JP6788583B2 - 増殖性疾患を処置するためのチアゾリル含有化合物 - Google Patents

増殖性疾患を処置するためのチアゾリル含有化合物 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、35 U.S.C. §119(e)の下、2014年10月22日に出願された米国仮出願シリアル番号62/067,178に対して優先権を主張するものであり、これは参照により本明細書中に組み込まれる。
政府の援助
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金 2 P50 CA100707-11A1の下、政府の援助によってなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明の背景
血液悪性腫瘍は血液、骨髄、および/またはリンパ節を冒すがんの型である。血液悪性腫瘍は2つの主な血球系譜、骨髄系およびリンパ系の系譜のいずれかに由来する。骨髄系の系譜は通常、顆粒球、赤血球、血小板、マクロファージ、およびマスト細胞を生じ、リンパ系の系譜はB、T、ナチュラルキラー(NK)、および形質細胞を生ずる。急性および慢性の骨髄性白血病、骨髄異形成、および骨髄増殖性疾患は骨髄系起源の血液悪性腫瘍の例であり、リンパ腫、リンパ性白血病、および骨髄腫はリンパ系の系譜の血液悪性腫瘍の例である。
骨髄異形成症候群(MDS)としてもまた知られている骨髄異形成は、血球の骨髄系クラスの効果的でない産生(または異形成)がある血液悪性腫瘍である。
リンパ腫はホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、多発性骨髄腫、および免疫増殖性疾患を包含する。ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)は遅く成長する稀な非ホジキンリンパ腫である。WMはリンパ形質細胞性リンパ腫ともまた呼ばれる。リンパ形質細胞性の細胞は、B細胞から形質細胞に成熟するプロセスにある細胞である。WMにおいては、異常なリンパ形質細胞性の細胞がコントロール不能に増加し、単クローン性イムノグロブリンM(IgMまたは「マクログロブリン」)抗体と呼ばれる大量のタンパク質を生ずる。血液中のIgMの高いレベルは過粘稠(濃厚性または粘着性)を引き起こす。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCLまたはDLBL)はB細胞の悪性腫瘍である。通常は、DLBCLは正常なB細胞から生ずるが、リンパ腫または白血病の他の型の悪性形質転換をもまた表し得る。その裏にある免疫不全は重大なリスク因子である。
中枢神経系(CNS)リンパ腫は稀な非ホジキンリンパ腫であり、リンパ組織からの悪性細胞が脳、脊髄、髄膜、および/もしくは眼において形成するか(原発性CNSリンパ腫)、または体の他の部分から脳および/もしくは脊髄に広がる(続発性CNSリンパ腫)。
免疫特権部位のリンパ腫は脳リンパ腫、眼内リンパ腫、胎盤のリンパ腫、胎児のリンパ腫、および精巣リンパ腫を包含するが、これに限定されない。
辺縁帯リンパ腫は、辺縁帯において呈される遅く成長する非ホジキンB細胞リンパ腫のある群である。辺縁帯リンパ腫の3つの型、脾辺縁帯リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫)、および節性辺縁帯B細胞リンパ腫(NMZL)がある。
白血病は白血球(white blood cells)(白血球(leukocytes))の悪性腫瘍である。慢性リンパ性白血病(CLL)は成人における白血病の最も普通の型である。CLLはB細胞リンパ球を冒す。CLLがある対象においては、B細胞がコントロール不能に成長し、骨髄および血液中に蓄積し、健康な血球を押しのけてしまう。
血液悪性腫瘍の新規の治療の必要がある。
本発明の概要
本開示は、式(I)、(II)、または(III)で表される化合物などのチアゾリル含有化合物を提供する。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は、タンパク質キナーゼ(例えば、Srcファミリーキナーゼ(例えば、造血細胞キナーゼ(HCK))、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK))を阻害する能力がある。化合物は、増殖性疾患(例えば骨髄異形成、白血病、リンパ腫(例えばワルデンストレームマクログロブリン血症))を処置および/または防止することに有用であり得る。いずれかの特定の理論によって拘束されようとするものではないが、化合物は細胞(例えば悪性血球)のアポトーシスを誘導することによって作用し得る。本開示においては、本明細書に記載される化合物を包含する医薬組成物、キット、方法、および使用もまた提供される。
1つの側面において、本開示は式(I):
(式中、環A1、RA1、k、L、RA3、環A3、RA4、RA5、m、RA6、およびRA7は本明細書に記載される)で表される化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを提供する。
式(I)で表される例示的な化合物は、以下:
およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これらに限定されない。
1つの側面において、本開示は式(II):
(式中、環B1、RB1、p、L、RB3、RB4、環B3、RB5、q、およびRB6は本明細書に記載される)で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを提供する。
式(II)で表される例示的な化合物は、以下:
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これらに限定されない。
1つの側面において、本開示は、式(III):
(式中、環C1、RC1、r、L、RC2、s、RC3、環C3、RC4、t、ならびにRC5は本明細書に記載される)で表される化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを提供する。
式(III)で表される例示的な化合物は、以下:
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これらに限定されない。
尚別の側面において、本開示は、本明細書に記載される化合物、および任意に、薬学的に許容し得る添加剤を包含する医薬組成物を提供する。ある種の態様において、本明細書に記載される医薬組成物は本明細書に記載される化合物の有効量を包含する。本明細書に記載される有効量は治療有効量または予防有効量であり得る。医薬組成物は、その必要がある対象における増殖性疾患を処置すること、その必要がある対象における増殖性疾患を防止すること、対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害すること、および/または細胞にアポトーシスを誘導することに有用であり得る。
ある種の態様において、本明細書に記載される増殖性疾患は骨髄異形成、白血病(例えば慢性リンパ性白血病(CLL))、リンパ腫(例えばワルデンストレームマクログロブリン血症、活性化B細胞(ABC)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、中枢神経系(CNS)リンパ腫、免疫特権部位のリンパ腫、精巣リンパ腫、または辺縁帯リンパ腫)である。
ある種の態様において、対象は哺乳動物(例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳動物)である。ある種の態様において、細胞はin vitroまたはin vivoである。ある種の態様において、細胞は悪性血球である。
ある種の態様において、タンパク質キナーゼはSrcファミリーキナーゼ(例えばHCK)またはBTKである。
本開示の別の側面は、その必要がある対象における増殖性疾患を処置する方法に関する。
別の側面において、本開示は、その必要がある対象における増殖性疾患を防止する方法を提供する。
別の側面において、本開示は、対象、生体サンプル、組織、または細胞におけるタンパク質キナーゼの活性(例えば異常な活性または増大した活性)を阻害する方法を提供する。ある種の態様において、タンパク質キナーゼの活性は異なるタンパク質キナーゼの活性と比較して選択的に阻害される。
まだ別の側面において、本開示は細胞にアポトーシスを誘導する方法を提供する。
ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、対象に本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量を投与することを包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、細胞を本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量と接触させることを包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、対象に追加の医薬品を投与することをさらに包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、細胞を追加の医薬品と接触させることをさらに包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、対象に放射線療法、免疫療法、および/または移植を行うことをさらに包含する。
本開示の別の側面は、本開示の方法に有用である化合物を同定するために化合物のライブラリーをスクリーニングする方法に関する。
本開示の別の側面は、本明細書に記載される化合物または医薬組成物の容器を含むキットに関する。本明細書に記載されるキットは、化合物または医薬組成物の単回用量(a single dose)または複数回用量(multiple doses)を包含し得る。キットは本開示の方法に有用であり得る。ある種の態様において、キットは化合物または医薬組成物を用いるための説明書をさらに包含する。
まだ別の側面において、本開示は、本開示の方法への使用のために本明細書に記載される化合物および医薬組成物を提供する。
本開示の1つ以上の態様の詳細が本明細書に示される。本開示の他の特徴、目的、および利点は発明を実施するための形態、実施例、および特許請求の範囲から明らかとなろう。
定義
具体的な官能基および化学用語の定義が下でより詳細に記載される。化学元素はHandbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.内表紙の元素周期表CAS版に従って同定され、具体的な官能基はそこに記載されるどおりに一般に定義される。加えて、有機化学の一般の法則、さらには具体的な官能部分および反応性は、Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;および、Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。本開示は、いかなるやり方によっても、本明細書に記載の置換基の例示列挙で限定されることを意図していない。
本明細書に記載される化合物は1つ以上の不斉中心を含み得、それゆえに種々の異性体形態、例えばエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載される化合物は単体のエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であり得るか、または、立体異性体の混合物の形態であり得る(ラセミ混合物および1つ以上の立体異性体が濃縮された混合物を包含する)。異性体は、当業者に知られている方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を包含する)によって混合物から単離され得るか;または、好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);および、Wilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972) を参照。本開示は、加えて、他の異性体が実質的にない単体の異性体としての、およびその代わりに、種々の異性体の混合物としての、本明細書に記載される化合物を包摂する。
値の範囲が列挙されるときには、範囲内の各値および部分範囲を包摂することが意図される。例えば「C1〜6」はC、C、C、C、C、C、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5、およびC5〜6を包摂することが意図される。
用語「脂肪族」は、飽和および不飽和両方の直鎖(すなわち非分岐)、分岐、非環式、環式、または多環式脂肪族炭化水素を包含し、それらは1つまたは2つ以上の官能基によって任意置換される。当業者によって認められるであろうとおり、「脂肪族」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を包含するが、これに限定されないことを本明細書においては意図される。それゆえに、用語「アルキル」は、直鎖、分岐、および環式アルキル基を包含する。同様の慣例が他の総称的な用語、例えば「アルケニル」、「アルキニル」、および同類に適用される。なおその上に、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、および同類は、置換および無置換の基の両方を包摂する。ある種の態様において、「低級アルキル」は、1〜6つの炭素原子を有する(環式、非環式、置換、無置換、分岐、または非分岐)アルキル基を表すために用いられる。
ある種の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。ある種の他の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。なお他の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。まだ他の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜4個の炭素原子を含有する。例示のための脂肪族基は、それゆえに、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH−シクロプロピル、ビニル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシル部分、および同類を包含するが、これらに限定されず、これもやはり1以上の置換基を持ち得る。アルケニル基は、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、および同類を包含するが、これらに限定されない。代表的なアルキニル基は、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニル、および同類を包含するが、これに限定されない。
用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝飽和炭化水素基のラジカルを言う(「C1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜9つの炭素原子を有する(「C1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜8つの炭素原子を有する(「C1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜7つの炭素原子を有する(「C1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜6つの炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜5つの炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜4つの炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜3つの炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜2つの炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1つの炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は2〜6つの炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例は、メチル(C)、エチル(C)、プロピル(C)(例えばn−プロピル、イソプロピル)、ブチル(C)(例えばn−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル)、ペンチル(C)(例えばn−ペンチル、3−ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3−メチル−2−ブタニル、第三級アミル)、およびヘキシル(C)(例えばn−ヘキシル)を包含する。アルキル基の追加の例はn−ヘプチル(C)、n−オクチル(C)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルキル基のそれぞれは独立して無置換であるか(「無置換アルキル」)、または1つ以上の置換基(例えばハロゲン、例えばF)によって置換される(「置換アルキル」)。ある種の態様において、アルキル基は無置換C1〜10アルキルである(例えば無置換C1〜6アルキル、例えば−CH)。ある種の態様において、アルキル基は置換C1〜10アルキルである(例えば置換C1〜6アルキル、例えば−CF)。
「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子および1以上の炭素−炭素二重結合を有し、三重結合を有さない、直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜20アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜5つの炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1個以上の炭素−炭素二重結合は、内部(例えば2−ブテニル中)または末端(例えば1−ブテニル中)であり得る。C2〜4アルケニル基の例は、エテニル(C)、1−プロペニル(C)、2−プロペニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)、および同類を包含する。C2〜6アルケニル基の例は、前述のC2〜4アルケニル基、さらにはペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)、および同類を包含する。アルケニルの追加の例はヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルケニル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換アルケニル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は無置換C2〜10アルケニルである。ある種の態様において、アルケニル基は置換C2〜10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が特定されていないC=C二重結合(例えば、−CH=CHCHまたは
)は、(E)または(Z)二重結合であってもよい。
「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子、1以上の炭素−炭素三重結合、および任意に1以上の二重結合を有する、直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜20アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1個ま以上の炭素−炭素三重結合は内部(例えば2−ブチニル中)または末端(例えば1−ブチニル中)であり得る。C2〜4アルキニル基の例は、限定なしにエチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)、および同類を包含する。C2〜6アルケニル基の例は前述のC2〜4アルキニル基、さらにはペンチニル(C)、ヘキシニル(C)、および同類を包含する。アルキニルの追加の例は、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルキニル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換アルキニル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は無置換C2〜10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は置換C2〜10アルキニルである。
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、3〜10個の環内炭素原子(「C3〜10カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3〜8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5〜10カルボシクリル」)。例示的なC3〜6カルボシクリル基は、限定なしにシクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)、および同類を含む。例示的なC3〜8カルボシクリル基は、限定なしに、前述のC3〜6カルボシクリル基、さらにはシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)、および同類を含む。例示的なC3〜10カルボシクリル基は、限定なしに、前述のC3〜8カルボシクリル基、さらにはシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)、および同類を含む。前述の例が例示している通り、ある態様において、カルボシクリル基は単環式であるか(「単環式カルボシクリル」)、または縮合、架橋、もしくはスピロ環系、例えば二環式系を含有するか(「二環式カルボシクリル」)のいずれかであり、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。「カルボシクリル」はまた、上で定義されている炭素環式環が1つまたは2つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており、取り付け点が炭素環式環上にある環系をも含む。かかる場合には、炭素数は炭素環式環系中の炭素数を継続して指示する。別様に指定されない限り、カルボシクリル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換カルボシクリル」)または1つもしくは2つ以上の置換基によって置換される(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は無置換C3〜10カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は置換C3〜10カルボシクリルである。
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は3〜10個の環内炭素原子を有する単環式飽和カルボシクリル基である(「C3〜10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3〜8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は5〜6個の環内炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5〜10シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例はシクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)を含む。C3〜6シクロアルキル基の例は、前述のC5〜6シクロアルキル基、さらにはシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)を含む。C3〜8シクロアルキル基の例は前述のC3〜6シクロアルキル基、さらにはシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)を含む。別様に指定されない限り、シクロアルキル基のそれぞれは、独立して無置換であるか(「無置換シクロアルキル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は無置換C3〜10シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は置換C3〜10シクロアルキルである。
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」は、環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する3〜10員非芳香族環系のラジカルを指し、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「3〜10員ヘテロシクリル」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、原子価が許容すれば取り付け点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または縮合、架橋、もしくはスピロ環系(例えば二環式系(「二環式ヘテロシクリル」))のいずれかであり得、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式環系は1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロシクリル」は、上で定義されているヘテロ環式環が1以上のカルボシクリル基と縮合しており、取り付け点がカルボシクリルもしくはヘテロ環式環上のいずれかにある環系、または、上で定義されているヘテロ環式環が1以上のアリールもしくはヘテロアリール基と縮合しており、取り付け点がヘテロ環式環上にある環系をもまた包含する。かかる場合には、環員数はヘテロ環式環系中の環員数を継続して指示する。別様に指定されない限り、ヘテロシクリルのそれぞれは独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換ヘテロシクリル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロシクリル」)。ある種の態様において、ヘテロシクリル基は無置換3〜10員ヘテロシクリルである。ある種の態様において、ヘテロシクリル基は置換3〜10員ヘテロシクリルである。
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜10員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「5〜10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜8員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜6員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。
1個のへテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基は、限定なしにアジルジニル(azirdinyl)、オキシラニル、およびチオレニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにテトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン−2−オンを包含する。3個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにトリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにトリアジナニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルを包含する。Cアリール環に対して縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書においては5,6−二環式ヘテロ環式環ともまた言われる)は、限定なしにインドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル、および同類を包含する。アリール環に対して縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書においては6,6−二環式ヘテロ環式環ともまた言われる)は、限定なしにテトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、および同類を包含する。
「アリール」は、芳香族環系中に提供された6〜14個の環内炭素原子およびゼロ個のへテロ原子を有する、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイ中に共有された6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C6〜14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は6つの環内炭素原子を有する(「Cアリール」、例えばフェニル)。いくつかの態様において、アリール基は10個の環内炭素原子を有する(「C10アリール」、例えば1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は14個の環内炭素原子を有する(「C14アリール」、例えばアントラシル(anthracyl))。「アリール」はまた、上で定義されているアリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、ラジカルまたは取り付け点がアリール環上にある環系をも包含する。かかる場合には、炭素原子数はアリール環系中の炭素原子数を継続して指示する。別様に指定されない限り、アリール基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換アリール」)または1以上の置換基によって置換される(「置換アリール」)。ある種の態様において、アリール基は無置換C6〜14アリールである。ある種の態様において、アリール基は置換C6〜14アリールである。
「アラルキル」はアルキルおよびアリールの下位集合であり、任意置換アリール基によって置換された、任意置換アルキル基を指す。ある種の態様において、アラルキルは任意置換ベンジルである。ある種の態様において、アラルキルはベンジルである。ある種の態様において、アラルキルは任意置換フェネチルである。ある種の態様において、アラルキルはフェネチルである。
「ヘテロアリール」は、芳香族環系中に提供された環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜10員単環式または二環式4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイ中に共有された6または10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、原子価が許容すれば取り付け点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロアリール」は、上で定義されているヘテロアリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、取り付け点がヘテロアリール環上にある環系を包含する。かかる場合には、環員数はヘテロアリール環系中の環員数を継続して指示する。「ヘテロアリール」は、上で定義されているヘテロアリール環が1以上のアリール基と縮合しており、取り付け点がアリールまたはヘテロアリール環上のいずれかにある環系をもまた包含する。かかる場合には、環員数は縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員数を指示する。一方の環がへテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリル、および同類)において、取り付け点はいずれかの環(すなわち、へテロ原子を持つ環(例えば2−インドリル)またはへテロ原子を含有しない環(例えば5−インドリル)いずれか)上にあり得る。
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供された環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜10員芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供された環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜8員芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供された環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜6員芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。別様に指定されない限り、ヘテロアリール基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換(「無置換ヘテロアリール」)または1以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアリール」)。ある種の態様において、ヘテロアリール基は無置換5〜14員ヘテロアリールである。ある種の態様において、ヘテロアリール基は置換5〜14員ヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしにピロリル、フラニル、およびチオフェニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしに、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを包含する。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしに、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを包含する。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしにテトラゾリルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにピリジニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを包含する。3または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにトリアジニルおよびテトラジニルをそれぞれ包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基は、限定なしに、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを包含する。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基は、限定なしに、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを包含する。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基は、限定なしに、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを包含する。
「ヘテロアラルキル」はアルキルおよびヘテロアリールの下位集合であり、任意置換ヘテロアリール基によって置換された任意置換アルキル基を指す。
「不飽和」または「部分不飽和」は、少なくとも1つの二重または三重結合を包含する基を指す。「部分不飽和」環系は、不飽和の複数部位を有する環を包摂することをさらに意図されるが、本明細書において定義される芳香族基(例えばアリールまたはヘテロアリール基)を包含することは意図されない。同様に、「飽和」は、二重または三重結合を含有しない、すなわち全て単結合を含有する基を指す。
さらに、二価架橋基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は接尾辞エン(-ene)を使用して言及される。例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、およびヘテロアリーレンである。
本明細書に記載される原子、部分、または基は、明示的に別様に提供されない限り、原子価が許容すれば置換または無置換であり得る。用語「任意置換」は、置換または無置換を指す。
基は、明示的に別様に提供されない限り、任意に置換される。用語「任意に置換される」は、置換されているか、または置換されていないことを指す。ある種の態様において、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は任意置換である(例えば、「置換」もしくは「無置換」アルキル、「置換」もしくは「無置換」アルケニル、「置換」もしくは「無置換」アルキニル、「置換」もしくは「無置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「無置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「無置換」アリール、または「置換」もしくは「無置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換」は、用語「任意」によって先行されているか否かにかかわらず、基(例えば炭素または窒素原子)の上に存在する少なくとも1個の水素が、許容される置換基(例えば、置換によって安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応などによって自発的に変換をしない化合物)をもたらす置換基)によって置き換えられるということを意味する。別様に表されない限り、「置換」された基は基の1または2以上の置換可能な位置に置換基を有し、いずれかの所与の構造中の1つの位置よりも多くが置換されるときには、置換基は各位置において同じかまたは異なるかのいずれかである。用語「置換」は、有機化合物の全ての許容される置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載される置換基のいずれかによる置換を包含すると考えられる。本発明は、安定な化合物に達するためにいずれかのおよび全てのかかる組み合わせを企図する。本発明の目的のためには、窒素などのへテロ原子は、へテロ原子の原子価を満たし且つ安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載される水素置換基および/またはいずれかの好適な置換基を有し得る。ある種の態様において、置換基は炭素原子置換基である。ある種の態様において、置換基は窒素原子置換基である。ある種の態様において、置換基は酸素原子置換基である。ある種の態様において、置換基は硫黄原子置換基である。
例示的な炭素原子置換基は、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb 、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa、−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)aa、−OP(=O)aa、−P(=O)(Raa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、−OP(=O)N(Rbb、−P(=O)(NRbb、−OP(=O)(NRbb、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(NRbb、−P(Rcc、−P(ORcc、−P(Rcc 、−P(ORcc 、−P(Rcc、−P(ORcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc 、−OP(Rcc、−OP(Rcc 、−OP(Rcc、−OP(ORcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含するが、これに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、もしくは5つのRdd基によって置換されるか;ここで、Xは対イオンである;
または、炭素原子上の2つのジェミナルな水素が、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbb、もしくは=NORccによって置き換えられ;
aaのそれぞれは独立してC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、
または、2つのRaa基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
bbのそれぞれは独立して水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、SON(Rcc、SOcc、SOORcc、SORaa、C(=S)N(Rcc、C(=O)SRcc、C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRbb基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;ここで、X は対イオンである;
ccのそれぞれは独立して水素、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRcc基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
ddのそれぞれは独立してハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff 、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)ee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、もしくは5つのRgg基によって置換されるか、または、2つのジェミナルRdd置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し得;ここで、Xは対イオンである;
eeのそれぞれは独立してC1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、および3〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;
ffのそれぞれは独立して水素、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRff基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;ならびに、
ggのそれぞれは独立してハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル) 、−NH(C1〜6アルキル) 、−NH(C1〜6アルキル)、−NH 、−N(OC1〜6アルキ
ル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH、−NHC(NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO1〜6アルキル、−SOOC1〜6アルキル、−OSO1〜6アルキル、−SOC1〜6アルキル、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)、−C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリールであるか;または、2つのジェミナルなRgg置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し得;ここで、Xは対イオンである。
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子的中性を保つために、カチオン性第四級アミノ基と結合した負荷電基である。アニオン性対イオンは、一価であってもよい(すなわち1個の負の形式電荷を包含する)。アニオン性対イオンはまた、二価または三価などの多価であってもよい(すなわち1個より多くの負の形式電荷を包含する)。例示的な対イオンは、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO 、ClO 、OH、HPO 、HSO 、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸、および同類)、およびカルボン酸イオン(例えば、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸、および同類)、BF 、PF 、PF 、AsF 、SbF 、B[3,5−(CF、B(C 、BPh 、Al(OC(CF 、ならびにカルボランアニオン(例えば、CB1112 または(HCB11MeBr)を包含する。多価であってもよい例示的な対イオンは、CO 2−、HPO 2−、PO 3−、B 2−、SO 2−、S 2−、カルボン酸アニオン(例えば、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、サリチル酸、フタル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、および同類)、ならびにカルボランを包含する。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
「アシル」は、−C(=O)Raa、−CHO、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、または−C(=S)SRaaからなる群から選択される部分を指し、RaaおよびRbbは本明細書において定義されるとおりである。
窒素原子は、原子価が許容すれば置換または無置換であり得、一級、二級、三級、および四級窒素原子を包含する。例示的な窒素原子置換基は、水素、OH、ORaa、N(Rcc、CN、C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含するが、これに限定されず、または、窒素原子に取り付けられた2つのRcc基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換され、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは上で定義されているとおりである。
ある種の態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基である(アミノ保護基ともまた言われる)。窒素保護基は、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリール基を包含するが、これに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換され、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは本明細書において定義される通りである。窒素保護基は当該技術分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
例えば、アミド基などの窒素保護基(例えば−C(=O)Raa)は、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(Ν’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロケイ皮酸アミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、およびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを包含するが、これらに限定されない。
カルバメート基などの窒素保護基(例えば−C(=O)ORaa)は、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート,シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバメートを包含するが、これらに限定されない。
スルホンアミド基などの窒素保護基(例えば−S(=O)aa)は、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを包含するが、これらに限定されない。
他の窒素保護基は、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタンアダクト(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を包含するが、これらに限定されない。
例示的な酸素原子置換基は、−Raa、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、および−P(=O)(NRbbを包含するが、これに限定されず、Raa、Rbb、およびRccは本明細書において定義される通りである。ある態様において、酸素原子上に存在する酸素原子置換基は、酸素保護基である(ヒドロキシル保護基ともまた言われる)。酸素保護基は当分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。例示的な酸素保護基は、メチル、t−ブチルオキシカルボニル(BOCまたはBoc)、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジスルフラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、蟻酸、蟻酸ベンゾイル、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、3−フェニルプロピオン酸、4−オキソペンタノエート(レブリエート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバル酸、アダマントエート(adamantoate)、クロトン酸、4−メトキシクロトン酸、安息香酸、p−フェニル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸(メシト酸)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート、アルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨード安息香酸、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)安息香酸、2−ホルミルベンゼンスルホン酸、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)酪酸、2−(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ酢酸、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソ酪酸、モノコハク酸、(E)−2−メチル−2−ブテン酸、o−(メトキシアシル)安息香酸、α−ナフトエ酸、硝酸、アルキルΝ,Ν,Ν’,Ν’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシレート)、ベンジルスルホン酸、およびトシル酸(Ts)を包含するが、これらに限定されない。
例示的な硫黄原子置換基は、−Raa、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、および−P(=O)(NRbbを包含するが、これらに限定されず、Raa、Rbb、およびRccは本明細書において定義されるとおりである。ある態様において、硫黄原子上に存在する硫黄原子置換基は硫黄保護基である(チオール保護基ともまた言われる)。硫黄保護基は当該技術分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
「炭化水素鎖」は、置換または無置換の二価アルキル、アルケニル、またはアルキニル基を言う。炭化水素鎖は、(1)炭化水素鎖の2つのラジカルの直ちに間に1つ以上の炭素原子鎖、(2)炭素原子鎖(単数または複数)上に任意に1つ以上の水素原子、および(3)炭素原子鎖(単数または複数)上に任意に1つ以上の置換基(水素ではない「主鎖でない置換基」)を包含する。炭素原子鎖は連続してつながった炭素原子(「主鎖原子」または「炭素ユニット」)からなり、水素原子またはへテロ原子を包含しない。しかしながら、炭化水素鎖の主鎖でない置換基は、水素原子、炭素原子、およびへテロ原子を包含するいずれかの原子を包含し得る。例えば、炭化水素鎖−CH(C)−は、1つの主鎖原子C、C上の1つの水素原子、および主鎖でない置換基−(C)を包含する。xが正の整数である用語「C炭化水素鎖」は、炭化水素鎖の2つのラジカルの間に主鎖原子(単数または複数)のx数を包含する炭化水素鎖を言う。xの1つの可能な値よりも多くがある場合には、xの最も小さい可能な値が炭化水素鎖の定義に用いられる。例えば、−CH(C)−はC炭化水素鎖であり、
はC炭化水素鎖である。値のある範囲が用いられるとき、範囲の意味は本明細書に記載される通りである。例えば、C3〜10炭化水素鎖は、炭化水素鎖の2つのラジカルの直ちに間の最も短い炭素原子鎖の主鎖原子数が3、4、5、6、7、8、9、または10である炭化水素鎖を言う。炭化水素鎖は飽和であり得る(例えば−(CH−)。炭化水素鎖は不飽和でもまたあり得、1つ以上のC=Cおよび/またはC≡C結合を炭化水素鎖中のどこかに包含し得る。例えば、−CH=CH−(CH−、−CH−C≡C−CH−、および−C≡C−CH=CH−は全て、無置換で不飽和の炭化水素鎖の例である。ある種の態様において、炭化水素鎖は無置換である(例えば−C≡C−または−(CH−)。ある種の態様において、炭化水素鎖は置換である(例えば−CH(C)−および−CF−)。炭化水素鎖上のいずれか2つの置換基が連結されて任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し得る。例えば、
および
は全て炭化水素鎖の例である。対照的に、ある種の態様において、
は本明細書に記載される炭化水素鎖の範囲内ではない。C炭化水素鎖の主鎖原子がへテロ原子によって置き換えられるときには、もたらされる基はCx−1炭化水素鎖ではなく、主鎖原子がへテロ原子によって置き換えられたC炭化水素鎖と言われる。例えば、
は1つの主鎖原子が酸素原子によって置き換えられたC炭化水素鎖である。
用語「脱離基」は、合成有機化学の分野におけるその通常の意味を与えられ、求核剤によって置換されることができる原子または基を言う。好適な脱離基の例は、ハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI(ヨウ素))、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(例えばアセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシル、およびハロホルメートを包含するが、これに限定されない。例示的な脱離基は活性化された置換ヒドロキシル基を包含するが、これに限定されない(例えば−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−OC(=O)N(Rbb、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb、−OS(=O)Raa、−OSOaa、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(=O)aa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−OP(=O)N(Rbb、および−OP(=O)(NRbb。Raa、Rbb、およびRccは本明細書において定義されるとおりである)。いくつかのケースでは、脱離基はスルホン酸エステル、例えばトルエンスルホナート(トシラート、−OTs)、メタンスルホナート(メシラート、−OMs)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシラート、−OBs)、−OS(=O)(CFCF(ノナフラート、−ONf)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、−OTf)である。いくつかのケースでは、脱離基はブロシラート、例えばp−ブロモベンゼンスルホニルオキシである。いくつかのケースでは、脱離基はノシラート、例えば2−ニトロベンゼンスルホニルオキシである。いくつかの態様において、脱離基はスルホナート含有基である。いくつかの態様において、脱離基はトシラート基である。脱離基はホスフィンオキシド(例えば、光延反応の間に形成される)または内部の脱離基、例えばエポキシドまたは環状サルフェートであり得る。脱離基の他の限定しない例は水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、ハロゲン化亜鉛、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分である。
用語「薬学的に許容し得る塩」は、正当な医学的見識の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織と接触しての使用にとって好適であって、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答、および同類がなく、妥当なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容し得る塩は当該技術分野において周知である。例えば、Bergeらは薬学的に許容し得る塩を詳細にJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19に記載しており、これは参照によって本明細書に組み込まれる。本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩は、好適な無機および有機酸および塩基に由来するものを包含する。薬学的に許容し得る無毒な酸付加塩の例はアミノ基の塩であり、無機酸(例えば塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸)によって、または有機酸(例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸)によって、あるいは、当該技術分野において知られている他の方法(例えばイオン交換)を用いることによって、形成される。他の薬学的に許容し得る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、しょうのう酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、および同類を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN(C1〜4アルキル) 塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および同類を包含する。さらなる薬学的に許容し得る塩は、適切なときには、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオンを用いて形成されたアミンカチオン(例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩)を包含する。
用語「溶媒和物」は、通常はソルボリシス反応によって溶媒と結合した化合物の形態を指す。この物理的結合は水素結合を含み得る。従来の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル、および同類を包含する。本明細書に記載される化合物は、例えば結晶形態で調製され得、溶媒和され得る。好適な溶媒和物は薬学的に許容し得る溶媒和物を包含し、さらに、化学量論的な溶媒和物および非化学量論的な溶媒和物を両方包含する。ある場合には、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶固体の結晶格子中に組み込まれるときに、溶媒和物が単離できるであろう。「溶媒和物」は溶液相および単離可能な溶媒和物を両方包含する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノレート、およびメタノレートを包摂する。
用語「水和物」は、水と結合した化合物を指す。典型的には、化合物の水和物中に含有される水分子数は水和物中の化合物分子数に対して明確な比である。そのため、化合物の水和物は例えば一般的式R・xHOによってあらわされ得、Rは化合物であり、xは0よりも大きい数である。所与の化合物は水和物の1つの型よりも多くを形成し得、例えば、一水和物(xは1である)、低級水和物(xは0よりも大きく1よりも小さい数である。例えばヘミ水和物(R・0.5HO))、および多水和物(xは1よりも大きい数である。例えば二水和物(R・2HO)および六水和物(R・6HO))を包含する。
用語「互変異性体(tautomer)」または「互変異性体(tautomeric)」は、水素原子の少なくとも1つの形式的な移動と原子価の少なくとも1つの変化(例えば、単結合から二重結合、三重結合から単結合、または逆)からもたらされる2つ以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の厳密な比は複数の因子(温度、溶媒、およびpHを含む)に依存する。互変異性体化(すなわち、互変異性体対を提供する反応)は酸または塩基によって触媒され得る。例示的な互変異性体化は、ケト−エノール、アミド−イミド、ラクタム−ラクチム、エナミン−イミン、およびエナミン−(異なる)エナミン互変異性化を包含する。
同じ分子式を有するがそれらの原子の結合の性質もしくは順序または空間中のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれるということもまた理解されるであろう。空間中のそれらの原子の配置が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。
互いの鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いの重ね合わせ不可能な鏡像であるものは「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する(例えばそれが4つの異なる基に結合している)ときには、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーはその不斉中心の絶対立体配置によってキャラクタリゼーションされ得、カーンおよびプレローグのRおよびS順位則によって、または分子が偏光面を回転させる様式によって記載され、右旋性または左旋性として(すなわち、それぞれ(+)または(−)異性体として)指示される。キラル化合物は、単体のエナンチオマーまたはその混合物として存在し得る。エナンチオマーの等しい割合を含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼称される。
用語「多形」は、特定の結晶充填配置にある化合物(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)の結晶形態を指す。全ての多形は同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬さ、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、ならびに可溶性を通常は有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、保管温度、および他の因子は、1つの結晶形態を優勢にさせ得る。化合物の種々の多形は、異なる条件下の結晶化によって調製され得る。
用語「プロドラッグ」は、切断可能な基を有し、ソルボリシスによってまたは生理条件下で本明細書に記載される化合物になる(これはin vivoで薬学的に活性である)化合物を指す。かかる例は、コリンエステル誘導体および同類、N−アルキルモルホリンエステルおよび同類を包含するが、これらに限定されない。本発明の化合物の他の誘導体は、それらの酸および酸誘導体形態両方で活性を有するが、酸感応性形態においては、哺乳生物において、可溶性、組織適合性、または遅放の利点を多くの場合に提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、当業者に周知の酸誘導体(例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されたエステル、または親酸化合物と置換もしくは無置換アミンとの反応によって調製されたアミド、または酸無水物、または混合無水物など)を包含する。本発明の化合物上のペンダントな酸性基に由来する単純な脂肪族または芳香族エステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかのケースにおいては、二重エステル型プロドラッグ、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが望ましい。本明細書に記載される化合物のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、C〜C12置換アリール、およびC〜C12アリールアルキルエステルが好ましくあり得る。
用語「阻害」、「阻害すること、「阻害する」、または「阻害剤」は、基剤と相対的に、化合物が細胞における特定の生体プロセスの活性(例えば、ブロモドメインおよび/またはブロモドメイン含有タンパク質の活性)を減少させる、減速させる、停止させる、または防止する能力を言う。
化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットが第1のタンパク質または第1のクロマチンに「選択的に」、「特異的に」、または「競合的に」結合すると言われるときには、化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットは、第1のタンパク質および第1のクロマチンとは異なる第2のタンパク質または第2のクロマチンに結合するよりも高い結合親和性(例えば、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約30倍以上、約100倍以上、約1,000倍以上、または約10,000倍以上)で、第1のタンパク質または第1のクロマチンに結合する。化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットがブロモドメイン含有タンパク質の活性を「選択的に」、「特異的に」、または「競合的に」調節する(例えば、増大させるかまたは阻害する)と言われるときには、化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットは、ブロモドメイン含有タンパク質とは異なる少なくとも1つのタンパク質の活性よりも大きい程度まで(例えば、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約30倍以上、約100倍以上、約1,000倍以上、または約10,000倍以上)、ブロモドメイン含有タンパク質の活性を調節する。
用語「異常な活性」は、正常な活性から逸脱した活性を言う。用語「増大した活性」は正常な活性よりも高い活性を言う。
用語「組成物」および「製剤」は交換可能に用いられる。
投与が考えられる「対象」は、ヒト(すなわち、いずれかの年齢群の男性または女性、例えば、小児科の対象(例えば、幼児、児童、思春期)または成人の対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人))ならびに/または他の非ヒト動物、例えば哺乳類(例えば霊長類(例えばカニクイザル、アカゲザル)、商業的に関わる哺乳類、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、またはイヌ)および鳥類(例えば、商業的に関わる鳥類、例えばニワトリ、アヒル(duck)、ガチョウ、またはシチメンチョウ)を包含するが、これに限定されない。ある態様において、動物は哺乳類である。動物は発育のいずれかのステージにある雄または雌であり得る。動物はトランスジェニック動物または遺伝子組み換え動物であり得る。ある態様において、対象は非ヒト動物である。ある態様において、動物は魚類である。「患者」は、疾患の処置の必要があるヒト対象を指す。対象は植物でもまたあり得る。ある態様において、植物は陸生植物である。ある態様において、植物は非維管束陸生植物である。ある態様において、植物は維管束陸生植物である。ある態様において、植物は種子植物である。ある態様において、植物は栽培植物である。ある態様において、植物は双子葉植物である。ある態様において、植物は単子葉植物である。ある態様において、植物は顕花植物である。いくつかの態様において、植物は禾穀類植物、例えばメイズ、コーン、小麦、米、オートムギ、大麦、ライ麦、またはミレットである。いくつかの態様において、植物はマメ科植物、例えば豆植物、例えば大豆である。いくつかの態様において、植物は高木または低木である。
用語「生体サンプル」は、組織サンプル(例えば、組織切片および組織の針生検)、細胞サンプル(例えば、細胞学的スメア(例えばPapまたは血液スメア)または顕微解剖によって得られた細胞のサンプル)、生物丸ごとのサンプル(例えば、酵母または細菌のサンプル)、または細胞画分、断片、もしくはオルガネラ(例えば、細胞をリシスし、そのコンポーネントを遠心分離によってまたは別様に分離することによって得られる)を包含するいずれかのサンプルを言う。生体サンプルの他の例は、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿汁、生検組織(例えば外科生検または針生検によって得られる)、乳頭吸引液、母乳、膣液、唾液、スワブ(例えば口腔内スワブ)、または第1の生体サンプルに由来する生体分子を含有するいずれかの材料を包含する。
用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、対象において本発明の化合物またはその組成物をインプラントすること、吸収させること、摂取すること、注射すること、吸入すること、または別様に導入することを指す。
用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本明細書に記載される疾患を反転させること、緩和すること、その発症を遅延させること、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、処置は、疾患の1以上の兆候または症状が発生したかまたは観察された後に投与され得る。他の態様において、処置は、疾患の兆候または症状の非存在下で投与され得る。例えば、処置は、症状の発症に先立って(例えば、症状の既往に照らしておよび/または病原体への暴露に照らして)易罹患性の対象に投与され得る。処置は、例えば再発を遅延させるかまたは予防するために、症状が消散した後にもまた継続され得る。
用語「状態」、「疾患」、および「障害」は交換可能に用いられる。
本明細書に記載される化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を惹起し、すなわち状態を処置するのに十分な量を指す。当業者によって認められるであろうとおり、本明細書に記載される化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されようとする状態、投与のモード、ならびに対象の年齢および健康などの因子に依存して変わり得る。ある種の態様において、有効量は、治療有効量である。ある種の態様において、有効量は、予防有効量である。ある種の態様において、有効量は、単回用量における、本明細書に記載の化合物の量である。ある種の態様において、有効量は、複数回用量における、本明細書に記載の化合物の組み合わされた量である。
本明細書に記載される化合物の「治療有効量」は、状態の処置の点で治療ベネフィットを提供するかまたは状態と関連する1つ以上の症状を遅延させるかもしくは最小化するのに十分な量である。化合物の治療有効量は、単独でまたは他の療法と組み合わせて、状態の処置の点で治療ベネフィットを提供する治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、総合的な治療法を改善する、状態の症状、兆候、もしくは原因を減少させるかもしくは回避する、および/または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包摂し得る。
本明細書に記載される化合物の「予防有効量」は、状態または状態と関連する1つ以上の症状を予防するかあるいはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、単独でまたは他の剤と組み合わせて、状態の予防の点で予防ベネフィットを提供する治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、総合的な予防法を改善するかまたは別の予防剤の予防有効性を増強する量を包摂し得る。
「増殖性疾患」は、細胞の増加による異常な成長または進展が原因で生起する疾患を指す(Walker, Cambridge Dictionary of Biology; Cambridge University Press: Cambridge, UK, 1990)。増殖性疾患は、1)正常には静止期の細胞の病的な増殖、2)それらの正常な所在からの細胞の病的な移動(例えば、新生物性細胞の転移)、3)マトリックスメタロプロテイナーゼなどの蛋白質分解酵素(例えば、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ)の病的な発現、または4)増殖性網膜症および腫瘍転移におけるような病的な血管新生と関連し得る。例示的な増殖性疾患は、がん(すなわち「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、および自己免疫疾患を含む。
用語「血管新生」は、新たな血管が既存の管から形成される生理プロセスを指す。血管新生は、中胚葉細胞前駆体からの内皮細胞のde novoの形成である血管発生とは別物である。発生している胚中の最初の管は血管発生によって形成され、その後は血管新生が正常なまたは異常な発生中の大部分の血管成長を担う。血管新生は、成長および発生、さらには創傷治癒および肉芽組織の形成の不可欠なプロセスである。しかしながら、血管新生はまた、良性の状態から悪性のものへの腫瘍の移行の根本的なステップでもあり、がんの処置における血管新生阻害剤の使用に至る。血管新生は成長因子(例えばVEGF)などの血管新生蛋白質によって化学的に刺激され得る。「病的な血管新生」は、疾患に帰結するおよび/または疾患と関連する異常な(例えば、過剰なまたは不十分な)血管新生を指す。
用語「新生物」および「腫瘍」は交換可能に用いられ、組織の異常な集塊を指し、集塊の成長は正常な組織の成長を上回り、正常な組織の成長と調和しない。新生物または腫瘍は以下の特徴に依存して「良性」または「悪性」であり得る。細胞分化の程度(形および機能性を包含する)、成長の速度、局所浸潤、および転移。「良性新生物」は一般的に良く分化しており、悪性新生物よりも特徴的に低速の成長を有し、元部位に局在したままである。加えて、良性新生物は浸潤、侵襲、または遠隔部位に転移する素質を有さない。例示的な良性新生物は、脂肪腫、軟骨腫、アデノーマ、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、および脂腺増殖症を包含するが、これらに限定されない。いくつかのケースにおいて、ある「良性」腫瘍は後に悪性新生物を生じさせ得、これは腫瘍の新生物性細胞の部分集団中の追加の遺伝子変化からもたらされ得、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と言われる。例示的な前悪性新生物はテラトーマである。対照的に、「悪性新生物」は一般的に不良に分化しており(退形成)、進行性の浸潤、侵襲、および周辺組織の破壊を伴う特徴的に急速な成長を有する。なおその上に、悪性新生物は遠隔部位に転移する素質を一般的に有する。用語「転移(metastasis)」、「転移(metastatic)」、または「転移する」は、原発性のまたは元の腫瘍から別の臓器または組織へのがん細胞の拡散または遊走を指し、典型的には、二次性(転移)腫瘍が在る臓器または組織のものではなく、原発性のまたは元の腫瘍の組織型の「二次性腫瘍」または「二次性細胞集塊」の存在によって同定可能である。例えば、骨に遊走した前立腺がんは転移前立腺がんと言われ、骨組織中で増殖するがん性の前立腺がん細胞を包含する。
用語「がん」は、制御不能に増殖し、かつ正常生体組織に浸潤し破壊する能力を有する異常細胞の発生によって特徴付けられる疾患の類を指す。Stedman’s Medical Dictionary, 25th ed.; Hensyl ed.; Williams & Wilkins:Philadelphia, 1990を参照。例示のがんとして、血液悪性腫瘍が挙げられるが、これに限定されない、追加の例示のがんとしては、これらに限定はされないが、以下が挙げられる:聴神経腫;腺癌;副腎のがん;肛門がん;血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮性肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単一クローン性免疫グロブリン血症;胆管がん(例えば、胆管癌);膀胱がん;乳房のがん(breast cancer)(例えば、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様癌);脳がん(例えば、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例えば、星状細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頚がん(例えば、子宮頸部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結腸直腸(colorectal)がん(例えば、結腸(colon)がん、直腸(rectal)がん、結腸直腸腺癌);結合組織のがん;上皮癌;上衣腫;内皮性肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例えば、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例えば、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼のがん(例えば、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢がん;胃がん(例えば、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌、口腔がん(例えば、口腔扁平上皮癌)、咽喉がん(例えば、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、口腔咽頭がん));重鎖病(例えば、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫球性アミロイドーシス;腎臓がん(例えば、腎芽細胞腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);肝臓がん(例えば、肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞癌);肺がん(例えば、気管支癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌)平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症);筋肉のがん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄様化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1または2型、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例えば、胃腸すい管神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨のがん);卵巣がん(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵臓がん(例えば、膵臓腺癌、管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例えば、陰茎と陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例えば、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺のがん;皮膚がん(例えば、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例えば、虫垂がん);軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺癌;小腸がん;汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例えば、精上皮腫、精巣胚性癌腫);甲状腺がん(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣のがん;および外陰がん(例えば、外陰部パジェット病)。
用語「血液悪性腫瘍」は血液、骨髄、および/またはリンパ節を冒す腫瘍を言う。例示的な血液悪性腫瘍は、白血病、例えば急性リンパ性白血病(ALL)(例えばB細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えばB細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えばB細胞CML、T細胞CML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(例えばB細胞CLL、T細胞CLL)、リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫(HL)(例えばB細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えばB細胞NHL、例えばびまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えばびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL、例えば活性化B細胞(ABC)DLBCL(ABC−DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM、リンパ形質細胞性リンパ腫)、有毛細胞性白血病(HCL)、免疫芽球型大細胞性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)リンパ腫(例えば、原発性CNSリンパ腫および続発性CNSリンパ腫)、およびT細胞NHL、例えば前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉症、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下蜂窩織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞性リンパ腫)、免疫特権部位のリンパ腫(例えば脳リンパ腫、眼内リンパ腫、胎盤のリンパ腫、胎児のリンパ腫、精巣リンパ腫)、上に記載されている1つ以上の白血病/リンパ腫の混合物、骨髄異形成、ならびに多発性骨髄腫(MM)を包含するが、これらに限定されない。
用語「炎症性疾患」とは、炎症によって引き起こされる疾患、炎症から生じる疾患、または炎症をもたらす疾患を指す。用語「炎症性疾患」はまた、マクロファージ、顆粒球、および/またはTリンパ球による過剰応答を引き起こして、異常な組織の損傷および/または細胞死に至る、調節不全の炎症反応を指す。炎症性疾患は、急性または慢性の炎症状態のいずれかであることができ、感染性または非感染性の原因から生じ得る。炎症性疾患としては、限定されないが、以下が挙げられる:アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、自己免疫疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛(PMR)、痛風性関節炎、変形性関節症、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、リウマチ性関節炎、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性全身性硬化症(強皮症)、強直性脊椎炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、天疱瘡、類天疱瘡、糖尿病(例えば、I型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー病、混合性結合組織病、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常の間質性肺炎(UIP)、石綿肺、珪肺、気管支拡張症、ベリリウム中毒症、滑石肺、塵肺、サルコイドーシス、剥離性間質性肺炎、リンパ間質性肺炎、巨細胞間質性肺炎、細胞間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症および関連形態の血管炎(側頭動脈炎および結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚病、肝炎、遅延型過敏反応(例えば、ツタウルシ皮膚炎)、肺炎、気道の炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳炎、即時型過敏反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性アナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血性傷害)、再灌流障害、同種移植片拒絶反応、宿主対移植片拒絶、虫垂炎、動脈炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸管炎、胆管炎、絨毛羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、喉頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、中耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、精巣炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、および壊死性全腸炎。眼の炎症性疾患としては、限定はされないが、術後炎症が挙げられる。
「自己免疫疾患」は、対象の身体の、身体内に通常に存在する物質および組織に対する、不適切な免疫応答に起因する疾患を指す。言い換えれば、免疫系は、身体の一部を病原体と誤って、それ自身の細胞を攻撃する。これは、特定の臓器に限定されるか(例えば、自己免疫性甲状腺炎におけるように)、または異なる部位における特定の組織が関与する(例えば、グッドパスチャー病では、肺および腎臓の両方において基底膜に影響を与え得る)。自己免疫疾患の処置は典型的には、免疫抑制により、例えば、免疫応答を低減する薬剤による。例示の自己免疫疾患としては、限定はされないが、以下が挙げられる:糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、皮膚筋炎/多発性筋炎、抗リン脂質抗体症候群、強皮症、尋常性天疱瘡、ANCA関連血管炎(例えば、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発性血管炎)、ブドウ膜炎、シェーグレン症候群、クローン病、ライター症候群、強直性脊椎炎、ライム病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、および心筋症。
用語「キナーゼ」は、リン酸化と言われる、リン酸基をATPなどの高エネルギードナー分子から特異的な基質に移し替える酵素の型である。キナーゼは、ホスホトランスフェラーゼの最も大きいファミリーの部分である。キナーゼの最も大きい群の1つはタンパク質キナーゼであり、これは特異的なタンパク質の活性に作用し、改変する。キナーゼは、細胞においてシグナルを伝え複雑なプロセスをコントロールするために広く用いられている。種々の他のキナーゼが、シグナル伝達のためまたはそれらを代謝経路にプライミングするためのどちらかで、脂質、炭水化物、アミノ酸、およびヌクレオチドなどの小分子に作用する。キナーゼは多くの場合にそれらの基質に因んで名付けられる。500よりも多くの異なるタンパク質キナーゼがヒトにおいて同定されている。それらの例示的なヒトタンパク質キナーゼは、AAK1、ABL、ACK、ACTR2、ACTR2B、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALK1、ALK2、ALK4、ALK7、AMPKa1、AMPKa2、ANKRD3、ANPa、ANPb、ARAF、ARAFps、ARG、AurA、AurAps1、AurAps2、AurB、AurBps1、AurC、AXL、BARK1、BARK2、BIKE、BLK、BMPR1A、BMPR1Aps1、BMPR1Aps2、BMPR1B、BMPR2、BMX、BRAF、BRAFps、BRK、BRSK1、BRSK2、BTK、BUB1、BUBR1、CaMK1a、CaMK1b、CaMK1d、CaMK1g、CaMK2a、CaMK2b、CaMK2d、CaMK2g、CaMK4、CaMKK1、CaMKK2、caMLCK、CASK、CCK4、CCRK、CDC2、CDC7、CDK10、CDK11、CDK2、CDK3、CDK4、CDK4ps、CDK5、CDK5ps、CDK6、CDK7、CDK7ps、CDK8、CDK8ps、CDK9、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CDKL4、CDKL5、CGDps、CHED、CHK1、CHK2、CHK2ps1、CHK2ps2、CK1a、CK1a2、CK1aps1、CK1aps2、CK1aps3、CK1d、CK1e、CK1g1、CK1g2、CK1g2ps、CK1g3、CK2a1、CK2a1−rs、CK2a2、CLIK1、CLIK1L、CLK1、CLK2、CLK2ps、CLK3、CLK3ps、CLK4、COT、CRIK、CRK7、CSK、CTK、CYGD、CYGF、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DCAMKL1、DCAMKL2、DCAMKL3、DDR1、DDR2、DLK、DMPK1、DMPK2、DRAK1、DRAK2、DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、DYRK3、DYRK4、EGFR、EphA1、EphA10、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、Erk1、Erk2、Erk3、Erk3ps1、Erk3ps2、Erk3ps3、Erk3ps4、Erk4、Erk5、Erk7、FAK、FER、FERps、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGR、FLT1、FLT1ps、FLT3、FLT4、FMS、FRK、Fused、FYN、GAK、GCK、GCN2、GCN22、GPRK4、GPRK5、GPRK6、GPRK6ps、GPRK7、GSK3A、GSK3B、ハスピン、HCK、HER2/ErbB2、HER3/ErbB3、HER4/ErbB4、HH498、HIPK1、HIPK2、HIPK3、HIPK4、HPK1、HRI、HRIps、HSER、HUNK、ICK、IGF1R、IKKa、IKKb、IKKe、ILK、INSR、IRAK1、IRAK2、IRAK3、IRAK4、IRE1、IRE2、IRR、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、JNK1、JNK2、JNK3、KDR、KHS1、KHS2、KIS、KIT、KSGCps、KSR1、KSR2、LATS1、LATS2、LCK、LIMK1、LIMK2、LIMK2ps、LKB1、LMR1、LMR2、LMR3、LOK、LRRK1、LRRK2、LTK、LYN、LZK、MAK、MAP2K1、MAP2K1ps、MAP2K2、MAP2K2ps、MAP2K3、MAP2K4、MAP2K5、MAP2K6、MAP2K7、MAP3K1、MAP3K2、MAP3K3、MAP3K4、MAP3K5、MAP3K6、MAP3K7、MAP3K8、MAPKAPK2、MAPKAPK3、MAPKAPK5、MAPKAPKps1、MARK1、MARK2、MARK3、MARK4、MARKps01、MARKps02、MARKps03、MARKps04、MARKps05、MARKps07、MARKps08、MARKps09、MARKps10、MARKps11、MARKps12、MARKps13、MARKps15、MARKps16、MARKps17、MARKps18、MARKps19、MARKps20、MARKps21、MARKps22、MARKps23、MARKps24、MARKps25、MARKps26、MARKps27、MARKps28、MARKps29、MARKps30、MAST1、MAST2、MAST3、MAST4、MASTL、MELK、MER、MET、MISR2、MLK1、MLK2、MLK3、MLK4、MLKL、MNK1、MNK1ps、MNK2、MOK、MOS、MPSK1、MPSK1ps、MRCKa、MRCKb、MRCKps、MSK1、MSK12、MSK2、MSK22、MSSK1、MST1、MST2、MST3、MST3ps、MST4、MUSK、MYO3A、MYO3B、MYT1、NDR1、NDR2、NEK1、NEK10、NEK11、NEK2、NEK2ps1、NEK2ps2、NEK2ps3、NEK3、NEK4、NEK4ps、NEK5、NEK6、NEK7、NEK8、NEK9、NIK、NIM1、NLK、NRBP1、NRBP2、NuaK1、NuaK2、Obscn、Obscn2、OSR1、p38a、p38b、p38d、p38g、p70S6K、p70S6Kb、p70S6Kps1、p70S6Kps2、PAK1、PAK2、PAK2ps、PAK3、PAK4、PAK5、PAK6、PASK、PBK、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、PDGFRa、PDGFRb、PDK1、PEK、PFTAIRE1、PFTAIRE2、PHKg1、PHKg1ps1、PHKg1ps2、PHKg1ps3、PHKg2、PIK3R4、PIM1、PIM2、PIM3、PINK1、PIP4K2C、PITSLRE、PKACa、PKACb、PKACg、PKCa、PKCb、PKCd、PKCe、PKCg、PKCh、PKCi、PKCips、PKCt、PKCz、PKD1、PKD2、PKD3、PKG1、PKG2、PKN1、PKN2、PKN3、PKR、PLK1、PLK1ps1、PLK1ps2、PLK2、PLK3、PLK4、PRKX、PRKXps、PRKY、PRP4、PRP4ps、PRPK、PSKH1、PSKH1ps、PSKH2、PYK2、QIK、QSK、RAF1、RAF1ps、RET、RHOK、RIPK1、RIPK2、RIPK3、RNAseL、ROCK1、ROCK2、RON、ROR1、ROR2、ROS、RSK1、RSK12、RSK2、RSK22、RSK3、RSK32、RSK4、RSK42、RSKL1、RSKL2、RYK、RYKps、SAKps、SBK、SCYL1、SCYL2、SCYL2ps、SCYL3、SGK、SgK050ps、SgK069、SgK071、SgK085、SgK110、SgK196、SGK2、SgK223、SgK269、SgK288、SGK3、SgK307、SgK384ps、SgK396、SgK424、SgK493、SgK494、SgK495、SgK496、SIK(例えばSIK1、SIK2)、skMLCK、SLK、Slob、smMLCK、SNRK、SPEG、SPEG2、SRC、SRM、SRPK1、SRPK2、SRPK2ps、SSTK、STK33、STK33ps、STLK3、STLK5、STLK6、STLK6ps1、STLK6−rs、SuRTK106、SYK、TAK1、TAO1、TAO2、TAO3、TBCK、TBK1、TEC、TESK1、TESK2、TGFbR1、TGFbR2、TIE1、TIE2、TLK1、TLK1ps、TLK2、TLK2ps1、TLK2ps2、TNK1、Trad、Trb1、Trb2、Trb3、Trio、TRKA、TRKB、TRKC、TSSK1、TSSK2、TSSK3、TSSK4、TSSKps1、TSSKps2、TTBK1、TTBK2、TTK、TTN、TXK、TYK2、TYK22、TYRO3、TYRO3ps、ULK1、ULK2、ULK3、ULK4、VACAMKL、VRK1、VRK2、VRK3、VRK3ps、Wee1、Wee1B、Wee1Bps、Wee1ps1、Wee1ps2、Wnk1、Wnk2、Wnk3、Wnk4、YANK1、YANK2、YANK3、YES、YESps、YSK1、ZAK、ZAP70、ZC1/HGK、ZC2/TNIK、ZC3/MINK、およびZC4/NRKを包含するが、これに限定されない。ある種の態様において、タンパク質キナーゼは表2または表3に示されているタンパク質キナーゼである。
用語「SRCファミリーキナーゼ」は、非受容体型チロシンタンパク質キナーゼのあるファミリーを言い、9つの構成要素、c−SRC(癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼSRC)、YES(癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼYes)、FYN(癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼFYN)、およびFGR(ガードナー・ラシードネコ肉腫ウイルス(v−FGR)癌遺伝子ホモログ)を包含するSRCAサブファミリー、LCK(リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ)、HCK(チロシンタンパク質キナーゼHCK、造血細胞キナーゼ)、BLK(チロシンタンパク質キナーゼBLK)、およびLYN(チロシンタンパク質キナーゼLYN)を包含するSRCBサブファミリー、ならびにFRK(Fyn関連キナーゼ)を包含する。
本発明のある種の態様の詳細な説明
本開示は、式(I)、(II)、または(III)で表される化合物などのチアゾリル含有化合物を提供する。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物はタンパク質キナーゼ(例えば、Srcファミリーキナーゼ(例えば造血細胞キナーゼ(HCK))、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK))を阻害する能力がある。ゆえに、化合物は増殖性疾患(例えば骨髄異形成、白血病、リンパ腫(例えばワルデンストレームマクログロブリン血症))を処置および/または防止することに有用であり得る。化合物は細胞(例えば悪性血球)にアポトーシスを誘導することによって作用し得る。本開示においては、本明細書に記載される化合物を包含する医薬組成物、キット、方法、および使用もまた提供される。
化合物
本開示の1つの側面は本明細書に記載される化合物に関する。本明細書に記載される化合物は、対象における増殖性疾患を処置および/または防止すること、対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えばHCK、BTK)の活性を阻害すること、および/または細胞にアポトーシスを誘導することに有用であり得るチアゾリル含有化合物である。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は、式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は、式(II)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は式(II)で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は、式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は式(III)で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩である。
式(I)で表される化合物
ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は、式(I):
式中:
A1のそれぞれは独立してハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、窒素原子に結合したときに窒素保護基、酸素原子に結合したときに酸素保護基、または硫黄原子に結合したときに硫黄保護基であるか、あるいはRの2つが連結されて置換もしくは無置換のヘテロ環式環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成し;
kは0、1、2、3、4、または5であり;
は−C(=O)−NRA2−または−NRA2−C(=O)−であり、ここでRA2は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
A3は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
A4は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
A5のそれぞれは独立してハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
mは0、1、または2であり;
A6は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
A7は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、または窒素保護基である、
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
式(I)は、環A1として、無置換であるか(例えば、kが0であるとき)または1つ以上の置換基RA1によって置換された(例えば、kが1、2、3、4、もしくは5であるとき)フェニル環を包含する。ある種の態様において、環A1は式:
または
で表される。ある種の態様において、環A1は式:
で表される。ある種の態様において、環A1は式:
で表され、RA1のそれぞれは独立して置換もしくは無置換アルキル(例えば、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、例えば−CH、−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)またはハロゲン(例えばF、Cl、Br、もしくはI)である。ある種の態様において、環A1は式:
で表される。ある種の態様において、環A1は式:
で表される。
式(I)において、環A1は1つ以上の置換基RA1を包含し得る。ある種の態様において、RA1の全ては同じである。ある種の態様において、RA1の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−ORである(例えば−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−SRである(例えば−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、または−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−N(Rである(例えば、−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−C(=O)R(例えば、−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RA1の少なくとも1つは−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
式(I)が置換基Rの2つ以上を包含するときに、Rのいずれか2つは同じであるか、または互いに異なり得る。ある種の態様において、Rの少なくとも1つはHである。ある種の態様において、RのそれぞれはHである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アシルである(例えばアセチル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば、置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは窒素原子に結合したときに窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。ある種の態様において、Rは酸素原子に結合したときに酸素保護基である(例えば、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイル)。ある種の態様において、Rは硫黄原子に結合したときに硫黄保護基である(例えば、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチル)。ある種の態様において、Rの2つは連結されて置換または無置換のヘテロ環式環を形成する(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロ環式環)。ある種の態様において、Rの2つは連結されて置換または無置換ヘテロアリール環を形成する(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール環)。
ある種の態様において、kは0である。ある種の態様において、kは1である。ある種の態様において、kは2である。ある種の態様において、kは3である。ある種の態様において、kは4である。ある種の態様において、kは5である。
ある種の態様において、kは1であり、RA1は置換もしくは無置換アルキル(例えば、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、例えば−CH、−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)またはハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI)である。ある種の態様において、kは2であり、RA1の2つのそれぞれは独立して置換もしくは無置換アルキル(例えば置換もしくは無置換C1〜6アルキル、例えば−CH、−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)またはハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI)である。
式(I)は、環A1をチアゾリル環につなぐ二価リンカーLを包含する。ある種の態様において、Lは−C(=O)−N(RA2)−である(例えば−C(=O)−NH−)。ある種の態様において、Lは−N(RA2)−C(=O)−である(例えば−NH−C(=O)−)。
ある種の態様において、RA2はHである。ある種の態様において、RA2は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えば−CH、Bn、−CF、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)。ある種の態様において、RA2は窒素保護基である(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。
式(I)のチアゾリル環は置換基RA3を包含する。ある種の態様において、RA3はHである。ある種の態様において、RA3はハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RA3は置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RA3は−CHである。ある種の態様において、RA3は−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RA3は置換または無置換アルケニルである(例えば置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RA3は置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RA3は置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RA3は置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RA3は置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RA3は置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RA3は置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RA3は−ORである(例えば−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RA3は−SRである(例えば−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、もしくは−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RA3は−N(Rである(例えば−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RA3は−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RA3は−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RA3は−C(=O)R(例えば−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RA3は−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RA3は−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
式(I)は、チアゾリル環に結合した窒素原子上に置換基RA4を包含する。ある種の態様において、RA4はHである。ある種の態様において、RA4は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えば、−CH、Bn、−CF、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)。ある種の態様において、RA4は窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。
式(I)は、環A3として、無置換であるか(例えば、mが0であるとき)または1つ以上の置換基RA5によって置換された(例えば、mが1または2であるとき)ピリミジニル環を包含する。ある種の態様において、環A3は式:
で表される。ある種の態様において、環A3は式:
で表され、式中RA5は置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル、例えば−CH、−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)。ある種の態様において、環A3は式:
で表され、式中RA5は、独立して少なくとも1つの置換または無置換ヘテロシクリル(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)によって置換されたC1〜6アルキルである。ある種の態様において、環A3は式:
で表される。ある種の態様において、環A3は式:
で表される。ある種の態様において、環A3は式:
で表される。
式(I)において、環A3は1または2つの置換基RA5を包含し得る。ある種の態様において、RA5の2つは同じである。ある種の態様において、RA5の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは、少なくとも1つの置換または無置換ヘテロシクリル(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)によって置換されたC1〜6アルキルである。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは、少なくとも置換もしくは無置換オキセタニル、置換もしくは無置換アゼチジニル、置換もしくは無置換テトラヒドロフラニル、置換もしくは無置換ピロリジニル、置換もしくは無置換テトラヒドロピラニル、置換もしくは無置換ピペリジニル、置換もしくは無置換モルホリニル、または置換もしくは無置換ピペラジニルによって置換されたメチルである。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは式:
で表される。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば、置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−ORである(例えば−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−SRである(例えば−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、もしくは−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−N(Rである(例えば−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−C(=O)R(例えば−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RA5の少なくとも1つは−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
ある種の態様において、mは0である。ある種の態様において、mは1である。ある種の態様において、mは2である。
式(I)は、環A3に結合した窒素原子上に置換基RA6を包含する。ある種の態様において、RA6はHである。ある種の態様において、RA6は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えば−CH、Bn、−CF、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)。ある種の態様において、RA6は窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。
式(I)は、環A3に結合した窒素原子上に置換基RA7を包含する。ある種の態様において、RA7はHである。ある種の態様において、RA7は置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RA7は−CHである。ある種の態様において、RA7は−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RA7は置換または無置換アルケニルである(例えば、置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RA7は置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RA7は置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RA7は置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RA7は置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RA7は−C(=O)R(例えば−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RA7は窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。ある種の態様において、RA7は式:
で表され、
式中:
A8のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
uは0、1、2、3、または4であり;
vは1、2、または3であり;
wは1、2、または3であり;
A9のそれぞれは独立してハロゲンまたは置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
nは0と13との間(両端を含む)の整数であり;
A10は、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、窒素保護基、または式(ii−1)〜(ii−42):
のいずれか1つであり;
は単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意に、炭化水素鎖の1つ以上の炭素ユニットは独立して−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、trans−CRL3b=CRL3b−、cis−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−によって置き換えられ、ここでRL3aは水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり、およびここでRL3bのそれぞれは独立して水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRL3b基が連結されて任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
は単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり;
E1は水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、および−SRE1aからなる群から選択され、ここでRE1aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE1a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E2は水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHSRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、および−SRE2aからなる群から選択され、ここでRE2aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE2a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E3は水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、および−SRE3aからなる群から選択され、RE3aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE3a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成するか、あるいはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2が連結されて任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E4は脱離基であり;
E5はハロゲンであり;
YはO、S、またはNRE6であり、ここでRE6は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
aは1または2であり;
zのそれぞれは独立して0、1、2、3、4、5、または6である。
ある種の態様において、RA7は式:
で表される。ある種の態様において、RA7は式:
で表される。ある種の態様において、RA7は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。ある種の態様において、RA7は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C1〜6アルキルである。ある種の態様において、RA7は式:
で表される。ある種の態様において、RA7は式:
で表される。ある種の態様において、RA7は式:
で表される。ある種の態様において、RA7は式:
で表される。ある種の態様において、RA7は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。ある種の態様において、RA7は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C1〜6アルキルである。ある種の態様において、RA7は式:
で表される。ある種の態様において、RA7は式:
で表される。
ある種の態様において、RA8の全ては同じである。ある種の態様において、RA8の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RA8の少なくとも1つはHである。ある種の態様において、RA8のそれぞれはHである。ある種の態様において、RA8の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RA8の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RA8の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RA8の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。
ある種の態様において、uは0である。ある種の態様において、uは1である。ある種の態様において、uは2である。ある種の態様において、uは3である。ある種の態様において、uは4である。
ある種の態様において、vは1である。ある種の態様において、vは2である。ある種の態様において、vは3である。ある種の態様において、vは4である。
ある種の態様において、wは1である。ある種の態様において、wは2である。ある種の態様において、wは3である。
ある種の態様において、vは2であり、wは1である。ある種の態様において、vは3であり、wは1である。ある種の態様において、vは4であり、wは1である。
ある種の態様において、RA9の全ては同じである。ある種の態様において、RA9の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RA9の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RA9の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RA9の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RA9の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。
ある種の態様において、nは0である。ある種の態様において、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13である。
ある種の態様において、RA10は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、窒素保護基、または式(ii−1)〜(ii−23)のいずれか1つである。ある種の態様において、RA10はHである。ある種の態様において、RA10は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えばC1〜6アルキルであり、独立してオキソ、ハロゲン、置換または無置換C2〜6アルケニル、置換または無置換シクロプロピル、1または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の4〜7員単環式カルボシクリル、置換または無置換オキシラニル、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して酸素、窒素、または硫黄である置換または無置換の5〜10員単環式または二環式ヘテロアリール、−CN、−(C=O)R、−N(R)(C=O)R、−O(C=O)R、−OR、および−N(Rからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される)。ある種の態様において、RA10は置換または無置換C2〜6アルケニルである(例えば、置換または無置換ビニル)。ある種の態様において、RA10は置換または無置換C2〜6アルキニルである(例えば置換または無置換エチニル)。ある種の態様において、RA10は置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RA10は−C(=O)Rである。ある種の態様において、RA10は−C(=O)(置換または無置換アルキル)である(例えば、−C(=O)(置換または無置換C1〜6アルキル)、例えば−C(=O)Et)。ある種の態様において、RA10は−C(=O)(置換または無置換アルケニル)である(例えば、−C(=O)(置換または無置換C2〜6アルケニル)、例えば−C(=O)−CH=CH)。ある種の態様において、RA10は−C(=O)(置換または無置換カルボシクリル)である。ある種の態様において、RA10は−C(=O)(置換または無置換ヘテロシクリル)である。ある種の態様において、RA10は−C(=O)(置換または無置換フェニル)である。ある種の態様において、RA10は−C(=O)(置換または無置換ヘテロアリール)である。ある種の態様において、RA10は−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RA10は窒素保護基である(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。ある種の態様において、RA10は式(ii−1)〜(ii−23)のいずれか1つである。ある種の態様において、RA10は式(ii−24)〜(ii−42)のいずれか1つである。ある種の態様において、RA10は式(ii−1)で表される(例えば、式:
で表される)。ある種の態様において、RA10は式(ii−3)で表される(例えば、式:
で表される)。ある種の態様において、RA10は表1Aに示されている式のいずれか1つで表される。
ある種の態様において、Lは単結合である。ある種の態様において、Lは任意置換C1〜4炭化水素鎖である。ある種の態様において、Lは任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1つ以上の炭素ユニットは独立して−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、trans−CRL3b=CRL3b−、cis−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−によって置き換えられる。ある種の態様において、Lは任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1つの炭素ユニットは−NRL3a−(例えば−NH−)によって置き換えられる。ある種の態様において、Lは式−(CH1〜4−NRL3a−(例えば、−(CH1〜4−NH−)または−NRL3a−CH1〜4−(例えば−NH−CH1〜4−)である。
ある種の態様において、RL3aは水素である。
ある種の態様において、RL3bの少なくとも1つは水素である。ある種の態様において、RL3bのそれぞれは水素である。ある種の態様において、RL3bの少なくとも1つはハロゲンである(例えばFまたはCl)。ある種の態様において、RL3bのそれぞれはハロゲンである(例えばFまたはCl)。ある種の態様において、RL3bの少なくとも1つは任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールである。ある種の態様において、2つのRL3b基は連結されて任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成する。
ある種の態様において、Lは単結合である。ある種の態様において、Lは任意置換C1〜4炭化水素鎖である。
ある種の態様において、RE1は水素である。ある種の態様において、RE1はハロゲンである。ある種の態様において、RE1は任意置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RE1は任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、または−SRE1aである。
ある種の態様において、RE2は水素である。ある種の態様において、RE2はハロゲンである。ある種の態様において、RE2は任意置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RE2は任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHSRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、または−SRE2aである。
ある種の態様において、RE3は水素である。ある種の態様において、RE3はハロゲンである。ある種の態様において、RE3は任意置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RE3は任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、または−SRE3aである。
ある種の態様において、RE1およびRE3は連結されて任意置換炭素環式環を形成する。ある種の態様において、RE1およびRE3は連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成する。ある種の態様において、RE2およびRE3は連結されて任意置換炭素環式環を形成する。ある種の態様において、RE2およびRE3は連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成する。ある種の態様において、RE1およびRE2は連結されて任意置換炭素環式環を形成する。ある種の態様において、RE1およびRE2は連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成する。
ある種の態様において、RE4はハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RE4は−OS(=O)RE4aまたは−OS(=O)E4aであり、RE4aは置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。ある種の態様において、RE4は−OMs、−OTf、−OTs、−OBs、または2−ニトロベンゼンスルホニルオキシである。ある種の態様において、RE4は−ORE4aである。ある種の態様において、RE4は−OMe、−OCF、または−OPhである。ある種の態様において、RE4は−OC(=O)RE4aである。ある種の態様において、RE4は−OC(=O)Me、−OC(=O)CF、−OC(=O)Ph、または−OC(=O)Clである。ある種の態様において、RE4は−OC(=O)ORE4aである。ある種の態様において、RE4は−OC(=O)OMeまたは−OC(=O)O(t−Bu)である。
ある種の態様において、RE5はF、Cl、Br、またはIである。
ある種の態様において、YはOである。ある種の態様において、YはSである。ある種の態様において、YはNRE6である(例えばNH)。
ある種の態様において、RE6はHである。
ある種の態様において、aは1である。ある種の態様において、aは2である。
ある種の態様において、zの少なくとも1つは0である。ある種の態様において、zの少なくとも1つは1である。ある種の態様において、zの少なくとも1つは2、3、4、5、または6である。ある種の態様において、zの2つは同じである。ある種の態様において、zの2つは互いに異なる。
ある種の態様において、式(I)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(I)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(I)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(I)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(I)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(I)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中Rは置換もしくは無置換C1〜6アルキルまたは置換もしくは無置換C2〜6アルケニルである。
ある種の態様において、式(I)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中Rは置換もしくは無置換C1〜6アルキルまたは置換もしくは無置換C2〜6アルケニルである。
式(I)で表される例示的な化合物は、
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これらに限定されない。
式(II)で表される化合物
ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は式(II):
式中:
B1のそれぞれは独立してハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、窒素原子に結合したときに窒素保護基、酸素原子に結合したときに酸素保護基、または硫黄原子に結合したときに硫黄保護基であるか、あるいはRの2つが連結されて置換もしくは無置換のヘテロ環式環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成し;
pは0、1、2、3、4、または5であり;
は−C(=O)−NRB2−または−NRB2−C(=O)−であり、ここでRB2は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
B3は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
B4は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
環B3は置換または無置換ピラゾリル環であり;
B5のそれぞれは独立してハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
qは0、1、または2であり;
B6は置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−C(=O)R、−C(=O)OR、または−C(=O)N(Rである、
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
式(II)は、環B1として、無置換であるか(例えば、pが0であるとき)または1つ以上の置換基RB1によって置換された(例えば、pが1、2、3、4、または5であるとき)フェニル環を包含する。ある種の態様において、環B1は式:
または
で表される。ある種の態様において、環B1は式:
で表される。ある種の態様において、環B1は式:
で表され、式中RB1のそれぞれは独立して置換もしくは無置換アルキル(例えば置換もしくは無置換C1〜6アルキル、例えば−CH、−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、もしくはペルフルオロブチル)、またはハロゲン(例えばF、Cl、Br、もしくはI)である。ある種の態様において、環B1は式:
で表される。ある種の態様において、環B1は式:
で表される。
式(II)において、環B1は1つ以上の置換基RB1を包含し得る。ある種の態様において、RB1の全ては同じである。ある種の態様において、RB1の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば、置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−ORである(例えば、−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば、−OPh))。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−SRである(例えば−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、もしくは−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−N(Rである(例えば、−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−C(=NR)R、−C(=NRb)OR、または−C(=NRb)N(Rである。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−C(=O)R(例えば−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RB1の少なくとも1つは−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
式(II)が置換基Rの2つ以上を包含するときに、Rのいずれか2つは同じであるか、または互いに異なり得る。ある種の態様において、Rの少なくとも1つはHである。ある種の態様において、RのそれぞれはHである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アシルである(例えばアセチル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは、窒素原子に結合したときに窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。ある種の態様において、Rは酸素原子に結合したときに酸素保護基である(例えば、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイル)。ある種の態様において、Rは、硫黄原子に結合したときに硫黄保護基である(例えば、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチル)。ある種の態様において、Rの2つは連結されて置換または無置換のヘテロ環式環を形成する(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロ環式環)。ある種の態様において、Rの2つは連結されて置換または無置換ヘテロアリール環を形成する(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール環)。
ある種の態様において、pは0である。ある種の態様において、pは1である。ある種の態様において、pは2である。ある種の態様において、pは3である。ある種の態様において、pは4である。ある種の態様において、pは5である。
ある種の態様において、pは1であり、RB1は置換もしくは無置換アルキル(例えば置換もしくは無置換C1〜6アルキル、例えば−CH、−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)またはハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI)である。ある種の態様において、pは2であり、RB1の2つのそれぞれは独立して置換もしくは無置換アルキル(例えば置換もしくは無置換C1〜6アルキル、例えば−CH、−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)またはハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI)である。
式(II)は、環B1をチアゾリル環につなぐ二価リンカーLを包含する。ある種の態様において、Lは−C(=O)−N(RB2)−である(例えば−C(=O)−NH−)。ある種の態様において、Lは−N(RB2)−C(=O)−である(例えば−NH−C(=O)−)。
ある種の態様において、RB2はHである。ある種の態様において、RB2は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えば、−CH、Bn、−CF、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)。ある種の態様において、RB2は窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。
式(II)のチアゾリル環は置換基RB3を包含する。ある種の態様において、RB3はHである。ある種の態様において、RB3はハロゲンである(例えば、F、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RB3は置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RB3は−CHである。ある種の態様において、RB3は−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RB3は置換または無置換アルケニルである(例えば、置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RB3は置換または無置換アルキニルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RB3は置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RB3は置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RB3は置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RB3は置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RB3は置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RB3は−ORである(例えば、−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RB3は−SRである(例えば、−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、または−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RB3は−N(Rである(例えば、−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RB3は−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RB3は−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RB3は−C(=O)R(例えば、−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RB3は−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RB3は−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
式(II)は、チアゾリル環に結合した窒素原子上に置換基RB4を含む。ある種の態様において、RB4はHである。ある種の態様において、RB4は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えば、−CH、Bn、−CF、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)。ある種の態様において、RB4は窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。
式(II)は、環B3として、無置換であるか(例えば、qが0であるとき)または1つ以上の置換基RB5によって置換された(例えば、qが1または2であるとき)ピラゾリル環を包含する。ある種の態様において、環B3は式:
で表され、式中「1」によって標識された窒素原子はRB6に結合し、「3」によって標識された炭素原子は、RB4が結合している窒素原子に結合する。ある種の態様において、環B3は式:
で表され、式中「1」によって標識された窒素原子はRB6に結合し、「4」によって標識された炭素原子は、RB4が結合している窒素原子に結合する。
式(II)において、環B3は1または2つの置換基RB5を包含し得る。ある種の態様において、RB5の2つは同じである。ある種の態様において、RB5の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つはハロゲンである(例えば、F、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば、置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−ORである(例えば、−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−SRである(例えば、−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、もしくは−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−N(Rである(例えば、−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−C(=O)R(例えば、−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RB5の少なくとも1つは−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
ある種の態様において、qは0である。ある種の態様において、qは1である。ある種の態様において、qは2である。
式(II)は、環B3に結合した窒素原子上に置換基RB6を包含する。ある種の態様において、RB6は置換アルキルである(例えば置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RB6は−CF、Bn、ペルフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RB6は置換または無置換アルケニルである(例えば置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RB6は置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RB6は置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RB6は置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RB6は置換または無置換アリールである(例えば置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RB6は置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RB6は置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RB6は−C(=O)R(例えば−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RB6は式:
で表され、式中:
B7のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
xは0、1、2、3、または4であり;
yは1、2、3、または4であり;
hは1、2、または3であり;
B8のそれぞれは独立してハロゲンまたは置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり、
gは0と13との間(両端を含む)の整数であり;
B9は、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、窒素保護基、または式(ii−1)〜(ii−42):
のいずれか1つであり;
式中:
は単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意に、炭化水素鎖の1つ以上の炭素ユニットが独立して−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、trans−CRL3b=CRL3b−、cis−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−によって置き換えられ、ここでRL3aは水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり、およびここでRL3bのそれぞれは独立して水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRL3b基が連結されて任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
は単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり;
E1は水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、および−SRE1aからなる群から選択され、ここでRE1aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE1a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E2は水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、および−SRE2aからなる群から選択され、ここでRE2aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE2a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E3は水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、および−SRE3aからなる群から選択され、ここでRE3aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE3a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成するか、あるいはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2が連結されて任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E4は脱離基であり;
E5はハロゲンであり;
YはO、S、またはNRE6であり、ここでRE6は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
aは1または2であり;
zのそれぞれは独立して0、1、2、3、4、5、または6である。
ある種の態様において、RB6は式:
で表される。ある種の態様において、RB6は式:
で表される。ある種の態様において、RB6は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。ある種の態様において、RB6は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C1〜6アルキルである。ある種の態様において、RB6は式:
で表される。ある種の態様において、RB6は式:
で表される。ある種の態様において、RB6は式:
で表される。ある種の態様において、RB6は式:
で表される。ある種の態様において、RB6は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。ある種の態様において、RB6は式:
で表され、Rは置換または無置換C1〜6アルキルである。ある種の態様において、RB6は式:
で表される。ある種の態様において、RB6は式:
で表される。
ある種の態様において、RB7の全ては同じである。ある種の態様において、RB7の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RB7の少なくとも1つはHである。ある種の態様において、RB7のそれぞれはHである。ある種の態様において、RB7の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RB7の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RB7の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RB7の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。
ある種の態様において、xは0である。ある種の態様において、xは1である。ある種の態様において、xは2である。ある種の態様において、xは3である。ある種の態様において、xは4である。
ある種の態様において、yは1である。ある種の態様において、yは2である。ある種の態様において、yは3である。ある種の態様において、yは4である。
ある種の態様において、hは1である。ある種の態様において、hは2である。ある種の態様において、hは3である。
ある種の態様において、yは2であり、hは1である。ある種の態様において、yは3であり、hは1である。ある種の態様において、yは4であり、hは1である。
ある種の態様において、RB8の全ては同じである。ある種の態様において、RB8の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RB8の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RB8の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RB8の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RB8の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。
ある種の態様において、gは0である。ある種の態様において、gは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13である。
ある種の態様において、RB9は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、窒素保護基、または式(ii−1)〜(ii−23)のいずれか1つである。ある種の態様において、RB9はHである。ある種の態様において、RB9は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えばC1〜6アルキルであり、独立してオキソ、ハロゲン、置換または無置換C2〜6アルケニル、置換または無置換シクロプロピル、1または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の4〜7員単環式カルボシクリル、置換または無置換オキシラニル、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して酸素、窒素、または硫黄である置換または無置換の5〜10員単環式または二環式ヘテロアリール、−CN、−(C=O)R、−N(R)(C=O)R、−O(C=O)R、−OR、および−N(Rからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される)。ある種の態様において、RB9は置換または無置換C2〜6アルケニルである(例えば、置換または無置換ビニル)。ある種の態様において、RB9は置換または無置換C2〜6アルキニルである(例えば置換または無置換エチニル)。ある種の態様において、RB9は置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RB9は−C(=O)Rである。ある種の態様において、RB9は−C(=O)(置換または無置換アルキル)である(例えば、−C(=O)(置換または無置換C1〜6アルキル)、例えば−C(=O)Et)。ある種の態様において、RB9は−C(=O)(置換または無置換アルケニル)である(例えば、−C(=O)(置換または無置換C2〜6アルケニル)、例えば−C(=O)−CH=CH)。ある種の態様において、RB9は−C(=O)(置換または無置換カルボシクリル)である。ある種の態様において、RB9は−C(=O)(置換または無置換ヘテロシクリル)である。ある種の態様において、RB9は−C(=O)(置換または無置換フェニル)である。ある種の態様において、RB9は−C(=O)(置換または無置換ヘテロアリール)である。ある種の態様において、RB9は−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RB9は窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。ある種の態様において、RB9は式(ii−1)〜(ii−23)のいずれか1つである。ある種の態様において、RB9は式(ii−24)〜(ii−42)のいずれか1つである。ある種の態様において、RB9は式(ii−1)で表される(例えば、式:
で表される)。ある種の態様において、RB9は式(ii−3)で表される(例えば、式:
で表される)。ある種の態様において、RB9は表1Aに示されている式のいずれか1つで表される。RB9に包含される部分は本明細書に記載されるとおりである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。
ある種の態様において、式(II)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。
式(II)で表される例示的な化合物は、
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これらに限定されない。
式(III)で表される化合物
ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は式(III):
式中:
C1のそれぞれは独立してハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、窒素原子に結合したときに窒素保護基、酸素原子に結合したときに酸素保護基、または硫黄原子に結合したときに硫黄保護基であるか、あるいはRの2つが連結されて置換もしくは無置換ヘテロ環式環または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成し;
rは0、1、2、3、4、または5であり;
は−O−または−S−であり;
C2のそれぞれは独立してハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
sは0、1、または2であり;
C3は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
環C3は置換もしくは無置換ピリミジニル環または置換もしくは無置換ピラゾリル環であり;
C4のそれぞれは独立してハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
tは0、1、または2であり;
C5は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである、
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
式(III)は、環C1として、無置換であるか(例えば、rが0であるとき)または1つ以上の置換基RC1によって置換された(例えば、rが1、2、3、4、または5であるとき)フェニル環を包含する。ある種の態様において、環C1は無置換フェニルである。ある種の態様において、環C1は式:
で表される。ある種の態様において、環C1は式:
で表される。
式(III)において、環C1は1つ以上の置換基RC1を包含し得る。ある種の態様において、RC1の全ては同じである。ある種の態様において、RC1の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つはハロゲンである(例えば、F、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−ORである(例えば、−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−SRである(例えば、−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、もしくは−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−N(Rである(例えば、−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−C(=O)R(例えば、−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RC1の少なくとも1つは−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
式(III)が置換基Rの2つ以上を包含するときに、Rのいずれか2つは同じであるかまたは互いに異なり得る。ある種の態様において、Rの少なくとも1つはHである。ある種の態様において、RのそれぞれはHである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アシルである(例えばアセチル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば、置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、Rの少なくとも1つは、窒素原子に結合したときに窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。ある種の態様において、Rは酸素原子に結合したときに酸素保護基である(例えば、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイル)。ある種の態様において、Rは硫黄原子に結合したときに硫黄保護基である(例えば、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチル)。ある種の態様において、Rの2つは連結されて置換または無置換のヘテロ環式環を形成する(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロ環式環)。ある種の態様において、Rの2つは連結されて置換または無置換ヘテロアリール環を形成する(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール環)。
ある種の態様において、rは0である。ある種の態様において、rは1である。ある種の態様において、rは2である。ある種の態様において、rは3である。ある種の態様において、rは4である。ある種の態様において、rは5である。
式(III)は、環C1を7−アザベンゾチアゾリル環につなぐ二価リンカーLを包含する。ある種の態様において、Lは−O−である。ある種の態様において、Lは−S−である。
式(III)において、7−アザベンゾチアゾリル環は1または2つの置換基RC2を包含し得る。ある種の態様において、RC2の2つは同じである。ある種の態様において、RC2の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つはハロゲンである(例えば、F、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−ORである(例えば、−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−SRである(例えば、−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、もしくは−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−N(Rである(例えば、−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−C(=O)R(例えば、−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RC2の少なくとも1つは−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
ある種の態様において、sは0である。ある種の態様において、sは1である。ある種の態様において、sは2である。
式(III)は、7−アザベンゾチアゾリル環に結合した窒素原子上に置換基RC3を包含する。ある種の態様において、RC3はHである。ある種の態様において、RC3は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えば、−CH、Bn、−CF、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)。ある種の態様において、RC3は窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。
式(III)は環C3を包含する。ある種の態様において、環C3は、無置換であるか(例えば、tが0であるとき)または1つ以上の置換基RC4によって置換された(例えば、tが1または2であるとき)ピリミジニル環である。ある種の態様において、環C3は式:
で表される。ある種の態様において、式(III)において、環C3が置換または無置換ピリミジニル環であるときに、「2」によって標識された炭素原子はRC5に結合し、「4」によって標識された炭素原子は、RC3が結合している窒素原子に結合する。ある種の態様において、環C3は式:
で表される。ある種の態様において、環C3は式:
で表される。ある種の態様において、環C3は、無置換であるか(例えば、tが0であるとき)または1つ以上の置換基RC4によって置換された(例えば、tが1または2であるとき)ピラゾリル環である。ある種の態様において、環C3は式:
で表される。ある種の態様において、式(III)において、環C3が置換または無置換ピラゾリル環であるときに、「1」によって標識された窒素原子はRC5に結合し、「3」によって標識された炭素原子は、RC3が結合している窒素原子に結合する。ある種の態様において、環C3は式:
で表される。ある種の態様において、環C3は式:
または
で表される。ある種の態様において、環C3は式:
で表される。ある種の態様において、環C3は式:
で表される。ある種の態様において、環C3は式:
で表される。
式(III)において、環C3は1または2つの置換基RC4を包含し得る。ある種の態様において、RC4の2つは同じである。ある種の態様において、RC4の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つはハロゲンである(例えば、F、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは置換または無置換アルケニルである(例えば置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−ORである(例えば、−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−SRである(例えば、−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、もしくは−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−N(Rである(例えば、−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−C(=O)R(例えば、−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RC4の少なくとも1つは−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。
ある種の態様において、tは0である。ある種の態様において、tは1である。ある種の態様において、tは2である。
式(III)は、環C3に結合した窒素原子上に置換基RC5を包含する。ある種の態様において、RC5はHである。ある種の態様において、RC5はハロゲンである(例えば、F、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RC5は置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RC5は−CHである。ある種の態様において、RC5は−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある種の態様において、RC5は置換または無置換アルケニルである(例えば置換または無置換C2〜6アルケニル)。ある種の態様において、RC5は置換または無置換アルキニルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキニル)。ある種の態様において、RC5は置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RC5は置換または無置換ヘテロシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含み、ヘテロ環式環系中の1、2、または3つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である、置換または無置換の3〜9員単環式ヘテロシクリル)。ある種の態様において、RC5は置換もしくは無置換テトラヒドロピラニルまたは置換もしくは無置換ピペリジニルである。ある種の態様において、RC5は式:
で表され、式中RはH、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。ある種の態様において、RC5は置換もしくは無置換オキセタニル、置換もしくは無置換アゼチジニル、置換もしくは無置換テトラヒドロフラニル、置換もしくは無置換ピロリジニル、置換もしくは無置換モルホリニル、または置換もしくは無置換ピペラジニルである。ある種の態様において、RC5は置換または無置換アリールである(例えば、置換または無置換の6〜10員アリール)。ある種の態様において、RC5は置換または無置換フェニルである。ある種の態様において、RC5は置換または無置換ヘテロアリールである(例えば、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して窒素、酸素、または硫黄である置換または無置換の5〜6員単環式ヘテロアリール)。ある種の態様において、RC5は−ORである(例えば、−OH、−O(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、もしくは−OBn)、または−O(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−OPh))。ある種の態様において、RC5は−SRである(例えば、−SH、−S(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば、−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、もしくは−SBn)、または−S(置換もしくは無置換フェニル)(例えば−SPh))。ある種の態様において、RC5は−N(Rである(例えば、−NH、−NH(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)−(置換もしくは無置換C1〜6アルキル)(例えば−NMe))。ある種の態様において、RC5は−CN、−SCN、または−NOである。ある種の態様において、RC5は−C(=NR)R、−C(=NR)OR、または−C(=NR)N(Rである。ある種の態様において、RC5は−C(=O)R(例えば、−C(=O)(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)(置換もしくは無置換フェニル))、−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))、または−C(=O)N(R(例えば、−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RC5は−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、または−NRC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RC5は−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである。ある種の態様において、RC5は式:
で表され、式中:
C6は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
bは0または1であり;
C6のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
cは0、1、2、3、または4であり;
dは1、2、3、または4であり;
eは1、2、または3であり;
C8のそれぞれは独立してハロゲンまたは置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
fは0と13との間(両端を含む)の整数であり;
C9は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、窒素保護基、または式(ii−1)〜(ii−42):
のいずれか1つであり;
式中:
は単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意に、炭化水素鎖の1つ以上の炭素ユニットは独立して−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、trans−CRL3b=CRL3b−、cis−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−によって置き換えられ、ここでRL3aは水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり、およびここでRL3bのそれぞれは独立して水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRL3b基が連結されて任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
は単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり;
E1は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、および−SRE1aからなる群から選択され、ここでRE1aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE1a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E2は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHSRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、および−SRE2aからなる群から選択され、ここでRE2aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE2a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E3は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、および−SRE3aからなる群から選択され、ここでRE3aのそれぞれは独立して水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE3a基が連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成し;
あるいはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2が連結されて任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
E4は脱離基であり;
E5はハロゲンであり; YはO、S、またはNRE6であり、ここでRE6は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
aは1または2であり;
zのそれぞれは独立して0、1、2、3、4、5、または6である。
ある種の態様において、RC5は式:
で表される。ある種の態様において、RC5は式:
で表される。ある種の態様において、RC5は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。ある種の態様において、RC5は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C1〜6アルキルである。ある種の態様において、RC5は式:
で表される。ある種の態様において、RC5は式:
で表される。ある種の態様において、RC5は式:
で表される。ある種の態様において、RC5は式:
で表される。ある種の態様において、RC5は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。ある種の態様において、RC5は式:
で表され、式中Rは置換または無置換C1〜6アルキルである。ある種の態様において、RC5は式:
で表される。ある種の態様において、RC5は式:
で表される。
ある種の態様において、RC6はHである。ある種の態様において、RC6は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えば、−CH、Bn、−CF、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチル)。ある種の態様において、RC6は窒素保護基である(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。
ある種の態様において、bは0である。ある種の態様において、bは1である。
ある種の態様において、bは1であり、RC6はHである。
ある種の態様において、RC7の全ては同じである。ある種の態様において、RC7の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RC7の少なくとも1つはHである。ある種の態様において、RC7のそれぞれはHである。ある種の態様において、RC7の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RC7の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RC7の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RC7の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。
ある種の態様において、cは0である。ある種の態様において、cは1である。ある種の態様において、cは2である。ある種の態様において、cは3である。ある種の態様において、cは4である。
ある種の態様において、dは1である。ある種の態様において、dは2である。ある種の態様において、dは3である。ある種の態様において、dは4である。
ある種の態様において、eは1である。ある種の態様において、eは2である。ある種の態様において、eは3である。
ある種の態様において、dは2であり、eは1である。ある種の態様において、dは3であり、eは1である。ある種の態様において、dは4であり、eは1である。
ある種の態様において、RC8の全ては同じである。ある種の態様において、RC8の2つは互いに異なる。ある種の態様において、RC8の少なくとも1つはハロゲンである(例えばF、Cl、Br、またはI)。ある種の態様において、RC8の少なくとも1つは置換または無置換アルキルである(例えば、置換または無置換C1〜6アルキル)。ある種の態様において、RC8の少なくとも1つは−CHである。ある種の態様において、RC8の少なくとも1つは−CF、Bn、無置換エチル、ペルフルオロエチル、無置換プロピル、ペルフルオロプロピル、無置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。
ある種の態様において、fは0である。ある種の態様において、fは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13である。
ある種の態様において、RC9は水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、窒素保護基、または式(ii−1)〜(ii−23)のいずれか1つである。ある種の態様において、RC9はHである。ある種の態様において、RC9は置換または無置換C1〜6アルキルである(例えばC1〜6アルキルであり、独立してオキソ、ハロゲン、置換または無置換C2〜6アルケニル、置換または無置換シクロプロピル、1または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の4〜7員単環式カルボシクリル、置換または無置換オキシラニル、ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4つの原子が独立して酸素、窒素、または硫黄である置換または無置換の5〜10員単環式または二環式ヘテロアリール、−CN、−(C=O)R、−N(R)(C=O)R、−O(C=O)R、−OR、および−N(Rからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される)。ある種の態様において、RC9は置換または無置換C2〜6アルケニルである(例えば置換または無置換ビニル)。ある種の態様において、RC9は置換または無置換C2〜6アルキニルである(例えば置換または無置換エチニル)。ある種の態様において、RC9は置換または無置換カルボシクリルである(例えば、0、1、または2つの二重結合を炭素環式環系中に含む置換または無置換の3〜7員単環式カルボシクリル)。ある種の態様において、RC9は−C(=O)Rである。ある種の態様において、RC9は−C(=O)(置換または無置換アルキル)である(例えば、−C(=O)(置換または無置換C1〜6アルキル)、例えば−C(=O)Et)。ある種の態様において、RC9は−C(=O)(置換または無置換アルケニル)である(例えば、−C(=O)(置換または無置換C2〜6アルケニル)、例えば−C(=O)−CH=CH)。ある種の態様において、RC9は−C(=O)(置換または無置換カルボシクリル)である。ある種の態様において、RC9は−C(=O)(置換または無置換ヘテロシクリル)である。ある種の態様において、RC9は−C(=O)(置換または無置換フェニル)である。ある種の態様において、RC9は−C(=O)(置換または無置換ヘテロアリール)である。ある種の態様において、RC9は−C(=O)OR(例えば、−C(=O)O(置換もしくは無置換アルキル)または−C(=O)O(置換もしくは無置換フェニル))または−C(=O)N(R(例えば−C(=O)NH、−C(=O)NH(置換もしくは無置換アルキル)、−C(=O)NH(置換もしくは無置換フェニル)、−C(=O)N(置換もしくは無置換アルキル)−(置換もしくは無置換アルキル)、または−C(=O)N(置換もしくは無置換フェニル)−(置換もしくは無置換アルキル))である。ある種の態様において、RC9は窒素保護基である(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)。ある種の態様において、RC9は式(ii−1)〜(ii−23)のいずれか1つである。ある種の態様において、RC9は式(ii−24)〜(ii−42)のいずれか1つである。ある種の態様において、RC9は式(ii−1)で表される(例えば、式:
で表される)。ある種の態様において、RC9は式(ii−3)で表される(例えば式:
で表される)。ある種の態様において、RC9は表1Aに示されている式のいずれか1つで表される。RC9に包含される部分は本明細書に記載されるとおりである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグであり、Rは置換または無置換C2〜6アルケニルである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある種の態様において、式(III)で表される化合物は式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、もしくはプロドラッグである。
式(III)で表される例示的な化合物は、
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これらに限定されない。
医薬組成物、キット、および投与
本開示は、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容し得る塩と、任意に薬学的に許容し得る添加剤とを含む医薬組成物を提供する。ある種の態様において、本明細書に記載される医薬組成物は、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容し得る塩と薬学的に許容し得る添加剤とを含む。本明細書に記載される医薬組成物は、対象における増殖性疾患(例えば、骨髄異形成、白血病、リンパ腫(例えばワルデンストレームマクログロブリン血症))を処置および/もしくは防止すること、対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えばHCK、BTK)の活性を阻害すること、および/または、細胞にアポトーシスを誘導すること、に有用であり得る。
ある種の態様において、本明細書に記載される対象は動物である。動物はどちらかの性であり得、発育のいずれかのステージにあり得る。ある種の態様において、本明細書に記載される対象はヒトである。ある種の態様において、本明細書に記載される対象は非ヒト動物である。ある種の態様において、本明細書に記載される対象は哺乳動物である(例えば、非ヒト哺乳動物)。ある種の態様において、本明細書に記載される対象は飼育動物、例えばイヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギである。ある種の態様において、本明細書に記載される対象はイヌまたはネコなどの愛玩動物である。ある種の態様において、本明細書に記載される対象は家畜動物、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギである。ある種の態様において、本明細書に記載される対象は展示動物である。別の態様において、本明細書に記載される対象は研究動物、例えばげっ歯類(例えばマウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒト霊長類である。ある種の態様において、動物は遺伝子組み換え動物である。ある種の態様において、動物はトランスジェニック動物である(例えば、トランスジェニックマウスおよびトランスジェニックブタ)。ある種の態様において、本明細書に記載される対象は魚類または爬虫類である。
ある種の態様において、本明細書に記載される生体サンプルは骨髄、リンパ節、脾臓、または血液である。
ある種の態様において、本明細書に記載される組織は血液である。ある種の態様において、本明細書に記載される組織は骨髄である。ある種の態様において、本明細書に記載される組織は中枢神経系(CNS)組織(例えば脳、脊髄、髄膜)である。ある種の態様において、本明細書に記載される組織は免疫特権組織である。ある種の態様において、本明細書に記載される組織は胎盤または精巣である。ある種の態様において、本明細書に記載される組織は胎児である。ある種の態様において、本明細書に記載される組織は眼である。ある種の態様において、本明細書に記載される組織は脾臓である。ある種の態様において、本明細書に記載される組織は辺縁帯である。
ある種の態様において、本明細書に記載される細胞はin vivoである。ある種の態様において、本明細書に記載される細胞はex vivoである。ある種の態様において、本明細書に記載される細胞はin vivoである。ある種の態様において、本明細書に記載される細胞は悪性細胞(例えば悪性血球)である。ある種の態様において、本明細書に記載される細胞は悪性造血幹細胞(例えば悪性骨髄細胞または悪性リンパ細胞)である。ある種の態様において、本明細書に記載される細胞は悪性リンパ球(例えば悪性T細胞または悪性B細胞)である。ある種の態様において、本明細書に記載される細胞は悪性赤血球、悪性白血球、または悪性血小板である。ある種の態様において、本明細書に記載される細胞は悪性好中球、悪性マクロファージ、または悪性形質細胞である。
ある種の態様において、本明細書に記載される化合物は、有効量で医薬組成物として提供される。ある種の態様において、有効量は治療有効量である(例えば、その必要がある対象における増殖性疾患を処置するために有効な量)。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象におけるタンパク質キナーゼ(例えば、HCK、BTK)の活性を阻害するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、HCK、BTK)の活性を阻害するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、細胞にアポトーシスを誘導するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は予防有効量である(例えば、その必要がある対象における増殖性疾患を防止することおよび/またはその必要がある対象を増殖性疾患の寛解に保つために有効な量)。
ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはHCKである。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはBTKである。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはIRAK1またはIRAK4である。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはBMXである。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはPI3Kである。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはABL、ACK、ARG、BLK、CSK、EphB1、EphB2、FGR、FRK、FYN、SRC、YES、LCK、LYN、MAP2K5、NLK、PIP4K2C、p38a、SNRK、SRC、またはTECである。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはリン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、FGR、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(Y253F)、非リン酸化型ABL1、FRK、LYN、非リン酸化型ABL1(Q252H)、DDR1、EPHB1、ERBB4、p38−アルファ、ABL2、リン酸化型ABL1(Q252H)、SIK、EPHA8、MEK5、リン酸化型ABL1(E255K)、非リン酸化型ABL1(F317L)、FYN、LCK、EPHA2、リン酸化型ABL1(M351T)、TXK、EGFR(L858R)、EGFR(L861Q)、ERBB2、ERBB3、EPHA5、非リン酸化型ABL1(F317I)、EGFR(L747−E749del,A750P)、CSK、EPHA1、リン酸化型ABL1(F317L)、BRAF(V600E)、EGFR、自己阻害型KIT、またはEGFR(E746−A750del)である。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼは非リン酸化型ABL1(F317L)、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、LYN、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1、リン酸化型ABL1(Y253F)、ERBB3、FGR、FRK、p38−アルファ、非リン酸化型ABL1(F317I)、DDR1、EPHA2、リン酸化型ABL1(Q252H)、MEK5、非リン酸化型ABL1(Q252H)、ABL2、FYN、EPHB1、リン酸化型ABL1(E255K)、リン酸化型ABL1(F317L)、EPHA1、リン酸化型ABL1(M351T)、ERBB4、TXK、LCK、EPHA8、SIK、EPHA5、EGFR(L861Q)、自己阻害型CSF1R、BRAF(V600E)、BRK、CSK、KIT(D816V)、自己阻害型KIT、EGFR(L747−T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L747−E749del,A750P)、またはCSF1Rである。
ある種の態様において、有効量は、タンパク質キナーゼ(例えば、HCK、BTK)の活性を少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%だけ阻害するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、タンパク質キナーゼ(例えばHCK、BTK)の活性を10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、95%以下、または98%以下だけ阻害するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、タンパク質キナーゼ(例えば、HCK、BTK)の活性を、本パラグラフに記載されているあるパーセンテージおよび本パラグラフに記載されている別のパーセンテージの間の範囲(両端を含む)だけ阻害するために有効な量である。
本明細書に記載される医薬組成物は、薬理学の分野において知られているいずれかの方法によって調製され得る。一般的に、かかる調製方法は、本明細書に記載される化合物(すなわち「活性成分」)を担体もしくは添加剤および/または1つ以上の他の補助的な成分と結合させることと、それから、必要なおよび/または望ましい場合には、生成物を望ましい単回用量または複数回用量の単位に成形および/またはパッケージングすることとを包含する。
医薬組成物は、バルクで、単一のユニットドーズとして、および/または単一のユニットドーズの複数として調製、パッケージング、および/または販売され得る。「ユニットドーズ」は、活性成分の所定量を含む医薬組成物の個別的な量である。活性成分の量は、一般的には、対象に投与されるであろう活性成分の投与量および/またはかかる投与量の便利な分数、例えばかかる投与量の1/2もしくは1/3に等しい。
本明細書に記載される医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤、および/またはあらゆる追加の成分の相対量は、処置される対象のアイデンティティー、サイズ、および/または状態に応じて、およびさらに、組成物が投与される経路に応じて、変化し得る。組成物は、0.1%〜100%(w/w)の間の活性成分を含んでよい。
提供される医薬組成物の製造に使用される、薬学的に許容し得る賦形剤としては、不活性希釈剤、分散および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、潤滑剤、および/または油が挙げられる。例えば、ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味料、および香料も、組成物中に存在してもよい。
例示の希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示の造粒剤および/または分散剤としては、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレー、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、および木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微晶質デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示の界面活性剤および/または乳化剤としては、以下が挙げられる:天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイドクレー(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、グリセリルモノステアレート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミテート(Span(登録商標)40)、ソルビタンモノステアラート(Span(登録商標)60)、ソルビタントリステアレート(Span(登録商標)65)、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート(Span(登録商標)80))、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート(Myrj(登録商標)45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、およびSolutol(登録商標))、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij(登録商標)30))、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic(登録商標)F-68、poloxamer P-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサート・ナトリウム、および/またはそれらの混合物。
例示の結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワルゴム(panwar gum)、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール殻(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum(登録商標))、および落葉松アラボガラクタン)、アルギネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコール、および/またはそれらの混合物が挙げられる。
例示の保存剤としては、抗酸化剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、抗原虫性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、および他の保存剤が挙げられる。ある態様において、保存剤は抗酸化剤である。他の態様において、保存剤はキレート剤である。
例示の酸化防止剤としては、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
例示のキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ならびにその塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例えばクエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸塩ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、および酒石酸ならびにその塩および水和物が挙げられる。例示の抗菌性保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールが挙げられる。
例示の抗真菌性保存剤としては、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸が挙げられる。
例示のアルコール保存剤としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート、およびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
例示の酸性保存剤としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸が挙げられる。
その他の他の保存剤としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant(登録商標)Plus、Phenonip(登録商標)、メチルパラベン、Germall(登録商標)115、Germaben(登録商標)II、Neolone(登録商標)、Kathon(登録商標)、およびEuxyl(登録商標)が挙げられる。
例示の緩衝剤としては、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、リン酸カルシウムヒドロキシド(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質非含有水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびそれらの混合物が挙げられる。
典型的な潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示の天然オイルとしては、以下の油が挙げられる:アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカレント種子、ルリジサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナバ、ヒマシ油、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヘチマ、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パームカーネル(kernel)、桃カーネル、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サザンカ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチベル、クルミ、および小麦胚芽。例示の合成油としては、限定はされないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびそれらの混合物が挙げられる。
経口および非経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容し得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例えば、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含んでよい。不活性希釈剤以外に、経口組成物は、アジュバントを、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、香味料、および香料などを含むことができる。非経口投与のためのある態様において、本明細書に記載のコンジュゲートは、可溶化剤と、例えば、Cremophor(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの混合物などと、混合される。
注射用製剤、例えば、無菌の注射用水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、周知の技術に従って製剤化することができる。無菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液中の、無菌の注射可能な溶液、懸濁液、またはエマルジョンであることができる。使用可能な許容し得るビヒクルおよび溶媒としては、水、リンゲル液、U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として、従来から使用されている。この目的のために、あらゆる無刺激性の固定油が、合成モノ−またはジ−グリセリドを含めて使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
注射用製剤は例えば、細菌保持フィルターを通す濾過により、または、使用の前に、滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、低い水溶性の、結晶または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成することができる。薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、これは次に、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。代替的に、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって、達成してよい。
直腸または膣投与のための組成物は、典型的には、本明細書に記載のコンジュゲートを、ココアバター、ポリエチレングリコールなどの適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製可能な坐剤、または周囲温度では固体であるが、体温では液体となり、したがって直腸または膣腔で融解して活性成分を放出する、坐剤ワックスである。
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、活性成分は、少なくとも1つの、不活性な薬学的に許容し得る賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムと、および/または、(a)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など、(b)バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシア、(c)湿潤剤(humectant)、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤(solution retarding agent)、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤(wetting agent)、例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、(h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレー、および(i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物と、混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬理学の技術分野で知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて、調製することができる。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管の特定の部分において、任意に遅延様式で、放出する組成物であることができる。使用され得る封入組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、使用することができる。
活性成分は、上述の1以上の賦形剤を有するマイクロカプセル化形態であることができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野で知られている他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製することができる。かかる固体剤形において、活性成分は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合することができる。かかる固体剤形は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の追加的な物質、例えば、錠剤化潤滑剤および他の錠剤化補助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどを、含むことができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでいてもよい。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管の特定の部分において、任意に遅延様式で、放出する組成物であることができる。使用することができるカプセル化剤の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
本明細書に記載の化合物の局所および/または経皮投与用の剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤、および/または貼付剤を含むことができる。一般に、活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容し得る担体または賦形剤、および/または必要に応じて、あらゆる必要な保存剤および/または緩衝剤と混合される。さらに本開示は、経皮貼付剤の使用を意図し、これは多くの場合、活性成分の身体への制御送達を提供するという追加の利点を有する。かかる剤形は、例えば、活性成分を適切な媒体中に溶解および/または分配することによって、調製することができる。代替的にまたは付加的に、速度は、速度制御膜を提供することにより、および/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲル中に分散させることにより、制御することができる。
本明細書に記載の皮内医薬組成物の送達に使用するための好適なデバイスとしては、短針デバイスを含む。皮内組成物は、皮膚への針の有効侵入長を制限するデバイスにより、投与することができる。代替的にまたは付加的に、従来の注射器を、皮内投与の古典的なマントー法で使用することができる。液体ジェット注射器を介して、および/または角質層を貫通して真皮に達するジェットを生成する針を介して、液体製剤を真皮に送達するジェット式注射デバイスは、好適である。圧縮ガスを使用して粉末形態の化合物を皮膚の外側の層を通って真皮へと加速する、衝撃(ballistic)粉末/粒子送達デバイスは、好適である。
局所投与に適した製剤としては、限定はされないが、リニメント剤、ローション剤などの液剤および/または半液剤、クリーム剤、軟膏剤などの水中油型および/または油中水型エマルジョン、および/またはペースト剤、および/または溶液剤および/または懸濁液剤が挙げられる。局所投与製剤は、例えば、約1%〜約10%(w/w)活性成分を含んでもよく、ただし活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度まで高くすることができる。局所投与のための製剤はさらに、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでもよい。
本明細書に記載の医薬組成物は、口腔を介した肺投与に適した製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、有効成分を含みかつ、約0.5〜約7nm、または約1〜約6nmの範囲の直径を有する、乾燥粒子を含んでもよい。かかる組成物は、便利には、乾燥粉末の形態であって、噴射剤の流れを導いて粉末を分散させる乾燥粉末リザーバを備えたデバイスを用いて、および/または、密閉された容器中の低沸点噴射剤中に溶解または懸濁された活性成分を含むデバイスなどの、自己推進溶媒/粉末分注容器を用いて、投与される。かかる粉末剤は、重量において粒子の少なくとも98%が0.5nmより大きい直径を有し、数において粒子の少なくとも95%が7nm未満の直径を有する。代替的に、重量において粒子の少なくとも95%が1nmより大きい直径を有し、数において粒子の少なくとも90%が6nm未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を含んでもよく、単位用量形態で便利に提供される。
低沸点噴射剤は、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を一般に含む。一般に噴射剤は、組成物の50〜99.9%(w/w)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1〜20%(w/w)を構成してもよい。噴射剤はさらに、液体非イオン性および/もしくは固体アニオン性界面活性剤、および/または固体希釈剤(これは有効成分を含む粒子と同程度の粒径を有してもよい)などの、追加成分をさらに含んでよい。
肺送達のために製剤化された本明細書に記載の医薬組成物は、有効成分を、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で提供することができる。かかる製剤は、活性成分を含む任意に滅菌性の水性および/または希釈アルコール溶液および/または懸濁液として、調製、包装、および/または販売されることができ、あらゆる噴霧および/または微粒化デバイスを用いて、便利に投与され得る。かかる製剤はさらに、限定はされないが以下を含む1種以上の追加の成分、例えばサッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、および/またはメチルヒドロキシベンゾエート等の保存剤を含んでもよい。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1〜約200nmの範囲の平均直径を有してよい。
肺送達に有用であるとして本明細書に記載された製剤は、本明細書に記載の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含み、約0.2〜500μmの平均粒子を有する、粗い粉末である。かかる製剤は、鼻孔の近くに保持された粉末の容器から、鼻腔を通した急速な吸入によって投与される。
経鼻投与のための製剤は、例えば、わずか0.1%(w/w)から100%(w/w)という多量の活性成分を含んでもよく、および1種以上の本明細書中に記載の追加の成分を含んでいてもよい。本明細書に記載の医薬組成物は、口腔内投与のための製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、例えば、従来の方法を用いて作製した錠剤、および/またはロゼンジの形態であってもよく、例えば、0.1〜20%(w/w)の活性成分を含んでよく、バランスは、経口的に溶解可能および/または分解可能な組成物と、任意に、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含む。代替的に、口腔内投与用の製剤は、活性成分を含有する粉末、および/またはエアロゾル化および/または微粒化された溶液および/または懸濁液を含んでよい。かかる粉末化、エアロゾル化、および/またはエアロゾル化製剤は、分散された場合、約0.1〜約200nmの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有していてもよく、さらに、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでもよい。
本明細書に記載の医薬組成物は、眼への投与のための製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、例えば点眼剤の形態であってもよく、例えば、水性または油性液体担体または賦形剤中の、活性成分の0.1〜1.0%(w/w)の溶液および/または懸濁液を含む。かかる滴剤は、さらに、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでよい。有用な他の眼科的に投与可能な製剤としては、微結晶形態および/またはリポソーム製剤中に活性成分を含むものが挙げられる。点耳剤、および/または点眼剤もまた本開示の範囲内であると考えられる。
本明細書で提供される医薬組成物の説明は、ヒトへの投与に適した医薬組成物に主として向けられているが、かかる組成物は、一般的にあらゆる種類の動物への投与に適している。ヒトへの投与に適した医薬組成物を、様々な動物への投与に適した組成物にするための改変はよく理解されており、獣医薬理学の当業者は、かかる改変を、通常の実験を用いて設計および/または実施することができる。
本明細書で提供される化合物は典型的には、投与の容易さおよび投与量の均一性のために投与量単位形態で処方される。しかし、本明細書に記載の組成物の1日総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で医師によって決定されることが、理解されるであろう。あらゆる特定の対象または生物に対する具体的な治療有効用量レベルは、様々な要因に依存し、これには、処置される疾患および障害の重症度;使用される特定の活性成分の活性;使用される特定の組成物;対象の年齢、体重、一般的健康状態、性別、および食事;投与の時間、投与経路、および使用される特定の活性成分の排出速度;処置期間;使用される特定の活性成分と組み合わせて、またはこれと同時に使用される薬物;および、医療分野で知られている類似の要因を含む。
本明細書で提供される化合物および組成物は、あらゆる経路で、例えば経腸(例えば経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、インターダーマル(interdermal)、直腸、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏剤、クリーム剤、および/または滴剤によるものなど)、粘膜、経鼻、口腔内、舌下;気管内点滴注入、気管支点滴注入、および/または吸入によって;および/または経口スプレー、鼻腔スプレーおよび/またはエアロゾルとして、投与することができる。具体的に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例えば、全身静脈内注射)、血液および/またはリンパ供給を介した局所投与、および/または患部への直接適用である。一般的には、投与の最も適切な経路は、薬剤の性質(例えば、胃腸管の環境でのその安定性)、および/または対象の状態(例えば、対象が経口投与を耐容できるかどうか)、を含む、種々の要因に依存する。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、対象の眼への局所投与に適している。
有効量を達成するために要求される化合物の厳密な量は、例えば対象の種、年齢、および一般的状態、副作用または障害の重さ、特定の化合物のアイデンティティー、投与モード、ならびに同類に依存して対象毎に変わるであろう。有効量は、単回用量(例えば単回経口用量)または複数回用量(例えば、複数回経口用量)として包含され得る。ある種の態様において、複数回用量が対象に投与または生体サンプル、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量のいずれか2つの用量は、本明細書に記載される化合物の、異なるかまたは実質的に同じ量を包含する。ある種の態様において、複数回用量が対象に投与または生体サンプル、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量を対象に投与または複数回用量を組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日3用量、1日2用量、1日1用量、2日に1用量、3日に1用量、毎週1用量、2週間に1用量、3週間に1用量、または4週間に1用量である。ある種の態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり1用量である。ある種の態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり2用量である。ある種の態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり3用量である。ある種の態様において、複数回用量が対象に投与または生体サンプル、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞の寿命である。ある種の態様において、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は3ヶ月、6ヶ月、または1年である。ある種の態様において、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は対象、生体サンプル、組織、または細胞の寿命である。ある種の態様において、本明細書に記載される用量(例えば、単回用量、または複数回用量のいずれかの用量)は、独立して、本明細書に記載される化合物の0.1μgと1μgとの間(両端を含む)、0.001mgと0.01mgとの間、0.01mgと0.1mgとの間、0.1mgと1mgとの間、1mgと3mgとの間、3mgと10mgとの間、10mgと30mgとの間、30mgと100mgとの間、100mgと300mgとの間、300mgと1,000mgとの間、または1gと10gとの間を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の1mgと3mgとの間(両端を含む)を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の3mgと10mgとの間(両端を含む)を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の10mgと30mgとの間(両端を含む)を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される用量は、独立して最初と最後を含めて本明細書に記載される化合物の30mgと100mgとの間(両端を含む)を包含する。
本明細書に記載の用量範囲は、提供される医薬組成物の、成人への投与のための指針を提供する。例えば、小児または青年に投与する量は、医師または当業者によって決定することができ、成人に投与するより少ないか、または同一であることができる。
本明細書に記載の化合物または組成物は、増殖性疾患を処理および/または予防するのに有用な1以上の追加の医薬剤(例えば、治療的および/または予防的に活性な薬剤)と組み合わせて投与され得る。化合物または組成物は、それらの活性(例えば活性(例えば、増殖性疾患の処置を、それを必要とする対象に行うことにおける、増殖性疾患の予防を、それを必要とする対象に行うことにおける、および/または、対象、生体サンプル、組織または細胞のタンパク質キナーゼ(例えばHCK、BTK)の活性を阻害することにおける、効力および/または有効性))を改善する、生物学的利用能を改善する、安全性を改善する、薬物耐性を低下させる、代謝を減少および/または変更する、排出する阻害する、および/または、対象、生体サンプル、組織または細胞における分布を変更する、追加の医薬剤と組み合わせて、投与され得る。化合物または組成物は、それらの活性(例えば、以下:必要としている対象における疾患を処置すること、必要としている対象における疾患を予防すること、必要としている対象における疾患の発生のリスクを低減すること、ウイルスの複製を阻害すること、ウイルスを死滅させること、対象または細胞におけるブロモドメイン含有タンパク質の活性を阻害すること、対象または細胞におけるブロモドメインの活性を阻害すること、対象または細胞における、ブロモドメイン含有タンパク質のブロモドメインの、第2タンパク質(例えば、ヒストン)のアセチル−リシン残基への結合を阻害すること、転写伸長を調整する(例えば、阻害する)こと、対象または細胞における、ブロモドメイン含有タンパク質により調節される遺伝子の発現(例えば転写)を調整する(例えば、阻害する)こと、細胞のアポトーシスを誘導すること、対象におけるアポトーシスを誘導すること、対象または細胞におけるG1停止を誘導すること、における、活性(例えば、効力および/または有効性))、生物学的利用能、および/または安全性を改善する、薬剤耐性を低下させる、それらの代謝を減少および/または変更する、それらの排出を阻害する、および/または対象の体内でのそれらの分布を変更する、追加の医薬剤と組み合わせて、投与することができる。使用される治療法が、同じ障害に対して所望の効果を達成できる、および/または、異なる効果を達成できることもまた理解されるであろう。ある種の態様において、本明細書に記載の化合物および追加の医薬剤を含む本明細書に記載の医薬組成物は、化合物と追加の医薬剤の両方ではなく、その1つを含む医薬組成物には存在しない相乗効果を示す。
化合物または組成物は、例えば増殖性疾患の治療および/または予防における併用療法として有用であり得る、1以上の追加の医薬品と同時に、その前に、またはその後に、投与され得るる。医薬剤は、治療的に活性な薬剤を含む。医薬剤はまた、予防的に活性な薬剤も含む。医薬剤は、小有機分子を、例えば薬物化合物(例えば、ヒトまたは獣医学的使用のために米国食品医薬品局によって承認された、米国連邦規則集(CFR)に提供されている化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結された小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞を含む。ある種の態様において、追加の医薬剤は、増殖性疾患を処置するのに有用な医薬剤である。ある種の態様において、追加の医薬剤は、増殖性疾患を予防するのに有用な医薬剤である。ある種の態様において、追加の医薬剤は、対象、生体サンプル、組織、または細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、HCK、BTK)の活性を阻害するのに有用な医薬剤である。ある種の態様において、追加の医薬剤は、細胞においてアポトーシスを誘導するのに有用な医薬剤である。ある種の態様において、追加の医薬剤は、増殖性疾患を処置および/または予防するための、規制機関(例えばUS FDA)によって承認された医薬剤である。それぞれの追加の医薬剤は、その医薬剤について決定された用量および/または時間スケジュールで、投与されてもよい。追加の医薬剤はまた、本明細書に記載の化合物または組成物と互いに一緒に単回用量で、および/または、単回用量の本明細書に記載の化合物または組成物とともに、投与されてもよく、あるいは、異なる用量で個別に投与されてもよい。レジメンにおいて使用するための特定の組合せには、本明細書に記載の化合物の、追加の医薬剤(単数または複数)に対する適合性、および/または、達成される所望の治療効果および/または予防効果が、考慮されるであろう。一般に、併用される追加の医薬剤(単数または複数)は、それらが個別に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが期待される。いくつかの態様において、組み合わせで利用されるレベルは、個別で利用されるレベルよりも低くなるであろう。
ある種の態様において、追加の医薬品は抗増殖剤(例えば抗がん剤)である。ある種の態様において、追加の医薬品は抗白血病剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ADE、Adriamycin RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、Ambochlorin(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、ARZERRA(オファツムマブ)、BOSULIF(ボスチニブ)、BUSULFEX(ブスルファン)、CAMPATH(アレムツズマブ)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CLOFAREX(クロファラビン)、CLOLAR(クロファラビン)、CVP、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、ERWINAZE(Asparaginase Erwinia Chrysanthemi)、FLUDARA(フルダラビンリン酸エステル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、GAZYVA(オビヌツズマブ)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、Hyper-CVAD、ICLUSIG(ポナチニブ塩酸塩)、IMBRUVICA(イブルチニブ)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、MARQIBO(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、ミトキサントロン塩酸塩、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MYLERAN(ブスルファン)、NEOSAR(シクロホスファミド)、ONCASPAR(ペグアスパラガーゼ)、PURINETHOL(メルカプトプリン)、PURIXAN(メルカプトプリン)、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、SYNRIBO(オマセタキシンメペスクシネート)、TARABINE PFS(シタラビン)、TASIGNA(ニロチニブ)、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、TRISENOX(三酸化ヒ素)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品は抗リンパ腫剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、ADCETRIS(ブレンツキシマブベドチン)、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRIAMYCIN RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、AMBOCHLORIN(クロラムブシル)、AMBOCLORIN(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、BEACOPP、BECENUM(カルムスチン)、BELEODAQ(ベリノスタット)、BEXXAR(トシツモマブおよびヨウ素I131トシツモマブ)、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CARMUBRIS(カルムスチン)、CHOP、CLAFEN(シクロホスファミド)、COPP、COPP-ABV、CVP、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DEPOCYT(シタラビンリポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EPOCH、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLOTYN(プララトレキサート)、HYPER-CVAD、ICE、IMBRUVICA(イブルチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ−2b)、ISTODAX(ロミデプシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、ロムスチン、MATULANE(プロカルバジン塩酸塩)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MOPP、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、OEPA、ONTAK(デニロイキンディフティトックス)、OPPA、R-CHOP、REVLIMID(レナリドミド)、RITUXAN(リツキシマブ)、STANFORD V、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、VAMP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZEVALIN(イブリツモマブチウキセタン)、ZOLINZA(ボリノスタット)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品は抗骨髄異形成剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はREVLIMID(レナリドミド)、DACOGEN(デシタビン)、VIDAZA(アザシチジン)、CYTOSAR-U(シタラビン)、IDAMYCIN(イダルビシン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品は抗マクログロブリン血症剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はLEUKERAN(クロラムブシル)、NEOSAR(シクロホスファミド)、FLUDARA(フルダラビン)、LEUSTATIN(クラドリビン)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ABRAXANE(アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤)、AC、AC-T、ADE、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRUCIL(フルオロウラシル)、AFINITOR(エベロリムス)、AFINITOR DISPERZ(エベロリムス)、ALDARA(イミキモド)、ALIMTA(ペメトレキセド二ナトリウム)、AREDIA(パミドロン酸二ナトリウム)、ARIMIDEX(アナストロゾール)、AROMASIN(エキセメスタン)、AVASTIN(ベバシズマブ)、BECENUM(カルムスチン)、BEP、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CAF、CAMPTOSAR(イリノテカン塩酸塩)、CAPOX、CAPRELSA(バンデタニブ)、CARBOPLATIN-TAXOL、CARMUBRIS(カルムスチン)、CASODEX(ビカルタミド)、CEENU(ロムスチン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CERVARIX(組み換え体HPV二価ワクチン)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CMF、COMETRIQ(カボザンチニブ−s−リンゴ酸塩)、COSMEGEN(ダクチノマイシン)、CYFOS(イホスファミド)、CYRAMZA(ラムシルマブ)、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DACOGEN(デシタビン)、DEGARELIX、DOXIL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DOXORUBICIN HYDROCHLORIDE、DOX-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EFUDEX(フルオロウラシル)、ELLENCE(エピルビシン塩酸塩)、ELOXATIN(オキサリプラチン)、ERBITUX(セツキシマブ)、ERIVEDGE(ビスモデギブ)、ETOPOPHOS(リン酸エトポシド)、EVACET(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、FARESTON(トレミフェン)、FASLODEX(フルベストラント)、FEC、FEMARA(レトロゾール)、FLUOROPLEX(フルオロウラシル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、FU-LV、GARDASIL(組み換え体ヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン)、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、GEMZAR(ゲムシタビン塩酸塩)、GILOTRIF(アファチニブ二マレイン酸塩)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、GLIADEL(カルムスチンインプラント)、GLIADEL WAFER(カルムスチンインプラント)、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、HYCAMTIN(トポテカン塩酸塩)、IFEX(イホスファミド)、IFOSFAMIDUM(イホスファミド)、INLYTA(アキシチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ−2b)、IRESSA(ゲフィチニブ)、IXEMPRA(イキサベピロン)、JAKAFI(ルキソリチニブリン酸塩)、JEVTANA(カバジタキセル)、KADCYLA(ado-トラスツズマブエムタンシン)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、KYPROLIS(カルフィルゾミブ)、LIPODOX(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、LUPRON(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-3 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-4 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-PED(酢酸ロイプロリド)、MEGACE(酢酸メゲストロール)、MEKINIST(トラメチニブ)、METHAZOLASTONE(テモゾロミド)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MITOXANTRONE HYDROCHLORIDE、MITOZYTREX(マイトマイシンc)、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MUTAMYCIN(マイトマイシンc)、MYLOSAR(アザシチジン)、NAVELBINE(ビノレルビン酒石酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、NEXAVAR(ソラフェニブトシル酸塩)、NOLVADEX(タモキシフェンクエン酸塩)、NOVALDEX(タモキシフェンクエン酸塩)、OFF、PAD、PARAPLAT(カルボプラチン)、PARAPLATIN(カルボプラチン)、PEG-INTRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、PEMETREXED DISODIUM、PERJETA(ペルツズマブ)、PLATINOL(シスプラチン)、PLATINOL-AQ(シスプラチン)、POMALYST(ポマリドミド)、プレドニゾン、PROLEUKIN(アルデスロイキン)、PROLIA(デノスマブ)、PROVENGE(シプリューセル−t)、REVLIMID(レナリドミド)、RUBIDOMYCIN(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、STIVARGA(レゴラフェニブ)、SUTENT(スニチニブリンゴ酸塩)、SYLATRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、SYLVANT(シルツキシマブ)、SYNOVIR(サリドマイド)、TAC、TAFINLAR(ダブラフェニブ)、TARABINE PFS(シタラビン)、TARCEVA(エルロチニブ塩酸塩)、TASIGNA(ニロチニブ)、TAXOL(パクリタキセル)、TAXOTERE(ドセタキセル)、TEMODAR(テモゾロミド)、THALOMID(サリドマイド)、TOPOSAR(エトポシド)、TORISEL(テムシロリムス)、TPF、TRISENOX(三酸化ヒ素)、TYKERB(ラパチニブ二トシル酸塩)、VECTIBIX(パニツムマブ)、VEIP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VEPESID(エトポシド)、VIADUR(酢酸ロイプロリド)、VIDAZA(アザシチジン)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、VOTRIENT(パゾパニブ塩酸塩)、WELLCOVORIN(ロイコボリンカルシウム)、XALKORI(クリゾチニブ)、XELODA(カペシタビン)、XELOX、XGEVA(デノスマブ)、XOFIGO(塩化ラジウム223)、XTANDI(エンザルタミド)、YERVOY(イピリムマブ)、ZALTRAP(ziv-アフリベルセプト)、ZELBORAF(ベムラフェニブ)、ZOLADEX(ゴセレリン酢酸塩)、ZOMETA(ゾレドロン酸)、ZYKADIA(セリチニブ)、ZYTIGA(酢酸アビラテロン)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品はタンパク質キナーゼ阻害剤(例えばチロシンタンパク質キナーゼ阻害剤)である。ある種の態様において、追加の医薬品はSrcファミリーキナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はHCK阻害剤またはBTK阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、IRAK1、IRAK4、BMX、およびPI3Kからなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、ABL、ACK、ARG、BLK、CSK、EphB1、EphB2、FGR、FRK、FYN、SRC、YES、LCK、LYN、MAP2K5、NLK、PIP4K2C、p38a、SNRK、SRC、およびTECからなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、FGR、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(Y253F)、非リン酸化型ABL1、FRK、LYN、非リン酸化型ABL1(Q252H)、DDR1、EPHB1、ERBB4、p38−アルファ、ABL2、リン酸化型ABL1(Q252H)、SIK、EPHA8、MEK5、リン酸化型ABL1(E255K)、非リン酸化型ABL1(F317L)、FYN、LCK、EPHA2、リン酸化型ABL1(M351T)、TXK、EGFR(L858R)、EGFR(L861Q)、ERBB2、ERBB3、EPHA5、非リン酸化型ABL1(F317I)、EGFR(L747−E749del,A750P)、CSK、EPHA1、リン酸化型ABL1(F317L)、BRAF(V600E)、EGFR、自己阻害型KIT、およびEGFR(E746−A750del)からなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、非リン酸化型ABL1(F317L)、非リン酸化型ABL1(
H396P)、リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、LYN、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1、リン酸化型ABL1(Y253F)、ERBB3、FGR、FRK、p38−アルファ、非リン酸化型ABL1(F317I)、DDR1、EPHA2、リン酸化型ABL1(Q252H)、MEK5、非リン酸化型ABL1(Q252H)、ABL2、FYN、EPHB1、リン酸化型ABL1(E255K)、リン酸化型ABL1(F317L)、EPHA1、リン酸化型ABL1(M351T)、ERBB4、TXK、LCK、EPHA8、SIK、EPHA5、EGFR(L861Q)、自己阻害型CSF1R、BRAF(V600E)、BRK、CSK、KIT(D816V)、自己阻害型KIT、EGFR(L747−T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L747−E749del,A750P)、およびCSF1Rからなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、心血管剤、コレステロール降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、鎮痛剤、またはその組み合わせである。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物または医薬組成物は抗がん治療との組み合わせで投与され得、移植(例えば骨髄移植、幹細胞移植)、外科手術、放射線療法、免疫療法、および化学療法を包含するが、これらに限定されない。
さらに本開示に包摂されるのは、キット(例えば、医薬パック)である。提供されるキットは、本明細書に記載の医薬組成物または化合物、および容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/またはディスペンサーパッケージ、または他の適切な容器)を含んでもよい。いくつかの態様において、提供されるキットは、任意にさらに、本明細書に記載の医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための薬学的賦形剤を含有する、第2の容器を含んでもよい。いくつかの態様において、第1の容器および第2の容器内に提供される、本明細書に記載の医薬組成物または化合物は、混合されて1単位剤形を形成する。
ある種の態様において、本明細書に記載されるキットは、本明細書に記載される化合物または医薬組成物を含む第1の容器を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載されるキットは、その必要がある対象における増殖性疾患(例えば骨髄異形成、白血病、リンパ腫(例えばワルデンストレームマクログロブリン血症))を処置すること、その必要がある対象における増殖性疾患を防止すること、対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えばHCK、BTK)の活性を阻害すること、および/または、細胞にアポトーシスを誘導することに有用である。
ある種の態様において、本明細書に記載されるキットは、キットに包含される化合物または医薬組成物を用いるための説明書をさらに包含する。本明細書に記載されるキットは、U.S.食品医薬品局(FDA)などの規制当局によって要求される情報をもまた包含する。ある種の態様において、キットに包含される情報は処方情報である。ある種の態様において、キットおよび説明書は、その必要がある対象における増殖性疾患を処置すること、その必要がある対象における増殖性疾患を防止すること、対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えばHCK、BTK)の活性を阻害すること、および/または細胞のアポトーシスを誘導することに備える。本明細書に記載されるキットは、本明細書に記載される1つ以上の追加の医薬品を別個の組成物として包含し得る。
処置の方法
本明細書に記載される化合物は、
・キナーゼ阻害活性を発揮、
・トランスフォーミング成長因子b活性化キナーゼ−1(TAK1)、造血細胞キナーゼ(HCK)、もしくはTAK1およびHCK両方を阻害する能力を発揮、
・ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、キナーゼのv−src肉腫(シュミット−ルピンA−2)ウイルス癌遺伝子ホモログ(SRC)ファミリー、もしくはBTKおよびSRC両方を阻害する能力を発揮、
・in vitroで維持されたワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)細胞株に対して、もしくは科学的に受入れられるがん細胞ゼノグラフトモデルを用いた動物研究において、細胞傷害性もしくは成長阻害効果を発揮、および/または
・既存の化学療法剤よりも優れた治療プロファイル(例えば、最適な安全性および治癒効果)を発揮し得る。
いずれかの特定の理論によって拘束されようとするものではないが、本明細書に記載される化合物は、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼに結合する(例えば、共有結合的に結合する)能力があり得る。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物のRA10、RB9、またはRC9基はタンパク質キナーゼに結合する(例えば、共有結合的に結合する)能力がある。
別の側面において、本開示は対象におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、対象に本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量(例えば治療有効量)を投与することを含む。
別の側面において、本開示は生体サンプルにおけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、生体サンプルを本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量と接触させることを含む。
別の側面において、本開示は組織におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、組織を本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量と接触させることを含む。
別の側面において、本開示は細胞におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、細胞を本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量と接触させることを含む。
いくつかの態様において、タンパク質キナーゼはmyeloid differentiation primary response gene (88)(MYD88)シグナル伝達経路に包含される。ある種の態様において、タンパク質キナーゼはSrcファミリーキナーゼ、例えば造血細胞キナーゼ(HCK)である。ある種の態様において、タンパク質キナーゼはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)である。ある種の態様において、タンパク質キナーゼはIRAK1、IRAK4、BMX、またはPI3Kである。
MYD88は、TLR−3を例外として、Toll様受容体(TLR)およびインターロイキン−1受容体(IL−1R)シグナル伝達のアダプター分子である。TLRまたはIL−1R刺激後に、MYD88はホモ二量体として活性化した受容体複合体にリクルートされ、これはそれからインターロイキン−1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)と複合体化し、IRAK1およびIRAK2を活性化する。それから、腫瘍壊死因子受容体関連因子6(TRAF6)がIRAK1によって活性化され、IκBαリン酸化を介してNFκB活性化に至る。
トランスフォーミング成長因子b活性化キナーゼ−1(TAK1;MAP3K7としてもまた知られている)はセリン/トレオニンタンパク質キナーゼファミリーの構成要素である。このキナーゼはTGFベータおよび形成タンパク質(BMP)によって誘導されるシグナル伝達を媒介し、転写制御およびアポトーシスを包含する種々の細胞機能をコントロールする。TAK1ノックアウトはマウスにとって胚致死性である。成体マウスにおけるTAK1の条件的ノックダウンは、全身性の炎症、脾腫、心臓、腎臓、および肝臓の変性、ならびに骨髄前駆細胞の増大した増殖および分化をもたらす。TAK1はMyd88、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、およびインターロイキン−1受容体関連キナーゼ(IRAK)の下流に位置し、自然免疫、炎症応答、およびRas依存性のがんにおけるその役割について調べられている。
HCKは造血細胞に見いだされる非受容体型チロシンタンパク質キナーゼであり、B細胞受容体による活性化によってブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)と相互作用することが知られている(Proc Natl Acad Sci U S A. 1994 August 16; 91(17): 8152-8155)。HCKは細胞表面受容体からのシグナルを伝え、好中球、単球、マクロファージおよびマスト細胞の機能、食作用、細胞生存および増殖、細胞接着、ならびに遊走を包含する自然免疫応答の制御に重要な役割を果たす。これは、イムノグロブリンのFc領域に結合する受容体、例えばFCGR1AおよびFCGR2Aの下流で作用するが、CSF3R、PLAUR、IFNG、IL2、IL6およびIL8の受容体、ならびにインテグリン、例えばITGB1およびITGB2の下流でもまた作用する。食作用プロセスの間に、これは分泌型リソソームの動員、脱顆粒、およびNADPHオキシダーゼの活性化を媒介して、呼吸バーストをもたらす。これは炎症性分子の放出にもまた役割を果たし、アクチン細胞骨格の再編成およびアクチン重合、ならびにポドソームおよび細胞突起の形成を促進する。
BTKは、Tリンパ球およびナチュラルキラー細胞を例外として全ての造血細胞の型において発現する鍵シグナル伝達酵素である。BTKはB細胞シグナル伝達経路に必須の役割を果たし、細胞表面B細胞受容体BCRの刺激を下流の細胞内応答にリンクする。BTKはB細胞の発生活性化シグナル伝達および生存の鍵制御因子である(Kurosaki, Curr. Op. Imm., 2000, 276-281; Schaeffer and Schwartzberg, Curr. Op. Imm., 2000, 282-288)。加えて、BTKは、いくつもの他の造血細胞シグナル伝達経路、例えば、マクロファージにおけるToll様受容体(TLR)およびサイトカイン受容体によって媒介されるTNF−α産生、マスト細胞におけるIgE受容体(FcイプシロンRI)シグナル伝達、B系譜リンパ細胞におけるFas/APO−1アポトーシスシグナル伝達の阻害、ならびにコラーゲンによって刺激される血小板凝集に役割を果たす。例えば、C.A. Jeffries, et al., J. Biol. Chem., 2003, 278, 26258-26264、N.J. Horwood, et al., J. Exp. Med., 2003, 197, 1603-1611、Iwaki et al., J. Biol. Chem., 2005, 280(48), 40261-40270、Vassilev et al., J. Biol. Chem., 1999, 274(3), 1646-1656、およびQuek et al., Curr. Biol., 1998, 8(20), 1137-1140を参照。活性化したBtkはMyD88およびTRIFと相互作用し、MyD88依存性およびTRIF依存性経路の活性化を促進する(Nature Immunology, 2011, 12, 416-424)。BTK阻害剤は当該技術分野において周知であり、例えばイブルチニブおよびベンゾナフチリジノンを包含する(2012年10月19日出願のU.S.仮特許出願U.S.S.N.61/716,273を参照)。BTK阻害剤の追加の限定しない例は、WO1999/054286、WO2013/010380、WO2009/137596、WO2011/029043、WO2010/056875、WO2000/056737、およびWO2013/067277に開示されている。
IRAK1およびIRAK4はセリン/トレオニンタンパク質キナーゼであり、これらは外来性病原体に対する自然免疫応答を開始させることに決定的な役割を果たす。それらはToll様受容体(TLR)およびIL−1Rシグナル伝達経路に包含され、TLR活性化時には、MYD88によって受容体−シグナル伝達複合体に急速にリクルートされる。MYD88との結合は、IRAK4によるIRAK1リン酸化と、IRAK1の爾後の自己リン酸化およびキナーゼ活性化とに至る(Immunity, 1997, 7(6), 837-47)。IRAK4−/−マウスは種々のIL−1およびTLRリガンドに対して廃絶した細胞応答を有し、ウイルスおよび細菌の攻撃に対するそれらの応答が重度に損なわれている。IRAK1−/−マウスは同様だが部分的な応答を示す。IRAK1およびIRAK4阻害剤は当該技術分野において周知であり、例えばWO2003/030902、WO2012/007375、GM Buckely et al. Biorg. Med. Chem. Lett. 2008 18 3211-3214、およびGM Buckely et al. Biorg. Med. Chem. Lett. 2008 18 3656-3660、WO2013/074986、およびU.S.61/727,640に開示されているものを包含する。
「X染色体上の骨髄(Bone Marrow on X chromosome)」キナーゼ(BMX、ETKともまた呼ばれる)は非受容体型チロシンキナーゼであり、ホスファチジルイノシトール−3キナーゼ(PI−3K)およびv−src肉腫(シュミット−ルピンA−2)ウイルス癌遺伝子ホモログ(SRC)の下流で活性化されるが、その基質は不明である。ポジショナルスキャニングペプチドライブラリースクリーニングは、−1位におけるプライミングリン酸化チロシン(pY)に対する顕著な選好性を判明させた。潜在的な基質は、十分な活性のために要求されるキナーゼドメインpYpY部位がある複数のチロシンキナーゼを包含する。BMXは、SRCによるY576リン酸化の爾後に接着斑キナーゼ(FAK)の残基Y577をリン酸化することが見いだされている。加えて、RNA干渉によるBMXのロスおよびBmxマイナス(Bmx)マウスからのマウス胚線維芽細胞(MEF)は、損なわれたFAKシグナル伝達を見せた。インスリン受容体(IR)リン酸化は、BMXのロスによって同様に低下し、Bmxマウスにおける肝臓IRリン酸化もそうであった。しかしながら、AKTホスファターゼPHLPPの活性の顕著な代償的な低下を反映して、耐糖能は増大した。これらの知見は、BMXが複数のキナーゼ経路の中心的な制御因子として機能する機構を判明させている。BMX阻害剤は当該技術分野において周知であり、U.S.S.N.61/716,273および61/717,345に開示されているものを包含し、これらの両方の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3キナーゼまたはPI3K)は細胞成長、増殖、分化、運動性、生存、および細胞内トラフィックなどの細胞機能に包含される酵素のファミリーであり、それらは翻ってがんに包含される。PI3Kは関連する細胞内シグナル伝達酵素のファミリーであり、ホスファチジルイノシトール(Ptdlns)のイノシトール環の3位ヒドロキシル基をリン酸化することができる。ホスファチジルイノシトール3キナーゼは85kDa制御サブユニットおよび110kDa触媒サブユニットから構成される。PI3KCA遺伝子によってコードされるタンパク質は触媒サブユニットを表し、これはATPを用いてホスファチジルイノシトール(Ptdlns)、Ptdlns4P、およびPtdlns(4,5)P2をリン酸化する。PI3K阻害剤は当分野において周知であり、例えば、参照によって本明細書に組み込まれるWO2013/088404、WO2012/068096、およびWO2013/052699に開示されているものを包含する。ある種の態様において、タンパク質キナーゼの活性は本明細書に記載される化合物または医薬組成物によって少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%だけ阻害される。ある種の態様において、タンパク質キナーゼの活性は本明細書に記載される化合物または医薬組成物によって90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、または10%以下だけ阻害される。上で参照された範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも10%かつ50%以下)もまた本開示の範囲内である。
いくつかの態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼの活性は、異なるタンパク質(例えば、異なるタンパク質キナーゼ)の活性と比較して本明細書に記載される化合物または医薬組成物によって選択的に阻害される。ある種の態様において、Srcファミリーキナーゼ(例えばHCK)の活性は、異なるタンパク質の活性と比較して本明細書に記載される化合物または医薬組成物によって選択的に阻害される。ある種の態様において、BTKの活性は、異なるタンパク質の活性と比較して本明細書に記載される化合物または医薬組成物によって選択的に阻害される。
異なるタンパク質(例えば、異なるタンパク質キナーゼ)に対して、あるタンパク質キナーゼの活性を阻害する際の本明細書に記載される化合物または医薬組成物の選択性は、タンパク質キナーゼの活性を阻害する際の化合物または医薬組成物のIC50値で割った異なるタンパク質の活性を阻害する際の化合物または医薬組成物のIC50値の商によって測定され得る。異なるタンパク質に対して、あるタンパク質キナーゼについての本明細書に記載される化合物または医薬組成物の選択性は、化合物または医薬組成物とタンパク質キナーゼとのアダクトのK値で割った化合物または医薬組成物と異なるタンパク質とのアダクトのK値の商によって測定され得る。ある種の態様において、選択性は少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも30倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、少なくとも1,000倍、少なくとも3,000倍、少なくとも10,000倍、少なくとも30,000倍、または少なくとも100,000倍である。ある種の態様において、選択性は100,000倍以下、10,000倍以下、1,000倍以下、100倍以下、10倍以下、または2倍以下である。上で参照された範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも2倍かつ10,000倍以下)もまた本開示の範囲内である。
いくつかの態様において、タンパク質キナーゼの活性は本明細書に記載される化合物または医薬組成物によって非選択的に阻害される。
ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼの活性は異常である。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼの活性は増大している。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼの活性は正常な(すなわち非がん性の)細胞と比較して増大している。
いくつかの増殖性疾患、例えばMYD88のL265Pによって駆動されるワルデンストレームマクログロブリン血症においては、ある種のタンパク質キナーゼ(例えば、Srcファミリーキナーゼ(例えばHCK)、BTK)が活性化している。それゆえに、化合物および医薬組成物は、例えばタンパク質キナーゼの活性を阻害することによって、増殖性疾患を処置および/または防止することに有用であり得る。
本開示の別の側面は、その必要がある対象における増殖性疾患を処置する方法に関し、方法は、対象に本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量(例えば治療有効量)を投与することを含む。
本開示の別の側面は、その必要がある対象における増殖性疾患を防止する方法に関し、方法は、対象に本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量(例えば予防有効量)を投与することを含む。
ある種の態様において、化合物および医薬組成物は、増殖性疾患、例えばMYD88に関連した増殖性疾患を処置および/または防止することに有用である。MYD88遺伝子は多くの増殖性疾患に関わっている。病理が恒常的に活性なNFκBに拠っているDLBCLの特に進行性の亜型、活性化B細胞型びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC−DLBCL)は、高頻度でMYD88変異体に関連している。MYD88の変異体を含有する腫瘍サンプルの39%およびそれらの変異体の29%は、位置265のロイシンからプロリンの1ヌクレオチド変化(L265P)をもたらす(Ngo et al., Nature. 2011 Feb 3; 470(7332):115-9)。リンパ腫細胞株におけるMYD88のshRNAノックダウンは、MYD88変異体がそれらの生存および高いNFκB転写因子活性にとって決定的であるということを明証した(Ngo et al., Nature. 2011 Feb 3; 470(7332):115-9)。IRAK1の高リン酸化型アイソフォームはMYD88のL265P変異体形態に強く関連しており、この変異が下流のIRAKの恒常的活性化に至る機能獲得型変異体であるということを示唆した(Ngo et al., Nature. 2011 Feb 3; 470(7332):115-9)。L265P変異体の効果は、増大したNFκB活性、ならびに増大したJAK−STAT3シグナル伝達、ならびにIL−6、IL−10、およびIFN−βなどの炎症性サイトカインの産生を包含する(Ngo et al., Nature. 2011 Feb 3; 470(7332):115-9)。それらのサイトカインの産生は、リンパ腫細胞の生存を強める自己分泌ループの部分として、JAK−STAT3シグナル伝達をさらに活性化する(Lam et al., Blood. 2008 Apr 1; 111(7):3701-13; Ding et al., Blood. 2008 Feb 1; 111(3):1515-23)。
その後、MYD88変異体はいくつもの他のヒト悪性腫瘍において見られており、L265P変異体はワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)のほぼ100%、慢性リンパ性白血病(CLL)の2〜10%、皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(CBCL)の69%、および原発性中枢神経系リンパ腫(PCNSL)の38%に見いだされる(Wang et al., Blood Lymphat Cancer (2013) 2013:53-6110)。しかしながら、腫瘍成長に及ぼす単一のMYD88のL265P変異体の効果は、同じ悪性クローンにおける他の潜在的な不利な変異の蓄積によって混乱している。近年、他の点では正常な成熟B細胞における単一のMYD88変異体の効果を研究するためのレトロウイルス遺伝子移入戦略は、MYD88のL265P変異体単独がマイトジェン非依存性のB細胞増殖の限定されたラウンドをin vitroおよびinvivo両方で駆動する能力があるということを見いだした(Wang et al., J Exp Med. 2014 Mar 10; 211(3):413-26)。それでもやはり、Unc93b13d変異またはTlr9欠損はMYD88のL265PのB細胞の増殖をin vitroで阻害したので、B細胞増殖への駆動は無傷の核酸感知toll様受容体(TLR)活性に依存的であった(Wang et al., J Exp Med (2014) 211:413−2610)。他の研究もまた、ABC−DLBCL株においてUNC91B1、PRAT4A、およびCD14の枯渇化を用いること、ならびにTLR7およびTLR9に対する薬理学的阻害剤を用いることによって、発癌性のMYD88がTLRに依存するということを示した(Lim et al. In: Proceedings of the 104th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research; 2013 Apr 6-10; Washington, DC. Philadelphia: AACR; Cancer Res; (2013) 73(8 Suppl):Abst 2332.10.1158/1538-7445.AM2013-2332)。無傷のTLR活性がMYD88変異体を保有するリンパ腫細胞にとって決定的であるということを考えると、この経路を標的とすることは、それらの悪性腫瘍を処置することにとって魅力的であるように見える。実際に、クロロキンを用いてエンドソーム酸性化をブロックすることは、MYD88のL265P変異体によって駆動されるB細胞増殖をin vitroで選択的に阻害する(Wang et al., J Exp Med (2014) 211:413−2610)。
ある種の態様において、本明細書に記載される対象はWMを有すると診断される。対象はWMの1つ以上の徴候、症状、または臨床的特徴を呈し得、貧血、過粘稠、ニューロパチー、凝血異常、脾腫、肝腫大、アデノパシー、およびIgM血清パラプロテインを包含する。ある種の態様において、対象は、対象が染色体3p22.2の位置38182641に変異を有するということに基づいて、WMを有すると診断される。いくつかの態様において、変異はMYD88遺伝子のTからCの1ヌクレオチド変化をもたらす。いくつかの態様において、変異は、MYD88遺伝子の位置265のロイシンからプロリンのアミノ酸変化をもたらす。変異は対象から得られた生体サンプルにおいて当該技術分野において知られているいずれかの好適な方法を用いて検出され得、核酸分子の直接的シーケンシング、HPLC分析、DNAチップテクノロジー、および質量分析を包含するが、これに限定されない。
ある種の態様において、本明細書に記載される方法によって処置および/または防止される増殖性疾患は、MYD88変異体(例えばMYD88のL265P変異体)に関連した増殖性疾患である。ある種の態様において、増殖性疾患はがんである。ある種の態様において、増殖性疾患は血液悪性腫瘍である。ある種の態様において、増殖性疾患は骨髄異形成である。ある種の態様において、増殖性疾患は白血病である。ある種の態様において、増殖性疾患は慢性リンパ性白血病(CLL)である。ある種の態様において、増殖性疾患はリンパ腫である。ある種の態様において、増殖性疾患はワルデンストレームマクログロブリン血症である。ある種の態様において、増殖性疾患は活性化B細胞(ABC)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、中枢神経系(CNS)リンパ腫(例えば原発性CNSリンパ腫、続発性CNSリンパ腫)、免疫特権部位のリンパ腫、精巣リンパ腫、または辺縁帯リンパ腫である。ある種の態様において、増殖性疾患は脳リンパ腫、眼内リンパ腫、胎盤のリンパ腫、または胎児のリンパ腫である。ある種の態様において、増殖性疾患は良性新生物である。ある種の態様において、増殖性疾患は病的血管新生である。ある種の態様において、増殖性疾患は炎症性疾患である。ある種の態様において、増殖性疾患は自己免疫疾患である。
ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、対象に追加の医薬品を投与することをさらに包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、生体サンプルを追加の医薬品と接触させることをさらに包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、組織を追加の医薬品と接触させることをさらに包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される方法は、細胞を追加の医薬品と接触させることをさらに包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される方法は放射線療法、免疫療法、および/または移植(例えば骨髄移植)をさらに包含する。
本開示の別の側面は細胞にアポトーシスを誘導する方法に関し、方法は、細胞を本明細書に記載される化合物または医薬組成物の有効量と接触させることを含む。いずれかの特定の理論によって拘束されようとするものではないが、本明細書に記載される化合物および医薬組成物は、悪性細胞(例えば、増殖および/または生存がMYD88のL265P発現によって駆動される悪性細胞)などの細胞の増殖を阻害するおよび/または殺す能力があり得る。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物または医薬組成物は、細胞の増殖を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも70%、または少なくとも90%だけ阻害する。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物または医薬組成物は、細胞の増殖を10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、70%以下、または90%以下だけ阻害する。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物または医薬組成物は少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも70%、または少なくとも90%の細胞を殺す。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物または医薬組成物は、10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、70%以下、または90%以下の細胞を殺す。上で参照された範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも10%かつ50%以下)もまた本開示の範囲内である。
化合物のライブラリーをスクリーニングする方法
本開示の別の側面は、本開示の方法に有用である化合物またはその薬学的に許容し得る塩を同定するために、化合物およびその薬学的に許容し得る塩のライブラリーをスクリーニングする方法に関する。ある種の態様において、ライブラリーをスクリーニングする方法は、本明細書に記載される少なくとも2つの異なる化合物を得ることと、本明細書に記載される異なる化合物を用いて少なくとも1つのアッセイを行うこととを包含する。ある種の態様において、少なくとも1つのアッセイは、記載される方法に有用である化合物を同定することに有用である。
典型的には、化合物のライブラリーをスクリーニングする方法は、少なくとも1つのアッセイを包含する。ある種の態様において、アッセイは、その必要がある対象における増殖性疾患(例えば、骨髄異形成、白血病、リンパ腫(例えばワルデンストレームマクログロブリン血症))の処置、その必要がある対象における増殖性疾患(例えば、骨髄異形成、白血病、リンパ腫(例えばワルデンストレームマクログロブリン血症))の防止、対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えばHCK、BTK)の活性の阻害、および/または細胞のアポトーシスの誘導に関連した1つ以上の特徴を検出するために行われる。特徴は、望ましい特徴であり得る(例えば、対象における増殖性疾患が処置されたこと、対象が増殖性疾患を有することを防止されたこと、対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、HCK、BTK)の活性が阻害されたこと、および/または細胞にアポトーシスが誘導されたこと)。特徴は、望ましくない特徴であり得る(例えば、対象における増殖性疾患が処置されなかったこと、対象が増殖性疾患を有することを防止されなかったこと、対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、HCK、BTK)の活性が阻害されなかったこと、および/または細胞にアポトーシスが誘導されなかったこと)。アッセイは、サンドイッチ型アッセイ、競合的結合アッセイ、ワンステップ直接試験、ツーステップ試験、またはブロットアッセイなどのイムノアッセイであり得る。少なくとも1つのアッセイを行うステップは、ロボットでまたはマニュアルで行われ得る。ある種の態様において、アッセイは、(a)化合物のライブラリーをタンパク質キナーゼと接触させることと(b)タンパク質キナーゼへの化合物のライブラリーの結合を検出することとを含む。ある種の態様において、アッセイは、タンパク質キナーゼへの化合物のライブラリーの特異的結合を検出することを含む。ある種の態様において、タンパク質キナーゼへの化合物のライブラリーの検出された結合は、本開示の方法に有用である化合物を同定することに有用である。ある種の態様において、結合を検出するステップは、示差走査蛍光定量法(DSF)、等温滴定熱量測定(ITC)、および/または増幅型ルミネッセンスプロキシミティホモジニアスアッセイ(ALPHA)を用いることを含む。少なくとも1つのアッセイを行うステップは、in vitro、ex vivo、またはin vivoの細胞に行われ得る。ある種の態様において、少なくとも1つのアッセイを行うステップはin vitroの細胞に行われる。ある種の態様において、アッセイは、(a)化合物のライブラリーを細胞と接触させることと(b)細胞増殖の低下、細胞死の増大、および/または細胞分化の増大を検出することとを含む。
使用
別の側面において、本開示は、本開示の方法への使用のために本明細書に記載される化合物を提供する。
尚別の側面において、本開示は、本開示の方法への使用のために本明細書に記載される医薬組成物を提供する。
尚別の側面において、本開示は、本開示の方法への本明細書に記載される化合物の使用を提供する。
さらに別の側面において、本開示は、本開示の方法への本明細書に記載される医薬組成物の使用を提供する。

本開示のより完全な理解のために、以下の例を記載する。本出願に記載の合成例および生物学的例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物、および方法を説明するために提供され、いかなるやり方においてもその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
化合物の調製
本明細書において提供される化合物は、すぐに入手可能な出発材料から次の一般的な方法および手順(例えば例1〜21)を用いて調製され得る。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられているところでは、別様に記載されない限り他のプロセス条件もまた用いられ得る。最適な反応条件は用いられる特定の反応物または溶媒によって変わり得るが、かかる条件は当業者によって通例の最適化手順によって決定され得る。
本明細書に記載される例示的な化合物を調製するための一般的な方法および材料
次の一般的な方法および材料は独立して例1〜21のいずれか1つに適用可能であり得る。市販の試薬および溶媒はさらなる精製なしに用いた。全ての反応は、0.25mmのE. Merckプレコートシリカゲルプレート(60 F254)による薄層クロマトグラフィー(TLC)、および/またはSunFire(商標)C18カラム(4.6×50mm、5μm粒径)を用いたWatersのLCMSシステム(Waters 2489 UV/可視検出器、Waters 3100 Mass、Waters 515 HPLCポンプ、Waters 2545バイナリーグラジエントモジュール、Waters試薬マネージャ、Waters 2767 サンプルマネージャ)によってモニターした。方法A:溶媒のグラジエント=0minで97%A、5minで0%A、溶媒A=水中の0.035%TFA、溶媒B=MeOH中の0.035%TFA、流量2.5mL/min。反応生成物の精製は、Teledyne Isco RediSep(登録商標)Rf High Performance GoldまたはSilicycle SiliaSep(商標)High Performanceカラム(4g、12g、または24g)のCombiFlash(登録商標)Rfを用いたフラッシュクロマトグラフィー、およびSunFire(商標)Prep C18カラム(19×50mm、5μm粒径)を用いたWatersのLCMSシステムによって実施した。溶媒のグラジエント=0minで100%A、6minで20%、溶媒A=水中の0.035%TFA、溶媒B=MeOH中の0.035%TFA、流量25mL/min。全ての化合物の純度は95%超であり、WatersのLCMSシステムによって分析した。H−NMRスペクトルはVarian Inova-500または600(H−NMRで500または600MHz)スペクトロメータを用いて得た。化学シフトはH−NMRについてクロロホルム(δ=7.26)またはジメチルスルホキシド(δ=2.50)と相対的に報告している。データは(br=幅広、s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線)として報告している。
芳香族求核置換反応のための一般的な手順I
次の一般的な手順Iは独立して例1〜21のいずれか1つに適用可能であり得る。マイクロウェーブバイアルに2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド(1eq)、アミンアナログ(2eq)、および無水sec−ブタノール(0.05M)を仕込んだ。バイアルを密封し、反応が完了に達するまで、バイオタージInitiatorマイクロウェーブによって160℃で加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をDCM中に再溶解し、TFAを追加し、反応混合物を常温で2h撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用HPLCによって精製した。
アクリルアミド形成のための一般的な手順II
次の一般的な手順IIは独立して例1〜21のいずれか1つに適用可能であり得る。アミン中間体(1eq)をTHFおよび飽和NaHCO水溶液の1:1混合物中に溶解し、0℃まで冷却した。撹拌混合物に、THF中の塩化アクリロイル(3eq)の希溶液を追加し、反応を0℃で撹拌し、徐々に常温まで温めた。30min後に、反応を酢酸エチルによって2回抽出し、有機抽出物を組み合わせ、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCによって直接的に精製した。

例1.(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
メチル2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキシレート
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(75ml)中の2−クロロピリミジン−4−アミン(5.0g、38.5mmol)およびメチル2−クロロチアゾール−5−カルボキシレート(6.85g、38.5mmol、1当量(eq))の混合物の溶液を0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(ミネラルオイル中の60%w/w、3.1g、76.9mmol、2eq)によって5minかけて少しずつ処置した。反応混合物を0℃で1h撹拌し、常温までさらなる1h温めた。混合物を飽和塩化アンモニウム、次に飽和NaCO水溶液によって、pH9に達するまで処置し、もたらされた混合物をジクロロメタンおよび酢酸エチルの1:1混合物によって抽出した。有機抽出物を組み合わせ、疎水性フリットを用いて乾燥し、減圧下でエバポレーションした。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を灰白色固体として与えた。LCMS retention time (RT): 2.70 (Method A), Mass m/z: 270.99 (M+1).

2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボン酸
THF/HOの1:1混合物(15mL)中のメチル2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキシレート(1g、3.7mmol)の溶液に、LiOH一水和物(2.6g、29.6mmol、8eq)を追加し、反応混合物を常温で12h撹拌した。12h後に、反応混合物を減圧下で濃縮し、0℃まで冷却し、pH6に達するまで濃HClを滴下した。沈殿物を濾過し、冷水によって洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥して、標記化合物を白色固体として与えた。LCMS RT: 2.13 (Method A), Mass m/z: 257.05 (M+1).

2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド
トルエン(1mL)中の2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボン酸(50mg、0.195mmol)の溶液に、塩化チオニル(2.26mL、1.95mmol、10eq)を追加した。反応混合物を90℃で3h撹拌し、室温(rt)まで冷却し、減圧下で濃縮した。クルードを1,2−ジクロロエタン(DCE、1mL)中に溶解し、2,6−ジメチルアニリン(48μL、0.390mmol、2eq)およびDIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン、68μL、0.390mmol、2eq)を追加した。反応混合物を80℃で12h撹拌し、常温まで冷却し、水を追加した。混合物をイソプロパノール/クロロホルム(1:4)によって3回抽出し、有機抽出物を組み合わせ、ブラインによって洗浄し、NaSOによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を黄色がかった固体として与えた。LCMS RT: 2.95 (Method A), Mass m/z: 360.22 (M+1).

N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキサミド
N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボン酸および2−クロロ−6−メチルアニリンから同じ手順を用いて調製した。LCMS RT: 2.98 (Method A), Mass m/z: 380.26 (M+1).

(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド
(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル(S)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIを用いて調製した。LCMS RT: 2.23 (Method A), Mass m/z: 464.48 (M+1).

例2.(S)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−((2−((1−プロピオニルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
(S)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−((2−((1−プロピオニルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド、tert−ブチル(S)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシレート、および塩化プロピオニルから、一般的な手順IおよびIIを用いて調製した。LCMS RT: 2.28 (Method A), Mass m/z: 466.62 (M+1). 1H NMR (400 MHz, ) δ 12.47 (s, 1H), 9.77 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.38 - 8.28 (m, 1H), 8.08 (dd, J = 6.4, 3.1 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 1.8 Hz, 3H), 6.44 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 98.4 Hz, 1H), 3.97 - 2.94 (m, 3H), 2.28 - 2.21 (m, 1H), 2.19 (d, J = 2.0 Hz, 6H), 2.08 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 1.97 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 1.01 - 0.91 (m, 3H), 0.91 - 0.78 (m, 2H).

例3.(R)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
(R)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル(R)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIを用いて調製した。LCMS RT: 2.23 (Method A), Mass m/z: 464.54 (M+1). 1H NMR (400 MHz, ) δ 12.47 (s, 1H), 9.77 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.33 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.12 (s, 3H), 6.66 - 6.40 (m, 2H), 6.12 (ddd, J = 17.3, 5.8, 2.5 Hz, 1H), 5.71 - 5.59 (m, 1H), 4.57 (d, J = 69.4 Hz, 1H), 4.04 - 2.75 (m, 3H), 2.19 (s, 6H), 2.35 - 1.93 (m, 1H), 1.33 - 0.66 (m, 2H).

例4.(R)−2−((2−((1−アクリロイルピペリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
(R)−2−((2−((1−アクリロイルピペリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル(R)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIを用いて調製した。LCMS RT: 2.10 (Method A), Mass m/z: 478.53 (M+1).

例5.2−((2−((1−アクリロイルアゼパン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
2−((2−((1−アクリロイルアゼパン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル3−アミノアゼパン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIを用いて調製した。LCMS RT: 2.50 (Method A), Mass m/z: 492.59 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.80 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.09 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 7.13 (s, 3H), 6.78 (dd, J = 16.6, 10.5 Hz, 1H), 6.45 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 6.06 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 5.64 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.48 (s, 1H), 3.42 (s, 5H), 2.19 (s, 6H), 1.80-1.50 (m, 4H), 1.23 (m, 1H), 0.84 (m, 1H).

例6.2−((2−(((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
2−((2−(((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)メチル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル3−(アミノメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIを用いて調製した。LCMS RT: 2.25 (Method A), Mass m/z: 478.60 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.56 (s, 1H), 9.83 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.06 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 7.14 (s, 3H), 6.52 (dd, J = 16.8, 9.2 Hz, 1H), 6.42 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 6.11 - 5.99 (m, 1H), 5.60 - 5.40 (m, 1H), 4.00 - 2.97 (m, 4H), 2.82 - 2.54 (m, 1H), 2.20 (s, 6H, overlap), 2.17 - 1.97 (m, 1H), 1.87 - 1.55 (m, 1H), 1.24 (m, 1H), 0.85 (d, J = 7.2 Hz, 1H).

例7.(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6-メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル(S)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIを用いて調製した。LCMS RT: 2.25 (Method A), Mass m/z: 484.52 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.99 (s, 1H), 8.43 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.44 - 7.31 (m, 1H), 7.31 - 7.17 (m, 2H), 6.34 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 6.23 - 6.02 (m, 2H), 5.58 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 3.43 (s, 4H), 2.21 (s, 4H), 1.95 (s, 1H), 1.36 - 1.02 (m, 1H), 0.82 (s, 1H).

例8.2−((2−((1−アクリロイルアゼパン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
2−((2−((1−アクリロイルアゼパン−3−イル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル3−アミノアゼパン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIを用いて調製した。LCMS RT: 2.50 (Method A), Mass m/z: 512.69 (M+1).

例9.(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
メチル2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキシレート
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(15ml)中の2−クロロピリミジン−4−アミン(730mg、3.2mmol)およびメチル2−クロロチアゾール−5−カルボキシレート(626mg、3.5mmol、1.1eq)の混合物の溶液を0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(ミネラルオイル中の60%w/w、256mg、6.4mmol、2eq)によって5minかけて少しずつ処置した。反応混合物を0℃で1h撹拌し、常温までさらなる1h温めた。混合物を飽和塩化アンモニウム、次に飽和NaCO水溶液によってpH9に達するまで処置し、生成物をジクロロメタンおよび酢酸エチルの1:1混合物によって抽出した。有機抽出物を組み合わせ、疎水性フリットを用いて乾燥し、減圧下でエバポレーションした。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を灰白色固体として与えた。LCMS RT: 2.07 (Method A), Mass m/z: 370.37 (M+1).

2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボン酸
THF/HO(1:2混合物、6mL)中のメチル2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボキシレート(190mg、0.51mmol)の溶液に、LiOH一水和物(32mg、0.77mmol、1.5eq)を一度に追加し、反応混合物を常温で12h撹拌した。12h後に、反応混合物を減圧下で濃縮し、0℃まで冷却し、pH6に達するまで濃HClを滴下した。沈殿物を濾過し、冷水によって洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥して、標記化合物を白色固体として与えた。LCMS RT: 1.67 (Method A), Mass m/z: 356.24 (M+1).

2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド
トルエン(3mL)中の2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボン酸(175mg、0.49mmol)の溶液に、塩化チオニル(5.68mL、4.9mmol、10eq)を追加した。室温まで冷却する前に反応混合物を90℃で3h撹拌し、減圧下で濃縮した。クルードをDCEおよび2,6−ジメチルアニリン中に溶解し、DIPEAを追加した。常温まで冷却する前に反応混合物を80℃で12h撹拌し、水を追加した。混合物をイソプロパノール/クロロホルム(1:4)によって3回抽出し、有機抽出物を組み合わせ、ブラインによって洗浄し、NaSOによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を黄色がかった固体として与えた。LCMS RT: 2.23 (Method A), Mass m/z: 479.48 (M+1).

2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド
2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)チアゾール−5−カルボン酸および2−クロロ−6−メチルアニリンから同じ手順を用いて調製した。

(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド
(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル(S)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIに従って調製した。LCMS RT: 2.10 (Method A), Mass m/z: 563.55 (M+1).

例10.(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6-メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
(S)−2−((2−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)アミノ)−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、2−((2−クロロ−6−(モルホリノメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドおよびtert−ブチル(S)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIに従って調製した。LCMS RT: 2.17 (Method A), Mass m/z: 583.52 (M+1).

例11.2−((1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
tert−ブチル3−((3−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート
DMF(25mL)中のtert−ブチル3−((((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.47g、4.98mmol)および3−ニトロ−1H−ピラゾール(619mg、5.48mmol、1.1eq)の溶液に、KCO(2.06g、14.94mmol、3eq)を一度に追加し、反応混合物を60℃で12h撹拌した。混合物を常温まで冷却し、酢酸エチルによって抽出し、組み合わせた抽出物を水、1NのHCl、およびブラインによって洗浄し、NaSOによって乾燥し、減圧下で濃縮して、標記化合物をクルードとして与え、直接的に次のステップに用いた。LCMS RT: 3.78 (Method A), Mass m/z: 300.06 (M+1).

tert−ブチル3−((3−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル3−((3−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートをエタノール中に溶解し、10wt%Pd/Cを溶液に追加し、反応混合物をH雰囲気下で常温において3h撹拌した。懸濁液をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物を与えた。LCMS RT: 1.97 (Method A), Mass m/z: 267.33 (M+1).

tert−ブチル3−((3−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル3−((3−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートを、tert−ブチル3−((((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートおよび3−ニトロ−1H−ピラゾールから同じ手順に従って調製した。LCMS RT: 2.18 (Method A), Mass m/z: 281.21 (M+1).

tert−ブチル3−((3−((5−((2−クロロ−6−メチルフェニル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート
sec−ブタノール(1mL)中の2−ブロモ−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド(75mg、0.23mmol)およびtert−ブチル3−((3−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(120mg、0.45mmol、2eq)の溶液に、KCO(94mg、0.68mmol、3eq)を追加した。Pd(dba)(12.4mg、0.014mmol、0.06eq)およびキサントホス(12.0mg、0.020mmol、0.09eq)を混合物に追加する前に、反応混合物をソニケーションによって脱気した。反応を80℃で3h撹拌し、濾過し、減圧下で乾燥し、残渣を調製用HPLCによって精製して、標記化合物を与えた。LCMS RT: 3.57 (Method A), Mass m/z: 517.61 (M+1).

tert−ブチル3−((3−((5−((2−クロロ−6−メチルフェニル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル3−((3−((5−((2−クロロ−6−メチルフェニル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートを、tert−ブチル3−((3−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートおよび2−ブロモ−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドから同じ手順に従って調製した。LCMS RT: 3.65 (Method A), Mass m/z: 531.66 (M+1).

tert−ブチル4−(4−((5−((2−クロロ−6−メチルフェニル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル4−(4−((5−((2−クロロ−6−メチルフェニル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを、tert−ブチル4−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートおよび2−ブロモ−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドから同じ手順に従って調製した。LCMS RT: 3.28 (Method A), Mass m/z: 517.61 (M+1).

2−((1−((1−アクリロイルピロリジン−3−イル)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド
tert−ブチル3−((3−((5−((2−クロロ−6−メチルフェニル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートをDCMおよびTFAの1:1混合物中に溶解した。反応を常温で2h撹拌し、減圧下で乾燥した。残渣をTHFおよび飽和NaHCO水溶液の1:1混合物中に溶解し、0℃まで冷却した。撹拌混合物にTHF中の塩化アクリロイルの希溶液を追加し、反応を0℃で撹拌し、徐々に常温まで温めた。30min後に、反応を酢酸エチルによって2回抽出し、有機抽出物を組み合わせ、減圧下で濃縮した。残渣を調製用HPLCによって直接的に精製して、標記化合物を与えた。LCMS RT: 2.98 (Method A), Mass m/z: 485.47 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.12 (s, 1H), 9.78 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.69 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 7.43 − 7.19 (m, 3H), 6.54 (dd, J = 16.8, 10.3 Hz, 1H), 6.07 (ddd, J = 16.9, 5.1, 2.4 Hz, 1H), 5.95 (dd, J = 9.7, 2.2 Hz, 1H), 5.61 (ddd, J = 10.2, 7.8, 2.5 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.57 − 3.40 (m, 3H), 3.25 (m, 1H), 2.80 − 2.60 (m, 1H), 2.23 (s, 3H), 1.97 (ddt, J = 41.2, 12.5, 6.3 Hz, 1H), 1.67 (ddd, J = 45.6, 12.8, 7.7 Hz, 1H).

例12.2−((1−((1−アクリロイルピペリジン−3−イル)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6-メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
2−((1−((1−アクリロイルピペリジン−3−イル)メチル)−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、tert−ブチル3−((3−((5−((2−クロロ−6−メチルフェニル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレートから同じ手順に従って調製した。LCMS RT: 2.83 (Method A), Mass m/z: 471.60 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.10 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.67 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 7.5, 2.0 Hz, 1H), 7.32 - 7.16 (m, 2H), 6.70 (ddd, J = 51.7, 16.7, 10.4 Hz, 1H), 6.02 (dd, J = 16.7, 2.4 Hz, 1H), 5.96 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.59 (t, J = 12.6 Hz, 1H), 4.22 - 3.91 (m, 4H), 3.14 - 2.80 (m, 2H), 2.23 (s, 3H), 1.98 (s, 1H), 1.68 (d, J = 12.1 Hz, 2H), 1.44 - 1.16 (m, 2H).

例13.2−((1−(1−アクリロイルピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの調製
2−((1−(1−アクリロイルピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ)−N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドを、tert−ブチル4−(4−((5−((2−クロロ−6−メチルフェニル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートから同じ手順に従って調製した。LCMS RT: 2.67 (Method A), Mass m/z: 471.41 (M+1).

例14.N−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンの調製
2−ブロモ−6−フェノキシピリジン−3−アミン
DMF(20mL)中の6−フェノキシピリジン−3−アミン(2g、10.8mmol)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(1.91g、10.8mmol、1eq)を−10℃で5min追加した。反応混合物を飽和NaHCO溶液によって−10℃でクエンチした。混合物を酢酸エチルおよび水の間で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルによって抽出した。組み合わせた有機抽出物をブラインによって洗浄し、NaSOによって乾燥し、減圧下で濃縮した。クルードな生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を赤みがかった褐色固体として与えた。LCMS RT: 3.33 (Method A), Mass m/z: 261.21 (M+1).

2−(メチルチオ)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン
NMP(80mL)中の2−ブロモ−6−フェノキシピリジン−3−アミン(2.29g、8.64mmol)の溶液に、エチルキサントゲン酸カリウム(6.9g、43.2mmol、5eq)および酢酸(3.1mL、43.2mmol、5eq)を追加した。反応混合物を150℃で16時間加熱した。混合物を50℃まで冷却し、ヨードメタン(538μL、86.4mmol、10eq)を追加した。反応混合物をさらに30分間撹拌し、酢酸エチルおよび水の間で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルによって抽出した。組み合わせた有機抽出物をブラインによって洗浄し、NaSOによって乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を明褐色固体として与えた。LCMS RT: 3.95 (Method A), Mass m/z: 275.21 (M+1).

2−(メチルスルホニル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン
THF(18mL)およびメタノール(18mL)中の2−(メチルチオ)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン(3.0g、11mmol)の溶液に、水(18mL)中のオキソン(6.66g、44mmol、4eq)を追加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、標記生成物を明褐色固体として与えた。LCMS RT: 3.38 (Method A), Mass m/z: 307.19 (M+1).

N−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミン
sec−ブタノール(1mL)中の2−(メチルスルホニル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジンおよび1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(30mg、0.1mmol)の溶液に、ジオキサン(0.1mL)中のHClを追加した。反応が完了に達するまで、反応混合物をバイオタージInitiatorマイクロウェーブによって160℃で加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用HPLCによって直接的に精製した。LCMS RT: 3.23 (Method A), Mass m/z: 324.09 (M+1).

例15.N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンの調製
N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンを、2−(メチルスルホニル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジンおよび1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミンから同じ手順に従って調製した。LCMS RT: 3.18 (Method A), Mass m/z: 324.15 (M+1).

例16.5−フェノキシ−N−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H-ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンの調製
5−フェノキシ−N−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンを、2−(メチルスルホニル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジンおよび1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−アミンから同じ手順に従って調製した。LCMS RT: 3.22 (Method A), Mass m/z: 394.45 (M+1).

例17.(S)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの調製
N−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミン
DMF(9mL)中の2−(メチルスルホニル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジンおよび2−クロロピリミジン−4−アミン(192mg、1.49mmol)の溶液を0℃まで冷却し、NaH(184mg、4.47mmol、3eq、ミネラル中の60%)を撹拌混合物に追加した。反応を常温まで温め、さらなる2h撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウムによって処置した。飽和NaCO水溶液をpH9に達するまで追加し、生成物をジクロロメタンおよび酢酸エチルの1:1混合物によって抽出した。有機抽出物を組み合わせ、疎水性フリットを用いて乾燥し、乾燥するまでエバポレーションした。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を灰白色固体として与えた。LCMS RT: 3.62 (Method A), Mass m/z: 356.24 (M+1).

(S)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
(S)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンを、N−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンおよびtert−ブチル(S)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIに従って調製した。LCMS RT: 2.62 (Method A), Mass m/z: 460.51 (M+1).

例18.(R)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの調製
(R)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンを、N−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンおよびtert−ブチル(R)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIに従って調製した。LCMS RT: 2.47 (Method A), Mass m/z: 460.51 (M+1).

例19.(S)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの調製
(S)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンを、N−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンおよびtert−ブチル(S)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIに従って調製した。LCMS RT: 2.57 (Method A), Mass m/z: 474.56 (M+1).

例20.(R)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの調製
(R)−1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンを、N−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンおよびtert−ブチル(R)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIに従って調製した。LCMS RT: 2.55 (Method A), Mass m/z: 474.50 (M+1).

例21.1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)アゼパン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの調製
1−(3−((4−((5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)アミノ)アゼパン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンを、N−(2−クロロピリミジン−4−イル)−5−フェノキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミンおよびtert−ブチル3−アミノアゼパン−1−カルボキシレートから、一般的な手順IおよびIIに従って調製した。LCMS RT: 2.73 (Method A), Mass m/z: 488.49 (M+1).

例22.選ばれたタンパク質キナーゼおよび細胞に対する、本明細書に記載される例示的な化合物の阻害活性
選ばれたタンパク質キナーゼおよび細胞に対する本明細書に記載される例示的な化合物の阻害活性を決定した。本明細書に記載される例示的な化合物の処置後の細胞生存を、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent細胞生存アッセイ(プロメガ)によって評価した。細胞をEL406 Combination Washer Dispenser(BioTek Instruments, Inc.)によって384ウェルプレートに播種し、系列希釈した例示的な化合物(20〜0.0006μM)をJANUS自動ワークステーション(PerkinElmer Inc.)によって培地に注入した。細胞を5%COによって37℃で72時間処置した。ルミネッセンス測定は2104 Envision(登録商標)マルチラベルリーダー(PerkinElmer Inc.)を用いて行う。EC50値をGRAPHPAD PRISMソフトウェアによって計算した。例示的な結果を表1Bに示す。
例23.化合物I−3およびI−9のKINATIVアッセイ
BCWM.1細胞を化合物I−3またはI−9(1μM)によって90分間処置した。細胞を集め、リシスした。ライセートを2つの部分に分割し、1つの部分はATP−ビオチンプローブによって直接的に標識し(GENEFILTERS(GF)なし)、別の部分は第1にゲル濾過し、ゲル濾過の15分後にプローブ標識した(GENEFILTERS(GF))。結合したキナーゼは、Patricelli et al., Biochemistry, 2007, 46(2): 350-358に記載されている通りACTIVXによって同定および定量化した。化合物を二重または四重のコントロールサンプルに対して二重で試験した。例示的な結果を表2に示しており、ここでは化合物I−3またはI−9のMS(質量分析)シグナルの%変化をコントロールサンプルと比較して報告している。表2に示されている結果は統計的に有意であった(スチューデントT検定スコア<0.04)。化合物は、表2に示されているMSシグナルの%変化が正である(例えば、0%よりも大きい)ときにはキナーゼ活性を阻害し、または表2に示されているMSシグナルの%変化が負である(例えば0%よりも低い)ときにはキナーゼ活性を増大させた。
例24.化合物I−4、I−7、I−8、およびII−1のKINATIVアッセイ
BCWM.1細胞を化合物I−4、I−7、I−8、またはII−1(1μM)によって90分間処置した。細胞を集め、リシスした。ライセートを直接的にATP−ビオチンプローブによって標識した。結合したキナーゼは、Patricelli et al., Biochemistry, 2007, 46(2): 350-358に記載されている通りACTIVXによって同定および定量化した。化合物を二重または四重のコントロールサンプルに対して二重で試験した。例示的な結果を表3に示しており、ここでは化合物I−4、I−7、I−8、またはII−1のMSシグナルの%変化をコントロールサンプルと比較して報告している。表3に示されている結果は統計的に有意であった(スチューデントT検定スコア<0.04)。化合物は、表3に示されているMSシグナルの%変化が正である(例えば、0%よりも大きい)ときにはキナーゼ活性を阻害し、または表3に示されているMSシグナルの%変化が負である(例えば0%よりも低い)ときにはキナーゼ活性を増大させた。

例25.化合物I−2およびI−3のAmbit KINOMESCANアッセイ
化合物I−2(1μM)およびI−3(1μM)のそれぞれは、Fabian et al. (Nat. Biotechnol. 2005, 23(3): 329-336) および/またはDavis et al. (Nat. Biotechnol. 2011, 29(11): 1046-1051) に記載されているプロトコールに従ってAmbit KINOMESCAN(DISCOVERRX)アッセイに供して、キナーゼの幅広いパネルに対する阻害を決定した。例示的な結果を表4および5に示す。


均等物および範囲
クレームにおいて、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、1または1より多いことを意味してもよいが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。ある群の1以上のメンバー間に「または」を含むクレームまたは記載は、その群のメンバーのうち、1つ、1つより多いか、または、すべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、あるいはそれとは別に、それに関係があるか、を満たすと考えるが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。本発明は、その群のうち、厳密に1つのメンバーが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を含む。本発明は、その群のメンバーのうち、1つより多いかまたはすべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を含む。
その上、本発明は、列挙されたクレームの1以上からの1以上の限定、要素、節および記述用語が別のクレーム中へ導入されるすべての変動、組み合わせおよび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属するいずれの請求項も、同じ基本クレームに従属するいずれか他の請求項中に見出される1以上の限定を含むように修飾され得る。要素が、例えばマーカッシュ群形式において列挙されたものとして提示されている場合、要素の各下位群もまた開示されており、いずれの要素(単数または複数)も群から除去され得る。一般に、本発明または本発明の側面が、特定の要素および/または特徴を含むとして見なされる場合、本発明のある態様または本発明のある側面は、かかる要素および/または特徴からなるか、または、実質的にそれからなると理解されるべきである。簡潔さを目的として、それらの態様は、本明細書中、in haec verbaで具体的に記載されていない。用語「含むこと(comprising)」および「含有すること(containing)」が、オープンであることを意図し、追加の要素またはステップの包含を容認することにもまた留意する。範囲が与えられたとき、エンドポイントも含まれる。その上、別段の指示がないか、またはそれとは別に、文脈および当業者の理解から明らかでない場合に限り、範囲として表現された値は、いずれか具体的な数値、または、本発明の異なる態様において述べられた範囲内の下位の範囲を、文脈が明確に別段の指図をしない限り範囲の下限の単位の10倍まで、想定し得る。
本願は種々の発行済み特許、公開特許出願、雑誌記事、および他の公刊物を参照し、それらの全ては参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれる参照のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合には、本明細書がコントロールするものとする。加えて、先行技術に属する本発明のいずれかの特定の態様は請求項のいずれかの1つ以上からはっきりと除外され得る。かかる態様は当業者に知られていると思われるので、それらは除外が本明細書においてはっきりと示されていない場合であっても除外され得る。本発明のいずれかの特定の態様は、先行技術の存在に関するか否かにかかわらず、いずれかの請求項からいずれかの理由で除外され得る。
当業者は、本明細書に記載される具体的な態様の多くの均等物を認識するか、またはせいぜい通例の実験作業を用いて確かめる能力があるであろう。本明細書に記載される本発明の態様の範囲は上の明細書に限定されることを意図されず、むしろ添付の請求項に示されている通りである。当業者は、次の請求項において定義される本発明の趣旨または範囲から離れることなしに、本明細書の種々の変更および改変がなされ得るということを理解するであろう。

Claims (57)

  1. 式(I):
    式中:
    A1のそれぞれが、独立して、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    のそれぞれが、独立して、水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリール、あるいはRの2つが連結されて、置換もしくは無置換のヘテロ環式環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成し;
    kが、0、1、2、3、4、または5であり;
    が、−C(=O)−NRA2−または−NRA2−C(=O)−であり、ここでRA2が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    A3が、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    A4が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり、
    A5のそれぞれが、独立して、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    mが、0、1、または2であり;
    A6が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    A7が、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−C(=O)R、−C(=O)OR、または−C(=O)N(R である
    表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識化合物。
  2. のそれぞれが、独立して、水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、あるいはRの2つが連結されて、置換もしくは無置換のヘテロ環式環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成し;
    A2が、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    A4が、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;および
    A6が、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキルである、
    請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識化合物。
  3. 化合物が、式:
    で表される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  4. 環A1が、式:
    で表される、請求項2または3に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  5. 環A1が、式
    で表される、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  6. kが、2である、請求項2または3に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識化合物。
  7. が、−C(=O)−NH−または−NH−C(=O)−である、請求項2または請求項4〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  8. A3が、水素である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  9. A4が、水素である、請求項2〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  10. 環A3が、式:
    で表される、請求項2〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  11. A5の少なくとも1つが、置換または無置換アルキルである、請求項2〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  12. mが、0または1である、請求項2〜9または請求項11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  13. A6が、水素である、請求項2〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  14. A7が、置換または無置換アルキルである、請求項2〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  15. A7が、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含む、置換または無置換の3〜9員の単環式ヘテロシクリルであり、ここでヘテロ環式環系の1、2、または3つの原子が、独立して、窒素、酸素、または硫黄である、請求項2〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  16. A7が、式:
    式中:
    A8のそれぞれが、独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換C1〜6
    アルキルであり;
    uが、0、1、2、3、または4であり;
    vが、1、2、3、または4であり;
    wが、1、2、または3であり;
    A9のそれぞれが、独立して、ハロゲンまたは置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    nが、0と13との間(両端を含む)の整数であり;
    A10が、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、または式(ii−1)〜(ii−42):
    のいずれか1つであり;
    は、単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素ユニットは、独立して、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、trans−CRL3b=CRL3b−、cis−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−によって置き換えられ、ここでRL3aは、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり、およびここでRL3bのそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRL3b基が連結されて、任意置換炭素環式または任
    意置換ヘテロ環式環を形成し;
    は、単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり;
    E1は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、および−SRE1aからなる群から選択され、ここでRE1aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE1a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E2は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHSRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、および−SRE2aからなる群から選択され、ここでRE2aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE2a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E3は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、および−SRE3aからなる群から選択され、ここでRE3aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE3a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    あるいは、RE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびR
    が連結されて、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E4が、脱離基であり;
    E5が、ハロゲンであり;
    Yが、O、S、またはNRE6であり、ここでRE6が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    aが、1または2であり;ならびに、
    zのそれぞれが、独立して、0、1、2、3、4、5、または6である、
    で表される、請求項2〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  17. A7が、式:
    で表される、請求項16に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  18. 化合物が、式:
    で表される、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  19. 式(II):
    式中:
    B1のそれぞれが、独立して、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    のそれぞれが、独立して、水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであるか、あるいはRの2つが連結されて、置換もしくは無置換ヘテロ環式環または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成し;
    pが、0、1、2、3、4、または5であり;
    が、−C(=O)−NRB2−または−NRB2−C(=O)−であり、ここでRB2が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    B3が、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    B4が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    環B3が、置換または無置換ピラゾリル環であり;
    B5のそれぞれが、独立して、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    qが、0、1、または2であり;
    B6が、置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−C(=O)R、−C(=O)OR、または−C(=O)N(Rである、
    表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  20. のそれぞれが、独立して、水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリール、あるいはRの2つが連結されて、置換もしくは無置換ヘテロ環式環または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成し;
    B2が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;および
    B4が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルである、
    請求項19に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  21. が、−C(=O)−NH−である、
    請求項20に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  22. が、
    式中、「1」によって標識された窒素原子が、RB6に結合し、および「3」によって標識された炭素原子が、RB4が結合している窒素原子に結合する、
    であるか、あるいは
    式:
    が、
    式中、「1」によって標識された窒素原子がRB6に結合し、および「4」によって標識された炭素原子が、RB4が結合している窒素原子に結合する、
    である、
    請求項20または21に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  23. 化合物が、式:
    または
    である、請求項20または21に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  24. B3が、水素である、請求項20〜23のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  25. B4が、水素である、請求項20〜24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  26. 化合物が、式:
    または
    である、請求項20に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  27. B6が、置換アルキルである、請求項20〜26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  28. B6が、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含む、置換または無置換の3〜9員の単環式ヘテロシクリルであり、ここでヘテロ環式環系の1、2、または3つの原子が、独立して、窒素、酸素、または硫黄である、請求項20〜26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  29. B6が、式:
    式中:
    B7のそれぞれが、独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    xが、0、1、2、3、または4であり;
    yが、1、2、3、または4であり;
    hが、1、2、または3であり;
    B8のそれぞれは、独立して、ハロゲンまたは置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    gが、0と13との間(両端を含む)の整数であり;
    B9が、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、または式(ii−1)〜(ii−42):
    のいずれか1つであり;
    が、単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素ユニットが、独立して、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、trans−CRL3b=CRL3b−、cis−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−によって置き換えられ、ここでRL3aが、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキル、およびここでRL3bのそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRL3b基が連結されて、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    が、単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり;
    E1は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、および−SRE1aからなる群から選択され、ここでRE1aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE1a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E2は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHSRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、および−SRE2aからなる群から選択され、ここでRE2aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE2a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E3は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、および−SRE3aからなる群から選択され、ここでRE3aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE3a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    あるいは、RE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2が連結されて、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E4は、脱離基であり;
    E5は、ハロゲンであり;
    Yが、O、S、またはNRE6であり、ここでRE6は、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
    aは、1または2であり;
    zのそれぞれは、独立して、0、1、2、3、4、5、または6である、
    請求項20〜26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  30. B6が、式:
    または
    である、
    請求項29に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  31. 化合物が、式:
    または
    式中Rが、置換または無置換C2〜6アルケニルである、
    請求項29に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  32. が、式:
    である、
    請求項20〜25および27〜30のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  33. B1の少なくとも1つが、置換または無置換アルキルあるいはハロゲンである、
    請求項20〜32のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  34. 化合物が、式:
    である、
    請求項20に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  35. 式(III):
    式中:
    C1のそれぞれが、独立して、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    のそれぞれが、独立して、水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリール、あるいはRの2つが連結されて、置換もしくは無置換のヘテロ環式環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成し;
    rが、0、1、2、3、4、または5であり;
    が、−O−または−S−であり、
    C2のそれぞれは、独立して、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    sが、0、1、または2であり;
    C3が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    環C3が、置換もしくは無置換ピリミジニル環または置換もしくは無置換ピラゾリル環であり;
    C4のそれぞれは、独立して、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rであり;
    tが、0、1、または2であり;
    C5は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−OR、−N(R、−SR、−CN、−SCN、−C(=NR)R、−C(=NR)OR、−C(=NR)N(R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−NO、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)N(R、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、または−OC(=O)N(Rである、
    表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  36. のそれぞれが、独立して、水素、置換もしくは無置換アシル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリール、あるいはRの2つが連結されて、置換もしくは無置換のヘテロ環式環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成し;および
    C3が、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルである;
    請求項35に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  37. が、−O−である、
    請求項36に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  38. 環C3が、式:
    式中、「2」によって標識された炭素原子が、RC5に結合し、および「4」によって標識された炭素原子が、RC3が結合している窒素原子に結合する;または
    環C3が、式:
    もしくは
    式中、「1」によって標識された窒素原子が、RC5に結合し、および「3」によって標識された炭素原子が、RC3が結合している窒素原子に結合する;
    請求項36または37に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  39. 化合物が、式:
    または
    である、
    請求項36に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  40. rが、0である、
    請求項36〜39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  41. sが、0である、
    請求項36〜40のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  42. C3が、水素である、
    請求項36〜41のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  43. C5が、置換または無置換アルキルである、
    請求項36〜42のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  44. C5が、0、1、または2つの二重結合をヘテロ環式環系中に含む、置換または無置換の3〜9員の単環式ヘテロシクリルであり、ここでヘテロ環式環系の1、2、または3つの原子が、独立して、窒素、酸素、または硫黄である、
    請求項36〜42のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  45. C5が、式:
    式中:
    C6が、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    bが、0または1であり;
    C6のそれぞれが、独立して、水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    cが、0、1、2、3、または4であり;
    dが、1、2、3、または4であり;
    eが、1、2、または3であり;
    C8のそれぞれが、独立して、ハロゲンまたは置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    fが、0と13との間(両端を含む)の整数であり;
    C9が、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキル、置換もしくは無置換C2〜6アルケニル、置換もしくは無置換C2〜6アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、または式(ii−1)〜(ii−42):
    のいずれか1つであり;
    が、単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素ユニットが、独立して、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、trans−CRL3b=CRL3b−、cis−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−によって置き換えられ、ここでRL3aは、水素、または置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり、およびここでRL3bのそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRL3b基が連結されて、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    が、単結合または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり;
    E1は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE1a、−CHN(RE1a、−CHSRE1a、−ORE1a、−N(RE1a、−Si(RE1a、および−SRE1aからなる群から選択され、ここでRE1aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE1a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E2は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE2a、−CHN(RE2a、−CHSRE2a、−ORE2a、−N(RE2a、および−SRE2aからなる群から選択され、ここでRE2aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE2a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E3は、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHORE3a、−CHN(RE3a、−CHSRE3a、−ORE3a、−N(RE3a、および−SRE3aからなる群から選択され、ここでRE3aのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは2つのRE3a基が連結されて、任意置換ヘテロ環式環を形成し、
    あるいは、RE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2が連結されて、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
    E4が、脱離基であり;
    E5が、ハロゲンであり;
    Yが、O、S、またはNRE6であり、ここでRE6が、水素、置換もしくは無置換C1〜6アルキルであり;
    aが、1または2であり;および
    zのそれぞれが、独立して、0、1、2、3、4、5、または6である、
    請求項36〜42のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  46. C5が、式:
    で表される、
    請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  47. 化合物が、
    である、
    請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  48. 化合物が、式:
    または
    である、
    請求項36に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物。
  49. 請求項〜48のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体化合物、および任意に、薬学的に許容し得る添加剤を含む、医薬組成物。
  50. 増殖性疾患の処置の必要がある対象において増殖性疾患を処置するための請求項49に記載の医薬組成物。
  51. 増殖性疾患が、血液悪性腫瘍である、請求項50に記載の医薬組成物。
  52. 増殖性疾患が、骨髄異形成、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)またはリンパ腫である、請求項50に記載の医薬組成物。
  53. 増殖性疾患が、活性化B細胞(ABC)リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、中枢神経系(CNS)リンパ腫、免疫特権部位のリンパ腫、精巣リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、またはワルデンストレームマクログロブリン血症である、請求項50に記載の医薬組成物。
  54. タンパク質キナーゼ活性の阻害の必要がある対象においてタンパク質キナーゼ活性を阻害するための請求項49に記載の医薬組成物。
  55. 細胞におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法であって、方法が、請求項〜48のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物、または請求項49に記載の医薬組成物の有効量を、細胞に接触させることを含み、細胞がin vitroである、前記方法。
  56. 細胞にアポトーシスを誘導する方法であって、方法が、請求項〜48のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物、または請求項49に記載の医薬組成物の有効量を、細胞に接触させることを含み、細胞がin vitroである、前記方法。
  57. 請求項〜48のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識誘導体化合物、または請求項49に記載の医薬組成物;および
    化合物または医薬組成物を用いるための説明書
    を含む、キット。
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