JP2005516938A - イソインジゴ、インジゴおよびインジルビンの誘導体、ならびに癌治療における使用 - Google Patents

イソインジゴ、インジゴおよびインジルビンの誘導体、ならびに癌治療における使用 Download PDF

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Abstract

NATURAと呼ばれる化合物(イソインジゴの誘導体)は、患者の一般的な健康を促進するのに有用であり、また癌を予防もしくは治療する上で特異的に有益である。この化合物と他の関連したイソインジゴ、インジゴ、およびインジルビン誘導体が、化合物の生物活性またはバイオアベイラビリティが増大するように設計されている。これらの誘導体を合成する方法も開示されている。さらに、治療学的に有効な量のこれら誘導体の少なくとも1種と医薬として許容されうるキャリヤーとを含む医薬組成物も開示されている。これらの医薬組成物と化合物を使用するための方法が開示されており、このとき固形腫瘍癌に罹患している動物に治療学的に有効な量が投与される。本発明の医薬組成物または化合物は、所望の治療もしくは結果が達成されるまで動物に投与することができる。

Description

発明の詳細な説明
技術分野
本発明は、イソインジゴ、インジゴおよびインジルビンの誘導体である新規で有用な化合物、ならびに対象物における固形腫瘍癌(solid tumor cancer)を治療する上で前記化合物を使用することに関する。本発明はさらに、有用な誘導体を合成する方法に関する。
背景
疫学、治療技術、および早期診断の達成可能性が進歩向上したことから、ここ10年の間に米国において癌の予防・治療法が著しく改良された。けれども種々の癌(例えば肺癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、およびその他の癌)に対する治療法を見いだすことは依然として大きな課題である。しかしながら、癌治療のための現在のアプローチは依然として、寿命を延ばすこと又は生活の質の向上に限定されている。さらに、最も有意義であるとされる療法でも重大な副作用を生じる。したがって、副作用のより少ないより有効な治療剤を見いだすことが是非とも必要なことである。
腫瘍細胞は、細胞周期機構を有する細胞外信号の統合と調整がなされなくなることによる制御不良の細胞増殖を起こすことを特徴とする。典型的な細胞周期はG1期、S期、G2期およびM期に分類され[1−3]、これについては図2に示されている。哺乳類細胞では、増殖は細胞周期のG1期において制御されている。細胞は、制限点において、異なった運命を有することがある。これらの細胞運命の例としては、1)細胞周期を去って、可逆性の静止相に入る;2)細胞周期を出て、アポトーシスを受ける;3)分化して、不可逆的に細胞周期から出る;および4)制限点を通過し、細胞外信号とはほとんど無関係となり、引き続いた細胞周期(S、G2、M)を介して次のG1期に自動的に進展する;などがある。種々のタンパク質が順に、細胞周期を介しての細胞の調節された進展に関わっている。細胞周期機構の重要な成分は、サイクリン、サイクリン依存性キナーゼ(cyclin−dependent kinases:CDKs)、およびそれらの阻害剤である。サイクリンは多様性著しいタンパク質のファミリーであり、細胞周期におけるG1期の中間期/末期(mid/late)からM期まで合成され、次いで急速に分解される。CDKは、一般には、300アミノ酸で構成される触媒作用ドメインを含有しており、それ自身は不活性である。Cdkは、サイクリンに結合することによって活性になる。cdkの活性は、それらの内在性阻害剤(cdk阻害剤、あるいはp15/p16/p18/p19およびp21/p27を含むcdkI)によって阻害される。細胞周期の特定の段階において特定のサイクリン/CDK複合体が形成され、S期と有糸分裂を介して細胞周期を進展させるにはそれらの活性が必要とされる。
CDKの過剰な活性化は、大半のヒト腫瘍細胞が示す特徴である。触媒作用のあるCDKサブユニットを直接標的にするか、あるいはCDK調節経路に間接的に影響を与えるかのいずれかによる治療的介入ができるよう、CDK活性を調節する方策が開発されてきた[3]。小分子のCDK阻害剤を設計・作製して、CDKのATP結合部位〔例えば、フラボピリドール類(flavopiridol congeners)、ポリサルフェート、トヨカマイシン誘導体等〕と特異的に相互作用させた。それらの薬剤に対する臨床試験において抗癌作用が示された。CDKのリン酸化を調節するか又はCDKもしくはそれらの阻害剤(CKDIs)の発現を変えることにより、CDK活性の調節を達成することができる。他の細胞周期成分の作用を妨害せず、且つ正常細胞に影響を及ぼさないような特定のモジュレーターを見いだすのは困難である。
したがって、製造が容易であって、癌の治療において非常に効率的であるが、正常細胞に対しては極めてわずかしか毒性を及ぼさない化合物が必要とされている。
中国産ハーブの多くは強力な抗癌性化学成分を含有する。例えば、Camptotheca acuminata (camptothecin),Cephalotaxus sp.(homoharringtonine/harringtonine)等の幾つかの中国産植物は、かなり高い抗腫瘍活性を有する化合物をもたらした[6]。PC−SPES(前立腺癌を治療するための、8種のハーブからの抽出物からなる混合物)が強力な抗アンドロゲン活性を有することが実証された[7]。Huanglian(中国産ハーブ抽出物)が、ヒト癌細胞においてサイクリンB1の発現を抑制し、且つCDC2キナーゼ活性を阻害することによって細胞増殖を抑える、ということが最近示された[8]。さらに、中国産ハーブ製品の多くが癌の化学的予防において重要な役割を果たすことが実証された。
最近の研究によれば、抗癌性の中国産ハーブであるQing Daiから得られるインジルビン分子がサイクリン依存性キナーゼを調節することで抗癌活性を示す、ということが実証されている[9]。
我々はこれまでの研究において、メイソインジゴ(meisoindigo)(インジルビンの第二世代)がG1期で白血病細胞を捕捉し、腫瘍遺伝子c−mybの発現を抑制し、そして低濃度(低毒性)にて細胞の分化と成熟を誘導し、このとき細胞生存性を減少させることなく細胞増殖が完全に抑制される、ということを示した[10,11]。最近の研究によれば、サイクリン依存性キナーゼの触媒作用部位に結合すべくインジルビンがATPと競争することによってインジルビンがサイクリン依存性キナーゼ(cdks)を選択的に阻害する、ということが示されている(図2) [12]。
発明の概要
本発明は、動物の癌を治療するのに使用できるイソインジゴ、インジゴ、およびインジルビンの新規誘導体を提供する。これらの新規化合物は毒性と副作用が極めて少なく、実質的な値の化学療法インデックスを有する。これら新規化合物によって種々の癌の治療が可能となり、患者が受ける副作用は極めて少ない。これら新規化合物はさらに、構造が単純で安定な化学分子であり、製造と投与が実質的に容易である。
本発明の利点の一つは、本発明の新規化合物が、従来技術の分子と比較して増大した溶解性とバイオアベイラビリティを有しており、したがって癌の治療に対してはより適している、という点である。
本発明は、それぞれ式(I)、(II)、および(III)
Figure 2005516938
Figure 2005516938
Figure 2005516938
で示される、イソインジゴ、インジゴ、およびインジルビンの誘導体である特定の新規化合物群に関する。上記式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10は独立的に、水素、単糖類、二糖類、ハロゲン、ヒドロカルビル基、あるいは1つ以上のヒドロキシ部分、カルボキシ部分、ニトロキシ部分、単糖類、二糖類、アミン、アミド、チオール、サルフェート、スルホネート、スルホンアミド、もしくはハロゲンで置換されているか又は非置換の官能性ヒドロカルビル基であって、このとき前記ヒドロカルビルは1〜12個の炭素原子を有する。
好ましい実施態様はR1またはR2が単糖類である場合の実施態様であり、一般には、単糖類がアセチル化されているのが好ましい。
本発明の特に好ましい実施態様は下記の式(IV)で示される化合物(本明細書中ではNATURAと呼ぶ)である。
Figure 2005516938
本発明はさらに、本発明によってもたらされるインジゴ、イソインジゴ、およびインジルビンの新規誘導体を治療学的に有効な量にて動物に投与することを含む、固形腫瘍癌および白血病の治療方法を提供する。投与する化合物は、式(IV)または下式(V)
Figure 2005516938
の化学構造を有するのが好ましい。
一般には、治療される固形腫瘍癌は、結腸癌、ホルモン依存性またはホルモン非依存性の前立腺癌、乳癌、または肺癌である。治療される固形腫瘍癌は、ホルモン依存性またはホルモン非依存性の前立腺癌であるのが好ましい。
有利なことに、本発明の化合物は追加の治療剤と組み合わせて投与することができる。一般には、こうした治療剤としては、放射線治療剤、ホルモン治療剤、免疫治療剤、化学治療剤、凍結治療剤、または遺伝子治療剤等がある。最適の結果が得られるよう、カソデックス(Casodex)またはプロスカー(Proscar)として知られている薬剤の少なくとも1種を本発明の化合物と組み合わせて投与するのが好ましい。
本発明はさらに、ほぼ等モル量の2−ヒドロキシインドールとN−メチル−インドリニル−ジケトンとを合わせて反応物質を得ること;得られた反応物質と過剰量の氷酢酸(すなわち、約1モルの反応物質に対して約2.0リットルの氷酢酸)とを混合して混合物を作製すること;本混合物を70〜80℃にて1〜3時間加熱して沈殿物を形成させること;そして沈殿物をメイソインジゴ化合物として回収することによるメイソインジゴ化合物の合成法も提供する。
沈殿物は、少なくとも氷酢酸、水またはエタノールで洗浄するのが好ましい。
本発明はさらに、治療学的に有効な量の本発明の化合物と医薬として許容されうるキャリヤーとを含む、動物の癌または疾病を治療するのに使用できる医薬用配合物も提供する。
好ましい実施態様の詳細な記述
本発明は、動物の癌や他の疾病を治療するのに使用することができ、そしてさらに、活性を阻害する(この点は、アルツハイマー病、乾癬、心臓血管疾患、および糸球体腎炎等のヒトが罹る他の障害を治療する上で有用である)のに使用することができるイソインジゴ、インジゴおよびインジルビンの誘導体に関する。下記に示す例は、単に本発明の異なった実施態様を明示すべく挙げただけであり、これらによって本発明の範囲が限定されることは決してない。
本発明は、それぞれ式(I)、(II)、および(III)
Figure 2005516938
Figure 2005516938
Figure 2005516938
で示されるイソインジゴ誘導体、インジゴ誘導体、およびインジルビン誘導体である特定の化合物群に関する。上記式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10は独立的に、水素、単糖類、二糖類、ハロゲン、ヒドロカルビル基、あるいは1つ以上のヒドロキシ部分、カルボキシ部分、ニトロキシ部分、単糖類、二糖類、アミン、アミド、チオール、サルフェート、スルホネート、スルホンアミド、もしくはハロゲンで置換されているか又は非置換の官能性ヒドロカルビル基であって、このとき前記ヒドロカルビルは1〜12個の炭素原子を有する。
好ましい化合物は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10のうちの少なくとも1つが独立的に、単糖類、二糖類、またはヒドロカルビル基、あるいは1つ以上のヒドロキシ部分、カルボキシ部分、ニトロキシ部分、単糖類、二糖類、アミン、アミド、チオール、もしくはハロゲンで置換された官能性ヒドロカルビル基であって、前記ヒドロカルビルが1〜8個の炭素原子を有し、そしてR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10の少なくとも1つが、化合物の生物活性またはバイオアベイラビリティを増大させる(例えば、ATPのリボース基を模倣し、これによって化合物の生物活性を高める)、というような化合物である。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10が、ATPの構造をより厳密に模倣することによって、または化合物の溶解性を増大させることによって化合物の生物活性またはバイオアベイラビリティを高めるのが好ましい。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10のうちの1つ以上によって生物活性とバイオアベイラビリティの双方が向上するのがより好ましい。
さらなる好ましい化合物は、R1またはR2が、単糖類、二糖類、またはヒドロカルビル基、あるいは1つ以上のヒドロキシ部分、カルボキシ部分、ニトロキシ部分、単糖類、二糖類、アミン、アミド、チオール、サルフェート、スルホネート、スルホンアミド、もしくはハロゲンで置換された官能性ヒドロカルビル基であるような化合物であり、このとき前記ヒドロカルビルが1〜8個の炭素原子を有していて、前記官能性ヒドロカルビルが、1〜8個の炭素原子とそれぞれ2つの炭素原子に対して1つのヒドロキシル基を有するのが好ましい。多くの場合、R1またはR2の一方が上記にて列挙した部分の1つでありさえすればよく、好ましい置換基の1つは−CH2CH2OHである。
単糖類または二糖類はアセチル化されているのが好ましい。式(I)、(II)および(III)の好ましい化合物は、R1またはR2がアセチル化単糖類であるような化合物である。アセチル化単糖類R1またはR2は、いかなる単糖類であってもよいが、好ましいのはアセチル化グルコース、アセチル化フルクトース、アセチル化リブロース、アセチル化ガラクトース、アセチル化マンノース、アセチル化セロビオース、アセチル化アロース、アセチル化アルトロース、アセチル化リボース、アセチル化キシロース、またはアセチル化アラビノースであり、さらに好ましいのはアセチル化キシロース、アセチル化グルコース、アセチル化アラビノース、アセチル化マンノース、またはアセチル化リボースである。単糖類は、1〜8個のアセチル基を有するのが好ましく、2〜4個のアセチル基を有するのがさらに好ましい。
本発明の最も好ましい化合物の1つはNATURAであり、式(IV)に記載の化学構造を有する。
Figure 2005516938
他の極めて好ましい本発明の化合物は、アセチル化キシロース分子が、異なったアセチル化単糖類(好ましいのは、アセチル化グルコース、アセチル化リボース、アセチル化マンノース、またはアセチル化アラビノース)で置き換えられている場合のNATURA誘導体である。後述の実施例6において、発明者らは、NATURAとその誘導体について活性増大の結果が得られたことを説明している。これらの結果に基づき、単糖類をアセチル化すると、そのバイオアベイラビリティを増大させることによって、NATURAとその誘導体の活性が大幅に高まるものと考察される。アセチル化されていない糖基を有するNATURA誘導体は、アセチル化された糖基を有する誘導体と比較してLNCaP細胞に対する活性がはるかに低かった。分子のバイオアベイラビリティを決定する1つのファクターは、それが細胞膜を通過できるかどうかという点である。細胞膜を通しての拡散は、油/水(o/w)比によって決定される。極性が高すぎるか(水溶性)又は低すぎる(油溶性)場合、分子は、単純拡散によって細胞膜を通過するのが益々困難になるであろう。NATURAとアセチル化NATURA誘導体は、非アセチル化誘導体と比較して極性が低下しており、このことがそれらの膜拡散能とバイオアベイラビリティを向上させる。
驚くべきことに、本発明の化合物(特に、NATURAとその誘導体)は、結腸癌、ホルモン依存性もしくはホルモン非依存性の前立腺癌、乳癌、または肺癌等の固形腫瘍癌を治療する上で極めて有効であることが見いだされた。治療される固形腫瘍癌は、ホルモン依存性もしくはホルモン非依存性の前立腺癌であるのが好ましい。
固形腫瘍癌に罹患している動物に投与する化合物は、式(IV)または
Figure 2005516938
の化学構造を有する化合物であるのが好ましい。
以下の記載は全てを包含することを意図しているのではなく、単に例証のためのものである。本発明の文脈および上記式中における“ヒドロカルビル”とは、一価の炭化水素基を広く表わしており、当該原子価は、炭素原子から水素原子を取り去ることによってもたらされる。ヒドロカルビルとしては、例えば、脂肪族基(直鎖および分岐鎖)、脂環式基、芳香族基、および混合特性基(例えば、アラルキルやアルカリール)等がある。ヒドロカルビルはさらに、内部不飽和結合(internal unsaturation)や活性化不飽和結合(activated unsaturation)を有する基も含む。より具体的に言えば、ヒドロカルビルとしては、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニル(最大で12個までの炭素原子を有するのが好ましい)があるが、これらに限定されない。好ましい実施態様においては、ヒドロカルビル基が1〜8個の炭素原子を有する。これらのヒドロカルビル基や他のヒドロカルビル基は、鎖中または環中に1つ以上のカルボニル基(カルボニル基の炭素は炭素の計数に含める)および/または1つ以上のヘテロ原子(例えば、少なくとも1つの酸素、イオウ、窒素、またはケイ素)を必要に応じて含有してもよい。
本発明の文脈および上記式中における“官能性ヒドロカルビル”とは、ペンダントおよび/または末端で“反応性”および/または“潜在的反応性”の官能基および/または離脱基を広く表わしている。“反応性官能基(reactive functionality)”とは、関連業界の当業者が充分に理解している通常の条件下にて、一般的なモノマー/ポリマー官能基に対して反応性のある官能基を表わしている。反応性官能基の例としては、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、チオ、アミド、カルバモイル、および活性メチレン等の活性水素含有基;イソシアナト;シアノ;エポキシ;アリルやメタリル等のエチレン性不飽和基;ならびにアクリロイルやメタクリロイル、およびマレエートやマレイミド(これらの物質とブタジエン等のジエンとのディールス・アルダー付加物を含む)等の活性不飽和基;を挙げることができる。本発明の文脈における“潜在的反応性官能基”(関連業界の当業者であれば明確に理解しているが)とは、早すぎる反応を防ぐためにブロックまたはマスクされている反応性官能基を表わしている。潜在的反応性官能基の例としては、ケチミンとアルジミン(それぞれケトンとアルデヒドでブロックされたアミン);アミン−カルボキシレート塩;およびブロックイソシアネート〔例えば、アルコールブロック変性体(カルバメート)、オキシムブロック変性体、およびカプロラクタムブロック変性体など〕;を挙げることができる。本発明の文脈における“離脱”基(関連業界の当業者であれば明確に理解しているが)は、ヒドロカルビル鎖またはヒドロカルビル環に結合している置換基であって、反応時に置き換えられて、ヒドロカルビル鎖もしくはヒドロカルビル環中の炭素原子またはヘテロ原子上に原子価を生じる。離脱基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、およびヨウ素);第四級アンモニウム塩;スルホニウム塩;およびスルホン酸塩;を挙げることができる。
本発明の単糖類または二糖類は、グルコース、フルクトース、リブロース、ガラクトース、マンノース、セロビオース、アロース、アルトロース、リボース、キシロース、アラビノース、スクロース、またはラクトースであるのが好ましい。D−グルコース、D−リボース、D−ガラクトース、D−ラクトース、またはD−スクロースを使用するのが好ましい。単糖類または二糖類はアセチル化するのが有利である。
“ハロゲン”という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を示す。好ましいハロゲンはフッ素または塩素である。
本明細書中にて使用している“アミノ酸”は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリンからなる群から選択されるL−アミノ酸またはD−アミノ酸(あるいはそれらの残基)を意味しており、好ましいのはL−アミノ酸である。“ペプチド”は、2つ以上のアミノ酸がペプチド結合によって結合した物質であり、2〜8個のアミノ酸を含有するのが好ましく、2〜6個のアミノ酸を含有するのがさらに好ましい。
本発明はさらに、治療学的に有効な量の前述の化合物を動物に投与することを含む、癌に罹患している動物を治療するための方法を提供する。本発明は癌を予防するのにも使用することができる。本明細書中に開示の化合物は、化学的予防という点においてある役割を果たす。本発明の化合物を使用し、これをcdk阻害剤〔癌が進行(発癌現象の第2段階)するのを妨げ、したがって癌の発生を抑える〕として作用させることによって癌を防止することができる。
本発明は癌に罹患した動物に使用することができ、このとき前記動物が哺乳類であるのが好ましく、ヒトであるのがさらに好ましい。さらに、本発明を使用していかなるタイプの癌も治療できると考えられ、結腸癌、ホルモン依存性およびホルモン非依存性の前立腺癌、乳癌、および白血病に対する有効性を実証するためのデータが本明細書中に与えられている。しかしながら、治療される癌は固形腫瘍癌であるのが好ましい。
ここで理解しておかなければならないことは、少なくとも2種、3種、またはそれ以上の本発明の化合物を同時的または逐次的に投与することによって治療上の利点を達成することができる、という点である。さらに、本発明の化合物と他の治療剤とを組み合わせて、組み合わせによる治療学的有効量を得ることもできる。本発明の化合物は、例えば、放射線治療剤、ホルモン治療剤、免疫治療剤、化学治療剤、凍結治療剤、および遺伝子治療剤からなる群から選択される追加の薬剤と組み合わせて投与することができる。CasodexまたはProscarを本発明の化合物と組み合わせて投与するのが好ましい。
本発明はさらに、ほぼ等モル量の2−ヒドロキシインドールとN−メチル−インドリニル−ジケトンとを合わせて反応物質を得ること;前記反応物質と約1モルの反応物質に対して約2.0リットルの氷酢酸とを混合して混合物を作製すること;および前記混合物を約70〜80℃で1〜3時間加熱して沈殿物を形成させること;を含むメイソインジゴの合成法を提供する。
該沈殿物を、少なくとも氷酢酸、水、またはエタノールで洗浄するのが好ましい。
本発明はさらに、治療学的に有効な量の、イソインジゴもしくはインジルビンの誘導体または前記誘導体の組み合わせ物と、医薬として許容されうるキャリヤーとを含む、動物の癌を治療するための医薬組成物を提供する。医薬組成物は、前述の選定される投与経路に適合した種々の形態をとることができる。
当業者であれば、式I、II、およびIIIによって包含される本発明の化合物を含んだ、医薬として許容されうる無毒性組成物を調製するのに使用できる種々の製造法がわかるであろう。当業者であれば、本発明の化合物の溶媒和物を調製するのに使用できる、医薬として許容されうる種々の無毒性溶媒(例えば、水、エタノール、鉱油、植物油、およびジメチルスルホキシド等)がわかるであろう。
一般式I、II、およびIIIの化合物は、医薬として許容されうる従来の無毒性のキャリヤー、アジュバント、およびビヒクルを含有する単位剤形(dosage unit formulation)の形態で、経口投与、局所投与、非経口投与、吸入投与、噴霧投与、または直腸投与することができる。さらに、言うまでもないことであるが、最良の投与法は幾つかの投与法の組み合わせであることがある。丸剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤、甘味入り錠剤、またはトローチ剤等の形態での経口投与が特に好ましい。本明細書で使用している“非経口”という用語は、皮下注射、皮内注射、血管内注射(例えば静脈内注射)、筋肉内注射、脊髄注射、くも膜下注射、もしくはこれらに類似した注射、または輸液法を含む。さらに、一般式I、IIおよびIIIの化合物と、医薬として許容されうるキャリヤーとを含んだ医薬製剤が提供される。一般式I、IIおよびIIIの1種以上の化合物は、医薬として許容されうる無毒性の、1種以上のキャリヤーおよび/または希釈剤および/またはアジュバント(および必要に応じて他の活性成分)と関連して存在してよい。一般式I、IIおよびIIIの化合物を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形態をとってよい(例えば、錠剤、トローチ剤、甘味入り錠剤、水性もしくは油性の懸濁液、分散性の粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、シロップ剤、またはエリキシル剤)。
経口用として意図された組成物は、医薬組成物の製造に関して当業界に公知のいかなる方法に従っても製造することができ、このような組成物は、医薬としてすっきりしていて味の良い製剤が得られるよう、甘味剤、風味剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含有してよい。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適した医薬として許容されうる無毒性の賦形剤と混合した状態で含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム等);造粒・崩壊剤(例えば、コーンスターチやアルギン酸等);結合剤(例えば、スターチ、ゼラチン、またはアラビアゴム等);および滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク等);であってよい。錠剤は、コーティングされていなくてもよいし、あるいは胃腸管での崩壊と吸収を遅延し、これによって長期間にわたって作用を持続させるために、公知の方法によってコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルやジステアリン酸グリセリル等の時間遅延物質を使用することができる。
経口用途用の製剤は、活性成分と不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリン)とを混合して得られる硬ゼラチンカプセルとして提供することもできるし、あるいは、活性成分と水もしくは油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィン、またはオリーブ油)とを混合して得られる軟ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
水性懸濁液は、活性物質を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した状態で含有する。このような賦形剤は懸濁剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴム)であり、分散剤または湿潤剤が、天然由来のホスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えばポリエチレンソルビタンモノオレエート)であってよい。水性懸濁液はさらに、1種以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルやp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)、1種以上の着色剤、1種以上の風味剤、および1種以上の甘味剤(例えば、スクロースやサッカリン)を含有してもよい。 活性成分を植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油)中または鉱油(例えば流動パラフィン)中に懸濁させることにより油性懸濁液を製剤することができる。油性懸濁液は増粘剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコール)を含有してよい。上記したような甘味剤と風味剤を加えて、味の良い経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸等の酸化防止剤を加えることにより保存することができる。
水を加えることによって水性懸濁液を調製するのに適した分散性の粉末と顆粒は、活性成分を、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁剤、および1種以上の保存剤との混合状態にて提供する。適切な分散剤もしくは湿潤剤と懸濁剤の代表的な例は、既に前述したとおりである。さらなる賦形剤(例えば、甘味剤、風味剤、および着色剤)が存在してもよい。
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油性相は、植物油(例えば、オリーブ油またはラッカセイ油)であっても、鉱物油(例えば流動パラフィン)であっても、あるいはこれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、天然に産出するゴム(例えば、アラビアゴムやトラガカントゴム)、天然に産出するホスファチド(例えば、大豆やレシチン)、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されるエステルもしくは部分エステル(例えばモノオレイン酸ソルビタン)、および前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であってよい。エマルジョンはさらに、甘味剤と風味剤を含有してもよい。
シロップ剤やエリキシル剤を甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロース)と共に製剤することができる。このような製剤はさらに、粘滑剤、保存剤、風味剤、および着色剤を含有してもよい。本発明の医薬組成物は、無菌の注射用水性懸濁液もしくは注射用油性懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、前述した適切な分散剤もしくは湿潤剤と懸濁剤とを使用する公知の技術に従って製剤することができる。無菌注射用製剤は、非経口投与用として許容されうる無毒性の希釈剤もしくは溶媒中に混合して得られる無菌の注射用溶液(例えば1,3−ブタンジオール溶液)または注射用懸濁液であってよい。使用することができて、許容されうるビヒクルおよび溶媒としては、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、従来のように、無菌の不揮発性油を溶媒または懸濁化媒体として使用する。この目的に適うためには、合成モリグリセリドもしくは合成ジグリセリドを含めた、無菌のいかなる不揮発性油も使用することができる。さらに、オレイン酸等の脂肪酸も、注射用製剤の調製において使用することができる。
一般式I、II、およびIIIの化合物はさらに、座剤の形態で(例えば、薬物の直腸投与用として)投与することもできる。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸の温度では液体となり、したがって直腸において融解して薬物を放出する、というような適切な非刺激性賦形剤と、薬物とを混合することによって製造することができる。このような物質としては、カカオ脂とポリエチレングリコールがある。
一般式I、II、およびIIIの化合物は、無菌媒体を使用して非経口投与することができる。使用するビヒクルの種類と濃度に応じて、薬物をビヒクル中に懸濁させることもできるし、あるいは溶解させることもできる。有利なことに、局所麻酔剤、保存剤、および緩衝剤等のアジュバントをビヒクル中に溶解させることができる。
ヒト以外の動物への投与に対しては、本発明の化合物もしくは本発明の化合物を含有する組成物を動物の餌または飲用水に加えることができる。さらに、動物の餌や飲用水の製品を、動物が規定食中の本発明の化合物を適切な量にて摂取するように配合するのが好都合である。さらに、本発明の化合物を含んだ組成物を、餌や飲用水に加えるためのプレミックスとして提供するのが好都合である。
前述の疾病の治療に対しては、一日当たり体重1kg当たり約0.01mg〜約140mgのオーダーの投与量が有用である(一日当たり患者一人当たり約0.5mg〜約7g)。しかしながら、ヒトに投与する場合、投与量は一日当たり約10mg〜500mgであるのが好ましい。キャリヤー物質と組み合わせて単一剤形を得ることのできる活性成分の量は、処置しようとするホストおよび投与方式の種類に応じて変わる。単位剤形は一般に、約1mg〜約500mgの活性成分を含有する。
投与頻度も、使用する化合物の種類と治療しようとする疾患の種類に応じて変わってよい。しかしながら、ほとんどの障害の治療に対しては、一日当たり4回またはそれ未満の投与計画が好ましい。しかしながら、言うまでもないことであるが、ある特定の患者に対する特定の投与量は、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、規定食、投与時間、投与経路、排泄率、薬の組み合わせ、および治療を受ける特定の疾患の程度、を含む種々のファクターに依存する。
本発明の好ましい化合物は、経口バイオアベイラビリティ、低毒性、低い血清タンパク質結合、および望ましいインビトロ半減期とインビボ半減期(これらに限定されない)を含めた望ましい薬理学的特性を有する。使用する化合物によりCNS障害が治療されるためには血液脳関門を通過することが必要であるが、末梢性の障害を治療するのに使用する化合物の脳レベルは低いことが好ましい場合が多い。
アッセイを使用して、これらの望ましい薬理学的特性を予測することができる。バイオアベイラビリティを予測するのに使用するアッセイは、Caco−2細胞単層を含めたヒトの腸の細胞単層を横切る移送を含む。培養肝細胞に対する毒性を使用して、化合物の毒性を予測することが使用できる。ヒトにおける、ある化合物の血液脳関門通過は、静脈注射によって該化合物を受け取る実験動物の脳レベルから予測することができる。
血清タンパク結合は、アルブミン結合アッセイから予測することができる。このようなアッセイについては、Oravcovaらによる総説(Journal of Chromatography B(1996)volume 677,p.1−27)に記載されている。
化合物の半減期は、化合物の投与頻度に反比例する。インビトロでの化合物の半減期は、KuhnzとGieschenによって説明されているミクロソームの半減期のアッセイから予測することができる(Drug Metabolism and Disposition, (1998) volume 26, pages 1120−1127)。
理解しておかなければならないのは、これまで説明してきた本発明の好ましい実施態様およびそれらの変形は、特許請求の範囲に記載の本発明の精神または範囲を逸脱することなく実施することができる、という点である。本発明として見なされる主題を具体的に指摘し、これを明確に特許請求するために、下記に記載の特許請求の範囲によって本明細書を結論づける。
治療において使用するのに必要とされる組成物の量は、選択される化合物の種類だけでなく、投与経路、治療しようとする疾病の特質、年齢、および患者の症状によっても変わり、最終的には担当の医師または臨床医の裁量による。
(実施例)
式I〜Vの化合物の例および癌を治療するために前記化合物を使用することを、以下に記載の実施例において説明する。
多くのインジルビン誘導体を設計し、それらの抗癌活性をスクリーニングした。スクリーニングした誘導体の中では、1−(β−D−O−トリアセチル−キシロピラノシル)−イソインジゴ〔化学式C272429(NATURA,図1の化学構造を参照)〕が白血病だけでなく種々のヒト癌細胞に対して最も活性であり、毒性の影響もより少ない、ということが見出された。
試薬: メイソインジゴならびにNATURAと他の糖誘導体をNatrogenにより合成し、PHLCによって純度98.5%に精製し、質量スペクトル、赤外線スペクトル、および核磁気共鳴スペクトルによって構造を確認した。NATURAは赤味がかった結晶性粉末であって、無味無臭である。NATURAはジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶であり、エタノール、アセトン、クロロホルムに僅かに溶け、水にはほとんど溶解しない。レチノイド酸、ダウノマイシン、およびパクリタキセルはシグマケミカル社(ミズーリ州セントルイス)から、カソデックスとプロスカーは市販の丸剤から入手し、それらのラベルに従って等量を算出した。cdk2(cdc−2)、cdk4/6、PKC、およびERK2に対する抗体とウエスタンブロット用の二次抗体をサンタクルス・バイオテクノロジー社(Santa Cruz Biotechnology Inc.)から購入し、サイクリンD1に対する抗体をDAKOから購入した。タンパク質アガロースA+Gはオンコジーン社(Oncogene)から提供された。(−[32P]−ATPは、パーキンエルマー・サイエンティフィック社(PerkinElmer Scientific Inc.)から購入した。ウエスタンブロット検出キットは、アマーシャム社(Amersham)から提供された。SDS−PAGEとDNAのアガロース電気泳動のための試薬はバイオ・ラッド社(Bio−Rad, Inc.)から購入し、その他の化学薬品はシグマから購入した。
細胞培養: 乳房のヒト癌細胞株(MCF−7およびSKBR−3)、結腸のヒト癌細胞株(LOVOおよびDLD−1)、前立腺のヒト癌細胞株(LNCaP,DU 145およびPC−3)、神経芽細胞腫(N2A)、およびヒト上皮細胞株(HUVEC)は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(メリーランド州ロックビル)から購入した。これらの細胞は、メーカーの取扱説明種にしたがって保持した。
Walker256に対する抗癌活性: 体重50〜55gのウィスターラット(Wister rats)を幾つかのグループにランダム分けた(それぞれ10匹)。約2×106個のウォーカー(Walker)肉腫細胞をウィスターラットに移植した。移植から24時間後に、等モル用量(0.384mM/kg)のNATURAまたは他の糖誘導体を10日間にわたって経口投与した。対照標準グループのラットに、処置されたグループと同じ期間にわたって0.1mlの生理食塩水(薬物のビヒクル、ネガティブコントロール)を与えた。最後の投与から24時間後に、動物を致死させ、腫瘍を取り除き、重量を測定した。
サイクリン依存性キナーゼの活性に関するアッセイ: HUVEC細胞とLNCaP細胞を、それぞれ10%のFBSを含有するEMB(内皮細胞基礎培地)およびRPMI1640中にて培養した。指数関数的に増殖した細胞を、指定した濃度のメイソインジゴまたはNATURAに24時間曝露した。細胞を収穫し、洗浄し、細胞から全タンパク質を前述したように抽出した[13]。cdk2、cdk4/6、PKC、ERK2、またはサイクリンD1に対する抗体を使用し、プロテアーゼ阻害剤のカクテルの存在下にて4℃で一晩、100μgのタンパク質を免疫沈降させた。免疫沈降物をタンパク質抽出緩衝液で4回、およびキナーゼアッセイ緩衝液で1回洗浄し、[(−32P]−ATP(2.5μCi/10μM)の存在下にて75μg/mlのヒストンH1と反応させた。リン酸化ヒストンH1(cdk活性を示す)を、シンチレーション計数によって、あるいはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって測定した[14,15]。さらに、メイソインジゴとNATURAの直接的な阻害効果を、未処理の細胞からの免疫沈降させた特定の酵素とメイソインジゴまたはNATURAとを直接反応させることによって測定した。
この薬剤は、サイクリンDで媒介されるCDK活性、ならびに乳癌細胞株、前立腺癌細胞株、結腸癌細胞株、および肺癌細胞株を含めた種々のタイプのヒト癌細胞の細胞増殖を強く抑制する、ということが観察された(IC50は1.5〜9.0μM)。メイソインジゴとNATURAはどちらも、マウスにおけるLD50に関して極めて低い毒性を示す。下記の試験データによれば、同一実験条件下でのシスプラチンの15.9±1.3 mg/kgという値と比較して、メイソインジゴに関しては3.9±0.8 g/kgであり、NATURAに関しては7.33±1.15 g/kgである。
より高い濃度では、メイソインジゴは、G2+M期における腫瘍細胞を第2のチェックポイントにてブロックし、これによって、周期のより早い段階にて処置から漏れる当該癌細胞の標的化が可能になる、ということが見出された。メイソインジゴは、低い濃度では、サイクリンDで媒介されるcdk活性を阻害し、より高い濃度においては、サイクリンAおよび/またはサイクリンBで媒介されるcdk活性を阻害し、アポトーシスを引き起こす(図8を参照)。
図2は、NATURAの抗癌メカニズムのモデルを示す。一般的な細胞周期はG1期、S期、G2期、およびM期に分類される。制限点(R)において、細胞は異なった運命をたどることがある:1)細胞周期から外れ、可逆性の静止期(G0期)に入る;2)細胞周期から出て、アポトーシスを受ける;3)分化し、不可逆的に細胞周期から出る;および4)制限点を通過し、細胞外シグナルとはほとんど無関係となり、その後の細胞周期期(S、G2、M)を経て次のG1期に自動的に進行する。したがって、種々のタンパク質が、細胞周期を通じての細胞の進行調整の原因となる。細胞周期機構の重要な成分は、サイクリン(Dサイクリン、サイクリンA、サイクリンB、およびサイクリンE)、サイクリン依存性キナーゼ(CDKs、cdk4/6、cdk2、およびcdc2)、およびそれらの阻害剤(p15/p16/p18/19,p21/p27)である。メイソインジゴおよびNATURAは、cdk4/6、cdk2、およびcdc2の活性を特異的に阻害し、したがって細胞増殖を妨げるように作用する。それらの化合物はさらに、細胞生存性やプロモーターアポトーシス(promoter apotosis)に影響を及ぼすことなく細胞の分化と成熟を引き起こすことが示された。−は活性を阻害し、+は活性を誘発もしくは促進する。
実施例1 MTTによるインビトロでのNATURAの抗癌活性
ヒト癌細胞に対するNATURAと他の薬剤の増殖抑制効果を、前述の標準的なMTT(臭化3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムによる試験)により決定した[16]。簡単に説明すると、指数関数的に増殖した癌細胞を、10%のFBSを含有するRPMI1640培地を入れたウェルの1つ当たり5000細胞/200μlの密度にて96ウェルプレート中に等分し、一晩静置した。次いでプレート中の細胞を、指定した薬剤の一連の希釈液に曝露した。72時間のインキュベーション後、各ウェルから100μlの培地を取り出し、臭化3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム(MTT)の1mg/ml溶液50μlを各ウェルに加え、細胞をさらに4時間インキュベートした。0.04NのHCl−イソプロパノール溶液200μlを各ウェルに加えて黒色フロマザン粒状物(black fromazan participates)を溶解し、96ウェルに対して540nmでの吸光度を測定した。
メイソインジゴとNATURAの動物モデルにおける抗癌活性: 2種の確実に形成された動物癌モデル〔ルイス肺癌(Lewis lung carcinoma)とウォーカー(Walker)256肉腫〕[17−20]を使用して、メイソインジゴとNATURAの抗固形腫瘍活性を前述のように評価した。簡単に説明すると、C57マウス(体重18〜22g)とラット(体重50〜55g)を幾つかのグループ(それぞれ10匹)にランダムに分けた。約2×106個のルイス癌細胞もしくはウォーカー肉腫細胞をマウスまたはラットに移植した。移植してから24時間後に、等モル用量のインジルビン、メイソインジゴ、NATURA、またはその糖誘導体を10日間にわたって経口投与した。対照標準グループの動物に、処置されたグループと同じ期間にわたって0.1mlの生理食塩水(薬物のビヒクル、ネガティブコントロール)を与えた。処置の最後に動物を致死させ、腫瘍を取り除き、重量を測定した。
ヒト癌細胞に及ぼすNATURAの効果
乳癌細胞株(MCF−7およびSKBR−3、表1)、結腸癌細胞株(LOVOおよびDLD−1、表2)、ならびにホルモン依存性およびホルモン非依存性の前立腺癌細胞株(LNCaP、PC−3、およびDU145、表3)を含めた異なったタイプのヒト癌細胞について、メイソインジゴとNATURAの処置に対する良好な反応が、3日間の曝露後のMTTによって得られた。表1〜3に示されているように、試験したヒト癌細胞株の全てに対するメイソインジゴの増殖抑制効果(2.15〜8.31μMのIC50)は、レチノイド酸(21.45〜50μMを超えるIC50)(分化誘導剤)やNS389(200μMより大きいIC50)(新たに開発されたCox2阻害剤)よりはるかに強力である。NATURAのIC50(1.64〜6.92μMのIC50)に基づくと、NATURAの抗癌活性は、その元の化合物であるメイソインジゴ(2.1〜8.3μMのIC50)より幾らか強力である。NATURAは、その溶解性の増大によってインビボでのバイオアベイラビリティが著しく向上することから、NATURAの抗癌活性はメイソインジゴのそれよりはるかに強力である、と我々は考えている。SRB(スルホローダミンB)を使用して、これらの試験の全てに対して類似の結果が得られた(データは示さず)。さらに、ホルモン依存性前立腺癌と非ホルモン依存性前立腺癌に対するNATURAの活性は、現在の臨床ホルモン治療剤(カソデックスとプロスカー)の活性よりはるかに強力である(表3)。メイソインジゴとNATURAの処置に対する反応に関しては、これらの前立腺癌細胞に有意差は認められなかったが、ダウノマイシンの処置に対する反応に関しては、乳癌細胞と結腸癌細胞のほうが前立腺癌細胞より感受性が高いようである。これらのデータは、メイソインジゴとNATURAが、癌細胞という共通の標的(すなわち、サイクリン依存性キナーゼ)に逆らって作用していることを示しており、したがって種々のタイプのヒト固形腫瘍を治療するための有用な化学治療剤であることが証明される。メイソインジゴとNATURAの抗癌効果は、インビトロアッセイにおいては、ダウノマイシンまたはパクリタキセルの抗癌効果より弱いけれども、留意しなければならないのは、メイソインジゴとNATURAの毒性はこれらの薬剤の毒性よりはるかに低い(マウスに関して、メイソインジゴのLD50は3.90±0.8g/kgであり、NATURAのLD50は7.33±1.15g/kgである)、という点である。
Figure 2005516938
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図3〜5は、MCF−7乳癌細胞、DLD−1結腸癌細胞、およびLNCaPホルモン依存性前立腺癌細胞に対するNATURAの抗癌効果を示している。指数関数的に増殖した癌細胞を、10%のウシ胎仔血清(FBS)を含有するRPMI1640培地を入れたウェルの1つ当たり5000細胞/200μlの密度にて96ウェルプレート中に等分し、一晩静置した。次いでプレート中の細胞を、指定した薬剤の一連の希釈液に曝露した。72時間のインキュベーション後、各ウェルから100μlの培地を取り出し、臭化3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム(MTT)の1mg/ml溶液50μlを各ウェルに加え、細胞をさらに4時間インキュベートした。0.04NのHCl−イソプロパノール溶液200μlを各ウェルに加えて黒色フロマザン粒状物(black fromazan participates)を溶解し、96ウェル・マイクロプレート・リーダーにより540nmでの吸光度を測定した[16]。それぞれの実験を少なくとも3回繰り返した。
図6は、ホルモン依存性前立腺癌細胞とホルモン非依存性前立腺癌細胞に対するNATURAの抗癌効果を示している。HUVEC細胞とLNCaP細胞を、それぞれ10%のFBSを含有するEMB(内皮細胞基礎培地)およびRPMI1640中にて培養した。指数関数的に増殖した細胞を、指定した濃度のメイソインジゴまたはNATURAに24時間曝露した。細胞を収穫し、洗浄し、細胞から全タンパク質を前述したように抽出した[13]。cdk4/6またはサイクリンD1に対する抗体を使用し、プロテアーゼ阻害剤のカクテルの存在下にて4℃で一晩、100μgのタンパク質を免疫沈降させた。免疫沈降物をタンパク質抽出緩衝液で4回、およびキナーゼアッセイ緩衝液で1回洗浄し、[(−32P]−ATPの存在下にて75μg/mlのヒストンH1と反応させた。リン酸化ヒストンH1(cdk活性を示す)をシンチレーション計数によって測定した。
図7には、cdk活性に及ぼすNATURAとメイソインジゴの抑制特性が示されている。5.0μmと15.0μmの2つの異なった濃度を使用した。5.0μMの濃度ではNATURAのほうがcdk4/6活性に対して大きな抑制効果を示すが、15.0μMの濃度では両者とも同等の抑制効果を示す。より少ない用量のNATURAを使用して、癌に罹患した患者を治療することができる。したがってNATURAは少量で有用となるため、NATURAを他の治療薬と組み合わせて使用できるという可能性が増す。
図8は、LNCaP前立腺癌細胞(パネルA)およびN2A神経芽細胞腫細胞(パネルB)においてDNA断片化の誘発(アポトーシスの徴候)を示している。いったん癌細胞が本発明の誘導体(例えば、メイソインジゴやNATURA)によって捕捉されると、癌細胞は分化するか又はアポトーシスに進む。メイソインジゴまたはNATURAへの曝露から5日後にML−1細胞の約48%が形態学的に分化するようになる、ということが我々の実験から明らかになった。我々はさらに、フローサイトメトリー(FCM)によって幾らかのL1210白血病細胞がアポトーシスを起こすようになることを観察したが、このことはメイソインジゴとNATURAが細胞アポトーシスを誘発する能力を有しているということを示している。図8から、メイソインジゴとNATURAがアポトーシスを引き起こすことが確認される。DNA断片化の形成(ラダー)を測定したが、このDNAラダーは、LNCaP前立腺癌細胞とN2A神経芽細胞腫細胞の双方において細胞アポトーシスの指標となる。これを行うために、指数関数的な増殖期におけるLNCaP細胞と神経芽細胞腫細胞を、指定した濃度のメイソインジゴ、NATURA、またはタキソール(20nM、ポジティブコントロールとして)に2日間曝露した。細胞を収穫し、洗浄し、DNAを抜き取った。1レーン当たり約2μgのDNAを2%アガロースゲル電気泳動に付した。図8からわかるように、メイソインジゴとNATURAは共に、LNCaP細胞において15μMの濃度にて相当のDNA断片化を引き起こした。この作用は、LNCaP細胞よりN2A神経芽細胞腫細胞に対してより強力であることがわかった。このときDNAラダー(パネルB)を顕著に誘発させるのには5μMのメイソインジゴまたはNATURAで充分であり(MTTデータと矛盾しない)、このことは、N2A神経芽細胞腫細胞のほうがメイソインジゴまたはNATURAに対して影響を受けやすい、ということを示している。
実施例2 インビボでのメイソインジゴの抗癌活性
表4からわかるように、メイソインジゴは、ルイス肺癌とウォーカー256肉腫の両方に対して顕著な抗癌活性を示し、その抗癌活性は、その元の化合物であるインジルビンの抗癌活性よりはるかに強力であった。
Figure 2005516938
従来の研究によれば、メイソインジゴは、ML−1細胞の分化と成熟を誘発する一方で、腫瘍遺伝子c−mybの発現を抑制し、G1期において癌細胞を捕捉する、とされてきた[11]。最近の研究によれば、mybの活性化はサイクリン依存性キナーゼによって媒介されるリン酸化に関連づけられるということが示されており、またサイクリンDとそのキナーゼ活性を抑制することが、細胞分化の誘発に対してある役割を果たすということが示されている。こうした予備的な観察において、我々はさらに、メイソインジゴがDサイクリンにより媒介されるcdk4/6活性を強く抑制するということを確認した(図2)。5.0μMのメイソインジゴによって酵素活性の56%以上が阻害され、LNCaP前立腺癌細胞を15μMのメイソインジゴに24時間曝露すると完全な阻害が達成された。さらに、ヒト上皮細胞株のHUVEC細胞においても類似の結果が得られ(データは示されていない)、このことはメイソインジゴが抗血管形成活性も有する可能性があるということを示している。
これらの解析から、メイソインジゴは、サイクリン依存性キナーゼを特異的に標的にするので、種々のタイプのヒト癌に対する有望な治療剤であるということがわかる。メイソインジゴは既に、動物において強力な抗癌活性を示している。メイソインジゴの化学構造が安定且つ単純であることから、容易に合成することができ、また投与も簡単になる。メイソインジゴはさらに、抗癌活性を示す新たな化学構造をもち、種々のタイプの癌を治療する上で、単独にて又は他の従来の薬剤と組み合わせて化学治療剤として使用することができ、良好な結果が得られている。
実施例3. メイソインジゴ、NATURA、およびその誘導体の化学合成
メイソインジゴを合成するには、一般には、等モル量の2−ヒドロキシインドールとN−メチル−インドリニル−ジケトン(構造については下記を参照)、氷酢酸(反応物質1モルに対して2.0リットルの氷酢酸)、および塩酸(濃塩酸、反応物質1モルに対して6.67mlのHCl)を三つ口フラスコ中に加え、70〜80℃に加熱し、2時間攪拌し、室温に冷却する。褐色の結晶沈殿物が形成される。これを濾過し、引き続き氷酢酸、dH2O、およびエタノールで洗浄する。融点を測定する。235〜237℃となるはずである。
濾過処理した反応溶液をdH2O中に注ぎ込むと、赤レンガ色の結晶沈殿物が形成される。中性になるまでdH2Oで洗浄する。2つの部分の結晶生成物を合わせ、氷酢酸で再結晶する。収率は約63%、融点は236〜237℃である。
Figure 2005516938
さらに、下記の化学経路を使用して、NATURAとその誘導体化合物を合成した。
Figure 2005516938
95%アルコール溶液中にて化合物(1)(グリコシド)とClCOCOCl(塩化オキサリル)とを反応させて中間体化合物2を形成させた。この中間体は、無水AlCl3の存在下で安定な化合物3(イサチン−グルコシド)になった。このときR1’は、キシロース、リボース、アラビノース、グルコース、またはマンノースの糖基を表わしている。さらに、p−メチル−ベンゼンスルホン酸の存在下にて、化合物3と2−ケトンインドール(オキシンドール、化合物4)またはその誘導体化合物5(Rは、メチル基またはエチル基である)とを反応させて化合物6を得た。化合物6とNaOCH3とを反応させることによって、化合物7のアセチル誘導体が最終的に得られた。
上記の方法を使用してNATURAを合成した。このときR1’はキシロース−であり、R2は水素であり、R1は1−(β−D−O−トリアセチル−キシロピラノシル)−である。NATURAの褐色塊状結晶沈殿物を濾過し、氷酢酸、dH2O、およびエタノールで順次洗浄した。得られた化合物を氷酢酸で再結晶し、質量スペクトル、赤外線スペクトル、および核磁気共鳴スペクトルによって化学構造を確認した。収率は約63.8%であった。
NATURA〔1−(β−D−O−トリアセチル−キシロピラノシル)−イソインジゴ〕の式(C282629)量は534.52である。NATURAは赤みを帯びた結晶粉末であって、無味無臭である。NATURAは、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶性であり、エタノール、アセトン、およびクロロホルムに幾らか溶解し、水には殆ど溶けない。
実施例4 メイソインジゴの相乗的組み合わせ物
メイソインジゴとカソデックスとの組み合わせ物、メイソインジゴとプロスカーとの組み合わせ物、またはメイソインジゴとカソデックスとプロスカーとの組み合わせ物が前立腺癌細胞の増殖抑制に対して及ぼす効果をLNCaP細胞でのMTTによって評価した。一般的な実験を下記のように行った。指数関数的に増殖するLNCaP細胞を、ウェル1つ当たり5,000細胞の密度で96ウェルに入れた。24時間のインキュベーション後、細胞を、メイソインジゴ単独、カソデックス単独、またはプロスカー単独の一連の希釈溶液に曝露した。組み合わせ物に関しては、メイソインジゴとカソデックスとの組み合わせ物(1:10)、メイソインジゴとプロスカーとの組み合わせ物(1:4)、あるいはメイソインジゴとカソデックスとプロスカーとの組み合わせ物(1:10:4)に、細胞を曝露した。最大濃度はそれぞれ、メイソインジゴの場合が5μM、カソデックスの場合が50μM、そしてプロスカーの場合が20μMであった。3日間のインキュベーション後、実施例1に記載の手順に従ってMTTにより細胞増殖を測定し、抑制率を算出し、バイオソフト社のPCプログラムCalcuSyn(T.−C.Chouにより編集,Memorial Sloan−Kettering Cancer Center,and Hayball,M.P.at Cambridge,UK,1996)によってデータを解析した[24]。組み合わせインデックス(CI)を使用して組み合わせの結果を評価する。CI>1であれば、組み合わせは拮抗的であり、CI=1であれば相加的であり、CI<1であれば相乗的である。表5〜7に記載の組み合わせインデックス(CI)からわかるように、メイソインジゴとカソデックスとの組み合わせ物、メイソインジゴとプロスカーとの組み合わせ物、およびメイソインジゴとカソデックスとプロスカーとの組み合わせ物は顕著な相乗的抗増殖効果を示した。
Figure 2005516938
Figure 2005516938
Figure 2005516938
実施例5 メイソインジゴの毒物学的研究
急性毒性
メジアン致死量LD50(試験した動物の50%致死を引き起こす用量)の決定: 80匹のKuan Mingホワイトマウス(体重18〜22g)を8グループ(それぞれ10匹)にランダムに分けた。これらの動物にメイソインジゴの懸濁液を、それぞれ0、1.85、2.60、3.60、5.10、7.14、および10.00g/kgの用量にて経口投与した。動物を2週間試験し、修正されたBliss methodを使用して下記のようにLD50を測定した。最も多い用量を投与したグループにおいて、投与してから2日めに動物の最も早い致死が観察された。得られたデータを表8に示す。
Figure 2005516938
亜急性毒性と慢性毒性
a)ラットにおける亜急性毒性:
40匹のWestarラット(体重60〜70g)を4グループ(それぞれ10匹)にランダムに分け、メイソインジゴをそれぞれ、0、100、200、および400mg/kgの用量にて30日間経口投与した。試験した全ての動物の体重を週1回調べた。血液、心臓(hear)、肝臓、脾臓、肺、および腎臓の生化学的機能と病理学的変化を調べるために動物を致死させた。400mg/kgのメイソインジゴを投与した動物のグループにおいて体重のわずかな減少が観察された。血液、肝臓、および腎臓の生化学的機能に関しては、対照標準グループと試験したグループとの間に差異は観察されなかった。心臓、肝臓、脾臓、肺、および腎臓の組織化学についての検討により、最も多い用量(400mg/kg)を投与した数匹のラットの肝臓においてほんのわずかな混濁腫脹が現れ、他の病理学的変化は、他のいかなる組織または器官においても観察されなかった、ということが明らかになった。
b)犬における亜急性毒性
2匹の犬を、先ずメイソインジゴの亜急性毒性に関して試験した。2匹の犬に10mg/kgの用量を毎日3ヶ月にわたって経口投与した。時々、軽微な胃腸炎症が観察された。試験の間中、血液、肝臓、および腎臓の生化学的変化(血液グルコース、K+、およびNa+等を含む)は観察されなかった。
最初の実験においては重大な毒性は観察されなかったので、さらなる3匹の犬に対して、メイソインジゴをより多い用量(20mg/kg)にて経口投与することによって試験を行った。これらの犬に対し、1匹の犬には20mg/kgを46日間、他の2匹の犬には20mg/kgを2ヶ月間投与した。試験した全てのパラメーターに関して異常は観察されなかったが、犬は、種々の用量にて腸の炎症を起こした(例えば、黒緑色の便だけでなく、食欲不振、吐き気、および嘔吐)。しかしながら、これらの徴候は全て、メイソインジゴの処置が終了した後は消失した。したがって、1匹の犬に対して、より増大した用量(すなわち、20mg/kg〜40mg/kg)を73日後からさら12日間にわたって投与したが、上記の胃腸炎症以外に生化学的な異常は観察されなかった。最も多い用量を投与した犬に対して組織化学的な検討を行い、肝臓組織において細胞浮腫、脂肪変性、および散乱増殖性炎症(scatter hyperplasia inflammation)が認められた。
c)犬における慢性毒性
上記の試験に基づいて、メイソインジゴの亜急性毒性を犬に関してさらに調べた。12匹の犬を3グループ(各グループは、等しい数のオスとメスを含む)に分け、メイソインジゴを毎日それぞれ0、5、および10mg/kgの用量にて6ヶ月間にわたって経口投与した。この期間中、ヘモグラム(赤血球、白血球、血小板、ヘマトクリット、平均赤血球容積、全血清タンパク質、および血清アルブミン)、ならびに肝臓(SGPT)、腎臓(BUN)、および心臓(ECG)の機能に関して、対照標準動物と試験動物との間に顕著な差異は認められなかった。正常範囲内で変動した対照標準も含めて、全ての動物に対して全てのパラメーターを試験した。数匹の犬だけが時々胃腸炎症(例えば食欲不振)を起こした。
メイソインジゴの処置が終了してから24時間後に、各グループの動物の半分を致死させ、病理学的検討を行うために解剖した。心臓、肝臓、肺、腎臓、胃、胃腸、睾丸、卵巣、およびリンパ節に関して、組織化学的に異常は観察されなかった。
特殊毒性
a)復帰突然変異: エームズ(Ames)試験を使用して復帰突然変異を調べた。2、20、50、100、および200μg/皿(10cm)の濃度のメイソインジゴ〔代謝的に活性化(+S9)、および代謝的に不活性化(−S9)〕を、それぞれTA97、TA98、TA100、およびTA102(アミノ酸欠損のsalmonella typhimurium)の菌株に対して試験した。ダウノマイシン、2−アミノフルオレン(2AF)、メタンスルホン酸メチル(MMS)、2,7−2AF、および2−ヒドロキシ−アントラキノンをポジティブコントロールとして使用した。試験した全てのグループのメイソインジゴについて、代謝的に活性化しようと代謝的に不活性化しようと復帰突然変異の誘発は観察されなかったが、全てのグループのポジティブコントロールは、復帰突然変異によるコロニー形成の大幅な増大を示した。
b)齧歯動物における小核の誘発
KMホワイトマウスを5つのグループに分け、メイソインジゴを0、0.4、0.8、および2.0g/kg(それぞれ、LD50の1/10、1/5、および1/10に等しい)の用量にて2日間経口投与した。48mg/kgの用量のシクロホスファミドを、ポジティブコントロールとして、1日1回で2日間にわたって腹腔内投与した。最後の投与から6時間後に、動物を致死させ、骨髄からの多染性赤血球をギームザ染色して小核をカウントした。ネガティブコントロールとメイソインジゴで試験したグループとの間に差異は認められなかったが(対照標準グループの1000当たり1.33と比較して、試験グループでは1000当たり1.86、1.33、および2.66)、ポジティブコントロールでは小核が大幅に増大した(ネガティブコントロールの1000当たり1.33に対して1000当たり41.16)。これらのデータは、メイソインジゴについて、小核の誘発がネガティブであることを示した。
c)ヒトリンパ球における染色体の異常
健康な男性から採取したヒト血液を、代謝的に活性化もしくは不活性化した、異なった濃度のメイソインジゴ(0、5、10、および25μM)の存在下にて、あるいはポジティブコントロールとしてアフラトキシン(AFB1)およびミトマイシンC(MMC)の存在下にて培養した。染色体の異常を顕微鏡によって調べた。ネガティブコントロールとメイソインジゴで試験したグループ(代謝的に活性化しようと不活性化しようと)との間に差異は認められないが(P>0.05)、ポジティブコントロールとネガティブコントロールとの間の差異は顕著であった(P<0.01)。
実施例6 インビボにおけるNATURAとその誘導体の抗癌活性
従来の研究によれば、メイソインジゴは、ML−1細胞の分化と成熟を誘発する一方で、腫瘍遺伝子c−mybの発現を抑制し、G1期において癌細胞を捕捉する、とされてきた[11]。最近の研究によれば、mybの活性化はサイクリン依存性キナーゼによって媒介されるリン酸化に関連づけられるということが示されており、またサイクリンDとそのキナーゼ活性を抑制することが、細胞分化の誘発に対してある役割を果たすということが示されている。こうした予備的な観察において、NATURAとその誘導体が、Dサイクリンにより媒介されるcdk4/6活性を強く抑制するということを我々は確認した(図2と3)。5.0μMのNATURAによって酵素活性の56%以上が阻害され、LNCaP前立腺癌細胞を15μMのNATURAに24時間曝露すると完全な阻害が達成された。さらに、ヒト上皮細胞株のHUVEC細胞においても類似の結果が得られ(データは示さず)、このことはNATURAとその誘導体が抗血管形成活性も有する可能性があるということを示している。
これらの解析から、NATURAとその誘導体は、サイクリン依存性キナーゼを特異的に標的にするので、種々のタイプのヒト癌に対する有望な治療剤であるということがわかる。試験した全てのヒト癌細胞株に対するNATURAのIC50は約1.64〜6.92μMであること見出され、これは多くの臨床治療剤によって示されている効果的な範囲である。NATURAの化学構造が安定且つ単純であることから、容易に合成することができ、また投与も簡単になる。NATURAとその誘導体はさらに、抗癌活性を示す新たな化学構造をもち、種々のタイプの癌を治療する上で、単独にて又は他の従来の薬剤と組み合わせて化学治療剤として使用することができ、良好な結果が得られている。
例えば、化学療法を受ける癌患者は脱毛を起こすことが多い。一時的ではあるが、この影響は、個々人の状態のある一定の視覚的な喚起となることで感情的に苦痛となる。CIAを引き起こす抗癌剤の多くは、細胞周期の特定の期を標的とする。したがって、多くの抗癌剤は、分裂を起こしている細胞に対して選択的に毒性であることが実証されている。毛嚢の上皮は、分裂が非常に速やかなので、こうした影響に対して特に過敏である。周知のように、細胞周期の進行を妨げると薬物の毒性が減少する。したがって、NATURAの組み合わせ物を、毒性を低く抑えるように低用量にて経口摂取することは、このような状況に対する処置を受けている患者の脱毛程度を低下させる上で有益である。さらに、従来の化学治療剤の量を減らすことができ、このためさらに患者の脱毛の程度が低下する。したがって、NATURAと従来の癌治療剤とを組み合わせると、従来の化学療法と比べて副作用が殆どない状態で類似の治療有効性が得られる。
NATURAとその糖誘導体のウォーカー256に対する活性の比較
NATURAと他の糖誘導体の抗癌活性を評価するために、W256を移植したWistardラットに、同じモル数の試験化合物(0.384mM/kg)を同じ期間(10日)にわたって投与した。表9からわかるように、NATURA(Xyl−Ac)が腫瘍に対して最良の活性(77%の抑制)を示した。糖基だけを含有する誘導体はいずれも、W256腫瘍に対して極めて弱い活性を示すか、あるいは全く活性を示さなかった。これはおそらく、分子が、高い極性のために細胞膜を通過できないからであると思われる。
Figure 2005516938
メイソインジゴとNATURAがcdk活性に及ぼす抑制
我々の従来の研究によれば、メイソインジゴは、ML−1細胞の分化と成熟を誘発する一方で、腫瘍遺伝子c−mybの発現を抑制し、G1期において癌細胞を捕捉する、としてきた[11]。最近の研究によれば、mybの活性化はサイクリン依存性キナーゼによって媒介されるリン酸化に関連づけられるということが示されている。さらに、サイクリンDとそのキナーゼ活性を抑制することが、細胞分化の誘発に対してある役割を果たすということが示されている[25〜27]。我々はさらに、Dサイクリンで媒介されるcdk4/6活性をメイソインジゴが強く抑制する、ということを確認した。メイソインジゴの場合と同様に、LNCap前立腺癌細胞と共に24時間インキュベーションした後、5.0μMと15μMでのNATURAは、cdk2酵素活性をそれぞれ約46%および92%阻害した。5μMのNATURAのほうが、cdk4に対する活性が幾らか強力であった。こうしたアッセイの1つの代表的な例が図9のパネルAとBに示されている。別の実験からの、試験したcdk(cdk2、cdk4/6)に対するNATURAのIC50は、LNCap細胞において1.5〜6.0μMであった。メイソインジゴとNATURAがこれらのcdkに及ぼす抑制については顕著な差が認められなかった。
ヒト上皮細胞株のHUVEC細胞においても同様の結果が得られ(データは図示せず)、このことは、メイソインジゴとNATURAが抗血管形成活性も有する可能性があるということを示している。
メイソインジゴとNATURAがタンパク質キナーゼC(PKC)および細胞外信号で調整されるタンパク質キナーゼ2〔ERK2;供給業者が指摘しているように、抗体はERK1に対してある程度クロスアクティブ(cross active)であったという点に留意する必要がある〕の活性に及ぼす影響を調べることによって、メイソインジゴとNATURAのcdk活性に対する特異性をより明確にした。1つの典型的な例を図10のパネルAとBに示す。LNCaP細胞を15μMの薬剤で24時間処置した後でも、PKC活性とERK2活性に対するNATURAの抑制効果は観察されなかった。この実験結果は、同じ細胞株において、細胞を特定のERK阻害剤(PD98058)で処置することによって確認された。LNCaP細胞を異なった濃度のPD98058に15分曝露すると、ERK2に対するPD98059の濃度依存性抑制効果が観察され(図2のパネルC)、この点は従来の報文と矛盾しなかった[28]。
インビボでの、cdk2活性に対するNATURAの直接的な抑制を図11に示す。LNCaP細胞からの免疫精製されたcdk2とヒストンH1とを、異なった濃度のNATURA−βとγ−[32P]−ATP(2.5μCi/20μM)の存在下で反応させると、酵素活性が、濃度に依存する形で低下した。cdk2に対するNATURAのIC50は1.6±0.2μMであることが見出され、これは上記にて観察された活性に対応していた。ポジティブコントロールとして、50μMの濃度のゲニステインは、同じ実験条件下にてcdk2活性に対して約56%の抑制を達成し、この点は従来の報文と矛盾しない[29]。
インビトロでのATP競合アッセイにより、10μMのNATURAが、100μMという高いATP濃度にて、免疫精製されたcdk2に対して50%の抑制効果を達成することがわかり、このことはNATURA−βが、酵素に対してはATPより高い親和性を有することを示している。
メイソインジゴとNATURAはさらに、HUVEC細胞中へのサイクリンD1の発現を顕著に抑制する。指数関数的に増殖するHUVEC細胞を5.0μMと15μMのメイソインジゴおよびNATURAに曝露し、曝露してから24時間後に、細胞を収穫し、洗浄し、そしてウエスタンブロット解析[13]を行うべく、サイクリンD1に対して特異的なモノクローナル抗体(Dako)を使用して全タンパク質を抽出した。図12に示すように、メイソインジゴとNATURAは共に、細胞株中へのサイクリンD1の発現を強く抑制する。細胞を15μMのメイソインジゴまたはNATURAに曝露すると、サイクリンD1タンパク質はほぼ完全に消失した。この結果、腫瘍抑制タンパク質Rb(サイクリンD1で媒介されるcdkの野生型基質)のリン酸化が減少した(データは示さず)。
アポトーシスの誘発
前述したように、癌細胞はおそらく、G1期で捕捉された後に2つのオプション(すなわち、分化またはアポトーシス)を有する。我々のこれまでの研究によれば、ML−1細胞の約48%が、メイソインジゴに曝露してから5日後に形態学的に分化するようになる、ということがわかっている。我々はさらに、フローサイトメトリー(FCM)によって、幾らかのL1210白血病細胞がアポトーシス性になることを観察しており、このことはメイソインジゴも、細胞アポトーシスを誘発する能力を有することを示している。我々の仮説とこれまでの観察結果を立証するために、我々は、LNCaP前立腺癌細胞およびN2A神経芽細胞腫細胞において、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の分解とDNA断片化の形成(ラダー)(細胞アポトーシスの指標[30,31])を測定した。指数関数的な増殖期におけるLNCaP細胞と神経芽細胞腫N2A細胞を、指定した濃度のメイソインジゴ、NATURA、またはタキソール(20nM、ポジティブコントロールとして)に2日間曝露した。細胞を収穫し、洗浄し、DNAを抽出した。1レーン当たり約2μgのDNAを、2%アガロースゲルによる電気泳動にて処理した。図8に示すように、メイソインジゴとNATURAは、15μMの濃度においてLNCaP細胞に顕著なDNA断片化を誘発した。この作用はN2A神経芽細胞腫細胞においてより強力であり、このときDNAラダーを(パネルB)を顕著に引き起こすには5μMのメイソインジゴまたはNATURAで充分であり(この点はMTTデータと矛盾しない)、このことはN2A神経芽細胞腫細胞のほうがメイソシンジゴまたはNATURAに対して過敏であるということを示している。
DNAラダーの形成と矛盾しない形で、N2A細胞をメイソインジゴまたはNATURAに曝露したときに、PARPタンパク質の分解が強力に誘発されることが観察された(図13)。したがって我々のデータは、メイソインジゴとNATURAが共に、ヒト癌細胞のアポトーシスを顕著に引き起こすということを実証している。
Figure 2005516938
アセチル化されていない糖基を含有する誘導体はいずれも、LNCaP細胞に対してはるかに弱い活性を示したが、これはおそらく、分子の極性が高いために、分子の膜拡散能力が低いからであろう。小さな分子が細胞膜を通過できるかどうかは、その分子のo/w(油/水)比によって決まる。極性が高すぎるか(水溶性)または低すぎる(油溶性)場合、分子は単純な拡散によって膜を通過するのが困難である。驚くべきことに、本発明者らは、アセチル化すると(トリアセチル化された基)、糖−イソインジゴ分子の極性が適切なo/w比に低下し、これにより膜拡散能力とバイオアベイラビリティが増大する、ということを見出した。
図9は、アンドロゲン依存性の前立腺癌細胞株LNCaPにおけるcdk2およびcdk4に及ぼすNatureの影響を示している。指数関数的に増殖したLNCaP細胞を異なった濃度のNATURAに24時間曝露した。細胞を収穫し、洗浄し、全タンパク質を抽出して、物質と方法(the Materials and Methods)に関して記載のようにcdk活性のアッセイに付した。上側のパネル(AとB)は、SDS−PAGEからのフィルムの像であり、下側のパネルは、同じフィルムからイマジン・デンシトメータ(Imagine Densitometer)によって測定した濃度(対照標準のパーセントとして表示)を表わしている。
図10は、LNCaP細胞におけるPKC活性およびERK1/2活性に及ぼすNATURAの影響を示している。指数関数的な増殖期におけるLNCaP細胞を、異なった濃度のNATURA(パネルAとB)に24時間、あるいはPD98059(パネルC)に15分曝露した。細胞を収穫し、洗浄し、全タンパク質を抽出した。タンパク質抽出物100mgを、PCK(パネルA)およびERK1/2(パネルBとC)に対する抗体で免疫沈降させ、“Materials and Methods”に記載のようにキナーゼアッセイに付した。上側のパネルは、SDS−PAGEからのX線フィルムの像であり、下側のパネルは、同じフィルムからイマジン・デンシトメータによって測定したフィルムからの各バンドの濃度(対照標準のパーセントとして表示)を表わしている。
図11は、免疫精製されたcdk2活性に対するNATURAの直接的な抑制を示している。200mgの全タンパク質抽出物を、cdk2抗体を使用して4℃で一晩免疫沈降させた。PBSTDSで4回、およびキナーゼアッセイ緩衝液で1回洗浄した後、免疫精製した酵素を、異なった濃度のNATURAまたは50mMのゲニステイン(ポジティブコントロールとして)の存在下で10mgのヒストンH1と、およびγ−[32P]−ATP(2.5mCi/10mM)と10分間反応させた。リン酸化されたヒストンH1(cdk2活性を示している)を、SDS−PAGE(上側パネル)または放射線シンチレーション計数(下側パネル、遊離のγ−[32P]−ATPを除去した後)によって検出した。
図12は、サイクリンD1のタンパク質レベルに及ぼすメイソインジゴとNATURAの影響を示している。指数関数的に増殖させたHUVEC細胞を、5mMと15mMのメイソインジゴおよびNATURAで24時間処理した。細胞を収穫し、洗浄し、全タンパク質を抽出し、サイクリンD1(パネルA)およびb−アクチン(同じ使用レベルの対照標準)に対して特異的な抗体を使用して前述のようにウエスタンブロット解析を行い、ECL検出キット(アマーシャム社)によって検出した。パネルAからのサイクリンD1のレベルを、像デンシトメータによって定量化し、b−アクチンによって正規化した(パネルC)。
図13は、神経芽細胞腫N2A細胞におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの分解を示している。指数関数的に増殖させたN2A細胞を、異なった濃度のメイソシンジゴまたはNATURAで24時間処理した。細胞を収穫し、洗浄し、全タンパク質を抽出して、前述のようにウエスタンブロット解析によりPARP分解を調べた[1]。上側のパネル(AとB)はECLフィルムからの像であり、下側のパネル(A’とB’)は、像デンシトメータ(Imagine Densitometer)によって測定した対応するバンドの濃度(抑制率として表示)である。
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図1は、本発明による新規な化学物質であるインジルビン、メイソインジゴ、およびNATURAの化学構造を示す。 図2は、イソインジゴとインジルビンの誘導体の抗癌メカニズムのモデルを示す。 図3は、MCF−7乳癌細胞におけるNATURAの抗癌作用の図表である。 図4は、DLD−1結腸癌細胞におけるNATURAの抗癌活性の図表である。 図5は、LNCaPホルモン依存性前立腺癌細胞におけるNATURAの抗癌活性の図表である。 図6は、ホルモン依存性およびホルモン非依存性の前立腺癌細胞増殖に及ぼすNATURAの影響を示した図表である。 図7は、cdk4/6活性に関する抑制化合物NATURAの図表である。 図8は、メイソインジゴ、NATURAまたはタキソールに曝露された前立腺癌LNCaP細胞(パネルA)および神経芽細胞腫N2A細胞(パネルB)のDNA断片化のレベルを示す。 図9は、アンドロゲン依存性の前立腺癌細胞株LNCaPにおける、cdk2およびcdk4に及ぼすNatureの影響を示す。 図10は、LNCaP細胞における、PKC活性およびERK1/2活性に及ぼすNATURAの影響を示す。 図11は、免疫精製されたcdk2活性に対するNATURAの直接的な抑制を示す。 図12は、サイクリンD1のタンパク質レベルに及ぼすメイソインジゴとNATURAの影響を示す。 図13は、神経芽細胞腫N2A細胞におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの分解を示す。

Claims (17)

  1. 式(I)、(II)、または(III)
    Figure 2005516938
    Figure 2005516938
    Figure 2005516938
    (式中、R1またはR2は独立的に、アセチル化した単糖類であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10は独立的に、水素、単糖類、二糖類、ハロゲン、ヒドロカルビル基、あるいは1つ以上のヒドロキシ部分、カルボキシ部分、ニトロキシ部分、単糖類、二糖類、アミン、アミド、チオール、サルフェート、スルホネート、スルホンアミド、もしくはハロゲンで置換されているか又は非置換の官能性ヒドロカルビル基であって、このとき前記ヒドロカルビルは1〜12個の炭素原子を有する)で示される化合物。
  2. 1またはR2が、アセチル化したアラビノース、グルコース、マンノース、リボース、またはキシロースである、請求項1記載の化合物。
  3. 前記化合物が
    Figure 2005516938
    である、請求項1記載の化合物。
  4. 治療学的に有効量の請求項1に記載の化合物と医薬として許容されうるキャリヤーとを含む、動物における癌を治療するための医薬組成物。
  5. 放射線治療剤、ホルモン治療剤、免疫治療剤、化学治療剤、凍結治療剤、および遺伝子治療剤からなる群から選択されるさらなる薬剤を含む、請求項1記載の医薬組成物。
  6. 前記化合物が経口投与用に製剤される、請求項1記載の医薬組成物。
  7. 治療学的に有効量の請求項4記載の医薬組成物を動物に投与することを含む、癌の治療法。
  8. 前記動物がヒトであり、前記化合物を、放射線治療剤、ホルモン治療剤、免疫治療剤、化学治療剤、凍結治療剤、および遺伝子治療剤からなる群から選択されるさらなる薬剤と組み合わせて投与する、請求項7記載の治療法。
  9. ほぼ等モル量の2−ヒドロキシインドールとN−メチルインドリニル−ジケトンを合わせて反応物質を得ること;
    前記反応物質と過剰量の氷酢酸とを混合して混合物を作製すること;
    前記混合物を約70〜80℃で1〜3時間加熱して沈殿物を形成させること;および
    前記沈殿物をメイソインジゴ化合物として回収すること;
    を含む、メイソインジゴ化合物の合成法。
  10. 前記沈殿物を、少なくとも氷酢酸、水、またはエタノールで洗浄する、請求項9記載の合成法。
  11. 式(I)、(II)、または(III)
    Figure 2005516938
    Figure 2005516938
    Figure 2005516938
    (式中、R1またはR2は独立的に、アセチル化した単糖類であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10は独立的に、水素、単糖類、二糖類、ハロゲン、ヒドロカルビル基、あるいは1つ以上のヒドロキシ部分、カルボキシ部分、ニトロキシ部分、単糖類、二糖類、アミン、アミド、チオール、サルフェート、スルホネート、スルホンアミド、もしくはハロゲンで置換されているか又は非置換の官能性ヒドロカルビル基であって、このとき前記ヒドロカルビルは1〜12個の炭素原子を有する)で示される化合物、固形腫瘍癌に罹患している動物に
  12. 1またはR2が、アセチル化したアラビノース、グルコース、マンノース、リボース、またはキシロースである、請求項11記載の治療法。
  13. 前記動物に投与する化合物が
    Figure 2005516938
    の化学構造を有する、請求項11記載の治療法。
  14. 前記動物がヒトであり、前記医薬組成物を経口投与する、請求項11記載の治療法。
  15. 前記化合物を、放射線治療剤、ホルモン治療剤、免疫治療剤、化学治療剤、凍結治療剤、および遺伝子治療剤からなる群から選択されるさらなる薬剤と組み合わせて投与する、請求項11記載の治療法。
  16. 治療しようとする前記固形腫瘍癌が、結腸癌、ホルモン依存性もしくはホルモン非依存性の前立腺癌、乳癌、または肺癌である、請求項11記載の治療法。
  17. 前記固形腫瘍癌がホルモン依存性もしくはホルモン非依存性の前立腺癌である、請求項11記載の治療法。
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