JP2002065212A - 筋強化用食品組成物及び筋強化剤 - Google Patents

筋強化用食品組成物及び筋強化剤

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JP2002065212A
JP2002065212A JP2000259735A JP2000259735A JP2002065212A JP 2002065212 A JP2002065212 A JP 2002065212A JP 2000259735 A JP2000259735 A JP 2000259735A JP 2000259735 A JP2000259735 A JP 2000259735A JP 2002065212 A JP2002065212 A JP 2002065212A
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strengthening
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glutamine
creatine
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Hiromi Inaba
洋美 稲葉
Kensuke Sakai
健介 酒井
Tokutsugu Ota
篤胤 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筋強化用食品組成物及び筋強化剤を提供す
る。 【解決手段】乳ホエイタンパク、クレアチン及びグルタ
ミンを含有することを特徴とする該組成物及びその剤に
筋肉・筋力を著しく増強する効果を見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筋肉の増量及び筋
の強化、あるいはスポーツ能力の向上のために摂取され
る筋強化用食品組成物及び筋強化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アスリートは、筋肉増強、筋力及び基礎
体力増進のために積極的に良質のタンパク質の摂取を心
がけている。しかし、一般的に良質で吸収率が高いとさ
れる肉エキス、カゼイン及び卵白等の加水分解物または
アミノ酸の経口的摂取は、味・風味の点で継続が非常に
困難である。
【0003】また、柔道・ボクシングといった体重階級
制の競技選手やボディービルダーは、筋力増強トレーニ
ングに食事療法を組み合わせて体重をコントロールしな
がら筋肉及び筋力増強を図るのが一般的である。これら
の種目においては、減量や体脂肪の低減と筋肉の増強と
いう相反する課題を並行して達成しなくてはならず、栄
養に対する十分な知識が必要とされる。この体重を減少
させることばかりに気をとられていると、食事全体を制
限しがちである。さらに、エネルギーや微量栄養素を始
めとする栄養素不足は、体に負担をかける結果となり故
障の原因ともなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】栄養学的知識を充分に
持ち合わせていなくても効率的且つ安全に筋肉・筋力増
強に役立ち得る筋強化用食品組成物及び筋強化剤を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、タンパク
質効率や生物価が高い乳ホエイタンパクと体脂肪減少効
果を有するクレアチン及び筋肉崩壊の予防効果と免疫系
増強効果を有するグルタミンを含有する食品組成物又は
医薬品製剤が効率的且つ安全に筋肉・筋力増強を実現で
きるものと鋭意研究を進めた。その結果、乳ホエイタン
パク、クレアチン及びグルタミンを含有することを特徴
とする当該組成物又はその剤に筋肉・筋力を著しく増強
する効果を見出し、本発明を完成させた。尚、本明細書
中でいう「筋強化」とは、筋肉量の増加と筋力の増強の
双方を意味する。
【0006】
【発明の実施の形態】乳ホエイタンパクは、その生物価
(体内保留窒素量/吸収窒素量)がカゼインよりも高く
味が良いため、良質のタンパク質を一般の人々よりも多
量に摂取しなくてはならないアスリートに愛用されてい
る。しかし、ヒトにおける乳ホエイタンパク摂取による
筋肉・筋力増強効果についての報告は無い。
【0007】また、クレアチンは、動物の体内でオルニ
チンとアルギニンから生合成されるアミノ酸の一種で、
その大部分が筋肉内に存在する。クレアチンは、リンと
反応して高エネルギーリン酸化合物であるクレアチンリ
ン酸となる。この化合物は筋肉でのエネルギーの貯蔵型
であり、筋肉の収縮等の運動はATPがADPに代謝さ
れるエネルギーを使って行われるが、ADPをATPに
再生する際にクレアチンリン酸がクレアチンに代謝され
そのエネルギーを供給する。このようなことから、筋肉
内のクレアチン量を高めることが、筋の瞬発力や持久力
を高めると期待され、多くのアスリートが競技力向上の
目的でクレアチンローディングを行っており一定の成果
が得られている。しかし、クレアチンの他栄養素との組
み合わせにより発現される効果についての報告はほとん
どないのが現状である。
【0008】グルタミンは、グルタミン酸とα−ケトグ
ルタル酸を経てエネルギー生産に係るクエン酸回路に関
連するアミノ酸である。生体内の全遊離アミノ酸の約6
0%はグルタミンの形で存在し、主要貯蔵庫は筋肉であ
る。筋肉と肝臓では生産と消費が行われている。血漿中
の濃度はかなり一定しており、500〜900μmol
/Lである。ストレスによって血漿グルタミン濃度が生
理的濃度以下(500〜400μmol/L以下)に低
下すると、不平衡状態になり感染症への感受性が増大す
ることが知られている(Inoue Y et al, Effect of glu
tamine-supplemented intravenous nutrition on survi
val after escherichia coli-induced peritionitis, J
PEN, 17, 41-46, 1993, Baskerville A et al, Patholo
gical features of glutaminase toxicity, Br J Exp P
athol, 61, 132-138, 1980)。そこで、このような状態
では、食品からグルタミンを補給する必要がある。留意
すべき点は、グルタミン酸からグルタミンへの合成能は
低いため、グルタミン酸の摂取ではこれを補うことがで
きない点である。
【0009】本発明者らは、上記3種の成分、乳ホエイ
タンパク、クレアチン及びグルタミンを組み合わせるこ
とにより筋肉・筋力に対する優れた効果が期待できるも
のと鋭意研究を進めた結果、これら3種の相乗作用によ
り後述する実験結果に見られる通り、優れた筋肉と筋
力、すなわち筋肉運動能力の増強を発揮することを見出
した。尚、各成分を単独又は2種含有させただけでは、
本発明の様な安全且つ顕著な効果は得られない。
【0010】本発明の筋強化用食品組成物及び筋強化剤
の各成分の比率は任意に設定できるが、乳ホエイタンパ
クを40〜90%、クレアチンを5〜20%、グルタミ
ンを5〜30%含有することが望ましい。
【0011】本発明に用いる乳ホエイタンパクは、乳タ
ンパクの約20%を占めるタンパク質であり、チーズや
カゼインの製造過程で生じるホエイを限外ろ過しスプレ
ードライする、あるいは弱酸性下で90℃以上に加熱す
ることにより生じる沈殿物を水洗・乾燥することにより
得られる。本発明に用いる乳ホエイタンパクの由来は、
特に限定されるものではないが、哺乳動物であり、特に
好ましくは牛の乳から得られたものを用いる。乳ホエイ
タンパクは、ペプシンやトリプシン等の酵素を用いて穏
やかに加水分解したホエイペプチドに代替することによ
り同様な効果を発揮しうる。
【0012】本発明に使用されるクレアチンの純度は特
に限定されるものではないが、各種食品用組成物及び薬
剤の特性、嗜好性、摂取量、安全性等を考慮すれば、高
純度のものが好ましい。通常はクレアチン1水和物が使
用される。
【0013】本発明に用いるグルタミンとは、アミノ酸
の一種であるが、グルタミンが複数個結合したグルタミ
ンペプチドや小麦グルテンをペプシンやトリプシンなど
を用いて酵素により穏やかに分解し、グルタミン含有率
の高い画分をゲルろ過により分画精製したものに代替す
ることにより同様な効果を発揮しうる。
【0014】本発明の筋強化用食品組成物は、所期の作
用効果を奏するものである限り任意の形態で使用するこ
とができ、これら食品組成物を多くの飲食品に配合する
ことができる。ここで言う飲食品とは、例えば粉末飲
料、濃厚飲料、タブレット、焼き菓子、スープ、ハンバ
ーグ等を意味する。
【0015】本発明の食品組成物を用いて飲食品を調製
する場合、飲食品全体に対する本発明品の食品組成物の
配合比率は特に限定されないが、各種飲食品の特性、嗜
好性、摂取量、安全性、経済性等を考慮すれば、その含
有量としては15〜100%程度であればよく、目的に
応じて適当な製造工程の段階で適宜配合すればよい。
【0016】本発明の筋強化用食品組成物の1日あたり
の摂取量は、特に限定するものではないが、30〜12
0g程度であり、好適には40g前後である。これは、
筋肉・筋力増強効果を発揮しうるのに十分な量であり、
これよりも多すぎると腎臓や肝臓に負担をかける場合が
ある。
【0017】本発明の筋強化用食品組成物は、乳ホエイ
タンパク、クレアチン及びグルタミンの3種を含有する
ことを特徴とするが、炭水化物、タンパク質、ミネラル
類及び/又はビタミン類等を配合してもよい。
【0018】ここで言う炭水化物とは、澱粉、コーンス
ターチ等の多糖類、デキストリン、シュークロース、グ
ルコース、フラクトース等のその他の糖類等をも意味す
る。
【0019】ここで言うタンパク質とは、動物性タンパ
ク質と植物性タンパク質を合せたものであり、乳タンパ
ク質、大豆タンパク質、卵タンパク質等を意味する。
【0020】ここで言うミネラル類としては、特に限定
するものではないが、カルシウム、マグネシウム、鉄等
を意味する。また、ナトリウム又はカリウム、あるいは
その他の栄養的必須元素である亜鉛、銅、クロム、セレ
ン、マンガン、モリブデン等を適宜配合してもよい。
【0021】ここで言うビタミン類とは、特に限定する
ものではないが、栄養的に必須であるビタミンA、ビタ
ミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12
ビタミンC、ビタミンD,ビタミンE,ナイアシン、パ
ントテン酸、葉酸等を意味する。
【0022】またアミノ酸としてグルタミンを含有する
ことを特徴とするが、グルタミン以外のアミノ酸、つま
り、必須アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリ
ン、トリプトファン、フェニルアラニン、リジン、スレ
オニン、メチオニン、ヒスチジンや、非必須アミノ酸で
あるグリシン、アラニン、セリン、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸、アスパラギン、アルギニン、シスチン、シ
ステイン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン等
を適宜加えてもよい。
【0023】本発明における医薬品としての筋強化剤の
形態は所期の作用効果を奏するものである限り任意の形
態で使用することができる。一般に製剤上使用できる無
毒性の各種賦形剤(例えば乳糖、ブドウ糖、コーンスタ
ーチ、結晶セルロース等)、崩壊剤(例えばゼラチン、
デキストリン等)、安定剤、香味剤、滑沢剤(例えばス
テアリン酸マグネシウム等)等と調合して錠剤、カプセ
ル剤、散剤等とすることができる。
【0024】
【実施例】本発明を実施例及び製造例によって更に詳細
に説明するが、この例によってなんら限定するものでは
ない。
【0025】実施例1 ヒトにおける効果の確認試験 24〜46才(平均年齢:34.2才)の普段からトレ
ーニングを行っている柔道場に通う男性16名を4群に
分け、プラセボ(P群)、乳ホエイタンパク(W群)、
乳ホエイタンパク+クレアチン(WC群)、または乳ホ
エイタンパク+クレアチン+グルタミンペプチド(WC
G群)のいずれかを6週間にわたり1回20gを200
mlの牛乳に溶解して1日2回、合計40gずつ摂取さ
せた。試験食の組成を第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】試験期間中は、1週間に一日おきに4日間
ハードな練習を継続させた。試験開始前後に、1RM
(最大反復挙上枚数)ベンチプレスと除脂肪体重を測定
し、試験前後の差の平均値を第2表に示した。一般に筋
肉量の変化は体重から脂肪量を差し引いた除脂肪体重を
測定することにより筋肉量を推定する方法が用いられ
る。本実験においては、インビーダンス法(電気抵抗
法、(株)タニタ製TBF−511)を用いた体脂肪計
により得られた体脂肪率から体脂肪量を算出し、体重か
ら差し引くことにより除脂肪体重を求めた。
【0028】
【表2】
【0029】いずれの群も試験終了後は、除脂肪体重が
増加したがその増加量は、WCG群が+3.2kgと最
も多く、続いてWC群、W群、P群の順であった。ま
た、1RMベンチプレスに関しても試験終了後4群全て
で増強の傾向が認められたが、WCG群の効果が最も高
かった。また、本試験期間中に肉離れ、ケガ及び体調不
調を訴える者はいなかった。以上の結果のごとく、乳ホ
エイタンパク、クレアチン及びグルタミンペプチドの同
時摂取は、効率的且つ安全に筋力・筋肉の増強効果を示
すことが明らかとなった。
【0030】製造例1 錠剤 ホエイペプチド、クレアチン及びグルタミンペプチドを
用い、常法に従って以下の配合で錠剤タイプの本発明の
筋強化剤を作成した。 ホエイペプチド 80部 クレアチン 10部 グルタミンペプチド 10部 トウモロコシデンプン 19部 結晶セルロース 30部 ステアリン酸マグネシウム 1部 上記成分を所定量採取し、均一に混合した後、圧縮成型
し直径7mm、1錠150mgの錠剤とする。
【0031】製造例2 筋強化用食品組成物 ホエイペプチド、クレアチン及びグルタミンペプチドを
下記割合で混合、均一化して本発明の食品組成物を作成
した。 ホエイペプチド 80部 クレアチン 10部 グルタミンペプチド 10部
【0032】製造例3 錠菓 製造例2の食品組成物を用い、常法に従って以下の配合
で錠菓を作成した。 グラニュー糖 520部 濃縮果汁 50部 クエン酸 60部 香料 20部 乳化剤 30部 本発明の食品組成物 320部
【0033】製造例4 粉末飲料 製造例2の食品組成物を用い、常法に従って以下の配合
で粉末飲料を作成した。 本発明の食品組成物 951部 塩化マグネシウム・6水和物 12部 ペンタカルシウム 8部 プルラン 1部 香料 25部 ビタミンC 1部 ピロリン酸第2鉄 1部 アスパルテーム 1部
【0034】
【発明の効果】本発明は乳ホエイタンパク、クレアチン
及びグルタミンを含有することを特徴とする筋強化用食
品組成物及び筋強化剤に関するものであり、筋肉・筋力
増強効果に優れるため、効率的且つ安全に筋肉・筋力増
強効果を発揮する。従って、本発明による筋強化用食品
組成物を含有する飲食品及び筋強化剤は、筋肉・筋力の
増強に優れた効果を発揮し、かつ副作用のない安全性の
高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 21/06 A61K 37/02 Fターム(参考) 4B014 GB08 GK06 GL09 4B017 LC03 LE01 LK15 LK18 4B018 LB01 LB08 MD20 MD71 ME14 4C084 AA01 AA02 CA38 ZA941 ZA942 4C206 AA01 AA02 FA53 HA32 ZA94

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳ホエイタンパク、クレアチン及びグルタ
    ミンを含有することを特徴とする筋強化用食品組成物。
  2. 【請求項2】乳ホエイタンパクがホエイペプチドである
    請求項1記載の筋強化用食品組成物。
  3. 【請求項3】グルタミンがグルタミンペプチドである請
    求項1又は請求項2記載の筋強化用食品組成物。
  4. 【請求項4】乳ホエイタンパク、クレアチン及びグルタ
    ミンを含有することを特徴とする筋強化剤。
  5. 【請求項5】乳ホエイタンパクがホエイペプチドである
    請求項4記載の筋強化剤。
  6. 【請求項6】グルタミンがグルタミンペプチドである請
    求項4又は請求項5記載の筋強化剤。
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