JP2005520883A - ポリマー系のための安定剤組合せ - Google Patents
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Abstract
Description
そのような分解を防ぐために、多くのポリマー用安定剤が、既に記述されている(例えば欧州特許出願公開第669 367号(EP-A 669 367)およびその中に引用されている文献参照)。
特にグラフトゴムポリマー中に含有されるゴム画分は、酸化作用を有する原因物質(過酸化物、酸素、オゾン)に対する感受性を示し、これは、通常、処理および乾燥プロセスにおいて負の形で表れる。この感受性は、分子鎖中に不飽和部分を有するゴム、例えばポリブタジエンにおいて得に著しい。
グラフトゴムポリマーを安定化させるための多くの方法が、文献に記載されているが(例えば Gaechter/Mueller: Kunstoof-Additive, Carl Hanser Verlag, ミュンヘン, ウィーン 1979年参照)、しかしながらこれらの方法の欠点は、水相中において酸化試薬からポリマーを保護することが不充分であること、およびそれにより一次および二次酸化防止剤(たいてい立体障害フェノールおよびチオジプロピオン酸エステルおよび/または他の硫黄含有化合物)の多量の添加が必要であることであり、これは、高い費用を含むことがあり、他の問題、例えば揮発性物質の高すぎる割合(放出の問題)または望ましくない特性変化(例えば弾性率の低下)を導き得る。
そのようなABSポリマーの加工において望ましくない臭気が、特に高い加工温度でしばしば発生する。これらの固有の臭気は、成形品の特別な用途(例えば自動車内装)における問題を導き得る。
しかしながら成形組成物の弾性率挙動および放出挙動は、エポキシド基含有化合物の添加により悪影響を受け得る。加えて酸化亜鉛および酸化マグネシウムも、光沢挙動に負の影響を有し得る。
a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤1〜99質量部、好ましくは10〜90質量部、特に好ましくは20〜80質量部、および
b)次亜リン酸(H3PO2)および亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩を含有する群から選ばれる少なくとも1種の水溶性無機リン化合物99〜1質量部、好ましくは90〜10質量部、特に好ましくは80〜20質量部
を含有する組合せを提供する。
そのような化合物の例は、以下のものである:
2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-t-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロへキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロへキシルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、2,6-ジノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルウンデカ-1'-イル)-フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルヘプタデカ-1'-イル)-フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルトリデカ-1'-イル)-フェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス-(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス-[4-メチル-6-(α-メチルシクロへキシル)-フェノール]、2,2'-メチレン-ビス-(4-メチル-6-シクロへキシルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス-(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデン-ビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデン-ビス-(6-t-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス-[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2'-メチレン-ビス-[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4'-メチレン-ビス-(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-メチレン-ビス-(6-t-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-ブタン、2,6-ビス-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-ブタン、1,1-ビス-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール-ビス-[3,3-ビス-(3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)-ブチラン]、ビス-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-ジシクロペンタジエン、ビス-[2-(3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-6-t-ブチル-4-メチルフェニル]-テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)-ブタン、2,2-ビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、4,4'-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、2,2'-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチルフェノール)、2,2-ビス-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-ペンタン、トリエチレングリコール-ビス-3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオネート。
R1=C1〜C2アルキル
R2=C2〜C30アルキル
R3=C1〜C4アルキル
R4=t-ブチル、シクロへキシル、
L=-CH2-、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン-3,8-イレン、および
n≧1〕
並びに前記フェノールの任意混合物。
これに関して「水溶性」は、本発明において、水100g中に少なくとも1gの塩が溶解することを表す。b)の適当な水溶性無機リン化合物は、好ましくは水100g中において少なくとも2gの塩、特に好ましくは水100g中において少なくとも5gの塩の水溶性(各場合50℃)を有する。
好ましい化合物b)は、次亜リン酸ナトリウムおよび亜リン酸ナトリウムである。
好ましい化合物c)は、トリス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスフィット、ビス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ペンタエリトリトールジホスフィットおよびトリス-(ノニルフェニル)-ホスフィットである。
従って本発明は、ポリマーを安定化させるための本発明の組合せの使用も規定する。
本発明の混合物は、ABSポリマー、MBSポリマーおよびゴムポリマーを安定化するのに特に有効である。
a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤1〜99質量部、好ましくは10〜90質量部、特に好ましくは20〜80質量部、および
b)次亜リン酸(H3PO2)および亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩を含有する群から選ばれる少なくとも1種の水溶性無機リン化合物99〜1質量部、好ましくは90〜10質量部、特に好ましくは80〜20質量部
を含有する組合せ、またはこの組合せの各成分を、一緒または個別に、水溶液若しくは水性分散液若しくは水性エマルションまたはこれら水性形態から選ばれる組合せの形態で、水性エマルションまたは水性懸濁液中に存在するポリマー物質に添加し、次いで通常の方法により処理することを特徴とする。
安定化のために使用される本発明の組合せの量は、安定化されるポリマー100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜8質量部、特に好ましくは0.5〜5質量部である。
a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤1〜99質量部、好ましくは10〜90質量部、特に好ましくは20〜80質量部、および
b)次亜リン酸(H3PO2)および亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩を含有する群から選ばれる少なくとも1種の水溶性無機リン化合物99〜1質量部、好ましくは90〜10質量部、特に好ましくは80〜20質量部
を含有する組合せ0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜8質量部、特に好ましくは0.5〜5質量部(各場合、ポリマー100質量部に対する)を、処理前に添加することを含む方法により得ることができる安定化ポリマー物質をさらに提供する。
I)グラフトベースとしての、ガラス転移温度≦10℃を有する少なくとも1種のゴム、および
II)ゴムの存在下における少なくとも1種のビニルモノマーの重合により構築された少なくとも1種のグラフト殻
を含有するグラフトゴムポリマーである。
特に好ましいものは、ポリブタジエンおよびブタジエン-スチレンコポリマーである。
本発明のグラフトポリマーを製造するために、ゴムがエマルション形態で存在することが便利である。グラフトゴムポリマーを製造するために使用されるゴムラテックスは、たいてい50〜1000nm、好ましくは80〜800nm、特に好ましくは100〜600nmの平均粒径を有する。これに関してモノモーダル、バイモーダル、トリモーダルおよびマルチモーダルゴムラテックスを使用することができる。
本発明のグラフトゴムポリマーは、処理および乾燥プロセス中における向上した安定性により特徴づけられる。少ない有機安定剤総量でさえ、生成物の向上した熱安定性を達成するために充分である。
A)0℃未満のガラス転移温度を有し、ラテックス形態で存在する少なくとも1種のゴム、好ましくはラテックス形態で存在するブタジエンゴム、特に好ましくはポリブタジエンの存在下における、少なくとも1種のビニルモノマー、好ましくはスチレンおよび/またはアクリロニトリルが、全体または部分的にα-メチルスチレン、メチルメタクリレートまたはN-フェニルマレイミドにより置き換えられていても良い、スチレンおよびアクリロニトリルの質量比90:10〜50:50でのラジカル乳化重合、特に好ましくはスチレンおよびアクリロニトリルの重合により製造されており、
a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤、および
b)水溶液または分散液の形態の次亜リン酸(H3PO2)または亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩から選ばれる少なくとも1種の水溶性リン化合物
の組合せが処理前に添加された、少なくとも1種のグラフトゴム、および
B)少なくとも1種の樹脂形成ビニルモノマー、好ましくはスチレンおよび/またはアクリロニトリルが、全体または部分的にα-メチルスチレン、メチルメタクリレートまたはN-フェニルマレイミドにより置き換えられていても良い、スチレンおよびアクリロニトリルの質量比90:10〜50:50での重合により得られた、少なくとも1種の熱可塑性のゴム無含有ポリマー
を含有する熱可塑性成形組成物も提供する。
さらなる本発明の成形組成物は、ビニルモノマーから構築されていないさらなるゴム無含有熱可塑性樹脂を含有することができ、その中でこれらの熱可塑性樹脂は、(各場合、A+B100質量部に対し)1000質量部まで、好ましくは700質量部まで、特に好ましくは500質量部までの量で使用される。
これらのグラフトポリマーにおいて使用されるモノマーは、好ましくはスチレンおよびアクリロニトリルの質量比90:10〜50:50、特に好ましくは質量比80:20〜65:35での混合物である。
そのようなゴムポリマーの例は、ポリジエン、例えばポリブタジエンおよびポリイソプレン、C1〜8アルキルアクリレートをベースとするアルキルアクリレートゴム、例えばポリ-n-ブチルアクリレート、ポリシロキサンゴム、例えばポリジメチルシロキサンをベースとする生成物である。
グラフトゴムA)を製造するために使用されるモノモーダル、バイモーダル、トリモーダルまたはマルチモーダルゴムラテックスの平均粒径(d50値)は、広い変化にわたり得る。適当な粒径は、例えば50〜600nmの間、好ましくは80〜550nmの間、特に好ましくは100〜500nmの間である。
狭い粒度分布を有するモノモーダルゴムラテックスは、本発明において、30〜150nm、好ましくは35〜100nm、特に好ましくは40〜80nmの粒度分布幅(積分粒度分布からd90−d10として測定)を有するラテックスを意味すると理解される。
これに関して種バッチ法または種供給法が、好ましくは使用される。
バイモーダル、トリモーダルまたはマルチモーダル粒度分布の好ましい製造において混合物のために使用されるゴムラテックスの平均粒径(積分粒度分布からのd50値)の差は、少なくとも30nm、好ましくは少なくとも60nm、特に好ましくは少なくとも80nmである。
ゴムラテックスのゲル含有量は、原則、既知の方法で適当な反応条件(高いゲル含有量を達成するために、例えば高い反応温度および/または高転化率までの重合、並びに任意に架橋性物質の添加、あるいは低いゲル含有量を達成するために、例えば低い反応温度および/または架橋が進行し過ぎる前の重合反応の停止、並びに任意に分子量調整剤、例えばn-ドデシルメルカプタンまたはt-ドデシルメルカプタンの添加)を使用して、調節することができる。
ゲル含有量の規定値は、トルエン中の金網かご法による測定を参照する(Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Makromolekulare Stoffe, 第1部, 第307頁 (1961年), Thieme Verlag シュトゥットガルト参照)。
グラフトゴムA)を製造するためのグラフト重合を、例えば全モノマー添加時間の最初の半分で、グラフト重合に使用される全モノマーの55〜90質量%、好ましくは60〜80質量%、特に好ましくは65〜75質量%を供給し、モノマーの残りの部分を、全モノマー添加時間の次の半分で供給するようなモノマー添加により行うことができる。ゴムラテックスへのモノマーの均一連続供給が好ましい。
a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤、および
b)次亜リン酸(H3PO2)または亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩から選ばれる少なくとも1種の水溶性無機リン化合物
を含有する組合せが、水溶液または分散液の形態で処理前に添加される。
任意に追加的に使用される化合物c)の量は、(各場合、安定化されるグラフトゴム100質量部に対して)、標準的に0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜3質量部、特に好ましくは0.4〜2質量部である。
任意に追加的に使用される化合物d)の量は、(各場合、安定化されるグラフトゴム100質量部に対して)、標準的に0.2〜7質量部、好ましくは0.3〜6質量部、特に好ましくは0.4〜5質量部である。
好ましくは硫黄含有化合物は、処理前のグラフトゴムエマルションに添加されない。
特に好ましいものは、アクリロニトリル部分が30質量%未満であるコポリマーB)である。
これら樹脂の製造の詳細は、例えば独国特許出願公開第24 20 358号(DE-A 24 20 358)および独国特許出願公開第27 24 360号(DE-A 27 24 360)に記載されている。バルク重合または溶液重合により製造されるビニル樹脂は、特に適当であることが分かっている。コポリマーを、単独または任意混合物で添加することができる。
Aは、単結合、C1〜C5アルキレン、C2〜C5アルキリデン、C5〜C6シクロアルキリデン、-O-、-S-、-SO-、-SO2-または-CO-を示し、
R5およびR6は、相互に独立に、水素、メチルまたはハロゲン、特に水素、メチル、塩素または臭素を示し、
R1およびR2は、相互に独立に、水素、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素、C1〜C8アルキル、好ましくはメチル、エチル、C5〜C6シクロアルキル、好ましくはシクロへキシル、C6〜C10アリール、好ましくはフェニル、またはC7〜C12アラルキル、好ましくはフェニル-C1〜C4-アルキル、特にベンジルを示し、
mは、4〜7の整数であり、好ましくは4または5であり、
nは、0または1であり
R3およびR4は、各Xに対して個別に選ぶことができ、相互に独立に、水素またはC1〜C6アルキルを示し、
Xは炭素を示す。〕
で示されるジフェノールと、炭酸ハロゲン化物、好ましくはホスゲン、および/または芳香族ジカルボン酸二ハロゲン化物、好ましくはベンゼンジカルボン酸二ハロゲン化物との相界面重合による、またはホスゲンとの均一相中での重合(いわゆるピリジン法)による、反応によって製造することができ、その中で分子量を、既知の方法で既知の連鎖停止剤の適切な量により調節することができる。
ジフェノールの混合物も使用することができる。
ポリカーボネート/ポリエステルカーボネートは、例えば超遠心または光散乱測定により定められる平均分子量(Mw、重量平均)10,000〜200,000、好ましくは20,000〜80,000を有する。
好ましいポリアルキレンテレフタレート中において、80〜100モル%、好ましくは90〜100モル%のジカルボン酸基はテレフタル酸基であり、80〜100モル%、好ましくは90〜100モル%のジオール基はエチレングリコールおよび/または1,4-ブタンジオール基である。
好ましいポリアルキレンテレフタレートはまた、上記のアルコール成分の少なくとも2つから製造されるコポリエステルであり、特に好ましいコポリエステルは、ポリ-(エチレングリコール1,4-ブタンジオール)-テレフタレートである。
好適なポリアルキレンテレフタレートは、一般に0.4〜1.5dl/g、好ましくは0.5〜1.3dl/g、特に0.6〜1.2dl/gの、各場合にフェノール/o-ジクロロベンゼン(1:1質量部)中25℃で測定される固有粘度を有する。
部分結晶質ポリアミドとして適当なものは、ポリアミド-6、ポリアミド-6,6、これら成分の混合物および対応するコポリマーである。また適当なものは、部分結晶質ポリアミドであって、その酸成分が、全体または部分的にテレフタル酸および/またはイソフタル酸および/またはスベリン酸および/またはセバシン酸および/またはアゼライン酸および/またはアジピン酸および/またはシクロヘキサンジカルボン酸からなり、そのジアミン成分が、全体または部分的にm-および/またはp-キシリレンジアミンおよび/またはヘキサメチレンジアミンおよび/または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび/または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび/またはイソホロンジアミンからなり、その組成は、原則、知られているものである。
特に好ましい部分結晶質ポリアミドは、ポリアミド-6およびポリアミド-6,6並びにそれらの混合物である。既知の生成物を、非晶質ポリアミドとして使用することができる。これらは、ジアミン、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、m-および/またはp-キシリレンジアミン、ビス-(4-アミノシクロへキシル)-メタン、ビス-(4-アミノシクロへキシル)-プロパン、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジシクロへキシルメタン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロへキシルアミン、2,5-および/または2,6-ビス-(アミノメチル)-ノルボルナンおよび/または1,4-ジアミノメチルシクロヘキサンと、ジカルボン酸、例えばシュウ酸、アジピン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチルアジピン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸との重縮合により得られる。
特に適当な非晶質ポリアミドは、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、およびさらなるジアミン、例えば4,4'-ジアミノジシクロへキシルメタン、イソホロンジアミン、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,5-および/または2,6-ビス-(アミノメチル)-ノルボルナンから、またはイソフタル酸、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタンおよびε-カプロラクタムから、またはイソフタル酸、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジシクロへキシルメタンおよびラウリンラクタムから、
またはテレフタル酸並びに2,2,4-および/または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物から製造されるポリアミドである。
70〜99モル%の4,4'-ジアミノ異性体
10〜30モル%の2,4'-ジアミノ異性体
0〜2モル%の2,2'-ジアミノ異性体、および
任意にふさわしく、工業品質のジアミノジフェニルメタンの水素化により得られる高縮合ジアミンから構成される位置異性体のジアミノジシクロヘキシルメタンの混合物も、使用することができる。30%までのイソフタル酸を、テレフタル酸により取り替えることができる。
ポリアミドは、好ましくは2.0〜5.0、特に好ましくは2.5〜4.0の相対粘度(1質量%のm-クレゾール溶液中25℃で測定)を有する。
)で混合することにより行われる。
従って本発明は、本発明の成形組成物の製造方法も提供し、その中で成分A)およびB)並びに任意にさらなる成分が混合され、高温、一般に150〜300℃の温度で配合され、押し出される。
最終加工を、市販の加工装置内で行うことができ、それは、例えば射出成形加工、プレート押出、任意にその後に熱成形、冷間成形、パイプおよびプロフィル断面の押出または圧延加工を含む。
本発明は、さらに、成形品を製造するための本発明の成形組成物の使用、および成形品自体を規定する。
安定性を、発熱反応が最大を示す温度(Tm)を示差走査熱分析(DSC)で測定することによって定めた。
全てのDSC測定を、Perkin-Elmer からの DSC-2-Kalorimeters(洗浄ガスとして酸素、酸素の流量60ml/分)を使用して行った。動的測定中の加熱速度は、20K/分で一定であった。
ポリマー I(ポリブタジエンラテックス59質量部の存在下におけるスチレン/アクリロニトリル=73:27の混合物41質量部の重合により得られたグラフトゴム)、
ポリマー II(乳化重合により製造されたポリブタジエン)、および
ポリマー III(対応するブタジエン/アクリロニトリル混合物の乳化重合により製造されたブタジエン/アクリロニトリル=64:36のポリマー)。
A)オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート(Ciba、バーゼル、スイスからの Irganox(商標) 1076)
B-1)次亜リン酸ナトリウム
B-2)亜リン酸ナトリウム
処理を、1%の水溶液の形態の硫酸マグネシウム/酢酸=1:1の混合物で凝集させ、水で洗浄し、40℃での真空中で乾燥させることにより行った。
以下の物質を、下で記載する試験を行う際に使用した:
グラフトゴムとして、第1グラフトゴムラテックス I(125nmの平均粒度d50を有するポリブタジエンラテックス50質量部の存在下におけるスチレン/アクリロニトリル混合物(73:27)50質量部の重合により得られた)および第2グラフトゴムラテックス II(345nmの平均粒度d50を有するポリブタジエンラテックス59質量部の存在下におけるスチレン/アクリロニトリル混合物(73:27)41質量部の重合により得られた)からなる混合物を使用した。グラフトゴム I 対グラフトゴム II の質量比は1:1であった。
A)オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート(Ciba、バーゼル、スイスからの Irganox(商標) 1076)
B)次亜リン酸ナトリウム
C)トリス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスフィット(Ciba、バーゼル、スイスからの Irgafos(商標) 168)
D-1)ジラウリルチオジプロピオネート(Ciba、バーゼル、スイスからの Irganox(商標) PS 800)
D-2)欧州特許第195 918号(EP-B 195 918)の実施例1により製造したラテックス形態で存在するスチレン、アクリロニトリルおよびt-ドデシルメルカプタンの硫黄含有ポリマー。
処理を、各場合に1%の水溶液の形態の硫酸マグネシウムおよび酢酸の1:1の混合物で沈殿させ、水で洗浄し、40℃での真空中で乾燥させることにより行った。
様々に安定化させたグラフトゴムの安定性を、茶色の変色が180℃で形成された時間を測定することにより定めた。
使用成分:
グラフトゴムA1:
第1グラフトゴムラテックス I(125nmの平均粒度d50を有するポリブタジエンラテックス50質量部の存在下におけるスチレン/アクリロニトリル=73:27の混合物50質量部の重合により得られた)および第2グラフトゴムラテックス II(345nmの平均粒度d50を有するポリブタジエンラテックス59質量部の存在下におけるスチレン/アクリロニトリル73:27の混合物41質量部の重合により得られた)の、グラフトゴム I 対グラフトゴム II の質量比1:1での混合物。水性分散液の形態の安定剤組合せK1を、処理前にグラフトゴムに添加した。
A1と同様のグラフトゴム。それにおいて水性分散液の形態の安定剤組合せK2を、処理前にグラフトゴムに添加した。
グラフトゴムA3:
A1と同様のグラフトゴム。それにおいて水性分散液の形態の安定剤組合せK3を、処理前にグラフトゴムに添加した。
グラフトゴムA4:
A1と同様のグラフトゴム。それにおいて水性分散液の形態の安定剤組合せK4を、処理前にグラフトゴムに添加した。
A1と同様のグラフトゴム。それにおいて水性分散液の形態の安定剤組合せK5を、処理前にグラフトゴムに添加した。
グラフトゴムA6:
A1と同様のグラフトゴム。それにおいて水性分散液の形態の安定剤組合せK6を、処理前にグラフトゴムに添加した。
グラフトゴムA7:
A1と同様のグラフトゴム。それにおいて水性分散液の形態の安定剤組合せK7を、処理前にグラフトゴムに添加した。
K1:0.75部のオクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート(Ciba、バーゼル、スイスからの Irganox(商標) 1076)、0.8部のトリス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスフィット(Ciba、バーゼル、スイスの Irgafos(商標) 168)、0.5部の次亜リン酸ナトリウム
K2:1.0部の Irganox(商標) 1076、0.8部の Irgafos(商標) 168、0.5部の次亜リン酸ナトリウム
K3:1.0部の Irganox(商標) 1076、0.8部の Irgafos(商標) 168
K5:0.75部の Irganox(商標) 1076、2.65部の欧州特許第195 918号(EP-B 195 918)の実施例1により製造したスチレン、アクリロニトリルおよびt-ドデシルメルカプタンのポリマー
K6:0.75部の Irganox(商標) 1076、0.6部の Irganox(商標) PS 800(Ciba、バーゼル、スイス)、0.5部の次亜リン酸ナトリウム
K7:0.75部の Irganox(商標) 1076、0.9部の Irganox(商標) PS 800
ラジカル溶液重合により得られたMw約85,000およびMw/Mn−1≦2を有するランダムスチレン/アクリロニトリルコポリマー(スチレン/アクリロニトリル質量比72:28)
上記のポリマー成分を、表3で示した割合で、2質量部のエチレンジアミンビスステアリルアミドおよび0.1質量部のシリコーンオイルと密閉式混練機内で混合し、造粒後に加工温度240℃での射出成形により試験体に加工する。
臭気挙動を、自動車内装に使用される物質の臭気挙動を測定するための1992年10月付けの Verbandes der Automobilindustrie e.V.(VDA)の推奨基準(臭い試験 VDA 270 C3、文書 Kraftfahrwesen e.V. (DKF), Ulrichstrasse 14, Bietigheim-Bissingen 参照)により評価した。
評点1:検出不可
評点2:検出可能、不快ではない
評点3:明らかに検出可能、しかしまだ不快ではない
評点4:不快
評点5:非常に不快
評点6:我慢できない
表3から、本発明の成形組成物は、向上した黄色度の値を有し、特に臭いがもはや不快であるとはみなされないような程度に向上した臭気挙動を示すことが明らかである。
Claims (25)
- a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤1〜99質量部、および
b)次亜リン酸(H3PO2)および亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩を含有する群から選ばれる少なくとも1種の水溶性無機リン化合物99〜1質量部
を含有する組合せ。 - 50質量部までの少なくとも1種の非水溶性有機リン含有安定化化合物を、さらに成分c)として含有する請求項1に記載の組合せ。
- 50質量部までの少なくとも1種の硫黄含有安定化化合物を、さらに成分d)として含有する請求項1または2に記載の組合せ。
- ポリマーを安定化させるための請求項1〜3のいずれかに記載の組合せの使用。
- ポリマーを安定化させる方法であって、
a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤1〜99質量部、および
b)次亜リン酸(H3PO2)および亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩を含有する群から選ばれる少なくとも1種の水溶性無機リン化合物99〜1質量部
を含有する組合せ、またはこの組合せの各成分を、一緒または個別に、水溶液若しくは水性分散液若しくは水性エマルションまたはこれら水性形態の組合せの形態で、水性エマルションまたは水性懸濁液中に存在するポリマー物質に添加することを特徴とする方法。 - ポリマー100質量部につき、a)およびb)を含有する組合せ0.1〜10質量部を、添加することを特徴とする請求項5に記載の方法。
- a)とb)との量が総計100質量部となる1〜99質量部のa)および99〜1質量部のb)を、添加することを特徴とする請求項5に記載の方法。
- オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネートを成分a)として添加し、次亜リン酸ナトリウムを成分b)として添加することを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 少なくとも1種の有機リン含有安定剤を、成分c)としてさらに添加することを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 少なくとも1種の硫黄含有安定剤を、成分d)としてさらに添加することを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 請求項5に記載の方法により得ることができる、安定化グラフトゴム物質。
- ポリマーとして、ABSポリマー、MBSポリマーおよびゴムポリマーを含有する群から選ばれる少なくとも1種のポリマーを含有する、請求項11に記載の安定化ポリマー物質。
- I)グラフトベースとしての、ガラス転移温度≦10℃を有する少なくとも1種のゴム、および
II)ゴムの存在下における少なくとも1種のビニルモノマーの重合により構築された少なくとも1種のグラフト殻
を含有する、請求項11に記載の安定化グラフトゴム物質。 - ゴム含有量が、I)および II)に対して10〜90質量%である請求項11に記載の安定化グラフトゴム物質。
- A)0℃未満のガラス転移温度を有し、ラテックス形態で存在する少なくとも1種のゴムの存在下における、少なくとも1種のビニルモノマーのラジカル乳化重合により製造されており、
a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤、および
b)水溶液または分散液の形態の次亜リン酸(H3PO2)または亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩から選ばれる少なくとも1種の水溶性リン化合物
の組合せが処理前に添加された、少なくとも1種のグラフトゴム、および
B)少なくとも1種の樹脂形成ビニルモノマーの重合により得られた、少なくとも1種の熱可塑性のゴム無含有ポリマー
を含有する熱可塑性成形組成物。 - A)ラテックス形態で存在する少なくとも1種のブタジエンゴムの存在下における、スチレンおよび/またはアクリロニトリルが、全体または部分的にα-メチルスチレン、メチルメタクリレートまたはN-フェニルマレイミドにより置き換えられていても良い、スチレンおよびアクリロニトリルの質量比90:10〜50:50でのラジカル乳化重合により製造されており、
a)少なくとも1つの立体障害フェノール基を有する少なくとも1種の酸化防止剤、および
b)水溶液または分散液の形態の次亜リン酸(H3PO2)または亜リン酸(H3PO3またはHPO2)の塩から選ばれる少なくとも1種の水溶性リン化合物
の組合せが処理前に添加された、少なくとも1種のグラフトゴム、および
B)スチレンおよび/またはアクリロニトリルが、全体または部分的にα-メチルスチレン、メチルメタクリレートまたはN-フェニルマレイミドにより置き換えられていても良い、スチレンおよびアクリロニトリルの質量比90:10〜50:50での重合により得られた、少なくとも1種の熱可塑性のゴム無含有ポリマー
を含有する、請求項15に記載の組成物。 - 成分A)を製造するためにスチレンおよびアクリロニトリルを、モノマーとして質量比90:10〜50:50で添加することを特徴とする請求項15に記載の成形組成物。
- 成分A)の割合が5〜95質量部であり、成分B)の割合が95〜5質量部であることを特徴とする請求項15に記載の成形組成物。
- 成分A)のゴムベースが、ポリブタジエンであることを特徴とする請求項15に記載の成形組成物。
- 酸化防止剤a)が、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネートであることを特徴とする請求項15に記載の成形組成物。
- 水溶性リン化合物b)が、次亜リン酸ナトリウムまたは亜リン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項15に記載の成形組成物。
- 芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステルカーボネート、ポリエステルおよびポリアミドを含有する群から選ばれる少なくとも1種のさらなるポリマーが、さらに存在することを特徴とする請求項15に記載の成形組成物。
- 成分A)およびB)並びに任意にさらなる成分を混合し、高温で配合するおよび押出すことを特徴とする請求項15に記載の成形組成物の製造方法。
- 成形品を製造するための、請求項15に記載の成形組成物の使用。
- 請求項15に記載の成形組成物から得ることができる成形品。
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