JP3500776B2 - 粘着シート - Google Patents

粘着シート

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JP3500776B2
JP3500776B2 JP14739495A JP14739495A JP3500776B2 JP 3500776 B2 JP3500776 B2 JP 3500776B2 JP 14739495 A JP14739495 A JP 14739495A JP 14739495 A JP14739495 A JP 14739495A JP 3500776 B2 JP3500776 B2 JP 3500776B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着シートに関し、特
に粘着剤の塗布量が少なくても十分な粘着性能を発揮
し、さらに高湿度下での保存性にも優れた粘着シートに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】粘着シートはラベル、シール、ステッカ
ー、ワッペン等として、商業用、事務用、家庭用など広
範囲な用途に使用されている。一般に粘着シートは表面
基材、粘着剤、剥離シートが積層して構成されるもので
ある。表面基材には紙、フィルム、合成紙、金属フォイ
ル等が用いられ、剥離シートにはグラシン紙のような高
密度紙、クレーコート紙、ポリラミ紙等の剥離シート原
紙にシリコーン化合物や弗素化合物等の剥離剤を塗布し
たものが使用されている。粘着剤には溶剤型粘着剤、エ
マルション型粘着剤、ホットメルト型粘着剤等がある
が、防災上および労働衛生上の観点から、近年エマルシ
ョン型粘着剤が多く使用されるようになってきた。
【0003】しかし、エマルション型粘着剤は、粘着
力、接着力および凝集力という粘着剤に必要な基本性能
が溶剤型粘着剤より劣る傾向にある。そのため、高品質
の粘着シートを製造する際、エマルション型粘着剤は溶
剤型粘着剤より粘着剤の塗布量を多くする必要があり、
例えば一般的なエマルション型粘着剤の場合、22〜2
7g/m2 程度の塗布量となり、コストが割高になって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、粘着剤
の塗布量が少量でも十分な性能を有する粘着剤を研究し
たが、表面基材として基材中に炭酸カルシウム等の金属
化合物が含まれている上質紙、クラフト紙、アート紙、
あるいはキャスト塗被紙等や合成紙を用いると、粘着シ
ートの構成で高温高湿下に保存すると粘着性能が著しく
低下するという難点や粘着剤が紙基材中にしみ込んでし
まい十分な粘着性能を発揮し得ないということが分かっ
た。上記のような実状から、本発明は粘着シートを高湿
度下で保存しても粘着性能の低下が少なく、さらに粘着
剤の塗布量が少なくても十分な粘着性能を発揮し、かつ
表面基材と粘着剤との密着性を向上させて被着体に粘着
剤が残らず、作業適性および品質特性の極めて優れた粘
着シートを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面基材、粘
着剤層、および剥離シートを積層してなる粘着シートに
おいて、粘着剤層を形成する粘着剤が、下記(a)〜
(d)のモノマー組成からなる共重合体に粘着付与剤お
よび金属イオン封鎖剤を添加したことを特徴とする粘着
シートである。 (a)アクリル酸ブチル : 50〜85重量% (b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(アルキル基の炭素数6〜 18) : 10〜40重量% (c)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー : 0.1〜3重量% (d)これらの単量体と共重合可能な他のモノマー : 1〜10重量%
【0006】更に本発明は、該粘着シートの表面基材の
裏面に、コロイダルシリカの存在下でエチレン性不飽和
モノマーを共重合させ、Si−O−R(R:重合体成
分)結合を有する成分を含有する複合体樹脂を主成分と
する樹脂層を設けた粘着シート、表面基材の裏面に、ウ
レタン系アイオノマー樹脂を主成分とする樹脂層を設け
た粘着シートである。
【0007】
【作用】本発明における粘着剤は、このような特定のモ
ノマーを特定の割合で共重合したアクリル系共重合体に
粘着付与剤、金属イオン封鎖剤を添加したものを使用す
ると、粘着シートを高温高湿下に保存しても粘着性能の
低下が少なく、さらに粘着剤の塗布量を減らしても粘着
性能の低下を来さないのである。
【0008】(a)アクリル酸ブチルを主成分に用いる
と、各種被着体に対する濡れ性が向上し、粘着性能が著
しく向上するので好ましい。因みに、アクリル酸ブチル
が50重量%未満の使用では、粘着力、接着力が乏し
く、85重量%を越えての使用は、粘着剤の凝集力が不
十分となり、粘着シートとしての性能が低下する恐れが
あるので50〜85重量%の範囲で共重合体される。
【0009】(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルモノマー(アルキル基の炭素数6〜18)としては、
例えば(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル
酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。こ
れらモノマーの共重合体中に占める割合は、10〜40
重量%の範囲で共重合される。因みに、10重量%未満
では粘着力が乏しく、40重量%を越えると、接着力や
凝集力が不十分となり、粘着シートとしての性能が低下
し易い。
【0010】(c)エチレン性不飽和カルボン酸含有モ
ノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、フマル酸、モノアルキルマレイ
ン酸、モノアルキルイタコン酸、モノアルキルフマル酸
等が挙げられる。これらのモノマーの共重合体中に占め
る割合は、0.1〜3重量%の範囲で共重合される。因
みに、0.1重量%未満では粘着力が乏しく、3重量%
を越えると、粘着シートの保存性が不十分となり、粘着
シートとしての性能低下の恐れがある。
【0011】(d)上記アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル単量体(アルキル基の炭素数
6〜18)、およびエチレン性不飽和カルボン酸含有単
量体と共重合可能な他のモノマーとしては、例えば(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジ
メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、スチレン、ジビニルベンゼン、エチレン、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス
(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらのモノマ
ーの共重合体中に占める割合は、1〜10重量%の範囲
で共重合される。
【0012】なお、これらの共重合可能な他のモノマー
(d)の中でも、特に(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド等が架橋性、ガラス転移温度の調節、粘着性能等の面
から好ましい。
【0013】粘着剤用共重合体の製造方法については、
特に限定されるものではないが、上記各モノマーを、
水、乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤、分散剤等の存在
下でエマルション重合する方法で製造するのが好まし
い。特に、重合性のノニオン系乳化剤を使用すると、共
重合体の分子量が大きくなり粘着シートを高温高湿下に
保存した際の粘着性能の低下を抑制できるので好まし
い。
【0014】なお、重合時のモノマー濃度は、通常30
〜70重量%、好ましくは40〜60重量%程度が適当
である。また、重合の際に用いる重合開始剤としては、
例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩、2,2' −アゾビスイソブチロニトリル、2,2'
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のア
ゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、
ラウリルパーオキサイド等の過酸化物、過硫酸アンモニ
ウムと亜硫酸ソーダ、酸性亜硫酸ソーダ等との組合わせ
からなる、所謂レドックス系の重合開始剤等が挙げられ
る。上記の重合開始剤の使用量は、通常重合に供する単
量体全量に対して、0.2〜2重量%、より好ましくは
0.3〜1重量%程度とするのが望ましい。
【0015】さらに、重合に際して添加する連鎖移動剤
としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタ
ン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のア
ルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チ
オグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチル
ヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘ
キシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフ
ェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−
イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等を挙げること
ができる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4
−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル
−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等を使用
した場合には、得られる共重合体が低臭気となり好まし
い。なお、連鎖移動剤の使用量は、重合させる全単量体
の0.001〜3重量%の範囲で調節される。重合反応
は、通常60〜100℃の温度条件下、2〜8時間程度
行われる。
【0016】本発明は、粘着剤として上記のようにして
得られたアクリル酸エステル共重合体に、粘着付与剤と
金属イオン封鎖剤を添加したものを使用する。粘着付与
剤は、粘着力や接着力を向上させる助剤である。例えば
ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、グリセリンエス
テルロジン、完全水添ロジン、ペンタエリスリトールエ
ステルロジン、α−ピネンの重合体、β−ピネンの重合
体、ジペンテン重合体、テルペン−フェノール、α−ピ
ネン−フェノール共重合体、脂肪族系炭化水素樹脂(オ
レフィンおよびジオレフィン重合体)、シクロペンタジ
エン樹脂、石油樹脂、フェノール系樹脂(アルキルフェ
ノールおよび変性フェノール)、アルキルフェノール−
アセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチ
レン共重合体等が例示でき、少なくとも1種が添加され
る。中でも好ましいのは、重合ロジン、部分水添ロジ
ン、ペンタエリスリトールエステルロジン、脂肪族系炭
化水素樹脂、石油樹脂であり、特に重合ロジン、部分水
添ロジンが好ましい。配合割合は、アクリル酸エステル
共重合体100重量部に対して5〜50重量部である。
因みに、5重量部未満では、粘着力や接着力を向上させ
る効果に乏しく、50重量部を越えると、逆に粘着力や
接着力が低下する傾向にある。
【0017】金属イオン封鎖剤は、表面基材中に顔料と
して含まれる炭酸カルシウム等の金属イオンと粘着剤中
に含まれるカルボキシル基との架橋反応を阻害し、粘着
力、接着力の低下を防止する為に使用する。例えば、フ
タル酸、コハク酸、シュウ酸、アスパラギン酸等の二塩
基酸、エチレンジアミンテトラミン、トリポリリン酸ナ
トリウム、酸性メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリ
ウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリ
ウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム等の縮
合リン酸塩などが例示でき少なくとも1種が添加され
る。中でも好ましいのは、トリポリリン酸ナトリウム、
酸性メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキ
サメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリ
リン酸カリウム、メタリン酸カリウムである。配合割合
は、アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して
0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜2重量部
である。因みに、0.01重量部未満では粘着力、接着
力の低下を防止する効果に乏しく、10重量部を越える
と逆に金属イオン封鎖剤を添加することで粘着力や接着
力が低下する傾向にある。なお、粘着剤用共重合体には
増粘剤、濡れ剤、レベリング剤、消泡剤等各種助剤を更
に適宜添加してもよい。
【0018】本発明の粘着シートを構成する表面基材と
しては、例えばセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル等のフィルム類、上質紙、アート紙、コート紙、
キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレンラミ
ネート紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フ
ォイル、合成紙等のシート類が挙げられる。
【0019】中でも基材の裏面に、コロイダルシリカの
存在下でエチレン性不飽和モノマーを共重合させ、Si
−O−R(R:重合体成分)結合を有する成分を含有す
る複合体樹脂を主成分とする樹脂からなる下塗り剤を塗
布または含浸したものを使用すると基材への粘着剤の浸
透が効果的に抑制され、粘着剤も使用量を更に減らすこ
とができるので望ましい。
【0020】コロイダルシリカ複合体樹脂の製造方法に
ついては、特に限定されるものではなく、溶液重合法、
塊状重合法、エマルション重合法、懸濁重合法等の重合
法を適宜採用することができるが、α,β−エチレン性
不飽和カルボン酸アルキルエステル(以下、これらをエ
ステル系モノマーともいう。)およびアルケニルベンゼ
ンよりなる群から選ばれる少なくとも一種のモノマー
(a) と、分子内に重合性不飽和二重結合とアルコキシシ
ラン基とを含有するモノマー(b) (以下、これらをシラ
ン系モノマーともいう。)と、コロイダルシリカ(c) と
を、それぞれ固形分換算で、(a) の100重量部に対し
て(b) の0.1〜10重量部と、(c) の1〜200重量
部となるような割合で、陰イオン界面活性剤および/ま
たは非イオン界面活性剤の存在下に、水性溶媒中で乳化
共重合せしめて得られる水性樹脂分散体を含んで成る組
成物が好ましい。
【0021】ここにおいて、エステル系モノマーとして
は(メタ)アクリル酸と炭素数が1〜18なるアルカノ
ールとのエステルなどが挙げられるが、そのうちでも代
表的なものには(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)ア
クリル酸ドデシルまたは(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなどがあり、前記のアルケニルベンゼンとし
て代表的なものにはスチレン、α−メチルスチレンまた
はビニルトルエンなどがある。
【0022】このほか、これらのエステル系モノマーお
よび/またはアルケニルベンゼンと共重合可能なモノマ
ーである(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸またはイタコン酸などの如
きα、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸類の使用も
可能である。
【0023】シラン系モノマーとして代表的なものに
は、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルビス−β−メ
トキシ−エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス−β−メトキシ−エトキシシランまたはγ
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランの如き
ジ−あるいはトリアルコキシシラン系化合物などがあ
る。
【0024】コロイダルシリカとはSiO2 を基本単位
とする水中分散体にして、とくに4〜100μmなる粒
子径を有するものを指標するが、かかるコロイダルシリ
カの分散液の状態としては酸性側および塩基性側のいず
れであっても用いることができ、乳化重合時における諸
条件に応じて適宜選択することができる。
【0025】そして、前記したそれぞれの単量体(a) と
単量体(b) とコロイダルシリカ(c)との共重合割合は、
固形分重量比で100:0.1〜10:1〜200とな
る範囲、好ましくは100:0.5〜5:2〜150と
なる範囲が適当である。なお、重合時のモノマー濃度
は、通常20〜70重量%、好ましくは30〜60重量
%程度が適当である。
【0026】重合の際に用いる重合開始剤としては、例
えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩、2,2' −アゾビスイソブチロニトリル、2,2'
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のア
ゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイ
ド等の過酸化物、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ソーダ、
酸性亜硫酸ソーダ等との組み合わせからなる所謂レドッ
クス系の重合開始剤等が挙げられる。上記の重合開始剤
の使用量は、通常重合に供するモノマー全量に対して
0.2〜2重量%、より好ましくは0.3〜1重量%程
度とするのが望ましい。
【0027】さらに、重合に際して添加する連鎖移動剤
としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタ
ン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のア
ルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チ
オグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチル
ヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘ
キシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフ
ェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−
イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等を挙げること
ができる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4
−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル
−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等を使用
した場合には、得られる共重合体が低臭気となり好まし
い。
【0028】なお、連鎖移動剤の使用量は、重合させる
全単量体の0.001〜3重量%の範囲で調節される。
重合反応は、通常室温〜200℃、好ましくは40〜1
20℃の温度条件下、2〜8時間程度行われる。また、
下塗り剤用共重合体には増粘剤、濡れ剤、レベリング
剤、消泡剤、架橋剤、顔料金属イオン封鎖剤等を適宜添
加してもよい。
【0029】因みに、本発明で用いられるコロイダルシ
リカ複合体樹脂としては、例えば、ヘキスト合成株式会
社製のモビニール8000,8010,8020,80
30,LX−623F4,LX−623F5,LX−6
23F6(商品名),大日本インキ化学工業株式会社製
のVONCOAT DV−823,DV−767,DV
−876,DV−940,DV−759,DV−85
7,DV−804,DV−803,DV−864,DV
−772,DV−1113(商品名)等が商品化されて
いる。
【0030】また、基材の裏面にウレタン系アイオノマ
ー樹脂を主成分とする樹脂からなる下塗り剤を塗布また
は含浸したものを使用すると基材への粘着剤の浸透が効
果的に抑制され、粘着剤も使用量を更に減らすことがで
きるので望ましい。
【0031】ウレタン系アイオノマー樹脂の製造方法に
ついては、特に限定されるものではなく、溶液重合法、
塊状重合法、エマルション重合法、懸濁重合法等の重合
法を適宜採用することができるが、特開平4−1841
4号公報に記載されているように、アイオノマーを分子
内に有し、かつ、分子末端にイソシアネート基を有する
ポリイソシアネートプレポリマーを水に分散させて、さ
らに系内の水と反応させるか、あるいは、ポリアミンを
加えるかして、分散粒子を形成しているポリイソシアネ
ートプレポリマーを鎖伸長ないしは架橋させて高分子量
のウレタン−尿素水分散体粒子を製造する公知の技術に
おいて、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,6−ヘキサンジオールもしくはトリメチロールプロ
パンの如き低分子ポリオール:ポリカプロラクトンポリ
オール、ポリテトラメチレングリコールもしくはポリプ
ロピレングリコールの如きポリマー型ポリオール:ジメ
チロールプロピオン酸もしくはN−メチルジエタノール
アミンの如き酸・塩基モノマーなどに代表される各種ポ
リオールを組み合わせたもの(この場合には、酸または
塩基モノマーの使用は必須である。)とトルエンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートもしくは
イソホロンジイソシアネートの如きジイソシアネートモ
ノマーとを−OHeq/−NCOeq<1という配合比でウ
レタン化反応させて、アイオノマーを分子内に有し、か
つ、分子末端にイソシアネート基を有するポリイソシア
ネートプレポリマーを合成するさいに、各種ポリオール
の組合せの一部として、長鎖炭化水素基を有するポリオ
ールを使用するというような方法によればよい。
【0032】さらにまた、鎖伸長ないしは架橋せしめる
さいに、使用するポリアミン化合物として、長鎖の炭化
水素基を有するポリアミン化合物を使用することもでき
るが、鎖伸長ないしは架橋などに必要量のポロアミン化
合物の量は、基本的に少量であることあから、ポリアミ
ン化合物のみから十分な量の長鎖炭化水素側鎖を導入せ
しめることはできないが、補助的に利用することはでき
る。
【0033】因みに、本発明で用いられるウレタン系ア
イオノマー樹脂としては、大日本インキ化学工業株式会
社製のHYDRAN AP−30(商品名),東邦化学
工業株式会社製のHYTEC U−3001,U−30
02,U−4002(商品名),東亜合成化学工業株式
会社製のネオタン(商品名)等が商品化されている。
【0034】なお、下塗り剤用共重合体には増粘剤、濡
れ剤、レベリング剤、消泡剤、架橋剤、顔料、金属イオ
ン封鎖剤等を適宜添加してもよい。とりわけ、金属イオ
ン封鎖剤を使用すると、表面基材中の金属化合物を封鎖
し、粘着剤と反応を抑制するため、この粘着シートを高
湿度下で保存しても粘着性能の低下を防ぐ。なお、イオ
ン封鎖剤を使用する場合、下塗り層樹脂100重量部に
対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜2
重量部の範囲で配合するとよい。
【0035】下塗り剤用塗液の表面基材への塗布または
含浸の方法については、例えばエアーナイフコーター、
ロールコーター、グラビアコーター、バーコーター、ブ
レードコーター、ロッドブレードコーター、リップコー
ター、カーテンコーター、各種のサイズプレスコーター
等の装置が使用される。下塗り剤の塗布量は乾燥重量で
0.1〜20g/m2 、より好ましくは0.5〜10g
/m2 の範囲で調節される。
【0036】本発明の粘着シートを構成する方法につい
ては、常法に従って、剥離シートの剥離剤表面上に粘着
剤を塗布、乾燥して粘着剤層を設け、この粘着剤層と表
面基材裏面に設けた下塗り剤層面とを貼合わせて仕上げ
られる。なお、粘着剤を塗布する装置としては、例えば
リバースロールコーター、ナイフコーター、バーコータ
ー、スロットダイコーター、エアーナイフコーター、リ
バースグラビアコーター等が適宜使用される。粘着剤の
塗布量は、乾燥重量で5〜30g/m2 、より好ましく
は7〜20g/m2 程度の範囲で調節される。因みに、
5g/m2 未満では、得られる粘着シートの粘着性能が
不十分となり、他方30g/m2 を越えると、粘着剤が
はみ出したり、剥離時に凝集破壊の原因となる恐れがあ
る。
【0037】上記のようにして得られる本発明の粘着シ
ートは、特に高温高湿下に保存しても粘着性能の低下が
少なく、粘着剤の塗布量が少なくても十分な粘着性能を
発揮し、表面基材と粘着剤との密着性を向上させて被着
体に粘着剤を残すことなく、さらに作業適性および品質
特性の優れた粘着シートである。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
なお、例中の塗布量、部数、割合等は全て固形分重量で
示した。
【0039】実施例1 〔粘着剤用共重合体(a)の調製〕乳化単量体混合液を
下記の配合で調製した。アクリル酸ブチル276g、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル100g、アクリル酸4
g、メタクリル酸メチル10g、酢酸ビニル10g、ア
ニオン型乳化剤(商品名:レベノールwz,花王株式会
社製)3g、アニオン型反応性乳化剤(商品名:エレミ
ノールJS−2,三洋化成工業株式会社製)1.5g、
ノニオン型反応性乳化剤(商品名:アデカリアソープN
E−10,旭電化工業株式会社製)1.5g、イオン交
換水170gからなる混合液を調製した。
【0040】次に、攪拌機、クーラー、滴下ロート、窒
素吸い込み管、温度計を付帯した2リットルの四つ口フ
ラスコにイオン交換水240gとアニオン型乳化剤(商
品名:レベノールwz)1g、アニオン型反応性乳化剤
(商品名:エレミノールJS−2)0.5g、ノニオン
型反応性乳化剤(商品名:アデカリアソープNE−1
0)0.5g、過硫酸カリウム0.8gを仕込み、窒素
置換しながら70℃まで昇温した後、上記乳化単量体混
合液の1/6を滴下した。重合反応率が90%に達した
時点で残りの乳化単量体混合液を2時間かけて滴下して
重合させた。滴下終了後70℃で2時間熟成して重合反
応を完結させた。熟成後フラスコ内容物を30℃まで冷
却して、粘着剤用共重合体(a)を得た。
【0041】〔粘着剤Aの調製〕この粘着剤用共重合体
(a)100重量部に、粘着付与剤として重合ロジン
(商品名:スーパーエステル E−650,荒川化学工
業株式会社製)15重量部、金属イオン封鎖剤としてト
リポリリン酸ナトリウム0.5重量部を添加、攪拌後、
さらに増粘剤、消泡剤、分散剤等を添加し、アンモニア
水で中和して、濃度50%、粘度5000cpsの粘着
剤A(塗液)に仕上げた。
【0042】〔粘着シートの作成〕市販のグラシン剥離
紙(商品名:セパレート85GPSアサギ,本州製紙株
式会社製)の剥離剤塗布面に、粘着剤Aを乾燥重量で1
5g/m2 となるようにリバースロールコーターで塗
布、乾燥後、キャスト塗被紙(商品名:ミラーコートゴ
ールド<73>,新王子製紙株式会社製)の裏面と貼合
わせて粘着シートを得た。
【0043】実施例2 実施例1の粘着剤用共重合体(a)の調製において、粘
着剤の単量体組成をアクリル酸ブチル240g、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル140g、アクリル酸8g、
メタクリル酸メチル6g、酢酸ビニル6gとした以外は
実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
【0044】実施例3 実施例1の粘着剤用共重合体(a)の調製において、粘
着剤の単量体組成をアクリル酸ブチル320g、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル60g、アクリル酸2g、メ
タクリル酸メチル10g、酢酸ビニル8gとした以外は
実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
【0045】比較例1 実施例1の粘着剤用共重合体(a)の調製において、粘
着剤の単量体組成をアクリル酸ブチル360g、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル30g、アクリル酸1g、メ
タクリル酸メチル5g、酢酸ビニル4gとした以外は実
施例1と同様にして粘着シートを製造した。
【0046】比較例2 実施例1の粘着剤用共重合体(a)の調製において、粘
着剤の単量体組成をアクリル酸ブチル200g、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル170g、アクリル酸12
g、メタクリル酸メチル9g、酢酸ビニル9gとした以
外は実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
【0047】比較例3 実施例1の粘着剤(A)の調製において、粘着付与剤を
使用しない以外は実施例1と同様にして粘着シートを製
造した。
【0048】比較例4 実施例1の粘着剤(A)の調製において、金属イオン封
鎖剤を使用しない以外は実施例1と同様にして粘着シー
トを製造した。
【0049】比較例5 実施例1において、粘着付与剤及び金属イオン封鎖剤を
含まない市販の粘着剤(商品名:オリバインBPW51
10H,東洋インキ製造株式会社製)を用い、乾燥重量
で22g/m2 となるようにリバースロールコーターで
塗布した以外は実施例1と同様にして粘着シートを製造
した。
【0050】実施例4 実施例1において、粘着剤用共重合体100重量部に対
して粘着付与剤(重合ロジン,商品名:スーパーエステ
ル E−650)を8重量部を添加した以外は実施例1
と同様にして粘着シートを製造した。
【0051】実施例5 実施例1において、粘着剤用共重合体100重量部に対
して粘着付与剤(重合ロジン,商品名:スーパーエステ
ル E−650)を40重量部を添加した以外は実施例
1と同様にして粘着シートを製造した。
【0052】実施例6 実施例1において、粘着付与剤として部分水添ロジン
(商品名:エステルガムSE−50,荒川化学工業株式
会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シー
トを製造した。
【0053】実施例7 実施例1において、粘着付与剤として石油樹脂(商品
名:KE−756B,荒川化学工業株式会社製)を用い
た以外は実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
【0054】実施例8 実施例1において、粘着付与剤として脂肪族炭化水素樹
脂(商品名:KZ−815/互応化学工業株式会社製)
を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シートを製造
した。
【0055】実施例9 実施例1において、粘着剤用共重合体に対して、金属イ
オン封鎖剤としてトリポリリン酸ナトリウムを0.05
重量%使用した以外は実施例1と同様のして粘着シート
を製造した。
【0056】実施例10 実施例1において、粘着剤用共重合体に対して、金属イ
オン封鎖剤としてトリポリリン酸ナトリウムを8.5重
量%使用した以外は実施例1と同様のして粘着シートを
製造した。
【0057】実施例11 実施例1において、粘着剤用共重合体に対して、金属イ
オン封鎖剤としてピロリン酸カリウムを1.8重量%使
用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを製造し
た。
【0058】実施例12 〔表面基材の作成〕キャスト塗被紙(商品名:ミラーコ
ートゴールド<73>,新王子製紙株式会社製)の裏面
に、下塗り剤としてコロイダルシリカ/アクリル複合樹
脂(商品名:モビニール8000,ヘキスト合成株式会
社製)をバーコーターで乾燥後の重量が1.0g/m2
となるように塗布、乾燥して表面基材を得た。
【0059】〔粘着シートの作成〕市販のポリエチレン
ラミネート剥離紙(商品名:セパレート110EPSク
リーム,本州製紙株式会社製)の剥離剤塗布面に実施例
1の粘着剤Aを乾燥重量で12g/m2 となるようにリ
バースロールコーターで塗布、乾燥後、上記表面基材の
下塗り剤塗布面と貼合わせて粘着シートを得た。
【0060】実施例13 実施例12において、コロイダルシリカ/アクリル複合
樹脂(商品名:モビニール8000)の塗布量を3g/
2 にした以外は実施例12と同様にして粘着シートを
製造した。
【0061】実施例14 実施例12において、コロイダルシリカ/アクリル複合
樹脂(商品名:モビニール8000)の塗布量を8g/
2 にした以外は実施例12と同様にして粘着シートを
製造した。
【0062】実施例15 実施例12において、コロイダルシリカ/アクリル複合
樹脂(商品名:モビニール8000)の塗布量を12g
/m2 にした以外は実施例12と同様にして粘着シート
を製造した。
【0063】実施例16 〔コロイダルシリカ存在下でのエチレン不飽和モノマー
を共重合させ、Si-O-R(R:重合体成分)結合を有
する成分を含有する複合体樹脂の製造〕攪拌機、温度
計、冷却器、及び窒素ガス導入管のついた4つ口フラス
コに次の処方で樹脂を合成した。 2−エチルヘキシルアクリレート : 40部 メチルメタクリレート : 59部 アクリル酸 : 1部 γーメタクリルオキシプロピル :0.5部 トリメトキシシランラウリルスルホン酸ナトリウム : 3部 コロイダルシリカ : 15部 (商品名:スノーテックス30,日産化学株式会社製) イオン交換水 :150部 過硫酸アンモニウム :0.5部 重亜硫酸ナトリウム :0.2部 実施例12において、上記コロイダルシリカ/アクリル
複合樹脂を2g/m2塗布した以外は実施例12と同様
にして粘着シートを製造した。
【0064】実施例17 〔表面基材の作成〕フリーネス500mlの晒針葉樹ク
ラフトパルプ30部と晒広葉樹クラフトパルプ70部か
らなるパルプスラリーに、対パルプ当たりロジンサイズ
1.3%、填料5%、硫酸バンド2%を、それぞれ添加
して紙料を調成した後、長網抄紙機を用いて米坪64g
/m2 となるように抄紙し、コロイダルシリカ/アクリ
ル複合樹脂(商品名:モビニール8010,ヘキスト合
成株式会社製)を含む濃度3%の塗液を40g/m
2 (固形分1.2g/m2 )となるようにサイズプレス
コーターで塗布、乾燥後、マシンキャレンダーに通紙し
て、紙水分6.5%の表面基材とした。
【0065】〔粘着シートの作成〕市販のグラシン剥離
紙(商品名:セパレート 85GPSアサギ,本州製紙
株式会社製)の剥離剤塗布面に実施例1の粘着剤Aを乾
燥重量で13g/m2 となるようにリバースロールコー
ターで塗布、乾燥後、上記表面基材の下塗り剤塗布面と
貼合わせて粘着シートを得た。
【0066】実施例18 〔表面基材の作成〕キャスト塗被紙(商品名:ミラーコ
ートゴールド<73>)の裏面に、下塗り剤としてコロ
イダルシリカ/アクリル複合樹脂(商品名:モビニール
8020,ヘキスト合成株式会社製)75重量%、トリ
ポリリン酸ナトリウム25重量%の混合物をバーコータ
ーで乾燥重量が1.5g/m2 となるように塗布、乾燥
して表面基材を得た。
【0067】〔粘着剤Bの製造〕乳化単量体混合液
(b)を下記の配合で調製した。アクリル酸ブチル29
0g、アクリル酸−2−エチルヘキシル86g、アクリ
ル酸4g、メタクリル酸メチル10g、酢酸ビニル10
g、アニオン型乳化剤(商品名:レベノールwz)3
g、アニオン型反応性乳化剤(商品名:エレミノールJ
S−2製)1.5g、ノニオン型反応性乳化剤(商品
名:アデカリアソープNE−10)1.5g、イオン交
換水170gからなる混合液。該混合液を、実施例1の
粘着剤用共重合体(a)の調製と同様にして粘着剤用共
重合体(b)を得た。
【0068】この粘着剤用共重合体(b)100重量部
に粘着付与剤として重合ロジン(商品名:スーパーエス
テル E−650,荒川化学工業株式会社製)17重量
部、トリポリリン酸ナトリウム1.0重量部を添加、攪
拌後、さらに増粘剤、消泡剤、分散剤等を添加し、アン
モニア水で中和して、濃度45%、粘度4000cps
の粘着剤B(塗液)に仕上げた。
【0069】〔粘着シートの作成〕市販のポリエチレン
ラミネート剥離紙(商品名:セパレート 110EPS
クリーム,本州製紙株式会社製)の剥離剤塗布面に上記
粘着剤Bを乾燥重量で10g/m2 となるようにリバー
スロールコーターで塗布、乾燥後、上記表面基材の下塗
り剤塗布面と貼合わせて粘着シートを得た。
【0070】実施例19 〔表面基材の作成〕アート紙(商品名:金藤片面,新王
子製紙株式会社製)の裏面に、下塗り剤としてウレタン
系アイオノマー樹脂(商品名:HYDRAN AP−3
0,大日本インキ化学工業株式会社製)をバーコーター
で乾燥後の重量が1.2g/m2 となるように塗布、乾
燥して表面基材を得た。
【0071】〔粘着シートの作成〕市販のグラシン剥離
紙(商品名:セパレート 85GPSアサギ,本州製紙
株式会社製)の剥離剤塗布面に実施例1の粘着剤Aを乾
燥重量で15g/m2 となるようにリバースロールコー
ターで塗布、乾燥後、上記表面基材の下塗り剤塗布面と
貼合わせて粘着シートを得た。
【0072】実施例20 〔表面基材の作成〕キャスト塗被紙(商品名:ミラーコ
ートゴールド<73>)の裏面に、下塗り剤としてウレ
タン系アイオノマー樹脂(商品名:HYDRAN AP
−30,大日本インキ化学工業株式会社製)をバーコー
ターで乾燥後の重量が1.0g/m 2 となるように塗
布、乾燥して表面基材を得た。
【0073】〔粘着シートの作成〕市販のポリエチレン
ラミネート剥離紙(商品名:セパレート110EPSク
リーム,本州製紙株式会社製)の剥離剤塗布面に実施例
1の粘着剤Aを乾燥重量で12g/m2 となるようにリ
バースロールコーターで塗布、乾燥後、上記表面基材の
下塗り剤塗布面と貼合わせて粘着シートを得た。
【0074】実施例21 〔表面基材の作成〕フリーネス500mlの晒針葉樹ク
ラフトパルプ30部と晒広葉樹クラフトパルプ70部か
らなるパルプスラリーに、対パルプ当たりロジンサイズ
1.3%、填料5%、硫酸バンド2%を、それぞれ添加
して紙料を調成した後、長網抄紙機を用いて米坪64g
/m2 となるように抄紙し、ウレタン系アイオノマー樹
脂(商品名:HYDRAN AP−30,大日本インキ
化学工業株式会社製)を含む濃度3%の塗液を、塗布量
が40g/m2 (固形分1.2g/m2 )となるように
サイズプレスコーターで塗布、乾燥後、マシンキャレン
ダーに通紙して、紙水分6.5%の表面基材とした。
【0075】〔粘着シートの作成〕市販のグラシン剥離
紙(商品名:セパレート 85GPSアサギ,本州製紙
株式会社製)の剥離剤塗布面に実施例1の粘着剤Aを乾
燥重量で13g/m2 となるようにリバースロールコー
ターで塗布、乾燥後、上記表面基材の下塗り剤塗布面と
貼合わせて粘着シートを得た。
【0076】実施例22 〔表面基材の作成〕キャスト塗被紙(商品名:ミラーコ
ートゴールド<73>)の裏面に、下塗り剤としてウレ
タン系アイオノマー樹脂(商品名:HYDRAN AP
−30,大日本インキ化学工業株式会社製)75重量
%、トリポリリン酸ナトリウム25重量%の混合物をバ
ーコーターで乾燥重量が1.5g/m2 となるように塗
布、乾燥して表面基材を得た。
【0077】〔粘着シートの作成〕市販のポリエチレン
ラミネート剥離紙(商品名:セパレート 110EPS
クリーム,本州製紙株式会社製)の剥離剤塗布面に実施
例1の粘着剤Aを乾燥重量で10g/m2 となるように
リバースロールコーターで塗布、乾燥後、上記表面基材
の下塗り剤塗布面と貼合わせて粘着シートを得た。
【0078】実施例23 実施例19において、粘着付与剤を部分水添ロジン(商
品名:エステルガムSE−50,荒川化学工業株式会社
製)とした以外は実施例19と同様にして粘着シートを
製造した。
【0079】実施例24 実施例19において、表面基材の裏面に、下塗り剤とし
てエチレン27重量%、塩化ビニル70重量%、アクリ
ルアミド3重量%からなる共重合体エマルションを塗
布、乾燥した以外は実施例19と同様にして粘着シート
を製造した。
【0080】比較例6 実施例19において、粘着付与剤及び金属イオン封鎖剤
を含まない市販の粘着剤(商品名:オリバインBPW5
110H,東洋インキ製造株式会社製)を乾燥重量で2
2g/m2 となるようにリバースロールコーターで塗布
した以外は実施例19と同様にして粘着シートを製造し
た。
【0081】このようにして得られた粘着シートについ
て、下記の評価を行い、得られた結果を表1に示した。
【0082】〔接着力〕JIS Z 0237に準じて
インストロン型引張試験機によって300mm/分の引
張速度で180°の角度で剥離した際の荷重(g/25
mm)を測定した。(被着体:ポリエチレン)
【0083】〔保持力〕JIS Z 0237に従い、
落下するまでの時間を測定した。(時間)
【0084】〔曲面貼付け適性〕得られた粘着シートの
小片(縦20mm、横16mm)をポリエチレンのパイ
プ(外径:13mm)に貼付け、1日後の両端からの浮
き上がりを目視で判定した。 ◎:浮き上がりがない ○:若干浮き上がりがあるが、実用上問題ないレベル △:かなり浮き上がりがあり、実用上問題となるレベル ×:完全に浮き上がる
【0085】〔湿度劣化〕得られた粘着シートを温度5
0℃,湿度95%RHの条件下に7日間放置(湿度処
理)した後、接着力測定し、湿度処理前の接着力と下記
の基準で比較評価した。 ◎:接着力の低下は殆どない。 ○:若干接着力の低下はみられるが、実用上問題ない。 △:かなり接着力の低下がみられ、実用上問題がある。 ×:接着力が低下してしまい、使用できない。
【0086】〔総合評価〕上記の各評価を総合して本発
明の粘着シートとしての性能を判定した。 ◎:非常に優れた性能を有している ○:優れた性能を有している △:若干不十分であるが、実用上問題ないレベルである ×:不十分であり、実用上問題となるレベルである
【0087】
【表1】
【0088】表1の実施例1〜3及び比較例1〜6の結
果から明らかなように、本発明の粘着シートは、特定の
モノマー組成の共重合体と粘着付与剤及び金属イオン封
鎖剤を配合することにより、接着性、保持力、曲面貼付
け適正及び湿度劣化の全てに優れる。実施例4,5は実
施例1の粘着付与剤の使用量を増減した例であり、粘着
付与剤の使用量を減らすと接着力が低下する傾向があり
(実施例4)、増やすと湿度劣化が劣るとともに、接着
力が低下する傾向にある(実施例5)。
【0089】実施例6〜8は、粘着付与剤を変更した例
である。比較例4と比較しても明らかなように、それぞ
れ優れた接着力や保持力を有することがわかる。中で
も、重合ロジン(実施例1)と部分水添ロジン(実施例
6)は、特に優れている。実施例9〜10は、実施例1
の金属イオン封鎖剤の使用量を増減した例であり、金属
イオン封鎖剤の使用量を減らすと湿度劣化が低下する傾
向にあり(実施例9)、増やすと接着力や曲面貼付け適
正が劣る傾向にある。実施例11は、金属イオン封鎖剤
を変更した例であり、総合的に優れていることがわか
る。
【0090】実施例12〜18は、表面基材の裏面にコ
ロイダルシリカの複合樹脂を有する下塗り層を設けた例
である。実施例12は、実施例1と同等の効果を少量の
粘着剤塗布で得ることを示す。実施例13〜実施例15
は、下塗り層の塗布量を増減した例、実施例16は別の
コロイダルシリカの複合樹脂を用いた例、実施例17
は、表面基材を変更した例であり、いずれの実施例も優
れた粘着シートであることが分かる。実施例18は、本
発明の特に優れた実施例であり、下塗り層にコロイダル
シリカの複合樹脂と金属イオン封鎖剤を含有せしめたも
のであり、特に湿度劣化に強いものである。
【0091】実施例19〜23は、表面基材の裏面にウ
レタン系アイオノマー樹脂を有する下塗り層を設けた例
である。いずれも、優れた性質を有するが、コロイダル
シリカを用いた実施例12〜18と比べると若干劣る
が、下塗り層を設けない実施例1〜11、他の材料から
なる下塗り層の実施例24と比べると優れることが分か
る。
【発明の効果】実施例より明らかなように、本発明で得
られた粘着シートは、高温高湿下で保存しても粘着性能
の低下が少なく、粘着剤の塗布量が少なくても接着力、
保持力が高く、曲面貼付け適性にも優れたものであっ
た。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面基材、粘着剤層、および剥離シートを
    積層してなる粘着シートにおいて、粘着剤層を形成する
    粘着剤が、下記(a)〜(d)のモノマー組成からなる
    共重合体に、粘着付与剤および金属イオン封鎖剤を添加
    したことを特徴とする粘着シート。 (a)アクリル酸ブチル: 50〜85重量% (b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(アルキル基の炭素数6〜 18): 10〜40重量% (c)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー: 0.1〜3重量% (d)これらの単量体と共重合可能な他のモノマー: 1〜10重量%
  2. 【請求項2】表面基材の裏面に、コロイダルシリカの存
    在下でエチレン性不飽和モノマーを共重合させ、Si−
    O−R(R:重合体成分)結合を有する成分を含有する
    複合体樹脂を主成分とする樹脂層を設けた請求項1記載
    の粘着シート。
  3. 【請求項3】表面基材の裏面に、ウレタン系アイオノマ
    ー樹脂を主成分とする樹脂層を設けた請求項1記載の粘
    着シート。
  4. 【請求項4】樹脂層に金属イオン封鎖剤を添加した請求
    項2又は3記載の粘着シート。
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