JP2021529174A - Dot1lディグレーダーおよびその使用 - Google Patents

Dot1lディグレーダーおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本明細書において、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン)のバインダーである部分(例えば、レナリドミド、サリドマイド)と、標的タンパク質DOT1Lのバインダーであり、DOT1Lの分解を誘導する別の部分を有する二官能性化合物を提供する。また、該二官能性化合物を含む医薬組成物、ならびに疾患(例えば、がんなどの増殖性疾患)を処置および/または予防する方法を提供する。また、本明細書に記載の二官能性化合物または組成物を投与することによってDOT1Lの分解を誘導する方法であって、該二官能性化合物の構成成分の1つがE3ユビキチンリガーゼのバインダー(例えば、レナリドミド、サリドマイド)であり、該化合物の別の構成成分が被験体の標的タンパク質DOT1Lのバインダーである方法を提供する。【化1】

Description

関連出願
本出願は、2018年6月27日に出願された米国特許仮出願第62/690,791号の35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張するものであり、この仮出願の内容は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
政府による補助
本開示は、米国立衛生研究所(NIH)によって付与された助成金R01 CA176745での政府による補助を伴ってなされた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
発明の背景
E3ユビキチンリガーゼは、E2ユビキチン結合酵素との組み合わせで、標的タンパク質上のリシンに対するユビキチンの結合を、イソペプチド結合(例えば、タンパク質の主鎖に存在するものでないアミド結合)によって促進させるタンパク質である。標的タンパク質のユビキチン化により、プロテアソームによる該標的タンパク質の分解がもたらされる。
特定の病的状態、例えば増殖性疾患およびがんと関連していることがわかっている標的タンパク質(例えば、DOT1L)の分解を有効に促進させる化合物が同定される必要性が依然として存在している。DOT1Lは、特定の病的状態、例えば増殖性疾患およびがんと関連していることがわかっている。特に、ある特定のタンパク質の分解を標的化するためにタンパク質恒常性(例えば、ユビキチン化およびプロテアソームによる分解)に関与している細胞機構を利用することができる化合物は治療用薬剤としての有用性が見いだされ得よう。標的タンパク質DOT1Lの標的化、またE3ユビキチンリガーゼに対する結合の両方を行い、それにより該標的タンパク質DOT1Lのプロテアソームによる分解を誘導する化合物の必要性が存在している。
発明の概要
本開示は、選択された標的タンパク質(例えば、DOT1L)が特定の疾患(例えば、増殖性疾患、がん)と関連しているという認識に端を発するものである。この認識、すなわち、選択されたタンパク質の標的化およびE3ユビキチンリガーゼ結合部分(例えば、レナリドミド、サリドマイド)の使用により、選択された該標的タンパク質DOT1Lのユビキチン化がもたされ、それにより該標的タンパク質のプロテアソームによる分解がもたらされる。DOT1Lは、特定の病的状態、例えば増殖性疾患およびがん(例えば、特定の変異が関与しているがん(例えば、混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄球性白血病、ヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病、DNMT3A遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病);またはプロテアソーム阻害薬に耐性のがん)と関連していることがわかっている。したがって、本開示により、本知見に基づいて種々の疾患(例えば、がん)の処置のための新たな化合物、組成物および方法を提供する。本明細書において式(I’)の化合物を記載する。本明細書に記載の化合物は、免疫調節性イミド系薬物(例えば、レナリドミド、サリドマイド)ベースのE3ユビキチンリガーゼ結合部分である構成成分と、標的タンパク質DOT1Lに結合し、したがってDOT1Lの分解の促進に有用であり得る構成成分とを含んでいる。該化合物は、DOT1Lと関連している疾患または病状の処置および/または予防に、例えば疾患(例えば、増殖性疾患(例えば、がん))の処置および/または予防を、それを必要とする被験体において行うのに有用であり得る。また、本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物およびキットを提供する。
一態様において、本開示により、式(I’):
Figure 2021529174
の化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグを提供し、式中、R、R、R10’、R11、R12、R13、R14、W、Z、LおよびD1は本明細書に規定したとおりである。一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が式(I)の化合物である。
一態様において、本開示により、
式(I):
Figure 2021529174
の化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグを提供し、式中、R、R、R10、R11、R12、LおよびD1は本明細書に規定したとおりである。
式(I’)において、D1はE3ユビキチンリガーゼ結合部分である。一部の特定の実施形態では、D1が免疫調節性イミド系薬物に由来する。一部の特定の実施形態では、D1がレナリドミドに由来する。一部の特定の実施形態では、D1がサリドマイドに由来する。一部の特定の実施形態では、D1がE3ユビキチンリガーゼ結合部分であり、D1は式(IA)または(IB)のものである。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IA):
Figure 2021529174
のものであり、式中、R1A、R3A、R4A、R5A、R3’、X、a1、mおよびnは本明細書に規定したとおりである。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IB):
Figure 2021529174
のものであり、式中、R1A、R3A、R4A、R3’、X、X、a1、mおよびnは本明細書に規定したとおりである。
式(I’)の例示的な化合物としては、限定されないが:
Figure 2021529174
Figure 2021529174
Figure 2021529174
ならびにその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグが挙げられる。
式(I’)の例示的な化合物としては、限定されないが:
Figure 2021529174
Figure 2021529174
Figure 2021529174
ならびにその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグが挙げられる。
本明細書に記載の式(I’)の例示的な化合物としては、限定されないが:
Figure 2021529174
ならびにその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグが挙げられる。
本明細書に記載の式(I’)の例示的な化合物としては、限定されないが、実施例1〜5の化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグが挙げられる。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の式(I’)の例示的な化合物としては、限定されないが、実施例1および5の化合物が挙げられる。
別の態様では、本明細書において、本明細書に記載の化合物および任意選択で薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を記載する。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物が治療有効量または予防有効量の本明細書に記載の化合物を含む。該医薬組成物は、被験体または生物学的試料、組織もしくは細胞においてDOT1Lの分解を誘導する、疾患(例えば、増殖性疾患)の処置を、それを必要とする被験体において行う、あるいは疾患の予防を、それを必要とする被験体において行うのに有用であり得る。一部の特定の実施形態では、投与または使用される該化合物が、被験体、生物学的試料、組織または細胞において、疾患(例えば、増殖性疾患)の処置を、それを必要とする被験体において行うことにおいて、あるいは疾患の予防を、それを必要とする被験体において行うことにおいてDOT1Lの分解を誘導する。
さらに別の態様では、本明細書において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物を有する容器を含むキットを記載する。本明細書に記載のキットは、単回用量の該化合物または医薬組成物を含むものであっても反復用量の該化合物または医薬組成物を含むものであってもよい。本記載のキットは、DOT1Lの分解を誘導するのに有用であり得る。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載のキットが、該キットに含まれた化合物または医薬組成物の使用のための使用説明書をさらに含む。
一部の特定の実施形態では、投与または使用される該化合物がDOT1Lの分解を誘導する。本開示の別の態様は、被験体に治療有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を投与することを含む、疾患の処置を、それを必要とする被験体において行う方法に関する。別の態様では、本開示により、被験体に予防有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を投与することを含む、疾患の予防を、それを必要とする被験体において行う方法を提供する。
また別の態様では、本開示により、本開示の方法(例えば、DOT1Lの分解を誘導する方法、疾患(例えば、増殖性疾患)を処置および/または予防する方法)における使用のための本明細書に記載の化合物および医薬組成物を提供する。
定義
具体的な官能基および化学用語の定義を以下に、より詳細に記載する。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の内表紙のCAS方式の元素の周期表に従って特定されるものであり、具体的な官能基は、これに記載されているとおりに一般的に定義される。さらに、有機化学の一般原則ならびに具体的な官能性部分および反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;およびCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。本開示は、本明細書に記載の例示的な置換基の列記によっていかなる様式でも限定されることは意図されていない。
本明細書に記載の化合物は1つまたはそれより多くの不斉中心を含むことがあり得、したがって、種々の異性体形態、例えばエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在することがあり得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であってもよく、立体異性体の混合物、例えばラセミ混合物および1種類またはそれより多くの立体異性体が富化された混合物の形態であってもよい。異性体は混合物から、当業者に知られた方法、例えばキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および晶出によって単離され得る;あるいは好ましい異性体を不斉合成によって調製してもよい。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962);およびWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照のこと。本開示はさらに、他の異性体を実質的に無含有状態の個々の異性体としての本明細書に記載の化合物、あるいはまた種々の異性体の混合物としての本明細書に記載の化合物を包含している。
値の範囲を列記している場合、該範囲内の各値および部分範囲を包含していることを意図する。例えば、“C1〜6”は、C、C、C、C、C、C、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5およびC5〜6を包含していることを意図する。
用語「脂肪族」は、1つまたはそれより多くの官能基で任意選択的に置換されている飽和および不飽和のどちらの直鎖(すなわち、非分枝)、分枝、非環式、環式または多環式の脂肪族炭化水素も包含している。当業者には認識されるように、「脂肪族」は本明細書において、限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキニル部分を包含することを意図する。したがって、用語「アルキル」は線状、分枝および環状のアルキル基を包含している。同様の規則を、例えば「アルケニル」、「アルキニル」などの他の総称にも当てはめる。さらに、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などは、置換されている基および非置換の基の両方を包含する。一部の特定の実施形態では、「低級アルキル」が、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(環式、非環式、置換型、非置換、分枝または非分枝)を示すために使用される。
一部の特定の実施形態では、本開示において使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。一部の特定の他の実施形態では、本開示において使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。また他の実施形態では、本開示において使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、本開示において使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。また他の実施形態では、本開示において使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が1〜4個の炭素原子を含む。したがって、実例としての脂肪族基としては、限定されないが、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH−シクロプロピル、ビニル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシル部分などが挙げられ、これらがさらに1つまたはそれより多くの置換基を担持していてもよい。アルケニル基としては、限定されないが、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられる。代表的なアルキニル基としては、限定されないが、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられる。
用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝の飽和炭化水素基の原子団(「C1〜10アルキル」)を示す。いくつかの実施形態では、アルキル基が1〜9個の炭素原子を有する(「C1〜9アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が1〜8個の炭素原子を有する(「C1〜8アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が1〜7個の炭素原子を有する(「C1〜7アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が1〜6個の炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が1〜5個の炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が1〜4個の炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が1〜3個の炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が1〜2個の炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例としては、メチル(C)、エチル(C)、プロピル(C)(例えば、n−プロピル、イソプロピル)、ブチル(C)(例えば、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル)、ペンチル(C)(例えば、n−ペンチル、3−ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3−メチル−2−ブタニル、ターシャリーアミル)、およびヘキシル(C)(例えば、n−ヘキシル)が挙げられる。アルキル基のさらなる例としては、n−ヘプチル(C)、n−オクチル(C)などが挙げられる。特に指定のない限り、各場合のアルキル基は独立して、非置換(「非置換アルキル」)または1つもしくはそれより多くの置換基(例えば、Fなどのハロゲン)での置換型(「置換アルキル」)である。一部の特定の実施形態では、アルキル基が非置換のC1〜10アルキル(例えば、非置換のC1〜6アルキル、例えば−CH(Me)、非置換のエチル(Et)、非置換のプロピル(Pr、例えば非置換のn−プロピル(n−Pr)、非置換のイソプロピル(i−Pr))、非置換のブチル(Bu、例えば非置換のn−ブチル(n−Bu)、非置換のtert−ブチル(tert−Buまたはt−Bu)、非置換のsec−ブチル(sec−Bu)、非置換のイソブチル(i−Bu))である。一部の特定の実施形態では、アルキル基が、置換されているC1〜10アルキル(例えば、置換されているC1〜6アルキル、例えば−CF、Bn)である。
「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子、1つまたはそれより多くの炭素−炭素二重結合を有し、三重結合はない直鎖または分枝の炭化水素基の原子団(「C2〜20アルケニル」)を示す。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。該1つまたはそれより多くの炭素−炭素二重結合は内部に存在していても(例えば、2−ブテニルの場合)末端に存在していてもよい(例えば、1−ブテニルの場合)。C2〜4アルケニル基の例としては、エテニル(C)、1−プロペニル(C)、2−プロペニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などが挙げられる。C2〜6アルケニル基の例としては、前述のC2〜4アルケニル基ならびにペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などが挙げられる。アルケニルのさらなる例としては、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)などが挙げられる。特に指定のない限り、各場合のアルケニル基は独立して、任意選択的に置換されている、すなわち、非置換(「非置換アルケニル」)または1つもしくはそれより多くの置換基での置換型(「置換アルケニル」)である。一部の特定の実施形態では、アルケニル基が非置換のC2〜10アルケニルである。一部の特定の実施形態では、アルケニル基が、置換されているC2〜10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学的配置が指定されていないC=C二重結合(例えば、−CH=CHCHまたは
Figure 2021529174
)は(E)−二重結合であっても(Z)−二重結合であってもよい。
「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子、1つまたはそれより多くの炭素−炭素三重結合を有し、任意選択で1つまたはそれより多くの二重結合を有する直鎖または分枝の炭化水素基の原子団(「C2〜20アルキニル」)を示す。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。該1つまたはそれより多くの炭素−炭素三重結合は内部に存在していても(例えば、2−ブチニルの場合)末端に存在していてもよい(例えば、1−ブチニルの場合)。C2〜4アルキニル基の例としては、限定されないが、エチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)などが挙げられる。C2〜6アルケニル基の例としては、前述のC2〜4アルキニル基ならびにペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などが挙げられる。アルキニルのさらなる例としてはヘプチニル(C)、オクチニル(C)などが挙げられる。特に指定のない限り、各場合のアルキニル基は独立して、任意選択的に置換されている、すなわち、非置換(「非置換アルキニル」)または1つもしくはそれより多くの置換基での置換型(「置換アルキニル」)である。一部の特定の実施形態では、アルキニル基が非置換のC2〜10アルキニルである。一部の特定の実施形態では、アルキニル基が、置換されているC2〜10アルキニルである。
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、3〜10個の環内炭素原子を有する非芳香族の環式炭化水素基の原子団(「C3〜10カルボシクリル」)であって、該非芳香族環系内のヘテロ原子がゼロである原子団を示す。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基が3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3〜8カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基が3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基が3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基が5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5〜10カルボシクリル」)。例示的なC3〜6カルボシクリル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが挙げられる。例示的なC3〜8カルボシクリル基としては、限定されないが、前述のC3〜6カルボシクリル基ならびにシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などが挙げられる。例示的なC3〜10カルボシクリル基としては、限定されないが、前述のC3〜8カルボシクリル基ならびにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げられる。前述の例で実例を示したように、一部の特定の実施形態では、カルボシクリル基が単環式(「単環式カルボシクリル」)であるか、または縮合環系、架橋環系もしくはスピロ環系、例えば二環系(「二環式カルボシクリル」)を含むかのいずれかであり、飽和型であってもよく、部分不飽和であってもよい。「カルボシクリル」にはまた、上記に定義した炭素環式の環が1つまたはそれより多くのアリール基またはヘテロアリール基と縮合しており、結合点が該炭素環式の環上に存在している環系も包含され、かかる場合、炭素の個数は、該炭素環式の環系の炭素の個数が引き続き表記される。特に指定のない限り、各場合のカルボシクリル基は独立して、任意選択的に置換されている、すなわち、非置換(「非置換カルボシクリル」)または1つもしくはそれより多くの置換基での置換型(「置換カルボシクリル」)である。一部の特定の実施形態では、カルボシクリル基が非置換のC3〜10カルボシクリルである。一部の特定の実施形態では、カルボシクリル基が、置換されているC3〜10カルボシクリルである。
いくつかの実施形態では、「カルボシクリル」が、3〜10個の環内炭素原子を有する単環式の飽和カルボシクリル基(「C3〜10シクロアルキル」)である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3〜8シクロアルキル」)。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が5〜6個の環内炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5〜10シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例としてはシクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)が挙げられる。C3〜6シクロアルキル基の例としては、前述のC5〜6シクロアルキル基ならびにシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)が挙げられる。C3〜8シクロアルキル基の例としては、前述のC3〜6シクロアルキル基ならびにシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)が挙げられる。特に指定のない限り、各場合のシクロアルキル基は独立して、非置換(「非置換シクロアルキル」)または1つもしくはそれより多くの置換基での置換型(「置換シクロアルキル」)である。一部の特定の実施形態では、シクロアルキル基が非置換のC3〜10シクロアルキルである。一部の特定の実施形態では、シクロアルキル基が、置換されているC3〜10シクロアルキルである。
「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素、イオウ、ホウ素、リンおよびケイ素から独立して選択される3〜10員の非芳香族環系の原子団(「3〜10員のヘテロシクリル」)を示す。1個またはそれより多くの窒素原子を含むヘテロシクリル基において、結合点は、結合価が許容される限り、炭素原子であっても窒素原子であってもよい。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または縮合環系、架橋環系もしくはスピロ環系、例えば二環系(「二環式ヘテロシクリル」)いずれかであり得、飽和型であってもよく、部分不飽和であってもよい。二環式の環系のヘテロシクリルは一方または両方の環内に1個またはそれより多くのヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」にはまた、上記に定義した複素環式の環が1つまたはそれより多くのカルボシクリル基と縮合しており、結合点が該カルボシクリル上または該複素環式の環上のいずれかに存在している環系あるいは上記に定義した複素環式の環が1つまたはそれより多くのアリール基またはヘテロアリール基と縮合しており、結合点が該複素環式の環上に存在している環系も包含され、かかる場合、環構成員の個数は、該複素環式の環系の環構成員の個数が引き続き表記される。特に指定のない限り、各場合のヘテロシクリルは独立して、任意選択的に置換されている、すなわち、非置換(「非置換ヘテロシクリル」)または1つもしくはそれより多くの置換基での置換型(「置換ヘテロシクリル」)である。一部の特定の実施形態では、ヘテロシクリル基が非置換の3〜10員のヘテロシクリルである。一部の特定の実施形態では、ヘテロシクリル基が置換されている3〜10員のヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基が、環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素、イオウ、ホウ素、リンおよびケイ素から独立して選択される5〜10員の非芳香族環系(「5〜10員のヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基が、環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素およびイオウから独立して選択される5〜8員の非芳香族環系(「5〜8員のヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基が、環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素およびイオウから独立して選択される5〜6員の非芳香族環系(「5〜6員のヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態では、5〜6員のヘテロシクリルが、窒素、酸素およびイオウから選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5〜6員のヘテロシクリルが、窒素、酸素およびイオウから選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5〜6員のヘテロシクリルが、窒素、酸素およびイオウから選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。
1個のヘテロ原子を含む例示的な3員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、アジルジニル(azirdinyl)、オキシラニルおよびチイラニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル−2,5−ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニルおよびオキサゾリジン−2−オンが挙げられる。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニルおよびジオキサニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員のヘテロシクリル基としては、限定されないがトリアジナニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含む例示的な8員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルが挙げられる。Cアリール環に縮合している5員のヘテロシクリル基(本明細書において5,6−二環式複素環式の環とも称する)の例示としては、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられる。アリール環に縮合している6員のヘテロシクリル基(本明細書において6,6−二環式複素環式の環とも称する)の例示としては、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられる。
「アリール」は、6〜14個の環内炭素原子を有する単環式または多環式の(例えば、二環式または三環式の)4n+2芳香族環系(例えば、環状配列(array)内で共有される6、10または14個のπ電子を有する)の原子団であって、該芳香族環系内に備えているヘテロ原子がゼロである原子団(「C6〜14アリール」)を示す。いくつかの実施形態では、アリール基が6個の環内炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態では、アリール基が10個の環内炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態では、アリール基が14個の環内炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。「アリール」にはまた、上記に定義したアリール環が1つまたはそれより多くのカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合しており、結合原子団または結合点が該アリール環上に存在している環系も包含され、かかる場合、炭素原子の個数は、該アリール環系の炭素原子の個数が引き続き表記される。特に指定のない限り、各場合のアリール基は独立して、任意選択的に置換されている、すなわち、非置換(「非置換アリール」)または1つもしくはそれより多くの置換基での置換型(「置換アリール」)である。一部の特定の実施形態では、アリール基が非置換のC6〜14アリールである。一部の特定の実施形態では、アリール基が、置換されているC6〜14アリールである。
「アラルキル」はアルキルおよびアリールのサブセットであり、任意選択的に置換されているアリール基によって置換されている任意選択的に置換されているアルキル基を示す。一部の特定の実施形態では、アラルキルが、任意選択的に置換されているベンジルである。一部の特定の実施形態では、アラルキルがベンジルである。一部の特定の実施形態では、アラルキルが、任意選択的に置換されているフェネチルである。一部の特定の実施形態では、アラルキルがフェネチルである。
「ヘテロアリール」は、環内炭素原子を有する5〜10員の単環式または二環式の4n+2芳香族環系(例えば、環状配列内で共有される6個または10個のπ電子を有する)の原子団(「5〜10員のヘテロアリール」)であって、該芳香族環系内に備えている環内ヘテロ原子が1〜4個であり、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素およびイオウから独立して選択される原子団を示す。1個またはそれより多くの窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合点は、結合価が許容される限り、炭素原子であっても窒素原子であってもよい。二環式の環系のヘテロアリールは一方または両方の環内に1個またはそれより多くのヘテロ原子を含み得る。「ヘテロアリール」は、上記に定義したヘテロアリール環が1つまたはそれより多くのカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合しており、結合点が該ヘテロアリール環上に存在している環系を包含し、かかる場合、環構成員の個数は、該ヘテロアリール環系の環構成員の個数が引き続き表記される。「ヘテロアリール」にはまた、上記に定義したヘテロアリール環が1つまたはそれより多くのアリール基と縮合しており、結合点が該アリール上または該ヘテロアリール環上のいずれかに存在している環系も包含され、かかる場合、環構成員の個数は該縮合(アリール/ヘテロアリール)環系の環構成員の個数が表記される。一方の環にはヘテロ原子が含まれていない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)は、結合点がいずれの環上、すなわち、ヘテロ原子を担持している環(例えば、2−インドリル)上またはヘテロ原子が含まれていない環(例えば、5−インドリル)上のいずれに存在していてもよい。
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基が、環内炭素原子を有する5〜10員の芳香族環系であって、該芳香族環系内に備えている環内ヘテロ原子が1〜4個であり、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素およびイオウから独立して選択されるもの(「5〜10員のヘテロアリール」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基が、環内炭素原子を有する5〜8員の芳香族環系であって、該芳香族環系内に備えている環内ヘテロ原子が1〜4個であり、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素およびイオウから独立して選択されるもの(「5〜8員のヘテロアリール」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基が、環内炭素原子を有する5〜6員の芳香族環系であって、該芳香族環系内に備えている環内ヘテロ原子が1〜4個であり、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素およびイオウから独立して選択されるもの(「5〜6員のヘテロアリール」)である。いくつかの実施形態では、5〜6員のヘテロアリールが、窒素、酸素およびイオウから選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5〜6員のヘテロアリールが、窒素、酸素およびイオウから選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5〜6員のヘテロアリールが、窒素、酸素およびイオウから選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。特に指定のない限り、各場合のヘテロアリール基は独立して、任意選択的に置換されている、すなわち、非置換(「非置換ヘテロアリール」)または1つもしくはそれより多くの置換基での置換型(「置換ヘテロアリール」)である。一部の特定の実施形態では、ヘテロアリール基が非置換の5〜14員のヘテロアリールである。一部の特定の実施形態では、ヘテロアリール基が置換されている5〜14員のヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含む例示的な5員のヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員のヘテロアリール基としては、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員のヘテロアリール基としては、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員のヘテロアリール基としては、限定されないがテトラゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員のヘテロアリール基としては、限定されないがピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員のヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが挙げられる。3個または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員のヘテロアリール基としては、限定されないが、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員のヘテロアリール基としては、限定されないが、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルが挙げられる。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニルおよびプリニルが挙げられる。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、ナフトリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが挙げられる。
「ヘテロアラルキル」はアルキルおよびヘテロアリールのサブセットであり、任意選択的に置換されているヘテロアリール基によって置換されている任意選択的に置換されているアルキル基を示す。
「不飽和」または「部分不飽和」は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む基を示す。「部分不飽和」環系は、複数の不飽和部位を有する環を包含することをさらに意図するが、芳香族基(例えば、アリール基またはヘテロアリール基)を含んでいることは意図していない。同様に、「飽和」は、二重結合または三重結合を含んでいない、すなわち含まれている結合がすべて単結合である基を示す。
二価の架橋基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、さらに接尾辞−ene(エン)を用いて、例えばアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンと称される。
本明細書に記載の原子、部分または基は、明示的に示していない限り、結合価が許容される限り非置換であっても置換されていてもよい。用語「任意選択的に置換されている」は、置換されているか、または非置換であることを示す。
基は、明示的に示していない限り、任意選択的に置換されている。用語「任意選択的に置換されている」とは、置換されているか、または非置換であることを示す。一部の特定の実施形態では、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は任意選択的に置換されている(例えば、「置換されている」または「非置換の」アルキル、「置換されている」または「非置換の」アルケニル、「置換されている」または「非置換の」アルキニル、「置換されている」または「非置換の」カルボシクリル、「置換されている」または「非置換の」ヘテロシクリル、「置換されている」または「非置換の」アリールあるいは「置換されている」または「非置換の」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換されている」とは、前に用語「任意選択的に」があろうがなかろうが、基(例えば、炭素原子または窒素原子)上に存在する少なくとも1個の水素が許容され得る置換基で、例えば、置換されると安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離など、または他の反応による変換を自然発生的に受けない化合物をもたらす置換基で置き換えられていることを意味する。特に記載のない限り、「置換されている」基は、該基の1つまたはそれより多くの置換可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造内の1つより多くの位置が置換されている場合、該置換基は各位置において同じであるか異なっているかのいずれかである。用語「置換されている」には、有機化合物である許容され得るあらゆる置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載の任意の置換基を伴う置換が包含されることを想定している。本開示では、安定な化合物を得るための任意のあらゆるかかる組合せを想定している。本開示の解釈上、窒素などのヘテロ原子は、該ヘテロ原子の結合価を満たし、安定な部分の形成をもたらす水素置換基および/または本明細書に記載のような任意の適切な置換基を有し得る。一部の特定の実施形態では、置換基が炭素原子置換基である。一部の特定の実施形態では、置換基が窒素原子置換基である。一部の特定の実施形態では、置換基が酸素原子置換基である。一部の特定の実施形態では、置換基がイオウ原子置換基である。
例示的な炭素原子置換基としては、限定されないが、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb 、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa −C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)(N(Rbb、−OP(=O)(N(Rbb、−NRbbP(=O)(Raa、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(N(Rbb、−P(Rcc、−P(ORcc、−P(Rcc 、−P(ORcc 、−P(Rcc、−P(ORcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc 、−OP(ORcc、−OP(ORcc 、−OP(Rcc、−OP(ORcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5〜14員のヘテロアリールが挙げられ、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;Xは対イオンであるか;
あるいは、炭素原子上の2個のジェミナル水素が、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbまたは=NORccで置き換えられており;
各Raaの実体は独立して、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が連接されて3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;
各Rbbの実体は独立して、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)(N(Rcc、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連接されて3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;Xは対イオンであり;
各Rccの実体は独立して、水素、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が連接されて3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;
各Rddの実体は独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff 、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)(ORee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されているか、または2つのジェミナルRdd置換基が連接されて=Oもしくは=Sを形成していてもよく;Xは対イオンであり;
各Reeの実体は独立して、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリルおよび3〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換されており;
各Rffの実体は独立して、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリールおよび5〜10員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が連接されて3〜10員のヘテロシクリルもしくは5〜10員のヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換されており;
各Rggの実体は独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル) 、−NH(C1〜6アルキル) 、−NH(C1〜6アルキル)、−NH 、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH、−NHC(NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO1〜6アルキル、−SOOC1〜6アルキル、−OSO1〜6アルキル、−SOC1〜6アルキル、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル) −C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(OC1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールであるか;または2つのジェミナルRgg置換基が連接されて=Oもしくは=Sを形成していてもよく;Xは対イオンである。いくつかの実施形態では、任意選択の置換基がハロゲン、−NO、−N、−SOH、−SOH、アシル(例えば、−C(=O)C1〜10アルキル)、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、5〜14員のヘテロアリール、分枝のC1〜10アルキル、−OH、−O(C1〜10アルキル)、−O(C2〜10アルケニル)、−O(C2〜10アルキニル)、酸(例えば、−COOH)、エステル(例えば、−COO(C1〜10アルキル))、アミン(例えば、−NH、−NH(C1〜10アルキル)、−N(C1〜10アルキル))、置換されているアミン、アミド(例えば、−C(=O)N(C1〜10アルキル))、ウレア、イミド、−CN、ニトリル、シアノ基またはカルバメートである。いくつかの実施形態では、炭素原子が、ハロゲン、−NO、−N、−SOH、−SOH、アシル(例えば、−C(=O)C1〜10アルキル)、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、5〜14員のヘテロアリール、分枝のC1〜10アルキル、−OH、−O(C1〜10アルキル)、−O(C2〜10アルケニル)、−O(C2〜10アルキニル)、酸(例えば、−COOH)、エステル(例えば、−COO(C1〜10アルキル))、アミン(例えば、−NH、−NH(C1〜10アルキル)、−N(C1〜10アルキル))、置換されているアミン、アミド(例えば、−C(=O)N(C1〜10アルキル))、ウレア、イミド、−CN、ニトリル、シアノ基またはカルバメートで任意選択的に置換されている。いくつかの実施形態では、炭素原子が、ハロゲン、アシル(例えば、−C(=O)C1〜10アルキル)、C1〜10アルキル、分枝のC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、5〜14員のヘテロアリール、−OH、−O(C1〜10アルキル)、−CN、−NO、−N、−SOHまたはアミン(例えば、−NH、−NH(C1〜10アルキル)で任意選択的に置換されている。いくつかの実施形態では、任意選択の置換基がハロゲン、アシル(例えば、−C(=O)C1〜10アルキル)、C1〜10アルキル、分枝のC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、5〜14員のヘテロアリール、−OH、−O(C1〜10アルキル)、−CN、−NO、−N、−SOHまたはアミン(例えば、−NH、−NH(C1〜10アルキル)である。
「対イオン」または「対イオンのアニオン」は、電気的中性を維持するために正電荷を有する基と会合する負電荷を有する基である。対イオンのアニオンは一価(すなわち、1つの負の形式電荷を含んでいるもの)であり得る。また、対イオンのアニオンは多価(すなわち、1つより多くの負の形式電荷を含んでいるもの)、例えば二価または三価であってもよい。例示的な対イオンとしては、ハライドイオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO 、ClO 、OH、HPO 、HCO 、HSO 、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、10−カンファースルホネート、ナフタレン−2−スルホネート、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホネート、エタン−1−スルホン酸−2−スルホネートなど)、カルボキシレートイオン(例えば、アセテート、プロパノエート、ベンゾエート、グリセレート、ラクテート、タルタレート、グリコレート、グルコネートなど)、BF 、PF 、PF 、AsF 、SbF 、B[3,5−(CF、B(C 、BPh 、Al(OC(CF およびカルボランアニオン(例えば、CB1112 または(HCB11MeBr)が挙げられる。多価であり得る例示的な対イオンとしては、CO 2−、HPO 2−、PO 3−、B 2−、SO 2−、S 2−、カルボキシレートアニオン(例えば、タルタレート、シトレート、フマレート、マレエート、マレート、マロネート、グルコネート、スクシネート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバケート、サリチレート、フタレート、アスパルテート、グルタメートなど)およびカルボランが挙げられる。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)またはヨウ素(ヨード、−I)を示す。
「アシル」は、−C(=O)Raa、−CHO、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaaまたは−C(=S)SRaaからなる群より選択される部分を示し、ここで、RaaおよびRbbは本明細書に規定したとおりである。
窒素原子は、結合価が許容される限り置換されていても非置換であってもよく、第1級、第2級、第3級および第4級窒素原子が包含される。例示的な窒素原子置換基としては、限定されないが、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(ORcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(N(Rcc、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5〜14員のヘテロアリールが挙げられるか、またはN原子に結合している2つのRcc基が連接されて3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは上記に規定したとおりである。
一部の特定の実施形態では、窒素原子上に存在する置換基が窒素保護基(本明細書において「アミノ保護基」とも称する)である。窒素保護基としては、限定されないが、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5〜14員のヘテロアリール基が挙げられ、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは本明細書に規定したとおりである。窒素保護基は当該技術分野でよく知られており、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,第3版,John Wiley & Sons,1999に詳細に記載のものが挙げられ、引用により本明細書に組み込まれる。
例えば、アミド基(例えば、−C(=O)Raa)などの窒素保護基としては、限定されないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド(nitophenylacetamide)、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミドおよびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが挙げられる。一部の特定の実施形態では、窒素保護基がホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミドもしくはo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド;または である。
カルバメート基(例えば、−C(=O)ORaa)などの窒素保護基としては、限定されないが、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOCまたはBoc)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジル(nitobenzyl)カルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボリンル(isoborynl)カルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメートおよび2,4,6−トリメチルベンジルカルバメートが挙げられる。
スルホンアミド基(例えば、−S(=O)aa)などの窒素保護基としては、限定されないが、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドおよびフェナシルスルホンアミドが挙げられる。
他の窒素保護基としては、限定されないが、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピルーリン(pyroolin)−3−イル)アミン、第4級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン(borinic)酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロム−またはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィノアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィノアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィノアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミダート、ジベンジルホスホロアミダート、ジフェニルホスホロアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミドおよび3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が挙げられる。
一部の特定の実施形態では、酸素原子上に存在する置換基が酸素保護基(本明細書において「ヒドロキシル保護基」とも称する)である。酸素保護基としては、限定されないが、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc 、−P(ORcc、−P(ORcc 、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORccおよび−P(=O)(N(Rbbが挙げられ、ここで、X、Raa、RbbおよびRccは本明細書に規定したとおりである。酸素保護基は当該技術分野でよく知られており、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,第3版,John Wiley & Sons,1999に詳細に記載のものが挙げられ、引用により本明細書に組み込まれる。一部の特定の実施形態では、酸素保護基がメチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェンアシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾル−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリルまたはジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)である。
例示的な酸素保護基としては、限定されないが、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェンアシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾル−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、メチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、炭酸エチル、2,2,2−トリクロロ炭酸エチル(Troc)、2−(トリメチルシリル)炭酸エチル(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)炭酸エチル(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)炭酸エチル(Peoc)、イソブチルカーボネート、ビニルカーボネート、アリルカーボネート、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、p−ニトロフェニルカーボネート、ベンジルカーボネート、p−メトキシベンジルカーボネート、3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、o−ニトロベンジルカーボネート、p−ニトロベンジルカーボネート、S−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナプトチル(napththyl)カーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシアシル)ベンゾエート、α−ナフトエート、ナイトレート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts)が挙げられる。
一部の特定の実施形態では、イオウ原子上に存在する置換基がイオウ保護基(「チオール保護基」とも称する)である。イオウ保護基としては、限定されないが、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc 、−P(ORcc、−P(ORcc 、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORccおよび−P(=O)(N(Rbbが挙げられ、ここで、Raa、RbbおよびRccは本明細書に規定したとおりである。イオウ保護基は当該技術分野でよく知られており、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,第3版,John Wiley & Sons,1999に詳細に記載のものが挙げられ、引用により本明細書に組み込まれる。
本明細書で用いる場合、「脱離基」(LG)は、ヘテロリシス結合切断において電子対を伴って離脱する分子断片を示す当該技術分野で理解されている用語であり、ここで、該分子断片はアニオンまたは中性分子である。本明細書で用いる場合、脱離基は、求核試薬によって置き換えられ得る原子または基であり得る。例えば、Smith,March Advanced Organic Chemistry 6版(501−502)を参照のこと。例示的な脱離基としては、限定されないが、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)ならびに活性化型置換ヒドロキシル基(例えば、−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−OC(=O)N(Rbb、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb、−OS(=O)Raa、−OSOaa、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(=O)aa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−OP(=O)N(Rbbおよび−OP(=O)(NRbb、ここで、Raa、RbbおよびRccは本明細書に規定したとおりである)が挙げられる。
「炭化水素鎖」は、置換または非置換の二価のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を示す。炭化水素鎖は、(1)該炭化水素鎖の2つの原子団間に隣接する1つまたはそれより多くの炭素原子鎖;(2)任意選択で、該炭素原子鎖(1つまたは複数)上に1個またはそれより多くの水素原子;および(3)任意選択で、該炭素原子鎖(1つまたは複数)上に1つまたはそれより多くの置換基(水素ではない「非鎖状置換基」)を含む。炭素原子鎖は、連続的に結合している炭素原子(「鎖内原子」)からなり、水素原子またはヘテロ原子を含んでいない。しかしながら、非鎖状置換基の炭化水素鎖には任意の原子、例えば水素原子、炭素原子およびヘテロ原子が含まれ得る。例えば、炭化水素鎖−CH(C)−は、1個の鎖内原子C、C上の1個の水素原子および非鎖状置換基−(C)を含む。xは正の整数である「C炭化水素鎖」という用語は、該炭化水素鎖の2つの原子団間にx個の鎖内原子(1個または複数)を含む炭化水素鎖を示す。xとして可能な値が1つより多く存在する場合、可能な最小値のxが炭化水素鎖の規定に使用される。例えば、−CH(C)−はC炭化水素鎖であり、
Figure 2021529174
はC炭化水素鎖である。値の範囲を用いている場合、その範囲の意味は本明細書に記載のとおりである。例えば、C3〜10炭化水素鎖は、該炭化水素鎖の2つの原子団間に隣接する最も短い炭素原子鎖の鎖内原子の数が3、4、5、6、7、8、9または10である炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は飽和型(例えば、−(CH−)であり得る。また、炭化水素鎖は不飽和であってもよく、1つまたはそれより多くのC=C結合および/またはC≡C結合を該炭化水素鎖内のどこかに含み得る。例えば、−CH=CH−(CH−、−CH−C≡C−CH−および−C≡C−CH=CH−はすべて、非置換の不飽和炭化水素鎖の例である。一部の特定の実施形態では、炭化水素鎖が非置換(例えば、−C≡C−または−(CH−)である。一部の特定の実施形態では、炭化水素鎖が置換型(例えば、−CH(C)−および−CF−)である。炭化水素鎖上の任意の2つの置換基が連接されて、任意選択的に置換されているカルボシクリル、任意選択的に置換されているヘテロシクリル、任意選択的に置換されているアリール、または任意選択的に置換されているヘテロアリール環を形成していてもよい。例えば、
Figure 2021529174
はすべて、炭化水素鎖の例である。対照的に、一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
は、本明細書に記載の炭化水素鎖の範囲に含まれない。C炭化水素鎖の鎖内原子がヘテロ原子で置き換えられる場合、得られる基は、Cx−1炭化水素鎖ではなく、鎖内原子がヘテロ原子で置き換えられているC炭化水素鎖と称される。例えば、
Figure 2021529174
は、1個の鎖内原子が酸素原子で置き換えられているC炭化水素鎖である。
用語「薬学的に許容され得る塩」は、正しい医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激性、アレルギー応答などを伴うことなくヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適しており、妥当な便益/リスク比に相応する塩を示す。薬学的に許容され得る塩は当該技術分野でよく知られている。例えば、Berge et al.によって、薬学的に許容され得る塩がJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66、1−19に詳細に報告されており、引用により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の化合物の薬学的に許容され得る塩としては、適切な無機および有機の酸および塩基に由来するものが挙げられる。薬学的に許容され得る無毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸または有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸を用いて、あるいは当該技術分野で知られた他の方法、例えばイオン交換を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容され得る塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シトレート酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基に由来する塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1〜4アルキル) の塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含むものである。さらなる薬学的に許容され得る塩は、適切な場合は、対イオン、例えばハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ナイトレート、低級アルキルスルホネートおよびアリールスルホネートを用いて形成される、無毒性のアンモニウム、第4級アンモニウムおよびアミンカチオンを含むものである。
本明細書で用いる場合、語句「少なくとも1つの場合」の使用は、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれより多くの場合を示すが、範囲、例えば1〜4つ、1〜3つ、1〜2つ、2〜4つ、2〜3つまたは3〜4つの場合など(両端を含む)も包含している。
「非水素基」は、特定の可変部について規定される、水素ではない任意の基を示す。
これらおよび他の例示的な置換基は詳細説明、実施例および特許請求の範囲に、より詳細に記載されている。本発明は、置換基の上記の例示的な列記によっていかなる様式でも限定されることは意図されていない。
他の定義
以下の定義は、本出願書類全体を通して用いている、より一般的な用語である。
用語「溶媒和物」は、溶媒と、通常、加溶媒分解反応によって会合している化合物またはその塩の形態を示す。この物理的会合としては水素結合が挙げられ得る。溶媒和物を形成し得る慣用的な溶媒としては、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物は、例えば結晶性形態で調製され得、溶媒和され得る。好適な溶媒和物としては薬学的に許容され得る溶媒和物が挙げられ、さらに、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物の両方が包含される。一部の特定の場合では、溶媒和物が、例えば1つまたはそれより多くの溶媒分子が結晶性固体の結晶格子内に組み込まれている場合、単離できるものである。「溶媒和物」には、液相溶媒和物および単離可能な溶媒和物の両方が包含される。代表的な溶媒和物としては、水和物、エタノレートおよびメタノレートが挙げられる。
用語「水和物」は、水と会合している化合物を示す。典型的には、化合物の水和物内に含有される水分子の数は該水和物内の化合物分子の数に対して定率である。したがって、化合物の水和物は、例えば一般式R・x HOで表され得、式中、Rは該化合物であり、xは0より大きい数である。所与の化合物は、1つより多くの型の水和物を形成する場合があり得、例えば一水和物(xが1である)、低級(lower)水和物(xが0より大きく1より小さい数であり、例えば半水和物(R・0.5HO))、および多水和物(polyhydrate)(xが1より大きい数であり、例えば二水和物(R・2HO)および六水和物(R・6HO))が挙げられる。。
用語「互変異性体」または「互変異性の」は、水素原子と少なくとも1つの原子価の少なくとも1回の形式移動(例えば、単結合が二重結合に、三重結合が単結合に、またはその逆)によって生じる2種類以上の相互変換性の化合物を示す。互変異性体の厳密な比率は、いくつかの要素、例えば温度、溶媒およびpHに依存する。互変異性化(すなわち、互変異性ペアをもたらす反応)は酸または塩基によって触媒され得る。例示的な互変異性化としては、ケトとエノール、アミドとイミド、ラクタムとラクチム、エナミンとイミン、およびエナミンと(異なるエナミン)の互変異性化が挙げられる。
また、同じ分子式を有するがその原子の結合の性質または配列あるいはその原子の空間における配置が異なる化合物は「異性体」と称されることは理解されよう。原子の空間における配置が異なる異性体は「立体異性体」と称される。
互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマーと称され、互いの鏡像を重ね合わせることができないものは「エナンチオマー」と称される。化合物が不斉中心を有する、例えば4つの異なる基に結合している場合、1対のエナンチオマーが考えられ得る。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置によってキャラクタライズされ得、CahnおよびPrelogのR−およびS−順位則によって示されるか、または右旋性もしくは左旋性と表示される分子が偏光面を回転させる様式(すなわち、それぞれ(+)または(−)−異性体として)によって示される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーまたはその混合物のいずれかとして存在し得る。等しい割合のエナンチオマーを含む混合物は「ラセミ混合物」と称される。
用語「多形体」は、化合物(またはその塩、水和物もしくは溶媒和物)の結晶性形態を示す。多形体はすべて、同じ元素組成を有する。異なる結晶性形態は通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学特性および電気特性、安定性ならびに可溶性を有する。再結晶溶媒、晶出速度、保存温度および他の要素により、ある1種類の結晶形態が優位となり得る。異なる条件下での晶出により、化合物の種々の多形体が調製され得る。
用語「プロドラッグ」は、切断性の基を有し、加溶媒分解によって、または生理学的条件下でインビボで医薬活性な本明細書に記載の化合物になる化合物を示す。そのような例としては、限定されないが、コリンエステル誘導体など、N−アルキルモルホリンエステルなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物の他の誘導体は、酸形態および酸誘導体形態の両方において活性を有するが、酸感受性形態では、多くの場合、哺乳動物生物体において可溶性、組織適合性または遅延放出の利点をもたらす(Bundgard,H.,Design of Prodrugs,pp.7−9,21−24,Elsevier,Amsterdam 1985参照)。プロドラッグとしては、当業者によく知られた酸誘導体、例えば、親の酸と適切なアルコールの反応によって調製されるエステル、または親の酸化合物と置換または非置換のアミンの反応によって調製されるアミド、あるいは酸無水物または混合無水物などが挙げられる。本明細書に記載の化合物に懸垂している酸性基に由来する単純な脂肪族または芳香族のエステル、アミドおよび無水物は具体的なプロドラッグである。いくつかの場合では、二重エステル型プロドラッグ、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが望ましい。本明細書に記載の化合物のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、C〜C12置換アリールおよびC〜C12アリールアルキルエステルが好ましいであろう。一部の特定の実施形態では、プロドラッグが(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを含む。本明細書に記載の化合物のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、C〜C12置換アリールまたはC〜C12アリールアルキルエステル。一部の特定の実施形態では、プロドラッグが本明細書に記載の化合物のグリシルエステル誘導体を含む。
本明細書で用いる場合、用語「阻害する」または「阻害」は、諸酵素との関連において、例えばある一酵素との関連において、タンパク質分解の促進によるタンパク質レベルの低減を示す。したがって、タンパク質レベルの低減により該タンパク質の活性レベルが低下する。本明細書で用いる場合、用語「阻害する」または「阻害」は、例えばプロテアソームとの関連において、プロテアソームによる活性のレベルの低下、例えばプロテアソームによる分解のレベルの低下を示す。いくつかの実施形態では、この用語は、プロテアソーム活性のレベルが、例えばプロテアソーム活性のベースラインレベルであり得る初期レベルより統計学的に有意に低いレベルまで低下することを示す。いくつかの実施形態では、この用語は、プロテアソーム活性のレベルが、例えばプロテアソーム活性のベースラインレベルであり得る初期レベルの75%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満または0.0001%未満であるレベルまで低下することを示す。
化合物、医薬組成物、方法、使用またはキットを、標的(例えば、酵素、E3リガーゼ)に対して「選択的に」、「特異的に」または「競合的に」結合または阻害すると称する場合、該化合物、医薬組成物、方法、使用またはキットは該標的酵素を、異なる標的(例えば、酵素、DOT1L)の結合または阻害より大きい程度で(例えば、2倍以上、5倍以上、10倍以上、30倍以上、100倍以上、1,000倍以上もしくは10,000倍以上;および/または:2倍以下、5倍以下、10倍以下、30倍以下、100倍以下、1,000倍以下もしくは10,000倍以下)阻害する。
用語「組成物」と「製剤」は互換的に用いている。
投与が想定される「被験体」は、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば小児被験体(例えば、乳児、児童もしくは青年)または成人被験体(例えば、若年成人、中年成人もしくは高齢成人))あるいは非ヒト動物を示す。一部の特定の実施形態では、非ヒト動物が哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)、商業的に重要な哺乳動物(例えば、畜牛、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコもしくはイヌ)または鳥類(例えば、商業的に重要な鳥類、例えばニワトリ、アヒル、ガチョウもしくは七面鳥))である。一部の特定の実施形態では、非ヒト動物が魚類、爬虫類または両生類である。非ヒト動物は任意の発育段階の雄または雌であり得る。非ヒト動物はトランスジェニック動物または遺伝子改変操作動物であってもよい。「患者」は、疾患の処置を必要とするヒト被験体を示す。また、被験体は植物であってもよい。一部の特定の実施形態では、植物が陸上植物である。一部の特定の実施形態では、植物が、維管束がない陸上植物である。一部の特定の実施形態では、植物が、維管束がある陸上植物である。一部の特定の実施形態では、植物が種子植物である。一部の特定の実施形態では、植物が栽培植物である。一部の特定の実施形態では、植物が双子葉植物である。一部の特定の実施形態では、植物が単子葉植物である。一部の特定の実施形態では、植物が顕花植物である。一部の実施形態では、植物が穀物用植物、例えばトウモロコシ、コーン、小麦、米、オート麦、大麦、ライムギまたは雑穀である。一部の実施形態では、植物がマメ科植物、例えばマメ植物、例えば大豆植物である。一部の実施形態では、植物が樹木または低木である。
用語「生物学的試料」は、任意の試料、例えば組織試料(例えば、組織切片および組織の針生検試料);細胞試料(例えば、細胞学的スミア(例えば、パップ(Pap)もしくは血液スミア)またはマイクロダイセクションによって得られた細胞の試料);完全生物体の試料(例えば、酵母または細菌の試料);あるいは細胞画分、断片または細胞小器官(例えば、細胞を溶解させ、その構成成分を遠心分離などによって分離することより得られる)を示す。生物学的試料の他の例としては、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙液、汗、膿、生検組織(例えば、外科生検もしくは針生検によって採取)、乳頭吸引液、乳汁、膣分泌液、唾液、スワブ(例えば、口腔内スワブ)、または生物学的試料に由来する生体分子を含有している任意の材料が挙げられる。
用語「組織」は、本発明の化合物、粒子および/または組成物を送達する対象となる、被験体の任意の生物学的組織(例えば、細胞群、身体の一部もしくは器官)またはその一部、例えば血管および/またはリンパ管を示す。組織は、処置が必要とされ得る異常または非健常な組織であり得る。また、組織は、異常または非健常となるリスクが通常より高い状態にある、予防が必要とされ得る正常または健常な組織であってもよい。一部の特定の実施形態では、組織が中枢神経系である。一部の特定の実施形態では、組織が脳である。
用語「投与する」、「投与すること」または「投与」とは、本明細書に記載の化合物またはその組成物を被験体に埋め込むこと、吸収させること、摂取させること、注射すること、吸入させること、あるいは導入することを示す。
用語「処置」、「処置する」および「処置すること」とは、本明細書に記載の疾患を逆転させること、緩和させること、その発症を遅延させること、またはその進行を阻止することを示す。いくつかの実施形態では、処置は、疾患の1つまたはそれより多くの徴候または症状が発現した後または観察された後に施行され得る。他の実施形態では、処置は、疾患の徴候または症状がない状態で施行され得る。例えば、処置は、易罹患性の被験体に対して、症状が出る前(例えば、症状歴に鑑みて)施行され得る。また、処置は症状が消退した後も、例えば再発を遅延または予防するために継続される場合があり得る。
用語「病状」、「疾患」および「障害」は互換的に用いている。
本明細書に記載の化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答が誘起されるのに充分な量を示す。本明細書に記載の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、該化合物の薬物動態、処置対象の病状、投与様式ならびに被験体の年齢および健康状態などの要素に応じて異なり得る。一部の特定の実施形態では、有効量が治療有効量である。一部の特定の実施形態では、有効量が予防的処置量である。一部の特定の実施形態では、有効量が、単回用量における本明細書に記載の化合物の量である。一部の特定の実施形態では、有効量が、反復用量における本明細書に記載の化合物の合計量である。
本明細書に記載の化合物の「治療有効量」は、病状の処置において治療有益性がもたらされるか、または該病状と関連している1つもしくはそれより多くの症状が遅延されるか、もしくは最小限となるのに充分な量である。化合物の治療有効量は、単独または他の治療薬との併用で病状の処置において治療有益性をもたらす、治療用薬剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、全体としての治療を改善する量、病状の症状、徴候もしくは原因を低減もしくは回避する量および/または別の治療用薬剤の治療有効性を高める量を包含し得る。一部の特定の実施形態では、治療有効量は、標的(例えば、タンパク質(例えば、DOT1L)に結合する(および/または標的(例えば、タンパク質(例えば、DOT1L)の分解を誘導する)のに充分な量である。
本明細書に記載の化合物の「予防有効量」は、病状または該病状と関連している1つもしくはそれより多くの徴候もしくは症状が予防されるか、あるいはその再発が予防されるのに充分な量である。化合物の予防有効量は、単独または他の薬剤との併用で病状の予防において予防的有益性をもたらす、治療用薬剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、全体としての予防を改善する量または別の予防用薬剤の予防有効性を高める量を包含し得る。一部の特定の実施形態では、予防有効量は、標的(例えば、タンパク質(例えば、DOT1L)に結合するのに充分な量である。一部の特定の実施形態では、予防有効量は、疾患(例えば、増殖性疾患(例えば、がん))が処置されるのに充分な量である。一部の特定の実施形態では、予防有効量は、標的(例えば、タンパク質(例えば、DOT1L)に結合および/または該標的(例えば、タンパク質(例えば、DOT1L)の分解を誘導し、疾患(例えば、増殖性疾患(例えば、がん))が処置されるのに充分な量である。
「増殖性疾患」は、細胞の異常な増殖または細胞増殖の拡延によって起こる疾患を示す(Walker,Cambridge Dictionary of Biology;Cambridge University Press:Cambridge,UK,1990)。増殖性疾患は:1)正常な休眠細胞の病的な増殖;2)細胞のその通常の場所からの病的な遊走(例えば、新生物性細胞の転移);3)タンパク質分解性酵素、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ(例えば、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼおよびエラスターゼ)の病的な発現;または4)増殖性網膜症および腫瘍転移の場合のような病的な血管新生と関連し得る。例示的な増殖性疾患としては、がん(すなわち、「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患および自己免疫性疾患が挙げられる。
用語「血管新生」は、既存の血管から新たな血管が形成される生理的プロセスを示す。血管新生は、中胚葉由来の前駆細胞からの内皮細胞のデノボ形成である脈管形成とは相違する。発達中の胚の最初の血管は脈管形成によって形成され、その後は血管新生が、正常な発達時または異常な発達時のほとんどの血管増殖を担う。血管新生は、成長および発達時ならびに創傷治癒時および肉芽組織の形成時における生命維持に必要なプロセスである。しかしながら、血管新生はまた、腫瘍が良性状態から悪性状態に移行する重要な第一歩でもあり、がんの処置において血管新生阻害薬を使用するに至る。血管新生は、血管新生タンパク質、例えば増殖因子(例えば、VEGF)によって化学的に刺激され得る。「病的な血管新生」は、疾患になる、および/または疾患と関連する異常な(例えば、過度または不充分な)血管新生を示す。
用語「新生物」および「腫瘍」は本明細書において互換的に用いており、増殖が正常組織の増殖に勝り、協調的でない異常な組織集団を示す。新生物または腫瘍は、以下の特徴:細胞の分化度(例えば、形態構造および機能性)、増殖速度、局所浸潤および転移に応じて「良性」または「悪性」であり得る。「良性新生物」は一般的に高分化状態であり、特徴的に悪性新生物より増殖が遅く、出現部位に局在したままである。また、良性新生物は、浸潤(infiltrate)、浸潤(invade)または遠隔部位に転移する能力を有しない。例示的な良性新生物としては、限定されないが、脂肪腫、軟骨腫、腺腫、軟性線維腫、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子および皮脂腺過形成が挙げられる。いくつかの場合において、一部の特定の「良性」腫瘍は後に悪性新生物を生じることがあり得、これは、腫瘍の新生物性細胞の亜集団におけるさらなる遺伝子変化に起因し得、このような腫瘍は「前悪性新生物」と称される。例示的な前悪性新生物は奇形腫である。対照的に、「悪性新生物」は一般的に分化が不充分な状態(退形成)であり、特徴的に、周囲組織の進行性の浸潤(infiltration)、浸潤(invasion)および破壊を伴う急速な増殖を有する。さらに、悪性新生物は一般的に、遠隔部位に転移する能力を有する。用語「転移」、「転移性の」または「転移する」とは、原発または初発腫瘍から別の器官または組織へのがん性細胞の広がりまたは遊走を示し、典型的には、原発または初発腫瘍の組織型の「二次性腫瘍」または「二次性細胞集団」の存在および該「二次性腫瘍」または「二次性細胞集団」がこの二次性(転移性の)腫瘍が存在している器官または組織の組織型のものでないことによって特定可能である。例えば、骨に遊走した前立腺がんは転移性前立腺がんと言われ、骨組織中で増殖しているがん性前立腺がん細胞を含む。
用語「がん」は、制御不能に増殖し、正常な身体組織に浸潤して破壊する能力を有する異常な細胞の発生を特徴とする類型の疾患を示す。例えば、Stedman’s Medical Dictionary,第25版;Hensyl編;Williams & Wilkins:Philadelphia,1990を参照のこと。例示的ながんとしては、限定されないが造血器悪性腫瘍が挙げられる。さらなる例示的ながんとしては、限定されないが、肺がん(例えば、気管支原性癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌);腎臓がん(例えば、腎芽腫、別名:ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);聴神経腫;腺癌;副腎がん;肛門がん;脈管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単クローン性免疫グロブリン血症;胆道がん(例えば、胆管癌);膀胱がん;乳房のがん(例えば、乳房の腺癌、乳房の乳頭状癌、乳がん、乳房の髄様癌);脳のがん(例えば、髄膜腫、膠芽腫、神経膠腫(例えば、星状細胞腫、乏突起膠腫)、髄芽細胞腫);気管支のがん;カルチノイド腫瘍;子宮頸部がん(例えば、子宮頸部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結腸直腸がん(例えば、結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺癌);結合組織のがん;上皮癌;上衣細胞腫;内皮肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例えば、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例えば、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼のがん(例えば、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性好酸球増多症;胆嚢がん;胃がん(例えば、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌、口腔がん(例えば、口腔扁平上皮癌)、喉のがん(例えば、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽腔がん、口腔咽頭がん));重鎖病(例えば、アルファ重鎖病、ガンマ重鎖病、ミュー重鎖病;血管芽細胞腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞性腫瘍;免疫細胞性アミロイドーシス;肝臓がん(例えば、肝細胞がん(HCC)、悪性ヘパトーム);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症);筋肉のがん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性障害(MPD)(例えば、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、特発性骨髄化生(AMM)別名:骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1型または2型、神経鞘腫症);神経内分泌がん(例えば、膵・消化管ニューロエンドクトリン(neuroendoctrine)腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨のがん);卵巣がん(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵がん(例えば、膵アンデノカルシノーマ(andenocarcinoma)、膵管内乳頭粘液性新生物(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例えば、陰茎および陰嚢のパジェット病);松果体腫;未分化神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞腫瘍;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例えば、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺がん;皮膚がん(例えば、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例えば、虫垂がん);軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);脂腺癌;小腸がん;汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例えば、セミノーマ、精巣の胎児性癌);甲状腺がん(例えば、甲状腺の乳頭状癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣がん;ならびに外陰がん(例えば、外陰のパジェット病)が挙げられる。
「血液疾患」は、造血細胞または造血組織が冒される疾患を包含している。血液疾患としては、血液学的細胞含有量および/または機能の異常と関連している疾患が挙げられる。血液疾患の例としては、がんのための骨髄への放射線照射処置もしくは化学療法処置に起因する疾患、悪性貧血、出血性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血、鎌状赤血球貧血、鉄芽球性貧血、慢性感染症、例えばマラリア、トリパノソーマ症、HTV、肝炎ウイルスもしくは他のウイルスと関連している貧血、骨髄の欠陥によって引き起こされる骨髄癆性貧血、貧血に起因する腎不全、貧血、多血症、感染性単核球症(EVI)、急性非リンパ性白血病(ANLL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、急性骨髄単球性白血病(AMMoL)、真性赤血球増加症、リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、網膜芽細胞腫、血友病、高い血栓症、ヘルペス、サラセミアのリスクと関連している障害、抗体媒介性障害、例えば輸血副作用および赤芽球症、赤血球に対する機械的外傷、例えば微小血管障害性溶血性貧血、血栓性血小板減少性紫斑病および播種性血管内凝固症候群、寄生虫、例えばプラスモジウム属による感染、例えば鉛中毒による化学損傷、ならびに脾機能亢進症などの疾患が挙げられる。一部の特定の実施形態では、血液疾患が造血器悪性腫瘍である。用語「造血器悪性腫瘍」は、血液、骨髄および/またはリンパ節が冒される腫瘍を示す。例示的な造血器悪性腫瘍としては、限定されないが、白血病、例えば急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)および慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL));リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、B細胞NHL、例えばびまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL、例えば活性型B細胞(ABC)DLBCL(ABC−DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM、リンパ形質細胞性リンパ腫)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)リンパ腫(例えば、原発性CNSリンパ腫および続発性CNSリンパ腫);ならびにT細胞NHL、例えば前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉腫、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫および再生不良性大細胞型リンパ腫);免疫特権部位のリンパ腫(例えば、脳のリンパ腫、眼球のリンパ腫、胎盤のリンパ腫、胎児のリンパ腫、精巣リンパ腫);1つまたはそれより多くの上記の白血病/リンパ腫の混合型;骨髄異形成;ならびに多発性骨髄腫(MM)が挙げられる。
用語「低分子」は、天然に存在するものであれ、人工的に作出されたもの(例えば、化学合成によって)であれ、比較的低分子量を有する分子を示す。典型的には、低分子は有機化合物である(すなわち、炭素を含有している)。低分子は、複数の炭素−炭素結合、立体中心ならびに他の官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボニルおよび複素環式の環など)を含むものであってもよい。一部の特定の実施形態では、低分子の分子量が約1,000g/mol以下、約900g/mol以下、約800g/mol以下、約700g/mol以下、約600g/mol以下、約500g/mol以下、約400g/mol以下、約300g/mol以下、約200g/mol以下または約100g/mol以下である。一部の特定の実施形態では、低分子の分子量が少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、または少なくとも約900g/mol、または少なくとも約1,000g/molである。上記の範囲の組合せ(例えば、少なくとも約200g/molであって約500g/mol以下)もまた考えられ得る。一部の特定の実施形態では、低分子が治療活性薬剤、例えば薬物(例えば、連邦規則集(C.F.R.)に示されているとおりに米食品医薬品局によって承認された分子)である。また、低分子は1個またはそれより多くの金属原子および/または金属イオンと錯体形成しているものであってもよい。この場合、低分子は「有機金属低分子」とも称される。好ましい低分子は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて生物学的効果をもたらすという点で生物学的に活性である。低分子としては、限定されないが放射性核種およびイメージング剤が挙げられる。一部の特定の実施形態では、低分子が薬物である。好ましくは、必ずしもそうとは限らないが、薬物は、適切な政府機関または規制機関によって既にヒトまたは動物における使用に安全かつ有効であるとみなされているものである。例えば、ヒトへの使用に承認されている薬物は、21 C.F.R.§§ 330.5,331〜361および440〜460(引用により本明細書に組み込まれる)に基づいてFDAにより一覧が示されており;獣医学的使用のための薬物は、21 C.F.R.§§ 500〜589(引用により本明細書に組み込まれる)に基づいてFDAにより一覧が示されている。
「タンパク質」、「ペプチド」または「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって一体に連結されたアミノ酸残基のポリマーを含むものである。この用語は、任意の大きさ、構造または機能のタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを示す。典型的には、タンパク質は少なくとも3アミノ酸長である。タンパク質は個々のタンパク質またはタンパク質の集合体を示し得る。本発明のタンパク質は好ましくは天然アミノ酸のみを含むものであるが、非天然アミノ酸(すなわち、天然状態では存在しないがポリペプチド鎖内に組み込むことができる化合物)および/または当該技術分野で知られているようなアミノ酸アナログを代替的に使用してもよい。また、タンパク質内の1つまたはそれより多くのアミノ酸を、例えば、化学物質、例えば糖鎖基、ヒドロキシル基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、コンジュゲーションもしくは官能基化のためのリンカーの付加または他の修飾によって修飾してもよい。また、タンパク質は単一分子であってもよく、多分子複合体であってもよい。タンパク質は天然に存在するタンパク質またはペプチドの断片であってもよい。タンパク質は、天然に存在するもの、組換型、合成型またはこれらの任意の組合せであり得る。
用語「治療用薬剤」は、所望の、通常有益な効果をもたらす治療特性を有する任意の物質を示す。例えば、治療用薬剤は、疾患が処置、寛解および/または予防され得るものである。治療用薬剤は、本明細書に開示のように、生物製剤または低分子治療薬であり得る。
用語「E3ユビキチンリガーゼ」または「E3リガーゼ」は、ユビキチンが負荷されているE2ユビキチンコンジュゲート酵素を動員し、タンパク質基質を認識し、該E2タンパク質から該タンパク質基質へのユビキチンの転移を補助するか、または直接触媒する任意のタンパク質を示す。E3ユビキチンリガーゼについて、GenBank:ACH72645.1(ホモサピエンス)の例示的な配列としては:mesggrpslc qfillgttsv vtaalysvyr qkarvsqelk gakkvhlged lksilseapg kcvpyavieg avrsvketln sqfvenckgv iqrltlqehk mvwnrtthlw ndcskiihqr tntvpfdlvp hedgvdvavr vlkpldsvdl gletvyekfh psiqsftdvi ghyisgerpk giqeteemlk vgatltgvge lvldnnsvrl qppkqgmqyy lssqdfdsll qrqessvrlw kvlalvfgfa tcatlffilr kqylqrqerl rlkqmqeefq eheaqllsra kpedreslks acvvclssfk scvflecghv csctecyral pepkkcpicr qaitrvippy ns(配列番号:1)が挙げられる。E3ユビキチンリガーゼについて、GenBank:AAP47175.1(ホモサピエンス)の例示的な配列としては:meegnnneev ihlnnfhchr gqewinlrdg pitisdssde eripmlvtpa pqqheeedld ddviltetnk pqrsrpnlik paaqwqdlkr lgeerpkksr aafesdkssy fsvcnnplfd sgaqddsedd ygefldlgpp giseftkpsg qterepkpgp shnqaandiv nprseqkvii leegsllyte sdpletqnqs sedsetells nlgesaalad dqaieedcwl dhpyfqslnq qpreitnqvv pqerqpeael grllfqhefp gpafprpepq qggisgpssp qpahplgefe dqqlasddee pgpafpmqes qepnleniwg qeaaevdqel vellvketea rfpdvangfi eeiihfknyy dlnvlcnfll enpdypkred riiinpsssl lasqdetklp kidffdyskl tpldqrcfiq aadllmadfk vlssqdikwa lhelkghyai trkalsdaik kwqelspets gkrkkrkqmn qysyidfkfe qgdikiekrm fflenkrrhc rsydrrallp avqqeqefye qkikemaehe dfllalqmne eqyqkdgqli ecrccygefp feeltqcada hlfckeclir yaqeavfgsg klelscmegs ctcsfptsel ekvlpqtily kyyerkaeee vaaayadelv rcpscsfpal ldsdvkrfsc pnphcrketc rkcqglwkeh ngltceelae kddikyrtsi eekmtaarir kchkcgtgli ksegcnrmsc rcgaqmcylc rvsingydhf cqhprspgap cqecsrcslw tdpteddekl ieeiqkeaee eqkrkngent fkrigpplek pvekvqrvea lprpvpqnlp qpqmppyafa hppfplppvr pvfnnfplnm gpipapyvpp lpnvrvnydf gpihmplehn lpmhfgpqpr hrf(配列番号:2)が挙げられる。E3ユビキチンリガーゼについて、GenBank:AAP47174.1(ホモサピエンス)の例示的な配列としては:meegnnneev ihlnnfhchr gqewinlrdg pitisdssde eripmlvtpa pqqheeedld ddviltedds eddygefldl gppgiseftk psgqterepk pgpshnqaan divnprseqk viileegsll ytesdpletq nqssedsete llsnlgesaa laddqaieed cwldhpyfqs lnqqpreitn qvvpqerqpe aelgrllfqh efpgpafprp epqqggisgp sspqpahplg efedqqlasd deepgpafpm qesqepnlen iwgqeaaevd qelvellvke tearfpdvan gfieeiihfk nyydlnvlcn fllenpdypk redriiinps ssllasqdet klpkidffdy skltpldqrc fiqaadllma dfkvlssqdi kwalhelkgh yaitrkalsd aikkwqelsp etsgkrkkrk qmnqysyidf kfeqgdikie krmfflenkr rhcrsydrra llpavqqeqe fyeqkikema ehedfllalq mneeqyqkdg qliecrccyg efpfeeltqc adahlfckec liryaqeavf gsgklelscm egsctcsfpt selekvlpqt ilykyyerka eeevaaayad elvrcpscsf palldsdvkr fscpnphcrk etcrkcqglw kehngltcee laekddikyr tsieekmtaa rirkchkcgt gliksegcnr mscrcgaqmc ylcrvsingy dhfcqhprsp gapcqecsrc slwtdptedd eklieeiqke aeeeqkrkng entfkrigpp lekpvekvqr vealprpvpq nlpqpqmppy afahppfplp pvrpvfnnfp lnmgpipapy vpplpnvrvn ydfgpihmpl ehnlpmhfgp qprhrf(配列番号:3)が挙げられる。
用語「バインダー」は、タンパク質に結合する化合物を示す。バインダーはタンパク質に、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満または1nM未満のKで結合する。
用語「プロテアソーム」は、細胞周期の進行およびアポトーシスを制御するタンパク質を調節する重要な役割を果たすマルチサブユニット酵素複合体を示す。プロテアソームは、選択されたタンパク質のタンパク質分解を実行する。
用語「DOT1L」または「テロメアサイレンシング1様の破壊因子(Disruptor of telomeric silencing 1−like)ヒストンH3K79メチルトランスフェラーゼ」は、DOT1L遺伝子にコードされている酵素を示す。DOT1Lは、ヒストンH3のリシン−79をメチル化するヒストンメチルトランスフェラーゼである。DOT1Lは遊離のコアヒストンに対して不活性であるが、ヌクレオソームに対しては有意なヒストンメチルトランスフェラーゼ活性を示す。
図1は、タンパク質のユビキチン化の後、プロテアソームによる分解が起こる標的化対象タンパク質のCRBN誘導性分解を示す。 図2A〜2Cは、例示的なDOT1Lディグレーダー化合物を用いたDOT1Lの分解を示す。図2Aは、DOT1Lタンパク質と例示的なDOT1Lディグレーダー化合物間の相互作用状態の結晶構造を示す。図2Bは、DOT1Lタンパク質と例示的なDOT1Lディグレーダー化合物間の相互作用状態の該結晶構造をより近くで見た図を示す。図2Cは、例示的なDOT1Lディグレーダー化合物の諸部分の詳細説明を示す。 図3は、CRBNベースの例示的なDOT1Lディグレーダー化合物の背後にある設計原則を示す。 図4A〜4Fは例示的なDOT1Lディグレーダー化合物を示す。図4Aは例示的なDOT1Lディグレーダー化合物(dDOT1L−1)を示す。図4Bは例示的なDOT1Lディグレーダー化合物(dDOT1L−2)を示す。図4Cは例示的なビオチン化プローブ化合物(dDOT1L−3)を示す。図4Dは例示的なDOT1Lディグレーダー化合物(dDOT1L−4)を示す。図4Eは例示的なDOT1Lディグレーダー化合物(dDOT1L−5)を示す。図4Fは例示的なDOT1Lディグレーダー化合物を示す。 図5は、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の試験した例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、阻害薬の誘導体ならびに陰性対照化合物および陽性対照化合物のDOT1L蛍光偏光(FP)変位アッセイを示す。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物DOT1L−1、DOT1L−2、DOT1L−4、DOT1L−5、DOT1L−6、DOT1L−7、阻害薬の誘導体(DOT1L−11)、陰性対照化合物EPZ4777、EPZ5676およびCC006ならびに陽性対照レナリドミドを含める。化合物EPZ4777、EPZ5676およびCC006は以下に示す構造を有する:
Figure 2021529174
(EPZ4777);
Figure 2021529174
(EPZ5676);および
Figure 2021529174
(CC006)。これは別の例示的な陰性対照化合物である:
Figure 2021529174
図6は、異なる濃度[M](mPに対する濃度で示される[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、阻害薬の誘導体および陽性対照化合物のCRBN結合アッセイを示す。化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物DOT1L−1、DOT1L−2、DOT1L−4、DOT1L−5、DOT1L−6およびDOT1L−7;阻害薬の誘導体(DOT1L−11);ならびに陽性対照レナリドミドを含める。 図7は、CRBNタンパク質を伴う例示的なDOT1Lディグレーダー化合物とDOT1Lタンパク質間の相互作用のドッキングモデルを示す。 図8は、正規化レベルに対する化合物濃度として表示した異なる濃度[M]の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、阻害薬の誘導体、陰性対照化合物および陽性対照化合物の6時間にわたるIKZF−GFP分解アッセイを示す。これらの例示的な化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物DOT1L−1、DOT1L−2、DOT1L−4、DOT1L−5、DOT1L−6、DOT1L−7;阻害薬の誘導体DOT1L−11;陰性対照化合物EPZ4777、EPZ5676およびCC006;ならびに陽性対照レナリドミドを含める。 図9A〜9Bは、表示した濃度のDOT1L−1で表示した時間量、処理した急性骨髄性白血病細胞(Molm13 PA)を示す。細胞をDOT1L(D402T)、アクチンおよびH3K79me2を用いてイムノブロットした。図9Aは、細胞を、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−1で、表示した時間量(24時間および48時間)処理したことを示す。図9Bは、細胞を、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−1で、表示した時間量(24時間、48時間および72時間)処理した繰り返し処理を示す。 図10A〜10Bは、表示した濃度のDOT1L−1で表示した時間量、処理したマウスMLL−AF9 PA(混合系統白血病(MLL)−AF9白血病)細胞を示す。細胞をDOT1L(D402T)、アクチンおよびH3K79me2を用いてイムノブロットした。図10Aは、細胞を、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−1で、表示した時間量(24時間、48時間および72時間)処理した実験1を示す。図10Bは、細胞を、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−1で、表示した時間量(24時間および48時間)処理した実験2を示す。 図11は、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−4で、表示した時間量(24時間、48時間および72時間)処理したMolm13 PA細胞を示す。細胞をDOT1L(D402T)、アクチンおよびH3K79me2を用いてイムノブロットした。これらの細胞はDOT1L分解を示す。 図12A〜12Eは、種々の濃度の例示的なサリドマイドベースのDOT1Lディグレーダー化合物での10日間のMolm13 PA細胞、Molm13 RE細胞およびHL60(陰性対照として)細胞の処理によって示された急性骨髄性白血病細胞の相対細胞増殖(%)を示す。図12Aは、例示的なDOT1LディグレーダーDOT1L−1で処理した細胞の結果を示す。図12Bは、例示的なDOT1LディグレーダーDOT1L−2で処理した細胞の結果を示す。図12Cは、例示的なDOT1LディグレーダーDOT1L−4で処理した細胞の結果を示す。図12Dは、例示的なDOT1LディグレーダーDOT1L−5で処理した細胞の結果を示す。図12Eは、陰性対照化合物EPZ5676で処理した細胞の結果を示す。 図13は、MLL−再構成白血病(混合系統白血病−再構成白血病)遺伝子を示す。MLL再構成白血病は成人白血病の10%および乳児白血病の70%を構成する。一般的に予後不良であり、MLL患者は多くの場合、現在使用されている治療法での処置後、早期の再発に苦しむ。11q23に位置するMLL遺伝子の再構成は、急性白血病と関連している共通の染色体異常である。 図14Aは、C末端にヒストン3のリシン4(H3K4)におけるメチル化を触媒するSETドメインヒストンメチルトランスフェラーゼを含む野生型MLL(混合系統白血病)を示す。図14Bは、70を超える既知の融合パターン、例えば:AF4、AF9、AF6、AF10、ELL、ENLなどで置き換えられるC末端部分を有するMLL−再構成型を示す。このような融合パートナーは、ヒストン3のリシン79(H3K79)をメチル化するDOT1Lを動員する。H3K79me2は、活発な転写伸長と関連しているマークである。 図15は、DOT1LがMLL−r(混合系統白血病−再構成型)白血病を、造血系細胞への分化および白血病形成に極めて重要な遺伝子の発現の不適切な向上をもたらす異常なH3K79メチル化によって促進させることを示す。 図16A〜16Cは第1ラウンドの例示的なディグレーダーを示す。図16Aは第1ラウンドの例示的なディグレーダーの例示的なリンカーの長さを示す。図16Bは第1ラウンドディグレーダーのCRBN結合側における例示的なリンカーの位置を示す。図16Cは、PEGリンカーを有する例示的なディグレーダーおよびアルキルリンカーを有する例示的なディグレーダーを示す。 図17A〜17Dは、異なる組合せのPEG基またはアルキル基、いろいろなリンカーの長さ、およびiMiDにおけるCRBN結合部位上のリンカーの位置を有する例示的なDOT1Lディグレーダーを示す。図17Aは、それぞれ、アルキルリンカーおよびPEGリンカーを有する例示的なDOT1Lディグレーダーを示す。図17Bは、リンカーの長さ11を有する一例を含む例示的なDOT1Lディグレーダーを示す。図17Cは、CRBN結合部位上の異なるリンカーの位置を含む例示的なDOT1Lディグレーダーを示す。図17Dは例示的なDOT1LディグレーダーJQ−DD6を示す。 図18は、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の試験した例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および対照化合物のDOT1L蛍光偏光(FP)変位アッセイを示す。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JD−DD4、JD−DD5、JD−DD6ならびに陽性対照サリドマイドおよび陰性対照EPZ5676を含める。これらの例示的な化合物は、DOT1LおよびCRBNの各々に対する結合を示す。 図19は、異なる濃度[M](mPに対する濃度で示される[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、陰性対照化合物および陽性対照化合物のCRBN結合アッセイを示す。化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5;JQ−DD6;ならびに陽性対照サリドマイドおよび陰性対照EPZ5676を含める。 図20は、ディグレーダーによって誘導されるDOT1LとのCRBNの二量化を調べるための生化学的アッセイを示す。この新たなアッセイにより、例示的な化合物が生化学的アッセイの設定条件においてCRBNとDOT1Lの二量体化を行い得るかどうかを調べる。図20は、例示的な化合物が両方のタンパク質に同時に結合し得ることを示す。JQ−DD6で最も強いシグナルが得られ、これが該タンパク質を非常に良好に二量体化することを意味する。また、JQ−DD6も該細胞において非常に良好に奏効する。 図21は、例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD6、JQ−DD7およびJQ−DD8で、DOT1L、Myc、H3K79me2およびアクチンを用いて、表示した濃度で24時間処理し、イムノブロットしたEOL1細胞を示す。EOL1(急性骨髄性(好酸球性)白血病細胞株)はすべての細胞株の中で最も高いDOT1Lレベルを有し、JQ−DD6で確実な分解が得られることが確認された。また、JQ−DD7およびJQ−DD8もEOL1細胞株において分解を示す。JQ−DD8はEOL1において24時間目に潜在毒性を示す。 図22は、例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD2、JQ−DD4、JQ−DD6、JQ−DD7およびJQ−DD8で、DOT1L、H3K79me2、Myc、アクチンおよびH3を用いて、表示した濃度で48時間処理し、イムノブロットしたEOL1細胞を示す。 図23は、例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD2、JQ−DD4、JQ−DD6、JQ−DD7およびJQ−DD8で、DOT1L、Myc、H3K79me2およびアクチンを用いて、表示した濃度で表示した時間処理し、イムノブロットしたEOL1細胞を示す。これはDOT1L分解の時間推移を示す。JQ−DD6では、この分解が16時間目に起こった。最大分解は24時間目に起こっている。 図24は、例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD6、JQ−DD7およびJQ−DD8で、DOT1L、Myc、H3K79me2およびアクチンを用いて、表示した濃度で表示した時間処理し、イムノブロットしたEOL1細胞を示す。化合物JQ−DD6(JQDD6)、JQ−DD7(JQDD7)およびJQ−DD8(JQDD8)の構造は以下の表1に示している。図24はDOT1L分解の時間推移を示す。JQ−DD6での処理では分解が示されている。また、JQ−DD7およびJQ−DD8での処理でもEOL1細胞株において分解が示されている。JQ−DD8での処理ではEOL1において24時間目に潜在毒性が示されている。 図25は、DOT1Lタグ化GFPとmcherryを用いたDOT1L分解レポート細胞株の開発を示す。これにより、標的化されたタンパク質の分解が直接的に報告され得る。(Sievers et al.,Science,2018参照)。 図26は、表示した24時間処理時の異なる濃度[M](mPの測定による[M])の試験した例示的なDOT1Lディグレーダー化合物ならびに陰性対照化合物および陽性対照化合物のeGFP−mCherryレポート細胞株アッセイを用いたDOT1L分解を示す。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7、JQ−DD8、陰性対照EPZ5676および陽性対照サリドマイドとレナリドミドを含める。eGFP−mCherryレポート細胞株では、24時間で充分な分解が報告され得る。例示的な化合物JQ−DD6でDOT1Lの分解の最も強いシグナルが示された。 図27は、表示した24時間処理時の異なる濃度[M](mPの測定による[M])の試験した例示的なDOT1Lディグレーダー化合物ならびに陰性対照化合物および陽性対照化合物のeGFP−mCherryレポート細胞株アッセイを用いたIKZF−分解を示す。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7、JQ−DD8ならびに陰性対照EPZ5676および陽性対照サリドマイドとレナリドミドを含める。例示的なDOT1Lディグレーダー化合物は、免疫調節性イミド系薬物(IMiD)がCRBNに結合した場合、ネオ基質であるIKZF1も分解する。 図28A〜28Bは、MOLM13およびTHP1 MLL−再構成白血病細胞株における試験したDOT1Lディグレーダーの抗増殖効果を示す。図28Aは、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の試験した例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および陽性対照化合物のMOLM13の7日間処理アッセイを示す。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7、陰性対照EPZ5676および陽性対照サリドマイドを含める。図28Bは、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の試験した例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および陽性対照化合物のTHP1(ヒト単球性白血病細胞)7日間処理アッセイを示す。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7、陰性対照EPZ5676および陽性対照サリドマイドを含める。例示的なDOT1Lディグレーダー化合物は、概して阻害薬EPZ5676より良好な抗増殖効果を示す。例示的なDOT1Lディグレーダー化合物は、DOT1Lに依存しているが阻害薬に応答性を有しない細胞株においての方が良好な抗増殖効果を示す。図28A〜28BはDOT1Lが排除されていることを示す。 図29A〜29Bは、異なる細胞株における、阻害薬およびiMiDと比較した例示的なDOT1Lディグレーダーの抗増殖効果を示す。図29Aは、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の試験した例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、阻害薬および陽性対照iMiD化合物のNOMO1(がん細胞株)での7日間処理アッセイ、ならびに表示した時間量にわたる処理後のバイアブル細胞のパーセンテージを示す。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7、陰性対照EPZ5676および陽性対照サリドマイドを含める。図29Bは、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の試験した例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、阻害薬および陽性対照iMiD化合物のEOL1細胞株での細胞増殖アッセイ、ならびに表示した時間量にわたる処理後のバイアブル細胞のパーセンテージを示す。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3(旧)、JQ−DD3(新)、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、陰性対照EPZ5676、陽性対照サリドマイドおよび対照PCK82を含める。 図30A〜30Eは、EOL1細胞、NOMO1細胞、MOLM13細胞、MOLM14(ヒト急性骨髄性白血病細胞)細胞およびMOLM14 crbnKO細胞において諸濃度の例示的なDOT1LディグレーダーJQ−DD6、EPZ5676およびサリドマイドでの3日間の処理によって示された、バイアブル細胞(表示したがん細胞株における)のパーセンテージ(%)を示す。図30AはEOL1細胞での結果を示す。図30BはNOMO1細胞での結果を示す。図30CはMOLM13細胞での結果を示す。図30DはMOLM14細胞での結果を示す。図30EはMOLM14 crbnKO(CRBNノックアウト)細胞での結果を示す。 図31A〜31Eは、EOL1細胞、NOMO1細胞、MOLM13細胞、MOLM14細胞およびMOLM14 crbnKO細胞において諸濃度の例示的なDOT1LディグレーダーJQ−DD6、EPZ5676およびサリドマイドでの7日間の処理によって示された、急性骨髄性白血病細胞のバイアブル細胞(%)を示す。図31AはEOL1細胞での結果を示す。図31BはNOMO1細胞での結果を示す。図31CはMOLM13細胞での結果を示す。図31DはMOLM14細胞での結果を示す。図31EはMOLM14 crbnKO細胞での結果を示す。
本発明の一部の特定の実施形態の詳細説明
本明細書に記載の二官能性化合物は、E3ユビキチンリガーゼおよび標的タンパク質DOT1Lと相互作用する。本明細書に記載のように、なんら特定の理論に拘束されることを望まないが、治療効果は、本明細書に記載の化合物によるE3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン)および標的タンパク質DOT1Lの分解、モジュレーションまたは結合の結果であり得る。例えば、治療効果は、E3ユビキチンリガーゼのモジュレーション、標的化、結合または修飾による該E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン)の動員、それによる標的タンパク質DOT1Lのユビキチン化、およびその後のプロテアソームによる分解の誘導の結果であり得る。一部の特定の実施形態では、治療効果は、E3ユビキチンリガーゼの結合または修飾、それによる標的タンパク質DOT1Lのユビキチン化、およびその後のDOT1Lの分解の誘導によりもたらされる。
本明細書に記載の任意の組成物、キットまたは方法における使用のための化合物は、その薬学的に許容され得る塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形体、同位体濃縮誘導体またはプロドラッグとして提供されてもよい。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の二官能性化合物のE3ユビキチンリガーゼ結合部分は、2016年5月6日に出願された米国特許出願第15/148,253号、2015年5月8日に出願された同第14/707,930号、2014年12月23日に出願された同第62/096,318号、2015年3月4日に出願された同第62/128,457号および2015年4月17日に出願された同第62/149,170号(これらは各々、引用により本明細書に組み込まれる)に記載の二官能性化合物のE3ユビキチンリガーゼ結合部分(免疫調節性イミド系薬物(例えば、レナリドミドもしくはサリドマイドの誘導体またはレナリドミドもしくはサリドマイドベース)である。
一態様において、式(I’):
Figure 2021529174
式中:
は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
10’は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または−N(R10Aであり;
各R10Aの実体は独立して、水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
11はハロゲンまたは任意選択的に置換されているアルキルであり;
各R12の実体は独立して、水素または酸素保護基であり;
13は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
各R14の実体は独立して、水素、ハロゲン、または任意選択的に置換されているアルキルであるか;
あるいは任意選択で、R14の実体の1つとR10’の実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成しているか;
あるいは任意選択で、R14の実体の1つとR10Aの実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成しているか;
あるいは任意選択で、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
であり;
Wは、任意選択的に置換されている−CH−または−N(R)−であり、ここで、Rは水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
Zは−(任意選択的に置換されているカルボシクリル)−または任意選択的に置換されている−CH−であり;
Lはリンカーであり;
D1はE3ユビキチンリガーゼ結合部分である、
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体を開示する。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物について:
が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
10’が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または−N(R10Aであり;
各R10Aの実体が独立して、水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
11がハロゲンまたは任意選択的に置換されているアルキルであり;
各R12の実体が独立して、水素または酸素保護基であり;
13が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
各R14の実体が独立して、水素、ハロゲン、または任意選択的に置換されているアルキルであるか;
あるいは任意選択で、R14の実体の1つとR10Aの実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成しているか;
あるいは任意選択で、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
であり;
Wが−CH−または−N(R)−であり、ここで、Rは水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
Zが−(任意選択的に置換されているカルボシクリル)−または−CH−であり;
Lがリンカーであり;
D1がE3ユビキチンリガーゼ結合部分である。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が式(I)の化合物である。
一態様において、式(I):
Figure 2021529174
式中:
は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
10は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
11はハロゲンまたは任意選択的に置換されているアルキルであり;
各R12の実体は独立して、水素または酸素保護基であり;
Lはリンカーであり;
D1はE3ユビキチンリガーゼ結合部分である、
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体を開示する。
D基
一部の特定の実施形態では、D1がE3ユビキチンリガーゼ結合部分である。D1は、任意のE3ユビキチンリガーゼに結合する、あるいは結合し得るあらゆる部分を包含している。例えば、一部の特定の実施形態では、D1がE3ユビキチンリガーゼ、例えばセレブロンに結合可能なものである。一部の特定の実施形態では、D1が複数の異なるE3ユビキチンリガーゼに結合可能なものである。一部の特定の実施形態では、D1がセレブロンに結合する。一部の特定の実施形態では、D1が免疫調節性イミド系薬物ベースのものである。一部の特定の実施形態では、D1がレナリドミドに由来する。一部の特定の実施形態では、D1がサリドマイドに由来する。
ヒトセレブロン(CRBN)は、約51kDaの見かけ分子量を有する442個のアミノ酸のタンパク質である(GenBank:AAH17419)。(CRBNタンパク質配列については:Higgins et al.,Neurology.2004,63,1927−31を参照のこと。CRBN構造に関するさらなる情報については、Hartmann et al.,PLoS One.2015,10,e0128342を参照のこと)。ヒトCRBNは、保存されたWalker AモチーフとWalker BモチーフがないATP依存性LonプロテアーゼドメインのN−末端部分(81〜317の237個のアミノ酸)、11のカゼインキナーゼIIリン酸化部位、4つのプロテインキナーゼCリン酸化部位、1つのN結合型グリコシル化部位および2つのミリストイル化部位を含む。CRBNは、精巣、脾臓、前立腺、肝臓、膵臓、胎盤、腎臓、肺、骨格筋、卵巣、小腸、末梢血白血球、結腸、脳および網膜に広く発現される。CRBNは細胞質、核および表在膜にも存在している。(Chang et al.,Int.J.Biochem.Mol.Biol.2011,2,287−94)。
セレブロンはE3ユビキチンリガーゼであり、損傷したDNA結合タンパク質1(DDB1)、Cullin−4A(CUL4A)およびクリン1調節因子(ROC1)とE3ユビキチンリガーゼ複合体を形成する。この複合体は、いくつかの他のタンパク質もユビキチン化する。完全には解明されていない機構により、標的タンパク質のセレブロンによるユビキチン化によって線維芽細胞増殖因子8(FGF8)および線維芽細胞増殖因子10(FGF10)のレベル上昇がもたらされる。FGF8が、さらにいくつかの発達過程、例えば肢部および耳胞の形成を調節する。
一部の特定の実施形態では、D1がセレブロンのモジュレーター、バインダー、阻害薬またはリガンドである。一部の特定の実施形態では、D1がセレブロンのモジュレーターである。一部の特定の実施形態では、D1がセレブロンのバインダーである。一部の特定の実施形態では、D1がセレブロンの阻害薬である。一部の特定の実施形態では、D1がセレブロンのリガンドである。一部の特定の実施形態では、D1が、2015年7月6日に出願された米国特許出願第14/792,414号、2015年5月8日に出願された米国特許出願第14/707,930号および2013年8月13日に出願された国際特許出願PCT/US2013/054663(これらは各々、引用により本明細書に組み込まれる)に開示されたセレブロンの任意のモジュレーター、バインダー、阻害薬またはリガンドである。一部の特定の実施形態では、D1がセレブロンバリアントのモジュレーター、バインダー、阻害薬またはリガンドである。一部の特定の実施形態では、D1がセレブロンアイソフォームのモジュレーター、バインダー、阻害薬またはリガンドである。
一部の特定の実施形態では、D1がヘテロアリール環を含む。一部の特定の実施形態では、D1が縮合型二環式ヘテロアリール環を含む。一部の特定の実施形態では、D1が縮合型二環式ヘテロアリール環と複素環式の環を含む。一部の特定の実施形態では、D1が縮合型二環式ヘテロアリール環と複素環式の環を含み、該複素環式の環が少なくとも1個の窒素を含む。一部の特定の実施形態では、D1が縮合型二環式ヘテロアリール環と複素環式の環を含み、該縮合型二環式ヘテロアリール環と複素環式の環が各々、少なくとも1個の窒素を含む。一部の特定の実施形態では、D1が縮合型二環式ヘテロアリール環と複素環式の環を含み、該縮合型二環式ヘテロアリール環と複素環式の環が各々、1個の窒素を含む。一部の特定の実施形態では、D1がフタルイミド基またはその類縁体もしくは誘導体を含む。一部の特定の実施形態では、D1がフタルイミド−グルタルイミド基またはその類縁体もしくは誘導体を含む。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(E−I):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
環Aは置換もしくは非置換のヘテロシクリルまたは置換もしくは非置換のヘテロアリール環であり;
各R1Aは独立して、ハロゲン、−OH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
各R3Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
各R3’は独立してC〜Cアルキルであり;
各R4Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキル、FまたはClであり;
mは0、1、2または3であり;
nは1または2である。
一部の特定の実施形態では、式(E−I)が免疫調節性イミド系薬物に由来する(例えば、レナリドミドまたはサリドマイドに由来する)。一部の特定の実施形態では、式(E−I)が式(IA)または式(IB)のものである。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IA):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
はC(O)またはC(R3Aであり;
各R1Aは独立して、ハロゲン、OH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
3AはHまたはC〜Cアルキルであり;
各R3’は独立してC〜Cアルキルであり;
各R4Aは独立してHまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキルまたはハロゲンであり;
mは0、1、2または3であり;
nは0、1または2であり;
a1は0または1である。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IA−a):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
はC(O)またはC(R3Aであり;
各R1Aは独立して、ハロゲン、OH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
各R4Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキル、FまたはClであり;
mは0、1、2または3である。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IA−b):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
はC(O)またはC(R3Aであり;
各R4Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキル、FまたはClである。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IA−c):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
各R4Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキル、FまたはClである。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IA−d):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
各R4Aが独立して、HまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキル、FまたはClである。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IB):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
−X−X−はC(R3A)=NまたはC(R3A−C(R3Aであり;
各R1Aは独立して、ハロゲン、OH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
3AはHまたはC〜Cアルキルであり;
各R3’は独立してC〜Cアルキルであり;
各R4Aは独立してHまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキルまたはハロゲンであり;
mは0、1、2または3であり;
nは0、1または2であり;
a1は0または1である。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IB−a):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
−XはC(R3A)=NまたはC(R3A−C(R3Aであり;
各R1Aは独立して、ハロゲン、−OH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
各R3Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
各R4Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキル、FまたはClであり;
mは0、1、2または3である。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IB−b):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
−XはC(R3A)=NまたはC(R3A−C(R3Aであり;
各R3Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
各R4Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキル、FまたはClである。
一部の特定の実施形態では、D1が、式(IB−c):
Figure 2021529174
のものであり、
式中:
各R4Aは独立して、HまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
5AはH、C〜Cアルキル、FまたはClである。
式(IA)、(IA−a)および(IA−b)は置換基Xを含む。一部の特定の実施形態では、XがC(O)である。一部の特定の実施形態では、XがC(R3Aである。
式(IB)、(IB−a)および(IB−b)は置換基−X−Xを含む。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(R3A)=Nである。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(H)=Nである。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(C〜Cアルキル)=Nである。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(R3A−C(R3Aである。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(H)−C(H)である。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(H)−C(C〜Cアルキル)である。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(H)−C(C〜Cアルキル)である。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(C〜Cアルキル)−C(H)−である。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(C〜Cアルキル)−C(C〜Cアルキル)である。
式(IB)、(IB−a)および(IB−b)において、一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
アルキル
である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。
式(E−I)は環Aを含む。一部の特定の実施形態では、環Aが置換または非置換のヘテロシクリル環である。一部の特定の実施形態では、環Aが、環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素またはイオウから独立して選択される3〜10員の非芳香族環系である置換または非置換のヘテロシクリル環である。一部の特定の実施形態では、環Aが置換または非置換のヘテロアリール環である。一部の特定の実施形態では、環Aが、環内炭素原子を有する5〜10員の単環式または二環式の4n+2芳香族環系であって、該芳香族環系内に備えている環内ヘテロ原子が1〜4個であり、該ヘテロ原子の各々が窒素、酸素およびイオウからなる群より独立して選択される置換または非置換のヘテロシクリル環である。一部の特定の実施形態では、環Aが置換または非置換のピロリジン−2−オンである。一部の特定の実施形態では、環Aが置換または非置換のピロリジン−2,5−ジオンである。一部の特定の実施形態では、環Aが置換または非置換の5,6−ジヒドロピリミジン−4(3H)−オンである。一部の特定の実施形態では、環Aが置換または非置換のテトラヒドロピリミジン−4(1H)−オンである。
式(E−I)、(IA−a)、(IA)、(IB)および(IB−a)は置換基R1Aを含む。一部の特定の実施形態では、R1Aが独立して、ハロゲン、OH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである。一部の特定の実施形態では、R1Aの実体の少なくとも1つがハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI)である。一部の特定の実施形態では、R1Aの実体の少なくとも1つがOHである。一部の特定の実施形態では、R1Aの実体の少なくとも1つがC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル)である。一部の特定の実施形態では、R1Aの実体の少なくとも1つがC〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)である。一部の特定の実施形態では、mが0である。一部の特定の実施形態では、mが1である。一部の特定の実施形態では、mが2である。一部の特定の実施形態では、mが3である。
式(E−I)、(IA)、(IB)、(IB−a)および(IB−b)は置換基R3Aを含む。一部の特定の実施形態では、R3AがHである。一部の特定の実施形態では、R3AがC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル)である。一部の特定の実施形態では、R3’の実体の少なくとも1つがC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル)である。一部の特定の実施形態では、R3’の実体の少なくとも1つがメチルである。一部の特定の実施形態では、R3’の実体の少なくとも1つがエチルである。一部の特定の実施形態では、nが0である。一部の特定の実施形態では、nが1である。一部の特定の実施形態では、nが2である。
式(E−I)、(IA−a)、(IA−b)、(IA−c)、(IA−d)、(IA)、(IB)、(IB−a)、(IB−b)および(IB−c)は置換基R5Aを含む。一部の特定の実施形態では、R5AがHである。一部の特定の実施形態では、R5Aが重水素である。一部の特定の実施形態では、R5AがC〜Cアルキルである。一部の特定の実施形態では、R5Aがハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI)である。
一部の特定の実施形態では、a1が0である。一部の特定の実施形態では、a1が1である。
式(E−I)、(IA−a)、(IA−b)、(IA−c)、(IA−d)、(IA)、(IB)、(IB−a)、(IB−b)および(IB−c)は置換基R4Aを含む。一部の特定の実施形態では、R4Aの実体の少なくとも1つがHである。一部の特定の実施形態では、R4Aの実体の少なくとも1つがC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル)である。一部の特定の実施形態では、2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成している。一部の特定の実施形態では、2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成している。
一部の特定の実施形態では、mおよびnがどちらも0であり;R3AがHであり;2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成しており;R5AがHである。
一部の特定の実施形態では、a1が1であり;mおよびnがどちらも0であり;R3AがHであり;2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成しており;R5AがHであり;XがC(O)である。一部の特定の実施形態では、a1が1であり;mおよびnがどちらも0であり;R3AがHであり;2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成しており;R5AがHであり;XがC(R3Aである。一部の特定の実施形態では、2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成しており;R5AがHであり;XがC(O)である。一部の特定の実施形態では、2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成しており;R5AがHであり;XがC(R3Aである。一部の特定の実施形態では、2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成しており;R5AがHである。一部の特定の実施形態では、XがC(O)である。一部の特定の実施形態では、Xが−CH−である。
一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(R3A)=Nであり;R3AがHであり;2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成している。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(R3A−C(R3Aであり;R3AがHであり;2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成している。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(R3A)=Nであり;R5AがHであり;2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成している。一部の特定の実施形態では、−X−X−がC(R3A−C(R3Aであり;R5AがHであり;2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成している。
一部の特定の実施形態では、D1がサリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、CC−885(Matyskiela et al.,Nature 2016,535,252−257)、3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)ピペリジン−2,6−ジオンまたはその類縁体もしくは誘導体である。一部の特定の実施形態では、D1がサリドマイドである。一部の特定の実施形態では、D1がレナリドミドである。
一部の特定の実施形態では、D1が:
Figure 2021529174
である。
一部の特定の実施形態では、D1が:
Figure 2021529174
である。
一部の特定の実施形態では、D1が
Figure 2021529174
である。
一部の特定の実施形態では、D1が、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、E3リガーゼ結合部分はE3ユビキチンリガーゼを、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満または1nM未満のKで結合する。
一部の特定の実施形態では、E3リガーゼ結合部分はセレブロンを、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満または1nM未満のKで結合する。
一部の特定の実施形態では、E3リガーゼ結合部分は、別のタンパク質と比べてE3ユビキチンリガーゼを選択的に結合する。一部の実施形態では、E3リガーゼ結合部分は別のタンパク質よりもセレブロンを選択的に結合する。一部の実施形態では、E3リガーゼ結合部分は別のE3ユビキチンリガーゼよりもセレブロンを選択的に結合する。一部の特定の実施形態では、この選択性は約2倍〜約5倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性は約5倍〜約10倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性は約10倍〜約20倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性は約20倍〜約50倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性は約50倍〜約100倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性は約100倍〜約200倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性は約200倍〜約500倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性は約500倍〜約1000倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性は少なくとも約1000倍である。
置換基R10’、R10A、R13およびR14
式(I’)の化合物は、標的タンパク質DOT1Lに結合し、E3リガーゼに結合する二官能性化合物である。式(I’)の化合物について、DOT1L結合部分は置換基R、R、R10’、R10A、R11、R12、R13およびR14を含む。
置換基R、R、R10、R11およびR12を以下に記載する。
一部の特定の実施形態では、R10’が独立して、水素、任意選択的に置換されているアルキル、または−N(R10Aであり;ここで、各R10Aの実体は独立して、水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、R10’が水素である。一部の特定の実施形態では、R10’が、任意選択的に置換されているアルキルである。一部の特定の実施形態では、R10’が−N(R10Aであり;R14の実体の1つとR10Aの実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成しており、他方のR10Aの実体が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、R10’が−N(R10Aであり;R14の実体の1つとR10Aの実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の6〜14員の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成しており、他方のR10Aの実体が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、R10’が−N(R10Aであり;R14の実体の1つとR10Aの実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の5〜14員の複素環式の環または置換もしくは非置換の5〜14員のヘテロアリール環を形成している。一部の特定の実施形態では、R10’が−N(R10Aであり;R14の実体の1つとR10Aの実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の5〜6員の複素環式の環または置換もしくは非置換の5〜6員のヘテロアリール環を形成しており、ここで、該複素環式の環またはヘテロアリール環は、NおよびOからなる群より選択される0〜2個のヘテロ原子を含む。一部の特定の実施形態では、R14の実体の1つとR10’の実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成している。一部の特定の実施形態では、R14の実体の1つとR10’の実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の5〜14員の複素環式の環または置換もしくは非置換の5〜14員のヘテロアリール環を形成している。一部の特定の実施形態では、R14の実体の1つとR10’の実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の5〜6員の複素環式の環または置換もしくは非置換の5〜6員のヘテロアリール環を形成している。
一部の特定の実施形態では、R10’が−N(R10Aであり;R10Aの実体の少なくとも1つが本明細書に記載のR10である。
一部の特定の実施形態では、R10Aの実体の少なくとも1つが水素である。一部の特定の実施形態では、R10Aの実体の少なくとも1つが、任意選択的に置換されているアルキル(例えば、任意選択的に置換されているC1〜6アルキル)である。一部の特定の実施形態では、R10Aの実体の少なくとも1つが、任意選択的に置換されているメチルまたは任意選択的に置換されているエチルである。一部の特定の実施形態では、R10Aの実体の少なくとも1つが窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp−トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一部の特定の実施形態では、R13が水素である。一部の特定の実施形態では、R13が、任意選択的に置換されているアルキル(例えば、任意選択的に置換されているC1〜6アルキル)である。一部の特定の実施形態では、R13が、任意選択的に置換されているメチルまたは任意選択的に置換されているエチルである。一部の特定の実施形態では、R13が窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp−トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一部の特定の実施形態では、R14の実体の少なくとも1つが水素である。一部の特定の実施形態では、R14の実体がどちらも水素である。一部の特定の実施形態では、R14の実体の少なくとも1つが、任意選択的に置換されているアルキル(例えば、任意選択的に置換されているC1〜6アルキル)である。一部の特定の実施形態では、R14の実体の少なくとも1つが、任意選択的に置換されているメチルまたは任意選択的に置換されているエチルである。一部の特定の実施形態では、R14の実体の少なくとも1つが窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp−トルエンスルホンアミド(Ts))である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。
一部の特定の実施形態では、R10’が水素であり、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
である。
一部の特定の実施形態では、Wが、任意選択的に置換されている−CH−または−N(R)−であり、ここで、Rは水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Wが−CH−または−N(R)−であり、ここで、Rは水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Wが、ハロゲン、−CN、−NO、−SO、アシル(例えば、−C(=O)(アルキル))または−NH)で任意選択的に置換されている任意選択的に置換されている−CH−である。一部の特定の実施形態では、Wが非置換の−CH−である。一部の特定の実施形態では、Wが−N(R)−であり、ここで、Rは水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基である。
一部の特定の実施形態では、R10’が水素であり、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
であり;Wが−N(R)−であり、ここで、Rは水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、R10’が水素であり、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
であり;Wが−NH−である。
一部の特定の実施形態では、Zが−(任意選択的に置換されているカルボシクリル)−である。一部の特定の実施形態では、Zが−(任意選択的に置換されているC3〜10カルボシクリル)−である。一部の特定の実施形態では、Zが−(任意選択的に置換されているC3〜6カルボシクリル)−である。一部の特定の実施形態では、Zが−(任意選択的に置換されているシクロブチル)−である。一部の特定の実施形態では、Zが、任意選択的に置換されているメチレン(−任意選択的に置換されている−CH−)である。一部の特定の実施形態では、Zが、ハロゲン、−CN、−NO、−SO、アシル(例えば、−C(=O)(アルキル))または−NH)で任意選択的に置換されている任意選択的に置換されている−CH−である。一部の特定の実施形態では、Zが非置換の(unssubstituted)−CH−である。一部の特定の実施形態では、
Figure 2021529174
の部分が
Figure 2021529174
であり;Wが−NH−であり;Zが−CH−である。
置換基R、R、R10、R11およびR12
式(I’)および(I)の化合物は、標的タンパク質DOT1Lに結合し、E3リガーゼに結合する二官能性化合物である。式(I’)および(I)の化合物について、DOT1L結合部分は置換基R、R、R10、R11およびR12を含む。
一部の特定の実施形態では、Rが水素である。一部の特定の実施形態では、Rが、任意選択的に置換されているアルキル(例えば、任意選択的に置換されているC1〜6アルキル)である。一部の特定の実施形態では、Rが、任意選択的に置換されているメチルまたは任意選択的に置換されているエチルである。一部の特定の実施形態では、Rが窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp−トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一部の特定の実施形態では、Rが水素である。一部の特定の実施形態では、Rが、任意選択的に置換されているアルキル(例えば、任意選択的に置換されているC1〜6アルキル)である。一部の特定の実施形態では、Rが、任意選択的に置換されているメチルまたは任意選択的に置換されているエチルである。一部の特定の実施形態では、Rが窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp−トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一部の特定の実施形態では、R10が水素である。一部の特定の実施形態では、R10が、任意選択的に置換されているアルキル(例えば、任意選択的に置換されているC1〜6アルキル)である。一部の特定の実施形態では、R10が、任意選択的に置換されているメチルまたは任意選択的に置換されているエチルである。一部の特定の実施形態では、Rが窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp−トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一部の特定の実施形態では、R10が窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp−トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一部の特定の実施形態では、R11がハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI)である。一部の特定の実施形態では、R11が、任意選択的に置換されているアルキル(例えば、任意選択的に置換されているC1〜6アルキル)である。一部の特定の実施形態では、R11が、任意選択的に置換されているC1〜6アルキルである。一部の特定の実施形態では、R11が、任意選択的に置換されているメチルまたは任意選択的に置換されているエチルである。一部の特定の実施形態では、R11が、任意選択的に置換されているプロピルである。一部の特定の実施形態では、R11が、任意選択的に置換されているブチルである。一部の特定の実施形態では、R11が、任意選択的に置換されているt−ブチルである。一部の特定の実施形態では、R11が非置換のt−ブチルである。
一部の特定の実施形態では、R12の実体の少なくとも1つが水素である。一部の特定の実施形態では、R12の実体の少なくとも1つが酸素保護基(例えば、メチル、メトキシルメチル(MOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts))である。一部の特定の実施形態では、R12の実体がどちらも水素である。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が式(I)のものである。
一部の特定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグである。
一部の特定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグである。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、式:
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグである。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、式:
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多形体、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグである。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、式:
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体である。
リンカーL
式(I)において、Lは、D1基を
Figure 2021529174
の部分(すなわち、DOT1L結合部分)に連結している二価の部分である。式(I)において、LはD1基を
Figure 2021529174
の部分に共有結合により連結する。
式(I’)において、Lは、D1基を
Figure 2021529174
の部分(すなわち、DOT1L結合部分)に連結している二価の部分である。式(I)において、LはD1基を
Figure 2021529174
の部分に共有結合により連結する。
式(I’)において、Lは二価の部分である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が最も短いパス数となる置換または非置換のC1〜50炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して、−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が最も短いパス数となる置換または非置換のC1〜50炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して、−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が最も短いパス数となる置換または非置換のC1〜50の線状炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して、−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。
式(I’)において、Lは二価の部分である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が最も短いパス数となる置換または非置換のC1〜50炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して、−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が最も短いパス数となる置換または非置換のC1〜50の線状炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して、−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。
一部の特定の実施形態では、Lが置換または非置換の線状C1〜30炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。
一部の特定の実施形態では、Lが置換または非置換のC1〜30炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Lが非置換のC1〜30炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Lが置換または非置換のC1〜26炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Lが非置換のC1〜26炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Lが、2015年5月8日に出願された米国特許出願第14/707,930号(これは引用により本明細書に組み込まれる)に記載の任意の“L0”基または“Linker”基である。一部の特定の実施形態では、Lが、2015年7月6日に出願された米国特許出願第14/792,414号(これは引用により本明細書に組み込まれる)に記載の任意の“L”基である。
一部の特定の実施形態では、リンカーLの鎖が、最大50個までの原子が連続的に共有結合された、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる長さの原子を含む。
一部の特定の実施形態では、リンカーLの鎖が、最大50個までの原子が連続的に共有結合された、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる長さの原子を含む。
一部の特定の実施形態では、リンカーLの鎖が、最大50個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大46個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大45個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大40個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大35個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大32個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大30個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大25個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大25個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大23個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大20個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大14個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大15個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大12個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大10個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大9個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大6個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大5個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。一部の特定の実施形態では、Lが、最大3個までの原子が連続的に共有結合された長さの原子(水素原子と置換基を除く)を含む。
一部の特定の実施形態では、L内の原子のいずれかが置換されていてもよい。一部の特定の実施形態では、リンカーL内の原子のいずれも置換されていない。一部の特定の実施形態では、リンカー内の炭素原子のいずれも置換されていない。
一部の特定の実施形態では、Lが、不斉炭素/立体中心、すなわち4つの異なる基を結合された状態で担持しているsp混成炭素原子を含むリンカーである。一部の特定の実施形態では、かかるL基を含む該化合物がエナンチオマー的に富化されている、または実質的にエナンチオマー的に富化されている。一部の特定の実施形態では、かかるL基を含む該化合物がラセミである。
一部の特定の実施形態では、Lが置換もしくは非置換のカルボシクリレン、置換もしくは非置換のヘテロシクリレン、置換もしくは非置換のアリーレン、置換もしくは非置換のヘテロアリーレンまたは置換もしくは非置換のヘテロアルキレンあるいはその組合せである。一部の特定の実施形態では、Lが置換もしくは非置換のカルボシクリレン、置換もしくは非置換のヘテロシクリレン、置換もしくは非置換のアリーレン、置換もしくは非置換のヘテロアリーレンまたは置換もしくは非置換のヘテロアルキレンである。一部の特定の実施形態では、Lが、以下の二価の部分:置換および非置換のアルキレン、置換および非置換のアルケニレン、置換および非置換のアルキニレン、置換および非置換のヘテロアルキレン、置換および非置換のヘテロアルケニレン、置換および非置換のヘテロアルキニレン、置換および非置換のヘテロシクリレン、置換および非置換のカルボシクリレン、置換および非置換のアリーレン、置換および非置換のヘテロアリーレンならびにその組合せからなる群より選択されるリンカーである。
Lが本明細書に記載の二価の部分の少なくとも2つの実体の組合せであるという言及は、リンカーが第1の二価の部分の実体の少なくとも1つと第2の二価の部分の実体の少なくとも1つからなり、ここで、第1および第2の二価の部分は同じであるか、または異なっており、本明細書に記載の二価の部分の範囲に含まれ、第1および第2の二価の部分の実体が互いに連続的に共有結合により結合されていることを示す。例えば、Lがアルキレンリンカーとヘテロアルキレンリンカーの組合せである場合、−アルキレン−ヘテロアルキレン−、−アルキレン−(ヘテロアルキレン)2−および−ヘテロアルキレン−アルキレン−ヘテロアルキレン−はすべて、Lの範囲に含まれ、ここで、リンカーのいずれか1つの各アルキレンの実体は同じであっても異なっていてもよく、リンカーのいずれか1つの各ヘテロアルキレンの実体は同じであっても異なっていてもよい。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のアルキレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換もしくは非置換のC1〜6アルキレン、置換もしくは非置換のC1〜2アルキレン、置換もしくは非置換のC2〜3アルキレン、置換もしくは非置換のC3〜4アルキレン、置換もしくは非置換のC4〜5アルキレン、置換もしくは非置換のC5〜6アルキレン、置換もしくは非置換のC3〜6アルキレンまたは置換もしくは非置換のC4〜6アルキレンを含む。例示的なアルキレン基としては、非置換のアルキレン基、例えばメチレン(−CH−)、エチレン(−(CH−)、n−プロピレン(−(CH−)、n−ブチレン(−(CH−)、n−ペンチレン(−(CH−)およびn−ヘキシレン(−(CH−)が挙げられる。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のアルケニレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換もしくは非置換のC2〜6アルケニレン、置換もしくは非置換のC2〜3アルケニレン、置換もしくは非置換のC3〜4アルケニレン、置換もしくは非置換のC4〜5アルケニレンまたは置換もしくは非置換のC5〜6アルケニレンを含む。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のアルキニレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換もしくは非置換のC2〜6アルキニレン、置換もしくは非置換のC2〜3アルキニレン、置換もしくは非置換のC3〜4アルキニレン、置換もしくは非置換のC4〜5アルキニレンまたは置換もしくは非置換のC5〜6アルキニレンを含む。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のヘテロアルキレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換もしくは非置換のヘテロC1〜6アルキレン、置換もしくは非置換のヘテロC1〜2アルキレン、置換もしくは非置換のヘテロC2〜3アルキレン、置換もしくは非置換のヘテロC3〜4アルキレン、置換もしくは非置換のヘテロC4〜5アルキレンまたは置換もしくは非置換のヘテロC5〜6アルキレンを含む。例示的なヘテロアルキレン基としては、非置換のヘテロアルキレン基、例えば−(CH−O(CH−、−OCH−、−CHO−、−O(CH−、−(CHO−、−O(CH−、−(CHO−、−O(CH−、−(CHO−、−O(CH−、−(CHO−、−O(CH−および−O(CHO−ならびにアミド基(例えば、−NH−C(=O)−および−C(=O)NH−)が挙げられる。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のヘテロアルケニレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換もしくは非置換のヘテロC2〜6アルケニレン、置換もしくは非置換のヘテロC2〜3アルケニレン、置換もしくは非置換のヘテロC3〜4アルケニレン、置換もしくは非置換のヘテロC4〜5アルケニレンまたは置換もしくは非置換のヘテロC5〜6アルケニレンを含む。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のヘテロアルキニレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換もしくは非置換のヘテロC2〜6アルキニレン、置換もしくは非置換のヘテロC2〜3アルキニレン、置換もしくは非置換のヘテロC3〜4アルキニレン、置換もしくは非置換のヘテロC4〜5アルキニレンまたは置換もしくは非置換のヘテロC5〜6アルキニレンを含む。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のカルボシクリレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換もしくは非置換のC3〜6カルボシクリレン、置換もしくは非置換のC3〜4カルボシクリレン、置換もしくは非置換のC4〜5カルボシクリレンまたは置換もしくは非置換のC5〜6カルボシクリレンを含む。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のヘテロシクリレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換もしくは非置換の3〜6員のヘテロシクリレン、置換もしくは非置換の3〜4員のヘテロシクリレン、置換もしくは非置換の4〜5員のヘテロシクリレンまたは置換もしくは非置換の5〜6員のヘテロシクリレンを含む。
一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のアリーレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換または非置換のフェニレンを含む。一部の特定の実施形態では、Lが、置換または非置換のヘテロアリーレンの実体の少なくとも1つ、例えば置換または非置換の5〜6員のヘテロアリーレンを含む。
一部の特定の実施形態では、各Rの実体が独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基であるか、あるいは任意選択で、Rの2つの実体が、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成している。一部の特定の実施形態では、Rの実体の少なくとも1つが水素である。一部の特定の実施形態では、Rの実体の少なくとも1つが置換または非置換のC1〜6アルキル(例えば、置換または非置換のメチルまたはエチル)である。一部の特定の実施形態では、Rの実体の少なくとも1つが窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp−トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる非置換のC1〜45炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して、−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。
一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる非置換のC1〜45炭化水素鎖であり、任意選択で、該炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して、−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。
一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して−O−または−NR−で置き換えられている非置換のC1〜30炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の少なくとも1個の鎖内原子が独立して−O−で置き換えられている非置換のC1〜30炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して−O−または−NR−で置き換えられている非置換のC1〜26炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して−O−または−NR−で置き換えられている非置換のC5〜26炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して−O−または−NR−で置き換えられている非置換のC5〜20炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して−O−または−NR−で置き換えられている非置換のC5〜15炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して−O−または−NR−で置き換えられている非置換のC15〜20炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して−O−または−NR−で置き換えられている非置換のC20〜25炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが置換または非置換のC1〜45炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが置換または非置換のC5〜40炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lの炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−NR−、−N=または=N−で置き換えられている。一部の特定の実施形態では、Lの炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子が独立して、−C(=O)−、−O−、−または−NR−で置き換えられており、ここで、Rは独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。一部の特定の実施形態では、Lが、炭化水素鎖の少なくとも1個の鎖内原子が独立して−O−で置き換えられている非置換のC1〜26炭化水素鎖である。
一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる、すべて炭素の置換または非置換のC1〜45炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる、すべて炭素の置換または非置換のC1〜30炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる、すべて炭素の置換または非置換のC1〜26炭化水素鎖である。
一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる、すべて炭素の置換または非置換のC1〜45炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる、すべて炭素の置換または非置換のC1〜30炭化水素鎖である。一部の特定の実施形態では、Lが、D1と
Figure 2021529174
の部分間が水素原子と置換基を除いて最も短いパス数となる、すべて炭素の置換または非置換のC1〜26炭化水素鎖である。
一部の特定の実施形態では、Lが
Figure 2021529174
の部分を含み、gが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。一部の特定の実施形態では、Lが
Figure 2021529174
の部分を含み、gが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。一部の特定の実施形態では、Lが結合である。一部の特定の実施形態では、gが1である。一部の特定の実施形態では、gが2である。一部の特定の実施形態では、gが3である。一部の特定の実施形態では、gが4である。一部の特定の実施形態では、gが5である。一部の特定の実施形態では、gが6である。一部の特定の実施形態では、gが7である。一部の特定の実施形態では、gが8である。一部の特定の実施形態では、gが9である。一部の特定の実施形態では、gが10である。一部の特定の実施形態では、gが11である。一部の特定の実施形態では、gが12である。一部の特定の実施形態では、gが13である。一部の特定の実施形態では、gが14である。一部の特定の実施形態では、gが15である。一部の特定の実施形態では、Lが−NHC(=O)−の部分を含む。一部の特定の実施形態では、Lが−NH−の部分を含む。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり;
がD1との結合点を示し、lが、式
Figure 2021529174
の部分との結合点を示し;n1が1、2、3、4、5または6であり;n2が1、2、3、4、5または6であり;n3が1、2、3、4、5または6であり;n4’が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24であり;n5が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;gが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり;
がD1との結合点を示し、lが、式
Figure 2021529174
の部分との結合点を示し;n1が1、2、3、4、5または6であり;n2が1、2、3、4、5または6であり;n3が1、2、3、4、5または6であり;n4’が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18であり;n5が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;gが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。
一部の特定の実施形態では、n4’が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24である。一部の特定の実施形態では、n4’が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18である。一部の特定の実施形態では、n4’がn4である。一部の特定の実施形態では、n4’が1である。一部の特定の実施形態では、n4’が2である。一部の特定の実施形態では、n4’が3である。一部の特定の実施形態では、n4’が4である。一部の特定の実施形態では、n4’が5である。一部の特定の実施形態では、n4’が6である。一部の特定の実施形態では、n4’が7である。一部の特定の実施形態では、n4’が8である。一部の特定の実施形態では、n4’が9である。一部の特定の実施形態では、n4’が10である。一部の特定の実施形態では、n4’が11である。一部の特定の実施形態では、n4’が12である。一部の特定の実施形態では、n4’が13である。一部の特定の実施形態では、n4’が14である。一部の特定の実施形態では、n4’が15である。一部の特定の実施形態では、n4’が16である。一部の特定の実施形態では、n4’が17である。一部の特定の実施形態では、n4’が18である。一部の特定の実施形態では、n4’が19である。一部の特定の実施形態では、n4’が20である。一部の特定の実施形態では、n4’が21である。一部の特定の実施形態では、n4’が22である。一部の特定の実施形態では、n4’が23である。一部の特定の実施形態では、n4’が24である。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり;式中:
はD1との結合点を示し、lは、式:
Figure 2021529174
の部分との結合点を示し;n1は1、2、3、4、5または6であり;n2は1、2、3、4、5または6であり;n3は1、2、3、4、5または6であり;n4は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;n5は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;gは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。一部の特定の実施形態では、n1が1である。一部の特定の実施形態では、n1が2である。一部の特定の実施形態では、n1が3である。一部の特定の実施形態では、n1が4である。一部の特定の実施形態では、n1が5である。一部の特定の実施形態では、n1が6である。一部の特定の実施形態では、n2が1である。一部の特定の実施形態では、n2が2である。一部の特定の実施形態では、n2が3である。一部の特定の実施形態では、n2が4である。一部の特定の実施形態では、n2が5である。一部の特定の実施形態では、n2が6である。一部の特定の実施形態では、n4が1である。一部の特定の実施形態では、n4が2である。一部の特定の実施形態では、n4が3である。一部の特定の実施形態では、n4が4である。一部の特定の実施形態では、n4が5である。一部の特定の実施形態では、n4が6である。一部の特定の実施形態では、n4が7である。一部の特定の実施形態では、n4が8である。一部の特定の実施形態では、n4が9である。一部の特定の実施形態では、n4が10である。一部の特定の実施形態では、n4が11である。一部の特定の実施形態では、n4が12である。一部の特定の実施形態では、n5が1である。一部の特定の実施形態では、n5が2である。一部の特定の実施形態では、n5が3である。一部の特定の実施形態では、n5が4である。一部の特定の実施形態では、n5が5である。一部の特定の実施形態では、n5が6である。一部の特定の実施形態では、n5が7である。一部の特定の実施形態では、n5が8である。一部の特定の実施形態では、n5が9である。一部の特定の実施形態では、n5が10である。一部の特定の実施形態では、n5が11である。一部の特定の実施形態では、n5が12である。一部の特定の実施形態では、gが1である。一部の特定の実施形態では、gが2である。一部の特定の実施形態では、gが3である。一部の特定の実施形態では、gが4である。一部の特定の実施形態では、gが5である。一部の特定の実施形態では、gが6である。一部の特定の実施形態では、gが7である。一部の特定の実施形態では、gが8である。一部の特定の実施形態では、gが9である。一部の特定の実施形態では、gが10である。一部の特定の実施形態では、gが11である。一部の特定の実施形態では、gが12である。一部の特定の実施形態では、gが13である。一部の特定の実施形態では、gが14である。一部の特定の実施形態では、gが15である。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり、式中:n1は1、2、3、4、5または6であり;gは1、2、3、4、5または6である。一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり、式中:n1は1、2、3、4、5または6であり;gは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である。一部の特定の実施形態では、n1が4である。一部の特定の実施形態では、n1が5である。一部の特定の実施形態では、n1が6である。一部の特定の実施形態では、gが3である。一部の特定の実施形態では、gが5である。一部の特定の実施形態では、gが6である。一部の特定の実施形態では、gが12である。一部の特定の実施形態では、gが6である。一部の特定の実施形態では、gが13である。一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり、式中:n1は1、2、3、4、5または6であり;n2は1、2、3、4、5または6であり;n3は1、2、3、4、5または6であり;gは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14である。一部の特定の実施形態では、n1が4である。一部の特定の実施形態では、n1が5である。一部の特定の実施形態では、n1が6である。一部の特定の実施形態では、n2が3である。一部の特定の実施形態6(embodiment6s)では、n2が4である。一部の特定の実施形態では、n2が5である。一部の特定の実施形態では、n2が6である。一部の特定の実施形態では、n2が2である。一部の特定の実施形態では、n2が3である。一部の特定の実施形態では、n2が4である。一部の特定の実施形態では、gが3である。一部の特定の実施形態では、gが5である。一部の特定の実施形態では、gが6である。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり、式中:n1は1、2、3、4、5または6であり;n4’は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18である。一部の特定の実施形態では、n1が4である。一部の特定の実施形態では、n1が5である。一部の特定の実施形態では、n1が6である。一部の特定の実施形態では、n4’が3である。一部の特定の実施形態では、n4’が4である。一部の特定の実施形態では、n4’が5である。一部の特定の実施形態では、n4’が6である。一部の特定の実施形態では、n4’が7である。一部の特定の実施形態では、n4’が8である。一部の特定の実施形態では、n4’が9である。一部の特定の実施形態では、n4’が10である。一部の特定の実施形態では、n4’が11である。一部の特定の実施形態では、n4’が12である。一部の特定の実施形態では、n4’が13である。一部の特定の実施形態では、n4’が14である。一部の特定の実施形態では、n4’が15である。一部の特定の実施形態では、n4’が16である。一部の特定の実施形態では、n4’が17である。一部の特定の実施形態では、n4’が18である。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり、式中:n1は1、2、3、4、5または6であり;n4は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である。一部の特定の実施形態では、n1が4である。一部の特定の実施形態では、n1が5である。一部の特定の実施形態では、n1が6である。一部の特定の実施形態では、n4が8である。一部の特定の実施形態では、n4が9である。一部の特定の実施形態では、n4が10である。一部の特定の実施形態では、n4が11である。一部の特定の実施形態では、n4が12である。一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり、式中:n1は1、2、3、4、5または6であり;n4’は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18であり;n5は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である。一部の特定の実施形態では、n5が1である。一部の特定の実施形態では、n4が2である。一部の特定の実施形態では、n5が3である。一部の特定の実施形態では、n5が4である。一部の特定の実施形態では、n5が5である。一部の特定の実施形態では、n5が6である。一部の特定の実施形態では、n5が7である。一部の特定の実施形態では、n5が8である。一部の特定の実施形態では、n5が9である。一部の特定の実施形態では、n5が10である。一部の特定の実施形態では、n5が11である。一部の特定の実施形態では、n5が12である。一部の特定の実施形態では、n1が4であり;n4’が5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18であり;n5が5、6、7、8、9、10、11または12である。一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり、式中:n1は1、2、3、4、5または6であり;n4は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;n5は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である。一部の特定の実施形態では、n5が1である。一部の特定の実施形態では、n4が2である。一部の特定の実施形態では、n5が3である。一部の特定の実施形態では、n5が4である。一部の特定の実施形態では、n5が5である。一部の特定の実施形態では、n5が6である。一部の特定の実施形態では、n5が7である。一部の特定の実施形態では、n5が8である。一部の特定の実施形態では、n5が9である。一部の特定の実施形態では、n5が10である。一部の特定の実施形態では、n5が11である。一部の特定の実施形態では、n5が12である。一部の特定の実施形態では、n1が4であり;n4が5、6、7、8、9、10、11または12であり;n5が5、6、7、8、9、10、11または12である。一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものであり、式中:n1は1、2、3、4、5または6であり;n2は1、2、3、4、5または6であり;n4’は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18である。一部の特定の実施形態では、n1が4である。一部の特定の実施形態では、n1が5である。一部の特定の実施形態では、n1が6である。一部の特定の実施形態では、n2が2である。一部の特定の実施形態では、n1が3である。一部の特定の実施形態では、n2が4である。一部の特定の実施形態では、n2が5である。一部の特定の実施形態では、n2が6である。一部の特定の実施形態では、n4’が3である。一部の特定の実施形態では、n4’が4である。一部の特定の実施形態では、n4’が5である。一部の特定の実施形態では、n4’が6である。一部の特定の実施形態では、n4’が7である。一部の特定の実施形態では、n4’が8である。一部の特定の実施形態では、n4’が9である。一部の特定の実施形態では、n4’が10である。一部の特定の実施形態では、n4’が11である。一部の特定の実施形態では、n4’が12である。一部の特定の実施形態では、n4’が13である。一部の特定の実施形態では、n4’が14である。一部の特定の実施形態では、n4’が15である。一部の特定の実施形態では、n4’が16である。一部の特定の実施形態では、n4’が17である。一部の特定の実施形態では、n4’が18である。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、Lが、式:
Figure 2021529174
Figure 2021529174
のものである。
式(I’)の化合物
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、式:
Figure 2021529174
Figure 2021529174
Figure 2021529174
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体である。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、式:
Figure 2021529174
Figure 2021529174
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体である。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、式:
Figure 2021529174
Figure 2021529174
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体である。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、式:
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体である。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、式:
Figure 2021529174
Figure 2021529174
Figure 2021529174
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体である。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、その薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体または立体異性体を含む。一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物が、その薬学的に許容され得る塩を含む。一部の実施形態では、式(I’)の化合物は別のタンパク質よりもDOT1Lを選択的に結合する。一部の特定の実施形態では、この選択性が約2倍〜約5倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約5倍〜約10倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約10倍〜約20倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約20倍〜約50倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約50倍〜約100倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約100倍〜約200倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約200倍〜約500倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約500倍〜約1000倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が少なくとも約1000倍である。
一部の実施形態では、式(I’)の化合物はDOT1Lを、プロテオーム(proteome)内の他のタンパク質よりも選択的に分解する。一部の特定の実施形態では、この選択性が約2倍〜約5倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約5倍〜約10倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約10倍〜約20倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約20倍〜約50倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約50倍〜約100倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約100倍〜約200倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約200倍〜約500倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約500倍〜約1000倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が少なくとも約1000倍である。
一部の実施形態では、式(I’)の化合物は別のタンパク質よりもE3リガーゼを選択的に結合する。一部の特定の実施形態では、この選択性が約2倍〜約5倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約5倍〜約10倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約10倍〜約20倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約20倍〜約50倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約50倍〜約100倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約100倍〜約200倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約200倍〜約500倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が約500倍〜約1000倍である。一部の特定の実施形態では、この選択性が少なくとも約1000倍である。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物は、標的タンパク質DOT1Lの最大10%まで、最大15%まで、最大20%まで、最大25%まで、最大30%まで、最大35%まで、最大40%まで、最大45%まで、最大50%まで、最大55%まで、最大60%まで、最大65%まで、最大70%まで、最大75%まで、最大80%まで、最大85%まで、最大90%まで、最大95%まで、最大99%まで、または最大100%までの分解を、100,000nM以下、50,000nM以下、20,000nM以下、10,000nM以下、5,000nM以下、3,500nM以下、2,500nM以下、1,000nM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、90nM以下、80nM以下、70nM以下、60nM以下、50nM以下、40nM以下、30nM以下、20nM以下、10nM以下、5nM以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下または1nM以下の濃度で誘導する。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物は、標的タンパク質DOT1Lの分解速度を、最大10%まで、最大15%まで、最大20%まで、最大25%まで、最大30%まで、最大35%まで、最大40%まで、最大45%まで、最大50%まで、最大55%まで、最大60%まで、最大65%まで、最大70%まで、最大75%まで、最大80%まで、最大85%まで、最大90%まで、最大95%まで、最大99%まで、または最大100%まで、100,000nM以下、50,000nM以下、20,000nM以下、10,000nM以下、5,000nM以下、3,500nM以下、2,500nM以下、1,000nM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、90nM以下、80nM以下、70nM以下、60nM以下、50nM以下、40nM以下、30nM以下、20nM以下、10nM以下、5nM以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下または1nM以下の濃度で高める。
医薬組成物、キットおよび投与
本開示により、式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形体、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグおよび任意選択で薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得る賦形剤を含む。
一部の特定の実施形態では、式(I’)の化合物を該医薬組成物中に有効量で提供する。一部の特定の実施形態では、有効量が治療有効量である。一部の特定の実施形態では、有効量が予防有効量である。一部の特定の実施形態では、有効量は、疾患(例えば、増殖性疾患)の処置が、それを必要とする被験体においてなされるのに有効な量である。一部の特定の実施形態では、有効量は、疾患(例えば、増殖性疾患)の予防が、それを必要とする被験体においてなされるのに有効な量である。一部の特定の実施形態では、有効量は、がんの処置が、それを必要とする被験体においてなされるのに有効な量である。一部の特定の実施形態では、有効量は、がんの予防が、それを必要とする被験体においてなされるのに有効な量である。一部の特定の実施形態では、有効量は、疾患(例えば、増殖性疾患またはがん)を発症するリスクの低減が、それを必要とする被験体においてなされるのに有効な量である。
一部の特定の実施形態では、被験体が動物である。動物はいずれの性別のものであってもよく、任意の発育段階であり得る。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の被験体がヒトである。一部の特定の実施形態では、被験体が非ヒト動物である。一部の特定の実施形態では、被験体が哺乳動物である。一部の特定の実施形態では、被験体が非ヒト哺乳動物である。一部の特定の実施形態では、被験体が飼養化動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギである。一部の特定の実施形態では、被験体がコンパニオンアニマル、例えばイヌまたはネコである。一部の特定の実施形態では、被験体が家畜動物、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギである。一部の特定の実施形態では、被験体が動物園の動物である。別の実施形態では、被験体が研究用動物、例えば齧歯類(例えば、マウス、ラット)、イヌ、ブタまたは非ヒト霊長類である。一部の特定の実施形態では、動物が遺伝子改変操作動物である。一部の特定の実施形態では、動物がトランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウスおよびトランスジェニックブタ)である。一部の特定の実施形態では、被験体が魚類または爬虫類である。
一部の特定の実施形態では、有効量が、細胞内の標的タンパク質DOT1Lの少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約42%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の分解を誘導するのに有効な量である。一部の特定の実施形態では、有効量は、細胞内の標的タンパク質DOT1Lが、この段落に記載のパーセンテージの1つと、この段落に記載の別のパーセンテージとの間の範囲(両端を含む)で分解されることが誘導されるのに有効な量である。
本開示により、疾患(例えば、増殖性疾患)の処置を、それを必要とする被験体において行うことにおける使用のための、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン)および標的タンパク質DOT1Lと相互作用する化合物を含む医薬組成物を提供する。一部の特定の実施形態では、該組成物が、がんの処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が、多発性骨髄腫、リンパ腫、白血病(例えば、急性骨髄球性白血病(例えば、ヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病;DNMT3A遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病)、混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄球性白血病)、またはプロテアソーム阻害薬に耐性のがんの処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が多発性骨髄腫の処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物がリンパ腫の処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が白血病の処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が急性骨髄球性白血病の処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が、ヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病の処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が、DNMT3A遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病の処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が、混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄球性白血病)の処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が急性骨髄性好酸球性白血病の処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物がプロテアソーム阻害薬に耐性のがんの処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物がボルテゾミブに耐性のがんの処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物がカルフィルゾミブに耐性のがんの処置における使用のためのものである。一部の特定の実施形態では、該組成物が多発性骨髄腫の処置における使用のためのものである。
医薬組成物はバルクで、単回単位用量および/または複数の単回単位用量として調製、パッケージングおよび/または販売され得る。「単位用量」は、所定量の活性成分を含む医薬組成物の分離量である。活性成分の量は一般的に、被験体に投与されるであろう活性成分の投薬量と同じ、および/またはかかる投薬量の簡便な分数量、例えばかかる投薬量の2分の1もしくは3分の1である。
本明細書に記載の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容され得る賦形剤および/または任意のさらなる成分の相対量は、処置される被験体自体、その体格および/または状態に応じて、さらに、組成物が投与される経路に応じてさまざまである。該組成物は0.1%〜100%(w/w)の活性成分を含み得る。
提供する医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容され得る賦形剤としては、不活性希釈剤、分散化剤および/または造粒剤、表面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存料、緩衝剤、滑沢剤および/または油が挙げられる。また、ココアバターおよび坐剤用ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤ならびに香料剤などの賦形剤を該組成物中に存在させる場合もあり得る。
例示的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉糖およびその混合物が挙げられる。
例示的な造粒剤および/または分散化剤としては、イモデンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレイ、アルギン酸、グアガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材由来製品、天然海綿、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(スターチ1500)、微結晶デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第4級アンモニウム化合物およびその混合物が挙げられる。
例示的な表面活性剤および/または乳化剤としては、天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドルクス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックスおよびレシチン)、コロイド状クレイ(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)ならびにVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、グリセルモノステアレートおよびプロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマーおよびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミテート(Span(登録商標)40)、ソルビタンモノステアレート(Span(登録商標)60)、ソルビタントリステアレート(Span(登録商標)65)、グリセルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート(Span(登録商標)80)、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート(Myrj(登録商標)45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレートおよびSolutol(登録商標))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij(登録商標)30))、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic(登録商標)F−68、ポロキサマーP−188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウムおよび/またはその混合物が挙げられる。
例示的な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成のガム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモス抽出物、パンウォー(panwar)ガム、ガティガム、イサポルハスク(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum(登録商標))、ならびにカラマツのアラボガラクタン)、アルギネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコールおよび/またはその混合物が挙げられる。
例示的な保存料としては、酸化防止剤、キレート剤、抗菌性保存料、抗真菌性保存料、抗原虫保存料、アルコール保存料、酸性保存料および他の保存料が挙げられる。一部の特定の実施形態では、保存料が酸化防止剤である。他の実施形態では、保存料がキレート剤である。
例示的な酸化防止剤としては、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
例示的なキレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)ならびにその塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例えば、クエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、および酒石酸ならびにその塩および水和物が挙げられる。例示的な抗菌性保存料としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコールおよびチメロサールが挙げられる。
例示的な抗真菌性保存料としては、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムおよびソルビン酸が挙げられる。
例示的なアルコール保存料としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール系化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエートおよびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
例示的な酸性保存料としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸およびフィチン酸が挙げられる。
他の保存料としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(hydroxytoluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant(登録商標)Plus、Phenonip(登録商標)、メチルパラベン、Germall(登録商標)115、Germaben(登録商標)II、Neolone(登録商標)、Kathon(登録商標)およびEuxyl(登録商標)が挙げられる。
例示的な緩衝剤としては、クエン酸バッファー溶液、酢酸バッファー溶液、リン酸バッファー溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張性生理食塩水、リンゲル液、エチルアルコールおよびその混合物が挙げられる。
例示的な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、モルト、ベヘン酸グリセリル、水添植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物が挙げられる。
例示的な天然油としては、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカラントシード、ボラージ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、ヒマシ、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝、コーヒー、コーン、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヒョウタン、グレープシード、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツエアクベバ、マカダミアナッツ、マロウ、マンゴーシード、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ポピーシード、パンプキンシード、菜種、米糠、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サスクアナ(sasquana)、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチバー、クルミおよび小麦胚芽の油が挙げられる。例示的な合成の油としては、限定されないが、ステアリン酸ブチル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油およびその混合物が挙げられる。
経口投与および非経口投与のための液状投薬形態としては、薬学的に許容され得る乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加えて、液状投薬形態には当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例えば、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにその混合物などが含められ得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物に佐剤、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および香料剤を含めてもよい。非経口投与のための一部の特定の実施形態では、本明細書に記載のコンジュゲートが、可溶化剤、例えばCremophor(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマーおよびその混合物と混合される。
注射用調製物、例えば滅菌された注射用の水性または油性の懸濁剤は既知の技術に従い、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて製剤化され得る。滅菌された注射用調製物は、無毒性の非経口に許容され得る希釈剤または溶媒中における滅菌された注射用の液剤、懸濁剤または乳剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤であり得る。中でも、使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒は水、リンゲル液、U.S.P.標準の等張性塩化ナトリウム溶液である。また、滅菌された固定油は溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用されている。この目的には、任意の無刺激性の固定油、例えば合成のモノ−またはジ−グリセリドが使用され得る。また、脂肪酸、例えばオレイン酸も注射用剤の調製に使用される。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過によって、または滅菌水もしくは他の滅菌された注射用媒体中に溶解もしくは分散され得る滅菌された固形組成物の形態の滅菌剤を使用前に組み込むことによって滅菌され得る。
薬物の効果を長引かせるためには、多くの場合、皮下注射または筋肉内注射による薬物の吸収を低速化させることが望ましい。これは、水難溶性の結晶性または非晶質の物質の液状懸濁体の使用によってなされ得る。このとき薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、溶解速度はさらに結晶の大きさおよび結晶性形態に依存し得る。あるいはまた、薬物を油液ビヒクル中に溶解または懸濁化させることにより、非経口投与された薬物形態の遅延吸収を行ってもよい。
経直腸投与または経膣投与のための組成物は典型的には坐剤であり、これは、本明細書に記載のコンジュゲートを適切な非刺激性の賦形剤もしくは担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコールと、または周囲温度では固形であるが体温では液状であり、したがって直腸もしくは膣腔内で融解して活性成分を放出する坐剤用ワックスと混合することによって調製され得る。
経口投与のための固形投薬形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。かかる固形投薬形態では、活性成分は、少なくとも1種類の不活性な薬学的に許容され得る賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムおよび/または(a)増量剤もしくは体質顔料、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシアなど、(c)保湿剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、イモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなど、(h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレイならびに(i)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ならびにその混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投薬形態には緩衝剤が含められ得る。
同様の型の固形組成物が、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤が使用される充填済のゼラチン軟カプセル剤およびゼラチン硬カプセル剤の増量剤として使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形投薬形態を、コーティングおよび殻、例えば腸溶コーティングおよび薬理学の技術分野でよく知られた他のコーティングを用いて調製してもよい。これは任意選択で乳白剤を含み得、活性成分(1種類もしくは複数種類)のみを、または活性成分(1種類もしくは複数種類)を優先的に腸管の特定の部分に、任意選択で遅延様式にて放出する組成のものであり得る。使用され得る封入組成物の例としては高分子物質およびワックスが挙げられる。同様の型の固形組成物が、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤が使用される充填済のゼラチン軟カプセル剤およびゼラチン硬カプセル剤の増量剤として使用され得る。
活性成分を、上記の1種類またはそれより多くの賦形剤を用いてマイクロカプセル封入形態にしてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形投薬形態を、コーティングおよび殻、例えば腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤化技術分野でよく知られた他のコーティングを用いて調製してもよい。かかる固形投薬形態では、活性成分は、少なくとも1種類の不活性希釈剤、例えばスクロース、ラクトースまたはデンプンと混合状態にされ得る。かかる投薬形態には、常道のように、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば打錠滑沢剤および他の打錠助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースが含まれ得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投薬形態には緩衝剤が含まれ得る。これは任意選択で乳白剤を含み得、活性成分(1種類もしくは複数種類)のみを、または活性成分(1種類もしくは複数種類)を優先的に腸管の特定の部分に、任意選択で遅延様式にて放出する組成のものであり得る。使用され得るカプセル封入剤の例としては高分子物質およびワックスが挙げられる。
本明細書に記載の化合物の経表面および/または経皮投与のための投薬形態としては、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、液剤、スプレー剤、吸入剤および/または貼付剤が挙げられ得る。一般的に、活性成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容され得る担体もしくは賦形剤および/または必要であれば任意の必要な保存料および/またはバッファーと混合状態にされる。さらに、本開示では、経皮パッチの使用を想定しており、これは多くの場合、身体への活性成分の制御送達がもたらされるという付加的な利点を有する。かかる投薬形態は、例えば活性成分を適正な媒体中に溶解および/または分配することによって調製され得る。代替的または付加的に、その速度は、速度制御膜を設けること、および/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲル中に分散させることのいずれかによって制御することができる。
本明細書に記載の皮内用医薬組成物の送達における使用に好適なデバイスとしては、ショートニードルデバイスが挙げられる。皮内用組成物は、皮膚内への針の有効貫通長さが限定的なデバイスによって投与され得る。代替的または付加的に、慣用的なシリンジを従来型のマントー法の皮内投与において使用してもよい。液体ジェットインジェクターによって、および/または角質層を穿孔し、真皮に到達するジェット流を生成する針によって液状製剤を真皮に送達するジェット式注射デバイスも好適である。圧縮ガスを用いて皮膚の外層から真皮へと粉末形態の化合物を加速する弾道(ballistic)粉体/粒子送達デバイスも好適である。
経表面投与に適した製剤としては、限定されないが、液状および/または半液状調製物、例えばリニメント剤、ローション剤、水中油型および/または油中水型乳剤、例えばクリーム剤、軟膏、および/またはペースト剤、および/または液剤および/または懸濁剤が挙げられる。経表面投与可能な製剤には、例えば約1%〜約10%(w/w)の活性成分が含められ得るが、活性成分の濃度は、該活性成分の溶媒中における可溶性限界くらい高くてもよい。経表面投与のための製剤に、1種類またはそれより多くの本明細書に記載のさらなる成分をさらに含めてもよい。
本明細書に記載の医薬組成物を、口腔経由の経肺投与に適した製剤に調製、パッケージングおよび/または販売してもよい。かかる製剤は、活性成分を含み、かつ約0.5〜約7ナノメートルまたは約1〜約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。かかる組成物は簡便には、噴射剤流が指向されて粉末剤を分散させ得る乾燥粉末剤レザーバを備えているデバイスを用いて、および/または自己噴射式溶媒/粉末剤施薬容器、例えば密封容器内に低沸点噴射剤中に溶解および/または懸濁させた活性成分を備えているデバイスを用いて投与するための乾燥粉末剤の形態である。かかる粉末剤は、重量基準で粒子の少なくとも98%が0.5ナノメートルより大きい直径を有し、個数基準で粒子の少なくとも95%が7ナノメートル未満の直径を有する粒子を含む。あるいはまた、重量基準で粒子の少なくとも95%が1ナノメートルより大きい直径を有し、個数基準で粒子の少なくとも90%が6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末剤組成物には、固形微粉末希釈剤、例えば糖質が含められ得、簡便には単位用量形態で提供される。
低沸点噴射剤としては一般的に、大気圧で65°Fより低い沸点を有する液状噴射剤が挙げられる。一般的に、噴射剤は、該組成物の50〜99.9%(w/w)を構成し得、活性成分は、該組成物の0.1〜20%(w/w)を構成し得る。噴射剤は、さらなる成分、例えば液状の非イオン界面活性剤および/または固形のアニオン界面活性剤および/または固形の希釈剤(これは、活性成分を構成する粒子と同程度の粒径を有するものであり得る)をさらに含むものであってもよい。
経肺送達のために製剤化される本明細書に記載の医薬組成物は活性成分を、液剤および/または懸濁剤の液滴の形態で供給し得る。かかる製剤は、活性成分を含む任意選択で滅菌されている水性および/または希薄アルコール性の液剤および/または懸濁剤として調製、パッケージングおよび/または販売され得、任意のネブライゼーションおよび/またはアトマイゼーションデバイスを用いて簡便に投与され得る。かかる製剤に、1種類またはそれより多くのさらなる成分、例えば限定されないが、香味剤、例えばサッカリンナトリウム、揮発油、緩衝剤、表面活性剤および/または保存料、例えばメチルヒドロキシベンゾエートをさらに含めてもよい。この投与経路によって供給される液滴は約0.1〜約200ナノメートルの範囲の平均直径を有するものであり得る。
経肺送達に有用である本明細書に記載の製剤は、本明細書に記載の医薬組成物の鼻腔内送達にも有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含み、約0.2〜500マイクロメートルの平均粒子を有する粗粉末剤である。かかる製剤は、鼻孔近くに保持した粉末剤容器から鼻道を通して急速吸入することによって投与される。
経鼻投与のための製剤は、例えば、約0.1%(w/w)ほどの少量から100%(w/w)もの高量までの活性成分を含むものであり得、1種類またはそれより多くの本明細書に記載のさらなる成分を含んでいてもよい。本明細書に記載の医薬組成物を、口腔内投与のための製剤に調製、パッケージングおよび/または販売され得る。かかる製剤は例えば、慣用的な方法を用いて作製される錠剤および/またはロゼンジ剤の形態であり得、例えば0.1〜20%(w/w)の活性成分を含有しており、残部が口腔内で溶解性および/または分解性の組成物ならびに任意選択で1種類またはそれより多くの本明細書に記載のさらなる成分を含むものであり得る。あるいはまた、口腔内投与のための製剤は、活性成分を含む粉末剤および/またはエーロゾル化および/または霧化された液剤および/または懸濁剤を含むものであり得る。かかる粉末化、エーロゾル化および/またはエーロゾル化された製剤は、分散させた場合は約0.1〜約200ナノメートルの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有し得、1種類またはそれより多くの本明細書に記載のさらなる成分をさらに含んでいてもよい。
本明細書において提供する医薬組成物の説明は主としてヒトへの投与に適した医薬組成物に関するものであるが、当業者には、かかる組成物があらゆる種類の動物への投与に一般的に適していることは理解されよう。種々の動物への投与に適したものにするためのヒトへの投与に適した医薬組成物の改良は充分に理解されており、当該技術分野の通常の技能を有する獣医薬理学者はかかる改良を通常の実験により設計および/または実施することができよう。
本明細書において提供する化合物は典型的には、容易な投与および均一な投薬量のために単位投薬形態に製剤化される。しかしながら、本明細書に記載の組成物の1日の全使用量は、医師によって正しい医学的判断の範囲内で決定されることは理解されよう。任意の具体的な被験体または生物体に対する具体的な治療有効用量レベルは、さまざまな要素、例えば処置対象の疾患および障害の重症度;使用される具体的な活性成分の活性;使用される具体的な組成物;被験体の年齢、体重、一般健康状態、性別および食生活;投与時間、投与経路および使用される具体的な活性成分の排出速度;処置の持続期間;使用される具体的な活性成分と併用して、または同時進行で使用される薬物;ならびに医学分野でよく知られた同様の要素に依存する。
本明細書において提供する化合物および組成物は、任意の経路によって、例えば経腸(例えば、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、真皮間(interdermal)、経直腸、膣内、腹腔内、経表面(粉末剤、軟膏、クリーム剤および/または滴剤による場合)、経粘膜、経鼻、口腔内、舌下;気管内点滴、気管支への点滴および/または吸入によって;および/または経口スプレー剤、経鼻スプレー剤および/またはエーロゾル剤として投与され得る。具体的に想定される経路は経口投与、静脈内投与(例えば、全身性静脈内注射)、血液および/またはリンパ液の供給による限局的投与および/または罹患部位への直接投与である。一般に、最も適切な投与経路は、さまざまな要素、例えば薬剤の性質(例えば、胃腸管環境内における安定性)および/または被験体の状態(例えば、被験体が経口投与に耐えることができるかどうか)に依存する。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は被験体の目への経表面投与に適している。
有効量にするために必要とされる化合物の厳密な量は、例えば被験体の種、年齢および一般健康状態、副作用または障害の重症度、具体的な化合物の具体物、投与様式などに応じて被験体ごとに異なる。有効量は、単回用量(例えば、単回経口用量)に含めても反復用量(例えば、反復経口用量)に含めてもよい。一部の特定の実施形態では、反復用量を被験体に投与するか、または生物学的試料、組織もしくは細胞に適用する場合、反復用量の中の任意の2回の用量は異なる量または実質的に同じ量の本明細書に記載の化合物を含む。一部の特定の実施形態では、反復用量を被験体に投与するか、または生物学的試料、組織もしくは細胞に適用する場合、該反復用量を該被験体に投与する頻度または該反復用量を該生物学的試料、組織もしくは細胞に適用する頻度は1日3回の用量、1日2回の用量、1日1回の用量、1日おきに1回の用量、3日ごとに1回の用量、毎週1回の用量、2週間ごとに1回の用量、3週間ごとに1回の用量または4週間ごとに1回の用量である。一部の特定の実施形態では、反復用量を被験体に投与する頻度または反復用量を生物学的試料、組織もしくは細胞に適用する頻度が1日あたり1回の用量である。一部の特定の実施形態では、反復用量を被験体に投与する頻度または反復用量を生物学的試料、組織もしくは細胞に適用する頻度が1日あたり2回の用量である。一部の特定の実施形態では、反復用量を被験体に投与する頻度または反復用量を生物学的試料、組織もしくは細胞に適用する頻度が1日あたり3回の用量である。一部の特定の実施形態では、反復用量を被験体に投与するか、または生物学的試料、組織もしくは細胞に適用する場合、反復用量の最初の用量と最後の用量間の期間は1日、2日間、4日間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、7年間、10年間、15年間、20年間または該被験体、生物学的試料、組織または細胞の一生涯である。一部の特定の実施形態では、反復用量の最初の用量と最後の用量間の期間が3ヶ月間、6ヶ月間または1年間である。一部の特定の実施形態では、反復用量の最初の用量と最後の用量間の期間が被験体、生物学的試料、組織または細胞の一生涯である。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の用量(例えば、単回用量または反復用量の中の任意の用量)としては、独立して0.1μg〜1μg、0.001mg〜0.01mg、0.01mg〜0.1mg、0.1mg〜1mg、1mg〜3mg、3mg〜10mg、10mg〜30mg、30mg〜100mg、100mg〜300mg、300mg〜1,000mgまたは1g〜10g(両端を含む)の本明細書に記載の化合物が挙げられる。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の用量としては独立して1mg〜3mg(両端を含む)の本明細書に記載の化合物が挙げられる。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の用量としては、独立して3mg〜10mg(両端を含む)の本明細書に記載の化合物が挙げられる。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の用量としては、独立して10mg〜30mg(両端を含む)の本明細書に記載の化合物が挙げられる。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の用量としては、独立して30mg〜100mg(両端を含む)の本明細書に記載の化合物が挙げられる。
本明細書に記載のような用量範囲は、提供する医薬組成物を成人に投与するための手引きを示す。例えば児童または青年に投与すべき量は、医師または当業者によって決定され得、成人に投与される量より少ないか、または成人に投与される量と同じであり得る。
本明細書に記載の化合物または組成物は、1種類またはそれより多くのさらなる医薬用薬剤(例えば、治療活性薬剤および/または予防活性薬剤)と併用して投与され得る。該化合物または組成物は、その活性(例えば、疾患の処置を、それを必要とする被験体において行う際、疾患の予防を、それを必要とする被験体において行う際、標的タンパク質の分解を誘導する際および/または疾患を発症するリスクの低減を、それを必要とする被験体において行う際の活性(例えば、効力および/または有効性))を改善するさらなる医薬用薬剤、バイオアベイラビリティを改善するさらなる医薬用薬剤、血液脳関門を通過する能力を改善するさらなる医薬用薬剤、安全性を改善するさらなる医薬用薬剤、薬物耐性を低減するさらなる医薬用薬剤、および/または代謝を修正するさらなる医薬用薬剤、排出を阻害するさらなる医薬用薬剤、および/または被験体、生物学的試料、組織もしくは細胞における分布を修正するさらなる医薬用薬剤と併用して投与され得る。また、使用される治療は、同じ障害に対して所望の効果が得られ得るものである、および/または異なる効果が得られる場合もあり得ることは認識されよう。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物およびさらなる医薬用薬剤を含む本明細書に記載の医薬組成物は、該化合物および該さらなる医薬用薬剤のうちの一方を含み、両方を含まない医薬組成物にはない相乗効果を示す。
該化合物または組成物は、例えば併用療法として有用であり得る1種類またはそれより多くのさらなる医薬用薬剤と並行して、該さらなる医薬用薬剤の前に、またはさらなる医薬用薬剤の後に投与され得る。該医薬用薬剤としては治療活性薬剤が挙げられる。また、該医薬用薬剤としては予防活性薬剤も挙げられる。該医薬用薬剤としては、低分子有機化合物、例えば薬物化合物(例えば、連邦規則集(CFR)に示されているとおりに米食品医薬品局によってヒト使用もしくは獣医学的使用に承認されている化合物)、ペプチド、タンパク質、糖質、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成のポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結させた低分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミンおよび細胞が挙げられる。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が疾患(例えば、増殖性疾患)の処置および/または予防に有用な医薬用薬剤である。該さらなる医薬用薬剤の各々は、該医薬用薬剤に対して決められた用量および/またはタイムスケジュールで投与され得る。また、該さらなる医薬用薬剤は互いに一緒に、および/または本明細書に記載の化合物もしくは組成物とともに単回用量で投与してもよく、異なる用量で別々に投与してもよい。レジメンにおいて使用するための具体的な組合せには、本明細書に記載の化合物と該さらなる医薬用薬剤(1種類もしくは複数種類)との適合性および/または得るべき所望の治療効果および/または予防効果が考慮される。一般に、組合せでの該さらなる医薬用薬剤(1種類または複数種類)は、個々に使用されるレベルを超えないレベルで使用されることが期待される。いくつかの実施形態では、組合せで使用されるレベルは個々に使用されるレベルより少ない。
該さらなる医薬用薬剤としては、限定されないが、抗増殖剤、抗がん剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫抑制薬、抗菌剤、抗ウイルス剤、心血管作動剤、コレステロール低下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、避妊剤、鎮痛剤およびその組合せが挙げられる。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が抗増殖剤(例えば、抗がん剤)である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が抗白血病剤である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が抗リンパ腫剤である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が抗多発性骨髄腫剤である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がABITREXATE(メトトレキサート)、ADE、アドリアマイシンRDF(ドキソルビシン塩酸塩)、アンボクロリン(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、ARZERRA(オファツムマブ)、BOSULIF(ボスチニブ)、BUSULFEX(ブスルファン)、CAMPATH(アレムツズマブ)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CLOFAREX(クロファラビン)、CLOLAR(クロファラビン)、CVP、CYTOSAR−U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、ERWINAZE(Erwinia Chrysanthemi由来アスパラギナーゼ)、FLUDARA(フルダラビンリン酸エステル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、GAZYVA(オビヌツズマブ)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、Hyper−CVAD、ICLUSIG(ポナチニブ塩酸塩)、IMBRUVICA(イブルチニブ)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、MARQIBO(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、METHOTREXATE LPF(メトレキサート(methorexate))、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE−AQ(メトトレキサート)、ミトザントロン塩酸塩、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MYLERAN(ブスルファン)、NEOSAR(シクロホスファミド)、ONCASPAR(ペグアスパラガーゼ)、PURINETHOL(メルカプトプリン)、PURIXAN(メルカプトプリン)、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、SYNRIBO(オマセタキシンメペスクシナート)、TARABINE PFS(シタラビン)、TASIGNA(ニロチニブ)、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、TRISENOX(三酸化ヒ素)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZYDELIG(イデラリシブ)またはその組合せである。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が抗リンパ腫剤である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がABITREXATE(メトトレキサート)、ABVD、ABVE、ABVE−PC、ADCETRIS(ブレンツキシマブ ベドチン)、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRIAMYCIN RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、AMBOCHLORIN(クロラムブシル)、AMBOCLORIN(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、BEACOPP、BECENUM(カルムスチン)、BELEODAQ(ベリノスタット)、BEXXAR(トシツモマブおよびヨウ素I 131 トシツモマブ)、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CARMUBRIS(カルムスチン)、CHOP、CLAFEN(シクロホスファミド)、COPP、COPP−ABV、CVP、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DEPOCYT(シタラビン内包リポソーム)、DTIC−DOME(ダカルバジン)、EPOCH、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLOTYN(プララトレキサート)、HYPER−CVAD、ICE、IMBRUVICA(イブルチニブ)、INTRON A(組換えインターフェロンアルファ−2b)、ISTODAX(ロミデプシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、ロムスチン、MATULANE(プロカルバジン塩酸塩)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE−AQ(メトトレキサート)、MOPP、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、OEPA、ONTAK(デニロイキン ジフチトクス)、OPPA、R−CHOP、REVLIMID(レナリドミド)、RITUXAN(リツキシマブ)、STANFORD V、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、VAMP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZEVALIN(イブリツモマブ チウキセタン)、ZOLINZA(ボリノスタット)、ZYDELIG(イデラリシブ)またはその組合せである。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がREVLIMID(レナリドミド)、DACOGEN(デシタビン)、VIDAZA(アザシチジン)、CYTOSAR−U(シタラビン)、IDAMYCIN(イダルビシン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、NEOSAR(シクロホスファミド)、FLUDARA(フルダラビン)、LEUSTATIN(クラドリビン)またはその組合せである。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がABITREXATE(メトトレキサート)、ABRAXANE(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、AC、AC−T、ADE、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRUCIL(フルオロウラシル)、AFINITOR(エベロリムス)、AFINITOR DISPERZ(エベロリムス)、ALDARA(イミキモド)、ALIMTA(ペメトレキセド二ナトリウム)、AREDIA(パミドロン酸二ナトリウム)、ARIMIDEX(アナストロゾール)、AROMASIN(エキセメスタン)、AVASTIN(ベバシズマブ)、BECENUM(カルムスチン)、BEP、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CAF、CAMPTOSAR(イリノテカン塩酸塩)、CAPOX、CAPRELSA(バンデタニブ)、CARBOPLATIN−TAXOL、CARMUBRIS(カルムスチン)、CASODEX(ビカルタミド)、CEENU(ロムスチン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CERVARIX(組換えHPV 2価ワクチン)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CMF、COMETRIQ(カボザンチニブ−s−リンゴ酸塩)、COSMEGEN(ダクチノマイシン)、CYFOS(イホスファミド)、CYRAMZA(ラムシルマブ)、CYTOSAR−U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DACOGEN(デシタビン)、DEGARELIX、DOXIL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DOXORUBICIN HYDROCHLORIDE、DOX−SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC−DOME(ダカルバジン)、EFUDEX(フルオロウラシル)、ELLENCE(エピルビシン塩酸塩)、ELOXATIN(オキサリプラチン)、ERBITUX(セツキシマブ)、ERIVEDGE(ビスモデギブ)、ETOPOPHOS(リン酸エトポシド)、EVACET(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、FARESTON(トレミフェン)、FASLODEX(フルベストラント)、FEC、FEMARA(レトロゾール)、FLUOROPLEX(フルオロウラシル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI−BEVACIZUMAB、FOLFIRI−CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、FU−LV、GARDASIL(組換えヒトパピローマウイルス(HPV)4価ワクチン)、GEMCITABINE−CISPLATIN、GEMCITABINE−OXALIPLATIN、GEMZAR(ゲムシタビン塩酸塩)、GILOTRIF(アファチニブ二マレイン酸塩)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、GLIADEL(カルムスチンインプラント)、GLIADEL WAFER(カルムスチンインプラント)、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、HYCAMTIN(トポテカン塩酸塩)、IFEX(イホスファミド)、IFOSFAMIDUM(イホスファミド)、INLYTA(アキシチニブ)、INTRON A(組換えインターフェロンアルファ−2b)、IRESSA(ゲフィチニブ)、IXEMPRA(イクサベピロン)、JAKAFI(ルキソリチニブリン酸塩)、JEVTANA(カバジタキセル)、KADCYLA(ado−トラスツズマブエムタンシン)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、KYPROLIS(カルフィルゾミブ)、LIPODOX(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、LUPRON(ロイプロリド酢酸塩)、LUPRON DEPOT(ロイプロリド酢酸塩)、LUPRON DEPOT−3 MONTH(ロイプロリド酢酸塩)、LUPRON DEPOT−4 MONTH(ロイプロリド酢酸塩)、LUPRON DEPOT−PED(ロイプロリド酢酸塩)、MEGACE(酢酸メゲストロール)、MEKINIST(トラメチニブ)、METHAZOLASTONE(テモゾロミド)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE−AQ(メトトレキサート)、MITOXANTRONE HYDROCHLORIDE、MITOZYTREX(マイトマイシンc)、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MUTAMYCIN(マイトマイシンc)、MYLOSAR(アザシチジン)、NAVELBINE(ビノレルビン酒石酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、NEXAVAR(ソラフェニブトシル酸塩)、NOLVADEX(タモキシフェンクエン酸塩)、NOVALDEX(タモキシフェンクエン酸塩)、OFF、PAD、PARAPLAT(カルボプラチン)、PARAPLATIN(カルボプラチン)、PEG−INTRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、PEMETREXED DISODIUM、PERJETA(ペルツズマブ)、PLATINOL(シスプラチン)、PLATINOL−AQ(シスプラチン)、POMALYST(ポマリドミド)、プレドニゾン、PROLEUKIN(アルデスロイキン)、PROLIA(デノスマブ)、PROVENGE(シプロイセル−t)、REVLIMID(レナリドミド)、RUBIDOMYCIN(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、STIVARGA(レゴラフェニブ)、SUTENT(スニチニブリンゴ酸塩)、SYLATRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、SYLVANT(シルツキシマブ)、SYNOVIR(サリドマイド)、TAC、TAFINLAR(ダブラフェニブ)、TARABINE PFS(シタラビン)、TARCEVA(エルロチニブ塩酸塩)、TASIGNA(ニロチニブ)、TAXOL(パクリタキセル)、TAXOTERE(ドセタキセル)、TEMODAR(テモゾロミド)、THALOMID(サリドマイド)、TOPOSAR(エトポシド)、TORISEL(テムシロリムス)、TPF、TRISENOX(三酸化ヒ素)、TYKERB(ラパチニブ二トシル酸)、VECTIBIX(パニツムマブ)、VEIP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VEPESI
D(エトポシド)、VIADUR(ロイプロリド酢酸塩)、VIDAZA(アザシチジン)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、VOTRIENT(パゾパニブ塩酸塩)、WELLCOVORIN(ロイコボリンカルシウム)、XALKORI(クリゾチニブ)、XELODA(カペシタビン)、XELOX、XGEVA(デノスマブ)、XOFIGO(ラジウム223二塩化物)、XTANDI(エンザルタミド)、YERVOY(イピリムマブ)、ZALTRAP(ziv−アフリベルセプト)、ZELBORAF(ベムラフェニブ)、ZOLADEX(ゴセレリン酢酸塩)、ZOMETA(ゾレドロン酸)、ZYKADIA(セリチニブ)、ZYTIGA(アビラテロン酢酸塩)、ENMD−2076、PCI−32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(TKI258、CHIR−258)、BIBW 2992(TOVOKTM)、SGX523、PF−04217903、PF−02341066、PF−299804、BMS−777607、ABT−869、MP470、BIBF 1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ−26483327、MGCD265、DCC−2036、BMS−690154、CEP−11981、チボザニブ(AV−951)、OSI−930、MM−121、XL−184、XL−647および/またはXL228)、プロテアソーム阻害薬(例えば、ボルテゾミブ(Velcade))、mTOR阻害薬(例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD−001)、リダホロリムス、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Norvartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF−4691502(Pfizer)、GDC0980(Genetech)、SF1126(Semafoe)およびOSI−027(OSI))、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノミシン(carminomycin)、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンプトテシン、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン(leurosidine)、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモライド、カルミノミシン、アミノプテリン、ならびにヘキサメチルメラミンまたはその組合せである。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がプロテインキナーゼ阻害薬(例えば、チロシンプロテインキナーゼ阻害薬)である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が、エピジェネティクスモジュレーターまたは転写モジュレーター(例えば、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害薬、ヒストンデアセチラーゼ阻害薬(HDAC阻害薬)、リシンメチルトランスフェラーゼ阻害薬)、抗有糸分裂薬(例えば、タキサンおよびビンカアルカロイド)、ホルモン受容体モジュレーター(例えば、エストロゲン受容体モジュレーターおよびアンドロゲン受容体モジュレーター)、細胞シグナル伝達経路阻害薬(例えば、チロシンプロテインキナーゼ阻害薬)、タンパク質の安定性のモジュレーター(例えば、プロテアソーム阻害薬)、Hsp90阻害薬、グルココルチコイド、オールトランス型レチノイン酸ならびに分化を促進させる他の薬剤からなる群より選択される。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物または医薬組成物が、抗がん治療、例えば限定されないが、手術、放射線療法、移植(例えば、幹細胞移植、骨髄移植)、免疫療法および化学療法と併用して投与され得る。
また、キット(例えば、医薬品パック(pharmaceutical pack))も本開示に包含される。提供するキットは、本明細書に記載の医薬組成物または化合物および容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジおよび/またはディスペンサーパッケージあるいは他の適切な容器)を備えたものであり得る。いくつかの実施形態では、提供するキットは任意選択で、本明細書に記載の医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための医薬用賦形剤を含む第2の容器をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1の容器と第2の容器に提供される本明細書に記載の医薬組成物または化合物を合わせ、1つの単位投薬形態を形成する。
したがって、一態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物を備えた第1の容器を含むキットを提供する。一部の特定の実施形態では、キットが、疾患(例えば、増殖性疾患)の処置を、それを必要とする被験体において行うのに有用である。一部の特定の実施形態では、キットが、疾患(例えば、増殖性疾患)の予防を、それを必要とする被験体において行うのに有用である。
一部の特定の実施形態では、本明細書に記載のキットが、該キットに含まれた化合物または医薬組成物の使用のための使用説明書をさらに含む。また、本明細書に記載のキットには規制機関、例えば米食品医薬品局(FDA)が定める情報も含められ得る。一部の特定の実施形態では、キットに含まれる情報が処方情報である。一部の特定の実施形態では、キットおよび使用説明書により、疾患(例えば、増殖性疾患)の処置が、それを必要とする被験体において提供される。一部の特定の実施形態では、キットおよび使用説明書により、疾患(例えば、増殖性疾患)の予防が、それを必要とする被験体において提供される。一部の特定の実施形態では、キットおよび使用説明書により、標的タンパク質DOT1Lの分解の誘導が被験体、生物学的試料、組織または細胞において提供される。本明細書に記載のキットは、本明細書に記載の1種類またはそれより多くのさらなる医薬用薬剤を別々の組成物として含むものであってもよい。
処置方法および使用
本明細書に記載の化合物は、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン)および標的タンパク質DOT1Lを結合(例えば、可逆的に結合または不可逆的に結合)して標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導できるものである。したがって、本開示により、被験体、生物学的試料、組織または細胞において標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導する方法もまた提供する。本開示により、さらに、疾患、例えば増殖性疾患の処置を、それを必要とする被験体において行うための方法を提供する。
一部の特定の実施形態では、本出願により、ユビキチン受容体RPN13に結合して標的タンパク質DOT1Lの分解を促進させる方法を提供する。別の態様では、本開示により、被験体に有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を投与することを含む、標的タンパク質DOT1Lの分解の誘導を、それを必要とする被験体において行う方法を提供する。別の態様では、本開示により、生物学的試料、組織または細胞を有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物と接触させることを含む、生物学的試料、組織または細胞において標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導する方法を提供する。
一部の特定の実施形態では、本出願により、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン)および標的タンパク質DOT1Lを結合して標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導する方法を提供する。一部の特定の実施形態では、標的タンパク質DOT1Lのバインダーが、式:
Figure 2021529174
のものである。
一部の特定の実施形態では、標的タンパク質DOT1Lのバインダーが、式:
Figure 2021529174
のものである。
E3ユビキチンリガーゼ(例えば、セレブロン)および標的タンパク質DOT1Lを結合する二官能性化合物の使用は、細胞内でのDOT1Lの役割を調べるための研究ツールとして、またはDOT1Lと関連している疾患(例えば、増殖性疾患)を調べるための研究ツールとして、DOT1Lと関連している疾患(例えば、増殖性疾患)を処置するためのストラテジーをもたらす。
また、本開示により、疾患、例えば増殖性疾患の処置を、それを必要とする被験体において行う際に使用するための式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形体、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグあるいは組成物を提供する。
また、本開示により、疾患、例えば増殖性疾患の処置を、それを必要とする被験体において行うための医薬の製造における式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形体、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグあるいは組成物の使用を提供する。
一部の特定の実施形態では、本開示の方法は、被験体に有効量の式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形体、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグあるいは組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、有効量が治療有効量である。一部の実施形態では、有効量が予防有効量である。
一部の特定の実施形態では、処置対象の被験体が動物である。動物はいずれの性別のものであってもよく、任意の発育段階であり得る。一部の特定の実施形態では、被験体が哺乳動物である。一部の特定の実施形態では、処置対象の被験体がヒトである。一部の特定の実施形態では、被験体が飼養化動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギである。一部の特定の実施形態では、被験体がコンパニオンアニマル、例えばイヌまたはネコである。一部の特定の実施形態では、被験体が家畜動物、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギである。一部の特定の実施形態では、被験体が動物園の動物である。別の実施形態では、被験体が研究用動物、例えば齧歯類(例えば、マウス、ラット)、イヌ、ブタまたは非ヒト霊長類である。一部の特定の実施形態では、動物が遺伝子改変操作動物である。一部の特定の実施形態では、動物がトランスジェニック動物である。
本明細書に記載の一部の特定の方法は、1種類またはそれより多くのさらなる医薬用薬剤を本明細書に記載の化合物と併用して投与することを含み得る。該さらなる医薬用薬剤(1種類または複数種類)は式(I’)の化合物と同時に投与してもよく、または式(I’)の化合物と異なる時点で投与してもよい。例えば、式(I’)の化合物と任意のさらなる医薬用薬剤(1種類または複数種類)は同じ投薬スケジュールであっても異なる投薬スケジュールであってもよい。式(I’)の化合物のすべての用量または一部の用量は、さらなる医薬用薬剤のすべての用量もしくは一部の用量の前に、さらなる医薬用薬剤のすべての用量(does)もしくは一部の用量の後に、さらなる医薬用薬剤の投薬スケジュール内に、またはその組合せで投与され得る。式(I’)の化合物とさらなる医薬用薬剤の投与のタイミングは、さらなる医薬用薬剤ごとに異なっていてもよい。
一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が、疾患、例えば増殖性疾患の処置を、それを必要とする被験体において行うのに有用な薬剤を含む。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が増殖性疾患の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が炎症性疾患の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が増殖性疾患の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が多発性骨髄腫の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が白血病の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が急性骨髄球性白血病の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄球性白血病の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がDNMT3A遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がリンパ腫の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤が非ホジキンリンパ腫の処置に有用である。一部の特定の実施形態では、該さらなる医薬用薬剤がプロテアソーム阻害薬に耐性(例えば、ボルテゾミブに耐性)のがんの処置に有用である。
別の態様では、本開示により、被験体に式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形体、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグあるいは組成物を投与することを含む、DOT1Lの分解を誘導するための方法を提供する。
別の態様では、本開示により、被験体に式(I’)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形体、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグあるいは組成物を投与することを含む、E3ユビキチンリガーゼに結合してDOT1Lの分解および/またはユビキチン化を促進させるための方法を提供する。一部の特定の実施形態では、標準的ながん処置薬に耐性のがんを処置する方法を提供する。一部の特定の実施形態では、プロテアソーム阻害薬に耐性のがんを処置する方法を提供する。一部の特定の実施形態では、疾患、例えば増殖性疾患の処置を、それを必要とする被験体において行う方法を提供する。一部の特定の実施形態では、疾患が増殖性疾患である。一部の特定の実施形態では、疾患が炎症性疾患である。一部の特定の実施形態では、増殖性疾患ががんである。一部の特定の実施形態では、がんが多発性骨髄腫である。一部の特定の実施形態では、がんが白血病である。一部の特定の実施形態では、白血病が急性骨髄球性白血病である。一部の特定の実施形態では、白血病が混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄球性白血病である。一部の特定の実施形態では、白血病が、ヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病である。一部の特定の実施形態では、白血病が、DNMT3A遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病である。一部の特定の実施形態では、白血病が急性骨髄性好酸球性白血病である。一部の特定の実施形態では、がんがリンパ腫である。一部の特定の実施形態では、リンパ腫が非ホジキンリンパ腫である。一部の特定の実施形態では、処置されるがんがプロテアソーム阻害薬に耐性(例えば、ボルテゾミブに耐性)である。一部の特定の実施形態では、プロテアソーム阻害薬に耐性(例えば、ボルテゾミブに耐性)のがんを処置する方法を提供する。
さらに別の態様では、本開示により、E3ユビキチンリガーゼおよびDOT1Lに結合してDOT1Lの分解を促進させること;被験体、生物学的試料、組織または細胞においてDOT1Lのユビキチン化を誘導すること;ならびに増殖性疾患を処置および/または予防することにおける使用のための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
実施例
本開示がより充分に理解され得るように、以下の実施例を示す。本出願において説明している合成例および生物学的実施例は、本明細書において提供する化合物、医薬組成物および方法の実例を示すために提示しており、なんらその範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
本明細書において提供する化合物は、容易に入手可能な出発物質から、以下の一般的な方法および手順または当該技術分野で知られた方法を用いて調製され得る。典型的な、または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応体のモル比、溶媒、圧力など)を示している場合、特に記載のない限り他のプロセス条件もまた使用することができることは認識されよう。最適な反応条件は、使用される具体的な反応体または溶媒により異なり得るが、かかる条件は、当業者が常套的な最適化手順によって決定することができよう。
式(I’)または(I)の化合物は、以下に詳細に記載する合成スキームおよび手順を用いて調製され得る。
実施例1.例示的な化合物の合成のための実験手順
Figure 2021529174
1)(2R,3R,4S,5R)−2−(6−((4−アミノブチル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾル−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール:
DOT1L−WX(15mg,0.019mmol)を含むDCM(0.4mL)の溶液にTFA(0.1mL)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮し、真空で乾燥させて粗製LW−DOT1L−11を得、これを、さらに精製せずに次の工程で使用した。
(2)N−(4−((9−((2R,3R,4S,5R)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾル−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)−9H−プリン−6−イル)アミノ)ブチル)−3−(2−(2−(2−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1,3−ジオキソイソインドリン−4−イル)アミノ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)プロペンアミド:
IM−3A(2.38mg,0.0050mmol)とHATU(2.09mg,0.0055nnol)を含むDMF(0.1mL)の溶液にDIPEA(3.23mg,0.0250mmol)を室温で添加した。LW−DOT1L−11(0.0050mmol)を含むDMF(0.1mL)の溶液にDIPEA(3.23mg,0.0250mmol)を室温で添加した。後者を前者に添加し、合わせた反応混合物を30分間撹拌し、これをHPLC(0.1%のTFA/MeCN)によって精製し、LW−DOT1L−1(2.13mg)を白色固形物として得た。
実施例2.DOT1Lを用いた例示的な化合物の生物学的アッセイ.
DOT1L蛍光偏光(FP)変位アッセイ
DOT1L蛍光偏光(FP)変位アッセイを、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、阻害薬の誘導体ならびに陰性対照化合物および陽性対照化合物に対して実施した。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物DOT1L−1、DOT1L−2、DOT1L−4、DOT1L−5、DOT1L−6、DOT1L−7、阻害薬の誘導体(DOT1L−11)、陰性対照化合物EPZ4777、EPZ5676およびCC006ならびに陽性対照レナリドミドを含める。アッセイの結果を図5に示す。
DOT1L蛍光偏光(FP)変位アッセイを、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および対照化合物に対して実施した。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JD−DD4、JD−DD5、JD−DD6ならびに陽性対照サリドマイドおよびEPZ5676を含める。これらの例示的な化合物は、DOT1LおよびCRBNの各々に対する結合を示す。アッセイの結果を図18に示す。
CRBN結合アッセイ
CRBN結合アッセイを、異なる濃度[M](mPに対する濃度で示される[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、阻害薬の誘導体、陰性対照化合物および陽性対照化合物に対して実施した。化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物DOT1L−1、DOT1L−2、DOT1L−4、DOT1L−5、DOT1L−6およびDOT1L−7;阻害薬の誘導体(DOT1L−11);ならびに陽性対照レナリドミドを含める。アッセイの結果を図6に示す。
CRBN結合アッセイを、異なる濃度[M](mPに対する濃度で示される[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、陰性対照化合物および陽性対照化合物に対して実施した。化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5;JQ−DD6;ならびに対照サリドマイドおよびEPZ5676を含める。アッセイの結果を図19に示す。
DOT1L eGFP−mCherryレポート細胞株アッセイ
新たなDOT1L分解レポート細胞株を、DOT1Lタグ化GFPとmcherryを用いて開発した。このレポート細胞株により、標的化されたタンパク質の分解が直接的に報告され得る。(Sievers et al.,Science,2018参照)。eGFP−mCherryレポート細胞株アッセイを用いたDOT1L分解を、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および対照化合物に対して実施した。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7、JQ−DD8ならびに対照EPZ5676、サリドマイドおよびレナリドミドを含める。アッセイの結果を図26に示す。
IKZF−GFP分解アッセイ
IKZF−GFP分解アッセイを、正規化レベルに対する化合物濃度として表示した異なる濃度[M]の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物、阻害薬の誘導体、陰性対照化合物および陽性対照化合物において実施した。これらの例示的な化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物DOT1L−1、DOT1L−2、DOT1L−4、DOT1L−5、DOT1L−6、DOT1L−7;阻害薬の誘導体DOT1L−11;陰性対照化合物EPZ4777、EPZ5676およびCC006;ならびに陽性対照レナリドミドを含める。アッセイの結果を図8に示す。
eGFP−mCherryレポート細胞株を用いたIKZF−GFP分解アッセイを、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および対照化合物に対して実施した。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7、JQ−DD8ならびに対照EPZ5676、サリドマイドおよびレナリドミドを含める。これらの例示的なDOT1Lディグレーダー化合物は、免疫調節性イミド系薬物(IMiD)がCRBNに結合した場合、DOT1Lならびにネオ基質であるIKZF1を分解する。アッセイの結果を図27に示す。
Molm13 PA細胞株でのdDOT1L−1による分解
Molm13PA(急性骨髄性白血病)細胞を0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μMのdDOT1L−1で24時間および48時間処理した。細胞ライセートをSDS−PAGEにロードし、次いでDOT1L(D4O2T)、アクチン、H3K79me2、全H3を用いてイムノブロットした。繰り返し処理を24時間目、48時間目および72時間目に同じdDOT1L−1濃度で行った。ブロットは、dDOT1L−1が急性骨髄性白血病細胞(Molm13 PA)を阻害することを示す。(図9A〜9B参照)。図9Aは、細胞を、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−1で、表示した時間量(24時間および48時間)処理したことを示す。図9Bは、細胞を、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−1で、表示した時間量(24時間、48時間および72時間)処理した繰り返し処理を示す。
マウスMLL−AF9 PA細胞株でのdDOT1L−1による分解
マウスMLL−AF9 PA(混合系統白血病(MLL)−AF9白血病)細胞を0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μMのDOT1L−1で24時間、48時間および72時間処理した。細胞ライセートをSDS−PAGEにロードし、次いでDOT1L(D4O2T)、アクチン、H3K79me2および全H3を用いてイムノブロットした。第2の処理を、0μM、0.01μM、0.1μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μMのDOT1L−1濃度で24時間目および48時間目に行った。ブロットは、例示的なDOT1Lディグレーダー化合物DOT1L−1がマウスMLL−AF9 PA(混合系統白血病(MLL)−AF9白血病)細胞を分解することを示す(図10A〜10B参照)。図10Aは、細胞を、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−1で、表示した時間量(24時間、48時間および72時間)処理した実験1を示す。図10Bは、細胞を、表示した濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L−1で、表示した時間量(24時間および48時間)処理した実験2を示す。
Molm13 PA細胞株でのdDOT1L−4による分解
Molm13PA(急性骨髄性白血病)細胞を0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μMのDOT1L−4で24時間、48時間および72時間処理した。細胞ライセートをSDS−PAGEにロードし、次いでDOT1L(D4O2T)、アクチン、H3K79me2、全H3を用いてイムノブロットした。ブロットは、DOT1L−4が(混合系統白血病(MLL)−AF9白血病)細胞を分解することを示す(図11参照)。
EOL1細胞株でのJQ−DD1−8による分解
EOL1(急性骨髄性(好酸球性)白血病細胞株)細胞を0.5μM、1μM、3μM、5μMおよび10μMの例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD6、JQ−DD7およびJQ−DD8で24時間処理した。細胞ライセートをSDS−PAGEにロードし、次いでDOT1L、Myc、H3K79me2およびアクチンを用いてイムノブロットした。(図21参照)。
EOL1細胞を1μM、5μMおよび10μMの例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD2、JQ−DD4およびJQ−DD6、JQ−DD7およびJQ−DD8で48時間処理した。細胞ライセートを表示した濃度のDOT1L、H3K79me2、Myc、アクチンおよびH3を用いて48時間イムノブロットした。(図22参照)。
EOL1細胞を1μMおよび10μMの例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD2、JQ−DD4およびJQ−DD6、JQ−DD7およびJQ−DD8で2、4、8、16および24時間処理した。細胞ライセートを表示した濃度のDOT1L、Myc、H3K79me2およびアクチンを用いて、表示した時間イムノブロットした。(図23参照)。
EOL1細胞を1μMおよび10μMの例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD6、JQ−DD7およびJQ−DD8で24時間および48時間処理した。細胞ライセートを表示した濃度のDOT1L、Myc、H3K79me2およびアクチンを用いて、表示した時間イムノブロットした。(図24参照)。
例示的なサリドマイドベースのDOT1Lディグレーダー化合物の存在下での相対細胞増殖
Molm13 PA(急性骨髄性白血病)、Molm13 RE(急性骨髄性白血病)およびHL60(ヒト白血病)細胞を、0〜10μMの種々の濃度の例示的なサリドマイドベースのDOT1Lディグレーダー化合物DOT1L−1、DOT1L−2、DOT1L−4、DOT1L−5および陰性対照化合物EPZ5676で処理した。Molm13 PA、Molm13 REおよびHL60細胞の相対細胞増殖を10日後に測定した。結果は、例示的なDOT1Lディグレーダー化合物で処理したMolm13白血病細胞およびHL60(ヒト白血病)細胞では、該例示的なDOT1Lディグレーダー化合物の濃度の増大に伴って細胞増殖の低減がみられたことを示す(図12A〜12E参照)。
実施例3.二量化アッセイ
生化学的二量化アッセイ
ディグレーダーによって誘導されるDOT1LとのCRBNの二量化を調べるために生化学的アッセイを行った。このアッセイにより、例示的な化合物が生化学的アッセイの設定条件においてCRBNとDOT1Lの二量体化を行い得るかどうかを調べる。図20は、例示的な化合物が両方のタンパク質に同時に結合し得ることを示す。JQ−DD6で最も強いシグナルが得られた。アッセイの結果を図20に示す。
実施例4.DOT1Lディグレーダーの抗増殖効果
MOLM13の7日間処理アッセイを、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および対照化合物に対して実施した。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7ならびに対照EPZ5676およびサリドマイドを含める。(図28A参照)。
THP1の7日間処理アッセイを、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および陽性対照化合物に対して実施した。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7ならびに対照EPZ5676およびサリドマイドを含める。(図28B参照)。
NOMO1の7日間処理アッセイを、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および対照化合物に対して実施した。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6、JQ−DD7ならびに対照EPZ5676およびサリドマイドを含める。(図29A参照)。
EOL1細胞株 細胞増殖アッセイを、異なる濃度[M](mPの測定による[M])の例示的なDOT1Lディグレーダー化合物および対照化合物に対して実施した。試験対象化合物には例示的なDOT1Lディグレーダー化合物JQ−DD1、JQ−DD2、JQ−DD3(旧)、JQ−DD3(新)、JQ−DD4、JQ−DD5、JQ−DD6ならびに対照EPZ5676、サリドマイドおよびPCK82を含める。(図29B参照)。
例示的ながん細胞(例えば、急性骨髄性白血病細胞)のバイアブル細胞のパーセンテージ(%)を、EOL1細胞、NOMO1細胞、MOLM13細胞、MOLM14細胞およびMOLM14 crbnKO細胞において、これらの細胞を諸濃度の例示的なDOT1LディグレーダーJQ−DD6、EPZ5676およびサリドマイドで3日間処理した後に調べた。これらのアッセイの結果を図30A〜30Eに示す。
(例示的ながん細胞(例えば、急性骨髄性白血病細胞)のバイアブル細胞のパーセンテージ(%)を、EOL1細胞、NOMO1細胞、MOLM13細胞、MOLM14細胞およびMOLM14 crbnKO細胞において、これらの細胞を諸濃度の例示的なDOT1LディグレーダーJQ−DD6、EPZ5676およびサリドマイドで7日間処理した後に調べた。これらのアッセイの結果を図31A〜31Eに示す。
実施例5.例示的なDOT1Lディグレーダー
例示的なDOT1Lディグレーダーを以下の表1に示す。以下の表1の化合物は、実施例1の合成スキームに示した例示的な手順に従って合成した。
表1.例示的なDOT1Lディグレーダー
Figure 2021529174
Figure 2021529174
Figure 2021529174
均等物およびその範囲
特許請求の範囲において、冠詞、例えば“a”、“an”および“the”は、そうでないことが示されていない限り、または文脈から明白でない限り、1つまたは1つより多くを意味し得る。1つの群の中の1つまたはそれより多くの構成員間に“or(または/もしくは)”を含む請求項および説明は、そうでないことが示されていない限り、または文脈から明白でない限り、該群の構成員のうちの1つ、1つより多く、または全部が所与の生成物または方法に存在しているか、使用されているか、あるいは別の様式で関連性がある条件を満たしているとみなされたい。本開示は、該群のちょうど1つの構成員が所与の生成物または方法に存在しているか、使用されているか、あるいは別の様式で関連性がある実施形態を含む。本開示は、該群の構成員のうちの1つより多く、または全部が所与の生成物または方法に存在しているか、使用されているか、あるいは別の様式で関連性がある実施形態を含む。
さらに、本開示は、記載の請求項の1つまたはそれより多くの1つまたはそれより多くの限定、要素、節および記述用語が別の請求項に導入されるあらゆる変形、組合せおよび並べ換えを包含している。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項を、ベースとなる同じ請求項に従属している任意の他の請求項にみられる1つまたはそれより多くの限定を含むように修正してもよい。要素がリストとして、例えばマーカッシュ形式の群で提示されている場合、該要素の各下位群もまた開示されており、任意の要素(1つまたは複数)が該群から外されていてもよい。一般に、本開示または本明細書に記載の諸態様が特定の要素および/または特長を含む(comprising)と記載されている場合、本明細書に記載の一部の特定の実施形態または本明細書に記載の一部の特定の態様は、かかる要素および/または特長からなる、あるいは本質的にかかる要素および/または特長からなることは理解されよう。簡略化の目的のため、該実施形態は、本明細書ではこのとおりの言葉で具体的に示していない。また、用語“comprising(〜を含む)”および“containing(〜を含む)”はオープン形式であることを意図し、付加的な要素または工程の包含を許容することにも注意されたい。範囲を示している場合、両端を含む。さらに、特に記載のない限り、または文脈および当業者の理解から明白でない限り、範囲として示された値は、本文中にそうでないことを明白に記載していない限り、記載の範囲内の任意の具体的な値または部分範囲が、本明細書に記載の異なる実施形態において該範囲の下限値の単位の10分の1まで想定され得る。
本出願では種々の発行済み特許、公開特許出願、学術論文および他の刊行物に言及しており、これらはすべて引用により本明細書に組み込まれる。組み込まれる参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がみられる場合は、本明細書に支配される。また、本開示の具体的な実施形態で先行技術に含まれるものがあれば、これは、請求項のうちのいずれか1つまたはそれより多くから明白に除外され得る。かかる実施形態は当業者にわかると判断されるため、本明細書において除外が明白に示されていない場合であっても除外され得る。本明細書に記載の任意の具体的な実施形態は、先行技術の存在に関連していようとそうでなかろうと、なんらかの理由で任意の請求項から除外される場合があり得る。
当業者は、常套的な範囲内の実験手法を用いて、本明細書に記載の具体的な実施形態の多くの均等物を認識し、または確認することができよう。本明細書に記載の本実施形態の範囲は、上記の詳細説明に限定されることが意図されるのではなく、添付の特許請求の範囲に示されるとおりである。当業者には、本記載に対する種々の変更および修正が以下の特許請求の範囲に規定される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得ることが認識されよう。

Claims (88)

  1. 式(I’):
    Figure 2021529174
    式中:
    は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
    は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
    10’は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または−N(R10Aであり;
    各R10Aの実体は独立して、水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
    11はハロゲンまたは任意選択的に置換されているアルキルであり;
    各R12の実体は独立して、水素または酸素保護基であり;
    13は水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
    各R14の実体は独立して、水素、ハロゲン、または任意選択的に置換されているアルキルであるか;
    あるいは任意選択で、R14の実体の1つとR10’の実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成しているか;
    あるいは任意選択で、R14の実体の1つとR10Aの実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成しているか;
    あるいは任意選択で、
    Figure 2021529174
    の部分が
    Figure 2021529174
    であり;
    Wは、任意選択的に置換されている−CH−または−N(R)−であり、ここで、Rは水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
    Zは−(任意選択的に置換されているカルボシクリル)−または任意選択的に置換されている−CH−であり;
    Lはリンカーであり;
    D1はE3ユビキチンリガーゼ結合部分である、
    の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  2. 前記化合物が、式(I):
    Figure 2021529174
    式中:
    が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
    が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
    10が水素、任意選択的に置換されているアルキル、または窒素保護基であり;
    11がハロゲンまたは任意選択的に置換されているアルキルであり;
    各R12の実体が独立して、水素または酸素保護基であり;
    Lがリンカーであり;
    D1がE3ユビキチンリガーゼ結合部分である、
    のものである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  3. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  4. D1が、式:
    Figure 2021529174
    式中:
    はC(O)またはC(R3Aであり;
    各R1Aは独立して、ハロゲン、OH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
    各R3Aは独立してHまたはC〜Cアルキルであり;
    各R3’は独立してC〜Cアルキルであり;
    各R4Aは独立してHまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
    5AはH、C〜Cアルキルまたはハロゲンであり;
    mは0、1、2または3であり;
    nは0、1または2であり;
    a1は0または1である、
    のものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  5. D1が、式:
    Figure 2021529174
    式中:
    −X−X−はC(R3A)=NまたはC(R3A−C(R3Aであり;
    各R1Aは独立して、ハロゲン、OH、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
    3AはHまたはC〜Cアルキルであり;
    各R3’は独立してC〜Cアルキルであり;
    各R4Aは独立してHまたはC〜Cアルキルであるか;あるいは2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C(O)、C〜C炭素環、またはNおよびOから選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を含む4員、5員もしくは6員の複素環を形成しており;
    5AはH、C〜Cアルキルまたはハロゲンであり;
    mは0、1、2または3であり;
    nは0、1または2であり;
    a1は0または1である、
    のものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  6. a1が1である、請求項4または5に記載の化合物。
  7. 3Aが水素である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 2つのR4Aが、これらが結合している炭素原子と一緒にC(O)を形成している、請求項4〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. がC(O)である、請求項4または6〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. が−CH−である、請求項4または6〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  11. mが0である、請求項4〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. nが0である、請求項4〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. D1が、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項4に記載の化合物。
  14. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  15. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項14に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  16. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  17. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項16に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  18. D1が、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜4または6〜17のいずれか1項に記載の化合物。
  19. が水素である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
  20. が水素である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
  21. 10が水素である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  22. 10’が−N(R10Aであり;R14の実体の1つとR10Aの実体の1つが、これらに介在している原子と一体となって、置換もしくは非置換の6〜14員の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成している、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  23. 11が、任意選択的に置換されているC1〜6アルキルである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。
  24. 11が非置換のt−ブチルである、請求項23に記載の化合物。
  25. 12の実体がどちらも水素である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
  26. 13が水素である、請求項1または3〜25のいずれか1項に記載の化合物。
  27. Figure 2021529174
    の部分が
    Figure 2021529174
    である、請求項1または3〜26のいずれか1項に記載の化合物。
  28. Wが非置換の−CH−である、請求項1または3〜27のいずれか1項に記載の化合物。
  29. Wが−NH−である、請求項1または3〜27のいずれか1項に記載の化合物。
  30. Zが−(任意選択的に置換されているシクロブチル)−である、請求項1または3〜29のいずれか1項に記載の化合物。
  31. Zが非置換の−CH−である、請求項1または3〜29のいずれか1項に記載の化合物。
  32. Figure 2021529174
    の部分が
    Figure 2021529174
    であり;Wが−NH−であり;Zが−CH−である、請求項1、3〜27、29または31のいずれか1項に記載の化合物。
  33. Lが非置換のC1〜45炭化水素鎖であり、任意選択で前記炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rが独立して水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
  34. Lが非置換のC1〜30炭化水素鎖であり、任意選択で前記炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rが独立して水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物。
  35. Lが非置換のC1〜26炭化水素鎖であり、任意選択で前記炭化水素鎖の1個またはそれより多くの鎖内原子は独立して−C(=O)−、−O−、−NR−または環式部分で置き換えられ、Rが独立して水素、置換もしくは非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である、請求項33または34に記載の化合物。
  36. 前記炭化水素鎖の少なくとも1個の鎖内原子が独立して−O−で置き換えられる、請求項33〜35のいずれか1項に記載の化合物。
  37. Lが
    Figure 2021529174
    の部分を含み、gが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である、請求項33〜36のいずれか1項に記載の化合物。
  38. Lが
    Figure 2021529174
    であり;
    がD1との結合点を示し、lが、式
    Figure 2021529174
    の部分との結合点を示し;
    n1が1、2、3、4、5または6であり;
    n2が1、2、3、4、5または6であり;
    n3が1、2、3、4、5または6であり;
    n4’が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24であり;
    n5が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;
    gが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である、
    請求項33〜37のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  39. Lが
    Figure 2021529174
    であり;
    がD1との結合点を示し、lが、式
    Figure 2021529174
    の部分との結合点を示し;
    n1が1、2、3、4、5または6であり;
    n2が1、2、3、4、5または6であり;
    n3が1、2、3、4、5または6であり;
    n4が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;
    n5が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;
    gが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15である、
    請求項33〜37のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  40. Lが、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項33〜39のいずれか1項に記載の化合物。
  41. Lが、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項33〜39のいずれか1項に記載の化合物。
  42. n1が4である、請求項38または39に記載の化合物。
  43. n1が6である、請求項38または39に記載の化合物。
  44. n2が2である、請求項38〜43のいずれか1項に記載の化合物。
  45. n2が3である、請求項38〜43のいずれか1項に記載の化合物。
  46. n2が12である、請求項38〜43のいずれか1項に記載の化合物。
  47. n3が3である、請求項38〜46のいずれか1項に記載の化合物。
  48. n4’が3である、請求項39〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  49. n4’が5である、請求項39〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  50. n4’が6である、請求項39〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  51. n4’が7である、請求項39〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  52. n4’が9である、請求項39〜45のいずれか1項に記載の化合物。
  53. n4が10である、請求項39〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  54. n4が11である、請求項38〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  55. n4が12である、請求項38〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  56. n5が8である、請求項38〜55のいずれか1項に記載の化合物。
  57. gが3である、請求項37〜56のいずれか1項に記載の化合物。
  58. gが5である、請求項37〜56のいずれか1項に記載の化合物。
  59. gが13である、請求項37〜56のいずれか1項に記載の化合物。
  60. Lが、式:
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜59のいずれか1項に記載の化合物。
  61. Lが、式:
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜59のいずれか1項に記載の化合物。
  62. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜61のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  63. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜62のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  64. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜63のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  65. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜63のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  66. 前記化合物が、式:
    Figure 2021529174
    のものである、請求項1〜63のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  67. 請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体および任意選択で薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物。
  68. 疾患の処置を、それを必要とする被験体において行うための、治療有効量の前記化合物を含む、請求項67に記載の医薬組成物。
  69. 前記疾患が増殖性疾患である、請求項68に記載の医薬組成物。
  70. 請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体あるいは請求項67〜69のいずれか1項に記載の医薬組成物を治療有効量で被験体に投与することを含む、疾患の処置を、それを必要とする被験体において行う方法。
  71. 前記疾患が増殖性疾患である、請求項70に記載の方法。
  72. 前記増殖性疾患ががんである、請求項71に記載の方法。
  73. 前記がんが多発性骨髄腫である、請求項72に記載の方法。
  74. 前記がんがリンパ腫である、請求項72に記載の方法。
  75. 前記がんが白血病である、請求項72に記載の方法。
  76. 前記白血病が急性骨髄球性白血病である、請求項72に記載の方法。
  77. 前記白血病が混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄球性白血病である、請求項76に記載の方法。
  78. 前記白血病が、ヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病である、請求項76に記載の方法。
  79. 前記白血病が、DNMT3A遺伝子の変異を伴う急性骨髄球性白血病である、請求項76に記載の方法。
  80. 前記急性骨髄球性白血病が急性骨髄性好酸球性白血病である、請求項76に記載の方法。
  81. 前記がんがプロテアソーム阻害薬に耐性である、請求項72に記載の方法。
  82. 請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体あるいは請求項67〜69のいずれか1項に記載の医薬組成物を治療有効量で被験体に投与することを含む、被験体においてDOT1Lの分解を誘導する方法。
  83. 請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体あるいは請求項67〜69のいずれか1項に記載の医薬組成物を治療有効量で細胞、組織または生物学的試料と接触させることを含む、細胞、組織または生物学的試料においてDOT1Lの分解を誘導する方法。
  84. 前記化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体あるいは請求項44〜46のいずれか1項に記載の医薬組成物との併用で、治療有効量のさらなる医薬用薬剤を前記被験体に投与することをさらに含む、請求項72〜82のいずれか1項に記載の方法。
  85. 前記化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体あるいは請求項44〜46のいずれか1項に記載の医薬組成物との併用で、治療有効量のさらなる医薬用薬剤を前記細胞、組織または生物学的試料と接触させることをさらに含む、請求項83に記載の方法。
  86. 前記さらなる医薬用薬剤が抗増殖剤である、請求項84または85に記載の方法。
  87. 疾患の処置を、それを必要とする被験体において行うための化合物の使用であって、請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体あるいは請求項67〜69のいずれか1項に記載の医薬組成物を治療有効量で被験体に投与することを含む使用。
  88. 請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体あるいは請求項67〜69のいずれか1項に記載の医薬組成物;および
    前記化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体あるいは請求項67〜69のいずれか1項に記載の医薬組成物を被験体に投与するか、あるいは生物学的試料と接触させるための使用説明書
    を備えているキット。
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