JP2005538536A - 破砕防止超薄ガラス及びその取り扱い - Google Patents

Abstract

本願明細書に記載された発明は、分離可能な結合を介した安定な支持体上の薄ガラス及び超薄ガラス（２００μｍを本質的に上回らない厚さを有するガラス）を取り扱いかつ加工し、その際、生じた構造物は従来のガラス用に更に利用することができる構想を提供する。薄ガラスは、薄く、軽くかつフレキシブルな適用を実現することができる重要な基板材料である。

Description

本発明は、安定化されている、薄ガラス又は超薄ガラス（この「超薄」の表現は以後、薄ガラス並びに超薄ガラスを含める）、つまり最大で２００μｍの厚さのガラス及びその使用に関する。

超薄ガラスは、特に電子工学において基板として使用される。殊に、例えばＯＬＥＤ又はＬＣＤ技術をベースとする特に軽く又は面積を節約する又はフレキシブルな電子デバイス又は可塑性のディスプレーを製造する場合には、この超薄ガラスはフレキシブルな、化学的に極端に抵抗性の基板であり、このような超薄ガラスが有利に使用される。

しかしながら、このような最薄ガラスは、全てのガラスに共通の、脆性でありかつ特に縁部で損傷が生じた後に割れやすいという重大な欠点がある。

安定化のために、ガラスについてのその「厚さ」のために、既に適度にフレキシブルでかつ曲げやすいこの超薄ガラスは、安定化する被覆、有利にポリマー層で被覆され、この被覆はガラスにいわば背面から貼り付けられる。この安定化は、しかしながら多くの場合に、例えば現存の生産ライン中で超薄ガラスを使用する際には不十分である。その結果、一方で、ガラスが割れかつ高い故障率を示し、他方では生産ライン中の薄ガラス破壊による清掃費用及び整備費用が必要となる。

従って、本発明の課題は、搬送することができかつ現存の生産ライン中で使用することができるように安定化された超薄ガラスを提供することであった。更に、本発明の課題は、このガラスの使用に関する。

本発明の対象は、安定な支持体上に分離可能に固定されている約２００μｍ未満の厚さを有する超薄ガラスである。

加工すべき基板（薄ガラス及び超薄ガラス）を、分離可能な、つまり可逆的に結合可能な接触を用いて、同様の化学的及び物理的特性を有することができる安定な支持体上に固定する場合に、例えばフレキシブルではないつまり超薄ではないガラス基板を用いたＯＬＥＤ生産のための現存の生産技術を、調整せずに利用できかつかつ不良品を最小にすることができる。安定な支持体を用いたこの提案されたシステムは、ガラスの生産から最終製品まで一貫して使用することができるか、又は個々の生産工程のために適当に変えて使用及び利用することができる。例えば、安定な支持体は超薄ガラスを搬送の際に支持することができ、付加的な、他の化学的及び／又は物理的特性を有する支持体は有機発光ダイオードのＩＴＯ層（酸化インジウムスズ）の製造の際に支持することができ、かつ第３の支持体はホール輸送材料などの被覆の際に支持することができる。

実施態様によると、超薄ガラスは支持体上に結合層を用いて分離可能に固定されている。

結合層として、任意の種類の接着剤及び／又は被覆を利用することができる。超薄ガラスに金属層を蒸着させ、次いで磁性の支持体上に固定することも考えられる。更に、超薄ガラスを、例えば再剥離可能な接着層を用いて安定な支持体に固定することも考えられる。

同様に、このガラスは支持体上に、例えば小型化された吸引ノブを用いて、点状で分離可能に固定されていることも考えられる。

この安定化された支持体は、通常の厚さのガラスであることができるため、超薄ガラスと類似する又は同じ化学的及び／又は物理的特性を有する。この実施態様は、超薄ガラスが電子デバイス用の基板として多様な環境、例えば温度、溶剤、蒸着等にさらされる現存の生産技術又は生産ラインにおいて超薄ガラスを使用するために適している。安定な支持体として使用するために適した材料には制限はなく、金属、天然及び合成の有機及び無機の種類の全ての材料を含むことができる。

この安定な支持体は、更に交換することもでき、超薄ガラスを搬送の際に固定している金属からなる安定な支持体を、生産ラインにおいて超薄ガラスを固定するガラス製の安定な支持体に交換することも可能である。

この交換は、例えば超薄ガラスが異なる場所の複数の生産工程を通過しなければならない場合によりいっそう多くなる。この場合に、搬送のための安定な支持体は、生産ラインにおいて特に使用される１つ又は複数の支持体と取り換えることができる。この場合に、安定な支持体に関する要求は相互に異なっており、搬送のために利用する安定な支持体は、超薄ガラスの縁部から張り出していることができ、超薄ガラスを生産の間に支持する他の安定な支持体は、この支持体を加工のための存在する形状及び構造に合わせるために、その寸法が超薄ガラスに正確に一致する。

安定な支持体の化学的及び物理的特徴に関する要求も全く異なることができるため、一方で安定な支持体は同じ熱膨張係数及び同じ化学的反応性を有することが好ましく、他方で安定な支持体の引き離しの際、つまり被覆が完了しかつ／又は目的の場所に存在する超薄ガラスを安定な支持体から分離する際に、支持体を剥離させる又は溶解させる手段及び場合により層構造を有する超薄ガラスを無傷に維持する手段を設けるのが好ましい。分離又は固定のための手段は、全ての種類の放射線（ＵＶ、ＩＲ、マイクロ波等）、被覆、接着、磁性による固定、気体、液体又は固体の溶剤、ゲル、ネット、格子又は支持体に破壊作用を及ぼすことができる機械的作用である。

この安定な支持体は、例えば結合層を介して超薄ガラスと結合されている。この場合に、安定な支持体の固定及び／又は分離は、ＵＶ照射、溶剤の適用又はマイクロ波照射等によっても行うこともできる。結合層の要求は使用に応じて異なっており、結合層は超薄ガラスの所望な固定を可能にする（例えば金属蒸着及び磁性の安定な支持体上への固定の場合）か、又は超薄ガラスをより厚いガラス又はプラスチックと少なくとも一時的に接着する凝着であることができる。

更に、基板及び支持体を一つの製品として製造することも可能である。この場合に、２つのガラス、ここでは薄ガラスと支持体とを、生産の間に、つまりなお凝固されていない状態で、液体ガラス又はガラスハンダで点状に結合させる態様が特に有利である
この超薄ガラスはその製造又は生産直後に安定な支持体上に固定され、次いで、電子素子の基板としてそれを加工する全ての期間及び異なる加工場所へそれを搬送する全ての期間の間に、一つの安定な支持体上に固定されているのが有利である。この場合に、この支持体は常に同じ支持体のままである必要はなく、異なる支持体であることもできる。この超薄ガラス基板は、一実施態様の場合には、電子素子のカプセル化が完了した後に初めて、この電子素子を電子デバイス中に組み込む直前に、（最後の）安定な支持体か分離される。超薄ガラスが再剥離されている場合、この超薄ガラスは例えば再びその所望な柔軟性及び／又は本来の特性を有する。

電子素子として、例えば超薄ガラスからなる基板上のカプセル化が完了したＯＬＥＤが挙げられ、この電子素子は電子デバイス、例えば光検出器中に組み込まれる。

もちろん、安定な支持体からの引き離しは、超薄ガラスの加工のそれぞれの箇所で行うことができる。

安定な支持体が超薄ガラスからもはや完全に引き離すことができない場合には、この超薄ガラスの該当する領域をガラスカッターにより切り出すこともできる。

超薄ガラス状の又は超薄ガラス間に製造されたフレキシブルな電子デバイスは、例えば太陽電池又は光検出器、有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）、ディスプレー又は電子デバイスの側が有利に透明である同様の適用物である。

本願明細書に記載された発明は、分離可能な結合を介した安定な支持体上の薄ガラス及び超薄ガラス（２００μｍを本質的に上回らない厚さを有するガラス）を取り扱いかつ加工し、その際、生じた構造物は従来のガラス用にさらに利用することができる初めての構想を提供する。薄ガラスは、薄く、軽くかつフレキシブルな適用を実現することができる重要な基板材料である。このガラスは極めて壊れやすいために、搬送、清浄化及び加工する方法が唯一欠けているために、今までは大規模な市場導入が妨げられていた。

Claims (7)

1. 安定な支持体上に分離可能に固定されている約２００μｍ未満の厚さを有する超薄ガラス。
2. 結合層を用いて安定な支持体上に分離可能に固定されている、請求項１記載の超薄ガラス。
3. 安定な支持体上に可逆的に分離可能に固定されている、請求項１又は２記載の超薄ガラス。
4. 安定な支持体が化学特性及び／又は物理特性の点で超薄ガラスに適合されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の超薄ガラス。
5. 安定な支持体は、厚さを除いた寸法において、超薄ガラスに正確に一致するか又は超薄ガラスから張り出している、請求項１から４までのいずれか１項記載の超薄ガラス。
6. 安定な支持体上での固定が、支持体の剥離又は溶解により解消される、請求項１から５までのいずれか１項記載の超薄ガラス。
7. 超薄ガラスが、少なくとも一時的に、搬送の間及び／又は加工の間及び／又は電子素子のカプセル化の前に少なくとも１回、安定な支持体上に分離可能に固定されている、フレキシブルな電子デバイスの製造のための超薄ガラスの使用。