JP2005536377A - マルチプリントヘッドプリンタ - Google Patents

マルチプリントヘッドプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2005536377A
JP2005536377A JP2004530488A JP2004530488A JP2005536377A JP 2005536377 A JP2005536377 A JP 2005536377A JP 2004530488 A JP2004530488 A JP 2004530488A JP 2004530488 A JP2004530488 A JP 2004530488A JP 2005536377 A JP2005536377 A JP 2005536377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
digital printer
axis
media
along
pha
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004530488A
Other languages
English (en)
Inventor
ザック、モシェ
Original Assignee
ザック、モシェ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザック、モシェ filed Critical ザック、モシェ
Publication of JP2005536377A publication Critical patent/JP2005536377A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J29/00Details of, or accessories for, typewriters or selective printing mechanisms not otherwise provided for
    • B41J29/38Drives, motors, controls or automatic cut-off devices for the entire printing mechanism
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/28Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for printing downwardly on flat surfaces, e.g. of books, drawings, boxes, envelopes, e.g. flat-bed ink-jet printers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/407Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/54Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed with two or more sets of type or printing elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/54Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed with two or more sets of type or printing elements
    • B41J3/543Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed with two or more sets of type or printing elements with multiple inkjet print heads

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Printers Characterized By Their Purpose (AREA)

Abstract

一つまたはそれより多い媒体に同時にマークを形成することが可能な、少なくとも2つのプリントヘッドを備え、各プリントヘッドが、一つまたはそれより多い印刷装置を含み、対応する媒体上でそれぞれのオーバーラップしないウィンドウ内に一つまたはそれより多い画像をマークすることが可能な、ディジタルプリンタ。

Description

本発明は、デジタル印刷に関し、特に、一つの印刷機による複数画像の印刷に関する。
デジタル印刷プレス機やその他のデジタル入力印刷機は、広く用いられており、多種のタイプやモデルが製造されている。それらは、機械的構造、マークを形成するための基本プロセス、印刷される媒体の種類やフォーマット、および、印刷画像の性質に関して様々である。これらの態様は相互に関連する。本発明は、ほぼ全てのタイプの印刷機(以降、これらの全ては、相互交換的に、ディジタルプリンタまたは単にプリンタと称される)に適用可能であり、以降に説明するように、いくつかのアプリケーションにとって有利な、これらの印刷機の改良を構成する。
このようなプリンタの全てに共通なのは、印刷(imprint)される媒体とプリントヘッドの存在である。印刷される媒体は、紙、厚紙、プラスチック、金属、繊維製品、セラミックス等の様々な媒体を含み、その形式やサイズは、カットまたはロール状に巻かれたシート、板、タイル、成形品またはその一部、といった様々な種類に及ぶ。プリントヘッドは、媒体に対向する印刷装置または複数の印刷装置の集合を含み、適切な信号の制御の下で、媒体の上に画像に関連するマークを形成する。このプロセスは、マーキングまたは印刷と称される。プリントヘッドは、主として、マーキングプロセスの基本的タイプと、マーキングが進行するモードとによって分類される。マーキングは、一般的に、プリントヘッドと媒体との間での、媒体の印刷面に平行な面内での相互的な動作を伴う。一般的に、この動作は、2本の直交軸に沿う。一方の軸(例えばX軸)に沿っては相対的に高速であり、他方の軸(例えばY軸)に沿っては相対的に低速である。X軸に沿う動作は走査動作とも言われる。Y軸に沿う動作は、連続的か段階的かのいずれかである。これらの組み合わせ動作は、複数の線による矩形の軌跡を描く。以降の説明では、これらの動作は、単に「高速」または「低速」動作とそれぞれ称されることもある。しかし、ある種のプリントヘッドおよびマーキングモードにとっては、ただ一つの軸に沿えば良く、一方、他のある種またはモードにとっては両軸に沿って同じ速度であっても良い(その跡は軌跡を形成しない)。一般的に用いられるタイプのプリントヘッドとそれらの関するマーキングプロセスとトレースモードの例について、ここで以下に説明する。
現在最も普遍的なマーキングプロセスは、インクジェットプロセスとして知られている。インクジェットプロセスには、二つの基本的タイプがある。一つは、いわゆる連続的インクジェット(CIJ)プロセスであり、もう一つは、ドロップオンデマンド(DOD)プロセスである。インクジェット式プリントヘッドは、一つまたは複数のインクジェット装置を含み、各装置は、一つまたは複数のノズルまたは孔からドロップを出射する。ノズルまたは孔が複数の場合は(DODタイプでは主流)、インクジェット装置が規則的な配列を構成していることが一般的である。しばしば、複数のインクジェット装置が単一のプリントヘッドに規則的な配列を形成するように組み込まれ、各装置が孔の配列を有する場合は、その構成は、孔の配列の全てが、効率的に、一つの大きな孔の配列を形成することとなる。配列の効果は、一つの軸に沿ったプリントヘッドと媒体との間の高速な相対的動作の間、いくつかの孔によるマーキングが、一般的に等間隔でかつプリントヘッドアレイの幅にわたる、対応する平行な軌跡に沿うことである。一般に、この幅は、印刷される画像の幅よりもずっと小さい。このため、画像の全体幅をカバーするために、もう一方の軸に沿った、プリントヘッドと媒体との間の低速な相対的動作も必要とされる。また、一般的に、軌跡の間隔は、所望される印刷解像度よりも粗いので、連続的な走査が交互にインタレースするよう、もう一方の軸に沿った低速動作がなされる。例えばサイテックス・ビジョン(Scitex Vision)社のIdanitデジタルプレスのようなある種のデジタルプレスでは、プリントヘッドは媒体の最大幅にわたるように作られており、低速動作は軌跡のインタレースのためだけに行われる。非走査モードで二軸動作を必要とするマーキング装置の他のタイプとしては、エアブラシがある。エアブラシは、特別な低解像度印刷(または画像描画)アプリケーションに用いられる。
光学プロセスに基づくタイプの印刷装置の一群も知られている。これらのプロセスでは、通常、マーキングは二段階で達成される。最初の(露光)フェーズでは、一つまたは複数の集光ビームが、制御信号で変調されたプリントヘッドから出射され、媒体または中間にある表面を照射し、そこに潜像を残す。第2の(現像)段階では、上記の潜像が媒体上で可視像となる。主に2タイプの露光装置および光学プリントヘッドが普及している。主流となっている第1のタイプは、発光ダイオード(LED)のような変調された光源アレイから構成され、そのトレースモードはインクジェットアレイのトレースモードと同様であり、一般的に、両方の軸に沿った走査のような動作を必要とする。主流となっている第2のタイプは、通常レーザから出射される強い光ビームを用いる。この光ビームは、変調され、画像領域を一掃する。ここでは、機械的な遅い動作は、一軸方向にのみ必要である。光という単語は、ここでは、集光可能なあらゆる電磁放射を意味するために用いられ、従って、紫外線または赤外線も含む。さらに、マーキングプロセスは、光電子効果または光導電効果に基づく必要はないが、例えば熱的効果に基づくものでも良い。
直接的な熱的効果または直接的な帯電効果を用いた印刷装置のように、上述した以外の物理プロセスを用いるアレイ状の印刷装置も知られている。電子ビームまたはイオンビームのような、光ビーム以外のビームを用いた走査ビーム印刷装置も同様に知られている。これらのあるいはこれら以外の装置に基づくディジタルプリンタも、同様に、ここで開示された改良の対象となる。印刷プロセスによって媒体上に残されるマークは、例えばインク、ペイント、またはトナー等で形成されたマークのような、光学的に読み取り可能な任意のマークである。あるいは、マークは、例えばワニス、工業用レイヤのマスキングまたはエッチング等の、媒体上の任意の材料または効果であっても良い。光学的に読み取り可能なマークの場合は、プリントヘッド内のいくつかの装置は、異なる色でマークを形成する複数の装置を含んでいても良い。これは、特に、インクそのものが着色されているインクジェット(同様にエアブラシ)印刷の場合に適している。そのようなインクは、印刷色の4原色であっても良いし、他の任意の色や、金属材料または傾向材料含む構成材料を有していても良い。このようなまたはその他の印刷プロセスに基づくディジタルプリンタも、同様に、ここに開示された改良の対象となる。
プリンタは、プリントヘッドと媒体との相対動作が実行される方法によって、機械的に区別される。このような動作に関連して、三つの基本的な機械的構造がある。第1の構造では、画像の印刷中、媒体が静止しており、プリントヘッドが一般的に二つの直交軸に沿って(通常、相対的に高速な動作がX軸に沿い、相対的に低速な動作がY軸に沿う)、動作可能である。媒体は平らに位置するシートまたは板であることが多い。この場合、この構造は、フラットベッドプリンタとも呼ばれる。走査ビームタイプのプリントヘッドの場合、走査はX軸に沿うと仮定すると、Y軸に沿っては低速な機械的動作のみが行われる。印刷画像の最大幅全体にわたるアレイタイプのプリントヘッドの場合、Y軸に沿った動作は、上記したように、インタレース走査のためのみに必要である。マーキング中のプリントヘッドのいずれの動作も、以降、マーキング動作と称される。
第2の機械的構造では、媒体はY軸にそって低速で動く一方、プリントヘッドは通常X軸に沿って、比較的高速な動作で、繰り返し動く。走査ビームタイプのプリントヘッドの場合、プリントヘッドが静止し、走査はX軸に沿って行われる。この第2の基本的構造のディジタルプリンタは、印刷される媒体が柔軟性のあるものか柔軟性のないものかによって異なる。媒体が柔軟性のあるものである場合は、媒体は、複数の分離されたシートでも良いし、または、ウエブ(web)としても知られる非常に長いシートに形成されていても良い。柔軟性のない媒体は、柔軟性のない媒体に付着または積層された、例えば一つまたは複数の衣類(garment)のような、柔軟性のある媒体も含む。柔軟性のない媒体または基材は、通常平らであり、印刷中は座標軸の一つに平行に動く。これは、フラットベッドプリンタのもう一つの構成と見なすこともできる。しかし、柔軟性のない媒体または基材は、例えばシリンダのような、他の便利な形状を有しても良い。後者の場合、シリンダは軸まわりに低速回転し、一方、プリントヘッドは、回転軸に平行に高速に動く。ウエブ状の媒体は、ローラによって、リールからリールへと動き、印刷ステーションを通過する。印刷ステーションにおいて、媒体は平坦になるよう延ばされ、または、裏当ての表面に接して走らされる。柔軟性シートは、ローラによって、または、柔軟性のある基材(例えばエンドレスベルト)または柔軟性のない基材(例えばシリンダ)に一時的に付着させて、印刷ステーションを通過する。
第3の構造では、高速に動くのは、例えば回転するシリンダに付着させた媒体である。一方、プリントヘッドは、印刷画像の幅にわたるアレイを含み、上述したように、低速動作はインタレース走査のためにのみ必要とされる。第4の基本的構造は、一般的に実用的ではなく、実用的であるとも知られていないが、理論的には可能であると評価されるであろう。つまり、第4の構造では、プリントヘッドが静止し、直交軸の両方に沿って媒体が移動する。本発明は、上述した他の構造の全てだけでなく、比較的実現が容易な自明な変更と共に、このような構造にも適用可能である。
上述の構造のそれぞれに対して、媒体の取り込み(媒体を印刷の一般的領域に持ってくること)と、マーキング中の媒体の移動と、媒体の排出(媒体を上記の領域から取り出すこと)のための様々な方法が知られている。柔軟性のない媒体または基材や、シート形状の柔軟性のある媒体の場合は、取り込みおよび排出に必要な動作は、マーキング中の上述の低速動作とは区別可能であり、一般的にそれよりも高速である。ウエブ形状の媒体の場合は、これらの3つの動作は、同じ平均速度を有するが、別個にコントロールされ得る。これは特に、マーキングのための動作が段階的である場合に明らかである。プリンタが流れ作業中のただ一つのステーションであり、他のステーションが、同様のプリンタを有するか他のプロセスに関与する可能性もある。ウエブを用いる構造では、ウエブは先行する作業ステーションからプリンタへ進み、そのプリンタから出て次の作業ステーションへ進むこともある。シートまたは基材(印刷される小片を運ぶ基材の場合を含む)を用いる構造では、後者は、例えば円卓状に一つのステーションから次のステーションへと動かされる。これにより、一つまたは複数のステーションが、前記の小片または基材を取り込みおよび排出する役目を果たす。フラットベッド構造は、多様の媒体、特に柔軟性のない媒体や基材に付着した加工片からなる媒体の印刷に便利である。本発明は、媒体を動かすための方法が上述のいずれであっても、マーキングプロセス中の媒体の動作に対して適用可能である。
曲面に印刷または画像的ペイントを行わなければならない応用もある。これらは、例えば、平らな媒体(例えば厚紙)を切断し、折り曲げ、接着することによっては加工できない様々な物体の外面である。このため、上述したどの構造に関するプリンタも、例えばZ軸のような第3の直交軸に沿ったプリントヘッドと媒体との相互動作も可能なように、変更することができる。Z軸に沿った動作は、プリントヘッドと印刷される媒体の領域との距離が一定を保つように制御される。
基本的に、従来の全てのプリンタは、単一のプリントヘッドを備え、それで機能するよう設計されている。この文脈においてのプリントヘッドという用語は、上述した種類の任意のプリントヘッドとして、および、機械的に単一のアセンブリであって、かつ、媒体が印刷位置にある間に、その媒体の印刷可能領域の本質的に全体にマークする動作が可能なことを特徴とする、類似のプリントヘッドとして、理解されるべきである。典型的に、上述のプリントヘッドと媒体との相互動作が行われるに従って、プリントヘッドが全体の画像を徐々にマークする。プリントヘッドがマーキング装置のアレイを含む場合は、それらの装置は、上述したように、互いに近接した平行な軌跡をマークするように配置され、連続的な走査が、通常、これらの軌跡をインタレースさせる。単一のプリントヘッド内にマルチカラー装置がある場合は、それらの装置は、一般的に、それらの軌跡が連続的な走査において互いにオーバーラップするよう配置される。
複数の別個の画像(しばしば同一の画像)を、単一の媒体に印刷する必要がある応用例が多くある。重複は、X軸に沿う方向でも良いし、Y軸に沿う方向でも良いし、両方に沿っても良い。これは、特に、別個の印刷媒体片の列を印刷しなければならない場合に必要とされる。典型的な例は、装飾タイル、Tシャツ、シール状ラベルである。さらの他の例としては、一枚のシートに印刷される、ポスターやリーフレットや本のページの複数コピーである。
明らかに、そのような印刷ジョブの全ては、制御信号を適切にプログラムすることにより、従来の単一のプリントヘッドを有するプリンタでも実行可能である。そのような運用には二つの欠点がある。一つ目は、多くの場合、印刷片の間またはページ画像の間に、マーキングが生じない比較的大きな空間ができることである。プリントヘッドがこのような空間を走査するための時間が無駄であり、結果として、プリンタの利用効率が低下する。これらの空間の上で、プリントヘッドまたは媒体の動きを速くすることは理論的には可能であるが、高い割合の加速および減速が必要とされるので、現実的ではないかも知れない。二つ目に、マルチ画像は順次にマークされるので、それらの画像の全てをマークするために要する時間は、それらの画像の一つをマークするために要する時間の積となる。このため、単一のプリントヘッドを用いてそれらの画像をマークすることは、複数のプリントヘッドを同時に用いていくつかの画像をマークすることに比較して不利である。
あるプリンタの全体的な印刷速度は、一般的に、マーキング時の走査速度を高くすること、または同時に動作する印刷装置の数を増やすことによって、向上させることができる。走査速度は、究極的には、機械的要因および各装置の最大マーキング速度によって制限される。プリントヘッド内のマーキング装置の数を増やすことは、一回の走査でマークされる軌跡の数を増やすこととなる。これにより、Y軸に対して、速度の相応の増加、または、連続動作の場合はステップサイズの相応の増加が必要とされる。いずれの場合でも、連続した走査の間の連携を維持するために要求される機械的な精密さが負担となる可能性がある。媒体の全幅にわたるようにプリントヘッド内のマーキング装置の数を増やす場合は(これにより、上述した第3の基本的構造のいくつかのプリンタの場合のように、Y軸に沿った動作があるとしても、その動作が非常に少なくてすむ)、画像間の空間のみをトレースする装置(またはそのような装置の部分)の数がかなり多くなる可能性があり、従って、無駄な投資となる。
印刷される表面が曲面である場合、Z軸方向の動作も必要とされ、プリントヘッド内の印刷装置のサイズと数に制限がある。プリントヘッドと曲面との間で維持される距離が、実際的に、全ての装置と孔について等しくなるように、十分に小さくなければならない。
さらに、複数画像の応用例では、画像の間の隙間の幅だけでなく、画像のサイズも、ジョブ間および同一シート上の画像の間で、ばらつくことがある。上記で提案したような、全幅アレイのプリントヘッドの非効率な投資を克服するために、マーキング装置のいくつかを省略することは、このばらつきの観点から非現実的であるだろう。
さらに、複数画像の応用例のいくつかにおいては、異なる媒体に様々な画像を印刷しなければならないこともある。例えば、印刷されるTシャツの束に、異なる材料からなるサンプルが含まれる場合がある。あるいは、他の例としては、製品が異なる材料からなる部分を含むこともある。そのような異なる媒体は、それぞれに応じて異なる種類の印刷装置またはインクを必要とし、従って、単一のプリントヘッドによる一回の動作では印刷できない可能性がある。従来のプリンタを用いると、ジョブは、おそらく異なるプリンタによって、数回の実行によってなされなければならない。あるいは、一つのプリンタのプリントヘッドにいくつかの異なる印刷装置(またはいくつかの異なるインクを使う装置)を設け、印刷動作の数だけジョブを繰り返すことも考えられる。明らかに、このような動作は、プリンタの時間を非常に無駄にする。
このように、様々なサイズの複数画像を、従来の構造において得られる効率よりも高い効率でかつ従来よりもかなり高速に、印刷することが可能なディジタルプリンタ構造に対する明らかな要望がある。
[発明の要旨]
本発明は、広い範囲の構造のディジタルプリンタの改良である。本発明では、一つのプリンタに複数のプリントヘッドが設けられ、前記プリントヘッドは、一つの印刷可能媒体の対応する領域に、または、印刷可能な範囲内の複数の印刷対象物のうち対応する印刷対象物に、複数の画像を同時にマークすることが可能である。各々のプリントヘッドは、独自にすなわち排他的に、印刷領域の全体へ、対応する画像または画像グループをマークする。従って、プリントヘッドは、画像の間の距離または画像グループ間の距離に従って、互いに十分な距離で配置されている。プリントヘッドは、一次元または二次元アレイ、好ましくは、直交座標系の格子点を中心とする規則的なアレイに配置されているが、任意の配置をとり得る。いくつかのプリントヘッドの距離は、対応する画像間に所望される公称距離に従って調整可能であることが好ましい。本発明にかかるプリンタは、本来、各プリントヘッドが、対応するウィンドウ内の媒体にマークをすることが可能であるように設計されている。ウィンドウの全ては、それらの各々のサイズと互いの位置的関係は調整可能であるが、相互に別個のものである。相互に別個という用語は、ここでは、相互に排他的であり、オーバーラップしない領域を対象とする意味で用いられる。これが、周知のプリンタにおいて普及している、印刷領域の全体に対して様々なマーキング装置によって形成されるインタレースマークの構成と、特に対比される点である。随意的に、前記ウィンドウは、いくつかの応用にあたって必要とされるように、相互に接触するようにあるいは部分的にオーバーラップするように形成されていても良いが、そのようなオーバーラップは、どのウィンドウのサイズについても実質的に小さな割合であろう。
マーキングプロセスまたはモードがどのような場合であっても、および、プリントヘッドがどのような構造であっても、本発明によって提供されるように、同時に印刷する複数のプリントヘッドを用いれば、印刷の有効な全体速度が大きく増加する、ということが評価されるべきである。さらに、所定のプリンタ構造のマーキング領域内で複数のバラバラな画像を、それらの画像の間に十分な距離をとって印刷しなければならない場合はいつも、対応するバラバラのウィンドウ内に印刷する複数のプリントヘッドを用いることで、プリンタの使用効率が増加する。プリントヘッドが印刷されない非画像領域を走査することによる時間の無駄がないからである。
本発明にかかるディジタルプリンタは、上述したような従来のプリンタの適切な構造や、上述と同じタイプのマーキング装置および同じモードのマーキングを用いる他の任意のタイプまたは構造に基づいている。プリントヘッドは、任意の数のマーキング装置を含み得る。各装置が、マーキング素子(例えばインクジェットノズルまたはLED)のアレイを含む場合もある。改良を実施する場合、基本的な構造についていくつかの変更が行われる。これらは、以下を含む。
D サポートと、場合によっては、複数のプリントヘッドのマーキング動作とを提供すること、
場合によっては、適切に増やされた印刷領域内でのマーキングの間、媒体の指示または移動を提供すること、
マルチプリントヘッド用に、適切な複数の制御信号発生源を提供すること。
マルチプリントヘッドプリンタのいくつかの構造が、本発明の模範的な実施形態として開示される。これらの構造は、関連する基本的なプリンタ構造に関する。それらは、以下の機械的概念のいずれかによる様々な組み合わせにより、プリントヘッドのアレイ全体を形成する。
(i)複数のプリントヘッドが一次元または二次元のアレイとしてアセンブリ内に搭載されている。これは、マルチプリントヘッドアセンブリ(MPA)と呼ばれる。一つまたは両方の次元に沿ったプリントヘッドの公称(例えば中心間)距離を調整可能とするために、機械的または電気−機械的手段がアセンブリ内に含まれていることが好ましい。電気−機械的手段の場合は、適切な制御信号が生成される。MPAは、一般的に、基本的なプリンタ設計における単一プリントヘッドに取って代わるものであり、従って、マーキングの間、静止しても良いし、移動可能であっても良い。レールに沿って移動可能で有れば、MPAを支える第2の平行なレールと動作アセンブリとを、機械的安定性のために追加しても良い。
(ii)それぞれが1つのプリントヘッドまたは複数のプリントヘッド(上述のとおり)を含む、複数のプリントヘッドアセンブリ(PHA)が、それぞれ、レールに沿って(例えばX軸に沿って)移動可能となるように、前記レールに搭載されたキャリッジに取り付けられる。レールとマーキング動作構造は、基本的プリンタ構造のものと同様であっても良いが、各々のPHAは、随意的にそのマーキング動作のための制御信号が共通である可能性はあるが、独立して移動可能であることが好ましい。機械的安定性のため、そのレールを二重化しても良い。プリントヘッド移動が2軸方向の場合(例えばフラットベッド構造の場合)、レールまたは二重レールアセンブリは、例えば一対のベースレールを用いて、他方の軸に沿って移動可能である。
(iii)複数の相互に平行なレールが、X軸に平行に設けられている。そのレールのそれぞれに沿って、1つまたはそれより多いプリントヘッドまたはPHAが移動可能である。いくつかのレールに沿った移動は、随意的にそれらの動作制御信号が共通である可能性はあるが、互いに独立であることが好ましい。レール間の公称距離は、適切な機械的または電気−機械的手段を備えたことによって調整可能であることが好ましい。プリントヘッドの移動が2軸方向である場合(例えばフラットベッド構造の場合)は、各レールは、例えば一対のベースレールを用いて、Y軸に沿って移動可能である。いくつかのレールの移動は、それらが随意的に動作制御信号を共有する可能性はあるが、互いに独立であることが好ましい。
(iv)プリントヘッド同士の距離(MPAの中、または、動くプリントヘッドとPHAとレールアセンブリとの間)の調整可能範囲は、1つまたはそれより多いプリントヘッドまたはPHAを使用せずにおいておくことにより、動作するプリントヘッドの数を減らするようにしても良い(例えば、数は少ないが大きな画像をマークするために)。
(v)印刷可能媒体(または印刷可能対象物を運ぶ基材)が柔軟性を有する場合、動作するプリントヘッドの全ての同時にマークする範囲内のどちらかの経路が、プリントヘッドアレイの平面に合わせて平坦化される。あるいは、アレイアセンブリ全体の構成要素のいずれかの形状、位置、または向きが、媒体の経路に合わせて変更される。
(vi)印刷面が平坦でない場合(例えば物体の曲面)、PHAのいずれかまたは全てが、走査ラインに沿ってマーキングしている間に表面を追従するように、下にある印刷平面または基材に対して一般的に法線である1つの軸に沿って、制御可能な状態で移動可能である。マルチPHAの場合は、PHAが、同一の対象物を印刷するために、この軸(または他の軸)に沿って共に移動するようにしても良い(1つのMPAの中に複数のプリントヘッドを有する場合に必要となるであろう)。あるいは、様々なPHAが法線軸に沿って独立に移動可能な構成としても良い。
随意的に、本発明にかかるマルチプリントヘッドプリンタに、以下に示すものを含む追加的概念を含めることができる。
(vii)プリントヘッドのいくつかが、他のプリントヘッドとは異なるタイプの印刷装置を含む、または、それらの印刷装置が、異なる色の材料や異なるタイプの媒体に適した材料等を含む異なる材料(例えばインク)を用いてマークをする。
(viii)例えば、乾燥時間または現像工程が、走査間に介在しなければならないときに、数色でマークするために、媒体のいくつかの箇所(例えばいくつかの画像)を、何回かの走査によって連続的にマークしても良い。この概念そのものは、従来のプリンタ(例えば、マルチユニット、またはマルチパスディジタルカラープリンタ)と共通である。従って、この概念は、ここに示す他の概念と関連して本発明のプリンタに適用可能である。
(ix)概念(g)および(h)と共に、媒体のいくつかの箇所(例えばいくつかの画像)を、異なるウィンドウ内で連続的にマークしても良い。
(x)マーキングは、中間的表面に対して実行される。中間的表面上の画像は、その後、中間的表面から直接的または間接的(いわゆるオフセット処理などにより)に、印刷媒体である受容媒体へ転写される。この概念自体も、従来のある種のプリンタと共通である。
本発明に従って構築されたプリンタの好ましい動作モードは、バラバラの画像の印刷であるが、連続する画像を形成するためにいくつかのプリントヘッドによってそれぞれマークされるいくつかの画像領域が隣接している場合にも、それらのプリンタの多重プリントヘッドの特徴が有利に用いられるような状況または応用例があるかも知れない。この場合、マーキングウィンドウのそれぞれは、相互に隣接し、または、場合によっては、連接する境界領域内でオーバーラップすることもある。そのような動作モードを有していても、マーキング装置の全数を備えた本発明にかかるプリンタは、その1つのプリントヘッドに同時に動作する同様のマーキング装置を同数備えていたとしても、ヘッド動作または媒体の低速動作を含むあらゆる構造の周知のプリンタとは明らかに区別され、かつ、それらよりも有利であると、評価されるべきである。なぜなら、本発明にかかるプリンタでは、マーキング装置は所定の印刷可能領域により均等に配置され、その領域をカバーするための動作はかなり少なくてすむからである。その利点は、特に非常に大きい媒体形式のプリンタにおいて顕著であろう。
本発明にかかるプリンタは、たとえ従来のマルチステージディジタルカラープリンタが複数のプリントヘッドを備え、それらのプリントヘッドのそれぞれがそれ自体のウィンドウ(すなわち印加ステーション)内にマーク(それぞれのカラー要素)をするものであったとしても、この従来のプリンタとは区別される。なぜなら、従来のプリンタでは、媒体の印刷箇所のそれぞれは、全てのウィンドウを通過し、一般的に各ウィンドウのプリントヘッドで印刷されるのに対して、本発明にかかるプリンタでは、媒体のいくつかの別個の部分が、それぞれの別個のウィンドウ(または、上述の概念(i)が導入された場合は、別個のプリントヘッド群とそのウィンドウによって)内において、対応する別個のプリントヘッドによって印刷されるからである。
本発明にかかるプリンタは、本発明にかかるプリンタが1つの整合したアセンブリを備え、重複して印刷される媒体の全てが、印刷領域へ取り込まれる間、またはそこから排出される間だけでなく、印刷される間も、機械的に一緒に取り扱われる点において、複数の従来のプリンタが並行にまたは直列に動作する構成とは区別される。
[具体的な実施形態の詳細な説明]
本発明の装置の基本的特徴は、いずれの構造においても、互いに十分な(substantial)距離をおいて配置され、媒体上のそれぞれのウィンドウ内で、同時に印刷が可能な複数のプリントヘッドを備えた点にある。なお、いくつかのウィンドウは別個(separate)である。「十分な距離」という用語は、その距離が、本質的には、単にヘッドアセンブリの観点から必要とされる距離よりも大きく、印刷される画像の間隔から決定される、という意味である。「別個」という用語は、ウィンドウが相互に排他的、すなわち、それぞれのウィンドウが1つの近接する領域からなり、どの2つのウィンドウもそれぞれの領域の実質的な部分においてオーバーラップすることがない、ということを意味する。明らかに、対応するプリントヘッドによって任意の2つのウィンドウ内に生成されるマークは、交互配置にならない。ウィンドウの排他性は、必ずしも、装置の構造または機械的制約によってもたらされるものでなくて良いが、むしろ、本発明の基本的動作モードによってもたらされる。さらに、ウィンドウの数だけでなくウィンドウのサイズと位置も、印刷ジョブごとに変化する可能性があるので、ウィンドウ境界の定義は柔軟かつ動的であることが好ましい。ウィンドウは、1つの座標軸に沿って、または任意の2次元関係において、配置することができる。後者は、規則的な矩形の格子配列に従うことが好ましいが、これは必須ではない。
本発明を、いくつかの模範的な構造について説明するが、これらは、排他的または限定的に解釈されるべきではない。ここで記述する全ての構造は、背景技術の欄において上述したディジタルプリンタの典型的な構造に基づく。自明な改良により、本発明にかかる装置は、その他のプリンタ構造とその変形に基づく可能性もある。さらに、以下の実施形態は、媒体上のトレース(インクジェットマーキングまたは任意のアレイ構造に基づくように)を有効にするために、媒体に対して移動可能なタイプのプリントヘッドを想定するが、本発明は、1軸方向の動作のみ(例えばレーザビームなどのビーム走査を含む)を必要とするタイプを含む他のタイプのプリントヘッドを有するプリンタにも、同様に適用可能である。従来提案されたプリンタと同様に、各プリントヘッドが、それぞれが複数の軌跡をマークする、複数のマーキング装置を含んでいても良い。マーキング装置は、上記の背景技術の欄で説明したように、どのようなタイプであっても良いし、どのようなマーキングプロセスに基づくものであっても良く、例えば、(任意の種類の)インクジェット、(任意の波長での)放射性暴露、荷電粒子ビーム、(転写フィルムを含む)接触加熱、(接触による、または、エアブラシによる)ペインティング、および、機械的衝撃を含むが、これらには限定されない。印刷の結果媒体に付着された材料は、任意の種類であって良く、様々な効果を有し、(一般的に理解されている印刷効果であり、波長選択、すなわち着色であるかも知れない)光学的減衰、その他の光学効果(透過性または蛍光など)、保護コーティング、テクスチャ、(例えば化学的または放射性の後続のプロセスに対する)レジスト層を含むが、これらに限定されない。プリントヘッド内のいくつかの装置は、互いに異なる色で、または、互いに異なる材料または効果でマークする複数の装置を含んでいても良い。本発明の装置で印刷される媒体は、同様に、任意の種類で良いし、任意の材料からなっており、紙、厚紙、プラスチックまたは金属のシートまたは板、繊維製品およびセラミックを含むが、これらに限定されない。印刷プロセスと、付着させる材料と、媒体の種類との間にある程度の関係があることは明らかである。印刷プロセスの他の側面は、有効な材料を媒体上に付着させる方法である。材料を、マーキングプロセスの一部として実時間で付着させても良い(インクジェット印刷またはフィルムからの転写の場合に通常に行われる)し、または、マーキングプロセスの後に、放射または帯電したプリントヘッドによってマークされた潜像を「現像」するために一括して付着させても良い。さらに、この材料の付着は(実時間であろうが、「現像」段階であろうが)、媒体に対して直接に行われても良いし、最初に中間的担体に材料を付着させた後、その材料をそこから直接的または間接的に(例えばオフセット)、媒体へ転写しても良い。付着のこのような任意のプロセスまたは方法を、本発明にかかるプリンタで用いることができる。最後に説明したケースにおいて、「1つの媒体(medium)」と「複数の媒体(media)」という用語は、明細書および特許請求の範囲において用いられているように、中間担体を意味するものとして理解されるべきである。
以下、多数の構造および変形について説明する。しかし、上述した基本的特徴を含むという条件で、本発明の範囲から派生するさらに多くの構造および変形があり得るということが、理解されるべきである。各構造または変形は、特定の基本的な機械的構造、特定の印刷プロセス、または特定の媒体形式または形状に対して、適切に適用することが可能であろう。それらの選択は、上述のいずれかに関連する適切な要素にも依存する。図面および後述の説明においては、フラットベッドは、媒体の支持と搬送のための機械的構造を想定している。しかし、これは、限定として解釈されるべきではなく、開示された構造のどれについても、もし適用可能であれば、他の媒体支持および搬送構造へ適用可能であることは、当業者に容易に理解されるであろう。さらに、図面は、マーキング中は媒体が静止していると仮定し、2軸に沿ったプリントヘッドのラスター形成動作に基づいた基本的な構造を示している。しかし、プリントヘッドが仮にあったとしても1軸のみに沿って動く間、媒体のマーキング動作を行う構造は、これから容易に理解できるであろう。ウエブ状媒体の場合、以下に説明する複数列のプリントヘッド構造のどれにも合致してアクティブな印刷領域が拡大するように、特に、搬送システムを改良する必要があるだろう。同様に、想定されたマーキングプロセスはインクジェットプロセスであるが、上述したような他の任意のマーキングプロセスを容易に適用可能である。どのような種類のプリントヘッドも、図中では、概略的に四角形で示した。明らかに、実際の形状は、一般的には異なっている。最後に、図示されたマーキングモードは、プリントヘッドと媒体との間の2軸方向の動作を伴うものである。しかし、以下の実施形態は、単一軸方向の動作あるいは全く動作を伴わないマーキングモードに対して容易に適用できることが理解されるべきである。図面は、印刷される媒体として、基材によって搬送されるタイルアレイを示しているが、ここのタイルは例示目的のみであって、本発明にかかる装置は、単一であってもあるいはマウントされたアレイであっても、他の任意の媒体を印刷するために用いることができる。
以下で説明され、図示される、プリントヘッド、プリントヘッドアセンブリ、または媒体を動かす構造は、プリントヘッドを一体に構成する構造と共に、例示目的のみであって、本発明のプリンタにおいてそのような任意の構造が可能である。それらの構造の性質および詳細は、当業者にとって自明である。構造を動かすためおよびプリントヘッドを動かすためのいずれの電気的駆動回路も図示していないが、それぞれの構造またはプリントヘッドの一部として理解されるべきである。
上述の背景技術の欄で説明したように、他のプリンタまたはワークステーションからの取り込みまたは他のプリンタまたはワークステーションへの排出を含めて、媒体をプリンタへ取り込み、プリンタから排出するための様々な方法がある。取り込みおよび排出のどのような方法も、構造に適した態様で、本発明のプリンタに適用することができる。しかし、取り込みおよび排出のための方法および構造は、本発明の一部ではない。
本発明にかかる装置の構造について、背景技術の欄において説明した3つの機械的構造の観点で、論理的な順序で(最初は第2の構成、次に第1の構成、最後に、第3の構成の順で)、以下に説明する。
本発明にかかる装置の第1の一般的な構造の好適な実施形態を、図1に平面図として示す。これは、第2の基本構成のディジタルプリンタに基づく。この構成において、プリントヘッドは第1の軸12(例えばX軸)に沿って速く動き、一方で、媒体は第2の直交する軸14(例えばY軸)に沿ってゆっくりと動く。模範的な基本的プリンタ構造は、図示の代わりとして、フラットベッドであり、図1の構造における模範的な媒体は、水平で平坦な基材18に載置された一群のタイル16である。図示のために、見本のタイルは、4×4の矩形のアレイを形成し、中心から中心まででd単位の間隔が空けられている(dはタイルのサイズよりも大きい)。基材は、水平な平面内にあり、固定フレーム20に支持されて、Y軸に沿って前後に移動可能である。タイルのアレイは、X軸に沿って配置された4列と、Y軸に沿って配置された4つの行からなると見なすことができる。レール22が、X軸に沿って、基材にかかるブリッジ24の上に取り付けられている。マルチプリントヘッドアセンブリ30が、レール22に沿って少なくともd単位の距離にわたってスライド可能なキャリッジ26に取り付けられている。スライド動作は、例えばキャリッジ26に搭載されたモータ27と、ギアホイールの回転またはベルトドライブ(図示せず)のように、この分野で知られている任意の手段によって実現することができる。図1のマルチプリントヘッドアセンブリ(MPA)30は、X軸に沿ってd単位離して(中心距離において)配置された4つのプリントヘッド32を備えている。動作においては、MPHは、タイルのサイズを超える所定の距離だけ左から右へ動き、そして戻るように、繰り返して動かされる。一方、基材は、低速の連続動作または段階的動作のいずれかで、前から後ろへ動かされる。左から右への動作中に、各プリントヘッドは、その下のタイル上に、w単位の幅の一片をマークする。基材の動作の速度または段階的動作のステップサイズは、MPA動作の1サイクル中にw単位の移動をカバーするようになされる。基材の供給と排出の期間、基材の動きは速くなされても良い。カラー印刷の場合は、各プリントヘッドは、典型的には、様々に色インクが供給される複数のマーキング装置を含む。これらは、一般的に、基材の動作方向において相互にオフセットするよう配置される。この場合、画像のどの一片も、様々な色で連続的に印刷されるが、全体動作は説明したとおりである。明らかに、上述したように動作するプリントヘッドのこの配置により、MPA内のそれぞれのプリントヘッドにより、タイルアレイの各行のそれぞれに沿って、4つの画像を同時に印刷することができる。
ブリッジと、キャリッジと、レールとは、単に、MPAを支持してその動作を一つの軌道に限定するための典型的な手段として上述されただけであることと、現時点でこの分野で知られているか否かに関わりなく、そのような効果を奏するための他の手段を、本発明の範囲内で同じように適用可能であることが、理解されるであろう。さらに、MPAを上記の軌道に沿って動かすために、任意の手段および方法を用いることができる。それらの多くは、この分野においてよく知られているであろう。同様に、媒体または基材を動かすための任意の手段を、本発明の範囲内で適用可能である。さらに、MPAの軌道は直線である必要はないが、例えば、アーチ状または円形状である可能性がある。例えば、媒体または基材の筒状形状に合わせるためである。あるいは、媒体の動作は、直線に沿う必要はないが、例えば、下に存在するある曲面に合わせる可能性がある。後者の状況は、特に、媒体または基材が、固定または回転する支持表面によって裏打ちされた印刷領域を通過するシートまたは連続したウエブである場合に生じる。一般に、MPAを支持して動かす手段および方法は、同様の基本的構造を有する従来のディジタルプリンタにおいて単一のプリントヘッドを支持して動かすために用いられる手段および方法と同様である。同様に、媒体または基材を動かすための手段および方法は、同様の基本的構造を有する従来のディジタルプリンタにおいてそれらを動かすために用いられる手段および方法と同様である。そのような手段および方法に対して必要な任意の改良は、当業者にとって明白である。さらに、通常、複数のPHAを単一のキャリッジに取り付けることが可能である。それらは共に動くので、それらは本発明においては、結合的に単一のMPAを構成すると見なされる。
第1の構成の第1の変形の好適な実施形態を、図2の平面図に示す。これは、MPA30中の4つのプリントヘッド32が、d単位だけ離して、ここでは前後方向に配置されており、かつ、2つのブリッジ24のそれぞれの上のレール22の長さが少なくとも4d単位である点を除いて、図1のものと同様である。MPAは、例えばその真ん中において、単一のレールに沿ってスライド可能なキャリッジからぶらさがっていても良い。あるいは、図2に示すように、ブリッジ24のそれぞれに取り付けられた2本の平行なレール22のそれぞれの上でスライド可能な2つのキャリッジ26に取り付けられていても良い。動作時には、MPA30は、タイルアレイの全体幅にわたって動かされることにより、同時に4列のタイルを印刷する。基材は、一方で、全体のアレイが印刷されるd単位にわたってゆっくりと動かされる。その後、基材が排出のために後ろへ動かされ、新しく取り込まれた基材が、前回のものと同様に印刷されるべく配置される。
第1の構成の第2の変形において、図3および図3(a)の平面図に示すように、MPA30内の8つのプリントヘッド32は、例えば2列と4行の二次元アレイに配置されている。この場合、1回で2列を印刷し、毎回基材を新しい位置に動かすことにより、8つのタイルが同時に印刷される。列はd単位だけ離して配置されていても良く、この場合、2つの隣り合う列のタイルが動じに印刷される。または、列が2d単位だけ離して配置されていても良く、この場合、交互の列のタイルが同時に印刷される。図3および図3(a)のMPAは、プリントヘッドの2×4のアレイの他のフォーマットを例示する。ここでは、列は、アクティブな印刷領域の長さのおよそ半分だけ離して配置されている。図3に示されている見本の媒体は、前の例よりもY方向のサイズが小さいタイル16からなり、このため、6列が、印刷可能領域の長さに適合している。従って、MPAの列は、3列分の距離だけ離して配置されている。ここでも、例えば、2列のタイルが同時に印刷され、その後、媒体が次に印刷される一対のペアへ移動する。以下でさらに説明するように、どの列においてもプリントヘッドの距離が調整可能であることが好ましい。図3において、アレイを横切って4つのタイルが存在し、全てのプリントヘッドがそれぞれの下にあるタイルに従って配列されるよう、MPA30の各列における4つのプリントヘッド32の位置が調整可能である。しかし、様々なプリントヘッドに対する印刷制御信号が独立であり、タイルに対するそれらの実際の位置に関連してタイミングをとることができる場合は、この配置は厳密である必要はない。プリントヘッド間の距離は、MPAの幅にわたってより多くのまたはより少ない(これに従ってより小さいまたはより大きい)画像を有する画像アレイに適合できる程度に調整可能であることが好ましい。この場合、1つ(またはそれ以上)のプリントヘッドは、最後の位置へ移動され、非アクティブとされるであろう。図3の構成に対する見本例を図3(a)に示す。ここでは、タイルは3行だけであり、それぞれの幅は前のケースよりも広い。従って、最も右側のプリントヘッド32”が、それぞれのアームの終端に動かされ、非アクティブとされた様子が示されている(図中ではそれらを白い四角で示した)。残りの3つのプリントヘッドの各アーム(図中では、通常どおり、グレートーンで示した)上の位置は、それぞれのタイルの行に沿って調整されている。
第1の構成の第3の変形では、図4の平面図に示すように、MPA30は、印刷可能領域の全体をカバーするプリントヘッド32のアレイを含むように構成されている。プリントヘッドは期待される画像位置に適合するよう間隔をあけて配置されている。これにより、全ての画像を同時に印刷することが可能である。図示された例では、アレイは、4×4のタイル16のアレイを同時に印刷するために、4×4のプリントヘッド32である。この場合、媒体の取り込みおよび排出動作の間に、MPAまたは媒体の再配置は必要ない。
以下に説明するものと同様、上述の構造のそれぞれにおいても、MPAの各プリントヘッドは、実質的に、それぞれの矩形のウィンドウ内において印刷を行う。ウィンドウの寸法は、連続する位置決め動作の間で、MPAまたは媒体または基材の動作中に各プリントヘッドが実際に印刷する範囲から決定される。従って、例えば、図1の構造における各プリントヘッドは、d単位の幅で4d単位の長さのウィンドウ内で印刷する。同様に、図2の構造におけるウィンドウは、4d単位の幅でd単位の長さを有する。図3の場合は、各プリントヘッドは、1つのタイルの幅に相当する幅で、かつ、3つのタイルの長さに相当する長さのウィンドウ内にマークする。図4の場合、実際、各タイルに対して1つのウィンドウが存在し、各ウィンドウは、この例では、各辺がd単位の正方形である。四角形でない形状を含む、他のウィンドウサイズも可能である。
上述した例以外の要素も可能であると理解されるであろう。このため、MPA上のプリントヘッドアレイは、他の任意数のプリントヘッドを備えても良いし、他のどのような構成をとっても良い。同様に、印刷媒体は、例えばタイルや衣類片のように、必ずしも物理的に別個の存在でなくても良く、相互に排他的な複数の画像が印刷される単一のシートの形態であっても良い。また、2つの直交軸に沿った距離は、必ずしも同一でなくても良い。いくつかのプリントヘッドによって印刷される画像は、同一でなくても良い。むしろその逆に、様々なプリントヘッドにおいて、異なる信号を供給し、異なる画像の印刷を行うことが可能であろう。後者の状況の特別な例として、単一の大きな画像の印刷がある。これにより、各々のプリントヘッドは、その画像中の指定された部分を印刷する。隣接する部分は、通常、視覚的に統合されるように隣接して配置される。明らかに、任意の画像を空白にすることもできる。
特定の応用に適したどの構成の変形においても、MPAのプリントヘッドのアレイは、必ずしも動作軸に合わせて配置されなくても良いが、結果として得られる画像が軸に合わせた格子の上にかからないように、動作軸に対して傾けても良い。さらに、プリントヘッドの中央そのものが、必ずしも相互に配列されていなくても良い。
同様にディジタルプリンタの第2の基本的な機械構成に基づいた、本発明にかかる装置の第2の構成の好適な実施形態の2例を、図5および図6の平面図にそれぞれ示す。この構成には、複数のプリントヘッドアセンブリが存在する。それぞれのプリントヘッドアセンブリ(PHA)は、1つまたはそれより多いプリントヘッドを含んでも良い。1つより多い場合は、PHAは実際にはMPAである。図5および図6のそれぞれの例において、2つのPHAが存在し、それぞれのPHAは2つまたは4つのプリントヘッドを含んでいる。各PHAは、上述した構成のMPAと同様に、レールに沿って移動可能なキャリッジに取り付けられている。そして、それらの動作モードは、以下に説明する場合を除いて、一般的には同様である。図6に示す例では、2つのPHA30が、共通のブリッジ24上の共通のレール22に沿って(または別個の共線的なレールに沿って)スライド可能なキャリッジ26のそれぞれに取り付けられ、ウィンドウはPHA間で左右に分割されている。このため、この例のタイルアレイについて、右側のPHA30はタイル16の右側の行を印刷し、左側のPHA30’はタイル16’の左側の2行を印刷する。図5の例では、2つのPHA30、30’が、それぞれのキャリッジ26に取り付けられ、大きく隔たったレール22に沿ってスライド可能であり、ウィンドウはPHAの間で前後に分割されている。この例では、前部に近いPHA30は前部に近い2列のタイルを印刷し、後部に近いPHA30’は後部に近い2列を印刷する。明らかに、図5と図6のそれぞれの例を組み合わせて、それぞれに複数のPHAがスライド可能に取り付けられた複数のレールを有する1つの例(図示せず)を形成することができる。第1の構成のように、全てのPHAに設けられた複数のプリントヘッド間の距離(そのようなプリントヘッドが設けられた場合)を、調整可能としても良い。さらに、図5の例で、レール(または支持ブリッジ)間の距離を、従来知られた手段によって、調整可能としても良い。
第1の構成の単一のMPAと同様に、第2の構成における全てのMPAのプリントヘッドのいくつかを、任意の特定のジョブの間、非アクティブに選択することにより、残りのプリントヘッドのみがそれらに関連付けられた印刷ウィンドウを持つようにしても良い。このように、図5および図6に示す例では、1つのMPA30において左側の2つのプリントヘッド(グレートーンで表示)のみが、アクティブにされて各行において複数のタイルを印刷し、あるいは、図示されているよりも幅広いタイルを印刷する。一方、これらのMPA(白で表示)において最も右側のプリントヘッド32”は、非アクティブのままである。図5および図6は、必ずしも全てのMPAが有するプリントヘッドが同じサイズで同じ構造ではない可能性も図示している。このように、各図面の例において、MPA30はMPA30’とは異なっている。
図6のPHAは、例えば、共通のドライブベルトなどの手段によって機械的に結合されていても良い。同様に、図5のPHAは、例えば、それぞれのドライブベルトのドライブホイール間を接続する共通軸によって、機械的に結合されていても良い。明らかに、上述の組み合わせ例において、PHAは、両方の軸に沿って機械的に結合されていても良い。このような構成を備えたことにより、結合されたPHAは、単一のMPAを有効に構成すると見なされ、第1の構成(およびその変形)について上述した動作モードを同じく適用できる。いずれかの軸に沿った結合のメカニズムを、結合されたPHAのそれぞれの距離を調整可能とするように改良しても良い。
しかし、一般的には、図5および図6のPHAを、別個の駆動メカニズムと対応する駆動信号により、独立して動かしても良い。そのような構成は、例えば、印刷される画像のサイズが、媒体アレイの様々な列または行において異なる場合に便利である。この結果、対応する列間または行間の距離dを変更することにより、適切なサイズのウィンドウが得られ、印刷可能領域全体をより有効に使用することができる。
複数のPHAの駆動メカニズムへ、それらを一致して共に動かすために、同一の駆動信号を供給しても良い。これにより、実質的に単一のMPAが構成される。この例では、PHA間の距離を調整可能とするために、電気的手段を好適に用いることができる。
図1〜6に示した構成は、背景技術の欄で説明したように、フラットベッド形式の、ディジタルプリンタの第2の基本的な機械的構成に基づいている。つまり、媒体がY軸に沿って低速で動き、プリントヘッドは、一般的に、X軸に沿って、比較的速い動作で、繰り返し動く。下に位置する媒体の構造がウエブタイプである場合、図示された例ではタイルのアレイを運ぶ板は、印刷領域外の駆動シリンダによって前から後ろへと走行するウエブに置き換えられる。印刷領域内では、ウエブは、通常、裏当て構造によって支持される。図1〜6の構成は、基本的に、同様に適用可能である。しかし、複数列のMPAの場合、またはY軸に沿った複数のPHAの場合(図5参照)は、印刷領域は、従来のプリンタよりもかなり広く(前後方向に)、裏当て構造もそれに従って設計されなければならない。裏当て構造は、実質的に曲がった表面を有するように有利に形成され、この場合、異なる列のプリントヘッドを、MPA上に異なった態様で設置しなければならず、また、様々なPHAを、その表面に垂直に対向するように、異なった向きに配置しなければならないという可能性がある。
ここで、背景技術の欄において説明した、プリンタの第1の基本的な機械的構成、すなわち、印刷の間、媒体が静止し、プリントヘッドが直交する軸の両方に沿って移動する構成、に戻る。そのようなプリンタは、ほぼもっぱら、フラットベッドとして形成される。本発明の装置は、各ブリッジがここでは前後方向に移動可能に構成されており、かつ、媒体または基材が静止状態に保たれ、取り込みおよび排出動作の間だけ移動する点を除いて、図1〜6を参照して上記した第2の基本的な構成に基づいた装置に非常に似ている様々な構成によって実施することができる。ブリッジの動作は、実際には第2の構成の媒体の動作と置き換わるものであるが、一般的には遅い動作である。このように、図1〜6に示した実施形態において、例えば、サイドフレーム20に取り付けられ、それに沿って1つまたは2つのブリッジ24(場合によっては)が動く、一対のレール21が設けられる。明らかに、図2および図4の構成では、2つのブリッジは、1つのユニットとして一緒に動かなければならないので、機械的に結合していることが好ましい。しかし、図5の構成では、そのような要件はなく、2つのブリッジは独立して動いても良い。実際に、例えば、対応する複数のMPAによって印刷されるタイルのサイズが異なり、異なるサイズのウィンドウが必要な場合、そのような独立した動作は有利に用いられる可能性がある。明らかに、上述の、プリントヘッド間の距離を調整するメカニズムは、これらの構成についても有効である。
プリンタの第3の基本的な機械的構成、すなわち、媒体が比較的高速に動き、プリントヘッドが比較的低速に動く構成について、上述した任意の構成が理論的には適用可能である。しかし、高速な媒体の移動が通常は、円筒の回転によって達成されるので、低速軸に沿って配列された1列のプリントヘッドを有する構成のみが、現実的であると見なされる。前後方向に物理的に明らかなウィンドウ構造があり得ないからである。これらは、例えば、図1を参照して説明したものと類似の、1列のMPAを有する構成と、1つのブリッジに沿って複数のPHAを備えた構成とを含む。後者は、各PHAにおいて単一のプリントヘッドまたは1列のプリントヘッドを備えたこと以外は、図6を参照して説明した構成と同様である。本発明にかかるそのような構成は、本発明の装置のプリントヘッドの固有の動作(低速、左右)に対して、従来のプリンタヘッドが実質的に静止している点で、従来の回転ドラムを有するマルチプリントヘッド構成とは異なる。従来技術モデルのプリントヘッドの動作は、非常に範囲が限られており、軌跡をインタレースすることだけ、すなわち、隣接するノズル間のギャップに軌跡を形成することだけを、目的とする。後者の動作モードは、本発明に必須の別個のウィンドウの概念とは明らかに異なっている。
前記の構成のいずれの変形例でも、1つまたは両方の軸に沿った、MPA中の隣接する任意のプリントヘッド間の距離dは、印刷画像の中心間距離と、対応する最大画像サイズとに適応するために、可変である。上述した例のタイルにおいて、これは、最大数のタイルを、それらのサイズがバラバラであったとしても、基材上にうまく納めるためには有用であろう。この分野において知られた任意の機械的または電気−機械的な装置を、プリントヘッド間の距離を可変とするために適用することができる。図7および図7(a)に、プリントヘッド間の距離を調整するメカニズムの2つの構成例を概略的に示す。図7に示す構成は、MPA毎にプリントヘッド26を2つだけ有するが、図6に示す構成に基づくものである。ここで、2つのMPAのそれぞれは、キャリッジ26のそれぞれに取り付けられた担体34を備えている。担体34には、左右(X軸方向)の調整を可能とするそれぞれのスライドアンドロック構造35によって、2つのライダー(rider)が順に取り付けられている。それぞれのライダーには、対応するプリントヘッドが、前後(Y軸方向)の調整を可能とする同様のスライドアンドロック構造37によって取り付けられている。スライドアンドロック構造は、電気的に起動されるネジ調整型構造またはこの分野で知られた任意の他の手段で置き換えることができる。図7(a)の構成は、1つのMPAが、各アームに2つ、4つだけのプリントヘッドを備えた点を除いて、図3の構成に基づく。図7(a)の構成は、図7の構成に対する調整構造と同様の、3つの調整構造を有する。その1つは、MPAの2つの対応する担体アーム34,34’を、互いに相対的にスライドさせることにより、Y軸方向の2列の距離を調整するために機能する38である。2つの担体アームのそれぞれには、2つのライダー36が、それらのX軸方向の位置を決定(図7参照)するための類似の調整機構35を介して取り付けられている。それぞれのライダー36には、プリントヘッドの1つをY軸に沿って担体34に対してスライドさせる他の1つの調整機構37を介して、プリントヘッド32が順に取り付けられている。これにより、1列中の2つのプリントヘッド間の相対的なY位置を調整できる。
媒体面に垂直なPHAの動作も可能な改良された機械的構成の場合(背景技術の欄で説明)、曲面の印刷を可能とするために、上述の構成のいずれかを適切に改良すれば良い。図8は、図1に示すように、4つのプロントヘッドのMPAを有し、2軸(XとY)方向のPHA動作の構成に基づく構成例を、等角図法で示す。例示した媒体は、曲面を有する対象物17である。ここでも、MPAは、フレーム20上のサイドレール21に沿ってスライドするブリッジ24に沿って、レール22上をスライドする。しかし、フレーム20の全体は、4つの支柱40上の垂直レール41により、Z軸15方向にスライド可能に形成されている。あるいは、フレームとサイドレールが静止し、フレーム上のサイドレールに沿ってスライドする垂直支柱上のレールに沿って、ブリッジがスライド可能であるようにしても良い。
図1の構成に基づいた、3次元プリントヘッド動作のための構成として得られたさらに他の例を、図9に示す。ここで、フレームとサイドレールとブリッジとは、図1のものと同様である。しかし、MPA30のそれぞれ(図示の例では1つ)は、垂直レール機構42(図中の挿入画の中で拡大して示した)によって、それぞれのキャリッジ26にスライド可能に取り付けられている。垂直レール機構42に沿って、それぞれのMPAはZ軸方向に動く。動作時には、ブリッジは、以前のように、Y軸方向に低速で動き、各MPAは、Z軸に沿って前後に速く動く。そしてそれと同時に、各MPAは、印刷対象物に対応する曲面に追従して上下にも動く。明らかに、図9の構成では、様々なMPA(もし含まれているなら)が、サイズだけでなく形状も異なる対象物へ印刷することができる。
上述した構成のいずれにおいて、全てのプリントヘッドが、媒体の任意の箇所を2回以上横断するような動作モードとしても良い。これは、例えば、同じウィンドウ内を複数色で印刷する場合に必要とされ、異なる色を適用する間に時間間隔が必要となるであろう。前記構成のいずれかと共に可能な他の動作モードは、複数の異なるウィンドウ内で連続して印刷される媒体の任意の箇所に対するものである。これは、例えば、いくつかのウィンドウ内に複数色を印刷する場合である。最後に説明した動作モードの例は、共に、従来のカラープリンタと共通である。しかし、本発明にかかるプリンタは、そのような複数のマルチカラーウィンドウ(対応するプリントヘッドを有するもの)による第1のケースと、そのようなマルチカラーのウィンドウ(対応するプリントヘッドを有するもの)の複数のグループによる第2のケースとして特徴付けられる。
最後に、任意の1つのプリンタにおけるプリントヘッドの全てが同一でなくても良い。上述したような(この場合、媒体の同一箇所はいくつかの異なるプリントヘッドによって印刷される)、色の区別は別として、媒体の異なる箇所を異なる態様に印刷しなければならない応用例が可能である。例えば、インクジェット印刷の場合、様々な対象物または対象物の複数の部分の表面材料が異なっている場合、それらは、適切な別個のインクで印刷しなければならない。このような場合、それらは、適切な別個のプリントヘッドに割り当てられ、対応するウィンドウ内で印刷される。従って、マルチプリントヘッドプリンタにより、そのような応用が特に有利に提供される。
本発明について理解し、本発明が実際にどのように実行され得るかを理解するために、添付の図面を参照し、限定的でない例示の目的だけのために、好適な実施形態を記述する。
図1は、直交する2つの軸の第1の軸または両方に沿って移動可能な1つの4−プリントヘッドアセンブリと、第2の直交軸に沿って移動可能な媒体とを含む、本発明にかかるプリンタの概要的な平面図である。 図2は、図1のプリンタの異なる構成を示す。 図3は、8−プリントヘッドアセンブリを備えた、図1のプリンタの他の異なる構成を示す。 図3(a)は、8−プリントヘッドアセンブリを備えた、図1のプリンタの他の異なる構成を示す。 図4は、1つの16−プリントヘッドアセンブリを備えた、図1のプリンタのさらに異なる構成を示す。 図5は、直交する2つの軸に沿ってそれぞれ移動可能な2つの4−プリントヘッドアセンブリを備えた、本発明にかかるプリンタの概略的な平面図である。 図6は、図5のプリンタの他の構成を示す。 図7は、2つの2−プリントヘッドアセンブリを備えた本発明にかかるプリンタの2つの構成を示す概略的な平面図であり、プリントヘッド内部の距離の調整機能を示す。 図7(a)は、2つの2−プリントヘッドアセンブリを備えた本発明にかかるプリンタの2つの構成を示す概略的な平面図であり、プリントヘッド内部の距離の調整機能を示す。 図8は、マルチプリントヘッドアセンブリが前記2軸の平面の法線方向へも移動可能である、図1のプリンタの変形を示す。 図9は、図8のプリンタの異なる構成を示す。
本発明は、デジタル印刷に関し、特に、一つの印刷機による複数画像の印刷に関する。
デジタル印刷プレス機やその他のデジタル入力印刷機は、広く用いられており、多種のタイプやモデルが製造されている。それらは、機械的構造、マークを形成するための基本プロセス、印刷される媒体の種類やフォーマット、および、印刷画像の性質に関して様々である。これらの態様は相互に関連する。本発明は、ほぼ全てのタイプの印刷機(以降、これらの全ては、相互交換的に、ディジタルプリンタまたは単にプリンタと称される)に適用可能であり、以降に説明するように、いくつかのアプリケーションにとって有利な、これらの印刷機の改良を構成する。
このようなプリンタの全てに共通なのは、印刷(imprint)される媒体とプリントヘッドの存在である。印刷される媒体は、紙、厚紙、プラスチック、金属、繊維製品、セラミックス等の様々な媒体を含み、その形式やサイズは、カットまたはロール状に巻かれたシート、板、タイル、成形品またはその一部、といった様々な種類に及ぶ。プリントヘッドは、媒体に対向する印刷装置または複数の印刷装置の集合を含み、適切な信号の制御の下で、媒体の上に画像に関連するマークを形成する。このプロセスは、マーキングまたは印刷と称される。プリントヘッドは、主として、マーキングプロセスの基本的タイプと、マーキングが進行するモードとによって分類される。マーキングは、一般的に、プリントヘッドと媒体との間での、媒体の印刷面に平行な面内での相互的な動作を伴う。一般的に、この動作は、2本の直交軸に沿う。一方の軸(例えばX軸)に沿っては相対的に高速であり、他方の軸(例えばY軸)に沿っては相対的に低速である。X軸に沿う動作は走査動作とも言われる。Y軸に沿う動作は、連続的か段階的かのいずれかである。これらの組み合わせ動作は、複数の線による矩形の軌跡を描く。以降の説明では、これらの動作は、単に「高速」または「低速」動作とそれぞれ称されることもある。しかし、ある種のプリントヘッドおよびマーキングモードにとっては、ただ一つの軸に沿えば良く、一方、他のある種またはモードにとっては両軸に沿って同じ速度であっても良い(その跡は軌跡を形成しない)。一般的に用いられるタイプのプリントヘッドとそれらの関するマーキングプロセスとトレースモードの例について、ここで以下に説明する。
現在最も普遍的なマーキングプロセスは、インクジェットプロセスとして知られている。インクジェットプロセスには、二つの基本的タイプがある。一つは、いわゆる連続的インクジェット(CIJ)プロセスであり、もう一つは、ドロップオンデマンド(DOD)プロセスである。インクジェット式プリントヘッドは、一つまたは複数のインクジェット装置を含み、各装置は、一つまたは複数のノズルまたは孔からドロップを出射する。ノズルまたは孔が複数の場合は(DODタイプでは主流)、インクジェット装置が規則的な配列を構成していることが一般的である。しばしば、複数のインクジェット装置が単一のプリントヘッドに規則的な配列を形成するように組み込まれ、各装置が孔の配列を有する場合は、その構成は、孔の配列の全てが、効率的に、一つの大きな孔の配列を形成することとなる。配列の効果は、一つの軸に沿ったプリントヘッドと媒体との間の高速な相対的動作の間、いくつかの孔によるマーキングが、一般的に等間隔でかつプリントヘッドアレイの幅にわたる、対応する平行な軌跡に沿うことである。一般に、この幅は、印刷される画像の幅よりもずっと小さい。このため、画像の全体幅をカバーするために、もう一方の軸に沿った、プリントヘッドと媒体との間の低速な相対的動作も必要とされる。また、一般的に、軌跡の間隔は、所望される印刷解像度よりも粗いので、連続的な走査が交互にインタレースするよう、もう一方の軸に沿った低速動作がなされる。例えばサイテックス・ビジョン(Scitex Vision)社のIdanitデジタルプレスのようなある種のデジタルプレスでは、プリントヘッドは媒体の最大幅にわたるように作られており、低速動作は軌跡のインタレースのためだけに行われる。非走査モードで二軸動作を必要とするマーキング装置の他のタイプとしては、エアブラシがある。エアブラシは、特別な低解像度印刷(または画像描画)アプリケーションに用いられる。
光学プロセスに基づくタイプの印刷装置の一群も知られている。これらのプロセスでは、通常、マーキングは二段階で達成される。最初の(露光)フェーズでは、一つまたは複数の集光ビームが、制御信号で変調されたプリントヘッドから出射され、媒体または中間にある表面を照射し、そこに潜像を残す。第2の(現像)段階では、上記の潜像が媒体上で可視像となる。主に2タイプの露光装置および光学プリントヘッドが普及している。主流となっている第1のタイプは、発光ダイオード(LED)のような変調された光源アレイから構成され、そのトレースモードはインクジェットアレイのトレースモードと同様であり、一般的に、両方の軸に沿った走査のような動作を必要とする。主流となっている第2のタイプは、通常レーザから出射される強い光ビームを用いる。この光ビームは、変調され、画像領域を一掃する。ここでは、機械的な遅い動作は、一軸方向にのみ必要である。光という単語は、ここでは、集光可能なあらゆる電磁放射を意味するために用いられ、従って、紫外線または赤外線も含む。さらに、マーキングプロセスは、光電子効果または光導電効果に基づく必要はないが、例えば熱的効果に基づくものでも良い。
直接的な熱的効果または直接的な帯電効果を用いた印刷装置のように、上述した以外の物理プロセスを用いるアレイ状の印刷装置も知られている。電子ビームまたはイオンビームのような、光ビーム以外のビームを用いた走査ビーム印刷装置も同様に知られている。これらのあるいはこれら以外の装置に基づくディジタルプリンタも、同様に、ここで開示された改良の対象となる。印刷プロセスによって媒体上に残されるマークは、例えばインク、ペイント、またはトナー等で形成されたマークのような、光学的に読み取り可能な任意のマークである。あるいは、マークは、例えばワニス、工業用レイヤのマスキングまたはエッチング等の、媒体上の任意の材料または効果であっても良い。光学的に読み取り可能なマークの場合は、プリントヘッド内のいくつかの装置は、異なる色でマークを形成する複数の装置を含んでいても良い。これは、特に、インクそのものが着色されているインクジェット(同様にエアブラシ)印刷の場合に適している。そのようなインクは、印刷色の4原色であっても良いし、他の任意の色や、金属材料または傾向材料含む構成材料を有していても良い。このようなまたはその他の印刷プロセスに基づくディジタルプリンタも、同様に、ここに開示された改良の対象となる。
プリンタは、プリントヘッドと媒体との相対動作が実行される方法によって、機械的に区別される。このような動作に関連して、三つの基本的な機械的構造がある。第1の構造では、画像の印刷中、媒体が静止しており、プリントヘッドが一般的に二つの直交軸に沿って(通常、相対的に高速な動作がX軸に沿い、相対的に低速な動作がY軸に沿う)、動作可能である。媒体は平らに位置するシートまたは板であることが多い。この場合、この構造は、フラットベッドプリンタとも呼ばれる。走査ビームタイプのプリントヘッドの場合、走査はX軸に沿うと仮定すると、Y軸に沿っては低速な機械的動作のみが行われる。印刷画像の最大幅全体にわたるアレイタイプのプリントヘッドの場合、Y軸に沿った動作は、上記したように、インタレース走査のためのみに必要である。マーキング中のプリントヘッドのいずれの動作も、以降、マーキング動作と称される。
第2の機械的構造では、媒体はY軸にそって低速で動く一方、プリントヘッドは通常X軸に沿って、比較的高速な動作で、繰り返し動く。走査ビームタイプのプリントヘッドの場合、プリントヘッドが静止し、走査はX軸に沿って行われる。この第2の基本的構造のディジタルプリンタは、印刷される媒体が柔軟性のあるものか柔軟性のないものかによって異なる。媒体が柔軟性のあるものである場合は、媒体は、複数の分離されたシートでも良いし、または、ウエブ(web)としても知られる非常に長いシートに形成されていても良い。柔軟性のない媒体は、柔軟性のない媒体に付着または積層された、例えば一つまたは複数の衣類(garment)のような、柔軟性のある媒体も含む。柔軟性のない媒体または基材は、通常平らであり、印刷中は座標軸の一つに平行に動く。これは、フラットベッドプリンタのもう一つの構成と見なすこともできる。しかし、柔軟性のない媒体または基材は、例えばシリンダのような、他の便利な形状を有しても良い。後者の場合、シリンダは軸まわりに低速回転し、一方、プリントヘッドは、回転軸に平行に高速に動く。ウエブ状の媒体は、ローラによって、リールからリールへと動き、印刷ステーションを通過する。印刷ステーションにおいて、媒体は平坦になるよう延ばされ、または、裏当ての表面に接して走らされる。柔軟性シートは、ローラによって、または、柔軟性のある基材(例えばエンドレスベルト)または柔軟性のない基材(例えばシリンダ)に一時的に付着させて、印刷ステーションを通過する。
第3の構造では、高速に動くのは、例えば回転するシリンダに付着させた媒体である。一方、プリントヘッドは、印刷画像の幅にわたるアレイを含み、上述したように、低速動作はインタレース走査のためにのみ必要とされる。第4の基本的構造は、一般的に実用的ではなく、実用的であるとも知られていないが、理論的には可能であると評価されるであろう。つまり、第4の構造では、プリントヘッドが静止し、直交軸の両方に沿って媒体が移動する。本発明は、上述した他の構造の全てだけでなく、比較的実現が容易な自明な変更と共に、このような構造にも適用可能である。
上述の構造のそれぞれに対して、媒体の取り込み(媒体を印刷の一般的領域に持ってくること)と、マーキング中の媒体の移動と、媒体の排出(媒体を上記の領域から取り出すこと)のための様々な方法が知られている。柔軟性のない媒体または基材や、シート形状の柔軟性のある媒体の場合は、取り込みおよび排出に必要な動作は、マーキング中の上述の低速動作とは区別可能であり、一般的にそれよりも高速である。ウエブ形状の媒体の場合は、これらの3つの動作は、同じ平均速度を有するが、別個にコントロールされ得る。これは特に、マーキングのための動作が段階的である場合に明らかである。プリンタが流れ作業中のただ一つのステーションであり、他のステーションが、同様のプリンタを有するか他のプロセスに関与する可能性もある。ウエブを用いる構造では、ウエブは先行する作業ステーションからプリンタへ進み、そのプリンタから出て次の作業ステーションへ進むこともある。シートまたは基材(印刷される小片を運ぶ基材の場合を含む)を用いる構造では、後者は、例えば円卓状に一つのステーションから次のステーションへと動かされる。これにより、一つまたは複数のステーションが、前記の小片または基材を取り込みおよび排出する役目を果たす。フラットベッド構造は、多様の媒体、特に柔軟性のない媒体や基材に付着した加工片からなる媒体の印刷に便利である。本発明は、媒体を動かすための方法が上述のいずれであっても、マーキングプロセス中の媒体の動作に対して適用可能である。
曲面に印刷または画像的ペイントを行わなければならない応用もある。これらは、例えば、平らな媒体(例えば厚紙)を切断し、折り曲げ、接着することによっては加工できない様々な物体の外面である。このため、上述したどの構造に関するプリンタも、例えばZ軸のような第3の直交軸に沿ったプリントヘッドと媒体との相互動作も可能なように、変更することができる。Z軸に沿った動作は、プリントヘッドと印刷される媒体の領域との距離が一定を保つように制御される。
基本的に、従来の全てのプリンタは、単一のプリントヘッドを備え、それで機能するよう設計されている。この文脈においてのプリントヘッドという用語は、上述した種類の任意のプリントヘッドとして、および、機械的に単一のアセンブリであって、かつ、媒体が印刷位置にある間に、その媒体の印刷可能領域の本質的に全体にマークする動作が可能なことを特徴とする、類似のプリントヘッドとして、理解されるべきである。典型的に、上述のプリントヘッドと媒体との相互動作が行われるに従って、プリントヘッドが全体の画像を徐々にマークする。プリントヘッドがマーキング装置のアレイを含む場合は、それらの装置は、上述したように、互いに近接した平行な軌跡をマークするように配置され、連続的な走査が、通常、これらの軌跡をインタレースさせる。単一のプリントヘッド内にマルチカラー装置がある場合は、それらの装置は、一般的に、それらの軌跡が連続的な走査において互いにオーバーラップするよう配置される。
複数の別個の画像(しばしば同一の画像)を、単一の媒体に印刷する必要がある応用例が多くある。重複は、X軸に沿う方向でも良いし、Y軸に沿う方向でも良いし、両方に沿っても良い。これは、特に、別個の印刷媒体片の列を印刷しなければならない場合に必要とされる。典型的な例は、装飾タイル、Tシャツ、シール状ラベルである。さらの他の例としては、一枚のシートに印刷される、ポスターやリーフレットや本のページの複数コピーである。
明らかに、そのような印刷ジョブの全ては、制御信号を適切にプログラムすることにより、従来の単一のプリントヘッドを有するプリンタでも実行可能である。そのような運用には二つの欠点がある。一つ目は、多くの場合、印刷片の間またはページ画像の間に、マーキングが生じない比較的大きな空間ができることである。プリントヘッドがこのような空間を走査するための時間が無駄であり、結果として、プリンタの利用効率が低下する。これらの空間の上で、プリントヘッドまたは媒体の動きを速くすることは理論的には可能であるが、高い割合の加速および減速が必要とされるので、現実的ではないかも知れない。二つ目に、マルチ画像は順次にマークされるので、それらの画像の全てをマークするために要する時間は、それらの画像の一つをマークするために要する時間の積となる。このため、単一のプリントヘッドを用いてそれらの画像をマークすることは、複数のプリントヘッドを同時に用いていくつかの画像をマークすることに比較して不利である。
あるプリンタの全体的な印刷速度は、一般的に、マーキング時の走査速度を高くすること、または同時に動作する印刷装置の数を増やすことによって、向上させることができる。走査速度は、究極的には、機械的要因および各装置の最大マーキング速度によって制限される。プリントヘッド内のマーキング装置の数を増やすことは、一回の走査でマークされる軌跡の数を増やすこととなる。これにより、Y軸に対して、速度の相応の増加、または、連続動作の場合はステップサイズの相応の増加が必要とされる。いずれの場合でも、連続した走査の間の連携を維持するために要求される機械的な精密さが負担となる可能性がある。媒体の全幅にわたるようにプリントヘッド内のマーキング装置の数を増やす場合は(これにより、上述した第3の基本的構造のいくつかのプリンタの場合のように、Y軸に沿った動作があるとしても、その動作が非常に少なくてすむ)、画像間の空間のみをトレースする装置(またはそのような装置の部分)の数がかなり多くなる可能性があり、従って、無駄な投資となる。
印刷される表面が曲面である場合、Z軸方向の動作も必要とされ、プリントヘッド内の印刷装置のサイズと数に制限がある。プリントヘッドと曲面との間で維持される距離が、実際的に、全ての装置と孔について等しくなるように、十分に小さくなければならない。
さらに、複数画像の応用例では、画像の間の隙間の幅だけでなく、画像のサイズも、ジョブ間および同一シート上の画像の間で、ばらつくことがある。上記で提案したような、全幅アレイのプリントヘッドの非効率な投資を克服するために、マーキング装置のいくつかを省略することは、このばらつきの観点から非現実的であるだろう。
さらに、複数画像の応用例のいくつかにおいては、異なる媒体に様々な画像を印刷しなければならないこともある。例えば、印刷されるTシャツの束に、異なる材料からなるサンプルが含まれる場合がある。あるいは、他の例としては、製品が異なる材料からなる部分を含むこともある。そのような異なる媒体は、それぞれに応じて異なる種類の印刷装置またはインクを必要とし、従って、単一のプリントヘッドによる一回の動作では印刷できない可能性がある。従来のプリンタを用いると、ジョブは、おそらく異なるプリンタによって、数回の実行によってなされなければならない。あるいは、一つのプリンタのプリントヘッドにいくつかの異なる印刷装置(またはいくつかの異なるインクを使う装置)を設け、印刷動作の数だけジョブを繰り返すことも考えられる。明らかに、このような動作は、プリンタの時間を非常に無駄にする。
2000年9月19日に発行され、表題が「高速プリンタおよびそのようなプリンタの使用」である米国特許6,120,142(Eltgen et al.)は、1つの印刷モータと1つの非接触加熱素子とを有するプリンタを開示している。そのプリンタの印刷幅と用紙経路幅とは2倍ウエブ幅よりも大きく、記録ヘッドの選択的制御を可能とする。記録ヘッドは、中央に配置された2倍幅ウエブを印刷する1つのグループとしてそれらを用いるため、または、マージンによって分離された2つのシングル幅のウエブを付随的に印刷する2グループのヘッドとしてそれらを用いるため、のいずれかに制御される。
2002年6月18日に発行され、表題が「隣接する画像を生成するための複式ヘッドインクジェットプリンタ」である米国特許6,406,126(Clark)は、印刷媒体上に隣接する画像を生成するための複式ヘッドインクジェットプリンタを開示している。そのインクジェットプリンタは、キャリッジと、キャリッジに沿って軸方向に移動可能であり、かつ、軸方向に互いに所定の間隔をおいて配置された複数のインクジェットプリントヘッドと、隣接するプリントヘッドの間隔を維持しつつプリントヘッドのそれぞれをキャリッジに沿って同時に動かすプリントヘッド駆動アセンブリとを備えている。各インクジェットプリントヘッドは、各々のプリントヘッドに別個の画像を印刷媒体上に独立して印刷させる別個の画像駆動回路によって制御される。キャリッジの長さは、プリントヘッドの1つが印刷媒体の全体に及ぶ1つの大きな画像を印刷することを可能とするために、印刷媒体の幅よりも十分に大きい。
1986年3月18日に発行され、表題が「マルチヘッドシリアルプリンタ」である米国特許4,576,490(Isobe)は、異なるキャリッジに搭載された複数の印刷ヘッドを備えたマルチヘッドシリアルプリンタを開示している。複数のキャリッジは共通のガイドによって独立して支持され、それらのキャリッジは、異なる駆動源によって、ライン方向へそれぞれが移動可能である。
このように、様々なサイズの複数画像を、従来の構造において得られる効率よりも高い効率でかつ従来よりもかなり高速に、印刷することが可能なディジタルプリンタ構造に対する明らかな要望がある。
[発明の要旨]
本発明は、広い範囲の構造のディジタルプリンタの改良である。本発明では、一つのプリンタに複数のプリントヘッドが設けられ、前記プリントヘッドは、一つの印刷可能媒体の対応する領域に、または、印刷可能な範囲内の複数の印刷対象物のうち対応する印刷対象物に、複数の画像を同時にマークすることが可能である。各々のプリントヘッドは、独自にすなわち排他的に、印刷領域の全体へ、対応する画像または画像グループをマークする。従って、プリントヘッドは、画像の間の距離または画像グループ間の距離に従って、互いに十分な距離で配置されている。プリントヘッドは、一次元または二次元アレイ、好ましくは、直交座標系の格子点を中心とする規則的なアレイに配置されているが、任意の配置をとり得る。いくつかのプリントヘッドの距離は、対応する画像間に所望される公称距離に従って調整可能であることが好ましい。本発明にかかるプリンタは、本来、各プリントヘッドが、対応するウィンドウ内の媒体にマークをすることが可能であるように設計されている。ウィンドウの全ては、それらの各々のサイズと互いの位置的関係は調整可能であるが、相互に別個のものである。相互に別個という用語は、ここでは、相互に排他的であり、オーバーラップしない領域を対象とする意味で用いられる。これが、周知のプリンタにおいて普及している、印刷領域の全体に対して様々なマーキング装置によって形成されるインタレースマークの構成と、特に対比される点である。随意的に、前記ウィンドウは、いくつかの応用にあたって必要とされるように、相互に接触するようにあるいは部分的にオーバーラップするように形成されていても良いが、そのようなオーバーラップは、どのウィンドウのサイズについても実質的に小さな割合であろう。
マーキングプロセスまたはモードがどのような場合であっても、および、プリントヘッドがどのような構造であっても、本発明によって提供されるように、同時に印刷する複数のプリントヘッドを用いれば、印刷の有効な全体速度が大きく増加する、ということが評価されるべきである。さらに、所定のプリンタ構造のマーキング領域内で複数のバラバラな画像を、それらの画像の間に十分な距離をとって印刷しなければならない場合はいつも、対応するバラバラのウィンドウ内に印刷する複数のプリントヘッドを用いることで、プリンタの使用効率が増加する。プリントヘッドが印刷されない非画像領域を走査することによる時間の無駄がないからである。
本発明にかかるディジタルプリンタは、上述したような従来のプリンタの適切な構造や、上述と同じタイプのマーキング装置および同じモードのマーキングを用いる他の任意のタイプまたは構造に基づいている。プリントヘッドは、任意の数のマーキング装置を含み得る。各装置が、マーキング素子(例えばインクジェットノズルまたはLED)のアレイを含む場合もある。改良を実施する場合、基本的な構造についていくつかの変更が行われる。これらは、以下を含む。
D サポートと、場合によっては、複数のプリントヘッドのマーキング動作とを提供すること、
場合によっては、適切に増やされた印刷領域内でのマーキングの間、媒体の指示または移動を提供すること、
マルチプリントヘッド用に、適切な複数の制御信号発生源を提供すること。
マルチプリントヘッドプリンタのいくつかの構造が、本発明の模範的な実施形態として開示される。これらの構造は、関連する基本的なプリンタ構造に関する。それらは、以下の機械的概念のいずれかによる様々な組み合わせにより、プリントヘッドのアレイ全体を形成する。
(i)複数のプリントヘッドが一次元または二次元のアレイとしてアセンブリ内に搭載されている。これは、マルチプリントヘッドアセンブリ(MPA)と呼ばれる。一つまたは両方の次元に沿ったプリントヘッドの公称(例えば中心間)距離を調整可能とするために、機械的または電気−機械的手段がアセンブリ内に含まれていることが好ましい。電気−機械的手段の場合は、適切な制御信号が生成される。MPAは、一般的に、基本的なプリンタ設計における単一プリントヘッドに取って代わるものであり、従って、マーキングの間、静止しても良いし、移動可能であっても良い。レールに沿って移動可能で有れば、MPAを支える第2の平行なレールと動作アセンブリとを、機械的安定性のために追加しても良い。
(ii)それぞれが1つのプリントヘッドまたは複数のプリントヘッド(上述のとおり)を含む、複数のプリントヘッドアセンブリ(PHA)が、それぞれ、レールに沿って(例えばX軸に沿って)移動可能となるように、前記レールに搭載されたキャリッジに取り付けられる。レールとマーキング動作構造は、基本的プリンタ構造のものと同様であっても良いが、各々のPHAは、随意的にそのマーキング動作のための制御信号が共通である可能性はあるが、独立して移動可能であることが好ましい。機械的安定性のため、そのレールを二重化しても良い。プリントヘッド移動が2軸方向の場合(例えばフラットベッド構造の場合)、レールまたは二重レールアセンブリは、例えば一対のベースレールを用いて、他方の軸に沿って移動可能である。
(iii)複数の相互に平行なレールが、X軸に平行に設けられている。そのレールのそれぞれに沿って、1つまたはそれより多いプリントヘッドまたはPHAが移動可能である。いくつかのレールに沿った移動は、随意的にそれらの動作制御信号が共通である可能性はあるが、互いに独立であることが好ましい。レール間の公称距離は、適切な機械的または電気−機械的手段を備えたことによって調整可能であることが好ましい。プリントヘッドの移動が2軸方向である場合(例えばフラットベッド構造の場合)は、各レールは、例えば一対のベースレールを用いて、Y軸に沿って移動可能である。いくつかのレールの移動は、それらが随意的に動作制御信号を共有する可能性はあるが、互いに独立であることが好ましい。
(iv)プリントヘッド同士の距離(MPAの中、または、動くプリントヘッドとPHAとレールアセンブリとの間)の調整可能範囲は、1つまたはそれより多いプリントヘッドまたはPHAを使用せずにおいておくことにより、動作するプリントヘッドの数を減らするようにしても良い(例えば、数は少ないが大きな画像をマークするために)。
(v)印刷可能媒体(または印刷可能対象物を運ぶ基材)が柔軟性を有する場合、動作するプリントヘッドの全ての同時にマークする範囲内のどちらかの経路が、プリントヘッドアレイの平面に合わせて平坦化される。あるいは、アレイアセンブリ全体の構成要素のいずれかの形状、位置、または向きが、媒体の経路に合わせて変更される。
(vi)印刷面が平坦でない場合(例えば物体の曲面)、PHAのいずれかまたは全てが、走査ラインに沿ってマーキングしている間に表面を追従するように、下にある印刷平面または基材に対して一般的に法線である1つの軸に沿って、制御可能な状態で移動可能である。マルチPHAの場合は、PHAが、同一の対象物を印刷するために、この軸(または他の軸)に沿って共に移動するようにしても良い(1つのMPAの中に複数のプリントヘッドを有する場合に必要となるであろう)。あるいは、様々なPHAが法線軸に沿って独立に移動可能な構成としても良い。
随意的に、本発明にかかるマルチプリントヘッドプリンタに、以下に示すものを含む追加的概念を含めることができる。
(vii)プリントヘッドのいくつかが、他のプリントヘッドとは異なるタイプの印刷装置を含む、または、それらの印刷装置が、異なる色の材料や異なるタイプの媒体に適した材料等を含む異なる材料(例えばインク)を用いてマークをする。
(viii)例えば、乾燥時間または現像工程が、走査間に介在しなければならないときに、数色でマークするために、媒体のいくつかの箇所(例えばいくつかの画像)を、何回かの走査によって連続的にマークしても良い。この概念そのものは、従来のプリンタ(例えば、マルチユニット、またはマルチパスディジタルカラープリンタ)と共通である。従って、この概念は、ここに示す他の概念と関連して本発明のプリンタに適用可能である。
(ix)概念(g)および(h)と共に、媒体のいくつかの箇所(例えばいくつかの画像)を、異なるウィンドウ内で連続的にマークしても良い。
(x)マーキングは、中間的表面に対して実行される。中間的表面上の画像は、その後、中間的表面から直接的または間接的(いわゆるオフセット処理などにより)に、印刷媒体である受容媒体へ転写される。この概念自体も、従来のある種のプリンタと共通である。
本発明に従って構築されたプリンタの好ましい動作モードは、バラバラの画像の印刷であるが、連続する画像を形成するためにいくつかのプリントヘッドによってそれぞれマークされるいくつかの画像領域が隣接している場合にも、それらのプリンタの多重プリントヘッドの特徴が有利に用いられるような状況または応用例があるかも知れない。この場合、マーキングウィンドウのそれぞれは、相互に隣接し、または、場合によっては、連接する境界領域内でオーバーラップすることもある。そのような動作モードを有していても、マーキング装置の全数を備えた本発明にかかるプリンタは、その1つのプリントヘッドに同時に動作する同様のマーキング装置を同数備えていたとしても、ヘッド動作または媒体の低速動作を含むあらゆる構造の周知のプリンタとは明らかに区別され、かつ、それらよりも有利であると、評価されるべきである。なぜなら、本発明にかかるプリンタでは、マーキング装置は所定の印刷可能領域により均等に配置され、その領域をカバーするための動作はかなり少なくてすむからである。その利点は、特に非常に大きい媒体形式のプリンタにおいて顕著であろう。
本発明にかかるプリンタは、たとえ従来のマルチステージディジタルカラープリンタが複数のプリントヘッドを備え、それらのプリントヘッドのそれぞれがそれ自体のウィンドウ(すなわち印加ステーション)内にマーク(それぞれのカラー要素)をするものであったとしても、この従来のプリンタとは区別される。なぜなら、従来のプリンタでは、媒体の印刷箇所のそれぞれは、全てのウィンドウを通過し、一般的に各ウィンドウのプリントヘッドで印刷されるのに対して、本発明にかかるプリンタでは、媒体のいくつかの別個の部分が、それぞれの別個のウィンドウ(または、上述の概念(i)が導入された場合は、別個のプリントヘッド群とそのウィンドウによって)内において、対応する別個のプリントヘッドによって印刷されるからである。
本発明にかかるプリンタは、本発明にかかるプリンタが1つの整合したアセンブリを備え、重複して印刷される媒体の全てが、印刷領域へ取り込まれる間、またはそこから排出される間だけでなく、印刷される間も、機械的に一緒に取り扱われる点において、複数の従来のプリンタが並行にまたは直列に動作する構成とは区別される。
[具体的な実施形態の詳細な説明]
本発明の装置の基本的特徴は、いずれの構造においても、互いに十分な(substantial)距離をおいて配置され、媒体上のそれぞれのウィンドウ内で、同時に印刷が可能な複数のプリントヘッドを備えた点にある。なお、いくつかのウィンドウは別個(separate)である。「十分な距離」という用語は、その距離が、本質的には、単にヘッドアセンブリの観点から必要とされる距離よりも大きく、印刷される画像の間隔から決定される、という意味である。「別個」という用語は、ウィンドウが相互に排他的、すなわち、それぞれのウィンドウが1つの近接する領域からなり、どの2つのウィンドウもそれぞれの領域の実質的な部分においてオーバーラップすることがない、ということを意味する。明らかに、対応するプリントヘッドによって任意の2つのウィンドウ内に生成されるマークは、交互配置にならない。ウィンドウの排他性は、必ずしも、装置の構造または機械的制約によってもたらされるものでなくて良いが、むしろ、本発明の基本的動作モードによってもたらされる。さらに、ウィンドウの数だけでなくウィンドウのサイズと位置も、印刷ジョブごとに変化する可能性があるので、ウィンドウ境界の定義は柔軟かつ動的であることが好ましい。ウィンドウは、1つの座標軸に沿って、または任意の2次元関係において、配置することができる。後者は、規則的な矩形の格子配列に従うことが好ましいが、これは必須ではない。
本発明を、いくつかの模範的な構造について説明するが、これらは、排他的または限定的に解釈されるべきではない。ここで記述する全ての構造は、背景技術の欄において上述したディジタルプリンタの典型的な構造に基づく。自明な改良により、本発明にかかる装置は、その他のプリンタ構造とその変形に基づく可能性もある。さらに、以下の実施形態は、媒体上のトレース(インクジェットマーキングまたは任意のアレイ構造に基づくように)を有効にするために、媒体に対して移動可能なタイプのプリントヘッドを想定するが、本発明は、1軸方向の動作のみ(例えばレーザビームなどのビーム走査を含む)を必要とするタイプを含む他のタイプのプリントヘッドを有するプリンタにも、同様に適用可能である。従来提案されたプリンタと同様に、各プリントヘッドが、それぞれが複数の軌跡をマークする、複数のマーキング装置を含んでいても良い。マーキング装置は、上記の背景技術の欄で説明したように、どのようなタイプであっても良いし、どのようなマーキングプロセスに基づくものであっても良く、例えば、(任意の種類の)インクジェット、(任意の波長での)放射性暴露、荷電粒子ビーム、(転写フィルムを含む)接触加熱、(接触による、または、エアブラシによる)ペインティング、および、機械的衝撃を含むが、これらには限定されない。印刷の結果媒体に付着された材料は、任意の種類であって良く、様々な効果を有し、(一般的に理解されている印刷効果であり、波長選択、すなわち着色であるかも知れない)光学的減衰、その他の光学効果(透過性または蛍光など)、保護コーティング、テクスチャ、(例えば化学的または放射性の後続のプロセスに対する)レジスト層を含むが、これらに限定されない。プリントヘッド内のいくつかの装置は、互いに異なる色で、または、互いに異なる材料または効果でマークする複数の装置を含んでいても良い。本発明の装置で印刷される媒体は、同様に、任意の種類で良いし、任意の材料からなっており、紙、厚紙、プラスチックまたは金属のシートまたは板、繊維製品およびセラミックを含むが、これらに限定されない。印刷プロセスと、付着させる材料と、媒体の種類との間にある程度の関係があることは明らかである。印刷プロセスの他の側面は、有効な材料を媒体上に付着させる方法である。材料を、マーキングプロセスの一部として実時間で付着させても良い(インクジェット印刷またはフィルムからの転写の場合に通常に行われる)し、または、マーキングプロセスの後に、放射または帯電したプリントヘッドによってマークされた潜像を「現像」するために一括して付着させても良い。さらに、この材料の付着は(実時間であろうが、「現像」段階であろうが)、媒体に対して直接に行われても良いし、最初に中間的担体に材料を付着させた後、その材料をそこから直接的または間接的に(例えばオフセット)、媒体へ転写しても良い。付着のこのような任意のプロセスまたは方法を、本発明にかかるプリンタで用いることができる。最後に説明したケースにおいて、「1つの媒体(medium)」と「複数の媒体(media)」という用語は、明細書および特許請求の範囲において用いられているように、中間担体を意味するものとして理解されるべきである。
以下、多数の構造および変形について説明する。しかし、上述した基本的特徴を含むという条件で、本発明の範囲から派生するさらに多くの構造および変形があり得るということが、理解されるべきである。各構造または変形は、特定の基本的な機械的構造、特定の印刷プロセス、または特定の媒体形式または形状に対して、適切に適用することが可能であろう。それらの選択は、上述のいずれかに関連する適切な要素にも依存する。図面および後述の説明においては、フラットベッドは、媒体の支持と搬送のための機械的構造を想定している。しかし、これは、限定として解釈されるべきではなく、開示された構造のどれについても、もし適用可能であれば、他の媒体支持および搬送構造へ適用可能であることは、当業者に容易に理解されるであろう。さらに、図面は、マーキング中は媒体が静止していると仮定し、2軸に沿ったプリントヘッドのラスター形成動作に基づいた基本的な構造を示している。しかし、プリントヘッドが仮にあったとしても1軸のみに沿って動く間、媒体のマーキング動作を行う構造は、これから容易に理解できるであろう。ウエブ状媒体の場合、以下に説明する複数列のプリントヘッド構造のどれにも合致してアクティブな印刷領域が拡大するように、特に、搬送システムを改良する必要があるだろう。同様に、想定されたマーキングプロセスはインクジェットプロセスであるが、上述したような他の任意のマーキングプロセスを容易に適用可能である。どのような種類のプリントヘッドも、図中では、概略的に四角形で示した。明らかに、実際の形状は、一般的には異なっている。最後に、図示されたマーキングモードは、プリントヘッドと媒体との間の2軸方向の動作を伴うものである。しかし、以下の実施形態は、単一軸方向の動作あるいは全く動作を伴わないマーキングモードに対して容易に適用できることが理解されるべきである。図面は、印刷される媒体として、基材によって搬送されるタイルアレイを示しているが、ここのタイルは例示目的のみであって、本発明にかかる装置は、単一であってもあるいはマウントされたアレイであっても、他の任意の媒体を印刷するために用いることができる。
以下で説明され、図示される、プリントヘッド、プリントヘッドアセンブリ、または媒体を動かす構造は、プリントヘッドを一体に構成する構造と共に、例示目的のみであって、本発明のプリンタにおいてそのような任意の構造が可能である。それらの構造の性質および詳細は、当業者にとって自明である。構造を動かすためおよびプリントヘッドを動かすためのいずれの電気的駆動回路も図示していないが、それぞれの構造またはプリントヘッドの一部として理解されるべきである。
上述の背景技術の欄で説明したように、他のプリンタまたはワークステーションからの取り込みまたは他のプリンタまたはワークステーションへの排出を含めて、媒体をプリンタへ取り込み、プリンタから排出するための様々な方法がある。取り込みおよび排出のどのような方法も、構造に適した態様で、本発明のプリンタに適用することができる。しかし、取り込みおよび排出のための方法および構造は、本発明の一部ではない。
本発明にかかる装置の構造について、背景技術の欄において説明した3つの機械的構造の観点で、論理的な順序で(最初は第2の構成、次に第1の構成、最後に、第3の構成の順で)、以下に説明する。
本発明にかかる装置の第1の一般的な構造の好適な実施形態を、図1に平面図として示す。これは、第2の基本構成のディジタルプリンタに基づく。この構成において、プリントヘッドは第1の軸12(例えばX軸)に沿って速く動き、一方で、媒体は第2の直交する軸14(例えばY軸)に沿ってゆっくりと動く。模範的な基本的プリンタ構造は、図示の代わりとして、フラットベッドであり、図1の構造における模範的な媒体は、水平で平坦な基材18に載置された一群のタイル16である。図示のために、見本のタイルは、4×4の矩形のアレイを形成し、中心から中心まででd単位の間隔が空けられている(dはタイルのサイズよりも大きい)。基材は、水平な平面内にあり、固定フレーム20に支持されて、Y軸に沿って前後に移動可能である。タイルのアレイは、X軸に沿って配置された4列と、Y軸に沿って配置された4つの行からなると見なすことができる。レール22が、X軸に沿って、基材にかかるブリッジ24の上に取り付けられている。マルチプリントヘッドアセンブリ30が、レール22に沿って少なくともd単位の距離にわたってスライド可能なキャリッジ26に取り付けられている。スライド動作は、例えばキャリッジ26に搭載されたモータ27と、ギアホイールの回転またはベルトドライブ(図示せず)のように、この分野で知られている任意の手段によって実現することができる。図1のマルチプリントヘッドアセンブリ(MPA)30は、X軸に沿ってd単位離して(中心距離において)配置された4つのプリントヘッド32を備えている。動作においては、MPHは、タイルのサイズを超える所定の距離だけ左から右へ動き、そして戻るように、繰り返して動かされる。一方、基材は、低速の連続動作または段階的動作のいずれかで、前から後ろへ動かされる。左から右への動作中に、各プリントヘッドは、その下のタイル上に、w単位の幅の一片をマークする。基材の動作の速度または段階的動作のステップサイズは、MPA動作の1サイクル中にw単位の移動をカバーするようになされる。基材の供給と排出の期間、基材の動きは速くなされても良い。カラー印刷の場合は、各プリントヘッドは、典型的には、様々に色インクが供給される複数のマーキング装置を含む。これらは、一般的に、基材の動作方向において相互にオフセットするよう配置される。この場合、画像のどの一片も、様々な色で連続的に印刷されるが、全体動作は説明したとおりである。明らかに、上述したように動作するプリントヘッドのこの配置により、MPA内のそれぞれのプリントヘッドにより、タイルアレイの各行のそれぞれに沿って、4つの画像を同時に印刷することができる。
ブリッジと、キャリッジと、レールとは、単に、MPAを支持してその動作を一つの軌道に限定するための典型的な手段として上述されただけであることと、現時点でこの分野で知られているか否かに関わりなく、そのような効果を奏するための他の手段を、本発明の範囲内で同じように適用可能であることが、理解されるであろう。さらに、MPAを上記の軌道に沿って動かすために、任意の手段および方法を用いることができる。それらの多くは、この分野においてよく知られているであろう。同様に、媒体または基材を動かすための任意の手段を、本発明の範囲内で適用可能である。さらに、MPAの軌道は直線である必要はないが、例えば、アーチ状または円形状である可能性がある。例えば、媒体または基材の筒状形状に合わせるためである。あるいは、媒体の動作は、直線に沿う必要はないが、例えば、下に存在するある曲面に合わせる可能性がある。後者の状況は、特に、媒体または基材が、固定または回転する支持表面によって裏打ちされた印刷領域を通過するシートまたは連続したウエブである場合に生じる。一般に、MPAを支持して動かす手段および方法は、同様の基本的構造を有する従来のディジタルプリンタにおいて単一のプリントヘッドを支持して動かすために用いられる手段および方法と同様である。同様に、媒体または基材を動かすための手段および方法は、同様の基本的構造を有する従来のディジタルプリンタにおいてそれらを動かすために用いられる手段および方法と同様である。そのような手段および方法に対して必要な任意の改良は、当業者にとって明白である。さらに、通常、複数のPHAを単一のキャリッジに取り付けることが可能である。
第1の構成の第1の変形の好適な実施形態を、図2の平面図に示す。これは、MPA30中の4つのプリントヘッド32が、d単位だけ離して、ここでは前後方向に配置されており、かつ、2つのブリッジ24のそれぞれの上のレール22の長さが少なくとも4d単位である点を除いて、図1のものと同様である。MPAは、例えばその真ん中において、単一のレールに沿ってスライド可能なキャリッジからぶらさがっていても良い。あるいは、図2に示すように、ブリッジ24のそれぞれに取り付けられた2本の平行なレール22のそれぞれの上でスライド可能な2つのキャリッジ26に取り付けられていても良い。動作時には、MPA30は、タイルアレイの全体幅にわたって動かされることにより、同時に4列のタイルを印刷する。基材は、一方で、全体のアレイが印刷されるd単位にわたってゆっくりと動かされる。その後、基材が排出のために後ろへ動かされ、新しく取り込まれた基材が、前回のものと同様に印刷されるべく配置される。
第1の構成の第2の変形において、図3および図3(a)の平面図に示すように、MPA30内の8つのプリントヘッド32は、例えば2列と4行の二次元アレイに配置されている。この場合、1回で2列を印刷し、毎回基材を新しい位置に動かすことにより、8つのタイルが同時に印刷される。列はd単位だけ離して配置されていても良く、この場合、2つの隣り合う列のタイルが動じに印刷される。または、列が2d単位だけ離して配置されていても良く、この場合、交互の列のタイルが同時に印刷される。図3および図3(a)のMPAは、プリントヘッドの2×4のアレイの他のフォーマットを例示する。ここでは、列は、アクティブな印刷領域の長さのおよそ半分だけ離して配置されている。図3に示されている見本の媒体は、前の例よりもY方向のサイズが小さいタイル16からなり、このため、6列が、印刷可能領域の長さに適合している。従って、MPAの列は、3列分の距離だけ離して配置されている。ここでも、例えば、2列のタイルが同時に印刷され、その後、媒体が次に印刷される一対のペアへ移動する。以下でさらに説明するように、どの列においてもプリントヘッドの距離が調整可能であることが好ましい。図3において、アレイを横切って4つのタイルが存在し、全てのプリントヘッドがそれぞれの下にあるタイルに従って配列されるよう、MPA30の各列における4つのプリントヘッド32の位置が調整可能である。しかし、様々なプリントヘッドに対する印刷制御信号が独立であり、タイルに対するそれらの実際の位置に関連してタイミングをとることができる場合は、この配置は厳密である必要はない。プリントヘッド間の距離は、MPAの幅にわたってより多くのまたはより少ない(これに従ってより小さいまたはより大きい)画像を有する画像アレイに適合できる程度に調整可能であることが好ましい。この場合、1つ(またはそれ以上)のプリントヘッドは、最後の位置へ移動され、非アクティブとされるであろう。図3の構成に対する見本例を図3(a)に示す。ここでは、タイルは3行だけであり、それぞれの幅は前のケースよりも広い。従って、最も右側のプリントヘッド32”が、それぞれのアームの終端に動かされ、非アクティブとされた様子が示されている(図中ではそれらを白い四角で示した)。残りの3つのプリントヘッドの各アーム(図中では、通常どおり、グレートーンで示した)上の位置は、それぞれのタイルの行に沿って調整されている。
第1の構成の第3の変形では、図4の平面図に示すように、MPA30は、印刷可能領域の全体をカバーするプリントヘッド32のアレイを含むように構成されている。プリントヘッドは期待される画像位置に適合するよう間隔をあけて配置されている。これにより、全ての画像を同時に印刷することが可能である。図示された例では、アレイは、4×4のタイル16のアレイを同時に印刷するために、4×4のプリントヘッド32である。この場合、媒体の取り込みおよび排出動作の間に、MPAまたは媒体の再配置は必要ない。
以下に説明するものと同様、上述の構造のそれぞれにおいても、MPAの各プリントヘッドは、実質的に、それぞれの矩形のウィンドウ内において印刷を行う。ウィンドウの寸法は、連続する位置決め動作の間で、MPAまたは媒体または基材の動作中に各プリントヘッドが実際に印刷する範囲から決定される。従って、例えば、図1の構造における各プリントヘッドは、d単位の幅で4d単位の長さのウィンドウ内で印刷する。同様に、図2の構造におけるウィンドウは、4d単位の幅でd単位の長さを有する。図3の場合は、各プリントヘッドは、1つのタイルの幅に相当する幅で、かつ、3つのタイルの長さに相当する長さのウィンドウ内にマークする。図4の場合、実際、各タイルに対して1つのウィンドウが存在し、各ウィンドウは、この例では、各辺がd単位の正方形である。四角形でない形状を含む、他のウィンドウサイズも可能である。
上述した例以外の要素も可能であると理解されるであろう。このため、MPA上のプリントヘッドアレイは、他の任意数のプリントヘッドを備えても良いし、他のどのような構成をとっても良い。同様に、印刷媒体は、例えばタイルや衣類片のように、必ずしも物理的に別個の存在でなくても良く、相互に排他的な複数の画像が印刷される単一のシートの形態であっても良い。また、2つの直交軸に沿った距離は、必ずしも同一でなくても良い。いくつかのプリントヘッドによって印刷される画像は、同一でなくても良い。むしろその逆に、様々なプリントヘッドにおいて、異なる信号を供給し、異なる画像の印刷を行うことが可能であろう。後者の状況の特別な例として、単一の大きな画像の印刷がある。これにより、各々のプリントヘッドは、その画像中の指定された部分を印刷する。隣接する部分は、通常、視覚的に統合されるように隣接して配置される。明らかに、任意の画像を空白にすることもできる。
特定の応用に適したどの構成の変形においても、MPAのプリントヘッドのアレイは、必ずしも動作軸に合わせて配置されなくても良いが、結果として得られる画像が軸に合わせた格子の上にかからないように、動作軸に対して傾けても良い。さらに、プリントヘッドの中央そのものが、必ずしも相互に配列されていなくても良い。
同様にディジタルプリンタの第2の基本的な機械構成に基づいた、本発明にかかる装置の第2の構成の好適な実施形態の2例を、図5および図6の平面図にそれぞれ示す。この構成には、複数のプリントヘッドアセンブリが存在する。それぞれのプリントヘッドアセンブリ(PHA)は、1つまたはそれより多いプリントヘッドを含んでも良い。1つより多い場合は、PHAは実際にはMPAである。図5および図6のそれぞれの例において、2つのPHAが存在し、それぞれのPHAは2つまたは4つのプリントヘッドを含んでいる。各PHAは、上述した構成のMPAと同様に、レールに沿って移動可能なキャリッジに取り付けられている。そして、それらの動作モードは、以下に説明する場合を除いて、一般的には同様である。図6に示す例では、2つのPHA30が、共通のブリッジ24上の共通のレール22に沿って(または別個の共線的なレールに沿って)スライド可能なキャリッジ26のそれぞれに取り付けられ、ウィンドウはPHA間で左右に分割されている。このため、この例のタイルアレイについて、右側のPHA30はタイル16の右側の行を印刷し、左側のPHA30’はタイル16’の左側の2行を印刷する。図5の例では、2つのPHA30、30’が、それぞれのキャリッジ26に取り付けられ、大きく隔たったレール22に沿ってスライド可能であり、ウィンドウはPHAの間で前後に分割されている。この例では、前部に近いPHA30は前部に近い2列のタイルを印刷し、後部に近いPHA30’は後部に近い2列を印刷する。明らかに、図5と図6のそれぞれの例を組み合わせて、それぞれに複数のPHAがスライド可能に取り付けられた複数のレールを有する1つの例(図示せず)を形成することができる。第1の構成のように、全てのPHAに設けられた複数のプリントヘッド間の距離(そのようなプリントヘッドが設けられた場合)を、調整可能としても良い。さらに、図5の例で、レール(または支持ブリッジ)間の距離を、従来知られた手段によって、調整可能としても良い。
第1の構成の単一のMPAと同様に、第2の構成における全てのMPAのプリントヘッドのいくつかを、任意の特定のジョブの間、非アクティブに選択することにより、残りのプリントヘッドのみがそれらに関連付けられた印刷ウィンドウを持つようにしても良い。このように、図5および図6に示す例では、1つのMPA30において左側の2つのプリントヘッド(グレートーンで表示)のみが、アクティブにされて各行において複数のタイルを印刷し、あるいは、図示されているよりも幅広いタイルを印刷する。一方、これらのMPA(白で表示)において最も右側のプリントヘッド32”は、非アクティブのままである。図5および図6は、必ずしも全てのMPAが有するプリントヘッドが同じサイズで同じ構造ではない可能性も図示している。このように、各図面の例において、MPA30はMPA30’とは異なっている。
図6のPHAは、例えば、共通のドライブベルトなどの手段によって機械的に結合されていても良い。同様に、図5のPHAは、例えば、それぞれのドライブベルトのドライブホイール間を接続する共通軸によって、機械的に結合されていても良い。明らかに、上述の組み合わせ例において、PHAは、両方の軸に沿って機械的に結合されていても良い。このような構成を備えたことにより、結合されたPHAは、単一のMPAを有効に構成すると見なされ、第1の構成(およびその変形)について上述した動作モードを同じく適用できる。いずれかの軸に沿った結合のメカニズムを、結合されたPHAのそれぞれの距離を調整可能とするように改良しても良い。
しかし、一般的には、図5および図6のPHAを、別個の駆動メカニズムと対応する駆動信号により、独立して動かしても良い。そのような構成は、例えば、印刷される画像のサイズが、媒体アレイの様々な列または行において異なる場合に便利である。この結果、対応する列間または行間の距離dを変更することにより、適切なサイズのウィンドウが得られ、印刷可能領域全体をより有効に使用することができる。
複数のPHAの駆動メカニズムへ、それらを一致して共に動かすために、同一の駆動信号を供給しても良い。これにより、実質的に単一のMPAが構成される。この例では、PHA間の距離を調整可能とするために、電気的手段を好適に用いることができる。
図1〜6に示した構成は、背景技術の欄で説明したように、フラットベッド形式の、ディジタルプリンタの第2の基本的な機械的構成に基づいている。つまり、媒体がY軸に沿って低速で動き、プリントヘッドは、一般的に、X軸に沿って、比較的速い動作で、繰り返し動く。下に位置する媒体の構造がウエブタイプである場合、図示された例ではタイルのアレイを運ぶ板は、印刷領域外の駆動シリンダによって前から後ろへと走行するウエブに置き換えられる。印刷領域内では、ウエブは、通常、裏当て構造によって支持される。図1〜6の構成は、基本的に、同様に適用可能である。しかし、複数列のMPAの場合、またはY軸に沿った複数のPHAの場合(図5参照)は、印刷領域は、従来のプリンタよりもかなり広く(前後方向に)、裏当て構造もそれに従って設計されなければならない。裏当て構造は、実質的に曲がった表面を有するように有利に形成され、この場合、異なる列のプリントヘッドを、MPA上に異なった態様で設置しなければならず、また、様々なPHAを、その表面に垂直に対向するように、異なった向きに配置しなければならないという可能性がある。
ここで、背景技術の欄において説明した、プリンタの第1の基本的な機械的構成、すなわち、印刷の間、媒体が静止し、プリントヘッドが直交する軸の両方に沿って移動する構成、に戻る。そのようなプリンタは、ほぼもっぱら、フラットベッドとして形成される。本発明の装置は、各ブリッジがここでは前後方向に移動可能に構成されており、かつ、媒体または基材が静止状態に保たれ、取り込みおよび排出動作の間だけ移動する点を除いて、図1〜6を参照して上記した第2の基本的な構成に基づいた装置に非常に似ている様々な構成によって実施することができる。ブリッジの動作は、実際には第2の構成の媒体の動作と置き換わるものであるが、一般的には遅い動作である。このように、図1〜6に示した実施形態において、例えば、サイドフレーム20に取り付けられ、それに沿って1つまたは2つのブリッジ24(場合によっては)が動く、一対のレール21が設けられる。明らかに、図2および図4の構成では、2つのブリッジは、1つのユニットとして一緒に動かなければならないので、機械的に結合していることが好ましい。しかし、図5の構成では、そのような要件はなく、2つのブリッジは独立して動いても良い。実際に、例えば、対応する複数のMPAによって印刷されるタイルのサイズが異なり、異なるサイズのウィンドウが必要な場合、そのような独立した動作は有利に用いられる可能性がある。明らかに、上述の、プリントヘッド間の距離を調整するメカニズムは、これらの構成についても有効である。
プリンタの第3の基本的な機械的構成、すなわち、媒体が比較的高速に動き、プリントヘッドが比較的低速に動く構成について、上述した任意の構成が理論的には適用可能である。しかし、高速な媒体の移動が通常は、円筒の回転によって達成されるので、低速軸に沿って配列された1列のプリントヘッドを有する構成のみが、現実的であると見なされる。前後方向に物理的に明らかなウィンドウ構造があり得ないからである。これらは、例えば、図1を参照して説明したものと類似の、1列のMPAを有する構成と、1つのブリッジに沿って複数のPHAを備えた構成とを含む。後者は、各PHAにおいて単一のプリントヘッドまたは1列のプリントヘッドを備えたこと以外は、図6を参照して説明した構成と同様である。本発明にかかるそのような構成は、本発明の装置のプリントヘッドの固有の動作(低速、左右)に対して、従来のプリンタヘッドが実質的に静止している点で、従来の回転ドラムを有するマルチプリントヘッド構成とは異なる。従来技術モデルのプリントヘッドの動作は、非常に範囲が限られており、軌跡をインタレースすることだけ、すなわち、隣接するノズル間のギャップに軌跡を形成することだけを、目的とする。後者の動作モードは、本発明に必須の別個のウィンドウの概念とは明らかに異なっている。
前記の構成のいずれの変形例でも、1つまたは両方の軸に沿った、MPA中の隣接する任意のプリントヘッド間の距離dは、印刷画像の中心間距離と、対応する最大画像サイズとに適応するために、可変である。上述した例のタイルにおいて、これは、最大数のタイルを、それらのサイズがバラバラであったとしても、基材上にうまく納めるためには有用であろう。この分野において知られた任意の機械的または電気−機械的な装置を、プリントヘッド間の距離を可変とするために適用することができる。図7および図7(a)に、プリントヘッド間の距離を調整するメカニズムの2つの構成例を概略的に示す。図7に示す構成は、MPA毎にプリントヘッド26を2つだけ有するが、図6に示す構成に基づくものである。ここで、2つのMPAのそれぞれは、キャリッジ26のそれぞれに取り付けられた担体34を備えている。担体34には、左右(X軸方向)の調整を可能とするそれぞれのスライドアンドロック構造35によって、2つのライダー(rider)が順に取り付けられている。それぞれのライダーには、対応するプリントヘッドが、前後(Y軸方向)の調整を可能とする同様のスライドアンドロック構造37によって取り付けられている。スライドアンドロック構造は、電気的に起動されるネジ調整型構造またはこの分野で知られた任意の他の手段で置き換えることができる。図7(a)の構成は、1つのMPAが、各アームに2つ、4つだけのプリントヘッドを備えた点を除いて、図3の構成に基づく。図7(a)の構成は、図7の構成に対する調整構造と同様の、3つの調整構造を有する。その1つは、MPAの2つの対応する担体アーム34,34’を、互いに相対的にスライドさせることにより、Y軸方向の2列の距離を調整するために機能する38である。2つの担体アームのそれぞれには、2つのライダー36が、それらのX軸方向の位置を決定(図7参照)するための類似の調整機構35を介して取り付けられている。それぞれのライダー36には、プリントヘッドの1つをY軸に沿って担体34に対してスライドさせる他の1つの調整機構37を介して、プリントヘッド32が順に取り付けられている。これにより、1列中の2つのプリントヘッド間の相対的なY位置を調整できる。
媒体面に垂直なPHAの動作も可能な改良された機械的構成の場合(背景技術の欄で説明)、曲面の印刷を可能とするために、上述の構成のいずれかを適切に改良すれば良い。図8は、図1に示すように、4つのプロントヘッドのMPAを有し、2軸(XとY)方向のPHA動作の構成に基づく構成例を、等角図法で示す。例示した媒体は、曲面を有する対象物17である。ここでも、MPAは、フレーム20上のサイドレール21に沿ってスライドするブリッジ24に沿って、レール22上をスライドする。しかし、フレーム20の全体は、4つの支柱40上の垂直レール41により、Z軸15方向にスライド可能に形成されている。あるいは、フレームとサイドレールが静止し、フレーム上のサイドレールに沿ってスライドする垂直支柱上のレールに沿って、ブリッジがスライド可能であるようにしても良い。
図1の構成に基づいた、3次元プリントヘッド動作のための構成として得られたさらに他の例を、図9に示す。ここで、フレームとサイドレールとブリッジとは、図1のものと同様である。しかし、MPA30のそれぞれ(図示の例では1つ)は、垂直レール機構42(図中の挿入画の中で拡大して示した)によって、それぞれのキャリッジ26にスライド可能に取り付けられている。垂直レール機構42に沿って、それぞれのMPAはZ軸方向に動く。動作時には、ブリッジは、以前のように、Y軸方向に低速で動き、各MPAは、Z軸に沿って前後に速く動く。そしてそれと同時に、各MPAは、印刷対象物に対応する曲面に追従して上下にも動く。明らかに、図9の構成では、様々なMPA(もし含まれているなら)が、サイズだけでなく形状も異なる対象物へ印刷することができる。
上述した構成のいずれにおいて、全てのプリントヘッドが、媒体の任意の箇所を2回以上横断するような動作モードとしても良い。これは、例えば、同じウィンドウ内を複数色で印刷する場合に必要とされ、異なる色を適用する間に時間間隔が必要となるであろう。前記構成のいずれかと共に可能な他の動作モードは、複数の異なるウィンドウ内で連続して印刷される媒体の任意の箇所に対するものである。これは、例えば、いくつかのウィンドウ内に複数色を印刷する場合である。最後に説明した動作モードの例は、共に、従来のカラープリンタと共通である。しかし、本発明にかかるプリンタは、そのような複数のマルチカラーウィンドウ(対応するプリントヘッドを有するもの)による第1のケースと、そのようなマルチカラーのウィンドウ(対応するプリントヘッドを有するもの)の複数のグループによる第2のケースとして特徴付けられる。
最後に、任意の1つのプリンタにおけるプリントヘッドの全てが同一でなくても良い。上述したような(この場合、媒体の同一箇所はいくつかの異なるプリントヘッドによって印刷される)、色の区別は別として、媒体の異なる箇所を異なる態様に印刷しなければならない応用例が可能である。例えば、インクジェット印刷の場合、様々な対象物または対象物の複数の部分の表面材料が異なっている場合、それらは、適切な別個のインクで印刷しなければならない。このような場合、それらは、適切な別個のプリントヘッドに割り当てられ、対応するウィンドウ内で印刷される。従って、マルチプリントヘッドプリンタにより、そのような応用が特に有利に提供される。
本発明について理解し、本発明が実際にどのように実行され得るかを理解するために、添付の図面を参照し、限定的でない例示の目的だけのために、好適な実施形態を記述する。
図1は、直交する2つの軸の第1の軸または両方に沿って移動可能な1つの4−プリントヘッドアセンブリと、第2の直交軸に沿って移動可能な媒体とを含む、本発明にかかるプリンタの概要的な平面図である。 図2は、図1のプリンタの異なる構成を示す。 図3は、8−プリントヘッドアセンブリを備えた、図1のプリンタの他の異なる構成を示す。 図3(a)は、8−プリントヘッドアセンブリを備えた、図1のプリンタの他の異なる構成を示す。 図4は、1つの16−プリントヘッドアセンブリを備えた、図1のプリンタのさらに異なる構成を示す。 図5は、直交する2つの軸に沿ってそれぞれ移動可能な2つの4−プリントヘッドアセンブリを備えた、本発明にかかるプリンタの概略的な平面図である。 図6は、図5のプリンタの他の構成を示す。 図7は、2つの2−プリントヘッドアセンブリを備えた本発明にかかるプリンタの2つの構成を示す概略的な平面図であり、プリントヘッド内部の距離の調整機能を示す。 図7(a)は、2つの2−プリントヘッドアセンブリを備えた本発明にかかるプリンタの2つの構成を示す概略的な平面図であり、プリントヘッド内部の距離の調整機能を示す。 図8は、マルチプリントヘッドアセンブリが前記2軸の平面の法線方向へも移動可能である、図1のプリンタの変形を示す。 図9は、図8のプリンタの異なる構成を示す。

Claims (38)

  1. 一つまたはそれより多い媒体に同時にマークを形成することが可能な、少なくとも2つのプリントヘッドを備え、
    各プリントヘッドが、一つまたはそれより多い印刷装置を含み、対応する媒体上でそれぞれのオーバーラップしないウィンドウ内に一つまたはそれより多い画像をマークすることが可能な、ディジタルプリンタ。
  2. 前記プリントヘッドが、互いに十分な距離をおいて配置された、請求項1に記載のディジタルプリンタ。
  3. プリントヘッドのそれぞれが、一つまたはそれより多い画像をマークすることが可能であり、異なるプリンタでマークされた画像は互いに異なっている、請求項1に記載のディジタルプリンタ。
  4. 前記画像は相互に離間している、請求項2に記載のディジタルプリンタ。
  5. 前記画像のそれぞれが、それぞれの媒体に印刷され、全ての媒体が互いに別個である、請求項4に記載のディジタルプリンタ。
  6. 前記画像の少なくとも2つが同一である、請求項4に記載のディジタルプリンタ。
  7. 前記ウィンドウの少なくとも2つが互いに隣接し、対応する画像の全てが一つの画像の部分である、請求項3に記載のディジタルプリンタ。
  8. 前記ウィンドウの少なくとも2つにおけるそれぞれのサイズが調整可能である、請求項1に記載のディジタルプリンタ。
  9. 前記ウィンドウが異なるサイズである、請求項1に記載のディジタルプリンタ。
  10. どのプリントヘッドでマークされた画像も潜像である、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のディジタルプリンタ。
  11. 前記媒体が、その上に前記プリントヘッドによりマークされた画像を、直接的または非直接的に画像受容媒体へ転写する中間媒体である、請求項1ないし10のいずれか一項に記載のディジタルプリンタ。
  12. いずれか2つのプリントヘッドが、異なる種類の印刷装置を含む、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のディジタルプリンタ。
  13. 前記の異なる印刷装置によってマークすることにより、前記媒体の対応する部分に異なる材料を付着させる、請求項12に記載のディジタルプリンタ。
  14. 前記の異なる装置によってマークすることにより、前記媒体の対応する部分に異なる色を印刷する、請求項12に記載のディジタルプリンタ。
  15. 前記プリントヘッドの少なくとも2つによって前記媒体の少なくとも一部にマークするよう構成された、請求項12に記載のディジタルプリンタ。
  16. 前記印刷装置の少なくとも1つがインクジェット装置である、請求項1ないし15のいずれか一項に記載のディジタルプリンタ。
  17. プリントヘッド内の装置の少なくとも2つが、異なる色でマークするよう構成されたインクジェット装置である、請求項16に記載のディジタルプリンタ。
  18. 前記プリントヘッドの少なくとも1つが、プリントヘッドアセンブリ(PHA)の一部を構成し、前記PHAは、PHAのどのプリントヘッドがそれぞれのウィンドウ内のラインに沿ってマークしている間でも、少なくとも1つの軸に沿って独立して移動可能である、請求項1ないし17のいずれか一項に記載のディジタルプリンタ。
  19. 前記プリンタは、1つのフレームを含み、前記PHAの全ての移動が前記フレームに関連する、請求項18に記載のディジタルプリンタ。
  20. 前記PHAの全てが2つの相互に直交する軸に沿って移動可能である、請求項18に記載のディジタルプリンタ。
  21. 前記PHAの全てが第1の軸に沿って移動可能であり、前記媒体が前記第1の軸に直交する第2の軸に沿って移動可能である、請求項18に記載のディジタルプリンタ。
  22. 前記PHAと前記媒体との組み合わされた動作により、前記第1の軸に実質的に平行なラインに沿ってマークがなされる、請求項21に記載のディジタルプリンタ。
  23. 前記PHAと前記媒体との組み合わされた動作により、前記第2の軸に実質的に平行なラインに沿ってマークがなされる、請求項21に記載のディジタルプリンタ。
  24. 前記PHAの少なくとも1つが、2つまたはそれより多いプリントヘッドを有するマルチプリントヘッドアセンブリ(MPA)である、請求項18に記載のディジタルプリンタ。
  25. どのMPAにおいても2つのプリントヘッドの距離が調整可能である、請求項24に記載のディジタルプリンタ。
  26. どのMPAにおいてもプリントヘッドが少なくとも1列のアレイを形成している、請求項24に記載のディジタルプリンタ。
  27. 少なくとも1つの列において少なくとも2つのプリントヘッドの距離が調整可能である、請求項26に記載のディジタルプリンタ。
  28. 前記アレイが少なくとも2列を有し、少なくとも2列の距離が調整可能である、請求項26に記載のディジタルプリンタ。
  29. 前記軸のうち第1の軸に平行に配置された少なくとも1本のレールと、
    それぞれのレールについて、前記レールにスライド可能に取り付けられた少なくとも1つのキャリッジとを備え、
    各キャリッジにはPHAが取り付けられ、どのキャリッジを、対応するレールに沿ってスライドさせても、それぞれのPHAが前記第1の軸に沿って動作する、請求項24に記載のディジタルプリンタ。
  30. 少なくとも2つのPHAと2つの対応するキャリッジを含む、請求項29に記載のディジタルプリンタ。
  31. 対応するレールに沿った各キャリッジの移動が、独立に制御可能である、請求項30に記載のディジタルプリンタ。
  32. 前記キャリッジの少なくとも2つが、共通のレールにスライド可能に取り付けられた、請求項30に記載のディジタルプリンタ。
  33. 少なくとも1本のレールが、前記第1の軸に直行する第2の軸に沿って移動可能である、請求項30に記載のディジタルプリンタ。
  34. 少なくとも2本の移動可能なレールを備え、それぞれのレールの移動が独立に制御可能である、請求項33に記載のディジタルプリンタ。
  35. 前記媒体またはその任意の部分が、マークされている間、前記の少なくとも1つの軸に平行な平面に一様に位置する、請求項18に記載のディジタルプリンタ。
  36. 少なくとも1つのPHAが、前記平面に対して実質的に法線となる軸に沿って移動可能である、請求項35に記載のディジタルプリンタ。
  37. 前記法線の軸に沿ってそれぞれが独立して移動可能な複数のPHAを含む、請求項36に記載のディジタルプリンタ。
  38. 前記PHAの全てが、前記法線の軸に沿って連帯して移動可能である、請求項36に記載のディジタルプリンタ。
JP2004530488A 2002-08-20 2003-08-20 マルチプリントヘッドプリンタ Pending JP2005536377A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IL151354 2002-08-20
IL15135402A IL151354A (en) 2002-08-20 2002-08-20 Multi-printhead digital printer
PCT/IL2003/000691 WO2004018215A1 (en) 2002-08-20 2003-08-20 Multi-printhead digital printer

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005536377A true JP2005536377A (ja) 2005-12-02

Family

ID=29596437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004530488A Pending JP2005536377A (ja) 2002-08-20 2003-08-20 マルチプリントヘッドプリンタ

Country Status (13)

Country Link
US (1) US7393073B2 (ja)
EP (1) EP1534528B1 (ja)
JP (1) JP2005536377A (ja)
KR (1) KR20050058388A (ja)
CN (1) CN1688446B (ja)
AU (1) AU2003250525A1 (ja)
BR (1) BR0313990A (ja)
DK (1) DK1534528T3 (ja)
ES (1) ES2846679T3 (ja)
IL (1) IL151354A (ja)
MX (1) MXPA05002052A (ja)
PT (1) PT1534528T (ja)
WO (1) WO2004018215A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011122071A1 (ja) * 2010-03-31 2011-10-06 富士フイルム株式会社 印字装置および印字方法
JP2013067927A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Seiko Epson Corp 捺染装置及び捺染方法
JP2013151074A (ja) * 2012-01-24 2013-08-08 Sato Holdings Corp 多ヘッドプリンターおよびその印字方法
JP2013230685A (ja) * 2013-05-07 2013-11-14 Fujifilm Corp 印字装置および印字方法

Families Citing this family (50)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100526076C (zh) * 2003-06-02 2009-08-12 佳能精技股份有限公司 图像形成装置、该装置用的打印机复合系统和介质输送装置、向上述图像形成装置提供图像数据的信息处理装置以及具备这些的图像形成系统和图像形成方法
JP2005324130A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、および電子機器
US10144222B1 (en) 2006-01-30 2018-12-04 Shahar Turgeman Ink printing system
US9352573B1 (en) 2006-01-30 2016-05-31 Shahar Turgeman Ink printing system comprising groups of inks, each group having a unique inkbase composition
US9718268B1 (en) 2006-01-30 2017-08-01 Shahar Turgeman Ink printing system comprising groups of inks, each group having a unique ink base composition
US20070181253A1 (en) * 2006-02-03 2007-08-09 Ming Xu Image receiver media and printing process
JP4399432B2 (ja) * 2006-04-03 2010-01-13 株式会社ミマキエンジニアリング プリンター装置
US7669963B2 (en) * 2006-07-28 2010-03-02 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Multi-carriage printing device and method
US7828412B2 (en) 2006-09-08 2010-11-09 Electronics For Imaging, Inc. Ink jet printer
ITPI20060122A1 (it) * 2006-11-08 2008-05-09 Antonio Maccari Impianto e sistema di decorazione tramite tecnologia a getto d'inchiostro
US20100066779A1 (en) 2006-11-28 2010-03-18 Hanan Gothait Method and system for nozzle compensation in non-contact material deposition
AT505463B1 (de) * 2007-06-04 2009-05-15 Durst Phototech Digital Tech Verfahren zum bedrucken von plattenmaterial
WO2008151453A1 (de) * 2007-06-15 2008-12-18 Wp Digital Ag Verfahren zum digitalen bedrucken von endlosen druckunterlagen
US20090010699A1 (en) * 2007-07-05 2009-01-08 Graphic Converting, Inc. System for simultaneously modifying a plurality of areas on a sheet
JP4525758B2 (ja) * 2008-01-24 2010-08-18 セイコーエプソン株式会社 液状体吐出装置
JP5266847B2 (ja) * 2008-04-01 2013-08-21 セイコーエプソン株式会社 印刷物製造方法及び印刷装置
JP2010012751A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Seiko Epson Corp 印刷物製造方法
TW201029850A (en) 2008-11-30 2010-08-16 Xjet Ltd Method and system for applying materials on a substrate
US9340016B2 (en) 2009-05-18 2016-05-17 Xjet Ltd Method and device for printing on heated substrates
WO2011138729A2 (en) 2010-05-02 2011-11-10 Xjet Ltd. Printing system with self-purge, sediment prevention and fumes removal arrangements
CN103097141A (zh) 2010-07-22 2013-05-08 迅捷有限公司 打印头喷嘴评价
US9433939B2 (en) 2010-08-27 2016-09-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Liquid dispensing assembly frame
US9645162B2 (en) 2010-08-27 2017-05-09 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Automated assay fluid dispensing
US8459773B2 (en) 2010-09-15 2013-06-11 Electronics For Imaging, Inc. Inkjet printer with dot alignment vision system
KR101722294B1 (ko) 2010-10-18 2017-04-11 엑스제트 엘티디. 잉크젯 헤드 저장 및 청소
US20120156444A1 (en) * 2010-12-15 2012-06-21 Seiko Epson Corporation Transfer medium, production method thereof, and transferred matter
TW201306337A (zh) * 2011-04-08 2013-02-01 Sonavation Inc 用於在壓電陣列上沈積材料之系統及方法
CN102555469B (zh) * 2011-12-15 2016-03-23 江南大学 一种双导轴四喷头组机头组件
US20140313257A1 (en) * 2013-03-15 2014-10-23 Illinois Tool Works Inc. System and method for single pass printing
WO2014140192A2 (en) * 2013-03-15 2014-09-18 Micronic Mydata AB Methods and devices for jetting viscous medium on workpieces
US9808822B2 (en) * 2013-03-15 2017-11-07 Mycronic AB Methods and devices for jetting viscous medium on workpieces
CN103302983A (zh) * 2013-05-21 2013-09-18 苏州惠瑞自动化集成有限公司 一种带多个打印喷头的喷墨自动化打印机
EP2851179B1 (en) * 2013-09-19 2017-11-22 SDD Holding B.V. Device for printing simultaneously three dimensional objects
EP3058037B1 (en) 2013-10-17 2020-07-22 Xjet Ltd. Tungsten-carbide/cobalt ink composition for 3d inkjet printing
CN103625132B (zh) * 2013-12-03 2017-01-11 深圳市润天智数字设备股份有限公司 喷墨打印机及其介质定位装置
CN104924755B (zh) * 2014-03-18 2016-06-22 梁健 一种同步单双面数码喷绘机及其绕布方法
US9707584B2 (en) 2014-07-09 2017-07-18 Nordson Corporation Dual applicator fluid dispensing methods and systems
US10456992B2 (en) 2014-09-04 2019-10-29 Stacker, LLC Modular user-configurable multi-part 3D layering system and hot end assembly
ITUB20153837A1 (it) 2015-09-23 2017-03-23 System Spa Metodo, sistema e stampante per stampa digitale a quantita'
US9925804B2 (en) * 2016-01-29 2018-03-27 Electronics For Imaging, Inc. Printing independent images by sharing printer heads
CN105620044B (zh) * 2016-03-04 2017-08-25 张全乡 一种打印装置
IT201700067828A1 (it) * 2017-06-19 2018-12-19 Kromia S R L Macchina di smaltatura per supporti ceramici.
CN108556488B (zh) * 2018-02-09 2023-10-13 深圳普赢创新科技股份有限公司 一体多用式的印章针式打印头
US20220291657A9 (en) * 2018-09-27 2022-09-15 Additive Alliance, Llc Multi-tool fabrication machine
US10759198B2 (en) * 2019-02-01 2020-09-01 Assa Abloy Ab Ink jet card printer having a card position sensor
CN110370819A (zh) * 2019-07-04 2019-10-25 泰州市溪龙包装有限公司 一种用于工业印刷的自动化多喷头印刷设备
US20220146950A1 (en) * 2019-10-18 2022-05-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Marking photoconductors of print apparatuses
IT202000005272A1 (it) * 2020-03-11 2021-09-11 Francesco Romano Apparecchiatura e procedimento per la finitura superficiale a stampa di una lastra in policarbonato trattato, in particolare policarbonato trattato con silossani
CN118043206A (zh) * 2021-08-19 2024-05-14 康丽数码有限公司 增加应用附加材料的数字服装打印机
DE102022100700A1 (de) 2022-01-13 2023-07-13 Kolbus Gmbh & Co. Kg Druckvorrichtung zum individuellen Bedrucken von bahnförmigen oder bogenförmigen Bedruckstoffen

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50113328A (ja) * 1974-02-20 1975-09-05
JPS5656889A (en) * 1979-10-15 1981-05-19 Seiko Epson Corp Printer
JPS62287768A (ja) * 1986-06-06 1987-12-14 Toshiba Corp 画像形成装置
JPH0247076A (ja) * 1988-08-08 1990-02-16 Minolta Camera Co Ltd 記録装置
JPH02212173A (ja) * 1989-02-13 1990-08-23 Hidekazu Yoshii 印字装置
JPH06183090A (ja) * 1992-12-21 1994-07-05 Cosmo Gurafu:Kk 多色熱転写プリンタのヘッド位置調整方法及び調整装置
JPH1044391A (ja) * 1996-07-30 1998-02-17 Canon Inc 画像記録装置
JPH10326558A (ja) * 1997-03-21 1998-12-08 Canon Inc 電子源基板およびそれを用いた電子装置の製造方法
JP2000185397A (ja) * 1998-11-24 2000-07-04 Hewlett Packard Co <Hp> インクジェットプリンタおよびプリント方法
JP2001171093A (ja) * 1999-12-16 2001-06-26 Sharp Corp インクジェット記録装置
JP2003127352A (ja) * 2001-10-29 2003-05-08 Konica Corp インクジェットプリント装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4576490A (en) 1983-12-14 1986-03-18 Oki Electric Industry Co., Ltd. Multihead serial printer
US4739415A (en) * 1984-05-01 1988-04-19 Canon Kabushiki Kaisha Image handling system capable of varying the size of a recorded image
US5428375A (en) * 1992-05-29 1995-06-27 Simon; Robert J. Multiple print head ink jet printer
US5825378A (en) * 1993-04-30 1998-10-20 Hewlett-Packard Company Calibration of media advancement to avoid banding in a swath printer
FR2713989B1 (fr) 1993-12-21 1996-01-12 Nipson Imprimante à haute cadence d'impression et utilisations d'une telle imprimante.
US5742300A (en) * 1995-01-03 1998-04-21 Xerox Corporation Resolution enhancement and thinning method for printing pixel images
JP3391924B2 (ja) * 1995-01-31 2003-03-31 キヤノン株式会社 画像記録装置
US6208365B1 (en) * 1997-12-26 2001-03-27 Noritsu Koki Co. Vacuum fluorescent printer
US6460958B2 (en) * 2000-02-29 2002-10-08 Minolta Co., Ltd. Three-dimensional object printing apparatus and method
US6406126B1 (en) * 2000-08-24 2002-06-18 Eastman Kodak Company Multiple head inkjet printer for producing adjacent images

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50113328A (ja) * 1974-02-20 1975-09-05
JPS5656889A (en) * 1979-10-15 1981-05-19 Seiko Epson Corp Printer
JPS62287768A (ja) * 1986-06-06 1987-12-14 Toshiba Corp 画像形成装置
JPH0247076A (ja) * 1988-08-08 1990-02-16 Minolta Camera Co Ltd 記録装置
JPH02212173A (ja) * 1989-02-13 1990-08-23 Hidekazu Yoshii 印字装置
JPH06183090A (ja) * 1992-12-21 1994-07-05 Cosmo Gurafu:Kk 多色熱転写プリンタのヘッド位置調整方法及び調整装置
JPH1044391A (ja) * 1996-07-30 1998-02-17 Canon Inc 画像記録装置
JPH10326558A (ja) * 1997-03-21 1998-12-08 Canon Inc 電子源基板およびそれを用いた電子装置の製造方法
JP2000185397A (ja) * 1998-11-24 2000-07-04 Hewlett Packard Co <Hp> インクジェットプリンタおよびプリント方法
JP2001171093A (ja) * 1999-12-16 2001-06-26 Sharp Corp インクジェット記録装置
JP2003127352A (ja) * 2001-10-29 2003-05-08 Konica Corp インクジェットプリント装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011122071A1 (ja) * 2010-03-31 2011-10-06 富士フイルム株式会社 印字装置および印字方法
JP2011212852A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Fujifilm Corp 印字装置および印字方法
JP2013067927A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Seiko Epson Corp 捺染装置及び捺染方法
JP2013151074A (ja) * 2012-01-24 2013-08-08 Sato Holdings Corp 多ヘッドプリンターおよびその印字方法
JP2013230685A (ja) * 2013-05-07 2013-11-14 Fujifilm Corp 印字装置および印字方法

Also Published As

Publication number Publication date
BR0313990A (pt) 2005-07-19
US20040036726A1 (en) 2004-02-26
IL151354A (en) 2005-11-20
EP1534528B1 (en) 2020-10-07
KR20050058388A (ko) 2005-06-16
CN1688446B (zh) 2011-07-27
CN1688446A (zh) 2005-10-26
IL151354A0 (en) 2003-04-10
ES2846679T3 (es) 2021-07-28
EP1534528A1 (en) 2005-06-01
DK1534528T3 (da) 2021-01-11
MXPA05002052A (es) 2005-09-12
AU2003250525A1 (en) 2004-03-11
WO2004018215A1 (en) 2004-03-04
US7393073B2 (en) 2008-07-01
PT1534528T (pt) 2021-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005536377A (ja) マルチプリントヘッドプリンタ
RU2553964C2 (ru) Печатная каретка
EP1721749B1 (en) Moving floor media transport for digital printers
TWI477402B (zh) 印刷頭裝置及沉積物質的方法
US8960855B2 (en) Print head module
EP1981715B1 (en) A digital printing station in a multi-station discrete media printing system
CN1068831C (zh) 热敏式图形印刷的方法和系统
EP1721750A1 (en) Media holding assistance for a step-wise media transport system in a digital printer
US6935738B2 (en) Ink-jet printer and method for printing image material in an ink-jet printer
EP1721751A1 (en) Reconfigurable printhead table for digital printers
JPH05330085A (ja) インクジェットによる連続走行帯状物用プリンター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090813

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091105

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091112

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091203

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091210

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100105

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101125