JP2005504799A - プロトパナキサジオールおよびプロトパナキサトリオールならびに協力作用抗癌剤としてのその使用 - Google Patents
プロトパナキサジオールおよびプロトパナキサトリオールならびに協力作用抗癌剤としてのその使用 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、癌細胞の増殖を阻害する方法に用いられる薬学的組成物におけるサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと別の癌化学療法剤の協力作用的な組み合わせの使用、ならびに患者における癌を治療する方法であり、治療的および協力作用的に有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと、パクリタキセルおよびミトキサントロンからなる群より選択される化学療法剤との組み合わせを患者に投与することを含む方法を提供する。治療される癌細胞は多剤耐性でもよい。癌細胞は、例えば、前立腺癌細胞でも乳癌細胞でもよい。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはプロトパナキサトリオールと他の抗癌剤の新規の組み合わせ、ならびに癌治療用途におけるこの組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
この十年に入ってから、抗癌研究は、天然供給源から得られる新規の抗癌剤の発見ならびに天然供給源に見出される合成化合物の同定および調製にますます向けられてきた。
天然の根に由来する化合物としての薬用ニンジンサポニン(ダマラン系サポニン(「ジンセノシド」とも呼ばれ、基本的にオタネニンジン(panax ginseng)、パナクス・クイングエフォール(panax quinguefol)、パナクス・ノトギンセング(panax notoginseng)、および薬用ニンジン類の他の種に存在する有効成分である))ならびにサポゲニン(薬用ニンジン植物または薬用ニンジン類の他の種に天然では存在せず、ダマラン系サポニンの切断および/または半合成による化学構造修飾でしか得ることができない)は、抗癌特性が広く研究されている。これらの一部は抗癌作用を有することが報告されており、例えば、そのうちのジンセノシドRh2[3−O−β−D−グルコピラノシル−20(s)−プロトパナキサジオール]は、癌細胞における分化およびアポトーシスの誘導[5〜11]、経口投与後のヌードマウスにおけるヒト卵巣癌増殖の阻害[9]、ならびにインビトロで他の化学療法薬と併用した時の多剤耐性(MDR)癌細胞の増殖を阻害する能力[12]を含めて、抗癌活性[1]が報告されている。
【0003】
ジンセノシドRg3[3−O−[β−D−グルコピラノシル(1→2)−β−D−グルコピラノシル]−20(s)−プロトパナキサジオール]は、様々な癌細胞による浸潤を阻害し[13]、インビトロでヒト前立腺癌細胞の増殖を抑制し[14]、マウスにおいて肺転移[15]およびラットにおいて腹膜転移[16]を阻害することが報告されている。
【0004】
ヒト腸内細菌により産生された薬用ニンジンサポニン代謝産物Mc[20−O−[α−L−アラビノフラノシル(1→6)−β−D−グルコピラノシル]−20(s)−プロトパナキサジオール]は、腫瘍の血管新生および癌細胞の血管外遊出を阻害することが報告されている[17]。
【0005】
従来の化学療法剤は癌細胞を直接攻撃し、重篤な副作用を示すのに対して、薬用ニンジンサポニンおよびサポニゲンの一部ならびにそれらの腸内細菌代謝産物には、副作用がほとんど無く、癌細胞アポトーシスの誘導および/または癌血管新生の抑制により癌に対して阻害作用があることが報告されている。
【0006】
薬用ニンジンサポニンを用いた癌治療の場合、腸内細菌によってサポゲニンに代謝されるサポニンに抗癌作用があることが報告されている。
ミトキサントロンは、アントラキノン系染料アメタントロン(ametantrone)の合成アントラセネジオン(antracenedione)誘導体として調製することができる抗新生物剤である。ミトキサントロンは以下の式を有する:
【0007】
【化1】
ミトキサントロンは、報告によると、急性非リンパ球性白血病、進行性乳癌、および前立腺癌を含む様々な悪性疾患の治療に用いられている(非特許文献1を参照。)。ミトキサントロンは市販されており、その調製は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0008】
パクリタキセルは、パシフィックユー(Taxus brevifolia)の樹皮および他の天然供給源から入手可能な誘導体化ジテルペノイドである(非特許文献2および非特許文献3を参照。)。治療、特に癌治療において、パクリタキセルは、チューブリンに結合することで微小管構造を安定化するように作用すると考えられている。本明細書で使用する単語「パクリタキセル」は、タキソール(TAXOL)(登録商標)、タキソテール(TAXOTERE)(登録商標)、パクリタキセルの10−デスアセチル類似体、パクリタキセルの3’N−デスベンゾイル−3’N−t−ブトキシカルボニル類似体、パクリタキセル−PEG、パクリタキセル−デキストラン、またはパクリタキセル−キシロース(xylos)などの、天然に生じる分子の類似体、誘導体、および結合体を含んでもよい。パクリタキセルは様々な技法を用いて調製することができ(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、および特許文献15を参照)、または様々な供給業者(例えば、ミズーリ州セントルイス所在のシグマケミカル(Sigma Chemical Co.))から入手することができる。
【0009】
シスプラチンは、白金元素を有する無機化合物である。
【0010】
【化2】
シスプラチン(cis−ジアンミンジクロロ白金(II))は、その抗腫瘍活性が発見されてから何年にもわたって化学療法剤として用いられてきた(非特許文献4、非特許文献5、特許文献16を参照)。癌治療におけるシスプラチンの作用機構は、DNAに結合して修復機構を妨げ、細胞死を引き起こす能力によるものだと考えられている。シスプラチンは、様々な癌の治療に、最も注目すべきなのは卵巣癌および精巣癌の治療に有効であると報告されている。シスプラチンは、例えば、ブリストルマイヤーズスクイブ(Bristol−Myers Squibb)から商品名プラチノール(PLATINOL)(登録商標)として市販されている。
【0011】
1種類または複数の種類の特定の薬物に最初のうちよく反応した癌性腫瘍は、後になって薬物に対する耐性を生じ、反応しなくなることがある(多剤耐性として知られる現象)。多剤耐性は、一般に、機能上または構造上関連のない2種類以上の薬物に対する疾患(例えば、癌)の交差耐性により特徴付けられる。多剤耐性は多くの機構によって引き起こされる可能性がある。例えば、多剤耐性は、多剤耐性1タンパク質(MDR1)、多面的(pleiotropic)糖タンパク質(P−糖タンパク質)、PgpまたはP170と様々に呼ばれるタンパク質(本明細書では「P−糖タンパク質」と呼ぶ)により仲介される可能性がある。P−糖タンパク質は、特定の薬剤耐性細胞、多剤耐性腫瘍細胞、胃腸管細胞、および血液脳関門を形成する内皮細胞の細胞膜に内在すると考えられ、ここでP−糖タンパク質は細胞の薬剤排出ポンプ(efflux pump)として作用すると考えられる。様々な疾患の治療薬を含む特定の物質は、細胞に対して治療効果をあらわす前にP−糖タンパク質により細胞外に排出されることがある。
【特許文献1】
米国特許第4,197,249号
【特許文献2】
国際出願国際公開第94/07882号
【特許文献3】
国際出願国際公開第94/07881号
【特許文献4】
国際出願国際公開第94/07880号
【特許文献5】
国際出願国際公開第94/07876号
【特許文献6】
国際出願国際公開第93/23555号
【特許文献7】
国際出願国際公開第93/10076号
【特許文献8】
米国特許第5,294,637号
【特許文献9】
米国特許第5,283,253号
【特許文献10】
米国特許第5,279,949号
【特許文献11】
米国特許第5,274,137号
【特許文献12】
米国特許第5,202,448号
【特許文献13】
米国特許第5,200,534号
【特許文献14】
米国特許第5,229,529号
【特許文献15】
欧州特許第590267号
【特許文献16】
米国特許第4,177,263号
【非特許文献1】
ワイズマン(Wiseman)およびスペンサー(Spencer),Drugs&Aging,1997 June 10(6):473
【非特許文献2】
ワニ(Wani)ら,J.Am.Chem.Soc.第93巻:第2325ページ,1971年
【非特許文献3】
スティエルレ(Stierle)ら,Science 第60巻:第214−216ページ,1993年
【非特許文献4】
ローゼンバーグ(Rosenberg)ら,Nature,第205巻:第698ページ,1965年
【非特許文献5】
ローゼンバーグ(Rosenberg)ら,Nature,第222巻:第385ページ,1972年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、薬物耐性、特に、P−糖タンパク質により仲介される癌の多剤耐性を克服するのに用いることができる治療アプローチが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの態様において、本発明は、癌細胞の増殖を阻害する方法、ならびに癌の治療を必要とする患者において癌を治療する方法であり、治療的および協力作用的に有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールを、パクリタキセル、ミトキサントロン、およびシスプラチンからなる群より選択される化学療法剤と組み合わせて、このような患者に投与することを含む方法を提供する。治療される癌細胞は多剤耐性でもよい。癌細胞は、例えば、黒色腫細胞でも乳癌細胞でもよい。
【0014】
プロトパナキサジオールおよびプロトパナキサトリオールの化学構造は以下の通りである:
【0015】
【化3】
別の態様において、本発明は、癌細胞の増殖を協力作用的に阻害するための、または癌細胞の増殖を協力作用的に阻害する医薬品を処方するための、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと、パクリタキセルおよびミトキサントロンからなる群より選択される化学療法剤との組み合わせの使用を提供する。治療される癌細胞は多剤耐性でもよい。癌細胞は、例えば、黒色腫細胞でも乳癌細胞でもよい。
【0016】
別の態様において、本発明は、非P−糖タンパク質多剤耐性癌細胞(P−糖タンパク質を発現しない癌細胞)を化学療法剤感受性にするためのサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールの使用を提供する。このような実施形態では、例えば、化学療法剤を、化学療法剤単独では非P−糖タンパク質多剤耐性癌細胞に有効でない濃度または投与量で患者を治療するために、サポゲニンプロトパナキサジオールおよびサポゲニンプロトパナキサトリオールと併用することができる。化学療法剤は、例えば、パクリタキセル、ミトキサントロン、またはシスプラチンでもよい。癌細胞は、例えば、黒色腫細胞でも乳癌細胞でもよい。
【0017】
別の態様において、本発明は、癌の治療を必要とする患者において癌を治療するための薬学的組成物であって、薬学的に許容可能な担体、ならびに治療的および協力作用的に有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと、パクリタキセルおよびミトキサントロンからなる群より選択される化学療法剤とを含む薬学的組成物を提供する。
【0018】
本発明は、パクリタキセルとサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて癌細胞を処理することによって、癌細胞の増殖を阻害する方法に関する。
【0019】
本発明はまた、ミトキサントロンとサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて癌細胞を処理することによって、癌細胞の増殖を阻害する方法に関する。
【0020】
癌細胞は多剤耐性でもよく、P−糖タンパク質を発現する必要はない。癌細胞は、黒色腫細胞および乳癌細胞からなる群より選択されてもよい。
本発明はまた、パクリタキセルとサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて癌を有する患者を治療する方法、ならびにミトキサントロンとサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて癌を有する患者を治療する方法を含む。
【0021】
本発明は、癌細胞の増殖を協力作用的に阻害するための、治療上有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよびサポゲニンプロトパナキサトリオールとパクリタキセルまたはミトキサントロンとの組み合わせの使用を含む。
【0022】
本発明はまた、パクリタキセル、ミトキサントロン、またはシスプラチンと協力作用的に癌細胞の増殖を阻害する医薬品を処方するための、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールの使用を含む。
【0023】
本発明はまた、P−糖タンパク質を発現しない多剤耐性癌細胞の増殖を阻害する方法であって、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて細胞を処理することを含む方法に関する。化学療法剤は、パクリタキセル、ミトキサントロン、またはシスプラチンでもよい。多剤耐性癌細胞は、黒色腫細胞および乳癌細胞からなる群より選択されてもよい。
【0024】
本発明はまた、P−糖タンパク質を発現しない多剤耐性癌細胞の増殖を阻害するための、治療有効量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との組み合わせの使用に関し、ここで、化学療法剤単独では癌細胞の増殖を阻害するのに治療上有効でない。化学療法剤は、パクリタキセルまたはミトキサントロンまたはシスプラチンでもよい。多剤耐性癌細胞は、黒色腫細胞および乳癌細胞からなる群より選択されてもよい。
【0025】
本発明はまた、薬学的に許容可能な担体と、治療的および協力作用的に有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと、パクリタキセルおよびミトキサントロンからなる群より選択される化学療法剤とを含む薬学的組成物に関する。
【0026】
組成物の形状は、経口投与可能な形状、注射可能な形状、および外用可能な形状からなる群より選択可能である。組成物は経口投与可能な形状でもよく、錠剤、散剤、懸濁剤、乳剤、カプセル、顆粒剤、トローチ、丸剤、液体、酒精剤、シロップ剤、またはレモネードからなる群より選択されてもよい。または、組成物は注射可能な形状でもよく、液体、懸濁剤、および液剤からなる群より選択されてもよい。組成物はまた、軟膏、液体、散剤、硬膏、坐剤、エーロゾル剤、リニメント剤、ローション剤、浣腸、および乳剤からなる群より選択される外用可能な形状でもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図面は本発明の特定の実施形態を例示するものであり、どのようにも本発明の精神または範囲を制限するものとは解釈してはならない。
本発明のさらに十分な理解のために、以下の説明全体を通して具体的な詳細を述べる。しかしながら、本発明はこれらの詳細なく実施することができる。本発明を不必要に分かりにくくするのを避けるために、他の場合では、周知の要素を示さず、詳細に説明もしていない。従って、明細書および図面は、制限するものではなく例示するものであるとみなされるべきである。
【0028】
サポゲニンは薬用ニンジンには存在しない。薬用ニンジンに存在するサポニンは、化学反応によってサポゲニンに変換しなければならない。本発明の様々な態様によるサポゲニンプロトパナキサジオールおよびサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との組み合わせを用いた治療に感受性のある癌として、乳癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、口腔咽頭部癌、咽頭喉頭部癌、食道癌、胃癌、膵臓癌、肝臓癌、胆嚢管および胆管の癌、小腸癌、尿路(腎臓、膀胱、および尿路上皮を含む)の癌、雌性生殖管(子宮頸、子宮、および卵巣、ならびに絨毛癌および妊娠性絨毛疾患を含む)の癌、雄性生殖管(前立腺、精嚢、精巣および生殖細胞腫瘍を含む)の癌、内分泌腺(甲状腺、副腎、および下垂体を含む)の癌、ならびに皮膚癌、ならびに血管腫、黒色腫、肉腫(骨および軟部組織から発生した肉腫ならびにカポジ肉腫を含む)、ならびに脳、神経、眼、および髄膜の腫瘍(星状細胞腫、神経膠腫、グリア芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経腫、神経芽細胞腫、神経鞘腫、および髄膜腫を含む)を含む、原発性および転移性の腫瘍および過形成を挙げることができる。本発明のある態様において、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との組み合わせはまた、白血病(すなわち、緑色腫、プラズマ細胞腫、ならびに菌状息肉腫および皮膚性T細胞リンパ球性白血病の斑および腫瘍)ならびにリンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)などの造血癌の治療において有用であり得る。さらに、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との組み合わせは、前記腫瘍に由来する転移の予防に有用であり得る。
【0029】
サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤は、別々に、または1つの混ぜ合わせた薬学的組成物として投与することができる。投与される各成分の量は、疾患の原因および重篤度、患者の状態および年齢、ならびに各成分の効力などの様々な要因を考慮して主治医が決定することができる。成分は、例えば、ニュージャージー州オラデル(Oradell)所在のメディカルエコノミクス社(Medical Economics Co.Inc.)から出版されているPhysician’s Desk Reference(PDR)に開示されているように標準的な方法に従って投与することができる。
【0030】
サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との治療的および協力作用的に有効な組み合わせは、化学療法剤が化学療法投与量で投与され、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールが治療投与量で投与され、それにより達成される治療効果(例えば、細胞増殖の阻害)が、化学療法投与量の化学療法剤単独で達成される治療効果と治療投与量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独で達成される治療効果との合計より大きいことにより特徴付けられる。例えば、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとパクリタキセルとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせは、パクリタキセルがパクリタキセル投与量で投与され、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールが治療投与量で投与され、それにより達成される細胞増殖の阻害が、パクリタキセル投与量のパクリタキセル単独で達成される阻害と治療投与量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独で達成される阻害の合計より大きい組み合わせである。同様に、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとミトキサントロンの治療的および協力作用的に有効な組み合わせは、ミトキサントロンがミトキサントロン投与量で投与され、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールが治療投与量で投与され、それにより達成される癌細胞増殖の阻害がミトキサントロン投与量のミトキサントロン単独で達成される阻害と治療投与量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独で達成される阻害の合計より大きい組み合わせである。
【0031】
本発明の薬学的組成物を処方するために、生理学的に適合する溶媒、分散媒、コーティング剤、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む1または複数の薬学的に許容可能な担体または賦形剤が用いられてもよい。別の実施形態において、担体は、非経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、舌下投与、または経口投与に適していてもよい。薬学的に許容可能な担体として、無菌水溶液または無菌分散物ならびに無菌の注射用液剤または分散剤を即座に調製するための無菌粉末を挙げることができる。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物に適合しない場合を除き、本発明の薬学的組成物におけるその使用が想到される。補助的な活性化合物も薬学的組成物に混合することができる。
【0032】
薬学的組成物は、一般的に、製造および保存の条件下で無菌および安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、または高い薬物濃度に適した他の指定の構造として処方することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒でもよい。例えば、レシチンなどのコーティング剤を使用することによって、分散液の場合は必要とされる粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を維持することができる。多くの場合、組成物に等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトール)、ソルビトール、または塩化ナトリウム)を含むことが好ましいであろう。注射用組成物の長期吸収は、吸収を遅延する薬剤(例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチン)を組成物に含めることによってもたらすことができる。さらに、薬学的組成物は、徐放性処方で、例えば、徐放性ポリマーを含む組成物の状態で投与することができる。活性化合物は、急速な放出から化合物を保護する担体(例えば、インプラントおよびマイクロカプセル送達システムを含む徐放性処方物)と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸、およびポリ乳酸ポリグリコール酸コポリマー(PLG)などの生分解性生体適合性ポリマーを使用することができる。このような処方物を調製するための多くの方法が特許取得済であるか、または一般的に当業者に周知である。
【0033】
無菌の注射用液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記で列挙した成分の1つまたは組み合わせと共に適切な溶媒に加え、その後に濾過滅菌することによって調製することができる。一般的に、分散液は、主分散媒および前記で列挙した必要な他の成分を含む滅菌ビヒクルに活性化合物を加えることによって調製される。無菌注射液調製用の無菌粉末の場合、好ましい調製法は、活性成分と任意のさらなる所望の成分の溶液を予め濾過滅菌してから粉末を生じさせる真空乾燥および凍結乾燥である。薬学的組成物は、活性化合物の溶解度を高める1または複数の化合物と共に処方されてもよい。
【0034】
サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールを単離および精製する手順として、例えば、水溶液または有機溶剤を用いた抽出、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、および高速クロマトグラフィーを挙げることができる。オタネニンジン根からのサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールの調製に合わせて、植物抽出物の抽出および精製の技法(例えば、(本明細書中に参照として援用される)以下の文献で開示される技法)を用いることができる:2000年12月5日にパン(Pang)らに発行された米国特許第6,156,291号;2000年7月4日にパン(Pang)らに発行された米国特許第6,083,932号;1979年6月12日にボムバルデリ(Bombardelli)に発行された米国特許第4,157,894号;1992年8月11日にパン(Pang)らに発行された米国特許第5,137,878号;1993年7月27日にイノウエ(Inoue)に発行された米国特許第5,230,889号;1996年12月31日にタシロ(Tashiro)らに発行された米国特許第5,589,182号。
【0035】
図1は、PPDまたはPPTがRh2より強力な腫瘍阻害作用を有することを示す。プロトパナキサジオール(PPD)またはプロトパナキサトリオール(PPT)およびRh2の細胞毒性をB16黒色腫腫瘍細胞において比較した。細胞を様々な濃度の化合物で処理し、処理をして24時間後に生存率を測定した。
【0036】
図2aおよび2bは、サポゲニンプロトパナキサジオールまたはサポゲニンプロトパナキサトリオール存在下での薬剤感受性(MCF7)または薬剤耐性(MCF7r)ヒト乳癌細胞に対するパクリタキセルの細胞毒性の増強を示す。細胞を、様々な濃度のパクリタキセル単独、または20μg/ml Rh2、6μg/ml PPT、もしくは6μg/ml PPDの存在下で処理した。3種類全ての化合物がタキソールによる細胞毒性を協力作用して増強したが、PPDはタキソールと協力作用して著しく強力である。この協力作用は薬剤耐性腫瘍細胞(MDF7r)において最も顕著であった。
【0037】
以下の表は、薬剤感受性(MCF7)細胞株および薬剤耐性(MCF7r)細胞株におけるタキソールのIC50に対するRh2、サポゲニンプロトパナキサジオール、およびサポゲニンプロトパナキサトリオールの増強作用を示す。3種類全ての化合物(特に、PPDおよびPPT)の増強作用が薬剤感受性細胞より薬剤耐性細胞株において非常に著しいことに留意しなければならない。
【0038】
【表1】
本発明の様々な実施形態が本明細書において開示されているが、当業者の広くいきわたった一般的な知識に従って、本発明の範囲内で多くの適合形態および変更形態を実施可能である。例えば、本発明は、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールの全ての光学異性体およびラセミ体を含む。このような変更形態として、実質的に同じように同じ結果を得るために本発明の任意の態様から既知等価物に置き換えることが挙げられる。数値範囲は範囲を限定する数値を含む。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という単語はオープンエンドの用語として用いられ、「を含むが、これらに限定されない(including, but not limited to)」という語句と実質的に等価である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】サポゲニンプロトパナキサジオール(PPD)、サポゲニンプロトパナキサトリオール(PPT)、およびRh2の細胞毒性の比較を示すグラフ。縦軸にはB16黒色腫腫瘍細胞の細胞生存率、横軸には化学療法剤の濃度を示す。
【図2】乳癌細胞MCF7/MCF7rにおけるサポゲニンプロトパナキサジオール(PPD)およびサポゲニンプロトパナキサトリオール(PPT)とパクリタキセルとの組み合わせの使用を示すグラフ。2aおよび2bは2つのグラフAおよびBである。縦軸には細胞生存率、横軸にはパクリタキセル濃度を示し、各グラフの4本の線は、パクリタキセルのみ、パクリタキセルとRh2、パクリタキセルとPPD、およびパクリタキセルとPPTを示す。
【0001】
本発明は、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはプロトパナキサトリオールと他の抗癌剤の新規の組み合わせ、ならびに癌治療用途におけるこの組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
この十年に入ってから、抗癌研究は、天然供給源から得られる新規の抗癌剤の発見ならびに天然供給源に見出される合成化合物の同定および調製にますます向けられてきた。
天然の根に由来する化合物としての薬用ニンジンサポニン(ダマラン系サポニン(「ジンセノシド」とも呼ばれ、基本的にオタネニンジン(panax ginseng)、パナクス・クイングエフォール(panax quinguefol)、パナクス・ノトギンセング(panax notoginseng)、および薬用ニンジン類の他の種に存在する有効成分である))ならびにサポゲニン(薬用ニンジン植物または薬用ニンジン類の他の種に天然では存在せず、ダマラン系サポニンの切断および/または半合成による化学構造修飾でしか得ることができない)は、抗癌特性が広く研究されている。これらの一部は抗癌作用を有することが報告されており、例えば、そのうちのジンセノシドRh2[3−O−β−D−グルコピラノシル−20(s)−プロトパナキサジオール]は、癌細胞における分化およびアポトーシスの誘導[5〜11]、経口投与後のヌードマウスにおけるヒト卵巣癌増殖の阻害[9]、ならびにインビトロで他の化学療法薬と併用した時の多剤耐性(MDR)癌細胞の増殖を阻害する能力[12]を含めて、抗癌活性[1]が報告されている。
【0003】
ジンセノシドRg3[3−O−[β−D−グルコピラノシル(1→2)−β−D−グルコピラノシル]−20(s)−プロトパナキサジオール]は、様々な癌細胞による浸潤を阻害し[13]、インビトロでヒト前立腺癌細胞の増殖を抑制し[14]、マウスにおいて肺転移[15]およびラットにおいて腹膜転移[16]を阻害することが報告されている。
【0004】
ヒト腸内細菌により産生された薬用ニンジンサポニン代謝産物Mc[20−O−[α−L−アラビノフラノシル(1→6)−β−D−グルコピラノシル]−20(s)−プロトパナキサジオール]は、腫瘍の血管新生および癌細胞の血管外遊出を阻害することが報告されている[17]。
【0005】
従来の化学療法剤は癌細胞を直接攻撃し、重篤な副作用を示すのに対して、薬用ニンジンサポニンおよびサポニゲンの一部ならびにそれらの腸内細菌代謝産物には、副作用がほとんど無く、癌細胞アポトーシスの誘導および/または癌血管新生の抑制により癌に対して阻害作用があることが報告されている。
【0006】
薬用ニンジンサポニンを用いた癌治療の場合、腸内細菌によってサポゲニンに代謝されるサポニンに抗癌作用があることが報告されている。
ミトキサントロンは、アントラキノン系染料アメタントロン(ametantrone)の合成アントラセネジオン(antracenedione)誘導体として調製することができる抗新生物剤である。ミトキサントロンは以下の式を有する:
【0007】
【化1】
ミトキサントロンは、報告によると、急性非リンパ球性白血病、進行性乳癌、および前立腺癌を含む様々な悪性疾患の治療に用いられている(非特許文献1を参照。)。ミトキサントロンは市販されており、その調製は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0008】
パクリタキセルは、パシフィックユー(Taxus brevifolia)の樹皮および他の天然供給源から入手可能な誘導体化ジテルペノイドである(非特許文献2および非特許文献3を参照。)。治療、特に癌治療において、パクリタキセルは、チューブリンに結合することで微小管構造を安定化するように作用すると考えられている。本明細書で使用する単語「パクリタキセル」は、タキソール(TAXOL)(登録商標)、タキソテール(TAXOTERE)(登録商標)、パクリタキセルの10−デスアセチル類似体、パクリタキセルの3’N−デスベンゾイル−3’N−t−ブトキシカルボニル類似体、パクリタキセル−PEG、パクリタキセル−デキストラン、またはパクリタキセル−キシロース(xylos)などの、天然に生じる分子の類似体、誘導体、および結合体を含んでもよい。パクリタキセルは様々な技法を用いて調製することができ(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、および特許文献15を参照)、または様々な供給業者(例えば、ミズーリ州セントルイス所在のシグマケミカル(Sigma Chemical Co.))から入手することができる。
【0009】
シスプラチンは、白金元素を有する無機化合物である。
【0010】
【化2】
シスプラチン(cis−ジアンミンジクロロ白金(II))は、その抗腫瘍活性が発見されてから何年にもわたって化学療法剤として用いられてきた(非特許文献4、非特許文献5、特許文献16を参照)。癌治療におけるシスプラチンの作用機構は、DNAに結合して修復機構を妨げ、細胞死を引き起こす能力によるものだと考えられている。シスプラチンは、様々な癌の治療に、最も注目すべきなのは卵巣癌および精巣癌の治療に有効であると報告されている。シスプラチンは、例えば、ブリストルマイヤーズスクイブ(Bristol−Myers Squibb)から商品名プラチノール(PLATINOL)(登録商標)として市販されている。
【0011】
1種類または複数の種類の特定の薬物に最初のうちよく反応した癌性腫瘍は、後になって薬物に対する耐性を生じ、反応しなくなることがある(多剤耐性として知られる現象)。多剤耐性は、一般に、機能上または構造上関連のない2種類以上の薬物に対する疾患(例えば、癌)の交差耐性により特徴付けられる。多剤耐性は多くの機構によって引き起こされる可能性がある。例えば、多剤耐性は、多剤耐性1タンパク質(MDR1)、多面的(pleiotropic)糖タンパク質(P−糖タンパク質)、PgpまたはP170と様々に呼ばれるタンパク質(本明細書では「P−糖タンパク質」と呼ぶ)により仲介される可能性がある。P−糖タンパク質は、特定の薬剤耐性細胞、多剤耐性腫瘍細胞、胃腸管細胞、および血液脳関門を形成する内皮細胞の細胞膜に内在すると考えられ、ここでP−糖タンパク質は細胞の薬剤排出ポンプ(efflux pump)として作用すると考えられる。様々な疾患の治療薬を含む特定の物質は、細胞に対して治療効果をあらわす前にP−糖タンパク質により細胞外に排出されることがある。
【特許文献1】
米国特許第4,197,249号
【特許文献2】
国際出願国際公開第94/07882号
【特許文献3】
国際出願国際公開第94/07881号
【特許文献4】
国際出願国際公開第94/07880号
【特許文献5】
国際出願国際公開第94/07876号
【特許文献6】
国際出願国際公開第93/23555号
【特許文献7】
国際出願国際公開第93/10076号
【特許文献8】
米国特許第5,294,637号
【特許文献9】
米国特許第5,283,253号
【特許文献10】
米国特許第5,279,949号
【特許文献11】
米国特許第5,274,137号
【特許文献12】
米国特許第5,202,448号
【特許文献13】
米国特許第5,200,534号
【特許文献14】
米国特許第5,229,529号
【特許文献15】
欧州特許第590267号
【特許文献16】
米国特許第4,177,263号
【非特許文献1】
ワイズマン(Wiseman)およびスペンサー(Spencer),Drugs&Aging,1997 June 10(6):473
【非特許文献2】
ワニ(Wani)ら,J.Am.Chem.Soc.第93巻:第2325ページ,1971年
【非特許文献3】
スティエルレ(Stierle)ら,Science 第60巻:第214−216ページ,1993年
【非特許文献4】
ローゼンバーグ(Rosenberg)ら,Nature,第205巻:第698ページ,1965年
【非特許文献5】
ローゼンバーグ(Rosenberg)ら,Nature,第222巻:第385ページ,1972年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、薬物耐性、特に、P−糖タンパク質により仲介される癌の多剤耐性を克服するのに用いることができる治療アプローチが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの態様において、本発明は、癌細胞の増殖を阻害する方法、ならびに癌の治療を必要とする患者において癌を治療する方法であり、治療的および協力作用的に有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールを、パクリタキセル、ミトキサントロン、およびシスプラチンからなる群より選択される化学療法剤と組み合わせて、このような患者に投与することを含む方法を提供する。治療される癌細胞は多剤耐性でもよい。癌細胞は、例えば、黒色腫細胞でも乳癌細胞でもよい。
【0014】
プロトパナキサジオールおよびプロトパナキサトリオールの化学構造は以下の通りである:
【0015】
【化3】
別の態様において、本発明は、癌細胞の増殖を協力作用的に阻害するための、または癌細胞の増殖を協力作用的に阻害する医薬品を処方するための、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと、パクリタキセルおよびミトキサントロンからなる群より選択される化学療法剤との組み合わせの使用を提供する。治療される癌細胞は多剤耐性でもよい。癌細胞は、例えば、黒色腫細胞でも乳癌細胞でもよい。
【0016】
別の態様において、本発明は、非P−糖タンパク質多剤耐性癌細胞(P−糖タンパク質を発現しない癌細胞)を化学療法剤感受性にするためのサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールの使用を提供する。このような実施形態では、例えば、化学療法剤を、化学療法剤単独では非P−糖タンパク質多剤耐性癌細胞に有効でない濃度または投与量で患者を治療するために、サポゲニンプロトパナキサジオールおよびサポゲニンプロトパナキサトリオールと併用することができる。化学療法剤は、例えば、パクリタキセル、ミトキサントロン、またはシスプラチンでもよい。癌細胞は、例えば、黒色腫細胞でも乳癌細胞でもよい。
【0017】
別の態様において、本発明は、癌の治療を必要とする患者において癌を治療するための薬学的組成物であって、薬学的に許容可能な担体、ならびに治療的および協力作用的に有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと、パクリタキセルおよびミトキサントロンからなる群より選択される化学療法剤とを含む薬学的組成物を提供する。
【0018】
本発明は、パクリタキセルとサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて癌細胞を処理することによって、癌細胞の増殖を阻害する方法に関する。
【0019】
本発明はまた、ミトキサントロンとサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて癌細胞を処理することによって、癌細胞の増殖を阻害する方法に関する。
【0020】
癌細胞は多剤耐性でもよく、P−糖タンパク質を発現する必要はない。癌細胞は、黒色腫細胞および乳癌細胞からなる群より選択されてもよい。
本発明はまた、パクリタキセルとサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて癌を有する患者を治療する方法、ならびにミトキサントロンとサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて癌を有する患者を治療する方法を含む。
【0021】
本発明は、癌細胞の増殖を協力作用的に阻害するための、治療上有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよびサポゲニンプロトパナキサトリオールとパクリタキセルまたはミトキサントロンとの組み合わせの使用を含む。
【0022】
本発明はまた、パクリタキセル、ミトキサントロン、またはシスプラチンと協力作用的に癌細胞の増殖を阻害する医薬品を処方するための、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールの使用を含む。
【0023】
本発明はまた、P−糖タンパク質を発現しない多剤耐性癌細胞の増殖を阻害する方法であって、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との治療的および協力作用的に有効な組み合わせを用いて細胞を処理することを含む方法に関する。化学療法剤は、パクリタキセル、ミトキサントロン、またはシスプラチンでもよい。多剤耐性癌細胞は、黒色腫細胞および乳癌細胞からなる群より選択されてもよい。
【0024】
本発明はまた、P−糖タンパク質を発現しない多剤耐性癌細胞の増殖を阻害するための、治療有効量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との組み合わせの使用に関し、ここで、化学療法剤単独では癌細胞の増殖を阻害するのに治療上有効でない。化学療法剤は、パクリタキセルまたはミトキサントロンまたはシスプラチンでもよい。多剤耐性癌細胞は、黒色腫細胞および乳癌細胞からなる群より選択されてもよい。
【0025】
本発明はまた、薬学的に許容可能な担体と、治療的および協力作用的に有効な量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと、パクリタキセルおよびミトキサントロンからなる群より選択される化学療法剤とを含む薬学的組成物に関する。
【0026】
組成物の形状は、経口投与可能な形状、注射可能な形状、および外用可能な形状からなる群より選択可能である。組成物は経口投与可能な形状でもよく、錠剤、散剤、懸濁剤、乳剤、カプセル、顆粒剤、トローチ、丸剤、液体、酒精剤、シロップ剤、またはレモネードからなる群より選択されてもよい。または、組成物は注射可能な形状でもよく、液体、懸濁剤、および液剤からなる群より選択されてもよい。組成物はまた、軟膏、液体、散剤、硬膏、坐剤、エーロゾル剤、リニメント剤、ローション剤、浣腸、および乳剤からなる群より選択される外用可能な形状でもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図面は本発明の特定の実施形態を例示するものであり、どのようにも本発明の精神または範囲を制限するものとは解釈してはならない。
本発明のさらに十分な理解のために、以下の説明全体を通して具体的な詳細を述べる。しかしながら、本発明はこれらの詳細なく実施することができる。本発明を不必要に分かりにくくするのを避けるために、他の場合では、周知の要素を示さず、詳細に説明もしていない。従って、明細書および図面は、制限するものではなく例示するものであるとみなされるべきである。
【0028】
サポゲニンは薬用ニンジンには存在しない。薬用ニンジンに存在するサポニンは、化学反応によってサポゲニンに変換しなければならない。本発明の様々な態様によるサポゲニンプロトパナキサジオールおよびサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との組み合わせを用いた治療に感受性のある癌として、乳癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、口腔咽頭部癌、咽頭喉頭部癌、食道癌、胃癌、膵臓癌、肝臓癌、胆嚢管および胆管の癌、小腸癌、尿路(腎臓、膀胱、および尿路上皮を含む)の癌、雌性生殖管(子宮頸、子宮、および卵巣、ならびに絨毛癌および妊娠性絨毛疾患を含む)の癌、雄性生殖管(前立腺、精嚢、精巣および生殖細胞腫瘍を含む)の癌、内分泌腺(甲状腺、副腎、および下垂体を含む)の癌、ならびに皮膚癌、ならびに血管腫、黒色腫、肉腫(骨および軟部組織から発生した肉腫ならびにカポジ肉腫を含む)、ならびに脳、神経、眼、および髄膜の腫瘍(星状細胞腫、神経膠腫、グリア芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経腫、神経芽細胞腫、神経鞘腫、および髄膜腫を含む)を含む、原発性および転移性の腫瘍および過形成を挙げることができる。本発明のある態様において、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との組み合わせはまた、白血病(すなわち、緑色腫、プラズマ細胞腫、ならびに菌状息肉腫および皮膚性T細胞リンパ球性白血病の斑および腫瘍)ならびにリンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)などの造血癌の治療において有用であり得る。さらに、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との組み合わせは、前記腫瘍に由来する転移の予防に有用であり得る。
【0029】
サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤は、別々に、または1つの混ぜ合わせた薬学的組成物として投与することができる。投与される各成分の量は、疾患の原因および重篤度、患者の状態および年齢、ならびに各成分の効力などの様々な要因を考慮して主治医が決定することができる。成分は、例えば、ニュージャージー州オラデル(Oradell)所在のメディカルエコノミクス社(Medical Economics Co.Inc.)から出版されているPhysician’s Desk Reference(PDR)に開示されているように標準的な方法に従って投与することができる。
【0030】
サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールと化学療法剤との治療的および協力作用的に有効な組み合わせは、化学療法剤が化学療法投与量で投与され、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールが治療投与量で投与され、それにより達成される治療効果(例えば、細胞増殖の阻害)が、化学療法投与量の化学療法剤単独で達成される治療効果と治療投与量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独で達成される治療効果との合計より大きいことにより特徴付けられる。例えば、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとパクリタキセルとの治療的および協力作用的に有効な組み合わせは、パクリタキセルがパクリタキセル投与量で投与され、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールが治療投与量で投与され、それにより達成される細胞増殖の阻害が、パクリタキセル投与量のパクリタキセル単独で達成される阻害と治療投与量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独で達成される阻害の合計より大きい組み合わせである。同様に、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールとミトキサントロンの治療的および協力作用的に有効な組み合わせは、ミトキサントロンがミトキサントロン投与量で投与され、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールが治療投与量で投与され、それにより達成される癌細胞増殖の阻害がミトキサントロン投与量のミトキサントロン単独で達成される阻害と治療投与量のサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独で達成される阻害の合計より大きい組み合わせである。
【0031】
本発明の薬学的組成物を処方するために、生理学的に適合する溶媒、分散媒、コーティング剤、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む1または複数の薬学的に許容可能な担体または賦形剤が用いられてもよい。別の実施形態において、担体は、非経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、舌下投与、または経口投与に適していてもよい。薬学的に許容可能な担体として、無菌水溶液または無菌分散物ならびに無菌の注射用液剤または分散剤を即座に調製するための無菌粉末を挙げることができる。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物に適合しない場合を除き、本発明の薬学的組成物におけるその使用が想到される。補助的な活性化合物も薬学的組成物に混合することができる。
【0032】
薬学的組成物は、一般的に、製造および保存の条件下で無菌および安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、または高い薬物濃度に適した他の指定の構造として処方することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒でもよい。例えば、レシチンなどのコーティング剤を使用することによって、分散液の場合は必要とされる粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を維持することができる。多くの場合、組成物に等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトール)、ソルビトール、または塩化ナトリウム)を含むことが好ましいであろう。注射用組成物の長期吸収は、吸収を遅延する薬剤(例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチン)を組成物に含めることによってもたらすことができる。さらに、薬学的組成物は、徐放性処方で、例えば、徐放性ポリマーを含む組成物の状態で投与することができる。活性化合物は、急速な放出から化合物を保護する担体(例えば、インプラントおよびマイクロカプセル送達システムを含む徐放性処方物)と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸、およびポリ乳酸ポリグリコール酸コポリマー(PLG)などの生分解性生体適合性ポリマーを使用することができる。このような処方物を調製するための多くの方法が特許取得済であるか、または一般的に当業者に周知である。
【0033】
無菌の注射用液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記で列挙した成分の1つまたは組み合わせと共に適切な溶媒に加え、その後に濾過滅菌することによって調製することができる。一般的に、分散液は、主分散媒および前記で列挙した必要な他の成分を含む滅菌ビヒクルに活性化合物を加えることによって調製される。無菌注射液調製用の無菌粉末の場合、好ましい調製法は、活性成分と任意のさらなる所望の成分の溶液を予め濾過滅菌してから粉末を生じさせる真空乾燥および凍結乾燥である。薬学的組成物は、活性化合物の溶解度を高める1または複数の化合物と共に処方されてもよい。
【0034】
サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールを単離および精製する手順として、例えば、水溶液または有機溶剤を用いた抽出、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、および高速クロマトグラフィーを挙げることができる。オタネニンジン根からのサポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールの調製に合わせて、植物抽出物の抽出および精製の技法(例えば、(本明細書中に参照として援用される)以下の文献で開示される技法)を用いることができる:2000年12月5日にパン(Pang)らに発行された米国特許第6,156,291号;2000年7月4日にパン(Pang)らに発行された米国特許第6,083,932号;1979年6月12日にボムバルデリ(Bombardelli)に発行された米国特許第4,157,894号;1992年8月11日にパン(Pang)らに発行された米国特許第5,137,878号;1993年7月27日にイノウエ(Inoue)に発行された米国特許第5,230,889号;1996年12月31日にタシロ(Tashiro)らに発行された米国特許第5,589,182号。
【0035】
図1は、PPDまたはPPTがRh2より強力な腫瘍阻害作用を有することを示す。プロトパナキサジオール(PPD)またはプロトパナキサトリオール(PPT)およびRh2の細胞毒性をB16黒色腫腫瘍細胞において比較した。細胞を様々な濃度の化合物で処理し、処理をして24時間後に生存率を測定した。
【0036】
図2aおよび2bは、サポゲニンプロトパナキサジオールまたはサポゲニンプロトパナキサトリオール存在下での薬剤感受性(MCF7)または薬剤耐性(MCF7r)ヒト乳癌細胞に対するパクリタキセルの細胞毒性の増強を示す。細胞を、様々な濃度のパクリタキセル単独、または20μg/ml Rh2、6μg/ml PPT、もしくは6μg/ml PPDの存在下で処理した。3種類全ての化合物がタキソールによる細胞毒性を協力作用して増強したが、PPDはタキソールと協力作用して著しく強力である。この協力作用は薬剤耐性腫瘍細胞(MDF7r)において最も顕著であった。
【0037】
以下の表は、薬剤感受性(MCF7)細胞株および薬剤耐性(MCF7r)細胞株におけるタキソールのIC50に対するRh2、サポゲニンプロトパナキサジオール、およびサポゲニンプロトパナキサトリオールの増強作用を示す。3種類全ての化合物(特に、PPDおよびPPT)の増強作用が薬剤感受性細胞より薬剤耐性細胞株において非常に著しいことに留意しなければならない。
【0038】
【表1】
本発明の様々な実施形態が本明細書において開示されているが、当業者の広くいきわたった一般的な知識に従って、本発明の範囲内で多くの適合形態および変更形態を実施可能である。例えば、本発明は、サポゲニンプロトパナキサジオールおよび/またはサポゲニンプロトパナキサトリオールの全ての光学異性体およびラセミ体を含む。このような変更形態として、実質的に同じように同じ結果を得るために本発明の任意の態様から既知等価物に置き換えることが挙げられる。数値範囲は範囲を限定する数値を含む。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という単語はオープンエンドの用語として用いられ、「を含むが、これらに限定されない(including, but not limited to)」という語句と実質的に等価である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】サポゲニンプロトパナキサジオール(PPD)、サポゲニンプロトパナキサトリオール(PPT)、およびRh2の細胞毒性の比較を示すグラフ。縦軸にはB16黒色腫腫瘍細胞の細胞生存率、横軸には化学療法剤の濃度を示す。
【図2】乳癌細胞MCF7/MCF7rにおけるサポゲニンプロトパナキサジオール(PPD)およびサポゲニンプロトパナキサトリオール(PPT)とパクリタキセルとの組み合わせの使用を示すグラフ。2aおよび2bは2つのグラフAおよびBである。縦軸には細胞生存率、横軸にはパクリタキセル濃度を示し、各グラフの4本の線は、パクリタキセルのみ、パクリタキセルとRh2、パクリタキセルとPPD、およびパクリタキセルとPPTを示す。
Claims (17)
- ある形態の癌の治療において使用する医薬品の製造における、
(a)サポゲニンプロトパナキシジオール(protopanaxidiol)単独もしくはサポゲニンプロトパナキシトリオール(protopanaxitriol)単独またはそれらの組み合わせと、
(b)化学療法剤と、
の組み合わせの使用。 - 化学療法剤がパクリタキセル、ミトキサントロン、およびシスプラチンから選択される、請求項1に記載の使用。
- 癌の形態が多剤耐性癌細胞である、請求項1または2に記載の使用。
- 癌細胞がP−糖タンパク質を発現しない、請求項3に記載の使用。
- 癌細胞が、医薬品の非存在下で増殖する黒色腫細胞および乳癌細胞から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
- 癌細胞を治療する医薬品の製造における、サポゲニンプロトパナキサジオール単独もしくはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独またはそれらの組み合わせの使用であって、サポゲニンプロトパナキサジオール単独もしくはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独またはそれらの組み合わせの使用により癌細胞が化学療法剤感受性となることを特徴とする使用。
- 癌細胞が多剤耐性である、請求項6に記載の使用。
- 多剤耐性癌細胞がP−糖タンパク質を発現しない、請求項7に記載の使用。
- 化学療法剤がパクリタキセル、ミトキサントロン、およびシスプラチンから選択される、請求項7または8に記載の使用。
- (a)薬学的に許容可能な担体、
(b)化学療法剤、および
(c)ある量のサポゲニンプロトパナキサジオール単独もしくはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独またはそれらの組み合わせ、
を含む薬学的組成物であって、サポゲニンプロトパナキサジオール単独もしくはサポゲニンプロトパナキサトリオール単独またはそれらの組み合わせは化学療法剤と組み合わせた場合に治療的および協力作用的に有効であることを特徴とする、薬学的組成物。 - 化学療法剤がパクリタキセル、ミトキサントロン、およびシスプラチンから選択される、請求項10に記載の薬学的組成物。
- 化学療法剤がパクリタキセルである、請求項10に記載の薬学的組成物。
- 化学療法剤がミトキサントロンである、請求項10に記載の薬学的組成物。
- 組成物の形状が、経口投与可能な形状、注射可能な形状、外用可能な形状、食品の形状、多栄養製品の形状、および代替薬物の形状から選択される、請求項10または11に記載の薬学的組成物。
- 経口投与可能な形状であり、錠剤、散剤、懸濁剤、乳剤、カプセル、顆粒剤、トローチ、丸剤、液体、酒精剤、シロップ剤、またはレモネードから選択される、請求項10または11に記載の薬学的組成物。
- 注射可能な形状であり、液体、懸濁剤および液剤から選択される、請求項10または11に記載の薬学的組成物。
- 外用可能な形状であり、軟膏、液体、散剤、硬膏、坐剤、エーロゾル剤、リニメント剤、ローション剤、浣腸、および乳剤から選択される、請求項10または11に記載の薬学的組成物。
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