JP2006001757A - 誘電体セラミック組成物、セラミック焼結体及びセラミック多層基板 - Google Patents

誘電体セラミック組成物、セラミック焼結体及びセラミック多層基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温焼結性セラミック材料と同時焼成でき、かつ機械的強度に優れた、さらに高温・高湿度下に長時間配置された場合における絶縁抵抗の低下が生じ難いセラミック焼結体やセラミック層を得ることを可能とする誘電体セラミック組成物を提供する。
【解決手段】 xBaO−y(Nd1-mMem23−zTiO2(但し、Meはランタノイド元素であり、0.10≦x≦0.25、0.05≦y≦0.25、0.60≦z≦0.75、0≦m≦1)で表される誘電体セラミックス100重量部に対して、酸化ケイ素を30〜60モル%、酸化ホウ素を5〜30モル%、酸化バリウムを15〜50モル%、酸化ストロンチウムを1〜15モル%、及び酸化カルシウムを1〜10モル%含有するガラスを5重量部以上、45重量部以下の割合で含有し、さらに、酸化マンガンを1.5重量部超、3.0重量部以下の割合で含有する誘電体セラミック組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えばセラミック多層基板内の少なくとも一部を構成するのに好適に用いられる誘電体セラミック組成物に関し、より詳細には、低温焼成可能なガラス含有セラミック組成物と還元雰囲気下で同時焼成でき、かつ比較的高い誘電率を有する誘電体層を構成し得る誘電体セラミック組成物及び該誘電体セラミック組成物を用いたセラミック焼結体及びセラミック多層基板に関する。
近年、電子機器の小型化及び高密度化にともなって、セラミックコンデンサやインダクタなどの受動素子を内蔵したセラミック多層基板が種々提案されている。コンデンサを内蔵したセラミック多層基板の製造に際しては、まず、複数枚のセラミックグリーンシートを用意する。複数枚のセラミックグリーンシートの内、少なくとも一部のセラミックグリーンシートを挟むようにコンデンサ構成用電極ペーストを介在させて、複数枚のセラミックグリーンシートを積層する。得られた積層体を厚み方向に加圧した後、セラミックスと電極ペーストとを同時焼成する。
ところで、上記セラミック多層基板においては、コンデンサ用電極に挟まれたセラミック層の誘電率は高いことが好ましく、コンデンサ構成部分以外のセラミックス部分の誘電率は低いことが望ましい。すなわち、所望でない浮游容量や配線間の結合容量などを抑制するために、コンデンサ構成部分以外のセラミックス部分の誘電率は低い方が好ましい。また、高周波用途で用いる場合には、比誘電率εrが低いほど有利であり、この種のセラミック多層基板では、コンデンサ構成部分以外のセラミックス部分の比誘電率は10以下であることが望ましいとされていた。
他方、低誘電率のセラミック層を構成する材料として、低温焼成可能なセラミック材料が種々提案されている。この種の低温焼結性セラミック材料では、セラミックスにガラス成分を添加することにより、焼結温度が低下されている。低温焼結性セラミック材料は、1000℃程度の比較的低い温度で焼結することができ、しかも低い誘電率を実現することができる。
他方、上記のような低温焼結性セラミック材料と同時焼成され得る相対的に高い誘電率のセラミック材料が種々開発されている。
例えば、下記の特許文献1には、低温焼結性セラミック材料と同時焼成され、かつ、比較的高誘電率のセラミック層を構成し得る誘電体セラミック組成物が開示されている。
特許文献1に記載の誘電体セラミック組成物は、BaO−TiO2−(Nd1-mMem23/2(但し、Meはランタイノド系元素であり、0≦m≦1.0である。)で表わされる誘電体セラミックスに、酸化バリウム、酸化ケイ素及び酸化ホウ素からなるガラス成分を混合した組成を有する。
特許文献1に記載の誘電体セラミック組成物では、酸化鉛がPbO換算で17重量%の割合で混合されていることが望ましく、PbOの添加量が増えるほど比誘電率を高めることができるとされている。
特開2000−281436号公報
しかしながら、特許文献1に記載の誘電体セラミック組成物では、PbOを含まない場合等においては、高温・高湿度下に維持される信頼性試験を行った場合、絶縁抵抗が著しく低下することがあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、1000℃以下の比較的低い温度で焼結でき、低誘電率の低温焼結性セラミック材料と同時焼成でき、機械的強度が比較的高いセラミック焼結体やセラミック層を形成し得るだけでなく、コンデンサやセラミック多層基板などを構成した場合に、高温・高湿度下にさらされたとしても、絶縁抵抗の低下が生じ難い、信頼性に優れたコンデンサやセラミック多層基板を構成し得る誘電体セラミック組成物、並びに該誘電体セラミック組成物を焼成することにより得られたセラミック焼結体、及びセラミック層を有するセラミック多層基板を提供することにある。
本発明に係る誘電体セラミック組成物は、xBaO−y(Nd1-mMem23−zTiO2(但し、Meはランタノイド元素であり、x+y+z=1、0.10≦x≦0.25、0.05≦y≦0.25、0.60≦z≦0.75、0≦m≦1)で表される誘電体セラミックス100重量部に対して、酸化ケイ素をSiO2換算で30〜60モル%、酸化ホウ素をB23換算で5〜30モル%、酸化バリウムをBaO換算で15〜50モル%、酸化ストロンチウムをSrO換算で1〜15モル%、及び酸化カルシウムをCaO換算で1〜10モル%含有するガラスを5重量部以上、45重量部以下の割合で含有し、さらに、酸化マンガンをMnO換算で1.5重量部超、3.0重量部以下の割合で含有することを特徴とする。
本発明に係る誘電体セラミック組成物では、上記誘電体セラミックスは、好ましくは、焼成後に主結晶相として、BaNd2Ti412を含む誘電体セラミックスである。
本発明のある特定の局面では、本発明に係る誘電体セラミック組成物を1000℃以下で焼成してなるセラミック焼結体が提供される。
本発明の他の特定の局面では、本発明に係る誘電体セラミック組成物を1000℃以下で焼成してなるセラミック層を有する、セラミック多層基板が提供される。
上記セラミック多層基板においては、好ましくは、上記セラミック層が該セラミック層よりも誘電率が低い一対の低誘電率セラミック層の間に設けられており、かつ該低誘電率セラミック層と同時焼成により得られている。
また、上記セラミック多層基板においては、より好ましくは、一対の低誘電率セラミック層の間に設けられた上記セラミック層を挟み込むように2つの電極パターンが設けられ、それによってコンデンサが形成されている。
本発明に係るセラミック多層基板では、好ましくは、上記電極パターンは銅を主成分とする。
本発明に係る誘電体セラミック組成物は、xBaO−y(Nd1-mMem23−zTiO2で表される誘電体セラミックス100重量部に対して、酸化ケイ素をSiO2換算で30〜60モル%、酸化ホウ素をB23換算で5〜30モル%、酸化バリウムをBaO換算で15〜50モル%、酸化ストロンチウムをSrO換算で1〜15モル%、及び酸化カルシウムをCaO換算で1〜10モル%含有するガラスを5重量部以上、45重量部以下の割合で含有し、さらに、酸化マンガンをMnO換算で1.5重量部超、3.0重量部以下の割合で含有しているため、後述の実験例から明らかなように、還元性雰囲気中において1000℃以下の低温で焼成でき、従って公知の低温焼結性セラミック材料と同時焼成でき、しかも焼結後の機械的強度が高いセラミック焼結体やセラミック層を構成することができるだけでなく、得られたセラミック多層基板やコンデンサなどの高温・高湿度下における絶縁抵抗の低下が生じ難い。また、焼成時の基板との収縮差が小さいため、剥がれ、反り、クラックなどの不具合が発生しにくく、それによっても、信頼性の高い基板を得ることができる。従って、信頼性に優れたセラミック多層基板などのセラミック電子部品を提供することができる。
さらに、MnOを添加することにより、Cuの酸化しない還元雰囲気での焼成が可能とされている。よって、内部電極及び表面電極にCu電極を用いることが可能となる。
また、上記誘電体セラミックスが焼成後に主結晶相としてBaNd2Ti412を含む場合には、比較的、高誘電率とでき、かつ静電容量の温度変化率である温度特性を小さくすることができる。
本発明に係る誘電体セラミック組成物を1000℃以下で焼成してなるセラミック焼結体は、1000℃以下の低温での焼成により得られるため、セラミック焼結体の内部や表面に形成される導体として、絶縁抵抗が小さいCuなどの低融点金属を用いることができる。従って、配線の密度を容易に高めることができる。また、本発明に係る誘電体セラミック組成物を焼成して得られているため、機械的強度に優れ、かつ高温・高湿度下における絶縁抵抗の低下も生じ難い。
同様に、本発明に係る誘電体セラミック組成物を1000℃以下で焼成してなるセラミック層を有するセラミック多層基板においても、該セラミック層が低温で焼成され得るため、相対的に低い誘電率のセラミック層を与える公知の低温焼結性セラミック材料と同時焼成することができ、かつ低融点金属により内部導体を形成することができる。よって、配線密度を容易に高めることができ、かつ上記本発明の誘電体セラミック組成物からなる機械的強度に優れたセラミック層を有し、さらに信頼性に優れたセラミック多層基板を提供することができる。
本発明に係るセラミック多層基板において、誘電率が相対的に低い一対の低誘電率セラミック層の間に、本発明に係る誘電体セラミック組成物を焼成してなるセラミック層が配置されており、かつ該セラミック層が上記低誘電率セラミック層と同時焼成により得られている場合には、本発明に従って、低温で焼成でき、かつ機械的強度及び信頼性に優れたセラミック多層基板を提供することができる。特に、上記一対の低誘電率セラミック層の間に設けられた上記セラミック層を挟み込むように2つの電極パターンが設けられてコンデンサが形成されている場合には、高温・高湿度下に長時間配置されたとしても、絶縁抵抗の低下が生じ難く、従って信頼性が効果的に高められたコンデンサ内蔵セラミック多層基板を提供することができる。
電極パターンが銅を主成分とする場合には、比抵抗が低く、かつ安価であるため、高密度配線が可能であり、かつ安価なセラミック多層基板を提供することができる。
以下、本発明に係る誘電体セラミック組成物、セラミック焼結体及びセラミック多層基板の実施形態を説明する。
本発明に係る誘電体セラミック組成物は、1000℃以下の比較的低温で焼成され得る誘電体セラミック組成物であり、バリウム酸化物と、ネオジウム酸化物及び/またはMe酸化物と、チタン酸化物とを主成分とする。すなわち、本発明に係る誘電体セラミック組成物は、xBaO−y(Nd1-mMem23−zTiO2(但し、Meはランタノイド元素)で表される誘電体セラミックスを主成分とする。ここで、x、y及びzはモル比を表し、x+y+z=1の関係を有する。
上記モル比xは、0.1〜0.25の範囲にあり、好ましくは、0.15〜0.20の範囲とされる。xが0.1〜0.25の範囲内にあることにより、1000℃以下の低温で焼成でき、かつ、低温焼結性セラミック材料との接合性が高くなる。
また、yは、0.05〜0.25の範囲にあり、好ましくは、0.10〜0.18の範囲とされる。yが0.05〜0.25の範囲内にあるため、1000℃以下の低温での焼結性が高められている。
zは、0.60〜0.75の範囲であるが、好ましくは、0.65〜0.70の範囲とされる。zが0.60〜0.75の範囲とされているので、1000℃以下の低温で焼成でき、かつ低温焼結性セラミック材料との接合性が高い。
また、mは、0以上1以下である。従って、ネオジウム酸化物及びMe酸化物の一方が含まれずともよい。なお、Meはランタノイド元素であり、ランタノイド元素としては特に限定されず、La、Sm、Prなどを用いることができる。好ましくは、ランタノイド元素として、Smが用いられ、その場合には温度特性をより一層小さくすることができる。
上記誘電体セラミックスの組成を、図6に三成分図で示す。
本発明に係る誘電体セラミック組成物では、主成分としての上記誘電体セラミックス100重量部に対し、酸化ケイ素をSiO2換算で30〜60モル%、酸化ホウ素をB23で5〜30モル%、酸化バリウムをBaO換算で15〜50モル%、酸化ストロンチウムをSrO換算で1〜15モル%、及び酸化カルシウムをCaO換算で1〜10モル%含有するガラスを5重量部以上、45重量部以下の割合で含有する。
上記ガラスは、誘電体セラミック組成物の焼成温度を低めるように作用する。上記ガラスの配合割合が5重量部未満の場合には、焼結性が悪化し、焼結温度が高くなるおそれがある。また、ガラスの配合割合が45重量部を超えると、焼結性が悪化したり、誘電率やQ値などの電気的特性が劣化することがある。従って、ガラスの含有割合は、主成分である誘電体セラミックス100重量部に対し、5〜45重量部の範囲であることが必要であり、好ましくは、焼成温度を低めることができ、かつ良好な特性を期待することかできるため、10〜25重量部の範囲とされる。
上記ガラスにおいて酸化ケイ素がSiO2換算で30〜60モル%の範囲とされているのは、この範囲とすることによりガラスを容易に溶融させることができ、ガラスを確実に作製できるからであり、好ましくは、40〜50モル%の範囲とされる。
酸化ホウ素がB23換算で5〜30モル%の範囲とされているのは、この範囲内において耐湿性が良好となるからであり、好ましくは、10〜20モル%の範囲とされる。
酸化バリウムがBaO換算で15〜50モル%の範囲、酸化ストロンチウムがSrO換算で1〜15モル%の範囲並びに酸化カルシウムがCaO換算で1〜10モル%の範囲とされているのは、この範囲内において焼結性が良好となるからである。
好ましくは、酸化バリウムはBaO換算で25〜35モル%の範囲とされる。好ましくは、酸化ストロンチウムはSrO換算で2〜10モル%の範囲とされる。好ましくは、酸化カルシウムはCaO換算で2〜6モル%の範囲とされる。
さらに、本発明に係る誘電体セラミック組成物では、上記主成分としての誘電体セラミックス100重量部に対し、上記ガラスに加えてさらに酸化マンガンがMnO換算で1.5重量部超、3.0重量部以下の割合で含有される。本発明に係る誘電体セラミック組成物では、酸化マンガンがMnO換算で1.5重量部超え、3.0重量部以下の割合で含有されているため、後述の実験例から明らかなように、本発明の誘電体セラミック組成物を焼成して得られたセラミック焼結体やセラミック層を有するセラミック多層基板において、高温・高湿度下に放置された際の絶縁抵抗の劣化を効果的に抑制することができる。より好ましくは、酸化マンガンの配合割合は、MnO換算で、2.0〜2.5重量部の範囲とされ、その場合には、絶縁抵抗の低下をより一層効果的に抑制することができる。
本発明に係る誘電体セラミック組成物では、上記特定の組成の主成分100重量部に対し、上記特定の組成のガラスが5〜45重量部の割合で含有されており、それによって還元雰囲気中で比較的低い温度で焼成することが可能とされているだけでなく、上記酸化マンガンが上記特定の割合で配合されていることにより、本発明の誘電体セラミック組成物を用いて構成されたセラミック焼結体における高温・高湿度下における絶縁抵抗の低下等が生じ難い。このように、酸化マンガンを上記特定の主成分及び特定のガラスに、上記特定の割合で配合したことにより得られる絶縁抵抗低下抑制効果は、本願発明者により実験的に偶然見出されたものであり、非予測性を有する効果である。
本発明に係る誘電体セラミック組成物が、焼成後に、主結晶相としてBaNd2Ti412を含む場合には、高誘電率かつ温度特性を小さくすることができる。もっとも、本発明に係る誘電体セラミック組成物を焼成した後の主結晶相は、BaNd2Ti412に限定されるものではない。
本発明に係る誘電体セラミック組成物は、上記主成分である誘電体セラミックス100重量部に対し、上記ガラス及び酸化マンガンを上記特定の割合で含有することを特徴とするが、本発明の目的を阻害しない範囲で、さらに他の成分が含まれていてもよい。このような他の成分としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化ニオブなどを挙げることができる。
本発明に係る誘電体セラミック組成物は、上記特定の組成の誘電体セラミックスを主成分とし、上記特定のガラス及び酸化マンガンを上記特定の割合で含むため、還元雰囲気中で比較的低い温度で焼成することかできる。すなわち、特に限定される訳ではないが、1000℃以下の低温で焼成することができる。従って、本発明によれば、本発明に係る誘電体セラミック組成物を1000℃以下で焼成してなるセラミック焼結体を提供することができる。このセラミック焼結体は、1000℃以下の焼成により得られるため、焼成に際してのエネルギーコストを低減することができる。しかも、本発明に係る誘電体セラミック組成物を焼成した得られたセラミック焼結体は、低温の焼成で得られるだけでなく、機械的強度に優れ、さらに比較的高い誘電率を有する。よって、機械的強度に優れたセラミック電子部品や、大容量のコンデンサやコンデンサ内蔵セラミック多層基板を構成することができる。
また、本発明によるセラミック焼結体は、高温・高湿度下に配置された場合でも、絶縁抵抗の低下が生じ難いため、該セラミック焼結体を用いたセラミック多層基板などの信頼性も高めることができる。
同様に、本発明の誘電体セラミック組成物を1000℃以下で焼成してなるセラミック層を有するセラミック多層基板においても、該セラミック層が機械的強度に優れ、比較的高い誘電率を有し、さらに絶縁抵抗の低下が生じ難く信頼性に優れているため、信頼性に優れたコンデンサ部分などを該セラミック層を利用して構成することが可能となる。
また、本発明に係るセラミック多層基板は、上記本発明に係る誘電体セラミック組成物を焼成してなるセラミック層のみを複数層積層することにより構成されていてもよい。もっとも、好ましくは、本発明に係る誘電体セラミック組成物を焼成することにより得られたセラミック層と、それ以外のセラミック層とが積層された構成が好ましい。この場合、本発明に係る誘電体セラミック組成物を焼成して得られたセラミック層と、それ以外のセラミック層とを同時焼成により焼成することができる。このような他のセラミック層としては、好ましくは、1000℃以下の低温で焼成され得る、公知の低温焼結性セラミック材料を用いることができる。
ここで、公知の低温焼結性セラミック材料と、本発明に従って構成された誘電体セラミック組成物を焼成することにより得られたセラミック層とが積層されたセラミック多層基板の具体的な実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係るセラミック多層基板を説明するための正面断面図及び外観を示す斜視図である。
セラミック多層基板1は、周知の同時焼成技術を用いて焼成することにより得られた焼結体2を有する。焼結体2は、略図的に示されているセラミック層3〜7及びセラミック層8を積層した構造を有する。なお、セラミック層8は、セラミック焼結体2内に埋設されている。すなわち、セラミック層8は、両側のセラミック層3,4よりも小さな面積を有する。ここで、セラミック層3〜7は、1000℃以下の低温で焼結される低温焼結性セラミック材料により構成されており、セラミック層3〜7は、全て同じセラミック材料により構成されている。これに対し、セラミック層8は、本発明の誘電体セラミック組成物を用いて構成されている。
以下、説明の便宜上、本発明の誘電体セラミック組成物を用いて構成されたセラミック層を「第1のセラミック層」とし、低温焼結性セラミック材料により構成されているセラミック層を「第2のセラミック層」と表現する。すなわち、セラミック層8が、第1のセラミック層であり、セラミック層3〜7が第2のセラミック層である。
製造に際しては、低温焼結性セラミック材料からなるセラミックグリーンシートと、上記本発明の誘電体セラミック組成物からなるセラミックグリーンシート(低温焼結性セラミック材料からなるセラミックグリーンシートと同面積のセラミックグリーンシートを所定サイズに切り抜いたもの)とを積層し、厚み方向に加圧して積層体を得、該積層体を焼成することによりセラミック焼結体2が得られる。
なお、焼成に先立ち、適宜のセラミックグリーンシートに、Cuなどの導電性材料を含む導電ペーストをスクリーン印刷等より付与することにより電極パターンを形成しておく。従って、上記のようにして印刷された電極パターンが焼成されて、電極9〜16が形成されている。また、セラミック層3〜7においては、ビアホール電極17〜21が形成されている。ビアホール電極17〜21を形成するには、セラミックグリーンシートに貫通孔を形成し、該貫通孔に導電ペーストを充填しておけばよい。この導電ペーストが焼成されて、上記ビアホール電極17〜21が形成される。
また、セラミック多層基板1では、上記第1のセラミック層8を挟み込むように、電極15,16が内部電極の形態で形成されている。従って、電極15,16と、セラミック層8とにより、コンデンサが構成されている。このコンデンサでは、電極15,16間に挟まれた第1のセラミック層8が、本発明の誘電体セラミック組成物の焼成により形成されたセラミック層であるため、機械的強度に優れているだけでなく、高い誘電率を有する。従って、小型で大きな容量のコンデンサを構成することができる。
また、上記セラミック層3,4間に、セラミック層8が配置されている。言い換えれば、本発明に係る誘電体セラミック組成物を焼成することにより得られた第1のセラミック層8は、低温焼結性セラミック材料からなる第2のセラミック層3,4と同時焼成により強固に一体化されている。本発明に係る誘電体セラミック組成物は、1000℃以下の低温で焼成され得るため、低温焼結性セラミック材料と同時焼成することができる。
上記低温焼結性セラミック材料としては、従来より公知の様々な低温焼結性セラミック材料を用いることができる。好ましくは、BaO−Al23−SiO2を主成分とするセラミック粉末を含む低温焼結性セラミック材料が用いられ、この場合には、800〜1000℃の比較的低い温度で焼成することができ、しかも還元性雰囲気下で焼成することができる。
このような低温焼結性セラミック材料は、上記BaO−Al23−SiO2を主成分とするものが特に好ましいが、Al23、Mg2SiO2またはCaZrO3等の様々なセラミック原料に、B23やSiO2などを含むガラス粉末を添加した結晶化ガラス系低温焼結性セラミック材料、あるいは、上記以外の非ガラス系低温焼結性セラミック材料なども使用することができる。上記以外の非ガラス系低温焼結性セラミック材料としては、例えば、Al23−CaO−SiO2−MgO−B23を主成分とするセラミック材料や、B23−BaO−Al23−SiO2を主成分とするセラミック材料などが挙げられる。
また、上記低温焼結性セラミック材料を主体とするセラミックグリーンシートを得るに際しては、低温焼結性セラミック材料粉末に、バインダー、分散剤、可塑剤及び溶媒などを添加し、混練することによりスラリーを得、該スラリーをシート成形すればよい。ただし、セラミック層8は、本発明に係る誘電体セラミック組成物からなる粉末と、バインダー及び溶剤からなるペーストを厚膜印刷法により、所定箇所に印刷することにより形成することもできる。
本発明に係る誘電体セラミック組成物からなるセラミックグリーンシートを用意するに際しても、同様に、本発明に係る誘電体セラミック組成物からなる粉末と、バインダー、分散剤、可塑剤及び溶媒等を添加し、混練することによりスラリーを得る。そして、該スラリーをドクターブレード法などの適宜の方法によりシート状に成形すればよい。
なお、セラミック多層基板1では、上面に電子部品素子31が実装されている。電子部品素子31の一端が電極9に、他端が電極10に、導電性接合剤32,33により接合されている。なお、セラミック多層基板1の下面側にも、様々な電子部品素子を実装することができる。
図3は、セラミック多層基板1の変形例を示す正面断面図である。セラミック多層基板1では、セラミック層8は、セラミック焼結体1内に内蔵されていたが、図3に示すセラミック多層基板41においては、本発明の誘電体セラミック組成物を焼成することにより得られた第1のセラミック層42が、セラミック多層基板41に埋設されておらず、1つのセラミック層として形成されている。すなわち、第2のセラミック層42は、低温焼結性セラミック材料からなるセラミック層3と、セラミック層4との間に挟まれており、かつ第2のセラミック層3,4と同じ面積を有するように配置されている。そして、上記セラミック層42の上面及び下面の一部に電極15,16が配置されている。
このように、本発明に係るセラミック多層基板において、本発明の誘電体セラミック組成物を焼成することにより得られたセラミック層は、セラミック多層基板の内部に埋設されていてもよく、あるいは埋設されておらず、他のセラミック層と同じ面積を有するように構成されていてもよい。
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態に係るセラミック多層基板を示す正面断面図及び分解斜視図である。
第2の実施形態のセラミック多層基板51は、低温焼結性セラミック材料からなる複数の第2のセラミック層が積層された第1の基板部分52と、第2の基板部分53とを有する。そして、第1の基板部分52と、第2の基板部分53との間に、本発明の誘電体セラミック組成物を用いて構成された複数の第1のセラミック層が積層されている第3の基板部分54が配置されている。
第3の基板部分54において、コンデンサを構成するために、セラミック層を介して重なり合うようにそれぞれ複数の内部電極55,56が配置されている。
また、セラミック多層基板51内には、電気的接続を果たすために、複数の配線導体57及び複数のビアホール電極58,58a,58bが形成されている。
セラミック多層基板51においては、上記複数の内部電極55,56が積層されている部分において、それぞれ、コンデンサC1,C2が形成されている。また、上記配線導体57やビアホール電極58,58a,58bにより、複数のコンデンサC1、C2がセラミック多層基板51の上面に実装された電子部品素子61〜63に電気的に接続されて回路網が形成されている。
電子部品素子61〜63を覆うように、下方に開いた開口を有するケース64がセラミック多層基板51の上面に接合されている。
なお、ケース64は本実施形態では金属からなり、ビアホール電極58a,58bに接続されている。ビアホール電極58a,58bは、セラミック多層基板51の上面から下面を貫くように延ばされており、下面に設けられたアース電極65,66に電気的に接続されている。
上記のように、セラミック多層基板51では、上面に複数の電子部品素子61〜63が実装され、該電子部品素子61〜63とセラミック多層基板51内のコンデンサC1,C2により所望の機能を果たす回路網が構成されている。さらに、セラミック多層基板51にケース64を接合することにより、1つの多機能の電子部品が構成されている。
第2の実施形態から明らかなように、第1のセラミック層はセラミック多層基板中の複数の位置に配置されてもよく、また、同一平面上の複数の位置に設けられてもよい。
本発明に係る誘電体セラミック組成物は、上記のようにセラミック多層基板内のコンデンサ構成部分のセラミック層を形成するのに好適に用いられるが、本発明に係る誘電体セラミック組成物は、上記のようなセラミック多層基板内のセラミック層に限らず、単一のセラミック焼結体を形成するのにも用いられ得る。
また、焼成前に、本発明の誘電体セラミック組成物や低温焼結性セラミック材料を積層する方法は、セラミックグリーンシートを積層する方法に限定されない。すなわち、本発明の誘電体セラミック粉末や上記低温焼結性セラミック材料を含むペーストを作製し、ステージや他の基板上において、スクリーン印刷法などにより印刷を繰り返すことにより、積層体を得てもよい。
次に、具体的な実験例につき説明する。
図1に略図的に示したセラミック多層基板を、以下の各工程により製造した。
BaCO3、TiO2、Nd23、La23及びSm23の各粉末を用意した。これらの粉末を、前述した一般式におけるx、y、z及びmが下記の表1に示す値となるように秤量し、メディア及び水を用いて湿式混合した。このようにして得られた混合粉末を乾燥し、次に900〜1050℃の温度で2時間仮焼した。得られた。仮焼物を粉砕し、平均粒径0.9μmの仮焼粉末を得た。XRDにより仮焼粉末の結晶性を評価したところ、表1の誘電体番号Y3,Y5,Y6,Y7,Y9,Y10,Y11,Y12,Y14,Y16,Y18では、主たる結晶相はBaNd2Ti412であった。これらの試料以外では、BaTiO3,TiO2,Nd2Ti27等の結晶相が析出した。
下記の表2に示す組成比となるように、B23、SiO2、BaCO3、SrCO3及びCaCO3粉末を秤量し、十分に混合した後、1300〜1600℃の温度範囲で溶融し、しかる後急冷し、湿式粉砕し、ガラス粉末を得た。得られたガラス粉末の平均粒径は1μmであった。
先のようにして得られた仮焼粉末と、上記ガラス粉末と、MnCO3とを、下記の表3の割合となるように秤量した。なお、表3中のMnO添加量は、MnCO3量をMnOに換算した値である。さらに、有機溶媒、有機バインダー及び可塑剤を加え混合し、スラリーを得た。このようにして得られたスラリーをドクターブレード法により成形し、厚み25μmの第1のセラミックグリーンシートを得た。
他方、第2のセラミック層3〜7を得るためのセラミックグリーンシートを形成するために、酸化ケイ素、アルミナ、酸化バリウムを所定の組成比となるように調合し、混合し、800〜1000℃で仮焼し、仮焼物を粉砕して仮焼粉を得た。得られた仮焼粉に有機バインダー、可塑剤及び有機溶媒を加えてスラリーを作製し、該スラリーをドクターブレード法により成形し、第2のセラミックグリーンシートを用意した。
第1のセラミックグリーンシートの片面に、コンデンサを構成するための電極パターンをCuペーストをスクリーン印刷することにより形成した。また、第2のセラミックグリーンシートにコンデンサの片方の電極を構成するための同様にCuペーストをスクリーン印刷した。
次に、コンデンサ構成用電極が片面に形成された第1のセラミックグリーンシートにおいて、コンデンサ構成部分の周囲に炭酸ガスレーザー発振機を用いてレーザー光を照射し、複数の貫通孔を形成した。しかる後、複数の孔で囲まれたコンデンサ構成部分を残し、周囲のセラミックグリーンシート部分を除去した。なお、第2のセラミックグリーンシートは、合成樹脂フィルムに支持された状態で用意されており、上記レーザー光の照射により、第1のセラミックグリーンシートに貫通孔が形成されるが、合成樹脂フィルムには貫通孔は至らない。従って、上記周囲のセラミックグリーンシート部分の分離により合成樹脂フィルム上にコンデンサ構成部分のセラミックグリーンシートのみが残存する。
次に、合成樹脂フィルム上に支持されたコンデンサ構成部分の第1のセラミックグリーンシートを第2のセラミックグリーンシートの片面に転写した。転写に際しては、コンデンサの他方の電極が形成されていない第2のセラミックグリーンシート上に合成樹脂フィルムに支持された上記コンデンサ構成部分の第1のセラミックグリーンシートを、その上面の電極とともに第1のセラミックグリーンシートに加圧により転写した。転写に際しての圧力は0.98〜196N/mm2とし、圧着した後に、合成樹脂フィルムを剥離し、除去した。
次に、コンデンサ構成部分の電極ペーストが印刷された第2のセラミックグリーンシートを、上記コンデンサ構成部分の第1のセラミックグリーンシート上に電極が位置するように重ね、0.98〜196N/mm2の圧力にて加圧、圧着した。
さらに、他の電極部分を構成するための電極ペーストが印刷された第2のセラミックグリーンシートや、電極ペーストが印刷されていない第2のセラミックグリーンシートを上記と同様にして圧着し、積層し、積層体を得た。
得られた積層体を800〜1000℃の温度で焼成し、下記の表3に示す1〜40の試料番号のセラミック多層基板1を得た。
なお、実際には、上記コンデンサを構成するための電極以外に、図1に示したようにビアホール電極や表面配線電極を形成するために、第2のセラミックグリーンシートにCuペーストを印刷したり、第2のセラミックグリーンシートに貫通孔を形成し、Cuペーストを充填しておいた。
Figure 2006001757
Figure 2006001757
Figure 2006001757
(評価)
試料番号1〜40の各セラミック多層基板において、(1)低温焼結性セラミック材料との接合性、(2)焼結性、(3)内蔵されているコンデンサの誘電率、(4)内蔵されているコンデンサの温度特性、(5)絶縁抵抗値、及び(6)信頼性評価を以下の要領で行った。
(1)低温焼結性セラミック材料との接合性…上記第1のセラミックグリーンシートが焼成されて得られた第1のセラミック層と、第2のセラミックグリーンシートが焼成されて構成された第2のセラミック層との接合性を、セラミック多層基板の断面を、SEMにより観察し、評価した。下記の表4における評価結果の表現の意味は以下の通りである。
良好…接合部分に剥離が見られなかった。
ポア・デラミ…接合部分においてポアが生じていたり、接合部分の一部にデラミネーション(剥離)が認められた。
(2)焼結性…焼結性は、セラミック多層基板を破断し、観察することにより評価した。下記の表4における記号の〇は、焼結が良好であること、×は未焼結部分が存在することを示す。
(3)内蔵されているコンデンサの誘電率…セラミック多層基板に内蔵されているコンデンサの静電容量を、1MHz、1V及び25℃の条件で測定した。測定された静電容量と、該コンデンサの電極面積及び電極間距離により、電極間に挟まれたセラミック層の誘電率を求めた。
(4)誘電率温度特性…25℃及び−55℃における静電容量を、(3)の誘電率を求めた場合と同様にして測定し、測定された25℃及び−55℃における静電容量から静電容量の温度変化率(ppm/℃)を求めた。
(5)絶縁抵抗…得られたセラミック多層基板における初期絶縁抵抗値を測定した。
(6)信頼性評価…得られた各セラミック多層基板に、125℃の温度で50Vの電圧を印加し続け、96時間経過後に絶縁抵抗を測定した。初期絶縁抵抗値と、96時間後の絶縁抵抗値との変化を評価し、信頼性試験前後における絶縁抵抗の変化がほとんどない場合に良好とし、試験後の絶縁抵抗が、試験前の絶縁抵抗よりも1桁以上低下した場合、「劣化」とした。
Figure 2006001757
なお、表4における−は、評価を行っていないことを意味する。また、表4における※は、本発明の範囲外の試料番号であることを示す。
表3及び表4から明らかなように、コンデンサ構成部分のセラミック層を得るのに用いた該セラミック層において、BaOの含有割合が10モル%より少ない場合、1000℃以下の低温で焼結し難くなり、25モル%を超えると、低温焼結性セラミック材料との接合性が悪化し、界面にポアやデラネーションが発生することがわかる。
また、(Nd1-mMem23の含有割合が5モル%より少ない場合、あるいは25モル%を超えると、1000℃以下で焼結しなくなり、TiO2の含有割合が60モル%よりも少ない場合には、比誘電率が30以下となり、かつ低温焼結性セラミック材料との接合性が悪化することがわかる。また、TiO2の含有割合が75モル%を超えると、1000℃以下の温度で焼結しない。
さらに、コンデンサ構成部分のセラミック層に用いた誘電体セラミック組成物において、ガラス成分としてのSrO及びCaOの含有割合が1モル%より少ない場合には、信頼性試験において絶縁抵抗が劣化し、SrOの含有割合が15モル%を超えると、1000℃以下で焼結しなかった。
ガラスの添加量が5重量%より少ないと、1000℃以下の温度で焼結せず、45重量%より多いと、誘電率が30を下回ることがわかる。
また、上記コンデンサ構成用セラミック層において、MnOの添加量が、1.5重量%以下では、耐還元性が低く、信頼性試験において絶縁抵抗の劣化が生じた。他方、3.0重量%を超えると、低温焼結性セラミック材料との界面にポア・デラミネーションが発生し、かつ絶縁抵抗が低くなることがわかる。
また、本発明に含まれるセラミック層8を有するセラミック多層基板のXRDによる断面の観察結果において、該コンデンサ構成用セラミック層8の結晶性を評価したところ、主たる結晶相はBaNd2Ti412であった。
また、上記実験例では、電極パターンは、Cuペーストを用いて構成したが、Cu以外のAg、Au、Ni、Ag/Pd、Ag/Ptなどの様々な金属を用いて電極パターンを形成することかできる。
本発明の第1の実施形態に係るセラミック多層基板の略図的正面断面図。 第1の実施形態のセラミック多層基板の外観を示す斜視図。 第1の実施形態のセラミック多層基板の変形例を示す正面断面図。 第2の実施形態のセラミック多層基板を用いた電子部品の正面断面図。 第2の実施形態のセラミック多層基板を用いた電子部品分解斜視図。 本発明の誘電体セラミック組成物における主成分としての誘電体セラミックスの組成を示す三成分図。
符号の説明
1…セラミック多層基板
3〜7…セラミック層
8…セラミック層
9〜16…電極
17〜21…ビアホール電極
31…電子部品素子
32,33…導電性接合剤
41…セラミック多層基板
42…セラミック層
51…セラミック多層基板
52…第1の基板部分
53…第2の基板部分
54…第3の基板部分
55,56…内部電極
58,58a,58b…ビアホール電極
61〜63…電子部品素子
64…ケース
65,66…アース電極
C…コンデンサ
C1,C2…コンデンサ

Claims (7)

  1. xBaO−y(Nd1-mMem23−zTiO2(但し、Meはランタノイド元素であり、x+y+z=1、0.10≦x≦0.25、0.05≦y≦0.25、0.60≦z≦0.75、0≦m≦1)で表される誘電体セラミックス100重量部に対して、酸化ケイ素をSiO2換算で30〜60モル%、酸化ホウ素をB23換算で5〜30モル%、酸化バリウムをBaO換算で15〜50モル%、酸化ストロンチウムをSrO換算で1〜15モル%、及び酸化カルシウムをCaO換算で1〜10モル%含有するガラスを5重量部以上、45重量部以下の割合で含有し、さらに、酸化マンガンをMnO換算で1.5重量部超、3.0重量部以下の割合で含有する、誘電体セラミック組成物。
  2. 前記誘電体セラミックスは、焼成後に主結晶相として、BaNd2Ti412を有する誘電体セラミックスである、請求項1に記載の誘電体セラミック組成物。
  3. 請求項1に記載の誘電体セラミック組成物を、1000℃以下で焼成してなる、セラミック焼結体。
  4. 請求項1に記載の誘電体セラミック組成物を、1000℃以下で焼成してなるセラミック層を有する、セラミック多層基板。
  5. 前記セラミック層が該セラミック層よりも誘電率が低い一対の低誘電率セラミック層の間に設けられており、かつ該低誘電率セラミック層と同時焼成により得られている、請求項4に記載のセラミック多層基板。
  6. 前記一対の低誘電率セラミック層の間に設けられた前記セラミック層を挟み込むように2つの電極パターンが設けられてコンデンサが形成されている、請求項5に記載のセラミック多層基板。
  7. 前記電極パターンが銅を主成分とする、請求項6に記載のセラミック多層基板。
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