JP2006015116A - 硬度可変式の車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シートクッションフレーム1の前方形成部および後方形成部を、フロア固定部材に対して上下動自在に連結したリフター機構を有する車両用シートであって、弾性部材10が前記前方形成部と後方形成部とに介在されるとともに、弾性部材10がシートクッションフレーム1の上方位置では初期荷重が小さく、下方位置では初期荷重が大きくなるように設置されているものとした。
【選択図】 図1
Description
図面は、本発明を自動車用シートの運転席側シートに適用した場合を示すものであり、図1は斜視図、図2はその正面図、図3〜図4は作動説明図である。また、図において1はシートクッションフレーム(シートバックフレームは図示せず)、2は例えばアッパーレールのようなフロア固定部材である。また、このシートには着座者の身長に合わせて視界の確保ができるようにシートクッションの座面高さを調整するリフター機構が組み込んである。
このような構成により、小柄な人が着座したときのシートクッション位置である上方使用位置においては弾性部材のたわみ量が大きくなり、一方、大柄な人が着座したときのシートクッション位置である下方使用位置においては弾性部材のたわみ量が小さくなって、どのような体格の人が着座した場合にも常に良好な着座感が得られるのである。
このような構造とすることにより、シートクッションフレーム1の上下動に伴い、偏心部6と前方形成部あるいは後方形成部との距離を変化させ、介在された弾性部材10の初期荷重を変化させることが簡単な構造で可能となる。
図3〜図4は作動説明図であり、図3はシート位置が最下部となるようにリフター機構を下降させた状態(ロアモースト時、以下L/M時という)を示し、図4はシート位置が最上部となるようにリフター機構を上昇させた状態(アッパーモースト時、以下U/M時という)を示すものである。
図示のものでは、後側リンク4に設置されたロッド5に軸芯をずらせた上側に延びる偏心部6が設けられており、この偏心部6に弾性部材10の車両後方向の一端が固定されている。一方、弾性部材10の車両前方向の一端はシートクッションフレーム1の前方形成部に固定されている。ここで図3に示すように、L/M時における弾性部材10の前方引っ掛け部と後方引っ掛け部との直線距離を(L)とし、図4に示すように、U/M時における弾性部材10の前方引っ掛け部と後方引っ掛け部との直線距離を(L´)とすると、U/M時には前後側リンク3、4がそれぞれ枢着部3a、4aを中心に回転してシートクッションフレーム1が上昇して、偏心部6の前方引っ掛け部に対する相対的な位置が変わるため、L>L´となる。この結果、U/M時における弾性部材10の初期荷重が小さくなってたわみやすくなるので、小柄な人(体重の軽い人)が着座した場合、十分にたわんで優れたクッション性を発揮することとなる。
このように、ばね部材10aを前方または後方端部付近に設定することにより、シートパッドを薄肉化したとき、ばね部材10aによる着座時の異物感をなくすことが可能となり好ましい。
このような構造とすることにより、シートパッドの厚みに係わらず、異物感のない良好なたわみ感を得ることができ、またリフタ機構がL/M時には、コイルスプリングはたわみにくくなるため、シート座面とフロアとの距離を小さくする必要がある場合でも、着座時にシート下面がフロアに底づきするのを防止することができる。
なおコイルスプリングとしては、図5に示すような使用範囲内での使用が好ましい。これにより、L/M時とU/M時におけるコイルスプリングのテンションが変化して着座の際のクッション性を最適になるよう変化させることができる。
更に詳述すれば、図7に示されるように、左右の後側リンク4、4間には連結用のロッド5が一体的に取り付けられており、該ロッド5には軸心をずらせた偏心部6が設けられたものとなっている。そして、この偏心部6にはSバネ10bの後端が固定された構造となっている。なお、Sバネ10bのもう一方の端部である前端は、従来と同様にシートクッションフレーム1の前方形成部に固定してある。
図8は、リフター機構を作動した場合における前後のリンク3、4とシートクッションフレーム1およびSバネ10bの作動説明図である。図8に示されるように、リフター機構の操作レバー(図示せず)を操作すると前後のリンク3、4はそれぞれ枢着部3a、枢着部4aを中心に回動して、シートクッションフレーム1が下端位置と上端位置の間を昇降動する。一方、後側リンク4には連結用のロッド5が一体的に取り付けられているとともに、該ロッド5には軸心をずらせた偏心部6が設けられたものとなっており、この偏心部6にSバネ10bの後端が固定された構造となっているので、シートクッションフレーム1の上昇に伴いSバネ10bの長さは徐々に短くなる。
即ち、シートクッションフレーム1の前方形成部にあるSバネ10bの固定部とロッド5の軸心とは、シートクッションフレーム1の昇降動の間、常に一定の距離を保っているが、Sバネ10bの後端を固定する偏心部6との距離は、図8に示されるように、シートクッションの上昇に伴いL1>L2>L3と徐々に短くなるように変化する。この結果、シートクッションフレーム1の上昇に伴いSバネ10bのテンション(引張力)が弱まり、Sバネ10bがたわみやすくなる。
なお、図示のものでは偏心部6として、ロッド5を曲げ加工したものを示したが、その他、直線状のロッド5に軸心をずらすように、例えば別のパイプを溶接やテープ止め等により後加工で付加することもできる。
なお、このようなSバネ10bのたわみ量の調整は、偏心部6の角度や偏心量等により調整することができるので、車種、使用目的等に応じて任意に設計することができるものである。
また、図5はコイルバネのたわみ量と荷重の関係を示すグラフであり、図9はSバネのたわみ量と荷重の関係を示すグラフであるが、その他の弾性部材であってもたわみ量と荷重の関係は同様のものとなることは勿論である。
更には、従来に比べて後側リンク4を連結するロッド5に軸心をずらせた偏心部6を設けるだけの設計変更でよく、簡単に適用することができるという利点も有する。
2 フロア固定部材
3 前側リンク
4 後側リンク
5 ロッド
6 偏心部
10 弾性部材
10a ばね部材
10b Sバネ
11 パッド受け部材
Claims (5)
- シートクッションフレームの前方形成部および後方形成部を、フロア固定部材に対して上下動自在に連結したリフター機構を有する車両用シートであって、弾性部材が前記前方形成部と後方形成部とに介在されるとともに、弾性部材がシートクッションフレームの上方位置では初期荷重が小さく、下方位置では初期荷重が大きくなるように設置されていることを特徴とする硬度可変式の車両用シート。
- 請求項1において、リフター機構はシートクッションフレームとフロア固定部材を回動自在に連結するリンク機構からなり、このリンク機構のシートクッションフレームとの連結側には、幅方向に横断設置されたロッドを有し、このロッドには軸芯をずらせた偏心部を設けるとともに、弾性部材の車両前後方向の一端が偏心部に固定されていることを特徴とする硬度可変式の車両用シート。
- 請求項2において、弾性部材はばね部材からなるとともに、該ばね部材の少なくとも一端はシート状またはマット状のパッド受け部材を介して、前方形成部または後方形成部、あるいは偏心部に固定されていることを特徴とする硬度可変式の車両用シート。
- 請求項2または3において、リフター機構はシートクッションフレームの前方形成部とフロア固定部材を回動自在に連結する前側リンクと、シートクッションフレームの後方形成部とフロア固定部材を回動自在に連結する後側リンクからなり、偏心部は後側リンクに設けられ、弾性部材は1つ以上のコイルスプリングであり、このコイルスプリングの一端は偏心部に直接固定されるとともに、他端がパッド受け部材を介して前方形成部に固定されていることを特徴とする硬度可変式の車両用シート。
- 請求項3において、ばね部材はSばねであり、偏心部にSばねの後端を固定し、一方、Sばねの前端をシートクッションフレームの前方形成部に固定してSばねのたわみ量が変化するようにしたことを特徴とする硬度可変式の車両用シート。
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