JP2005534763A - 潤滑油およびその使用 - Google Patents

Abstract

本発明は、スライサおよびデバイダのための油として、型および鍋のための潤滑油として、または、鍋洗浄油として、食品産業において用いられる潤滑油に関する。潤滑油は、主成分としてターニップ菜種油または菜種油と、補助潤滑剤であって、医薬品等級のホワイト油、ターニップ菜種油または菜種油のメチルエステル（ＲＭＥ）、エチルエステル（ＲＥＥ）またはプロピルエステル（ＲＰＥ）から選択される補助潤滑剤と、乳化剤であって、レシチン、脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドの酢酸エステル、脂肪酸のショ糖エステルから選択される乳化剤と、添加合成トコフェロールである酸化防止剤とを、少なくとも含む。

Description

発明の詳細な説明

本発明は、食品産業用の潤滑油およびその使用に関する。
潤滑油の典型的な特性に加えて、食品産業機械用の工業油に対する要件には、食品との適合性が含まれる。これは、潤滑対象によっては、油が食品に混入する可能性があるからである。特に、食品を小片にカットする刃を潤滑するために用いられるスライサおよびデバイダ用油においては、潤滑剤は、加工される食品に接触する。上述の機械は、特に、パンをスライスするためにベーカリで用いられ、これらの機械およびその刃を潤滑するための方法の一例として、米国特許第６１９２７７９号明細書、欧州特許第８７８２７６号明細書、欧州特許第１５３８０号明細書、独国特許出願公開第４４３７６２５明細書および欧州特許第３１２９７８号明細書を挙げることができる。

上述の機械および他の食品加工機械を潤滑するために、「食品用グレード」の油であって、そのほかの点では、プロセス条件における粘度および酸化防止および安定性などの潤滑油に要求される特性を有する油を開発する目的が従前からある。その一例として、米国特許第６０８７３０８号明細書を挙げることができ、この油は合成物に基づいており、機械には適しているが、油は時折、食品と接触することがあり、さらに米国特許第５６９１２８５号明細書に記載された油も同様であり、この油は、コーン油、オリーブ油、ココナッツ油またはピーナッツ油のような植物油に基づいている。米国特許第４７５３７４２号明細書は、パン生地デバイダに適した油を記載しているが、この油は、食品認可用鉱油（純ホワイト鉱油）に基づいており、レシチンが添加されている。この種の機械に大量の植物油を含む油を使用することは、当該特許において批判されている。

独国特許出願公開第２９０４８２７明細書(Horst Groneweg)は、スライサのためのカッティング油組成を記載している。この油の基礎成分は、動物性または植物性油脂、たとえば、大豆油またはターニップ菜種油の混合油で、刃上に膜を形成し刃とパンとの間の摩擦を低減するために、固形の細粒油脂またはワックスがこれに添加される。

スライサおよびパン生地デバイダ用油は、装置の要求事項を考慮して、この２５〜３０年間、開発されてきた。スライサ、型潤滑およびデバイダ用のターニップ菜種基質の油を提供するために努力されてきたが、その試みは、たとえば、不適切な酸化防止が原因で失敗してきた。

さらに、特にパンをスライスするためには、いくつかの技術的特性が、食品用として認可可能となることに加えて、油に必要である。製品のパンをスライスすることは、３つの材料、すなわち、移動する金属刃、油の薄膜およびパンが、短時間、相互に作用する工程である。加えて、パンを焼成後、相対的に直ぐに、通常、高温（４０〜６０℃）でカットされることが目標とされ、この高温は過剰に使用される油の特性を有害な方向に変える。パンが刃に付着する度合も、高温になる程大きくなる。油の付与に際して、油は、刃上で均一に拡散することが必要で、刃／パンの境界面で良好な潤滑性を有しなければならず、刃は、油がパンに浸透する際、カッティングと関連して自洗されるべきで、刃にはパンの成分が残ってはならない。スライスしたパン同士もスライス後、ともにくっついてはならない。噴霧法が刃に関しての一般的な油付与方式であるので、噴霧中、油が刃に充分付着し、かつ、過剰の潤滑油ミストが空気中に残存しないことが望ましい。

かなり長い間、様々な植物油、ワックス、レシチンおよび酸化防止剤の各種組合せが市販され、潤滑油として用いられてきた。最もよく知られた製造業者は、商品名DueboerのGerman Horst Groneweg GmbH & Co. KG社である。当該油は、工業油であるが、製造油ではないものとして分類され、その場合には、表示は、食品に使用される製品とは異なっている。たとえば、酸化防止剤は名称表示がなく、レシチン源も示されず、Ｅコードもない。

将来、完全な食品適合性が、工業油にも要求されるであろう。これは、当該用途における使用の大部分が、最終的には食品栄養素となるからである。

本発明の目的は植物油基質の潤滑油を開示することであり、この油は食品産業において潤滑油として用いることができ、その成分はすべて、食品に対して適合性があるが、焼きたてのパンまたは他のベーカリ製品を過酷にカットおよびスライスする場合でさえ、その技術的性能も良好である。

本発明は、ターニップ菜種油または菜種油基質の油であり、特に、パンをスライスする際に用いることが可能であり、およびパン生地デバイダ油として用いることができるが、焼成前に、型および鍋に油を引く際にも、およびベーカリにおいて鍋洗浄油としてもまた用いられる。

ターニップ菜種油または菜種油を適切に混合することによって、安定した、充分潤滑性のある混合油が達成され、同時に、ターニップ菜種油および菜種油の極性および粘度、すなわち、広範囲の温度域に亘って、および温度上昇時にも有利な粘度／浸透度の変化を利用することによって、充分な拡散性がある金属表面洗浄油として機能する。これらは全て、上述の条件において、植物油の重合なしで起こり、すなわちこの成分の非重合化は、その組成物に特有である。

本発明に従う油は、下記の成分を含み、以下で詳細に説明される。
− 種々の油の混合物を含む、ターニップ菜種油または菜種油、
− 補助潤滑剤、
− 乳化剤、および
− 酸化防止剤。

精製度合の異なる、様々なターニップ菜種油または菜種油が、潤滑性、洗浄力および注入量を最適化するために、適切な比率に相互に混合される。

ターニップ菜種油または菜種油の潤滑性は、補助潤滑剤なしでは、充分ではない。この補助潤滑剤は、好適には医薬品等級のホワイト油（合成油）であり、場合によっては、ターニップ菜種油または菜種油の脂肪酸メチルエステル（ＲＭＥ）、脂肪酸エチルエステル（ＲＥＥ）および脂肪酸ポリエステル（ＲＰＥ）に加えて、ごく少量の硬化ターニップ菜種油または菜種油抽残物の（安定な、ターニップ菜種油または菜種油抽残物ＡｋｏｒｅｘＬおよびＡｋｏｒｅｘＣ）で補充されている。補助潤滑剤によって、薄い、均一な油膜を刃上に形成することができ、その場合には、補助潤滑剤は、金属／油接触面上で、特に機能する。

刃の洗浄性は、乳化剤によって達成され、好適には、レシチン（Ｅ３２２）、脂肪酸のモノおよびジグリセリドの酢酸エステル（Ｅ４７２ａ）、脂肪酸のショ糖エステル（Ｅ４７３）、または、脂肪酸のモノおよびジグリセリド（Ｅ４７１）であり得る。パンをスライスする際には、パンから由来する水分は、油に乳化し、刃を洗浄する材料として機能し、油は、カッティング中に刃の表面からパンに移動する。

酸化防止は、製品のトコフェロールレベルを標準化することによって、達成することができる。添加されたトコフェロールは、より感受性があり、作業状態で急速な酸化防止剤として働き、ターニップ菜種油または菜種油中に含まれる天然のトコフェロールは、製品の保存耐久性を向上させる。

さらに利点は、アロマオイルの変形を備えることである。この効果によって、スライスされた表面の香気は、たとえば、ガーリックに変更することができる。本発明では、いかなる望ましい脂溶性の食品用香料も使用することができる。このようにして、この潤滑剤は、工業的潤滑に加えて、油と接触するカット中のパンまたはその他の食品の香気形成に利用することができる。

後述される成分の割合は広い範囲内で変化するが、一例としての組成は次の通りである。

ターニップ菜種油または菜種油：８０〜９９．７重量％
補助潤滑剤（たとえば、医薬品等級のホワイト油）:０．０５〜１０．００重量％
レシチン（処理済）：０．１〜１．５重量％
アルファトコフェロール（合成）：０．０００１〜０．００１重量％
ガンマトコフェロールおよびデルタトコフェロール（合成）：合計０．００５〜０．０３重量％

本発明に従う油組成で用いられる材料が以下に紹介され、その量および特性は、後述される。材料の中には、本発明に従う油組成の実質的な部分のものもあり、補助的および選択的な材料もある。

使用材料
１ａ）ターニップ菜種油基質：
ラフィネート化した(Mildola)
SDG(Mildola)、原油
限定的にラフィネート化した "Neito" (Mildola)
１ｂ）ターニップ菜種油留分：
Akorex (Karlshamns)
２）レシチン類：Sternphil grades (E322) (Central Soya)
最大耐熱性、離型特性および乳化特性を有する
レシチン加水分解物
３）補助材料：クエン酸(E330)
ソルビン酸（E200）
没食子酸プロピル(E310), Novakemia
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)(E321)
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)(E320)
トコフェロール(E306),(E307),(E308),(E309)
医薬品等級のホワイト油（たとえば、ポリデセン）、Fortum
ターニップ菜種油のメチル、エチルおよびプロピルエステル
(RME,REE,RPE)
４）乳化剤（レシチン以外）：
脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド(E471)
脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドの酢酸エステル
(E472a), Grunau
脂肪酸のショ糖エステル(E473), Sisterna
５）香料： Quest香気剤(Biofincon Oy)、（例えばバターの香り）

ターニップ菜種油または菜種油成分は、典型的には、少なくとも９５重量％、有利には、少なくとも９７．５重量％の潤滑油を含むが、その機能は、他の全ての成分の担体として働き、切断刃をその金属表面上を急速に拡散することによって潤滑することである。この成分は、既知の方法で、大部分が長鎖脂肪酸のトリグリセリドからなる。油の主成分植物としては、ターニップアブラナ(Brassica rapa var. oleifera)およびアブラナ(Brassica napus var. oleifera)、有利には、遺伝子組み換えではないターニップアブラナまたはアブラナである。圧搾によって種子から得られた油は、原油となるかまたは程度の差こそあれ加工され、その場合には、いくつかの成分が油から分離される、たとえば、レシチンなど。ターニップ菜種油および菜種油は、植物油の中で最も極性のある油であり、特に油霧によって注入する場合には、金属刃上で良好に拡散する潤滑油として適用できる。ターニップ菜種油と菜種油は、油霧相から金属刃の表面上に良好に移動することは知られている。

油の特性を変えるために、および最終製品の香気を変えるために、必要な場合には、香料を用いることができるが、技術的機能性の見地からは必要不可欠ではない。

酸化防止
酸化防止は、合成トコフェロールの組合せと同様に、天然のトコフェロールおよびレシチンによって得られる。合成トコフェロールは、感受性があり、スライス処理においては、急速な酸化防止剤として働く。天然のトコフェロールは、製品の保存耐久性を向上させる。したがって、貯蔵中の油の酸化防止は、油中に本来含有されている酸化防止剤で維持することができ、酸化防止されるべき油の２重結合よりも容易に酸化し、同時に、徐々にその効果を失う。油の種類に加えて、この酸化防止要件は、使用される包装容器および貯蔵条件によって影響される。

割合：（合成トコフェロールの成分）
アルファ(E307) ５〜１０％
ガンマ(E308) ４０〜６５％
デルタ(E309) ２５〜５５％
E306は、トコフェロール抽出物で、E307〜E309の全ての成分を含む。

総計０．００５〜０．０３重量％のガンマトコフェロールおよびデルタトコフェロールがあり、その間の割合は、上記の百分率内で変動し得る。また、トコフェロール類中には、アルファトコフェロールが常に存在する。

実際に油を使用する時には、酸化防止は、要件の多様な組合せによって実行され、これら要件には高温度、カッティング抵抗、ベーカリ製品中の水分およびパン生地のその他の成分、たとえば、砂糖などがある。添加合成トコフェロールは、天然のものよりも感受性があると見出されている。合成トコフェロールは、アレルギー作用もなく、すなわち、食品とともに使用するのに好適である。

クエン酸は、２５〜１００ｐｐｍ（２５〜１００g/油トン）の量で用いられる。クエン酸の役目は、ｐＨを調製することである。しかしながらまた、切断刃に関して、クエン酸で油の酸化を低減することができ、他の材料との相乗効果を有している。

没食子酸プロピルは、５０〜２００ｐｐｍ（５０〜２００g/油トン）の量で用いられる。

医薬用等級のホワイト油は潤滑剤組成の重量な成分として機能し、その例は、ポリデセン（たとえば、Neste医療用ホワイト油）である。ポリデセンは、その英名、水添ポリ１−デセン、水添ポリ−アルファ−オレフィンによっても知られている。下記の表は、製品のさらに詳細情報を提示する。

典型的な分析値 Ｓ２２ Ｓ３２ Ｓ４６
密度ｋｇ／ｍ³ １５℃ ８２０ ８２５ ８３０
引火点℃（ＣＯＣ） ２２０ ２４０ ２５０
流動点℃ −６９ −６０ −６０
粘度指数 １３０ １３５ １３５
粘度ｃＳｔ／４０℃ ２０ ３２ ４５
粘度ｃＳｔ／１００℃ ４ ６ ８

外観：透明、無色および無臭の油。
医薬用等級のホワイト油は、１，０００〜５,０００ｐｐｍ（１，０００〜５，０００g/油トン）の量で用いられる。

医薬用等級ホワイトは、不活性の合成潤滑剤で、長鎖の不活性アルカン系炭化水素に基づく、非常に純粋の（酸素、窒素およびイオウの化合物および芳香族化合物が除去された）液体で、無色無臭を特徴とする。この液体は、組成中で、補助潤滑剤として機能する。また、スライス後、刃がパンから離れ、そしてパンのスライス片がお互いにくっ付かないことに加えて、離型特性にも寄与する。合成補助潤滑剤の補足として、加工ターニップ菜種油のＡｋｏｒｅｘ Ｌおよび／またはＡｋｏｒｅｘ Ｃ（Ｋａｒlｓｈａｍｎｓ）も、補助潤滑剤として用いることができ、ホワイト油を「伸ばす」ために用いることができる。当該材料は、水添ターニップ菜種油留分であり、温度が低下するとさらに固体の留分を分離することによって得られる。残りの留分は、室温では流動体であり、完全に不活性である。対応する留分は菜種油から得ることができる。

補助潤滑剤の別の代替物は、ターニップ菜種油または菜種油のメチルエステル（ＲＭＥ）であり、これは、ターニップ菜種油または菜種油の脂肪酸のメチルエステルであり、対応する植物油をメタノールでエステル交換して得られる。ターニップ菜種油または菜種油のエチルエステルまたはプロピルエステル（ＲＥＥ，ＲＰＥ）も使用することが可能であり、それぞれ、エタノールまたはプロパノールを用いたエステル交換によって得られる。これらの材料も、室温で流動体であり、その場合には、たとえば、貯蔵中の分離または粒子の問題は発生しないが、固体ワックスを用いた場合には問題となる。

補助潤滑剤は、室温（２０℃）では不活性で油状であり、そして充分な粘性がある。主成分として働く油よりも、室温ではより粘性があり得る。補助潤滑剤は、潤滑油組成で、総計０．１〜２．０重量％で用いられる。

金属と製品との境界面では、各製品との接触に関連して生じる金属表面の洗浄とともに、付着を防止する潤滑／離型特性が付与されねばならない。

レシチンの主要な役目は、酸化防止効果が最大化されるような方法によって、油の内部で乳化することである。レシチンの第２の役目は、製品スライス片が互いにくっつくのを防止するとともに、金属と製品との間の離型剤として機能することである。レシチンの第３の役目は、金属粒子を皮膜中に封じ込むことであり、これら粒子は、チェイン、型および刃から剥離したものである。したがって、金属イオンの酸化作用の防止を確実にし、スライス処理におけるクエン酸の機能を後押しする。これは非常に急速な保護を必要とする。レシチンの第４の役目は、食品の水分を利用することによって金属表面を洗浄することである。

以下において、１つの可能なレシチンが説明される。レシチンは、加水分解されたレシチンで、良好な離型特性および乳化特性を有し、その耐熱性は、有利には、少なくとも２８０℃である。

Sternphil ＨＳＢレシチン
典型的な分析値
リン脂質 最小 ３０％
不溶性材料 最大 ０．１％
水分 最大 １．０％
酸価 最大 ２０
過酸化物価 最大 ３
ヨウ素価（１０％） 最大 ４０
粘度(ｍPa.s) ２５℃ 最大 ２００

レシチンは、１，０００〜１５，０００ｐｐｍ（１，０００〜１５，０００g/油トン）の量で用いられ、最適量は、５，０００〜１０，０００ｐｐｍである。これらの値は、油に添加された処理（加水分解された）レシチンのことを記しており、そのレシチンの効果は、油中に場合によって残存している本来のレシチンよりも効率的である。

スライス処理の場合のレシチン、トコフェロールおよびクエン酸の併用効果は次の通りである。すなわち、離型効果に加えて、酸化防止剤、イオン捕集剤および乳化剤となることである。

以下の成分表に、いくつかの可能な潤滑油組成が、提示されており、型油に加えて、スライサ油およびパン生地デバイダ油として、ベーカリで用いることができる。注入量は、重量％で表示される。トコフェロールは、添加合成トコフェロールとして、レシチンは、添加処理レシチンとして、示されている。

要約として、様々な材料の名称、Ｅコードおよび製造業者名が、末尾の表に与えられている。本発明は、当該製造業者から由来する材料に限定されず、適切な特性を有する他の仕入先からの材料も使用することができることは注意すべきである。

特にカッティング油としてスライサにおいて油を使用することは、上記に記載されているが、その厳しい環境に対して、油は、適切な特性を有している。この油は、ベーカリでパン生地片を分割するパン生地デバイダにおける油としても用いることができ、パン生地デバイダでは、油は、機械部品を潤滑する際に用いられ、その場合には、油は、時にはパン生地にも混入することがあるが、刃を潤滑しパン生地片を分離するためにも用いられ、その場合には、食品との接触は、意図的である。同様に、潤滑油は型および鍋を潤滑する際および鍋洗浄油として用いることができ、このために、焼成前に、金属と食品との間に混入し、たとえば、離型特性を利用することができる。潤滑油は、鍋洗浄油として用いられる場合には、前回の焼成後、鍋を洗浄するために用いられ、その場合には、同時に、潤滑皮膜は、次回の焼成のために、鍋に残存する。ベーカリは、これらの用途においても油の実質的な使用者である。

Claims (10)

1. ターニップ菜種油または菜種油に基づくものであって、スライサまたはデバイダ用油、型および鍋用潤滑油または食品産業用鍋洗浄油である潤滑油において、
   主成分として、ターニップ菜種油または菜種油と、
   補助潤滑剤であって、
   医薬品等級のホワイト油、
   ターニップ菜種油または菜種油のメチルエステル（ＲＭＥ）、エチルエステル（ＲＥＥ）またはプロピルエステル（ＲＰＥ）、
   から選択される補助潤滑剤と、
   乳化剤であって、
   レシチン、
   脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドの酢酸エステル、および
   脂肪酸のショ糖エステル、
   から選択される乳化剤と、
   添加合成トコフェロールである、酸化防止剤と、
   を少なくとも含むことを特徴とする潤滑油。
2. 乳化剤はレシチン加水分解物であることを特徴とする請求項１記載の潤滑油。
3. 補助潤滑剤は医薬品等級のホワイト油であって、水添されたターニップ菜種油または菜種油から得られた不活性留分で場合によっては補充されることを特徴とする請求項１または２に記載の潤滑油。
4. ０．１〜１．５重量％のレシチン、有利には、０．５〜１．０重量％のレシチンが存在し、
   前記添加トコフェロールは、ガンマトコフェロールおよびデルタトコフェロールを総計０．００５〜０．０３重量％の量で含むことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の潤滑油。
5. クエン酸を含むことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の潤滑油。
6. 香料がさらに加えられていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の潤滑油。
7. 食品産業、特に、ベーカリにおける、スライサおよびデバイダ（食品をスライスまたは分割する機械）のための潤滑油としての、請求項１〜６のいずれか１項に記載の潤滑油の使用。
8. 食品産業における、スライサ中で油霧潤滑によって拡散される潤滑油としての、請求項１〜６のいずれか１項に記載の潤滑油の使用。
9. ４０℃〜６０℃の温度であるパンをスライスする際に、パンスライサの刃の潤滑油としての、請求項１〜６のいずれか１項に記載の潤滑油の使用。
10. 特に、ベーカリにおける、焼成型または鍋のための潤滑油としての、もしくは鍋洗浄油としての、請求項１〜６のいずれか１項に記載の潤滑油の使用。