョン型ポリマー(E)の、アルコ
    ール性水酸基量が1.80mmol/g〜3.00mm
    ol/g、かつカルボキシル基量が0.00mmol/
    g〜0.30mmol/g、かつスルホン酸基量が0.
    12mmol/g〜0.40mmol/gである請求項
    1または2記載の感圧性接着剤組成物。
  4. 【請求項4】エマルジョン型ポリマー(E)には、2−
    ヒドロキシエチルアクリレートが20〜50%共重合さ
    れていることを特徴とする請求項1または3いずれか記
    載の感圧性接着剤組成物。
  5. 【請求項5】水と、請求項1ないし4いずれか記載の感
    圧性接着剤組成物とからなる感圧性接着剤組成物。
  6. 【請求項6】基材上に請求項5記載の感圧性接着剤組成
    物を塗工してなる感圧性接着剤塗工物。
  7. 【請求項7】請求項1ないし5いずれか記載の感圧性接
    着剤組成物含む紙類を水に浸漬するか、又は該紙類に水
    をかけることによって、前記紙類に含まれる紙繊維を離
    解させることを特徴とする、紙繊維の回収方法。
JP2001041314A 2001-02-19 2001-02-19 感圧性接着剤組成物およびそれを用いた感圧性接着シート Withdrawn JP2002241731A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001041314A JP2002241731A (ja) 2001-02-19 2001-02-19 感圧性接着剤組成物およびそれを用いた感圧性接着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001041314A JP2002241731A (ja) 2001-02-19 2001-02-19 感圧性接着剤組成物およびそれを用いた感圧性接着シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002241731A true JP2002241731A (ja) 2002-08-28

Family

ID=18903773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001041314A Withdrawn JP2002241731A (ja) 2001-02-19 2001-02-19 感圧性接着剤組成物およびそれを用いた感圧性接着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002241731A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100350068C (zh) * 2004-04-19 2007-11-21 梁一明 交直流电弧金属喷涂方法
CN100362070C (zh) * 2006-01-13 2008-01-16 济南大学 一种羟基丙烯酸酯共聚物胶粘剂及其制备方法与应用
JP2009138152A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 剥離型水性粘着剤組成物、剥離型粘着剤及びそれを用いた養生用粘着シートまたはテープ
JP2009256481A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The エマルジョン型粘着剤組成物および粘着シート
JP2012017467A (ja) * 2011-09-06 2012-01-26 Nitto Denko Corp 水分散型粘着剤組成物及び粘着シート

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100350068C (zh) * 2004-04-19 2007-11-21 梁一明 交直流电弧金属喷涂方法
CN100362070C (zh) * 2006-01-13 2008-01-16 济南大学 一种羟基丙烯酸酯共聚物胶粘剂及其制备方法与应用
JP2009138152A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 剥離型水性粘着剤組成物、剥離型粘着剤及びそれを用いた養生用粘着シートまたはテープ
JP2009256481A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The エマルジョン型粘着剤組成物および粘着シート
JP2012017467A (ja) * 2011-09-06 2012-01-26 Nitto Denko Corp 水分散型粘着剤組成物及び粘着シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5536800A (en) Repulpable pressure-sensitive adhesive compositions
US5196504A (en) Repulpable pressure-sensitive adhesive compositions
JP3640921B2 (ja) 合成樹脂エマルジョン、それを含んでなる易水膨潤性粘着剤組成物、および合成樹脂エマルジョンの製造方法
US6368707B1 (en) Heat-sensitive adhesive sheet
US5612137A (en) Repulpable splicing tape
JP2000517354A (ja) 少量のスチレンを有する感圧接着剤
JP2622354B2 (ja) 水に再分散性の感圧接着剤用ポリマーの製造法およびそれから製造された接着剤
JPH0684490B2 (ja) 再剥離性粘着剤組成物
JP3670049B2 (ja) ディレードタック型粘着剤組成物
JP2000281999A (ja) 再剥離型感圧接着剤組成物
JPH115959A (ja) 感熱粘着剤組成物及び感熱粘着シート
JP2002241731A (ja) 感圧性接着剤組成物およびそれを用いた感圧性接着シート
JPH08231936A (ja) 合成再湿型接着剤
JPH06145623A (ja) 水分散型アクリル系粘着剤及びこの粘着剤を用いた粘着テープもしくはシート
JP2001011396A (ja) シートの施工方法
JPS6123614A (ja) 高濃度粘着剤組成物及びその製法
JPS5933602B2 (ja) 感圧接着剤の製造方法
JP3500776B2 (ja) 粘着シート
JP2001200235A (ja) 感熱性粘着剤組成物およびその製造方法ならびに感熱性粘着シート又はラベル
JPH04320475A (ja) 水性分散型粘着剤組成物
JPH06128543A (ja) 水分散型アクリル系粘着剤の製造方法及び水分散型アクリル系粘着剤並びに粘着テープもしくはシート
JPH11172218A (ja) 粘着剤組成物及びその利用
JP2601481B2 (ja) 水性分散型アクリル系感圧接着剤組成物
JP3487985B2 (ja) アクリル系水性感圧接着剤組成物
JPH0136512B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061002

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080829