JP2005525848A - 血管疾患の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、内膜の過形成および/または動脈硬化症に罹患しているかまたはそのリスクがある患者を治療する方法に関する。この治療は、一酸化炭素を含む薬学的組成物を患者に投与する段階を包含する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2002年2月13日に出願された米国仮出願第60/356,718号の優先権を主張し、この仮出願はその全体が参照として本明細書に組み入れられる。
連邦政府によって援助された研究に関する言及
本発明は、米国国立衛生研究所助成金番号HL55330、HL60234、HL67040、HL58688、HL53458、HL60234、HL5785405、およびAI42365の下で政府の援助でなされた。連邦政府は本発明において一定の権利を有する。
技術分野
本発明は、概して血管疾患の治療に関する。
背景
ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)は、ヘムの分解の第1段階を触媒する。HO-1は、酸化によってb型のヘム分子のα-meso炭素架橋を切断し、等モル量のビリベルジンIXa、一酸化炭素(CO)、および遊離の鉄を産生する。続いて、ビリベルジンは、ビリベルジンレダクターゼによってビリルビンに転換され、遊離の鉄はフェリチンに貯蔵される(その産生は遊離の鉄によって誘導される)。
COは重要なシグナル分子として認識されている(Vermaら、Science 259:381-384, 1993)。一酸化炭素は脳において神経細胞のメッセンジャー分子として機能すること(同上)、および視床下部において神経内分泌モジュレーターとして機能すること(Pozzoliら、Endocrinology 735: 2314-2317, 1994)が示唆されている。一酸化窒素と同様に、COは平滑筋の弛緩剤であり(Utzら、Biochem. Pharmacol. 47: 195-201, 1991; Christodoulidesら、Circulation 97: 2306-9, 1995)、血小板凝集を阻害する(Mansouriら、Thromb Haemost. 48: 286-8, 1982)。低レベルのCOの吸入は、いくつかのモデルにおいて抗炎症効果を有することが示されてきた。
内膜の過形成は、血管の内層の肥厚化であり、これは、血管形成、バイパス手術、または組織移植のような手順に続く血管損傷から生じる病理学的プロセスである。内膜の過形成は、これらの治療的介入の成功を制限し続ける。
概要
本発明は、COが動物における大動脈移植および頸動脈バルーン損傷後の動脈硬化性傷害および内膜の過形成を予防するという発見に部分的に基づく。
従って、1つの局面において、本発明は、患者において内膜の過形成を治療する方法を提供する。この方法は、内膜の過形成(例えば、血管形成術もしくは移植手順から生じるか、または移植手順以外の手順もしくは条件から生じる内膜の過形成)に罹患しているか、またはそのリスクがある患者を同定する段階、および患者中の内膜の過形成を治療するのに有効な量の一酸化炭素を含む薬学的組成物を患者に投与する段階を包含する。
本発明はまた、患者における血管形成を実行する方法を提供する。この方法は、患者の血管形成を実行する段階;ならびに、血管形成を実行する前、その間、および/またはその後に、上記患者の内膜の過形成を治療するのに有効な量のCOを含む薬学的組成物を上記患者に投与する段階を包含する。この血管形成は、任意の血管形成術、例えば、バルーン血管形成;レーザー血管形成;アテレクトミー、例えば、方向性アテレクトミー、回転アテレクトミー、もしくは摘出アテレクトミー;および/またはステントを使用する任意の血管形成術、あるいはこのような手順の任意の組み合わせであり得る。
本発明はまた、患者の再狭窄を治療(例えば、予防または減少)する方法を提供する。この方法は、一酸化炭素ガスを含有する加圧ガスを含む容器を提供する段階;再狭窄に罹患しているか、またはそのリスクがある患者を同定する段階;上記容器から上記加圧ガスを放出して、上記一酸化炭素ガスを含有する空気を形成する段階;および上記空気に上記患者を曝露し、ここで、上記空気中の一酸化炭素の量が上記患者の再狭窄を治療するのに十分である段階、を包含する。
別の局面において、本発明は、患者の再狭窄を治療する方法を提供する。この方法は、再狭窄に罹患しているか、またはそのリスクがある患者を同定する段階;および上記患者中の再狭窄を治療するのに有効な量の一酸化炭素を含む薬学的組成物を上記患者に投与する段階を包含する。この再狭窄は、任意の血管形成術、例えば、バルーン血管形成;レーザー血管形成;アテレクトミー、例えば、方向性アテレクトミー、回転アテレクトミー、もしくは摘出アテレクトミー;および/またはステントを使用する任意の血管形成術、あるいはこのような手順の任意の組み合わせから生じる。
本発明はまた、患者において血管手術(例えば、移植手順)を実行するための方法を提供する。この方法は、以下の段階を包含する:(a)患者において血管手術(例えば、移植手順)を実行する段階;および(b)段階(a)の前、その間、および/またはその後に、上記患者中の動脈硬化症(例えば、内膜の過形成)を治療するのに有効な量のCOを含む薬学的組成物を上記患者に投与する段階。
別の局面において、本発明は、平滑筋細胞増殖を阻害する方法を提供する。この方法は、平滑筋細胞を提供する段階、および平滑筋細胞の増殖を阻害するのに有効な量のCOを平滑筋細胞に投与する段階を包含する。この方法は、インビボまたはインビトロで実行され得る。
患者において血管形成を実行する方法もまた提供される。この方法は、患者に一酸化炭素を投与し得る血管形成デバイス(例えば、本明細書中に記載されるデバイス)を提供する段階、血管形成の必要がある血管に上記デバイスを配置する段階、上記デバイスを使用して血管形成を実行する段階、ならびに血管形成を実行する前、その間、および/またはその後に、上記デバイスを使用して、内膜の過形成を治療するのに十分な量のCOを上記血管に投与し、それによって上記患者において血管形成を実行する段階、を包含する。このデバイスは、血管形成術における使用が可能な任意のデバイス、例えば、本明細書中に記載されるデバイスであり得る。代替的にまたはさらに、このデバイスは、COまたはCO放出化合物を放出するCO放出剤、例えば、ハイドロゲル、オイル、または軟膏でコートされ得る。
別の局面において、本発明は、医療用グレードの加圧COガスを含む容器を提供する。この容器は、上記ガスが患者(例えば、ヒト患者)における再狭窄、動脈硬化症、および/または内膜の過形成を減少させるために使用され得ること、および/またはこれが血管形成術において使用され得ることを示す表示を有する。COガスは、窒素ガスとの混合物、一酸化窒素および窒素ガスとの混合物、または酸素含有ガスとの混合物中にあり得る。このCOガスは、少なくとも約0.025%の濃度、例えば、少なくとも約0.05%、0.10%、0.50%、1.0%、2.0%、10%、50%、または90%の濃度で混合物中に存在し得る。
本発明はまた、血管形成デバイス(例えば、バルーン血管形成デバイス;レーザー血管形成デバイス;アテレクトミーデバイスおよび/またはステント);およびCO(例えば、液体組成物および/またはガス状のCO組成物)を含む容器を含むキットを提供する。この血管形成デバイスは、一酸化炭素を患者に投与し得る。このキットはさらに、患者において血管形成を実行するための方法における一酸化炭素組成物の使用のための指示書を含み得る。
別の局面において、本発明は、血管形成術の直前、その間、および/またはその後に、COを患者および/または血管に投与可能な血管形成デバイス(例えば、バルーン血管形成デバイス;レーザー血管形成デバイス;アテレクトミーデバイスおよびステント(例えば、本明細書中に記載されるデバイス))を提供する。1つの実施態様において、この血管形成デバイスはCO組成物を含む。別の実施態様において、このデバイスは、複数の開口部を備える膨張可能な部材(例えば、バルーン)、および膨張可能な部材に接続され、CO(液体またはガス状のCO組成物)を含むリザーバーを備え、その結果、COがリザーバーから膨張可能な部材を経由して血管まで送達され得るバルーン血管形成デバイスである。
本明細書中に記載される症状(例えば、内膜の過形成、再狭窄、および/または動脈硬化症)の治療および予防のための医薬の製造におけるCOの使用もまた、本発明の範囲内である。この医薬はまた、血管形成術および/または移植手順を実行するための方法において使用され得る。この医薬は、本明細書中に記載されるような任意の形態、例えば、液体またはガス状のCO組成物であり得る。
他に規定されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。適切な方法および材料が以下に記載されるが、本明細書中に記載されたものと同様のまたは等価な方法および材料が、本明細書の実施または試験において使用され得る。本明細書中において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体が参照として本明細書に組み入れられる。矛盾のある場合には、本明細書が優先する(定義を含む)。材料、方法、および実施例は単に例示的なものであり、限定を意図しない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
詳細な説明
本明細書中で使用される場合、用語「一酸化炭素」(または「CO」)とは、そのガス状状態にあるか、液体形態に圧縮されたか、または水溶液に溶解した分子状一酸化炭素をいう。用語「一酸化炭素組成物」または「一酸化炭素を含む薬学的組成物」とは、本明細書を通して、患者および/または血管、例えば、血管形成、バイパス手術、移植、または内膜の過形成および/もしくは動脈硬化症を生じ得る/生じる任意の他の手順に供せられた患者(または血管)に投与され得る一酸化炭素を含むガス状組成物または液体組成物を記載するために使用される。当業者は、薬学的組成物の形態、例えば、ガス状形態、液体形態、またはガス状および液体の両方の形態が所定の適用のために好ましいことを認識する。
用語「内膜の過形成」は、当該分野で認められている用語であり、細胞(例えば、血管の内膜内の平滑筋細胞)の増殖をいうために本明細書中で用いられる。当業者は、内膜の過形成が、任意の数の因子、例えば、内膜に対する機械的、化学的、および/または免疫学的損傷によって引き起こされ得ることを認識する。内膜の過形成は、しばしば、例えば、バルーン血管形成または血管手術(例えば、静脈移植を含む血管手術(例えば、移植手術))の後に患者において観察され得る。「動脈硬化症」、「動脈硬化性傷害」、「動脈硬化性プラーク」および「動脈硬化性症状」もまた、当該分野で認識されている用語であり、動脈壁の肥厚化および硬化を記載するために本明細書中で使用される。本明細書中で使用される場合、用語「血管系」は、身体、ヒト、または非ヒトの血管系(またはその任意の部分)をいい、血管、例えば、動脈、小動脈、静脈、小静脈および毛細血管を含む。用語「再狭窄」は、血管形成の後の動脈が再度狭くなることをいう。
用語「血管形成」は、当該分野において認識されている用語であり、血管の再構築(例えば、患者の血管系における狭窄の領域を拡張して再狭窄に対して適切な血流を回復させること)を含む、単独または組み合わせる任意の手順をいう。このような手順は、経皮経管動脈形成術(PTA)(これは、拡張可能な遠位端、すなわち、膨張可能なバルーンを有するカテーテルを利用する)(「バルーン血管形成」として公知);レーザー血管形成;摘出アテレクトミー;方向性アテレクトミー;回転アテレクトミー;ステント使用;および血管(例えば、動脈)を再構築するための他の任意の手順を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「有効量」および「治療のために有効な」とは、意図された効果または生理学的結果を引き起こすためにその投与の文脈内で有効である、一定の時間の間に利用される(短期的または長期的な投与および周期的または連続的な投与を含む)一酸化炭素の量または濃度をいう。本発明における使用のための一酸化炭素の有効量には、例えば、1つの手順(例えば、血管形成)の後の内膜の過形成を予防または減少させる量が含まれる。一酸化炭素の有効量はまた、患者(例えば、移植患者)における動脈硬化症を予防または減少させる量が含まれる。用語「治療(する)」は、本明細書中では、症状(例えば、内膜の過形成および/または動脈硬化症)の有害な効果の発症を遅延させるか、阻害するか、または緩和させることを記載するために使用される。
ガスについては、COの有効量は一般的に以下の範囲に入る:重量で約0.0000001%〜約0.3%、例えば、重量で0.0001%〜約0.25%、好ましくは、COの重量で、少なくとも約0.001%、例えば、少なくとも約0.005%、0.010%、0.02%、0.025%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.08%、0.10%、0.15%、0.20%、0.22%、または0.24%。好ましいCOの範囲には、重量で、0.002%〜約0.24%、約0.005%〜約0.22%、約0.01%〜約0.20%、および約0.02%〜約0.1%が含まれる。COの液体溶液については、有効量は、一般的に以下の範囲に入る:約0.0001〜約0.0044g CO/100g液体、例えば、少なくとも約0.0001、0.0002、0.0004、0.0006、0.0008、0.0010、0.0013、0.0014、0.0015、0.0016、0.0018、0.0020、0.0021、0.0022、0.0024、0.0026、0.0028、0.0030、0.0032、0.0035、0.0037、0.0040、または0.0042g CO/100g水溶液。好ましい範囲には、例えば、約0.0010〜約0.0030g CO/100g液体、約0.0015〜約0.0026g CO/100g液体、または約0.0018〜約0.0024g CO/100g液体が含まれる。当業者は、これらの範囲以外の量が適用に依存して使用され得ることを認識する。
用語「患者」は、本明細書を通じて、本発明の方法に従う治療が提供される動物、ヒト、または非ヒトを記載するために使用される。獣医学的および非獣医学的適用は、本発明によって意図される。この用語は、哺乳動物、例えば、ヒト、他の霊長類、ブタ、マウスおよびラットのような齧歯類、ウサギ、モルモット、ハムスター、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、ヒツジ、およびヤギを含むがこれらに限定されない。
用語「移植」は、器官または組織を患者に移すプロセスを記載するための一般的用語として本明細書を通して使用される。用語「移植」は、レシピエントにおける移植された組織または細胞の機能的な完全性を維持する意図を伴う、ドナーからレシピエントへの生きている組織または細胞の移動として当該分野において定義されている(例えば、The Merck Manual, Berkow, Fletcher, and Beers編、Merck Research Laboratories, Rahway, N.J., 1992を参照されたい)。この用語は、当該分野で公知である移植のすべてのカテゴリーを含む。移植は、ドナーとレシピエントの間の部位および遺伝子の関連性によって分類される。この用語は、自家移植(患者の1つの位置から同じ患者の同じまたは別の位置への、細胞または組織の除去および移動)、同種移植(同じ種のメンバー間の移植)、および異種移植(異なる種のメンバー間の移植)を含む。
用語「ドナー」または「ドナー患者」は、本明細書中で使用される場合、器官または組織がレシピエント患者への移植の目的のためにそこから得られ得る動物(ヒトまたは非ヒト)をいう。用語「レシピエント」または「レシピエント患者」は、器官または組織がそこに移動され得る動物(ヒトまたは非ヒト)をいう。
用語「器官拒絶」、「移植拒絶」および「拒絶」は、当該分野で認識されており、レシピエントにおいて器官、組織、または細胞の拒絶のプロセスを記載するための一般的な用語として本明細書を通して使用される。この定義には、例えば、臨床的な実施において代表的に同定される、拒絶の3つの主要なパターン:超急性拒絶、急性拒絶、および慢性拒絶が含まれる(例えば、Oxford Textbook of Surgery, Morris and Malt編、Oxford University Press (1994) を参照されたい)。
用語「器官」は、動物において特定の機能を有する任意の解剖学的な部分または構成要素を記載するための一般的な用語として本明細書を通して使用される。この用語の意味には、器官の実質的な部分、例えば、器官から得られた結合組織がさらに含まれる。このような器官には、腎臓、肝臓、心臓、腸(例えば、大腸および小腸)、膵臓、および肺が含まれるがこれらに限定されない。この定義にはまた、血管系(例えば、静脈および動脈)および骨が含まれる。
内膜の過形成または動脈硬化症を発症するリスクがあると見なされている個体は、本発明から特に利益を得るかもしれない。なぜなら、主として、予防的なCO治療は、手順が患者に実行される前に、または内膜の過形成もしくは動脈硬化性プラークのいかなる証拠も存在する前に投与され得るからである。「リスクがある」個体には、例えば、内膜への任意の型の機械的、化学的、および/または免疫学的損傷を有するか、有するであろう患者、例えば、移植手術および/または血管形成を受けるか、または受けた患者を含む。当業者は、患者が、当該分野で任意の公知の技術によって、例えば、医者の診断によって、内膜の過形成または動脈硬化症のリスクがあると決定され得ることを認識する。
ガス状組成物の調製
CO組成物はガス状組成物であり得る。本発明の方法において有用な、圧縮または加圧したガスは、任意の商業的な供給源から、圧縮ガスを保存するために適切な任意の型の容器中で入手され得る。例えば、圧縮または加圧したガスは、医療用途のための酸素のような圧縮ガスを供給する任意の供給源から入手され得る。用語「医療用グレード」ガスは、本明細書中で使用される場合、本明細書中に規定されるように、患者への投与のために適切なガスをいう。本発明の方法において使用されるCOを含む加圧ガスは、NOおよびO2が一緒に保存できないこと以外は、所望の最終組成物のすべてのガス(例えば、CO、He、NO、CO2、O2、N2)が同じ容器中にあるように、提供され得る。選択的には、本発明の方法は、個々のガスを含む複数の容器を使用して実行され得る。例えば、他のガスを伴うかまたは他のガスを伴わない一酸化炭素を含む単一の容器が提供され得る。この内容物は、選択的に、他の容器(例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、圧縮空気、または任意の他の適切なガス、またはその混合物を含む容器)の内容物と混合され得る。
本発明に従って患者に投与されるガス状組成物は、代表的には、0%〜約79%重量の窒素、約21%〜約100%重量の酸素、および約0.0000001%〜約0.3%重量(約1ppbまたは0.0001ppm〜約3,000ppmに対応する)のCOを含有する。好ましくは、ガス状組成物中の窒素の量は、重量で約79%、酸素の量は重量で約21%、およびCOの量は重量で約0.0001%〜約0.25%である。COの量は、好ましくは少なくとも重量で約0.001%、例えば、少なくとも約0.005%、0.01%、0.02%、0.025%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.08%、0.10%、0.15%、0.20%、0.22%、または0.24%である。COの好ましい範囲は、重量で、0.005%〜約0.24%、約0.01%〜約0.22%、約0.15%〜約0.20%、および約0.025%〜約0.1%を含む。0.3%より高い(例えば、1%以上の)CO濃度を有するガス状CO組成物は、用途に依存して、短期間(例えば、1回または数回の呼吸)のために使用され得ることが注目される。
ガス状CO組成物は、COガスを含む大気を製造するために使用され得る。適切なレベルのCOガスを含む大気が、例えば、COガスを含む加圧ガスを含む容器を提供すること、および、チャンバーまたは空間の内部にCOガスを含む大気を形成するために、チャンバーまたは空間に容器からの加圧ガスを放出させることによって製造され得る。代替的には、このガスは、末端が呼吸マスクまたは呼吸チューブになっている装置に放出され得、それによって、呼吸マスクまたは呼吸チューブ中でCOガスを含む大気を製造し、その室内で、患者が有意なレベルのCOに曝露される唯一の人であることを保証する。
大気中のCOレベルは、当該分野において公知の任意の方法を使用して測定またはモニターされ得る。このような方法には、電気化学的検出、ガスクロマトグラフィー、ラジオアイソトープ計数、赤外吸収、比色定量、および選択的メンブレンに基づく電気化学的方法(例えば、Sundermanら、Clin. Chem. 28: 2026-2032, 1982; Ingiら、Neuron 16: 835-842, 1996を参照されたい)が含まれる。ppm以下のCOレベルは、例えば、ガスクロマトグラフィーおよびラジオアイソトープ計数によって検出され得る。さらに、ppm以下の範囲のCOレベルは、中間赤外ガスセンサーによって生物学的組織において測定され得ることが当該分野において公知である(例えば、Morimotoら、Am. J. Physiol. Heart. Circ. Physiol 280: H482-H488, 2001を参照されたい)。COセンサーおよびガス検出デバイスは、多くの商業的な供給源から広範に利用可能である。
液体組成物の調製
COを含む薬学的組成物はまた、液体組成物であり得る。液体は、ガスが液体中で溶解されるようにするために、当該分野で公知の任意の方法によって、COを含有する薬学的組成物に作製され得る。例えば、液体は、いわゆる「CO2インキュベーター」中に配置され得、液体中で所望のCOの濃度に達するまで、好ましくは二酸化炭素と平衡状態にあるCOの連続的な流れに曝露され得る。別の例として、COガスは、液体中で所望のCOの濃度に達するまで、液体中で直接「バブリング」され得る。所定の水溶液中に溶解し得るCOの量は、温度の減少とともに増加する。なお別の例として、適切な液体が、ガスの拡散を許容するチュービングを通り得る。ここで、このチュービングは、COを含有する大気を通す(例えば、体外のメンブレン酸素供給装置のようなデバイスを利用する)。COは、液体CO組成物を製造するために液体に拡散する。
生きている動物に導入されることが意図されるこのような液体組成物は、おそらく、それが動物に導入される時点で37℃または約37℃である。
この液体は、患者への投与のために適切であるような、当業者に公知の任意の液体であり得る(例えば、Oxford Textbook of Surgery, MorrisおよびMalt編、Oxford University Press (1994) を参照されたい)。一般的に、この液体は水溶液である。溶液の例は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、Celsior(商標)、Perfadax(商標)、Collins溶液、クエン酸溶液、およびウィスコンシン大学(UW)溶液(Oxford Textbook of Surgery, MorrisおよびMalt編、Oxford University Press (1994))を含む。本発明の1つの実施態様において、この液体はRinger溶液、例えば、乳酸加リンガー液、または患者に注入されて使用され得る任意の他の液体である。別の実施態様において、この液体は、血液、例えば、全血を含む。
任意の適合する液体が、ガス散布装置を介してCOの設定された濃度で飽和され得る。代替的には、設定したレベルのCOを含むように制御された品質であったあらかじめ作製された溶液が使用され得る。用量の正確な制御は、CO分析装置に接続された、ガス透過可能な、液体透過不可能なメンブレンを用いる測定を介して達成され得る。溶液は、所望の有効な濃度に飽和され得、そしてこれらのレベルに維持され得る。
CO組成物を用いる患者および血管系の治療
本発明は、患者が、血管形成、移植手術、血管手術、または患者における内膜の過形成、再狭窄、および/もしくは動脈硬化症のリスクを引き起こす/増大させる任意の他の手順を受ける前、その間、および/またはその後で、患者および/または彼らの血管系の一部にCO組成物を投与することを意図する。患者は、当該分野において公知の任意の方法によって患者にガスおよび/または液体を投与するために、例えば、ガスの吸入および液体の静脈内または動脈内投与によって、ガス状および/または液体CO組成物で全身的に治療され得る。全身的治療を用いて、患者の血管系の実質的にすべてがCOで治療され得る。患者の血管系の一部、例えば、特定の静脈または動脈は、ガス状または液体CO組成物を静脈または動脈に直接投与することによって治療され得る。本発明は、患者および/または彼らの血管系の一部にCO組成物を投与するための任意の特定の様式に限定されないが、種々の治療が以下に詳細に議論される。
ガス状COの全身送達
ガス状CO組成物は、患者(例えば、内膜の過形成(例えば、再狭窄、および/または動脈硬化症)に罹患しているか、またはそのリスクがある患者)に全身的に送達され得る。ガス状CO組成物は、代表的には、肺への口または鼻の管を通しての吸入によって投与される。肺では、COは、患者の血流に容易に吸収される。治療用ガス状組成物中で利用される活性化合物(CO)の濃度は、COの吸収、分布、不活性化、および排出(一般的に、呼吸を通して)の速度、ならびに当業者に公知の他の因子に依存する。任意の特定の被験体について、特定の投薬レジメンが、個体の必要性、および投与するかまたは組成物の投与を監督する専門家の判断に従って時間の経過とともに調整されるべきであること、ならびに本明細書中に記載した濃度範囲は単なる例示であって、特許請求された組成物の範囲または実施を限定することを意図しないことがさらに理解されるべきである。急性、亜急性、および慢性のCO投与は本発明によって意図される。COは、症状を治療するため、および意図された薬学的または生物学的効果を発揮するために十分な時間(無期限を含む)、患者に送達され得る。
以下は、患者にガス状CO組成物を投与するために使用され得るいくつかの方法およびデバイスの例である。
ベンチレーター
医療用グレードCO(濃度は変化し得る)は、購入され得、圧縮ガス(例えば、21%O2、79%N2)の標準的なタンク中で、空気または別の酸素含有ガスと混合され得る。これは非反応性であり、かつ本発明の方法のために必要とされる濃度は、可燃性の範囲(空気中10%)よりも十分に下である。病院での設定において、このガスは、おそらくベッドサイドに送達され、ここでこのガスは攪拌装置中で酸素または建物内の空気と所望のppm(100万分の1)濃度に混合される。患者は、患者の快適さおよび必要性に基づいて一定の流速に設定されたベンチレーターを通してガス混合物を吸入する。これは、肺のグラフィックスによって決定される(すなわち、呼吸速度、一回換気量など)。所望の量の一酸化炭素よりも多くを患者が不必要に受容することを妨害するための二重安全装置メカニズムが、送達システムに設計され得る。患者のCOレベルは、(1)静脈血において測定され得るカルボキシヘモグロビン(COHb)、および(2)ベンチレーターの側面部分から収集した発散したCOを調べることによってモニターされ得る。COへの曝露は、患者の健康状態に基づいて、およびマーカーに基づいて調整され得る。必要な場合、COは、100%のO2吸入に切り換えることによって患者を洗浄することができる。COは代謝されない;従って、非常に小さな割合のCO2に転換されるものを除いては、吸入されたものは何でも、最終的に発散される。COはまた、結果的な低酸素条件なしでCOの治療用送達を提供するために任意のレベルのO2と混合され得る。
顔面マスクおよびテント
CO含有ガス混合物は、顔面マスクまたはテントを使用して患者による受動的吸入を可能にするために上記のように調製される。吸入される濃度は変化され得、単に100% O2にわたって変更することによって洗浄され得る。COレベルのモニタリングは、高すぎる濃度のCOが吸入されることを妨害する二重安全装置メカニズムを用いて、マスクまたはテントで、またはその近傍で行われる。
ポータブル吸入器
圧縮COは、ポータブル吸入器デバイスにパッケージされ得、および、例えば、病院の設定にはないレシピエントの断続的な治療を可能にするために、計量された用量で吸入され得る。異なる濃度のCOが容器にパッケージされ得る。このデバイスは、オン−オフバルブおよびチューブ(患者は、標準的なレジメンに従って、または必要に応じてそこからCOの一吸を摂取する)を備える、適切に希釈されたCOの小さなタンク(例えば、5kg未満)ほどの単純さであり得る。
静脈内人工肺
O2送達およびCO2除去のために設計された人工肺(血液中のガス交換のためのカテーテルデバイス)が、CO送達のために使用され得る。このカテーテルは、移植された場合、大静脈の1つに存在し、所望の濃度で、全身的送達または局所的部位のいずれかにCOを送達することができる。この送達は、短期間の時間の間の血管形成術の部位における高濃度のCOの局所的送達であり得るか(この高濃度は血流において迅速に希釈される)、またはより低い濃度のCOへの比較的長い曝露であり得る。人工肺の例は、例えば、Hattlerら、Artif. Organs 18(11): 806-812 (1994); およびGolobら、ASAIO J., 47(5): 432-437 (2001)において記載されている。本明細書中で使用される場合、用語「血管内一酸化炭素送達デバイス」とは、カテーテルデバイス、例えば、長期にわたる時間の間(無期限を含む)、血管に存在し得、かつ全身的におよび/または局所的に患者にCOを送達し得る人工肺(またはその修飾バージョン)をいう。
基準気圧チャンバー
特定の例において、患者全体をCOに曝露することが所望される。患者は、患者を危険にしないレベルで、または傍観者が曝露されるリスクなしで受容可能なリスクを与えるレベルでCOで満たされた気密性チャンバー内部に置かれる。曝露の完了の際に、チャンバーに空気(例えば、21%O2、79%N2)を流し得、患者が曝露システムから出ることが可能になる前に、COが残っていないことを確実にするためにCO分析装置によって試料を分析し得る。
液体CO組成物の全身送達
本発明はさらに、例えば、患者への静脈内または動脈内注入による、患者への全身的送達のための液体CO組成物が製造され得ることを意図する。例えば、CO飽和Ringer溶液のような液体CO組成物は、血管形成術または移植手順の前、その間、および/またはその後に患者に注入され得る。代替的に、またはさらに、COで部分的または完全に飽和した全血(または部分血)が患者に注入され得る。本発明はまた、COガスまたは液体の用量を送達し得る薬剤(例えば、CO放出剤、ガム、クリーム、軟膏、またはパッチ)が利用され得ることを意図する。
血管系の部分へのCOの送達
インサイチュー治療
代替的にまたは全身的治療に加えて、一酸化炭素組成物が、内膜の過形成および/または動脈硬化症を有するか、またはそのリスクがある、患者の血管系の任意の部分に直接適用され得る。ガス状組成物は、患者の血管系の部分(例えば、罹患した動脈)に、ガスを患者の血管系に投与するための当該分野で公知である任意の方法によって直接適用され得る。例えば、COは、上記に記載した静脈内人工肺に類似するデバイスを通して、血管形成(例えば、バルーン血管形成)手順または外科的(例えば、移植)手順の前、その間、および/またはその後に動脈に送達され得る。別の例として、血管形成術を実行するために使用される任意のデバイスが、血管形成が実行されている間に、器具を通して患者の血管系にCOを投与するように改変され得る。このようなデバイスは、以下により詳細に議論される。
液体CO組成物はまた、患者の血管系部分に直接適用され得る。液体CO組成物は、患者の血管系に液体を投与するための当該分野で公知の任意の方法によって投与され得る。例えば、液体CO組成物は、手順の前、その間、および/またはその後で、特定の静脈に(例えば、静脈内注射によって)または動脈に(例えば、動脈内注射によって)投与され得る。別の例として、上記に記載したように、血管形成術において使用される任意の器具が、血管形成術が実行されている間に、静脈または動脈に液体CO組成物を投与するように改変され得る。
エキソビボ治療
本発明はさらに、移植された血管系(例えば、個々の血管(例えば、静脈移植片または動脈移植片)または移植可能な器官(例えば、腎臓、肝臓、心臓、もしくは肺)に付随して残っている血管)における内膜の過形成および/または動脈硬化症を予防するか、または減少させるためのCO組成物の使用を意図する。代替的に、または上記に記載したようなインサイチューでの曝露に加えて、血管系のCO組成物への曝露は、エキソビボで行われ得る。例えば、個々の血管または器官を、その付随する血管系とともにレシピエント患者に移植する前に、この血管系は、一酸化炭素ガスを含有する大気に、液体一酸化炭素組成物(例えば、そこに一酸化炭素を溶解した、液体灌流液、保存溶液、もしくは洗浄溶液)に、またはその両方に曝露され得る。
エキソビボでガス状CO組成物に血管系を曝露することは、適切なレベルのCOガスを含む大気を製造するために適切な任意のチャンバーまたは領域において実行され得る。このようなチャンバーには、例えば、保存溶液中に器官を収容する目的で組み立てられたインキュベーターおよびチャンバーが含まれる。別の例としては、適切なチャンバーは、そのチャンバーに供給されたガスのみが内部大気に存在し、その結果、一酸化炭素の濃度が所定の濃度および純度で固定され得、かつ維持され得る(例えば、チャンバーが気密性である場合)チャンバーであり得る。例えば、CO2インキュベーターは、血管系を一酸化炭素組成物に曝露するために使用され得、ここで、一酸化炭素ガスは、ガスを含む容器から連続した流れで供給される。
エキソビボで液体CO組成物に血管系を曝露することは、血管系を完全にまたは部分的に液体CO組成物に浸すために十分な容積を有する任意のチャンバーまたは空間において実行され得る。血管系はまた、任意の適切な容器中に血管系を配置すること、および液体CO組成物に血管系を「洗浄」させるか、または血管系を通すことによって、このような組成物に曝露され得、その結果、血管系はCO組成物の連続的な流れに曝露される。なお別の例として、血管系は、COを含まない培地または溶液中に浸され得、およびチャンバーに配置され得、その結果、培地または溶液は本明細書中に記載されるようにCOを含有する大気に曝露されることを介してCO組成物にされ得る。なお別の例において、血管系はCOを含まない液体に浸し得、そしてCOは液体中で「バブリング」され得る。
デバイス
本発明は、血管形成術を実行することおよび患者の血管系にCOを投与することの両方のために使用され得るデバイスを使用して、患者の血管系にCOを投与することを意図する。血管形成が実行されている間(例えば、血管形成が実行される直前、その間、および/またはその直後)、COは、器具を通して、および/もしくは器具によって、またはその上のCO送達コーティングによって投与され得る。このようなデバイスには、バルーン血管形成に使用されるデバイス(「バルーン血管形成デバイス」)、レーザー血管形成に使用されるデバイス(「レーザー血管形成デバイス」)、ならびにアテレクトミー(例えば、摘出アテレクトミー;方向性アテレクトミー;回転アテレクトミー)に使用されるデバイス;およびステント(「アテレクトミーデバイス」)が含まれる。本明細書中で使用される場合、「血管形成デバイス」は、患者に血管形成を実行するために使用され得る任意のデバイスである。
図13A〜13Dを参照して、血管形成の間に患者にCO(例えば、液体またはガス状CO組成物)を投与するように設計された、膨張可能な部材(例えば、バルーン)を備えるカテーテルデバイスの例が示される。図13Aにおいて、カテーテル1303が、血管1301の狭窄領域1302内の位置に示される。膨張可能部材1304は膨張していない状態で示される。この膨張可能部材は、少なくとも1つの開口部1305を備え、そこを通してCOが手順の間、容器から投与され得る。COは、CO(例えば、一酸化炭素を含む薬学的組成物)を含むリザーバー(示さず)から膨張可能部材に提供され得る(例えば、膨張可能部材を膨張させるために)。このデバイスは、選択的に、ガイドワイヤ1306によって意図された部位に導かれ得る。
図13Bにおいて、膨張した状態の膨張可能部材1304を有するカテーテル1303が示される。COは、開口部1305を通して血管1301に投与され得る。1つの実施態様において、膨張可能部材は、COまたはCOを含むガスの混合物で膨張され、その結果、内膜の過形成を治療するのに十分な量のCOが開口部1305から流出し、かつ膨張可能部材1304の膨張の間および/またはその後に血管1301に送達される。
図13Cは、カテーテルデバイスの別の実施態様を図示し、ここでは、カテーテル1303は、血管形成術の間に血管1301にCOを送達するための少なくとも1つの管腔1307を備える。なお別の実施態様が図13Dに示され、ここでは、中央の管腔1307が血管1301の複数の部位にCOを送達する。COを含むリザーバー(示さず)は、管腔1307に接続され得、その結果、COの用量がリザーバーから管腔1307を通って血管まで投与される。
代替的にまたはさらに、膨張可能部材1304は、CO放出コーティング(例えば、CO組成物を含むハイドロゲル)でコートされ得、その結果、例えば、膨張可能部材1304との接触に際して、COは狭窄領域1302に送達される。
図14A〜14Bを参照して、患者にCOを投与するように設計されたステントの例が示される。用語「ステント」は、当該分野で認識された用語であり、代表的には、ワイヤ製の、オープン位置の血管(例えば、最近、血管形成の間に再構築された血管)を維持するために使用されるメッシュチューブをいう。図14Aにおいて、収縮状態のステント1402が示される。このステントは、図14Aに示される収縮状態のバルーンカテーテル1404を覆う。図14Bにおいて、ステント1402およびバルーンカテーテル1404は、伸長/膨張状態で示される。バルーンカテーテル1404の膨張の際に、ステント1402は伸長し、その場所でロックされ、そして図14Bに示されるような骨格を形成し、それによってオープン位置の血管を保持する。本発明の1つの実施態様において、ステント1402は、CO放出コーティング(例えば、COを放出させるハイドロゲル)でコートされ、その結果、内膜の過形成を治療するために十分な量のCOが、適切な長さの時間、例えば、ステントがその場所に留まる限り、血管に送達される。
図15を参照して、2つの膨張可能部材1504を備えるカテーテル1502が示される。膨張可能部材1504は、狭窄領域1506を単離するために使用され得、その結果、COは膨張可能部材1504の間の狭窄領域1506に投与され得る。カテーテル1502は、膨張可能部材1504の膨張に先立って血管1508に挿入される。次いで、膨張可能部材1504は、カテーテル1502内に収納された膨張/収縮チューブ1510を使用して膨張される。その膨張状態において、膨張可能部材1504は、治療を受けている血管の領域に対する血液の流れを妨害する。カテーテルの近位端上のインレットダクト1512は、血液が、カテーテル1502に、およびカテーテル1502を通ってカテーテルの遠位端上に位置するアウトレットダクト口1514に流れることを可能にする。このことは、血液が動脈の残り1508への流れを継続することを可能にするのに対して、動脈の局所的部位1506は治療される。COは、供給チューブ1516を投与することを通して単離された領域に導入され得る。膨張した膨張可能部材1504は、単離された治療領域を提供し、この中で適切なレベルのCOが血管に投与され得る。さらに、ファイバープローブ(示さず)がカテーテル1502のケーシングに対して確実にされ得、そしてその部位がファイバープローブを通して電磁放射線に曝露され得る。COは、電磁放射線を用いる部位の治療の前、その間、および/またはその後に、その部位に投与され得る。
図16を参照して、アテレクトミーを実行している間に患者にCOを投与し得る器具の例が示される。アテレクトミーは、血管壁1604からプラーク1602を切除および除去する段階を包含する。カテーテル1606は動脈1604内に配置されている。フレキシブルガイド1608は治療領域1610を通して器具を移動させるために使用される。次いで、回転カッティングブレード1612がカテーテルを超えて拡張する。回転カッティングブレード1612は、フレキシブルガイド1608に続き、そしてプラーク1602を切り開く。回転カッティングブレード1612は除去されたプラークの小片をカテーテル1606の近位端におよびその近位端に向かって引き込む。COは、カテーテル1606内の投与チューブ1614を通して治療された領域に導入され得る。投与チューブ1614は、ガイド1608に確保され得る。COは、カテーテル1606を通して少なくとも1つの孔1616を通して、投与チューブ1614の遠位端に投与され得る。代替的に、または投与チューブ1614を通してCOを供給することに加えて、ダクト1620および1622が、カッティングブレード1612の壁内に収納され得る。一酸化炭素は、アウトレットダクト1620を通して供給され得る。治療の最後に、インレットダクト1622はCOを除去し得る。COは、プラークの除去の前、その間、および/またはその後に投与され得る。
上記に加えて、当業者は、血管形成術を実行するための当該分野で公知の任意のデバイスが、使用の間に患者の血管系にCOを投与するために改変され得ることを認識する。このようなデバイスの例は、例えば、米国特許番号第6,409,716号、同第5,985,307号、同第6,508,787号、同第5,709,875号、および同第6,450,989号において見出され得る。さらに、当業者は、任意のこのようなデバイスが、CO送達剤、例えば、有効用量のCOを放出し得るオイル、軟膏、またはハイドロゲルでコートされ得、その結果、COは器具/コーティングとの接触の際に血管に送達されることを認識する。
ヘムオキシゲナーゼ-1および他の化合物の使用
本発明によってまた意図されるのは、一酸化炭素の投与とともにヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)の誘導または発現である。HO-1は、患者におけるHO-1の誘導または発現によって、または患者に外因性のHO-1を直接投与することによって患者に提供され得る。本明細書中で使用される場合、用語「誘導(される)」は、単離された細胞において、または組織、器官、または動物の細胞において、タンパク質をコードする、細胞自体の内因性の(例えば、非組換えの)遺伝子を使用して、タンパク質(例えば、HO-1)の産生の増加を引き起こすことを意味する。
HO-1は、当該分野において公知の任意の方法によって患者に誘導され得る。例えば、HO-1の産生は、ヘミンによって、鉄プロトプルフィリンによって、またはコバルトプロトポルフィリンによって誘導され得る。種々の非ヘム剤(重金属、サイトカイン、ホルモン、一酸化窒素、COCl2、エンドトキシン、および熱ショックを含む)もまた、HO-1発現の強力なインデューサーである(Otterbeinら、Am J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol. 279: L1029-L1037, 2000; Choiら、Am J. Respir. Cell Mol. Biol. 15: 9-19, 1996; Maines, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 37: 517-554, 1997; およびTenhunenら、J. Lab. Clin. Med. 75: 410-421, 1970)。HO-1はまた、酸化ストレスを作り出す種々の薬剤および状態によって高度に誘導され、これらには、過酸化水素、グルタチオン枯渇剤、UV放射、および高酸素症が含まれる(Choiら、Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 15: 9-19, 1996; Maines, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 37: 517-554, 1997;およびKeyseら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 99-103, 1989)。「HO-1のインデューサーを含む薬学的組成物」は、患者においてHO-1を誘導し得る任意の因子、例えば、上記に記載したいずれかの因子(例えば、ヘミン、鉄プロトプルフィリン、および/またはコバルトプロトポルフィリン)を含む薬学的組成物を意味する。
細胞におけるHO-1発現は遺伝子移入を介して増大され得る。本明細書中で使用される場合、用語「発現(される)」とは、外因性に投与された遺伝子(例えば、組換え遺伝子)を使用して、単離された細胞、または、組織、器官、もしくは動物の細胞において、タンパク質(例えば、HO-1またはフェリチン)の産生の増大を引き起こすことを意味する。HO-1またはフェリチンは、いかなる免疫反応をも最小化するために、好ましくはレシピエント同じ種(例えば、ヒト、マウス、ラットなど)のものである。発現は構成的プロモーター(例えば、サイトメガロウイルスプロモーター)または組織特異的プロモーター(例えば、乳房細胞については乳ホエイプロモーター、または肝細胞についてはアルブミンプロモーター)によって駆動され得る。HO-1またはフェリチンをコードする適切な遺伝子治療ベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)、ポックス(例えば、ワクシニア)ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、マウスの微小ウイルス、B型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、単純ヘルペスウイルス-1、およびレンチウイルス)は、経口的に、吸入によって、または内膜の過形成を治療するために適切な位置への注射によって投与される。同様に、HO-1またはアポフェリチンをコードするプラスミドベクターは、例えば、裸のDNAとして、リポソーム中で、または微粒子中で投与され得る。
さらに、外因性HO-1タンパク質は、当該分野で公知の任意の方法によって患者に直接投与され得る。外因性HO-1は、上記のように、患者において、HO-1の誘導または発現に加えて、またはそれに対する代替として、直接投与され得る。HO-1タンパク質は、例えば、リポソーム中で、および/または融合タンパク質として、例えば、TAT融合タンパク質として患者に送達され得る(例えば、Becker-Hapakら、Methods 24: 247-256, 2001を参照されたい)。
代替的にまたはさらに、HO-1による代謝産物のいずれか(例えば、ビリルビン、ビリベルジン、鉄、および/またはフェリチン)は、内膜の過形成を予防または治療するために、一酸化炭素とともに、またはその代わりに患者に投与され得る。さらに、本発明は、フェリチン以外の鉄結合タンパク質(例えば、デスフェリオキサミン(DFO)、鉄デキストラン、および/またはアポフェリチン)が患者に投与され得ることを意図する。さおさらに、本発明は、これらの生成物のいずれかの分解を触媒する酵素(例えば、ビリベルジンレダクターゼ)が所望の効果の生成/増強を阻害し得ることを意図する。
本発明は、化合物、の投与(例えば、400〜600mg/kgの間の用量、例えば、約500mg/kgで)の後にCOを放出する化合物(例えば、CO放出化合物)例えば、ジマンガンデカカルボニル、トリカルボニルジクロロルテニウム(II)ダイマー、およびメチレンクロライドもまた、カルボキシヘモグロビンおよびCO付与ヘモグロビン代替物が使用され得るのと同様に、本発明の方法において使用され得ることを意図する。
上記のいずれかの投与は、いずれかの方法において(例えば、経口投与、静脈内投与、または動脈内投与によって)患者に投与され得る。上記の化合物のいずれかは、局所的および/または全身的に、および任意の組み合わせで患者に投与され得る。
本発明は、以下の実施例によって部分的に例証され、これは、いかなる場合においても本発明を限定するものとして理解されない。
実施例1:COは動脈硬化症、内膜の過形成およびSMC増殖の発生を抑制する
動物
雄性(250〜350g)Brown Norwayラット(RTn)を大動脈移植のドナーとし、雄性(250〜350g)Lewisラット(RT1l)をレシピエントとして使用した。Dawley(400〜450g)ラットをバルーン損傷モデルにおいて使用した。成体雄性C57BL/6、C57/S129、p21-/-およびp53-/-ヌルマウスをJackson Laboratory(Bar Harbor, ME)より購入した。mkk3(-/-)ヌルマウスを、Luら(EMBO. 18: 1845-1857(1999))に記載されるように生成した。inos(-/-)およびenos(-/-)マウスを、ピッツバーグ大学において繁殖させた。
大動脈移植モデル
大動脈移植を、Shimizuら(Nat. Med. 7: 738-741 (2001))に記載されるように実行した。手短に言えば、3〜4cmの下行大動脈をドナーから収集し、レシピエントの腎動脈と大動脈分岐の間に移植した。ネイティブな大動脈分岐の両方の縁を結紮した。
バルーン損傷モデル
バルーン血管形成を、Murakamiら(Atherosclerosis 157: 361-368 (2001))において記載されるように実行した。手短に言えば、2Fr.の動脈塞栓切除カテーテル(Baxter, Chicago, IL)を通常の頸動脈に挿入し、バルーンを5気圧で5分間膨張させることによって損傷を作製した。動脈を流し、外部の頸動脈を結紮し、通常のかつ内部の頸動脈を通した血流が戻ることを確実にした。血管壁の損傷および引き続く病理学的分析は、治療群にはブラインドである様式でなされた。
COへの曝露
COを、Otterbeinら(Nat Med. 6: 422-428 (2000))に記載されるように動物に送達した。移植片ドナーおよびレシピエントを、移植の前2日間および移植直後56日間、CO(250ppm)に曝露した。バルーン損傷モデルにおいて、ラットは前処理を受けていないか、または損傷前1時間CO(250ppm)に曝露されたかのいずれかであった。手術の後、ラットを大気中に2週間置いた。
細胞
Laubachら(Proc. Natl Acad Sci USA 92: 10688-9 (1995))において記載されるように、初代のマウスおよびラットの平滑筋細胞(SMC)を単離し、培養した。HO-1-/-マウスから単離されたマウスSMCを、Duckersら(Nat Med. 7: 693-698 (2001))において記載されるように入手した。
細胞処理および試薬
グアニル酸シクラーゼインヒビター1H(1,2,4)オキサジアゾロ(4,3-a)キノキサリン-1(ODQ;Calbiochem-Novabiochem, San Diego, CA; 10-100μM)およびp38 MAPKインヒビターピリジニルイミダゾールSB203580(Calbiochem; 5-20μM)をDMSOに溶解した。cGMPアナログ8-ブロモcGMPナトリウム塩(8-Br-cGMP;Sigma-Aldrich, St. Louis, MO; 10-100μM)およびPKGインヒビター(10-100μM;Alexis Biochemicals)を水に溶解した。
細胞計数および[3H]チミジン取り込み
ラットおよびマウスのSMCを、Peytonら(Blood 99: 4443-4448 (2002))に記載されるように単離および培養した。増殖アッセイを、Petkovaら(J Biol Chem. 276: 7932-7936 (2001))において記載されるように実行した。[3H]チミジン取り込み研究のために、細胞を、一晩血清枯渇状態にし、次いで、5μCi/ml[3H]チミジン(New England Nuclear, Boston MA)を含む10%血清で刺激した。[3H]チミジン取り込みは、シンチレーション分光法によって測定し、平均計数/分/ウェルで示された。
組織形態学的分析
大動脈移植片および頸動脈を、それぞれ56日目および14日目に収集した。血管を固定し、包埋し、そして全体を連続的に切片化した(5μ)。スライドを3つごとに組織形態学的分析のためにヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。両方のモデルにおいて、スライドあたり1つまたは2つの1520×1080ピクセルの解像度の画像を、Zeiss顕微鏡(Axioskop, Iowa City, Iowa)、RT color SPOT(Diagnostic Instrument, Inc., Saint Joseph, MI)およびWindouw NT(Compaq Computer)を用いて、Adobe Photoshopバージョン5.5ソフトウェアを使用して、25倍の倍率でキャプチャーした。8〜10のキャプチャーした画像からの領域を、これらの領域に対応するピクセルの数としてデジタル画像ソフトウェアを使用して計算した。各群からの24〜48セクションを、SPSSソフトウェアバージョン10を用いて統計学的に分析した。
免疫染色および細胞集団組織形態学的分析
移植片を移植56日後に収集した。ラット白血球集団を、抗ラット白血球共通抗原(LCA、CD45;OX-1)(Serotec, Harlan Bioproducts, Indianapolis, IN)を使用して検出した;CD3(G4.18)、CD4(OX-35)、CD8(OX-8)、マクロファージ(CD68, ED-1)、ICAM-1(CD54; 1A29)、および主要組織適合複合体クラスII(OX-6)を、すべてBecton Dickinson Biosciences(San Diego, CA)から入手した。抗PAI-1 mAbを、America Diagnostica(Greenwich, CT)から入手した。8〜10の画像を各移植した大動脈からキャプチャーし、以下に詳細に記載するように分析した。
細胞抽出物およびウェスタンブロット分析
細胞内タンパク質抽出物を電気泳動し(10-12.5%ポリアクリルアミドゲル)、ニトロセルロース(BioRad, Hercules, CA)上に転写した。ERK、JNK、およびp38 MAPKならびにATF-2の全体およびリン酸化型を、ウサギポリクローナル抗体(Cell Signaling Technologies, Beverly, MA)を使用して検出した。抗α-アクチン(Sigma; St. Louis, MO)。p21Cip1を、ウサギポリクローナル抗体(Santa Cruz Biotech, Santa Cruz, CA)を使用して検出した。一次抗体を、補足方法において記載されているように検出した。
統計学的解析
差異の有意性を分散の分析(ANOVA)を使用して決定した。
一酸化窒素(NO)への曝露
ラットを、250ppmまたは500ppmのNOに1時間曝露した。NOガス(N2中1%)を、CO実験において使用したのと同じ曝露装置中で空気と混合した。チャンバー中の濃度は、NO分析装置(Interscan)を用いてモニターした。曝露後、バルーン血管形成を上記のように実行した。対照動物を空気に曝露した。バルーン損傷を与えた外科医は操作されるラットに対してブラインド処理された。頸動脈の分析を、上記のように手順の2週間後に実行した。
マウス動脈損傷
切開はLindnerら(Circ Res. 73: 792-796 (1993))によって記載されたものと同様であり、0.018インチガイドワイヤ(Cook, Bloomington, IN)を使用して実行し、外部の頸動脈切開を通して通常の頸動脈に挿入し、3回360度回転させ、そして計3回連続して取り除いた。
cGMPイムノアッセイ
cGMPの細胞レベルをEIA(Biomol, Plymouth Meeting, PA)を使用して定量した。SMCをCO(250ppm)の存在下または非存在下でインキュベートし、そして製造業者によって示唆されるように、細胞溶解物をcGMP含量について分析した。
細胞計数
細胞を5×103細胞/ウェルで播種し、10%FCS、ペニシリン、およびゲンタマイシンを含む高グルコースDMEM(Life Technologies)中で一晩培養した。さらなる48時間の間、細胞を血清枯渇状態にし(0%血清)、示した場合にはCO(ラットおよびマウスSMCについて250ppm)に曝露し、その後細胞増殖の誘導を行った(10%FCS;Life Technologies)。細胞を、毎日Neubauerヘモサイトメーターを使用して計数した。生存度をトリパンブルーで評価した。
組換えアデノウイルス
組換えβ-ガラクトシダーゼアデノウイルスを、University of Texas Southwest Medical Center, Dallas, TXから入手した。ラットHO-1 cDNAを発現する組換えHO-1アデノウイルスは、Brouardら(J. Exp Med. 192: 1015-1026 (2000))に記載されている。Brouardら(同上)に記載されるように、ラットSMCを細胞あたり400プラーク形成単位(PFU/細胞)の感染多重度(MOI)で感染させた。
フローサイトメトリー
ラット大動脈SMCを、トリプシン消化(0.025%トリプシン/0.01%EDTA)(Life Technologies)によって収集し、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA; Sigma-Aldrich Co)を含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS,pH7.2)で洗浄し、そしてヨウ化プロピジウムとともにインキュベートした(1μg/ml、1時間、室温)。蛍光標識を、Cell Quest software(Becton Dickinson, Palo Alto, CA)を備えたFACsortを使用して評価した。実験を3連で実行した。
組織形態学的分析
移植モデルにおいて、移植片を移植後56日目に収集した。大動脈を10%ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋し、そして全体を連続的に切片化した(5μ)。合計で約24〜30のスライドにおいて、スライドあたり3つごとの切片からの10の試料を配置した。3つごとのスライドを組織形態学的分析のためにヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。バルーン損傷モデルにおいて、動物を、損傷14日後に安楽死させ、動脈を形態学的分析のために収集した。ラット頸動脈を灌流し、PBSおよびパラホルムアルデヒド(2%)でインサイチューで固定した。血管を、2時間、2%パラホルムアルデヒド中で、4℃で固定し、そして30%ショ糖中で、一晩、4℃で凍結防止した。血管を2-メチルブタン中ですばやく凍結させ、7μmの凍結切片を切り出した。
イムノブロッティングのための一次抗体検出
一次抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化抗ウサギIgG二次抗体(Pierce, Rockford, IL, USA)を使用して検出した。ペルオキシダーゼを、製造業者の指示書に従って、Enhanced ChemiLuminescenceアッセイ(Amersham Life Science Inc., Arlington Heights, IL, USA)を使用して可視化し、放射線写真(BiomaxTMMS, Eastman Kodak, Rochester, NY)の形態で保存した。示した場合には、メンブレンを剥ぎ取った(62.5mM Tris HCl pH 6.8、2% SDS、および100mM β-メルカプトエタノール、30分間、50℃)。リン酸化p38を、同じメンブレンにおいて検出されたp38の総量に対して規準化した。
種々雑多な試薬
マウスiNOSおよびeNOSを、iNOSおよびeNOSに対するウサギ抗マウスポリクローナル抗体(Becton Dickinson, Biosciences, San Diego, CA)を使用して検出した。
移植片に付随する動脈硬化症の発症を抑制するCO
図1A〜1Iは、CO治療が、通常、慢性移植片拒絶に付随する内膜の過形成を抑制することを例証する。図1A-1Fは、移植56日後の種々の大動脈移植片の試料の顕微鏡写真である。これらのデータを生成するために、Brown Norwayの大動脈をBrown Norwayラット(図1Aおよび1D)、空気に曝露したLewisラット(図1Bおよび1E)、およびCO(250ppm;図1Cおよび1F)に曝露したLewisラットに移植した。試料を移植56日後に収集し、改変弾性組織−マッソン三色染料によって(弾性;図1A〜1C)またはヘマトキシリンおよびエオシン(H&E;図1D〜1E)によって染色した。弾性染色は倍率50倍であり(図1A〜1C)およびH&E染色は倍率200倍である(図1D〜1E)。示す試料は群あたり分析した3〜6の動物を表す。図1G〜1Iは、内膜および中膜の領域に対応する平均(±標準偏差)相対面積を図示する棒グラフである。これは、Brown Norwayラットに移植されたBrown Norway大動脈から(同系;n=6)、空気に曝露したLewisラットから(同種異系;n=6)、またはCO(250ppm)に曝露したLewisラットから(同種異系+CO;n=3)収集した試料から計算した。*同種異系+CO に対してP<0.001。
Lewisラットに移植されたBrown Norway大動脈セグメントは、慢性移植片拒絶に一致する動脈硬化性傷害を発症した(図1Bおよび1E)。この傷害は移植後20〜30日に現れたが、50〜60日では有意により明白であった;すべての分析を移植後56日に実行した。この傷害は、内膜の過形成、中膜SMCの損失、および外膜における白血球の蓄積によって特徴付けられた(図1Bおよび1E)。これらの特徴は、レシピエントの血管において観察されず、この傷害は同系移植片にいて観察されなかった(図1Aおよび1D)。内膜の過形成は、空気に曝露されたレシピエントに移植されたもの(図1C、1F、1G、1Hおよび1I)と比較して、移植直後に(およびその後56日間)CO(250rpm)に曝露されたレシピエントに移植された大動脈において有意に(P<0.001)阻害された(対照に対して61.4%±2.9%の減少)。
図2A〜Cは、COが、活性化された白血球による移植片浸潤を抑制することを例証する棒グラフである。図2A-2Cにおけるデータを生成するために、免疫細胞化学分析が、移植後56日目に大動脈移植片で実行された。Brown Norwayラット大動脈を、Brown Norwayラット(同系)、未処理のLewisラット(同種異系)、またはCO(250-1000rpm)に曝露されたLewisラットに移植した。試料を、移植後56日目に収集した。図2Aは、Brown Norwayレシピエント(同系)、未処理のLewisレシピエント(同種異系)、および種々の濃度のCO(CO 250ppm、CO 500ppm、およびCO 750-1000rpm)に曝露されたLewisレシピエントに移植されたBrown Norwayラット大動脈からの外膜における核の平均(±標準偏差(n=3〜6))数を図示する(*=同種異系に対してP<0.001)。図2Bは、Brown Norwayラットレシピエント(同系)、未処理のLewisラットレシピエント(同種異系)、およびCOに曝露されたLewisラットレシピエント(同種異系+CO)に移植されたBrown Norwayラット大動脈からの外膜における、CD45(*同種異系に対してP<0.002)、CD68(MφED1;*同種異系に対してP<0.001)、MHCII、およびCD54(ICAM-1)陽性細胞(*同種異系に対してP<0.001)の平均(±標準偏差(n=6))数を図示する。図2Cは、Brown Norwayレシピエント(同系)、未処理のLewisレシピエント(同種異系)、およびCO(CO 250ppm)に曝露されたLewisレシピエントに移植されたBrown Norwayラット大動脈からの外膜における、CD3、CD4、およびCD8陽性細胞(*同種異系に対してそれぞれP<0.02, 0.001, 0.096)の平均(±標準偏差(n=6))数を図示する。
移植された大動脈の外膜における白血球の蓄積は、COに曝露されたレシピエントにおいて阻害された(図2A-2Cを参照されたい)。白血球の蓄積は同系移植片において観察されなかった。活性化白血球(CD45+)による移植片の浸潤を抑制するCOの能力は、COのレベルの増加(250〜1000ppm)での用量依存性であり、これは白血球の浸潤の減少を生じた;最大の効果は700〜1000ppmのCOで観察された(空気処理された対照に対して52±20%阻害、図2A)。COは、CD45+/CD68+単球/マクロファージ(Mφ)の蓄積(空気処理された対照に対して65±24%阻害)、ならびにCD45+/CD3+T細胞の蓄積(空気処理された対照に対して57±22%阻害)(CD4+(「ヘルパー」細胞)およびCD8+(「細胞傷害性」細胞)の両方を含む)を有意に抑制した(図2C)。COはまた、主要組織適合複合体クラスII(MHCII)抗原および細胞内接着分子1(CD54/ICAM-1)を含むMφ活性化に付随するプロ炎症性遺伝子の発現を阻害した(図2B)。
バルーン損傷後の内膜の過形成の発症を抑制するCO
図3A〜3Gは、COがバルーン損傷に付随する血管の傷害の発症を抑制することを例証する。図3A〜3Dは、バルーン血管形成後14日目に分析した、免疫細胞化学的に染色した頸動脈の顕微鏡写真(倍率10倍)である。図3A-3Dにおけるデータを生成するために、バルーン損傷の前に、ラットを大気(図3Aおよび3C)またはCO(1時間;250ppm;図3Bおよび3D)に曝露した。すべての動物を、バルーン損傷後に大気に曝露した。バルーン損傷の2週間後、試料をヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。大気(図3Aおよび3C)およびCO(図3Bおよび3D)で前処理したラットからの試料を示す。図3E、3F、および3Gは、図3A〜3Dにおいて分析した試料の内膜および中膜の領域の平均(±標準偏差(n=8)*対照に対してP<0.001)相対面積を図示する棒グラフである。
ラット頸動脈は、バルーン損傷後14日で内膜の過形成を発症した(図3Aおよび3C;ならびに図3E〜3G)。バルーン損傷の前に1時間CO(250ppm)に曝露した(その後CO曝露は中断した)ラットにおける内膜の過形成は、空気に曝露した対照動物と比較して、74±8%抑制された(n=8〜10;P<0.001)(図3Bおよび3D;ならびに図3E〜3G)。
SMC増殖を抑制するCO
図4A〜4Fは、COがSMC増殖をブロックすること、およびp21Cip1がインビトロでCOの抗増殖性効果に関与することを例証する。図4Aは、形質転換なし(○;培地)、またはLacZで形質転換した(□;LacZ Rec. Ad.)、またはHO-1(●;HO-1 rec. Ad.)組換えアデノウイルスであるラットSMCの増殖を図示する棒グラフである。示す結果は、群あたりn=3ウェルの平均±標準偏差(* LacZおよび形質転換なしに対してP<0.001)。図4Bは、COの存在下または非存在下での(●;1000ppm)ラットSMCの増殖を図示する棒グラフである。示す結果は平均±標準偏差である(群あたりn=3;空気、□に対してP<0.001)。図4Cは、COの存在下または非存在下での(250ppm)野生型(WT)またはHO-1欠損(ho-1-/-)マウスから単離したSMCの増殖を図示する棒グラフである(n=6ウェル/群;空気に対して#P<0.001、P<0.001)。図4Dは、CO(250ppm)への曝露後のマウスSMCにおけるp21およびβ-アクチンタンパク質発現を図示するウェスタンブロットである。図4Eは、野生型(WT)、p21Cip1(p21-/-)またはp53欠損(p53-/-)マウスから単離したマウスSMCの増殖を図示する棒グラフである。灰色のバーは大気に曝露された細胞を、および黒色のバーはCO(250ppm)に曝露された細胞を示す。示す結果は、6回の独立した実験の内の1つの平均±標準偏差である(n=3 空気に対してP<0.001)。図4Fは、マウスにおける動脈損傷後の内膜の過形成の程度を制御する際に、p21Cip1の内因性発現が決定的な役割を果たすことを図示する棒グラフである。野生型(C57/B16/S129)、またはp21-/-マウスを、頸動脈損傷の前に大気またはCO(1時間;250rpm)に曝露させ、そしてその後で大気に曝露した。試料を収集し、損傷後2週間分析した。内膜と中膜の相対面積の間の比の平均±標準偏差(n=4)を任意単位で表現する(空気に対してP<0.001)。
図7A〜7Bはさらに、COがSMC増殖をブロックすることを図示する。図7Aは、処理の24時間後の標準的インキュベーション(空気)対CO(250ppm)におけるラット大動脈SMCの細胞周期分析である。示す結果は、3つの独立した実験を表す。図7Bは、COの存在下(■;CO,250ppm)または非存在下(□;空気)での6日間のSMC増殖を図示する棒グラフである。SMCは実験の3日目で血清刺激した。CO曝露後にCO処理したSMCの増殖の増加は6日目に中断した。示す結果は3連で各々実行された3つの独立した実験を表す(空気に対してP<0.01)。
図8は、COが野生型(wt)およびp53-/-マウスからのSMC増殖をブロックするが、p21-/-マウスからのそれはブロックしないことを図示する棒グラフである。この図は、24時間、空気に曝露されたか(灰色のバー)またはCO(250ppm;黒色のバー)に曝露された野生型(wt)、p21-/-、およびp53-/-マウスSMCの細胞増殖を評価するために使用された[3H]チミジン取り込みアッセイの結果を提供する(1分間当たりの計数;cpm)。示す結果は平均±標準偏差である(n=3;空気に対してP<0.05)。
図9A〜9Gは、COが、野生型(C57/B16/S129)およびp21-/-マウスにおけるワイヤ損傷に付随する血管傷害の発症を抑制することを例証する。図9A〜9Dは、ワイヤ損傷の14日後の免疫細胞化学的に染色した頸動脈の顕微鏡写真(倍率20倍)である。マウスを、ワイヤ損傷の前に、大気(図9Aおよび9C)またはCO(1時間;250ppm;図9Bおよび9D)に曝露した。すべての動物を、損傷後大気に曝露した。ワイヤ損傷の2週間後、試料をヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。野生型(図9Aおよび9B)およびp21-/-(図9Cおよび9D)マウスからの試料を示す。図9E、9F、および9Gは、内膜および中膜の領域に対応する平均(±標準偏差(n=4 *対照に対してP<0.001))相対面積、ならびに、図9A〜9Dに示される顕微鏡写真からの内膜:中膜比を図示する棒グラフである。
インビトロでSMC増殖を抑制するCO
インビトロ系を、COの存在下または非存在下でのSMC増殖を評価して、COが内膜の過形成を阻害したメカニズムを描写するために使用した。血清枯渇SMCは、培養培地への血清の再付加に際して増殖した(図7B);血清に曝露しなかった対照SMCは、実験の5日間の間に最少の増殖を示した。HO-1組換えアデノウイルスの発現またはCOへの曝露は、SMC増殖を抑制した(図4Aおよび4B)。同様の系において、ヘモグロビンによるCOの「除去」は、HO-1の抗増殖性効果を抑制した。このことは、HO-1によって生成されたCOが、おそらくHO-1の抗増殖性効果の原因であることを示唆する。細胞周期分析は、COで処理したSMCがG0/G1期に蓄積したことを明らかにした(図7A)。HO-1を欠くマウス(ho-1-/-)からのSMCは、血清に曝露した場合に、野生型マウスからのSMCよりも有意により迅速に増殖した(図4C)。このことは、血清に曝露されたSMCにおける内因性HO-1発現は平滑筋細胞増殖を抑制することを示す。COは、ho-1-/-マウスからのSMCの増殖を有意に阻害し、このことは、COがHO-1の抗増殖性作用についての原因の大部分であることを示唆する。SMC増殖の阻害は、トリパンブルーおよびヨウ化プロピジウム排除分析によって評価されるような細胞死とは関連しなかった。COの抗増殖性効果は可逆的であった。なぜなら、CO曝露の中断はSMCが再度増殖を開始することを可能にしたからである(図7B)。
p21Cip1に依存するCOのインビトロ抗増殖性効果
COに曝露されたSMCは、HO-1を過剰発現するSMCと同様に、p21Cip1タンパク質発現をアップレギュレートする(図4D)。この効果は、4時間有意に増大したp21Cip1発現が16時間で最大に達し、そしてCO曝露後24時間ではベースのレベルに戻るという意味で一過性である(図4D)。p21Cip1欠損マウス(p21-/-)からのSMCの増殖は、COによって抑制されなかった(図4E)。このことは、p21Cip1発現がCOの抗増殖性効果に必須であることを示す。p21Cip1発現の調節におけるp53の確立している役割にも関わらず、COはp21Cip1発現を誘導し、p53-/-または野生型マウスに由来するSMCの増殖を、同様の程度にまで阻害した(図4Eおよび図8)。従って、インビトロでのCOの抗増殖性効果は、p21Cip1発現に依存し、これにはp53は関与しない。
COのインビボでの抗増殖性効果におけるp21Cip1の関与
p21Cip1は、血管壁の損傷後に発現され、おそらくSMC増殖および内膜の過形成の発症を調節するように機能している。マウスにおける動脈損傷後の内膜の過形成の発症に対する内因性p21Cip1発現の役割を調べた。内膜の過形成は野生型マウスにおけるよりも空気で処理されたp21-/-マウスにおいては3倍より顕著であった(n=4;314±41.8%、P<0.001)。このことは、内因性p21Cip1発現が、マウスにおける動脈損傷後の内膜の過形成の程度を制御する際に決定的な役割を果たしていることを示す(図4F)。対照的に、1時間のCO(250ppm)前処理は、野生型(C57/S129)およびp21-/-(C57/S129)の両方のマウスで、空気で処理した対照に対して、それぞれ、80.9±7.2%(n=4、P<0.001)および86.2±14%(n=4、P<0.001)内膜の過形成を抑制した(図4F;図9A〜9G)。従って、このインビボマウスモデルにおいて、COは、p21Cip1の発現に依存しないメカニズムを介して内膜の過形成を抑制する。
グアニル酸シクラーゼの活性化およびcGMPの生成を必要とし、かつp38 MAPKの活性化を介して働くCOの抗増殖性効果
図5A〜5Gは、COが、cGMPの生成およびp38 MAPKの活性化を介してSMC増殖をブロックすることを例証する。図5Aは、空気またはCO(250ppm、8時間または16時間)に曝露したマウスSMCにおける平均(±標準偏差(n=3))細胞内cGMP含量を図示する棒グラフである。図5Bは、グアニル酸シクラーゼインヒビターODQの存在下または非存在下でCO(250ppm)に曝露されたマウスSMCにおける細胞増殖を評価するために使用した[3H]チミジン取り込みアッセイの結果(1分間あたりの計数;cpm)を図示する棒グラフである。示す結果は平均±標準偏差(n=3;空気およびCO/ODQに対してP<0.05)である。図5Cは、cGMPアナログ8Br-cGMPに曝露したp21Cip1マウスSMCのウェスタンブロットの画像である。続いて、均等にロードされていることを確認するために、メンブレンを、β-アクチンについて探索した。示す結果は3つの独立した実験を表す。図5Dは、cGMPアナログ8Br-cGMPの存在下および非存在下での、野生型(wt)およびp21Cip1欠損(p21-/-)マウスから単離されたSMCの[3H]チミジン取り込みを図示する棒グラフである。示す結果は平均±標準偏差(n=4;*空気および8BrcGMPに対してP<0.05)である。図5Eは、CO(250ppm)に曝露されたSMCの、リン酸化されたp38 MAPK(p-p38)、ATF-2(p-ATF-2)、JNK(p-JNK)、およびERK(p-ERK)のウェスタンブロットの合成画像である。続いて、均等にロードされていることを確認するために、メンブレンを、全体のp38 MAPK、ATF-2、JNK、およびERKに対する抗体で探索した。ブロットは3つの独立した実験を表す。図5Fは、p38 MAPKインヒビターであるSB203580の存在下および非存在下で、CO(250ppm)に曝露したマウスSMCにおける[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。示す結果は4回の独立した実験からの平均±標準偏差(P<0.005;*空気およびCO/SB処理細胞に対して)である。図5Gは、p38 MAPKインヒビターであるSB203580またはビヒクルとして使用したDMSOの存在下および非存在下で、CO(250ppm)に曝露したマウスSMCからのp21Cip1のウェスタンブロットの合成画像である。均等にロードされていることを確認するために、メンブレンを、β-アクチンに対する抗体で探索した。示す結果は3つの独立した実験を表す。
図6A〜6Bは、COがcGMPの生成を必要とするメカニズムを通してp38 MAPKを活性化することを例証する。図6Aは、cGMPアナログ8BrcGMPに曝露されたマウスSMCからのリン酸化されたp38 MAPKのウェスタンブロットの合成画像である。続いて、均等にロードされていることを確認するために、メンブレンを、p38全体に対する抗体を用いて探索した。図6Aに示される複合ブロットは、3回の独立した実験を表す。図6Bは、cGMPアナログ8-BrcGMPの存在下および非存在下で、CO(250ppm)に曝露したマウスSMCにおける[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。示す結果は4回の独立した実験からの平均±標準偏差である。
図10は、COがp21-/-マウスからのSMCにおいて増殖を抑制しないことを図示する棒グラフである。この棒グラフは、p38 MAPKインヒビターであるSB203580(SB)存在下および非存在下で、CO(250ppm)で処理したp21-/-マウス由来のSMCにおける細胞増殖を評価するための[3H]チミジン取り込みアッセイの結果(1分間あたりの計数;cpm)を示す。
COへのSMCの曝露は、細胞内cGMPレベルを増大させた(図5A)。SMC増殖を抑制し、およびp21Cip1発現をアップレギュレートするCOの能力は、1H(1,2,4)オキサジアゾロ(4,3-a)キノキサリン-1(ODQ)によるグアニル酸シクラーゼの阻害の下で損なわれた(図5B)。非分解性のcGMPアナログ8-ブロモグアノシン3'-5'-サイクリックモノホスフェートナトリウム塩(8-Br-cGMP)はSMC増殖を抑制し(図5D)、そしてCOと比較し得るほどにp21Cip1の発現を増加させた(図5C)。8-Br-cGMPによる増殖の抑制は、p21-/-マウス由来のSMCにおいては損なわれた(図5D)。従って、COの抗増殖性効果は、グアニル酸シクラーゼの活性化、cGMPの蓄積、およびp21Cip1の発現/活性化を介して媒介されるようである。cGMP依存性キナーゼ(PKGαおよびβ)の活性化は、COがSMC増殖を抑制するために必要であるらしい、なぜなら、PKGのインヒビターがCOの抗増殖性効果を排除したからである。
SMCにおけるCOの抗増殖性効果がp38 MAPKシグナル伝達経路の活性化を含むが否かを調べた。COは、内皮細胞および単球/マクロファージにおいて活性化するのと同様に、SMCにおいてp38 MAPKを活性化した。p38 MAPKのリン酸化/活性化はCOへの曝露の4時間後にピークを迎え、その後でベースのレベルにまで戻った(図5E)。SMCのCOへの曝露はまた、p38 MAPKシグナル伝達経路を通して最も頻繁に活性化される転写因子であるATF-2の活性化と関連した(図5E)。ピリジニルイミダゾールSB203580(p38αおよびβアイソフォームの選択的インヒビター)によるp38 MAPKの阻害は、COがp21Cip1の発現をアップレギュレートする能力をブロックし(図5G)、COの抗増殖性効果を抑制した(図5F)。さらに、COは、p38αおよびp38βを活性化する上流のキナーゼである、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ3欠損(mkk3-/-)マウスから単離した細胞における増殖を阻害しなかった。SB203580は、p21-/-マウスからのSMCの増殖に対するCOの効果を調節しなかった(図10)。これらのデータは、p38 MAPK活性化が、COによるp21Cip1のアップレギュレーションおよびSMC増殖の阻害のために決定的であることを示す。COは、細胞外調節キナーゼ1および2(ERK-1および-2)の活性化を調節しなかった(図5E)。このことは、このシグナル伝達経路がCOの抗増殖性効果に関与していないことを示す。COは、jun-活性化キナーゼ1および2(JNK-1および-2)の活性化を誘導した(図5E)。
COがSMCにおけるcGMPの生成(図5A)およびp38 MAPKの活性化(図5E)を誘導すると仮定して、これらの2つのシグナル伝達経路間の相互関係を調べた。COによるp38 MAPKの活性化は、cGMPの生成がODQによってブロックされた場合に消失した。SMCを8-ブロモ-cGMPに曝露することは、p38 MAPKを活性化し(図6A)、8-Br-cGMPの抗増殖性効果は、SB203580の存在下で排除された(図6B)。これらの知見と一致して、8Br-cGMPがp21Cip1の発現をアップレギュレートする能力は、SB203580によって抑制された。
一酸化窒素シンターゼの発現を必要としないCOの抗増殖性効果
図11A〜11Bは、NOがCOの抗増殖性効果と関連しないことを例証する。図11Aは、COの存在下(250ppm)および非存在下において、野生型マウス(wt)、enos-/-欠損マウス、およびinos-/-欠損マウスから単離されたマウスSMCにおける[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。示す結果は平均±標準偏差(n=6-8、野生型に対してP<0.001)である。図11Bは、頸動脈のバルーン損傷の前に大気(白バー)またはNO(黒バー;1時間;250ppm)に曝露されたSprague-Dawleyラットからの頸動脈の、平均の内膜および中膜の面積を図示する棒グラフである。すべての動物を、損傷後に大気に曝露した。損傷の2週間後に頸動脈を取り除き、切片化し、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。内膜および中膜の領域に対応する面積を計算した。結果は、処理群あたり3ラットから取られた代表的な40切片からの平均±標準偏差である。
種々の長さの時間、CO(250または10,000ppm)に曝露したSMCは、ウェスタンブロッティングによって、いずれかのNOSアイソフォームの誘導も示さなかった。一酸化窒素シンターゼの構成的/内皮性アイソフォームの欠損マウス(eNOS/NOS-3;nos-3-/-)または誘導性アイソフォームの欠損マウス(iNOS/NOS-2;nos-2-/-)からのSMCは、野生型マウス由来のSMCと比較して、血清に曝露した場合により有意に高いチミジンの取り込みを示した(図11A)。COへの曝露は、野生型、nos-2-/-、またはnos-3-/-マウスに由来するSMCの増殖を有意に阻害した(それぞれ、51±12.9%および51±25%および54±11%阻害;空気処理した対照に対してp<0.001)(図11A)。これらのデータは、COの抗増殖性効果が、iNOSまたはeNOSの非存在下で起こり得ることを示す。同様に、COについて使用したものと同様の条件下で(250ppm;前処理1時間)、NOはバルーン損傷によって引き起こされた内膜の肥厚化を調節しなかった。500ppmで投与されたNOは致死的であった。
SMCにおいてプラスミノーゲン活性化因子インヒビタータイプ1(PAI-1)の発現を阻害しないCO
図12A、12B、および12Cは、COがPAI-1タンパク質発現レベルを増大させることを例証する。図12Aは、24時間または48時間、COで処理(250ppm)および処理しないSMCにおけるPAI-Iについてウェスタンブロットの分析合成画像である。エンドトキシン(LPS)で処理およびエンドトキシンで処理しないラット間ホモジネートからの全細胞溶解物を、対照として使用した。α-アクチンを、タンパク質ローディングをアッセイするために使用した。図12Bは、移植していない大動脈(対照)、移植した大動脈(同種異系+空気)、および移植の56日後にCO処理された移植された大動脈(同種異系+CO)におけるPAI-1についてのウェスタンブロットの分析合成画像である。図12Cは、図12Bのウェスタンブロットを作製するために使用されたCommsssie blue染色されたポリアクリルアミドゲルであり、同じ量のタンパク質が各レーンにロードされたことを例証する。
COは、MφにおいてPAI-1の発現を抑制する。これは、マウスにおける肺虚血再灌流損傷を予防する際にCOの保護効果に対して鍵となる。SMCを血清に曝露することは、ウェスタンブロットによるとPAI-1の発現を変化させなかった(図12A)。CO処理はPAI-1タンパク質をわずかに増加させた。このことは、COの抗増殖性効果がPAI-1のダウンレギュレーションと関連しないことを示唆する。同様に、CO処理下で移植された同種異系大動脈におけるPAI-1タンパク質発現は、免疫組織学およびウェスタンブロットによって試験されたように、CO非存在下で移植された同種異系大動脈のそれに類似していた(図12B)。このことは、慢性移植拒絶と関連する血管損傷を調節するCOの能力は、PAI-1の発現に直接リンクしていないかもしれないことを示唆する。
COは、ヘムオキシゲナーゼファミリーの酵素によるヘムの異化作用を通して、大部分の細胞型において生理学的に生成される。誘導性酵素、HO-1の発現は、炎症反応と関連する有害な効果を制限する、炎症への保護的応答である。HO-1の保護的効果は広範囲であり、アテローム発生および内膜の過形成の発症の阻害を含み、そして多くの場合においてCOによって模倣され得る。本研究は、COが直接的な血管保護特性を有することを実証する。低濃度のCO(250ppm)への連続的な曝露は、移植による動脈硬化症(図1A〜1I)に関連する、内膜の過形成の発症および活性化された白血球による移植片浸潤を抑制する(図1A〜1Iおよび2A〜2C)。損傷の前1時間のみのCO(250ppm)への曝露は、ラットにおける頸動脈血管形成損傷と関連する内膜の過形成を抑制する(図3A〜3G)。
もともと肺の上皮細胞において記載された、SMCにおけるHO-1の抗増殖性効果の生理学的関連性は、HO-1欠損マウスからのSMCが、野生型SMCよりも、インビトロおよびインビボにおいてより迅速に増殖するという観察によって支持されている。本発明のデータは、COがHO-1と同様の様式で、SMC増殖を抑制することを実証する。
cGMPの生成およびp21Cip1の発現は、COの効果のために必須であり、そして相互に関連している。p21Cip1発現をアップレギュレートし、およびSMC増殖を抑制するCOの能力は、グアニル酸シクラーゼの活性化に依存する(図5A〜5G)。COはp21Cip1をアップレギュレートし(図4A〜4F)、そして、この効果はp21Cip1-/-SMCにおいて排除されるので、COの抗増殖性効果はp21Cip1の発現に依存する(図6A〜6B)。SMC増殖を抑制する8-Br-cGMPの能力は、p21Cip1欠損マウス由来のSMCにおいて損なわれた(図5A〜5G)。このことは、cGMPがp21Cip1のアップレギュレーションを介してインビトロでSMC増殖を抑制することを示唆する。
COの効果に対するcGMPおよびp38 MAPKの個々の寄与は、細胞型特異的であるらしい。本発明のデータは、SMCにおけるCOの抗増殖性効果が、両方のシグナル伝達経路に依存することを実証する(図5A〜5G)。COはp38 MAPKの活性化のためにcGMPを必要とし、これは、COがp21Cip1をアップレギュレートするため、およびSMC増殖を抑制するために必要である。COは、NOとは異なり、cGMPおよびcGMP依存性プロテインキナーゼの活性化を介してp38 MAPKを活性化し、これは、PKGαおよび/またはβの阻害がCOの抗増殖性効果を抑制するという観察と一致していることが示唆される。本発明のデータは、COの抗増殖性効果はNOとは別であり、NOと独立して作用し得ることを示唆する。cGMP、p38 MAPK、およびp21Cip1の間のリンクは、HO-1またはCOに曝露された細胞において報告されていないことに注目するべきである。
SMCは血管損傷に際してp21Cip1を発現し、そしてSMCにおける組換えアデノウイルス媒介p21Cip1発現は、血管損傷後の内膜の過形成を抑制する。本発明のデータは、p21Cip1の生理学的発現が、内膜の過形成に関与することを示す:動脈損傷後、p21-/-マウスにおける内膜の過形成は、野生型対照よりも3倍高く(図4F)、このことは、SMCにおけるp21Cip1発現のCO誘導(図5D)が、血管損傷後の内膜の過形成を抑制することに寄与するという概念を強力に支持する。
p21-/-マウスは、p21-/-マウスにおける動脈損傷後に内膜の過形成を抑制するCOの能力に対するp21Cip1発現の役割を評価するために使用された。1時間のCO前処理は、それらのそれぞれの空気で処理した対照と比較して、p21-/-マウスまたは野生型マウスにおける内膜の過形成の発症を80%より多く抑制するのに十分であった(図4F)。これらのデータの1つの解釈は、インビボで新規な内膜増殖を抑制するCOの能力は、SMCにおいてp21Cip1と独立して作用することである。マウスにおいては、ラットとは対照的に、おそらく内膜の増殖をもたらす顕著な炎症性/血栓性のプロセスが存在する。COの強力な抗炎症性効果を考えると、COが炎症を阻害することによってマウスにおいて内膜の過形成を抑制することもまた、可能であるようである。このプロセスは、ほぼ確実にp21Cip1とは独立している。
単球−マクロファージにおけるCOによるPAI-1の公知の抑制、および、いくつかの研究における血管損傷後の内膜の過形成の病因におけるPAI-1の重要性を考えて、PAI-1の同様の抑制が本発明の系において存在したか否かを調べた。移植後56日で、PAI-1タンパク質発現のレベルの減少は観察されなかった(図12B)。
実施例2:血管形成および移植の手順の間の患者の治療のためのプロトコール
以下の実施例は、血管形成術の間に患者を治療するため、および、移植手順の間に一酸化炭素で、ドナー、器官、および/またはレシピエントを治療するためのプロトコールを例証する。以下の手順の任意の1つまたはそれ以上が、所定の移植手順において使用され得る。
血管形成
COは、血管形成術が患者において実行される前、その間、および/またはその後に、全身的または局所的に患者に投与され得る。治療は、10ppm〜100ppm(例えば、約100ppm〜約800ppm、約150ppm〜約600ppm(例えば、約150ppm)、または約200ppm〜約500ppm(例えば、約250ppmまたは約500ppm))で変化する用量で投与され得る。例えば、COは、患者に、間欠的にまたは連続的に、手順が実行される前0日〜20日に開始し、例えば、少なくとも約30分間で開始し、例えば、約1、2、3、5、7、もしくは10時間、または約1、2、4、6、8、10、12、14、18、もしくは20日間、または20日間よりも長く、手順の前に投与され得る。代替的にまたはさらに、COは、手順の間に、例えば、血管形成を実行するために使用される器具を通して、および/または吸入によって患者に投与され得る。代替的にまたはさらに、COは、手順の後で、例えば、手順の完了直後に開始して、および約1、2、3、5、7、もしくは10時間、または約1、2、5、8、10、20、30、50、もしくは60日間連続して、または無期限で、手順の完了後に患者に投与され得る。
移植
ドナーの処理
器官または組織を収集する前に、ドナーを1時間、吸引した一酸化炭素(250ppm)で処理し得る。処理は、10ppm〜1000ppmまで変化する用量で、1時間〜6時間まで変化する時間で、または、脳死(死体)ドナーを処理することが可能になる瞬間から器官が取り除かれる時間までの全体の期間、投与され得る。処理は、脳死が存在するとの宣言後、可能な限り早く開始するべきである。いくつかの適用において、脳死の前に処理を開始することが所望され得る。
異種移植ドナーとして使用される非ヒト動物(例えば、ブタ)については、所望されるように、その結果産生されるカルボキシヘモグロビンが移植される器官の生存度および機能を損なわない限りは、生きている動物が比較的高レベルの吸入した一酸化炭素で処理され得る。例えば、500ppmより高いレベル(例えば、1000ppm以上、および10,000ppmまで高く、特に短時間の間)を使用し得る。
インサイチューでの器官の処理
器官がドナーから収集される前に、それがドナーの中になおあるときに、それは、赤血球を含まない溶液(例えば、バッファーまたは培地)で洗い流され得る。その意図は、その器官を、一酸化炭素で飽和した溶液で洗い流し、かつ一酸化炭素雰囲気中に維持して、その結果、一酸化炭素含量が飽和のままになることである。洗浄は少なくとも10分間、例えば、1時間、数時間、またはそれ以上の時間行い得る。その溶液は、器官の血管系に対して可能な一酸化炭素の最大濃度を理想的には送達するべきである。
器官または組織の処理
器官または組織は、それがドナーから取り除かれる時間から、それがレシピエントに移植される時間まで、一酸化炭素を含む培地中に保存され得る。これは、CO含有培地中に器官もしくは組織を維持すること、またはそのような培地でそれを灌流することによって実行され得る。これは、動物においてよりもむしろエキソビボで行われるので、非常に高濃度のCOガスが(例えば、10,000ppm)、COで飽和した培地を保持するために使用され得る。
レシピエントの処理
レシピエントは、一酸化炭素で処理され得る。処理は、移植手順の前の任意の日に、例えば、移植手順の日の手術が開始する少なくとも1時間前に開始し得る。代替的には、レシピエント中での器官の再灌流の少なくとも30分前に開始し得る。これは、少なくとも30分間、例えば、1時間継続し得る。10ppm〜3000ppmの間の一酸化炭素用量が、種々の時間、例えば、数分間〜数時間送達され得、移植の日におよび移植後数日、投与され得る。例えば、レシピエントは、一定の濃度(例えば、3000ppm)の一酸化炭素を、3回の連続した10秒間の息止めによって吸入し得る。代替的には、レシピエントは、より長い時間、例えば20日間、例えば、200ppmを吸入し得る。カルボキシヘモグロビン濃度は、患者への一酸化炭素の適切な投与のためのガイドとして利用され得る。通常、レシピエントのための処理は、移植の必要がある患者にとって受容可能なリスクをもたらすと考えられる以上のカルボキシヘモグロビンレベルに上昇させるべきではない。
本発明の多数の実施態様が記載されてきた。それにも関わらず、種々の改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解される。従って、他の実施態様は特許請求の範囲の中に含まれる。
図1Aは、移植片に対する同系移植の効果を図示する、同系移植された大動脈移植片の顕微鏡写真である(倍率50倍)。 図1Bは、移植片に対する同種異系移植の効果を図示する、同種異系移植された大動脈移植片の顕微鏡写真である(倍率50倍)。 図1Cは、レシピエントがCOに曝露された場合の移植片に対する同種異系移植の効果を図示する、同種異系移植された大動脈移植片の顕微鏡写真である(倍率50倍)。 図1Dは、移植片に対する同系移植の効果を図示する、同系移植された大動脈移植片の顕微鏡写真である(倍率200倍)。 図1Eは、移植片に対する同種異系移植の効果を図示する、同種異系移植された大動脈移植片の顕微鏡写真である(倍率200倍)。 図1Fは、レシピエントがCOに曝露された場合の移植片に対する同種異系移植の効果を図示する、同種異系移植された大動脈移植片の顕微鏡写真である(倍率200倍)。 図1Gは、空気に曝露されたレシピエントに同系移植された(同系)、空気に曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系)、およびCOに曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系+CO)、大動脈移植片の内膜の平均相対面積(任意単位)を図示する棒グラフである。 図1Hは、空気に曝露されたレシピエントに同系移植された(同系)、空気に曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系)、およびCOに曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系+CO)、大動脈移植片の中膜の平均相対面積(任意単位)を図示する棒グラフである。 図1Iは、空気に曝露されたレシピエントに同系移植された(同系)、空気に曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系)、およびCOに曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系+CO)、大動脈移植片の内膜/中膜領域比を図示する棒グラフである。 図2Aは、空気に曝露されたレシピエントに同系移植された(同系)、空気に曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系)、および種々の濃度のCOに曝露されたレシピエントに同種異系移植された(CO 250ppm; CO 500ppm; およびCO 750〜1000ppm)、大動脈移植片の外膜における活性化白血球の蓄積(全核を計数することにより測定)を図示する棒グラフである。。 図2Bは、空気に曝露されたレシピエントに同系移植された(同系)、空気に曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系)、およびCOに曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系+CO)、大動脈移植片の外膜におけるCD45、EDI、MHCII、およびCD54陽性細胞の蓄積を図示する棒グラフのセットである。 図2Cは、空気に曝露されたレシピエントに同系移植された(同系)、空気に曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系)、およびCOに曝露されたレシピエントに同種異系移植された(同種異系+CO)、大動脈移植片の外膜におけるCD3、CD4、およびCD8陽性細胞の蓄積を図示する棒グラフのセットである。 図3Aは、動脈に対するバルーン血管形成の効果を図示する、頸動脈試料の顕微鏡写真である(倍率10倍)。 図3Bは、被験体がCOに曝露された場合の動脈に対するバルーン血管形成の効果を図示する、頸動脈試料の顕微鏡写真である(倍率10倍)。 図3Cは、動脈に対するバルーン血管形成の効果を図示する、頸動脈試料の顕微鏡写真である。 図3Dは、被験体がCOにあらかじめ曝露された場合の動脈に対するバルーン血管形成の効果を図示する、頸動脈試料の顕微鏡写真である。 図3Eは、被験体動物が空気(対照)または250ppmCO(CO)のいずれかにあらかじめ曝露された場合の、バルーン血管形成に供された頸動脈の内膜の平均相対面積(任意単位)を図示する棒グラフである。 図3Fは、被験体動物が空気(対照)または250ppmCO(CO)のいずれかにあらかじめ曝露された場合の、バルーン血管形成に供された頸動脈の中膜の平均相対面積(任意単位)を図示する棒グラフである。 図3Gは、被験体動物が空気(対照)または250ppmCO(CO)のいずれかにあらかじめ曝露された場合の、バルーン血管形成に供された頸動脈の内膜/中膜面積比を図示する棒グラフである。 図4Aは、形質転換しなかった(○;培地)、Lac.Z組換えアデノウイルスで形質転換した(□;LacZ Rec. Ad.)、またはHO-1組換えアデノウイルスで形質転換した(●;HO-1 rec. Ad.)ラットSMCの増殖を図示する線グラフである。。 図4Bは、COの存在下(●;1000ppm)または非存在下(□)でのラットSMCの増殖を図示する線グラフである。 図4Cは、COの存在下(CO)およびCOの非存在下(空気)での、野生型マウス(WT)またはHO-1欠損マウス(ho-1-/-)から単離されたSMCの増殖を図示する棒グラフである。 図4Dは、マウスSMCにおけるp21およびβ-アクチンタンパク質発現に対するCOへの曝露(0、4、5、16、および24時間)の効果を図示するウェスタンブロットである。 図4Eは、野生型マウス(wt)、p21Cip1(p21-/-)欠損マウス、およびp53(p53-/-)欠損マウスから単離されたマウスSMCの増殖に対するCOの効果を図示する棒グラフである。灰色のバーは大気に曝露された細胞を、および黒色のバーはCO(250ppm)に曝露された細胞を示す。 図4Fは、空気(空気)または一酸化炭素(CO)に曝露された野生型(C57/B16/S129; wt)およびp21-/-マウスからのバルーン損傷した頸動脈の内膜/中膜面積比を図示する棒グラフである。 図5Aは、マウスSMCの平均細胞cGMP含量に対する空気(空気)およびCO(250ppm、8時間または16時間)での曝露の効果を図示する棒グラフである。 図5Bは、空気(空気)、CO(250ppm)、ならびに、COおよびグアニル酸シクラーゼインヒビターである1H(1,2,4)オキサジアゾロ(4,3-a)キノキサリン-1(CO/ODQ)に曝露したマウスSMCによる[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。 図5Cは、p21Cip1発現に対する8-ブロモグアノシン3'-5'-サイクリックモノホスフェートナトリウム塩(8-Br-cGMP)の効果を図示するウェスタンブロットの合成画像である。 図5Dは、cGMPアナログ8Br-cGMPの存在下(8Br-cGMP;8Br-cGMP(p21-/-))および非存在下(空気)において野生型(wt)およびp21Cip1(p21-/-)欠損マウスから単離されたSMCによる[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。 図5Eは、SMC中の全体のp38 MAPK、ATF-2、JNK、およびERKと比較して、リン酸化されたp38 MAPK(p-p38)、ATF-2(p-ATF-2)、JNK(p-JNK)、およびERK(p-ERK)の発現に対するCO(250ppm)の効果を図示するウェスタンブロットの合成画像である。 図5Fは、空気(空気)、250ppm CO(CO)、ならびに、COおよびp38MAPKインヒビターであるSB203580(CO/SB)に曝露したマウスSMCによる[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。 図5Gは、マウスSMC中のp21Cip1の発現に対する空気(空気)、CO(250ppm;CO)、SB203580、およびDMSOの効果を図示するウェスタンブロットの合成画像である。 図6Aは、マウスSMCにおけるp38 MAPKの発現に対する8-Br-cGMPの効果を図示するウェスタンブロットの合成画像である。 図6Bは、空気(空気)、COおよび8-Br-cGMP(8-Br-cGMP)、ならびに、COおよび8-Br-cGMPおよびSB203580(8-Br-cGMP+ SB203580)に曝露したマウスSMCによる[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。 図7Aは、ラット大動脈SMCの細胞周期に対する空気(空気)およびCO(250ppm)の曝露の効果を図示するフローサイトメトリープロットである。 図7Bは、SMC増殖に対する空気(□)およびCO(■)の効果を図示する線グラフである。 図8は、空気(灰色のバー)またはCO(250ppm;黒色のバー)のいずれかに24時間曝露された、野生型(wt)、p21-/-、およびp53-/-マウスSMCによる[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。 図9Aは、ワイヤ損傷14日後の野生型マウスからの頸動脈切片の顕微鏡写真である(倍率20倍)。被験体動物はワイヤ損傷の前に1時間大気に曝露された。 図9Bは、ワイヤ損傷14日後の野生型マウスからの頸動脈切片の顕微鏡写真である(倍率20倍)。被験体動物はワイヤ損傷の前に1時間CO(250ppm)に曝露された。 図9Cは、ワイヤ損傷14日後のp21-/-マウスからの頸動脈切片の顕微鏡写真である(倍率20倍)。被験体動物はワイヤ損傷の前に1時間大気に曝露された。 図9Dは、ワイヤ損傷に供せられて14日後のp21-/-マウスからの頸動脈切片の顕微鏡写真である(倍率20倍)。被験体動物はワイヤ損傷の前に1時間 CO(250ppm)に曝露された。 図9Eは、空気(対照)または250ppm CO(CO)のいずれかに曝露された、野生型マウス(wt)およびp21-/-マウスからのワイヤ損傷した頸動脈の内膜の平均相対面積(任意単位)を図示する棒グラフである。 図9Fは、空気(対照)または250ppm CO(CO)のいずれかに曝露された、野生型マウス(wt)およびp21-/-マウスからのワイヤ損傷した頸動脈の中膜の平均相対面積(任意単位)を図示する棒グラフである。 図9Gは、空気(対照)または250ppm CO(CO)のいずれかに曝露された、野生型マウス(wt)およびp21-/-マウスからのワイヤ損傷した頸動脈の内膜/中膜の面積比を図示する棒グラフである。 図10は、空気(空気)、CO(250ppm;CO)ならびに、COおよびSB203580(CO/SB)で処理したp21-/-マウスに由来するSMCによる[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。 図11Aは、空気(空気)またはCO(250ppm;CO)に曝露された野生型マウス(wt)、enos-/-欠損マウス、およびinos-/-欠損マウスに由来するSMCによる[3H]チミジンの取り込みを図示する棒グラフである。 図11Bは、頸動脈のバルーン損傷の前に大気(白バー)またはNO(黒バー;1時間;250ppm)に曝露されたSprague-Dawleyラットからの頸動脈の、平均の内膜および中膜面積、ならびに内膜/中膜面積比を図示する棒グラフである。 図12Aは、血清で処理および血清で処理しない(それぞれ、血清および血清なし)、ならびに24時間または48時間、COで処理および処理しない(それぞれ、空気およびCO)、SMCにおけるPAI-I発現を図示するウェスタンブロットの合成画像である。肝臓=エンドトキシン(LPS)なしで処理したラット肝臓ホモジネートからの全細胞溶解物である。肝臓+LPS=エンドトキシン(LPS)で処理したラット肝臓ホモジネートからの全細胞溶解物である。TNF-α=TNF-αがPAI-1の発現を刺激するために細胞培養に加えられた対照である。 図12Bは、移植していない大動脈(対照)、移植した大動脈(同種異系+空気)、および移植の56日後にCO処理された移植された大動脈(同種異系+CO)におけるPAI-1発現を図示するウェスタンブロットの写真である。 図12Cは、図12Bのウェスタンブロットのために使用されたCommsssie blue染色されたポリアクリルアミドゲルの写真であり、これは、移植していない大動脈(対照)、移植した大動脈(同種異系+空気)、および移植の56日後にCO処理された移植された大動脈(同種異系+CO)におけるPAI-1発現を図示する。 図13A〜Bは、手術の種々の段階で血管形成の手順の間に患者にCOを投与することが可能なバルーン血管形成デバイスの例を図示する。 図13C〜Dは、バルーン血管形成デバイスの代替的な実施態様を図示する。 図14A〜Bは、手術の種々の段階で血管形成の手順の間に患者にCOを投与することが可能なステントの例を図示する。 図15は、血管形成の手順の間に患者にCOを投与するように設計された複数のバルーンを有するバルーン血管形成デバイスの例を図示する。 図16は、血管形成の手順の間に患者にCOを投与し得るアテレクトミーデバイスの例を図示する。

Claims (49)

  1. 患者において血管形成を実行する方法であって、
    (a)該患者に血管形成を実行する段階;および
    (b)段階(a)の前、その間、またはその後に、該患者中の内膜の過形成を治療するのに有効なある量の一酸化炭素を含む薬学的組成物を該患者に投与する段階
    を含む、方法。
  2. 血管形成がバルーン血管形成を含む、請求項1記載の方法。
  3. 血管形成がレーザー血管形成を含む、請求項1記載の方法。
  4. 血管形成が方向性アテレクトミーを含む、請求項1記載の方法。
  5. 血管形成が回転アテレクトミーを含む、請求項1記載の方法。
  6. 血管形成が摘出アテレクトミーを含む、請求項1記載の方法。
  7. 血管形成がステント処置を含む、請求項1記載の方法。
  8. 血管形成がバルーン血管形成およびステント処置を含む、請求項1記載の方法。
  9. 患者において再狭窄を治療する方法であって、
    (a)一酸化炭素ガスを含有する加圧ガスを含む容器を提供する段階;
    (b)再狭窄に罹患しているか、またはそのリスクがある患者を同定する段階;
    (c)該容器から該加圧ガスを放出して、一酸化炭素ガスを含有する空気を形成する段階;および
    (d)該空気に該患者を曝露する段階であって、該空気中の一酸化炭素の量が該患者の再狭窄を治療するのに十分である、段階
    を含む、方法。
  10. 医療用グレードの加圧一酸化炭素ガスを含む容器であって、該ガスが患者における再狭窄を減少させるために使用され得ることを示す表示を有する、容器。
  11. 一酸化炭素ガスが酸素含有ガスとの混合物中にある、請求項10記載の容器。
  12. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.025%の濃度で混合物中に存在する、請求項11記載の容器。
  13. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.05%の濃度で混合物中に存在する、請求項11記載の容器。
  14. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.10%の濃度で混合物中に存在する、請求項11記載の容器。
  15. 一酸化炭素ガスが少なくとも約1.0%の濃度で混合物中に存在する、請求項11記載の容器。
  16. 一酸化炭素ガスが少なくとも約2.0%の濃度で混合物中に存在する、請求項11記載の容器。
  17. 医療用グレードの加圧一酸化炭素ガスを含む容器であって、該ガスが患者における動脈硬化症を減少させるために使用され得ることを示す表示を有する、容器。
  18. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.025%の濃度で混合物中に存在する、請求項17記載の容器。
  19. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.05%の濃度で混合物中に存在する、請求項17記載の容器。
  20. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.10%の濃度で混合物中に存在する、請求項17記載の容器。
  21. 一酸化炭素ガスが少なくとも約1.0%の濃度で混合物中に存在する、請求項17記載の容器。
  22. 一酸化炭素ガスが少なくとも約2.0%の濃度で混合物中に存在する、請求項17記載の容器。
  23. 医療用グレードの加圧一酸化炭素ガスを含む容器であって、該ガスが患者における血管形成術とともに使用され得ることを示す表示を有する、容器。
  24. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.025%の濃度で混合物中に存在する、請求項23記載の容器。
  25. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.05%の濃度で混合物中に存在する、請求項23記載の容器。
  26. 一酸化炭素ガスが少なくとも約0.10%の濃度で混合物中に存在する、請求項23記載の容器。
  27. 一酸化炭素ガスが少なくとも約1.0%の濃度で混合物中に存在する、請求項23記載の容器。
  28. 一酸化炭素ガスが少なくとも約2.0%の濃度で混合物中に存在する、請求項23記載の容器。
  29. 患者において再狭窄を治療する方法であって、
    (a)再狭窄に罹患しているかまたはそのリスクがある患者を同定する段階;および
    (b)該患者中の再狭窄を治療するのに有効なある量の一酸化炭素を含む薬学的組成物を該患者に投与する段階
    を含む、方法。
  30. 再狭窄がバルーン血管形成から生じる、請求項29記載の方法。
  31. 再狭窄がレーザー血管形成から生じる、請求項29記載の方法。
  32. 再狭窄が方向性アテレクトミーから生じる、請求項29記載の方法。
  33. 再狭窄が回転アテレクトミーから生じる、請求項29記載の方法。
  34. 再狭窄が摘出アテレクトミーから生じる、請求項29記載の方法。
  35. 再狭窄がステント処置から生じる、請求項29記載の方法。
  36. 患者において内膜の過形成を治療する方法であって、
    (a)移植手段から生じるのではない内膜の過形成に罹患しているかまたはそのリスクがある患者を同定する段階;および
    (b)該患者中の内膜の過形成を治療するのに有効なある量の一酸化炭素を含む薬学的組成物を該患者に投与する段階
    を含む、方法。
  37. 内膜の過形成がバルーン血管形成から生じる、請求項36記載の方法。
  38. 内膜の過形成がレーザー血管形成から生じる、請求項36記載の方法。
  39. 内膜の過形成が方向性アテレクトミーから生じる、請求項36記載の方法。
  40. 内膜の過形成が回転アテレクトミーから生じる、請求項36記載の方法。
  41. 内膜の過形成が摘出アテレクトミーから生じる、請求項36記載の方法。
  42. 内膜の過形成がステント処置から生じる、請求項36記載の方法。
  43. 患者において血管形成を実行する方法であって、
    (a)患者に一酸化炭素を投与し得る血管形成デバイスを提供する段階;
    (b)血管形成の必要がある血管に該デバイスを配置する段階;
    (c)該デバイスを使用して血管形成を実行する段階;および
    (d)段階(c)の前、その間、またはその後に、該デバイスを使用して、内膜の過形成を治療するのに十分な量の一酸化炭素を該血管に投与する段階
    を含む、方法。
  44. (a)血管形成デバイス;および
    (b)一酸化炭素組成物を含有する容器
    を含む、キット。
  45. 血管形成デバイスが患者に一酸化炭素を投与し得る、請求項44記載のキット。
  46. (c)患者の血管形成を実行するための方法における一酸化炭素組成物の使用のための指示書
    をさらに含む、請求項44記載のキット。
  47. 一酸化炭素組成物が液体組成物である、請求項44記載のキット。
  48. 一酸化炭素組成物がガス状組成物である、請求項44記載のキット。
  49. 血管形成デバイスであって、
    複数の開口部を備える、膨張可能な部材;および
    一酸化炭素ガスを含みかつ膨張可能な部材に接続されたリザーバーを備え、それにより該ガスが該膨張可能な部材の膨張の間に該膨張可能な部材に提供される、デバイス。
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