JPWO2017026429A1 - 筋肉合成促進剤 - Google Patents

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恭佑 中山
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亮一 田川
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Abstract

本発明は、ホエイタンパク質よりも少量の摂取(投与)で同等以上の筋肉合成促進効果を奏する、筋肉合成促進剤に関する。より詳細には、本発明は、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分とする筋肉合成促進剤に関する。

Description

関連出願の参照
本特許出願は、先に出願された日本国特許出願である特願2015−158295(出願日:2015年8月10日)に基づく優先権の主張を伴うものである。この先の特許出願における全開示内容は、引用することにより本願発明の開示の一部とされる。
本発明は、筋肉合成促進剤に関する。
近年、健康増進及び/又は運動能力向上を目的として、筋肉合成の促進、筋肉喪失の予防、及び筋肉量の回復促進のために、タンパク質を主成分とする栄養補助剤(サプリメント)を経口摂取して、運動する者(対象)は多い。このような栄養補助剤として、プロテイン粉末があり、その主成分として、牛乳を原料とするホエイタンパク質(乳清タンパク質)が知られている。
ホエイタンパク質では、BCAA(分岐鎖アミノ酸:バリン、ロイシン、イソロイシン)が多く含まれ、また、経口摂取から消化吸収までの速度(吸収速度)が速いため(時間が短いため)、即効性の筋肉合成促進効果を示し、特に運動時に摂取することによって、筋肉疲労を防ぎながら、筋肉を効率良く増強できることが知られている。一方、カゼインタンパク質では、ホエイタンパク質と比べて、経口摂取から消化吸収までの速度(吸収速度)が遅いため(時間が長いため)、即効的な筋肉合成促進効果を必要とする対象には不向きであるといわれている(特許文献1参照)。そのため、プロテイン粉末には、ホエイタンパク質が主に用いられている。
すなわち、カゼインタンパク質との比較において、ホエイタンパク質の経口摂取は、即効的に筋肉合成を促進する上で、最も良い形態でもある。さらに、ホエイタンパク質は、ナチュラルチーズの製造過程のうち、原料乳を酸、レンネット、及び加熱などで凝乳した後に排出されるホエイを原料とすることもでき、ホエイを産業廃棄物などとして改めて廃棄することなく、再利用することができることなどから、環境的な面においても、ホエイタンパク質を利用することの意義は大きい。
特表2009−507044号公報
前記の通り、ホエイタンパク質は、即効性の筋肉合成促進効果を有することが既に知られているが、その効果を奏するには、当然ながら、所定量のホエイタンパク質の摂取を必要とする。このような所定量のホエイタンパク質の摂取は、時として、エネルギーを多量に摂取できない乳幼児や高齢者には、その摂取自体が困難となり、一方、健常な成人であっても、摂取エネルギー及び摂取タンパク質の過多に伴う、肥満を始めとする生活習慣病の発症、肝臓、腎臓等の機能障害誘発の懸念もある。また、年齢を問わず、ホエイタンパク質を摂取すること自体が心理的な負担となる場合もある。特に、運動直後は、筋肉合成を速やかに促進させる必要があるにもかかわらず、運動によるホルモン分泌作用によって食欲が減退するため、ホエイタンパク質の摂取が負担となる場合もある。また、美容・痩身目的で運動する対象は摂取エネルギーをできる限り減らしたい傾向にある。
このように、ホエイタンパク質は、十分に即効性の筋肉合成促進効果を奏することが知られており、それにはホエイタンパク質の吸収性の速さが寄与していると推察される。ホエイタンパク質の体内への吸収性は他のタンパク質と比較して極めて速いため、ホエイタンパク質よりも少ない摂取(投与)量で同程度の筋肉合成促進効果を奏するものなど存在しないと、これまでは考えられていた。それゆえに、前記のホエイタンパク質の摂取が負担となる場面があることも事実でありながらも、ホエイタンパク質よりも少ない摂取(投与)量で同程度以上の筋肉合成促進効果を奏する、必ずしも多量のタンパク質を摂取する必要のない筋肉合成促進剤は、これまで知れられていない。そこで、このような効果を奏する、新たな筋肉合成促進剤を提供することが課題であった。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分として含んでなる筋肉合成促進剤を見出し、さらに、該筋肉合成促進剤が、ホエイタンパク質に代わる、ホエイタンパク質よりも少ない摂取(投与)量で同程度以上の筋肉合成促進効果を奏する、必ずしも多量のタンパク質を摂取する必要のないタンパク源として使用することができることを見出した。
より具体的には、本発明者らは今般、ホエイタンパク質自体、体内への吸収が速いため、ホエイタンパク質よりも少ない摂取(投与)量で同程度の筋肉合成促進効果を奏するものは存在しないと、これまでは考えられていたにもかかわらず、ホエイタンパク質加水分解物が、ホエイタンパク質自体と比較して、更なる即効的な筋肉合成促進作用があるという現象を予想外にも見出した。体内への吸収の速さという観点を考えると、本発明のホエイタンパク質加水分解物は、ホエイタンパク質と同程度であり、ホエイタンパク質と同等の筋肉合成促進効果を奏することが予想されたが、本発明のホエイタンパク質加水分解物は、従来のホエイタンパク質と比較して、更なる即効的な筋肉合成促進作用があるという現象を予想外にも見出した。上記の現象は驚くべきものであった。本発明は、これらの知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、次の通りとなる。
[1]ホエイタンパク質加水分解物を有効成分とする筋肉合成促進剤、
[2]ホエイタンパク質加水分解物が、ジペプチドを含み、前記ジペプチドが、
(1)Ile−Leu、及びLeu−Ala、並びに
(2)Ala−Leu、Val−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Glu、Leu−Val、及びIle−Valよりなる群から選択される少なくとも1種のジペプチドである、[1]に記載の筋肉合成促進剤、
[3]ホエイタンパク質加水分解物が、ホエイタンパク質をタンパク質分解酵素により加水分解することにより得られる、[1]又は[2]に記載の筋肉合成促進剤、
[4]タンパク質分解酵素がバシラス属由来タンパク質分解酵素、アスペルギルス属由来タンパク質分解酵素、トリプシン、ペプシン、フレーバザイムより選ばれる1種又は2種以上である、[3]に記載の筋肉合成促進剤、
[5]タンパク質分解酵素による加水分解が、20〜80℃で2〜48時間で行われる、[3]又は[4]に記載の筋肉合成促進剤、
[6]一食あたりの単位包装形態からなり、該単位包装形態中に、ホエイタンパク質加水分解物を一食摂取量として総タンパク質含量換算で1〜40g含む、[1]〜[5]のいずれか1に記載の筋肉合成促進剤、
[7]運動する対象のための、[1]〜[6]のいずれか1に記載の筋肉合成促進剤、
[8]運動が筋肉トレーニングである、[7]に記載の筋肉合成促進剤、
[9]筋肉合成促進用組成物である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の剤、
[10]飲食品または医薬品である、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の剤。
[11]ホエイタンパク質加水分解物の有効量を配合すること含む、筋肉合成促進剤の製造方法。
[12]ホエイタンパク質加水分解物の有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを含む、筋肉合成促進方法、
[13]ホエイタンパク質加水分解物が、ジペプチドを含み、前記ジペプチドが、
(1)Ile−Leu、及びLeu−Ala、並びに
(2)Ala−Leu、Val−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Glu、Leu−Val、及びIle−Valよりなる群から選択される少なくとも1種のジペプチドである、[12]に記載の筋肉合成促進方法、
[14]ホエイタンパク質加水分解物が、ホエイタンパク質をタンパク質分解酵素により加水分解することにより得られる、[12]又は[13]に記載の筋肉合成促進方法、
[15]タンパク質分解酵素がバシラス属由来タンパク質分解酵素、アスペルギルス属由来タンパク質分解酵素、トリプシン、ペプシン、フレーバザイムより選ばれる1種又は2種以上である、[14]に記載の筋肉合成促進方法、
[16]タンパク質分解酵素による加水分解を、20〜80℃で2〜48時間で行う、[14]又は[15]に記載の筋肉合成促進方法、
[17]ホエイタンパク質加水分解物を一食摂取量として総タンパク質含量換算で1〜40gで対象に摂取させる、[12]〜[15]のいずれか1に記載の筋肉合成促進方法、
[18]対象が運動する対象である、[12]〜[17]のいずれか1に記載の筋肉合成促進方法、
[19]運動が筋肉トレーニングである、[18]に記載の筋肉合成促進方法。
[20]筋肉合成促進剤の製造のための、ホエイタンパク質加水分解物の使用。
[21]筋肉合成促進剤としての、ホエイタンパク質加水分解物の使用。
[22]筋肉合成促進のための、ホエイタンパク質加水分解物。
本発明では、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分とする筋肉合成促進剤を提供することができる。本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質に代わる、ホエイタンパク質よりも少ない摂取(投与)量で同程度以上の筋肉合成促進効果を奏する、必ずしも多量のタンパク質を摂取する必要のないタンパク源として使用することができる。本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分として用いることから、ホエイタンパク質よりも対象への消化分解の負担が軽い。よって、本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質よりも少ない摂取量で効果を発揮することと併せて、対象の消化負担を軽減しつつ優れた筋肉合成促進作用を付与しうる点で特に有利である。また、ホエイタンパク質は、通常、ナチュラルチーズの製造過程のうち、原料乳を酸、レンネット、および加熱などで凝乳した後に排出され、廃棄されて産業廃棄物となる。本発明の筋肉合成促進剤に有効成分として含まれるホエイタンパク質の加水分解物は、この産業廃棄物となるホエイを再利用して原料とすることができることから、環境面や経済面からも、本発明の意義は大きい。
本発明の筋肉合成促進剤と、ホエイタンパク質を経口投与した場合の、骨格筋合成速度(FSR(%/day))の相違を示している。
本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分とする筋肉合成促進剤である。
「有効成分」とは、筋肉合成促進効果を奏する上で必要とされる成分のことを意味する。一つの形態として、「有効成分」とは、即効的な筋肉合成促進を必要とする対象のための筋肉合成促進効果を奏する上での必要とされる成分のことを意味する。
「筋肉合成促進」とは、ホエイタンパク質加水分解物を摂取し、栄養素として体内で吸収することにより、筋肉の合成を促進することを意味する。従って、本発明の筋肉合成促進剤は、そのことにおよびそのことに起因する状態に用いられる。例えば、筋肉合成促進の目的には、筋肉増量、筋肉成長助長、筋肉組織修復、筋肉リカバリー、筋肉増強、筋力向上、筋肉合成促進に伴う健康増進効果および運動能力向上が挙げられ、好ましくは、筋肉組織修復、筋力向上、筋肉合成促進に伴う健康増進効果および運動能力向上である。筋肉合成促進には、アミノ酸からの筋肉タンパク質の同化も包含される。「即効的な筋肉合成促進」とは、ホエイタンパク質加水分解物の即時吸収に伴う筋肉の合成を促進することを意味する。本発明の筋肉合成促進は、健常者における筋肉合成促進を包含する。
「即効的な筋肉合成促進を必要とする対象」とは、筋肉組織を修復し、筋肉成長を助長するために、筋肉タンパク質の合成を促進する必要がある対象を意味し、例えば、健康増進や運動能力向上を目的として、筋肉合成の促進、筋肉喪失の予防、及び筋肉量の回復促進のために、運動する対象を意味する。ここで、筋力に一定の負荷をかけることにより、筋肉の合成が促進される点で、運動は、好ましくは、筋力トレーニング(レジスタンス運動)であり、より好ましくは、長期的な筋力トレーニング、例えば、連続して30分間〜5時間を、1週間のうち1日〜7日の頻度で継続される筋力トレーニングである。筋力トレーニングには、例えば、ダンベル運動、スクワット運動、マシントレーニングが挙げられる。
本発明の筋肉合成促進剤を摂取する対象には、例えば、スポーツ選手、スポーツ愛好者(アスリート)、生活習慣病の改善のために運動を必要とする者、高齢者などの健康増進のために運動を必要とする者、乳幼児及び/又は子供などの発育/成長の過程で筋肉を作っていく必要のある者、又は筋肉低下疾患(例えば、サルコペニア)を患い、運動により筋肉合成の促進を必要とする患者が挙げられる。また、この対象には、ヒト以外の動物(馬、牛などの家畜、犬、猫などの愛玩動物、動物園などで飼育されている鑑賞動物など)であってもよい。
本発明の筋肉合成促進剤を、即効的な筋肉合成促進を必要とする対象に摂取させる(投与する)時期は、運動前であっても運動後であっても運動中であってもよい。ここで、この摂取させる時期は、好ましくは、運動後であり、より好ましくは、運動直後である。そして、運動により生じる骨格筋分解(異化)を抑制し、かつ、アミノ酸からタンパク質への同化を促進できる点で、この摂取させる時期は、好ましくは、運動直後のうち、運動終了後から3時間以内であり、より好ましくは、運動終了後から2時間以内であり、さらに好ましくは、運動終了後から1時間以内であり、特に好ましくは、運動終了後から30分以内である(Levenhagen et al. Am J Physiol Endocrinol Metab (2001), 280, E982-E993参照)。
ホエイタンパク質と同等以上の即効的な筋肉合成促進作用とは、タンパク質含量が同量のホエイタンパク質を経口摂取(投与)した場合にみられる、筋肉合成促進作用と同等レベル以上の作用を意味する。なお、筋肉合成促進作用には、アミノ酸からの筋肉タンパク質の同化作用も包含される。ここで、筋肉合成促進作用では、例えば、ラットの水泳試験後に、試験物質を投与してから1時間以内において、試験群の上肢三頭筋合成速度(FSR)を測定することによって確認することができる。すなわち、即効的な筋肉合成促進作用があるといわれているタンパク質濃度が同量のホエイタンパク質を経口摂取した対照群のFSRに比べて、本発明の筋肉合成促進剤群のFSRが同程度や同程度以上の場合には、筋肉合成促進作用として有意であると判断できる。
「タンパク質含量」とは、各種のタンパク質に含まれるアミノ酸の総量を意味する。ここで、タンパク質含量は、ケルダール法やローリー法などの慣用の方法によって測定して算出してもよい。実際に、ケルダール法の場合には、各種のタンパク質に含まれる窒素を測定し、その値に、窒素−タンパク質換算係数(通常 6.25)を乗じて算出することができる。例えば、本発明のホエイタンパク質加水分解物は、ホエイタンパク質を加水分解することにより得られたものであることから、上述のように算出されるホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量は、加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量と理論上は同一である。
本発明のホエイタンパク質加水分解物とは、乳清ペプチドともよばれ、原料となるホエイタンパク質の全部又は一部を加水分解していれば、その手段及び/又は方法において、特に制限はない。本発明に用いられるホエイタンパク質は、分離や精製されたホエイタンパク質であってもよく、ホエイタンパク質とカゼインタンパク質とを既に特定のタンパク質量比で含んでいる原料や飲食品(例えば、乳タンパク質混合物など)を用いることもできる。
分離や精製されたホエイタンパク質には、例えば、ホエイの原液(甘性ホエイ、酸ホエイなど)、その濃縮物、その乾燥物(ホエイ粉など)、その凍結物など、及び、これらの還元溶液などを用いることができる。さらに、脱塩ホエイ、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)、ホエイタンパク質精製物(WPI)、α−ラクトアルブミン(α−La)、β−ラクトグロブリン(β−Lg)、免疫グロブリン、ラクトフェリンなど、及び、これらの還元溶液を用いることができる。また、ホエイタンパク質を含んでいる原料や飲食品には、例えば、生乳、殺菌乳(牛乳など)、脱脂乳、成分調整牛乳、加工乳、乳製品(濃縮乳、粉乳、練乳、発酵乳(ヨーグルトなど)、乳酸菌飲料、プロセスチーズ類、アイスクリーム類、クリーム類)、及び乳タンパク質濃縮物(MPC)、並びにそれらの濃縮物、それらの乾燥物、それらの凍結物などを用いることができる。このとき、前記のホエイタンパク質を含んでいる原料や飲食品は、市販品を入手して用いてもよいし、自ら調製して用いてもよい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、上述のようなホエイタンパク質を1回以上加水分解することによって調製することができる。例えば、分離、精製工程中においてホエイタンパク質を少なくとも部分的に加水分解し、このような部分的な加水分解後、さらに別の加水分解を行い調製してもよい。本発明のホエイタンパク質加水分解物は、ホエイタンパク質を公知の方法で加水分解することで調製することができるが、好ましくは、タンパク質分解酵素による加水分解により調製することができる。タンパク質加水分解酵素は、本発明の筋肉合成促進効果が得られる限り、特に限定されるものではなく、日本国特許第5645360号などの記載を参考にして、その種類や反応条件などは任意に設定できる。例えば、バシラス属(Bacillus)又はアスペルギルス属(Aspergillus)に属する微生物由来のタンパク質分解酵素、パパイヤ由来のパパイン、パイナップル由来のブロメライン、キウイ由来のアクチニダインなどの植物由来のタンパク質分解酵素、パンクレアチン、トリプシン、キモトリプシンなどの動物由来のタンパク質分解酵素が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらのタンパク質分解酵素は、市販品を用いることができる。市販品のタンパク質分解酵素は、例えば、プロテアーゼMアマノ(アマノエンザイム社)、プロテアーゼNアマノ(アマノエンザイム社)、プロテアーゼPアマノ(アマノエンザイム社)、プロテアーゼAアマノ(アマノエンザイム社)、トリプシン(ノボ社)、ペプシン(和光純薬社)、ウマミザイム(アマノエンザイム社)、フレーバザイム(ノボ社)などがあるが、これに制限されない。本発明の好ましい態様によれば、ホエイタンパク質を加水分解するために用いられるタンパク質分解酵素は、バシラス属由来タンパク質分解酵素、アスペルギルス属由来タンパク質分解酵素、トリプシン、ペプシン、およびフレーバザイムからなる群から選択される一種または二種以上である。
本発明のホエイタンパク質加水分解物を得るために、タンパク質加水分解酵素によりホエイタンパク質を加水分解する場合の、反応温度は、好ましくは20〜80℃、より好ましくは25〜75℃、さらに好ましくは30〜70℃、さらに好ましくは35〜65℃、さらに好ましくは40〜60℃、特に好ましくは45〜55℃である。反応温度が20℃以上であれば、タンパク質分解酵素により、ホエイタンパク質を効率よく加水分解でき、好ましい。また、反応温度が80℃以下であれば、タンパク質分解酵素の変性による失活が抑制され、好ましい。
なお、本発明のホエイタンパク質加水分解物を得るために、タンパク質加水分解酵素によりホエイタンパク質を加水分解する場合の、反応温度は、使用するタンパク質加水分解酵素の至適温度を鑑み、1段階、又は2段階以上の反応温度を設定することができる。2段階以上の反応温度を設定する場合には、その順番は任意である。
本発明のホエイタンパク質加水分解物を得るために、タンパク質加水分解酵素によりホエイタンパク質を加水分解する場合の、反応時間は、好ましくは2〜48時間、より好ましくは2〜36時間、さらに好ましくは2〜24時間、さらに好ましくは2〜18時間、さらに好ましくは2〜14時間、さらに好ましくは4〜12時間、さらに好ましくは6〜10時間、特に好ましくは7〜9時間である。反応時間が2時間以上であれば、タンパク質分解酵素により、ホエイタンパク質を多く加水分解でき、好ましい。また、反応時間が48時間以下であれば、ホエイタンパク質を効率よく加水分解でき、好ましい。
なお、本発明のホエイタンパク質加水分解物を得るために、タンパク質加水分解酵素によりホエイタンパク質を加水分解する場合の、反応温度を2段階以上で設定する場合には、前記の反応時間において、任意に2段階以上の反応温度を設定することができる。
本発明のホエイタンパク質加水分解物を得るために、タンパク質加水分解酵素によりホエイタンパク質を加水分解する場合の、タンパク質加水分解酵素の添加量は、本発明の筋肉合成促進効果が奏されれば、特に制限はないが、タンパク質100gに対して、好ましくは0.5〜10g、より好ましくは0.7〜5g、さらに好ましくは0.8〜4g、特に好ましくは1〜2gである。
本発明のホエイタンパク質加水分解物を得るために、タンパク質加水分解酵素によりホエイタンパク質を加水分解する場合の、反応pHは、使用するタンパク質加水分解酵素の至適pH近傍であれば、好ましい。例えば、バシラス属由来のタンパク質分解酵素及びアスペルギルス属由来のタンパク質分解酵素を併用する場合には、好ましくはpH5〜9、より好ましくはpH5.5〜8.5、さらに好ましくはpH6〜8、特に好ましくはpH6.5〜7.5である。
なお、本発明のホエイタンパク質加水分解物を得るために、タンパク質加水分解酵素によりホエイタンパク質を加水分解する場合の、反応pHは、使用するタンパク質加水分解酵素の至適pHを鑑み、1段階、又は2段階以上の反応pHを設定することができる。2段階以上の反応pHを設定する場合には、その順番は任意である。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドを含むことを指標とすることもできる。ここでいう、特定のジペプチドとは、好ましくは、Ile−Leu、Leu−Ala、Ala−Leu、Val−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Glu、Leu−Val、及びIle−Valであり、これらの群から選択される少なくとも1種のジペプチドを含むものをいう。ここで、Ileはイソロイシン、Leuはロイシン、Alaはアラニン、Valはバリン、Lysはリジン、Asnはアスパラギン、Gluはグルタミン酸をそれぞれ表す。上記ジペプチドは、LC/MSにより測定することができ、具体的には、後述する試験例1に記載の方法で測定できる。
前記の特定のジペプチドにおいて、さらに好ましくは以下の(1)と(2)を満たす特定のジペプチドを含むものをいう。
(1)Ile−Leu、及びLeu−Ala、並びに
(2)Ala−Leu、Val−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Glu、Leu−Val、及びIle−Valよりなる群から選択される少なくとも1種のジペプチド。
すなわち、(1)のIle−Leu、及びLeu−Alaはそれぞれ、本発明のホエイタンパク質加水分解物に含有されていることが特に好ましく、(2)のAla−Leu、Val−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Glu、Leu−Val、及びIle−Valの中でも最低1種のジペプチドが、本発明のホエイタンパク質加水分解物に含有されていることが特に好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドIle−Leuを含むことを指標とする場合には、その含量は、好ましくはホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量(加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量)1gあたり0.5mg以上、より好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜10mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜8mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜6mg、特に好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜4mgである。ジペプチドIle−Leuの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり0.5mg以上であれば、本発明の筋肉合成促進効果がより奏され、好ましい。また、ジペプチドIle−Leuの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり10mg以下であれば、効率よく本発明のホエイタンパク質加水分解物を調製でき、好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドLeu−Alaを含むことを指標とする場合には、その含量は、好ましくはホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量(加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量)1gあたり0.5mg以上、より好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜10mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜8mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜6mg、特に好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜4mgである。ジペプチドLeu−Alaの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり0.5mg以上であれば、本発明の筋肉合成促進効果がより奏され、好ましい。また、ジペプチドLeu−Alaの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり10mg以下であれば、効率よく本発明のホエイタンパク質加水分解物を調製でき、好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドAla−Leuを含むことを指標とする場合には、その含量は、好ましくはホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量(加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量)1gあたり0.2mg以上、より好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜10mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜8mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜6mg、特に好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜5mgである。ジペプチドAla−Leuの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり0.2mg以上であれば、本発明の筋肉合成促進効果がより奏され、好ましい。また、ジペプチドAla−Leuの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり10mg以下であれば、効率よく本発明のホエイタンパク質加水分解物を調製でき、好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドVal−Leuを含むことを指標とする場合には、その含量は、好ましくはホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量(加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量)1gあたり1mg以上、より好ましくはタンパク質含量1gあたり1〜15mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり1〜12mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり1〜10mg、特に好ましくはタンパク質含量1gあたり1〜8mgである。ジペプチドVal−Leuの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり1mg以上であれば、本発明の筋肉合成促進効果がより奏され、好ましい。また、ジペプチドVal−Leuの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり15mg以下であれば、効率よく本発明のホエイタンパク質加水分解物を調製でき、好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドLys−Ileを含むことを指標とする場合には、その含量は、好ましくはホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量(加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量)1gあたり0.2mg以上、より好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜15mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜12mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜10mg、特に好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜8mgである。ジペプチドLys−Ileの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり0.2mg以上であれば、本発明の筋肉合成促進効果がより奏され、好ましい。また、ジペプチドLys−Ileの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり15mg以下であれば、効率よく本発明のホエイタンパク質加水分解物を調製でき、好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドLeu−Leuを含むことを指標とする場合には、その含量は、好ましくはホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量(加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量)1gあたり0.2mg以上、より好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜25mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜20mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜18mg、特に好ましくはタンパク質含量1gあたり0.2〜16mgである。ジペプチドLeu−Leuの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり0.2mg以上であれば、本発明の筋肉合成促進効果がより奏され、好ましい。また、ジペプチドLeu−Leuの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり25mg以下であれば、効率よく本発明のホエイタンパク質加水分解物を調製でき、好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドIle−Asnを含むことを指標とする場合には、その含量は、好ましくはホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量(加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量)1gあたり1mg以上、より好ましくはタンパク質含量1gあたり1〜10mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり1〜8mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり1〜6mg、特に好ましくはタンパク質含量1gあたり1〜5mgである。ジペプチドIle−Asnの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり1mg以上であれば、本発明の筋肉合成促進効果がより奏され、好ましい。また、ジペプチドIle−Asnの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり10mg以下であれば、効率よく本発明のホエイタンパク質加水分解物を調製でき、好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、分解の指標として、特定のジペプチドLeu−Gluを含むことを指標とする場合には、その含量は、好ましくはホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量(加水分解前のホエイタンパク質のタンパク質含量)1gあたり0.5mg以上、より好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜12mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜10mg、さらに好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜8mg、特に好ましくはタンパク質含量1gあたり0.5〜6mgである。ジペプチドLeu−Gluの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり0.5mg以上であれば、本発明の筋肉合成促進効果がより奏され、好ましい。また、ジペプチドLeu−Gluの含量がホエイタンパク質加水分解物のタンパク質含量1gあたり12mg以下であれば、効率よく本発明のホエイタンパク質加水分解物を調製でき、好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、調製直後は、液状であるものの、その保存性を高めるために、凍結保存、乾燥(噴霧乾燥、凍結乾燥)、濃縮、加熱殺菌(プレート式加熱殺菌、チューブ式加熱殺菌、バッチ式加熱殺菌、通電加熱殺菌、マイクロウエーブ波による加熱殺菌、レトルト加熱などの間接加熱殺菌、スチームインジェクション、スチームインフュージョンなどの直接加熱殺菌)、非加熱殺菌(光照射殺菌、放射線照射殺菌、高電圧パルス殺菌)をすることができる。中でも、取扱いの容易さから、乾燥(噴霧乾燥、凍結乾燥)させた形態が好ましい。
本発明のホエイタンパク質加水分解物は、本発明の効果である、ホエイタンパク質自体と比較して、筋肉合成促進効果を高められれば、その他の食品原料及び/又は食品添加物原料を添加することができる。例えば、本発明の筋肉合成促進剤の嗜好性の付与を目的に、甘味料(砂糖類、液糖類、果糖、麦芽糖、三温糖など)、糖アルコール(エリスリトールなど)、高感度甘味料(ステビア、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム)、酸味料、増粘多糖類、香料、果汁、乳化剤、野菜汁などを添加することができる。また、本発明の筋肉合成促進剤の追加の機能付与を目的に、ミネラル類(カルシウム、鉄、マンガン、マグネシウム、亜鉛など)、ビタミン類、機能性素材、プロバイオティクス乳酸菌などを添加して、本発明の筋肉合成促進剤とすることができる。
本発明の筋肉合成促進剤は、市場での提供を目的として、容器入りの粉末の形態にすることができる。容器は、紙、袋、箱、缶、ビンなど、公知のものを使用することができる。容器の容量は、特に制限はなく、例えば、1〜5000g、2〜4000g、3〜3000g、4〜2000g、4〜1000g、4〜500g、4〜250g、4〜200g、4〜100g、4〜50g、4〜30gである。中でも、ファミリーサイズ(複数服用)の場合には、例えば、300〜5000g、300〜4000g、300〜3000g、300〜2000g、300〜1500g、300〜1400g、300〜1300g、300〜1200g、300〜1100gであり、パーソナルサイズ(個別服用)の場合、1〜500g、2〜250g、3〜200g、4〜100g、4〜50g、4〜40g、4〜30g、5〜30g、10〜30g、15〜30gである。
本発明の筋肉合成促進剤は、市場での提供を目的として、容器入り飲料(粉末を分散溶解した飲料)の形態にすることができる。容器は、紙容器、ソフトバック、ペットボトル、缶、ビンなど、公知のものを使用することができる。容器の容量は、特に制限はなく、例えば、1〜5000g、2〜4000g、3〜3000g、4〜2000g、5〜1000g、6〜800g、7〜1300g、80〜1200g、90〜1100gである。中でも、ファミリーサイズ(複数飲用)の場合には、例えば、300〜5000g、300〜4000g、300〜3000g、300〜2000g、300〜1500g、300〜1400g、300〜1300g、300〜1200g、300〜1100gであり、パーソナルサイズ(個別飲用)の場合、10〜500g、20〜500g、30〜500g、40〜500g、50〜500g、60〜500g、70〜500g、80〜500g、90〜500gである。
本発明の一つの実施態様によれば、例えば、本発明の筋肉合成促進剤では、ホエイタンパク質分解物のタンパク質含量が一食あたり、好ましくは、0.05g以上/kg体重となるように摂取(投与)され、より好ましくは0.05〜0.67g/kg体重であり、さらに好ましくは0.05〜0.33g/kg体重、より好ましくは0.07〜0.33g/kg体重、さらに好ましくは0.07〜0.25g/kg体重、特に好ましくは0.08〜0.25g/kg体重となるように摂取(投与)される。ここで、対象の代表的な体重は、約60kgと見積もっている。
「一食」とは、即効的な筋肉合成促進を必要とする状態の一回ごとを意味し、例えば、本発明の筋肉合成促進剤では、一食で一息に(一度に)摂取せず、数度に分けて摂取してもよい。本発明の筋肉合成促進剤を即効的な筋肉合成促進を必要とする対象に摂取させる(投与する)時期は、数度に分けて摂取する場合には、血流中のアミノ酸濃度を即効的に高められる点で、好ましくは、運動終了後から2時間以内であり、より好ましくは、運動終了後から1時間以内であり、さらに好ましくは、運動終了後から30分以内であり、特に好ましくは、運動終了後から5分以内である。
本発明の筋肉合成促進剤を即効的な筋肉合成促進を必要とする対象に摂取させる(投与する)方法は、経口摂取(経口投与)、経腸投与、胃ろうなどから、その対象及び用途により、適宜選択することができるが、好ましくは経口摂取である。
本発明の別の実施態様によれば、例えば、本発明の筋肉合成促進剤は、一食あたりの単位包装形態からなり、該単位中に、前記ホエイタンパク質分解物を、一食摂取量として総タンパク質含量換算で1g以上に調整したものが望ましく、具体的には、1〜40g、好ましくは2〜20g、より好ましくは3〜20g、さらに好ましくは4〜15g、特に好ましくは5〜15gとなるように調製してなる。ここで、「一食あたりの単位包装形態」からなるとは、一食あたりの摂取量があらかじめ定められた形態のものであり、例えば、特定量を経口摂取し得る飲食品として、一般食品のみならず、飲料(ドリンク剤など)、健康補助食品、保健機能食品、サプリメントなどの形態を意味する。「一食あたりの単位包装形態」では、例えば、液状の飲料、ゲル状・糊状・ペースト状のゼリー、粉末状・顆粒状・カプセル状・ブロック状の固体状の食品などの場合には、金属缶、ガラスビン(ボトルなど)、プラスチック容器(ペットボトルなど)、パック、パウチ、フィルム容器、紙箱などの包装容器で特定量(用量)を規定できる形態、あるいは、一食あたりの摂取量(用法、用量)を包装容器やホームページなどに表示することで特定量を規定できる形態が挙げられる。本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分として用いるため、ホエイタンパク質と比較して、加熱によるゲル化が少なく、従って、飲料、ゼリー等の製造工程において適した物性を維持することができる。また、本発明の筋肉合成促進剤は、少量の摂取であっても本発明の効果を奏するため、一口サイズのブロック状や、一飲みで摂取できるミニ缶飲料など、どのような形態であっても、摂取・嚥下が容易であり、子供や高齢者にとっての利便性を向上することができる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質加水分解物が、Ile−Leu、Leu−Ala、Ala−Leu、Val−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Glu、Leu−Val、及びIle−Valからなるジペプチドを含む。本発明のより好ましい態様によれば、本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質加水分解物が、Ile−Leu、Leu−Ala、Val−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Glu、Leu−Val、及びIle−Valからなるジペプチドを含む。
本発明の一つの実施態様によれば、例えば、本発明の筋肉合成促進剤では、筋肉合成促進剤を含んでなる組成物を提供することができる。すなわち、本発明の筋肉合成促進剤では、そのまま単独で使用することができるが、筋肉合成促進機能が発揮される限りにおいて、飲食品や医薬品などの種々の経口摂取用(経口投与用)の組成物に対して、原料(素材)や添加剤などとして含ませることもでき、即効的な筋肉合成促進効果を有する組成物を得ることができる。よって、本発明の一つの実施態様によれば、本発明の筋肉合成促進剤を含んでなる組成物が提供される。
また、上述の通り、本発明の筋肉合成促進剤はそれ自体、複数の成分が配合された組成物の形態で提供することができる。したがって、本発明の一つの実施態様によれば、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分として含む、筋肉合成促進用組成物が提供される。これら組成物の形態は、筋肉合成促進効果を奏する限り特に限定されるものではないが、例えば、固体状(粉末状、顆粒状、カプセル状、ブロック状など)、液状、ゲル状、糊状、ペースト状などの形態をとることができ、好ましくは粉末状である。組成物には、飲食品組成物および医薬組成物が包含される。
本発明の好ましい態様によれば、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分として含む、筋肉合成促進用飲食品が提供される。本発明において、飲食品の形態は、溶液、懸濁液、乳濁液、粉末、固体成形物など、経口摂取可能な形態であればよく特に限定されない。具体的には、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品などの即席食品類;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、アルコール飲料などの飲料類;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、パン粉などの小麦粉製品;飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子などの菓子類;ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類などの調味料;加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズなどの油脂類;乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類などの乳製品;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、シリアルなどの農産加工品;冷凍食品などが挙げられる。好ましくは、飲食品は、乳製品であり、より好ましくは乳飲料、乳酸菌飲料である。
また、飲食品には、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、機能性表示食品、特定保健用食品、病者用食品、乳幼児用調整粉乳、妊産婦もしくは授乳婦用粉乳、または筋肉合成促進のために用いられる物である旨の表示を付した飲食品のような分類のものも包含される。
本発明の別の態様によれば、ホエイタンパク質加水分解物を有効成分として含む、筋肉合成促進用医薬品が提供される。医薬品とは、製剤化のために許容されうる添加剤を併用して、常法に従い、経口製剤または非経口製剤として調製したものであってもよい。経口製剤の場合には、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤などの固形製剤、溶液、懸濁液、乳濁液などの液状製剤の形態をとることができる。また、非経口製剤の場合には、注射剤や座剤の形態をとることができる。簡易性の点からは、経口製剤であることが好ましい。製剤化のために許容されうる添加剤としては、例えば、賦形剤、安定剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、滑沢剤、甘味料、着色料、香料、緩衝剤、酸化防止剤、pH調整剤などが挙げられる。本発明の医薬品は、筋肉合成促進を必要とする疾患、具体的には、筋肉損傷疾患(例えば、サルコペニア)の治療または予防に用いることができる。
また、上述の通り、本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質加水分解物の有効量と、任意の経口上許容可能な添加物とを配合することにより提供することができる。したがって、本発明の別の態様によれば、ホエイタンパク質加水分解物の有効量を配合することを含む、筋肉合成促進剤の製造方法が提供される。本発明の筋肉合成促進剤の製造方法では、ホエイタンパク質加水分解物を配合して得られる混合物を加熱、均一化する工程をさらに含んでいてもよく、本発明にはかかる態様も包含される。
また、本発明のさらに別の実施態様によれば、ホエイタンパク質加水分解物の有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを含む、筋肉合成促進方法が提供される。本発明の別の好ましい態様によれば、上記方法は、ヒトに対する医療行為を除くものとされる。ここで、「ヒトに対する医療行為」とは、医師等の処方を必要として、ヒトに対して医薬品を摂取させる(投与する)行為などを意味する。また、上記実施態様において、対象は好ましくは健常者である。
また、本発明の筋肉合成促進方法は、対象における筋肉損傷に関連した疾患または状態の改善に用いてもよい。従って、本発明の筋肉合成促進方法は、好ましくは筋肉損傷に関連した疾患または状態の治療方法であり、より好ましくはサルコペアの改善方法である。ここで、「改善」とは、確立された疾患または状態を治療することだけでなく、将来確立される可能性のある疾患または状態を予防することをも含む。なお、本発明の筋肉合成促進方法は、本願明細書における筋肉合成促進剤の記載に従って実施することができる。
本発明の一つの好ましい実施態様によれば、本発明の筋肉合成促進方法において、ホエイタンパク質分解物のタンパク質含量が一食あたり、好ましくは、0.05g以上/kg体重となるように摂取(投与)され、より好ましくは0.05〜0.67g/kg体重であり、さらに好ましくは0.05〜0.33g/kg体重、より好ましくは0.07〜0.33g/kg体重、さらに好ましくは0.07〜0.25g/kg体重、特に好ましくは0.08〜0.25g/kg体重となるように摂取(投与)させることができる。ここで、対象の代表的な体重は、約60kgと見積もっている。本発明では、摂取用量が少なくてもホエイタンパク質を摂取する場合と比較して十分な効果が得られるため、子供や高齢者に対する負担を減らすことができる。
本発明の一つの好ましい実施態様によれば、本発明の筋肉合成促進方法において、前記ホエイタンパク質加水分解物をタンパク質含量で一食あたり1g以上となるように摂取させることができ、具体的には、1〜40g、好ましくは2〜20g、より好ましくは3〜20g、さらに好ましくは4〜15g、特に好ましくは5〜15gとなるように摂取させることができる。
本発明の一つ実施態様によれば、筋肉合成促進のための、ホエイタンパク質加水分解物の使用が提供される。本発明の一つの好ましい実施態様によれば、本発明の使用は、非治療的使用とされる。
本発明の一つの実施形態によれば、筋肉合成促進用飲食品または医薬品の製造のための、ホエイタンパク質加水分解物の使用が提供される。
本発明の一つの実施態様によれば、筋肉合成を促進するための、ホエイタンパク質加水分解物が提供される。
ところで、本発明の筋肉合成促進剤によれば、加水分解していないホエイタンパク質自体と比較して、筋肉合成促進効果をより高めることができる。例えば、後述する動物実験による実施例(試験例1)において、一定量のタンパク質含量の摂取(投与)では、本発明の筋肉合成促進剤は、加水分解していないホエイタンパク質と比較して、高い効果を有することが示された。また、後述する動物実験による実施例(試験例1)において、本発明の筋肉合成促進剤を0.5gタンパク質/kg体重で摂取(投与)した場合、ホエイタンパク質を2.0gタンパク質/kg体重で摂取(投与)した場合と比較して、その筋肉合成促進剤としての効果は同等より上昇傾向であった。
すなわち、本発明の筋肉合成促進剤は、従来、即効性のある筋肉合成促進効果で公知であったホエイタンパク質と比較して、一定量のタンパク質含量を摂取(投与)すれば、強い筋肉合成促進効果が期待できる。また、本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質の摂取と同等の効果を得る場合には、摂取すべきタンパク質含量を低減することができ、少量で効果が期待できるため、より摂取(投与)しやすくなる。さらに、有効成分であるホエイタンパク質加水分解物は既に部分的に分解されているため、消化負担も軽減することができる。これまでは、ホエイタンパク質自体の摂取において、時として、エネルギーを多量に摂取できない乳幼児や高齢者には、その摂取自体が困難となり、また、健常な成人であっても、摂取エネルギー及び摂取タンパク質の過多に伴う、肥満を始めとする生活習慣病の発症、肝臓、腎臓等の機能障害誘発の懸念もある。さらに、年齢を問わず、ホエイタンパク質を摂取すること自体が心理的な負担となる場合もある。特に、運動直後は、筋肉合成を速やかに促進させる必要があるにもかかわらず、運動によるホルモン分泌作用によって食欲が減退するため、ホエイタンパク質の摂取が負担となることも多く、また美容・痩身目的で運動する対象は、摂取エネルギーを減らしたい傾向にある。一方、本発明のホエイタンパク質加水分解物は、ホエイタンパク質よりも少ない摂取量で筋肉合成促進効果を奏することができるため、前記の課題も解決できる。
以下では、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されない。なお、後述する「mg/gタンパク質」および「gタンパク質/kg体重」における「タンパク質」は、タンパク質含量を意味する。
[実施例1]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、バシラス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼMアマノ、アマノエンザイム社)500mg、及びアスペルギルス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼNアマノ、アマノエンザイム社)500mgを組み合わせて溶液に加え、50℃で8時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例1の筋肉合成促進剤とした。
[試験例1]
実施例1の筋肉合成促進剤の粉末を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に1000倍(体積比)に希釈し、以下の条件によりLC/MSを用い、Ile−Leu、Ile−Trp、Ala−Leu、Val−Leu、Asp−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Ala、及びLeu−Gluを定量(単位はmg/gタンパク質)した。
なお、LC/MSの条件は以下の通りである。
分析条件
カラム:Develosil ODS−HG−3(15mm×2mm)
移動相:A液:0.05% TFA水溶液
B液:0.05% TFAアセトニトリル溶液
移動相の通液開始から0minに3体積%B液、40min後に20体積%B液(いずれもA液及びB液の合計に対する割合)となるように、グラジエントをかけた。
カラム温度:35℃
流速:0.2mL/min
MS条件
Ionization:API−ES positive
SIM ion:m/z 245
Drying gas:10L/min at 350℃
Nebulizer:25psig
Fragmentor:30V
EM gain:1
実施例1の筋肉合成促進剤のIle−Leuは3.82mg/gタンパク質、Ala−Leuは1.53mg/gタンパク質、Val−Leuは4.70mg/gタンパク質、Lys−Ileは4.82mg/gタンパク質、Leu−Leuは1.56mg/gタンパク質、Ile−Asnは3.98mg/gタンパク質、Leu−Alaは0.75mg/gタンパク質、Leu−Gluは4.35mg/gタンパク質であった。
[試験例2]
以下の通り、実施例1の筋肉合成促進剤による筋肉合成促進効果を検証した。
(1)ラットの水泳試験
実験動物には、初期体重が130〜170gのSD系雄性ラット(日本クレア株式会社より入手した)を用いた。
固形飼料(オリエンタル酵母工業株式会社製)を用いて、ラットを3〜5日間予備飼育した後、水泳運動に馴化させるために、ラットを30分間の水泳運動(水温34℃)に供した。馴化水泳運動実施日の翌日から翌々日にかけて16時間絶食させた後、ラットを試験群ごとで体重差が生じないように5つに分けた(各試験群8尾ずつ)。その後、ラットを2時間の水泳運動に供した。水泳運動終了直後に、水(すなわち、0gタンパク質/kg体重)又は筋肉合成促進剤2.5重量%又は10重量%の溶液又はホエイタンパク質2.5重量%又は10重量%の溶液を20mL/kg体重(すなわち、0.5gタンパク質/kg体重又は2.0gタンパク質/kg体重)でラットに経口摂取させた。経口摂取から45分後に、重水素ラベルフェニルアラニン溶液(重水素ラベルフェニルアラニン225mgを生理食塩水10mLに溶解して調製した)を2.0mL/kg体重でラットに尾静脈投与した。尾静脈投与から15分後に(すなわち経口摂取から60分後に)、イソフルラン麻酔下でラットを解剖した。腹部大静脈より全採血した後に、上肢三頭筋を摘出し、生理食塩水で洗浄後、直ちに液体窒素で凍結した。尾静脈投与の時刻及び上肢三頭筋の凍結保存の時刻は正確に記録した。上肢三頭筋は分析時まで−80℃に保存した。
(2)骨格筋合成速度(FSR)の測定
先行文献(A. Kanda et al., Br J Nutr, Sep. 28, 981-987, 2013)の記載に基づいて、摘出、保存した上肢三頭筋についての骨格筋合成速度(FSR)を測定した。具体的には、骨格筋細胞のタンパク質に同化して存在する、あるいは骨格筋細胞中に遊離状態で存在する、フェニルアラニン(Phe)及び重水素ラベルフェニルアラニン(Phe(Ring−D5))量を、LC/MS/MS(Waters社製)を用いてそれぞれ定量した。この測定条件は以下の通りである。すなわち、装置:LC/MS/MS(Waters社製)、カラム:ACQUITY UPLC BEH C18(Waters社製)、移動相:0.05%TFA水/0.05%TFA含有アセトニトリル、注入量 3μL、流速 0.3mL/min、UV 215nmである。
ここで、以下の式により、骨格筋合成速度(FSR)を算出した。
FSR(%/day)=(Eb×100)/(Ea×t)
Ea:エンリッチメント(骨格筋細胞中に遊離状態で存在)
Eb:エンリッチメント(骨格筋細胞のタンパク質に同化して存在)
t:尾静脈投与から、上肢三頭筋を凍結保存するまでの時間(単位:日)
エンリッチメント=Phe(Ring−D5)/(Phe+Phe(Ring−D5))
得られた数値から各試験群の平均値±標準誤差を求めた。統計処理はまず水摂取群(0gタンパク質/kg体重)を対照群とし、全群でDunnett法による多重比較検定を行った。また同一のタンパク質摂取量において、実施例1の筋肉合成促進剤を摂取した群と、ホエイタンパクを質摂取した群との間でStudentのt検定を行った。いずれの場合も有意水準は5%未満とした(p<0.05)。この結果を図1に示す。
ホエイタンパク質は、2.0gタンパク質/kg体重の摂取でのみ、水摂取の場合(0gタンパク質/kg体重)と比較してラットの骨格筋合成速度を有意に上昇させたのに対し、実施例1の筋肉合成促進剤は、0.5gタンパク質/kg体重、2.0gタンパク質/kg体重のいずれの摂取においても、水摂取の場合と比較してラットの骨格筋合成速度を有意に上昇させた(図1)。さらに、実施例1の筋肉合成促進剤の0.5gタンパク質/kg体重の摂取におけるラットの骨格筋合成速度は、ホエイタンパク質の0.5gタンパク質/kg体重の摂取におけるラットの骨格筋合成速度と比較して、有意に高値を示した(図1)。
実施例1の筋肉合成促進剤の2.0gタンパク質/kg体重の摂取におけるラットの骨格筋合成速度は、同一タンパク質含量であるホエイタンパク質の2.0gタンパク質/kg体重の摂取におけるラットの骨格筋合成速度と比較して、同等より上昇傾向であった(図1)。また、実施例1の筋肉合成促進剤の0.5gタンパク質/kg体重の摂取におけるラットの骨格筋合成速度も、ホエイタンパク質の2.0gタンパク質/kg体重の摂取におけるラットの骨格筋合成速度と比較して、同等より上昇傾向であった(図1)。図1に示される通り、本発明の筋肉合成促進剤は、ホエイタンパク質と比較して筋肉合成促進効果が高く、特に少量摂取では、これらの効果の差が顕著になることが確認された。
以上より、本発明の筋肉合成促進剤は、これまで、即効性の筋肉合成促進効果があると知られていた、ホエイタンパク質より少量の摂取で同等の筋肉合成促進効果を発揮することを見出した。また、本発明の筋肉合成促進剤は、加水分解物を有効成分とするにもかかわらず優れた筋肉合成促進作用を保持し、摂取量も低減可能なことを見出した。このことから、本発明の筋肉合成促進剤は、腎臓、胃をはじめとする内臓機能の低下した対象等の消化負担を軽減しつつ筋肉合成促進を効果的に行う上で有利であることが確認された。
[実施例2]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、バシラス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼMアマノ、アマノエンザイム社)500mgを溶液に加え、50℃で8時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例2の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例2の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例2の筋肉合成促進剤のIle−Leuは2.39mg/gタンパク質、Ala−Leuは0.64mg/gタンパク質、Val−Leuは2.35mg/gタンパク質、Lys−Ileは1.97mg/gタンパク質、Leu−Leuは0.67mg/gタンパク質、Ile−Asnは2.73mg/gタンパク質、Leu−Alaは1.22mg/gタンパク質、Leu−Gluは1.90mg/gタンパク質であった。
[実施例3]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、アスペルギルス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼNアマノ、アマノエンザイム社)500mgを溶液に加え、50℃で8時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例3の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例3の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例3の筋肉合成促進剤のIle−Leuは3.74mg/gタンパク質、Ala−Leuは1.98mg/gタンパク質、Val−Leuは2.13mg/gタンパク質、Lys−Ileは1.07mg/gタンパク質、Leu−Leuは8.20mg/gタンパク質、Ile−Asnは2.40mg/gタンパク質、Leu−Alaは1.77mg/gタンパク質、Leu−Gluは1.08mg/gタンパク質であった。
[実施例4]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、トリプシン(ノボ社)500mgを溶液に加え、37℃で4時間反応後、バシラス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼMアマノ、アマノエンザイム社)500mgを溶液に加え、50℃で4時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例4の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例4の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例2の筋肉合成促進剤のIle−Leuは3.16mg/gタンパク質、Ala−Leuは4.77mg/gタンパク質、Val−Leuは5.33mg/gタンパク質、Lys−Ileは4.84mg/gタンパク質、Leu−Leuは1.07mg/gタンパク質、Ile−Asnは1.65mg/gタンパク質、Leu−Alaは0.83mg/gタンパク質、Leu−Gluは4.82mg/gタンパク質であった。
[実施例5]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、トリプシン(ノボ社)500mgを溶液に加え、37℃で4時間反応後、アスペルギルス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼNアマノ、アマノエンザイム社)、50℃で4時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例5の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例5の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例5の筋肉合成促進剤のIle−Leuは3.57mg/gタンパク質、Ala−Leuは2.04mg/gタンパク質、Val−Leuは2.60mg/gタンパク質、Lys−Ileは0.74mg/gタンパク質、Leu−Leuは4.89mg/gタンパク質、Ile−Asnは1.61mg/gタンパク質、Leu−Alaは1.96mg/gタンパク質、Leu−Gluは0.71mg/gタンパク質であった。
[実施例6]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、ペプシン(和光純薬社)500mgを溶液に加え、37℃で4時間反応後、バシラス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼMアマノ、アマノエンザイム社)500mgを溶液に加え、50℃で4時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例6の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例6の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例6の筋肉合成促進剤のIle−Leuは1.47mg/gタンパク質、Ala−Leuは0.75mg/gタンパク質、Val−Leuは4.92mg/gタンパク質、Lys−Ileは0.54mg/gタンパク質、Leu−Leuは2.21mg/gタンパク質、Ile−Asnは1.59mg/gタンパク質、Leu−Alaは2.80mg/gタンパク質、Leu−Gluは0.62mg/gタンパク質であった。
[実施例7]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、ペプシン(和光純薬社)500mgを溶液に加え、37℃で4時間反応後、アスペルギルス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼNアマノ、アマノエンザイム社)、50℃で4時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例7の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例7の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例7の筋肉合成促進剤のIle−Leuは2.86mg/gタンパク質、Ala−Leuは2.28mg/gタンパク質、Val−Leuは3.90mg/gタンパク質、Lys−Ileは0.81mg/gタンパク質、Leu−Leuは13.37mg/gタンパク質、Ile−Asnは2.82mg/gタンパク質、Leu−Alaは3.08mg/gタンパク質、Leu−Gluは0.97mg/gタンパク質であった。
[実施例8]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、フレーバザイム(ノボ社)500mgを溶液に加え、50℃で6時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例8の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例8の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例8の筋肉合成促進剤のIle−Leuは0.62mg/gタンパク質、Ala−Leuは0.35mg/gタンパク質、Val−Leuは1.58mg/gタンパク質、Lys−Ileは1.54mg/gタンパク質、Leu−Leuは0.20mg/gタンパク質、Ile−Asnは1.64mg/gタンパク質、Leu−Alaは1.05mg/gタンパク質、Leu−Gluは1.40mg/gタンパク質であった。
[実施例9]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、アスペルギルス属由来のプロテアーゼ(ウマミザイム、アマノエンザイム社)500mgを溶液に加え、50℃で6時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例9の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例9の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例3の筋肉合成促進剤のIle−Leuは2.78mg/gタンパク質、Ala−Leuは1.09mg/gタンパク質、Val−Leuは6.25mg/gタンパク質、Lys−Ileは6.45mg/gタンパク質、Leu−Leuは1.85mg/gタンパク質、Ile−Asnは4.93mg/gタンパク質、Leu−Alaは3.93mg/gタンパク質、Leu−Gluは5.87mg/gタンパク質であった。
[実施例10]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、アスペルギルス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼAアマノ、アマノエンザイム社)500mgを溶液に加え、50℃で6時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例10の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例10の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例8の筋肉合成促進剤のIle−Leuは2.17mg/gタンパク質、Ala−Leuは0.64mg/gタンパク質、Val−Leuは4.23mg/gタンパク質、Lys−Ileは2.72mg/gタンパク質、Leu−Leuは2.22mg/gタンパク質、Ile−Asnは3.23mg/gタンパク質、Leu−Alaは2.97mg/gタンパク質、Leu−Gluは2.48mg/gタンパク質であった。
[実施例11]
ホエイタンパク質50gを水1Lに溶解させた。溶解したホエイタンパク質溶液をpH調整剤でpH7に調整し、アスペルギルス属由来のプロテアーゼ(プロテアーゼPアマノ、アマノエンザイム社)500mgを溶液に加え、50℃で6時間、ホエイタンパク質を加水分解した。プロテアーゼを加熱失活後、得られた溶液を凍結乾燥により粉末にしたものを実施例11の筋肉合成促進剤とした。
試験例1に基づき、実施例11の筋肉合成促進剤のジペプチド含量を測定した。実施例3の筋肉合成促進剤のIle−Leuは1.85mg/gタンパク質、Ala−Leuは0.66mg/gタンパク質、Val−Leuは5.19mg/gタンパク質、Lys−Ileは3.83mg/gタンパク質、Leu−Leuは1.74mg/gタンパク質、Ile−Asnは3.70mg/gタンパク質、Leu−Alaは3.54mg/gタンパク質、Leu−Gluは3.56mg/gタンパク質であった。

Claims (15)

  1. ホエイタンパク質加水分解物を有効成分とする筋肉合成促進剤。
  2. ホエイタンパク質加水分解物が、ジペプチドを含み、前記ジペプチドが、
    (1)Ile−Leu、及びLeu−Ala、並びに
    (2)Ala−Leu、Val−Leu、Lys−Ile、Leu−Leu、Ile−Asn、Leu−Glu、Leu−Val、及びIle−Valよりなる群から選択される少なくとも1種のジペプチドである、請求項1に記載の筋肉合成促進剤。
  3. ホエイタンパク質加水分解物が、ホエイタンパク質をタンパク質分解酵素により加水分解することにより得られる、請求項1又は請求項2に記載の筋肉合成促進剤。
  4. タンパク質分解酵素がバシラス属由来タンパク質分解酵素、アスペルギルス属由来タンパク質分解酵素、トリプシン、ペプシン、フレーバザイムより選ばれる1種又は2種以上である、請求項3に記載の筋肉合成促進剤。
  5. タンパク質分解酵素による加水分解が、20〜80℃で2〜48時間で行われる、請求項3又は請求項4に記載の筋肉合成促進剤。
  6. 一食あたりの単位包装形態からなり、該単位包装形態中に、ホエイタンパク質加水分解物を一食摂取量として総タンパク質含量換算で1〜40g含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の筋肉合成促進剤。
  7. 運動する対象のための、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の筋肉合成促進剤。
  8. 運動が筋肉トレーニングである、請求項7に記載の筋肉合成促進剤。
  9. 筋肉合成促進用組成物である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の剤。
  10. 飲食品または医薬品である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の剤。
  11. ホエイタンパク質加水分解物の有効量を配合すること含む、筋肉合成促進剤の製造方法。
  12. ホエイタンパク質加水分解物の有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを含む、筋肉合成促進方法。
  13. 筋肉合成促進剤の製造のための、ホエイタンパク質加水分解物の使用。
  14. 筋肉合成促進剤としての、ホエイタンパク質加水分解物の使用。
  15. 筋肉合成促進のための、ホエイタンパク質加水分解物。

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