JP2002134272A - エレクトロルミネセンス素子及びその作製方法 - Google Patents

エレクトロルミネセンス素子及びその作製方法

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JP2002134272A JP2000324882A JP2000324882A JP2002134272A JP 2002134272 A JP2002134272 A JP 2002134272A JP 2000324882 A JP2000324882 A JP 2000324882A JP 2000324882 A JP2000324882 A JP 2000324882A JP 2002134272 A JP2002134272 A JP 2002134272A
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Akihiko Kanemoto
明彦 金本
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
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    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 EL素子の作製に転写法によるパターン作成
技術を応用し、耐熱温度が低いプラスチック基板上に形
成する透明電極の抵抗値を小さくする。 【構成】 第一の基板(1)上に剥離層(2)を設ける
工程と、該剥離層上に透明電極3とその対向電極6、発
光層5などを成膜してEL素子部分を形成する工程と、
該EL素子部分上に接着層8を形成し、前記EL素子部
分を第二の基板9に転写する工程と、第二の基板9に転
写された前記EL素子部分上にバリヤ層10を設ける工
程とによって作製されるEL素子。第一の基板は、14
0〜160℃程度の耐熱性を有するため、透明電極材料
3を結晶化することが可能で、比抵抗を2×10−4Ω
cm以下の低抵抗とすることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロルミネ
センス素子(以下、EL素子という)及びEL素子の作
成方法に関し、さらに詳しくは、EL素子の作製に転写
法によるパターン作成技術を応用し、耐熱温度が低いプ
ラスチック基板上に形成する透明電極の抵抗値を小さく
することが可能なEL素子及びEL素子の作製方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】EL素子は、液晶素子に続く表示方式の
一つとして大きな期待を集めている。特に、カラー表示
においてはバックライトを必要としないため、表示装置
の厚さや消費電力の点で優れ、かつ液晶素子のように視
認性に大きな視角依存性を持たないために見やすい表示
が可能である。
【0003】EL素子は、携帯用途のカラー表示装置と
しては液晶にも優る可能性を持っており、EL素子の基
板をプラスチック化し薄型で割れ難いという携帯性の良
さをさらに高めることが望まれている。しかしながら、
プラスチック基板上の透明電極(例えばITO)の抵抗
値は、プラスチック基板の耐熱性の限界からあまり小さ
くすることはできず、電流駆動型素子であるEL素子は
この点で液晶素子(LCD)に劣る可能性があった。
【0004】また、プラスチック基板は水や酸素を透過
しやすくバリヤ性が低いために、プラスチック基板を用
いてEL素子を作ったのでは、ダークスポットなどの不
良の発生が多発し、耐久性の点で十分なものは作製でき
なかった。
【0005】特開平5−142414号公報には、転写
法によって液晶用カラーフィルタのパターンを作製する
技術が開示されており、この方法によれば平坦性に優れ
たカラーフィルタを安価に作製できることが知られてい
る。そして、転写法によるパターン作製では前記メリッ
トの他に、転写される側の基板(以下、第二の基板と呼
ぶ)として高耐熱性の材質を用いる必要はなく、携帯用
途として優れているプラスチック基板を用いて各種のE
L素子などを作製することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】EL素子においては、
その駆動方法が液晶素子とは異なり電流駆動であるため
透明電極の抵抗値を十分に下げる必要があるが、プラス
チック基板上に直接透明電極を成膜する場合には基板の
耐熱温度が低いという制約により、低抵抗値の透明電極
を成膜することは不可能であった。つまり第一の基板を
ガラスのような耐熱基板とし、この上で低抵抗の透明電
極を成膜、パターニングして第二の基板に転写すれば、
非耐熱性である第二の基板上に低抵抗の透明電極を形成
することが可能となる。
【0007】また、プラスチック基板のバリヤ性を増す
ためには、ポリビニルアルコール系、ポリ弗化ビニリデ
ン系樹脂などが使われており、液晶用途としては実績も
あるが、本発明においては特に有機EL素子用のガスバ
リヤ層としては、SiOx,SiNx,MgF,In
など無機系バリヤ材料が良好であることを確認し
た。また無機系バリヤ材料は、これを数ミクロン以上の
厚膜として成膜した場合、脆くてクラックを生じやすい
ために、本発明ではバリヤ層を転写しない構成とした。
【0008】したがって、本発明の目的は、EL素子の
作製に転写法によるパターン作成技術を応用し、耐熱温
度が低いプラスチック基板上に形成する透明電極の抵抗
値を小さくすることが可能なEL素子及びその作製方法
を提供することである。
【0009】また、本発明の目的は、水や酸素を透過し
やすいプラスチック基板を用いるにもかかわらずバリヤ
性高く、不良の発生が少なく、耐久性に優れたEL素子
及びその作製方法を提供することである。
【0010】また、本発明の目的は、EL素子の全作製
工程の最高プロセス温度を低くして、良好な特性で安価
なEL素子及びその作製方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を達成するためになされたものであって、その第1の技
術手段は、第一の基板上に剥離層を設け、該剥離層上に
透明電極、発光層、対向電極などを成膜してEL素子部
分とし、該EL素子部分上に接着層を形成して前記EL
素子部分を第二の基板に転写し、該第二の基板に転写さ
れた前記EL素子部分上にバリヤ層を設けたEL素子で
あることを特徴とする。
【0012】第2の技術手段は、第1の技術手段のEL
素子において、前記第一の基板は140〜160℃程度
の耐熱性を有し、前記透明電極材料は結晶化され、比抵
抗が2×10−4Ωcm以下であることを特徴とする。
【0013】第3の技術手段は、第1または第2の技術
手段のEL素子において、前記第二の基板の耐熱温度は
140〜160℃以下であることを特徴とする。
【0014】第4の技術手段は、第1乃至第3の技術手
段のEL素子において、前記バリヤ層の外側にハードコ
ート層を配置したことを特徴とする。
【0015】第5の技術手段は、第1乃至第4の技術手
段のEL素子において、前記バリヤ層がSiOx,Si
Nx,MgF,In,のいずれか、またはこれ
らの組み合わせから形成したことを特徴とする。
【0016】第6の技術手段は、第4または第5の技術
手段のEL素子において、前記ハードコート層がアクリ
ル系,エポキシ系,アクリルエポキシ系,フェノキシ
系,イミド系,アミド系樹脂のいずれか、またはこれら
の組み合わせから形成したことを特徴とする。
【0017】第7の技術手段は、第一の基板上に剥離層
を設ける工程と、該剥離層上に透明電極、発光層、対向
電極などを成膜してEL素子部分を形成する工程と、該
EL素子部分上に接着層を形成し、前記EL素子部分を
第二の基板に転写する工程と、該第二の基板に転写され
た前記EL素子部分上にバリヤ層を設ける工程とからな
るEL素子の作製方法であることを特徴とする。
【0018】第8の技術手段は、第7の技術手段のEL
素子の作製方法において、前記第一の基板は140〜1
60℃程度の耐熱性を有し、全作製工程中の最高プロセ
ス温度を140〜160℃程度として前記透明電極材料
を結晶化させ、前記透明電極の比抵抗を2×10−4Ω
cm以下とすることを特徴とする。
【0019】第9の技術手段は、第7または第8の技術
手段のEL素子の作製方法において、前記第二の基板の
耐熱温度は140〜160℃以下であることを特徴とす
る。
【0020】第10の技術手段は、第7乃至第9の技術
手段のEL素子の作製方法において、前記バリヤ層の外
側にハードコート層を配置することを特徴とする。
【0021】第11の技術手段は、第7乃至第10の技
術手段のEL素子の作製方法において、前記バリヤ層が
SiOx,SiNx,MgF,In,のいずれ
か、またはこれらの組み合わせから形成することを特徴
とする。
【0022】第12の技術手段は、第10または第11
の技術手段のEL素子の作製方法において、前記ハード
コート層がアクリル系,エポキシ系,アクリルエポキシ
系,フェノキシ系,イミド系,アミド系樹脂のいずれ
か、またはこれらの組み合わせから形成することを特徴
とする。
【0023】第13の技術手段は、高分子材料からなる
基板上に透明電極、発光層、対向電極などを成膜してE
L素子部分を形成する全作製工程中の最高プロセス温度
が140〜160℃以下であるEL素子において、前記
透明電極の比抵抗が4×10 −4Ωcm以下であること
を特徴とする。
【0024】第14の技術手段は、高分子材料からなる
基板上に透明電極、発光層、対向電極などを成膜してE
L素子部分を形成するEL素子の作製方法において、全
作製工程中の最高プロセス温度が140〜160℃以下
であることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜7に基づいて説明する。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1のEL素子の中
間製品を示す模式的断面図である。第一の基板1として
十分な耐熱性を有するガラス基板を用い、第一の基板1
の上に剥離層2を形成する。次に、剥離層2上に透明電
極3を成膜し、この上にホール輸送層4,発光層5,対
向電極6,保護膜7を順次形成しEL素子部分とし、さ
らにこのEL素子部分上に接着層8を設ける。図1に示
す構成のEL素子では保護膜7が透明電極3、ホール輸
送層4、発光層5、対向電極6の側方を覆い、保護する
ように形成され、また有機薄膜に接する構成となってい
るが、材料により好ましくない場合は、実施例4として
後述するように両者が接しない構成とすることができ
る。
【0026】図2は、図1に示すEL素子の中間製品を
もとに完成させたEL素子を示す模式的断面図である。
図1に示すEL素子の中間製品をもとに、図2に示すよ
うに接着層8によって第二の基板9にEL素子の中間製
品を転写し、第一の基板1上の剥離層2からEL素子部
分、すなわち透明電極3、ホール輸送層4、発光層5、
対向電極6、保護層7からなる部分を剥離する。次に、
剥離された透明電極3上にバリヤ層10を設ける。な
お、発光素子部の構成は以上のような構成に限られるも
のではなく、ホール注入層,電子輸送層,電子注入層が
含まれていても良い。
【0027】図2に示すような実施例1のEL素子で
は、保護膜7もバリヤ性を有することが好ましい。ま
た、第二の基板9が高分子からなるフィルムやシートで
ある場合、これらの基板にもバリヤ層が含まれることが
好ましい。これら高分子からなる基板の例としては、耐
熱性と光学的平面性を兼ね備えたポリエチレンテレフタ
レート,ポリエチレンナフタレート,ポリカーボネー
ト,ポリエーテルスルホン,ポリイミド,ポリアリレー
ト等が挙げられる。
【0028】一般に有機薄膜層は加熱に弱いため、EL
素子の発光層や電荷輸送層が有機化合物である場合、透
明電極以外の成膜ではそれほど基板を加熱することはで
きない。したがって、転写するパターンを作る側の基板
(第一の基板)の耐熱温度は、透明電極の成膜時に既に
第一の基板面に成膜されている剥離層材料で決まる。
【0029】剥離層2は接着層8などの各種層の形成時
は安定であり、第一の基板1とEL素子部分との接着機
能を有しており、分離の際には、光,熱などのエネルギ
ー、またはアルカリ,酸,有機溶媒などの化学的作用な
どによって分離機能が発現するものである。これらの作
用によって、剥離層2を構成する物質の原子間、分子間
の結合力が消失、または減少したり、気体が放出される
などして分離効果が発現されて、層内剥離、または界面
剥離に至るものが望ましい。これらの材料としては、ア
モルファスシリコン,酸化けい素,酸化チタンなどの各
種金属酸化物、ポリエチレン,ポリイミド,ポリエステ
ル,ポリメチルメタクリレートなどの各種ポリマー材
料、Al,Li,Mn,In,Tiなどの金属、または
合金などが挙げられる。
【0030】これらを用いた剥離層の形成方法は、材
料,膜厚にもよるが、CVD,蒸着,スパッタリングな
どの気相成膜法、電気メッキ,無電解メッキなどのメッ
キ法、スピンコート,スプレー塗布,浸漬塗布などの塗
布法などが挙げられるが、特に限定されるものではな
い。剥離層の膜厚は、剥離方法や用いる材料にもよる
が、10nm〜10μm程度が好ましく、できるだけ均
一であることが好ましい。
【0031】剥離層2の耐熱温度は透明電極3の性質を
左右する。第一の基板1がガラスのような耐熱性を持っ
ている場合は、剥離層2の耐熱温度140〜160℃以
上であることが好ましい。代表的な透明電極材料である
ITOは、その成膜温度や処理温度が140〜160℃
以下である場合、結晶性の充分高い膜を得ることが不可
能で、その比抵抗は2×10−4Ωcm以下にすること
は困難である。逆に剥離層2の耐熱温度がこれより高け
れば、ガラスと同じ程度の体積抵抗値を持ったITOを
成膜することが可能となり好ましい。
【0032】ただし、EL素子全体のサイズが小さい場
合や、アクティブ素子でEL素子を駆動する場合は、透
明電極の抵抗値がガラスと同程度に低い必要がなく、I
TOはアモルファス状のものでも使用することができ
る。ただし、このときITOを140〜160℃以上に
熱するとITOが結晶化し、表面に凹凸を生じることが
ある。したがって、アモルファス状のITOを成膜した
後の工程でこのような加熱を行うのは好ましくなく、素
子破壊の原因となる。
【0033】透明電極3として用いることのできる材料
としては、In,SnO,ZnO,CdO,T
iO,In−Sn,SnO−Sbなどの酸化
物半導体薄膜、Au,Ag,Ptなどの金属薄膜、Ti
N,ZrNなどの導電性窒化物薄膜等公知のものが用い
られ、特に酸化物半導体薄膜でITO、酸化亜鉛、酸化
スズが好ましい。その製法については、たとえば、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、
CVD法等の物理的方法、印刷法、塗布法、化学蒸着法
などの化学的方法が挙げられる。
【0034】次に、接着層8としては、反応硬化型接着
剤,熱硬化型接着剤,光硬化型接着剤などが挙げられ
る。これらの構成材料としてはエポキシ系,アクリル
系,シリコーン系等いかなるものでも構わない。これら
の接着層の形成方法は、主に塗布法が適しているが特に
限定されるものではない。
【0035】(実施例2)図3は、本発明の実施例2の
EL素子の中間製品を示す模式的断面図、図4は、図3
の中間製品をもとにして作製されたEL素子を示す模式
的断面図である。石英基板21(50×50mm,厚さ
1.0mm)上に剥離層22としてポリイミドをスピン
コート法にて200nm塗布した。石英基板21の温度
を200℃に保ち、この上に透明導電膜23としてIT
Oをスパッタリング法にて形成した。同じ条件でITO
を成膜したときの比抵抗は1×10−4Ωcmであっ
た。さらに、ITO23の上にホール輸送層24とし
て、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3メチル
フェニル)−1、1’ビフェニル−4、4’−ジアミン
(以下、TPDという)を60nm蒸着した。次に、発
光層25としてジシアノメチレンピラン系化合物(以
下、CMPという)とクマリン系化合物を50nm共蒸
着した。CMPとクマリン系化合物の重量比は1:8で
あった。次に、電子輸送層26として、アルミニウムキ
ノレート(以下、Alqという)を25nm蒸着し、そ
の上に銀とマグネシウムからなる対向電極27を150
nm共蒸着した。
【0036】対向電極27の上に、保護層28としてS
iOxを成膜した。次に、保護層28の上に紫外線硬化
型の接着層29を塗布し、高分子材料からなる第二の基
板30を、気泡が入らないように積層して、第二の基板
30側から紫外線を照射して接着層29を硬化させ、E
L素子部分、すなわち透明電極23、ホール輸送層2
4、発光層25、電子輸送層26、対向電極27、保護
層28を第二の基板30に転写した。転写後、ITO2
3の上を覆うようにバリヤ層31としてSiOxを2μ
m成膜した。
【0037】このようにして作製したEL素子は、基板
30が高分子材料からなるためにガラス基板を用いた第
1実施例の作成方法によって作成したEL素子よりもは
るかに軽く、携帯用として非常に好ましいものであっ
た。高分子基板の厚さが0.15mmのときと、ガラス
基板の厚みが0.5mmのときでは、その重さの比は
1:6程度であった。実際に種々の商品としてアセンブ
ルする際には、ガラス基板が割れないように、しかもし
っかりと固定する必要があるための部材を用いる必要が
あるために、この重さの違いはさらに大きくなる。
【0038】(比較例1)なお、実施例2において、図
3の剥離層22とITO23の間に予めSiOxを2μ
m成膜し、実施例2と同様に第二の基板30に転写した
ところ、転写後のSiOx層には多数のクラックが発生
し、EL素子は初期からほとんど発光しなかった。
【0039】(実施例3)図4に示す実施例2のEL素
子の完成品では、EL素子の最外表面がSiOxになっ
ている。SiOxが最外表面にある場合は、他の突起物
との接触などによって表面に傷が入る場合がある。この
場合バリヤ性は著しく劣化するので、図5に示したよう
に最外表面には有機ハードコート層32を設けるのが好
ましい。
【0040】(実施例4)図6は、実施例1または実施
例2のEL素子とは異なる実施例4のEL素子を示す図
である。実施例4のEL素子は、ガラス基板41の上に
剥離層42、透明電極43、ホール輸送層44、発光層
45、対向電極46を成膜した後、接着剤50を用いて
封止材48を透明電極43の外周部分上に貼り合わせて
いる。対向電極46と封止材48の間には間隙47が形
成されており、封止材48とホール輸送層44、発光層
45の有機機能性材料が接触しない構成となっている。
間隙47には乾燥窒素が封入されており、間隙を維持す
るために液晶表示素子などに用いられるスペーサを介在
させる。これ以後の工程は、既述と同様の方法で高分子
からなる第二の基板にEL素子部分を転写した。このよ
うにして作製したEL素子は、軽く、しかも信頼性に優
れたものであった。
【0041】(実施例5)図7は、転写を行わずに高分
子材料からなる基板上にEL素子部分を作製する実施例
5のEL素子を示す図である。ポリカーボネート基板6
1の温度を100℃以下に保って、ITOのスパッタリ
ングにより透明電極62を成膜した。このときのITO
の比抵抗は5×10 Ωcmであった。この程度の比
抵抗のITOを成膜するには高温加熱を必要とせず、し
かも短時間内で成膜を終えることが可能であるため、コ
スト上有利である。
【0042】その後、順次ホール輸送層63,発光層6
4,対向電極65,保護層66を成膜した。これらの成
膜には140℃以上の加熱は必要としないので、本実施
例のEL素子は全て140℃以下の工程で作製すること
が可能である。このようにして作製したEL素子は、安
価で軽く、携帯用途には非常に好ましいものであった。
【0043】(比較例2)なお、図7に示す実施例5に
おいて保護膜66を加熱硬化型のエポキシ樹脂とし、1
50℃で1時間の加熱処理を行い、比較例2とした。作
製した比較例2のEL素子は、当初から発光しなかった
ため解析、分析を行ったところ、透明電極62が結晶化
してその表面に凹凸を生じ、ホール輸送層63,発光層
64を突き破って対向電極65と接触してショートして
いることがわかった。
【0044】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
によれば次のような効果を奏する。EL素子の作製に転
写法を採用することによって、多様な基板上にEL素子
を作製することが可能となり、しかも信頼性に優れたE
L素子を提供することが可能となった。(請求項1、請
求項7)
【0045】第一の基板は140〜160℃程度の耐熱
性を有し、透明導電膜を140〜160℃程度で製膜で
きるため、前記透明電極材料は結晶化され、低抵抗とす
ることができるので、輝度や信頼性の点で優れたEL素
子を提供することが可能となった。(請求項2、請求項
8)
【0046】第2の基板の耐熱温度が140〜160℃
以下であるため、高分子材料を基板としてもEL素子が
作製可能で、携帯用途に極めて好適なEL素子を提供す
ることが可能となった。(請求項3、請求項9)
【0047】バリヤ層の外側にハードコート層を備えて
いるので、バリヤ層のみを持つEL素子よりも更に信頼
性に優れたEL素子を提供することが可能となった。
(請求項4、請求項10)
【0048】バリヤ性が良好で信頼性に優れたEL素子
を提供することが可能となった。(請求項5、請求項1
1)
【0049】信頼性に優れたEL素子を提供することが
可能となった。(請求項6、請求項12)
【0050】EL素子を作製する全工程中のプロセス温
度が140〜160℃以下であるために、アモルファス
状のITOを使用しても良好な特性のEL素子を作製す
ることが可能となり、安価なEL素子を提供することが
可能となった。(請求項13、請求項14)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のEL素子の中間製品を示
す断面図である。
【図2】 図1に示すEL素子の中間製品をもとに完成
させたEL素子を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施例2のEL素子の中間製品を示
す断面図である。
【図4】 図3に示すEL素子の中間製品をもとに完成
させたEL素子を示す断面図である。
【図5】 最外表面に有機ハードコート層を設けたEL
素子を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施例4のEL素子を示す断面図で
ある。
【図7】 本発明の実施例5のEL素子を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1…第一の基板(ガラス基板)、2…剥離層、3…透明
電極、4…ホール輸送層、5…発光層、6…対向電極、
7…保護層、8…接着層、9…第二の基板、10…バリ
ヤ層、21…第一の基板(石英基板)、22…剥離層
(ポリイミド)、23…透明電極(ITO)、24…ホ
ール輸送層(TPD)、25…発光層、26…電子輸送
層(Alq)、27…対向電極、28…保護層、29…
接着層、30…第二の基板、31…バリヤ層、32…ハ
ードコート層、41…第一の基板(ガラス基板)、42
…剥離層、43…透明電極、44…ホール輸送層、45
…発光層、46…対向電極、47…間隙、48…封止
材、49…接着層、50…接着材、61…ポリカーボネ
ート基板、62…透明電極、63…ホール輸送層、64
…発光層、65…対向電極、66…保護層。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の基板上に剥離層を設け、該剥離層
    上に透明電極、発光層、対向電極などを成膜してエレク
    トロルミネセンス素子部分(以下、EL素子部分とい
    う)とし、該EL素子部分上に接着層を形成して前記E
    L素子部分を第二の基板に転写し、該第二の基板に転写
    された前記EL素子部分上にバリヤ層を設けたことを特
    徴とするエレクトロルミネセンス素子(以下、EL素子
    という)。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のEL素子において、前記
    第一の基板は140〜160℃程度の耐熱性を有し、前
    記透明電極材料は結晶化され、比抵抗が2×10−4Ω
    cm以下であることを特徴とするEL素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のEL素子におい
    て、前記第二の基板の耐熱温度は140〜160℃以下
    であることを特徴とするEL素子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれか記載のEL素子
    において、前記バリヤ層の外側にハードコート層を配置
    したことを特徴とするEL素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれか記載のEL素子
    において、前記バリヤ層がSiOx,SiNx,MgF
    ,In,のいずれか、またはこれらの組み合わ
    せから形成したことを特徴とするEL素子。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載のEL素子におい
    て、前記ハードコート層がアクリル系,エポキシ系,ア
    クリルエポキシ系,フェノキシ系,イミド系,アミド系
    樹脂のいずれか、またはこれらの組み合わせから形成し
    たことを特徴とするEL素子。
  7. 【請求項7】 第一の基板上に剥離層を設ける工程と、
    該剥離層上に透明電極、発光層、対向電極などを成膜し
    てEL素子部分を形成する工程と、該EL素子部分上に
    接着層を形成し、前記EL素子部分を第二の基板に転写
    する工程と、該第二の基板に転写された前記EL素子部
    分上にバリヤ層を設ける工程とからなることを特徴とす
    るEL素子の作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のEL素子の作製方法にお
    いて、前記第一の基板は140〜160℃程度の耐熱性
    を有し、全作製工程中の最高プロセス温度を140〜1
    60℃程度として前記透明電極材料を結晶化させ、前記
    透明電極の比抵抗を2×10−4Ωcm以下とすること
    を特徴とするEL素子の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記第二の基板の耐熱温度は、140〜
    160℃以下であることを特徴とする請求項7または8
    記載のEL素子の作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9いずれか記載のEL素
    子の作製方法において、前記バリヤ層の外側にハードコ
    ート層を配置することを特徴とするEL素子の作製方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至10いずれか記載のEL
    素子の作製方法において、前記バリヤ層がSiOx,S
    iNx,MgF,In,のいずれか、またはこ
    れらの組み合わせから形成することを特徴とするEL素
    子の作製方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載のEL素子
    の作製方法において、前記ハードコート層がアクリル
    系,エポキシ系,アクリルエポキシ系,フェノキシ系,
    イミド系,アミド系樹脂のいずれか、またはこれらの組
    み合わせから形成することを特徴とするEL素子の作製
    方法。
  13. 【請求項13】 高分子材料からなる基板上に透明電
    極、発光層、対向電極などを成膜してEL素子部分を形
    成する全作製工程中の最高プロセス温度が140〜16
    0℃以下であるEL素子において、前記透明電極の比抵
    抗が4×10 Ωcm以下であることを特徴とするE
    L素子。
  14. 【請求項14】 高分子材料からなる基板上に透明電
    極、発光層、対向電極などを成膜してEL素子部分を形
    成するEL素子の作製方法において、全作製工程中の最
    高プロセス温度が140〜160℃以下であることを特
    徴とするEL素子の作製方法。
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