JP4102636B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図8に示すように、一般的な車両用シート100として、フロアに敷設した左右一対のロアレール101、ロアレール101上を前後動自在に摺動するアッパーレール102、アッパーレール102上に固定したアジャスタ103、アッパーレール102とアジャスタ103とを連結するリンク機構104、左右のアジャスタ103の前端部に連結された前パネル体105、リンク機構104に取付けられた連結シャフト106、前パネル体105と連結シャフト106の間に架設されたクッション用バネ107を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、車両用シートの他の構成例としては、図9(a)に示すようなブラケット108を、図9(b)に示すように、連結シャフト106の下方であって、左右のアジャスタ103にボルト108aで固定して、このブラケット108にクッション用バネ107を取付けたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−120383号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、着座の際に乗員がシートから感じるフィーリング(着座感)を向上させるには、乗員が着座する際の初期の時点(バネへの低荷重時)における座面の沈下量を大きくして、その後、着座が完了した時点(バネへの高荷重時)においては荷重乗員の体を包み込むように座面形状を変化させるのが好ましい。
【0005】
ここで、図8に示した上記特許文献1の場合、クッション用バネ107の後部が連結シャフト106に支持されているため、低荷重時における座面の沈下量はバネ107のたわみ量とほぼ等しくなり、沈下量が不足するという問題があった。特に、座面の厚さが薄い車両用シートでは、低荷重時における座面の沈下量を大きくすることが困難であるため、このような問題が顕著となっていた。
【0006】
また、図9に示した車両用シートの場合も同様に、バネ107をブラケット108に固定する構造であるため、低荷重時における座面の沈下量が不足するという問題があり、さらに、連結シャフト106の下方にブラケット108を架設するため、後部座席の着座者の足Fを入れるための空間として利用されている、シート後部下方のスペースが狭くなり、いわゆる足入れ性が悪化するという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、着座感及び足入れ性を向上し、部品点数を削減できる車両用シートを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、車両の前後方向に沿って配設される左右一対の側部フレームと、側部フレームの前部に配設される前部フレームと、側部フレームの後部に配設される後部フレームと、前部フレームと後部フレームの間に架設されるバネとを備える車両用シートであって、後部フレームに嵌合してバネの後部を相対的に上下動可能に支持するバネ支持部材を備え、前記バネ支持部材が、後部フレームの長手方向に延びる開口を備えて前記後部フレームに回動可能に嵌合する略筒状の嵌合部と、前記嵌合部の円周方向の端部から延出して前記バネの後部を支持する支持部とを備え、前記嵌合部は、前記開口が前記支持部側へ向いていて、後部フレームに逆手の形態で嵌合していることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、後部フレームに嵌合してバネの後部を相対的に上下動可能に支持するバネ支持部材を備えるので、着座が完了するまでの座面の沈下(座面形状の変化)を、バネの撓みとバネ支持部材自体の移動量の2つで調節することが可能となり、バネへの低荷重時においては座面の沈下量を大きくでき、さらに、バネへの高荷重時においては荷重乗員の体を包み込むように座面形状を変化させることができる。
【0010】
また、バネ支持部材を介してバネの後部を後部フレームに連結する構成となるので、バネを短くすることができ、車両用シートの軽量化や低コスト化を図ることができる。
また、後部フレームにバネ支持部材を嵌合させる構造を備えるので、例えば、従来の車両用シートのように、連結シャフトの下方に、バネを固定するためのブラケットを別途設ける場合と比較すると、後部座席の着座者の足を入れるためのシート後部下方のスペースを広くとることができ、足入れ性を向上することができる。また、車両用シートの部品点数を削減でき、軽量化を図ることができる。
【0012】
また、本発明によれば、バネを支持した状態のバネ支持部材が後部フレームに回動可能に嵌合する。従って、バネ支持部材を介することによりバネの長さが短くなるにもかかわらず、バネ支持部材の回動に伴って支持部が下方に移動することにより、バネの総撓み量を大きくすることができる。
また、バネ支持部材が略筒状の嵌合部と、嵌合部の円周方向の端部から延出してバネの後端を支持する支持部とにより概略構成されるので、バネ支持部材が比較的単純な構成となり、車両用シートを低コストかつ短時間で製造することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートであって、前記嵌合部の内周面と前記後部フレームの表面との間に介在して、嵌合部の内周面と後部フレームの表面とを離間させる離間手段40を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、嵌合部の内周面と後部フレームの外周面とを離間させる離間手段により、嵌合部の内周面が後部フレームの外周面を摺動する際の異音の発生を防止できる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用シートであって、前記後部フレームに嵌合した状態のバネ支持部材の左右方向への移動を規制する移動規制手段50を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を得られると共に、後部フレームに嵌合した状態のバネ支持部材の左右方向への移動を規制する移動規制手段により、バネを左右方向に移動させずに常に最適位置に固定させておくことが可能となり、座面のクッション性を常に最適なものにしておくことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用シート1の実施の形態について図面を用いて説明する。
本実施の形態においては、車両用シートを自動車のフロントシートに適用した場合について示す。
【0018】
図1に示すように、車両用シート1はフロア上の前後方向に沿って配置される左右一対のロアレール2、ロアレール2上を前後方向に摺動するアッパーレール3、アッパーレール3に固定される側部フレーム4、アッパーレール3と側部フレーム4とを連結するリンク機構5、左右の側部フレーム4の前部に配設される前部フレーム6、左右の側部フレーム4の後部に配設される略筒状の後部フレーム7、後部フレーム7に嵌合するバネ支持部材10、前部フレーム6と後部フレーム7に架設されるバネ8等を備える。
【0019】
なお、車両用シート1の構成については特に限定されるものではなく、前後方向に沿って配置した左右の側部フレーム4の前後に前部フレーム6及び後部フレーム7を配設し、前部フレーム6と後部フレーム7の間にバネ8を架設する構成を備えるものであればよい。つまり、側部フレーム4、前部フレーム6及び後部フレーム7が構造上互いに連結・接合されているか否かは問わず、車両用シート1の座面部分を構成する部材として用いられるものであれば良い。
【0020】
また、本発明は後部フレーム7に嵌合するバネ支持部材10の構造及び機能に特徴を有するものであるため、従来より車両用シート1の構成部材として周知である側部フレーム4や前部フレーム6等についての説明は省略する。
また、図2に示すように、バネ支持部材10は前後方向に伸びる車両用シート1の中心線CLを挟んで左右に一つずつ設けられるものであり、以下、中心線CLを挟んで右側のバネ支持部材10について説明する。
【0021】
図2に示すように、バネ支持部材10は、後部フレーム7に嵌合した状態でバネ8の後部を相対的に上下動可能に支持するための部材であり、嵌合部20と支持部30を備える。バネ支持部材10は、例えばプラスチック等の樹脂やアルミニウム等の金属であって、弾性を有する材料で構成されている。
【0022】
嵌合部20は後部フレーム7の外径とほぼ同一の内径を有する略筒状に形成されており、その長手方向(左右方向)に延びる開口21を備えている。そして、嵌合部20の円周方向の両端部のうち一方の端部21a(図2では下側の端部)から前方に延出して支持部30が形成されている。嵌合部20の円周方向の長さは少なくとも後部フレーム7の全周の半分以上を覆う程度であればよい。
開口21は嵌合部20の左右方向の全域にわたって形成されており、詳しい説明は後述するが、乗員が着座する際のバネ8への荷重変動に応じて、その円周方向の長さが適宜変化するようになっている。
【0023】
バネ支持部材10を後部フレーム7に嵌合させるには、例えば、開口21を後部フレーム7の外周面に押し付けて、開口21の円周方向の長さを弾性的に拡大させればよい。あるいは、後部フレーム7をリンク機構5に接合する前の段階において、嵌合部20を後部フレーム7の左右いずれかの端部側から挿通すればよい。
また、バネ支持部材10の取り付け状態としては、嵌合部20の円周方向の両端部のうち支持部30が形成されている側の端部21aを、図3(a)に示すように上側に位置させた状態(以下、この状態を「順手状態」という。)と、図3(b)に示すように下側に位置させた状態(以下、この状態を「逆手状態」という。)とが考えられるが、本発明にかかるバネ支持部材10は、逆手状態で後部フレーム7に取りつけるものとする。
【0024】
支持部30は、上述のように嵌合部20の一方の端部21aから前方に延出する部材であり、その前端部分が後方に折り返されている。そして、この折り返し部分31に形成される開口32にバネ8の後端を挿通することにより、開口32を中心としてバネ8の後部を回動可能に支持している。
このように、バネ支持部材10は後部フレーム7の表面を軸回りに回動しつつ、開口32を中心としてバネ8の後部を回動可能に支持することにより、バネ8の後部を相対的に上下動可能に支持している。
【0025】
次に、乗員が着座する際のバネ支持部材10の動作について説明する。
図4(a)は、後部フレーム7に逆手状態で嵌合するバネ支持部材10と、前部フレーム6及びバネ支持部材10に前後を支持されて略水平状態となったバネ8の側面図であり、乗員が着座する前の状態、つまり、バネ8に乗員の体重(荷重)が付加される以前の状態を示している。なお、以下の説明においては、便宜上、前部フレーム6がバネ8を支持する点を「支点A1」とし、バネ支持部材10がバネ8を支持する点を「支点A2」とする。
この状態から乗員が着座し始めるとバネ8の後部に低荷重が印加され、図4(b)に矢印で示すように、嵌合部20が反時計回りに回動する。
【0026】
支持部30は、嵌合部20の回動に伴って下方へ移動すると共に、図3(b)に矢印で示すように下方に弾性的に撓む。
支持部30の下方への移動に伴って、バネ8の後端は折り返し部分31の開口32内を回動しながら下方に移動する。そして、バネ8の後部が下方に撓んだ状態となる。
【0027】
ここで、図4(b)に示した状態でのバネ8の撓み量D1(図4(a)に示す水平状態からバネ8の最下点までの垂直方向の距離)は、バネ8の最下点から支点A1と支点A2を結ぶ直線までの垂直方向の距離d1と、水平状態から図4(b)に示す状態までの支点A2の垂直方向の移動量d2とを足し合せたものとほぼ等しいと考えて良い。
ここで、距離d1は、仮にバネ支持部材10が時計回りに回動しなかった場合、つまり、従来の車両用シート1のように、バネ8の後端が、連結シャフト等の高剛性を有し上方からの荷重に対する下方への撓み量がほとんどない部材に支持されている場合のバネ8の撓み量とほぼ等しいと考えられる。
【0028】
従って、バネ支持部材10を介してバネ8の後端を支持することにより、バネ支持部材10が回動して支点A2が下方に移動する分、低荷重時における座面の沈下量がほぼd2だけ大きくなることが分かる。
その後、着座が完了した時点ではバネ8の後部に高荷重が印加され、図4(c)に示すように、バネ支持部材10は反時計回りに微小量回動する。そして、バネ支持部材10が微小量回動することに伴って、支点A2が微小量下方に移動する。
【0029】
図5のグラフは、印加荷重とバネ8の撓み量(変位量)との関係を示すものであり、Aはバネ支持部材10を介してバネ8の後部を支持した場合、Bは従来の車両用シート1のように、連結シャフト等を介してバネ8の後部を支持した場合を示す。
また、Y1は図4(b)に示した低荷重領域(バネ8への荷重が0〜W1までの範囲)を示し、Y2は図4(c)に示した高荷重領域(バネ8への荷重がW1以上の範囲)を示す。
【0030】
グラフより、低荷重領域Y1においてはAの傾きはBの傾きと比較して緩やかなものとなっている。つまり、バネ8への印加荷重が0〜W1までの範囲内では、バネ支持部材10を用いることにより座面の沈下量が従来と比較して大きくなっていることが分かる。
また、高荷重領域Y2においてはAの傾きとBの傾きはほぼ等しくなっている。つまり、バネ8への印加荷重がW1を超える範囲では、支点A2は下方へほとんど移動せず、所定量の印加荷重の増加に対するバネ8の撓み量が従来とほぼ同様となることが分かる。
【0031】
ここで、Aにおける低荷重領域Y1での変位量と、高荷重時Y2での変位量とを比較すると、低荷重領域Y1では水平状態からのバネ8の伸び量が少ないため、バネ8が支点A2に与える引張力、つまり、支持部30を水平状態に戻そうとする力は小さい。
一方、高荷重領域Y2では水平状態からのバネ8の伸び量が大きいため、バネ8が支点A2に与える引張力は大きい。
従って、低荷重時においては所定量の印加荷重に対するバネの変位の割合が大きく、高荷重時においては所定量の印加荷重に対するバネの変位の割合が小さくなっていると判断できる。
【0032】
車両用シートがこのような構造を備えていることにより、着座が完了するまでの座面の沈下(座面形状の変化)をバネ8の撓みとバネ支持部材10の回動量の2つで調節することが可能となる。
つまり、低荷重時には座面を大きく沈下させ、その後の高荷重時においては、所定量の印加荷重の増加に対する座面の沈下割合を従来とほぼ等しくして、乗員の体を包み込むように座面形状を変化させることができる。
【0033】
なお、以上の説明は、バネ支持部材10が後部フレーム7に逆手状態で嵌合している場合のバネ支持部材10の動作に関するものである。
仮にバネ支持部材10が後部フレーム7に順手状態で勘合している場合、バネ支持部材10の撓み方は図3(a)に二点鎖線で示す程度であり、図3(b)に二点鎖線で示す逆手状態のバネ支持部材10の撓み方と比較して小さいものとなり、十分な座面の沈下量を確保できない。
【0034】
次に、バネ支持部材10の他の実施の形態について説明する。
本実施の形態に示すバネ支持部材10は、嵌合部20の内周面と後部フレーム7の外周面との間に介在して、嵌合部20の内周面と後部フレーム7の外周面とを離間させる離間手段を備える。
【0035】
図6(a)、(b)は離間手段40の一例を示すものであり、バネ支持部材10の内周面の左右両縁に、例えばナイロンやプラスチック等の樹脂製や金属製の突出部41が設けられている。このように嵌合部20の内周面と後部フレーム7の外周面とを離間させることにより、嵌合部20の内周面が後部フレーム7の外周面を摺動する際の異音の発生を防止できる。
なお、離間手段40としては、上述したような突出部41をバネ支持部材10の内周面に設ける他、例えば、フェルト等の布をバネ支持部材10の内周面に貼り付けても良い。
【0036】
また、後部フレーム7に嵌合した状態のバネ支持部材10の左右方向への移動を規制する移動規制手段50を設けても良い。
図6(c)は移動規制手段50の一例を示すものであり、後部フレーム7の外周面であって上述した離間手段40の突出部41が当接する位置に溝51が形成されている。そして、バネ支持部材10の回動時に溝51の内面を突出部41が摺動することにより、バネ支持部材10の回動を案内すると共に左右方向への移動を規制することができる。
なお、移動規制手段50としては、上述したような溝51を後部フレーム7の外周面に設ける他、例えば、後部フレーム7の外周面に左右一対の突起を設け、バネ支持部材10をこれら突起の間に嵌合させてもよい。
【0037】
以上のように、本発明に係る車両用シート1によれば、後部フレーム7に嵌合してバネ8の後部を相対的に上下動可能に支持するバネ支持部材10を備えるので、着座が完了するまでの座面の沈下(座面形状の変化)を、バネ8の撓みとバネ支持部材10の回動量の2つで調節することが可能となり、バネ8への低荷重時においては座面の沈下量を大きくでき、バネ8への高荷重時においては荷重乗員の体を包み込むように座面形状を変化させることができる。
また、後部フレーム7にバネ支持部材10を嵌合させる構造を備えるので、例えば、図7に示すように、従来のように、本発明の後部フレーム7に相当する連結シャフトの下方に、バネ8を固定するためのブラケット60を別途設ける場合と比較して、後部座席の着座者の足Fを入れるためのシート後部下方のスペースを広くとることができ、足入れ性を向上することができる。
【0038】
また、バネ支持部材10が略筒状の嵌合部20と、嵌合部20の円周方向の端部21aから延出してバネ8の後端を支持する支持部30とにより概略構成されるので、バネ支持部材10が比較的単純な構成となり、車両用シート1を低コストかつ短時間で製造することができる。
【0039】
また、嵌合部20の内周面と後部フレーム7の外周面とを離間させる離間手段40を備える場合は、嵌合部20の内周面が後部フレーム7の外周面を摺動する際の異音の発生を防止できる。
また、後部フレーム7に嵌合した状態のバネ支持部材10の左右方向への移動を規制する移動規制手段50を設ける場合は、バネ8が左右方向に移動させずに、常に最適位置に固定させておくことが可能となり、座面のクッション性を常に最適なものにしておくことができる。
【0040】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。
例えば、支持部30の前端部分を後方に折り返して形成される開口32にバネ8の後端を挿通し、この開口32を中心としてバネ8の後部を回動可能に支持するものとしたが、これに限らず、例えば、支持部30の前端部分に、左右方向に貫通した孔を形成し、この孔にバネ8の後端を挿通してもよい。
【0041】
また、支持部30の押り返し部分31を一つのバネ支持部材10に対して二つ設けることで、二つのバネ8を支持するものとしたが、折り返し部分31の数は適宜変更可能である。
また、開口21が嵌合部20の左右方向の全域にわたって形成されるものとしたが、バネ8に荷重が印加された際に、支持部30の下方への撓み量を十分に確保できる構造であればよく、例えば、嵌合部20の円周方向の両端部同士が一部接合されていても良い。
また、嵌合部20と支持部30とを一体に成形してもよく、あるいは、これらを別体に成形した後に接合するしてもよい。
また、後部フレーム7は略筒状、つまり、断面形状は略円形であるのが原則であるが、後部フレーム7に嵌合するバネ支持部材10が回動できる程度の円形形状を備えていれば良い。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、着座が完了するまでの座面の沈下(座面形状の変化)を、バネの撓みとバネ支持部材自体の移動量の2つで調節することが可能となり、バネへの低荷重時においては座面の沈下量を大きくでき、さらに、バネへの高荷重時においては荷重乗員の体を包み込むように座面形状を変化させることができる。また、後部座席の着座者の足を入れるためのシート後部下方のスペースを広くとることができ、足入れ性を向上することができる。また、車両用シートの部品点数を削減でき、軽量化を図ることができる。
【0043】
また、本発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、バネ支持部材の回動に伴って支持部が下方に移動することにより、バネの総撓み量を大きくすることができる。
また、バネ支持部材が略筒状の嵌合部と、嵌合部の円周方向の端部から延出してバネの後端を支持する支持部とにより概略構成されるので、バネ支持部材が比較的単純な構成となり、車両用シートを低コストかつ短時間で製造することができる。
【0044】
請求項2記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、嵌合部の内周面と後部フレームの外周面とを離間させる離間手段により、嵌合部の内周面が後部フレームの外周面を摺動する際の異音の発生を防止できる。
【0045】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られると共に、後部フレームに嵌合した状態のバネ支持部材の左右方向への移動を規制する移動規制手段により、バネを左右方向に移動させずに常に最適位置に固定させておくことが可能となり、座面のクッション性を常に最適なものにしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に示す車両用シートを示す要部斜視図である。
【図2】バネ支持部材の構造を示す要部斜視図である。
【図3】バネ支持部材の構造を示す要部側面図(a)、(b)である。
【図4】バネ支持部材の動作を示す要部側面図(a)〜(c)である。
【図5】荷重とバネの変位量との関係を示すグラフである。
【図6】車両用シートの他の実施の形態を示す要部斜視図(a)、要部断面図(b)、(c)である。
【図7】本実施の形態に係る車両用シートと従来の車両用シートとを比較する図面である。
【図8】従来の車両用シートを示す要部斜視図である。
【図9】ブラケットの構造を示す要部斜視図(a)及び従来の車両用シートを示す要部側面図(b)である。
【符号の説明】
1 車両用シート
4 側部フレーム
6 前部フレーム
7 後部フレーム
10 バネ支持部材
20 嵌合部
21 開口
30 支持部
40 離間手段
50 移動規制手段
Claims (3)
- 車両の前後方向に沿って配設される左右一対の側部フレームと、側部フレームの前部に配設される前部フレームと、側部フレームの後部に配設される後部フレームと、前部フレームと後部フレームの間に架設されるバネとを備える車両用シートであって、
後部フレームに嵌合してバネの後部を相対的に上下動可能に支持するバネ支持部材を備え、
前記バネ支持部材が、後部フレームの長手方向に延びる開口を備えて前記後部フレームに回動可能に嵌合する略筒状の嵌合部と、前記嵌合部の円周方向の端部から延出して前記バネの後部を支持する支持部とを備え、
前記嵌合部は、前記開口が前記支持部側へ向いていて、後部フレームに逆手の形態で嵌合していることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートであって、
前記嵌合部の内周面と前記後部フレームの表面との間に介在して、嵌合部の内周面と後部フレームの表面とを離間させる離間手段を備えることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1又は2に記載の車両用シートであって、
前記後部フレームに嵌合した状態のバネ支持部材の左右方向への移動を規制する移動規制手段を備えることを特徴とする車両用シート。
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