JP2005502837A - ステアリングコラムのためのころがり軸受装置 - Google Patents

ステアリングコラムのためのころがり軸受装置 Download PDF

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Abstract

本発明はステアリングコラムのためのころがり軸受装置に関する。本発明装置は、外輪と内輪とを有し、両輪のそれぞれが、転動要素(8)が接触配置されるための軌道を有している。外輪及び内輪の少なくとも一方が環状のケーシング(3)を有し、該ケーシング内に転動要素(8)のための軌道を形成する二つのワイヤ(4,5)が配されている。さらに、上記装置は予圧ワッシャ(10)を有し、該予圧ワッシャが軸方向にてケーシング(3)のラジアル部と一方のワイヤとの間に組み込まれている。上記ワイヤはケーシング(3)のアキシャル部の内周面と接触し、他のワイヤも上記ケーシング(3)のアキシャル部の内周面と接触している。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ころがり軸受、特にステアリングコラムのためのころがり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文献FR-A-2669690は、U字断面の外輪、U字断面の内輪、外輪に収められた弾性要素、そして硬化処理された四つの鋼ワイヤのうちの二つが内輪のアキシャル部とラジアル部との接触域に配され他の二つが弾性要素の内面に配された該四つの鋼ワイヤ、転動要素のための軌道を形成するワイヤと接触するように配されたボール等の該転動要素を有する軸受を開示している。ワイヤは、正規位置に置かれたとき両端同士が接合して、保持輪の形態をなしている。複数の転動要素は周方向で互いに接触して連続配列されていても、保持器によって互いに等間隔をもって配列されていてもよい。弾性要素は、L字状断面の環状をなし、外輪のアキシャル部に接触するアキシャル部と、そして外輪のラジアル部に接触するラジアル部とを有している。弾性要素のアキシャル部の自由端には、内側にフックが形成され、円錐台状要素をなすワッシャの軸方向保持に供している。ワッシャは、外輪の他のラジアル部と接触し転動要素に対し軸方向で反対側に位置する内縁部と、四つのワイヤそして弾性要素のフックと接触し軸方向で転動要素の側に位置する外縁部とを有している。
【0003】
かかる軸受の組込みのために、先ず、内輪、ワイヤ、転動要素、ワッシャそして弾性要素を有するユニットが形成される。次に、外輪の一方のラジアル部が形成されていない、すなわちL字状断面の外輪へ上記ユニットが組み込まれ、しかる後に、この外輪を屈曲して上記ラジアル部を形成する。
【0004】
かくして、軸受は四点接触をなすように作られ、軸方向そして半径方向の両方の荷重、あるいは組合せ荷重のもとで、運転が可能となる。
【0005】
かかる軸受は、高寸法精度そして高機能が要求されない軸受でも十分なステアリングコラムに、しばしば用いられる。軸受が遊びをもたずに較正された予圧をもって使用される目的で、錐状の予圧ワッシャが外輪の一方のラジアル部と対応保持輪との間に配されている。ワッシャは、非圧縮時に、円錐台状をなし、その頂部はボールから離れる方向に向いている。最後に外ケーシングに屈曲加工によりラジアル縁部が形成されると、ワッシャは圧縮されて、当初中国笠のような若干円錐状をなす。その後、ワッシャは平坦状になり頂部はボールの方へ近づく。こうして、ワッシャによりもたらされる軸方向力は、一方ではボールと保持輪との間で、そして他方では保持輪とケーシングとの間で、予圧をもたらし、かくして、これらの要素の間で遊びがなくなる。
【0006】
さて、上記ワッシャは双安定要素、すなわち二つの安定位置をとる要素であり、一つの安定状態から他の安定状態へ移行する際、ワッシャが平坦になる不安定状態を経る。したがって、もし予圧とその大きさにより、上記ワッシャが予圧状態でほぼ平坦状態にならざるを得ないとき、予圧ワッシャは、特定の状態、例えば、衝撃、ケーシングの過度な屈曲加工等において、自分自身を反転させてしまう。かくして、ワッシャは第二の安定位置をとり、円錐台状部の頂部はボールの方へ向くようになる。この位置では、ワッシャは予圧機能をもつには不適であり、ボールに近い方の端部では軸受の複数のワイヤの一つに軸方向力を最早作用できない。
【0007】
これに加え、弾性要素へワッシャを組み込むには、上記ワッシャはそれ自体が反転する虞れを伴いながら軸方向へ圧せられ、もし既述した文献のワッシャが薄ければ、上記虞れはさらに大きくなる。
【発明の要約】
【0008】
本発明は上記の問題を解決することを目的とする。
【0009】
本発明は、経済的でコンパクトな予圧要素をもったころがり軸受を提案する。
【0010】
本発明の一つの観点によると、ころがり軸受装置は、転動要素が接触配置されるための軌道をもつ外輪そして内輪とを有し、外輪及び内輪の少なくとも一方が環状のケーシングを有し、該ケーシング内に転動要素のための軌道を形成する二つのワイヤが配され、予圧ワッシャが軸方向にてケーシングのラジアル部と一方のワイヤとの間に組み込まれている。上記ワイヤがケーシングのアキシャル部の内周面と接触し、他のワイヤも上記ケーシングのアキシャル部の内周面と接触している。
【0011】
本発明の第一の形態では、ワッシャは、自由状態で円錐台状をなし中央に開口が形成されている環状要素である。このような傘型ワッシャは特に経済的に有利である。
【0012】
しかしながら、平坦に近い錐状で軸方向に非対称性が小さい傘型ワッシャは、軸受の自動組立のために振動供給装置によって自動配置が非常に困難である。したがって、軸受内へ誤った方向で予圧ワッシャを組み込んでしまう虞れが少なくない。
【0013】
本発明の第二の形態では、ワッシャは、自由状態で円錐台状部と、軸受の外方へ向け延びるアキシャルリップとを有している。アキシャルリップは単一安定状態をもつ円錐台状部の可能性ある反転を阻止する。このようなワッシャは組立てラインでの自動組込みを非常に容易にし、これは誤った方向での組立てや反転の可能性をなくすこととなり、しかし、依然として経済的であり、又、軸受の寸法に関しコンパクト化に何ら悪影響がなく、寸法は変更されない。
【0014】
好ましくは、アキシャルリップは周方向に連続しており、予圧要素の中央開口を形成している。アキシャルリップは転動要素から離れる方向へ円錐台状部の内縁から延出するようにできる。
【0015】
好ましくは、アキシャルリップは外ケーシングの内径内に配されている。予圧ワッシャは、かくして上記内径内に位置付けられるアキシャルリップを有することだけで、外ケーシングのセンタリングが容易となる。
【0016】
本発明の一形態では、アキシャルリップの軸方向長さは対応ケーシングの壁厚、特に、アキシャルリップが接触するケーシングのラジアル部の壁厚よりも小さく、その結果、軸受の外寸法を変えることなくそのまま維持できる。
【0017】
本発明の一形態では、アキシャルリップは該アキシャルリップと協働するように配される外ケーシングの内径よりも若干小さい直径である。
【0018】
本発明の一形態では、円錐台状部は、二つのワイヤの一方と、そして外ケーシングのラジアル部と接触している。円錐台状部の外縁は上記ワイヤに接触し、内縁は上記ラジアル部と接触する。
【0019】
本発明の一形態では、円錐台状部は組み込まれたときのラジアル面に対して、160°〜180°の間の頂角を有している。自由状態においては、円錐台状部は140°〜170°の頂角を有するようにできる。
【0020】
好ましくは、円錐台状部は周方向に連続している。
【0021】
本発明の一形態では、各環状ケーシングはU字状断面を有している。各ケーシングは、アキシャル部を有し、このアキシャル部の両端位置で二つのラジアル部が、内ケーシングの外面に向けそして外ケーシングの内面に向けて延びている。内ケーシングは複数の転動要素の中心を通る平面に対して対称とすることができる。外ケーシングは、ラジアル部がアキシャル部や他のラジアル部よりも薄くなっているようにすれば、四つのワイヤの挿入後の屈曲が容易となる。
【0022】
換言すれば、別途ワイヤに軌道をもつ軸受は、第一ケーシング、第二ケーシング、両ケーシングに接触するように収められた四つのワイヤ、ワイヤ間に配された一列の転動要素、そして自由状態で円錐台状部をもつ予圧ワッシャを有しており、円錐台状部の内径側に軸受の外部の方に向かって延びるアキシャルリップを有している。
【0023】
このように、本発明の一形態では、装置は、ケーシングに接触して組み込まれた四つのワイヤを有し、転動要素がこれらのワイヤと接触して配置されている。
【0024】
本発明の他の形態では、一つのケーシングに接触する二つのワイヤと、転動要素のための軌道をもつソリッド型の軌道輪とを有している。
【0025】
本発明は、軸と、該軸に組み込まれた二つのころがり軸受とを有するステアリングコラムをも提案する。少なくとも一つの軸受は、軌道が形成された外輪そして内輪と、両軌道に接触配置される転動要素とを有し、外輪及び内輪の少なくとも一方が環状のケーシングを有し、該ケーシング内に転動要素のための軌道を形成する二つのワイヤが配され、予圧ワッシャが軸方向にてケーシングのラジアル部と一方のワイヤとの間に組み込まれている。上記ワイヤはケーシングのアキシャル部の内周面と接触し、他のワイヤも上記ケーシングのアキシャル部の内周面と接触している。
【好適な実施形態】
【0026】
本発明は、添付図面に示される非限定な例としての実施形態の詳説を検討することにより、さらに良く理解されるであろう。
【0027】
図1に見られるように、軸受1は内ケーシング2、外ケーシング3、四つのワイヤ4,5,6そして7、一列の転動要素8、保持器9そして傘型のワッシャ10を有している。内ケーシング2はアキシャル部2aとその両端から延出するラジアル部2b,2cを有している。二つのラジアル部2b,2cは同一(対称)に形成されている。したがって、内ケーシング2はU字状断面をなす環状体を形成している。
【0028】
又、外ケーシング3も、アキシャル部3a、ラジアル部3bそしてラジアル部3cをもってU字状断面をなす環状体を形成している。ラジアル部3cは、壁厚がアキシャル部3aそしてラジアル部3bの壁厚よりも小さく、そして、半径方向でラジアル部3bよりも短くなっている。換言すると、ラジアル部2cと3cの間隔はラジアル部2bと3bの間隔よりも大きい。
【0029】
ワイヤ4と5は外ケーシング内に配され、一方、ワイヤ6,7は内ケーシング内に配されている。ワイヤ4はアキシャル部3aと接触しラジアル部3bに近接して配されている。ワイヤ5はアキシャル部3aと接触しラジアル部3cに近接して配されている。ワイヤ6はアキシャル部2aとラジアル部2bに接触して配されている。ワイヤ7はアキシャル部2aとラジアル部2cに接触して配されている。複数の転動要素8、この例ではボール、がワイヤ4,5,6、そして7と接触しこの間に位置し、周方向では保持器9によって分離保持されており、ワイヤは転動要素8に対し軌道を形成することとなる。
【0030】
一方で外ケーシング3とワイヤ4,5とで、他方では内ケーシング2とワイヤ6,7とで、それぞれ副組立体をなし、これらが外輪と内輪とを形成するようになり、両輪は該両輪の間に配された転動要素によって互いに回転できるようになる。
【0031】
経済的に有利にそして機械強度向上の目的のために、ケーシング2,3そしてワイヤ4〜7そして転動要素8は通常適宜等級の鋼から作られる。ケーシング2,3は、それぞれ、単一部材をなし、金属板を屈曲あるいはプレスして作られる。
【0032】
軸方向で外ケーシング3のラジアル部3bとワイヤ4の間には傘型のワッシャ10が配されている。通常時は、実線で示されるように、傘型ワッシャ10は、内端側10aがアキシャル部3bの自由端側内面と接触し、外端側10bがワイヤ4と接触して、ワイヤ4へ軸方向力を作用し、この力によって転動要素8とワイヤ4〜7との間の遊びを除去している。
【0033】
先行技術の装置に比べ、本発明の予圧軸受装置はコンパクトになるという点で優れている。
【0034】
しかしながら、上述したように、傘型ワッシャはそれ自体が反転変形したり、あるいは図中に破線で示したように逆向きに挿入されることもある。すると、外端側10bがラジアル部3bと接触していても、内端側10aがラジアル部3bの自由端から離れてしまい、ワイヤ4には何ら軸方向力は作用しなくなる。
【0035】
図2ないし図4において、図1における要素と同様な要素には、図1の要素の符号に10を加えて示してある。傘型ワッシャは、ここでは、円錐台状部22と、予圧要素の中央開口を形成するアキシャルリップ23とを有する軸方向予圧要素21に置き換えられている。アキシャルリップ23は外ケーシング13のラジアル部13bの厚さに等しいか短い軸方向長さを有しており、上記ラジアル部13bの内径内に入り込んでいる。装着を容易にするために、アキシャルリップ23の直径は上記ラジアル部13bの内径よりも若干小さくなっている。
【0036】
円錐台状部22は、転動要素18の側に位置するアキシャルリップ23の端部から延長して形成され、半径方向外方に向いていて、その端部はワイヤ14と接触している。円錐台状部22の内端側22aはラジアル部13bの自由端近傍のラジアル部13bのラジアル面に接触し、外端側22bはワイヤ14と接触している。予圧要素21は、かくして、外ケーシング13のラジアル部13bと接触し、一定してワイヤ14へ軸方向力を作用する。
【0037】
予圧要素21は、円錐台状部22の内端側22aにつながるアキシャルリップ23の存在により、一つの安定した状態を保つ。これに加え、軸方向で著しく非対称となっている予圧要素21は振動供給装置により容易に位置づけられ、その結果、外ケーシング13内で特定方向に位置づけられる。
【0038】
図4は製造途中を示しており、ここでは、ワイヤ16と17はすでに内ケーシング12内に配され、予圧要素21とワイヤ14が外ケーシング内に配され、転動要素18とそのための保持器19が14,16そして17の間に配され、しかる後にワイヤ15が配されている。
【0039】
外ケーシング13はL字状断面を有しており、そのラジアル部13cはその形成前にアキシャル部13aの延長面に位置するアキシャル延長部24の形態をなしている。予圧要素21は、自由状態において、円錐台状部は、ラジアル面に対し、図3に見られる状態よりも大きい角度をなしている。図4に示されている状態から、延長部24はラジアル方向となるように屈曲されてラジアル部13cへと変換され、ラジアル部13bと内ケーシング12と相俟って、予圧要素21の円錐台状部22の一部に対して圧するようになる。
【0040】
図2に示されるように、軸受11は円筒外周面26と肩部27を有する軸25の上に組まれている。内ケーシング12は円筒外周面26の上に取り付けられている。肩部27は軸受11に対し軸方向ストッパとして機能する。軸受11はハウジング内に収められているが、該ハウジングは、外ケーシング13の外周面が接触する内径29をもつ部分28と、例えばサークリップのような止めリング31が嵌められる内径29に設けられた環状スロット30とにより形成されている。止めリング31は外ケーシング13のラジアル部13bと接触している。このようにして、軸受11は止めリング31によって軸方向の一方に、そして軸25の肩部27によって他方に、それぞれ保持されている。
【0041】
かかる軸受は、構造が簡単で、安価かつコンパクトとなる。
【0042】
第二の実施形態では、予圧要素の筒状のアキシャルリップは円錐台状部の剛性を増大しこの円錐台状部の事故的な反転を防止する。したがって、予圧ワッシャは反転の危険なく上記円錐台状部を平らな形状となるまで十分に圧せられることができる。これに加え、予圧要素は軸方向で顕著な非対称形状をなしている。したがって、これは、振動供給装置によってこの部材を容易に位置づけられる。したがって、軸受の組立の自動化を容易とし、その分の省力化で製造コストの削減を図れる。予圧ワッシャが組み込まれるときあるいは組込み後に、誤った方向に配したり事故的に反転したりという虞れを著しく低減させるので、製造工程での信頼性が向上する。予圧要素のアキシャルリップは外ケーシング内での予圧要素の予センタリングを助け、軌道を形成し、予圧要素と協働するワイヤに対しての該予圧要素の円錐台状部周部を確実に半径方向センタリングならしめる。これは要素の組立の自動化を容易とする。最後に、軸受の軸方向寸法は、ワッシャのアキシャルリップの軸方向寸法が対応ケーシングの厚みより小さいか等しいので、何ら影響を受けない。
【0043】
図5では、図2から図4までの例と同様の要素に同一符号を付してある。軸受11は、内輪25、外ケーシング13、二つのワイヤ14,15、一列の転動要素18、この場合はボール、保持器19そして予圧要素21を有している。
【0044】
内輪25は機械的旋削加工されたソリッド形式である。内輪25は、通常一体型である。内輪25は、軌道を形成する凹湾曲線26aそして26bを有する環状溝26を有している。換言すれば、軸受軸線を含む面での断面において、溝26は隣接せる二つの凹湾曲部を有している。溝26は複数の転動要素18の中心を通る面に対し対称である。内輪25は、既述のケーシング12と同じな図示しない環状ケーシング内に配されることもでき、あるいは、軸あるいは同等の部材へ直接組み込むこともでき、上記内輪25は転動要素18を軸方向に保持する。
【0045】
組立工程において、保持器19により保持されている転動要素18は軌道を形成する内輪25の溝26の上に配され、予圧要素21、ワイヤ14、転動要素18−保持器19−内輪25の副組立体、そしてワイヤ15がケーシング13へ位置づけられる。しかる後、当初軸方向に延びていた部分が屈曲されてラジアル部13cを形成し、ラジアル部13bと相俟って、予圧要素21の円錐台状部22を部分的に圧する。
【0046】
予圧要素の筒状のアキシャルリップは円錐台状部の剛性を増大しこの円錐台状部の事故的な反転を防止する。したがって、予圧ワッシャは反転の危険なく上記円錐台状部を平らな形状となるまで十分に圧せられることができる。これに加え、予圧要素は軸方向で顕著な非対称形状をなしている。したがって、これは、振動供給装置によってこの部材を容易に位置づけられる。したがって、軸受の組立の自動化を容易とし、その分の省力化で製造コストの削減を図れる。予圧ワッシャが組み込まれるときあるいは組込み後に、誤った方向に配したり事故的に反転したりという虞れを著しく低減させるので、製造工程での信頼性が向上する。予圧要素のアキシャルリップは外ケーシング内での予圧要素の予センタリングを助け、軌道を形成し、予圧要素と協働するリテーナに対しての該予圧要素の円錐台状部周部を確実に半径方向センタリングならしめる。これは要素の組立の自動化を容易とする。最後に、軸受の軸方向寸法は、ワッシャのアキシャルリップの軸方向寸法が対応ケーシングの厚みより小さいか等しいので、何ら影響を受けない。
【0047】
実施形態にしたがい、軸受は一方をソリッド型の軌道輪で他方をケーシングとワイヤを有するリングとしたり、あるいは、二つのリングをそれぞれ一つのケーシングと二つのワイヤを有するものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第一実施形態によるころがり軸受の軸方向断面の半分を示す。
【図2】機械組立てされた本発明の第二実施形態によるころがり軸受の軸方向断面図である。
【図3】図2のころがり軸受の軸方向断面の半分を示す。
【図4】製造途中における図3に対応する軸受の図である。
【図5】本発明の第三実施形態によるころがり軸受の軸方向断面の半分を示す。

Claims (14)

  1. 転動要素(8,18)が接触配置されるための軌道をもつ外輪そして内輪とを有し、外輪及び内輪の少なくとも一方が環状のケーシング(2,12,3,13)を有し、該ケーシング内に転動要素のための軌道を形成する二つのワイヤ(4,5)が配され、予圧ワッシャ(10,21)が軸方向にてケーシングのラジアル部と一方のワイヤとの間に組み込まれているころがり軸受において、上記ワイヤがケーシングのアキシャル部の内周面と接触し、他のワイヤも上記ケーシングのアキシャル部の内周面と接触していることを特徴とするころがり軸受装置。
  2. ワッシャは、自由状態で円錐台状をなし中央に開口が形成されている環状要素(10)であることとする請求項1に記載のころがり軸受装置。
  3. ワッシャは、自由状態で円錐台状部(22)と、軸受の外方へ向け延びるアキシャルリップ(23)とを有していることとする請求項1に記載のころがり軸受装置。
  4. アキシャルリップは周方向に連続しており、予圧要素の中央開口を形成していることとする請求項3に記載のころがり軸受装置。
  5. アキシャルリップは外ケーシングの内径内に配されていることとする請求項3又は請求項4に記載のころがり軸受装置。
  6. アキシャルリップの軸方向長さは対応ケーシングの壁厚よりも小さいこととする請求項3ないし請求項5のうちの一つに記載のころがり軸受装置。
  7. アキシャルリップは該アキシャルリップが配される外ケーシングの内径よりも若干小さい直径であることとする請求項3ないし請求項6のうちの一つに記載のころがり軸受装置。
  8. 円錐台状部(10,22)は、二つのワイヤ(4,14)の一方と、そして外ケーシング(3,13)のラジアル部(3b,13b)と接触していることとする請求項1ないし請求項7のうちの一つに記載のころがり軸受装置。
  9. 円錐台状部は160°〜180°の間の頂角を有していることとする請求項1ないし請求項8のうちの一つに記載のころがり軸受装置。
  10. 円錐台状部は周方向に連続していることとする請求項1ないし請求項9のうちの一つに記載のころがり軸受装置。
  11. 各環状ケーシングはU字状断面を有していることとする請求項1ないし請求項10のうちの一つに記載のころがり軸受装置。
  12. ケーシングに接触して組み込まれた四つのワイヤを有し、転動要素がこれらのワイヤと接触して配置されていることとする請求項1ないし請求項11のうちの一つに記載のころがり軸受装置。
  13. 一つのケーシングに接触する二つのワイヤと、転動要素のための軌道をもつソリッド型の軌道輪とを有することとする請求項1ないし請求項11のうちの一つに記載のころがり軸受装置。
  14. 軸と、該軸に組み込まれた二つのころがり軸受とを有し、少なくとも一つの軸受は、軌道が形成された外輪そして内輪と、両軌道に接触配置される転動要素(8,18)とを有し、外輪及び内輪の少なくとも一方が環状のケーシング(2,12,3,13)を有し、該ケーシング内に転動要素のための軌道を形成する二つのワイヤ(4,5)が配され、予圧ワッシャ(10,21)が軸方向にてケーシングのラジアル部と一方のワイヤとの間に組み込まれており、上記ワイヤがケーシングのアキシャル部の内周面と接触し、他のワイヤも上記ケーシングのアキシャル部の内周面と接触していることを特徴とするステアリングコラム。
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