JP2005536722A - 電力計算パラメータを取得するための方法及び装置 - Google Patents

電力計算パラメータを取得するための方法及び装置 Download PDF

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    • G01R21/133Arrangements for measuring electric power or power factor by using digital technique

Abstract

電力計算パラメータを取得するための方法及び装置が提示される。電力の正確な計算は同じ時点での電圧と電流の乗算とその結果の経時的な積算とを必要とする。本発明は単一のアナログデジタル変換器を使用して任意の電気システムの全ての位相における電圧と電流の両方を変換し、次に電圧と電流の信号の非同時サンプリングによって生じる位相エラーをデジタル的に補償する方法を提供する。簡単な補間回路、全域通過フィルタ、又はその両方の組み合わせとして、補償フィルタを実装することができる。アナログデジタル変換器によってどの信号が処理されるかを選択するのに、単一のマルチプレクサが使用される。スケジュール設定して電圧とアナログ信号を同時に変換することにより、クロストークの可能性が有意に低下し、電力要件が低減され、ダイサイズ要件が低減される。

Description

本発明は電力計測の分野に関する。より詳細には、本発明は消費電力の効率的で正確な計測に関する。
ほとんどの家庭用装置は電力で動作する。実際に、今日の経済における大部分の個人用やビジネス用の装置は電力で動作している。従って、消費電力を正確に測定することが最も重要になっている。電力を測定するために使用される計器は、積算電力計として知られている。積算電力計は、単相又は多相のシステムとすることができる。単相のシステムは、電力を単一の入力電圧と電流から測定する。多相システムは、複数波の電源からの電力を測定するために使用される。多相電源は、波形間の位相シフトを用いて互いに重畳された電力の複数波形を有する電気システムである。一般的な電気システムは、単相、2相、又は3相である。本明細書を通して電力計と積算電力計は、電力を測定するための装置として互換的に使用されることに留意されたい。
一般に、電力会社が、家庭毎に旧式の機械式積算電力計を維持している。課金と統計上の目的で、これらのメータは、所定の期間中に家庭で消費した電力の計測値を電力会社に提供するようなっている。電力会社の全ての顧客の電力使用量に関する履歴情報は、発電量要件を決定するのに役立っている。従って、顧客のこれまでの電力使用量を正確に測定する電力会社は、正確に課金することができ、需要が増大する前に新しい発電設備を構築することができる。過剰な発電能力による無駄を排除するために、電力を正確に測定することは電力会社にとって重要なことである。
電力はその時点で測定されるが、合計の消費電力の決定には特定期間にわたって使用された電力を積算することが必要である。電力は電圧(V)と電流(I)の積である。従って、積算電力計は電圧と電流の積を生成して、経時的に積を累積(すなわち積算)する。
多相システムでは、電力方程式は、異なる位相からの電流と電圧の所望の組み合わせに応じて変化する。デジタル技術の進歩と共に、新しい積算電力計は電力計算をデジタル的に実行するので、所望の電力方程式をマイクロコンピュータ内にプログラムすることができる。電力のデジタル計算においては、一般にアナログ値である電圧と電流がサンプリングされて、積を計算する前にデジタル表示に変換される。多相システムでは、幾つかの電圧と電流の積(V*I)が計算されて加算され、電力が算出される。
積算電力計は、測定されることになる電気システムの各位相に対して電流変圧器又はその均等物及び電圧分割器又はその均等物を有する。デジタルシステムでは、相対的な位相を正確に保持するために、各位相における電圧と電流を同時にサンプリングすることが重要である。従って、従来技術の積算電力計は、少なくとも2つの(1つは電圧用にもう1つは電流用の)アナログデジタル変換器を有する。多相メータは通常、各位相からの電圧と電流の同時変換を行うためにADCの入力部においてマルチプレクサを有する。
VとIの波形の同時変換は、これらの相対的な位相を保持するが、少なくとも2つのアナログデジタル変換器を必要とする。これは、余分な電力を消費し、集積回路(IC)に実装するときに比較的大きなダイ面積を必要とする。更に、これは、電圧振幅の1%未満の場合もある極めて小さい電流波形が、電圧と電流チャンネルの間でクロストークの可能性が生じるより大きな電圧波形と同時に処理されることを意味する。電圧チャンネルから電流チャンネルへのクロストークは、許容できないエラーを生じる可能性があるので、積算電力計の精度を有意に低下させる。クロストークは、電源供給、電圧基準、又はダイ基板を通して結合される可能性がある。これはまた、近接する導体からの静電結合又は誘電結合として発生する可能性がある。
現実の実施においては、ほとんどの積算電力計装置は、実際にはVとIを正確に同時にはサンプリングしない。代わりに、これらは、電圧減衰器(又は分割器)又は電流変圧器などのメータのどこかで発生する軽微な位相シフトを補償するためにサンプルの1つをわずかに遅延させる。これらの位相調整は通常、2、3マイクロ秒に過ぎず、変換サンプル間の100マイクロ秒(100μsec)程度と比較して遙かに短い。
本発明は、電力計算パラメータを取得するための方法及び装置を含む。電力の正確な測定は、電圧と電流の乗算を必要とする。一般に、電圧と電流は乗算される前にデジタル表示に変換される。電力使用量の正確な計算は、電圧と電流の同じ時点での乗算とこの結果の経時的な積算とを必要とする。電力使用量の測定のために使用される計器は、積算電力計として知られている。
積算電力計は単相又は多相システムとすることができる。単相のシステムは、単一の入力電圧と電流とから電力を測定する。多相システムは、複数波形の電源からの電力を測定するのに使用される。典型的な電気システムは、単相、2相、又は3相である。本発明の1つ又はそれ以上の実施態様では、単一のアナログデジタル変換器を使用して任意の電気システムの全ての位相における電圧と電流の信号の両方を変換し、電流信号と電圧信号の非同時サンプリングに起因する位相エラーをデジタル的に補償する方法が提供される。
本発明の1つ又はそれ以上の実施態様は、種々の補償フィルタ技術を使用する。補間回路、全域通過フィルタ、又はその両方の組み合わせなどの幾つかの簡単な実装が提示される。本発明の補償フィルタは、先行してサンプリングされた信号(例えば電流)と同じサンプリング間隔で、より遅くサンプリングされた変数(例えば電圧)の値を精密な正確さで計算する。補償フィルタの実施形態は、マルチプレクサの任意のサンプリング間隔で信号の値の正確な計算を可能にする。従って、3相システムでは信号は、6番目のサンプリング時間毎にサンプリングすることができるが、他のサンプリング時間の1つで信号の値を計算してもよい。
あるいは、補償フィルタは、より遅くサンプリングされた変数と同じサンプリング間隔で先行してサンプリングされた変数の値を計算するために位相リードを使用することができる。
単一のマルチプレクサは、単一のアナログデジタル変換器によって、どの信号が処理されるかを選択するのに使用される。1つ又はそれ以上の実施形態では、マルチプレクサの処理を反転させるためにデマルチプレクサが使用される。デマルチプレクサはデジタル回路内に実装される。信号の変換をスケジュール設定するための単一のマルチプレクサと、電圧及びアナログ信号を一度に1つずつ変換する単一のADCとを使用すると、クロストークの可能性が低下し、電力要件が低減され、従来技術のシステムを上回るダイサイズ要件が低減される。
本発明は、電力計算パラメータを取得するための方法及び装置に関する。以下の説明では、本発明をより完全に説明するために多くの特定の詳細が示される。しかしながら、本発明は、これらの特定の詳細がなくても実施することができることは当業者にとは明白であろう。別の場合においては、本発明を不明瞭にしないために公知の特徴は詳細には記載されていない。
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態では、電圧(V)と電流(I)の両方をサンプリングするために、単一のアナログデジタル変換器(ADC)が使用される。しかしながら、単一の変換器は交互にしか信号をサンプリングすることができないので、本発明の実施形態では、補償回路を追加して非同時のサンプリングによって生じる余分な位相遅延を除去する。単一のコンバータを使用することにより、アナログ電圧信号と電流信号のデジタル表示への変換に必要な回路の電力とスペース(ICのダイ面積)の節約が結果として得られる。更に、電圧と電流が同時には変換されないので、クロストークの可能性を有意に低減することができる。
図1は、本発明の実施形態による、単相式の電力計算で使用するための同相デジタル電流・電圧発生システムの図である。図示のように、アナログ電流IAとアナログ電圧VAに比例する入力波形IA101とIB102が、電力計算のためにデジタル表示に変換される。電流は任意の場所で数ミリアンペアから100アンペアを超える値に及ぶ可能性がある。一方で電圧は、対象となる国によりほとんど決まる。例えば、米国では、家庭用の電圧は定格が110ボルトであるが、世界の他の大多数の国では、定格電圧は約240Vである。更に、ほとんどの家庭への電力供給は50Hz又は60Hzの交流電流(AC)の形態である。
ACシステムでは、電流IA101と電圧VA102は連続的に変化するので、両方の信号は、電力を正確に表示するためには同相で乗算されなければならない。しかしながら、アナログデジタル変換器(ADC)110は、一度に1つの信号しか変換することができない。従って、異なる時間で変換するために、マルチプレクサMUX100を使用して電流IA101と電圧のVA102がスケジュール設定される。加えて、ADC110のアナログデジタル変換プロセスに関連する時間は限られている。従って、MUX100は、変換プロセスを完了するのに十分な間、ADCの出力で同じ信号を保持しなければならない。例えば、ADC110が変換を完了するために100マイクロ秒を要すると想定すると、マルチプレクサ制御クロックCLK131は、ADCに次の信号が生じる前に変換プロセスを完了可能とするために、毎秒1/(2×100E−06)サイクル(すなわち5kHZ)の最高速度で動作しなければならない。入力クロックCLK132は、使用中の変換器の型式に依存する、アナログデジタル変換器プロセスブロック110のためのクロックである。一般に、クロックCLK132はクロックCLK131の整数倍である。
各変換プロセスの後で、アナログデジタル変換器110は、入力アナログ信号のNビット幅のデジタル表示を生成する。Nビットがデジタルワードを表示するものと想定すると、ブロックDEMUX120は、ブロック100の多重化プロセスを反転させるように動作する。従って、ブロックDEMUX120は、例えばデジタルデマルチプレクサとして機能することができる。ブロックMUX100及びブロックDEMUX120は、種々の方法で実施可能であることは当業者には明らかであろう。例えば、MUX100及びDEMUX120は、スイッチ、トライステート装置、レジスタなどのような論理ゲートの組み合わせを使用して示すことができる。従って、マルチプレクサとデマルチプレクサは、本明細書では、変換器に対する入力アナログ信号のスケジュール設定、スケジュール設定された信号の正確なデジタル表示の取得を示す例証の目的のためだけに使用される。
DEMUX120においてデジタル電流信号と電圧信号とを分離した後で、信号の非同時サンプリングによって生じる位相シフトは、例えばブロック130で補正することができる。種々の補正方法が使用可能である。例えば、必要な既知の位相進みを与えることになる位相リードネットワークを使用することによって、先行してサンプリングされた信号の位相を進めるような実行を選択することができる。より遅くサンプリングされた信号の位相を遅延させて、先行してサンプリングされた信号の位相と一致するよう、又は全マルチプレクサ・サイクルにADCサンプリング時間を加えた時間だけ遅延させるようにする別の実行を選択することができる。この後者の場合、遅延電圧にマルチプレクサ・サイクルだけ遅延された電流波形を乗算する。この位相遅延手法は、本明細書でより詳細に検討する。しかしながら、本発明は位相遅延手法に限定されないことは明白なはずである。
本発明の1つの実施形態では、電流がサンプリングされた後で電圧信号VA102がサンプリングされるので、電圧VA102はより遅くサンプリングされた信号であり、これは、ブロック130の位相遅延の補償プロセスを説明する例として使用される。遅延補償の目的は、電流と電圧との間の非同時のサンプリングを補償することである。この図に示されるように、位相遅延補償部130は、多重分離された出力電圧V0_RAW122を使用して、デジタル電圧信号V0 112を生成し、これは、デジタル電流信号I0 111と同相である。位相遅延補償130は、電流(すなわちI0 111)がサンプリングされた時間での電圧を表す電圧信号V0 112を生成する。位相遅延補償部130の種々の実装は、「位相遅延補償」と題されたセクションで検討する。
図13は、位相遅延補償の所望の効果を示す時間履歴である。この図では、例えば、ライン1310は図1のクロック信号CLK131を表し、ライン1320は図1のアナログ電圧信号VA102を表し、ライン1330は図1のアナログ電流IA101を表している。クロックの期間1312の間に、アナログデジタル変換器110は、電流信号IA 1330をそのデジタル表示I0 1331に変換している。クロックの立ち上がり1313で表される変換期間の終わりで、ADCは電流のデジタル表示を発生する。従って、時間1313で、デジタル電流I0 1331はADCの出力として発生する。
次に、ADCは、クロック時間期間1314の間に電圧のサンプリングを開始する。時間1315で、電圧V0_RAW1323のデジタル表示が発生する。しかしながら、この電圧は、先行のADCサンプルI0 1331からの電流と共に乗算して任意の離散的サンプル時点での電力の正確な表示を生成することができない。時間1313で正確な電力を生成するためには、電流I0 1331と電圧V0 1332を乗算することが必要となる。しかしながら、電圧V0 1332は、ADC出力として利用可能なサンプルではない。従って、時間1313で電圧V0 1332のデジタル表示を推定することが望ましい。
図13の図から、純粋な遅延が適切でない場合があることは明白である。例えば、点1323の電圧V0_RAWは、点1322の電圧V0より高いので、純粋な遅延(バッファ、シフトレジスタなど)が使用される場合には、計算される電力に誤りがある可能性がある。
電力の計算エラーを低減する1つの方法は、変換時間を短くしてサンプル間の時間を大幅に短縮することである。しかしながら、変換に必要とされる時間は限られているので、どれだけ短縮が達成できるかには限度がある。また、入力アナログ信号の周波数成分の精度を損なう可能性がある。例えば、入力信号の周波数が大きくなるほど、サンプリングされることになる信号の変化率が増大して、サンプル間の増分が大きくなる。
非同時サンプリングによって生じるエラーを低減するための望ましい方法は、電力精度に対してサンプリングが与え得る任意の影響を排除することである。望ましい結果を達成する1つの方法は、現在の電圧サンプルV0_RAW1323と、例えば、時間1311で生じたサンプルVN−11321のような先行する電圧サンプルとの間で補間を行うことである。エラーの振幅、すなわち計算された値V0と実際の値V0との間の差分は、選択された補間の形式と次数(すなわち状態の数)に依存する。デジタル信号に対して所望の補正が適用されるので、所望のアルゴリズムのプログラムだけが必要となる。この位相補正は、デジタル論理で行われるので、電力測定装置は追加のスペースをほとんど必要とせず、付加されるどのような消費電力も最小となる。
多相システム
ほとんどの電気システムは多相となるので、全ての位相についての全消費電力を計算するのが望ましい。従来技術のシステムでは、異なる位相の電流と電圧に対して別々のA/D(アナログデジタル)変換器を使用することができる。幾つかの従来技術のシステムは、一方が電流用で他方が電圧用の2つのA/D変換器を使用する。全ての位相からの電流信号は、一方のマルチプレクサで多重化されると共に、全ての位相からの電圧信号は他方のマルチプレクサで多重化される。電流と電圧のそれぞれのデジタル表示への変換は同時に実行されるので、クロストークを招く環境を作り出すことになる。
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態では、変換プロセス全体に対して1つのマルチプレクサと1つのA/D変換器が使用される。図2は、本発明の実施形態による多相システムの電圧と電流の同相変換を示している。
図示のように、アナログ信号IA201、IB203、IC205は、3相電気システムの3つの位相A、B、Cからの電流を示す。アナログ信号VA202、VB204、VC206は、同じ3相電気システムの3つの位相(A、B、C)からの電圧を示す。これらの信号201から206は、デジタルプロセッサでの電力計算のために、これらの信号のデジタル表示に変換される。電流は、任意の場所で数ミリアンペアから100アンペアを超える範囲に及ぶ可能性がある。一方、電圧は対象となる国にほとんど依存する。大部分の家庭への電力供給は50Hz又は60Hzの交流電流(AC)である。米国では、家庭用の電圧は定格が110Vであり、世界の他の大多数の国では、定格電圧は約240Vである。
電流と電圧の信号は連続して変化するので、同じ電気システムの位相(例えば位相A)からの信号は、電力の正確な表示のために同相で乗算されなければならない。しかしながら、アナログデジタル変換器(ADC)110は、一度に1つの信号しか変換することができない。従って、変換においては、マルチプレクサMUX200を使用して、信号IA201、VA202、IB203、VB204、IC205、VC206がスケジュール設定される。ADC110のアナログデジタル変換プロセスに関連する時間は限られている。従って、MUX200は、変換プロセスを完了するのに十分な間、ADCの入力の所定位置で同じ信号を保持しなければならない。例えば、ADC110が変換を完了させるために100マイクロ秒を要すると想定すると、ADCに次の信号が生じる前に変換プロセスを完了可能とするために、マルチプレクサの制御クロックCLK231は、毎秒1/(6*100E−06)サイクル(すなわち1.67KHz)の最高速度で動作しなければならない。入力信号CKADC232は、アナログデジタル変換器のためのクロックである。クロック周波数は、使用されている変換器の型式に依存する。一般に、クロックCKADC232は、CLK231の整数倍である。
各変換プロセスの後で、アナログデジタル変換器110は、入力アナログ信号のNビット幅のデジタル表示を生成する。Nビットはデジタルワードを表示すると想定すると、ブロックDEMUX220は、ブロック200の多重化プロセスを反転するように動作する。従って、ブロックDEMUX220は、例えばデジタルデマルチプレクサとして機能する。ブロックMUX200とブロックDEMUX220は、種々の方法で実装可能であることは当業者には明らかであろう。例えば、MUX200及び/又はDEMUX220は、スイッチ、トライステート装置、レジスタなどの論理ゲートの組み合わせを使用して示すことができる。従って、マルチプレクサとデマルチプレクサは、本明細書では、変換器に対する入力アナログ信号のスケジュール設定、及びスケジュール設定された信号の正確なデジタル表示の取得を示す例証の目的だけに使用される。例示的なマルチプレクサの簡略化された概略図が図3に示される。
図3に示されるように、A/D変換器のNビットの出力(すなわちADC出力)は、6つのレジスタ301から306のデータ入力(D1−N)に接続される。次いで、レジスタはスイッチ310の出力によってクロック制御される。スイッチは、マルチプレクサをクロック制御するのに使用された同じクロック信号(例えば図2のCLK231)を使用する。必要なことは、あらゆるクロックサイクルでスイッチ310の6つの出力の1つを有効(真)にすることだけであるので、スイッチ310は、例えばカウンタを使用して実装することができる。従って、各クロックサイクルにおいて、A/D変換器からのデジタルデータは、そのCLK信号が有効であるときに適切なレジスタに記憶される。この図では、多重分離されたデジタルデータは、I0_RAW、V0_RAW、I1_RAW、V1_RAW、I2_RAW、V2_RAWとして利用可能である。
図2に戻ると、DEMUX220内のデジタル電流信号と電圧信号とを分離した後で、各位相における信号の非同時サンプリングによって生じる位相シフトは、適切な補正手法を使用して補正されなければならない。例えば、デジタル出力信号I0211及びV0_RAWは、電気位相(IAとVA)が同じであるので、電圧(例えばV0_RAW)に適切な補正を追加して、I0211のサンプリング時間に補正電圧(V0212)を生成することができる。信号のペアI1213とV1214及びI2215とV2216を生成するために、同様の補正を適用する必要がある。
種々の補正手法を使用して、非同時サンプリングによって生じる位相エラーを補正することができる。例えば、必要な既知の位相進みを与えることになる位相リードネットワークを使用することによって、信号のペアの2つの信号のうちの最初にサンプリングされた信号の位相を進めるような実装を選択することができる。より遅くサンプリングされた信号の位相を遅延させて同じ電気システムの先行してサンプリングされた信号の位相と一致させるよう、又は全マルチプレクサ・サイクルにADCサンプリング時間を加えた時間だけ遅延させるようにする他の実装を選択することができる。この後者の方法(位相遅延)は以下に更に詳細に検討される。しかしながら、本発明は位相遅延手法に限定されないことは明らかなはずである。
位相遅延補償
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態では、電圧(V)と電流(I)のサンプルが同時には取得されないことにより、望ましくない位相シフトが発生する。電力の精度のためには、非同時サンプリングによって生じる任意の位相シフト(すなわち遅延)は、VIの積を計算する前に除去すべきである。非同時サンプリングによって生じる位相遅延の振幅は、2つのサンプリング時間の差分であるので、これは正確に分かっている。位相遅延を除去する1つの方法は、第2の信号のサンプルをサンプルの差分と同じ遅延を有するフィルタに通すことによる。多くの適切なフィルタが存在する。本明細書では補間回路と単極全域通過フィルタの2つの単純な形態が説明される。
非同時サンプリングによって生じる位相遅延の例として、図2で検討された実施形態、すなわち単一のA/D変換器を備えた三相システムを考察する。システムの3つの位相は、A、B、Cで表記される。変換器のサンプリングは、IA、VA、IB、VB、IC、VCの順番である。これ以降の図においては、変換器は、15KHzのレート、すなわち67μsec(67マイクロ秒)毎に1回サンプリングする。適切な電力計算にはVA*IA、VB*IB、VC*ICを必要とするので、各電圧波形は、その電流波形と一致させるために67μsecの遅延が必要である。この位相遅延の補償は、任意の適切なデジタル補正フィルタを使用して行うことができる。
幾つかの補正フィルタは、これらの遅延が少なくとも全マルチプレクサ・サイクルに変換サイクル(例えば67μsec)を加えたものである場合により良好に動作する。幾つかのマルチプレクサ・サイクルと変換時間を加えたものを含む遅延を利用する実施形態では、フィルタ出力は、対応するマルチプレクサ・サイクルの電流サンプルが乗算されることになる。例えば、フィルタ遅延が1マルチプレクサ・サイクルにADC変換時間を加えたものである場合、対応する電流サンプルは最新のサンプルの直前のサンプルである。
適切な補正フィルタは、適切な遅延を提供すると同時に平坦な周波数応答を有するべきである。例えば、50Hzから60Hzのシステムでは、フィルタは50Hzから60Hz領域の信号に対してサンプリング時間に近接する遅延を提供すべきである。入力信号の周波数が上昇し、特にサンプル周波数の2分の1に近づくと、フィルタの振幅応答及び/又は遅延が偏移する可能性がある。しかしながら、任意の所与の仕様要件に適合するような適切なフィルタを選択すべきである。例えば、多くの積算電力計は、入力周波数の最大23倍の高調波に対する精度仕様を有する。選択されたフィルタの偏移はこのような仕様と互換性がなければならない。
補正フィルタ(位相遅延補償回路)の1つの実施形態は、現在のVAサンプルであるV0_RAWを、V0_RAWと過去のVAサンプルVN−1(図13参照)との加重和で置き換える補間回路である。図4は、本発明の実施形態による1次の補間フィルタの例証である。この図では、補間されるべき信号(例えば電圧V0_RAW)の現在の値IN401は、係数1−αが乗算され、次に加算器408に送られる。入力信号はまた、デジタル遅延ブロック402を通って送られ、信号IN401(例えばVN−1)の過去のサンプルを表す信号を生成する。次いで、入力信号のこの過去のサンプルは、ブロック406で係数αが乗算された後でブロック404からの信号とブロック408で合計される。補間フィルタ出力信号OUT409は、加算器ブロック408の出力であり、所望のサンプリング時間での信号の出力に近接しているはずである。
このフィルタのz領域伝達関数は、H(z)=1−α(1−z−1)である。αは、サンプラによってサンプリングされている要素の総数で除算された、サンプラのサンプル(例えばマルチプレクサ・サンプル)遅延の所望の数に実質的に等しいことに留意されたい。例えば、図2の実施形態では、6つの変数がサンプリングされている。非同時サンプリングによって生じた位相を補正するために、電圧の値(V0)は、電流(I0)のサンプリングポイントで計算される必要があり、これは図13に示されるように1サンプル前である。従って、求められていることは、マルチプレクサの1サンプル前に戻ることであり、サンプリングされている変数の総数が6であるので、この1サンプル遅延の補間に対する係数αは約1/6である。
しかしながら、αの最良値は、入力周波数、変換されるべき信号経路内のハードウエア要素によって生じる位相遅延、及びADCサンプル周波数の関数として、1/6からわずかに偏移する可能性がある。波形のサンプル周波数がその入力周波数と比較して高いときに、補間回路は良好に機能する。入力周波数がサンプルレートに近づくと、補間回路出力の振幅及び遅延は両方とも、それらの定格値(例えば50Hz又は60Hzでの値)から偏移する。50Hzから60Hz領域では、この補間フィルタの位相エラーは0.0008度未満であり、2.5KHzのマルチプレクササンプリング周波数では0.06%未満である。2サンプル遅延の補間では、αは2/6に設定することができる。この構成では、位相エラーは0.0006度未満であり、振幅エラーは50Hzから60Hz領域で0.1%未満である。
より優れた精度が必要とされる場合には、より高次の補間を使用することができる。これは、図4の回路に連続遅延状態及び係数を単に追加することによって達成することができる。例えば、第2のオーダーは単に、ブロック402の出力を第2の遅延ブロックを通して通過させ、接続部408で加算する前に第2の遅延の出力に第2の係数を乗算することが必要である。勿論、ブロック404と406の係数を適切に調整することが必要となる場合がある。
補正フィルタ(位相遅延補償回路)の別の実施形態は、全域通過フィルタとして実装される遅延回路である。図5は、本発明の実施形態による1次全域通過フィルタの説明である。加算器502は、負のフィードバックを使用して、入力信号IN501と、フィードバック信号であるブロック506の出力との間にエラーを生成する。ゲインブロック506は、デジタル遅延ブロックであるブロック504から入力を受け取る。ブロック504とゲインブロック508は、これらの入力を加算ブロック502の出力から受け取る。ブロック508とブロック504の各出力はブロック510で加算され、出力信号OUT511を生成する。このフィルタの機械化は、K1(ブロック506)がK2(ブロック508)と等しい実施形態の全ての周波数で一定の振幅応答を発生する。
しかしながら、この遅延は、入力周波数に伴って変動するが、遅延と振幅の各偏移に起因する全エラーは、1サンプル遅延補償における図4の補間回路よりも実質的に良好である。図5の位相遅延の実行は、双一次変換を使用するので、K1=K2=Aである。この全域通過フィルタの伝達関数は、H(z)=(Az+1)/(z+A)で記述することができる。
1つ又はそれ以上の実施形態では、全域通過フィルタは、波形サンプルレートの1/6又は7/6である遅延を使用して設計することができる。後者の周波数は、入力の高調波周波数に対してより良好な特性を与えることができる。この場合、結果として得られる電圧サンプルは最新のサンプルの前に現在のサンプルが乗算されることになる。同様にして、遅延(n+1/6)Tを選択することができ、ここで1/Tは波形サンプルレートであり、nはマルチプレクサのサイクル数である。全ての場合において、全域通過フィルタの遅延値は、システム(例えば積算電力計)内の至る所で発生する軽度の位相シフトを補償するためにわずかに摂動することができる。
定数K1とK2が、所望の全域通過フィルタを実行するために使用される変換の形式と任意の望ましい追加位相調整とに依存することは、当業者には明らかであろう。更に、本明細書では1次全域通過フィルタだけが説明されたが、本発明はそのような実施に限定されるものではない。用途及び精度要件に応じてより高次のフィルタを使用することができる。
例示的な発明の構成
図6は、3相電気システムの本発明の実施形態を例示する一般的な概略図である。この実施形態では、ブロック600は、図示された本発明の関連する部分だけを備えた集積回路装置を示す。電流と電圧の3つの相、すなわちIAとVA、IBとVB、ICとVCが、信号経路641から646を介してMUX200への入力として提供される。信号経路231からのクロックを使用して、MUX200は単一の出力信号を生成し、その信号が経路601を介してアナログデジタル変換器ブロック602に送られる。アナログデジタル変換器ブロック602は、経路603で1ビットのデジタル出力ストリームを生成するために、デルタシグマ(シグマデルタとしても知られている)変換手法を使用する。デルタシグマ変換器ブロック602は、電源として高精度電圧源VREF607を使用する。電圧VREFは、ピンRBIASからバイアス電圧を受け取るバンドギャップデバイス606によって生成される。
デルタシグマ変換器の1ビットのデジタル出力ストリームは、有限インパルス応答形式FIR604のデシメーションフィルタに流れる。デシメーションフィルタは、1ビットのストリーム入力データをNビットのデジタル出力データに変換する。MUX200、A/D変換器、FIR604は、PLL612から発生するクロックサイクルで動作する。完全なアナログデジタル変換器プロセスは、デルタシグマ変換器ブロック602とFIRブロック604の両方を含む。この変換器プロセスの実施形態を図7を使用してより詳細に説明する。
システムクロックは、フェーズロックループ(PLL)612で生成される。PLL612は、発振器614、あるいはピンCKINと経路615を介した外部ソースのいずれかから入力基準クロックを受け取る。フェーズロックループ612は、電圧制御発振器を使用して出力232でクロックCKADCを生成する。PLL612は、その出力クロックCKADCをブロックADC DIV610の所定の定数で分周したフィードバックを受け取る。分周器は、フィードバック周波数を減少させて入力基準周波数(例えばOSC614)にまで戻す。PLLフィードバック信号は、経路611においてCKREFで表記されている。定常状態においては、CKREF611における信号と基準発振源(経路613又は経路615のいずれか)は等しい。従って、ADCクロック信号CKADCは、基準発振器クロックの「ADC DIV」倍である。
マルチプレクサクロック231は、ADCの変換時間に依存する。従って、変換器クロックCKADC232は、MUXクロック231を生成するために倍率変更されなければならない。MUXクロック231は、変換器クロック周波数CKADCを変換されている信号の数(すなわち6)で分周し、更にデシメーションフィルタ604のタップ数で分周した値以下でなければならない。図6に示された実施形態では、MUX DIVは、クロックCKREFを分周してMUXクロック信号231を生成する。従って「MUX DIV」は、変換されている信号の数(すなわち6)にFIR604のタップ数を乗算して、「ADC DIV」の値で除算した数とほぼ等しい値を有するはずである。
図7は、図6から抜粋されたマルチビットのデルタシグマ・アナログデジタル変換プロセスの例示である。ブロック700は、全体のデルタシグマADCを表す。デルタシグマADCのこの実装は、デルタシグマ・モジュレータブロック702とSinc3デシメータフィルタブロック704とを含む。ADC入力601とADC出力605は、図6と同じ信号を表す。デルタシグマモジュレータは、精度要件、安定性要件、さらにはスペースと電力などの他の要因に依存する、任意の所望の順序又はタイプからなるものとすることができる。デルタシグマモジュレータ702は、バンドギャップデバイスなどの精密電圧源からの電力を使用して、その変換回路に電力を供給する。モジュレータとデシメータは、同じクロック信号CKADC232を使用する。デルタシグマモジュレータの変換クロックは、選択されたデルタシグマ構成のループ安定性に依存することになる。従って、変換時間を設定するユーザの機能は、任意の所与のデルタシグマ構成に対して安定性を考慮することによって大部分が制限される。
図6に戻ると、この実施形態の種々のクロック周波数は以下の通りとすることができる。IA、VA...VC波形の各々は、2.520KHzでサンプリングされる。これはまた、システムサンプルレートでもあり、図8、9、11のz−1項の計算で使用される値である。ADC Sinc3フィルタが288のタップを有すると想定する。次いで、6つのADC変換は、300の変換クロック(更なる12のクロックはADC初期化用に使用される)が許可される。変換時間がバンドギャップ基準でのオフセット補正に必要とされると想定する。その結果、各MUXサイクルの間に6.5ADC変換サイクルのための十分な時間があるはずである。従って、ADCクロック周波数は4.91MHzである。つまり、ADCサンプル間の時間は、波形サンプルレートの2/13である。これは補正フィルタで補償されるはずの値である。最後に、32.768KHzにおける基準発振器614の周波数では、ADC DIV610の比率は150であり、MUX DIV608の比率は13である。
処理の後で、ADCプロセス(ブロック602と604)の出力605は、共有メモリ624内に保存される。計算エンジン620は、共有メモリ624から変換された信号を取得し、選択された所望の電力方程式に基づいて(図12参照)、位相遅延補償と電力値を計算する。計算エンジン620は、クロック周波数CKCE617で動作するデジタルマイクロコンピュータである。クロックCKCEは、CKADCをCEDIV616で分周することでCKADCから生成される。1つ又はそれ以上の実施形態では、CKCEは、MUX周波数231と同じ周波数である。計算エンジン620は、ポートDIOとバス627を介してプログラム可能とすることができる。コンピュータエンジンのプログラムメモリはブロック626に配置され、そのRAMメモリはブロック622に配置される。
ブロック600は、レギュレータV0LT REG628から電力を受け取る。レギュレータ628は、装置600のデジタル構成要素に対する入力電源V3P3D(3.3V電源)からの電力を調整する。レギュレータ628はまた、停電時のバックアップのためのバッテリ入力VBATを受けることができる。電圧ピンV3P3Aは、装置600のアナログ構成要素に給電するための電圧源である。幾つかの実施形態では、ピンV3P3AとV3P3Dは、外部の単一電源に接続することができる。ピンGNDAとGNDDは、それぞれアナログ接地とデジタル接地である。装置600の動作は、RTMで表記されたピンを介してリアルタイムでモニタすることができる。
1つ又はそれ以上の実施形態では、計算エンジン620は、変換された信号のDCオフセットの補償、電流信号と電圧信号の較正、非同時サンプリングによって生じた位相遅延の補償、所望の方程式に基づいた電力計算のアルゴリズムを含む。装置600は完全にプログラム可能とすることができる。例えば、MUX200とクロック信号は、所望の電力方程式に基づいてプログラムすることができる。
電力を計算する前に、計算エンジンは、デジタルの電流信号と電圧信号に対して補償を適用する。図8は、本発明の実施形態による補償方式の例示である。ブロック801から806において、A/D変換器と信号変換に含まれる他の任意の予備プロセスによってもたらされた、どのようなDC(定常状態)オフセットに対しても信号が補償される。引き続いて、計算エンジンは、ブロック811から816で較正補償を適用する。較正後、電圧信号(すなわち、この例では各位相のより遅くサンプリングされた信号)は、2.520KHzのサンプリング時間の15/13の遅延を備えた1次全域通過フィルタを使用して、ブロック821から823で位相遅延に対して補正が行われる。電流経路(ブロック831から833)内の各遅延は、全域通過ネットワークの更なるサイクル遅延を補償する。
オフセット補償の1つの例が図9に示されている。図9に示される回路は、高域フィルタのように動作するので、入力信号から全てのDCオフセットを除去する。図示されたように、DCオフセット903が計算され、ブロック902で入力信号(IN)から減算されて出力信号(OUT)を生成する。ブロック908は、出力信号上で動作するデジタル積分器を示す。ブロック908の出力(SUM)は、レジスタ906内に保存される。レジスタ906の出力は、ブロック904でゲイン「DCG」が乗算されて、DCオフセット信号903を生成する。
図12は、計算エンジンで実施することができる6つの電力方程式を列記している。これらの電力方程式は図10で実施される。これらは標準的な電力方程式であり、便宜上本明細書に含まれているに過ぎない点に留意されたい。図10に戻ると、ブロック1001及び1002は、方程式EQU3からEQU5に対して17/13に設定された遅延を備えた全域通過フィルタを表す。これは、次の位相の電流(I)が前の位相の電流よりも遅い2倍のADC変換でサンプリングされたためである。例えば、I1は、I0がサンプリングされた後に2つの変換サイクルをサンプリングしなければならない。従ってI1は、電力を正確に計算する場合には、I0(すなわち2サンプル前)のサンプリング時間に対して補正されなければならない。ブロック1001と1002の伝達関数は、方程式EQU0からEQU2に対して0になるはずであることに留意されたい。
ブロック1010から1012では、所望の方程式の係数(K0、K1、K2)が電力要素W0、W1、W2を生成するために適用される。各係数は、0、_、又は1の値を有することができる。例えば、方程式EQU0に対して、1つの位相からの電力だけが必要とされるので、係数は(1,0,0)のはずである。従って、3つの位相全てからの電力が共に合計されるので、方程式EQU2の係数は(1,1,1)のはずである。
標準のボルト・アンプ・リアクティブ値VAR0−VAR2を計算するために、ブロック1003から1005では、電力を計算するために電流を乗算する前に、各電圧信号に対して90度の位相シフトを適用する。本発明の実施形態による90度移相器の実施形態は図11に示されている。変数VAR_SCALEに対する最適値は、3000/FREQ/KVARを超えるはずであり、ここでFREQは電気システム周波数、すなわち50Hz又は60Hzである。KVARに対して示された値48.0134μ(すなわち48.0134×10−6)は、2.5KHzのMUXサンプリング周波数(またシステムクロック)で、50Hzと60Hz間で約0.03%の単位ゲインエラーを与える。理想的には、KVARに対する値は、60Hzで48.0279μ、及び50Hzで48.0001μのはずである。KVARの最適値は、わずかにシステムクロック周波数に依存する。例えば、クロック周波数が5KHzの時のKVARの最適値は47.95599μであり、これは2.5KHzに対して示される値から0.12%のシフトである。角度エラーはゼロであり、KVARの値に無関係である点に留意すべきである。
最後に、加算器1020は、全ての電力を経時的に積算して、合計の消費電力を生成する。
このようにして、電力計算パラメータを取得するための方法及び装置を説明してきた。本明細書に説明された特定の実施形態は、例示の目的だけのものであり、これによって本発明を限定するべきではない。本発明は請求項並びに均等物の全範囲によって定義される。
本発明の実施形態による単相システムの電力計算に使用するための同相デジタル電流・電圧発生システムの図である。 本発明の実施形態による多相システムの電圧と電流の同相変換の図である。 例示的なデマルチプレクサの簡略化された概略図である。 本発明の実施形態による1次補間フィルタの図である。 本発明の実施形態による1次全域通過フィルタの図である。 3相電気システムの本発明の実施形態を示す全体的な概略図である。 デルタ−シグマAD変換プロセスの図である。 本発明の実施形態による補償方式の図である。 本発明の実施形態によるオフセット方式の図である。 標準の電力方程式の計算の図である。 本発明の実施形態による90度移相器の図である。 コンピュータエンジン内で実行することができる6つの標準的な電力方程式の列記である。 位相遅延補償の所望の効果を示す時間履歴の図である。

Claims (27)

  1. 電力計算パラメータを取得する方法であって、
    複数の多相アナログ信号から単一のアナログ信号を生成する段階であって、その単一のアナログ信号は、第1のクロック信号の各々のサイクルで、前記複数の多相アナログ信号のうちの1つの値を取る段階と、
    前記単一のアナログ信号を第2のクロック信号を使用してデジタル表示に変換する段階と、
    各々が前記複数の多相アナログ信号の1つのデジタル形態で表示する複数のデジタル信号を前記デジタル表示から生成する段階と、
    前記複数のデジタル信号をサンプリング間隔における差分に対して補償して、同じサンプリング時間で前記複数の多相アナログ信号の各々の位相における全ての信号のデジタル値を提供するする段階と、
    を含む方法。
  2. 前記複数のデジタル信号を補償する段階は、前記複数の多相アナログ信号の各位相の全てのアナログ信号に対して、同じクロック時間で等価デジタル値を計算する段階を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記等価デジタル値を計算する段階は、前記位相の各々からの前記複数のデジタル信号の適切な1つを補間フィルタに通す段階を含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記等価デジタル値を計算する段階は、前記位相の各々における前記複数のデジタル信号の適切な1つに高次の補間回路を適用する段階を含む請求項2に記載の方法。
  5. 前記等価デジタル値を計算する段階は、前記位相の各々からの前記複数のデジタル信号の適切な1つを全域通過フィルタに通す段階を含む請求項2に記載の方法。
  6. 前記単一のアナログ信号を変換する段階は、前記アナログ信号を前記デジタル表示に変換するオーバーサンプリング手法を使用する段階を含む請求項2に記載の方法。
  7. 前記第1のクロック信号は、前記第2のクロック信号の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 電力を計算する方法であって、
    電流信号と電圧信号から構成される2つのアナログ信号から第1のアナログ信号を選択する段階と、
    第1のサンプリング間隔でアナログデジタル変換器を使用して前記第1のアナログ信号を第1のデジタル表示に変換する段階と、
    前記第1のデジタル表示を第1のデジタル信号として利用可能にする段階と、
    前記2つのアナログ信号から第2のアナログ信号を選択する段階と、
    第2のサンプリング間隔で前記アナログデジタル変換器を使用して前記第2のアナログ信号を第2のデジタル表示に変換する段階と、
    前記第2のデジタル表示を使用して前記第1のサンプリング間隔で前記第2のアナログ信号を表示する第2のデジタル信号を計算する段階と、
    前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号を使用して消費電力を計算する段階と、
    を含む方法。
  9. 前記第2のデジタル信号を計算する段階は、前記第2のサンプリング間隔での前記第2のデジタル表示と、補間フィルタ内の前記第2のデジタル表示の少なくとも1つの先行するサンプルとを使用する段階を含む請求項8に記載の方法。
  10. 前記第2のデジタル信号を計算する段階は、前記第2のサンプリング間隔での前記第2のデジタル表示と、高次の多項式補間回路内の前記第2のデジタル表示の複数の先行するサンプルとを使用する段階を含む請求項8に記載の方法。
  11. 前記第2のデジタル信号を計算する段階は、前記第2のデジタル表示を全域通過フィルタに通す段階を含む請求項8に記載の方法。
  12. 電力計算パラメータを取得する装置において、
    複数の多相アナログ信号から単一のアナログ信号を生成するマルチプレクサであって、前記単一のアナログ信号は、第1のクロック信号の各々のサイクルで、前記複数の多相アナログ信号のうちの1つの値を取る、マルチプレクサと、
    前記単一のアナログ信号を第2のクロック信号を使用してデジタル表示に変換するアナログデジタル変換器と、
    各々が前記複数の多相アナログ信号の1つのデジタル形態を表示する複数のデジタル信号を前記デジタル表示から生成するデマルチプレクサと、
    同じサンプリング間隔でデジタルサンプリング値を取得するために、前記アナログデジタル変換器の前記変換に関連するサンプルスキューに対して前記複数のデジタル信号を補償する、位相遅延ではない位相補正回路と、
    を備える装置。
  13. 前記複数のデジタル信号を補償することが、前記複数の多相アナログ信号の各位相の全てのアナログ信号に対して、同じクロック時間で等価デジタル値を計算することを含む請求項12に記載の装置。
  14. 前記等価デジタル値を計算することが、前記位相の各々からの前記複数のデジタル信号の適切な1つを補間フィルタに通すことを含む請求項13に記載の装置。
  15. 前記等価デジタル値は、前記位相の各々における前記複数のデジタル信号の適切な1つに高次の補間回路を適用することを含む請求項13に記載の装置。
  16. 前記等価デジタル値を計算することが、前記位相の各々からの前記複数のデジタル信号の適切な1つを全域通過フィルタに通すことを含む請求項13に記載の装置。
  17. 前記アナログデジタル変換器は、前記アナログ信号を前記デジタル表示に変換するオーバーサンプリング手法を使用することを特徴とする請求項12に記載の装置。
  18. 前記アナログデジタル変換器はデルタシグマ変換器である請求項12に記載の装置。
  19. 前記第1のクロック信号は前記第2のクロック信号の整数倍であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
  20. 電力を計算する装置であって、
    第1のサンプリング間隔で2つのアナログ信号から第1のアナログ信号を選択し、第2のサンプリング間隔で前記2つのアナログ信号から第2のアナログ信号を選択するマルチプレクサと、
    前記第1のサンプリング間隔で前記第1のアナログ信号を第1のデジタル表示に変換し、前記第2のサンプリング間隔で前記第2のアナログ信号を第2のデジタル表示に変換するアナログデジタル変換器と、
    前記第1のデジタル表示を第1のデジタル信号として、及び前記第2のデジタル表示を第2のデジタル信号として解析するデマルチプレクサと、
    前記第2のデジタル信号を使用して前記第1のサンプリング間隔で前記第2のアナログ信号のデジタル等価値を表す第3のデジタル信号を生成する位相補正回路を有し、前記第1のデジタル信号と前記第3のデジタル信号とを使用して消費電力を計算する電力計算回路と、
    を備える装置。
  21. 前記2つのアナログ信号は、電流信号と電圧信号とから構成される請求項20に記載の装置。
  22. 前記2つのアナログ信号の各々は、複数の対応する位相を有する請求項20に記載の装置。
  23. 前記複数の対応する位相の各々は、順番にサンプリングされることを特徴とする請求項22に記載の装置。
  24. 前記位相補正回路は、前記第2のサンプリング間隔で前記第2のデジタル表示を使用するデジタル回路と、前記第2のデジタル表示の少なくとも1つの先行するサンプルとを含む補間フィルタである請求項20に記載の装置。
  25. 前記位相補正回路は、前記第2のサンプリング間隔で前記第2のデジタル表示を使用するデジタル回路と、前記第2のデジタル表示の複数の先行するサンプルとを含む高次の多項式補間回路である請求項20に記載の装置。
  26. 前記位相補正回路は、前記第2のデジタル表示を使用するデジタル回路を含む全域通過フィルタである請求項20に記載の装置。
  27. 前記アナログデジタル変換器はデルタシグマ変換器である請求項20に記載の装置。
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