JP2002142908A - リフター機能付きの車両用シートクッション - Google Patents

リフター機能付きの車両用シートクッション

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JP2002142908A
JP2002142908A JP2000349804A JP2000349804A JP2002142908A JP 2002142908 A JP2002142908 A JP 2002142908A JP 2000349804 A JP2000349804 A JP 2000349804A JP 2000349804 A JP2000349804 A JP 2000349804A JP 2002142908 A JP2002142908 A JP 2002142908A
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Toru Kondo
徹 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アッパフレームの部品低減を図ることができ
るリフター機能付きの車両用シートクッションを提供す
る。 【解決手段】 アッパフレーム10の前後の架設部材の
少なくとも一方を、前リンク8及び後リンク9の少なく
とも一方の上端部間を連結する連結シャフト12で形成
し、且つバネ部材16の対応端部を、連結シャフト12
に対して回動可能なリテーナ17を介して取付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、座面を上下動さ
せることができるリフター機能付きの車両用シートクッ
ション関する。
【0002】
【従来の技術】車両シートにおけるシートクッションに
は、座者の視点高さを調整したり、座り心地を調整した
りするために、座面を上下動させるリフター機能を備え
たものがある(類似の技術として、特開平6−7219
3号公報参照)。
【0003】この種のリフター機能付きのシートクッシ
ョンとしては、フロアに対して所定の高さ位置に支持さ
れているロアフレームの上方に、それぞれ左右一対の前
リンクと後リンクを介してアッパフレームが設けられ、
該アッパフレームに座面を形成するパッド部が備えられ
た構造になっている。そして、前後リンクのいずれか一
方をモータ等で駆動させることにより、アッパフレーム
が前後リンクの円弧軌跡に沿って持ち上げ可能となり、
シートクッションの座面を上下に移動させることができ
る。
【0004】このようなアッパフレームの前後には、そ
れぞれ幅方向に沿う架設部材が設けられ、該架設部材間
に座面形成用のパッド部を支持する複数のバネ部材が前
後方向に沿って張設され、座面のクッション性を高めて
いる。
【0005】また、アッパフレームの前後に設けられた
左右一対の前リンク及び後リンクは、それぞれ上下端部
の少なくとも一方が連結シャフトにより連結されてい
る。これは、少なくとも上下端部のいずれか一方を連結
シャフトで連結しておくことにより、前リンク及び後リ
ンクをそれぞれ一部品化して、アッパフレーム及びロア
フレームへの組み付けを容易にするためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構造においては、アッパフレームの前後にバ
ネ部材を張設するための架設部材をそれぞれ設ける必要
があるため、アッパフレームを構成する部品点数が多
く、重量及び組立作業工数の増加を招いている。
【0007】この発明は、このような従来の技術に着目
してなされたものであり、アッパフレームの部品低減を
図ることができるリフター機能付きの車両用シートクッ
ションを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
所定の高さ位置に支持されたロアフレームの前後に、そ
れぞれ左右一対の前リンク及び後リンクの下端部を軸支
し、前後に長尺なアッパフレームの前後に、前記前後リ
ンクの上端部を軸支して、該アッパフレームを前後リン
クの円弧軌跡に沿って持ち上げ自在にすると共に、前記
アッパフレームの前後にそれぞれ幅方向に沿う架設部材
を設け、該前後の架設部材間に座面形成用のパッド部を
支持する複数のバネ部材を前後方向に沿って張設したリ
フター機能付きの車両用シートクッションであって、前
記架設部材の少なくとも一方を、前リンク及び後リンク
の少なくとも一方の上端部間を連結する連結シャフトで
形成し、且つバネ部材の対応端部を、連結シャフトに対
して回動可能な状態で取付けたものである。
【0009】請求項1記載の発明によれば、アッパフレ
ームの前後の架設部材の少なくとも一方を、前リンク及
び後リンクの少なくとも一方の上端部間を連結する連結
シャフトにより形成しているため、アッパフレームの前
後の少なくとも一方の架設部材を省略することができ、
アッパフレームの部品点数を低減することができる。ま
た、一方の架設部材を、アッパフレームの持ち上げに伴
って回動する連結シャフトにより形成しても、バネ部材
の対応端部が連結シャフトに対して回動自在なため、バ
ネ部材の張設状態に影響はない。
【0010】請求項2記載の発明は、バネ部材の対応端
部が、連結シャフトに対して回動方向で摺動自在に係合
されたリテーナを介して、連結シャフトに取付けられて
いる。
【0011】請求項2記載の発明によれば、バネ部材の
対応端部を、連結シャフトに対して摺動自在に係合され
るリテーナを用いて取付けているため、バネ部材の対応
端部の取付けが容易であると共に、連結シャフトには何
らの変更を加える必要がない。
【0012】請求項3記載の発明は、リテーナが断面S
字形で、該リテーナの一端がバネ部材の対応端部に係合
され、他端が連結シャフトに対して係合されている。
【0013】請求項3記載の発明によれば、リテーナが
断面S字形で、その両端をバネ部材や連結シャフトに係
合させるだけで、バネ部材を連結シャフトに取付けるこ
とができるため、取付作業が容易である。
【0014】請求項4記載の発明は、ロアフレームが、
フロアに設置された固定レールに対して、前後スライド
自在に支持されている。
【0015】請求項4記載の発明によれば、ロアフレー
ムがフロアに設置された固定レールに対して前後スライ
ド自在に支持されているため、ロアフレームをアッパフ
レームごと前後にスライドさせることができる。
【0016】請求項5記載の発明は、前記アッパフレー
ムは、上面視で前側が閉じられたコの字状をなし、前記
連結シャフトが、前記アッパフレームの開放側の後端部
に支持され、該支持部を囲むようにリクライニング装置
が支持されてなる。
【0017】請求項5記載の発明によれば、リクライニ
ング装置による左右の偏荷重にアッパフレームが十分に
耐え得ることになる。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の好適な実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】図1〜図3は、この発明の第1実施形態を
示している。図1及び図2中の符号1は、車両の例とし
て引用した自動車のフロントシートで、シートクッショ
ン2とシートバック3とから構成されている。シートク
ッション2の下部には、ロアフレーム4が支持され、該
ロアフレーム4は、フロア5に設置された左右一対の固
定レール6に対して、前後(図1及び図2の左右方向)
にスライド自在なるように支持されている。
【0020】ロアフレーム4の前後には、左右一対の前
リンク8、8及び後リンク9、9の下端部がそれぞれ軸
支されている。そして、この前リンク8、8と後リンク
9、9の上端部に、アッパフレーム10が軸支されてい
る。これら左右の前リンク8、8及び後リンク9、9
は、それぞれ連結シャフト11、12により、予め連結
された状態になっている。連結シャフト11、12は、
それぞれ円筒状の側面を有する丸棒形状である。
【0021】連結シャフト11、12で連結することに
より、前リンク8、8及び後リンク9、9を、それぞれ
1部品として取り扱うことができると共に、左右の前リ
ンク8、8間及び後リンク9、9間の間隔を、連結シャ
フト11、12により、正しく規定することができるた
め、ロアフレーム4及びアッパフレーム10に対する取
付けも容易である。そして、前リンク8、8では、その
「下端部」同士が連結シャフト11により連結され、後
リンク9、9では、その「上端部」同士が連結シャフト
12により連結されている。特に、この発明では、後リ
ンク9、9において、その「上端部」同士を連結シャフ
ト12により連結していることが重要になっている。
【0022】アッパフレーム10は、左右のサイドフレ
ーム13、13と、「架設部材」としてのフロントフレ
ーム14とより上面視で前側が閉じられたコの字状をな
し、前記連結シャフト12が、前記アッパフレーム1
3、13の開放側の後端部に形成されてなる貫通孔13
bにより支持され、該支持部である貫通孔13bを囲む
ように配設されてなる貫通孔13c,13cにより、リ
クライニング装置7が支持されてなる。前記貫通孔13
c、13cが形成されるサイドフレーム13,13の後
端部は、上側に盛り上がり、前記貫通孔13c、13c
が後側が下を向く斜め状に形成されてなる、該リクライ
ニング装置7を介して、シートバック3が支持されてい
るので、シートクッション2及びシートバック3からな
るフロントシート1全体が、固定レール6に対して、前
後スライド自在に支持されている。前記フロントフレー
ム14は、前記サイドフレーム13、13の前端間に架
設されている。
【0023】前記サイドフレーム13,13は、両側に
前後方向に沿って(前後に長尺に)形成され、該サイド
フレーム13、13の内側面の前後に、貫通孔13aと
前記貫通孔13bが、それぞれ形成されてなる。
【0024】前記前側の貫通孔13a、13aに対し
て、前記前リンク8、8の上端部が軸支されている。ま
た、サイドフレーム13、13の後端間には、予め固定
された架設部材が省略され、その代わりに、前記後リン
ク9、9の上端部間を連結する前記連結シャフト12
が、後ろ側の貫通孔13b、13bに対して設けられて
いる。このように、左右の後リンク9、9の間に設けら
れる連結シャフト12を、後リンク9,9の上端部間に
設けたことにより、その連結シャフト12により、左右
のサイドフレーム13の後端部間に設けられる「架設部
材」を兼ねることができる。
【0025】前記フロントフレーム14の上面部には、
幅方向に沿って3つの切起部15が形成されている。そ
して、この切起部15に、それぞれ鋼線で形成した3本
のバネ部材16の前端が係合されている。
【0026】バネ部材16の後端は、金属板を断面S形
に折曲形成したリテーナ17の一端に係合され、該リテ
ーナ17の他端は、後リンク9、9の連結シャフト12
に係合される。従って、3本のバネ部材16は、アッパ
フレーム10における前端のフロントフレーム14と、
後端の連結シャフト12との間に、所定のテンションで
張設された状態になる。特に、リテーナ17の他端を連
結シャフト12に係合させるだけで、バネ部材16の後
端を連結シャフト12に対して取付けることができるた
め、バネ部材16の連結シャフト12に対する取付作業
が容易であると共に、連結シャフト12側には何らの細
工をする必要がなく、連結シャフト12自体は従来のも
のを使用することができる。
【0027】このアッパフレーム10の上には、バネ部
材16の座面を形成する発泡ウレタンから成るパッド部
18が設けられている。そして、このパッド部18及び
アッパフレーム10の全体を、表皮材19により被覆し
ている。
【0028】前述のように、アッパフレーム10とロア
フレーム4を、それぞれ上下端部が回動自在に軸支され
た前リンク8、8及び後リンク9、9を介して連結した
ため、アッパフレーム10を、ロアフレーム4に対し
て、前リンク8、8及び後リンク9、9の円弧軌跡に沿
って持ち上げ自在にすることができる。そして、前リン
ク8、8(後リンク9、9でも可)を、図示せぬモータ
で駆動させることにより、座面を有するアッパフレーム
10を、電動式で上下動させることができる。
【0029】アッパフレーム10の持ち上げに伴って、
リテーナ17と連結シャフト12との間には、相対回動
が生じるが、連結シャフト12が丸棒状で且つリテーナ
17が連結シャフト12に対して摺動自在な断面S字形
であるため、バネ部材16の後端に捻れや変形が発生せ
ず、バネ部材16自体の張設状態に影響はない。
【0030】以上のように、この第1実施形態によれ
ば、アッパフレーム10の後側の「架設部材」を、後リ
ンク9の連結シャフト12により形成しているため、本
来設けるべき後側の「架設部材」を省略することがで
き、その分、アッパフレーム10の部品点数を少なくし
て、重量及び組立作業工数の低減を図ることができる。
【0031】図4は、この発明の第2実施形態を示す図
である。この第2実施形態では、前リンク8、8の連結
シャフト20も上側にもってきて、前リンク8、8の上
端部間を連結するようにした。そして、この前リンク
8、8の連結シャフト20で、アッパフレーム21の前
側の「架設部材」を兼用するようにした。アッパフレー
ム21の前端には、剛性低下を補うための、細幅の補強
フレーム22が架設されている。バネ部材16の前端
は、後端と同様に、断面S字形のリテーナ23を介し
て、前リンク8の連結シャフト20に係合される。
【0032】この第2実施形態によれば、アッパフレー
ム21における前後の「架設部材」を、それぞれ前リン
ク8、8及び後リンク9、9の連結シャフト20、12
により形成したため、後端においては、第1実施形態と
同様に、連結シャフト12以外の部材を設ける必要がな
く、前端においては、連結シャフト20と共に細幅の補
強フレーム22を設けるだけで済む。
【0033】従って、アッパフレーム21の後端におい
て「架設部材」を省略できる分、部品点数の低減を図る
ことができると共に、アッパフレーム21の前端におい
て、「架設部材」を前リンク8、8の連結シャフト20
で形成したことにより、アッパフレーム21の前端に剛
性を補うための補強フレーム22が必要になるが、先の
第1実施形態のような大型の架設部材(フロントフレー
ム14)は不要になるため、重量の軽減を図ることがで
きる。尚、前リンク8、8における連結シャフト20の
サイドフレーム13に対する取付け方を、更に剛性の高
い構造にすれば、補強フレーム22自体も省略して、更
なる部品点数の低減を図ることも可能である。
【0034】以上の各実施形態において、表皮材19に
よりアッパフレーム10、21及びパッド部18だけを
包み込む構造にしたが、ロアフレーム4の上部も含めて
表皮材19により包むようにしても良い。また、アッパ
フレーム10,21は、上下手段が電動式に限らず、手
動で上下動するものでも良い。また、シートクッション
2は、全体が上下に移動する必要はなく、少なくとも座
面が下に移動すれば良い。
【0035】
【発明の効果】この発明によれば、アッパフレームの前
後の架設部材の少なくとも一方を、前リンク及び後リン
クの少なくとも一方の上端部間を連結する連結シャフト
により形成しているため、アッパフレームの前後の少な
くとも一方の架設部材を省略することができ、アッパフ
レームの部品点数を低減することができる。また、一方
の架設部材を、アッパフレームの持ち上げに伴って回動
する連結シャフトにより形成しても、バネ部材の対応端
部が連結シャフトに対して回動自在なため、バネ部材の
張設状態に影響はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るアッパフレーム
を下げた状態を示すフロントシートの側面図。
【図2】図1のアッパフレームを持ち上げた状態を示す
フロントシートの側面図。
【図3】図1のアッパフレームの構造を示す分解斜視
図。
【図4】第2実施形態に係る図3相当分解斜視図。
【符号の説明】
2 シートクッション 4 ロアフレーム 5 フロア 6 固定レール 8 前リンク 9 後リンク 10、21 アッパフレーム 11、12、20 連結シャフト 14 フロントフレーム(架設部材) 16 バネ部材 17、23 リテーナ 18 パッド部 19 表皮材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の高さ位置に支持されたロアフレー
    ムの前後に、それぞれ左右一対の前リンク及び後リンク
    の下端部を軸支し、前後に長尺なアッパフレームの前後
    に、前記前後リンクの上端部を軸支して、該アッパフレ
    ームを前後リンクの円弧軌跡に沿って持ち上げ自在にす
    ると共に、 前記アッパフレームの前後にそれぞれ幅方向に沿う架設
    部材を設け、該前後の架設部材間に座面形成用のパッド
    部を支持する複数のバネ部材を前後方向に沿って張設し
    たリフター機能付きの車両用シートクッションであっ
    て、 前記架設部材の少なくとも一方を、前リンク及び後リン
    クの少なくとも一方の上端部間を連結する連結シャフト
    で形成し、且つバネ部材の対応端部を、連結シャフトに
    対して回動可能な状態で取付けたことを特徴とするリフ
    ター機能付きの車両用シートクッション。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリフター機能付きの車両
    用シートクッションであって、 前記バネ部材の対応端部が、連結シャフトに対して回動
    方向で摺動自在に係合されたリテーナを介して、連結シ
    ャフトに取付けられていることを特徴とするリフター機
    能付きの車両用シートクッション。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のリフター機能付きの車両
    用シートクッションであって、 前記リテーナが断面S字形で、該リテーナの一端がバネ
    部材の対応端部に係合され、他端が連結シャフトに対し
    て係合されていることを特徴とするリフター機能付きの
    車両用シートクッション。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリ
    フター機能付きの車両用シートクッションであって、 前記ロアフレームが、フロアに設置された固定レールに
    対して、前後スライド自在に支持されていることを特徴
    とするリフター機能付きの車両用シートクッション。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリ
    フター機能付きの車両用シートクッションであって、 前記アッパフレームは、上面視で前側が閉じられたコの
    字状をなし、前記連結シャフトが、前記アッパフレーム
    の開放側の後端部に支持され、該支持部を囲むようにリ
    クライニング装置が支持されてなることを特徴とするリ
    フター機能付きの車両用シートクッション。
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