JP2005350506A - 共重合ポリエステル樹脂 - Google Patents

共重合ポリエステル樹脂 Download PDF

Info

Publication number
JP2005350506A
JP2005350506A JP2004170034A JP2004170034A JP2005350506A JP 2005350506 A JP2005350506 A JP 2005350506A JP 2004170034 A JP2004170034 A JP 2004170034A JP 2004170034 A JP2004170034 A JP 2004170034A JP 2005350506 A JP2005350506 A JP 2005350506A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
acid
glycol
resin
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004170034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4578865B2 (ja
Inventor
Takeshi Sato
健 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP2004170034A priority Critical patent/JP4578865B2/ja
Publication of JP2005350506A publication Critical patent/JP2005350506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4578865B2 publication Critical patent/JP4578865B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

【課題】色調、透明性が良好でありかつ、汎用の溶剤に高濃度に溶解することができ、また、溶解したときに濁りや、沈殿が生じることのない共重合ポリエステルを提供する。
【解決手段】 酸成分として全酸成分に対して20〜60モル%がアジピン酸、55モル%以下がテレフタル酸からなり、グリコール成分として全グリコール成分に対して20〜40モル%がネオペンチルグリコール、10〜25モル%がトリエチレングリコールからなるポリエステル樹脂であって、かつ、アンチモン、亜鉛、チタンの各原子の添加量が特定量である。
【選択図】なし

Description

本発明は、色調、透明性が良好であり、かつ、汎用の溶剤に高濃度に溶解することができ、また、溶解したときに、濁りや沈殿が生じることのない共重合ポリエステル、および、これを用いた塗料、およびその塗料を用いて形成した塗膜被覆金属材料に関するものである。
ポリエステルは、優れた耐熱性、耐薬品性、電気的特性、機械特性などから、種々の分野で使用されており、接着剤や塗料用途としても広く利用されている。
このポリエステルを接着剤や塗料用途として使用する場合、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに代表される芳香族ポリエステルのホモポリマーでは結晶性や融点が高く、また、加工性が悪い等の欠点がある。そのため、他の1種以上のジカルボン酸成分やグリコール成分を共重合することで、結晶性を低下させることにより溶剤に対する溶解性を付与したり、融点を低下させることにより耐熱性の乏しい被着体にも熱溶着できるようにしている。また、化学構造に立体障害を導入することにより耐加水分解性を付与したり、可撓性の良好な成分を加えることにより加工性を改良している。
そのような共重合成分としては、酸成分としてイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等、グリコール成分としてジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール等を共重合するのが一般的であるが、コストや取り扱い性、樹脂性能の点から、アジピン酸、ネオペンチルグリコールを共重合するものが多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、共重合成分としてネオペンチルグリコールを多量に使用すると、重縮合反応時にネオペンチルグリコールとテレフタル酸からなる環状オリゴマーが生成し、ポリエステルを溶剤に溶解したときに濁りや白色沈殿の原因となる。また、接着剤や、塗料とする場合には、平滑な表面層を形成するためにはろ過が必要となり、工程が増えるため生産性が悪くなるなどの問題があった。このような白色沈殿の原因となる環状オリゴマーの生成を抑制するため、ネオペンチルグリコールを他の脂肪族グリコールに置き換えた場合には、溶剤に対する溶解性が著しく低下し、汎用の溶剤に溶解させることが困難となり、たとえ溶解しても、高濃度溶液を得ることが困難であった。
また、このようなポリエステルにおいて、重縮合触媒として一般的であるアンチモン化合物を使用すると、重縮合反応時にアンチモンが還元されポリエステルに不溶な黒色の微粒子となり、ポリエステルのくすみや色調の悪化、さらにはポリエステルを溶剤溶解品としたときの黒色沈殿の原因となっていた。また接着剤や塗料とした場合、平滑な表面層を形成するためには、ろ過が必要となり工程が増えるため生産性が悪くなるなどの問題があった。
このような黒色沈殿の原因となるアンチモン化合物にかえて、スズ、チタン化合物を重縮合触媒として使用すると、くすみや沈殿といった問題は解消されるが、ポリエステルが著しく着色するため、無色透明なフィルム同士を接着する用途等には使用できなかった。このような状況から、溶剤に対する溶解性と良好な色調、透明性を兼ね備えた接着剤、あるいは塗料用ポリエステル樹脂を製造することは困難であった。
特開2000-234018号
本発明は、溶解性と透明性、色調に優れた接着剤、塗料用ポリエステル樹脂を提供することを目的とするものである。
本発明者は上記問題を解決するため研究を重ねた結果、アジピン酸およびネオペンチルグリコールを共重合成分として、それぞれ特定量を用いることにより、溶解性と透明性、色調に優れた接着剤、塗料用ポリエステルが得られることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
酸成分として全酸成分に対して20〜60モル%がアジピン酸、55モル%以下がテレフタル酸からなり、グリコール成分として全グリコール成分に対して20〜40モル%がネオペンチルグリコール、10〜25モル%がトリエチレングリコールからなるポリエステル樹脂であって、かつ、ポリエステルを構成する酸成分1モルに対する、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)及びチタン(Ti)の各原子の添加量(モル)が、それぞれ下記式(1)〜(3)を満足することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
5.0×10−4≦Sb≦9.0×10−4 (1)
2.5×10−4≦Zn≦4.5×10−4 (2)
0.1×10−4≦Ti≦0.5×10−4 (3)
本発明によれば、溶解性と透明性、色調に優れる共重合ポリエステルを得ることができ、塗料や接着剤として好適に使用され、特に、金属材料の塗料として優れた性能を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の共重合ポリエステルは、酸成分としてアジピン酸、テレフタル酸、グリコール成分としてネオペンチルグリコール、トリエチレングリコールを含有するものである。
上記のアジピン酸の含有量は、共重合ポリエステルを構成する全酸成分に対して20〜60モル%以上で、好ましくは25〜50モル%である。アジピン酸は共重合ポリエステルの結晶性や融点、軟化点を下げ、可撓性を付与するために用いられる。しかし、この割合が、20モル%未満になると、物性の改良効果が実質上十分でない。また、60モル%を超えると、得られる共重合ポリエステルのガラス転移点が低くなりすぎるために、耐ブロッキング性が悪くなり好ましくない。
また、本発明における共重合ポリエステルは、アジピン酸以外の酸成分として、テレフタル酸が55モル%以下であることが必要であり、50モル%以下であることが特に好ましい。この割合が、55モル%を超える場合、後述するようにネオペンチルグリコールとの間で重縮合反応中に、環状オリゴマーを多量に生成し、その影響で溶剤に溶解した後の溶液が濁ったり、沈殿が生じることがあるため好ましくない。テレフタル酸含有量の下限は特に限定されないが、20モル%以上が好ましい。
更に、本発明の目的を損なわない範囲であれば、次のような酸成分を共重合しても良い。このような酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられるが、なかでも、イソフタル酸が好ましい。
また、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物等の芳香族多価カルボン酸等も挙げられる。また、4-オキシ安息香酸、4-(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、ε-カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸及びラクトンを共重合してもよい。
本発明の共重合ポリエステルに必要なグリコール成分としては、ネオペンチルグリコールが用いられ、その割合は、ポリエステルを構成する全グリコール成分に対して20〜40モル%であることが必要であり、25〜38モル%とすることが好ましい。 ネオペンチルグリコールは、ポリエステルの耐候性、耐湿熱性、耐加水分解性、溶剤溶解性を向上させるために用いられる。しかし、この割合が20モル%未満では十分な改良効果が得られない。また、40モル%を超える場合、前述したようにテレフタル酸との間で重縮合反応中に、環状オリゴマーを多量に生成し、その影響で溶剤に溶解した後の溶液が濁ったり、沈殿が生じることがあるため好ましくない。
さらに、本発明の共重合ポリエステルには、グリコール成分として、トリエチレングリコールが用いられ、その割合は、ポリエステルを構成する全グリコール成分に対して10〜25モル%であることが必要である。トリエチレングリコールは、ポリエステルの溶剤溶解性を向上させるために用いられる。しかし、この割合が10モル%未満では十分な改良効果が得られない。また、25モル%を超える場合、得られる共重合ポリエステルのガラス転移点が低くなりすぎるために、耐ブロッキング性、耐タッキング性が悪くなるばかりか、樹脂の耐加水分解性が低下したり、樹脂の重合性が低く生産性が悪くなるので好ましくない。
更に、本発明の目的を損なわない範囲であれば、次のようなグリコール成分を共重合しても良い。このようなグリコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール等の脂肪族グリコールが挙げられる。
また、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族多価アルコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールS、ビスフェノールA等のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールも挙げられる。
本発明の共重合ポリエステルは、触媒の存在下で重縮合反応を行うことで得られるが、この触媒としては、特定量のアンチモン化合物、チタン化合物及び亜鉛化合物の組み合わせとすることが必要である。
各触媒化合物は、重縮合反応以前の任意の段階で添加しても良いが、重縮合反応直前に添加するのが好ましい。各触媒化合物は、ポリエステルを構成する酸成分1モルに対して、それぞれ下記式(1)〜(3)を満足する量(モル)を添加することが必要である。
5.0×10−4≦Sb≦9.0×10−4 (1)
2.5×10−4≦Zn≦4.5×10−4 (2)
0.1×10−4≦Ti≦0.5×10−4 (3)
アンチモン原子の含有量が5.0×10−4モル未満、及び亜鉛原子の含有量が2.5×10−4モル未満では、重合活性が不十分であり、反応時間が長く生産性が悪い。アンチモン原子の含有量が9.0×10−4モルを超えると、還元されるアンチモン原子が多くなり樹脂中に黒色の沈殿を生じて好ましくない。また、亜鉛原子の含有量が4.5×10−4モルを超えると、ポリマーが着色するため好ましくない。さらにチタン原子の含有量が0.1×10−4モル未満では、重合活性が不十分であり、反応時間が長く生産性が悪い。チタン原子の含有量が0.5×10−4モルを超えると、ポリマーの着色が著しく好ましくない。
これらの触媒化合物は、上記の特定の配合量を組み合わせることによってはじめて、濁りやくすみ、あるいは着色が少ない透明なポリマーを、効率的に生産することができる。これらのアンチモン、亜鉛、チタン触媒化合物は特に限定されるものではないが、アンチモン化合物としては三酸化アンチモン、亜鉛化合物としては酢酸亜鉛、チタン化合物としてはテトラブチルチタネートが好ましい。
本発明の共重合ポリエステルは、極限粘度が0.6〜1.3のものであることが好ましい。極限粘度が0.6に満たないと、共重合ポリエステルの機械的強度が低下し、接着剤や塗料としたときの接着強度、塗膜強度、折り曲げ性が低下したりする傾向があり、1.3を超えると共重合ポリエステルを溶剤に溶解した場合に、その溶液粘度が高いため、取り扱い性が悪くなったり、均一に塗布できなくなるため好ましくない。
本発明の共重合ポリエステルは、前記のジカルボン酸成分、グリコール成分およびそれらのエステル形成性誘導体を原料とし、常法によって、150〜260℃の温度でエステル化又はエステル交換反応を行った後、本発明における特定の組み合わせの金属触媒の存在下、5hPa以下の減圧下で、200〜300℃、好ましくは230〜280℃の温度で重縮合反応を行うことで調製することができる。さらに、目的、用途によっては重縮合反応により得られたポリマーに、酸成分やグリコール成分を添加して、220〜280℃の温度で解重合反応を行う方法で調製することもできる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、リン酸等の熱安定剤、ヒンダードフェノール化合物のような酸化防止剤等を含有させても差し支えない。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、種々の有機溶剤に対する良好な溶解性を有し、溶液として各種用途に使用することができる。有機溶剤としては、上述したポリエステル樹脂を溶解すれば、いかなるものでも良い。使用可能な有機溶剤を具体的に例示すると、トルエン、キシレン、ソルベッソ、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノアセテート等があげられるが、好ましくは酢酸エチルである。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、単独で塗料として用いてもよく、また、アミノ樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、多官能イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、多官能アジリジン化合物等から選ばれる硬化剤を添加することで塗料として用いてもよい。好ましくは、メラミン樹脂のメトキシ化メチロールメラミンである。また、その配合量としては、共重合ポリエステル樹脂100質量部に対して、2〜20質量部程度が適当である。
また、本発明の特性を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂と硬化剤として用いられる樹脂以外の樹脂、例えばアルキド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂変性オレフィン樹脂、セルロース誘導体等を併用させることができる。さらに必要に応じて、顔料、硬化反応を促進させる反応触媒、ハジキ防止剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、滑剤、離型剤等を併用することもできる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、塗料、接着剤等に良好に使用することができる。被着体としては、樹脂、金属、紙、木材、陶器等各種材料が挙げられ、優れた塗膜や接着層を形成することができる。中でも金属材料への良好な接着性を示すため、鋼、銅、アルミニウム、ブリキ等に対して優れた塗膜を形成することができる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
極限粘度([η]):
ポリエステル樹脂をフェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし、20℃で測定した溶液粘度から求めた。
共重合成分の割合:
ポリエステル樹脂を重水素化トリフルオロ酢酸に溶解させ、H-NMR(日本電子社製JNM-LA400)を用いて測定した。
アンチモン元素、亜鉛元素及びチタン元素の含有量:
リガク社製蛍光X線分析装置3270を用いて測定した。
溶剤溶解性:
ポリエステル樹脂を酢酸エチルに、不揮発分が50質量%となるように溶解(40℃-24h)し、ポリエステル樹脂の溶解状態を目視で判断した。溶け残りのないものを○、溶け残りのあるものを×で表した。
色調(b値):
日本電色工業社製の色差、濁度計SZ-Σ80型を用いて測定した。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行い、黄味−青味を表すb値を用いて色調の評価を行った。色調は0に近いほど良好であり、7以下を合格とした。
溶液ヘーズ(Hz):
溶液ヘーズの判定は、7%以下を合格とした。
貯蔵安定性
ポリエステル樹脂を酢酸エチルに40℃、24時間で溶解させ、不揮発分が50質量%となるように溶解し、その溶液を5℃の恒温室中で1ヶ月間静置したときの沈殿の有無で判断した。沈殿がないものを○、沈殿が生成したものを×で表した。
鉛筆硬度
塗装鋼板の塗面をJIS K5400に準じて鉛筆ひっかき試験を行い、傷が付かない硬度を測定し、H以上の硬度を合格とした。
折り曲げ性
塗面を外側にして試験板を180゜折り曲げて、折り曲げ部分に割れが発生しなくなるT数を表示した。T数とは、折り曲げ部分の内側に何も挟まずに、180゜折り曲げを行った場合を0T、試験板と同じ厚さの板を1枚挟んで折り曲げた場合を1T、2枚の場合を2Tとする。T数が少ないほど折り曲げ性は良好であり、2T以下を合格とした。
実施例1
テレフタル酸96モル部、イソフタル酸54モル部、アジピン酸50モル部、ネオペンチルグリコール100モル部、エチレングリコール165モル部、トリエチレングリコール35モル部をエステル化反応槽に仕込み、圧力0.3MPaG、温度250℃で4時間エステル化反応を行った。
得られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した後、三酸化二アンチモンを3.2×10−4モル/酸成分1モル、酢酸亜鉛を3.2×10−4モル/酸成分1モルとテトラブチルチタネートを0.3×10−4モル/酸成分1モル添加し、反応系内を最終的に0.4hPaとなるまで1時間かけて減圧し、270℃で3.5時間重縮合反応を行い、表1に示す特性値の共重合ポリエステル樹脂を得た。
得られた共重合ポリエステル樹脂を酢酸エチルに溶解し、不揮発分50質量%に調製し、溶剤溶解性、貯蔵安定性を評価した。また、前記のポリエステル樹脂溶液100質量部、二酸化チタン(石原産業社製タイペークCR-50)38質量部、ヘキサメトキシメチロールアミン(住友化学工業社製サイメル303)8質量部、レベリング剤(共栄社油脂化学工業社製ミキレベリング)2質量部、硬化触媒(キャタリスト4040)0.2質量部、酢酸エチル30質量部をペイントシェーカーを使用して1時間分散混練して塗料を作製した。得られた塗料を厚さ0.7mmのリン酸亜鉛処理鋼板上に乾燥膜厚15〜20μmとなるように塗装し、鋼板の最終到達温度が220℃になるように60秒間熱風乾燥機で焼き付けを行い、塗膜を形成させ、評価を行った。結果を表1に示した。
実施例2〜4、比較例1〜12
共重合ポリエステル樹脂の組成を表1に記載したように変更したものを合成し、実施例1と同様の方法で、溶液と塗膜の評価を行った。なお、比較例3、4、5では、溶剤への溶解性、または、溶液の貯蔵安定性のいずれかが悪かったため、塗料としての評価は行わなかった。結果を表1に示した。
実施例で得られた共重合ポリエステル樹脂は、溶剤溶解性、貯蔵安定性ともに良好であり、また、塗膜の特性にも優れていた。
比較例1は、アジピン酸の共重合量が少なかったため、樹脂の可撓性付与が不十分となり、塗膜とした場合の加工性(折り曲げ性)に劣るものであった。
比較例2は、アジピン酸を多量に共重合し、かつ、テレフタル酸の共重合量が少なかったため、また、比較例6は、トリエチレングリコールの共重合量が多すぎたために、樹脂に柔軟性が多大に付与され、塗膜とした場合の強度(鉛筆硬度)に劣るものであった。
比較例3は、テレフタル酸、ネオペンチルグリコールの共重合量が多すぎたために、環状オリゴマーを生成し、溶液に溶解させたときのヘーズが悪化し、貯蔵安定性も良くなかった。
比較例4は、ネオペンチルグリコールの共重合量が少なすぎたために、溶剤に十分に溶けきらず、貯蔵安定性も良くなかった。
比較例5は、トリエチレングリコールの共重合量が少なすぎたために、溶剤に溶解した後の、貯蔵安定性が良くなかった。
比較例7は、アンチモン化合物の量が少なすぎたために、比較例9は亜鉛化合物の量が少なすぎたために、比較例11はチタン化合物の量が少なすぎたために、重合性が悪く生産性が良くなかった。
比較例8は、アンチモン化合物の量が多すぎたために、樹脂中の黒ずみが大きく、溶液とした場合のヘーズが良くなかった。
比較例10は亜鉛化合物の量が多すぎたために、比較例12はチタン化合物の量が多すぎたために、樹脂への着色が激しく、溶液とした場合の色調が良くなかった。

Claims (3)

  1. 酸成分として全酸成分に対して20〜60モル%がアジピン酸、55モル%以下がテレフタル酸からなり、グリコール成分として全グリコール成分に対して20〜40モル%がネオペンチルグリコール、10〜25モル%がトリエチレングリコールからなるポリエステル樹脂であって、かつ、ポリエステルを構成する酸成分1モルに対する、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)及びチタン(Ti)の各原子の添加量(モル)が、それぞれ下記式(1)〜(3)を満足することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
    5.0×10−4≦Sb≦9.0×10−4 (1)
    2.5×10−4≦Zn≦4.5×10−4 (2)
    0.1×10−4≦Ti≦0.5×10−4 (3)
  2. 請求項1記載のポリエステル樹脂を用いた塗料、接着剤。
  3. 請求項2記載の塗料を用いて形成した塗膜被覆金属材料。
JP2004170034A 2004-06-08 2004-06-08 共重合ポリエステル樹脂 Expired - Lifetime JP4578865B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004170034A JP4578865B2 (ja) 2004-06-08 2004-06-08 共重合ポリエステル樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004170034A JP4578865B2 (ja) 2004-06-08 2004-06-08 共重合ポリエステル樹脂

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005350506A true JP2005350506A (ja) 2005-12-22
JP4578865B2 JP4578865B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=35585251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004170034A Expired - Lifetime JP4578865B2 (ja) 2004-06-08 2004-06-08 共重合ポリエステル樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4578865B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248218A (ja) * 2006-11-17 2008-10-16 Nippon Ester Co Ltd ポリエステル樹脂
EP2287225A1 (en) 2009-08-20 2011-02-23 Saudi Basic Industries Corporation Process for making polyethylene terephthalate
CN110041513A (zh) * 2019-05-13 2019-07-23 无锡风鹏新材料科技有限公司 一种低玻璃化温度、可溶性结晶聚酯及其制备方法
WO2021172349A1 (ja) * 2020-02-26 2021-09-02 東洋紡株式会社 異物の少ないポリエステル樹脂およびこれを用いた塗料組成物または接着剤組成物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57133166A (en) * 1981-02-10 1982-08-17 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Resin composition for coating compound
JPS57212228A (en) * 1981-06-23 1982-12-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Preparation of amorphous polyester
JPH02178370A (ja) * 1988-12-29 1990-07-11 Toyo Ink Mfg Co Ltd 熱硬化性塗料
JP2003082076A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Unitika Ltd 共重合ポリエステル

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57133166A (en) * 1981-02-10 1982-08-17 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Resin composition for coating compound
JPS57212228A (en) * 1981-06-23 1982-12-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Preparation of amorphous polyester
JPH02178370A (ja) * 1988-12-29 1990-07-11 Toyo Ink Mfg Co Ltd 熱硬化性塗料
JP2003082076A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Unitika Ltd 共重合ポリエステル

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248218A (ja) * 2006-11-17 2008-10-16 Nippon Ester Co Ltd ポリエステル樹脂
EP2287225A1 (en) 2009-08-20 2011-02-23 Saudi Basic Industries Corporation Process for making polyethylene terephthalate
WO2011020619A1 (en) 2009-08-20 2011-02-24 Saudi Basic Industries Corporation Process for making polyethylene terephthalate
JP2013502469A (ja) * 2009-08-20 2013-01-24 サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション ポリエチレンテレフタレートを製造するプロセス
US8901271B2 (en) 2009-08-20 2014-12-02 Saudi Basic Industries Corporation Process for making polyethylene terephthalate
CN110041513A (zh) * 2019-05-13 2019-07-23 无锡风鹏新材料科技有限公司 一种低玻璃化温度、可溶性结晶聚酯及其制备方法
CN110041513B (zh) * 2019-05-13 2021-04-20 无锡风鹏新材料科技有限公司 一种低玻璃化温度、可溶性结晶聚酯及其制备方法
WO2021172349A1 (ja) * 2020-02-26 2021-09-02 東洋紡株式会社 異物の少ないポリエステル樹脂およびこれを用いた塗料組成物または接着剤組成物
CN115151594A (zh) * 2020-02-26 2022-10-04 东洋纺株式会社 异物少的聚酯树脂及使用其的涂料组合物或粘接剂组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4578865B2 (ja) 2010-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006233068A (ja) 共重合ポリエステル
JP4578865B2 (ja) 共重合ポリエステル樹脂
JPH05247379A (ja) 結合剤組成物、粉末状塗料および塗布された支持体
JPH0570736A (ja) 塗料用樹脂組成物
JP2001162748A (ja) 蒸着用ポリエステルフィルム
JP4217502B2 (ja) 共重合ポリエステル樹脂、これを用いた塗料、および金属材料
JP2000234018A (ja) 共重合ポリエステル
JPH11228676A (ja) 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料
JP4037110B2 (ja) 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物、及びこれを用いた粉体塗料
JP7232423B2 (ja) 共重合ポリエステル、水分散体およびこれを用いた水性塗料
JPS63108081A (ja) 塗装鋼板用塗料組成物
JP2001139876A (ja) 塗料用樹脂組成物
JP2006037015A (ja) 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料
JP2536532B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JP5283102B2 (ja) ポリエステルシート
CA3209452A1 (en) Coating composition
JP2001106774A (ja) 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料
JPH0557310B2 (ja)
JPH08337645A (ja) 共重合ポリエステル樹脂
JPH07309933A (ja) 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物
JP2008201869A (ja) ポリエステルの製造方法
JP2001139892A (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH08295791A (ja) ポリエステル樹脂水性分散体
JPH09137084A (ja) 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物
JP2003040988A (ja) 粉体塗料用ポリエステル樹脂、及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100810

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100825

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4578865

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term