JP2006001059A - 合成樹脂製円盤状または円筒状部品、およびその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製円盤状または円筒状部品、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度の合成樹脂製円盤状部品または円筒状部品を得る。
【解決手段】射出圧縮成形により作成された合成樹脂製の円盤状部品または円筒状部品10の少なくとも一側面11において部品の軸線oと同心状に配置された複数本の被圧縮用ピン状部分12を、射出圧縮成形時における圧縮工程で、ピン状部分12の頭部12aが一側面11と同一面に達するまで、あるいは圧縮工程おける誤差ΔLの範囲内で一側面11に凸部11aが形成される位置まで圧縮する。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂製円盤状または円筒状部品、およびその製造方法に関する。より詳しくは、射出圧縮成形により作成された合成樹脂製の円盤状部品または円筒状部品、およびその射出圧縮形成方法による同上部品の製造方法に関するものである。
従来、合成樹脂製円盤状部品ないしその射出圧縮形成方法として、ウェブの圧縮に伴うボス内周面やリム外周面の変形を防止し、優れた強度と高い寸法精度を併せ持つ円盤状合成樹脂成形品を射出成形により形成するという目的を達成すべく、外周面に配置されたリムと、このリムの内周に同心円状に配置されたボスと、上記リムと上記ボスとを連結する円盤状のウェブとが射出成形により一体成形された合成樹脂成形品を、上記ウェブを射出成形用金型内で溶融樹脂が射出された後にその厚み方向に圧縮し、かつ上記ボスまたは上記リムを上記ウェブとともにその少なくとも一部を同方向に圧縮して形成する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
この方法においては、型の一部を構成するセンターピン(24)の回りに当該センターピンと同心状に配置した円筒状の圧縮コア(23)を型内において前記センターピンに対して平行に移動させることによって、上記圧縮を行うようになっていた。
特開2002−200661号公報
上述した従来の合成樹脂製円盤状部品ないしその射出圧縮形成方法では、型の一部を構成するセンターピン(24)の回りに配置した円筒状の圧縮コア(23)を型内においてセンターピン(24)に対して平行に移動させるようになっていたため、センターピン(24)と、その回りに圧縮コア(23)を介して配置される型(22)とが、圧縮コア(23)によって分断された状態となる。
このため、上記部品を成形する際、特に上記圧縮を行う際、センターピン(24)と、その回りに圧縮コア(23)を介して配置された型(22)との間において、相対的な位置ずれ(ブレ)が生じやすくなる。
したがって、従来の技術では、高精度の合成樹脂製円盤状または円筒状部品を得ることは困難であった。
本発明の目的は、高精度の合成樹脂製円盤状部品または円筒状部品を得ることにある。
上記目的を達成するために本発明の合成樹脂製円盤状または円筒状部品は、射出圧縮成形により作成された合成樹脂製の円盤状部品または円筒状部品であって、
当該部品の少なくとも一側面において当該部品の軸線と同心状に配置された複数本の被圧縮用ピン状部分が、射出圧縮成形時における圧縮工程で、当該ピン状部分の頭部が前記一側面と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差の範囲内で前記一側面に凸部が形成される位置まで、圧縮されたことを特徴とする。
このような構成によれば、被圧縮用ピン状部分が、射出圧縮成形時における圧縮工程で圧縮されることにより、当該部品の強度が増すとともにヒケが防止されるので、高精度の部品となる。
また、被圧縮用ピン状部分は前記部品の軸線と同心状に複数本配置されているので、上記圧縮が部品全体に対して略均一になされることとなる。したがって、より一層高精度の部品となる。
しかも、被圧縮用ピン状部分は、その頭部が当該部品の一側面と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差の範囲内で前記一側面に凸部が形成される位置まで、圧縮された状態となるので、この被圧縮用ピン状部分は、完成品としての部品にはピンとしては殆ど残らない。
したがって、完成品としての商品価値を高めることができると同時に、不要なピンがないことにより、当該部品の利用の自由度も増大する。
さらに、上述した従来技術では、成形部品の一側面をその大部分に亘って圧縮していたので、大きな圧縮力が必要で、製造装置が大型化するという難点を有していたのに対し、この発明によりれば、ピン状部分を圧縮すればよいので、圧縮力を低減でき、したがって、小さな装置で製造することができる。
また、前記被圧縮用ピン状部分を、前記部品の軸線と同心状に複数本等間隔で配置することにより、上記圧縮が部品全体に対して一層均一になされることとなる。したがって、より一層高精度の部品となる。
本発明の合成樹脂製円盤状または円筒状部品の製造方法は、中心部に穴を有する合成樹脂製の円盤状部品または円筒状部品を射出圧縮成形により製造する方法であって、
型内において、前記中心部に位置する中心ピンを固定ピンとするとともに、前記部品の少なくとも一側面に、当該部品の軸線と同心状に複数本の被圧縮用ピン状部分を設け、この被圧縮用ピン状部分を、射出圧縮成形時における圧縮工程において、前記固定ピンと接触することなく当該固定ピンと平行に移動する前記被圧縮用ピン状部分と同数の圧縮ピンで、前記ピン状部分の頭部が前記一側面と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差の範囲内で前記一側面に上記圧縮ピンによる凸部が形成される位置まで圧縮することを特徴とする。
このような製造方法によれば、被圧縮用ピン状部分が、射出圧縮成形時における圧縮工程で圧縮されることにより、当該部品の強度が増すとともにヒケが防止されるので、高精度の部品を製造することができる。
また、被圧縮用ピン状部分は前記部品の軸線と同心状に複数本配置されているので、上記圧縮が部品全体に対して略均一になされることとなる。したがって、より高精度の部品を製造することができる。
しかも、射出圧縮成形時における圧縮工程において、前記固定ピンと接触することなく当該固定ピンと平行に移動する圧縮ピンで被圧縮用ピン状部分を圧縮するので、前述した従来技術とは異なり、型の一部を構成する固定ピンと、その回りに上記圧縮ピン同士の間隔を通じて配置される型とが、圧縮ピンによって分断された状態になってしまうということがない。すなわち、固定ピンと、その回りの型とは上記圧縮工程の際にも密接状態が維持されることとなる。
このため、上記部品を成形する際、特に上記圧縮を行う際においても、固定ピンと、その回りに配置された型との間には、相対的な位置ずれ(ブレ)が生じなくなる。
したがって、この発明の製造方法によれば、より高精度の合成樹脂製円盤状または円筒状部品を得ることが可能となる。
しかも、被圧縮用ピン状部分は、その頭部が当該部品の一側面と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差の範囲内で前記一側面に凸部が形成される位置まで、圧縮された状態となるので、この被圧縮用ピン状部分は、完成品としての部品にはピンとしては殆ど残らない。
したがって、商品価値の高い部品を得ることができると同時に、不要なピンがなくて利用の自由度も大きな部品を得ることができる。
さらに、上述した従来技術では、成形部品の一側面をその大部分に亘って圧縮していたので、大きな圧縮力が必要で、製造装置が大型化するという難点を有していたのに対し、この発明によりれば、ピン状部分を圧縮すればよいので、圧縮力を低減でき、したがって、小さな装置で製造することができる。
また、前記被圧縮用ピン状部分および圧縮ピンを、それぞれ前記固定ピンの軸線と同心状に複数本等間隔で設けることにより、上記圧縮を部品全体に対して一層均一に行うことができ、したがって、より一層高精度の部品を得ることができるようになる。
さらに、前記圧縮工程を、圧力制御によってではなく、前記圧縮ピンを所定距離だけ移動させることで行うことにより、被圧縮用ピン状部分を、その頭部が当該部品の一側面と同一面に達するまで、あるいは当該圧縮工程おける誤差の範囲内で前記一側面に凸部が形成される位置まで確実に圧縮することができるようになる。
以下、本発明に係る合成樹脂製円盤状または円筒状部品、およびその製造方法の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る合成樹脂製円盤状ないし円筒状部品の第1例を示す図で、(a)は正断面図(図(c)におけるa−a断面図)、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は図(c)におけるd−d断面図、(e)は図(a)の部分拡大図である。
この部品10は、射出圧縮成形により作成された合成樹脂製の歯車である。
図1(a)(c)(e)に示すように、この部品10は、その一側面11に、当該部品10の射出圧縮成形時に、当該部品10の軸線oと同心状に複数本の被圧縮用ピン状部分12(仮想線部分)が等間隔で配置されていたもので、射出圧縮成形時における圧縮工程で、図(e)に破線矢印で示すように当該ピン状部分12の頭部12aが前記一側面11と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差ΔLの範囲内で前記一側面11に凸部11a(図(e)参照)が形成される位置12a’まで、圧縮されたことにより作成された部品である。
被圧縮用ピン状部分12が圧縮された後の頭部12aの位置12a’は、前記一側面11と同一面とすることが望ましい。したがって、この実施の形態では、圧縮された後の頭部12aの位置12a’を前記一側面11と同一面とすることを基本的な目的としている。しかしながら、厳密に言うと、実際には、前記圧縮工程おける圧縮長さには必ず誤差が生じるから、圧縮後の頭部12aの位置12a’が前記一側面11と完全に同一面になるということは実質上略あり得ず、上記頭部12aが上記誤差によって、前記一側面11に凸部を形成したり凹部を形成したりしたのでは、商品価値を高める上でも、また、この部品を利用する上でも望ましくない。
そこで、この実施の形態では、上記誤差ΔLが生じたとしても、上記頭部12aの位置が前記一側面11に凸部11a(図(e)参照)が形成される位置12a’となるように圧縮することとしたものである。
このような部品10は、被圧縮用ピン状部分12が、射出圧縮成形時における圧縮工程で圧縮されることにより、当該部品10の強度が増すとともにヒケが防止されるので、高精度の部品となる。
また、被圧縮用ピン状部分12は部品10の軸線oと同心状に複数本配置されているので、上記圧縮が部品10全体に対して略均一になされることとなる。したがって、より一層高精度の部品となる。特に、歯車の場合、その歯筋誤差が1〜3級、隣接ピッチ誤差が1〜3級、累積ピッチ誤差(偏芯なし)が0〜1級、の精度とすることが可能である。
しかも、被圧縮用ピン状部分12は、その頭部12aが当該部品10の一側面11と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差ΔLの範囲内で前記一側面11に凸部11aが形成される位置まで、圧縮された状態となるので、この被圧縮用ピン状部分12は、完成品としての部品にはピンとしては殆ど残らない。
したがって、完成品としての商品価値を高めることができると同時に、不要なピンがないことにより、当該部品の利用の自由度も増大する。
さらに、前述した従来技術では、成形部品の一側面をその大部分に亘って圧縮していたので、大きな圧縮力が必要で、製造装置が大型化するという難点を有していたのに対し、この実施の形態によりれば、ピン状部分12を圧縮すればよいので、圧縮力を低減でき、したがって、小さな装置で製造することができる。
また、前記被圧縮用ピン状部分12を、前記部品10の軸線oと同心状に複数本等間隔で配置してあるので、上記圧縮が部品10全体に対して一層均一になされることとなる。したがって、より一層高精度の部品となる。
図2は、本発明に係る合成樹脂製円盤状ないし円筒状部品の第2例を示す図で、(a)は正断面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は正面図である。図2において、上述した第1例と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この第2例の部品が上記第1例の部品と異なる点は、その形状が全体として第1例の部品に比べて、より筒状形となっている点にありその他の点に変わりはない。
この部品によっても、第1例の部品と同様な作用効果が得られる。
図3は、本発明に係る合成樹脂製円盤状ないし円筒状部品の第3例を示す図で、(a)は正断面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は正面図である。図3において、上述した第1例と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この第3例の部品が上記第1例、第2例の部品と異なる点は、その形状が全体として第1例、第2例の部品に比べて、さらに筒状形となっている点にありその他の点に変わりはない。
この部品によっても、第1例の部品と同様な作用効果が得られる。
図4〜図7は、本発明に係る合成樹脂製円盤状または円筒状部品の製造方法の一実施の形態を説明する図で、図4は、この方法に用いる射出成形機の一例の要部を示す図、図5(a)は図4の部分拡大図(図5(b)におけるa−a断面図)、図5(b)は図5(a)におけるb−b断面図である。
図6(a)は圧縮工程を示す図、図6(b)は図6(a)の部分拡大図、図7(a)は突き出し工程を示す図、図7(b)は図7(a)の部分拡大図である。
図4において、20は、射出成形機の図示しない可動機構に連結された可動ベースである。この可動ベース20の上に可動ブロック21を介して可動プレート22が固定されており、この可動プレート22の上に可動ブロック23が固定され、この可動ブロック23の内側に、下可動型24,25が固定されている。また、前記可動プレート22の上に中心ピン(固定ピン)26が固定されている。この中心ピン26の回りに前記下可動型24が配置されている。
上記可動ブロック21内において前記可動ベース20の上に可動プレート27が載置されており、この可動プレート27に圧縮ピン28が植設(固定)されている。圧縮ピン28は図5(b)に示すように、中心ピン26の軸線oと同心状に複数本設けられている。これら圧縮ピン28は、図4に示すように、中心ピン26と平行であり、上記可動プレート22に設けられた挿通孔22aおよび上記下可動型24に設けられた挿通孔24aに挿通されている(図5(a)参照)。
図5(a)に示すように、下可動型24における上記挿通孔24aの上部が、前述した被圧縮用ピン状部分12となる部位を形成している。
図5からも明らかなように、圧縮ピン28は中心ピン26から離間していて中心ピン26とは接触していない。したがって、型の一部を構成する中心ピン(固定ピン)26と、その回りに配置された下可動型24とは、圧縮ピン28同士の間隔部分28cを通じて密接状態(密接部を符号24bで示す)にあり、圧縮ピン28によって分断された状態とはなっていない。この状態は、後述する圧縮工程の際にも維持される。
図4に示すように、上記可動ベース20の下方には、射出成形機の図示しない稼働手段により稼働される稼働ピン29が配置されているとともに、可動ベース20には、稼働ピン29が挿通される穴20aが設けられている。
したがって、稼働ピン29が前進して可動プレート27を押し上げると圧縮ピン28も前進し、逆に、稼働ピン29が後退して可動プレート27がその可動プレート21内にあるバネの力で後退すると圧縮ピン28も後退する。
一方、図4において、30は、射出成形機の図示しないフレームに固定された固定ベースである。この固定ベース30の下に固定プレート31が一体的に固定されており、この固定プレート31の下に固定ブロック32が固定され、この固定ブロック32の内側に、上固定型34,35が固定されている。
上記固定ベース30、固定プレート31、および上固定型34には、型内に合成樹脂を注入するためのノズル33が形成されており、このノズル33に図示しない合成樹脂供給源が接続されている。
以下、合成樹脂製円盤状ないし円筒状部品の製造方法について、その概要を工程順に説明する。
(1)射出工程
図4に示すように、固定上型と可動下型とが結合されている状態で、ノズル33から型内A(図5(a)参照)に合成樹脂を注入する。
この合成樹脂注入により、図5(a)に示すように、部品10の一側面11となる部位に、当該部品の軸線o(中心ピン26の軸線と同軸である)と同心状に複数本の被圧縮用ピン状部分12が形成される。
(2)圧縮工程
樹脂注入が完了し、所定時間経過してノズル33の先端部分であるゲート部G(図5(a)参照)における樹脂が固化した後、型内Aの樹脂が固化する前に、図6に示すように稼働ピン29を前進させ、可動プレート27および圧縮ピン28を距離Lだけ前進させる。圧縮ピン28は中心ピン26に対して平行に移動する。
この距離Lは、前進開始位置から、被圧縮用ピン状部分12の頭部12aが前述した一側面11と同一面に達するまで、あるいはこの圧縮工程における誤差すなわち、圧縮ピン28の前進距離の誤差ΔL(図1参照)の範囲内で前記一側面11に圧縮ピン28による凹部11aが形成される位置までの距離である。
この圧縮ピン28の移動動作は、射出成形機がゲートカット機能を有している場合には、そのゲートカット機能を用いて容易に行うことができる。
すなわち、稼働プレート27にセットするピンを、ゲートカットピンに代えて、この実施の形態で用いる圧縮ピン28とするだけでよい。
圧縮ピン28を上昇させる距離Lは、圧縮量(体積)が製品(部品10)の体積の1〜5%になるように設定する。
すなわち、圧縮量(体積)=L×(圧縮ピン28の頭部面積)×(圧縮ピン28の本数)であるから、この式を用いて、圧縮量(体積)が製品の体積の1〜5%になるように距離Lを設定する。さらにいえば、複数本の被圧縮用ピン状部分12が、その頭部12aが前述した一側面11と同一面に達するまで、あるいはこの圧縮工程における誤差範囲内で前記一側面11に圧縮ピン28による凹部11aが形成される位置まで圧縮された際に、その圧縮量(体積)が製品の体積の1〜5%になるように、上記式を用いて、距離Lと、圧縮ピン28の頭部面積と、圧縮ピン28の本数とを設定するということである。
なお、原料となる合成樹脂が少なくともポリアセタール、あるいはポリカーボネートである場合、上記圧縮量が1%未満であると圧縮効果が少なくてヒケが残るために高精度の部品が得られにくくなり、逆に5%を超えると、圧縮が強すぎて全体的に変形が生じてしまうということが本願発明者による実験で確認されている。
(3)圧縮停止工程
上記圧縮ピン28が距離Lだけ上昇した後、圧縮ピン28を所定時間停止させた状態とする。ここでの停止時間は、5秒以上とすることが望ましい。型内Aにおける合成樹脂を落ち着かせ、冷却させるためである。
なお、ゲートカット機能を有している射出成形機においてゲートカットを行う場合、この停止工程は必ずしも必要ではないことから、ゲートカット機能を有している射出成形機を用いてこの実施の形態の方法を実施するとしたとしても、この停止工程は、この実施の形態に特有の工程である。
(3)型開きおよび、突出工程
上記5秒以上の所定時間が経過した後、図7に示すように、固定ベース30および、固定プレート31、固定ブロック32、上固定型34,35を上動させて型開きを行なう。さらに、稼働ピン29を上昇させて、圧縮ピン28を上昇させ、その先端で製品(部品10)を型から突き出す。
以上により製品10が得られる。
(4)その後、全ての部位を元位置に復帰させる。
以上のような合成樹脂製円盤状または円筒状部品の製造方法は、中心部に穴を有する合成樹脂製の円盤状部品または円筒状部品10を射出圧縮成形により製造する方法であって、型内Aにおいて、前記中心部に位置する中心ピン26を固定ピンとするとともに、前記部品10の少なくとも一側面11に、当該部品10の軸線oと同心状に複数本の被圧縮用ピン状部分12を設け、この被圧縮用ピン状部分12を、射出圧縮成形時における圧縮工程において、前記固定ピン26と接触することなく当該固定ピン26と平行に移動する前記被圧縮用ピン状部分12と同数の圧縮ピン28で、前記ピン状部分12の頭部12aが前記一側面11と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差ΔLの範囲内で前記一側面11に上記圧縮ピン28による凸部が形成される位置まで圧縮する製造方法であるので、この製造方法によれば、被圧縮用ピン状部分12が、射出圧縮成形時における圧縮工程で圧縮されることにより、当該部品10の強度が増すとともにヒケが防止されて、高精度の部品を製造することができる。
また、被圧縮用ピン状部分12は前記部品10の軸線oと同心状に複数本配置されているので、上記圧縮が部品全体に対して略均一になされることとなる。したがって、より高精度の部品を製造することができる。
しかも、射出圧縮成形時における圧縮工程において、前記固定ピン26と接触することなく当該固定ピン26と平行に移動する圧縮ピン28で被圧縮用ピン状部分12を圧縮するので、前述した従来技術とは異なり(この点については後述する比較例においても説明する)、型の一部を構成する固定ピン26と、その回りに上記圧縮ピン同士の間隔を通じて配置される型とが、圧縮ピンによって分断された状態になってしまうということがない。すなわち、固定ピン26と、その回りの型24とは上記圧縮工程の際にも密接状態(図5における符号24b参照)が維持されることとなる。
このため、上記部品10を成形する際、特に上記圧縮を行う際においても、固定ピン26と、その回りに配置された型24との間には、相対的な位置ずれ(ブレ)が生じなくなる。
したがって、この製造方法によれば、より高精度の合成樹脂製円盤状または円筒状部品を得ることが可能となる。
しかも、被圧縮用ピン状部分12は、その頭部12aが部品10の一側面11と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差ΔLの範囲内で前記一側面11に凸部11aが形成される位置まで、圧縮された状態となるので、この被圧縮用ピン状部分12は、完成品としての部品10にピンとしては殆ど残らない。
したがって、商品価値の高い部品を得ることができると同時に、不要なピンがなくて利用の自由度も大きな部品を得ることができる。
さらに、上述した従来技術では、成形部品の一側面をその大部分に亘って圧縮していたので、大きな圧縮力が必要で、製造装置が大型化するという難点を有していたのに対し、この製造方法によりれば、ピン状部分12を圧縮すればよいので、圧縮力を低減でき、したがって、小さな装置で製造することができる。
また、前記被圧縮用ピン状部分12および圧縮ピン28を、それぞれ前記固定ピン26の軸線と同心状に複数本等間隔で設けることにより、上記圧縮を部品全体に対して一層均一に行うことができ、したがって、より一層高精度の部品を得ることができるようになる。
さらに、前記圧縮工程を、圧力制御によってではなく、前記圧縮ピン28を所定距離だけ移動させることで行うことにより、被圧縮用ピン状部分12を、その頭部12aが部品10の一側面11と同一面に達するまで、あるいは圧縮工程おける誤差ΔLの範囲内で前記一側面11に凸部11aが形成される位置まで確実に圧縮することができるようになる。
<比較例>
図8〜図11は、上記実施の形の態製造方法に対する比較例を説明する図で、図8は、この比較例に用いる射出成形機の一例の要部を示す図、図9(a)は図8の部分拡大図(図9(b)におけるa−a断面図)、図9(b)は図9(a)におけるb−b断面図である。
図10(a)は圧縮工程を示す図、図10(b)は図10(a)の部分拡大図、図11(a)は突き出し工程を示す図、図11(b)は図11(a)の部分拡大図である。
この比較例が上述した実施の形態と異なる点は、圧縮ピン28に代えて、圧縮パイプ(筒状体)50を用いた点にあり、その他の点に基本的な変わりはない。したがって、図8〜図11において、上述した実施の形態と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この比較例においては、中心ピン26は可動ベース20に固定してあり、圧縮パイプ50は、中心ピン26の回りに装着され、中心ピン26と接触しつつ中心ピン26に案内されて昇降するように構成されている。
このような構成によっても、上述した実施の形態とほぼ同様の工程によって図8〜図11に示すようにして、製品10を得ることができそうではある。
しかしながら、この比較例では、型の一部を構成する中心ピン26の回りに配置した圧縮パイプ50を型内において中心ピン26に対して平行に移動させるようになっているため、図9(a)(b)から明らかなように、中心ピン26と、その回りに圧縮パイプ50を介して配置される型24とが、圧縮パイプ50によって分断された状態となる。
このため、上記部品を成形する際、特に上記圧縮工程を行う際、中心ピン26と、その回りに圧縮パイプ50を介して配置された下可動型24との間において、相対的な位置ずれ(ブレ)が生じやすくなる。
したがって、この比較例では上述した従来の技術と同様、高精度の合成樹脂製円盤状または円筒状部品を得ることは困難である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
本発明に係る合成樹脂製円盤状ないし円筒状部品の第1例を示す図で、(a)は正断面図(図(c)におけるa−a断面図)、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は図(c)におけるd−d断面図、(e)は図(a)の部分拡大図。 同じく第2例を示す図で、(a)は正断面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は正面図。 同じく第3例を示す図で、(a)は正断面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は正面図。 本発明に係る合成樹脂製円盤状または円筒状部品の製造方法の一実施の形態に用いる射出成形機の一例の要部を示す正断面図。 (a)は図4の部分拡大図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は図(a)におけるb−b断面図。 (a)は圧縮工程を示す図、(b)は図(a)の部分拡大図。 (a)は突き出し工程を示す図、(b)は図(a)の部分拡大図。 製造方法の比較例に用いる射出成形機の一例の要部を示す正断面図。 (a)は図8の部分拡大図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は図(a)におけるb−b断面図。 (a)は圧縮工程を示す図、(b)は図(a)の部分拡大図。 (a)は突き出し工程を示す図、(b)は図(a)の部分拡大図。
符号の説明
10:部品、11:一側面、11a:凸部、o:軸線、12:被圧縮用ピン状部分、12a:頭部、26:中心ピン、28:圧縮ピン。

Claims (5)

  1. 射出圧縮成形により作成された合成樹脂製の円盤状部品または円筒状部品であって、
    当該部品の少なくとも一側面において当該部品の軸線と同心状に配置された複数本の被圧縮用ピン状部分が、射出圧縮成形時における圧縮工程で、当該ピン状部分の頭部が前記一側面と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差の範囲内で前記一側面に凸部が形成される位置まで、圧縮されたことを特徴とする合成樹脂製円盤状または円筒状部品。
  2. 前記被圧縮用ピン状部分は、前記部品の軸線と同心状に複数本等間隔で配置されたことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製円盤状または円筒状部品。
  3. 中心部に穴を有する合成樹脂製の円盤状部品または円筒状部品を射出圧縮成形により製造する方法であって、
    型内において、前記中心部に位置する中心ピンを固定ピンとするとともに、前記部品の少なくとも一側面に、当該部品の軸線と同心状に複数本の被圧縮用ピン状部分を設け、この被圧縮用ピン状部分を、射出圧縮成形時における圧縮工程において、前記固定ピンと接触することなく当該固定ピンと平行に移動する前記被圧縮用ピン状部分と同数の圧縮ピンで、前記ピン状部分の頭部が前記一側面と同一面に達するまで、あるいは前記圧縮工程おける誤差の範囲内で前記一側面に上記圧縮ピンによる凸部が形成される位置まで圧縮することを特徴とする合成樹脂製円盤状または円筒状部品の製造方法。
  4. 前記被圧縮用ピン状部分および圧縮ピンは、それぞれ前記固定ピンの軸線と同心状に複数本等間隔で設けたことを特徴とする請求項3記載の合成樹脂製円盤状または円筒状部品の製造方法。
  5. 前記圧縮工程は、前記圧縮ピンを所定距離だけ移動させることにより行うことを特徴とする請求項3または4記載の合成樹脂製円盤状または円筒状部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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