JP2020084121A - 水性感圧式接着剤、感圧式接着シート、および水性感圧式接着剤の製造方法 - Google Patents

水性感圧式接着剤、感圧式接着シート、および水性感圧式接着剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
被着体への接着力に優れた曲面貼付性と高温環境下での高い凝集力・接着力を両立する水性感圧式接着剤、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】アクリル系エマルション(A1)を65〜95質量%と、アクリル系エマルション(A2)を含む水性感圧式接着剤であって、前記アクリル系エマルション(A1)は、ガラス転移温度(Tg)が−70〜−40℃であるアクリル共重合体(a1)のエマルションであって、前記アクリル系エマルション(A2)は、乳化剤及び粘着付与樹脂の存在下で、エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)を乳化重合してなり、かつガラス転移温度(Tg)が60〜120℃であるアクリル共重合体(a2)のエマルションであって、前記エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)100質量部に対して、粘着付与樹脂の含有量は10〜60質量部である水性感圧式接着剤により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも2種類のエマルションの混合物を含有する水性感圧式接着剤に関する。
近年、安全衛生および環境問題に対する配慮から、感圧式接着剤においても溶剤型から水性型への移行が顕著である。しかしながら水性型感圧式接着剤は塗工後の乾燥工程においてエマルション粒子が融着して乾燥被膜を形成するため、溶剤型粘着剤に比べて塗膜の緻密さに欠け、特にオレフィン被着体に対する曲面貼付性が劣るという欠点を有していた。
曲面貼付性とは、曲面状の被着体上に感圧式接着剤塗工物を貼り付ける場合の適性を示す用語である。平面上に貼り付けた場合と異なり、曲面上に貼り付けた場合には、塗工物の基材が曲面状態から平坦状態に復元しようとする応力が発生するため、塗工物は被着体から自ずと剥がれるように作用する。
そのため塗工物に塗工されている接着層の接着力が十分でないと、貼り付け後にある程度の時間が経過すると被着体から自然に剥離してしまう。
また、感圧式接着剤の接着力が十分高いにもかかわらず、感圧式接着剤の凝集力が低すぎてしまうと、通常「凝集破壊」と言われる現象を引き起こして、基材が平坦状に戻ろうとする応力に打ち勝てずに接着層自身がその層の途中で破断されてしまい、塗工物が被着体から剥がれてしまうことがある。この場合には被着体側及び基材側の両方に粘着剤が残存する状態で剥離することとなる。
故に、曲面貼付性を良好にならしめるためには、感圧式接着剤の接着力と凝集力という2つの物性が、どちらか一方に大幅に偏ることなくその両方が満足されていなければならない。
また、水性感圧式接着剤の用途が拡大するに伴い、上記曲面貼付性が良好であり、かつ高温環境下での凝集力や、さらにポリエチレンなどのオレフィン低極性被着体を含む幅広い被着体への高い接着力の両立が求められている。
これらの欠点を改善するため、例えば、ガラス転移温度の高い共重合体の水性分散体と、ガラス転移温度の低い共重合体の水性分散体(B)と粘着付与剤と、架橋剤とを含有する水性粘着剤が提案されている。(特許文献1)
また特定の温度範囲にある低Tgのアクリル系エマルションと、特定の温度範囲にある高Tgのアクリル系エマルションにより上記課題を解決する粘着剤が提案されている(特許文献2)
また良好な接着性と保持力を両立する試みとして(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするエチレン性不飽和単量体(A)及び粘着付与剤(B)からなる油溶成分を、水媒体中で乳化剤を用いて、油溶成分の平均粒子径が1.0μm以下となるように乳化させた乳化液を重合して得られる樹脂エマルジョンの存在下に、更に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするエチレン性不飽和単量体(E)を重合してなることを特徴とする水性粘着剤組成物が提案されている(特許文献3)
さらに高い粘着力とタックを有する低粘度の粘着剤として、少なくとも低Tgのアクリル系粘着剤エマルションと、粘着付与樹脂を存在させて乳化重合した高Tgの共重合体エマルションを含む水性粘着剤組成物が提案されている(特許文献4)
特許2006−0165176号公報 特開2010−95609号公報 特開2003−96420号公報 特許6183821号公報
しかしながら、上記手段においても、良好な曲面貼付性を有し、さらに各種被着体への接着力および高温環境下での凝集力を達成することはできなかった。
本発明の課題は、各種被着体への接着力に優れた曲面貼付性と高温環境下での高い凝集力・接着力を両立する水性感圧式接着剤、およびその製造方法を提供することである。
なかでも、一般的に接着が難しいとされているオレフィン等の被着体や、曲面への接着性も良好であり、高温条件でもズレ等がないなど、幅広い用途に使用できる接着シートを提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、少なくとも2種の、特定のアクリル系エマルションを含む水性感圧式接着剤を用いることにより、上記課題を解決することが可能であることを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち本発明の水性感圧式接着剤は、アクリル系エマルション(A1)を65〜95質量%と、アクリル系エマルション(A2)を含む水性感圧式接着剤であって、
前記アクリル系エマルション(A1)は、ガラス転移温度(Tg)が−70〜−40℃であるアクリル共重合体(a1)のエマルションであって、
前記アクリル系エマルション(A2)は、乳化剤および粘着付与樹脂の存在下で、エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)を乳化重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃であるアクリル共重合体(a2)のエマルションであり、かつ
前記エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)100質量部に対して、粘着付与樹脂の含有量は10〜60質量部であることを特徴とする。
本発明の感圧式接着剤は良好な曲面貼付性、各種被着体への接着力および高温環境下での凝集力を満足することができる。そのため、本発明の水性感圧式接着剤から形成されてなる感圧式接着層を含む感圧式接着シートは、貼付後高温環境でのズレなどを抑制することができる。そのため、曲面形状を有する被着体や、接着が難しいオレフィン等の被着体に関しても良好な接着性を有するという優れた効果を有する。
以下、本発明の詳細を説明する。エチレン性不飽和単量体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体等を含む、ラジカル重合可能なビニル基含有化合物の総称である。単に「単量体」と表すことがある。
また、ガラス転移温度はTgと表す。Tgとは、アクリル系エマルションに供する各エチレン性不飽和単量体からそれぞれ形成される単独重合体のガラス転移温度の数値を基に、FOXの式により理論的に求められる値であり、各エチレン性不飽和単量体の単独重合体のガラス転移温度については各種便覧、文献等に記載されている周知の値を用いることができる。
尚、本明細書では、「部」および「%」は、特に断りのない限り、「質量部」および「質量%」を表す。
≪水性感圧式接着剤≫
本発明の水性感圧式接着剤は、アクリル系エマルション(A1)を主成分とする少なくとも2種類のエマルションの混合物であり、アクリル系エマルション(A1)を、水性感圧式接着剤(100質量%)中に、65〜95質量%と、アクリル系エマルション(A2)を含む。
アクリル系エマルション(A1)の含有量は、好ましくは70〜90質量%であり、より好ましくは75〜87質量%である。この範囲にあることで、曲面貼付性やオレフィンへ接着力に優れたものとすることができる。
アクリル系エマルション(A2)の含有量は、好ましくは5〜35質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。この範囲にあることで、曲面貼付性と高温時の保持力の両立が優れたものとすることができる。
<アクリル系エマルション(A1)>
本発明の水性感圧式接着剤は、アクリル系エマルション(A1)を含有する。アクリル系エマルション(A1)は、エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(a’1)を乳化重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が−70〜−40℃であるアクリル共重合体(a1)のエマルションであって、本発明における水性感圧式接着剤の主成分であり、基本的な粘着性能の発現に寄与する。またアクリル系エマルション(A1)は単一のエマルションから構成されていても、2種以上を混合して使用されていても良い。
[アクリル共重合体(a1)]
アクリル共重合体(a1)は、乳化剤の存在下で、少なくともエチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(a’1)を乳化重合してなる、アクリル共重合体であり、ガラス転移温度(Tg)が−70〜−40℃である。
そのため、エチレン性不飽和単量体からなるアクリル共重合体(a1)のTgが−70℃〜−40℃となるようにエチレン性不飽和単量体を適宜選択することが重要である。アクリル共重合体(a1)のガラス転移温度(Tg)が−70℃未満では、被着体、特にオレフィンへの接着力が不足するばかりか、曲面貼り付け性も不十分なものとなる。また−40℃を超えると、タック感の低下を招きかえって接着性の低下を招く。より好ましくは−65℃〜−50℃であり、さらに好ましくは−60℃〜−45℃である。
エチレン性不飽和単量体としては、直鎖または分岐のアルコールと(メタ)アクリル酸のエステル体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、アマイド結合を有するエチレン性不飽和単量体、スチレン系不飽和単量体、ビニル化合物等が挙げられる。
本発明のアクリル共重合体(a1)は、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をエチレン性不飽和単量体混合物(a’1)100質量%中、2〜10質量%含有することが好ましく、より好ましくは3質量%以上、6質量%未満含有することで、感圧式接着剤の曲面貼付性をより向上することができる。
アクリル共重合体(a1)が、このような、エチレン性不飽和単量体混合物100質量%中、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を2〜10質量%含有する混合物を重合してなるアクリル系エマルション(A1x)を含む場合、アクリル系エマルション(A1x)の含有量は、感圧式接着剤の曲面貼付性の観点から、アクリル系エマルション(A1)(100質量%)中に5〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜100質量%である。
また、エチレン性不飽和単量体混合物(a’1)の合計100質量%中、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の含有量は、0.5〜5質量%であることが好ましい。使用量が当該範囲内にあることで、合成時の凝集物の発生が抑制され、中和後のハンドリングの良好なエマルションが得られやすい。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、およびカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体以外の単量体の含有量は、95.0〜99.5質量%であることが好ましく、なかでもブチルアクリレートの含有量が40.0〜98.0質量%である場合、良好な曲面貼付性と接着力を両立することができるために好ましい。
「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、またはミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリルアクリレートなどが挙げられる。
これらは単独で、あるいは2種類以上併用することができる。
中でも(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、アルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが粘着剤のタック感向上や接着力向上のために好ましい。
「カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体」
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸カルボキシエチル、マレイン酸、フマル酸、またはイタコン酸などが挙げられる。中でもエマルションの安定性の観点から(メタ)アクリル酸を使用するのが好ましい。
これらは単独で、あるいは2種類以上併用することができる。
「水酸基を有するエチレン性不飽和単量体」
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、またはヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは単独で、あるいは2種類以上併用することができる。
「アマイド結合を有するエチレン性不飽和単量体」
アマイド結合を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリルアミド、またはジアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらは単独で、あるいは2種類以上併用することができる。
「その他エチレン性不飽和単量体」
また、本発明の効果を損なわない範囲で、その他エチレン性不飽和単量体を用いることができる。その他エチレン性不飽和単量体としては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、ブタジエン、またはクロロプレンなどが例示できる。
これらは単独で、あるいは2種類以上併用することができる。
[乳化剤]
アクリル系エマルション(A1)を得る際に用いる乳化剤としては、反応性乳化剤、非反応性乳化剤など公知の乳化剤を用いることができる。
反応性乳化剤の具体例としては、以下の化合物を例示することができる。
アニオン系乳化剤としてはノニルフェニル骨格のADEKA社製「アデカリアソープSE−10N」、第一工業製薬社製「アクアロンHS−10、HS−20」等、長鎖アルキル骨格の第一工業製薬社製「アクアロンKH−05、KH−10」、ADEKA社製「アデカリアソープSR−10N」等、燐酸エステル骨格の日本化薬社製「KAYARAD」等が例示できる。ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタン高級脂肪酸エステル類、グリセリン高級脂肪酸エステル類等の分子末端あるいは中間部に不飽和二重結合を有し、単量体と共重合するものであり、ADEKA社製「アデカリアソープNE−10」、第一工業製薬社製「アクアロンRN−10、RN −20、RN−50」、日本乳化剤社製「アントックスNA−16」等が例示できる。
非反応性乳化剤としては、以下の化合物を例示することができる。
アニオン系乳化剤としてはステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等のアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム
等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸
エステル塩類等が例示できる。
ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類等が例示できる。
これらは単独であるいは2種類以上併用することができる。
[重合開始剤]
アクリル系エマルション(A1)を得る際に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩またはアゾビス系カチオン塩または水酸基付加物質などの水溶性の熱分解型重合触媒、またはレドックス系重合触媒を用いることができる。レドックス系重合触媒としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物とロンガリット、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせ、または過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムとロンガリット、チオ硫酸ナトリウムなどの組み合わせ、過酸化水素水とアスコルビン酸の組み合わせなどが挙げられる。
アクリル系エマルション(A1) は、エチレン性不飽和単量体を重合する際に、分子量や分子量分布を制御するための連鎖移動剤として、メルカプタン系、チオグリコール系、β −メルカプトプロピオン酸などのチオール系化合物などを用いることができる。添加量は、アクリル系エマルション(A1)を構成するエチレン性不飽和単量体混合物(a’1)の合計100質量部に対して0 .01〜1.0質量部であることが好ましい。
[アクリル系エマルション(A1)の製造方法]
アクリル系エマルション(A1)を製造する方法について説明する。
アクリル系エマルション(A1)は、エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(a’1)を乳化重合し、ガラス転移温度(Tg)が−70〜−40℃であるアクリル共重合体(a1)のエマルションとすることで得られる。(工程1)
具体的には、エチレン性不飽和単量体の混合物を、乳化剤及び重合開始剤を用い、水性媒体中で重合しアクリル系エマルションとする。
まずエチレン性不飽和単量体(a’1)を混合し、均一な混合溶液とする。この混合溶液はそのままで重合に供しても良いし、水および乳化剤の一部又は全量を加えて攪拌し、乳化液とした後に重合に供しても良い。
これらの混合溶液又は乳化液を調製後、重合開始剤の存在下で重合をおこなうのであるが、その方法としては混合溶液又は乳化液を全量反応容器に仕込んで重合を開始しても良く、一部を反応容器に仕込んで重合を開始した後にさらに数回に分けて分割添加しても良く、一部を反応容器に仕込んで重合を開始した後に残りを連続滴下しても良く、あるいはあらかじめ水および必要に応じて乳化剤の一部又は全量を反応容器に仕込んでおき、全量を連続滴下しても良い。混合溶液を用いて重合する場合にはあらかじめ反応容器に乳化剤の全量および水の一部又は全量を仕込んでおくことが好ましい。
重合開始剤の添加方法としては、あらかじめ全量を反応容器に仕込んでおいても良く、昇温後に全量を添加しても良く、一部を反応容器に仕込んでおき重合を開始した後にさらに数回に分けて分割添加しても良く、一部を反応容器に仕込んでおき重合を開始した後に残りを連続滴下しても良く、あるいは全量を連続滴下しても良い。重合開始剤を分割添加又は連続滴下する場合には、単独で反応容器内に分割添加又は連続滴下しても良く、混合溶液又は乳化液と混合された状態にて分割添加または連続滴下されても良い。なおこれらの手法により重合開始剤を添加した後、反応率を高める目的で1回又は2回以上重合開始剤を追加添加しても良い。このようにして、本発明のアクリル系エマルション(A1)を得ることができる。
また重合時に、重合時のpH調整のため、pH緩衝剤を併用してもよいし、カルボキシル基を有する単量体を使用する場合は、この一部または全部をアンモニア、有機アミン、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物で中和してもよい。
<アクリル系エマルション(A2)>
本発明の水性感圧式接着剤は、アクリル系エマルション(A2)を含有する。アクリル系エマルション(A2)は、乳化剤および粘着付与樹脂の存在下で、エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)を乳化重合してなる、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃であるアクリル共重合体(a2)のエマルションであり、かつ前記エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)100質量部に対して、粘着付与樹脂の含有量は10〜60質量部である。
エチレン性不飽和単量体はアクリル共重合体(a1)の項にて例示したものと同じものを使用することができる。
[アクリル共重合体(a2)]
アクリル共重合体(a2)は、乳化剤および粘着付与樹脂の存在下で、少なくともエチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(a’2)を乳化重合してなる、アクリル共重合体であり、ガラス転移温度(Tg)が60℃〜120℃である。
このとき、前記エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)100質量部に対して、粘着付与樹脂の含有量は10〜60質量部である。
そのため、エチレン性不飽和単量体からなるアクリル共重合体(a2)のTgが60℃〜120℃となるようにエチレン性不飽和単量体を適宜選択することが重要である。アクリル共重合体(a2)のガラス転移温度(Tg)が当該範囲にある事で良好な接着力・曲面貼付性・保持力の両立が可能となり、より好ましくは80℃〜115℃であり、さらに好ましくは90℃〜110℃である。
エチレン性不飽和単量体としては「アクリル系エマルション(A1)」の項で例示したものを使用することがでる。
エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)の合計100質量%中、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の含有量は、0.5〜5質量%であることが好ましい。使用量が当該範囲内にあることで、合成時の凝集物の発生が抑制され、中和後のハンドリングの良好なエマルションが得られやすい。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体以外の単量体の含有量は95.0〜99.5質量%であることが好ましく、使用量が当該範囲にあることで良好な曲面貼付性と接着力を両立することができ、なかでもメチルメタクリレートの含有量が80質量%以上である場合、後述する粘着付与樹脂の溶解や曲面貼付性の向上が容易となり好ましい。
[粘着付与樹脂]
アクリル系エマルション(A2)に使用される粘着付与樹脂としては、エチレン性不飽和単量体の混合物に溶解或いは分散するものであれば、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。このような粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂等が挙げられる。
上記においても曲面貼付性向上の観点から、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を使用することが好ましく、特にロジン系樹脂を使用するのが好ましく、さらに好ましくは重合ロジンエステル樹脂を使用することが好ましい。
ロジン系樹脂としては、天然ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、不均化ロジン、不均化ロジンエステル等が挙げられる。ポリテルペン系樹脂としては、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。芳香族系炭化水素樹脂としてはスチレン、αメチルスチレンの共重合体等が挙げられる。
これらを単独で、あるいは2種類以上併用することができる。
本発明で使用する粘着付与樹脂としては、上記した粘着付与樹脂の中でも、軟化点 が100℃以上であるものが好ましく、120℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。軟化点が100℃以上であることで接着力が高く、かつ良好な曲面貼付性を得ることができる。
軟化点が上記範囲内である粘着付与樹脂の具体的なものとしては、例えば、軟化点12 5℃の重合ロジンエステルであるペンセルD−125(荒川化学工業社製) 、軟化点160℃の重合ロジンエステルであるペンセルD−160(荒川化学工業社製)、軟化点100℃のロジンエステルであるPINEREZ2410(LAWTER社製)、軟化点115℃のテルペン樹脂であるYSレジンPX1150(ヤスハラケミカル社製)、軟化点160℃のテルペンフェノール樹脂であるYSポリスターT160(ヤスハラケミカル社製)等が挙げられる。
アクリル共重合体(a2)のガラス転移温度(Tg)と粘着付与樹脂の軟化点の差に関し、下記式(1)で表される温度差が、100℃未満であることが好ましく、80℃未満であることがより好ましい。100℃未満であることで良好な曲面貼付性・高い接着力と保持力を両立することができる。
この温度差の絶対値がこの範囲でさえあれば、アクリル共重合体(a2)のガラス転移温度(Tg)と、粘着付与樹脂の軟化点の、どちらが高い場合でも同様の効果を発揮することができる。粘着付与樹脂の軟化点は、アクリル樹脂の軟化点よりも高いことが好ましく、その場合良好な曲面貼付性・高い接着力と保持力を両立することができる。

式(1)
温度差(℃)=
|アクリル共重合体(a2)のガラス転移温度(Tg)−粘着付与樹脂の軟化点|
[アクリル系エマルション(A2)の製造方法]
アクリル系エマルション(A2)を得る方法について説明する。
アクリル系エマルション(A2)は、乳化剤および粘着付与樹脂の存在下でエチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(a’2)を乳化重合し、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃であるアクリル共重合体(a2)のエマルションとすることで得られる。(工程2)
このとき、粘着付与樹脂の含有量は、エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)100質量部に対して、粘着付与樹脂の含有量は10〜60質量部である。下限は、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましい。上限は50質量部以下がより好ましい。使用量が当該範囲にあることで、良好な接着力・曲面貼付性・保持力を両立することができ、かつ製造時の凝集物の発生を抑えることができる。
なかでも、粘着付与樹脂をエチレン性不飽和単量体混合物(a’2)に溶解する工程と、
溶解した混合物(a’2)を、乳化剤および水の存在下に強制乳化して、平均粒子径0.5〜2μの乳化物を得る工程と、
得られた乳化物を乳化重合する工程を備えることが重合時の凝集物の発生を抑える点、重合時に粘着付与樹脂を溶解する為の有機溶剤を使用しない点で好ましい。
アクリル系エマルション(A2)は、粘着付与樹脂をエチレン性不飽和単量体混合物に溶解し、さらに水と乳化剤を添加して乳化した乳化物を乳化重合して得られる。その際に用いる乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤としては、アクリル系エマルション(A1)の項にて例示したものと同じものを用いることができる。
乳化重合の手法はアクリル系エマルション(A1)の段落にて例示した手法を用いることができるが、製造時に単量体・粘着付与樹脂の乳化物の平均粒子径(メディアン径)を調整することで、より水性接着剤の性能に優れたものとすることができる。
アクリル系エマルション(A2)の製造時に使用される乳化剤(有効成分)の配合量は、エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)と粘着付与樹脂の総量100質量部に対して、1.0〜2.5質量部であることが好ましい。さらに好ましくは1.5〜2.0質量である。乳化剤の配合量が1.0重量部以上であることにより、製造時の凝集物の発生を抑制することができ、2.5重量部以下であることにより曲面貼付性がより良化する。
このとき乳化物の平均粒子径は、合成時に凝集物が出ない、もしくは水性感圧式接着剤としたときに放置安定性が良ければどのような大きさでも構わないが、特にこの様な問題を生じないアクリル系エマルション(A2)を得るには、該乳化物の平均粒子径が0.5〜2.0μm であることが好ましい。また、さらに好ましくは0.8〜1.5μm である。ここで、0.5μ m 未満の場合は、乳化物の粘度が高くなりすぎることや、強制乳化に必要なエネルギーや時間が多くなり生産性が低下する場合がある。2.0μmを超える場合も合成時に凝集物発生を招く場合がある。
平均粒子径とは、水中での油滴径を動的光散乱法で測定した場合の累積体積平均径で、例えば、日機装社製マイクロトラックUPA粒度分布計で測定された平均粒径値(メディアン径 D50)のことを示す。
平均粒子径が2.0μm以下である乳化物を得る方法としては、通常市販されている乳化機が使用でき、回転型連続乳化機、コロイドミル型乳化機、高圧ホモジナイザー型乳化機、超音波処理型乳化機等の強制乳化機を使用することができるが、この中で回転型連続乳化機である回転子/ 固定子型高速回転連続型乳化機が、好適な平均粒子径を有する乳化物を得るのに適合し、またメンテナンス、単位時間あたりの処理量が多く好ましい。
本発明の水性感圧式接着剤は上記アクリル系エマルション(A1)を65〜95 質量%、アクリル系エマルション(A2)を5〜35質量%の範囲内で含む。
<水性感圧式接着剤の製造方法>
水性感圧式接着剤の製造方法としては、公知の方法を使用することができ、前記アクリル系エマルション(A1)、(A2)を、必要により公知の中和剤で中和後、公知の方法で混合し(工程3)、さらにレベリング剤、消泡剤、粘度調整剤防腐剤を配合する方法が用いられる。また粘着力調整のために、適当な粘着付与剤、例えば、ロジン樹脂、フェノール樹脂、ポリテルペン、アセチレン樹脂、石油系炭化水素樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、合成ゴム、天然ゴム等を適当量添加することができる。
さらに、可塑剤、充填剤、着色剤、シランカップリング剤なども添加しても良い。
またさらに、本発明の水性感圧式接着剤中の各共重合体の分散粒子を粒子間架橋させるため、任意の架橋剤を配合しても良く、例えばエチレン性不飽和単量体成分として水酸基を有する単量体を用いた場合には、イソシアネート化合物、チタンやジルコニウムなどのアルコキシド化合物等を用いる事ができ、カルボニル基を有する単量体を用いた場合には、アミン類、ヒドラジド化合物等を用いる事ができる。またカルボキシル基を有する単量体を用いた場合、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、酸化亜鉛などの金属化合物が使用できる。
≪感圧式接着シート≫
本発明の感圧式接着シートは、水性感圧式接着剤から形成されてなる感圧式接着層を有する。
感圧式接着層は、本発明の水性感圧式接着剤を基材または剥離ライナーに塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
基材としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン− プロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セロハン等の樹脂材料からなるプラスチックフィルム; 天然ゴム、ブチルゴム、等からなるゴムシート; ポリウレタン、ポリクロロプレンゴム、ポリエチレン等を発泡させてなる発泡体シート;クラフト紙、クレープ紙、和紙等の紙;綿布、スフ布等の布;セルロース系不織布、ポリエステル不織布、ビニロン不織布等の不織布;アルミニウム箔、銅箔等の金属箔;これらの複合体を指す。このようなシート状基材の片面または両面に、下塗剤の塗布、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。基材の厚みは目的に応じて適宜選択できるが、一般的には概ね10μm〜500μm( 典型的には10μm〜200μm)程度である。
剥離ライナー( セパレータと称されることもある。) としては、従来公知のものを特に限定なく用いることができる。例えば、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等の剥離剤によって適当な基材( 例えば、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙、ポリエチレン等の樹脂フィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル系ポリマー等の樹脂をコートした紙) の少なくとも一方の面を処理してなる剥離ライナーを好ましく使用することができる。
塗工の方式は、公知の手法を用いることができ、コンマコーター、リバースコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアチャンバーコーター、カーテンコーター等の各種公知のコーティング装置により、紙またはプラスチックフィルム基材、もしくは剥離性ライナー上に塗布し、乾燥されることによって、本発明の感圧式接着シートを得ることができる。またその際剥離ライナーなどに水性感圧式接着剤を塗布した後、80℃〜120℃で乾燥することが好ましい。乾燥温度が80℃ 以下では乾燥しにくく、乾燥に長時間を要する。他方、120℃よりも高温で乾燥すると、基材または剥離性シートの熱劣化を生じ、好ましくない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例中、特に断りのない限り、「部」とは「質量部」を、「%」とは「質量%」をそれぞれ示すものとする。また、水、溶剤以外について、記載した配合量は不揮発分換算値である。
なお、乳化物の平均粒子径の測定方法、およびアクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)の計算方法は以下の通りである。
[乳化物の平均粒子径]
乳化物の平均粒子径の測定は下記の条件で行った。
水中での油滴径を動的光散乱法で測定した場合の累積体積平均径を、日機装社製マイクロトラックUPA粒度分布計を用いt、平均粒径値(メディアン径 D50)を求めた。
[アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)]
アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)は、FOXの式により算出した。
計算に用いた各単量体の単独重合体のガラス転移温度を下記に示す。

2−エチルヘキシルアクリレート:‐70℃
ブチルアクリレート:‐54℃
メチルメタクリレート:105℃
アクリル酸:105℃
2−ヒドロキシエチルメタアクリレート:71℃
ジアセトンアクリルアミド:65℃
また、表2で使用した材料は以下の通りである。
[粘着付与樹脂]
粘着付与樹脂I: ペンセルD−160(ロジン系樹脂:荒川化学工業製 軟化点160℃の重合ロジンエステル樹脂)
粘着付与樹脂II:ペンセルD−125(ロジン系樹脂:荒川化学工業製 軟化点125℃の重合ロジンエステル樹脂)
粘着付与樹脂III:スーパーエステル A−75(ロジン系樹脂:荒川化学工業製 軟化点75℃の不均化ロジンエステル樹脂)
粘着付与樹脂IV:YSポリスターT−160(テルペン系樹脂:ヤスハラケミカル製 軟化点160℃のテルペンフェノール樹脂)
粘着付与樹脂V:FTR‐6100(芳香族系炭化水素樹脂:三井化学製 95℃のスチレン系・脂肪族モノマー共重合体)
[粘着付与樹脂水分散体]
粘着付与樹脂水分散体I:スーパーエステル E−865(荒川化学工業製 重合ロジンエステルの水分散体、固形分50%、)
<アクリル系エマルション(A1)>
(アクリル系エマルション(A1−1)の製造)
2−エチルヘキシルアクリレート36.5部、ブチルアクリレート62部、アクリル酸1.5部、ニューコール707SF(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の水溶液、有効成分30%、日本乳化剤社製)3.4部をイオン交換水10.9部に溶解してから加えて攪拌し乳化物を得た。これを滴下ロートに入れた。
撹拌機、冷却管、温度計および上記滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに、脱イオン水を24.4部仕込み、フラスコ内部の空気を窒素ガスで置換し、撹拌しながら内温を76℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液を1.3部添加した。5分後、上記滴下ロートから上記乳化物の滴下を開始し、これと並行して5%過硫酸アンモニウム水溶液3.8部を別の滴下口から3時間かけて滴下した。
内温を76℃に保ったまま、さらに撹拌しながら76℃にて4時間熟成した後冷却し、アンモニア水で中和し固形分58%のアクリル系エマルション(A1−1)を得た。
アクリル系エマルション(A1−1)におけるアクリル共重合体のガラス転移温度は−59℃であった。
(アクリル系エマルション(A1−2〜4)の製造)
アクリル系エマルション(A1−1)の製造の原料およびその配合量(質量部)を表1に記載した通りに変更した以外は、アクリル系エマルション(A1−1)の製造と同様に乳化重合を行うことでそれぞれ固形分58%のアクリル系エマルション(A1−2〜4)を得た。
Figure 2020084121
<アクリル系エマルション(A2)>
(アクリル系エマルション(A2−1)の製造)
メチルメタクリレート98部、アクリル酸2部に粘着付与樹脂として粘着付与樹脂I(ペンセルD−160)を40部溶解した。さらにアニオン系乳化剤としてニューコール707SF(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の水溶液、有効成分30%、日本乳化剤社製)9.3部、イオン交換水29.0部を加えて撹拌し乳化物を得た。さらに、回転子/固定子にスリット式ユニットを使用したキャビトロンCD1010型(株式会社ユーロテック製)を用いて乳化させ、油溶成分の平均粒子(メディアン)径が1.1μmの乳化物を得て、これを滴下ロートに入れた。
撹拌機、冷却管、温度計および上記滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに、脱イオン水21.8部を仕込み、フラスコ内部を窒素ガスで置換し、撹拌しながら内温を80℃まで昇温し、7.4%過硫酸アンモニウム水溶液を1.1部添加した。5分後、上記滴下ロートから上記乳化物の滴下を開始し、これと並行して7.4%過硫酸アンモニウム水溶液2.7部を別の滴下口から3時間かけて滴下した。内温を80℃に保ったまま、さらに撹拌しながら76 ℃ にて4時間熟成した後冷却し、アンモニア水で中和して固形分60%のアクリル系エマルション(A2−1)を得た。
アクリル系エマルション(A2−1)におけるアクリル共重合体のガラス転移温度は105℃であった。
(アクリル系エマルション(A2−2〜8)の製造)
アクリル系エマルション(A2−1)の製造の原料およびその配合量(質量部)を表2に記載した通りに変更した以外は、アクリル系エマルション(A2−1)の製造と同様に乳化重合を行うことでそれぞれ固形分60%のアクリル系エマルション(A2−2〜8)を得た。
Figure 2020084121
(アクリル系エマルション(AC−1〜6)の製造)
アクリル系エマルション(A2−1)の製造の原料およびその配合量(質量部)を表3に記載した通りに変更した以外は、アクリル系エマルション(A2−1)の製造と同様に乳化重合を行うことでそれぞれ固形分60%のアクリル系エマルション(AC−1〜6)を得た。
Figure 2020084121
(実施例1)
<水性感圧式接着剤の作製>
アクリル系エマルション(A1−1)を85部、及びアクリル系エマルション(A2−1)15部を混合した後、アンモニア水にてpH=8.5に調整し、消泡剤、レベリング剤、防腐剤を加え、さらに粘度調整剤で粘度を4000mPa・s(BL型粘度計、#4ローター使用、60rpmにて測定)に調整し、水性感圧式接着剤を得た。
(実施例2〜8、比較例1〜8)
実施例1の組成および配合量(質量部)を表4〜表6に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様にして水性感圧式接着剤を作製した。
<感圧式接着シートの作製>
得られた水性感圧式接着剤をコンマコーターで剥離紙上に乾燥塗膜量が18g/mになるように塗工し、105℃の乾燥オーブンで40秒間乾燥させ、上質紙(60g/m)を貼り合わせ後巻き取り、水性感圧式接着剤塗工物を得、長さ100mm×幅25mmのシート形状に準備し、感圧式接着シートとした。
得られた感圧式接着シ−トの評価項目および評価方法は、以下の通りである。結果を表4〜表6に示した。
<接着性;接着力>
感圧式接着シートを、23℃50%RH環境下にて前記試料から剥離性シ−トを剥がし、露出した感圧式接着層をポリエチレン板に貼付け、2kgロ−ルで1往復して圧着した。その直後に接着力を測定して、圧着直後の接着力とした。なお、接着力の測定はJIS Z−0237に準拠して剥離速度:300mm/分で剥離角180゜で行った。評価基準は以下の通りである。

接着力が10N/25mm以上、優良
接着力が8N/25mm以上、10N/25mm未満。良好
接着力が6N/25mm以上、8N/25mm未満。実用可
接着力が6N/25mm未満、実用不可
<曲面貼付性>
感圧式接着シートを、幅20mm、長さ15mmの大きさにカットし剥離紙を剥がして、長さが30cm、直径が10mmのポリエチレン製の棒の周囲に貼り付けた。貼り付ける方向としては、塗工物試料の幅方向(長手方向)がポリエチレン棒の長さ方向と平行となるようにした。貼り付け後、指にて強く圧着し、23℃雰囲気下にて7日間放置した。所定期間経過後、試料が剥離しているかどうかを目視にて観察した。評価基準は以下の通りである。

◎ : 剥離なし。優良
〇 : 試料の端部が剥離している(両端2mm未満)。良好
△ : 試料の端部が剥離している(両端のいずれかが2mm以上)。実用可
× : 全面剥離し、基材が平坦になっている。実用不可
<高温保持力>
感圧式接着シートの離型紙を剥がした後、ステンレス板(SUS304)の試験板に貼り付け面積が25mm×25mmになるように貼着し、80℃×50%RHの条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z 0237の保持力の測定法に準じて、24時間後の該塗工物のズレ(mm)を測定した。なお、落下した場合は、完全にずれ落ちた落下秒数を測定した。評価基準は以下の通りである。

ズレが1mm未満、優良
ズレが1mm以上、5mm未満。良好
ズレが5mm以上、25mm未満。実用可
ズレが25mm以上のため落下、実用不可
Figure 2020084121
Figure 2020084121
Figure 2020084121
これらの結果より、本発明の特定のアクリル系エマルション2種を含む水性感圧式接着剤は、接着力、曲面貼付性、高温保持力で優れた結果であった。そのため、曲面形状を有する被着体や、接着が難しいオレフィン等の被着体に関しても良好な接着性を有することが確認できた。
一方、比較例の水性感圧式接着剤は、接着力、曲面貼付性、高温保持力の全てを満足することはできなかった。
本発明の水性感圧式接着剤および水性感圧式接着シートは、優れた接着力、曲面貼付性、高温保持力を発揮し、ラベル等の感圧式接着用途に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. アクリル系エマルション(A1)を65〜95質量%と、アクリル系エマルション(A2)を含む水性感圧式接着剤であって、
    前記アクリル系エマルション(A1)は、ガラス転移温度(Tg)が−70〜−40℃であるアクリル共重合体(a1)のエマルションであって、
    前記アクリル系エマルション(A2)は、乳化剤および粘着付与樹脂の存在下で、エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)を乳化重合してなり、かつガラス転移温度(Tg)が60〜120℃であるアクリル共重合体(a2)のエマルションであって、
    前記エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)100質量部に対して、粘着付与樹脂の含有量は10〜60質量部である、水性感圧式接着剤。
  2. 前記粘着付与樹脂の軟化点が、100℃以上である、請求項1記載の水性感圧式接着剤。
  3. 前記粘着付与樹脂が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、および芳香族系炭化水素樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかである、請求項1または2記載の水性感圧式接着剤。
  4. 下記式(1)で表される温度差が100℃未満である、請求項1〜3いずれか1項記載の水性感圧式接着剤。

    式(1)
    温度差(℃)=
    |アクリル共重合体(a2)のガラス転移温度(Tg)−粘着付与樹脂の軟化点|
  5. 前記アクリル系エマルション(A1)は、エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(a’1)を乳化重合してなるアクリル共重合体(a1)を含み、
    前記エチレン性不飽和単量体混合物(a’1)100質量%中、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を、2〜10質量%含有する、請求項1〜4いずれか1項記載の水性感圧式接着剤。
  6. 前記アクリル系エマルション(A2)の乳化剤の配合量が、エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)および粘着付与樹脂の合計100質量部に対して、1.0〜2.5質量部である、請求項1〜5いずれか1項記載の水性感圧式接着剤。
  7. 請求項1〜6いずれか1項記載の水性感圧式接着剤から形成されてなる感圧式接着層を有する感圧式接着シート。
  8. アクリル系エマルション(A1)を65〜95質量%と、アクリル系エマルション(A2)を含む水性感圧式接着剤の製造方法であって、
    下記工程(1)〜(3)を備える水性感圧式接着剤の製造方法。

    <工程(1)>
    エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(a’1)を乳化重合し、ガラス転移温度(Tg)が−70〜−40℃であるアクリル共重合体(a1)のエマルションであるアクリル系エマルション(A1)を製造する工程
    <工程(2)>
    乳化剤および粘着付与樹脂の存在下でエチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(a’2)を乳化重合し、ガラス転移温度(Tg)が60〜120℃であるアクリル共重合体(a2)のエマルションであるアクリル系エマルション(A2)を製造する工程であって、
    前記エチレン性不飽和単量体混合物(a’2)100質量部に対して、粘着付与樹脂の含有量は10〜60質量部である
    <工程(3)>
    アクリル系エマルション(A1)と、アクリル系エマルション(A2)を混合する工程
  9. 前記<工程(2)>は、
    粘着付与樹脂をエチレン性不飽和単量体混合物(a’2)に溶解する工程と、
    溶解した混合物(a’2)を、乳化剤および水の存在下に強制乳化して、平均粒子径0.5〜2μmの乳化物を得る工程と、
    得られた乳化物を乳化重合する工程とを備える、
    請求項8記載の水性感圧式接着剤の製造方法。
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