JP2005512584A6 - 変性したメチオニンを多く含んだ食品及びその製法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血清ホモシステイン濃度に対する上昇作用を低下させるように変性したメチオニンを多く含んだ食品に関する。特に、本発明は、乾燥物質の重量で少なくとも5%のタンパク質性物質を含む食品であって、該タンパク質性物質の少なくとも50%が動物由来又は種子、堅果、穀物又は豆由来であり、該食品のアミノ酸プロファイルが多量のシステインと、任意によりセリンを含有するように改変されている、前記食品に関する。典型的には、本食品はシステイン[Cys]とメチオニン[Meth]のアミノ酸を次式: [Cys]/[Meth]≧2:1を満たすモル比で含有する。本発明の他の態様は、ホモシステインの血漿濃度の上昇を治療又は予防する方法における上記食品の使用に関する。本発明の更に他の態様は、システイン原料と、任意によりセリン原料を配合することによりメチオニンを多く含んだ食品を変性する方法に関する。

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、血清ホモシステイン濃度に対する上昇作用を低下させるように変性されている、メチオニンを多く含んだ食品、例えば、有意量の動物由来タンパク質又は種子、堅果、穀物又は豆由来のタンパク質性材料を含む食品に関する。特に、本発明は、乾燥物質の重量で少なくとも5%のタンパク質性物質を含む食品であって、該タンパク質性物質の少なくとも50%が動物由来又は種子、堅果、穀物又は豆由来であり、該食品のアミノ酸プロファイルが多量のシステインと、任意によりセリンを含むように改変されている、前記食品に関する。
本発明の他の態様は、システイン原料と、任意によりセリン原料を配合することによりメチオニンを多く含んだ食品を変性する方法に関する。
発明の背景
ホモシステイン(HS-CH2-CH(NH2)-COOH)は、心臓血管疾患の発症と関連があることから高い科学的関心を引いた物質である。心筋梗塞、卒中、又は末梢閉塞性動脈性疾患に罹った患者は血清ホモシステイン濃度が上昇することが多くの科学的研究によって示された(高ホモシステイン血症)。高濃度のホモシステインは、心臓血管疾患の危険因子と考えられる。高ホモシステイン血症は、また、他の健康上のリスク、例えば、躁うつ病、てんかん発作障害、うつ病、喘息、片頭痛とも関連付けられている。
空腹時血漿ホモシステインレベルは、正常(≦15μモル/l)か又は高ホモシステイン血症の次のレベルの1つ; 軽い(15〜30μモル/l)、中くらい(31〜100μモル/l、又は重い(>100μモル/l)として分類されてきた。血液コレステロールのように、血漿ホモシステインと心臓血管疾患の関係は類別されると考えられている。このことは、正常より上の血漿ホモシステインのいかなる増加も危険と関連があること、また、上昇が高くなるほど危険が大きくなることを意味する。血漿ホモシステインのずれがどのように心臓血管疾患を促進させるかの機構的詳細は完全には理解されていない。
メチオニンを多く含んだ食品を摂取した後、メチオニン負荷を与えることができ、次に血漿ホモシステイン濃度の実質的な増加を引き起こすことは確立されている。その結果、心臓血管疾患の危険のある個体はメチオニンを多く含んだ食品、例えば、乳製品や肉製品を消費しないように十分に注意される。
血漿ホモシステインレベルを下げるための主な代謝経路は、
a. 再メチル化してメチオニンへ戻る(主な補因子: ビタミンB12、葉酸、ベタイン);
b.シスタチオンを経てシステインへイオウ転換作用をする
ものである。従来技術において高ホモシステイン血症を治療するために上記補因子を投与する提案がなされた。
国際出願第97/34497号(Shapira)には、(a)ベースメチオニン:ビタミンB6比を有する乳製品と(b)ベースメチオニン:ビタミンB6比を予め選ばれた比へ低下させるのに十分な量で存在する少なくとも1種のビタミンB6原料とを含む変性したメチオニン:ビタミンB6比(mg/mg)を有する乳製品が記載されている。そのPCT出願には、メチオニン代謝の補因子、特にビタミンB6、任意によりマグネシウム、葉酸、ビタミンB12、システインの量を増加する乳製品を製造することが望ましいことが見られる。
米国特許第5,795,873号(Allen)には、ホモシステインの血清代謝産物レベルの上昇を治療又は予防する方法であって、0.3〜10 mgのビタミンB12と0.1〜0.4 mgの葉酸を有する単一製剤を周期的に経口投与する段階を含む、前記方法が記載されている。ビタミンB6を同時投与する選択も述べられている。
Wilkcken et al.“Homocystinuria due to cystathione beta-synthase deficiency”, Metabolism, 34, 1985(12), pp. 1115-1121には、シスタチオンβシンターゼ欠乏のためにホモシスチン尿症に罹った患者がベタインを投与することにより巧く治療することができることが記載されている。ベタイン投与後、ホモシステインレベルはほぼ正常まで低下したが、メチオニン、セリン及びシステインの濃度は高くなる傾向があった。
ビタミンB6、B12、ベタイン、葉酸(ビタミンB11)の投与は高ホモシステイン血症の治療に適切に用いることができるが、そのような治療は血清ホモシステインレベルを正常レベルに回復するのにしばしば不十分である。従って、高ホモシステイン血症に罹った個体は高メチオニン食品を摂取することが許されない厳しい食事療法を行なうように十分に注意される。乳製品や肉製品は一般的にメチオニンを多く含んだ食品と考えられるので、そのような食事療法は個体が美味で栄養的に重要な食料品を摂取することを妨げる。
発明の概要
驚くべきことに、メチオニンを多く含んだ食品の摂取を排除する食事療法を必要とせずに高ホモシステイン血症を治療及び/又は予防することができることを見出した。メチオニンを多く含んだ食品のアミノ酸プロファイルを、そのような製品中に含まれる高レベルのメチオニンによって血清ホモシステインレベルが自動的にほとんど高められないようにして改変することができることを発見した。特に、予想外に、セリンと組合わせて用いた場合に、システインがメチオニンの血清ホモシステイン上昇作用に対して拮抗作用を有することが確立された。
出願人は理論で縛られることを望まないが、システインとセリンの双方がホモシステインの代謝に関係すると考えられる。システインとメチオニンが摂取した食品中に存在する比率は摂取したメチオニンが血清ホモシステイン濃度の上昇を引き起こす程度を決定することがわかってきた。従って、高レベルのメチオニンを含有する食品の場合でさえ、アミノ酸バランス、特にメチオニンとシステインの比率、任意によりメチオニンとセリンの比率を調整することによりホモシステインレベルに対する望まれていない作用を抑えることができる。
本発明の利点は、動物由来、特に乳汁、肉、卵、魚、貝のタンパク質性材料、又は種子、堅果、穀物又は豆由来のタンパク質性材料の有意量を含有する食品中に特に認められる。これらの食料品や食品成分中に見られるタンパク質性材料は、通常、全アミノ酸に対して計算された比較的高レベルのメチオニンを含有する。
システインとメチオニンのモル比を少なくとも2:1まで増大させるようにして食品のアミノ酸プロファイルを変更することができれば血清ホモシステインレベルに対するメチオニンを多く含んだ食品の有害作用を著しく低下させることができることがわかった。
発明の詳細な説明
従って、本発明の一態様は、メチオニンを多く含んだ食品、即ち、乾燥物質の重量で少なくとも5%のタンパク質性物質を含む食品であって、該タンパク質性物質の少なくとも50質量%が動物由来及び/又は種子、堅果、穀物又は豆由来であり、前記食品がシステイン[Cys]、メチオニン[Meth]のアミノ酸を次式: [Cys]/[Meth]≧2:1を満たすモル比で含有する、前記食品に関する。
特にことわらない限り、アミノ酸、例えば、メチオニン又は[Meth]に言及するときはいつも前記言及が対応するアミノ酸残基を含むことを意味する。アミノ酸残基の原料の例は、タンパク質、オリゴぺプチド、ジぺプチド、糖タンパク質、リポタンパク質等である。本出願のために、シスチンは2つのシスチン残基を含むと考えられる。“タンパク質性物質”という用語は、アミノ酸、(オリゴ)ぺプチド及びタンパク質、並びにアミノ酸、ぺプチド(例えば、糖ぺプチド)及び/又はタンパク質(例えば、リポタンパク質)を含むあらゆる他の物質を包含する。
動物由来のタンパク質性物質の例としては、乳タンパク質、肉タンパク質、卵タンパク質、もしくはコラーゲン、又はその一部、例えば、カゼイン、ホエータンパク質、肉加水分解物等が挙げられる。本明細書に用いられる“動物”という用語は、脊椎動物を包含するだけでなく、鳥、魚、貝も包含される。また、魚や鳥から得られる肉においては、高レベルのメチオニンが見られる。
システインとメチオニンを少なくとも3:1のモル比で存在する場合には、血清ホモシステインレベルに対するメチオニンを多く含んだ食品の有害作用は特に有効な方法で抑えることができる。
本発明の非常に好適な実施態様においては、システインに加えて、次式: [Ser]/[Meth]≧4:1を満たすモル比が得られるようにしてアミノ酸プロファイルを改変するように本食料品中に有意量のセリンが配合される。更に好ましくは、[Ser]/[Meth]のモル比は少なくとも6:1、最も好ましくは少なくとも8:1である。
本発明の利点は、存在するアミノ酸の全量に対して計算した比較的多量でメチオニンを含有する食品において最も顕著である。その結果、好適実施態様においては、本食品はメチオニンをその製品中に含有するアミノ酸の全量に対して計算した1モル%を超える濃度、更に好ましくは2モル%を超える濃度で含有する。
他の好適実施態様においては、食品は乾燥物質の重量で少なくとも10%、更に好ましくは少なくとも20%のタンパク質性材料を含んでいる。好ましくは、タンパク質性材料は動物由来である。動物由来のタンパク質性材料は、乳汁、肉、卵、魚、貝、コラーゲン、外皮及びそれに由来する食品材料からなる群より適切に選ばれる。好ましくは、タンパク質性材料の動物源は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、家禽又は魚である。
メチオニン、システイン及びセリンが本発明の食品中で示される比率は、システインとセリンの合計レベルが同じ製品中に存在するメチオニンのホモシステイン上昇作用を十分に打ち消すほど高いならばかなり変動してもよい。特に好適な実施態様においては、本食品は次式: [Cys]/[Meth]≧4:1に従ってメチオニン含量に相対する量でシステインを含有する。同様に、本発明の食品中に存在するセリンの最低量は、次式: [Ser]/[Meth]≧10:1で記載されることが最も好ましい。
原則として、システインのみを配合することによりメチオニンのホモシステイン上昇作用を相殺することは可能であるが、これらのシステインとセリンの組合わせを用いることが好ましい。つまり、本食品は、次式: 0.05≦[Cys]/[Ser]≦2で記載される比でシステインとセリンを含有することが好ましい。本発明の特に好適な実施態様においては、食品はシステインとセリンを次式: 0.1≦[Cys]/[Ser]≦1で含有する。
本発明の利点は、タンパク質性物質を相対的に高レベルのメチオニンと含有するいかなる食品においても明らかになり得る。しかしながら、特に有意量のタンパク質を含有する食品が本発明から恩恵を受けることができることは理解される。つまり、好適実施態様においては、本食品は少なくとも10質量%、好ましくは少なくとも20質量%のタンパク質性物質を含んでいる。
メチオニンが多く含んでいる有意量のタンパク質性物質を含有する食品の例は、下記のものである。
・乳汁(例えば、ウシ又はヤギの)、チーズ、プロセスチーズ、乳製品デザートのような乳製品、
・肉(例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、家禽、魚等の)、加工肉製品(例えば、ソーセージ)、
・スプレッド、
・代用食(例えば、バーやシェーク)、
・栄養飲料、アイスクリーム、
・スープやソース
・食事療法や臨床の栄養配合物
本食品へ血清ホモシステインの代謝において補因子として作用する物質を更に配合することは有利であり得る。その結果、好適実施態様においては、食品は少なくとも10 mg/kgのビタミンB6又はその前駆体を含有する。この文書全体に用いられる“前駆体”という用語は、食品の摂取後、胃腸管において又は体内へ吸収後、例えば、肝臓における代謝分解の結果として活性成分(ビタミンB6又はその生理的に活性な代謝物質)を遊離することができるいかなる物質をも包含する。
ベタインはホモシステイン代謝の他の補因子であり、本食品中に有利に含まれてもよい。好ましくは、食品はベタインとメチオニン[Meth]を次式: [Bet]/[Meth]≧1:1を満たすモル比で含有する。
本食品が高ホモステイン血症の治療又は予防治療(の一部)として適切に用いることができるので、本発明の他の態様は高血清ホモシステインレベルに罹った個体を(予防的に)治療する方法に関する。結果として、本発明は、また、本明細書で前に記載されたように、ホモシステイン血漿濃度の上昇を治療又は予防する方法において用いられる食品に関する。
本発明の他の態様は、更に、メチオニンと任意によりシステインを次式: [Cys]/[Meth]≦1:1を満たすモル比で含有するメチオニンを多く含んだ食品を変性する方法であって、前記比を2:1を超えるまで、好ましくは4:1を超えるまで増大させるのに十分な量でシステイン原料を配合する工程を含む、前記方法に関する。
本方法の特に好適な実施態様においては、食品は、任意により、セリンを次式: [Ser]/[Meth]≦3:1を満たすモル比で含有し、前記方法は前記比を4:1を超えるまで、好ましくは6:1を超えるまで増大させるのに十分な量でセリン原料を配合する工程を含んでいる。
“システイン及び/又はセリン原料”という用語は、システイン及び/又はセリンを遊離アミノ酸及び/又はアミノ酸残基の形で含有する材料を含むと理解すべきである。
システイン原料とセリン原料は、メチオニンに比べて比較的高レベルのシステイン及び/又はセリンを含有するいかなる食品グレードの材料であってもよい。好ましくは、システイン原料はシステインと任意によりメチオニンを次のモル比: [Cys]/[Meth]≧5:1で含有する。更に好ましくは、前記比は少なくとも8:1である。同様に、セリン原料は、セリンと任意によりメチオニンを次のモル比: [Ser]/[Meth]≧8:1で含有することが好ましい。更に好ましくは、後者の比は少なくとも12:1である。
比較的多量のタンパク質性物質を含有するシステイン又はセリンの原料を用いることが有利である。従って、一方のメチオニンともう一方のシステイン間の正しいバランスを得るために制限された量だけを添加することが必要である。本方法の特に好適な実施態様においては、システイン原料とセリン原料は乾燥物質の重量で少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%のタンパク質性物質を含むタンパク質濃縮物である。システイン原料は、タンパク質性物質の重量で少なくとも5%、好ましくは少なくとも8%の量でシステインを含有する。セリン原料は、タンパク質性物質の重量で少なくとも8%、好ましくは少なくとも12%の量でセリンを含有することが好ましい。好ましくは、システイン原料とセリン原料はもとの食品の25質量%を超えない量で配合される。更に好ましくは前記量は10質量%を超えない。
システインとセリンの吸収を促進させるために、これらのアミノ酸を遊離アミノ酸又は比較的小さなぺプチドの形で食品へ導入することが有利であることがわかった。遊離アミノ酸又は小さなぺプチドを製造するために加水分解を有利に用いることができ、続いてメチオニンに相対してシステイン及び/又はセリンが豊富にしている部分を得るように分画することができる。従って、本方法の好適実施態様においては、システイン原料とセリン原料によって含有したタンパク質性物質の加水分解度は少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも80%である。システインとセリンの原料は、酵素の加水分解によって十分な程度まで適切に加水分解されていてもよい。
例えば、システインと還元糖の混合物をいわゆるメイラード反応を援助する条件下で加熱することによりリアクションフレーバー(又はプロセスフレーバー)を製造することは香料工業においては周知である。そのようなリアクションフレーバーは肉や堅果ノートを食料品に与えるのに特に有効である。好適実施態様によれば、加熱工程中に生じる反応がシステインをメチオニンの血清ホモシステイン上昇作用に対して拮抗作用を有しない成分へ変換するので、本発明はそのようなりアックションフレーバーの介在物を含んでいない。
本方法は、乳製由来や肉由来の食料品の製造に有利に用いることができる。特に乳製品の場合に、そのような製品を非乳製由来の成分で‘汚染’することはしばしば望ましくないと思われる。つまり、本方法に用いられるシステイン及び/又はセリンの原料は食品の大部分と同じ動物由来であることが好ましい。その結果、本方法の好適実施態様においては、変性前の食品は乾燥物質の重量で少なくとも5%のタンパク質性物質を含み、そのタンパク質性物質の少なくとも50質量%が動物由来であり、システイン及び/又はセリンの原料は前記タンパク質性物質と同じ動物由来である。
システイン及び/又はセリンの適切な原料の例としては、ホエー(特にラクトアルブミン)、豆や小麦タンパク質(特にアルブミンやグロブリン)から分離したタンパク質又はタンパク質画分が挙げられる。メチオニンのために、システイン及び/又はセリンのレベルを更に上げるために、加水分解段階に上記原料の材料を供し、次にアミノ酸及び/又はぺプチド分離法を適用することが有利であり得る。そのような分離法は当該技術において周知であり、例えば、イオン交換、ゲルパーミエーションもしくは逆相クロマトグラフィー、又は限外ろ過、ナノろ過もしくは沈降が挙げられる。
本発明の他の態様は、更に、製品の血清ホモシステイン上昇作用を低下させるため及び/又は製品の血清ホモシステイン降下作用を増進させるための、食料品、栄養製品及び医薬製剤の群より選ばれた製品におけるシステインとセリンの組合わせの使用に関する。
最後に、本発明は、また、本明細書で前に定義した食品の有効量を経口投与することによりヒトにおいて高ホモシステイン血症を治療又は予防する方法を包含する。
次の実施例によって本発明を更に具体的に説明する。
実施例 1
オランダの乳製品から入手した小売の普通のヨーグルト製品にメチオニン、システイン(シスチンの形で添加)及び/又はセリンを次の量で添加する。











Figure 2005512584
交差実験において、24人の被検者が上記表(対照、組成物I、組成物II、組成物III)に記載された4種の組成物のうちの1つの1回量を低タンパクの朝食と共に摂取する。4種類の異なる組成物を各被検者が無作為の順序で2、9、16、23日目に摂取する。
血清ホモシステインレベルを朝食の0、2、4、6、8、10、24時間後に測定する。被検者が対照組成物を摂取した後にホモシステインがかなり増大したことがわかる。ホモシステインレベルの測定上昇は、対照組成物後より被検者が組成物I又はIIを摂取した後のほうがかなり低い。ホモシステインレベルの上昇は被検者が組成物IIIを摂取した後に最少であることがわかる。
実施例 2
実施例1に記載されたヨーグルト製品にシステイン(シスチンの形で)とセリンのアミノ酸を次の量で添加した。
Figure 2005512584
実施例 3
ビーフハンバーガーにシステイン(シスチンの形で)とセリンのアミノ酸を次の量で添加した。








Figure 2005512584

Claims (13)

  1. 乾燥物質の重量で少なくとも5%のタンパク質性物質を含む食品であって、タンパク質性物質の少なくとも50質量%が動物由来及び/又は種子、堅果、穀物又は豆由来であり、前記食品がシステイン[Cys]とメチオニン[Meth]のアミノ酸を次式: [Cys]/[Meth]≧2:1、好ましくは[Cys]/[Meth]≧3:1を満たすモル比で含有する、前記食品。
  2. セリン[Ser]を次式: [Ser]/[Meth]≧4:1、好ましくは[Ser]/[Meth]≧6:1を満たすモル比で更に含有する、請求項1記載の食品。
  3. [Meth]が、製品中に含まれるアミノ酸の全量に対して計算した1モル%を超えている、請求項1又は2記載の食品。
  4. 乾燥物質の重量で少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%のタンパク質性材料を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品。
  5. 乳製品肉製品、スプレッド、代用食、栄養飲料、アイスクリーム、スープやソース、食事療法や臨床の栄養配合物からなる群より選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品。
  6. 少なくとも10 mg/kgのビタミンB6を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品。
  7. ベタイン[Bet]とメチオニン[Meth]を次式: [Bet]/[Meth]≧1:1を満たすモル比で含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の食品。
  8. ホモシステインの血漿濃度の上昇を治療又は予防する方法において用いられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の食品。
  9. メチオニンと任意によりシステインを次式: [Cys]/[Meth]≦1:1を満たすモル比で含有するメチオニンを多く含んだ食品を変性する方法であって、前記比を2:1を超えるまで、好ましくは4:1を超えるまで増大させるのに十分な量でシステイン原料を配合する工程を含む、前記方法。
  10. 前記食品がセリンを次式: [Ser]/[Meth]≦3:1を満たすモル比で更に含有し、前記方法が前記比を4:1を超えるまで、好ましくは6:1を超えるまで増大させるのに十分な量でセリン原料を配合する工程を含む、請求項9記載の方法。
  11. 前記システイン原料がシステインと任意によりメチオニンを次のモル比: [Cys]/[Meth]≧5:1で含有する、請求項10又は9記載の方法。
  12. 該セリン原料がセリンと任意によりメチオニンを次のモル比: [Ser]/[Meth]≧8:1で含有する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 食料品、栄養製品及び医薬製剤の群より選ばれた製品において、該製品の血清ホモシステイン上昇作用を低下させるため及び/又は該製品の血清ホモシステイン降下作用を増進させるためのシステインとセリンの組合わせの使用。
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