JP2006015569A - 熱転写リボンロール - Google Patents

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JP2006015569A JP2004194711A JP2004194711A JP2006015569A JP 2006015569 A JP2006015569 A JP 2006015569A JP 2004194711 A JP2004194711 A JP 2004194711A JP 2004194711 A JP2004194711 A JP 2004194711A JP 2006015569 A JP2006015569 A JP 2006015569A
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Abstract

【課題】 ニアエンドマークを付設する熱転写リボンにおいて、リボン巻軸に捲回された際に該ニアエンドマークがブロッキング等の不具合を誘発しないようにした熱転写リボンおよびそれをリボン巻軸に捲回した熱転写リボンロールを提案すること。
【解決手段】 熱転写リボン上の終端付近にニアエンドマークを付設し、該ニアエンドマークから長手方向の特定位置を含むように熱転写インク未塗工部分を設けたことなどを特徴とする熱転写リボンロール。
【選択図】 図3

Description

本発明はニアエンドマークが付設された熱転写リボンロールに関し、さらに詳しくは、リボン巻軸に捲回された際に該ニアエンドマークがブロッキング等の不具合を起こさないようにした熱転写リボンロールに関するものである。
従来より、熱転写リボンにおいて、その終端部近傍にニアエンドマークを設け、これを各種センサーで検知することによって、印刷動作を制御し、印刷可能残存量を通知し、被印字媒体の途中でリボン切れを発生しないようにしたものがある。この場合、印刷可能残存量を確保するために、センサー検知されるニアエンドマークは熱転写リボンの終端部近傍であって、終端からある程度の印字枚数を確保できる量を残した位置の熱転写インク層上、またはその背面に設け、ニアエンドマークのある部分がセンサーを通過してもある程度の量の印字が可能なように構成されている。
熱転写リボンのニアエンドマークとしては、電気的、光学的、磁気的に検知可能な検知マークを印刷により設けるものが知られているが、単に、ニアエンドマークをインク面に設けると印字不良を起こす原因になる。インク面にニアエンドマークを設ける場合、印字不良になりにくいよう成分の調整等を行うが、それでも大なり小なり印字感度に影響を及ぼしてしまう。また、インクの色調にも影響があり、黒色以外の色調の場合は特に顕著にその色調の変化を伴う。したがって、ニアエンドマークを薄くしたり、小さく付設したりすることが必要であるが、その場合、検知感度が劣る結果になるなどの問題があった。
また、印刷によるニアエンドマークは、光学的検知等に用いられることが多いが、簡易に設けることができる半面、バラツキを生じやすく、センサーがうまく働かないことがある。そこで、印刷を厚くし、該バラツキを吸収したものもあるが、上記の印字感度および色調への問題が大きくなるほか、印刷の厚みによる段差が大きくなり、その段差によるブロッキングの発生が見られることもあった。
また、当該ブロッキングを防止するため、印刷を施す白色インク中に粒子状ワックスを配合したものを、終端部の所定部位にベタ状に全面塗布したり、終端部のエッジ部分に長手方向に塗布したり、終端部にゼブラ状に塗布した形状のニアエンドマークが特開平10−157308号公報に提案されている。当該構成により、海島構造のニヤエンドマークが得られ、経時ブロッキング安定性の改善を試みるというものである。
しかしながら、当該熱転写記録媒体は、ブロッキング防止効果はある程度あるものの、接触面積を減らすことで課題解決しようとするその構成上、ある程度の厚みを要し、インク塗布面の段差は無くならず、抜本的解決にはならないものである。また、使用する粒子の大きさには限りがあり、巨大粒子を配合すると、そのことが直接的に起因してブロッキングを生じてしまうこともある。したがって、ニアエンドマークのインク塗布厚には制約があり、該技術では検知感度とブロッキング防止の両立は達成できていない。
ニヤエンドマークを施す手段として印刷インクの代わりに金属蒸着膜または金属蒸着部材を所定の位置に貼着したものなどが使用されている。このようなものは、光学的な検知方法に好ましく用いられ、光学的検知以外の電気的、磁気的な検知方法にも用いられる利点がある上、確実に光を遮断したり反射したりすることができるなど、検知感度としては十分な利点が多い。しかしながら、金属蒸着によるものはその性質上、金属の高熱伝導率により周辺温度の影響を受けやすく、また、別の基材上に金属蒸着膜を形成したものを貼着したニアエンドマークなどにおいてはエッジが鋭くなりやすいことから、巻装した際、段差部分に巻装圧力が集中し、ブロッキングを発生することが多々あり、その問題を解決する必要があった。
さらに、特開平11−105441号公報などには、ニアエンドマーク端部に生ずる段差の問題を解決すべく、熱転写インク層の一部に熱転写インク未塗工部分を設け、ニアエンドマークとしたり、当該部分に別のニヤエンドマークを付設したものもある。しかしながら、所定の位置に予めニヤエンドマークを設ける目的で熱転写インク未塗工部分を擁する熱転写インク層を塗布することは、繰り返し、ある単位毎に熱転写インク未塗工部分を設けてインク層を塗布する以外は、ほぼ不可能で、一旦塗布した熱転写インク層をリボン巻装する際に除去するものがほとんどである。インク除去が不十分であると、熱転写インク未塗工部分自体を検知マークとする場合は検知不良を生じ、熱転写インク未塗工部分にニアエンドマークを重ねて設ける場合はニアエンドマーク付設にも不具合を生ずる。さらに、例えば、当該技術としては最も一般的に用いられている熱による溶融除去を試みると、基材に損傷を及ぼすおそれがあり、その対策を要する上、その後、機械的強度が低下した同じ部分にニアエンドマークを、例えば熱的手段、具体的にはホットスタンプ法などで設けると、さらに損傷が進行し、リボン切断のおそれもあるものであった。また、インク除却が不十分なまま、粘着テープ型のニアエンドマークなどを貼着すると、貼着面が粗雑であったり、定着性の悪い状態であったりと不適切なままであることがあり、十分な粘着力が得られず、ニアエンドマーク脱落のおそれもあるものであった。
一方、3色以上の色材層を面順次に複数塗布したものに各印字領域の検知マークとしてニアエンドマークと類似するマークを配設したものが特開平8-34173号公報に提案されている。これは、3色以上の色材層セット毎に当該色調を検知する検知マークを設けるというもので、各色材層領域毎に検知マークを設けるものと比して検知マークの存在数を減じることができるので、ブロッキング等の課題解決が図られるというものである。当該公報には印字領域間に検知マークを配する記載があるが、色材層と重なっているのか、熱転写インク未塗工部分に設けてあるのか不明で、重ねて設けた際には、やはりそのマーク部分の厚みによる段差が生じ、検知マークの絶対数減少という確率統計的な効果が得られるに過ぎない。また、熱転写インク未塗工部分に設けてあったとしても、捲回していく毎にリボン径が変化するため、本発明の如く、その段差部分を狙って繰り返し出現する熱転写インク未塗工部分を重ね合わせることはできず、本願の課題解決手段の記載はないものであった。
特開平10−157308号公報 特開平11−105441号公報 特開平8-34173号公報
本発明は、ニアエンドマークを付設する熱転写リボンにおいて、リボン巻軸に捲回された際に該ニアエンドマークがブロッキング等の不具合を誘発しないようにした熱転写リボンおよびそれをリボン巻軸に捲回した熱転写リボンロールを提案することを目的とし、そのような課題の解決手段を提案するものである。
本発明は、上記課題を解決するために、該熱転写リボン上の終端付近にニアエンドマークを付設し、該ニアエンドマークから長手方向の特定位置を含むように熱転写インク未塗工部分を設けたことなどを特徴とする。
すなわち、本発明は、
「1.リボン巻軸に熱転写リボンをロール状に捲回する熱転写リボンロールであって、該熱転写リボン上の終端付近にニアエンドマークを付設し、該ニアエンドマークから長手方向に、
{(ニアエンドマーク部分まで熱転写リボンをリボン巻軸に捲回したときの外径(d1))×π(円周率)}に、
{熱転写リボンの厚み×2×π(円周率)}を加算および/または減算した、
(ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離(L))の位置を含むように少なくとも1箇所の熱転写インク未塗工部分を設け、かつ、熱転写リボンをリボン巻軸に捲回した際、熱転写インク未塗工部分がニアエンドマークに重なり、ニアエンドマークを面積的に覆設するよう構成したことを特徴とする熱転写リボンロール。
2.リボン巻軸に熱転写リボンをロール状に捲回する熱転写リボンロールであって、該熱転写リボン上の終端付近にニアエンドマークを付設し、該ニアエンドマークから長手方向にリボン巻軸外周長分だけ離間した位置を含むように、熱転写リボンをリボン巻軸に捲回した際、熱転写インク未塗工部分がニアエンドマークに重なり、ニアエンドマークを面積的に覆設するよう構成したことを特徴とする熱転写リボンロール。
3.ニアエンドマークに対し、熱転写リボンの長手方向であってリボン巻軸と逆側に熱転写インク未塗工部分を設けたことを特徴とする第1項または第2項の何れかに記載の熱転写リボンロール。
4.ニアエンドマークに対し、熱転写リボンの長手方向であってリボン巻軸と同じ側に熱転写インク未塗工部分を設けたことを特徴とする第1項または第2項の何れかに記載の熱転写リボンロール。
5.ニアエンドマークに対し、熱転写リボンの長手方向であってリボン巻軸と同じ側と逆側にそれぞれ熱転写インク未塗工部分を設けたことを特徴とする第1項または第2項の何れかに記載の熱転写リボンロール。
6.ニアエンドマークが金属蒸着フィルムからなることを特徴とする第1項ないし第5項の何れかに記載の熱転写リボンロール。
7.熱転写リボンが、複数の熱転写インク層をインク層間未塗工部分を設けつつ面順次に塗り分けて有するものであって、該インク層間未塗工部分の少なくとも1ヶ所がニアエンドマークと重なる前記熱転写インク未塗工部分であることを特徴とする第1項ないし第6項の何れかに記載の熱転写リボンロール。」に関する。
上記構成によれば、熱転写リボンをリボン巻軸に捲回した際に、ある程度の厚みを有するニアエンドマークを用いても該ニアエンドマークがブロッキング等の不具合を誘発しない熱転写リボンロールを得ることができる優れた効果を奏するものである。
本発明の熱転写リボンは、
リボン巻軸に熱転写リボンをロール状に捲回する熱転写リボンロールであって、該熱転写リボン上の終端付近にニアエンドマークを付設し、該ニアエンドマークから長手方向に、
{(ニアエンドマーク部分まで熱転写リボンをリボン巻軸に捲回したときの外径(d1))×π(円周率)}に、
{熱転写リボンの厚み×2×π(円周率)}を加算および/または減算した、
(ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離(L))の位置を含むように少なくとも1箇所の熱転写インク未塗工部分を設け、かつ、熱転写リボンをリボン巻軸に捲回した際、熱転写インク未塗工部分がニアエンドマークに重なり、ニアエンドマークを面積的に覆設するよう構成したことを特徴とする熱転写リボンロール、である。
ここで、d1は「ニアエンドマーク部分までリボンをリボン巻軸に捲回したときの外径」であり、リボンが比較的薄膜で短尺であれば、リボン巻軸外径とほぼ同径となるが、現実には、リボン品種によってプリンタやリボン基材、その他のリーダーテープ部材などの仕様が異なるため、相当量変化し、汎用的に決められるものではない。
例えば、リボン巻軸自体の外径がプリンタの仕様などにより相当量変化する場合がある。それに加えて、リボン巻軸からニアエンドマーク部分までに、その仕様に応じて、各種部材が配置されることがあり、それらの材質、厚み、捲回量などによりリボンをリボン巻軸に捲回したときの外径が異なる。
ニアエンドマーク部分までの捲回量、すなわち熱転写リボンの長さは、ニヤエンド検知後に確保したい所望の印字可能量に応じて任意に決定される。確保量は、設計思想により変化するが、最低1ページ分以上を確保することが多い。したがって、ラインプリンタやページプリンタの場合は被転写媒体の全長以上となり、シリアルプリンタの場合は数行を印字するのに適する量であって、リボン交換時に支障の少ない量が適用され、まさに千差万別である。
そこで、本発明においては、それらのものがいかなる材料で、いかなる厚みで、いかなる長さ分、捲回されていたとしても本発明が有効に形成されるように、ニアセンサーマークのブロッキング誘発防止を講ずる基準として「ニアエンドマーク付設部分までリボンをリボン巻軸に捲回したときの外径」、すなわちd1を利用する。
1(外径)は、ニヤエンドセンサーマークのブロッキング誘発防止を講ずる手段の付設位置に関する基準であり、そこにリボン厚み分を加え、円周率(π=3.14)を乗じることでその際の外周、すなわちリボンの長さが算出できる。
本発明においては、さらにニアエンドマークから熱転写リボンの長手方向に所定の距離だけ離間した位置を含むように熱転写インク未塗工部分を設ける。それにより、熱転写リボンを捲回したときに、ニアエンドマークと、該熱転写インク未塗工部分が重なり、ブロッキングの発生を防止することができる。該熱転写インク未塗工部分は、ニアエンドマークに対して、
{(ニアエンドマーク部分まで熱転写リボンをリボン巻軸に捲回したときの外径(d1))×π(円周率)}に、
{熱転写リボンの厚み×2×π(円周率)}を加算および/または減算した、
(ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離(L))の位置を含むように少なくとも1箇所、設けられている。
熱転写リボンをリボン巻軸に捲回した際に、ニアエンドマークより外側に存在する熱転写リボンとのブロッキングを防止するためには、熱転写リボンの長手方向であって、リボン巻軸と逆側に熱転写インク未塗工部分を設けると、ブロッキングを効果的に防止することができる。
反対に、ニアエンドマークより内側に存在する熱転写リボンとのブロッキングを防止するためには、熱転写リボンの長手方向であって、リボン巻軸と同じ側に熱転写インク未塗工部分を設けるとよい。
さらに、ニアエンドマークの内側と外側の両方に存在する熱転写リボンとのブロッキングを防止するのであれば、ニアエンドマークを中心として熱転写リボンの長手方向の両側にそれぞれ所定の位置に熱転写インク未塗工部分を設けると効果は最大となる。
ニアエンドマークよりリボン基軸と逆側に設けるときは、
{(ニアエンドマーク部分まで熱転写リボンをリボン巻軸に捲回したときの外径(d1))×π(円周率)}に、
{熱転写リボンの厚み×2×π(円周率)}を加算した、
(ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離(L))の位置を含むように設けられる。
ニアエンドマークよりリボン基軸と同じ側に設けるときは、
{(ニアエンドマーク部分まで熱転写リボンをリボン巻軸に捲回したときの外径(d1))×π(円周率)}に、
{熱転写リボンの厚み×2×π(円周率)}を減算した、
(ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離(L))の位置を含むように設けられる。
両側に設ける場合には、上記、加算した位置へ第一の熱転写インク未塗工部分を設け、さらに減算した位置に第二の熱転写インク未塗工部分を設ける。
当該基準位置等は、熱転写リボン作成時にその位置を実測することによっても決定でき得る。すなわち、ニアエンドマークを付設した部分まで、リボン巻軸に熱転写リボンをロール状に捲回した際の外径を実測し、該ニアエンドマークから長手方向に、簡易的にリボン巻軸外周長分だけ離間した位置を含むように、熱転写インク未塗工部分を設けることが可能である。
当該手法によれば、簡易的に設計することが可能であり、実測をもって基準点を決定できる利点がある。その半面、用いる材質や種類、数などによって設計に個別的な差を生じ、仕様が変化すると、当該捲回外径とリボン巻軸外径の差によって生ずる周長差分、ズレが生ずるので、汎用性を出すためには、ニアエンドマークの不具合を解消するための熱転写インク未塗工部分を比較的大きくとり、その問題を吸収する必要がある場合がある。
つまり、設計思想としての汎用性に劣り、最低ひとつは巻装してみないと実測できないので、結果物を元にした設計となるデメリットがやや問題である。
その点、上記関係式によるニヤエンドマークならびに熱転写インク未塗工部分の付設であれば、用いる材質や種類、数などによって設計に誤差を生じることはなく、設計思想に汎用性を出すことができる。
ここで、ニアエンドマークからリボン巻軸と逆側へ熱転写インク未塗工部分を設ける例を挙げ、説明する。
(ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離(L))は、
{(ニアエンドマーク部分まで熱転写リボンをリボン巻軸に捲回したときの外径(d1))×π(円周率)}に、
{熱転写リボンの厚み×2×π(円周率)}を加算することによって得られる。
すなわち、以下の数式で表される。
Figure 2006015569
L:ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離
1:ニアエンドマーク部分までリボンをリボン巻軸に捲回したときの外径
t:熱転写リボンの厚み
具体的には、リボン厚み(t)と長さ(L1)、リボン巻軸の外径(d2)、ニアエンドマーク付設位置まで巻装した際のリボン巻装外径(d1)などを用い、仮に熱転写リボンをリボン巻軸に直結したとすると、ニアエンドマーク付設位置まで巻装した際のリボン巻装外径(d1)は、以下のように説明できる。
リボン外径(d1)は、熱転写リボン厚(t)等をリボン長(L)だけ周回させたものであり、リボン長(L)×リボン厚(t)の側断面積は、巻装リボン周回断面積と等しくなる。そのことを数式に表すと、(数2)のようになる。
Figure 2006015569
ここで、ニアエンドマークによる検知後、印字確保したいリボン長を(L1)としているので、ニアエンドマークの部分の外径は以下のように表現できる。
Figure 2006015569
よって、その際のリボン外径1周分の長さは(その際の外周+リボン厚さ分の加算長)となり、すなわち、これがニアエンドマークと熱転写未塗工部分との距離となる。
Figure 2006015569
実際は、熱転写リボンをリボン巻軸に直結する構成だけでなく、ある程度厚みがある、例えば12〜100μmのリーダーテープをある程度の長さ用いて、インクリボンを構成することが多い。その際は、リーダーテープの長さを(L2)、厚みを(t2)とすると、以下のようになる。
Figure 2006015569
構成要素が増えるたびに、その長さと厚みを加味した数式にて求めれば、その際の最適なニアエンドマークと熱転写インク未塗工部分の離間距離が算出できる。数式は省略する。
また、ニアエンドマークからリボン巻軸と同じ側へ熱転写インク未塗工部分を設けるときの(ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離(L))は、以下のようになる。
Figure 2006015569
L:ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離
1:ニアエンドマーク部分までリボンをリボン巻軸に捲回したときの外径
t:熱転写リボンの厚み
さらに、熱転写インク未塗工部分をニヤエンドマークを中心として、上記の関係式における加算した位置と減算した位置の双方共に熱転写インク未塗工部分を設けると好ましく、ニアエンドマーク自体を熱転写インク未塗工部分に付設した上で、熱転写リボン長手方向のニアエンドマーク両側へ熱転写インク未塗工部分を設けると最適である。
以上、本発明の技術的思想を関係式により表したが、結果的に得られる状態を簡略的に表現すると、すなわち、熱転写リボンをリボン巻軸に捲回した際、熱転写インク未塗工部分がニアエンドマークの外側および/または両側に重なり、該ニアエンドマークを面積的に覆設するよう構成された熱転写リボンロールとなる。
以下に、本発明の熱転写リボンの例を挙げ、図面により本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の熱転写リボンの一例を示す斜視図であり、基材上に熱転写インク層(2)を設けた熱転写リボン(1)がインク面を内側にして、リボン巻軸(3)に直接ロール状に捲回されている。
そして、該熱転写リボン(1)上の終端付近のインク面の反対側にアルミ蒸着シートよりなるニアエンドマーク(4)を貼着し、該ニアエンドマーク(4)から長手方向に下記数式によるLの長さ分離間した位置を含むように熱転写インク未塗工部分(5)を設けてある。
Figure 2006015569
L:ニアエンドマーク(4)から熱転写インク未塗工部分(5)までの距離
1:ニアエンドマーク部分(4)まで熱転写リボン(1)をリボン巻軸(3)に捲回したときの外径
t:熱転写リボン(1)の厚み
図2は、図1の熱転写リボンをニアエンドマーク部分(4)付近まで捲回した状態を示す斜視図であり、その際の外径がd1となる。さらに捲回すると図3に示したように、ニアエンドマーク(4)と熱転写インク未塗工部分(5)が重なり、かつ、熱転写インク未塗工部分(5)がニアエンドマーク(4)の全部を覆設するように構成されている。ここで、熱転写インク層(2)の厚みは3μmで、アルミ蒸着シート(4)の厚みは12μmとその厚みだけで段差を吸収できているわけではないが、アルミ蒸着シート(4)の鋭いエッジ部分を熱転写インク未塗工部分(5)、すなわち熱転写インクのない基材が保護することになり、ブロッキングを防止することができる。
この際、ニアエンドマーク(4)の全部を熱転写インク未塗工部分(5)で覆設すれば、完全に保護することができ好ましいが、一部被覆するような形態であっても、その被覆部分は効果を生じる。最良の効果を得るためには、全部を覆設するように構成するのが好ましい。また、図3に示したようにニヤエンドマーク(4)の厚み分、重なったときに熱転写インク未塗工部分(5)が立ち上がることになるので、その立ち上がり分に相当する両側の斜辺分を加えた面積の熱転写インク未塗工部分(5)を設けておくのが好ましい。
図4は、図1の例にリーダーテープ(6)を設けた例である。リーダーテープ(6)は、各種プラスチックフィルムなどが使用可能で、おおよそ12〜50μm程度の厚みを有する。
図5は、熱転写リボン(1)に複数の熱転写インク層(2)をインク層間未塗工部分(5−1)を設けつつ面順次に塗り分けて塗工したものであって、該インク層間未塗工部分(5−1)がニアエンドマーク(4)と重なる熱転写インク未塗工部分(5)として構成されたものである。
熱転写リボン(1)のニアエンドマーク(4)としては、電気的、光学的、磁気的に検知可能な検知マークにより構成することができ、基材の一面にアルミ蒸着を施し、裏面に粘着層を設けたアルミ蒸着テープは、全厚を薄くしつつ、確実に検知され得るので、好ましい。その他、基材の一面に黒色、白色、金色などの着色層を設け、裏面は同様に粘着層としたものも挙げられる。さらに、取扱いに困難性を有するが、金属蒸着膜自体を箔状にしたものなどは、全厚をかなり薄くすることができるので、直接、接着等して設けてもかまわない。また、印刷によるニアエンドマーク(4)は、バラツキが生じやすくセンサーがうまく働かないことがあり、検知感度を向上させるためにある程度の塗布厚を必要とする場合があるものの、検知性能上利用可能であれば、着色インキ層を直接塗布してもかまわない。
ニアエンドマーク(4)の設置は、基材上のインク面に設けると、印字性能に影響を与えたり、熱転写インクが剥離性の高い材質であった場合には、ニアエンドマーク(4)がインク層(2)ごと剥離脱落するおそれもあるので、熱転写インク層(2)の反対側にニアエンドマーク(4)を設けるのが好ましい。しかし、その場合であっても、プリンタの印字ヘッドの汚染や破損を極力低減すべく、印字領域外の端部付近に設ける方が好ましい。該ヘッド汚染や破損の問題は、印刷インクによりニアエンドセンサーマークを配設した場合に発生するおそれが多く、金属蒸着フィルムからなるものを使用すれば、低減できる。しかしながら、一般的に、金属蒸着フィルムなどの熱伝導率が高く、ある程度厚みを有する部材を使用するとブロッキングの問題を発生させるおそれがあるので、本発明のブロッキング防止効果の有用性が高くなり、好ましい使用態様となる。
ニアエンドマーク(4)は、熱転写インク層(2)との関係によりその構成を考慮する必要があるが、ニアエンドマーク(4)の全厚との厚みの差が少ない方がブロッキング防止効果が高くなるので、熱転写インク層(2)の層厚および熱転写インク層自体のインク成分による耐ブロッキング性能に応じて、ニアエンドマーク(4)の材質、構成、全厚を設計するのが好ましい。
熱転写インク未塗工部分(5)の作成は、各種手法が利用可能であるが、該作成処理によって熱転写リボン(1)に損傷を生じないものが好ましい。損傷を生じるおそれのない最適な例としては、例えば、熱転写リボン(1)に複数の熱転写インク層(2)をインク層間未塗工部分(5−1)を設けつつ面順次に塗り分けて塗工したものであって、該インク層間未塗工部分(5−1)自体をニアエンドマーク(4)と重なる熱転写インク未塗工部分(5)として着色インキ層(2)を面順次に設ける際の設計思想として構成したもの等が挙げられる。
また、やや損傷を生ずるおそれがあり、対処手段を講ずる必要があるが、熱転写リボン(1)上のインク層(2)を部分的に加熱転写し、除去する方法などがある。熱転写インク層(2)が剥離性の良いものであれば、粘着テープを利用し、インク層(2)を剥離させる方法も使用可能である。
また、図5に示したように、リボン進行方向に対し、単色ないし複数色の熱転写インク層(2)を、それぞれのインク層間に熱転写インク未塗工部分(5−1)を設けつつ、面順次にパターン塗りし、各インク層(2)間に設けられた面順次塗工の間隙をそのまま熱転写インク未塗工部分(5)として用いることもできる。
その際には、熱転写インク未塗工部分(5)が熱転写リボンの幅方向一杯に設けられていることになるので、ニアエンドマーク(4)を印字不良等の心配をせずにリボン中央部に設けたり、リボン幅方向に短冊状に延ばした長方形、さらにはリボン幅一杯にベタ配設することも可能であり、検知感度を向上させる利点などがある。
また、ニアエンドマーク(4)とインク層間未塗工部分(5)との距離を、面順次に形成した熱転写インク層(2)の長手方向の塗工長さと熱転写インク未塗工部分(5)との合計長と等しくし、ニアエンドマーク部分までリボンを捲回したときの外径(d1)との関係を満たすよう、リボン巻軸(3)の外径(d2)を設計すれば、ニアエンドマーク(4)をインク層間未塗工部分(5−1)に付設し、さらに、次のインク層間未塗工部分(5−1)がリボンを捲回した際に、ニアエンドマーク(4)に重なる、いわゆる熱転写インク未塗工部分(5)として機能するので、双方のインク層間未塗工部分(5−1)が熱転写インク未塗工部分(5)としての機能をも兼ね備え、相互作用により最適なブロッキング防止効果を発揮するのでより好ましい。
以上、熱転写インク未塗工部分をニアエンドマークに対し、熱転写リボンの長手方向であって、リボン巻軸と逆側へ設ける例にて説明したが、リボン巻軸と同じ側へ設ける場合、両側へ設ける場合も同様に行うことができる。
その他、本発明に使用可能な熱転写リボンの構成要素について述べる。
本発明に用いる支持体としては、従来公知の各種プラスチックフィルムなどが使用可能であるが、裏面に耐熱滑性層を設けた2.0〜20.0μm程度のフィルムなどが使用できる。画像転写時の熱感度や、解像度などの点から2.5〜7.0μmのポリエステルフィルムなどが好ましい。
支持体の厚みが薄くなると、支持体自体の剛性が劣るようになり、巻装時にニアエンド
マークによって生じた段差等の影響を直接受けやすくなり、ブロッキング等のおそれが大きくなる傾向がある。そのような際、本発明の効果が顕著となり、支持体厚み2.5〜7.0μmの時、効果が大きくなり、比較的薄手の基材である2.5〜5.0μmの時、より好ましい組合せとなる。
本発明に用いる各インク層の製造手段としては、構成物を水系または油系などの溶媒中に分散、溶解させ、インク層塗布液を調製し、グラビア、オフセットなどの塗工方法で所望の塗工厚に塗工し熱転写インク層を得ることができ、その構成成分としては、必要に応じて着色剤、ビヒクル、各種添加剤などが使用できる。
使用する着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、群青、クロム黄、カドミウム黄、ハンザイエロー、ジスアゾイエロー、パーマネントレッド、アリザリンレーキ、キナクリドンレッド、ベンズイミダゾロンレッド、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレットなどの顔料や、オーラミン、ローダミンなどの染料、場合によっては昇華性染料などの1種または2種以上が利用できる。
使用するビヒクルとしては、各種樹脂やワックスなどが使用できる。これらは単独でも併用しても配合可能である。また、本発明の熱転写リボンに用いる複数の熱転写インク層の各成分は、各層において異種の成分を用いることも可能であるし、同種の成分で構成することも可能である。
使用する樹脂成分としては、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコー
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、エチレンーメタクリル酸−アクリル酸コポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−エチルアクリレートコポリマー、ポリスチレン−ポリイソプレンコポリマー、ロジンおよびその誘導体、フェノール樹脂、石油系樹脂、キシレン樹脂等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
使用するワックスとしては、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ミツロウ、カルナバワックス、ゲイロウ、モクロウ、ヌカロウ、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、フィッシャートロプスワックスなどの天然または合成ワックス、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロメン酸、ベヘニン酸、ラウリン酸、マルガリン酸等の高級脂肪酸ワックス、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等のアミドワックスなどが挙げられる。
本発明における各熱転写インク層の厚みは、0.5〜4.0μm程度が好ましいが、ニアエンドマークの全厚との厚みの差が少ない方がブロッキング防止効果が高くなるので、熱転写インク層の層厚および熱転写インク層自体のインク成分による耐ブロッキング性能に応じて、その材質、構成、全厚を設計するのが好ましい。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
(熱転写インク層の塗工)
図5に示したように、リボン進行方向に対し、イエロー(2−1)、マゼンタ(2−2)、シアン(2−3)、黒(2−4)の4色の熱転写インク層(2)を、下記インク層成分にてそれぞれのインク層間に5mmの熱転写インク未塗工部分(5−1)を設けつつ、長手方向に95mmづつ面順次にパターン塗りし、本発明の熱転写リボン(1)の熱転写インク層(2)の塗工を行った。
その際、支持体として背面に耐熱滑性層を施した5μmのポリエステルフィルムを用い、該支持体の上にグラビアコーターを用い、塗工厚2μmとなるよう、熱転写インク層(2)を設けた。なお、塗工厚は電子顕微鏡にて観察し平均値を測定した。(以下同様)
(イエロー色溶融熱転写インク層成分)
カルナバワックス 38質量部
エチレン/酢酸ビニル共重合体 40質量部
イエロー色顔料 25質量部
分散剤 2質量部
(マゼンタ色溶融熱転写インク層成分)
カルナバワックス 38質量部
エチレン/酢酸ビニル共重合体 40質量部
マゼンタ色顔料 25質量部
分散剤 2質量部
(シアン色溶融熱転写インク層成分)
カルナバワックス 38質量部
エチレン/酢酸ビニル共重合体 40質量部
シアン色顔料 25質量部
分散剤 2質量部
(黒色溶融熱転写インク層成分)
カルナバワックス 43質量部
エチレン/酢酸ビニル共重合体 40質量部
カーボンブラック 20質量部
分散剤 2質量部
(ニアエンドマークの形成)
その後、熱転写リボン(1)終端よりイエロー(2−1)、マゼンタ(2−2)、シアン(2−3)、黒(2−4)の4色の熱転写インク層(2)2セット分を確保した940mmの位置に、PET基材に3×6mmのアルミ蒸着を施した全厚12μmのアルミ蒸着粘着テープを用いてニアエンドマーク(4)を形成した。
また、本実施例においては、リーダーテープ(6)は用いずに、直径12.7mm、巻軸長65mmのリボン巻軸(3)に同幅状にスリット加工しつつ、直接インクリボン(1)を接合し、リボンを巻回するものとした。
(熱転写インク未塗工部分の形成)
本実施例においては、熱転写インク未塗工部分(5)として、各インク層(2)間に設けられた面順次塗工の間隙をそのまま用いた。したがって、ニアエンドマーク(4)を設けた位置から、以下の計算式により求められた距離、すなわち、その際の外周分の40.9mm離間した位置を含むように、熱転写インク未塗工部分(5)が配設されるよう、インクリボン(1)を構成した。
Figure 2006015569
上記熱転写リボン(1)をリボン巻軸(3)に残りの熱転写リボン(1)を200m巻装し、熱転写リボンロールを作成した。
実施例2
本実施例においては、ニアエンドマーク(4)を設けた位置から、長手方向にリボン巻軸(3)外周長分(12.7π=39.9mm)だけ離間した位置、すなわち、39.9mm離間した位置を含むように、熱転写インク未塗工部分(5)が配設されるようにインクリボン(1)を構成したしたほかは、実施例1と同様にして熱転写リボンロールを作成した。
このように、インクリボン(1)自体が薄く、厚いリーダーテープ材(6)などを長尺用いない場合においては、設計可能有効数字上、実施例1におけるL長(40.9mm)リボン巻軸(3)外周(12.7π=39.9mm)とほぼ同じになり、このような場合、熱転写インク未塗工部分(5)をその分大きくとれば、簡易的にそのままリボン巻軸(3)外周長分だけ離間した位置を用いることができる。
実施例3
実施例1の構成において、リボン巻軸(3)に直接インクリボン(1)を接合せずに、図6に示したように、リボン巻軸(3)とインクリボン(1)の間に、50μmの青色着色リーダーテープ(6)500mmを配設してリボンを巻回するものとし、以下の計算式により求められた距離、すなわち、その際の外周分の44.6mmニアエンドマーク(4)から離間した位置を含むように、熱転写インク未塗工部分(5)が配設されるよう、インクリボン(1)を構成したほかは、実施例1と同様にして熱転写リボンロールを作成した。
Figure 2006015569
以上、熱転写インク未塗工部分をニアエンドマークに対し、熱転写リボンの長手方向であって、リボン巻軸と逆側へ設ける例にて説明したが、リボン巻軸と同じ側へ設ける場合、両側へ設ける場合も同様に行うことができる。
実施例4
実施例1の構成において、図5に示したものを、リボン巻軸として直径31.7mm、巻軸長65mmのリボン巻軸(3)に同幅状にスリット加工しつつ、直接インクリボン(1)を接合し、リボンを巻回するものとし、3×30mmのニアエンドマーク(4)を以下の数式により求められた距離、すなわち、その際の外周分の100mmニアエンドマーク(4)から離間した位置を含むように、熱転写インク未塗工部分(5)が配設されるよう、インクリボン(1)を構成したほかは、実施例1と同様にして熱転写リボンロールを作成した。このとき、ニアエンドマーク(4)は、インク層間未塗工部分(5−1)に付設されることとなった。
Figure 2006015569
本実施例の構成によれば、図7に示したように、Lの長さは100mmであり、面順次に形成した熱転写インク層(2)の長手方向の塗工長さは95mm、熱転写インク未塗工部分(5)は5mmであることから、その合計100mmと同じになっている。すなわち、当該構成によれば、インク層間未塗工部分(5−1)にニアエンドマーク(4)を付設した上で、リボンを捲回した際には、次のインク層間未塗工部分(5−1)がニアエンドマーク(4)に重なる、いわゆる熱転写インク未塗工部分(5)として機能するので、双方のインク層間未塗工部分(5−1)が熱転写インク未塗工部分(5)としての機能を兼ね備え、相互作用により最適なブロッキング防止効果を発揮する。さらに、この際、ニアエンドマーク(4)より熱転写リボンの長手方向であって、リボン巻軸と同じ側に存在する熱転写インク未塗工部分がリボン捲回時、ニアエンドマーク(4)と重なり、その相乗効果により、より好ましいブロッキング防止効果を奏することができた。
比較例
実施例1において、熱転写インク未塗工部分(5)を設けないほかは実施例1と同様にして熱転写リボン(1)及び熱転写リボンロールを作成した。
上記構成により、実施例1〜3は、リボン(1)を捲回した際に、ニアエンドマーク(4)と熱転写インク未塗工部分(5)の関係は、図3に示すが如く、両者重なり合い、最大限ニアエンドマーク(4)によるブロッキングの弊害を緩和することができた。(55℃/85%Rh/1Week)
さらに、実施例4では、ニアエンドマーク(4)を設けた部分自体も熱転写インク未塗工部分(5)であることから、相互作用により、より厳しい環境条件下でもブロッキングを起こすことはなかった。(図示せず)
一方、比較例では、同様の試験において、ニアエンドマーク(4)が熱転写インク面に直接、接していることから、ブロッキングを起こしてしまった。(55℃/85%Rh/1Week)(図示せず)
上記実施例1〜4の構成は、熱転写インク未塗工部分(5)として面順次塗工の際の間隙を利用したが、上述のように別途熱転写性インク層(2)を加熱や剥離等により除去することにより熱転写インク未塗工部分(5)を形成することもできる。ただし、基材としてやや厚いものを使用するか、十分な注意を払ってインクを除去するなどのリボン損傷防止手段を講ずる必要がある。
本発明は、熱溶融転写リボン、熱昇華転写リボン、ホットスタンプリボン、カバーラップリボン、ラミネート転写リボンなどのニアエンドマークを付設可能な熱転写リボンにおいて利用可能である。
本発明の一例を示す斜視図 図1の例においてニアエンドマーク部分付近までリボンを捲回した状態を示す斜視図 ニヤエンドマークと熱転写インク未塗工部分とが重なった状態を示す拡大模式図 本発明の別の一例を示す斜視図(リーダー付き) 本発明の別の一例を示す斜視図(面順次熱転写インク層) 本発明の別の一例を示す斜視図(リーダー付き面順次熱転写インク層) ニヤエンドマークと熱転写インク未塗工部分との付設例を示す斜視図
符号の説明
1 熱転写リボン
2 熱転写インク層
2−1 イエロー色熱転写インク層
2−2 マゼンタ色熱転写インク層
2−3 シアン色熱転写インク層
2−4 黒色融転写インク層
3 リボン巻軸
4 ニアエンドマーク
5 熱転写インク未塗工部分
5−1 インク層間未塗工部分
6 リーダーテープ

Claims (7)

  1. リボン巻軸に熱転写リボンをロール状に捲回する熱転写リボンロールであって、該熱転写リボン上の終端付近にニアエンドマークを付設し、該ニアエンドマークから長手方向に、{(ニアエンドマーク部分まで熱転写リボンをリボン巻軸に捲回したときの外径(d1))×π(円周率)}に、
    {熱転写リボンの厚み×2×π(円周率)}を加算および/または減算した、
    (ニアエンドマークから熱転写インク未塗工部分までの距離(L))の位置を含むように少なくとも1箇所の熱転写インク未塗工部分を設け、かつ、熱転写リボンをリボン巻軸に捲回した際、熱転写インク未塗工部分がニアエンドマークに重なり、ニアエンドマークを面積的に覆設するよう構成したことを特徴とする熱転写リボンロール。
  2. リボン巻軸に熱転写リボンをロール状に捲回する熱転写リボンロールであって、該熱転写リボン上の終端付近にニアエンドマークを付設し、該ニアエンドマークから長手方向にリボン巻軸外周長分だけ離間した位置を含むように、熱転写リボンをリボン巻軸に捲回した際、熱転写インク未塗工部分がニアエンドマークに重なり、ニアエンドマークを面積的に覆設するよう構成したことを特徴とする熱転写リボンロール。
  3. ニアエンドマークに対し、熱転写リボンの長手方向であってリボン巻軸と逆側に熱転写インク未塗工部分を設けたことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の熱転写リボンロール。
  4. ニアエンドマークに対し、熱転写リボンの長手方向であってリボン巻軸と同じ側に熱転写インク未塗工部分を設けたことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の熱転写リボンロール。
  5. ニアエンドマークに対し、熱転写リボンの長手方向であってリボン巻軸と同じ側と逆側にそれぞれ熱転写インク未塗工部分を設けたことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の熱転写リボンロール。
  6. ニアエンドマークが金属蒸着フィルムからなることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の熱転写リボンロール。
  7. 熱転写リボンが、複数の熱転写インク層をインク層間未塗工部分を設けつつ面順次に塗り分けて有するものであって、該インク層間未塗工部分の少なくとも1ヶ所がニアエンドマークと重なる前記熱転写インク未塗工部分であることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の熱転写リボンロール。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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