JP2006013765A - デジタル放送受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 チャンネルプリセット型デジタル放送受信装置において、トランスポートストリームに含まれる地域識別情報を利用し、チャンネルリストの設定を効率化する。
【解決手段】 地域識別コード取得部108はPSI/SIに記載されたサービス識別から地域識別コードを検出する。受信地域特定部109は地域探索リスト114に従ってチャンネルを切り替えながら検出した地域識別コードに基づき受信地域を特定する。地域が特定できると地域別チャンネルDB110から特定された地域のチャンネルグループを取得して、チャンネルリスト111に設定する。移動判定部115は、チューナ部103と復調部104からの情報を基に受信地域が変化したことを検出し、利用者に地域特定処理の起動を勧告する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地域ごとに放送される複数のチャンネルを受信するため受信可能チャンネルを予め設定しておき、設定されたチャンネルのうちの1つを選局するチャンネルプリセット型デジタル放送受信装置に関し、詳しくは放送波から地域識別情報を取得し受信地域を特定する方法および前記地域特定方法を適用したデジタル放送受信装置に関する。
地域密着のローカルな県域放送を受信するデジタル放送受信装置は、放送局が伝送する放送信号を所定の周波数で送信する親局や、親局からの受信電波を増幅し再送信する中継局からの放送波をアンテナにより受信し、受信した放送波を復調・多重分離・復号して放送局の送信するコンテンツを利用者に提示する。したがって利用者は、ある放送局に割り当てられた周波数(以下、チャンネル)を予め知っている必要があり、さらには該当地域で受信可能なすべてのチャンネル(以下、チャンネルグループ)を把握しておく必要がある。そこで一般的には、該当地域のチャンネルグループのリスト(以下、チャンネルリスト)を予め不揮発メモリに格納しておき、チャンネルリストから1つのチャンネルを選択することによって所望の放送局を受信できるようにして、利用者の操作を簡略化している。
家庭に設置して視聴する固定用デジタル放送受信装置においては、利用者がデジタル放送受信装置を新たに購入したり、該当地域に引っ越したりした場合に、全チャンネルを順番に走査し放送が受信できたチャンネルをチャンネルリストに登録していくなど、一度だけ初期設定としてチャンネルリストを適切に設定しておけばよい。
一方、車載用デジタル放送受信装置や携帯用デジタル放送受信装置などの移動可能なデジタル放送受信装置においては、放送局の使用するチャンネルが地域ごとに異なるため、例えば大阪向けに設定しておいたチャンネルリストが、デジタル放送受信装置が東京へ移動したことにより使えなくなるという事象が発生する。移動先地域においても簡易な操作でデジタル放送受信装置の選局ができる従来技術として、全国に配置された移動通信用無線基地局からの地域コードを利用する方法がある(特許文献1参照)。この方法では、各無線基地局が所属する地域ごとに決められた地域コードを送信している無線電波を受信し、無線電波より取得した地域コードに基づいて該当地域のチャンネルグループをチャンネルリストに再設定する。
特開平6−125246号公報
しかしながら上記従来の方法では、地域コード取得手段として例えば自動車電話システムの受信装置が必要となる。デジタル放送受信装置のハードウェアに自動車電話システムの受信装置を追加すればシステムのコストが上がり、利用者にとってデジタル放送受信装置の価格上昇という経済的負担がかかる。
また、携帯用デジタル放送受信装置などバッテリ駆動のシステムにおいては、消費電力の増加により、本来の使用目的である放送局からのコンテンツの視聴を継続できる時間が短くなるという利用上の不都合も生じる。
特別なハードウェアを追加せずに全チャンネルを走査してチャンネルリストを再設定することも可能だが、全チャンネルを走査することは非常に時間のかかる処理であり、一旦走査処理を起動するとしばらく他の操作ができなくなり利用者にとって使い勝手が悪い。
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたもので、デジタル放送受信装置の基本構成のみで地域を特定して該当地域のチャンネルグループを再設定することが可能なデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号、図番号および補足説明は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
第1の発明は、複数の受信可能チャンネルを予めチャンネルリストとして設定し、当該チャンネルリストに基づいてチャンネルを選局することのできるチャンネルプリセット型のデジタル放送受信装置であって、放送局が送出するトランスポートストリーム中のPSI/SIに記載されたサービス識別コード(図2)から地域識別コード(図3)を検出する地域識別コード取得部(108)と、前記地域識別コード取得部で取得した地域識別コードから現在の受信地域を特定する受信地域特定部(109)と、地域ごとの受信可能チャンネル情報(図4)を格納する地域別チャンネルデータベース(110)と、チャンネルリストを格納するチャンネルリスト格納部(111)と、前記受信地域特定部で特定された受信地域に対応する受信可能チャンネル情報を前記地域別チャンネルデータベースから取得し、当該取得した受信可能チャンネル情報に基づいて前記チャンネルリスト格納部に格納されているチャンネルリストを更新するチャンネルリスト更新部(109)とを備えることを特徴とする。なお後述する実施形態のように、チャンネルリスト更新部の機能が受信地域特定部に組み込まれていても構わない。
第2の発明は、第1の発明において、前記デジタル放送受信装置は、過去にある地域で利用されていたチャンネルリストを保持するチャンネルリスト履歴格納部(113)をさらに備え、前記チャンネルリスト更新部は、前記受信地域特定部で特定された受信地域に対応するチャンネルリストがチャンネルリスト履歴格納部に存在した場合に、当該チャンネルリスト履歴格納部に保持されていたチャンネルリストに基づいて前記チャンネルリスト格納部に格納されているチャンネルリストを更新することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、前記地域別チャンネルデータベースは書き換え可能な記憶装置に格納されており、前記デジタル放送受信装置は、当該地域別チャンネルデータベースに格納されている地域ごとの受信可能チャンネル情報を外部から入力されるデータ(112)に基づいて追加または更新する手段(例えばプロセッサ)をさらに備えることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、前記デジタル放送受信装置は、複数のチャンネルを所定の順序で並べた地域探索リスト(図7)を保持する地域探索リスト格納部(114)をさらに備え、前記受信地域特定部は、前記地域探索リストに従ってチャンネルを順次切替える第1ステップ(S602)と、前記第1ステップで切替えたチャンネルでの放送の有無を放送波の受信結果に基づいて判定する第2ステップ(S603)と、前記第2ステップで放送有りと判定された場合に前記地域識別コード取得部から地域識別コードを取得する第3ステップ(S604)と、前記第3ステップで取得した1以上の地域識別コードに基づいて受信地域を特定する第4ステップ(S606)とを実行し、前記第4ステップで受信地域が特定可能となるまで前記第1〜第4ステップを繰り返し実行することを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、前記地域探索リストにはチャンネル番号の順番とは異なる順番(例えばそのチャンネルを利用している地域の多い順番)でチャンネルが並んでいることを特徴とする。
第6の発明は、第4の発明において、前記受信地域特定部は、前記第3ステップで同一地域の地域識別コードが2以上の所定の回数以上取得された時点で初めて、前記第4ステップで受信地域が当該地域であると特定することを特徴とする。
第7の発明は、第4の発明において、前記地域探索リストは階層化された複数のチャンネルリスト(図10、図11)で構成され、前記受信地域特定部は、前記第1ステップで上位層のチャンネルリスト(図10)に従ってチャンネルを切替えて広範囲の地域を特定した後(S805でY)、前記第1ステップで当該特定された広範囲の地域に対応する下位層のチャンネルリスト(図11)に従ってチャンネルを切替えて(S809)より詳細な地域を特定することを特徴とする。
第8の発明は、第1の発明において、前記デジタル放送受信装置は、放送波の受信感度と同期検波状態を定期的にモニタすることによって当該デジタル放送受信装置が地域を移動したことを判定する移動判定部(115)をさらに備え、前記受信地域特定部は、前記移動判定部によって前記デジタル放送受信装置が地域を移動したと判定されかつ利用者からの指示があったときに、もしくは前記移動判定部によって前記デジタル放送受信装置が地域を移動したと判定されたら自動的に、受信地域特定処理を開始することを特徴とする。
第9の発明は、第1の発明において、前記デジタル放送受信装置は、放送波を受信し、当該受信結果を復調し、当該復調結果を多重分離する放送受信部を2系統備え(図13)、前記2系統の放送受信部の一方である第1放送受信部(図13の1303、1304、1305)を用いて利用者が放送波に含まれるコンテンツを視聴している間に、前記受信地域特定部は前記2系統の放送受信部の他方である第2放送受信部(図13の103、104、105)を利用して受信地域特定処理を実行することを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明において、前記デジタル放送受信装置は、前記第1放送受信部で受信した放送波の受信感度と同期検波状態を定期的にモニタすることによって当該放送が受信不可能となる前に当該デジタル放送受信装置が地域を移動したことを判定する移動判定部(1315)をさらに備え、前記受信地域特定部は、前記移動判定部によって前記デジタル放送受信装置が地域を移動したと判定されたときに、前記第1放送受信部を用いた所定チャンネルのコンテンツの視聴を中断することなく前記第2放送受信部を利用して受信地域特定処理を実行することを特徴とする。
本発明のデジタル放送受信装置は上記構成を有し、地域識別情報を利用してチャンネルリストを設定するため、全チャンネルを走査するよりも短時間でチャンネルリストを更新して放送コンテンツの視聴を開始することができる。
また本発明の種々のバリエーションによれば以下の効果が得られる。すなわち、チャンネルリストの履歴を保持することにより、地域ごとに利用者がカスタマイズしたチャンネルリストの情報を失うことがなくなる。また、データベース更新機能により、放送エリアの拡大やチャンネルプランの変更などに対応することができる。また、地域探索リストの順番や構成を工夫することで受信地域の特定を短時間で行うことができる。また、地域の移動を自動的に判断することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明におけるデジタル放送受信装置の第1の実施形態のブロック図である。ここでは地上デジタルテレビジョン放送の携帯向けサービス(以下、1セグメント放送)を例として説明するが、本発明は、地上デジタルテレビジョン放送の固定向けサービスや、地上デジタル音声放送など他のデジタル放送を受信するシステムにも適用可能である。
地上デジタルテレビジョン放送の放送局は、親局もしくは中継局の送信アンテナ101からUHF帯の電波を使って放送コンテンツを送信する。デジタル放送受信装置は、UHF帯の受信アンテナ102で放送電波を受け、放送局ごとに割り当てられた所定の周波数にチューナ部103を同調させることで所望の放送局を選択する。放送電波はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式で伝送されており、復調部104でトランスポートストリーム(TS)に復調される。地上デジタルテレビジョン放送の特徴の1つとして、1チャンネルの周波数帯域を13個のセグメントに分割し、セグメントのグループごとに変調方式を変えることが可能となっている。例えば、12セグメントを固定受信用に、1セグメントを携帯端末用に割り当て、携帯端末用の1セグメントを移動に強いQPSK方式で変調することにより移動中のテレビ受信が可能となっている。復調されたトランスポートストリームは映像/音声/データなどが多重化されており、多重分離部105にて映像と音声を分離し、復号部106で映像の復号および音声の復号を行う。復号された映像や音声は出力部107にて利用者に提示される。具体的には、映像は液晶ディスプレイに表示され、音声は内蔵スピーカーから出力される。
多重分離部105はまた、トランスポートストリームからPSI/SIを分離する機能を持っている。PSI/SIにはPMT(Program Map Table)やEIT(Event Information Table)が含まれ、これらのテーブルにはサービス識別とよばれる16bitのデータが記載されている。サービス識別は日本国内すべての放送局が提供するサービスをユニークに識別できるように図2のような構成となっており、放送対象となっている地域を識別する地域識別や放送を行なっている事業者を識別する地域事業者識別などのサブフィールドに分かれている。地域識別コード取得部108は多重分離部105よりサービス識別を取得し、サービス識別に含まれる地域識別コードを抽出する。地域識別コードの割り当ては図3のように、0〜9の値は関東/近畿/中京など複数県にまたがる広域放送が、10〜63の値は各都道府県内で行なわれる県域放送が使用する。受信地域特定部109は、後述する本発明の特徴である地域特定方法で現在の受信地域を特定し、特定された受信地域のチャンネルグループを地域別チャンネルデータベース(DB)110から取得し、チャンネルリスト111に設定する。
地域別チャンネルDB110は、図4に示すように受信可能なチャンネルグループが地域ごとにまとまった構造をしており、ROMテーブルや不揮発性メモリを用いて実現される。特に外部との通信手段や外部メモリ(リムーバブルメモリ)などのデータ入力部112が存在する場合には、不揮発性メモリを用いて地域別チャンネルDB110を構成しておくことで、将来、放送エリア拡大やチャンネルプラン変更などでチャンネルグループの追加/変更が発生した場合でも容易に対応することが可能となる。
図5は近畿6県(滋賀/京都/大阪/兵庫/奈良/和歌山)におけるチャンネルグループを示した図である。放送局は、放送免許区分として近畿広域エリアで放送を行う広域放送局(NHK教育/読売テレビ/朝日テレビ/毎日放送/関西テレビ)と、各県域エリアで放送を行う県域放送局(びわ湖放送/京都放送/テレビ大阪/サンテレビ/奈良テレビ/テレビ和歌山)とに分かれる。デジタル放送受信装置は、基本的にはこれら定められた地域内の放送受信を行うが、受信している地域によっては隣接地域の放送波を受信することが可能な場合がある。例えば大阪のある地域では、大阪の県域放送である「テレビ大阪」以外に兵庫の県域放送である「サンテレビ」や京都の県域放送である「京都放送」を受信できる。そこで一般的にデジタル放送受信装置は、このような隣接地域の放送を受信するため、利用者がチャンネルリストの追加/変更(カスタマイズ)を行うことのできる機能を備えている。ところが、例えば大阪に在住する利用者がデジタル放送受信装置と共に一時的に他の地域に引っ越しし、その後再び大阪に戻ってきた場合、前述のような地域別チャンネルDB110を用いたチャンネルリストの自動設定が行われると、利用者が過去にチャンネルリストに追加した隣接地域の放送局データが失われてしまい、隣接地域の放送を受信するために利用者が再度チャンネルリストをカスタマイズし直す手間が発生してしまうという問題がある。そこで本実施形態では、チャンネルリスト履歴113を備える構成によりこの問題を解消している。例えば大阪に在住する利用者がデジタル放送受信装置と共に東京へ移動し、受信地域特定部109がチャンネルリスト111に東京のチャンネルグループを設定するとき、その時点まで利用されていたチャンネルグループ(利用者によってカスタマイズされた「大阪」のチャンネルグループ)をチャンネルリスト履歴113に一旦保存しておく。その後、利用者が東京から大阪へ戻り、地域特定処理で「大阪」と判定された場合、受信地域特定部109はチャンネルリスト履歴113に「大阪」のチャンネルグループが保存されているか調べる。判定された地域のチャンネルグループがチャンネルリスト履歴113に保存されている場合には、受信地域特定部109は地域別チャンネルDB110に登録されているチャンネルグループではなく、チャンネルリスト履歴113に保存されているチャンネルグループをチャンネルリスト111に復元する。こうすることで生活拠点となる地域用にカスタマイズされたチャンネルリストを失うことがなくなる。
<第1の地域特定方法>
次に受信地域特定部109で実施する第1の地域特定方法について図6を用いて説明する。受信地域特定部109はまずステップS601にて、地域探索リスト114の終端まで走査が終わっているか調べる。本実施形態では、受信チャンネルを順次切替えながら地域識別コードを取得して地域を特定するが、地域探索リスト114は、その際に受信チャンネルを切替える順番を規定したリストである。本実施形態では、地域探索リスト114は、図7のように全国主要都市のチャンネルプランに基づき、あるチャンネルで特定できる県域数が多い順に並んでいるものとする。例えば、図8Aおよび図8Bは平成15年12月時点での地上デジタルテレビジョン放送の全国主要都市チャンネルプランであるが、このチャンネルプランによれば、13チャンネルでは北海道/青森/岩手/宮城/秋田/山形/新潟/長野/石川/静岡/山口/香川/愛媛/高知/長崎/宮崎/沖縄の17の県域で放送を受信することができ、20チャンネルでは岩手/山形/茨城/東京/福井/静岡/愛知/滋賀/和歌山/鳥取/岡山/山口/香川/愛媛/長崎の15の県域で放送を受信することができる。このように、利用されている県域数の多い順番で受信チャンネルを切替えることによって、より効率良く地域を特定することが可能となる。
地域探索リスト114の終端まで走査が終わっていなければステップS602に進み、地域探索リスト114から次のチャンネルを取得してチューナ部103に設定する。次にステップS603では、ステップS602で設定したチャンネルで放送を受信できるかどうかを、復調部104から取得する同期検波情報で判断する。同期検波情報が同期でない場合、現在のチャンネルでデジタル放送を受信できないと判定しステップS601へ戻る。同期検波情報が同期であった場合は放送が受信できているのでステップS604へ進み、地域識別コード取得部108で抽出した地域識別コードを取得する。
次にステップS605では、取得した地域識別コードから県域放送であるかどうかを調べる。県域放送でない場合(すなわち広域放送であった場合)はステップS601に戻り、県域放送であった場合はステップS606に進む。ステップS606では、ステップS604で取得した地域識別コードごとに検出回数をカウントし、検出回数が閾値を越えた場合に受信地域を特定する。検出回数が閾値を越えていない場合にはステップS601へ戻る。なお、ステップS606で用いる閾値を1(回)に設定しておけば地域探索時間を短くすることができる。しかしながら、例えば県境の地域では隣接する県の地域識別コードが最初に取得される可能性がある。このような場合に誤った地域判定を行わないためには、閾値を2以上に設定しておくことが好ましい。なお、例えば沖縄(地域識別コード=62)については閾値を1にし、大阪(地域識別コード=40)については閾値を2にするといったように、地域(地域識別コード)ごとに閾値を変えられるようにしておけば、地域探索時間の増加を抑えつつも誤判定の可能性を減らすことができる。
ステップS601で地域探索リスト114の終端まで走査してしまった場合には、ステップS607で地域特定に失敗した旨の警告表示を出力部107に提示して探索を終了する。
なお、ここでは地域探索リスト114の並び順を、特定できる県域数の多い順(すなわち、そのチャンネルが利用されている県域の数が多い順番)としたが、単なるチャンネル番号順や、そのチャンネルを受信できる地域の人口の多い順など、別のアルゴリズムで順番を決定してもよい。そのチャンネルを受信できる地域の人口の多い順を採用する理由は、デジタル放送受信装置は人口の少ない地域よりも人口の多い地域に存在している可能性が高いと考えられ、単なるチャンネル番号順でチャンネルを切替えるよりも効率よく地域を特定することができるからである。
<第2の地域特定方法>
次に受信地域特定部109で実施する第2の地域特定方法について図9を用いて説明する。第2の地域特定方法で特徴的なのは、地域探索リスト114が広域を優先的に特定するための広域探索リストと、特定された広域から詳細な県域を特定するための県域探索リストとを備えることである。
広域探索リストは具体的には図10のように全国主要都市のチャンネルプランに基づき、あるチャンネルで特定できる広域数が多い順(すなわち、そのチャンネルが利用されている広域数が多い順)、かつ全ての広域がリストに早めに登場するように(つまり、特定の広域だけがリストの下位まで登場しないようなことのないように)、かつ特定できる県域数が多い順番(すなわち、そのチャンネルが利用されている県域数が多い順番)で並んでいるものとする。例えば、図8Aおよび図8Bのチャンネルプランによれば、21チャンネルは関東広域/中京広域の2つの広域で受信することができ、その他の地域でも北海道/宮城/秋田/山梨/福井/島根/岡山/香川/愛媛/高知の10の県域で受信できる。同様に13チャンネルは中京広域/近畿広域の2つの広域で受信することができ、その他の地域でも北海道/青森/岩手/宮城/秋田/山形/新潟/長野/石川/静岡/山口/香川/愛媛/高知/長崎/宮崎/沖縄の17の県域で受信できる。
県域探索リストは図11のように全国主要都市のチャンネルプランに基づき、特定広域の範囲で、あるチャンネルで特定できる県域数が多い順に並んでいるものとする。例えば近畿広域では、26チャンネルは兵庫/滋賀の2つの県域で、23チャンネルは京都/和歌山の2つの県域で受信できる。
受信地域特定部109はまず受信地域がどの広域かを判定する広域判定処理を行う。具体的には、まずステップS801にて、広域探索リストの終端まで走査が終わっているか調べる。広域探索リストの終端まで走査が終わっていなければステップS802に進み、広域探索リストから次のチャンネルを取得してチューナ部103に設定する。次にステップS803では、ステップS802で設定したチャンネルで放送を受信できるかどうかを、復調部104から取得する同期検波情報で判断する。同期検波情報が同期でない場合、現在のチャンネルでデジタル放送を受信できないと判定しステップS801へ戻る。同期検波情報が同期であった場合は放送が受信できているのでステップS804へ進み、地域識別コード取得部108で抽出した地域識別コードを取得する。
次にステップS805では、取得した地域識別コードが広域放送であるかどうかを調べる。広域放送でない場合(すなわち県域放送であった場合)は、前述の第1の地域特定方法と同様にステップS806にて地域が特定できるまで広域探索リストを走査する。広域放送であった場合は、受信地域が属する広域が特定されるため、ステップS807にて県域探索リストから該当する広域用のリストを選択し、受信地域が特定された広域中のどの県域かを判定する県域判定処理に移行する。例えばステップS805にて関東広域放送の受信が確認された場合には受信地域が関東であることが判明するため、さらに関東のどの県域かを特定すべく、以降の処理ステップにおいて、図11に示す県域検索リストのうちの関東に関する検索リストに従ってチャンネルを20ch→18ch→30ch→32ch→19ch→29ch→・・・と順次走査していくことになる。
ステップS808にて、選択した広域エリアのリストの終端まで走査が終わっているか調べ、以下前述の第1の地域特定方法と同様に地域が特定できるまで県域探索リストを走査する。ステップS801で広域探索リストの終端まで走査したと判定した場合や、ステップS808で県域探索リストの終端まで走査したと判定した場合には、ステップS814で地域特定に失敗した旨の警告表示を出力部107に提示させ、地域特定処理を終了する。
なお、ここでは地域探索リスト114を広域探索リストと県域探索リストの2階層に分け、広域探索リストを利用して関東/中京/近畿の3大広域を優先的に検出し、広域が特定された時点でその広域に対応する県域探索リスト利用して広域から県域を特定する方法を記述したが、このように地域探索リスト114を階層化することにより、県域をより効率よく(早く)特定することができる。
なお、第2の地域特定方法の変形例として、上記3大広域に属さない県域についても複数の近隣県域でグループ化してローカル広域エリア(例えば青森/岩手/宮城/秋田/山形/福島の6の県域で構成される東北広域など)を定義し、県域探索リストにこのローカル広域エリアに対応するリストを追加してもよい。この場合、県域探索リストにおいて図12のように、東北広域に対応するリストとして東北広域で利用されているチャンネルが所定の順番(例えば13ch→14ch→16ch→15ch→17ch→28ch→・・・)で並べられる。そして、例えば図9のステップS805で県域放送だと判定されたときに、この東北広域に対応するリストに従ってチャンネルを走査し、県域を特定する。このように地域探索リスト114を階層化することにより、より効率よく受信地域を特定することができる。
なお、本実施形態のデジタルテレビジョン受信装置は、図1に示す移動判定部115を備えていてもよい。移動判定部115はチューナ部103より受信感度情報を、復調部104より同期検波情報をそれぞれ取得でき、チューナ部103から一定周期で受信感度情報を取得してその履歴を保持しておく。復調部104からの同期検波情報により放送波が受信できなくなったことを検知すると、移動判定部115は保持している受信感度情報の履歴を確認する。移動判定部115は、受信感度情報の変化量がある閾値を越えている場合(すなわち受信感度が急に悪くなった場合)は、障害物などにより一時的に電波が遮断された状態と判定する。受信感度情報の変化量がある閾値以内に収まっている場合(すなわち受信感度が徐々に悪くなった場合)は、デジタルテレビジョン受信装置が移動したことにより送信アンテナ101からの放送波が徐々に減衰し、受信可能エリアから外れたと判定し、受信地域特定部109に移動検知通知を送る。受信地域特定部109はこの通知を受けて、利用者に地域特定処理を起動するように勧告するメッセージを出力部107を用いて表示する。なお本実施形態では、デジタルテレビジョン受信装置が放送エリア間を移動したと判定されたときに利用者に向けて勧告メッセージを表示し、最終的には利用者の操作により地域特定処理を起動する動作となっているが、本発明はこれに限らず、移動判定部115からの移動検知通知を受けた時点で受信地域特定部109が自動的に地域特定処理を開始して、地域特定結果を利用者に提示する動作でもよい。
(第2の実施形態)
図13は本発明におけるデジタル放送受信装置の第2の実施形態のブロック図である。同図において第1の実施形態(図1)と同一の構成要素については同一の参照符号を付し詳細な説明は省略する。また第1の実施形態と同様、1セグメント放送を例として説明するが、固定向けサービスや地上デジタル音声放送など他のデジタル放送を受信するシステムにも適用可能である。
1セグメント放送では、あるチャンネルを受信しているとき、同時刻に別チャンネルで放送されているコンテンツ、いわゆる裏番組の番組情報を取得することができない。また、裏番組を録画したいという利用者の要求に応えるため、デジタルテレビジョン受信装置に放送受信機能を2系統持つことが想定される。受信アンテナ102で受信した信号は2系統に分配され、チューナ部1303とチューナ部103に入力される。チューナ部1303から入力された信号は、復調部1304、多重分離部1305、復号部106で処理され、テレビ視聴メイン機能のために利用される。一方、チューナ部103から入力された信号は、復調部104、多重分離部105で処理され、図示されない裏番組情報取得機能、裏番組録画機能などサブ機能のために利用される。チューナ部、復調部、多重分離部の3つに関しては、物理的に2系統で実装される構成でもよいし、物理的には1系統だが機能的に2系統の処理ができる構成でもよい。
移動判定部1315は、テレビ視聴メイン機能用のチューナ部1303より受信感度情報を、テレビ視聴メイン機能用の復調部1304より同期検波情報を取得できる。移動判定部1315は一定周期で受信感度情報を取得し、その変化量を監視する。移動判定部1315は、受信感度情報の変化量が第1判定閾値を越えた場合(すなわち受信感度が急に悪くなった場合)は、障害物などにより一時的に電波が遮断された状態と判定する。また、受信感度情報の変化量が第1判定閾値の範囲内で推移しており(すなわち受信感度が徐々に悪くなっており)、かつ現在の受信感度情報が第2判定閾値を下回った場合は、現在受信中の放送エリアから外れる方向にデジタルテレビジョン受信装置が移動中であり、あと少しで現在受信中の放送エリアから外れると判定し、受信地域特定部109に移動検知通知を送る。受信地域特定部109はこの通知を受けると地域特定処理を開始する。受信地域特定部109は、サブ機能用のチューナ部103、復調部104、多重分離部105を利用して地域特定処理を行う。
例えば利用者がデジタルテレビジョン受信装置で放送コンテンツを試聴しながら大阪から京都へ移動する場合、京都へ入って間もなくは大阪の放送を受信できるが、その受信感度はどんどん低下していく。そうすると、受信地域特定部109は利用者に気付かれることなく地域特定処理を開始し、デジタルテレビジョン受信装置の現在位置が京都であることを検知する。
地域特定処理が完了すると、受信地域特定部109はチャンネルリストを更新する準備ができたことを利用者に通知するためのメッセージを出力部107を用いて表示し、その後利用者からチャンネルリスト更新の指示を受けると、チャンネルリストを大阪のものから京都のものへと更新する。
このように、第2判定閾値を適宜に設定して、利用者が現在視聴している放送が受信できなくなる少し手前に地域特定処理を開始することで、利用者がテレビ視聴を継続している間に移動先地域を特定することができる。したがって、地域特定処理によって利用者のテレビ視聴が中断される時間を最小限に抑えることができる。
本発明に係るデジタル放送受信装置は、携帯端末や車載テレビなど移動を伴うテレビ受信機として有用であり、ラジオ放送などの用途にも利用できる。
第1の実施形態におけるデジタル放送受信装置の構成図 サービス識別の構造 地域識別コードの割り当て 地域別チャンネルDBの構造 近畿エリアのチャンネルグループ 第1の地域特定方法におけるフローチャート 第1の地域特定方法における地域探索リスト 全国主要都市チャンネルプランの一例 全国主要都市チャンネルプランの一例 第2の地域特定方法におけるフローチャート 第2の地域特定方法における広域探索リスト 第2の地域特定方法における県域探索リスト 第2の地域特定方法における県域探索リストの変形例 第2の実施形態におけるデジタル放送受信装置の構成図
符号の説明
101 送信アンテナ
102 受信アンテナ
103,1303 チューナ部
104,1304 復調部
105,1305 多重分離部
106 復号部
107 出力部
108 地域識別コード取得部
109 受信地域特定部
110 地域別チャンネルDB
111 チャンネルリスト
112 データ入力部
113 チャンネルリスト履歴
114 地域探索リスト
115,1315 移動判定部

Claims (10)

  1. 複数の受信可能チャンネルを予めチャンネルリストとして設定し、当該チャンネルリストに基づいてチャンネルを選局することのできるチャンネルプリセット型のデジタル放送受信装置であって、
    放送局が送出するトランスポートストリーム中のPSI/SIに記載されたサービス識別コードから地域識別コードを検出する地域識別コード取得部と、
    前記地域識別コード取得部で取得した地域識別コードから現在の受信地域を特定する受信地域特定部と、
    地域ごとの受信可能チャンネル情報を格納する地域別チャンネルデータベースと、
    チャンネルリストを格納するチャンネルリスト格納部と、
    前記受信地域特定部で特定された受信地域に対応する受信可能チャンネル情報を前記地域別チャンネルデータベースから取得し、当該取得した受信可能チャンネル情報に基づいて前記チャンネルリスト格納部に格納されているチャンネルリストを更新するチャンネルリスト更新部とを備えたデジタル放送受信装置。
  2. 前記デジタル放送受信装置は、過去にある地域で利用されていたチャンネルリストを保持するチャンネルリスト履歴格納部をさらに備え、
    前記チャンネルリスト更新部は、前記受信地域特定部で特定された受信地域に対応するチャンネルリストがチャンネルリスト履歴格納部に存在した場合に、当該チャンネルリスト履歴格納部に保持されていたチャンネルリストに基づいて前記チャンネルリスト格納部に格納されているチャンネルリストを更新することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
  3. 前記地域別チャンネルデータベースは書き換え可能な記憶装置に格納されており、
    前記デジタル放送受信装置は、当該地域別チャンネルデータベースに格納されている地域ごとの受信可能チャンネル情報を外部から入力されるデータに基づいて追加または更新する手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
  4. 前記デジタル放送受信装置は、複数のチャンネルを所定の順序で並べた地域探索リストを保持する地域探索リスト格納部をさらに備え、
    前記受信地域特定部は、前記地域探索リストに従ってチャンネルを順次切替える第1ステップと、前記第1ステップで切替えたチャンネルでの放送の有無を放送波の受信結果に基づいて判定する第2ステップと、前記第2ステップで放送有りと判定された場合に前記地域識別コード取得部から地域識別コードを取得する第3ステップと、前記第3ステップで取得した1以上の地域識別コードに基づいて受信地域を特定する第4ステップとを実行し、前記第4ステップで受信地域が特定可能となるまで前記第1〜第4ステップを繰り返し実行することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
  5. 前記地域探索リストにはチャンネル番号の順番とは異なる順番でチャンネルが並んでいることを特徴とする、請求項4に記載のデジタル放送受信装置。
  6. 前記受信地域特定部は、前記第3ステップで同一地域の地域識別コードが2以上の所定の回数以上取得された時点で初めて、前記第4ステップで受信地域が当該地域であると特定することを特徴とする、請求項4に記載のデジタル放送受信装置。
  7. 前記地域探索リストは階層化された複数のチャンネルリストで構成され、
    前記受信地域特定部は、前記第1ステップで上位層のチャンネルリストに従ってチャンネルを切替えて広範囲の地域を特定した後、前記第1ステップで当該特定された広範囲の地域に対応する下位層のチャンネルリストに従ってチャンネルを切替えてより詳細な地域を特定することを特徴とする、請求項4に記載のデジタル放送受信装置。
  8. 前記デジタル放送受信装置は、放送波の受信感度と同期検波状態を定期的にモニタすることによって当該デジタル放送受信装置が地域を移動したことを判定する移動判定部をさらに備え、
    前記受信地域特定部は、前記移動判定部によって前記デジタル放送受信装置が地域を移動したと判定されかつ利用者からの指示があったときに、もしくは前記移動判定部によって前記デジタル放送受信装置が地域を移動したと判定されたら自動的に、受信地域特定処理を開始することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
  9. 前記デジタル放送受信装置は、放送波を受信し、当該受信結果を復調し、当該復調結果を多重分離する放送受信部を2系統備え、
    前記2系統の放送受信部の一方である第1放送受信部を用いて利用者が放送波に含まれるコンテンツを視聴している間に、前記受信地域特定部は前記2系統の放送受信部の他方である第2放送受信部を利用して受信地域特定処理を実行することを特徴とする、請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
  10. 前記デジタル放送受信装置は、前記第1放送受信部で受信した放送波の受信感度と同期検波状態を定期的にモニタすることによって当該放送が受信不可能となる前に当該デジタル放送受信装置が地域を移動したことを判定する移動判定部をさらに備え、
    前記受信地域特定部は、前記移動判定部によって前記デジタル放送受信装置が地域を移動したと判定されたときに、前記第1放送受信部を用いた所定チャンネルのコンテンツの視聴を中断することなく前記第2放送受信部を利用して受信地域特定処理を実行することを特徴とする、請求項9に記載のデジタル放送受信装置。
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