JP2005501885A - 爪の成長の機能障害および疾患を治療するための硬膏 - Google Patents
爪の成長の機能障害および疾患を治療するための硬膏 Download PDFInfo
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Abstract
Description
(詳細)
本発明は、爪の成長の機能障害や疾患を予防および/または治療するための硬膏、該硬膏の使用、ならびに該硬膏を用いた爪および/または爪の成長の機能障害や疾患を予防および/または治療する方法に関するものである。
(発明の背景)
例えば、爪甲真菌症の治療用硬膏は公知であるが、爪の成長の機能障害または疾患を予防および/または治療するための硬膏が文献に記載されていない。例えば、WO−A−99/40955は、爪甲真菌症を治療するための感圧性接着母組織絆創膏を開示している。足指の爪や指の爪の真菌感染症を治療するためのこの製品(device)は、密閉性後部層、および、抗真菌薬剤の有効量が不均一に分散しており任意に化学賦活剤を含む感圧性の接着母組織層からなる。母組織層は後部層に接着している第一表面と、患部の爪および周囲の皮膚領域に分散して接触するように適合された第二表面とを有する。
【0002】
爪甲真菌症を治療するための方法は、US−A−5,464,610に記載されている。上記方法では、サリチル酸やその塩、エステル、これらの混合物を含む硬膏の調製物が使用される。上記硬膏調製物は担体に付着しており、サリチル酸は硬膏調製物中に調製物の10−80重量%の量で存在する。
【0003】
爪抜去組成物または、爪を抜去する方法や爪や爪床の感染症を治療するための方法は、US−A−5,993,790に開示されている。水性の爪塗料、防腐剤、尿素および天然添加剤を含む局部爪エナメル質組成物が特許請求されている。上記爪エナメル質組成物は、爪や爪床の真菌、酵母、または細菌の感染症の治療に適している。
【0004】
US−A−5,753,256は、可塑性カバーフィルムと、上記カバーフィルムに連接したアクリレートポリマー母組織の層とからなり、ミコナゾール、エコナゾール、イソコナゾール、チオコナゾール、テルコナゾール、オキシコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、トルシクレート、サルベンチン、ハロプロジン、グリセオフルビン、シクロピロックス、テルビナフィン、または上記化合物の塩から選択される活性化合物を含む爪真菌症を治療するための硬膏を開示している。
【0005】
本発明の目的は、爪、爪構造および/または爪の成長の機能障害や疾患を予防および/または治療するたの硬膏を提供することである。
【0006】
上記目的は、独立請求項の硬膏または当該硬膏の使用により解決される。さらに本発明の有利な特徴、様態および詳細は、本願の独立請求項、詳細な説明、実施例から明らかである。
(発明の詳細な説明)
本願は、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患を予防および/または治療するための硬膏に関するものである。上記硬膏は、爪および任意に周囲の皮膚と隙間なく接触するように設計された層を備えている。上記層は、接着剤(a)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(b)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(c)、および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤、および/または抗酸化剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(d)を含む。
【0007】
2つ以上の層から構成される硬膏もまた、本明細書中に開示された目的にとって有用である。好ましい実施形態は、後部層の中に分離した層と、接触層とを備え、上記接触層は上記後部層に付着しているとともに、爪および任意に周囲の皮膚と隙間なく接触するように設計されている。上記接触層は、接着剤(a)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(b)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(c)、および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤、および/または抗酸化剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(d)を含む。
【0008】
可塑性後部層は、爪や皮膚に対して硬膏を保持して圧接し、接触層から爪、爪床、または周囲の皮膚への移動を増大させる。さらに上記後部層は、接触層が汚染されるのを保護する。上記硬膏の好ましい実施形態は、無色の後部層またはコハク色を呈する後部層を備えている。別の好ましい実施形態は、可塑性および/または閉塞性後部層を備える。爪が不均一な表面を有する場合でも、患部の爪をきちんと封じるために硬膏は十分な可塑性を有している。
【0009】
本発明の別の好ましい実施形態は、さらに中央層と薬剤含有層とに分割される接触層を備える。当該中央層は、後部層と薬剤含有層とに密接に接触するように設計される。下に要約するように、薬剤含有層は、治療的効果のある量の薬学的活性剤を含むが、中央層は薬学的活性剤を全く含まない。
【0010】
後部層は、好適にはポリエチレン(例えばLDPE、プラストトランス(Plastotrans)(登録商標))、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル(例えばレバトランス(Revatrans)(登録商標)、トリコンGmbH社製、フライブルク)、グッタジーナ(Guttagena)(登録商標)PVC NBR箔(例えばグッタジーナ(登録商標)WK68、カールペンタプラスト社製、ドイツ)、木綿、木綿/ビスコース、絹、ポリエチレンテレフタレート(例えばホスタファン(Hostaphan)(登録商標)RN36シルや、ホスタファン(登録商標)RN100シル、ロパレックス社製、アペルドーン、オランダ)、エチレン−メタクリル酸コポリマー、および/または上記材料の混合物からなる。シリコーン処理されたポリマーおよび/またはコポリマーがより好適である。
【0011】
ここで使用されるように、用語「接触層」は、上記薬学的活性剤を含む生物的適合性の接着剤を指し、当該接触層はさらに任意に、爪、爪床、関連する皮膚への化合物の移動や浸入を可能にし、そして促進するのに適した特別な生化学的機能を有する成分および/または添加物を含む。上記接触層は、後部層、好適には可塑性および/または密閉性後部層に連接している。
【0012】
十分な量の上記薬学的活性剤は、好適にはゲル状またはゴム状の接着剤である上記接着剤に埋め込まれ、長時間にわたって、好ましくは1週間で皮膚および爪を貫通する薬学的活性剤の連続的な流れを可能にし、そして維持している。
【0013】
本発明の硬膏は、円形、楕円形、長方形や、正方形のような任意の適切な形状で製造される。好適な硬膏の大きさは、0.5cm2、0.85cm2、1.5cm2、2.3cm2、2.5cm2、および4.0cm2である。
【0014】
上記薬学的活性剤の適切な治療的効果のある量は、硬膏1cm2当たり0.005−10mg、好ましくは硬膏1cm2当たり0.001−5mg、より好ましくは硬膏1cm2当たり1−4mg、そして最も好ましくは硬膏1cm2当たり1−2mgである。
【0015】
これらの抗真菌薬剤は大まかに、ポリエン(例えばアムホテリシンBおよびナイスタチンのような)、アゾール、特にイミダゾール(例えばミコナゾールおよびセルタコナゾール(sertaconazole))、トリアゾール(例えばイトラコナゾール、フルコナゾール、およびボリコナゾール(vorivonazole))、アリルアミン(例えばナフチフィジン(naftifidine)およびテルビナフィン)、およびベンゾフラン(例えばグリセオフルビン)からなる5つの群に分類される。
【0016】
発明の硬膏は、薬学的に活性な量の少なくとも1つの薬学的活性剤を含む。上記薬学的活性剤として、フルコナゾール(ジフルカン(Diflucan)(登録商標))、ブトコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、スルコナゾール、ナフチフィジン、クリオキノール、ヨードキノール、リモプロジン、グリセオフルビン、テルビナフィン(ラミシール(Lamisil)(登録商標)、ノバルティス ファーマ社製)、クロトリマゾール、イトラコナゾール(センペラ(Sempera)(登録商標)、ジャンセン製薬社製)、チオコナゾール、ミコナゾール、トルナフテート、ピロガロール、エコナゾール、イソコナゾール、テルコナゾール、オキシコナゾール、ボリコナゾール、アンフォテリシンB、ナイスタチン、トルシクレート、サルベンチン、ケトコナゾール、シクロピロックス(バトラフェン(Batrafen)(登録商標)、ノバルティス ファーマ社製)、アモロールファイン(Amorolfine)、ビフォナゾール、ナトリウムピリチオン(pyrithione)、サリチル酸、および/またはこれらの薬剤の塩が挙げられる。
【0017】
従来技術の硬膏および硬膏調整物は、爪の真菌感染症、すなわち爪甲真菌症を治療するための上記薬学的活性剤を使用する。ここで本発明は初めて、爪甲真菌症ではない爪および/または爪の成長の機能障害または疾患、あるいは爪構造の破壊を予防および/または治療するための上記薬学的活性剤の使用を明らかにする。特に、爪甲真菌症によって引き起こされない爪異栄養症の予防および/または治療が開示される。
【0018】
爪甲真菌症は、真菌感染症として、爪異栄養症の下位群と見なされている。従って、真菌類によって生じる感染は本発明の範囲外である。
【0019】
爪異栄養症は、陥入爪、線条体黒爪症、白線病、慢性爪周囲炎、脱色された爪、肥大化した爪、爪湾曲症、巻爪炎、爪硬化症、爪鉤弯症、巨爪症、爪甲層状分裂症、爪破断症、粗造爪、裂け爪や分れ爪のような多数の爪機能障害や障害を含む。
【0020】
爪異栄養症は、本発明の範囲外である真菌感染症(爪甲真菌症)によって引き起こされたり、誘発されたりする。
【0021】
爪甲真菌症以外の爪異栄養症の最も重要な群は、神経性皮膚炎(neurodermitis)(アトピー性湿疹)や乾癬のような皮膚の病気により誘発される。さらに、細菌やウィルスの感染症は、爪異栄養症を引き起こしたり、誘発したりする可能性がある。
【0022】
また抗生物質、抗凝固性剤、ACE阻害剤、ベータブロッカー(betablockers)、チアジド系化合物、細胞成長抑止剤などのような薬剤は、爪異栄養症を引き起こすことが知られている。爪異栄養症の別の原因は、ビタミン欠乏症、腎不全、および心不全のような全身病である。爪異栄養症のさらに別の原因は、酸、塩基、および酸化剤などの、火傷、腐蝕を引き起こす化学物質との接触、そしてまた爪板の物理的な破損を招く身体的影響である。最終的に、爪の機能障害および/または疾患に対して突発性疾患の原因が存在する。
【0023】
本明細書に使用される用語「爪」は、哺乳類、特にヒトの指の爪および足指の爪を指す。
【0024】
上記硬膏の好ましい実施形態は、接触層が患部の爪をほぼ完全に封じ、空気のほとんどの量を取り除くように設計された接触層を備える。さらに、本発明の硬膏は、任意にさらなる脱酸素剤を含有してもよい。適当な酸素捕捉剤として、例えば、サリチル酸および/またはサリチル酸塩および/またはポリカルボキシル酸との、または、酸化可能な有機酸や触媒作用剤と組み合わせたアルコールとの遷移金属の多座配位子や錯体が挙げられる。
【0025】
適当な皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、当業者に公知であり、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪アルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−エタノール、グリセロールのエステル、グリセロールモノラウレート、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、不飽和ポリグリコール化グリセリド(ラブラフィル(Labrafil)M1944CS(登録商標)、ガテフォシュ(Gattefosse)社製)、飽和ポリグリセリド(ラブラソル(Labrasol)(登録商標)、ガテフォシュ社製)、リシノール酸の部分グリセリド(ソフティゲン(Softigen)(登録商標)、ヒュール(Huels)社製)、ラブラファクハイドロ(Labrafac Hydro)WL1219(登録商標)(ガテフォシュ社製)、エスタサン(Estasan)(登録商標)(ガテフォシュ社製)、α−ヒドロキシ酸、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ピロリドン類、サリチル酸、乳酸、ミリストール、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質、トランスキュトール(Transcutol)(登録商標)(ガテフォシュ社製)、ユタノール(Eutanol)(登録商標)(ヘンケル(Henkel)社製)、さらに、オレイン酸/2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、オレイン酸/ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)、およびオレイン酸/ラブラファク(Labrafac)(登録商標)(ガテフォシュ社製)を好適には約1:1の比で含む混合物、などからなる群から選択される。また、硬化した爪やケラチン組織を通る化学物質の浸透を促進させる蛋白質分解酵素のような酵素成分もまた、浸透賦活剤として使用できる。
【0026】
最も一般的な脂肪酸の具体例は、カプリ酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペストロセリニン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン(gondoic)酸、ウルシン酸、ネルボン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、7,10,13,16−ドコサテトラエン酸、4,7,10,13,16−ドコサペンタエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、8,11,14,17−エイコサテトラエン酸、5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸、7,10,13,16,19−ドコサペンタエン酸、4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、タリリン(tariric)酸、サンタル酸、ステアロリン(stearolic)酸、6,9−オクタデセニン酸、ピルリン酸、クレペニン酸、ヘイステリン酸、t8,t10−オクタデカジエン−12−イン酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸、セレブロン酸、ヒドロキシネルボン酸、ブラシリン(brassylic)酸、またはタプシン酸(thapsic)である。また、低級アルキルエステル、上記脂肪酸のアミドや、その対応するアルコールも有用である。グリセロールエステルはまた、上記脂肪酸の1種以上を含んでいてもよい。
【0027】
皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、皮膚および爪や爪床への薬剤の浸入や浸透を促進および増大させる。用語「浸入賦活剤」または「浸透賦活剤」は、生体膜や皮膚および爪の浸透性の増大に関連する。皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、薬剤が上記膜を通って浸透する速度を増大させるために主に使用される。浸透賦活剤の効果は、メリット(Merit)らにより述べられた、動物や人の皮膚を通る薬学的活性剤の拡散速度を測定する拡散細胞装置の使用によって測定される(Diffusion Apparatus for Skin Penetration, J. Controlled Release,1984年,2,161-162頁)。
【0028】
皮膚および/または爪の浸透賦活剤の効果的な量とは、膜透過性における所望の増加を与え、それに伴い十分な量の上記薬学的活性剤の、所望の深さの侵入および浸透を得ることのできる量を意味する。
【0029】
本発明の硬膏は、接着剤の0.1重量%〜30重量%、好適には接着剤の0.1重量%〜15重量%、より好適には接触層の0.5重量%〜10重量%、そして最も好適には接触層の0.7重量%〜6重量%の量で、接触層に上記皮膚および/または爪浸透賦活剤を含む。
【0030】
本発明の硬膏は、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤、および/または抗酸化剤を含む群から選択されたさらなる添加剤を任意に含む。
【0031】
上記添加剤は、存在する場合、接触層の2重量%〜80重量%、好適には接触層の5重量%〜40重量%、より好適には8重量%〜30重量%、さらにより好適には12重量%〜25重量%、また最も好適には接触層の15重量%〜20重量%の量で当該層中に含まれる。
【0032】
結合剤は、粉末を一体に結合または「粘着」させ、また、接着剤層を形成することによりこれら粉末を接着させる物質の特性を示す。それゆえ、上記結合剤は、組成物中のさらなる「接着剤」として働く。適切な結合剤としては、非天然の糖、スクロースのような天然の糖;小麦、トウモロコシ、米やイモに由来する澱粉;アカシア、ゼラチンやトラガカントゴムのような合成または天然のゴム;アルギン酸、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カルシウムアンモニウムのような海草の由来物質;メチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロースならびにヒドロキシプロピル−メチルセルロースのようなセルロース物質;ポリビニルピロリドン;およびケイ酸アルミニウムマグネシウムのような無機物;ポリエチレングリコールやワックスが挙げられる。
【0033】
接着剤中の結合剤の量は、存在する場合、接着剤の約1〜50重量%、好適には接着剤の約10〜約50重量%、より好適には約20〜約50重量%、さらにより好適には約30〜約40重量%の範囲である。
【0034】
架橋剤は、アセチルアセトン酸アルミニウム、アクリル酸エステル−酢酸ビニルコポリマー、アセトン酸アルミニウム、アセチルアセトン酸チタン、アセトン酸チタンおよび琥珀酸のような架橋剤を含む群から選択される。
【0035】
接着剤中の架橋剤の量は、存在する場合、接着剤の約0.01〜30重量%、好適には接着剤の約0.1〜約50重量%、より好適には約10〜約50重量%、さらにより好適には約30〜約40重量%の範囲である。
【0036】
軟化剤は、セバシン酸ジブチル(DBS)、マクロゴル(Macrogol)(登録商標)(クラリアント社製、フランクフルト、ドイツ)などからなる群から選択される。
【0037】
接着剤中の軟化剤の量は、存在する場合、接着剤の約0.001〜25重量%、好適には接着剤の約0.01〜約10重量%、より好適には重量で約0.1〜約6重量%、さらにより好適には約0.5〜約3重量%の範囲である。
【0038】
本発明の硬膏の適切な溶媒は、純水;アセトン、ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノンのようなケトン;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールのようなアルコール;酢酸エチルエステル、酢酸プロピルエステルのようなエステルなどから選択される。さらに、上記溶媒の混合液もまた使用することもできる。適当な共溶媒は、上記の溶媒または溶媒の混合液と共に使用され、上記共溶媒は、乳酸、サリチル酸、琥珀酸、尿素、ミグリオール(Miglyol)(登録商標)812(ケミッシュベルケヒュール(Chemische Werke Huels)社製、マール、ドイツ)、トリグリセリド、オレイン酸エチル、モノドデカン酸グリセリル、オレイン、オレイン酸エステル、マクロゴル(Macrogol)(登録商標)6000や、レシチンを含む群から選択される。
【0039】
接着剤中の溶媒の量または共溶媒と溶媒との総量は、存在する場合、接着剤の約0.5から70重量%、好適には接着剤の約3〜約60重量%、より好適には約10〜約50重量%、さらにより好適には約20〜約40重量%、最も好適には接着剤の約10〜約30重量%の範囲である。
【0040】
充填剤は、シリカ、珪酸、好適にはコロイド状シリカやコロイド状の珪酸、ラクトース、エアロジル(Aerosil)(登録商標)200のようなエアロジル(デグッサヒュール(Degussa-Huels)社製、フランクフルト、ドイツ)、澱粉、ベントニット(Bentonit)(登録商標)(シュトケミエ(Suedchemie)社製、マンハイム、ドイツ)などを含む群から選択される。
【0041】
接着剤中の充填剤の量は、存在する場合、接着剤の約0.01〜15重量%、好適には接着剤の約0.1〜約10重量%、より好適には約0.3〜約6重量%、さらにより好適には、接着剤の約0.5〜約3重量%の範囲である。
【0042】
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)は、適当な抗酸化剤の例として挙げられる。抗酸化剤は、当業者に周知であり、従来技術の抗酸化剤から選択される。
【0043】
接着剤中の抗酸化剤の量は、存在する場合、接着剤の約0.001〜10重量%、好適には接着剤の約0.005〜約6重量%、より好適には約0.01〜約3重量%、さらにより好適には約0.05〜約1重量%の範囲である。
【0044】
本発明の硬膏に適当な接着剤は、ナショナルスターチ(National Starch)社製のドゥロタック(Durotak)(登録商標)80−1196、ナショナルスターチ社製のドゥロタック387−2825、またはモンサントゲルバ(Monsanto Gelva)737のような「アクリル接着剤(acrylic adhesive)」としても知られるアクリルコポリマー;ポリアクリルアミド;ポリイソブチレン(PIB)(例えば、アドへシブリサーチ(Adhensive Research)社製のMA−24)、ポリイソプレン、スチレン−イソプレンコポリマー、またはウレタンゴムのような「ゴム接着剤」と呼ばれるゴム性(rubber-based)接着剤;そして、ダウバイオ−PSA(Dow Bio−PSA)のような「シリコーン接着剤」と呼ばれるシリコーン性接着剤を含んでいてもよい。
【0045】
本発明にしたがって使用される接着剤は、ポリマー、好適にはアクリレートのコポリマーを意味する。上記アクリルレートのポリマーを製造するための適当なモノマーやモノマーの混合物は、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、アミノアルキルアクリレート、アミノアルキルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(ユーラギット(EURAGIT)(登録商標)E100、ユーラギット(登録商標)RL、ユーラギット(登録商標)RS、ユーラギット(登録商標)NE30D、デグッサヒュールグループ(Degussa-Huels Group)のレーム(Roehm)社製の市販品)、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアセテート(vinyl acetale)、グリシジルメタクリレートを含む。アクリレートを基本とする接着剤は、ドゥロタック(Durotak)(登録商標)(ナショナルスターチケミカル(National Starch Chemical)B.V.社、ジュトフェン(Zutphen)、NL)という名称で市販されている。上記製品品種の具体例は、ドゥロタック(登録商標)280−2287(51%溶液または固形物)、ドゥロタック(登録商標)326−1753(37%溶液または固形物)、ドゥロタック(登録商標)280−1753(33%溶液または固形物)、ドゥロタック(登録商標)901−1052(48%溶液または固形物)、ドゥロタック(登録商標)80−1196(固形物)、ドゥロタック(登録商標)387−2825(50%溶液)である。
【0046】
接着剤は、硬膏の40重量%〜95重量%、好適には60〜90重量%、より好適には70〜90重量%、また最も好適には硬膏の80重量%〜90重量%の量で、本発明の硬膏に含まれている。
【0047】
本発明は、爪甲真菌症のための全身治療や、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患のための他の全身治療と組み合わせて上記硬膏を使用する併用療法を開示している。
【0048】
上記併用療法は、爪甲真菌症、陥入爪、爪乾癬、線条体黒爪症、白線病、湿疹、慢性爪炎、変色した爪、肥大化した爪や、爪異栄養症の予防および/または治療に特に有用である。
【0049】
本明細書に使用される用語「硬膏」は、爪に適用され、爪の表面に対して圧接される接触層を構成する任意の製品(device)を指す。適切な硬膏として、ゴム、アクリル、ウレタン、シリコーン物質、ポリビニルアルキルエーテル、ゲルおよび浸透性微小孔膜に基づく硬膏や予備形成されたフィルムが挙げられる。上記硬膏製品はまた、美容上の外観を改良するために、人工爪や模造爪の形状と組み合わせたり、当該形状に取り込まれたり形成されたりしてもよい。
【0050】
本明細書に使用される用語「硬膏」は、任意に適切な添加剤および/または結合剤と組み合わせた、硬膏製品中の少なくとも1つの薬学的活性剤の調整物を指す。
【0051】
さらに、本発明は、爪および任意に当該爪の周囲の皮膚に、爪および任意に周囲の皮膚と隙間なく接触するように設計された層を備える硬膏を粘着させて固定することによって、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患を、経皮的および/または経爪的(transnail)に予防および/または治療するための硬膏の使用について述べている。上記層は、接着剤(a)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(b)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(c)、および結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤および/または抗酸化剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(d)を含む。
【0052】
上記硬膏の代わりに、2つ以上の層を備える実施形態が、爪および任意に上記爪の周囲の皮膚に硬膏を粘着させて固定することにより爪および/または爪の成長の機能障害や疾患を防止するために使用される。上記硬膏は、後部層(a)と、上記後部層に付着し、爪および任意に周囲の皮膚に隙間なく接触するように設計された接触層(b)とを備え、当該接触層は、接着剤(aa)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(bb)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(cc)および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤および/または抗酸化剤から選択された少なくとも1種の添加剤(dd)を含む。
【0053】
本発明の1つの重要な特徴は、硬膏の使用が、少なくとも1つの穴を爪に開ける手順、および/または日常的に爪を削る手順を必要としないことである。本発明の別の利点は、硬膏が使用簡単かつ便利で、使用者に優しいことである。
【0054】
さらに、本発明の硬膏は、爪甲真菌症、陥入爪、爪乾癬、線条体黒爪症、白線病、湿疹、慢性爪炎、変色した爪、肥大化した爪や、爪異栄養症のような爪および/または爪の成長の機能障害や疾患のための全身治療と組み合わせて使用される。
【0055】
本発明は、上記爪の成長の機能障害や疾患を治療するために、爪および任意に周囲の皮膚に硬膏を粘着させて固定することにより、患部の爪、爪床、周囲の組織に、十分な量の少なくとも1つの薬学的活性剤を、経皮的および/または経爪的に送達する方法を開示している。
【0056】
本発明の方法の1つの利点は、爪に少なくとも1つの穴を開けること、および/または、日常的に爪を削ることを必要としないことである。
【0057】
本発明の方法はまた、爪甲真菌症のための全身治療、または爪および/または爪の成長の機能障害や疾患のための他の全身治療と組み合わせて使用される。特に、爪甲真菌症のための全身治療、または機能障害や疾患のための他の全身治療と本発明の方法との組み合わせは、効果的であることが証明されている。
【0058】
(実施例)
以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲をこれらの詳細な実施形態に限定するものではない。
【0059】
硬膏や爪の絆創膏は、好適には後部層および/または剥離線部を備える。後部層は、存在する場合には、好適にはグッタジーナ(Guttagena)PVC NBR箔のようなPVCからなるとともに、剥離線部は、好適には両面がシリコーン処理(100μm)されたPET箔のようなPETからなる。
【0060】
(実施例1)
硬膏1:1.0cm2の硬膏における接触層の化合物
【0061】
【表1】
【0062】
爪異栄養症に病む患者に対して硬膏の効能を調査した。
【0063】
ある患者は、治療開始時に40%の異栄養性爪を発症していたが、硬膏を用いた治療の24週間後には15%にまで減少した。別の患者に24週間治療を施すと、異栄養性爪の局部は20%から5%にまで減少した。さらに別の患者に、硬膏を用いた23週間の治療を行うと、爪の患部は30%から10%にまで減少した。
【0064】
治療期間に軽い副作用を示した患者はほとんどいなかった。上記副作用は、爪の周囲の組織の皮膚落屑として特徴付けられる。
【0065】
本明細書に開示された硬膏の効果の1つとして、例えば毎日ではなく、週に一度しか硬膏を取り替えなくても良いことが挙げられる。従って、十分な抗真菌剤が1週間後でも硬膏の接着層に存在するように、過剰な抗真菌剤を使用する。硬膏に残存した抗真菌剤は、予防効果があり、感染の拡大を回避して、患者によって感染され得る第三者の危険性を軽減する。
【0066】
実施例2〜6における硬膏2〜6は同様の結果を与えた。
【0067】
別の例では、治療期間は1年以上続くことがある。一般的に治療期間は、硬膏を毎週取り替える状況下で1ヶ月から数ヶ月である。
【0068】
(実施例2)
硬膏2:1cm2の硬膏の製品における組成
【0069】
【表2】
【0070】
化合物を秤量し、均一になるまで攪拌した。シリコーン処理したポリエステルシート(厚さ75μm、ロパレックス(Loparex)社製、アぺルドーン(Apeldorn)、NL)に混合物を適用した。粘着フィルムの湿膜厚は400μmになった。次に、乾燥棚で60℃で15分間乾燥し、さらに25℃で12時間保存して、粘着層を厚さ50μmのポリオレフィンフィルム(コットラン(Cotran)No.9722、3M−メディカ社製、ボルケン、ドイツ)で覆った。
【0071】
最後に、指や足指の爪の大きさの自己接着性硬膏に、シートから穴を開けた。
【0072】
(実施例3)
硬膏3:1cm2の硬膏の製品における組成
【0073】
【表3】
【0074】
化合物を秤量し、均一になるまで攪拌した。シリコーン処理したポリエステルシート(厚さ75μm、ロパレックス社製、アぺルドーン、NL)に混合物を適用した。粘着フィルムの湿膜厚は400μmになった。次に、乾燥棚で60℃で15分間乾燥し、さらに25℃で12時間保存して、粘着層を厚さ50μmのポリオレフィンフィルム(コットランNo.9722、3M−メディカ社製、ボルケン、ドイツ)で覆った。
【0075】
最後に、指や足指の爪の大きさの自己接着性硬膏に、シートから穴を開けた。
【0076】
(実施例4)
硬膏4:1cm2の硬膏の製品における組成
【0077】
【表4】
【0078】
化合物を秤量し、均一になるまで攪拌した。シリコーン処理したポリエステルシート(厚さ75μm、ロパレックス社製、アぺルドーン、NL)に混合物を適用した。粘着フィルムの湿膜厚は400μmになった。次に、乾燥棚で70℃で15分間乾燥し、さらに25℃で12時間保存して、粘着層を厚さ50μmのポリオレフィンフィルム(コットランNo.9722、3M−メディカ社製、ボルケン、ドイツ)で覆った。
【0079】
最後に、指や足指の爪の大きさの自己接着性硬膏に、シートから穴を開けた。
【0080】
(実施例5)
硬膏5:1cm2の硬膏の製品における組成
【0081】
【表5】
【0082】
化合物を秤量し、均一になるまで攪拌した。シリコーン処理したポリエステルシート(厚さ75μm、ロパレックス社製、アぺルドーン、NL)に混合物を適用した。粘着フィルムの湿膜厚は400μmになった。次に、乾燥棚で60℃で15分間、80℃で10分間乾燥し、冷却後に保存して、粘着層を厚さ50μmのポリオレフィンフィルム(コットランNo.9722、3M−メディカ社製、ボルケン、ドイツ)で覆った。
【0083】
最後に、指や足指の爪の大きさの自己接着性硬膏に、シートから穴を開ける。
【0084】
(実施例6)
硬膏6:1.0cm2の硬膏の接触層における化合物
【0085】
【表6】
【0086】
(設備機器):
高速撹拌槽で溶液を調製する。撹拌器は例えば、上昇する粘度での完全な混合を保証する溶解円盤であってもよい。実験規模では、塗膜および乾燥を、積層乾燥機(LTSV/LTF、W.マティス(Mathis)AG社製、スイス)を用いて実験用塗膜単位で行う。
【0087】
(処理指示):
アセトン、イソプロパノール、およびエタノールを撹拌槽に入れ、ユードラギット(EUDRAGIT)(登録商標)E100を90分にわたり別々に加えた。そして、ユードラギットE100を溶解させる間、沈殿物の生成を生じさせない速度に、撹拌器を設定した。さらに、セバシン酸ジブチルを素早く加え、20分間攪拌し続けた。その後、激しく撹拌しながらポリマー溶液に、フルコナゾール、そして琥珀酸を別々に加えた。琥珀酸の添加を完了した後、ポリマー溶液をさらに20分間撹拌した。
【0088】
最終的なポリマー溶液を用いて以下のパラメータで塗膜を行った。
塗膜:200μmのニップの回転ドクターブレードを用いて、後部層箔(厚さ15μm、レバトランス(Revatrans)(登録商標)MN、トリコン(Tricon)GmbHフライブルク(Freiburg)社製)に、約100gの上記ポリマー溶液を塗布した。
乾燥:1500m3/hの循環空気、80m3/hの排出空気、60°Cで10分間乾燥した。
Claims (33)
- 爪および任意に周囲の皮膚と隙間なく接触するように設計された層を備え、
上記層は、接着剤(a)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(b)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(c)、および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤、および/または抗酸化剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(d)を含む、
爪および/または爪の成長の機能障害または疾患を予防および/または治療するための硬膏。 - 後部層(a)と、上記後部層に付着し、爪および任意に周囲の皮膚に隙間なく接触するように設計された接触層(b)とを備え、
当該接触層は、接着剤(aa)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(bb)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(cc)および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤および/または抗酸化剤から選択された少なくとも1種の添加剤(dd)を含む、
爪および/または爪の成長の機能障害または疾患を予防および/または治療するための硬膏。 - 上記後部層は閉塞性後部層である、請求項2に記載の硬膏。
- 上記皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪アルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−エタノール、グリセロールのエステル、グリセロールモノラウレート、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、不飽和ポリグリコール化グリセリド、飽和ポリグリセリド、リシノール酸の部分グリセリド、α−ヒドロキシ酸、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ピロリドン類、サリチル酸、乳酸、ミリストール、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質および蛋白質分解酵素からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の硬膏。
- 上記皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、上記接触層の0.7重量%〜6重量%の量で該接触層に含まれている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の硬膏。
- 上記添加剤は、上記接触層の15重量%〜20重量%の量で該接触層に含まれている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の硬膏。
- 上記薬学的活性剤は、フルコナゾール(ジフルカン(登録商標))、ブトコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、スルコナゾール、ナフチフィジン、クリオキノール、ヨードキノール、リモプロジン、グリセオフルビン、テルビナフィン(ラミシール(登録商標)、ノバルティス ファーマ社製)、クロトリマゾール、イトラコナゾール(センペラ(登録商標)、ジャンセン製薬社製)、チオコナゾール、ミコナゾール、トルナフテート、ピロガロール、エコナゾール、イソコナゾール、テルコナゾール、オキシコナゾール、ボリコナゾール、アンフォテリシンB、ナイスタチン、トルシクレート、サルベンチン、ケトコナゾール、シクロピロックス(バトラフェン(登録商標)、ノバルティス ファーマ社製)、アモロールファイン、ビフォナゾール、ナトリウムピリチオン、サリチル酸、および/またはこれらの薬剤の塩からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の硬膏。
- 上記薬学的活性剤は、硬膏1cm2当たり0.01〜5mgの量で上記接着剤に含まれている、請求項1〜7のいずれか1つに記載の硬膏。
- 上記接着剤は、アクリル接着剤、ゴム接着剤、およびシリコーン接着剤からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか1つに記載の硬膏。
- 上記接着剤は、上記接触層の80重量%〜90重量%の量で硬膏に含まれている、請求項1〜9のいずれか1つに記載の硬膏。
- 上記硬膏が、爪および/または爪の成長の機能障害または疾患のための全身治療と組み合わせて使用される、併用治療。
- 爪および任意に周囲の皮膚と隙間なく接触するように設計された層を備え、
上記層は、接着剤(a)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(b)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(c)、および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤、および/または抗酸化剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(d)を含む、
上記硬膏を、爪および任意に当該爪の周囲の皮膚に粘着させて固定することによって、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患を、経皮的および/または経爪的に予防および/または治療するための硬膏の使用。 - 後部層(a)と、上記後部層に付着し、爪および任意に周囲の皮膚に隙間なく接触するように設計された接触層(b)とを備え、
当該接触層は、接着剤(aa)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(bb)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(cc)および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤および/または抗酸化剤から選択された少なくとも1種の添加剤(dd)を含む、
上記硬膏を、爪および任意に当該爪の周囲の皮膚に粘着させて固定することによって、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患を、経皮的および/または経爪的に予防および/または治療するための硬膏の使用。 - 上記後部層は閉塞性後部層である、請求項13に記載の使用。
- 上記皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪アルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−エタノール、グリセロールのエステル、グリセロールモノラウレート、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、不飽和ポリグリコール化グリセリド、飽和ポリグリセリド、リシノール酸の部分グリセリド、α−ヒドロキシ酸、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ピロリドン類、サリチル酸、乳酸、ミリストール、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質および蛋白質分解酵素からなる群から選択される、請求項12〜14のいずれか1つに記載の硬膏の使用。
- 上記皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、上記接触層の0.7重量%〜6重量%の量で該接触層に含まれている、請求項12〜15のいずれか1つに記載の硬膏の使用。
- 上記添加剤は、上記接触層の15重量%〜20重量%の量で該接触層に含まれている、請求項12〜16のいずれか1つに記載の硬膏の使用。
- 上記薬学的活性剤は、フルコナゾール(ジフルカン(登録商標))、ブトコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、スルコナゾール、ナフチフィジン、クリオキノール、ヨードキノール、リモプロジン、グリセオフルビン、テルビナフィン(ラミシール(登録商標)、ノバルティス ファーマ社製)、クロトリマゾール、イトラコナゾール(センペラ(登録商標)、ジャンセン製薬社製)、チオコナゾール、ミコナゾール、トルナフテート、ピロガロール、エコナゾール、イソコナゾール、テルコナゾール、オキシコナゾール、ボリコナゾール、アンフォテリシンB、ナイスタチン、トルシクレート、サルベンチン、ケトコナゾール、シクロピロックス(バトラフェン(登録商標)、ノバルティス ファーマ社製)、アモロールファイン、ビフォナゾール、ナトリウムピリチオン、サリチル酸、および/またはこれらの薬剤の塩からなる群から選択される、請求項12〜17のいずれか1つに記載の硬膏の使用。
- 上記薬学的活性剤は、硬膏1cm2当たり0.01〜5mgの量で上記接着剤に含まれている、請求項12〜18のいずれか1つに記載の硬膏の使用。
- 上記接着剤は、アクリル接着剤、ゴム接着剤、およびシリコーン接着剤からなる群から選択される、請求項12〜19のいずれか1つに記載の硬膏の使用。
- 上記接着剤は、上記接触層の80重量%〜90重量%の量で上記硬膏に含まれている、請求項12〜20のいずれか1つに記載の硬膏の使用。
- 特に、爪甲真菌症、陥入爪、爪乾癬、線条体黒爪症、白線病、湿疹、慢性爪炎、変色した爪、肥大化した爪、および他の爪異栄養症のような、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患のための他の全身治療と組み合わせた、請求項12〜21のいずれか1つに記載の硬膏の使用。
- 爪および任意に周囲の皮膚と隙間なく接触するように設計された層を備え、
上記層は、接着剤(a)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(b)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(c)、および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤、および/または抗酸化剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(d)を含む、
上記硬膏を、爪および任意に当該爪の周囲の皮膚に粘着させて固定することによって、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患を、経皮的および/または経爪的に予防および/または治療する方法。 - 後部層(a)と、上記後部層に付着し、爪および任意に周囲の皮膚に隙間なく接触するように設計された接触層(b)とを備え、
当該接触層は、接着剤(aa)、少なくとも1種の皮膚および/または爪の浸透賦活剤(bb)、上記接触層に少なくとも1種の治療的効果のある量の薬学的活性剤(cc)および、結合剤、架橋剤、軟化剤、溶媒、充填剤および/または抗酸化剤から選択された少なくとも1種の添加剤(dd)を含む、
上記硬膏を、爪および任意に当該爪の周囲の皮膚に粘着させて固定することによって、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患を、経皮的および/または経爪的に予防および/または治療する方法。 - 上記後部層は閉塞性後部層である、請求項24に記載の方法。
- 上記皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪アルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−エタノール、グリセロールのエステル、グリセロールモノラウレート、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、不飽和ポリグリコール化グリセリド、飽和ポリグリセリド、リシノール酸の部分グリセリド、α−ヒドロキシ酸、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ピロリドン類、サリチル酸、乳酸、ミリストール、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質および蛋白質分解酵素からなる群から選択される、請求項23〜25のいずれか1つに記載の方法。
- 上記皮膚および/または爪の浸透賦活剤は、上記接触層の0.7重量%〜6重量%の量で該接触層に含まれている、請求項23〜26のいずれか1つに記載の方法。
- 上記添加剤は、上記接触層の15重量%〜20重量%の量で該接触層に含まれている、請求項23〜27のいずれか1つに記載の方法。
- 上記薬学的活性剤は、フルコナゾール(ジフルカン(登録商標))、ブトコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、スルコナゾール、ナフチフィジン、クリオキノール、ヨードキノール、リモプロジン、グリセオフルビン、テルビナフィン(ラミシール(登録商標)、ノバルティス ファーマ社製)、クロトリマゾール、イトラコナゾール(センペラ(登録商標)、ジャンセン製薬社製)、チオコナゾール、ミコナゾール、トルナフテート、ピロガロール、エコナゾール、イソコナゾール、テルコナゾール、オキシコナゾール、ボリコナゾール、アンフォテリシンB、ナイスタチン、トルシクレート、サルベンチン、ケトコナゾール、シクロピロックス(バトラフェン(登録商標)、ノバルティス ファーマ社製)、アモロールファイン、ビフォナゾール、ナトリウムピリチオン、サリチル酸、および/またはこれらの薬剤の塩からなる群から選択される、請求項23〜27のいずれか1つに記載の方法。
- 上記薬学的活性剤は、硬膏1cm2当たり0.01〜5mgの量で上記接着剤に含まれている、請求項23〜29のいずれか1つに記載の方法。
- 上記接着剤は、アクリル接着剤、ゴム接着剤、およびシリコーン接着剤からなる群から選択される、請求項23〜30のいずれか1つに記載の硬膏の方法。
- 上記接着剤は、上記接触層の80重量%〜90重量%の量で上記硬膏に含まれている、請求項23〜31のいずれか1つに記載の方法。
- 特に、爪甲真菌症、陥入爪、爪乾癬、線条体黒爪症、白線病、湿疹、慢性爪炎、変色した爪、肥大化した爪、および他の爪異栄養症のような、爪および/または爪の成長の機能障害や疾患のための他の全身治療と組み合わせた、請求項23〜32のいずれか1つに記載の方法。
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