JP2005538767A - LbLコーティングされた医療用デバイスおよびそれを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、コア材料とコア材料に非共有結合的に付着した生体適合性LbLコーティングとを含む、医療用デバイス、好ましくは眼用デバイス、より好ましくはコンタクトレンズを提供する。生体適合性LbLコーティングは、少なくとも一つの電荷を有する/電荷を有しない二重層を含み、電荷を有する/電荷を有しない二重層は、電荷を有するポリマー材料の一層および電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の一層を、特定の順序ではなく含む。

Description

本発明は、一般に、生体適合性LbLコーティングをその上に有する医療用デバイスに関する。特に、本発明は、電荷を有するポリマー材料および電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合する電荷を有しないポリマー材料の少なくとも一つの二重層(bilayer)を含む生体適合性LbLコーティングを有する眼用デバイスに関する。さらに、本発明は、本発明の生体適合性LbLコーティングを有する医療用デバイスの製造方法に関する。
生体医学的用途で使用される多くのデバイスは、デバイスのバルクが一つの性質を有する一方で、デバイスの表面が別の性質を有することが求められる。たとえば、コンタクトレンズは、良好な角膜の健康を維持するため、レンズのバルクを通して比較的高い酸素透過性を有することが求められる。しかしながら、例外的に高い酸素透過性を示す材料(たとえばポリシロキサン類)は通常、疎水性であり、処理または表面改質をしなければ、眼の環境から脂質およびタンパク質を取り込み、眼に付着することになる。したがって、コンタクトレンズは一般に、酸素透過性および疎水性が高いコアまたはバルク材料と、親水性を高めるための処理またはコーティングを施された表面とを有している。この親水性表面は、過度な量の涙脂質およびタンパク質を吸収することなく、レンズが眼の上で比較的自由に動くことを可能にしている。
相対的に疎水性であるコンタクトレンズ材料の親水性を変えるために、種々の一層ずつの(layer-by-layer、LbL)多価電解質被着技術が、本発明の譲受人によって開発されている(例えば、PCT公開番号WO01/57118、WO99/35520)。これらの一層ずつの技術は、コンタクトレンズ等の、種々の材料の表面を有効に変化させる。一つの一層ずつの(LbL)コーティング技術は、所望の厚さのコーティングが形成されるまで、反対の電荷を有するポリマー材料に基材を連続的に浸漬することを含む。さらに、連続的な浸漬の、時間を浪費する側面を回避する一層ずつのコーティングをもたらす他の技術は、WO01/57118に開示された単回浸漬法であり、それは、一度だけの浸漬で、基板上に電荷を有するポリマー材料を塗布する。この技術では、一般に、コンタクトレンズのような疎水性物品は、少なくとも一つのポリカチオン性材料と少なくとも一つのポリアニオン性材料とを含む単一の電荷を有するポリマー溶液に浸漬される。ポリカチオン性材料は、ポリ(塩酸アリルアミン)等の正の電荷を有する部分を含み、またポリアニオン性材料は、ポリアクリル酸等の負の電荷を有する部分を含む。一般に、電荷を有するポリマー成分は、成分の一つが別の成分よりも多量に溶液中に存在するような、非化学量論的量で用いられる。
これらのLbLコーティング技術の各々は、物品の残りの部分とは異なる表面を持つ物品を製造するのに有効である。しかしながら、これらのLbLコーティング技術では、少なくとも二つの反対の電荷を有するポリマー材料が必要であり、それから製造されるLbLコーティングを有する物品は、高く電荷された表面を有する。高く電荷された表面を有するコンタクトレンズは、レンズ表面にある種のタンパク質が沈着しやすくおよび/または装着者の快適さおよび/または眼の健康に望ましくない悪影響を与えるおそれがある。したがって、LbLコーティング法を、有意に減少した電荷密度を有するコーティングされた物品を製造するように発展させることができるならば、望ましい。
本発明の一つの目的は、少なくとも一つの電荷を有する/電荷を有しない二重層を含み、電荷を有する/電荷を有しない二重層が、電荷を有するポリマー材料の一層および電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の一層を、特定の順序ではなく含む、生体適合性LbLコーティングを持つポリマー物品を製造する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、相対的に低い電荷密度と、相対的に高い親水性および潤滑性を有する生体適合性LbLコーティングを持つポリマー物品を提供することである。
本発明のこれらの目的および他の目的は、本明細書に記載された発明の種々の態様により達成される。
本発明は、一つの態様において、コア材料とコア材料に非共有結合的に付着した生体適合性LbLコーティングを含むポリマー物品、好ましくは医療用デバイス、より好ましくは眼用デバイス、特にコンタクトレンズであって、生体適合性LbLコーティングが、少なくとも一つの電荷を有する/電荷を有しない二重層を含み、電荷を有する/電荷を有しない二重層が、電荷を有するポリマー材料の一層と電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の一層とを、特定の順序ではなく含むものを提供する。
本発明は、他の態様において、ポリマー物品の表面に、電荷を有するポリマー材料の一層と電荷を有しないポリマー材料の一層とを交互に適用する工程を含む、生体適合性LbLコーティングを有するポリマー物品、好ましくは医療用デバイス、より好ましくは眼用デバイス、特にコンタクトレンズの製造方法を提供する。上記の方法は、特に、
(a)医療用デバイスを、電荷を有するポリマー材料の溶液と接触させて、電荷を有するポリマー材料の層を形成する工程、
(b)場合により、その医療用デバイスをすすぎ溶液と接触させることによって、医療用デバイスをすすぐ工程、
(c)医療用デバイスを、生体適合性LbLコーティング中で、電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合できる電荷を有しないポリマー材料の溶液と接触させて、電荷を有するポリマー材料の層の上部に電荷を有しないポリマー材料の層を形成する工程、および
(d)場合により、その医療用デバイスをすすぎ溶液と接触させることによって、その医療用デバイスをすすぐ工程を含む。
本発明の他の態様は、生体適合性LbLコーティングを有するコンタクトレンズを製造する方法であって、
(a)第一の光学表面を有する第一の型部分および第二の光学表面を有する第二の型部分を含み、第一の型部分と第二の型部分が、コンタクトレンズ形成キャビティを第一の型部分と第二の型部分との間に形成するように、互いに支えあうように構成されている、コンタクトレンズを製造するための型を形成する工程、
(b)少なくとも一つの電荷を有する/電荷を有しない二重層を含み、電荷を有する/電荷を有しない二重層が電荷を有するポリマー材料の一層と電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の一層とを、特定の順序ではなく含む、転写可能な生体適合性LbLコーティングを、1層づつ被着させる手法を用いて、光学表面の少なくとも一つに適用する工程、
(c)型部分が互いに支えあうように、および光学表面がコンタクトレンズ形成キャビティを画定するように、第一の型部分と第二の型部分とを位置決めする工程、
(d)重合性組成物をコンタクトレンズ形成キャビティに分配する工程、および
(e)コンタクトレンズが形成されるようにコンタクトレンズ形成キャビティの中で重合性組成物を硬化し、それにより、転写可能な生体適合性LbLコーティングが型部分の少なくとも一つの光学表面から脱着して、コンタクトレンズが生体適合性LbLコーティングでコーティングされるように、形成されたコンタクトレンズに再付着する工程、を含む方法を提供する。
本発明のこれらの態様および他の態様は、好ましい本実施態様についての以下の説明から明らかとなろう。詳細な説明は、単に本発明を例証するものであって、添付の特許請求の範囲およびそれに均等な範囲により規定される、本発明の範囲を限定するものではない。当業者に明白であるように、開示の新規な概念の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の多くの変形および改変をなしうるであろう。
[好ましい実施態様の詳細な説明]
特に定義しないかぎり、本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって共通して理解されるのと同一の意味を有する。一般に、本明細書で用いられる命名法および実験室手順は、当該技術において周知のものであって、共通に使用されている。これらの手順には、慣用の方法、たとえば当該技術および種々の一般文献において提供されているものが用いられる。用語が単数形である場合、本発明者らは、この用語の複数形をも意図している。本開示を通して使用されている以下の用語は、他に記載のないかぎり、以下の意味を有するものと理解されるべきである。
「物品」とは、医療用デバイス(medical device)または医療用デバイスを製造する型(mold)をいう。
本明細書で使用する「医療用デバイス]とは、それらの操作または利用の過程で、患者の組織、血液、または他の体液と接触する表面を有するデバイスをいう。医療用デバイスの例として、(1)その後患者に戻る血液と接触する、血液への酸素供給器、血液ポンプ、血液センサー、血液運搬用チューブなどの、手術用の体外デバイス;(2)血管または心臓に埋め込まれる、代用血管、ステント、ペースメーカーリード線、心臓弁などの人体または動物体内に埋め込まれる人工器官;(3)モニターまたは修復する目的で血管または心臓に入れられるカテーテル、ガイド線などの一時的に血管内で使用されるデバイス;ならびに(4)眼用デバイスが挙げられる。好ましい実施態様において、医療用デバイスは、眼用デバイスである。
本明細書で使用する「眼用デバイス」とは、コンタクトレンズ(ハードまたはソフト)、眼内レンズ、角膜アンレー、眼の上もしくは周囲または眼の付近で使用される他の眼用デバイス(たとえばステントなど)、眼用デバイスを保存するケースもしくは容器、または眼用溶液をいう。
本明細書で使用する「生体適合性」とは、眼の環境を有意に損傷することなく、また使用者に有意に不快感を与えることなく、長期間患者の組織、血液、または他の体液と密に接触することができる材料または材料の表面をいう。
本明細書で使用する「眼に適合性」とは、眼の環境に有意な損傷を与えることなく、また使用者に有意に不快感を与えることなく、長時間にわたって眼の環境に密に接触することができる材料または材料の表面をいう。したがって、眼に適合性のあるコンタクトレンズは、有意な角膜腫脹を生じさせず、瞬きによって眼の上で十分に動いて十分な涙交換を促進し、実質的な量のタンパク質または脂質を吸着せず、処方された装用期間中、装用者に実質的な不快感を生じさせない。
本明細書で使用する「眼の環境」とは、視力補正、薬物送達、傷の治療、眼色改変、または他の眼の用途に使用されるコンタクトレンズと密に接触することになる眼液(たとえば涙液)および眼組織(たとえば角膜)をいう。
「モノマー」とは、重合させることができる低分子量化合物をいう。低分子量とは通常、700ダルトン未満の平均分子量をいう。
「マクロマー」とは、さらなる重合が可能である官能基を含有する中程度の分子量もしくは高分子量の化合物またはポリマーをいう。中程度の分子量および高分子量は、700ダルトンを超える平均分子量を意味する。
「ポリマー」とは、1以上のモノマーを重合することにより形成される材料を意味する。
本明細書で使用する「表面改質」とは、蒸気または液体との接触を用いてあるいはエネルギー源の適用を用いて、(1)コーティングを物品の表面に適用する、(2)化学種を物品の表面に吸着させる、(3)物品の表面の化学基の化学的性質(例えば、帯電)を変化させる、または(4)物品の表面特性を他のように改質する、表面処理法(または表面改質法)において物品を処理することを意味する。表面処理法の例示として、エネルギー(例えば、プラズマ、静電チャージ、照射、または他のエネルギー源)による表面処理、化学処理、物品の表面への親水性モノマーまたはマクロマーのグラフト化、および多価電解質の一層ずつの被着が挙げられるが、これらに限定されない。表面処理法の好ましい種類は、イオン化されたガスが物品の表面に適用されるプラズマ処理である。プラズマガスおよび処理条件は、米国特許第4,312,575号および第4,632,844号に十分に記載されており、それらを参照として本明細書に組み込む。プラズマガスは、好ましくは、低級アルカンと、窒素、酸素、または不活性ガスとの混合物である。
本明細書で使用する「LbLコーティング」とは、物品に対する二つの反対の荷電を有するポリマー材料または電荷を有するポリマー材料と電荷を有しないポリマー材料との1層ずつの(「LbL」)交互の物理的被着により得られるコーティングをいう。LbLコーティングにおいては、材料の各々の層は、異なる材料の他の層と非共有結合で結合される。LbLコーティングには、いかなる適当な被着技術を使用することができる。被着技術の例として、基材をコーティング溶液に浸漬すること、およびコーティング溶液を基材に吹き付けることが挙げられる。「電荷を有するポリマー材料」またはポリイオン性材料とは、溶液中で複数の荷電を有する基を有する電荷を有するポリマー、または溶液中の複数の荷電を有する基を有する電荷を有するポリマーの混合物をいう。電荷を有するポリマー材料の例として、多価電解質、p型およびn型のドープされた導電性ポリマーが挙げられる。電荷を有するポリマー材料としては、(正電荷を有する)ポリカチオン性ポリマー材料および(負電荷を有する)ポリアニオン性ポリマー材料の双方が挙げられる。
用語「二重層」とは、本明細書では広い意味で使用され、第一の電荷を有するポリマー材料の一層および電荷を有しないポリマー材料または第二の電荷を有するポリマー材料の一層を、特定の順序ではなく交互に適用することにより形成されるコーティング構造を包含することを意図している。第一の電荷を有するポリマー材料および電荷を有しないポリマー材料(または第二の電荷を有するポリマー材料)の層は、二重層中で互いに絡み合っていると理解されたい。
本明細書で使用する「最内層」とは、医療用デバイスの表面に適用される、LbLコーティングの第一層をいう。
本明細書で使用する「キャッピング層」とは、医療用デバイスの表面に適用される、LbLコーティングの最終層をいう。
本明細書で使用する「ポリクォート(polyquat)」とは、ポリマー四級アンモニウム基を含有する化合物をいう。
「摩擦係数の平均値」とは、実施例10に記載するように、少なくとも3個の医療用デバイスの測定を平均することにより得られる値をいう。摩擦係数(以後、CoF)は、眼の上での動き、したがって装用者の快適さに影響を及ぼす重要なパラメーターの一つである。高いCoFは、眼上皮を機械的に損傷する可能性を増大させおよび/または眼の不快感に導く。
本明細書で使用する、コーティングされた医療用デバイス、例えば、コーティングされたコンタクトレンズに関連しての「増大した潤滑性」とは、コーティングされた医療用デバイスとコーティングされていない医療用デバイスの双方が同一の材料で製造されている場合において、コーティングされた医療用デバイスが、コーティングされていない医療用デバイスに比べて、減少したCoFの平均値を有することを意味する。
「平均接触角」とは、少なくとも3個の医療用デバイスの測定を平均することにより得られる接触角(付着液滴(Sessile Drop)法で測定)をいう。
本明細書で使用する、コーティングされた眼用デバイスに関連しての「増大した表面親水性」または「増大した親水性」とは、コーティングされた医療用デバイスとコーティングされていない医療用デバイスの双方が同一の材料で製造されている場合において、コーティングされた眼用デバイスが、コーティングされていない医療用デバイスに比べて、減少した平均接触角を有することを意味する。
一つの態様において、本発明は、コア材料と生体適合性LbLコーティングとを含む医療用デバイスであって、生体適合性LbLコーティングが、電荷を有するポリマー材料の少なくとも一層および電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の少なくとも一層を含む、医療用デバイスを製造する方法を提供する。本発明の方法は、特定の順序ではなく、電荷を有するポリマー材料の溶液に接触して電荷を有するポリマー材料の一層を、また電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の溶液に接触して電荷を有しないポリマー材料の一層を、交互に形成することを含む。
コア材料(医療用デバイス)の複雑で時間浪費型前処理は、電荷を有するポリマー材料のコア材料への結合の前には必要とされないことが、先に発見され、WO99/35520に開示されている。医療用デバイス、例えばコンタクトレンズのコア材料を、第一の電荷を有するポリマー材料の溶液と、第一の電荷を有するポリマー材料の電荷とは反対の電荷を有する第二の電荷を有するポリマー材料の溶液とを簡単にかつ交互に接触させることにより、多層のLbLコーティングを医療用デバイス上に形成させて、医療用デバイスのコア材料の表面特性を改質することができる。
電荷を有するポリマー材料の一層および、二つの反対の電荷を有するポリマー材料の一つを置き換える、電荷を有しないポリマー材料の一層が基材上に交互に被着されて、未知のメカニズムに従って、生体適合性のLbLコーティングを形成することができることが、ここに発見された。そのようなコーティングは、比較的低い電荷密度を与えることができる。電荷を有する基を全く含まないポリマー材料が同様に、電荷を有するポリマー材料に物理的に(すなわち、非共有結合的に)結合でき、多層の耐摩耗性のLbLコーティングを基材上に作り上げることができるということを発見したことは全く予期せぬことであった。クレームされた発明は、この予期しない結果を支持するために展開される理論に限定されるものではないが、本明細書で提案された理論は、読者が本発明をより良く理解できるために提示される。基材上の電荷を有するポリマー材料の層の上に、電荷を有しないポリマー材料の層の複合化/沈積が生じるように、電荷を有するポリマー材料の電荷を有する基と電荷を有しないポリマー材料の電荷を有しない官能基との間に、ある種の分子相互作用が存在することが考えられる。
本発明に係る電荷を有しないポリマー材料は、ビニルラクタムのホモポリマー、1以上の親水性ビニルコモノマーの存在下もしくは非存在下で少なくとも一つのビニルラクタムのコポリマー、またはそれらの混合物である。
ビニルラクタムは、例えば、式(I):
Figure 2005538767
(式中、
Rは、2〜8個の炭素原子を有するアルキレンジラジカルであり、
1は、水素、アルキル、アリール、アラルキルまたはアルカリール、好ましくは水素、7個までの、より好ましくは4個までの炭素原子を有するアルキル、例えば、メチル、エチルもしくはプロピル;10個までの炭素原子を有するアリール、および同じく14個までの炭素原子を有する、アラルキルもしくはアルカリールであり、
2は、水素または7個までの、より好ましくは4個までの炭素原子を有するアルキル、例えば、メチル、エチルもしくはプロピルである)
で示される構造を有する。
上記の構造式(I)に対応するいくつかのN−ビニルラクタムは、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタムおよびN−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタムである。
好ましい電荷を有しないポリマー材料は、ヘテロ環中に4〜6個の炭素原子を含む式(I)のヘテロ環状モノマーである、ビニルラクタムに由来するポリマー、コポリマー、またはその混合物である。
より好ましい電荷を有しないポリマー材料は、ヘテロ環中に4個の炭素原子を含む式(I)のヘテロ環状モノマーである、ビニルラクタムに由来するポリマー、コポリマー、またはその混合物である。
さらに好ましい電荷を有しないポリマー材料は、ヘテロ環中に4個の炭素原子を含む式(I)のヘテロ環状モノマーであって、R1およびR2が各々互いに独立に水素または低級アルキルである、ビニルラクタムに由来するポリマー、コポリマー、またはその混合物である。
最も好ましい電荷を有しないポリマー材料は、N−ビニル−2−ピロリドンである、ビニルラクタムに由来するポリマー、コポリマー、またはその混合物である。
好適な親水性のビニルコモノマーとして、ヒドロキシ置換低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、低級アルキル−アクリルアミドおよびメタクリルアミド、エトキシ化アクリレートおよびメタクリレート、ヒドロキシ置換低級アルキル−アクリルアミドおよびメタクリルアミド、ヒドロキシ置換低級アルキルビニルエーテル、エチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニルコハク酸イミド、N−ビニルピロリドン、2−または4−ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、アミノ−(ここで、用語「アミノ」はまた、四級アンモニウムを含む)、モノ−低級アルキルアミノ−またはジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコールなどが、非限定的に挙げられる。好ましくは、例えば、ヒドロキシ置換C2〜C4アルキル(メタ)アクリレート、5員環〜7員環N−ビニルラクタム、N,N−ジ−C1〜C4アルキルメタクリルアミドおよび全体で3〜5個の炭素原子を持つビニル性不飽和カルボン酸である。
ビニルラクタムのホモポリマー、1以上の親水性ビニルコモノマーの存在下もしくは非存在下での少なくとも一つのビニルラクタムのコポリマー、またはそれらの混合物が電荷を有しないポリマー材料として使用されて、本発明の電荷を有する/電荷を有しない二重層を形成する場合、電荷を有するポリマー材料は、好ましくは、ポリアニオン性ポリマー、またはポリアニオン性ポリマーの混合物である。好適なポリアニオン性ポリマーの例は、例えば、カルボキシ、スルホ、スルファト、ホスホノもしくはホスファト基またはこれらの混合物を含む合成ポリマー、バイオポリマーまたは変性バイオポリマー、あるいはこれらの塩、例えば、これらの生体医学的に許容しうる塩および、コーティングされる物品が眼用デバイスである場合は、特に、眼科的に許容しうる塩が挙げられる。
合成アニオン性ポリマーの例は、直鎖ポリアクリル酸(PAA)、分枝鎖ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸コポリマー、マレイン酸もしくはフマル酸コポリマー、ポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)、ポリアミド酸、例えば、ジアミンおよびジ−もしくはポリカルボン酸のカルボキシ基を末端に有するポリマー(例えば、Aldrich社のカルボキシ基を末端に有するStarburst(商標)PAMAMデンドリマー、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)(ポリ−(AMPS))、アルキレンポリホスフェート、アルキレンポリホスホネート、炭水化物ポリホスフェートもしくは炭水化物ポリホスホネート(例えば、テイコ酸)である。分枝鎖ポリアクリル酸の例として、Goodrich社からのCarbophil(登録商標)またはCarbopol(登録商標)が挙げられる。アクリル酸またはメタクリル酸のコポリマーの例として、アクリル酸もしくはメタクリル酸と、ビニルモノマー、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドもしくはN−ビニルピロリドンとの共重合生成物が挙げられる。
ポリアニオン性バイオポリマーまたは変性バイオポリマーの例は、ヒアルロン酸、ヘパリンもしくはコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカン、フコイダン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、アルギネート、ペクチン、ゲラン、カルボキシアルキルキチン、カルボキシメチルキトサン、硫酸化ポリサッカリドである。
好ましいポリアニオン性ポリマーは、直鎖もしくは分枝鎖ポリアクリル酸またはアクリル酸コポリマーである。より好ましいアニオン性ポリマーは、直鎖もしくは分枝鎖ポリアクリル酸である。このテキストでの分枝鎖ポリアクリル酸は、適量(少量)のジ−またはポリビニル化合物が存在する状態でアクリル酸を重合させることによって得ることができるポリアクリル酸を意味するものと理解されたい。
二重層の一部として適切なポリカチオン性ポリマーは、例えば、合成ポリマー、バイオポリマー、または一級、二級もしくは三級アミノ基またはそれらの適切な塩、好ましくはそれらの眼用に許容される塩、例えば、それらの塩酸塩などのハロゲン化水素塩を主鎖または置換基として含む変性バイオポリマーである。一級もしくは二級アミノ基またはそれらの塩を含むポリカチオン性ポリマーが好ましい。
合成ポリカチオン性ポリマーの例は、
(i)場合により変性剤単位を含む、ポリアリルアミン(PAH)ホモ−またはコポリマー;
(ii)ポリエチレンイミン(PEI);
(iii)場合により変性剤単位を含む、ポリビニルアミンホモ−またはコポリマー;
(iv)ポリ(ビニルベンジル−トリ−C1〜C4−アルキルアンモニウム塩)、例えば、ポリ(塩化ビニルベンジル−トリ−メチルアンモニウム);
(v)脂肪族もしくは芳香脂肪族二ハロゲン化物および脂肪族N,N,N′,N′−テトラ−C1〜C4−アルキル−アルキレンジアミンのポリマー、例えば、(a)1,3−二塩化もしくは二臭化プロピレンまたは二塩化もしくは二臭化p−キシリレンおよび(b)N,N,N′,N′−テトラメチル−1,4−テトラメチレンジアミンのポリマー;
(vi)ポリ(ビニルピリジン)またはポリ(ビニルピリジニウム塩)のホモ−またはコポリマー;
(vii)式:
Figure 2005538767
(式中、R2およびR2′は、それぞれ独立に、C1〜C4−アルキル、特にメチルであり、An-は、例えば、塩化物アニオンなどのハロゲン化物アニオンである)
の単位を含むポリ(ハロゲン化N,N−ジアリル−N,N−ジ−C1〜C4−アルキル−アンモニウム);
(viii)四級化アクリル酸またはメタクリル酸ジ−C1〜C4−アルキル−アミノエチルのホモ−またはコーポリマー、例えば、ポリ(塩化2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルプロピルトリメチルアンモニウム)などのポリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルプロピルトリ−C1〜C2−アルキルアンモニウム塩)ホモポリマー、または四級化ポリ(メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル)もしくは四級化ポリ(ビニルピロリドン−co−メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル);
(ix)EP−A−456,467に開示されているようなPOLYQUAD(登録商標);または
(x)ポリアミノアミド(PAMAM)、例えば、直鎖PAMAM、またはアミノ基を末端に有するStarbust(商標)PAMAMデンドリマー(アルドリッチ)などのPAMAMデンドリマーである。
上述のポリマーは、他に断り書きのない場合、各々の場合において、遊離アミン、その適切な塩、例えば、生体医学的に許容される塩または特に眼用に許容されるその塩、ならびにいずれの四級化形態を含む。
上記(i)、(iii)、(vi)または(viii)のポリマーに、場合により組み入れられる適切なコモノマーは、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドンなどの親水性モノマーである。
ポリアリルアミン(i)の適切な変性剤単位は、例えば、WO00/31150から公知であり、例えば、式:
Figure 2005538767
(式中、Lは、ヒドロキシ、C2〜C5−アルカノイルオキシおよびC2〜C5−アルキルアミノカルボニルオキシからなる群より選択される二つ以上の同じまたは異なる置換基によって置換されているC2〜C6−アルキルである)
の単位を含む。
アルキル基Lの好ましい置換基は、ヒドロキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシまたはエチルアミノカルボニルオキシ、特に、ヒドロキシ、アセチルオキシまたはプロピオニルオキシ、特にヒドロキシである。
Lは、好ましくは直鎖C3〜C6−アルキル、より好ましくは直鎖C4〜C5−アルキル、最も好ましくはn−ペンチルであり、これらは、各々の場合、上で定義したように置換されている。特に好ましい基Lは、1,2,3,4,5−ペンタヒドロキシ−n−ペンチルである。
本発明の二重層に用いられるポリカチオン性バイオポリマーまたは変性バイオポリマーの例は、塩基性ペプチド、タンパク質または糖タンパク、例えば、ポリ−ε−リジン、アルブミンまたはコラーゲン、アミノアルキル化多糖類、例えば、キトサン、アミノデキストランである。
本発明の二重層を形成する特定のポリカチオン性ポリマーは、ポリアリルアミンホモポリマー;上記の式(II)の変性剤単位を含むポリアリルアミン;ポリビニルアミンホモ−もしくはコポリマーまたはポリエチレンイミンホモポリマー、特に、ポリアリルアミンもしくはポリエチレンイミンホモポリマー、またはポリ(ビニルアミン−co−アクリルアミド)コポリマーである。
前記リストは例示的であることを意図し、網羅的でないことは明白である。当業者は、本明細書の開示および教示が与えられると、他の有用な多数の電荷を有するポリマー材料を選択することができるであろう。
コーティングの種々の特性、たとえば厚さを変えるためには、電荷を有するポリマー材料および電荷を有しないポリマー材料の分子量を変えることができる。具体的には、分子量が増えると、一般にコーティングの厚さは増大する。しかし、分子量増が大きすぎるならば、取り扱いの難さも増す。そのため、本発明の方法で使用される電荷を有するポリマー材料および電荷を有しないポリマー材料は通常、約2,000〜約150,000の分子量Mnを有する。いくつかの実施態様では、分子量は約5,000〜約100,000であり、他の実施態様では、約75,000〜約100,000である。
本発明に従って、医療用デバイスのコア材料は、広範なポリマー材料のいずれであってもよい。コア材料の例として、ヒドロゲル、シリコーン含有ヒドロゲル、スチレンおよび置換スチレン、エチレン、プロピレン、アクリレートおよびメタクリレート、N−ビニルラクタム、アクリルアミドおよびメタクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸およびメタクリル酸のポリマーおよびコポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。
コーティングされるコア材料の好ましいグループは、生体医療用デバイス、例えばコンタクトレンズ、特に長時間装用のコンタクトレンズの製造に通常、使用されているものであり、それ自体親水性ではない。このような材料は当業者には公知であり、例えば、ポリシロキサン、ぺルフルオロポリエーテル、フッ素化ポリ(メタ)アクリレートもしくは例えば他の重合可能なカルボン酸から誘導される同等のフッ素化ポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレートもしくは他の重合可能なカルボン酸から誘導される同等のアルキルエステルポリマー等、またはフッ素化ポリオレフィン、例えば、フッ素化エチレンもしくはプロピレン、例えばテトラフルオロエチレン、好ましくは特定のジオキソール(例えば、ペルフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)との組み合わせを含んでいてもよい。好適なバルク材料の例は、例えばロトラフィルコンA(Lotrafilcon A)、ネオホコン(Neofocon)、パシホコン(Pasifocon)、テレホコン(Telefocon)、シラホコン(Silafocon)、フルオロシルホコン(Fluorsilfocon)、パフルホコン(Paflufocon)、シラホコン(Silafocon)、エラストフィルコン(Elastofilcon)、フルオロホコン(Fluorofocon)またはテフロンAF(Teflon AF)材料であり、例えば、約63〜73モル%のペルフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールと約37〜27モル%のテトラフルオロエチレンとのコポリマーまたは約80〜90モル%のペルフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールと約20〜10モル%のテトラフルオロエチレンとのコポリマーであるテフロンAF1600またはテフロンAF2400である。
好ましいコーティングされるコア材料のもう一つのグループは、結合または架橋要素を介して結合される少なくとも一つの疎水性セグメントと少なくとも一つの親水性セグメントとを含む両親媒性セグメント化コポリマーである。例は、シリコーンヒドロゲル、例えば、PCT出願WO96/31792(Nicolsonら)およびWO97/49740(Hirtら)に開示されているものである。
コーティングされるコア材料の特に好ましいグループは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリメタクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリシロキサン、ペルフルオロアルキルポリエーテル、フッ素化ポリアクリレートもしくはメタクリレート、および少なくとも一つの疎水性セグメント、例えば、ポリシロキサンセグメントもしくはペルフルオロアルキルポリエーテルセグメントもしくは混合ポリシロキサン/ペルフルオロアルキルポリエーテルセグメントと、少なくとも一つの親水性セグメント、例えばポリオキサゾリン、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸セグメントまたは二つ以上の基礎をなす前記モノマーのコポリマー混合物とを含む両親媒性セグメント化コポリマーから選択される有機ポリマーを含む。
コーティングされるコア材料は、腎臓透析膜、血液保存バック、ペースメーカーリード線または人工血管の製造に従来から用いられるいずれかの血液接触材料であってもよい。例えば、その表面を変性することができる材料は、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、Dacron(商標)もしくはSilastic(商標)タイプのポリマー、またはそれらから製造される複合材でありうる。
電荷を有するポリマー材料、電荷を有しないポリマー材料のいずれかの溶液またはすすぎ溶液と医療用デバイスとの接触は、種々の方法で起こりうる。例えば、医療用デバイスは、溶液に浸漬することができる。あるいはまた、医療用デバイスは、スプレーまたはミスト形態の溶液で吹き付けされる。一つのコーティング法の実施態様は、浸漬コーティング工程だけ、および場合により行われる浸漬すすぎ工程を含む。もう一つのコーティング法の実施態様は、吹き付けコーティング工程だけ、および場合により行われる吹き付けすすぎ工程を含む。もちろん、吹き付けおよび浸漬コーティングならびに場合により行われる吹き付けすすぎ工程および浸漬すすぎ工程の種々の組み合わせを含む多数の代替態様が当業者によって設計されうる。
例えば、浸漬コーティングのみの方法は、電荷を有するポリマー材料の溶液に医療用デバイスを浸漬する工程、場合により、医療用デバイスをすすぎ溶液に浸漬することによって医療用デバイスをすすぐ工程、医療用デバイス上の電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合できる電荷を有しないポリマー材料の溶液に医療用デバイスを浸漬する工程、および場合により、医療用デバイスをすすぎ溶液中ですすぐ工程を含み、これにより、電荷を有するポリマー材料と電荷を有しないポリマー材料との二重層を形成する。より厚いLbLコーティングを製造するためには、この二重層形成法を複数回繰り返すことができる。
コーティング工程および場合により行われるすすぎ工程それぞれの浸漬時間は、多数のファクターに依存して変えることができる。好ましくは、コーティング溶液へのコア材料の浸漬は、約1〜30分、より好ましくは約2〜20分、最も好ましくは約1〜5分の時間にわたって起こる。すすぎは複数のすすぎ工程で達成しうるが、所望ならば、一回のすすぎ工程が非常に効率的でありうる。
コーティング法のもう一つの実施態様は、一連の吹き付けコーティング技術を含む。この方法は一般に、電荷を有するポリマー材料の溶液を医療用デバイスのコア材料に吹き付ける工程、場合により、すすぎ溶液を医療用デバイスに吹き付けることによって医療用デバイスをすすぎ、その後、場合により、医療用デバイスを乾燥させる工程、医療用デバイス上の電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合できる電荷を有しないポリマー材料の溶液を医療用デバイスに吹き付ける工程、および場合により、すすぎ溶液を吹き付けることにより医療用デバイスをすすぐ工程を含み、これにより、電荷を有するポリマー材料と電荷を有しないポリマー材料の二重層を形成する。より厚いLbLコーティングを製造するためには、この二重層形成法を複数回繰り返すことができる。
吹き付けコーティング塗布は、空気援用噴霧化分配法、超音波援用噴霧化分配法、圧電援用噴霧化分配法、電気機械的ジェット印刷法、圧電ジェット印刷法、圧電静水圧ジェット印刷法および感熱ジェット印刷法ならびに眼用レンズへの吹き付け装置の分配ヘッドの位置決めを制御し、コーティング液を分配することができるコンピュータシステムからなる群より選択される方法により達成することができる。このような吹き付けコーティング法は、EP−A−1262307に記載されている。このような吹き付けコーティング法を使用することにより、非対称コーティングを医療用デバイスに適用することができる。例えば、コンタクトレンズの背面を親水性および/または潤滑性コーティング材料でコーティングし、コンタクトレンズの前面を抗微生物性材料でコーティングすることができる。また、装用者に多数の利点を同時に提供するように、機能的なパターンを有するコーティングをコンタクトレンズ上に製造することが可能である。
本発明の生体適合性LbLコーティングにおける二重層の好ましい数は、約5〜約20の二重層である。20を超える二重層が可能であるが、過度の数の二重層を有する一部のLbLコーティングでは離層が起こりやすいということがわかった。
本発明の生体適合性LbLコーティングは、第一の電荷を有するポリマー材料の少なくとも一つの層と第二の電荷を有するポリマー材料の少なくとも一つの層とを含むことができ、第一と第二の電荷を有するポリマー材料は同じ符号の電荷を有する。
本発明の生体適合性LbLコーティングは、第一の電荷を有しないポリマー材料の少なくとも一つの層と第二の電荷を有しないポリマー材料の少なくとも一つの層とを含むことができ、第一と第二の電荷を有しないポリマー材料は、電荷を有するポリマー材料の隣接する層に非共有結合的に結合することができる。
本発明の生体適合性LbLコーティングは、第一の電荷を有するポリマー材料と第一の電荷を有するポリマー材料の電荷と反対の電荷を有する第二の電荷を有するポリマー材料との1以上の二重層を含むことができる。
本発明に従って、コーティング溶液は、多様な方法で調製することができる。特に、本発明のコーティング溶液は、電荷を有するポリマー材料または電荷を有しないポリマー材料を水またはこれらの材料を溶解させることができる他の溶媒に溶解させることによって形成することができる。溶媒を使用する場合、溶液中の成分を水中で安定にとどまらせることができるあらゆる溶媒が適している。例えば、アルコールベースの溶媒を使用することができる。適当なアルコールとしては、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エタノールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。当該技術で一般に使用される他の溶媒を本発明で好適に使用することができることが理解されよう。
水に溶解されるのか溶媒に溶解されるのかにかかわらず、本発明のコーティング材料(すなわち、電荷を有するポリマー材料または電荷を有しないポリマー材料)の溶液中での濃度は一般に、使用される具体的な材料、所望のコーティング厚さおよび多数の他のファクターに依存して変えることができる。
電荷を有するポリマー材料の比較的希薄な水溶液を調合することが一般的であろう。例えば、電荷を有するポリマー材料の濃度は、約0.0001重量%〜約0.25重量%の間、約0.005重量%〜約0.10重量%の間、または約0.01重量%〜約0.05重量%の間であることができる。
しかしながら、第一の電荷を有するポリマー材料を含むコーティング溶液が医療用デバイスの表面上に本発明の生体適合性LbLコーティングの最内層を形成するために用いられる場合、溶液中の第一の電荷を有するポリマー材料の濃度は、LbLコーティングの親水性を増大するために十分に高いことが望ましい。LbLコーティングの最内層を形成するための溶液中の電荷を有するポリマー材料の濃度は、コンタクトレンズ上のLbLコーティングの親水性に直接有意な影響をもたらすことが発見されている。電荷を有するポリマー材料の濃度が増大すると、LbLコーティングの親水性が増大する。好ましくは、LbLコーティングの最内層を形成するための溶液中の電荷を有するポリマー材料の濃度は、LbLコーティングの引き続く層を形成するためのコーティング溶液中のコーティング材料の濃度よりも少なくとも3倍高い。より好ましくは、LbLコーティングの最内層を形成するための溶液中の電荷を有するポリマー材料の濃度は、LbLコーティングの引き続く層を形成するためのコーティング溶液中のコーティング材料の濃度よりも少なくとも10倍高い。
一般に、上述した電荷を有するポリマー溶液は、溶液を調製するための当該技術で周知の方法によって調製することができる。例えば、一つの実施態様では、ポリアニオン性溶液は、適量のポリアニオン性材料、たとえば約90,000の分子量を有するポリアクリル酸を水に溶解することにより、一定濃度を有する溶液が形成されるように、調製することができる。一つの実施態様では、得られる溶液は、0.001M PAA溶液である。ひとたび溶解すると、塩基性または酸性の物質を加えることによってポリアニオン性溶液のpHを調節することもできる。上記実施態様では、例えば、適量の1N塩酸(HCl)を加えてpHを2.5に調節することができる。
ポリカチオン性材料または電荷を有しないポリマー材料の溶液もまた、上記のような方法で形成することができる。例えば、一つの実施態様では、約50,000〜約65,000の分子量を有するポリ(塩酸アリルアミン)を水に溶解して0.001M PAH溶液を形成することができる。その後、適量の塩酸を加えることにより、pHを2.5に調節することができる。
本発明のいくつかの実施態様では、医療用デバイス上に生体適合性LbLコーティングを形成するコーティング方法は、医療用デバイスのコア材料上に直接、第一の電荷を有するポリマー材料および第一の電荷を有するポリマー材料の電荷と反対の電荷を有する第二の電荷を有するポリマー材料の1以上の二重層を塗布し、次いで、第一の(または第二の)電荷を有するポリマー材料および第一の(または第二の)電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合することができる電荷を有しないポリマー材料の1以上の二重層を塗布することを含む。
生体適合性LbLコーティングが、第一の電荷を有するポリマー材料および第一の電荷を有するポリマー材料の電荷と反対の電荷を有する第二の電荷を有するポリマー材料の少なくとも一つの二重層を含む場合、第一と第二の電荷を有するポリマー材料の双方を単一の溶液内に含む溶液を塗布することが望ましい。例えば、ポリアニオン性溶液は上記のように形成することができ、次いで、同じく上記のように形成されるポリカチオン性溶液と混合される。その後、溶液はゆっくりと攪拌されて、コーティング溶液を形成することができる。混合物に加えられる各々の溶液の量は、所望の仕込みモル比に依存する。例えば、10:1(ポリアニオン:ポリカチオン)溶液が望まれるならば、PAH溶液1(容量)部をPAA溶液10部に混合することができる。混合ののち、所望ならば溶液をろ過することもできる。
本発明のLbLコーティングは、長期間装用のコンタクトレンズにおいて特別な用途が見出される。本発明のLbLコーティングは、レンズの所望のバルク特性、例えば酸素透過性、イオン透過性および光学特性に最小の悪影響をもたらす。
もう一つの態様において、本発明は、コア材料とその上に形成されたLbLコーティングおよび約80度以下の接触角を有することを特徴とする表面親水性を有する医療用デバイスであって、LbLコーティングが、電荷を有するポリマー材料の一層および電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の一層よりなる少なくとも一つの二重層を含む、医療用デバイスを提供する。好ましくは、コーティングされた医療用デバイスは、約3.5以下の平均CoFを特徴とする増大された潤滑性を有する。
本発明の医療用デバイスは、本発明の上記の方法に従って、生体適合性LbLコーティングを予め形成された医療用デバイスに適用することにより製造することができる。
本発明の医療用デバイスはまた、実質的にUS−A−2001−0045676の教示に従って、生体適合性LbLコーティングを医療用デバイス製造用の型にまず適用し、次いで生体適合性LbLコーティングを型から製造される医療用デバイスに転写移植することにより製造することができる。
コンタクトレンズをキャスト成型するための型セクションの形成方法は、一般に、当業者に周知である。本発明の方法は、型を形成する特定の方法に限定されない。事実、本発明においては、型を形成する任意の方法を使用することができる。しかしながら、例証する目的で、転写可能な生体適合性LbLコーティングを型上に形成し、次いで本発明に従って、コーティングされた型から生体適合性LbLコーティングを持つコンタクトレンズを製造する一つの実施態様として以下の議論が提供される。
一般に、型は、少なくとも二つの型セクション(または部分)または型半、すなわち、第一および第二の型半を含む。第一の型半は第一の光学表面を画定し、第二の型半は第二の光学表面を画定する。第一および第二の型半は、コンタクトレンズ形成キャビティを第一の光学表面と第二の光学表面との間に形成するように、互いを支持するように形作られる。第一および第二の型半は、種々の手法、例えば射出成形で形成することができる。これらの半セクションは、コンタクトレンズ形成キャビティをその間に形成するように、のちに一緒に合体させることができる。その後、コンタクトレンズは、種々の加工法、例えば紫外硬化を用いて、コンタクトレンズ形成キャビティの中で形成することができる。
型半を形成する好適な方法の例は、米国特許第4,444,711号(Schad);第4,460,534号(Boehmら);第5,843,346号(Morrill);および第5,894,002号(Bonebergerら)に記載されている。
型を製造するための、当該技術で公知の実質的にすべての材料は、コンタクトレンズを製造するための型を製造するために使用することができる。例えば、ポリマー材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、およびPMMAが使用できる。UV光が透過する他の材料、例えば石英ガラスが使用できる。
型が形成されると、電荷を有するポリマー材料と電荷を有しないポリマー材料との少なくとも一つの二重層を含む、転写可能な生体適合性LbLコーティングを、上記のLbL被着法を用いることにより、一つまたは両方の型部分の光学表面(内部表面)上に適用できる。型部分の内部表面は、型のキャビティ形成表面であり、レンズ形成材料と直接接触する。転写可能な生体適合性LbLコーティングは、コンタクトレンズの後面(凹面)を画定する型部分上にあるいはコンタクトレンズの前面を画定する型セクション上にまたは両方の型部分上に適用することができる。
転写可能な生体適合性LbLコーティングが一つまたは両方の型部分の光学表面上に適用されると、レンズ材料は、次いで、組み合わされた型半により画定されるコンタクトレンズ形成キャビティに分配することができる。一般に、レンズ材料は、任意の重合性組成物から製造することができる。特に、コンタクトレンズを形成する際、レンズ材料は、酸素透過性材料、例えばフッ素またはシロキサン含有ポリマーであることができる。例えば、好適な基材材料のいくつかの例として、本明細書に参照として組み込まれる米国特許第5,760,100号(Nicolsonら)に開示されたポリマー材料が挙げられるが、これらに限定されない。レンズ材料は、次いで、コンタクトレンズ形成キャビティの中で硬化、すなわち重合されて、コンタクトレンズが形成され、これにより、転写可能な生体適合性LbLコーティングの少なくとも一部が光学表面から脱着され、形成されたコンタクトレンズに再付着される。
熱硬化または光硬化法は、眼用レンズを形成する型中で重合性組成物を硬化するために使用することができる。そのような硬化法は当業者に周知である。
電荷を有するおよび電荷を有しないポリマー材料に加えて、二重層またはその一部を形成するコーティング溶液はまた、添加剤を含むことができる。本明細書で使用されるように、添加剤は一般的に、任意の化学品または材料を含むことができる。例えば、活性剤、例えば抗微生物剤および/または抗バクテリア剤は、特に生体医療用途に使用されるとき、二重層を形成する溶液に添加することができる。いくつかの抗微生物性の電荷を有するポリマー材料として、ポリ四級アンモニウム化合物、例えば米国特許第3,931,319号(Greenら)に記載のもの(例えば、POLYQUAD(登録商標))が挙げられる。
また、コーティング溶液に添加できる材料の他の例は、眼用レンズに有用な材料、例えば放射光吸収特性を有する材料である。そのような材料として、例えば、可視着色剤、虹彩色修飾染料、および紫外(UV)光着色染料を挙げることができる。
コーティング溶液に添加できる材料のさらに他の例は、細胞成長を阻害または誘起する材料である。細胞成長阻害剤は、究極的には取り除くことが意図されている長期間ヒトの組織に曝されるデバイス(例えば、細胞成長が望ましくないカテーテルまたは眼内レンズ(IOL))に有用であることができ、一方、細胞成長誘起性の電荷を有するポリマー材料は、永久的な埋め込みデバイス(例えば、人工角膜)に有用であることができる。
添加剤がコーティング溶液に加えられる場合、そのような添加剤は、電荷を有することが好ましい。正電荷または負電荷を持つことにより、添加剤は、同じモル比で溶液中の電荷を有するポリマー材料と置き換わることができる。例えば、ポリ四級アンモニウム化合物は、一般に正電荷を有する。それで、これらの化合物は、ポリカチオンが適用されると同様の方法で添加剤が物品のコア材料に適用されるように、本発明の溶液中でポリカチオン成分と置き換わることができる。
しかしながら、電荷を有しない添加剤もまた、取り込まれることにより、物品のコア材料に適用することができる。
また、コーティングされるコア材料は、適切な反応性基をもたない無機もしくは金属ベースの材料であり、例えばセラミック、石英またはシリコンもしくは金のような金属であるか、または他のポリマーもしくは非ポリマー基材であってもよい。例えば、埋め込み可能な生体医療用途において、セラミックは非常に有用である。さらに、例えばバイオセンサー用途において、親水性コーティングされたベース材料は、コーティングの構造がうまく制御された場合、非特異的結合の影響を弱めるものと期待される。バイオセンサーは、金、石英または他の非ポリマー基材上に、特定の炭水化物コーティングを必要とするかもしれない。
コーティングされる材料の形状は、広範囲に変化することができる。例としては、粒子、顆粒、カプセル、繊維、チューブ、フィルムまたは膜、好ましくは眼用の成形品のような全ての成形品、例えば眼用レンズ、人工角膜、または特にコンタクトレンズである。
これまでの開示は、当業者が本発明を実施することを可能にするであろう。具体的な実施態様およびその利点を読者がよりよく理解することができるように、以下の実施例を参照されたい。
実施例1
コーティングされたコンタクトレンズのCoFの測定
CoFは、コンタクトレンズの眼の上での動きの容易さを測定するパラメーターの一つである。高いCoFは、眼上皮を機械的に損傷する可能性を増大させる。コンタクトレンズのCoFは、以下のように、スレッドオンブロック(sled-on-block)型摩擦テスターにより測定することができる。ある負荷(例えば、約2.0g)の下に、コンタクトレンズを、生物学的に適切な基材に対して、所定の速度で、前後に滑らせ、垂直力(N) および切線分力(FT)を測定する。コンタクトレンズのCoFは、式μ=FT/Nに基づいて計算される。
好ましい摩擦テスターは、固定レンズ保持アセンブリ、生物学的に適切な基材、水平に移動可能な台、および複数の力測定手段を含む。
固定レンズ保持アセンブリは、好ましくは「A形」ホルダーブラケットおよびレンズ支持表面を有するレンズホルダーを含む。レンズホルダーのレンズ支持表面は、コンタクトレンズの後面(凹面)に適合しうる凸な湾曲を有している。レンズホルダーは、好ましくは「A形」ホルダーブラケットの中央で保持される。「A形」固定試料ホルダーブラケットの頂端部は、例えばケブラー(登録商標)繊維により、第一の力測定手段(例えば、Transducer Techniquesからのロードセル(load cell))に接続されている。「A形」ホルダーブラケットの二つの足端部は、二つの1/2”のスチール延長スプリングが付いたナイロン糸に接続されている。第一の力測定手段およびスチール延長スプリングは、テスターのフレームに取り付けられている。
水平に移動可能な台は、例えば、種々の速度および加速度で、単軸で移動するテーブル状の台(x−テーブル)であることができる。x−テーブルは、好ましくは長さ163mm、幅19.1mmであり、長さ約140mmと幅約14.7mmの試験領域を提供できる。x−テーブルの例は、ZETAドライブコンピューター(Parker Hannifin Corporation)により駆動される、41型直線ポジショナー(Linear Positioner)であり、それは最大速度1800mm/分および加速度9000mm/s2で一方向に作動する。
生物学的に適切な基材は任意の材料であることができ、好ましくは、Regent(登録商標)からのBiogel(登録商標)コーティングされたパウダーなしの手術用手袋である。好ましくは、手袋の指は、単一の長方形の短冊状に切断され、延伸されて、物理的手段、例えば大きなペーパークリップによりx−テーブルに取り付けられる。試験の前に、x−テーブルに取り付けられた基材は、望ましい潤滑剤、例えば超純水またはSoftwear(登録商標)食塩水(CIBA Vision)2滴で滑らかにされている。基材とx−テーブルとの間の空気は全て除去される。望ましい潤滑剤は、基材上に均一に塗布する必要がある。基材は、全体に平らで均一でなくてはならない。
好ましくは、3つの力測定手段、第一、第二および第三の力測定手段が存在する。任意の好適な公知の力測定手段が使用できる。一例は、Transducer Techniquesからの100gロードセルである。第一の力測定手段は、試料ホルダーに取り付けられて、二つの反対方向の切線分力(摩擦力、FT)を測定する。第二および第三の力測定手段は、x−テーブルの下に備えられて、下方向の垂直力(N)を測定する。垂直ロードセルにより出力される他のロードセル値は、汎用増幅器/調整器(Transducer Techniques)により、グラムに変換される。
CoFの測定は、好ましい摩擦テスターで、以下のように行われる。コンタクトレンズを、コンタクトレンズの後面をレンズホールドのレンズ支持面に向けて、レンズホルダー上に置く。コンタクトレンズを載せたレンズホルダーを「A形」ホルダーブラケットに合体させ、次いで、所望の滑らかにされた基材と接触させて置く。この基材は、種々の速度および加速度で単軸で移動しうる水平に移動可能な台に取り付けられている。約3gの重りをレンズホルダー上に載せる。この重りは、まぶたの瞬きによりコンタクトレンズにかけられる力を表している。三つの力測定手段(Transducer Techniquesからの3つのロードセル)は、コンタクトレンズと所望の潤滑剤で滑らかにされた基材との間の相互作用から生じる、垂直力(N)と摩擦力(FT)を同時に測定する。コンタクトレンズの滑性/滑性抗力/摩擦係数の測定の間に、多重のデータポイントがとられる。各々のデータポイントで、CoFμは次のように計算される。
μ=FT/N
ここで、FTは、コンタクトレンズに対して基材が滑る間にスプリング(切線ロードセル)によりもたらされるプレローディングについて補正した後の、第一の力測定手段により得られる各々のポイントで読まれる実際のデータを表し、好ましくはグラムの単位を有し;Nは、N1とN2の合計であり;N1は、コンタクトレンズに対して基材が滑る間に試験アセンブリ(垂直ロードセル#1)による任意のプレローディングについて補正した後の、第二の力測定手段により得られる各々のポイントで読まれる実際のデータを表し、好ましくはグラムの単位を有し;N2は、コンタクトレンズに対して基材が滑る間に試験アセンブリ(垂直ロードセル#2)による任意のプレローディングについて補正した後の、第三の力測定手段により得られる各々のポイントで読まれる実際のデータを表し、好ましくはグラムの単位を有する。すべてのデータポイントでのすべてのμの平均(μAve)は、コンタクトレンズのCoFの値を表すために使用される。
より好ましくは、摩擦テスターは、テスターをコントロールし、生物学的に適合する基材がコンタクトレンズと相互作用するときに垂直力および切線分力の読みを同時に収集し、CoFを計算し、試験中の各々のデータポイントでの力(FTおよびN)およびCoF(μ)を記録しチャート化する、コンピューターシステムをさらに含む。
実施例2
コーティングされたコンタクトレンズの接触角の測定
コンタクトレンズの平均接触角(付着液滴)は、マサチューセッツ州、ボストンにあるAST, Inc. からのVCA2500XE接触角測定装置を用いて測定した。この装置は、前進もしくは後退接触角または付着(静的)接触角を測定することが可能である。測定は、好ましくは、完全に水和された材料上で行われる。
接触角は、コンタクトレンズの表面親水性の一般的な尺度である。特に、低い接触角は、より親水性の表面に対応する。ロトラフィルコンAで作られ全くコーティング(LbLまたはプラズマ)されていない、コンタクトレンズの平均接触角は、約112度である。
実施例3
ポリアクリル酸(PAA)溶液:PolyScienceからの、分子量約90,000を有するポリアクリル酸の溶液を、適切な量の材料を水に溶解して調製し、0.001M PAA溶液とした。PAA濃度は、PAA中の繰返し単位に基づいて計算した。溶解した後、PAA溶液のpHは、pHが約2.5になるまで、1N塩酸を加えて調整した。
ポリ(塩酸アリルアミン)(PAH)溶液:Aldrichからの、分子量約70,000を有するポリ(塩酸アリルアミン)(PAH)の溶液を、適切な量の材料を水に溶解して調製し、0.001M PAH溶液とした。濃度は、PAH中の繰返し単位の分子量に基づいて計算した。その後、ポリカチオン性PAH溶液のpHを測定し、記録した。pHはおよそ4.5であった。
ポリビニルピロリドン(PVP)溶液:分子量55,000を有するポリビニルピロリドン(PVP,Aldrichより)の溶液を、適切な量の材料を水に溶解して調製し、0.01M PVP溶液とした。濃度は、PVP中の繰返し単位に基づいて計算した。溶解した後、PVP溶液のpHは、pHが約2.5になるまで1N塩酸を加えて調整した。
コーティング:PVPのキャッピング層を有するLbLコーティングを、以下のように、シリコンウェハー上に形成した。最初に、シリコンウェハーを、PAH溶液(0.001M,pH2.5)に30分間浸漬し、場合によりすすぎ溶液(水またはpH2.5の酸性化水)で1分間すすぎ、PAA溶液(0.001M,pH2.5)に5分間浸漬し、場合によりすすぎ溶液で1分間すすぎ、PAH溶液に5分間浸漬し、場合によりすすぎ溶液で1分間すすいだ。三層(PAH/PAA/PAH)で構成されるコーティングを有するシリコンウェハーを、PAA溶液に5分間浸漬し、場合によりすすぎ溶液で1分間すすぎ、PVP溶液に浸漬し、場合によりすすぎ溶液ですすいだ。上記の浸漬および場合により行われるすすぎ工程を所望の回数繰り返すことにより、PVPのキャッピング層を有する所望の数のPAA/PVPの二重層を形成した。
表1は、シリコンウェハー上のコーティングの厚さを示す。Siウェハー上のコーティングの厚さは、約9nm(5層)から約30nm(11層)まで増加し、PAAとPVPは多重層に自己集積できることを示した。PAA/PVPの多重二重層は、水すすぎ工程をしてもしなくても集積できた。
Figure 2005538767
5層(PAH/PAA/PAH/PAA/PVP)よりなるLbLコーティングを有するシリコンウェハーを酸性化水(pH2.5)に30分間曝すと、シリコンウェハー上のコーティングの厚さに有意な変化はなかった(すなわち、厚さは8.5±0.5から8.6±1.5へ変化した)。
7層(PAH/PAA/PAH/PAA/PVP/PAA/PVP)よりなるLbLコーティングを有するシリコンウェハーを平衡塩溶液(BSS)(pH7.2)中でオートクレーブプロセスに付すと、得られたSiウェハー上にパッチ状のパターンが観察され、シリコンウェハー上のコーティングの厚さは14.3±0.6から20.4±10に増加した。
9層(PAH/PAA/PAH/PAA/PVP/PAA/PVP/PAA/PVP)よりなるLbLコーティングを有するシリコンウェハーを水中でオートクレーブプロセスに付すと、シリコンウェハー上のコーティングの厚さに有意な変化はなかった(すなわち、厚さは21.8±1.3から19.1±2.9へ変化した)。
11層(PAH/PAA/PAH/PAA/PVP/PAA/PVP/PAA/PVP/PAA/PVP)よりなるLbLコーティングを有するシリコンウェハーをリン酸緩衝食塩水(PBS)(pH約7.2)に曝すと、シリコンウェハー上のコーティングの厚さは29.1±2.3から3.3±0.3に減少した。しかしながら、このシリコンウェハーをさらに、PBS緩衝液中でオートクレーブプロセスに付すと、シリコンウェハー上のコーティングの厚さは3.3±0.3から51.9±10.6に増加した。
実施例4
PAAおよびPVP溶液:PAAおよびPVP溶液は、実施例3に記載したように調製した。
コーティング:PVPのキャッピング層を有するLbLコーティングを、フルオロシロキサンヒドロゲル材料、ロトラフィルコンA(CIBA Vision)製のソフトコンタクトレンズ上に形成した。最初に、コンタクトレンズを、PAA溶液(0.001M,pH2.5)に30分間浸漬し、場合によりすすぎ溶液(pH2.5の酸性化水)で1分間すすぎ、次いでPVP溶液(0.01M,pH約2.5)に5分間浸漬し、場合によりすすぎ溶液で1分間すすいだ。上記の浸漬およびすすぎ工程を所望の回数繰り返して、レンズ上に生体適合性LbLコーティングを形成した。コーティングされたレンズの各々を、PBS緩衝液で満たしたガラス瓶に入れて密封し、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、コーティングされたレンズを含む瓶は、レンズの特性評価まで開けなかった。
コーティングされたコンタクトレンズは、スーダンブラック(SB)で染色されず、コンタクトレンズは完全にコーティングで被覆されていることを示した。表2からわかるように、PAA/PVP多重層はまた、コンタクトレンズのコーティングに成功裡に使用された。たった6回の浸漬の後に、コーティングされたレンズは、約75〜85度の接触角と(コーティングされていないレンズのCOF〜4と比較して)約3.4のCOFを有していた。
Figure 2005538767
実施例5
PAAおよびPVP溶液:PAAおよびPVP溶液は、実施例3に記載したように調製した。
PAAm−co−PAA溶液:PAAm−co−PAAコポリマー(80%PAAmおよび20%PAA、Ciba Vision SwitzerlandのAdvanced Research Unitより)の溶液を、適切な量の材料を水に溶解して調製し、0.0001M溶液とした。PAAm−co−PAAコポリマー濃度は、繰返し単位の分子量に基づいて計算した。溶解した後、PAAm−co−PAA溶液のpHは、1N塩酸を加えて、pH2.5に調整した。
コーティングA:PVP/PAAm−co−PAA多重二重層を有するコーティングを、シリコンウェハーまたはフルオロシロキサンヒドロゲル材料、ロトラフィルコンA(CIBA Vision)製のソフトコンタクトレンズ上に形成した。コンタクトレンズ(またはシリコンウェハー)を、PAA溶液(0.001M,pH2.5)に30分間浸漬してレンズ上に第一の層を形成した。PAAの第一の層を持つレンズ(またはシリコンウェハー)を、次いでPVP溶液(0.0001M,pH2.5)に5分間浸漬し、次いでPAAm−co−PAA溶液に5分間浸漬した。最後に、PVP溶液中5分間の浸漬とそれに続くPAAm−co−PAA溶液中5分間の浸漬の工程を所望の回数繰り返して、レンズ(またはシリコンウェハー)上に所望の数のPVP/PAAm−co−PAAの二重層を形成した。上記のコーティングプロセスではすすぎ工程は含まれなかった。コーティングされたレンズの各々を、PBS緩衝液で満たしたガラス瓶に入れて密封し、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、コーティングされたレンズを含む瓶は、レンズの特性評価まで開けなかった。
2以上のPVP/PAAm−co−PAAの二重層を含むLbLコーティングを持つシリコンウェハーおよびコンタクトレンズを特性評価し、その結果を表3に示す。
Figure 2005538767
実験結果は、PVP/PAAm−co−PAAの二重層を含むLbLコーティングが成功裡にシリコンウェハーまたはコンタクトレンズ上に適用されることを確認した。コンタクトレンズは、一層のPAAと2層のPVP/PAAm−co−PAA二重層を有する場合に約58度の接触角を、また一層のPAAと4層のPVP/PAAm−co−PAA二重層を有する場合に約30度の接触角を有した。コーティングされていないコンタクトレンズは、約110度の接触角を有した。
実施例6
PAA溶液:PAA溶液は、実施例3に記載したように調製した。
PVP溶液:PVP溶液は、実施例3に記載のものと同様の方法に従って調製した。PVPの濃度は、0.001M(pH2.5)であった。
PVP−co−PAA溶液:PVP−co−PAAコポリマー(75%PVPおよび25%PAA、Aldrichより)の溶液を、適切な量の材料を水に溶解して調製し、0.001M溶液とした。PVP−co−PAAコポリマー濃度は、繰返し単位の分子量に基づいて計算した。溶解した後、PVP−co−PAA溶液のpHは、1N塩酸を加えて、pH2.5に調整した。
PQ6−10溶液:以下の式:
Figure 2005538767
(式中、R1、R2、R3およびR4はメチル基であり、AおよびBは、各々、ヘキサメチレンおよびデカメチレン基である)
のポリクォート(PQ6−10)の溶液を、適切な量のPQ6−10を水に溶解して調製し、300ppmの濃度とした。溶解した後、PQ6−10溶液のpHは、pH5.6に調整した。
コーティングA:PAAの最内層、4層のPVP/PVP−co−PAA二重層およびPVP/PAAのキャッピング層一層(すなわち、PAA/PVP/PVP−co−PAA/PVP/PVP−co−PAA/PVP/PVP−co−PAA/PVP/PVP−co−PAA/PVP/PAA)を有するコーティングを、シリコンウェハーまたはフルオロシロキサンヒドロゲル材料、ロトラフィルコンA(CIBA Vision)製のソフトコンタクトレンズ上に形成した。コンタクトレンズ(またはシリコンウェハー)を、PAA溶液(0.001M,pH2.5)に30分間浸漬してレンズ上にコーティングの最内層を形成した。PAAの最内層を持つレンズ(またはシリコンウェハー)を、次いでPVP溶液(0.0001M,pH2.5)に5分間浸漬し、次いでPVP−co−PAA溶液に5分間浸漬した。PVP溶液中5分間の浸漬とそれに続くPVP−co−PAA溶液中5分間の浸漬の工程を4回繰り返して、レンズ(またはシリコンウェハー)上に4層のPVP/PAAm−co−PAA二重層を形成した。PAAの最内層と4層のPVP/PAAm−co−PAA二重層を持つレンズ(またはシリコンウェハー)を、PVP溶液に5分間浸漬し、次いでPAA溶液に浸漬した。上記のコーティングプロセスではすすぎ工程は含まれなかった。コーティングされたレンズの各々を、PBS緩衝液で満たしたガラス瓶に入れて密封し、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、コーティングされたレンズを含む瓶は、レンズの特性評価まで開けなかった。
コーティングB:PAAの最内層、4層のPVP/PVP−co−PAA二重層、1層のPVP/PAA二重層およびPQ6−10のキャッピング層(すなわち、PAA/PVP/PVP−co−PAA/PVP/PVP−co−PAA/PVP/PVP−co−PAA/PVP/PVP−co−PAA/PVP/PAA/PQ6−10)を有するコーティングを、シリコンウェハーまたはフルオロシロキサンヒドロゲル材料、ロトラフィルコンA(CIBA Vision)製のソフトコンタクトレンズ上に形成した。コンタクトレンズ(またはシリコンウェハー)を、PAA溶液(0.001M,pH2.5)に30分間浸漬してレンズ上にコーティングの最内層を形成した。PAAの最内層を持つレンズ(またはシリコンウェハー)を、次いでPVP溶液(0.0001M,pH2.5)に5分間浸漬し、次いでPVP−co−PAA溶液に5分間浸漬した。PVP溶液中5分間の浸漬とそれに続くPVP−co−PAA溶液中5分間の浸漬の工程を4回繰り返して、レンズ(またはシリコンウェハー)上に4層のPVP/PAAm−co−PAA二重層を形成した。PAAの最内層と4層のPVP/PAAm−co−PAA二重層を持つレンズ(またはシリコンウェハー)を、PVP溶液に5分間浸漬し、次いでPAA溶液に浸漬し、最後にPQ6−10溶液に浸漬した。上記のコーティングプロセスではすすぎ工程は含まれなかった。コーティングされたレンズの各々を、PBS緩衝液で満たしたガラス瓶に入れて密封し、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、コーティングされたレンズを含む瓶は、レンズの特性評価まで開けなかった。
LbLコーティングを持つシリコンウェハーおよびコンタクトレンズを特性評価し、その結果を表4に示す。
Figure 2005538767
実験結果から、LbLコーティング(コーティングAまたはコーティングB)が成功裡にシリコンウェハーまたはコンタクトレンズ上に適用されることが確認された。コンタクトレンズは、コーティングAについて約36度の接触角を、またコーティングBについて約25度の接触角により特徴付けられる、実質的に増大した親水性を有した。コーティングされていないコンタクトレンズは、約110度の接触角を有していた。
実施例7
PAA溶液:各々0.0001M、0.001Mおよび0.01MのPAAを含有する3つのPAA溶液(pH2.5)は、実施例3に記載したように調製した。
PVP溶液:PVP溶液は、実施例3に記載のものと同様の方法に従って調製した。
コーティング:PAA/PVPの多重二重層を有するLbLコーティングを、フルオロシロキサンヒドロゲル材料、ロトラフィルコンA(CIBA Vision)製のソフトコンタクトレンズ上に形成した。コンタクトレンズを、最初に、第一のPAA溶液(0.0001M、0.001Mまたは0.01M,pH2.5)に30分間浸漬してコーティングの最内層を形成した。PAAの最内層を持つレンズを、PVP溶液(0.0001M,pH約2.5)に5分間浸漬し、次いでPAA溶液(0.0001M,pH2.5)に浸漬した。PVP溶液(0.0001M,pH約2.5)中での浸漬とPAA溶液(0.0001M,pH約2.5)中での浸漬の工程を4回繰り返した。PVPのキャッピング層を、PAA溶液(0.0001M,pH約2.5)に浸漬することにより、コーティングされたレンズ上に塗布した。コーティングされたレンズの各々を、PBS緩衝液で満たしたガラス瓶に入れて密封し、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、コーティングされたレンズを含む瓶は、レンズの特性評価まで開けなかった。
最内層の形成に使用したPAA濃度は、コーティングされたコンタクトレンズの親水性に重大な影響を与えることがわかった。10個のコンタクトレンズ(オートクレーブ処理前)の測定を平均して得られた接触角は、PAAの濃度が0.0001Mから0.001M、0.01Mへと増大すると、59±8度から43±7度および38±9度に減少した。同様に、10個のコンタクトレンズ(オートクレーブ処理後)の測定を平均して得られた接触角は、PAAの濃度が0.0001Mから0.001M、0.01Mへと増大すると、65±7度から54±5度および52±7度に減少した。コーティングされていないコンタクトレンズは、約110度の接触角を有していた。
実施例8
PAA、PAHおよびPVP溶液:PAA、PAH、PVP溶液は、実施例3に記載したように調製した。
シリコンウェハー上にPAH/PVPの多重二重層を構築するために、LbLコーティング手法を試みた。シリコンウェハーを、PAH溶液(0.0001M,pH2.5)に30分間浸漬し、場合によりすすぎ溶液(pH2.5の酸性化水)で1分間すすぎ、PVP溶液(0.0001M,pH約2.5)に5分間浸漬し、場合によりすすぎ溶液で1分間すすいだ。最初にPAH溶液中で次いでPVP溶液中で5分間の浸漬コーティング工程および二つの浸漬コーティング工程の間の1分間のすすぎ工程を所定の回数(3、5、7、9回)繰り返すことによる。LbLコーティング法を完了した後、シリコンウェハー上のコーティングの厚さを測定し、結果を表5に示した。表5は、反復浸漬コーティングの回数が増加しても、シリコンウェハー上のコーティングの厚さは増加しないことを示しており、PAH/PVPの多重二重層はこの検討におけるコーティング条件下でシリコンウェハー上に効率的に構築し得ないことを表す。
Figure 2005538767

Claims (24)

  1. コア材料と前記コア材料に非共有結合的に付着した生体適合性LbLコーティングとを含む医療用デバイスであって、前記生体適合性LbLコーティングが、少なくとも一つの電荷を有する/電荷を有しない二重層を含み、前記電荷を有する/電荷を有しない二重層が、電荷を有するポリマー材料の一層と、電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の一層とを、特定の順序ではなく含む、医療用デバイス。
  2. 前記電荷を有するポリマー材料が、第一のポリアニオン性ポリマーまたは2以上のポリアニオン性ポリマーの混合物であり、前記電荷を有しないポリマー材料が、式(I):
    Figure 2005538767

    (式中、
    Rは、2〜8個の炭素原子を有するアルキレンジラジカルであり、
    1は、水素、C1〜C10アルキル、10個までの炭素原子を有するアリール、または14個までの炭素原子を有する、アラルキルもしくはアルカリールであり、
    2は、水素またはC1〜C10アルキルである)
    で示されるビニルラクタムのホモポリマー、1以上の親水性ビニルコモノマーの存在下もしくは非存在下で少なくとも一つの式(I)で示されるビニルラクタムのコポリマー、またはそれらの混合物である、請求項1記載の医療用デバイス。
  3. 前記医療用デバイスが眼用レンズ、特にコンタクトレンズである、請求項1または2記載の医療用デバイス。
  4. Rが、C2〜C4アルキレンジラジカルであり、R1とR2が、互いに独立に、水素またはC1〜C7アルキルである、請求項2または3記載の医療用デバイス。
  5. 前記電荷を有しないポリマー材料が、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタムまたはN−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタムのホモポリマーである、請求項1〜4のいずれか一項記載の医療用デバイス。
  6. 前記電荷を有しないポリマー材料が、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタムおよびN−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタムの2以上のコポリマーである、請求項5記載の医療用デバイス。
  7. 前記電荷を有するポリマー材料が、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの混合物と、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタムもしくはそれらの混合物と、の共重合生成物である第一のポリアニオン性ポリマーである、請求項1〜6のいずれか一項記載の医療用デバイス。
  8. 前記生体適合性LbLコーティングが、ポリカチオン性ポリマーまたはポリカチオン性ポリマーの混合物の少なくとも一つの層をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の医療用デバイス。
  9. 前記生体適合性LbLコーティングが、2〜20の電荷を有する/電荷を有しない二重層、特に4〜10の電荷を有する/電荷を有しない二重層を含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の医療用デバイス。
  10. 前記生体適合性LbLコーティングが、第二のポリアニオン性ポリマーの少なくとも一つの層をさらに含む、請求項2〜9のいずれか一項記載の医療用デバイス。
  11. 前記コア材料が、ヒドロゲル、特にシロキサン含有ポリマーである、請求項1〜10のいずれか一項記載の医療用デバイス。
  12. 請求項1に記載の医療用デバイスを製造する方法であって、
    (a)前記医療用デバイスを、電荷を有するポリマー材料の溶液と接触させて、電荷を有するポリマー材料の層を形成する工程、
    (b)場合により、前記医療用デバイスをすすぎ溶液と接触させることによって、前記医療用デバイスをすすぐ工程、
    (c)前記医療用デバイスを、前記生体適合性LbLコーティング中で、電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合できる電荷を有しないポリマー材料の溶液と接触させて、電荷を有するポリマー材料の層の上部に電荷を有しないポリマー材料の層を形成する工程、および
    (d)場合により、前記医療用デバイスをすすぎ溶液と接触させることによって、前記医療用デバイスをすすぐ工程、
    を含む方法。
  13. 前記電荷を有するポリマー材料が、第一のポリアニオン性ポリマーまたは2以上のポリアニオン性ポリマーの混合物であり、前記電荷を有しない材料が、式(I):
    Figure 2005538767

    (式中、
    Rは、2〜8個の炭素原子を有するアルキレンジラジカルであり、
    1は、水素、C1〜C10アルキル、10個までの炭素原子を有するアリール、または14個までの炭素原子を有する、アラルキルもしくはアルカリールであり、
    2は、水素またはC1〜C10アルキルである)
    で示されるビニルラクタムのホモポリマー、1以上の親水性ビニルコモノマーの存在下もしくは非存在下で少なくとも一つの式(I)で示されるビニルラクタムのコポリマー、またはそれらの混合物である、請求項12記載の方法。
  14. 前記接触の少なくとも一つが、前記医療用デバイスを溶液に浸漬させることにより生ずる、請求項12または13記載の方法。
  15. 前記接触の少なくとも一つが、前記医療用デバイスに溶液を吹き付けることにより生ずる、請求項12または13記載の方法。
  16. 前記方法が、(a)〜(d)の工程を3〜20回繰り返すことを含む、請求項12〜15のいずれか一項記載の方法。
  17. 前記医療用デバイスを、電荷を有するポリマー材料の第一の浸漬溶液と接触させて、前記医療用デバイスの表面に前記コーティングの最内層を形成する工程であって、第一の浸漬溶液中の電荷を有するポリマー材料の濃度が、LbLコーティングの親水性を増加させるのに十分高いものである工程を含む、請求項12記載の方法。
  18. 生体適合性LbLコーティングを有するコンタクトレンズを製造する方法であって、
    (e)第一の光学表面を有する第一の型部分および第二の光学表面を有する第二の型部分を含み、前記第一の型部分と前記第二の型部分は、コンタクトレンズ形成キャビティを前記第一の型部分と前記第二の型部分との間に形成するように、互いに支えあうように構成されている、コンタクトレンズを製造するための型を形成する工程、
    (f)少なくとも一つの電荷を有する/電荷を有しない二重層を含み、前記電荷を有する/電荷を有しない二重層が電荷を有するポリマー材料の一層と電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合しうる電荷を有しないポリマー材料の一層とを、特定の順序ではなく含む、転写可能な生体適合性LbLコーティングを、1層づつ被着させる手法を用いて、前記光学表面の少なくとも一つに適用する工程、
    (g)前記型部分が互いに支えあうように、および前記光学表面が前記コンタクトレンズ形成キャビティを画定するように、前記第一の型部分と前記第二の型部分とを位置決めする工程、
    (h)重合性組成物を前記コンタクトレンズ形成キャビティに分配する工程、および
    (i)コンタクトレンズが形成されるように前記コンタクトレンズ形成キャビティの中で前記重合性組成物を硬化し、それにより、前記転写可能な生体適合性LbLコーティングが前記型部分の少なくとも一つの光学表面から脱着して、前記コンタクトレンズが生体適合性LbLコーティングでコーティングされるように、前記形成されたコンタクトレンズに再付着する工程、
    を含む方法。
  19. (a)前記光学表面の少なくとも一つを、電荷を有するポリマー材料の溶液と接触させて、電荷を有するポリマー材料の層を形成する工程、
    (b)場合により、前記光学表面の少なくとも一つをすすぎ溶液と接触させることによって、前記光学表面の少なくとも一つをすすぐ工程、
    (c)前記光学表面の少なくとも一つを、前記生体適合性LbLコーティング中で、電荷を有するポリマー材料に非共有結合的に結合できる電荷を有しないポリマー材料の溶液と接触させて、電荷を有するポリマー材料の層の上部に電荷を有しないポリマー材料の層を形成する工程、および
    (d)場合により、前記光学表面の少なくとも一つをすすぎ溶液と接触させることによって、前記光学表面の少なくとも一つをすすぐ工程
    を含む方法であって、前記転写可能な生体適合性LbLコーティングを、前記光学表面の少なくとも一つに適用する、請求項18記載の方法。
  20. 前記接触の少なくとも一つが、前記光学表面の少なくとも一つを溶液に浸漬させることにより生ずる、請求項19記載の方法。
  21. 前記接触の少なくとも一つが、前記光学表面の少なくとも一つに溶液を吹き付けることにより生ずる、請求項19記載の方法。
  22. 前記方法が、(a)〜(d)の工程を3〜20回繰り返すことを含む、請求項19〜21のいずれか一項記載の方法。
  23. 前記電荷を有するポリマー材料が、第一のポリアニオン性ポリマーまたは2以上のポリアニオン性ポリマーの混合物であり、前記電荷を有しない材料が、式(I):
    Figure 2005538767

    (式中、
    Rは、2〜8個の炭素原子を有するアルキレンジラジカルであり、
    1は、水素、C1〜C10アルキル、10個までの炭素原子を有するアリール、または14個までの炭素原子を有する、アラルキルもしくはアルカリールであり、
    2は、水素またはC1〜C10アルキルである)
    で示されるビニルラクタムのホモポリマー、1以上の親水性ビニルコモノマーの存在下もしくは非存在下で少なくとも一つの式(I)で示されるビニルラクタムのコポリマー、またはそれらの混合物である、請求項19〜22のいずれか一項記載の方法。
  24. 前記転写可能な生体適合性LbLコーティングのキャッピング層が、電荷を有するポリマー材料の層である、請求項19〜23のいずれか一項記載の方法。
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