JP2005502988A - 燃料電池に使用される一体化システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
汚染物質、騒音、および湿度の制御を行うための構成部品を含む一体化システムであって燃料電池システム用として提供される。この一体化システムは、汚染管理、騒音の制御および水の管理を行うように結合して構成される。この汚染管理システムは、酸素を燃料電池の陽極に供給する吸気の濾過を行い、この濾過により取り除かれる材料には、サブミクロンのサイズの粒子状物質、塩、油および化学薬品が含まれる。この騒音の制御システムは、システムの騒音レベルを減衰、共鳴で削減するか、または空気を圧縮して移動させる空気圧縮設備から放たれる空気の騒音のレベルを消音する。また、汚染管理システムは燃料電池に潤滑剤が到達する機会を減少させるために空気をフィルターにかけることで圧縮機の下流側の安全性を提供することができる。過剰に水などが存在するときに、水の管理システムは液水を取り除く。これらのシステムは燃料電池用としてコンパクトかつ徹底的な保護を提供することができ、さまざまな構成で一体化される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、汚染物質、騒音、および湿度の制御を行うための構成部品を含む一体化システムであって、燃料電池システム用として提供される一体化システムに関するものである。特に、この開示では、騒音の抑圧を伴い燃料電池に入る吸気から汚染物質を取り除く濾過組立体を結合した様々なシステムに向けられており、そして燃料電池からの排気を改善するシステムに向けられる。
【背景技術】
【0002】
恐らく多用される電源として未来に向けて有望視されている燃料電池システムは、多くの問題が関連付けられている。燃料電池(または、燃料電池の積層構造)と、酸素の供給源と、燃料の供給源と、適切な設備を含む燃料電池システムは、十分な効率を得る必要があり、望ましくは最適な運転状態を燃料電池に与えるために完全に理解されていない多くのパラメータを含んでいる。すなわち、どのような構成が燃料電池システムに最適であるかはよく理解されていない。
【0003】
燃料電池の寿命と耐用期間および性能は、燃料電池の陰極側に酸素源として使用される空気の品質によって大いに影響される。大気中または雰囲気中に存在している多くのタイプの汚染物質が燃料電池の動作にとって有害な場合がある。一時的かまたは永久的に、サブミクロンの粒子状物質、硫黄化合物、VOCs、塩、NHxなどの様々な汚染物質によって、陰極触媒と電解質とが汚染または破損されることになる。これらの大気中の汚染物質のタイプと濃度は、使用場所、時刻および季節で異なる。一般に、これらの汚染物質の除去を行うことは、内燃機関とガスタービンなどの発電所で使用される現在の空気汚染管理システム(例えば、微粒子濾過装置)の能力を超えている。したがって、燃料電池の性能とシステムおよび耐用期間を最大にするためには、燃料電池システムは、少なくとも何らかの形式の汚染物質制御手段を含むべきである。
【0004】
水素燃料と陰極における化学反応および電力の発生を行うときに、人間が聞きとれるいかなる騒音も発生しないので、燃料電池の中に起こる触媒反応は静かな工程である。このように燃料電池は静かであるが、一般に燃料電池システムは、燃料電池の陽極を介して移動するように大気圧より高い気圧で移動される空気を加圧するか、または陰極側の空気を加圧するためのコンプレッサー/エキスパンダ、送風機または他の空気移動設備を利用することになる。どちらの場合もこれらの空気移動設備は、重要な騒音圧レベルを達成する上で好ましくない騒音を放つ。さらに、いくつかのタイプのコンプレッサーは潤滑油を漏洩することが知られているが、油は燃料電池に損傷を与える。
【0005】
また、燃料電池に導入される酸素の湿度もまた燃料電池の性能に影響を与える。空気の流れの中の微粒子汚染物質は、空気が圧縮されるにつれ蒸気水を凝縮させる場合がある。燃料電池の性能と、水または湿気あるいは双方のレベルを最適にするように燃料電池システムが制御されるべきである。
【0006】
一般に上述したように、燃料電池システムの適切な性能は多くの問題が他にも関連付けられている。多くの事例では、多数の部材が複雑にもつれているハウジングと、システムに存在するパイプとその他の部品が存在する。このため改良が必要となる。
【0007】
<本発明の概要>
本発明の開示では汚染物質、騒音、温度および湿度の制御を行うための構成部品を含む一体化システムであって、燃料電池システム用として提供される一体化システムが提供される。特に、この開示では汚染管理、騒音の制御および水の管理を結合する様々な組立体に向けられる。
【0008】
汚染管理システムは、酸素を燃料電池の陽極に供給する吸気のための濾過を提供し、除去される材料には、サブミクロンの粒子状物質、塩、油および化学薬品を含ませることができる。騒音の制御システムは、燃料電池システムに存在する騒音の広帯域の減衰を提供する。この騒音の制御システムには、共振器と騒音波のチョーク(閉止装置)と完全なチョークと騒音の吸着材の材料などを含ませることができ、システムを通り抜ける騒音を減衰するか、さもなくば1メーターでシステムを少なくとも3デジベル、望ましくは少なくとも6デシベル減衰する。汚染管理システムも潤滑剤が燃料電池に達する機会を減少させるために空気を濾過することによって、コンプレッサーの下流側における安全性を提供することができる。温度制御システムは、所望されるように熱を加えるかまたは熱を取り除くことによってシステムの温度制御を行う。過剰に水が存在するときに、水の管理システムは液水を取り除く。これらのシステムは、燃料電池のためのコンパクトでかつ徹底的な保護を提供するためにさまざまな構成で一体化される。
【0009】
一つの特定の構成では、様々なシステムとして、上流側の一体的組立体と、減衰された熱交換器組立体と、下流側の一体的組立体および排気組立体として構成される。
【0010】
また、PEM燃料電池の性能を左右する陰極の空気汚染物質の影響について資料を収集した。粒子状物質を高い効率で濾過するための技術開発にともない、燃料電池の性能と信頼性に影響する汚染物質である、油、塩、化学薬品と騒音の影響を調べるために様々な組立体の開発に組み入れられた。
【0011】
特に、この開示は多重の一体式組立体を有する燃料電池システムに向けられている。このシステムは、空気の流れの入口を有する燃料電池と、空気の流れの入口と出口とを有する空気移動設備と、燃料電池の入口に対して動作可能に接続される上記の出口とを具備する。第1の一体的組立体は、空気の流れの上流側で空気移動設備から位置決めされおり、第2の一体的組立体は、空気移動設備から下流側の空気の流れの位置で位置決めされており、第1と第2の一体的組立体は汚染物質管理システムと騒音制御システムと温度制御システムおよび水の管理システムの内の少なくとも2台のシステムを含む組立体として一体化される。一つの実施例では、第1の一体化組立体は汚染物質管理システムと騒音制御システムを含む。この汚染物質管理システムは、微粒子フィルタと化学フィルタを含むことができる。また、第3の一体化組立体が燃料電池システムに存在する場合がある。
【0012】
また、この開示では燃料電池システムで使用される一体化組立体と、騒音を発生する空気移動設備を具備するシステムに向けられる。この組立体は、空気入口と空気出口とを有するハウジングと、騒音を少なくとも3デジベルほど減少させる騒音制御システムと、温度制御システムとを含み、この温度制御システムは熱交換器である場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例である装置と方法について添付の図面に基づき詳しく述べるが、各図面を参照して、同じ構成部品については同様の符号を各図面を通して附して説明する。図1において燃料電池システム10が模式図として図示されている。この燃料電池システム10は、燃料電池15と、第1のコンプレッサー50と、燃料電池15の空気の流れの上流側の第2のコンプレッサー50’と、燃料電池15の空気の流れの下流側のエキスパンダ55を含んでいる。
【0014】
ここで、図ではエキスパンダ55とコンプレッサー50、50’のみが図示されているが、好適な他のタイプの空気移動設備であるコンプレッサー、エキスパンダ、ターボ過給機、送風機などの設備も空気を燃料電池15に向けて流すために使用できることが理解されよう。上述したように、一般にすべての空気移動設備は何らかのレベルの好ましくない雑音を放つものである。
【0015】
この燃料電池システム10は、上流側の一体化組立体100と、減衰された熱交換器組立体150と、下流側の一体化組立体200および排気組立体300を含んでいる。ここで、「上流側」と「下流側」の用語はコンプレッサー50などのように燃料電池15の上流に位置する空気移動設備に対して用いる。また、「一体式」と言う用語は、汚染物質管理システム、騒音制御システム、温度制御システム、水管理システムを一つの組立体として設けた多重システムのことを意味し、望ましくはいくつかの具体化例では、二つ以上の複数のハウジングが単一のハウジングを形成するために接合されて単一のハウジングとして構成されることを意味する。上述したように、空気移動設備はコンプレッサー、エキスパンダ、ターボ過給機、送風機などのような装置が含まれる。
【0016】
図1で図式的に図示される上流側の一体化組立体100は微粒子フィルタ、化学物質除去フィルタおよび騒音を抑える抑圧要素を含むことができ、これらのフィルタは通常は炭素のベースの材料が使用される。例えば、米国特許出願番号の第09/832、715号(2001年4月11日に出願)と米国特許出願番号第09/879、441号(2001年6月12日に出願)によれば、上流側の濾過設備100について記載されているので、ここに全内容を援用する。それぞれ上流側の一体化組立体100の部品(すなわち、微粒子フィルタ、化学物質フィルタおよび騒音の抑圧要素)は、同じハウジングで覆われるように構成されているが、いくつかの具体化例では一つまたはそれ以上の部品が別々のハウジングかユニットに設けられる場合がある。図2を参照して、好ましい構成の上流側の一体化組立体100について詳細に図示されている。
【0017】
図2では、上流側の一体化組立体100は直列に配置された二つの部分を具備しており汚染物質管理システムと騒音制御システムを有する第1のハウジング部分105aと、騒音制御システムを有する第2のハウジング部分105bとを備えている。この組立体100には入口102と出口104が設けられている。この入口102はハウジング部分105a中に空気の大気または周囲空気を導入する。空気は汚染物質の制御システムを通過するが、この制御システムは微粒子を取り除く物理的除去システムと汚染化学物質を取り除く化学汚染物質除去システムを含む濾過システム110を含む。図示された具体化例では、この濾過システム110は第1のフィルタエレメント112aと第2のフィルタエレメント112bとを含む化学フィルタエレメント112と、微粒子フィルタエレメント114を備えている。
【0018】
この化学フィルタエレメント112は吸着または吸収のどちらかの作用で空気中から汚染物質を取り除くように機能する。ここで、「吸着」、「吸収」および「吸着剤」として使用する用語は、吸着と吸収のメカニズムを意味する。
【0019】
化学汚染物質除去システムは、物理的吸着または化学的吸着を行う材料を通常含み、例えばデジカントである乾物(即ち、水または水の蒸気を吸着する吸収する材料)や揮発性の有機化合物と、酸ガスと基本的なガスの一方または双方を吸着するかまたは吸収する材料などが含まれる。ここで「吸着材の材料」、「吸着の材料」、「 吸収性材料 」、 「吸収の材料」、「吸収性の材料」という用語は、種々の変形例があり、吸着または吸収によって化学汚染物質を取り除く全ての材料をカバーすることを意図している。これらの適当な吸着材の材料としては、例えば炭素繊維、飽和炭素、活性アルミナ、モレキュラーシーブ、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、シリカゲルおよび珪石を含む活性炭が含まれることになる。これらの材料のいずれかを互いに結合するか、コーティングするか、飽和することで、例えば過マンガン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ソーダ、硫酸カルシウム、クエン酸、燐酸、他の酸性の材料とこれらの混合物として使用する。いくつかの具体化例では、吸着材の材料を第2の物質と結合するかまたは飽和することができる。
【0020】
この吸着材の材料は、微粒子または粒状にした材料を通常含み、様々な構成である例えば果粒、ビーズ、繊維、細かい粉、ナノ構造、ナノチューブ、エーロゲルとして設けられることになり、コーティング材料として用いてセラミックのビーズ、単体構造物、紙媒体または金属表面などを基材にして設けることができる。特に微粒子か粒状にされた材料を吸着材の材料に使用する場合には、材料のベッドとして供給することができる。換言すれば吸着材の材料を、例えば大きいタブレット、顆粒、ビーズまたは折り畳み可能なハニカム構造などの単体構造または単一に形成することができる。少なくともいくつかの事例では、濾過組立体の正常な使用状態の寿命の期間は、吸着材の材料はその形状を実質的に維持することになる。形状付けされる吸着材の材料は、固体または液体のバインダーと結合される通気性の粒子材料から形成することができる。この形状付けされる吸着材の材料は、例えば金型成形、圧縮成形または押出工法によって形成することができる。例えば、このような形状付けされる吸着材は、米国特許番号第5、189、092号(コスロウ)、米国特許番号第5、331、037号(コスロウ)に記載されており、ここに参考のために述べる。
【0021】
図2に図示の実施例では、フィルタエレメント112a、112bは空洞で筒状に押出された活性炭である。
【0022】
微粒子フィルタ114は物理的な微粒子汚染物質であるゴミ、スモッグ、煙、ディーゼルエンジン排気微粒子、花粉、昆虫、木材チップ、おがくず、金属削りくず、宇宙塵および同様のものを取り除くことになる。通常、微粒子を除去する部分は、粒子を取り除くためにセルロース材料を含む繊維マットや織物などの濾過材を含んでいる。このフィルタ114に使用される媒体は、 望まれる微粒子除去の効率と、フィルタエレメント114を通過する最大レベルの許容圧力降下とその他の要因に応じて、異なるものが使用される。この濾過媒体は、微小な微粒子を取り除く際にその効率を種々の方法で改善した濾過材を使用することができ、例えば静電処理した媒体が使用でき、またセルロース、合成媒体またはそれの組み合わせてあって、1層またはそれ以上の層のナノ繊維を使用でき、これは当業者が適宜なし得る媒体を使用できる。使用可能なナノ繊維のタイプに関する詳細に関しては、例えば米国特許番号第4、650、506号(バリス他)に記載されているので参照のために記載する。
【0023】
好ましい具体化例では、微粒子フィルタエレメント114は長円形に形成されたフィルタエレメントとして形成するために中央の軸体の周りに巻き付けられるセルロース濾過材が含まれる。このフィルタエレメント114はハウジング105aにセットされたときに密閉状態にするための封止システムが設けられており、これは例えば米国特許番号第4、720、292号に開示されるような封止システムが含まれる。ここで「封止」、「封止する」という用語は、この封止システム60が所定の圧力下でフィルタエレメント114の外側の表面とハウジング105aを覆う内部の側壁の間の領域との間において正常な状態で気密状態に保たれることで、フィルタエレメント114の濾過材を通過しない気流が抑制されることを意味する。
【0024】
特定の構成では、フィルタ114は直線的に突き抜ける流れを実現する。この「直線的な流れ」とは、そのフィルタ114は第1の流れ表面(空気入口の端部に対応する)とその反対側の第2の流れ面(空気出口の端部に対応する)とを有することを意味する。突き抜ける直線的な流れがしばしば望まれる理由は、例えば折り目をつけられたフィルタと比較してまっすぐに流れることでフィルタを通して流れる空気量をより大きくできることによる。ここで、「直線的な流れ」と「一列の流れ」との間には区別がないことを意図している。空気は第1の流れ表面を介して一方向に入り、同じ方向で第2の流れ面から外部に流れる。
【0025】
化学汚染物質用フィルタ112と微粒子フィルタ114の追加的な、代替構成の詳細については米国特許出願番号第09/832、715号と09/879、441号に記載されている。
【0026】
この汚染物質制御システム(即ち、各フィルタ112、114)を通過した後に、空気は上流側の一体化組立体100中の騒音制御システムに進む。特に、空気は騒音の抑圧構成130を覆ったハウジング105bに進む。この騒音の抑圧構成130は、共振器132と第2の共振器134とを含む。それぞれの共振器132、134は共鳴するように設計された多数の孔部が穿設されており、各サイズおよび配置を工夫することで騒音の波長を減衰するように共鳴可能に設計されている。この騒音の抑圧構成130は騒音波の絞り装置であるチョーク135をさらに含む。
【0027】
この騒音の抑圧構成130は、コンプレッサー50、コンプレッサー50’、エキスパンダ55のいずれから発生する騒音のレベルを減少するかまたは抑圧する。このような騒騒音低減は、望ましくは1メーターの少なくとも3デシベル、通常は少なくとも6デシベル、望ましくは少なくとも10デシベル、および少なくとも25デシベルである。この騒音の抑圧構成130によれば、コンプレッサー50の上流側から一体化組立体100を通して入る周囲の環境中への騒音を減衰させることによって騒音発散を減少させることができる。
【0028】
このコンプレッサー50などの設備から発する騒音は、上流側の一体化組立体100と、減衰している熱交換器組立体150と、下流側の組立体200および排気組立体300と燃料電池15と、コンプレッサー50および他の組立体で受入れられることで如何なる方向にも伝わることになる。すなわち、騒音は上流側の一体化組立体100への空気の流れに乗りコンプレッサー50から伝わり、さらに下流側の減衰している熱交換器組立体150にも伝わる。コンプレッサー50’とエキスパンダ55からの騒音も同様に上流側と下流側に伝わる。
【0029】
この騒音の抑圧構成130は、上流側の一体化組立体100の有するほかの特徴点であって、騒音レベルを少なくとも3デシベル、通常は少なくとも6デシベル、または少なくとも10デシベル、より望ましくは少なくとも25デシベル減衰できるような如何なる構成要素を含むことができる。この適当な騒音の抑圧要素に関する事例としてはマフラー、裏打ちされたダクト、邪魔板、騒音の経路、プレナム、膨張室、共振器、騒音波のチョーク、完全なチョーク、騒音吸収材料およびこれらの様々な組み合わせを含む。上記のように図2に図示の具体化例では、抑圧構成130は第1の共振器132と、第2の共振器134と、騒音波のチョーク135とを有している。
【0030】
この騒音の抑圧構成130には、ハウジング105bが設けられる。このハウジング105bの外側の壁と、いかなる他の構造物も最小な面状または平らな表面を有することが望ましく、ドラミング現象が平たんな壁でしばしば起こるので、むしろ表面での振動量を減少させるために湾曲形状が好ましい。
【0031】
上記の共振器132、134と、騒音波のチョーク135と、他の減衰または共鳴装置を含む騒音の抑圧構成130に関する追加的な詳細については、米国特許出願番号第09/832、715号と第09/879、441号に記述されている。
【0032】
空気は汚染管理システムと騒音の制御システムを通り抜け、出口104を通して上流側の一体化組立体100から外部に出てからコンプレッサー50に進む。空気は入口52を介してコンプレッサー50に入り出口54を通って外に出る。以上のように、コンプレッサー50はいかなる空気移動設備が使用可能である。
【0033】
このコンプレッサー50からの空気は減衰した熱交換器組立体150に移動する。この組立体150については「インタークーラー組立体」とも呼ぶことができ、この熱交換器(またはクーラー)をコンプレッサー50とコンプレッサー50’の間に設けている。もしもコンプレッサー50’が存在しない場合には、熱交換器組立体150を「アフタークーラー組立体」と呼ぶことができる。この減衰した熱交換器組立体150の一つの好適な具体化例が図3に図示されている。
【0034】
この減衰した熱交換器組立体150は、ハウジング155の中に保持された騒音制御システムと温度制御システムの一体化装置と呼ばれる。このハウジング155には入口152と出口154を有し、この組立体150はコンプレッサー50の出口54からの空気を入口152で受け入れる。この入口152は騒音の抑圧要素160に接続されており、この抑圧要素は騒音を減衰させるように設計された複数の開口部を有している。この組立体150は、また第2の騒音波の抑圧要素165を含んでいる。これらの騒音の抑圧要素160、165は騒音を消音するか、または望ましくは少なくとも3デシベル、通常は少なくとも6デシベル、または望ましくは少なくとも10デシベルあるいは少なくとも25デシベル減少する。また、ハウジング155は組立体150を通り抜ける騒音レベルを減少させるために、ハウジング155は円筒状の形であり、円形の第1の端部157と円形の第2の端部158の間に壁156を有している。壁156と端部157、158の表面は振動またはドラミングを減少させるためにカーブしている。
【0035】
騒音の抑圧要素160、165の間に熱交換器170が配置されている。この熱交換器170は、水の注入口172を介して熱交換器170へ供給される水により組立体150を通り抜ける空気を冷やすことで空気の熱を取り除き、加熱された水は水の出口174を介して取り除かれる。入口152を介して組立体150に入る空気はコンプレッサー50による圧縮作用で高い温度となっている。
【0036】
減衰する熱交換器組立体の第2の具体化例については図4において150’で図示されている。この減衰する熱交換器組立体150'は汚染物質管理システムを含んでいる。
【0037】
図3で示した組立体150と類似しており、この組立体150’は入口152’と出口154’とを有している。ハウジング155’は第1の端部157’とこれに対向する第2の端部158’とを有している。第1の端部157’は移動可能なフランジカバー159を含み、これについては後述する。コンプレッサー50からの空気は入口152’を介して組立体150'に入ってフィルタエレメント180に進む。このフィルタエレメント180は微粒子フィルタエレメントであり、望ましくはPTFEの材料を具備する。このフィルタエレメント180は穴あけされたインナーライナを通常含み、このインナライナーにより安定性と気流が通過する構造をひだをつけられた媒体に提供する。いくつかの具体化例では減衰させるかまたは共鳴するように穴あけを設計すると良い。上記のように、第1の端部157’はフィルタエレメント180の取り外しと交換作業のために望ましくはフランジ159を含んでおり、このフランジによってフィルタエレメント180へのアクセスを所望に応じて可能にしている。
【0038】
このフィルタエレメント180からフィルターにかけられた後の空気は、交換器170’(冷却水の注入口172’と出口174’を有する)を通過して冷却される。冷却された空気は、共振器165’に進み、続いて出口154’を通って進む。
【0039】
第2のコンプレッサーで50'を通過し、減衰する熱交換器組立体150、150’を出た空気は下流側の一体化組立体200に進む。
【0040】
図1で図式的に示された、この下流側の一体化組立体200は汚染物質管理システム、騒音制御システムおよび水の管理システムのいずれかを備えることができる。例えば米国特許出願番号第09/832、715号および第09/879、441号において、この下流側の濾過設備200に関する事例が記載されている。再度、図2に図示されるように望ましい下流側の一体化組立体200によれば、騒音の抑圧要素と水を管理するフィルタを備えている。
【0041】
この下流側の一体化組立体200は入口202と出口204およびハウジング205を有している。このハウジング205の中にはフィルタ210が配置されている。このフィルター210は2個のフィルタエレメント210a、210bを有している。図示の具体化例では、フィルタエレメント210a、210bの材料として膨張させたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のように微粒子フィルタと化学フィルタの両方の濾過機能を備える材料が使用される。このPTFEは、塩と油などの有機材料の通過を禁止する。このようにしてPTFEは微粒子濾過と化学物質濾過の両方を行う。PTFEは、また液水または水の蒸気が通り抜けることは許容し、凝集させる。凝集された水は組立体200から排出される、
この組立体200は、ハウジング205の中の騒音の抑圧要素230をさらに含む。この騒音の抑圧要素230は騒音を消音するか、あるいは騒音を、少なくとも3デシベル、通常は少なくとも6デシベル、望ましくは少なくとも10デシベルまたは少なくとも25デシベル減少させることができる。望ましくは、ハウジング205およびフィルタ210は組立体200の騒音の抑圧効果を増加させる円形であると良い。
【0042】
または、潜在的に有害な汚染状態になるか、または事前にこの状態を決定するために、下流側の濾過設備200を通過する気流状態をモニターすることができる。このためには、少なくとも3つの可能なオプションが利用可能である。まず、フィルタ210を通り抜ける空気の固まりをモニターするために、空気流量センサをフィルタ210と燃料電池15の間にインストールすることができる。また、空気の固まりが減少するにつれて、フィルタ210の閉塞レベルを予測することができる。第2のオプションとして、フィルタ210の反対側の圧力降下をモニターすることができる。そして、第3のオプションとして、逃し弁をフィルタ210の上流にインストールしても良く、フィルタが目詰まりして十分な空気が流れる状態が許容されず圧力が高まると、フィルタ210の圧力が高まる前に逃し弁が開くようにする。
【0043】
入口202を通って下流側の一体化組立体200に入った空気は、騒音の抑圧要素230により減衰されてから、次にフィルタ210の外側から内側または内側から外側に向けて通り抜ける。このフィルター210は、燃料電池15を通り抜ける微粒子またはコンプレッサー50’で発生する可能性のある微粒子を取り除く。下流側の一体化組立体200を出口204を介して出た空気は燃料電池15に進む。
【0044】
燃料電池15は触媒反応で電力を生成するために、入力された空気の酸素と水素を利用する。蒸気の形態の液体の形態で水が副産物として生成される。燃料電池15からの排気は、陽極か電解質における触媒から汚染物質を凝集する場合がある。
【0045】
図1のシステムでは、燃料電池15に入る空気は通常はコンプレッサー50、50’を通り抜けた高い圧力である。この高い圧力の空気は燃料電池15の効率を改良する。燃料電池15を一度通過した空気は大気圧に戻されるか、少なくとも高い圧力から低い圧力状態に戻される。図1に図示のように、空気の流れはエキスパンダ55を通り抜ける。一つの望ましい具体化例では、図3のコンプレッサー55’とともにエキスパンダ55が圧縮段階にされる結果、コンプレッサー55’とエキスパンダ55は一つのターボ過給機ユニットに組み入れられた構成となっている。
【0046】
図1の燃料電池システム10では、さらに燃料電池15の下流側で位置決めされ、空気がエキスパンダ55から導入される排気組立体300を含んでいる。この排気組立体300は燃料電池15の排気端側において位置決めされることから、この組立体300を通り抜けた空気は減少した酸素レベルを有している。また、この排気中には水と液水と水の蒸気の両方が含まれている。
【0047】
この排気組立体300の一つの望ましい具体化例では、図2に図示のように汚染物質管理システムと、騒音制御システムおよび水管理システムを有している。特に、この排気組立体300は騒音の抑圧要素330と、化学物質フィルタ320と水分除去要素340とをハウジング305の中にすべて配置している。この水分除去要素340は液水を取り除くが、空気の流れとともに水の蒸気については通過させる。
【0048】
このハウジング305は、燃料電池15からの空気を受けるための入口302と、空気を出すための出口304を有している。空気は入口302を介して排気組立体300の中に入り、騒音の抑圧要素330に向けて進む。化学物質フィルタ320は要素330の下流側に位置している。液水は水分除去要素340によって空気の流れから取り除かれるが、この排気組立体300の望ましい水分除去要素340に関する事例としてはしばしば「ストラタ チューブ(strata tubes)」と呼ばれる多数のパイプ構造物が挙げられる。
【0049】
上述した燃料電池システム10の中では、汚染物質と騒音および湿度の制御に提供される多数の一体化構成部品を燃料電池システム10中に設けている。様々な組立体の様々な望ましい具体化例により燃料電池15の陰極側の空気の流れがもたらされることを記述した。ここで、上述の組立体の種々の構成が可能であり、燃料電池の燃料側面(すなわち、陽極側)で使用することができ、燃料電池の触媒か燃料改良者の触媒を保護することは言うまでもない。
【0050】
以下の議論は、燃料電池の動作にとって有害であると信じられている様々な汚染物質について向けられる。
<雰囲気空気汚染物質>
空気汚染物質は、その組成と大きさの両方の要因から存在位置がそれぞれ異なる。例えば、粒子状物質は海洋の上の穏やかな日から風の強い砂漠の日までの間でその濃度が9桁変動する。加えて、微粒子のサイズ分布は微粒子物質の基材に依存する。下表の表1は、一般に汚染物質が環境状態と存在位置で異なることを表している。
【0051】
内燃機関からの未燃炭化水素放出などの揮発性の有機成分(VOCs)は、排気の位置と排気源如何によりその濃度が大いに異なる。寒い気候となる都市領域では内燃機関を寒い日に始動するときに寒さにより高いレベルの揮発性の有機成分(VOCs)が存在する。また、2サイクルの内燃機関が使用される領域では一酸化炭素と高い濃度の揮発性の有機成分が存在する。都市は揮発性の有機成分の比較的に低い平均した濃度を有するが、一部地域では高い濃度となる。空気中の硫黄化合物は、硫黄を含む燃料が燃焼される場所に存在しており、豚農場などの農業領域かまたはパルプ工場などの工業地域に存在する。
【0052】
通常、アンモニアは農業領域と下水処理植物の近くに存在する。自動車の3方向コンバータの触媒作用によれば、排気中から窒素酸化物を減少させることができるが、その副産物として100マイル走行あたりのおよそ0.28オンスのアンモニアを発生させることが判明した。このようにして発生するアンモニアはトンネル内部と他の制限された領域に蓄積することが発見された。
【0053】
空気中の塩の濃度は、特に沿岸地域と砂漠と産業放出地帯と寒い環境の道路上であって凍結防止剤が使用される場所で高いことが分かった。塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウムまたは他のサルフェートなどの塩は、空気中に運ばれることで潮解するかまたは湿度条件に依存してその状態を変化させる。塩は粒子状物質として固体状態となるか水溶液中に存在することとなる。乾燥した塩の粒子は、0.5〜1.5ミクロンのサイズの範囲となる。湿った塩の粒子は1〜20ミクロンのサイズの範囲となる。特に領域が塩が直接噴射された露出状態にあるならば沿岸の領域の中の空気における塩の濃度は風速に大きく依存する。空気中の塩の濃度は風速35ノットで10PPMの高濃度になる。領域が適度に保護され、塩の直の噴射に露出されない場合には、表2に示すように高度100フィートまで表示される。
【0054】
様々な都市において選択された汚染物質の典型的な平均した濃度については表3に記載されている。戦場などの極端な状況下では、戦争ガスと他の汚染物質は表4に記載されているように空気中に高い濃度で存在する場合がある。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
望ましくは上述の様々な汚染物質管理システムは、燃料電池15に有害となる汚染物質の量を減少させるように設計されることになる。
<コンプレッサーで放出される汚染物質>
雰囲気空気中に見つけられる汚染物質に加えて、コンプレッサー50、50’などの空気移動設備からは微粒子状、化学的のいずれかまたは双方の汚染物質が生成または放出される場合がある。
【0060】
燃料電池にとって有害になるコンプレッサーから放出される汚染物質としては、封止部分から漏洩する潤滑油および回転する構成部品からの摩耗粒子の少なくとも二つのタイプがある。燃料電池用の空気移動システムで使用される最も一般的なタイプのコンプレッサーの一つとしてツインねじ式リンショルム(Lysholm)形式のコンプレッサーが挙げられる。このコンプレッサーの特徴の一つは粒子状物質と少量の潤滑油の両方を放出することが判明した。
【0061】
このコンプレッサーからの汚染物質は、コンプレッサーの下流側の二つの異なったタイプのフィルタである粒子状物質の精密濾過膜で微粒子が捕捉され、HEPAフィルタで凝集した潤滑油が集められる。クリーンルームに準じたHEPAフィルターにかけられた空気が下流側のコンプレッサーに送られる。
【0062】
図5は、精密濾過膜に集められた汚染物質の走査電子顕微鏡画像である。膜の対称の黒い形状品は3ミクロンにエッチングされた穴であり、不均等な形状物は集合した粒子状物質である。分析された粒子はサイズと形においてそれぞれ異なっていたが、それらはすべたが同じ元素組成を有していた。粒子サイズは1〜10ミクロンの直径範囲であり、この特徴から高速度で研磨さされた超硬材料の粒子であった。
【0063】
元素分析がエネルギ分散スペクトロメータ(EDS)を使用して行われ、典型的な粒子分析結果が図6に示される。図6の酸素と炭素のピークは有機的な元素を示すことから、コンプレッサーの潤滑油からのものと判明した。また、典型的なオイル添加剤としては亜鉛と銅とが含まれているので銅と亜鉛の痕跡量は潤滑油を示している。モリブデンと硫黄のピークは、たぶんこのコンプレッサーの内壁で使用したコーティングである硫化モリブデン(MoS2)を表す。分析されたすべての粒子が同じモリブデンを硫黄の比率で有していたが、有機材料の量は異なっていた。粒子のいずれもアルミニウムであるコンプレッサーハウジングと内壁の素地は検出されなかった。表5は汚染物質元素分析結果を示す。
【0064】
【表5】
<PEM燃料電池への空気汚染の効果>
一般に、燃料電池の汚染問題は、内燃機関とガスタービンなどの伝統的な動力システム統の汚染問題とは大きく異なっている。大きい粒子状物質は、焼却プロセスからフィルターにかけられる。また、燃焼には無害なことからサブミクロン粒子状物質と化学的汚染物質はエンジンへの燃焼用空気からは濾過されることはない。もしも、内燃機関などと同レベルの濾過をされた空気がPEM燃料電池の中の陰極に適用される場合には、汚染物質イオンと化学薬品とにより永久に燃料電池が使用不能になるであろう。
【0065】
陰極用の空気汚染について坂本他によって明確に行われた一つの研究から、汚染物質を陰極に入ることを防止することの重要性が分かる。図7において、微粒子フィルタのあるなしにかかわらず単一のセルのためのセル電圧の比較が時間軸に対して記入されている。坂本他は、空気濾過なしで動作されたセルだけがテストの終わりにおいてカルシウム、カリウム、マグネシウム、およびナトリウムイオンが増加していたことを発見した。
【0066】
図8、9および10はPEM燃料電池の性能に対する空気中の亜硫酸ガス(SO2)の影響を示した図である。それぞれ行われたテストでは、1平方cm当たり0.17mgのプラチナの陽極と1平方cm当たり0.18mgのプラチナの陰極を有する水素/空気PEM燃料電池が使用された。この燃料電池は酸素の50%分が過剰に供給され、温度80℃で、1分間当たり202標準立方cmの空気流量で動作された。陰極に与えられた空気はゼロのSO2の汚染のレベルかまたは5ppmのSO2の汚染レベルを有していた。
【0067】
最初のテスト結果は、図8によってグラフで表されており、清浄大気による2時間の燃料電池の運転後に、SO2の汚染空気が供給された。燃料電池の出力は1時間のSO2の供給で劇的に低下し、汚染された空気が清浄大気と取り替えられた後にも出力は回復しなかった。
【0068】
第2回目のテストでは、図9のテスト結果に示すように、3.4時間に渡りSO2で汚染された空気で燃料電池が始動された。その性能は、30分経過後に低下し始めて全体の3.4時間に渡り低下し続けた。この汚染された空気が清浄大気と取り替えられた後に、清浄大気が87時間供給されて作動された後に、出力はわずかに回復した。
【0069】
第3回目のテストでは、図10に示すように空気が1ppmのSO2で汚染された汚い空気で動作した結果がグラフで表されている。燃料電池の性能は最初の15時間のSO2の汚染に晒される間において非常にゆっくり低下し、その後は性能は劇的に低下した。このときSO2の汚染に対する露呈時間は44.5時間であった。40時間の露呈で出力低下は、元の出力のおよそ60%で安定した。この汚染された空気が清浄な空気と取り替えられた後に出力はわずかに向上し安定した。
【0070】
このように亜硫酸(SO2)ガスによる汚染が燃料電池の性能へ劇的な損傷を与え、亜硫酸ガス汚染による燃料電池の性能の低下が主に不可逆であることが明確となった。ここで、図8と図9で示されたデータを得るために使用されたSO2の濃度が5ppmであった点は重要であり、この濃度はSO2ガス放出源の近くにあることを示している。参考のために臭いを感じる敷居値は0.1〜3ppmである。典型的に大気中に存在するSO2から保護されていない大部分の燃料電池の性能が減少する時間は、燃料電池SO2源の近くで作動していない場合には図8、9で示されるよりもはるかに長くなるであろう。
【0071】
上記の説明により本発明に係る多数の特性と開示における利点を述べ、細部構造と機能について述べたが、本発明は請求項に記載される範囲および他の請求項に記載された範囲で種々の構成が可能であって、いかなる方法も発明の範囲に制限されない。また、本発明は、いなかる特定のタイプの燃料電池による使用、または記述された具体化例またはここに記述される特定の構成部品、構成または材料の使用に制限されない、また、請求の広い範囲の中ですべての代替構成および変形構成がカバーされる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】は本発明の開示に基づく一体化燃料電池システムの概要を示したブロック図である。
【図2】は図1の一体化燃料電池システムを様々な破断面で破断して示した外観斜視図であって、上流側の一体化組立体と下流側の一体化組立体および排気組立体を表した図である。
【図3】は図1の一体化燃料電池システムの別の部分のアイソメトリック図であって、減衰された熱交換器組立体を表した図である。
【図4】は減衰された熱交換器組立体の2番目の実施例の横断面図である。
【図5】は下流側に位置した空気圧縮機の微粒子フィルタで集合された汚染物質の走査電子顕微鏡写真である。
【図6】は図5のフィルタから集められた汚染物質のスペクトルメータ分析結果のグラフ図である。
【図7】は微粒子フィルタを空気の流れ中に含ませることにより燃料電池の性能に対する有益な効果を示したグラフ図である。
【図8】は第1のセット状態におけるPEM燃料電池性能に対するSO2の影響を示すグラフ図である。
【図9】は第2のセット状態におけるPEM燃料電池性能に対するSO2の影響を示すグラフ図である。
【図10】は第3のセット状態におけるPEM燃料電池性能に対するSO2の影響を示すグラフ図である。
【0001】
本発明の開示は、汚染物質、騒音、および湿度の制御を行うための構成部品を含む一体化システムであって、燃料電池システム用として提供される一体化システムに関するものである。特に、この開示では、騒音の抑圧を伴い燃料電池に入る吸気から汚染物質を取り除く濾過組立体を結合した様々なシステムに向けられており、そして燃料電池からの排気を改善するシステムに向けられる。
【背景技術】
【0002】
恐らく多用される電源として未来に向けて有望視されている燃料電池システムは、多くの問題が関連付けられている。燃料電池(または、燃料電池の積層構造)と、酸素の供給源と、燃料の供給源と、適切な設備を含む燃料電池システムは、十分な効率を得る必要があり、望ましくは最適な運転状態を燃料電池に与えるために完全に理解されていない多くのパラメータを含んでいる。すなわち、どのような構成が燃料電池システムに最適であるかはよく理解されていない。
【0003】
燃料電池の寿命と耐用期間および性能は、燃料電池の陰極側に酸素源として使用される空気の品質によって大いに影響される。大気中または雰囲気中に存在している多くのタイプの汚染物質が燃料電池の動作にとって有害な場合がある。一時的かまたは永久的に、サブミクロンの粒子状物質、硫黄化合物、VOCs、塩、NHxなどの様々な汚染物質によって、陰極触媒と電解質とが汚染または破損されることになる。これらの大気中の汚染物質のタイプと濃度は、使用場所、時刻および季節で異なる。一般に、これらの汚染物質の除去を行うことは、内燃機関とガスタービンなどの発電所で使用される現在の空気汚染管理システム(例えば、微粒子濾過装置)の能力を超えている。したがって、燃料電池の性能とシステムおよび耐用期間を最大にするためには、燃料電池システムは、少なくとも何らかの形式の汚染物質制御手段を含むべきである。
【0004】
水素燃料と陰極における化学反応および電力の発生を行うときに、人間が聞きとれるいかなる騒音も発生しないので、燃料電池の中に起こる触媒反応は静かな工程である。このように燃料電池は静かであるが、一般に燃料電池システムは、燃料電池の陽極を介して移動するように大気圧より高い気圧で移動される空気を加圧するか、または陰極側の空気を加圧するためのコンプレッサー/エキスパンダ、送風機または他の空気移動設備を利用することになる。どちらの場合もこれらの空気移動設備は、重要な騒音圧レベルを達成する上で好ましくない騒音を放つ。さらに、いくつかのタイプのコンプレッサーは潤滑油を漏洩することが知られているが、油は燃料電池に損傷を与える。
【0005】
また、燃料電池に導入される酸素の湿度もまた燃料電池の性能に影響を与える。空気の流れの中の微粒子汚染物質は、空気が圧縮されるにつれ蒸気水を凝縮させる場合がある。燃料電池の性能と、水または湿気あるいは双方のレベルを最適にするように燃料電池システムが制御されるべきである。
【0006】
一般に上述したように、燃料電池システムの適切な性能は多くの問題が他にも関連付けられている。多くの事例では、多数の部材が複雑にもつれているハウジングと、システムに存在するパイプとその他の部品が存在する。このため改良が必要となる。
【0007】
<本発明の概要>
本発明の開示では汚染物質、騒音、温度および湿度の制御を行うための構成部品を含む一体化システムであって、燃料電池システム用として提供される一体化システムが提供される。特に、この開示では汚染管理、騒音の制御および水の管理を結合する様々な組立体に向けられる。
【0008】
汚染管理システムは、酸素を燃料電池の陽極に供給する吸気のための濾過を提供し、除去される材料には、サブミクロンの粒子状物質、塩、油および化学薬品を含ませることができる。騒音の制御システムは、燃料電池システムに存在する騒音の広帯域の減衰を提供する。この騒音の制御システムには、共振器と騒音波のチョーク(閉止装置)と完全なチョークと騒音の吸着材の材料などを含ませることができ、システムを通り抜ける騒音を減衰するか、さもなくば1メーターでシステムを少なくとも3デジベル、望ましくは少なくとも6デシベル減衰する。汚染管理システムも潤滑剤が燃料電池に達する機会を減少させるために空気を濾過することによって、コンプレッサーの下流側における安全性を提供することができる。温度制御システムは、所望されるように熱を加えるかまたは熱を取り除くことによってシステムの温度制御を行う。過剰に水が存在するときに、水の管理システムは液水を取り除く。これらのシステムは、燃料電池のためのコンパクトでかつ徹底的な保護を提供するためにさまざまな構成で一体化される。
【0009】
一つの特定の構成では、様々なシステムとして、上流側の一体的組立体と、減衰された熱交換器組立体と、下流側の一体的組立体および排気組立体として構成される。
【0010】
また、PEM燃料電池の性能を左右する陰極の空気汚染物質の影響について資料を収集した。粒子状物質を高い効率で濾過するための技術開発にともない、燃料電池の性能と信頼性に影響する汚染物質である、油、塩、化学薬品と騒音の影響を調べるために様々な組立体の開発に組み入れられた。
【0011】
特に、この開示は多重の一体式組立体を有する燃料電池システムに向けられている。このシステムは、空気の流れの入口を有する燃料電池と、空気の流れの入口と出口とを有する空気移動設備と、燃料電池の入口に対して動作可能に接続される上記の出口とを具備する。第1の一体的組立体は、空気の流れの上流側で空気移動設備から位置決めされおり、第2の一体的組立体は、空気移動設備から下流側の空気の流れの位置で位置決めされており、第1と第2の一体的組立体は汚染物質管理システムと騒音制御システムと温度制御システムおよび水の管理システムの内の少なくとも2台のシステムを含む組立体として一体化される。一つの実施例では、第1の一体化組立体は汚染物質管理システムと騒音制御システムを含む。この汚染物質管理システムは、微粒子フィルタと化学フィルタを含むことができる。また、第3の一体化組立体が燃料電池システムに存在する場合がある。
【0012】
また、この開示では燃料電池システムで使用される一体化組立体と、騒音を発生する空気移動設備を具備するシステムに向けられる。この組立体は、空気入口と空気出口とを有するハウジングと、騒音を少なくとも3デジベルほど減少させる騒音制御システムと、温度制御システムとを含み、この温度制御システムは熱交換器である場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例である装置と方法について添付の図面に基づき詳しく述べるが、各図面を参照して、同じ構成部品については同様の符号を各図面を通して附して説明する。図1において燃料電池システム10が模式図として図示されている。この燃料電池システム10は、燃料電池15と、第1のコンプレッサー50と、燃料電池15の空気の流れの上流側の第2のコンプレッサー50’と、燃料電池15の空気の流れの下流側のエキスパンダ55を含んでいる。
【0014】
ここで、図ではエキスパンダ55とコンプレッサー50、50’のみが図示されているが、好適な他のタイプの空気移動設備であるコンプレッサー、エキスパンダ、ターボ過給機、送風機などの設備も空気を燃料電池15に向けて流すために使用できることが理解されよう。上述したように、一般にすべての空気移動設備は何らかのレベルの好ましくない雑音を放つものである。
【0015】
この燃料電池システム10は、上流側の一体化組立体100と、減衰された熱交換器組立体150と、下流側の一体化組立体200および排気組立体300を含んでいる。ここで、「上流側」と「下流側」の用語はコンプレッサー50などのように燃料電池15の上流に位置する空気移動設備に対して用いる。また、「一体式」と言う用語は、汚染物質管理システム、騒音制御システム、温度制御システム、水管理システムを一つの組立体として設けた多重システムのことを意味し、望ましくはいくつかの具体化例では、二つ以上の複数のハウジングが単一のハウジングを形成するために接合されて単一のハウジングとして構成されることを意味する。上述したように、空気移動設備はコンプレッサー、エキスパンダ、ターボ過給機、送風機などのような装置が含まれる。
【0016】
図1で図式的に図示される上流側の一体化組立体100は微粒子フィルタ、化学物質除去フィルタおよび騒音を抑える抑圧要素を含むことができ、これらのフィルタは通常は炭素のベースの材料が使用される。例えば、米国特許出願番号の第09/832、715号(2001年4月11日に出願)と米国特許出願番号第09/879、441号(2001年6月12日に出願)によれば、上流側の濾過設備100について記載されているので、ここに全内容を援用する。それぞれ上流側の一体化組立体100の部品(すなわち、微粒子フィルタ、化学物質フィルタおよび騒音の抑圧要素)は、同じハウジングで覆われるように構成されているが、いくつかの具体化例では一つまたはそれ以上の部品が別々のハウジングかユニットに設けられる場合がある。図2を参照して、好ましい構成の上流側の一体化組立体100について詳細に図示されている。
【0017】
図2では、上流側の一体化組立体100は直列に配置された二つの部分を具備しており汚染物質管理システムと騒音制御システムを有する第1のハウジング部分105aと、騒音制御システムを有する第2のハウジング部分105bとを備えている。この組立体100には入口102と出口104が設けられている。この入口102はハウジング部分105a中に空気の大気または周囲空気を導入する。空気は汚染物質の制御システムを通過するが、この制御システムは微粒子を取り除く物理的除去システムと汚染化学物質を取り除く化学汚染物質除去システムを含む濾過システム110を含む。図示された具体化例では、この濾過システム110は第1のフィルタエレメント112aと第2のフィルタエレメント112bとを含む化学フィルタエレメント112と、微粒子フィルタエレメント114を備えている。
【0018】
この化学フィルタエレメント112は吸着または吸収のどちらかの作用で空気中から汚染物質を取り除くように機能する。ここで、「吸着」、「吸収」および「吸着剤」として使用する用語は、吸着と吸収のメカニズムを意味する。
【0019】
化学汚染物質除去システムは、物理的吸着または化学的吸着を行う材料を通常含み、例えばデジカントである乾物(即ち、水または水の蒸気を吸着する吸収する材料)や揮発性の有機化合物と、酸ガスと基本的なガスの一方または双方を吸着するかまたは吸収する材料などが含まれる。ここで「吸着材の材料」、「吸着の材料」、「 吸収性材料 」、 「吸収の材料」、「吸収性の材料」という用語は、種々の変形例があり、吸着または吸収によって化学汚染物質を取り除く全ての材料をカバーすることを意図している。これらの適当な吸着材の材料としては、例えば炭素繊維、飽和炭素、活性アルミナ、モレキュラーシーブ、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、シリカゲルおよび珪石を含む活性炭が含まれることになる。これらの材料のいずれかを互いに結合するか、コーティングするか、飽和することで、例えば過マンガン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ソーダ、硫酸カルシウム、クエン酸、燐酸、他の酸性の材料とこれらの混合物として使用する。いくつかの具体化例では、吸着材の材料を第2の物質と結合するかまたは飽和することができる。
【0020】
この吸着材の材料は、微粒子または粒状にした材料を通常含み、様々な構成である例えば果粒、ビーズ、繊維、細かい粉、ナノ構造、ナノチューブ、エーロゲルとして設けられることになり、コーティング材料として用いてセラミックのビーズ、単体構造物、紙媒体または金属表面などを基材にして設けることができる。特に微粒子か粒状にされた材料を吸着材の材料に使用する場合には、材料のベッドとして供給することができる。換言すれば吸着材の材料を、例えば大きいタブレット、顆粒、ビーズまたは折り畳み可能なハニカム構造などの単体構造または単一に形成することができる。少なくともいくつかの事例では、濾過組立体の正常な使用状態の寿命の期間は、吸着材の材料はその形状を実質的に維持することになる。形状付けされる吸着材の材料は、固体または液体のバインダーと結合される通気性の粒子材料から形成することができる。この形状付けされる吸着材の材料は、例えば金型成形、圧縮成形または押出工法によって形成することができる。例えば、このような形状付けされる吸着材は、米国特許番号第5、189、092号(コスロウ)、米国特許番号第5、331、037号(コスロウ)に記載されており、ここに参考のために述べる。
【0021】
図2に図示の実施例では、フィルタエレメント112a、112bは空洞で筒状に押出された活性炭である。
【0022】
微粒子フィルタ114は物理的な微粒子汚染物質であるゴミ、スモッグ、煙、ディーゼルエンジン排気微粒子、花粉、昆虫、木材チップ、おがくず、金属削りくず、宇宙塵および同様のものを取り除くことになる。通常、微粒子を除去する部分は、粒子を取り除くためにセルロース材料を含む繊維マットや織物などの濾過材を含んでいる。このフィルタ114に使用される媒体は、 望まれる微粒子除去の効率と、フィルタエレメント114を通過する最大レベルの許容圧力降下とその他の要因に応じて、異なるものが使用される。この濾過媒体は、微小な微粒子を取り除く際にその効率を種々の方法で改善した濾過材を使用することができ、例えば静電処理した媒体が使用でき、またセルロース、合成媒体またはそれの組み合わせてあって、1層またはそれ以上の層のナノ繊維を使用でき、これは当業者が適宜なし得る媒体を使用できる。使用可能なナノ繊維のタイプに関する詳細に関しては、例えば米国特許番号第4、650、506号(バリス他)に記載されているので参照のために記載する。
【0023】
好ましい具体化例では、微粒子フィルタエレメント114は長円形に形成されたフィルタエレメントとして形成するために中央の軸体の周りに巻き付けられるセルロース濾過材が含まれる。このフィルタエレメント114はハウジング105aにセットされたときに密閉状態にするための封止システムが設けられており、これは例えば米国特許番号第4、720、292号に開示されるような封止システムが含まれる。ここで「封止」、「封止する」という用語は、この封止システム60が所定の圧力下でフィルタエレメント114の外側の表面とハウジング105aを覆う内部の側壁の間の領域との間において正常な状態で気密状態に保たれることで、フィルタエレメント114の濾過材を通過しない気流が抑制されることを意味する。
【0024】
特定の構成では、フィルタ114は直線的に突き抜ける流れを実現する。この「直線的な流れ」とは、そのフィルタ114は第1の流れ表面(空気入口の端部に対応する)とその反対側の第2の流れ面(空気出口の端部に対応する)とを有することを意味する。突き抜ける直線的な流れがしばしば望まれる理由は、例えば折り目をつけられたフィルタと比較してまっすぐに流れることでフィルタを通して流れる空気量をより大きくできることによる。ここで、「直線的な流れ」と「一列の流れ」との間には区別がないことを意図している。空気は第1の流れ表面を介して一方向に入り、同じ方向で第2の流れ面から外部に流れる。
【0025】
化学汚染物質用フィルタ112と微粒子フィルタ114の追加的な、代替構成の詳細については米国特許出願番号第09/832、715号と09/879、441号に記載されている。
【0026】
この汚染物質制御システム(即ち、各フィルタ112、114)を通過した後に、空気は上流側の一体化組立体100中の騒音制御システムに進む。特に、空気は騒音の抑圧構成130を覆ったハウジング105bに進む。この騒音の抑圧構成130は、共振器132と第2の共振器134とを含む。それぞれの共振器132、134は共鳴するように設計された多数の孔部が穿設されており、各サイズおよび配置を工夫することで騒音の波長を減衰するように共鳴可能に設計されている。この騒音の抑圧構成130は騒音波の絞り装置であるチョーク135をさらに含む。
【0027】
この騒音の抑圧構成130は、コンプレッサー50、コンプレッサー50’、エキスパンダ55のいずれから発生する騒音のレベルを減少するかまたは抑圧する。このような騒騒音低減は、望ましくは1メーターの少なくとも3デシベル、通常は少なくとも6デシベル、望ましくは少なくとも10デシベル、および少なくとも25デシベルである。この騒音の抑圧構成130によれば、コンプレッサー50の上流側から一体化組立体100を通して入る周囲の環境中への騒音を減衰させることによって騒音発散を減少させることができる。
【0028】
このコンプレッサー50などの設備から発する騒音は、上流側の一体化組立体100と、減衰している熱交換器組立体150と、下流側の組立体200および排気組立体300と燃料電池15と、コンプレッサー50および他の組立体で受入れられることで如何なる方向にも伝わることになる。すなわち、騒音は上流側の一体化組立体100への空気の流れに乗りコンプレッサー50から伝わり、さらに下流側の減衰している熱交換器組立体150にも伝わる。コンプレッサー50’とエキスパンダ55からの騒音も同様に上流側と下流側に伝わる。
【0029】
この騒音の抑圧構成130は、上流側の一体化組立体100の有するほかの特徴点であって、騒音レベルを少なくとも3デシベル、通常は少なくとも6デシベル、または少なくとも10デシベル、より望ましくは少なくとも25デシベル減衰できるような如何なる構成要素を含むことができる。この適当な騒音の抑圧要素に関する事例としてはマフラー、裏打ちされたダクト、邪魔板、騒音の経路、プレナム、膨張室、共振器、騒音波のチョーク、完全なチョーク、騒音吸収材料およびこれらの様々な組み合わせを含む。上記のように図2に図示の具体化例では、抑圧構成130は第1の共振器132と、第2の共振器134と、騒音波のチョーク135とを有している。
【0030】
この騒音の抑圧構成130には、ハウジング105bが設けられる。このハウジング105bの外側の壁と、いかなる他の構造物も最小な面状または平らな表面を有することが望ましく、ドラミング現象が平たんな壁でしばしば起こるので、むしろ表面での振動量を減少させるために湾曲形状が好ましい。
【0031】
上記の共振器132、134と、騒音波のチョーク135と、他の減衰または共鳴装置を含む騒音の抑圧構成130に関する追加的な詳細については、米国特許出願番号第09/832、715号と第09/879、441号に記述されている。
【0032】
空気は汚染管理システムと騒音の制御システムを通り抜け、出口104を通して上流側の一体化組立体100から外部に出てからコンプレッサー50に進む。空気は入口52を介してコンプレッサー50に入り出口54を通って外に出る。以上のように、コンプレッサー50はいかなる空気移動設備が使用可能である。
【0033】
このコンプレッサー50からの空気は減衰した熱交換器組立体150に移動する。この組立体150については「インタークーラー組立体」とも呼ぶことができ、この熱交換器(またはクーラー)をコンプレッサー50とコンプレッサー50’の間に設けている。もしもコンプレッサー50’が存在しない場合には、熱交換器組立体150を「アフタークーラー組立体」と呼ぶことができる。この減衰した熱交換器組立体150の一つの好適な具体化例が図3に図示されている。
【0034】
この減衰した熱交換器組立体150は、ハウジング155の中に保持された騒音制御システムと温度制御システムの一体化装置と呼ばれる。このハウジング155には入口152と出口154を有し、この組立体150はコンプレッサー50の出口54からの空気を入口152で受け入れる。この入口152は騒音の抑圧要素160に接続されており、この抑圧要素は騒音を減衰させるように設計された複数の開口部を有している。この組立体150は、また第2の騒音波の抑圧要素165を含んでいる。これらの騒音の抑圧要素160、165は騒音を消音するか、または望ましくは少なくとも3デシベル、通常は少なくとも6デシベル、または望ましくは少なくとも10デシベルあるいは少なくとも25デシベル減少する。また、ハウジング155は組立体150を通り抜ける騒音レベルを減少させるために、ハウジング155は円筒状の形であり、円形の第1の端部157と円形の第2の端部158の間に壁156を有している。壁156と端部157、158の表面は振動またはドラミングを減少させるためにカーブしている。
【0035】
騒音の抑圧要素160、165の間に熱交換器170が配置されている。この熱交換器170は、水の注入口172を介して熱交換器170へ供給される水により組立体150を通り抜ける空気を冷やすことで空気の熱を取り除き、加熱された水は水の出口174を介して取り除かれる。入口152を介して組立体150に入る空気はコンプレッサー50による圧縮作用で高い温度となっている。
【0036】
減衰する熱交換器組立体の第2の具体化例については図4において150’で図示されている。この減衰する熱交換器組立体150'は汚染物質管理システムを含んでいる。
【0037】
図3で示した組立体150と類似しており、この組立体150’は入口152’と出口154’とを有している。ハウジング155’は第1の端部157’とこれに対向する第2の端部158’とを有している。第1の端部157’は移動可能なフランジカバー159を含み、これについては後述する。コンプレッサー50からの空気は入口152’を介して組立体150'に入ってフィルタエレメント180に進む。このフィルタエレメント180は微粒子フィルタエレメントであり、望ましくはPTFEの材料を具備する。このフィルタエレメント180は穴あけされたインナーライナを通常含み、このインナライナーにより安定性と気流が通過する構造をひだをつけられた媒体に提供する。いくつかの具体化例では減衰させるかまたは共鳴するように穴あけを設計すると良い。上記のように、第1の端部157’はフィルタエレメント180の取り外しと交換作業のために望ましくはフランジ159を含んでおり、このフランジによってフィルタエレメント180へのアクセスを所望に応じて可能にしている。
【0038】
このフィルタエレメント180からフィルターにかけられた後の空気は、交換器170’(冷却水の注入口172’と出口174’を有する)を通過して冷却される。冷却された空気は、共振器165’に進み、続いて出口154’を通って進む。
【0039】
第2のコンプレッサーで50'を通過し、減衰する熱交換器組立体150、150’を出た空気は下流側の一体化組立体200に進む。
【0040】
図1で図式的に示された、この下流側の一体化組立体200は汚染物質管理システム、騒音制御システムおよび水の管理システムのいずれかを備えることができる。例えば米国特許出願番号第09/832、715号および第09/879、441号において、この下流側の濾過設備200に関する事例が記載されている。再度、図2に図示されるように望ましい下流側の一体化組立体200によれば、騒音の抑圧要素と水を管理するフィルタを備えている。
【0041】
この下流側の一体化組立体200は入口202と出口204およびハウジング205を有している。このハウジング205の中にはフィルタ210が配置されている。このフィルター210は2個のフィルタエレメント210a、210bを有している。図示の具体化例では、フィルタエレメント210a、210bの材料として膨張させたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のように微粒子フィルタと化学フィルタの両方の濾過機能を備える材料が使用される。このPTFEは、塩と油などの有機材料の通過を禁止する。このようにしてPTFEは微粒子濾過と化学物質濾過の両方を行う。PTFEは、また液水または水の蒸気が通り抜けることは許容し、凝集させる。凝集された水は組立体200から排出される、
この組立体200は、ハウジング205の中の騒音の抑圧要素230をさらに含む。この騒音の抑圧要素230は騒音を消音するか、あるいは騒音を、少なくとも3デシベル、通常は少なくとも6デシベル、望ましくは少なくとも10デシベルまたは少なくとも25デシベル減少させることができる。望ましくは、ハウジング205およびフィルタ210は組立体200の騒音の抑圧効果を増加させる円形であると良い。
【0042】
または、潜在的に有害な汚染状態になるか、または事前にこの状態を決定するために、下流側の濾過設備200を通過する気流状態をモニターすることができる。このためには、少なくとも3つの可能なオプションが利用可能である。まず、フィルタ210を通り抜ける空気の固まりをモニターするために、空気流量センサをフィルタ210と燃料電池15の間にインストールすることができる。また、空気の固まりが減少するにつれて、フィルタ210の閉塞レベルを予測することができる。第2のオプションとして、フィルタ210の反対側の圧力降下をモニターすることができる。そして、第3のオプションとして、逃し弁をフィルタ210の上流にインストールしても良く、フィルタが目詰まりして十分な空気が流れる状態が許容されず圧力が高まると、フィルタ210の圧力が高まる前に逃し弁が開くようにする。
【0043】
入口202を通って下流側の一体化組立体200に入った空気は、騒音の抑圧要素230により減衰されてから、次にフィルタ210の外側から内側または内側から外側に向けて通り抜ける。このフィルター210は、燃料電池15を通り抜ける微粒子またはコンプレッサー50’で発生する可能性のある微粒子を取り除く。下流側の一体化組立体200を出口204を介して出た空気は燃料電池15に進む。
【0044】
燃料電池15は触媒反応で電力を生成するために、入力された空気の酸素と水素を利用する。蒸気の形態の液体の形態で水が副産物として生成される。燃料電池15からの排気は、陽極か電解質における触媒から汚染物質を凝集する場合がある。
【0045】
図1のシステムでは、燃料電池15に入る空気は通常はコンプレッサー50、50’を通り抜けた高い圧力である。この高い圧力の空気は燃料電池15の効率を改良する。燃料電池15を一度通過した空気は大気圧に戻されるか、少なくとも高い圧力から低い圧力状態に戻される。図1に図示のように、空気の流れはエキスパンダ55を通り抜ける。一つの望ましい具体化例では、図3のコンプレッサー55’とともにエキスパンダ55が圧縮段階にされる結果、コンプレッサー55’とエキスパンダ55は一つのターボ過給機ユニットに組み入れられた構成となっている。
【0046】
図1の燃料電池システム10では、さらに燃料電池15の下流側で位置決めされ、空気がエキスパンダ55から導入される排気組立体300を含んでいる。この排気組立体300は燃料電池15の排気端側において位置決めされることから、この組立体300を通り抜けた空気は減少した酸素レベルを有している。また、この排気中には水と液水と水の蒸気の両方が含まれている。
【0047】
この排気組立体300の一つの望ましい具体化例では、図2に図示のように汚染物質管理システムと、騒音制御システムおよび水管理システムを有している。特に、この排気組立体300は騒音の抑圧要素330と、化学物質フィルタ320と水分除去要素340とをハウジング305の中にすべて配置している。この水分除去要素340は液水を取り除くが、空気の流れとともに水の蒸気については通過させる。
【0048】
このハウジング305は、燃料電池15からの空気を受けるための入口302と、空気を出すための出口304を有している。空気は入口302を介して排気組立体300の中に入り、騒音の抑圧要素330に向けて進む。化学物質フィルタ320は要素330の下流側に位置している。液水は水分除去要素340によって空気の流れから取り除かれるが、この排気組立体300の望ましい水分除去要素340に関する事例としてはしばしば「ストラタ チューブ(strata tubes)」と呼ばれる多数のパイプ構造物が挙げられる。
【0049】
上述した燃料電池システム10の中では、汚染物質と騒音および湿度の制御に提供される多数の一体化構成部品を燃料電池システム10中に設けている。様々な組立体の様々な望ましい具体化例により燃料電池15の陰極側の空気の流れがもたらされることを記述した。ここで、上述の組立体の種々の構成が可能であり、燃料電池の燃料側面(すなわち、陽極側)で使用することができ、燃料電池の触媒か燃料改良者の触媒を保護することは言うまでもない。
【0050】
以下の議論は、燃料電池の動作にとって有害であると信じられている様々な汚染物質について向けられる。
<雰囲気空気汚染物質>
空気汚染物質は、その組成と大きさの両方の要因から存在位置がそれぞれ異なる。例えば、粒子状物質は海洋の上の穏やかな日から風の強い砂漠の日までの間でその濃度が9桁変動する。加えて、微粒子のサイズ分布は微粒子物質の基材に依存する。下表の表1は、一般に汚染物質が環境状態と存在位置で異なることを表している。
【0051】
内燃機関からの未燃炭化水素放出などの揮発性の有機成分(VOCs)は、排気の位置と排気源如何によりその濃度が大いに異なる。寒い気候となる都市領域では内燃機関を寒い日に始動するときに寒さにより高いレベルの揮発性の有機成分(VOCs)が存在する。また、2サイクルの内燃機関が使用される領域では一酸化炭素と高い濃度の揮発性の有機成分が存在する。都市は揮発性の有機成分の比較的に低い平均した濃度を有するが、一部地域では高い濃度となる。空気中の硫黄化合物は、硫黄を含む燃料が燃焼される場所に存在しており、豚農場などの農業領域かまたはパルプ工場などの工業地域に存在する。
【0052】
通常、アンモニアは農業領域と下水処理植物の近くに存在する。自動車の3方向コンバータの触媒作用によれば、排気中から窒素酸化物を減少させることができるが、その副産物として100マイル走行あたりのおよそ0.28オンスのアンモニアを発生させることが判明した。このようにして発生するアンモニアはトンネル内部と他の制限された領域に蓄積することが発見された。
【0053】
空気中の塩の濃度は、特に沿岸地域と砂漠と産業放出地帯と寒い環境の道路上であって凍結防止剤が使用される場所で高いことが分かった。塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウムまたは他のサルフェートなどの塩は、空気中に運ばれることで潮解するかまたは湿度条件に依存してその状態を変化させる。塩は粒子状物質として固体状態となるか水溶液中に存在することとなる。乾燥した塩の粒子は、0.5〜1.5ミクロンのサイズの範囲となる。湿った塩の粒子は1〜20ミクロンのサイズの範囲となる。特に領域が塩が直接噴射された露出状態にあるならば沿岸の領域の中の空気における塩の濃度は風速に大きく依存する。空気中の塩の濃度は風速35ノットで10PPMの高濃度になる。領域が適度に保護され、塩の直の噴射に露出されない場合には、表2に示すように高度100フィートまで表示される。
【0054】
様々な都市において選択された汚染物質の典型的な平均した濃度については表3に記載されている。戦場などの極端な状況下では、戦争ガスと他の汚染物質は表4に記載されているように空気中に高い濃度で存在する場合がある。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
望ましくは上述の様々な汚染物質管理システムは、燃料電池15に有害となる汚染物質の量を減少させるように設計されることになる。
<コンプレッサーで放出される汚染物質>
雰囲気空気中に見つけられる汚染物質に加えて、コンプレッサー50、50’などの空気移動設備からは微粒子状、化学的のいずれかまたは双方の汚染物質が生成または放出される場合がある。
【0060】
燃料電池にとって有害になるコンプレッサーから放出される汚染物質としては、封止部分から漏洩する潤滑油および回転する構成部品からの摩耗粒子の少なくとも二つのタイプがある。燃料電池用の空気移動システムで使用される最も一般的なタイプのコンプレッサーの一つとしてツインねじ式リンショルム(Lysholm)形式のコンプレッサーが挙げられる。このコンプレッサーの特徴の一つは粒子状物質と少量の潤滑油の両方を放出することが判明した。
【0061】
このコンプレッサーからの汚染物質は、コンプレッサーの下流側の二つの異なったタイプのフィルタである粒子状物質の精密濾過膜で微粒子が捕捉され、HEPAフィルタで凝集した潤滑油が集められる。クリーンルームに準じたHEPAフィルターにかけられた空気が下流側のコンプレッサーに送られる。
【0062】
図5は、精密濾過膜に集められた汚染物質の走査電子顕微鏡画像である。膜の対称の黒い形状品は3ミクロンにエッチングされた穴であり、不均等な形状物は集合した粒子状物質である。分析された粒子はサイズと形においてそれぞれ異なっていたが、それらはすべたが同じ元素組成を有していた。粒子サイズは1〜10ミクロンの直径範囲であり、この特徴から高速度で研磨さされた超硬材料の粒子であった。
【0063】
元素分析がエネルギ分散スペクトロメータ(EDS)を使用して行われ、典型的な粒子分析結果が図6に示される。図6の酸素と炭素のピークは有機的な元素を示すことから、コンプレッサーの潤滑油からのものと判明した。また、典型的なオイル添加剤としては亜鉛と銅とが含まれているので銅と亜鉛の痕跡量は潤滑油を示している。モリブデンと硫黄のピークは、たぶんこのコンプレッサーの内壁で使用したコーティングである硫化モリブデン(MoS2)を表す。分析されたすべての粒子が同じモリブデンを硫黄の比率で有していたが、有機材料の量は異なっていた。粒子のいずれもアルミニウムであるコンプレッサーハウジングと内壁の素地は検出されなかった。表5は汚染物質元素分析結果を示す。
【0064】
【表5】
<PEM燃料電池への空気汚染の効果>
一般に、燃料電池の汚染問題は、内燃機関とガスタービンなどの伝統的な動力システム統の汚染問題とは大きく異なっている。大きい粒子状物質は、焼却プロセスからフィルターにかけられる。また、燃焼には無害なことからサブミクロン粒子状物質と化学的汚染物質はエンジンへの燃焼用空気からは濾過されることはない。もしも、内燃機関などと同レベルの濾過をされた空気がPEM燃料電池の中の陰極に適用される場合には、汚染物質イオンと化学薬品とにより永久に燃料電池が使用不能になるであろう。
【0065】
陰極用の空気汚染について坂本他によって明確に行われた一つの研究から、汚染物質を陰極に入ることを防止することの重要性が分かる。図7において、微粒子フィルタのあるなしにかかわらず単一のセルのためのセル電圧の比較が時間軸に対して記入されている。坂本他は、空気濾過なしで動作されたセルだけがテストの終わりにおいてカルシウム、カリウム、マグネシウム、およびナトリウムイオンが増加していたことを発見した。
【0066】
図8、9および10はPEM燃料電池の性能に対する空気中の亜硫酸ガス(SO2)の影響を示した図である。それぞれ行われたテストでは、1平方cm当たり0.17mgのプラチナの陽極と1平方cm当たり0.18mgのプラチナの陰極を有する水素/空気PEM燃料電池が使用された。この燃料電池は酸素の50%分が過剰に供給され、温度80℃で、1分間当たり202標準立方cmの空気流量で動作された。陰極に与えられた空気はゼロのSO2の汚染のレベルかまたは5ppmのSO2の汚染レベルを有していた。
【0067】
最初のテスト結果は、図8によってグラフで表されており、清浄大気による2時間の燃料電池の運転後に、SO2の汚染空気が供給された。燃料電池の出力は1時間のSO2の供給で劇的に低下し、汚染された空気が清浄大気と取り替えられた後にも出力は回復しなかった。
【0068】
第2回目のテストでは、図9のテスト結果に示すように、3.4時間に渡りSO2で汚染された空気で燃料電池が始動された。その性能は、30分経過後に低下し始めて全体の3.4時間に渡り低下し続けた。この汚染された空気が清浄大気と取り替えられた後に、清浄大気が87時間供給されて作動された後に、出力はわずかに回復した。
【0069】
第3回目のテストでは、図10に示すように空気が1ppmのSO2で汚染された汚い空気で動作した結果がグラフで表されている。燃料電池の性能は最初の15時間のSO2の汚染に晒される間において非常にゆっくり低下し、その後は性能は劇的に低下した。このときSO2の汚染に対する露呈時間は44.5時間であった。40時間の露呈で出力低下は、元の出力のおよそ60%で安定した。この汚染された空気が清浄な空気と取り替えられた後に出力はわずかに向上し安定した。
【0070】
このように亜硫酸(SO2)ガスによる汚染が燃料電池の性能へ劇的な損傷を与え、亜硫酸ガス汚染による燃料電池の性能の低下が主に不可逆であることが明確となった。ここで、図8と図9で示されたデータを得るために使用されたSO2の濃度が5ppmであった点は重要であり、この濃度はSO2ガス放出源の近くにあることを示している。参考のために臭いを感じる敷居値は0.1〜3ppmである。典型的に大気中に存在するSO2から保護されていない大部分の燃料電池の性能が減少する時間は、燃料電池SO2源の近くで作動していない場合には図8、9で示されるよりもはるかに長くなるであろう。
【0071】
上記の説明により本発明に係る多数の特性と開示における利点を述べ、細部構造と機能について述べたが、本発明は請求項に記載される範囲および他の請求項に記載された範囲で種々の構成が可能であって、いかなる方法も発明の範囲に制限されない。また、本発明は、いなかる特定のタイプの燃料電池による使用、または記述された具体化例またはここに記述される特定の構成部品、構成または材料の使用に制限されない、また、請求の広い範囲の中ですべての代替構成および変形構成がカバーされる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】は本発明の開示に基づく一体化燃料電池システムの概要を示したブロック図である。
【図2】は図1の一体化燃料電池システムを様々な破断面で破断して示した外観斜視図であって、上流側の一体化組立体と下流側の一体化組立体および排気組立体を表した図である。
【図3】は図1の一体化燃料電池システムの別の部分のアイソメトリック図であって、減衰された熱交換器組立体を表した図である。
【図4】は減衰された熱交換器組立体の2番目の実施例の横断面図である。
【図5】は下流側に位置した空気圧縮機の微粒子フィルタで集合された汚染物質の走査電子顕微鏡写真である。
【図6】は図5のフィルタから集められた汚染物質のスペクトルメータ分析結果のグラフ図である。
【図7】は微粒子フィルタを空気の流れ中に含ませることにより燃料電池の性能に対する有益な効果を示したグラフ図である。
【図8】は第1のセット状態におけるPEM燃料電池性能に対するSO2の影響を示すグラフ図である。
【図9】は第2のセット状態におけるPEM燃料電池性能に対するSO2の影響を示すグラフ図である。
【図10】は第3のセット状態におけるPEM燃料電池性能に対するSO2の影響を示すグラフ図である。
Claims (13)
- (a) 空気の流れのための入口を有する燃料電池と、
(b) 前記空気の流れのための入口と出口を有する空気移動設備であって、前記出口が前記燃料電池の前記入口に動作可能に接続され、
(c) 前記空気移動設備の空気流れの上流側に配置される第1の一体化組立体と、
(d) 前記空気移動設備の空気流れの下流側に配置される第2の一体化組立体とを備え、前記第1の一体化組立体と前記第2の一体化組立体は、汚染物質管理システム、騒音制御システム、温度制御システムおよび水の管理システムの内の少なくとも2つのシステムを含むことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記第1の一体化組立体は、前記汚染物質管理システムと前記騒音制御システムとを含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記汚染物質管理システムは、微粒子フィルタと化学物質フィルタとを具備することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記第2の一体化組立体は、汚染物質管理システムと水の管理制御システムとを具備することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記汚染物質管理システムは、微粒子フィルタと化学物質フィルタとを具備することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記微粒子フィルタと化学物質フィルタはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を具備することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
- 前記第2の一体化組立体は、さらに騒音の制御システムを具備することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- (a) 第2の空気移動設備と、
(b) 第3の一体化組立体であって、
(i) 前記第3の一体化組立体は、空気移動設備の下流側かつ前記第2の空気移動設備の上流側に配置され、
(ii) 前記第2の一体化組立体は、前記第2の空気移動設備から下流側に配置される、
以上の構成をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記第3の一体化組立体は、騒音の制御システムと温度制御システムとをさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
- 前記第3の一体化組立体は、汚染物質管理システムをさらに具備することを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
- 燃料電池システム用として騒音を発生する空気移動設備とともに使用される一体化組立体であって、
(a) 空気入口と空気出口とを有するハウジングと、
(b) 騒音を少なくとも3デシベル減少するように構成される騒音の制御システムと、 (c) 前記ハウジングの中に配置される前記騒音の制御システムと、温度制御システムおよび温度制御システムとを具備することを特徴とする一体化組立体。 - 前記温度制御システムは、熱交換器を具備することを特徴とする請求項11に記載の一体化組立体。
- 前記熱交換器が水冷式であることを特徴とする請求項12に記載の一体化組立体。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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