以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態における車両用シート1の斜視図である。なお、図1では、図面を簡素化するために、車両用シート1の一部の図示を省略し、模式的に図示している。また、図1における矢印U−D,L−R,F−Bは、車両用シートの上下方向、幅方向(左右方向)、前後方向をそれぞれ示しており、図2から図8においても同様とする。
図1に示すように、車両用シート1は、車両(例えば、自動車)に搭載されるシートであり、座面を構成するシートクッション2と、そのシートクッション2の後端に接続されると共に背もたれを構成するシートバック3と、そのシートバック3の上端に配設されるヘッドレスト4と、シートバック3の後方側から前方側に向けてシートバック3の上端に掛け渡されるトップテザー5とを備える。
シートクッション2は、軟質ポリウレタンフォーム等の発泡体から構成されるクッションパッド(図示せず)をクッションフレーム(図示せず)に支持させ、クッションパッドを表皮材で覆って構成される。シートバック3も同様に、軟質ポリウレタンフォーム等の発泡体から構成されるバックパッド(図示せず)をバックフレーム30(図2参照)に支持させ、バックパッドを表皮材(図示せず)で覆って構成される。
シートバック3の上端の前面には、後方側に向けて凹設される凹部3aが形成され、その凹部3aにヘッドレスト4が嵌め込まれる。なお、シートバック3のうち、装着状態のヘッドレスト4の背面側に位置する部位を背面部3bと定義する。
トップテザー5は、車両の前面衝突時にチャイルドシート(幼児用補助装置)の前傾を規制するためのベルトである。シートクッション2及びシートバック3にチャイルドシートを装着する場合には、ヘッドレスト4が取り外され、背面部3bの上端を通ってシートバック3の前方側にトップテザー5が垂下される。そのトップテザー5がチャイルドシートに接続されることにより、チャイルドシートの前傾がトップテザー5によって規制される。よって、チャイルドシートの装着状態で車両が前面衝突した場合、チャイルドシートの前傾によってトップテザー5が前方側に牽引されるため、その牽引によって背面部3bには所定の荷重が作用する。
次いで、図2を参照して、車両用シート1の詳細構成について説明する。図2は、バックフレーム30の部分拡大正面図である。なお、図2では、図面を簡素化するために、バックフレーム30の一部の図示を省略し、模式的に図示している。
図2に示すように、車両用シート1は、シートバック3の骨格を構成するバックフレーム30と、そのバックフレーム30の上端部分に連結される支持部材6とを備える。
バックフレーム30は、上下方向に延設されると共に幅方向で所定間隔を隔てて配設される一対のサイドフレーム31と、それら一対のサイドフレーム31の下端どうしを接続すると共に幅方向に延設されるロアフレーム32と、一対のサイドフレーム31の上端どうしを接続すると共に幅方向に延設されるアッパーフレーム33と、を備える金属製のフレームである。
ロアフレーム32には固定部32aが設けられ、この固定部32aにトップテザー5の基端が固定される。トップテザー5は、固定部32aからアッパーフレーム33及び支持部材6の背面側(図2の紙面垂直方向奥側)を通って上方に向けて延設される。
支持部材6は、シートバック3の背面部3b(図1参照)の骨格を構成する金属製のフレームである。よって、チャイルドシートの装着状態(チャイルドシートにトップテザー5が接続される状態)では、支持部材6によってトップテザー5が下方から支持されるので、チャイルドシートが前傾した場合のトップテザー5からの荷重は支持部材6に作用する。
支持部材6は、アッパーフレーム33に連結される板状のフレームとして構成されると共に幅方向に所定間隔を隔てて配設される一対の第1フレーム60と、それら一対の第1フレーム60の上端から上方側に延びる第2フレーム61と、一対の第1フレーム60どうしを幅方向で接続する第3フレーム62と、を備える。
次いで、図3を参照して、支持部材6の詳細構成について説明する。図3(a)は、図2のIIIa−IIIa線におけるバックフレーム30の部分拡大断面図であり、図3(b)は、図3(a)の矢印IIIb方向視におけるバックフレーム30の部分拡大背面図であり、図3(c)は、図3(a)のIIIc−IIIc線における支持部材6の部分拡大断面図である。なお、図3では、図面を簡素化するために、バックフレーム30の一部の図示を省略し、模式的に図示している。
図3に示すように、支持部材6の第1フレーム60は、第2フレーム61の正面を覆う正面部60aと、その正面部60aの幅方向内側(図3(c)の右側)の端部から後方側に延びると共に第2フレーム61の幅方向内側の側面を覆う側面部60bと、その側面部60bの後端から支持部材6の幅方向内側に張り出す張出部60cと、を備え、1枚の金属板をプレス加工することで形成される。よって、正面部60a、側面部60b、及び、張出部60cは、それぞれ同一の板厚の板状体から構成される。
正面部60aは、上下方向に延びると共に第2フレーム61が連結される連結部60a1と、その連結部60a1の下端から前方側(図3(a)の左側)へ向けて下降傾斜する傾斜部60a2と、を備える。傾斜部60a2及び側面部60bのそれぞれの下端がアッパーフレーム33の上面に溶接によって連結される。側面部60bの後端は、アッパーフレーム33の背面よりも後方側に位置し、側面部60bの後端に連設される張出部60cは、アッパーフレーム33の背面に溶接によって連結される。
第2フレーム61は、チャイルドシートの装着状態(前面衝突によってトップテザー5が前方側へ牽引される前の状態)において、トップテザー5を下方から支持するフレームである。第2フレーム61は、一対の第1フレーム60のそれぞれから上方に延びる一対の脚部61aと(脚部61aが幅方向で一対に配設される点については、図2参照)、それら一対の脚部61aの上端から支持部材6の幅方向中央に向けて湾曲する一対の湾曲部61bと、それら一対の湾曲部61bのそれぞれから幅方向に延設される一対の頂部61cと、を備え、金属材料から円筒状に形成される。
なお、脚部61aのうち、第1フレーム60の上端よりも下方に位置する(第1フレーム60の正面部60a及び側面部60bに被覆される)部位を被覆部61a1、第1フレーム60の上端よりも上方側に露出する部位を露出部61a2と定義する。
被覆部61a1は、連結部60a1の背面(図3(c)の右側の面)、及び、側面部60bの幅方向外側の面(図3(c)の下側の面)にそれぞれ溶接によって連結される。被覆部61a1の下端は、アッパーフレーム33の上面と連結部60a1の下端との間に位置している。即ち、第2フレーム61は、アッパーフレーム33の上面から離間した状態で第1フレーム60に連結され、露出部61a2、湾曲部61b、及び、頂部61cは、それぞれ正面視において第1フレーム60の上方に露出される。
図2に示すように、一対の湾曲部61bのうちの幅方向一側(図2の右側)に位置する湾曲部61bは、幅方向他側に位置する湾曲部61bよりも上方側に位置し、それら一対の湾曲部61bを接続する一対の頂部61cどうしが上下に重ね合わせられた状態で溶接によって連結される。よって、一対の頂部61cどうし(2本の筒状体)が連結されることにより、その連結部分は、露出部61a2や湾曲部61b(1本の筒状体)に比べて剛性が高く設定される。
第3フレーム62は、金属材料から中実の棒状に形成され、第2フレーム61(露出部61a2や湾曲部61b)よりも剛性が高く設定される。第3フレーム62は、一対の第1フレーム60どうしに架け渡され、その両端が張出部60cの前面の上端に連結される。この第3フレーム62は、トップテザー5が前方側へ所定以上に牽引されることを規制するための部材である。
次いで、図4及び図5を参照して、車両が前面衝突してチャイルドシートが前傾し、トップテザー5を介して支持部材6に所定の荷重Fが作用した場合について説明する。図4(a)は、露出部61a2が塑性変形する前の状態を示すバックフレーム30の部分拡大断面図であり、図4(b)は、図4(a)の状態から露出部61a2が塑性変形した状態を示すバックフレーム30の部分拡大断面図である。図5は、頂部61cが塑性変形した状態を示すバックフレーム30の部分拡大上面図である。
図4に示すように、車両の前面衝突時のチャイルドシートの前傾によってトップテザー5が前方側(図4の左側)へ牽引された場合、第2フレーム61の上端部分を構成する頂部61cに対し、トップテザー5から所定の荷重F(例えば、3キロニュートン)が作用する。この場合、被覆部61a1に第1フレーム60(正面部60a、側面部60b、及び、張出部60cから成るもの)が連結されるので、それら被覆部61a1と第1フレーム60とから構成される支持部材6の根本側の部位(第1支持部)の剛性に対し、第1フレーム60から露出される露出部61a2の剛性が低くなる。よって、トップテザー5からの所定の荷重Fによって露出部61a2が塑性変形し、湾曲部61b及び頂部61cが前傾する(図4(b)参照)。
これにより、露出部61a2の塑性変形によってエネルギーが吸収されるので、その塑性変形後に第1フレーム60に加わる荷重Faを低減できる。更に、露出部61a2の変形後には、連結部60a1の上端部分にトップテザー5からの荷重Faが作用する。即ち、露出部61a2の塑性変形前に支持部材6に対して荷重Fが加わる高さL1(アッパーフレーム33と第1フレーム60との連結位置からの高さ)に対し、露出部61a2の変形後に支持部材6に対して荷重Faが加わる高さL2を低くすることができる。
よって、傾斜部60a2、側面部60b、及び、張出部60cと、アッパーフレーム33との連結部分に生じるモーメントを低減できる。このように、第1フレーム60に加わる荷重Faを低減しつつ、第1フレーム60の根本に生じるモーメントを低減することにより、第1フレーム60とアッパーフレーム33との連結部分に加わる負荷を効果的に低減できる。よって、支持部材6を比較的小型(軽量)な部材から構成しても、支持部材6が根元から折れ曲がることを抑制できる。よって、車両用シート1の製品コストを低減できる。
露出部61a2が塑性変形して湾曲部61b及び頂部61cが前方側に傾倒することにより、頂部61cによるトップテザー5の支持位置は、露出部61a2の変形前における支持位置に比べ、所定の距離L3の分、前方側に変位する。その距離L3は、トップテザー5の前方側への変位量(トップテザー5が牽引される量)が所定内に収まる値(例えば、チャイチャイルドシートの安全性を確保できる変位量の90%)に設定されている。これにより、露出部61a2が塑性変形してトップテザー5によるチャイルドシートの固定位置が前方側に変位しても、車両用シート1の安全性を確保できる。
ここで、本実施形態では、支持部材6(背面部3b)(背面部3bは、図1参照)の前方側の凹部3aにヘッドレスト4が配設されるので、前後方向における支持部材6の配設スペースを確保し難い。よって、前後方向における支持部材6の厚みを確保することが困難となるので、例えば、支持部材6を1部材から構成する(例えば、一本の筒状体を矩形に折り曲げたものをアッパーフレーム33に連結する)と、支持部材6が根元から折れ曲がるように変形しやすくなる。支持部材6が根元から折れ曲がると、頂部61cによるトップテザー5の支持位置の変化が距離L3よりも大きくなる(トップテザー5が前方側へ所定以上に牽引される)ため、車両用シート1の安全性が低下する(チャイルドシートの前方側への変位量を規定内に収めることが困難となる)。
これに対して、上記のように、第2フレーム61の変形後に第1フレーム60に加わる荷重Faを低減しつつ、第1フレーム60の根本に生じるモーメントを低減することにより、支持部材6が根元から折れ曲がるように変形することを抑制できる。即ち、支持部材6の前方側にヘッドレスト4が配設される(前後方向における支持部材6の厚みを確保し難い)場合であっても、チャイルドシートの前方側への変位量を規定内に収めることができるので、車両用シート1の安全性が向上する。
ここで、例えば、第1フレーム60及び第2フレーム60をそれぞれ板状体から構成し、それら第1フレーム60と第2フレーム61との接触面積(接続箇所)を支持部材6の幅方向で増大させると、第1フレーム60の幅方向の広範囲に渡って荷重Faが作用する(荷重Faが分散する)ため、第1フレーム60の強度設計が困難となる(必要最小限の剛性で荷重Faを受け止めることが困難となる)。
これに対して、本実施の形態では、一対の脚部61aが第1フレーム60に連結されるので、荷重Faは、それら一対の脚部61a(被覆部61a1及び露出部61a2)を介して第1フレーム60に伝達される。即ち、第1フレーム60に荷重Faが加わる箇所を一対の脚部61aのみに明確化することにより、第1フレーム60に対して補強を行う(剛性を高める)べき箇所を明確にすることができる。これにより、第1フレーム60の強度設計を容易に行うことができるので、第1フレーム60に必要以上の剛性を持たせることを抑制できる。よって、支持部材6を小型化できるので、車両用シート1の製品コストを低減できる。
この場合、単に脚部61aの周囲の剛性を高めることを目的とするのであれば、被覆部61a1の下端をアッパーフレーム33に連結する構成を採用することも可能である。しかしながら、かかる構成では、アッパーフレーム33に対して第1フレーム60及び第2フレーム61の2部材が連結されるため、第2フレーム61の塑性変形後の荷重Faに対する強度設計を、第1フレーム60及び第2フレーム61のそれぞれに対して行わなければならない。
これに対して、本実施形態では、被覆部61a1の下端がアッパーフレーム33の上面と連結部60a1の下端との間に位置し、第2フレーム61は、アッパーフレーム33の上面から離間した状態で第1フレーム60に連結される(第2フレーム61がアッパーフレーム33に直接連結されていない)。これにより、トップテザー5からの荷重Fによって変形する第2フレーム61と、第2フレーム61の変形後の荷重Faを受け止める第1フレーム60とにそれぞれ役割が明確化されるので、荷重Faに対する強度設計を第1フレーム60のみに行えば良い。よって、支持部材6の強度設計を容易に行うことができる。更に、被覆部61a1の下端をアッパーフレーム33に連結する構成に比べ、被覆部61a1の上下方向における寸法を短くすることができるので、車両用シート1の製品コストを低減できる。
この場合、第2フレーム61がアッパーフレーム33の上面から離間した状態で第1フレーム60に連結されると、第2フレーム61がアッパーフレーム33の上面に連結される場合に比べ、支持部材6の根本側の剛性は低くなる。これに対して、本実施形態では、第1フレーム60の正面部60aは、上下方向に延びる連結部60a1と、その連結部60a1の下端から前方側へ向けて下降傾斜する傾斜部60a2とを備える。
傾斜部60a2の前端は、第2フレーム61から荷重が加わる位置(連結部60a1の上端部分)よりも前方側でアッパーフレーム33の上面に連結される。これにより、露出部61a2の変形後の荷重Faによって第1フレーム60が前方側に傾倒することを傾斜部60a2によって規制できる。よって、第2フレーム61がアッパーフレーム33の上面から離間した状態で第1フレーム60に連結される場合であっても、支持部材6の根本が折れ曲がるように変形することを抑制できる。
また、露出部61a2の変形後の荷重Faは、正面部60a及び側面部60bを介して張出部60cにも作用する。この場合、例えば、張出部60cをアッパーフレーム33の上面に連結する構成であると、露出部61a2の変形後の荷重Faによって張出部60cが前傾しやすくなる(張出部60cとアッパーフレーム33との連結部分で折れ曲がりやすくなる)。その変形を抑制するために前後方向における張出部60cの厚みを厚くすると、支持部材6の重量が増大する。
これに対して、本実施形態では、張出部60cの下端がアッパーフレーム33の背面に溶接によって連結され、その溶接位置Aは、アッパーフレーム33の上面よりも下方に位置している。よって、アッパーフレーム33の背面の上端と張出部60cの前面とが接触する位置を支点B(荷重Faによる張出部60cの回転の中心となる点)とした場合、支点Bから溶接位置Aまでの距離L4を長く設定することができる。即ち、張出部60cの板厚を厚く形成することを抑制しつつ、溶接位置Aにおける負荷を低減できる。よって、張出部60cを軽量化しつつ、アッパーフレーム33と張出部60cとの連結部分の耐久性を向上できる。
また、アッパーフレーム33の上面と傾斜部60a2の前端との連結位置を支点C(荷重Faによる張出部60cの回転の中心となる点)とした場合にも、溶接位置Aをアッパーフレーム33の上面よりも下方に位置させることにより、支点Cから溶接位置Aまでの距離を長く設定することができる。
また、傾斜部60a2の前方側への傾斜により、支点Cがアッパーフレーム33の上面の前後方向中央よりも前方側に位置するので、支点Cから溶接位置Aまでの距離を更に長く設定することができる。このように、支点Cから溶接位置Aまでの距離を長くすることにより、溶接位置Aにおける負荷を低減できるので、アッパーフレーム33と張出部60cとの連結部分の耐久性を向上できる。
以上の通り、本実施形態では、所定の荷重Fによって第2フレーム61(露出部61a2)を塑性変形させることを目的としているため、第2フレーム61の剛性が比較的低く設定される。上記の通り、第2フレーム61の変形量(距離L3)は、チャイルドシートの安全性を確保できる値に設定されているものの、何らかの影響(例えば、想定される荷重Fよりも過剰に大きい荷重が第2フレーム61に作用すること)により、第2フレーム61が過剰に塑性変形する恐れがある。
これに対して、本実施形態では、第2フレーム61の変形前において頂部61cの下方に第3フレーム62が配設される。これにより、露出部61a2が塑性変形して湾曲部61b及び頂部61cが前方側に傾倒した場合、トップテザー5(支持部材6の背面側に位置するもの)を第3フレーム62に当接させることができる。即ち、第2フレーム61が過剰に塑性変形しても、トップテザー5が前方側へ所定以上に牽引されることを第3フレーム62によって規制できるので、車両用シート1の安全性が向上する。
また、第3フレーム62が一対の第1フレーム60のそれぞれに接続されるので、第2フレーム61が過剰に塑性変形しようとした場合に、第3フレーム62を介して第1フレーム60にトップテザー5からの荷重を伝達させることができる。即ち、かかる荷重を第3フレーム62のみで受け止めるのではなく、剛性が比較的高く設定される第1フレーム60に伝達させることにより、第3フレーム62に必要以上の剛性を持たせる必要がなくなる。よって、第3フレーム62を小型化することができるので、車両用シート1の製品コストを低減できる。
ここで、トップテザー5が前方側へ所定以上に牽引されることを抑制するために、例えば、第3フレーム62を省略し、一対の張出部60c(図2参照)を幅方向内側に延長することにより、それら一対の張出部60cを1枚の板状体から構成する(一対の第1フレーム60を一体に形成する)ことも可能である。しかしながら、第2フレーム61の変形後に第1フレーム60に加わる荷重Faは、変形の初期段階における荷重Fよりも小さいものであるため、かかる構成では、第1フレーム60(第3フレーム62の代替となる部位)の剛性が過剰になる恐れがある。
これに対して、本実施形態では、第1フレーム60が幅方向に一対に配設され、それら一対の第1フレーム60どうしに第3フレーム62が掛け渡されるので、第1フレーム60の材質や板厚に依存することなく、第3フレーム62の剛性を自由に設定する(第1フレーム60とは異なる材質や、形状にする)ことができる。よって、第3フレーム62の剛性が必要以上に高まることを抑制できるので、車両用シート1の製品コストを低減できる。
図5に示すように、トップテザー5からの荷重によって頂部61cの幅方向中央(トップテザー5を支持する部位)が前方側(図5の左側)に向けて湾曲し、露出部61a2及び湾曲部61bが捻じれるように塑性変形しようとする恐れがある。上述した通り、第1フレーム60に左右一対の脚部61aを連結することにより、荷重Faが加わる箇所を明確化できるものの、頂部61cの幅方向中央が前方側に向けて湾曲しようとすると、一対の露出部61a2から幅方向内側に向けた荷重Fbが第1フレーム60に作用する。その荷重Fbによって側面部60b(図3参照)が支持部材6の幅方向内側に向けて傾倒すると、頂部61cによるトップテザー5の支持位置が前方側に変位し、トップテザー5が前方側に所定以上に牽引される恐れがある。
これに対して、本実施形態では、側面部60bから幅方向内側に張り出す張出部60cが形成され、張出部60cは、側面部60bと脚部61aとの連結位置(即ち、側面部60bに荷重Fbが作用する位置)よりも幅方向内側でアッパーフレーム33に連結される。これにより、一対の露出部61a2から幅方向内側に向けた荷重Fbが側面部60bに加わっても、側面部60bが幅方向内側に向けて傾倒することを張出部60cによって規制できる。
また、第3フレーム62が一対の張出部60cどうしを接続するので、一対の張出部60c(側面部60b)が幅方向内側に向けて傾倒することを第3フレーム62によって規制できる。これにより、側面部60bが幅方向内側に向けて傾倒することを第3フレーム62によってより確実に規制できる。このように、側面部60bの幅方向内側に向けた傾倒を抑制することにより、トップテザー5が前方側へ所定以上に牽引されることを抑制できるので、車両用シート1の安全性が向上する。
また、第3フレーム62が一対の張出部60cどうしを接続するので、一対の張出部60c(側面部60b)が幅方向内側に向けて傾倒しようとした場合、第3フレーム62には圧縮荷重が作用する。これにより、第3フレーム62に必要以上の剛性を持たせることを抑制できるので、第3フレーム62を小型化することができる。よって、車両用シート1の製品コストを低減できる。
また、頂部61cよりも露出部61a2の剛性が低く設定されるので、トップテザー5からの荷重Fが頂部61cに作用した場合に、露出部61a2のみを塑性変形させ、頂部61cを塑性変形させ難くすることができる(図4(b)参照)。即ち、トップテザー5を支持する頂部61cの塑性変形を抑制することにより、トップテザー5が前方側に所定以上に牽引されることを抑制できるので、車両用シート1の安全性が向上する。
更に、トップテザー5からの荷重Fによって変形する部位を露出部61a2のみに設定することにより、想定される荷重Fによる第2フレーム61の変形量(距離L3)を容易に制御することができる。
次いで、図6を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、一対の頂部61cどうしが連結される場合を説明したが、第2実施形態では、頂部261cが1本の筒状体から形成される場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6(a)は、第2実施形態におけるバックフレーム30の部分拡大正面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb線における支持部材206の断面図であり、図6(c)は、頂部261cが塑性変形した状態を示すバックフレーム30の部分拡大上面図である。なお、図6(b)では、図面を簡素化するために、トップテザー5の図示を省略している。
図6に示すように、車両用シート201の支持部材206は、アッパーフレーム33に連結されると共に幅方向(図6の左右方向)に所定間隔を隔てて配設される一対の第1フレーム260と、それら一対の第1フレーム260の上端から上方側に延びる第2フレーム261と、一対の第1フレーム260どうしの対向間に配設されると共にアッパーフレーム33の上面に連結される第3フレーム262と、を備える。
第1フレーム260の正面部260aは、傾斜部60a2(図5参照)が省略され、連結部260a1がアッパーフレーム33の上面まで延長される(アッパーフレーム33の上面に連結される)点を除き、第1実施形態の正面部60aと同一の構成とされる。
張出部260cは、側面部60bの後端(図6(b)の上側の端部)から支持部材206の幅方向内側に向けて張り出すと共にその張り出し先端部(幅方向内側の端部)がアッパーフレーム33の背面よりも前方側に位置する。即ち、張出部260cは、上面視において幅方向に対して傾斜した姿勢で配設され、その傾斜部分がアッパーフレーム33の上面に配設される。また、張出部260cは、側面部60b側の上端から支持部材206の幅方向中央側の端部にかけて下降傾斜して形成される。
第2フレーム261は、一対の湾曲部261bどうしが一本の頂部261cによって接続される(第2フレーム261の全体が一本の筒状体から成る)点を除き、第1実施形態の第2フレーム61と同一の構成とされる。よって、被覆部61a1と第1フレーム260(正面部260a、側面部60b、及び、張出部260cから成るもの)とから構成される支持部材206の根本側の部位(第1支持部)の剛性に対し、露出部61a2、湾曲部261b、及び、頂部261cとから構成される支持部材206の上端側の部位(第2支持部)の剛性が低くなる。これにより、第1実施形態と同様、所定の荷重によって支持部材206の上端側の部位のみを塑性変形させやすくすることができるので、第1フレーム260に加わる負荷を低減しつつ、第1フレーム260の根本に生じるモーメントを低減することができる。
この場合、第2フレーム261の全体が一本の筒状体から形成されるので、露出部61a2、湾曲部261b、及び、頂部261cのそれぞれの剛性が同一に設定される。よって、第1実施形態の第2フレーム61に比べ、トップテザー5からの荷重によって頂部261cの幅方向中央(トップテザー5を支持する部位)が前方側に向けて湾曲しやすくなる(図6(c)参照)。この場合、側面部60bには支持部材206の幅方向中央側に向けた荷重Fcが作用するので、側面部60bが支持部材206の幅方向内側に向けて傾倒しようとする。
これに対して、本実施形態では、側面部60bの幅方向内側に位置する張出部260cがアッパーフレーム33の上面に連結される。これにより、第1実施形態のように張出部60cがアッパーフレーム33の背面に連結される場合に比べ、側面部60bが支持部材206の幅方向内側に向けて傾倒しようとすることを張出部260cによって効果的に規制できる。
また、張出部260cは、側面部60b側の上端から支持部材206の幅方向中央側の端部にかけて下降傾斜して形成されるので、側面部60bが支持部材206の幅方向内側に向けて傾倒しようとすることを張出部260cによってより効果的に規制できる。
また、張出部260cの幅方向内側の端部がアッパーフレーム33の背面よりも前方側に位置する(張出部260cが上面視において幅方向に対して傾斜した姿勢で配設される)ので、側面部60bに作用する荷重Fbの方向に沿って張出部260cを配設することができる。よって、側面部60bが支持部材206の幅方向内側に向けて傾倒しようとすることを張出部260cによって更に効果的に規制できる。
このように、露出部61a2、湾曲部261b、及び、頂部261cのそれぞれの剛性を同一に設定し、頂部261cが前方側に向けて湾曲しやすくなるように構成することにより、支持部材206の幅方向中央側に向けた荷重Fcを側面部60bに作用させやすくすることができる。即ち、第1フレーム260に作用する荷重のうちの幅方向内側に向けた成分を増大させ、前方側に向けた成分を低減させることにより、第1フレーム260の前傾を抑制するための補強を低減できる(第1フレーム260に対する補強の方向を幅方向に向けることができる)。
よって、例えば、正面部260aに傾斜部60a2(図5参照)を設けることや、張出部260cをアッパーフレーム33の背面に連結することを不要にできるので、前後方向における第1フレーム260の配設スペースを縮小することができる。よって、その分、車両用シート201の前後方向におけるスペースを効率よく利用することができる。
第3フレーム262は、金属材料から成る板状に構成され、第2フレーム261(露出部61a2や湾曲部261b)よりも剛性が高く設定される。この第3フレーム262は、第2フレーム261の変形前において頂部261c(トップテザー5を支持する部位)の下方に配設される。これにより、第1実施形態の第3フレーム62と同様、第2フレーム261の塑性変形後に、トップテザー5を第3フレーム262に当接させることができるので、トップテザー5が前方側へ所定以上に牽引されることを第3フレーム262によって規制できる。
次いで、図7を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、支持部材6の根本側を構成する第1フレーム60と上端側を構成する第2フレーム61とが連結される(別部材として構成される)場合を説明したが、第3実施形態では、支持部材306が1枚の板状体から一体に形成される場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7(a)は、第3実施形態におけるバックフレーム30の部分拡大正面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線における支持部材306の断面図であり、図7(c)は、図7(a)のVIIc−VIIc線におけるバックフレーム30の部分拡大断面図であり、図7(d)は、支持部材306の展開図である。
図7に示すように、車両用シート301の支持部材306は、アッパーフレーム33に連結されると共に幅方向に所定間隔を隔てて配設される一対のU字状部360dと、それら一対のU字状部360dの後端から下方に向けて突出すると共にアッパーフレーム33の背面に連結される一対の突出部360eと、一対のU字状部360dの後端における幅方向外側の端部から上方側に延びる一対の脚部360fと、それら一対の脚部360fの上端どうしを接続すると共に幅方向に延設される頂部360gと、を備え、各部が金属材料から成る同一の板厚の板状体から構成される。
U字状部360dは、上面視においてU字状に形成されると共にそのU字状の湾曲部分を支持部材306の幅方向中央側に向けて配設される。脚部360fの幅方向における寸法は、U字状部360dの幅方向における寸法よりも小さく設定される。また、脚部360fが1枚の板状体から成るのに対し、U字状部360dが1枚の板状体を湾曲させることにより実質的に2枚の板状体から構成される。これにより、第1実施形態と同様、U字状部360dと突出部360eとから構成される支持部材306の根本側の部位(第1支持部)の剛性に対し、脚部360fと頂部360gとから構成される支持部材306の上端側の部位(第2支持部)の剛性が低くなる。
よって、所定の荷重によって脚部360fのみを塑性変形させやすくすることができるので、U字状部360dに加わる荷を低減しつつ、U字状部360dの根本に生じるモーメントを低減することができる。
また、U字状部360dのうちの脚部360fよりも支持部材306の幅方向内側に位置する部位や、アッパーフレーム33の背面に連結される突出部360eは、第1実施形態の張出部60cと同様の機能を有する。
頂部360gの上下方向における寸法は、脚部360fの幅方向における寸法よりも大きく設定され、その上端部分が前方側に向けて湾曲したフランジ状に構成される。これにより、頂部360gよりも脚部360fの剛性を低くすることができるので、脚部360fのみを塑性変形させやすくすることができる。
また、頂部360gの上端部分が前方側に向けて湾曲して形成されるので、その湾曲部分の背面に沿ってトップテザー5を当接させることができる。よって、頂部360gを板状体から構成した場合であっても、頂部360gへの接触によるトップテザー5の切断を抑制できる。よって、車両用シート301の安全性が向上する。
以上のように支持部材306を構成することにより、図7(c)に示すように、矩形に形成される左右一対の第1板P1と、その第1板P1の幅方向外側の端部から下方に突出する第2板P2と、第1板P1の幅方向外側の端部から上方に突出する第3板P3と、左右一対の第3板P3の上端どうしを接続する第4板P4とを備える板状体Pを曲げ加工することにより、支持部材306を容易に形成することができる。
次いで、図8(a)を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、第1フレーム60が板状体から構成される場合を説明したが、第4実施形態では、第1フレーム460が筒状体から構成される場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
車両用シート401の支持部材406は、アッパーフレーム33に連結されると共に幅方向に所定間隔を隔てて配設される一対の第1フレーム460と、それら一対の第1フレーム460の上端から上方側に延びる第2フレーム61と、を備える。
第1フレーム460は、上下方向に軸を向ける円筒状に形成され、その内径が脚部61aの外径と同一に(若しくは、若干大きく)設定される。一対の脚部61aが第1フレーム460に挿通された状態で溶接されることにより、第1フレーム460に第2フレーム61が連結される。
第1フレーム460の断面積は、第2フレーム61の脚部61aの断面積よりも大きく設定される。これにより、第1実施形態と同様、所定の荷重によって脚部61aの露出部61a2のみを塑性変形させやすくすることができる。よって、第1フレーム460に加わる荷を低減しつつ、第1フレーム460の根本に生じるモーメントを低減することができる。
また、円筒状の第1フレーム460に脚部61aを挿通させて第2フレーム61を第1フレーム460に連結することにより、剛性差を有する支持部材406を容易に形成することができる。
次いで、図8(b)を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、板状体からなる第1フレーム60と筒状体からなる第2フレーム61とが連結されることで支持部材6が形成される場合を説明したが、第5実施形態では、一本の筒状体を曲げ加工することで支持部材506が形成される場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
また、車両用シート501の支持部材506は、その上端側の部位が第2実施形態の第2フレーム261と同一の形状に形成される。よって、支持部材506の上端側の部位には第2実施形態の第2フレーム261と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
支持部材506は、露出部61a2に連続する筒状に形成されると共に下方に延びる第1筒部560hと、その第1筒部560hの下端から前方に延びる第2筒部560iと、その第2筒部560iの前端から後方側に屈曲する第3筒部560jと、その第3筒部560jの後端から上方に延びる第4筒部560kと、を備え、各筒部どうしが連続する筒状に形成される。これにより、一本の筒状体を曲げ加工することで支持部材506を容易に形成できる。
第1筒部560hと第4筒部560kとが幅方向で隣接した状態で溶接によって連結される。第2筒部560iと第3筒部560jとが幅方向で隣接した状態で溶接によって連結され、それら第2筒部560i及び第3筒部560jがアッパーフレーム33の上面に溶接によって連結される。
これにより、実質的に2本の筒状体が連結される支持部材506の下端側の部位の剛性に対し、一本の筒状体から成る露出部61a2の剛性を低く設定することができる。よって、第1実施形態と同様、所定の荷重によって露出部61a2のみを塑性変形させやすくすることができるので、第1筒部560h〜第4筒部560kに加わる負荷を低減しつつ、第1筒部560h〜第4筒部560kの根本に生じるモーメントを低減することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態における車両用シート1,201,301,401,501の一部または全部を、他の実施形態における車両用シート1,201,301,401,501の一部または全部と組み合わせて車両用シートを構成しても良い。よって、張出部60c,260cや第3フレーム62,262に相当に相当する構成を車両用シート1,201,301,401,501に適用しても良い。
上記各実施形態では、トップテザー5の一端がバックフレーム30(ロアフレーム32)に連結される場合、即ち、車両用シート1,201,301,401,501がトップテザー5を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、トップテザー5が車両用シート以外の部材(例えば、車体や、車体に対して固定される他の部材)に連結される構成でも良い。
上記各実施形態では、支持部材6,206,306,406,506の各部位がアッパーフレーム33の上面や背面に連結される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、支持部材をアッパーフレーム33の前面に連結する構成でも良く、バックフレームに対する支持部材の連結位置は任意に設定できる。
上記各実施形態では、ヘッドレスト4と支持部材6,206,306,406,506とが別部材として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ヘッドレストがトップテザー5を下方から支持する構成の車両用シートの場合には、ヘッドレストが本発明の支持部材に相当する。この場合には、ヘッドレストのうちのバックフレームに連結される側の部位(第1支持部)よりも、トップテザー5を下方から支持する側の部位(第2支持部)の剛性を低く設定すれば、ヘッドレストが根元から折れ曲がることを抑制できる。
上記各実施形態では、アッパーフレーム33に対する支持部材6,206,306,406,506の連結や、支持部材6,306,406,506の各部位どうしの連結を溶接によって行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各部材どうし、各部位どうしの連結をねじ止めによって行っても良い。
上記第1実施形態では、第1フレーム60に第2フレーム61が連結されることで支持部材6に剛性差を与える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支持部材に剛性差を与える手段は限定されない。支持部材を1部材から構成する場合には、断面積の差によって剛性差を出せば良い。また、異なる剛性を有する材料を組み合わせて支持部材に剛性差を出す構成でも良い。よって、請求項1の「連結」との記載は、1部材からなる支持部材の各部位どうしが連設される構成や、複数の部材どうしが溶接やねじ止めによって連結される構成を含む。
上記第1実施形態では、脚部61aの露出部61a2よりも頂部61cの剛性が高く設定される場合を説明し、第2実施形態では、露出部61a2と頂部261cとが同一の剛性に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、露出部61a2よりも頂部の剛性を低く設定しても良い。これにより、頂部の幅方向中央を前方側に湾曲させやすくすることができる。
上記第1実施形態では、一対の第1フレーム60どうしに第3フレーム62が架け渡される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3フレーム62を省略して一対の張出部60cを幅方向内側に延長し、それら張出部60cどうしを一体に形成する構成でも良い。
これにより、頂部61c(トップテザー5を支持する部位)の下方に張出部60cを位置させることができるので、トップテザー5が前方側に所定以上に牽引されることを張出部60cによって規制できる。また、第1フレーム60に第3フレーム62の機能を兼用させると共に、第1フレーム60を1部材で構成することができるので、部品点数が低減する。また、張出部60cを幅方向内側に延長して1枚の板状体から構成する場合には、その下端部分を幅方向で連続してアッパーフレーム33に連結させる構成でも良い。
上記第1実施形態では、第3フレーム62が張出部60cの前面に連結される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第3フレーム62を張出部60cの背面に連結する構成でも良い。これにより、第2フレーム61の変形後に第3フレーム62によってトップテザー5を支持する場合に、第3フレーム62と張出部60cとの連結部分に負荷が加わることを抑制できる。
上記第2実施形態では、第3フレーム262がアッパーフレーム33の上面に連結される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第3フレーム262をアッパーフレーム33の背面に連結する構成でもでも良い。この場合には、第3フレーム262の下端部分をアッパーフレーム33の背面に溶接することが好ましい。これにより、第1実施形態の張出部60cと同様に、第3フレーム262とアッパーフレーム33との溶接部分に加わる負荷を低減できる。
上記第3実施形態では、頂部360gの上端側の部位を前方側に湾曲させることでその剛性を高める場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、頂部360gの湾曲部分を省略し、頂部360gに板状体を別途張り付けることで剛性を高める構成でも良い。また、少なくとも脚部360fよりも頂部360gの断面積が大きい構成であれば、脚部360fよりも頂部360gの剛性を高めることができる。
上記第3実施形態では、U字状部360dが上面視においてU字状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状体Pの第1板P1の幅方向内側の端部を幅方向外側の端部に当接するように折り曲げることにより、U字状部360dの上面視におけるU字の切り割り部分を密着させる(閉じる)構成でも良い。これにより、脚部360fの下方に位置する部位の剛性を高めることができる。
上記第3実施形態では、U字状部360dが、そのU字状の湾曲部分を支持部材306の幅方向内側に向けて配設される場合を説明し、第5実施形態では、第2筒部560i及び第3筒部560jが前後方向に沿って配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第2実施形態の張出部260cと同様に、U字状部360dの湾曲部分や、第2筒部560i及び第3筒部560jを、幅方向に対して傾斜した方向に向けて配設する構成でも良い。これにより、第2実施形態の張出部260cと同様の効果を奏する。また、U字状部360dの湾曲部分を前方側に向ける構成や、第2筒部560i及び第3筒部560jを支持部材506の幅方向内側に向けて配設する構成でも良い。