以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明における弾球遊技機の一例としてのパチンコ機PMについて説明する。図1は、パチンコ機PMの全体正面図であり、図2は、パチンコ機PMの遊技盤正面図である。
このパチンコ機PMには、遊技機の外郭保持枠をなす外枠1と、この外枠1と開閉自在に軸支された前枠2が設けられている。そして、前枠2はガラス扉(図示略)、球受け皿4と、打球ハンドル5と、レール7で区画された遊技領域10を備える遊技盤8等から構成されている。
遊技領域10には、賞球の払出条件となる複数の一般入賞口11と、賞球の払出条件となるとともに図柄表示装置20の図柄の変動開始条件となる始動入賞口12と、大入賞口13と、遊技球を回収するアウト口14と、打球の落下に影響を与える風車15と、図示しない多数の遊技釘とが設けられている。
また、遊技領域10の略中央には、各種の演出パターン等の画像、及び、当たりに関与する複数種類の特定図柄(0〜9までの数字)と、当たりに関与しないブランク図柄とをともに変動表示させた後に停止表示させることが可能な図柄表示装置20が設けられている。なお、ブランク図柄は、本実施形態において設定されているのは1種類であるが、これに限定されるものではなく、例えば複数種類用いることも可能である。
より詳しくは、図柄表示装置20は、図5に示すように、3行3列の正方マトリクス状に配置された9個の図柄表示領域20a〜20iを備えており、後述の図柄制御手段625により図柄の変動表示が開始されると、列単位で、左列の図柄20a〜20c、右列の図柄20d〜20f、中央列の図柄20g〜20iの順で停止表示するように構成されている。なお、図柄表示装置20は、3列3行の正方マトリクス状で図柄表示領域が配置されているが、これに限定されるものではない。
図柄表示装置20の下部には、図柄表示装置20による図柄の変動中に始動入賞口12に入った入賞球数を表示する4個のLED等から構成される保留球ランプ30が設けられている。本実施形態では、4個を上限として、(図柄変動中に)始動入賞口12に入賞があるごとに、保留球ランプ30を1個ずつ点灯させる。そして、図柄表示装置20において図柄の変動表示が開始されるごとに、点灯している保留球ランプ30を1個ずつ消灯させる。
このような構成のパチンコ機PMにおいて、遊技者が打球ハンドル5を操作すると、球受け皿4から遊技球が1個ずつ打球発射部(図示せず)に送られ、操作量に応じた強度で遊技領域10に打球が発射される。発射された打球は上述した入賞口11,12あるいはアウト口14に流下し、上述した入賞口11,12に入賞した場合には所定の賞球が球受け皿4に払い出される。また、上述した入賞口11,12のうち始動入賞口12に打球が入賞すると、所定の賞球が球受け皿4に払い出され、図柄表示装置20に表示された図柄は変動表示を開始して、所定時間経過した後に停止表示される。そして、この停止表示された図柄が、複数の有効ラインのうち少なくとも1つの有効ライン上における図柄の組み合わせが、予め定められた当たりとなる特定図柄の組み合わせ(例えば、1〜9のぞろ目)と一致するとき大当たりとなり、開放されて入賞が容易となった大入賞口13に打球が入賞すると、遊技者には大量の賞球が払い出されるようになっている。
なお、本実施形態において、複数の有効ラインとは、図柄表示装置20において、3行3列の正方マトリクス状に配置された図柄のうち、縦L1〜L3(図5(b)参照)、横L4〜L6(図5(c)参照)、斜めL7,L8(図5(d)参照)の計8ラインを指している。
以上のように構成されたパチンコ機PMに設けられている制御装置について図を用いて説明する。図3及び図4は、この制御装置による制御の概略を示すブロック図である。この制御装置は、CPU,ROM,RAM等の種々の電子部品より構成されている遊技制御手段50によりゲームの制御を行う。
遊技制御手段50には、一般入賞口11に内蔵された一般入賞口入賞検出装置11aと、始動入賞口12に内蔵された始動口入賞検出装置12aと、大入賞口駆動手段711に内蔵された大入賞口入賞検出装置13aと、大入賞口駆動手段711内の特定領域(図示せず)に内蔵された特定領域通過検出装置13b等が電気的に接続しており、これらから検出信号が遊技制御手段50に入力される。
遊技制御手段50は、上記のように入力された検出信号に応じて各種作動制御を行うものであり、この制御対象として、賞球の払い出しを行う賞球払出装置45と、大入賞口駆動手段711により開放作動される大入賞口駆動装置13mと、画像及び図柄を表示する図柄表示装置20、保留球ランプ30等が電気的に接続している。これらは全て遊技制御手段50からの制御信号に基づいて作動制御される。
続いて、遊技制御手段50の制御内容について説明する。遊技制御手段50は、このゲームの制御のために、通常遊技実行手段60と、特別遊技実行手段70と、高確率遊技設定手段80と、払出制御手段90とを備えている。
通常遊技実行手段60は、パチンコ機PMの通常遊技を実行・制御するためのものであり、遊技領域10に設けられた各入賞口への入賞に関する処理を行う入賞口入賞処理手段61と、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを決定する特別遊技移行判定手段62とを備えている。なお、入賞口入賞処理手段61については、従来と変わらないのでここでの詳細な説明は省略する。
特別遊技移行判定手段62は、図柄要素取得手段621と、保留球情報記憶手段622と、当たり乱数判定手段623と、演出決定手段624と、図柄制御手段625と、図柄判定手段626とを備えている。
図柄要素取得手段621は、図柄表示装置20に表示する図柄又は画像を決定するための要素(例えば、当たり乱数、停止図柄乱数、演出乱数)を取得するためのもので、当たり乱数取得手段621aと、停止図柄乱数取得手段621bと、演出乱数取得手段621cとを備えている。
当たり乱数取得手段621aは、大当たりを発生させるか否かを決定するための乱数(以下、「当たり乱数」と称する)を取得するためのものである。例えば、ハードウエアのインクリメントカウンタによって生成された0〜65535(65536通り)の乱数を上述した始動口入賞検出装置12aからの入賞信号に基づいて、取得している。なお、明細書中の乱数とは、インクリメントカウンタのように規則性のあるものであっても、その取得タイミングに規則性がないために実際に乱数として機能するものを含む概念である。
停止図柄乱数取得手段621bは、図柄表示装置20に表示させる停止図柄を決定するための乱数(以下、「停止図柄乱数」と称する)を取得するためのものである。例えば、図5(b)に示すように、左列L1の停止図柄20a〜20c用として0〜9(10通り)の乱数を取得する左列停止図柄決定乱数と、中央列L2の図柄20d〜20f用として0〜9(10通り)の乱数を取得する中央列停止図柄決定乱数と、右列L3の図柄20g〜20i用として0〜9(10通り)の乱数を取得する右列停止図柄決定乱数等からなる。
演出乱数取得手段621cは、(演出パターン群メモリ624bからいずれかの)演出パターンを取得するための乱数(以下、「演出乱数」)を取得するためのものである。例えば、ソフトウエアのインクリメントカウンタによって生成された0〜255(256通り)の乱数を当たり乱数判定手段623により当たりを判定する前に取得している。
保留球情報記憶手段622は、図柄制御手段625による図柄の変動表示中に始動入賞口12へ入賞した(すなわち、始動口入賞検出装置12aにより検出された)遊技球の入賞情報を、入賞した遊技球に対応させて、所定上限個分(本実施形態では4個分)記憶するためのものである。なお、本実施形態では、入賞情報として、当たり乱数、停止図柄乱数、演出乱数、保留球数等が記憶されている。また、保留球情報記憶手段622に、保留球の入賞情報が所定上限個分記憶されている場合は、それ以上の遊技球が始動入賞口12に入賞しても、その遊技球に対する入賞情報は記憶されず無効となる。すなわち、図柄変動中において始動入賞口12を通過する4個の遊技球に対して取得された情報は記憶することができるが、5個目以降の遊技球は始動入賞口12を通過しても無視されて賞球のみ払い出しが行われるようになっている。なお、本実施形態においては記憶可能な保留球数の上限値を4個としたが、これに限定されるものではなく適宜変更可能である。
当たり乱数判定手段623は、当たり乱数に応じて特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定するためのものである。例えば、ROMに記憶された当たり値「0〜200」と先の当たり乱数として取得された乱数値(0〜65535のうちの1つ)とを比較し、この乱数値が当たり値「0〜200」である場合に「当たり」と判定する。なお、後述する確率変動中には、高確率遊技設定手段80により、例えば、当たり値が上記「0〜200」のうち奇数の乱数値に対して、大当たり確率を高確率(すなわち当たり値を「0〜1280」)に変動している。
演出決定手段624は、図柄表示装置20にて図柄の変動表示を開始させてから停止表示させるまでの間に、図柄表示装置20における様々な演出を決定するためのものであり、停止図柄決定手段624aと、演出パターン群メモリ624bと、演出パターン選択手段624cとを備えている。
停止図柄決定手段624aは、停止図柄乱数に応じて停止図柄を決定するためのものである。なお、本実施例において停止図柄は、上記したように、図5(a)に示すように、左列L1の図柄20a〜20c、中央列L2の図柄20d〜20f、右列L3の図柄20g〜20iの計9個の図柄から構成され、それぞれ0〜9までの数字(特定図柄)及びブランク図柄を表示することができる。
なお、停止図柄には、当たり図柄及び外れ図柄がある。当たり図柄とは、当たり乱数判定手段623により当該遊技が当たりであると判定された場合に、図柄の変動表示後に停止表示されたときの有効ライン上にある特定図柄の組み合わせのことであり、例えば「7,7,7」など、有効ライン上の3つの図柄が全て一致する組み合わせのことである。一方、外れ図柄とは、当たり乱数判定手段623により当該遊技が当たりと判定されなかった場合(すなわち外れの場合)に、図柄の変動表示後に停止表示されたときの有効ライン上にある図柄の組み合わせのことであり、例えば「1,2,3」や「4,ブランク図柄,8」など、有効ライン上の3つの図柄が一致しない図柄の組み合わせのことである。
演出パターン群メモリ624bは、図柄表示装置20に、図柄の変動表示をさせた後に停止図柄が停止表示される図柄変動過程が定められている演出パターンを複数記憶しているメモリであり、図4に示すように、特別当たり演出パターン群メモリP1と、通常当たり演出パターン群メモリP2と、外れ演出パターン群メモリP3とを備えている。
なお、演出パターンには、図柄変動過程に加えて、図柄の変動表示をさせた後に一旦仮停止表示させる図柄など、様々な情報が設定されている。
特別当たり演出パターン群メモリP1は、当たり乱数判定手段623に当たりと判定され且つ停止図柄が当たり図柄のうち確変図柄(本実施形態では、奇数のぞろ目)に決定されたとき、選択される図柄の変動開始から図柄の停止までの一連の図柄演出パターン(特別当たり演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
なお、この特別当たり演出パターン群メモリP1には、当たり図柄発生確率が変動する際に行われる特定演出が設定されており、これにはリーチ変動とプレミアム予告が設定されている。なお、プレミアム予告とは、極めて出現頻度が低い予告演出であり、この演出がなされた場合は当該変動における抽選結果が当たりとなる確率が極めて高いものである。このような特定の演出を用いることにより、遊技者は、図柄の変動表示中から、当該変動後に表示される停止図柄が当たり図柄である確率、すなわち大当たり確率が高いことを把握でき、当該変動における遊技者の大当たりへの期待度を増すことができるようになっている。
通常当たり演出パターン群メモリP2は、当たり乱数判定手段623に当たりと判定され、停止図柄が当たり図柄のうち確変図柄以外の通常当たり図柄(本実施形態では、偶数のぞろ目)に決定されたときに選択される、図柄表示装置20に表示される図柄の変動開始から図柄の停止まで一連の図柄演出パターン(通常当たり演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。なお、通常当たり演出パターン群メモリP2に、上記のプレミアム予告を設定することも可能である。
外れ演出パターン群メモリP3は、当たり乱数判定手段623に外れと判定されときに選択される、図柄の変動開始から図柄の停止までの一連の図柄演出パターン(外れ演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
演出パターン選択手段624cは、まず、停止図柄決定手段624aにより決定された停止図柄に基づいて演出パターン群メモリ624bからいずれかの演出パターン群メモリP1〜P3を選択する。次に、この選択された演出パターン群メモリから、演出乱数取得手段621cにより取得された演出乱数に基づいて1つの演出パターンを選択する。
図柄制御手段625は、図柄表示装置20に、当たり乱数判定手段623による判定結果に基づいて、前記の複数種類の特定図柄とブランク図柄とを変動表示させた後に、所定の順序で停止表示させる図柄変動過程を制御するためのものである。
具体的には、図柄制御手段625は、始動入賞口12に遊技球が入賞すると(すなわち、始動口入賞検出装置12aにより検出されると)、図柄表示装置20において、演出パターン選択手段624cにより決定された演出パターンに基づいて図柄変動態様を所定時間変動表示させた後(図6(a)参照)、停止図柄決定手段624aにより決定された列毎に、すなわち左列L1´(図6(b)参照)、右列L3´(図6(c)参照)、中央列L2´(図6(d)参照)の順で表示させる。なお、図6(b)では、図柄の変動表示を矢印で、ブランク図柄を「■」で示している。
なお、図柄制御手段625は、図柄表示装置20に、図柄をリーチ変動表示させた後に一旦仮停止表示(具体的には、図柄表示装置20において変動表示中の図柄を遊技者に視認可能な程度に揺れながら表示)させたとき、後述の図柄判定手段626により、この仮停止表示させた図柄のうち、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせとなると判定されたとき、再び図柄を変動表示させた後に停止表示させる制御を行う。
図柄判定手段626は、図柄制御手段625により図柄をリーチ変動表示させた後に一旦仮停止表示させたとき、この仮停止表示させた図柄のうち、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせとなるか否かを判定するためのものである。
特別遊技実行手段70は、当たり乱数判定手段623により当たりと判定された(すなわち、図柄表示装置20に停止表示された図柄のうち、複数の有効ラインのうち少なくとも1つの有効ライン上における図柄の組み合わせが、予め定められた当たりとなる特定図柄の組み合わせと一致する)場合に、特別遊技を実行するためのものであり、単位遊技実行手段71と、継続判定手段72と、確率遊技移行判定手段73とを備えている。
単位遊技実行手段71は、特別遊技中における単位遊技を行うためのものであり、大入賞口駆動手段711と、単位遊技終了判定手段712とを備えている。
大入賞口駆動手段711は、大入賞口13を開放して遊技球の入賞を容易にするように、大入賞口駆動装置13mを作動させるためのものである。
単位遊技終了判定手段712は、予め設定された単位遊技終了条件に基づいて、単位遊技を終了させるか否かを判定するためのものである。
継続判定手段72は、予め設定された継続条件に基づいて、特別遊技を終了させるか否かを判定するためのものである。
確率遊技移行判定手段73は、特別遊技終了後に確率変動を実行するか否かを判定するためのものである。本実施形態では、図柄表示装置20に表示された当たり図柄が予め定められた確変図柄(すなわち、当たり図柄のうち一部の図柄)であるか否かを判定している。
高確率遊技設定手段80は、確率遊技移行判定手段73によりその判定結果が肯定的、すなわち確変図柄であると判定された場合に、当該特別遊技終了後の当たり図柄発生確率を低確率から高確率に変動させるように、確率抽選テーブルをセットするためのものである。例えば、当たり乱数判定手段623によって参照する当たり値を「0〜200」の他に「201〜1280」を加えて、当たり図柄発生確率が通常よりも高確率になるようにしている。
払出制御手段90は、賞球払出装置45から賞球を払い出させる制御を行うためのものである。
次に、本実施例における制御概要を図7〜図17に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図7は、このパチンコ機PMのメインフローチャートである。遊技制御手段50は、まずステップS1で遊技機全体の初期設定を行った後、ステップS2の通常遊技処理、ステップS3の特別遊技処理を行った後、再びステップS2の通常遊技処理に戻る。この動作は電源が遮断されるまで繰り返し実行される。ステップS2の通常遊技処理とステップS3の特別遊技処理については後述する。
図8は、ステップS2の通常遊技処理のフローチャートである。通常遊技処理S2は、各入賞口への入賞をチェックする入賞口入賞チェック処理(ステップS20)と、特別遊技を移行するか否かを判定する特別遊技移行判定処理(ステップS21)とを実行した後、本処理を終了する。
図9は、ステップS20の入賞口入賞チェック処理のフローチャートである。入賞口入賞チェック処理S20は、まず、いずれかの一般入賞口11への遊技球の入賞が一般入賞口入賞検出装置11aにより検出されると(ステップS201)、その検出信号は遊技制御手段50に送られ、一般入賞フラグがセットされる(ステップS202)。そして、このフラグに基づいて払出制御手段90により賞球払出装置45に作動信号が出力され、この信号を受けて賞球払出装置45が作動して、各入賞球に対して所定数(例えば、10球)の賞球を賞球払出装置45から球受け皿4に払い出す。なお、ここでセットされたフラグは、賞球動作に基づき適宜リセットされる。一方、ステップS201において、いずれかの一般入賞口11への遊技球の入賞が一般入賞口入賞検出装置11aにより検出されないときは、ステップS203に進む。また、始動入賞口12への遊技球の入賞が始動口入賞検出装置12aにより検出されると(ステップS203)、その検出信号は遊技制御手段50に送られ、始動入賞フラグがセットされる(ステップS204)。そして、このフラグに基づいて払出制御手段90により賞球払出装置45に作動信号が出力され、この信号を受けて、賞球払出装置45が作動して始動入賞口12への入賞球に対して所定数(例えば、5球)の賞球を賞球払出装置45から球受け皿4に払い出す。一方、ステップS203において、始動入賞口12への遊技球の入賞が始動口入賞検出装置12aにより検出されないときは、本処理を終了する。
上述の入賞口入賞チェック処理S20が終了すると、次に特別遊技移行判定処理S21を実行する。図10はステップS21の特別遊技移行判定処理の前段フローチャート、図11はステップS210の図柄要素取得処理のフローチャート、図12は(図10から続く)ステップS21の特別遊技移行判定処理の後段フローチャート、図13はステップS400の図柄変動処理の前段フローチャート、図14はステップS400の図柄変動処理の後段フローチャートである。
特別遊技移行判定処理S21は、図10に示すように、まず図柄要素取得処理S210を行う。
図柄要素取得処理S210は、図11に示すように、始動入賞口12に入賞したか否かを確認するために始動入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS211)。オンでない場合はこの処理を終了し、オンである場合は始動入賞フラグをオフする(ステップS212)。次に、記憶されている始動入賞口12へ入賞した保留球の数が記憶上限個(例えば、4個)に達しているかどうか確認する(ステップS213)。ここで、保留球の数が上限個に達している場合は、このまま図柄要素取得処理S210を終了する。また、ステップS213にて、保留数の数が記憶上限個に達しておらず記憶が可能である場合は、(この時点での)保留球の数を保留球情報記憶手段622で記憶する。続いて、保留球ランプ30を1つ点灯させ(ステップS214)、当たり乱数取得手段621aにより当たり乱数を取得し(ステップS215)、停止図柄乱数取得手段621bにより停止図柄乱数を取得し(ステップS216)、演出乱数取得手段621cにより演出乱数を取得し(ステップS217)、これら取得した乱数を各保留球の数n(n=1,2,3,4)に対応して保留球情報記憶手段622に設けられている情報記憶エリアへ格納し(ステップS218)、図柄要素取得処理S210を終了する。
特別遊技移行判定処理S21は、図10に戻り、保留球情報記憶手段622に保留球の記憶があるか否かの確認を行う(ステップS230)。ここで、保留球の記憶がない場合には本処理を終了し、保留球の記憶がある場合には保留球の数n=1に対応する(保留球情報記憶手段622の)情報記憶エリアに格納されている情報を読み出し(ステップS231)、この情報記憶エリアの値をシフトする(ステップS232)。なお、ステップS231では、図18(a)で示すように保留球の数n=1に対応する当たり乱数の値Aを読み出し、次のステップS232では、図18(b)に示すように保留球の数n=2,3,4に対応する情報記憶エリアに格納されている値B,C,Dを、保留球の数n−1に対応する情報記憶エリアにシフトして格納する。
そして、特別遊技移行判定処理S21は、図12に示すステップS233に進み、上記のステップS231で読み出した(保留球情報記憶手段622に記憶されている最も古い遊技球に対して取得された)当たり乱数に基づいて、当たり乱数判定手段623により当たりであるか否かの判定を行う。ここで、当たりであると判定された場合は、ステップS231で読み出された停止図柄乱数に基づいて、停止図柄決定手段624aにより所定の停止図柄(すなわち当たり図柄)が決定され(ステップS234)、この当たり図柄が確変図柄であるか否かを判定する(ステップS235)。ここで、当たり図柄が確変図柄であると判定された場合は、該停止図柄とS231で読み出された演出乱数に基づいて、演出パターン選択手段624cにより特別当たり演出パターン群メモリP1から特別当たり演出パターンが決定され(ステップS236)、ステップS240に進む。
一方、ステップS235において、当たり図柄が確変図柄ではないと判定された場合は、該停止図柄とS231で読み出された演出乱数に基づいて、演出パターン選択手段624cにより通常当たり演出パターン群メモリP2から通常当たり演出パターンが決定され(ステップS237)、ステップS240に進む。
また、上記のステップS233において、当たり乱数の判定結果が当たりでない、すなわち外れであると判定された場合は、ステップS231で読み出された停止図柄乱数に基づいて、停止図柄決定手段624aにより所定の停止図柄すなわち外れ図柄が決定され(ステップS238)、この停止図柄とステップS231で読み出された演出乱数に基づいて、演出パターン選択手段624cにより外れ演出パターン群メモリP3から外れ演出パターンが決定され(ステップS239)、ステップS240に進む。
ステップS240では保留球ランプ30を1個消灯し、続いて図柄変動処理S400を行う。
図柄変動処理S400は、上記ステップで取得した演出パターン及び停止図柄を、図柄制御手段625により図柄表示装置20において表示する。図13及び図14に示すように、具体的には、まず、上記ステップS233において当たり乱数判定手段623による当たり判定が当たりであったか否かを確認する(ステップS401)。ここで、当たり乱数判定手段623による当たり判定が当たりではなかった、すなわち外れであった場合は、ステップS403に進む。一方、当たり判定が当たりであった場合は、図柄判定手段626により(図柄制御手段625により図柄表示装置20において)図柄をリーチ変動表示させた後に一旦仮停止表示させ、この仮停止表示させた図柄のうち、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせとなるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、図柄判定手段626により、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせで仮停止表示されると判定された場合は、ステップS410に進む。一方、図柄判定手段626により、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせで仮停止表示されないと判定された場合は、ステップS430に進む。
ステップS410では、図柄制御手段625により、当たり演出パターンに基づいて、図柄の変動表示が開始され(ステップS410)、左列が仮停止表示され(ステップS411)、右列が仮停止表示され(ステップS412)、リーチ変動表示が開始される(ステップS413)。すなわち、仮停止表示された図柄は、リーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において同じ種類の特定図柄が同じ行に表示されるようになっている(図19(c)の実線で囲まれている部分を参照)。続いて、中央列が仮停止表示され(ステップS414)、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせで仮停止表示される(ステップS415。図19(d)の鎖線で囲まれている部分を参照))。
なお、上記の当たり演出パターンとは、ステップS233における抽選結果が当たりで且つ停止図柄が確変図柄である場合には、特別当たり演出パターンである。さらに、ステップS233における抽選結果が当たりで且つ停止図柄が確変図柄ではない場合には、通常当たり演出パターンである。
ステップS415のリーチ態様を有する図柄の仮停止表示後に続いて、図柄制御手段625により、上記の当たり演出パターンに基づいて、再び図柄の変動表示が開始され(ステップS416)、左列が停止表示され(ステップS417)、右列が停止表示され(ステップS418)、リーチ変動表示が開始される(ステップS419)。そして、中央列が停止表示され(ステップS420)、当たり図柄(当たりとなる図柄の組み合わせ)が停止表示される(ステップS421)。
なお、上記の停止表示される当たり図柄には、ステップS233における抽選結果及び上記ステップで取得した停止図柄に基づくものであり、確変図柄もしくは確変図柄ではない当たり図柄(通常当たり図柄)のいずれかが表示される。
ここで、上記ステップ(S410〜S421)について、画面例を用いて一例を挙げる。なお、以下で述べる図19〜23では、矢印は図柄が変動している様子を、■印はブランク図柄を示している。図19(a)に示すように、図柄制御手段625により、当たり演出パターンに基づいて図柄の変動表示が開始され、図19(b)に示すように左列に「特定図柄の1、ブランク図柄、特定図柄の2」が仮停止表示され、図19(c)に示すように右列に「特定図柄の1、ブランク図柄、特定図柄の0」が仮停止表示され、リーチ変動表示が開始される。すなわち、ここで仮停止表示されている図柄はリーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において実線で囲まれた、同じ種類の「特定図柄の1」が同じ1行目に表示されている。そして、図19(d)に示すように中央列に「特定図柄の7、ブランク図柄、特定図柄の6」が仮停止表示される。この仮停止表示された図柄は、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせ、すなわち鎖線で囲まれた2行目の横の有効ライン上における図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせとなっている。
続いて、図19(e)に示すように再び図柄の変動表示が開始され、図19(f)に示すように左列に「特定図柄の6、ブランク図柄、特定図柄の7」が停止表示され、図19(g)に示すように右列に「特定図柄の8、ブランク図柄、特定図柄の7」が停止表示され、リーチ変動表示が開始される。すなわち、ここで仮停止表示されている図柄はリーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において実線で囲まれた、同じ種類の「特定図柄の7」が同じ3行目に表示されている。そして、図19(h)に示すように中央列に「特定図柄の8、ブランク図柄、特定図柄の7」が停止表示される。なお、このとき停止表示された図柄は、実線で囲まれた3行目の横の有効ライン上における図柄の組み合わせが、全て「特定図柄の7」で構成されており、確変当たりとなる図柄の組み合わせとなっている。
一方、ステップS402において、図柄判定手段626により、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせで仮停止表示されないと判定された場合は、図柄制御手段625により、当たり演出パターンに基づいて、図柄の変動表示が開始され(ステップS430)、左列が停止表示され(ステップS431)、右列が停止表示され(ステップS432)、リーチ変動表示が開始される(ステップS433)。そして、中央列が停止表示され(ステップS434)、当たり図柄(当たりとなる図柄の組み合わせ)が停止表示される(ステップS435)。
ここで、上記ステップ(S430〜S435)について、画面例を用いて一例を挙げると、図柄制御手段625により、当たり演出パターンに基づいて、図20(a)に示すように図柄の変動表示が開始され、図20(b)に示すように左列に「ブランク図柄、特定図柄の5、ブランク図柄」が停止表示され、図20(c)に示すように右列に「ブランク図柄、特定図柄の5、ブランク図柄」が停止表示され、リーチ変動表示が開始される。すなわち、ここで仮停止表示されている図柄はリーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において実線で囲まれた、同じ種類の「特定図柄の5」が同じ2行目に表示されている。そして、図20(d)に示すように中央列に「ブランク図柄、特定図柄の5、ブランク図柄」が停止表示される。この停止表示された図柄は、実線で囲まれた2行目の横の有効ライン上における図柄の組み合わせが全て「特定図柄の5」で構成されており、確変当たりとなる図柄の組み合わせとなっている。
一方、ステップS401で、当たり乱数判定手段623による当たり判定が当たりではなかった、すなわち外れであった場合は、図柄制御手段625により当該変動においてリーチ変動表示をさせるか否かを判定する(ステップS403)。ここで、リーチ変動表示させないと判定された場合は、ステップS470に進む。一方、リーチ変動表示させると判定された場合は、図柄判定手段626により(図柄制御手段625により図柄表示装置20において)図柄をリーチ変動表示させた後に一旦仮停止表示させ、この仮停止表示させた図柄のうち、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせとなるか否かを判定する(ステップS404)。ここで、図柄判定手段626により、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせで仮停止表示されると判定された場合は、ステップS440に進む。一方、図柄判定手段626により、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせで仮停止表示されないと判定された場合は、ステップS460に進む。
ステップS440では、図柄制御手段625により、外れ演出パターンに基づいて、図柄の変動表示が開始され(ステップS440)、左列が仮停止表示され(ステップS441)、右列が仮停止表示され(ステップS442)、リーチ変動表示が開始される(ステップS443)。すなわち、仮停止表示された図柄は、リーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において同じ種類の特定図柄が同じ行に表示されるようになっている(図21(c)の実線で囲まれている部分を参照)。続いて、中央列が仮停止表示され(ステップS444)、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせで仮停止表示される(ステップS445。図21(d)の鎖線で囲まれている部分を参照)。
ステップS445のリーチ態様を有する図柄の仮停止表示後に続いて、図柄制御手段625により、上記の外れ演出パターンに基づいて、再び図柄の変動表示が開始され(ステップS446)、左列が停止表示され(ステップS447)、右列が停止表示され(ステップS448)、リーチ変動表示が開始される(ステップS449)。そして、中央列が停止表示され(ステップS450)、外れ図柄(外れとなる図柄の組み合わせ)が停止表示される(ステップS451)。
ここで、上記ステップ(S440〜S451)について、画面例を用いて一例を挙げると、図柄制御手段625により、外れ演出パターンに基づいて、図21(a)に示すように図柄の変動表示が開始され、図21(b)に示すように左列に「ブランク図柄、特定図柄の5、ブランク図柄」が仮停止表示され、図21(c)に示すように右列に「ブランク図柄、特定図柄の5、ブランク図柄」が仮停止表示され、リーチ変動が開始される。すなわち、ここで仮停止表示されている図柄はリーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において実線で囲まれた、同じ種類の「特定図柄の5」が同じ2行目に表示されている。そして、図21(d)に示すように中央列に「特定図柄の8、ブランク図柄、特定図柄の7」が仮停止表示される。この仮停止表示された図柄は、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせ、すなわち鎖線で囲まれた斜めの有効ライン上における図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせとなっている。
続いて、図21(e)に示すように再び図柄の変動表示が開始され、図21(f)に示すように左列に「特定図柄の4、ブランク図柄、特定図柄の5」が停止表示され、図21(g)に示すように右列に「特定図柄の4、ブランク図柄、特定図柄の3」が停止表示され、リーチ変動が開始される。すなわち、ここで仮停止表示されている図柄はリーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において実線で囲まれた、同じ種類の「特定図柄の4」が同じ1行目に表示されている。そして、図21(h)に示すように中央列に「特定図柄の2、ブランク図柄、特定図柄の1」が停止表示される。このとき停止表示された図柄は、いずれの有効ライン上においても外れとなる図柄の組み合わせとなっている。
一方、ステップS404において、図柄判定手段626により、複数の有効ライン上における少なくとも1組の図柄の組み合わせが全てブランク図柄からなる組み合わせで仮停止表示されないと判定された場合は、図柄制御手段625により、上記の外れ演出パターンに基づいて、図柄の変動表示が開始され(ステップS460)、左列が停止表示され(ステップS461)、右列が停止表示され(ステップS462)、リーチ変動表示が開始される(ステップS463)。すなわち、仮停止表示された図柄は、リーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において同じ種類の特定図柄が同じ行に表示されるようになっている(図22(c)の実線で囲まれている部分を参照)。そして、中央列が停止表示され(ステップS464)、外れ図柄(外れとなる図柄の組み合わせ)が停止表示される(ステップS465)。
ここで、上記ステップ(S460〜S465)について、画面例を用いて一例を挙げると、図柄制御手段625により、外れ演出パターンに基づいて、図22(a)に示すように図柄の変動表示が開始され、図22(b)に示すように左列に「特定図柄の2、ブランク図柄、特定図柄の3」が停止表示され、図22(c)に示すように右列に「特定図柄の4、ブランク図柄、特定図柄の3」が停止表示され、リーチ変動が開始される。すなわち、ここで仮停止表示されている図柄はリーチとなる図柄の組み合わせ、つまり左列と右列において実線で囲まれた、同じ種類の「特定図柄の3」が同じ3行目に表示されている。そして、図22(d)に示すように中央列に「ブランク図柄、特定図柄の5、ブランク図柄」が停止表示される。このとき停止表示された図柄は、いずれの有効ライン上においても外れとなる図柄の組み合わせとなっている。
一方、ステップS403で、リーチ変動表示させないと判定された場合は、図柄制御手段625により、外れ演出パターンに基づいて、リーチ態様を有さない図柄の変動表示が開始され(ステップS470)、左列が停止表示され(ステップS471)、右列が停止表示され(ステップS472)、中央列が停止表示され(ステップS473)、外れ図柄(外れとなる図柄の組み合わせ)が停止表示される(ステップS464)。
ここで、上記ステップ(S470〜S474)について、画面例を用いて一例を挙げると、図柄制御手段625により、当たり演出パターンに基づいて、図23(a)に示すように図柄の変動表示が開始され、図23(b)に示すように左列に「特定図柄の9、ブランク図柄、特定図柄の0」が停止表示され、図23(c)に示すように右列に「特定図柄の4、ブランク図柄、特定図柄の3」が停止表示され、図23(d)に示すように中央列に「ブランク図柄、特定図柄の8、ブランク図柄」が停止表示される。このとき停止表示された図柄は、いずれの有効ライン上においても外れとなる図柄の組み合わせとなっている。
このように、本発明は、リーチ変動表示後に有効ライン上に、一旦ブランク図柄が仮停止表示されたときに、再び図柄の変動表示を行うように構成される。その結果、図柄変動過程において有効ライン上にブランク図柄が揃った場合でも、当該遊技における大当たりへの期待感を持つことができるようになっている。
以上のような図柄変動処理S400の後、上記のステップS233において当たり乱数判定手段623による当たり判定は当たりであったか否かを確認する(ステップS261)。ここで、当たり判定が当たりであった場合は、特別遊技フラグをオンし(ステップS262)、ステップS263に進む。一方、ステップS261において、(上記のステップS233において)当たり乱数判定手段623による当たり判定は当たり判定が当たりではなかった、すなわち外れであった場合は、ステップS263に進む。ステップS263では、ステップS231で読み出した情報を消去して、本処理(特別遊技移行判定処理S21)を終了する。
続いて、特別遊技処理S3を行う。この特別遊技処理S3は、ステップS215で取得した当たり乱数の抽選結果が当たりのとき、単位遊技を所定回数(例えば15回)だけ実行可能な特別遊技を成立させる処理である。図15は、特別遊技処理S3の前段フローチャート、図16は特別遊技処理S3の後段フローチャート、図17は特別遊技終了処理S320のフローチャートである。
図15に示すように、特別遊技フラグがオンであるか否かを確認する、すなわち取得した当たり乱数が当たりであったか否かを確認し(ステップS301)、外れであればこの処理を終了する。当たりの場合は、例えば特別遊技フラグをオフしたり、当たり図柄発生確率が高確率の場合は通常の低確率に変動させたりする等の特別遊技初期設定を行う(ステップS302)。次に、単位遊技を行うための各種の初期設定を行い(ステップS303)、単位遊技を開始する。
単位遊技では、大入賞口駆動手段711により大入賞口駆動装置13mを作動させて大入賞口13を開放して、第1回目の単位遊技を開始する。大入賞口13が開放されると、遊技領域空間を落下移動する遊技球は大入賞口13に非常に入賞しやすい状態となる。このような状態で大入賞口13に遊技球が入賞すると、払出制御手段90によりこの入賞球に対して所定の数(例えば、13個)の賞球が球受け皿4に払い出されるようになっている。
このような単位遊技が開始されると、単位遊技終了判定手段712により、以下に述べる単位遊技終了条件の達成の有無が判断される。なお、この単位遊技終了条件が達成されるまでは、大入賞口13の開放作動が継続される。
単位遊技終了条件として、「入賞球数」及び「制限時間」が要件として設定されている。「入賞球数」の要件とは、大入賞口13に入賞したトータルの遊技球の数が所定数(例えば、10球)に達した時点で単位遊技終了条件が達成されたと判断するというものである。また、「開放時間」の要件とは、単位遊技開始後における大入賞口13の開放時間が予め定められた時間(例えば、30秒)経過したときに、この単位遊技終了条件が達成されたと判断するというものである。
特別遊技処理S3では、上記の単位遊技終了条件における達成の有無を、図16に示すように進めていく。まず、(ステップS303より続いて)大入賞口入賞検出装置13aにより大入賞口13に入賞したか否かを判断する(ステップS304)。ここで、大入賞口13に入賞していないと判断された場合は、ステップS306に進む。一方、大入賞口13に入賞したと判断された場合は、大入賞口13に取り付けられている入賞球のカウンタ(図示せず)から、予め設定されている単位遊技条件終了のために必要な入賞球数(例えば、10球)から1を減らし(ステップS305)、ステップS306に進む。ステップS306では、特定領域通過検出装置13bにより特定領域(図示せず)に遊技球が入賞したか否かを判断する。ここで、特定領域に入賞していないと判断された場合は、ステップS308に進む。一方、特定領域に入賞したと判断された場合は、特定領域フラグをセットし(ステップS307)、ステップS308に進む。ステップS308では、大入賞口13の入賞球数が所定の数(例えば、10球)に達したか否かを判定する(ステップS308)。ここで、大入賞口13の入賞球数が所定の数を満たしていた場合は、単位遊技終了条件が達成されたこととなり、ステップS310に進む。一方、大入賞口13の入賞球数が所定の数を満たしていない場合は、ステップS309に進む。ステップS309では、もう1つの単位終了条件である開放時間に達したか否かを判断する。ここで、開放時間が終了していない(すなわち、単位遊技終了条件が満たされていない)と判断された場合は、ステップS304へ戻って次の単位遊技を行う。一方、開放時間が終了した(すなわち、単位遊技終了条件を満たされた)と判断された場合は、ステップS310へ進む。
以上のように、「入賞球数」若しくは「制限時間」の条件のいずれか一方が満たされた時点で、単位遊技終了判定手段712は単位遊技終了条件が達成されたと判断し、単位遊技を終了させる。
そして、上記のような単位遊技終了条件を達成したときは、大入賞口13の開放を止め、継続判定手段72により継続判定条件が達成されているか否かを判断する(ステップS310)。この継続条件とは、単位遊技中に特定領域に遊技球が入賞して特定領域フラグがセットされたか否かという条件である。また、継続条件の達成とは、単位遊技中に特定領域への入賞があった場合である。ステップS310において、継続条件が達成されたと判断されなかった場合、すなわち特定領域への入賞がないまま単位遊技が終了した場合には、特別遊技終了処理S320を行う。
一方、ステップS310において、継続条件が達成されたと判断された場合、すなわち今回の単位遊技中に特定領域へ少なくとも1つの入賞球があった場合は、特定領域フラグをオフする(ステップS311)。そして、今回の特別遊技を開始した後における単位遊技のラウンド数を数えるために、予め所定回数(例えば、15回)がセットされたカウンタから1を減らす(ステップS312)。続いて、このラウンド数のカウンタが1未満になったか否か、つまり単位遊技の繰り返し回数が所定回数行われたか否かを判断する(ステップS313)。ここで、ラウンド数のカウンタが1未満ではない、すなわち所定回数繰り返されていない場合は、ステップS303に戻り、次の単位遊技を行う。また、ラウンド数のカウンタが1未満である場合、すなわち単位遊技が所定回数繰り返された場合は、ステップS313から特別遊技終了処理S320へ進む。
特別遊技終了処理S320は、図17に示しており、まず、確率遊技移行判定手段73により、当選時における停止図柄が確変図柄であるか否かを判定する(ステップS321)。ここで、確変図柄であると判断された場合は、高確率遊技設定手段80により、当たり図柄発生確率を通常よりも高確率になるように当たり値が設定されている確変抽選テーブルをセットする(ステップS322)。なお、この確率抽選テーブルは、ステップS302において適宜リセットされる。続いて、確率変動当選画面を図柄表示装置20に表示する(ステップS323)。この確率変動当選画面とは、遊技者の注目を引き、当たり図柄発生確率が高確率に変動したことを遊技者が容易に把握することできるように、例えば、「確変」の文字が大きく表示されるような画面表示態様である。一方、ステップS321において、停止図柄が確変図柄ではないと判定された場合は、確率変動非当選画面にて報知する(ステップS324)。なお、確率変動非当選画面とは、当たり図柄発生確率が通常のままで高確率にはならなかったことを遊技者に報知するため、例えば「ざんねん」といった文字が大きく表示されるような画面表示態様である。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。