JPH0898893A - 薬剤投与カテーテル - Google Patents

薬剤投与カテーテル

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JPH0898893A
JPH0898893A JP6234693A JP23469394A JPH0898893A JP H0898893 A JPH0898893 A JP H0898893A JP 6234693 A JP6234693 A JP 6234693A JP 23469394 A JP23469394 A JP 23469394A JP H0898893 A JPH0898893 A JP H0898893A
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balloon
drug
catheter
porous layer
blood vessel
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JP6234693A
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Masato Onishi
誠人 大西
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/10Balloon catheters
    • A61M2025/1043Balloon catheters with special features or adapted for special applications
    • A61M2025/105Balloon catheters with special features or adapted for special applications having a balloon suitable for drug delivery, e.g. by using holes for delivery, drug coating or membranes
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61M25/10Balloon catheters
    • A61M2025/1043Balloon catheters with special features or adapted for special applications
    • A61M2025/1075Balloon catheters with special features or adapted for special applications having a balloon composed of several layers, e.g. by coating or embedding

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Abstract

(57)【要約】 【目的】高濃度の薬剤をカテーテルにより血管や組織
に、局所的に投与するカテーテルで、薬剤投与時に血管
内壁や組織を損傷させることのない薬剤投与カテーテル
を提供する。 【構成】薬剤リザーバーとして使用可能な多孔質層が、
カテーテルまたはバルーンの外表面に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管またはその他の器
官の標的部位に、薬剤を局所的に投与するための薬剤投
与カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】各種病気の治療において、人体器官、血
管等の病変部位に高濃度の薬剤を投与して治療すること
が望ましい場合が多い。しかしながら、一般的な経口投
与や静注投与では、病変部位に対して有効な薬剤量を確
保するためには、人体が危険になるほど他の部位に損傷
を与えたり、悪感や苦痛を与えたりするなどの副作用を
伴う薬剤がある。これらの薬剤は、その優れた薬効にも
かかわらず、実際に病変部に対して使用できないことが
多い。
【0003】近年、内因的血管内狭窄、特に冠状動脈の
狭窄症例において拡張用のバルーンカテーテルを使用す
る血管形成術が普及している。例えば、グリュンチッヒ
(Gruntig)によって、ザ・ニュー・イングラン
ド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England
Journal of Medicicin )誌、第301巻、2号、197
9年、6月12日、61−68ぺージに紹介されてい
る。この治療法は、経皮的に挿入したカテーテルについ
ているバルーンを膨張させることによって冠状動脈の狭
窄部分を拡張する方法であり、外科的な手術と比較して
低侵襲であり患者への身体的負担が少ないことが特徴で
ある。この血管形成術の課題として、拡張した血管狭窄
部の再発生率が高いことがある。そのため、病巣部や拡
張した血管内壁に対して、各種の再狭窄防止薬、抗血栓
剤、血栓溶解剤、カルシウム溶解剤、カルシウム沈着防
止剤、ある種のサイトカインや細胞増殖抑制薬の投与、
近年では外来遺伝子の導入による遺伝子治療が検討され
ており、薬剤投与用カテーテルへの期待が高まってい
る。
【0004】医薬注入孔を有するバルーンが、特開平2
−283380に記載されている。医薬注入孔より薬剤
を投与するバルーンカテーテルやカテーテルは、注入孔
より薬液が勢いよく放出され、血管内壁や組織を損傷し
て新たな傷を作ることが懸念されている。
【0005】また、バルーンの外表面にゲルをコーティ
ングする方法については、ジャーナル・オブ・アメリカ
ン・カレッジ・オブ・カーディオロギジー(Journal of
Americal college of Cardiology )誌、第23巻、7
号、1570〜1577ページに紹介されている。しか
しながら、外表面がゲルで覆われたバルーンは、外表面
が滑りやすいため、標的部位に薬剤を塗布しにくくな
る。また、表面ゲル層は、強度が弱く厚くできないた
め、ドープできる薬剤の量が限られるなどの欠点を有し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高濃
度の薬剤をカテーテルによりアクセス可能な血管や組織
に、局所的に薬剤を投与することが望ましい病気の治療
や予防に使用するための薬剤投与カテーテルを提供する
ことである。さらに、本発明の目的は、薬剤投与時に血
管内壁や組織を損傷させることのなく、均一に薬剤を注
入できるカテーテルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は、下記の
本発明により解決される。 (1)カテーテルの外表面の少なくとも1部分に多孔質
層が形成されていることを特徴とする薬剤投与カテーテ
ル。 (2)前記カテーテルの先端部にバルーンを有し、前記
多孔質層が該バルーンの外表面に形成されていることを
特徴とする(1)に記載の薬剤投与カテーテル。 (3)前記多孔質層が、薬剤を含浸してなることを特徴
とする(1)〜(2)に記載の薬剤投与カテーテル。 (4)前記カテーテルまたは前記バルーンに薬剤を放出
可能な細孔を有することを特徴とする(1)〜(2)に
記載の薬剤投与カテーテル。 (5)前記多孔質層が、多孔質基材の空間部にゲルを充
填し、実質的に非多孔質層が形成されていることを特徴
とする(1)〜(4)に記載の薬剤投与カテーテル。 (6)前記ゲルが両親媒性高分子化合物であることを特
徴とする(5)に記載の薬剤投与カテーテル。 (7)前記ゲルが外部刺激により構造変化可能なゲルで
あることを特徴とする(5)に記載の薬剤投与カテーテ
ル。
【0008】心筋梗塞などの虚血性心疾患で見られる冠
状動脈の血管狭窄を例として、本発明のカテーテルにつ
いて記載するが、本発明における「血管や生体組織の病
変」や「カテーテルシステムの種類」等は、以下の例に
限定されるものではない。
【0009】血管狭窄の予防や治療には、抗血栓療法
(血栓溶解療法、抗凝血療法、抗血小板療法)や狭窄部
をカテーテル先端に取りつけたバルーンにより広げる方
法[経皮的冠状動脈形成術(PTCA)]が行なわれて
いる。本発明の薬剤投与カテーテルは、これらの血管狭
窄部の再狭窄の予防や治療に有効に使用することができ
る。すなわち、血管拡張カテーテルのバルーン部の外表
面に形成された多孔質層に、再狭窄を予防する薬剤を含
浸させて、血管狭窄部でバルーンを拡張し、多孔質層を
血管内壁に押しつけることで多孔質層(スポンジ)から
薬剤を投与することが可能となる。この場合、薬剤が担
体で投与することも可能であるし、リポソーム化もしく
はプロドラッグとして投与してもよい。また、薬剤を含
んだゲル状物質を患部に塗布してもよい。
【0010】すなわち、図1に示すとおり、バルーンカ
テーテル1は、内管2と外管3からなるカテーテルチュ
ーブとバルーン4により構成されている。内管2は、先
端が開口した第1のルーメン5を有している。第1のル
ーメン5は、ガイドワイヤー(図示せず)を挿通するた
めのルーメンである。外管3は、内部に内管2を挿通
し、先端が内管2の先端よりやや後退した位置に設けら
れている。この外管3の内面と内管2に外面により第2
のルーメン7が形成されている。第2のルーメン7は、
その先端が後述するバルーン4内の後端部と連通し、バ
ルーン4を膨張させるための液体(例えば抗血栓薬や血
管造影剤など含有する)が流入される。そして、外管3
の先端部は、第2のルーメン7を閉塞しない状態で、内
管2に固定されている。具体的には、図5に示すように
内管2と外管3との間に設けられた充填部材6により固
定され、この充填部材6は部分的欠損部6aを有してお
り、この欠損部6aにより第2のルーメン7とバルーン
4の内部とが連通している。
【0011】バルーン4は、折り畳み可能なものであ
り、拡張させない状態では、内管2の外周に折り畳まれ
た状態となることができるものである。バルーン4は、
血管の狭窄部を容易に拡張できように少なくとも一部が
略円筒状となっているほぼ同一径の略円筒部4aを有し
ている。そしてバルーン4は、その後端部9が外管3の
先端部に液密に固着され、先端部8は内管2の先端部に
液密に固着され、バルーン4の内面と内管2の外面との
間に拡張空間10を形成し、拡張空間10の後端部では
充填部材6の欠損部6aを介して第2のルーメン7と連
通している。また図2に示すように、バルーン表面には
薬剤投与用の細孔13を有し、細孔13の表面には多孔
質層12により覆われており、血管狭窄部を拡張する場
合には細孔13を小さくした状態で圧力をかけてバルー
ン4を膨らませ、血管狭窄部に薬剤を投与する場合には
細孔13を圧力により大きくしてバルーン表面より多孔
質層12を介して薬剤を血管内に放出する。
【0012】さらに、内管2の外面には補強体11が設
けられ、補強体11はコイルスプリングからなり、X線
透視下でバルーン4の位置が容易に確認できるようにす
るために、バルーン4のセンター付近の内管2の外面
と、バルーン4のテーパー部付近(外管3の先端部付
近)の内管2の外面に位置している。コイルスプリング
の代わりにX線不透過性の白金マーカー等も用いられ
る。
【0013】カテーテルやバルーンの外表面に形成され
る多孔質層は、薬剤リザーバーとして使用できればよ
く、厚さ、孔径、面積などはとくに限定されない。薬剤
リザーバーとして機能させるには、好ましくは多孔質層
における基材の割合が70%以下、さらに好ましくは5
0%以下である。多孔質層の厚さは、使用する部位や目
的、投与に必要な薬剤の量により設定される。例えば、
血管や胆管などでは、好ましくは、10μmから2mm
の厚さの多孔質層があればよい。孔径は、電子顕微鏡に
よる観察で、0.1〜1000μm程度の孔が開いてい
れば良い。また、多孔質基材の空間部にゲルを充填し、
実質的に非多孔質体層にした後、該ゲルに薬剤を含浸さ
せてることも可能である。ゲルを多孔質空間に固定化さ
せ、薬剤のみを放出させてもよいし、ゲルごと薬剤を塗
布することも可能である。多孔質層を形成させる面積も
使用目的により異なり、特に限定されない。多孔質層の
材質については、ポリウレタン、ポリオレフィン及び変
性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリメ
タアクリル酸エステルやそれらの共重合体など特に限定
されないが、好ましくはポリウレタンである。
【0014】多孔質基材の空間部に充填されているゲル
素材は特に限定されず、生分解性を有する素材であって
も合成高分子であってもよいが、薬剤との親和性や吸着
性を考慮して、好ましくは両親媒高分子化合物または、
外部刺激により構造変化可能なゲルである。
【0015】両親媒性高分子化合物を構成成分としてい
ると、疎水性の薬剤や溶媒を使用することもできるた
め、広範な薬剤投与が可能となる。両親媒性高分子化合
物とは、親水性部位と疎水性部位とを合わせ持つ高分子
化合物であり、水ばかりでなく多くの有機溶媒に可溶な
ことが特徴である。そのような両親媒性高分子化合物と
して、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロ
ピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
アクリロイルモルホリンなどのアルキルアクリルアミド
類のホモポリマーあるいはコポリマーや、ビニルメチル
エーテルと無水マレイン酸誘導体との共重合体や、親水
性単量体と疎水性単量体のランダム、グラフト、ブロッ
ク共重合体、例えば、親水性単量体として、N−ビニル
ピロリドン、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルア
ミノエチルアクリレート、スチレンスルホン酸、疎水性
単量体として、(メタ)アクリル酸エステル類などの共
重合体や、ポリエチレングリコールとポリプロピレング
リコールのブロック共重合体など例示することができ
る。
【0016】また、構造変化を起こさせる外部刺激とし
ては、pH、溶媒組成、化学物質、光(UV,可視光な
ど)、熱、電気、電磁波等を例示できる。高分子の構造
変化は、外部刺激により溶媒和した状態から脱溶媒和し
た構造に可逆的に変化する特性を利用するものである。
【0017】例えば、高分子電解質ゲルは、高分子鎖中
の電解質イオンによる浸透圧変化や溶媒との相互作用に
より構造変化を起こすことが知られており、pH、溶媒
組成、イオン濃度などにより可逆的に伸縮応答させるこ
とが可能である。電気(電位、電圧、電流など)刺激
は、局所的にpHやイオン濃度等を変化させることが可
能なため、有効に高分子伸縮応答に利用することができ
る。また、非イオン性高分子においても、ビニルメチル
エーテルやN−イソプロピルアクリルアミドの重合体や
共重合体のように熱により親水性−疎水性と変化し、水
系溶媒中で伸縮応答するものがある。また、それらの高
分子ゲルに酸化還元反応や光反応により性状を変化させ
る分子を導入することにより、電位や光により構造変化
を誘発させることが可能となる。その構造変化を利用し
て、薬剤の放出を制御することが可能となる。
【0018】本発明に使用される薬剤は、病変部の治療
や予防に使用するものであればよく特に限定されない。
例えば、前述の血管狭窄などでは、ウロキナーゼ、プロ
ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、プラスミノーゲン
アクチベーターなどの血栓溶解剤をはじめ、ヘパリンや
ワーファリン、アスピリン、合成抗トロンビン薬などを
初め、平滑筋細胞の増殖を抑制する薬剤や遺伝子治療用
のベクター、NOS合成産出を制御する薬剤、アンチセ
ンスDNAなども投与することができる。また、血管内
壁をコーティングして治療するための組織修復剤を単独
あるいは、薬剤を含浸させて使用することができる。腫
瘍部位については、アドリアマイシンや5−フルオロウ
ラシルなどの抗ガン剤をプロドラッグ化したりゲル素材
に含浸させて、本発明のカテーテルの多孔質層に保持さ
せ、標的部位に投与(塗布)することができる。
【0019】カテーテルやバルーンの材質についても特
に限定されない。例えば、オレフィン系ポリマーとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ブタジエンやその共重合体、ハロゲン化物、アイオノマ
ーなどを、縮合系ポリマーとしては、各種のポリエステ
ルやポリアミド及びそれらのポリエーテルなどとの共重
合体、ポリウレタンなどを例示できる。カテーテルやバ
ルーンは、超弾性合金のバイプや金属よりなるコイル状
物、メッシュ状物等を含んだ複合構造であってもよい。
【0020】また、カテーテルを構成する内管2は外径
が0.30〜2.50mm、好ましくは0.40〜2.
40mmであり、内径が0.20〜2.35mm、好ま
しくは0.25〜1.80mmである。外管3は外径が
0.50〜4.30mm、好ましくは0.60〜4.0
0mmであり、内径が0.40〜3.80mm、好まし
くは0.50〜3.00mmである。バルーンは拡張さ
れたときの円周部分の外径が1.00〜35.00m
m、好ましくは1.50〜30.00mmであり、長さ
が3.00〜80.00mm、好ましくは10.00〜
75.00mmであり、バルーン4の全体の長さが5.
00〜120.00mm、好ましくは15.00〜10
0.00mmである。
【0021】さらにカテーテルの充填材6は、内管2お
よび外管3と接着性を有する材料が好適に使用され、例
えば、内管2および外管3がポリオレフィン系材料から
なる場合には、PE(ポリエチレン)やEVA(エチレ
ンビニルアセテート)などが好適に使用され、充填材6
の長さとしては1〜10mm、好ましくは2〜8mmで
あり、図5に示すように、全周の1/3以上、好ましく
は1/2以上の肉厚部分を有することが好ましい。
【0022】バルーンやカテーテルの外表面に多孔質層
を設ける方法は、基材表面に高分子溶液をキャストして
多孔質層を形成させる方法であってもよいし、予め多孔
質体を成形した後基材表面に張りつける方法であっても
よい。多孔質層にゲルを形成する物質を固定化する方法
としては、グラフト法、架橋不溶化法、コーティング
法、表面重合法など、材料の種類によって適宜選択する
ことができる。簡便には、薬剤を含んだゲル状物質や軟
膏を調整した後、カテーテルの多孔質層に塗って多孔質
層の空孔部に充填するとよい。
【0023】本発明の他の形態として、薬剤リザーバー
となる多孔質層に、薬剤を連続もしくは断続的に供給す
る方法を具備しているカテーテルとすることも可能であ
る。即ち、図2に示すようにカテーテルやバルーンの内
側から薬剤を供給することが可能である。例えば、医薬
注入孔を有するバルーンの外部に多孔質層を形成させる
ことにより、内部から薬剤を供給することが可能とな
る。
【0024】本発明のバルーンに設けられた細孔の形は
特に限定されるものではないが、円形、楕円形、三角
形、四角形、五角形、六角形、星型、スリット型などが
適当である。また、薬液注入時に要求される細孔の大き
さは、使用目的や投与する部位、薬剤の濃度、粘度等に
より異なるため特に限定できないが、好ましくは0.1
〜1000μm程度である。
【0025】バルーンやカテーテルチューブに細孔を作
る方法は、レーザ加工法、加速粒子加工法、放電加工
法、延伸法、相分離法、湿式再凝固法など、特に限定さ
れない。例えば、エキシマレーザーを用いると、所望の
位置に、孔径制御された細孔を自由に形成することがで
きる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)ポリエチレンテレフタレート(PET)製
のバルーンを成形した。バルーン肉厚は12〜16μ
m、4気圧の内圧をかけたときのバルーン外径は、2.
5mmであった。このバルーンに、エキシマレーザー装
置(住友重機械工業社製ルモニクス)を用いて、一辺が
34μmの正方形の孔を400ケ所開けた。このバルー
ンの外側に、内径φ2.5mm、長さ10mm、膜厚1
00μm、平均孔径約5.6μmの多孔質ポリウレタン
チューブを張りつけた。この表面に薬剤リザーバーとし
て使用可能な多孔質層を有するバルーンを用いて、図2
に示すような薬剤投与カテーテルを作製した。
【0027】続いて、拡張カテーテル1の内管2と外管
3の間の第2のルーメン7より、pH8.0に調整した
低分子化ヘパリンを含むクエン酸緩衝液を入れ、5気圧
の内圧をかけると、バルーン4は膨張し、薬剤溶液が多
孔質層12よりゆっくりと滲みだしてきた。顕微鏡で観
察によっても、薬液が噴出しないことを確認した。
【0028】(実施例2)実施例1で作製した薬剤投与
カテーテルの多孔質ポリウレタン部に、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド:グリシジルメタクリレート:メチル
アクリレートの12:1:1のコポリマーの10%メチ
ルエチルケトン溶液(0.5wt%のピリジンを触媒と
して含有)を含浸させた後、55℃、24時間反応させ
ることにより、薬剤を保持するためのゲルを形成可能な
化合物が、多孔質層の空孔部に存在する薬剤投与カテ−
テルを作製した。
【0029】この拡張カテーテル1のバルーンの内側
に、薬剤(アスピリン)を溶解した生理食塩水を入れ、
6気圧の内圧をかけるとバルーン4は膨張し、薬剤溶液
が多孔質層よりゆっくり滲みだしてきた。顕微鏡で観察
によっても、薬液が噴出しないことを確認した。
【0030】(実施例3)PET製のバルーンを成形し
た。バルーン肉厚は12〜16μm、4気圧の内圧をか
けたときのバルーン外径は、2.5mmであった。この
バルーンの外側に、内径φ2.5mm、長さ10mm、
膜厚10μm、平均孔径約5.6μmの多孔質ポリウレ
タンチューブを張りつけた。この多孔質層ポリウレタン
部位に、トロンビン阻害薬である D−Phe− L−Pr
p− L−Arginil クロロメチルケトン溶液を含
浸・乾燥することにより、図1に示すように薬剤を保持
してなる薬剤投与カテーテルを作製した。
【0031】続いて、バルーン内側に造影剤液を入れて
6気圧の内圧をかけると、トロンビン阻害薬がゆっくり
と滲みだしてくるのを確認した。
【0032】
【発明の効果】本発明の薬剤投与カテーテルは、薬剤が
多孔質層を介して除々に放出されるため、細孔より放出
される薬液流による血管内皮や組織の損傷を生じさせる
ことなく、また、患部に対して均一に薬剤の局所的投与
が可能となり、血管狭窄部の治療や予防に極めて有効な
カテーテルとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の係る薬剤投与カテーテルの
先端部の断面図。
【図2】本発明の他の実施例に係る薬剤投与カテーテル
の先端部の断面図。
【図3】図1におけるA−A線断面図。
【図4】図2におけるB−B線断面図。
【図5】図1、図2におけるC−C線断面図。
【符号の説明】
1 カテーテル 2 カテーテルチューブの内管 3 カテーテルチューブの外管 4 バルーン 4a バルーンの略円筒部 5 第1ルーメン 6 充填材 6a 充填材の欠損部 7 第2ルーメン 8 バルーンの先端部 9 バルーンの後端部 10 バルーンの拡張空間 11 コイルスプリング 12 多孔質層 13 細孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カテーテルの外表面の少なくとも1部分に
    多孔質層が形成されていることを特徴とする薬剤投与カ
    テーテル。
  2. 【請求項2】前記カテーテルの先端部にバルーンを有
    し、前記多孔質層が該バルーンの外表面に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の薬剤投与カテーテ
    ル。
  3. 【請求項3】前記多孔質層が、薬剤を含浸してなること
    を特徴とする請求項1〜2に記載の薬剤投与カテーテ
    ル。
  4. 【請求項4】前記カテーテルまたは前記バルーンに薬剤
    を放出可能な細孔を有することを特徴とする請求項1〜
    2に記載の薬剤投与カテーテル。
  5. 【請求項5】前記多孔質層が、多孔質基材の空間部にゲ
    ルを充填し、実質的に非多孔質層が形成されていること
    を特徴とする請求項1〜4に記載の薬剤投与カテーテ
    ル。
  6. 【請求項6】前記ゲルが両親媒性高分子化合物であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の薬剤投与カテーテル。
  7. 【請求項7】前記ゲルが外部刺激により構造変化可能な
    ゲルであることを特徴とする請求項5に記載の薬剤投与
    カテーテル。
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Cited By (15)

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