JP2000510448A - 異常ヘモグロビン症の治療 - Google Patents

異常ヘモグロビン症の治療

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Abstract

(57)【要約】 ヘモグロビンの酸素親和性の低下を特徴とする異常ヘモグロビン症を有すると確認された患者の治療法を開示する。本方法には、(i)患者に吸入させるために、または(ii)患者の赤血球をエクスビボで治療するために、ガス状酸化窒素および/または一酸化炭素を提供することが含まれる。または、酸化窒素放出化合物を患者に投与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 異常ヘモグロビン症の治療 関連出願の相互参照 本出願は、米国法35章119条の下で、1996年4月5日に提出された米国特許出 願第06/014,886号からの優先権を主張する。 連邦出資研究に関する声明 本発明は、米国国立衛生研究所が拠出するUSPHS助成金NHLBI-HL 42397の下で 、連邦政府からの助成金を少なくとも一部使用して行われた。したがって、政府 は本発明において一定の権利を有する。 発明の背景 本発明の分野は、異常ヘモグロビン症である。 異常ヘモグロビン症の多くは、ヘモグロビン(Hb)の酸素親和性の低下に関連 する。そのような異常ヘモグロビン症の例は、鎌状赤血球症(SCD)および鎌状 赤血球形成傾向;地中海貧血;ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE 、へモグロビンH、ヘモグロビンI、ヘモグロビンOアラブ、およびヘモグロビン ・カンザス疾患;およびこれらのいかなる混合ヘテロ接合的同時発症も含む。お そらく、最も広く研究されている異常ヘモグロビン症は鎌状赤血球症(SCD)で 、この疾患は、ヘモグロビンのβポリペプチド鎖のN末端からの第6位のアミノ 酸変異(Hb-S)が原因で起こる。この変異は、陰性荷電アミノ酸であるグルタミ ン酸(GAGとしてコードされる)を中性の疎水性残基であるバリン(GUGとしてコ ードされる)に置換する。生理学的に適切な濃度(例えば、約0.2g/cm3)で、お よび低酸素症のような特定の条件下で、Hb-S分子は多鎖ポリマーに凝集し、粘度 のある固形状ゲルを形成する。赤血球(エリスロサイト)内でのHb-Sのこの重合 化により、赤血球は多様な異常な形状に歪められ、そのいくつかが鎌状に見える 。Hb-Sの重合化はまた、赤血球をより堅固にし、細胞が微小血管の狭い血管を横 断する能力を低下させる。 正常成人ヘモグロビン(Hb-A)をコードする一つの遺伝子とHb-Sをコードする一 つの遺伝子を有する人は、鎌状赤血球形成傾向があると言われている。そのよう なヘテロ接合者が臨床症状を示すことはまれであるが、当然のこととして変異 遺伝子は彼らの子孫に受け継がれうる。Hb-Sのホモ接合者、またはHb-SとHb-Cの 組合わせは、鎌状赤血球症(SCD)であると言われている;これらの人を本明細 書では「SS」と称する。赤血球が正常なヘモグロビンを有する成人を本明細書で は「AA」と称する。 臨床的に、SCDは、慢性血液透析に関連し、このために貧血および黄疸が起こ りうる。SCDはまた、鎌状赤血球クリーゼとして知られる急性の突発性の血管閉 塞クリーゼにも関連する。そのようなクリーゼの間、微小血管は一過性または永 続的に閉塞することがあり、酸素供給の減少の結果として体のほぼあらゆる臓器 が損傷を受けることがあり得る。そのような臓器損傷は、SCDに関連する死亡率 および罹患率の主因である。骨、脾臓、腎臓、および肺の梗塞(すなわち、血液 供給が不十分であるために組織の壊死)は特に一般的で、その結果数日間持続し うる重度の疼痛が起こる。 SCDのような異常ヘモグロビン症の従来の治療法は、ヘモグロビン濃度を10g/d Lおよび/または総ヘマトクリット濃度を30%にするために、貧血患者に輸血を 行うことを含む。その他の方法は、ヒドロキシウレアを用いて、赤血球中の胎児 ヘモグロビン(Hb-F)レベルの増加により赤血球の鎌状化を低下させることを含 む(キャラチェら(Charache)、1995、N.Eng.J.Med.332:1317〜1322;ゴール ドバーグら(Goldberg)、1990、N.Eng.J.Med.323:366〜372)。この方法を用 いる場合、Hb-Fレベルを増加させるためには数週間の治療が必要である;したが って、この方法は鎌状赤血球クリーゼへの応答に関して特に有用ではない。さら なる治療法として、酸素療法、鎮痛薬、および水分補給のような補助療法を実施 することが含まれる。そのような補助療法は、クリーゼが寛解するまで患者に行 うが、通常数日を要する。 既知のいかなる異常ヘモグロビン症に関しても、患者のヘモグロビンの酸素親 和性は、患者の総ヘモグロビンに特有のオキシヘモグロビン解離曲線(ODC)の 作製によって測定することができる。この数学的曲線は、総ヘモグロビンの酸素 飽和度%(SaO2)をy軸に、および広範囲の酸素圧(例えば、0〜100mmHg)に 対する酸素分圧(PaO2)mmHgをx軸にプロットすることによって作製することが できる(例えば、バン&フォアゲット(Bunn and Foreget)、ヘモグロビン:分 遺伝学と臨床面(Hemoglobin:Molecular Genetics and Clinical As ects) 、19 86、W.B.ソウンダー(W.B.Saunder),Publisher参照)。総ヘモグロビンの半 最大酸素飽和が起こるPaO2をP50値と称する。酸素結合能が低下したヘモグロビ ンは、正常成人ヘモグロビン(Hb-A)について得られたODCと比較して右側への シフトを特徴とする;これはまたはHb-Aと比較した場合のP50値の増加として表 すことができる。37℃、PaCO2、40mmHg、pH7.40、および等張状態での正常ヘモ グロビンのP50は、約26mmHgであるが、Hb-SのP50は約37mmHgである。所定の患者 のヘモグロビンのP50値は、登録商標ヘモックス・アナライザ(HEMOX-ANALYZER )自動血中酸素解離分析器(TCSメディカル・プロダクツ・カンパニー、ハンチ ントン・バレー、ペンシルバニア州)のような、市販の機器を用いて容易に測定 することができる。 発明の概要 酸化窒素(NO)および/または一酸化炭素(CO)、またはNO-放出化合物は、 特定のクラスの何らかの異常ヘモグロビン症を有すると同定された患者を治療す るために、非毒性レベルで用いることができるということが現在わかっている。 SCDおよび鎌状赤血球形成傾向のみならず、Hb-C、Hb-D、Hb-E、Hb-H、Hb-Iおよ びヘモグロビン・カンザス疾患、ならびにこれらまたはその他のβ-グロビン変 異体(例えば、β地中海貧血)とHb-Sとの組合わせを含むこれらの異常ヘモグロ ビン症は、正常成人ヘモグロビン(Hb-A)によって示される酸素親和性と比較し て、患者のヘモグロビンでは酸素親和性が低下していることを特徴とする。方法 は、患者による吸入のために治療用ガスを提供することを含み、この場合、治療 ガスは、ガス状NOの治療的有効量を含む。この方法の変法において、患者をガス 状CO、またはNOとCOの併用の治療的有効量を含む治療ガスで治療する。本発明の 治療は、患者のヘモグロビンの酸素親和性を増加させ、それをよりHb-Aのように 機能させる。必要に応じて、治療を行う前後に、患者のヘモグロビン(細胞不含 ヘモグロビンまたは無傷の赤血球のいずれかとして)のP50またはODCを測定する ことによって、これを定量することができる。患者の異常ヘモグロビン症がSCD の場合、本発明の方法は、患者のHb-Sの重合化形成傾向、したがって患者の赤血 球が鎌状化する可能性を低下させるさらに有意な利益を有する。いかなる特定の 理論にも 拘束されることなく、それによってNO療法が作用する可能性がある一つの考えら れるメカニズムは、RBC膜または膜チャンネルに影讐を及ぼすことによるもので あることに留意されたい。 好ましくは、治療ガスは、タバコの煙の非存在下で提供され、窒素(N2)また はヘリウム(He)のような不活性ガス、空気、さらなる酸素(O2)を加えた空気 、または別のO2-含有ガス(例えば、酸素20%〜約99%を含むO2/N2混合ガス)中 に、少なくとも1パーツ・パー・ミリオン(ppm)の濃度のNOを含む。治療ガス 中のNOまたはCO濃度は一般に、少なくとも10ppmであると予想され、好ましくは 少なくとも20または40ppmである。所定の治療期間内にガスを吸入する時間の長 さに応じて、NOまたはCOの有用な濃度は1〜10,000ppm(例えば、20〜4000ppmm 、または40〜2000ppm)の範囲内であると考えられる。20、40、80、100、160、 または200ppmのNOまたはCOを持続的または間欠的に長期間吸入することによって 、患者は治療利益を得るだろうと予想される。COを用いる場合、用量は一般に、 患者のカルボキシ-Hbが総Hbの20%を超えないように調節すべきである。または 、特に、空気または酸素に切り替える前に患者がほんの短期間治療ガスを吸入す る場合には、NOまたはCOは、300、400、500、1000、1500、またはさらに2000ppm のような比較的高濃度で提供されうる。治療ガスがCOを含む場合、有用な基準は 、患者の血中に、従来の手段による測定で2〜10%のカルボキシ-Hbを生じるCO 濃度を用いることであると考えられる。吸入のために提供される治療ガスはまた 、好ましくは酸素も含む(例えば、空気中のように約20%酸素およびほぼ100% 酸素まで)。 危険な可能性があるレベルのNO2およびその他のNO高次酸化物の生成を最小限 にするために、特に比較的高濃度のNOが用いられる場合、酸素が治療ガス中のNO と接触する時間は最小限に留めるべきである:NOはO2の非存在下で保存し、混合 ガスを患者が吸入する少し前にO2含有ガスと混合するべきである。一般に、この 少し前とは、患者が治療ガスを吸入するほんの約10分(好ましくはほんの約5分 であり、より好ましくはほんの約2分である)前に混合することを意味する。NO 含有ガスおよびO2含有ガスは吸入の直前に、下記の連続流動装置などで混合する ことが推奨される。方法は同様に、治療ガス中のNOおよび/またはNO2の濃度の モニ ターも含みうる。典型的に、治療ガスは患者が吸入する時点で、NO2 5ppmを含 むに過ぎず、好ましくはNO2 1ppmを含むに過ぎない。必要に応じて、患者がガ スを吸入する前にNO2除去剤に治療ガスを暴露することによって、ガス中に形成 されるいかなるNO2の少なくとも1部を除去することができる。 典型的な治療プロトコルには、5分間を少なくとも1回/日、少なくとも10日 間連続して、NO濃度が40〜240ppmである治療ガスを患者に提供することが含まれ る。これは、1日数回繰り返すことができる。もう一つの適した治療プロトコル には、空気中またはO2/N2中(例えば、50%O2)に含まれる比較的低用量(例え ば、2〜160ppm)のNOを、患者に連続的に8時間以上(例えば、24時間または1 週間でさえも)提供することが含まれる。さらにもう一つのプロトコルとしては 、患者の赤血球の鎌状化を防止するために、または患者のヘモグロビンの酸素運 搬能を改善するために必要に応じて、高用量(例えば、1000ppm)のNOを短期間 (例えば、15秒未満)患者に提供することが含まれる。これは、再呼吸チューブ を備えた、または備えないN2のような不活性ガス中に圧縮したNOの缶を備えた携 帯型多用量吸入装置を用いて行ってもよい。治療的利益は長時間持続すると考え られるため、この高用量治療は1時間に1回以上、おそらく1日1回または2回 以上繰り返す必要はないと予想される。一般に、治療ガスは患者に少なくとも10 秒間(例えば、1、2回の深呼吸に十分な長さ)、および1または5分までの時 間で提供される。成人の血液量はおよそ5Lで心拍出量は約5L/分であるため、 肺をNO含有ガスで1分間満たせば、理論的には全循環中の血液量を治療すること になる(完全に混合したと仮定して)。5分という治療期間はおそらくより現実 的な目標であろう。個々の患者についての最適な治療プロトコルは、患者の医師 によって容易に確立することができる。 上記の方法の変法において、患者はNO放出(またはNO供与)化合物の治療的有 効量を投与することによって治療することができる。適当なNO放出化合物の例に は、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン、S-ニトロシステイン、および国際公 開公報第92/17445号および来国特許第5,427,797号(参照として本明細書に組み 入れられる)に記述のその他のもののようなS-ニトロソチオール;ニトロプルシ ッド;ニトロソグアニジン;三硝酸グリセリン;アジド;ヒドロキシルアミン; およ び米国特許第4,954,526号および第5,155,137号に開示の化合物を含む、いかなる ノノエート(NONOate)化合物も含まれる。ノノエート化合物の例には、ジエチ ルアミン/NONO、ジエチレントリアミン/NONO、およびメチルアミノヘキシルメチ ルアミン/NONO(ハンソンら(Hanson)、「酸化窒素、生化学、分子生物学、お よび治療的意味」(Nitric Oxide ,Biochemistry,Molecular Biology,and The rapeutic Implications )、イグナロ&ムラド(Ignarro and Murad)編、Academ ic Press,New York(1995)に図示)が含まれる。NO放出化合物は、粉末形状ま たは液体(例えば、生物学的適合性の賦形剤と化合物を混合することによって) として提供することができる。NO放出化合物は単独で、またはNOガス、COガス、 もしくはもう一つのNO放出化合物と組み合わせて、患者に投与することができる 。一つ以上の化合物を患者に投与する場合、化合物は共に混合することができ、 または連続して患者に投与することができる。以下の投与経路のいずれか一つま たはその組合わせを用いて、NO-放出化合物を患者に投与することができる:静 脈内注射、動脈内注射、経皮輸送、経口輸送、および吸入(例えば、ガス、粉末 、または液体)。吸入は好ましい投与経路である。 上記の方法のさらにもう一つの変法において、患者の赤血球の一部をエクスビ ボまたはインサイチューで治療的有効量のガス状NOおよび/またはCOと接触させ ることによって、患者を治療することができる。例えば、体外膜型酸素付加(EC MO)装置、心肺バイパス(CPB)装置、または静脈内酸素付加(IVOX)装置を、 患者の赤血球をガス状NOおよび/またはCOと接触させる(例えば、酸素含有ガス 中で1〜1000ppm)際に用いるために適合させることができる。 患者がSCDを有する、または鎌状赤血球を形成するHb-S組合わせの一つを有す るとして同定された場合は、本発明を用いて(i)鎌状赤血球クリーゼである、 または(ii)鎌状赤血球クリーゼを生じる危険性がある、として同定された患者 を治療することができる。例えば、患者はSCDで、これから全身麻酔による手術 を受けようとしている患者であってもよい。そのような場合、患者は手術中に、 および/または手術前および/または手術後1時間以内に、ならびにそのような 手術にしばしば起因する鎌状赤血球発症を予防するために必要と思われる限り、 本発明の方法に従って治療される。本発明によって治療可能な患者には、異常ヘ モグロ ビン症の他に既知の肺疾患(例えば、喘息または肺高血圧症)を有する患者およ び有しない患者が含まれる。 患者のヘモグロビンの酸素親和性の低下は、Hb-Aについて得られたODCと比較 して、患者のヘモグロビンのODCの右側へのシフトとして測定することができる 。または、ヘモグロビンの酸素親和性の低下は、Hb-AのP50と比較した患者のヘ モグロビンのP50値の増加として測定することができる。必要に応じて、治療ガ ス、NO-放出化合物、またはエクスビボ赤血球治療の治療的有効性の証拠を提供 するため、ODCおよび/またはP50は、患者を治療する前後に測定することができ る。治療前のODCまたはP50と比較して、治療後の患者のODCが左側へシフトする か、または患者のP50が減少すれば、本方法の治療的有効性の証拠となる。NOが 治療的ガスである場合の治療の有効性のもう一つの証拠は、Hbニトロソ化の程度 で、これは例えば、コンら((Kon)、1977、J.Toxicol.and Environmental Hea lth 2:1109〜1113(参照として本明細書に組み入れられる))の方法を用いて 測定することができる。例えば、ニトロソ化のレベルが0.01%〜25%であれば、 治療効果に相当するものとして見なすことができる。または、もしくはさらに、 治療の有効性は疼痛の減少として測定することができ、これはアナログスケール スコア(すなわち、0〜10)上で評価することができる。必要に応じて、患者( 鎌状化を生じると予想される低酸素ストレスまたはその他のストレスの有無によ らず)の血液中の異常な形状(例えば、鎌状および変形)の細胞の割合は、治療 の前後に測定することができる;治療後に異常な形状の細胞の割合が減少すれば 、方法の治療的有効性の証拠となる。 本明細書で用いられる「異常ヘモグロビン症」という用語は、血液中の異常な ヘモグロビンの存在によって生じる、またはそれに関連する障害または疾患であ る。異常ヘモグロビン症には、異常ヘモグロビンの組合わせが血液中に存在する (例えば、鎌状赤血球/Hb-C症)ものが含まれる。本発明の方法によって治療す ることができる異常ヘモグロビン症は、患者の血液の酸素親和性の低下、または 低酸素およびその他のストレス下での患者の赤血球の鎌状赤血球形成傾向に関連 している。 Hb-Aのβ鎖の6位のグルタミン酸がバリンに置換している鎌状赤血球ヘモグロ ビンであるHb-Sがホモ接合である患者は、「鎌状赤血球症」であると称する。「 鎌状赤血球形成傾向」とは、これがヘテロ接合の場合の対語で、この場合、患者 のHb-A遺伝子の一つのみが変異型Hb-S遺伝子に置換している。鎌状赤血球形成傾 向の患者は典型的に、Hb-Sを20〜45%有し、残りはHb-Aである。ホモ接合状態で はヘモグロビンの75〜100%がHb-Sで、残りのヘモグロビンは、その双方がHb-A またはHb-Sとは異なる遺伝子座から発現される、胎児ヘモグロビン(Hb-F)また はHb-A2である。SCDでは、低酸素または脱水のような特定の誘因条件に暴露され ると、患者の末梢血の赤血球の全てまたは一部が異常な形状(例えば、鎌状また は三日月形状)となる。SCD患者は時に、体のほぼあらゆる臓器に影響を及ぼし うる血管閉塞を特徴とする鎌状赤血球「クリーゼ」を経験すると考えられる。骨 、脾臓、腎臓、および肺の梗塞(すなわち突然の血液供給不全による組織の壊死 )は一般的で、重度の疼痛および組織の死滅が結果として起こる。 異常ヘモグロビン症「Hb-C」は、Hb-Aのβ鎖の6位のグルタミン酸がリジンに 置換していることを特徴とする疾患である。異常ヘモグロビン症「Hb-D」は、Hb -Aのβ鎖の121位のグルタミン酸のグルタミンへの置換に起因する。「Hb-E」は 、Hb-Aのβ鎖の121位のグルタミン酸のリジンへの置換を特徴とする。「Hb-H」 は、β鎖のホモ4量体を特徴とする。「Hb-I」は、α鎖の16位のリジンのグルタ ミン酸への置換に起因する。「Hb-カンザス」は、Hb-Aのβ鎖の102位のアスパラ ギンのトレオニンへの置換を特徴とする。これらの異常ヘモグロビン症は、変異 ヘモグロビンを含む赤血球の酸素親和性と共に、可塑性および形状に影響を及ぼ しうる。地中海貧血の場合、罹患座から発現されるβ-グロビンは正常量未満で 、または機能的Hbを形成するためにほとんど利用できないほど合成が不十分また は急速に異化される変異型βグロビンの発現が起こる。Hb-Sとβ-地中海貧血を 共に有する患者は1本のHb-S遺伝子の効果を相殺するために存在する正常Hb-Aが 、ほとんどまたは全くなく、したがってSCDと機能的に同程度である可能性があ る。 ガス様NO、ガス様CO、またはNO放出化合物の「治療的に有効な」量は、以下の 一つ以上を呈するために十分な量または濃度である:(i)患者のヘモグロビン のP50の少なくとも2mmHg減少;(ii)患者のODCの統計学的に有意な左側シフト ;(iii)SCDの場合、低酸素状況下で変形する赤血球数の10%以上の減少(50mm H g未満のPaO2として定義);または(iv)鎌状赤血球クリーゼを示す患者の場合 、クリーゼが自然寛解すると予想されるまでに患者が受ける疼痛の臨床的に有意 な減少。 本発明は、異常ヘモグロビン症を有すると同定された患者の単純、迅速、かつ 効率的な治療法を提供する。正常ヘモグロビンを有する赤血球は、少なくとも10 0ppm未満のレベルのNOおよび35ppm未満のレベルのCOで、治療法によって有意な 影響を受けず、そのため本方法はたとえヘテロ接合者に用いても安全である。本 治療の治療的効果(例えば、P50の減少)は、ヘモグロビンがNOまたはCO源にも はや暴露されなくなった後も持続する。補助療法のみを行う鎌状赤血球クリーゼ の従来の治療法とは対照的に、本発明を用いて、Hb-Sの重合化を減少させ、した がって新たな鎌状赤血球の形成を減少させることによって、鎌状赤血球クリーゼ を予防または逆転することができる。そのような鎌状化は、鎌状赤血球クリーゼ に起因する疼痛レベル、罹患率および死亡率と相関する可能性があるため、本発 明は、SCDに関連する身体的合併症を非侵襲的に緩和する。 図面の簡単な説明 図1は、臨床状況においてNO含有治療ガスを患者に提供するために用いること ができる呼吸回路の図解である。 図2は、NOを含まない空気にインビトロで暴露後、またはNO 80ppmを含む空気 に暴露後の全赤血球、新鮮ヒトHb-AおよびHb-S赤血球のP50のグラフを示す。 図3は、空気中および80ppmのNOを含む空気中でインビトロでのヒトHb-S赤血 球のODCおよびP50のグラフを示す。NO処置により、Hb-S赤血球のODCの左側への シフトおよびP50の減少が起こる。 図4は、NO 80ppmを含む空気中にインビトロで様々な時間暴露後のヒトHb-S赤 血球のP50のグラフを示す(患者2人からのデータを示す)。5分間のNO治療は 、Hb-SのP50を有意に減少させるが、これ以上のNO治療は、あるとしてもさらな る効果をほとんど示さない。 図5は、空気または80ppm NOの存在下で、ヘモグロビンの酸素飽和百分率の関 数としての鎌状ヒトHb-S赤血球の百分率をグラフで示す。インビトロNO処置(80 ppm)は、全てのオキシヘモグロビン濃度で鎌状赤血球の割合を減少させる。 図6は、空気または80ppm NOを含む空気の存在下で、正常に見える赤血球の割 合(変形赤血球または鎌状赤血球に対する)をヘモグロビン酸素飽和百分率の関 数としてグラフで示す。空気のみに暴露した赤血球より、NO処置では多くの赤血 球が正常な外観を示した。 図7は、SCD患者2人から得た赤血球をNOの漸増濃度を含む空気でインビトロ で処置した場合のP50の漸減を示す棒グラフである。1=0ppm NO;2=10ppm NO ;3=40ppm NO;4=80ppm NO。 図8は、吸入sareたNOがSS患者(すなわちSCD患者)におけるRBCの酸素親和性 を増加させることを示すグラフである。安定なSS患者9人(□)に関する10回の 試験のRBC P50の平均減少は、患者が80ppm NOを45分吸入した後で約5mmHg(範 囲3〜7mmHg;P<0.001)であった。SS患者1人では、RBC P50は変化しなかっ た。NO吸入後のRBC P50に変化(≦1mmHg)を示した健常成人(●)はなく、こ のことはNOの効果が異常ヘモグロビン症を有する患者に対して選択的であること を示している。 NO吸入を中止した1時間後に空気を呼吸しながら、血液サンプルをAA患者3人 およびSS患者5人から採取した。RBC P50の減少はSS患者5人中3人において少 なくとも1時間持続した。全ての患者において、赤血球内2,3-DPGおよびATPレベ ル、静脈pH、および血中ガス分圧は、酸化窒素を45分吸入後も変化しなかった。 全ての被験者において、臨床的副作用を認めなかった。NO吸入の45分後のメトヘ モグロビンレベルの平均値はSSのRBCでは低く(1.4±0.5%)、評価したSS患者 5人中3人において、酸素親和性に対するNO療法の効果が持続しても、60分後に はベースラインに回復した。 詳細な説明 本発明の方法は、正常成人ヘモグロビンの酸素親和性と比較して、患者のヘモ グロビンの酸素親和性の低下を特徴とする、何らかの様々な異常ヘモグロビン症 を有すると同定された患者を治療するために用いることができる。この酸素親和 性の低下は、Hb-AのODCと比較して罹患ヘモグロビンではODCが右側にシフトする こととして、またはHb-AのP50と比較して罹患ヘモグロビンではP50が増加してい ることによって典型的に検出される。そのような酸素親和性の低下は、Hb-S(ホ モ接合者ではSCDとして、ヘテロ接合者では鎌状赤血球形成傾向として認められ る)、Hb-C、Hb-D、Hb-E、Hb-H、Hb-I、またはHb-カンザス疾患のような異常ヘ モグロビンの特徴である。患者は変異遺伝子に関してホモ接合であってもヘテロ 接合であってもよい。時に、患者は、異なる2つの変異β-グロビン遺伝子を有 する「混交ヘテロ接合者」である。その例としては以下の組み合わせが含まれる :S/C、S/D、S/0-アラブ、S/ケベック-コリ、S/β-地中海貧血、S/E、S/レポー ル、および参照として本明細書に組み入れられる「鎌状赤血球症:基本原理と診 療」(Sickel Cell Disease :Basic Principles and Clinical Practice)、ス テファンH.エンバリー(Stephan H.Emburry)編、Raven Press,Ltd.,New York (1994)、キニー&ウェア(Kinney and Ware)、第29章「ヘテロ接合状態の化 合物」(Compound Heterozygous States)に記述のその他。臨床観察、遺伝子分 析、蛋白質分析、ODC分析、およびP50分析を含む従来の方法および基準を用いて 、まだ発見されていないタイプの異常ヘモグロビン症患者を含む、そのような異 常ヘモグロビン症を有する患者を特定することができる。下記は、所定の異常ヘ モグロビン症が本発明の方法による治療に応答する可能性があるか否かを決定す るために有用な単純なインビトロ試験である。または、この方法を患者に直接試 験することができる。異常ヘモグロビン症を治療するためのガス状NOまたはCO吸入の使用 本発明の一つの局面において、ガス状NOもしくはCO、またはNOとCOの組合わせ が、吸入のために患者に提供される。NOの使用を以下に記述する;同様の原理は 、COまたはCOとNOの組合わせを用いる際にも当てはまる。圧縮NOガスまたはCOガ スは、エアコ(ミュレー・ヒル、ニュージャージー州)またはエア・プロダクツ &ケミカルズ、インク(アレンタウン、ペンシルバニア州)のような仕入れ業者 から得ることができる。典型的には、NOは、N2またはヘリウムのような他の不活 性ガス中で200〜2000ppm NOの混合ガスとして提供される。O2はNOと反応してNO2 のような毒性の強い高次窒素酸化物を形成するため、NOは、O2不含の混合物とし て保存することが好ましい。必要に応じて、NO含有ガスは吸入用混合ガスを提供 する直前に、空気またはO2と混合することができる。特に、病院の場合、肺活量 計で先に較正した較正ロタメーターを用いて、NO含有ガスの正確な量を空気また はO2と混合することができる。一般に、治療レベルのNOおよび/またはCOと共に 少なくとも21%酸素を含む治療ガスが本発明での使用に適している。必要に応じ て、標準的な赤外線検出技法を用いてCO濃度を測定することができる。高次窒素 酸化物の形成を制限するために、NOは、患者が治療ガスを吸入する前に約10分未 満(および好ましくは5分未満)酸素と接触させるべきである。必要に応じて、 標準的なケミルミネッセンス法を用いて、患者にガスを投与する前に治療ガス中 のNOおよび/またはNO2の量を測定することができる(例えば、フォンティジン ら(Fontijin)、1970、Anal.Chem.42:575〜579参照)。NO2は、治療ガスを患 者に提供する前に除去することができる。適当な除去法には、ガスをNaOH溶液、 バラライム、またはソーダ石灰に暴露することが含まれる。これらの除去法はま た、必要に応じて、NO2が大気中に排出されないように、患者の呼気からNO2を抽 出するために用いることができる。 治療ガスを患者に供給する好ましい方法は、例えば、ダグラス・バッグのよう な容器の中で静かに混合するよりむしろマスク呼吸回路において、連続流による ことである。一例としての呼吸回路の概略図を図1に示す。この回路はN2中にガ ス状NOを含む加圧混合ガス源、空気またはO2を回路に導入するためにブレンダー に結合した空気またはO2源、治療ガス中のNO濃度をモニターするためのNOアナラ イザ、および患者に接続した非再呼吸T字弁を含む。呼気中のガスは必要に応じ て、病院の真空システムによって除去することができる。呼吸回路内のNOおよび NO2の濃度は市販のセンサー(例えば、エキシダイン・インストルメンテーショ ン・テクノロジーズNOセンサー(モデル番号4586)およびNO2センサー(モデル 番号4584);エクストン、ペンシルバニア州)によって電子化学的に分析するこ とができる。酸素濃度は必要に応じて、インライン酸素アナライザによってモニ ターすることができる。 マスク呼吸回路を用いる代用法として、携帯型吸入装置(再呼吸チューブの有 無によらず)を用いて患者にNOを提供することができる。本発明の方法に適合さ せることが可能な適した吸入装置の例は、その各々が参照として本明細書に組み 入れられる、国際公開公報第92/10228号、および米国特許第5,485,827号、第5,3 96,882号、第4,667,668号;第4,592,348号;第4,534,343号;および第4,852,561 号に記述されている。その他の吸入装置は、「医師卓上参考書」(Physicians'D esk Reference)エドワードR.バーナー(Edward R.Barnhar)、Publisherに記 載されている。一般に、適した吸入装置は携帯型、すなわち5kg未満で、好まし くは1kg未満であり、喘息発作の治療に現在利用できる吸入器と類似のデザイン であってもよい。装置は、(a)加圧NOもしくはCOガス、および(b)NO放出化合 物のいずれか、または双方を含む。典型的に、そのような装置はNOまたはCOの少 なくとも1ppmを含む加圧ガスを包含する(好ましくは少なくとも5ppmであり、 より好ましくは少なくとも40ppmであり、最も好ましくは少なくとも80ppmである )。加圧ガス中のNOまたはCOの濃度は比較的高く、すなわち、160、300、500、 または1000ppmでありうる。1500ppmまたは2000ppmもの濃度、またはそれ以上の 濃度を用いることができると予想される。必要に応じて、装置は加圧NOガスと、 N2のような不活性ガスまたはフルオロカーボン、例えばフレオンのような液体高 圧ガスのいずれかの混合ガスを含むことができる。 治療ガスを患者に投与する前に、必要に応じてそれに対してNO処置血液を比較 することができるベースラインを決定するために、患者の血液を分析することが できる。典型的に、血液10mlサンプルをヘパリン加シリンジに採取し、ヘモグロ ビン、ヘマトクリット、酸素飽和、および/またはメトヘモグロビン飽和を測定 する。患者のヘモグロビンのODC、P50、および/またはニトロソ化のレベル;お よび/または赤血球2,3-ジホスホグリセリン酸濃度は、治療ガスを吸入する前に 測定することができる。同様に、赤血球鎌状化の程度を調べるために血液サンプ ルのアリコートを分析することができる。これらのパラメータのいかなるものも 、または全てを、吸入ガスの治療的有効性の測定を行うために、治療ガスの吸入 後に再度測定することができる。必要に応じて、患者が治療ガスを吸入している 間に、患者の血中酸素飽和をパルス酸素飽和度測定によってモニターすることが できる。必要に応じて、患者が治療ガスを吸入し続けている間に、さらなる血液 サンプルを経時的に採取することができる。 典型的には、500ppm未満のNOレベルを用いる場合(例えば80ppm)には、患者 は、治療ガスを少なくとも1分間、通常5〜30分吸入する。NO濃度が低い場合は 、吸入時間を長くすることができる;例えば、比較的低レベルの40または80ppm では24時間吸入を継続することができる。比較的高レベルのNOは短時間で用いる ことができる。毒性(例えば、有意な(10%以上)メトヘモグロビン血症の形で )が検出されなければ、そのような高レベルの使用は1日の間に必要に応じて延 長または繰り返すことが可能である。いくつかの異常ヘモグロビン症は、NOまた はCOによる定期的な予防治療、例えば、患者の一生を通じて1日3回以上吸入、 クリーゼのリスクが高い場合には常にさらなる治療を行うことにより、有益とな りうると考えられる。 COは50〜100ppmの濃度では無期限に、およびより高濃度(例えば、200〜500pp m)では間欠的に(1時間のように)用いることができると予想される。COおよ びNOを併用する場合、COは、1〜100ppmの濃度で用いてもよく、NOは、1〜80pp mの濃度で用いてもよいが、正当な理由があればこれより高い用量、または低い 用量を用いることができる。 いかなる所定の患者に対する最適な治療レジメも、罹患した異常ヘモグロビン 症のタイプおよび患者が示す疾患状態の重症度のような要因に依存するが、典型 的な適した治療レジメは、治療ガス(2〜160ppm NOまたはCOを含む)を、5分 間を少なくとも1回/日、少なくとも10日間連続して吸入することを含む。また は、患者はこれより高濃度のNOまたはCO(例えば、300〜2000ppm)をより短期間 (例えば、1回の呼吸ほどの短さ)、必要に応じて1日1回〜数回吸入してもよ い。患者が鎌状赤血球クリーゼである場合には、急激な発症期を過ぎるまで、高 レベルのNOが緊急に持続的に必要であると考えられる。鎌状赤血球クリーゼを生 じる危険性が有意に高い患者(例えば、予想される低酸素暴露の間)は、危険性 が残っている限り、クリーゼを予防するため、またはクリーゼの重症度を少なく とも軽減するために適当なレベルのNOまたはCOで維持すべきである。手術を受け なければならない鎌状赤血球症の患者(例えば、損傷を受けた脾臓を除去するた め)は、手術中または手術の直後にクリーゼを起こす危険性が高いため、そのよ うな患者には手術中および手術後に治療ガスを吸入させることが推奨され、好ま しくは手術の直前にも提供する(患者のヘモグロビンにNOの荷重をかけるため) 。異常ヘモグロビン症を治療するためのNO放出化合物の使用 ガス状NOもしくはCOを用いる代わりに、またはそれに加えて、NO放出化合物を 用いてNOの治療的有効量を患者のヘモグロビンに輸送することができる。適した NO放出化合物の例には、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン(SNAP)、およびS -ニトロソシステインのようなS-ニトロソチオール;ニトロプルシッド;ニトロ ソグアニジン;三硝酸グリセリン;アジド;ヒドロキシルアミン;およびいかな るノノエート化合物も含まれる。さらなるNO放出化合物を選択する基準は、吸入 前の保存安定性、および注射時に崩壊して治療的に有効な速度でNOを放出するこ とができる能力、経口輸送性、または呼吸器の適当な部分での付着を含む。例え ば、SNAPはその固形形状で安定であることが示されているが、生理的条件下(細 気管支または肺胞管腔の表面上での生理的液体の薄膜内のような)では、この化 合物は容易に崩壊してNOを放出する(イグナロ(Ignarro)、Circ.Res.65:1〜2 1、1989)。 NO放出化合物は患者に対して、静脈内注射、動脈内注射、経皮輸送、経口輸送 、または吸入を含むいかなる多様な投与経路によっても投与することができる。 吸入の場合、NO放出化合物は、上記のような装置の一つのように吸入装置に一括 することができ、または上記のような呼吸回路を通じて輸送することができる。 輸送を容易にするために、NO放出化合物は、生物学的適合性の賦形剤(例えば、 水または生理食塩液)に溶解することができる。またはNO放出化合物は粉末の形 状で提供することができる。NO放出化合物が固体または液体形状で吸入される場 合、粒子または滴下液は呼吸器系全体に付着し、より大きい粒子または滴下液は 吸入口付近(すなわち口または鼻)に付着する傾向があり、より小さい粒子また は滴下液はさらに呼吸器系の中を深く運ばれて気管、気管支および最終的に肺胞 に付着する。(例えば、ハウンマン&モーガン(Hounman and Morgan)、「粒子 の付着」(Particle Deposition)「呼吸器防御メカニズム1部」(Respiratory Defence Mechanisms ,Part 1 )第5章、Marcel Dekker,Inc.,NY;ブレインら (Brain)編、1977、125頁)。本発明に用いるには、粒子/滴下液のサイズが10 μm未満であることが推奨される。 いかなる所定の患者のNO放出化合物の最適な用量も容易に測定することができ 、化合物の特性、異常ヘモグロビンのタイプ、および疾患状態の重症度のような 要因に依存すると考えられる。NO放出化合物が吸入によって提供される場合、そ れは固形または液体形状であってもよい。成人の典型的な用量は、輸送経路に関 わりなく約1〜5mgであると考えられる。異常ヘモグロビン症を治療するためのエクスビボまたはインサイチューでのNOの 使用 NOまたはCOをエクスビボまたはインサイチューで患者の血液に輸送するために 、標準的なECMO、IVOX、またはCPB器具を、O2のみならずNOおよび/またはCOを 治療的に有効な濃度で含むガスを使用するように適合させることができる。典型 的には、患者の血液を患者から連続的に採取し、ポンプでエクスビボ・ガス交換 器を通過させた後、患者に戻す。血液を治療ガスから分離するガス透過膜を血液 が通過すると、膜を通じて吸収されたNOまたはCO分子が血中に入り、赤血球内で ヘモグロビンと相互作用する。IVOXのようなインサイチュー・ガス交換器は、体 内から血液をポンプで送り出すことを必要とするよりはむしろ、患者の血管内に 直接留置する。血中への輸送用としては設計されていないが、同じ必要性から患 者の血中にNOを輸送するために適合することができるその他のタイプの装置は、 本明細書に参照として組み入れられる、共有出願である(co-owned application )米国特許出願第08/036,522号に記述されている。インビトロ試験 下記の実験は、Hb-S赤血球をNOの非毒性量に暴露すると、ODCの左側へのシフ トおよびヘモグロビンのP50の減少を引き起こすことを証明し、このことは、NO 療法が異常ヘモグロビンがHb-Aにより厳密に類似するように、酸素に結合して酸 素を放出する異常ヘモグロビンの能力を変化させることを示している。NO療法の 間、異常なヘモグロビンが脱飽和するPO2(すなわち、そのO2分子を放出する) は減少する。したがって、所定の酸素分圧での飽和Hb-Sに対する非飽和Hb-Sの比 は、NO療法の間減少する。Hb-SはO2を運んでいる場合には重合化しにくいため、 Hb-Sが所定の酸素分圧で重合化する可能性はNO療法の間に減少し、赤血球の鎌状 化も同時に減少する。さらに、下記のデータは、NO療法がヘム-ヘム相互作用に 直接影響を及ぼし、またはHb-Sの構造的変化を生じる(おそらくNO付加物を形成 することによって)可能性があり、Hb-SのODCに及ぼすその効果とは無関係にHb- Sが重合化 する傾向を減少させることを示唆している。このように、NOによる治療は、NO処 置Hb-SがそのO2を放出した場合においても、赤血球がなおも容易に鎌状化しない ように、Hb-S重合化を予防し、酸素親和性に及ぼすその効果とは無関係に赤血球 の鎌状化を予防する上でさらなる有用な効果を有すると考えられる。実験I:NOは異常ヘモグロビンのP50の減少を引き起こす この実験は、細胞がHb-Sを含む場合には、赤血球をNOの非毒性量に暴露すると P50が減少する(すなわち、ODCの左側シフトを引き起こす)が、正常なHb-Aのみ を含んでいる場合には減少しないことを証明する。SCD患者または健常対照者の いずれかから新たに採取したヒト赤血球を標準コリン溶液で洗浄し、血液/ガス ・トノメーターを用いて、80ppmガス状NOを含む空気に15分間暴露した。自動血 中酸素解離分析器を用いて、赤血球をNOに暴露する前後にヘモグロビンのODCを 測定した。図2に示すように、これらの条件下で正常赤血球(Hb-A)をNO 80ppm に暴露しても、Hb-AのP50値26mmHgに有意な変化を生じない。対照的に、Hb-SをN O 80ppmを含む空気に暴露すると、空気単独の場合のHb-S P50と比較してHb-S P5 0 値が有意に減少した。図2および図3のODCに示すように、Hb-S(およびおそら くその他のヘモグロビン、例えばHb-C)を含む患者の鎌状赤血球の空気中でのP5 0 は、32.5mmHgであったが、NOに暴露後のP50は26mmHgに減少した。これらのデー タはまた、予測されたように、Hb-Aを含む赤血球をNOに暴露しなかった場合のP5 0 (27mmHg)と比較して、Hb-Sを含む赤血球をNOに暴露しなかった場合のP50(30 .5mmHg)が上昇していることを示している。表1に示すように、NO暴露によりHb -S赤血球のP50が減少し、これはNO治療を中止後少なくとも1時間持続する。そ の他の実験は、この減少が少なくとも2時間持続することを示している。 実験II:Hb-S RBCのP50に及ぼすNO暴露時間の影響 この実験は、トノメーターでのNO 80ppmへの5分未満の暴露が、Hb-Sを含む細 胞のP50に有意な減少を引き起こすには十分であることを図解している。異なる 2人のSCD患者からの赤血球サンプルを、NO 80ppmまたは空気に様々な時間(1 、5、30、および60分)暴露して、P50値を測定した。 Hb-S赤血球をNO 80ppmに1分暴露しても、これらの赤血球のP50値は実質的に 変化しなかったが(図4)、Hb-S赤血球をNO 80ppmにわずか5分間暴露しただけ で両患者からのサンプルのP50は有意に減少した(図4の破線として示す)。赤 血球をNO 80ppmに30分または60分暴露すると、認められた減少は維持されたが、 5分暴露の際に認められたP50以上に有意なさらなる減少を引き起こさなかった 。Hb-S含有赤血球をNOを含まない空気に60分まで暴露しても、P50の経時的な有 意な変化を示さなかった(データは示さない)。実験III:NOがP50を変化させる能力に及ぼすオキシヘモグロビン濃度の効果 この実験は、オキシヘモグロビン濃度がHb-SのP50を減少させるNOの能力にど のように影響を及ぼすかを図示している。これらの実験では、ヒトHb-S赤血球を 含む2つのフラスコを37℃の水浴中でインキュベートした。各フラスコ内のガス のO2濃度は、1時間間隔で段階的に20%から16%、12%、8%、4%、および次 に0%O2へと減少させた。また、1組のフラスコは実験期間中NO 80ppmを含み、 双方の組が実験期間中5%CO2を含んでいた。赤血球サンプルは、毎時間後各フ ラスコから採取した(すなわち酸素濃度がそれぞれ減少する)。オキシヘモグロ ビン およびメトヘモグロビンの濃度は、多波長酸素飽和度測定によって決定した(チ バ-コーニング・CO酸素飽和度測定計モデル270装置および従来の方法を用いて) 。細胞形態は各サンプル中の正常、変形、および鎌状赤血球の割合を光学顕微鏡 を用いて評価した。変形細胞は、正常細胞または鎌状細胞のいずれかの典型的な 形状を有しない細胞として定義される。 図5に示すように、NO処置は全てのオキシヘモグロビン濃度で鎌状細胞の割合 を減少させる。NOに暴露した赤血球は、同じ割合のヘモグロビン酸素飽和で対照 赤血球より10%〜15%鎌状化が少なかった。これは、NO 80ppmが「ヘム-ヘム」 相互作用を変化させるか、または酸素親和性に及ぼす効果とは無関係にHb-Sが所 定の酸素飽和で重合化する傾向を減少させるように異常ヘモグロビン分子の構造 変化を生じる可能性があることを示唆している。さらに、NO-処置細胞では対照 細胞より高い割合で、測定した各ヘモグロビン酸素飽和百分率が「正常」である (変形または鎌状化とは反対に)と判断された(図6)。実験IV:用量反応 この実験は、NOの濃度を増加させればHb-Sを含む赤血球のP50の効果が増加す ることを示している。異なる2人のSCD患者からの赤血球のサンプルを、空気(O ppm NO;図7の棒グラフのカラム1に図示する)、またはNO 10ppm(カラム2) 、NO 40ppm(カラム3)、またはNO 80ppm(カラム4)に5分間暴露した。次に P50値を測定した。図7に示すように、各患者からの赤血球のP50値はNO濃度が増 加するにつれて減少した。ヒトにおけるインビボ試験 実験は、SCDを有すると診断されたヒト患者におけるRBCの酸素親和性が、NOの 吸入により増加することを証明する。このように、NOは、酸素に結合し、放出す る異常ヘモグロビンの能力を、異常ヘモグロビンがよりHb-Aに類似するように変 化させる。これらの試験において、患者は年齢25〜40歳の健常男性成人3人(「 AA」と呼ぶ)およびHb-Sのホモ接合者である(本明細書において「SS」と呼ぶ) 臨床的に安定な成人(20〜33歳)9人(男性7人および女性2人)であった。 簡潔に述べると、SCD被験者において、これらの実験は、NO 80ppmを含む空気 を吸入すると、ヘモグロビンが酸素で50%飽和される酸素分圧を減少させたこと を示している。NOの吸入を中止した60分後においても、P50は減少し続けた。こ れらの実験の詳細を以下に示す。 ODC測定 全血50μLを静脈穿刺によってAAまたはSS成人から得て、リン酸緩衝液4ml、 泡止め剤10μLおよび20%アルブミン20μLで希釈した。血液サンプルを100%窒 素(N2)ガスに暴露することによって脱飽和させ、次にヘモックス・アナライザ (TCSメディカル・プロダクツ・カンパニー、ハンチントン・バレー、ペンシル バニア州)を用いて空気で再度酸素飽和し、従来の方法(グアーノンら(Guarno ne)、1995、Haematologica,80:426〜430)を用いてODCを測定した。P50値は5 0%オキシヘモグロビン飽和での酸素分圧として決定した。SS RBCを用いた経時 的な繰り返し測定の精度を保証するために、SS患者3人から得た血液サンプルを NOガスに暴露せずに0、15、30、および60分に測定した;P50の変化は検出され なかった。 SSおよびAA成人におけるNO吸入 健常成人3人およびSCD成人9人を調べた。SS患者1人につき2回試験し、試 験の間は1ヶ月間あけた。血圧、心電図、呼吸数および心拍数、ならびにパルス 酸素飽和度測定を持続的にモニターした。被験者は空気を呼吸し、次にNO 80ppm を含む空気を非再呼吸回路によって45分間吸入した。NO吸入の前および直後に静 脈血を採取した。健常被験者およびSCD患者5人は、NO吸入の1時間後にさらな る血液サンプルを採取した。ODCは上記のようにエクスビボで測定した。 さらに、RBC中のアデノシン三リン酸(ATP)および2,3-ジホスホグリセリン( DPG)濃度を定法(ポイロンら(Poillon)、1985、J.Biol.Chem.260:13897〜13 900)を用いて測定した。メトヘモグロビンは、CO-酸素飽和度測定計(チバ-コ ーニングモデル270、メイフィールド、マサチューセッツ州)および定法を用い て、RBCのNOへの暴露の前後に測定した。静脈pHおよび血液ガスは、pH/血液ガス アナライザ(チバ-コーニングモデル170、メイフィールド、マサチューセッツ州 )および定法を用いて測定した。 統計分析 下記のデータは、明記している場合を除いて、平均±SEMとして表記する。対 応 のあるおよび対応のないスチューデントのt-検定の双方を用い、P値が0.05未満 であれば、統計学的有意性を示している。全ての検定は両側で実施した。ペアソ ン相関係数を計算して相関を評価した。 SSおよびAA成人におけるNO吸入 NOの低濃度がインビボでHb-Sを変化させることを示すために、AAおよびSS患者 からのRBCのP50値を、NO 80ppmを含む空気を患者が45分間吸入した前後に測定し た。NO 80ppmを呼吸したSS患者では、RBC P50値は減少し(P<0.001)、平均減 少は4.6±2mmHg(図8)であった。これに対し、NOを吸入したAA患者のRBC P50 値は変化せず(≦1mmHg;P=NS)、このことはNOの効果が異常ヘモグロビン症 を有する患者のRBCに選択的であることを示している。2回調べたSS患者(試験 の間隔は1ヶ月)は、いずれの試験の際にもP50の有意な減少を示した。つまり 、これらのデータは、NOを吸入すると、鎌状赤血球症患者のRBCにおけるヘモグ ロビンの酸素親和性が増加することを示している。 NOの吸入は、酸化窒素療法を中断した後でもP50に影響を及ぼすことを証明す るために、SS患者5人のODCをNO吸入を中止した1時間後に測定した。患者5人 中3人では、RBC P50値は減少したままで、このことはSS RBCの酸素親和性に及 ぼすNOの効果は、NOを中断した後も持続することを示している(図8)。 NO 80ppmを含む空気を45分吸入した患者全員では、患者のRBCにおけるATPおよ び2,3-DPG濃度は、NOに応答して変化しなかった。さらに、患者の血圧、呼吸数 および心拍数、経皮酸素飽和レベル(SpO2)、静脈血pH、ならびに心電図データ はNO吸入の際も不変であった。SS RBCを有する患者はベースラインメトヘモグロ ビンレベル(0.5±0.2%)がAA RBC患者(0.1±0.1%)より高かった。NOに暴露 すると、SS RBC(1.4±0.7%)およびAA RBC(0.7±0.1%)の双方においてメト ヘモグロビンレベルに小さい増加が認められた;NO暴露の60分後、これらのメト ヘモグロビンレベルはほぼベースラインレベルに回復した(SSおよびAA患者につ いてそれぞれ、0.6±0.3%および0.2±0.1%)。メトヘモグロビンレベルの増加 とP50値の減少との間には相関が認められなかった(r=0.02、n=10)。実際、P50 のシフトは、調べたSS患者5人中3人においてNO暴露の60分後も持続したが、 メトヘモグロビンレベルはベースライン値に戻った。つまり、これらのデータか ら 、有意なメトヘモグロビンレベルに至ることなく、かつ患者の生徴候統計値に有 意な有害な結果を引き起こすことなく、NOを治療的有効なレベルで投与できるこ とが示される。 概要 上記のインビトロおよびインビボ実験は、SS RBCを低濃度の酸化窒素に暴露す ると、ヘモグロビンの酸素親和性が増加することを証明している。この酸素親和 性の増加は、酸化窒素の投与中止後インビトロでは少なくとも2時間持続し、イ ンビボでは少なくとも1時間持続した。NO処置のこれらの治療効果は、メトヘモ グロビンの臨床的に有意なレベルを生じることなく得られた。このように、これ らのデータは、ガス状酸化窒素の吸入が、(a)正常成人ヘモグロビンの酸素親 和性と比較して患者のヘモグロビンの酸素親和性の低下、または(b)患者の赤 血球が鎌状化する傾向、を特徴とする異常ヘモグロビン症の治療のための有効な 療法となりうることを示している。 その他の態様は以下の請求の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)正常成人ヘモグロビン(Hb-A)の酸素親和性と比較して患者の酸素親 和性の低下、または(b)患者の赤血球の鎌状化傾向、を特徴とする異常ヘモグ ロビン症を有する患者を同定する段階と、 患者が吸入するための、治療的有効量のガス状酸化窒素(NO)を含む治療ガス を提供する段階 とを含む、異常ヘモグロビン症を有すると同定された患者の治療法。 2.治療ガスが少なくとも1ppmの濃度のNOを含む請求項1記載の方法。 3.治療ガスが少なくとも10ppmの濃度のNOを含む請求項2記載の方法。 4.治療ガスが40〜2000ppmの濃度のNOを含む請求項3記載の方法 5.治療ガスが少なくとも10秒間患者に提供される請求項1記載の方法。 6.治療ガスが少なくとも5分間患者に提供される請求項5記載の方法。 7.異常ヘモグロビン症が鎌状赤血球症である請求項1記載の方法。 8.治療ガス提供段階の前に、患者が鎌状赤血球クリーゼであると診断される、 請求項7記載の方法。 9.治療ガス提供段階の前に、患者が鎌状赤血球クリーゼを起こす危険性がある と同定される、請求項7記載の方法。 10.異常ヘモグロビン症が、鎌状赤血球形成傾向;ヘモグロビンC、ヘモグロビ ンD、ヘモグロビンE、ヘモグロビンH、ヘモグロビンI、およびヘモグロビンカン ザス疾患;またはヘモグロビンSと第二の変異β-グロビン対立遺伝子との組合わ せから成る群より選択される、請求項1記載の方法。 11.治療ガスがタバコの煙の非存在下で提供される請求項1記載の方法。 12.吸入のために提供される治療ガスに酸素がさらに含まれる、請求項1記載の 方法であって、患者が治療ガスを吸入する前に、治療ガス中のNOと酸素を約10分 未満の間接触させる、方法。 13.治療ガスが少なくとも21%酸素を含む請求項12記載の方法。 14.治療ガスが1〜10,000ppmの濃度のガス状一酸化炭素(CO)をさらに含む請 求項1記載の方法。 15.治療ガス中のNO濃度のモニタリングをさらに含む請求項1記載の方法。 16.治療ガス中のNO2濃度のモニタリングをさらに含む請求項1記載の方法。 17.患者が吸入するための治療ガスを提供する前に、治療ガスをNO2除去剤に暴 露する請求項1記載の方法。 18.治療ガスがわずか5ppmのNO2を含む請求項1記載の方法。 19.治療ガスを提供する前のP50と比較して治療ガスを提供した後のP50の減少が 、治療ガスの治療的有効性の指標である、治療ガスを提供する前後に患者のヘモ グロビンP50を測定する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。 20.治療ガスを提供する前の鎌状赤血球の百分率と比較して治療ガスを提供した 後の鎌状赤血球の百分率の減少が、治療ガスの治療的有効性の指標である、治療 ガスを提供する前後に患者の血中の鎌状赤血球の百分率を決定する段階をさらに 含む、請求項7記載の方法。 21.治療ガスの提供後にHbニトロソ化のレベルを測定する段階をさらに含む、請 求項1記載の方法。 22.治療ガス中のNO濃度が1〜2,000ppmで、治療ガスが1日に5分間を少なくと も1回、少なくとも10日間連続して患者に提供される、請求項1記載の方法。 23.正常Hb-Aの酸素親和性と比較して患者のヘモグロビンの酸素親和性の低下を 特徴とする異常ヘモグロビン症を有する患者を同定する段階と、 NO放出化合物の治療的有効量を患者に投与する段階 とを含む、異常ヘモグロビン症を有すると同定された患者の治療法。 24.NO放出化合物が、S-ニトロソチオール、ノノエート、ニトロプルシッド、ニ トロソグアニジン、三硝酸グリセリン、アジド、およびヒドロキシルアミンから 成る群より選択される、請求項23記載の方法。 25.NO放出化合物が、静脈内注射、動脈内注射、経皮輸送、経口輸送、および吸 入から成る群より選択される経路によって患者に投与される、請求項23記載の方 法。 26.NO放出化合物が吸入によって投与される請求項23記載の方法。 27.異常ヘモグロビン症が鎌状赤血球症である請求項23記載の方法。 28.投与段階の前に、患者が鎌状赤血球クリーゼであると診断される、請求項27 記載の方法。 29.正常なHb-Aの酸素親和性と比較して患者のヘモグロビンの酸素親和性の低下 を特徴とする異常ヘモグロビン症を有する患者を同定する段階と、 患者の赤血球の一部をエクスビボまたはインサイチューでNOの治療的有効量と 接触させる段階 とを含む、異常ヘモグロビン症を有すると同定された患者の治療法。 30.異常ヘモグロビン症が鎌状赤血球症である請求項29記載の方法。 31.接触段階の前に、患者が鎌状赤血球クリーゼであると診断される、請求項30 記載の方法。 32.NOがガス状の形状で、患者の赤血球の一部と接触させる前に、ガス透過膜を 通過する、請求項29記載の方法。 33.正常なHb-Aの酸素親和性と比較して患者のヘモグロビンの酸素親和性の低下 を特徴とする異常ヘモグロビン症を有する患者を同定する段階と、 患者が吸入するための、治療的有効量のガス状COを含む治療ガスを提供する段 階 とを含む異常ヘモグロビン症を有すると同定された患者の治療法。 34.患者による治療ガスの吸入により、患者の血液中にカルボキシ-Hb2〜10% が生じる、請求項33記載の方法。 35.治療ガス中のCO濃度が1〜10,000ppmである、請求項33記載の方法。 36.その赤血球がHb-Sを含むような患者を同定する段階と、 患者が吸入するための、患者の赤血球におけるHB-Sの重合化を減少させるのに 十分量のガス状NOを含む治療ガスを提供する段階 とを含む、患者において鎌状赤血球ヘモグロビン(Hb-S)の重合化を減少させる 方法。 37.治療ガスが少なくとも1ppmの濃度のNOを含む請求項36記載の方法。 38.治療ガスが少なくとも10ppmの濃度のNOを含む請求項36記載の方法。 39.治療ガスが40〜2000ppmの濃度のNOを含む請求項36記載の方法。 40.治療ガスが少なくとも10秒間患者に提供される請求項36記載の方法。 41.治療ガスが少なくとも5分間患者に提供される請求項36記載の方法。 42.患者が治療ガスを吸入する前に、治療ガス中のNOと酸素を約10分未満の間接 触させる、吸入のために提供される治療ガスに酸素がさらに含まれる、請求項36 記載の方法。 43.治療ガス提供段階の前に、患者が、鎌状赤血球クリーゼを起こす危険性があ ると同定される、請求項36記載の方法。 44.治療ガス中のNO濃度のモニタリングをさらに含む請求項36記載の方法。 45.治療ガス中のNO2濃度のモニタリングをさらに含む請求項36記載の方法。 46.患者が吸入するための治療ガスを提供する前に、治療ガスをNO2除去剤に暴 露する請求項36記載の方法。 47.治療ガスがわずか5ppmのNO2を含む請求項36記載の方法。 48.治療ガス中のNO濃度が1〜2,000ppmで、治療ガスが少なくとも1日1回、少 なくとも10日間連続して患者に提供される、請求項36記載の方法。 49.患者が手術を受けている間または手術の前後1時間以内に、治療ガスが患者 に提供される、請求項36記載の方法。 50.治療ガス中のNO濃度が約10〜約100ppmの間である請求項1記載の方法。 51.治療ガス中のNO濃度が約40〜約100ppmの間である請求項1記載の方法。 52.治療ガス中のNO濃度が約80ppmで、治療ガスが45分間を少なくとも1回患者 に提供される請求項1記載の方法。
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