JP2005344188A - めっき材料の製造方法、そのめっき材料を用いた電気・電子部品 - Google Patents

めっき材料の製造方法、そのめっき材料を用いた電気・電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な耐熱性と挿抜性を併有するめっき材料の製造方法が提供される。
【解決手段】 導電性基体1の表面に、周期律表4族、5族、6族、7族、8族、9族、もしくは10族に含まれるいずれか1種の金属またはそれを主成分とする合金から成る下地めっき層2と、CuまたはCu合金から成る中間めっき層と、SnまたはSn合金から成る表面めっき層とをこの順序で形成したのち、例えば加熱処理により、中間めっき層を消失させて、Sn−Cu金属間化合物から成る層3’を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明はめっき材料の製造方法、そのめっき材料を用いた電気・電子部品に関する。更に詳しくは、耐熱性が良好で、例えば自動車のエンジンルームのような高温環境下で使用するコネクタの材料として好適なめっき材料に関する。また、良好な耐熱性と挿抜性を兼ね備えているので、高温環境下で使用する嵌合型コネクタや接触子の材料として好適なめっき材料の製造方法に関する。
CuやCu合金から成る導電性基材の上に、SnやSn合金から成るめっき層を設けた材料は、基材の優れた導電性や強度と、SnやSn合金の良好な電気接触特性、耐食性、はんだ付け性とを兼ね備えた高性能導体として知られている。そして、この材料は各種の端子やコネクタなどに広く用いられている。
このような材料としては、通常、基材の上にCuまたはNiの下地めっきを施したのち、その上に、直接、SnまたはSn合金のめっきを施して製造したものが用いられている。この下地めっき層は、基材成分(CuやZnなどの合金成分)が表面のSnまたはSn合金へ拡散することを抑制するために設けられるものである。とくに、下地めっき層がNiやNi合金から成るめっき層である場合には、高温環境下にあっても表面のSnまたはSn合金への上記した拡散を遅延させる効果が大きい。そのため、長時間に亘って表面におけるSnやSn合金の特性が確保されることになる。
しかしながら、NiやNi合金の下地めっき層を有する上記した材料の場合であっても、次のような問題が生じている。例えば自動車のエンジンルームのエンジン付近のようなとくに高温となる箇所で用いられると、やはり、基材のCuや、下地のNi、Ni合金が経時的に表面めっき層側へ拡散していく。そしてある時間の経過後にあっては、表面めっき層は当初のSnやSn合金でなくなり、事実上、SnやSn合金から成る表面めっき層が消失してしまう。その結果、そのめっき材料は本来の性能を発揮しなくなる。
このような問題は、SnやSn合金から成る表面めっき層の厚みを厚くして、当該表面めっき層の消失時間を長くすることにより解消することができる。しかしながら、そのような対応策は資源の浪費を招く。しかも、それだけではなく、そのめっき材料が例えば多数の端子を同時に嵌合するコネクタ(嵌合型コネクタ)に用いられる場合、それの相手材への組み付け作業が困難になるという問題を新たに引き起こすこともある。
ところで、嵌合型コネクタでは、オス端子とメス端子を嵌合して電気的接続をとっている。そして近年、自動車に搭載するコネクタ端子に関しては、伝送情報の多量化、電子制御化の進展が進んでいる。そのことに伴なって、コネクタピンの多極化が進んでいる。その場合、端子の挿入力が今までと同じであるとするならば、ピン数が増加した分だけコネクタの挿入力を大きくすることが必要となる。そのため、多極化したコネクタピンに対しては、その挿入力を低減させることが強く要望されている。
このような要望に応える端子としては、例えば端子表面にAuめっき層を形成したものがある。その端子を用いたときの挿入力は低減する。しかしながら、Auは高価であるため、他方では、製造される端子は高コストになるという問題がある。
なお、コネクタ端子としては、一般に、Cuのような導電性基材の表面にSnめっきが施されているものが使用されている。この端子の場合、Snは易酸化性材料であるため、大気中では、その表面には、常に、硬質なSn酸化皮膜が形成された状態になっている。
そして、この端子を挿入すると、上記した硬質のSn酸化皮膜が相手材との嵌合時に破れる。そして、その下に位置する未酸化のSnめっき層と相手材とが接触して両者間の電気的接続が実現する。しかしながら、形成されているSnめっき層が薄い場合には、そのめっき層全体が酸化皮膜化するため、嵌合時に当該酸化皮膜が破れにくくなる。しかも、基材がCuまたはCu合金から成る場合は、高温環境下での実使用時に、表面の薄いSnめっき層のSn成分と基材成分とが反応してCu成分が表面に露出し、表面にはCuの酸化皮膜が形成される。その結果、相手材との接触信頼性を喪失してしまう。
このような問題は、表面のSnめっき層を厚くすることにより発生しにくくすることができる。しかしながら、その場合には、嵌合時に相手材との挿入力が大きくなるという新たな問題が生ずる。
このようなことから、とくに高温環境下においては、高価なAuめっき端子を使用するか、または、表面のSnめっき層の厚みが厚く、またピン数が少ないSnめっき端子しか使用することができないという問題があった。
ところで、端子の表面にSnまたはSn合金から成るめっき層を形成する場合、一般に、光沢SnめっきとリフローSnめっきが適用されている。
これらのうち、光沢Snめっきによって形成されためっき層の場合、そのめっき層にはめっき処理時に用いた添加剤成分が多く含有されている。また、めっきSnの結晶粒径は微細になる。そのため、めっき層表面の潤滑性が優れ、かつ、嵌合・摺動時の削れ量も少なくなる。その結果、嵌合時の挿抜性は優れている。しかしながら、結晶粒径が微細であるため、高温環境下で用いられると、基材の成分の、粒界拡散に基づく拡散速度が大きくなって当該基材成分が表面に拡散してくることがある。すなわち、光沢Snめっきの材料は耐熱性に劣る。
一方、リフローSnめっきの場合は、全体のめっき処理終了後に、その表面めっき層が加熱溶融する。そのため、形成されたリフローめっき層では、めっきSnの結晶粒径は大きくなり、かつ、めっき処理時に混入した添加剤成分も除去されている。そのため、高温環境下においても、基材成分の、粒界拡散に基づく拡散速度は小さくなる。すなわち、その材料の耐熱性は向上する。しかしながら、めっきSnの結晶粒径が大きいので、嵌合・摺動時の削れ量は大きくなり、かつ、添加剤成分も少ないので潤滑性に劣り、その挿抜性は劣化する。
このようなことから、Snめっき層の耐熱性と挿抜性を高めるために、様々な方法が提案されている。
例えば、耐熱性の向上を目的として、Snめっき層の下地として、高融点金属、とくにNiのめっき層を形成する方法が開示されている(特許文献1,特許文献2を参照)。この方法によれば、温度領域が100〜120℃程度である場合には、Niめっき層が基材成分(CuやZnなどの合金成分)とSnめっき層のSn成分との反応を抑制し、しかもNiとSnとの反応速度が小さいので耐熱効果が得られる。しかしながら、140℃以上の高温環境下においては、NiとSnとの反応速度が大きくなり、表面Snめっき層の変質が起こり、耐熱効果が得られなくなる。
また、挿抜性を向上させるために、表面のSnめっき層の厚みを薄くする方法が開示されている(特許文献3、特許文献4を参照)。
この方法で形成された表面Snめっき層の場合、嵌合・摺動性における削れ量は低減して挿抜性が良好になる。しかしながら、Snめっき層の厚みが薄いので、小さな熱履歴によっても表面のSnめっき層は基材との間の拡散で合金化して消滅してしまい、相手材との接触抵抗は増大してしまう。
また、Cu基材の表面にCuベースの第一成分層と遷移金属ベースの第2成分層を順次積層してバリア層を形成し、このバリア層の上にSnめっき層を形成した電気コンダクタが開示されている(特許文献5を参照)。
このコンダクタでは、第1成分層の厚みとSnめっき層の厚みが所定の関係を満たすように規定されていて、そのことにより、表面のSnめっき層の耐熱性が確保されている。
しかしながら、このコンダクタの場合、表面のSnめっき層におけるウィスカーの発生を防止するために、Snめっき層の形成に続けてリフロー処理を施すと、第1成分層とSnめっき層に関して規定されている厚みのほとんどにおいて、SnとCuは相互に完全に拡散して両者は合金化してしまう。
すなわち、このコンダクタの場合、リフロー処理の直後にあっては表面のSnめっき層が消失してしまい、挿抜性は劣化する。
このように、表面にSnめっき層を形成した従来のめっき材料の場合、その耐熱性と挿抜性の両立は非常に困難であるという問題があった。
特開平8−7940号公報 特開平4−329891号公報 特開平11−121075公報 特開平10−302864公報 米国特許第6,083,633号
本発明は、表面にSnまたはSn合金のめっき層が形成されているめっき材料において、高温環境下にあっても、当該めっき層と基材や下地めっき層との間で拡散反応が遅くなるように設計されているので、耐熱性が良好であるめっき材料の製造方法の提供を目的とし、また、上記した良好な耐熱性とともに挿抜性も良好であり、高温環境下で使用される嵌合型コネクタや接触子などの材料として好適なめっき材料の製造方法の提供を目的とする。
更に、本発明は、上記した製造方法で得られためっき材料を用いた電気・電子部品、例えば嵌合型コネクタ、接触子の提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明においては、
周期律表4族、5族、6族、7族、8族、9族、もしくは10族に含まれるいずれか1種の金属またはそれを主成分とする合金から成る下地めっき層と、CuまたはCu合金から成る中間めっき層と、SnまたはSn合金から成る表面めっき層を、この順序で、導電性基材の表面に形成し、ついで、
前記中間めっき層を消失させて、実質的にSn−Cu金属間化合物から成る層を形成するめっき材料の製造方法
が提供される。
また、本発明においては、上記した方法で製造されためっき材料を用いた電気・電子部品、具体的には、嵌合型コネクタや接触子が提供される。
本発明方法で製造されるめっき材料は、CuまたはCu合金で形成された中間めっき層が消失していて、それは実質的にCuが固定されたSn−Cu金属間化合物の層に転化している。そしてその層の上には、SnまたはSn合金から成る表面めっき層が残存している。
したがって、このめっき材料の場合、高温環境下で使用してもCuと表面めっき層のSn成分との相互拡散は起らないので耐熱性に優れ、しかもSn成分が寄与する挿抜性は確保される。すなわち、このめっき材料は優れた耐熱性と挿抜性を発揮する。
本発明方法で製造されためっき材料は、後述するような4層構造になっている。
まず、このめっき材料は、図1で示したように、全体として、導電性基材1の上に、後述する下地めっき層2、Sn−Cu金属間化合物から成る層3’、および表面めっき層4’がこの順序で形成されている。
このめっき材料は、図2で示したような4層構造のめっき材料における中間めっき層を消失させることによって製造される。中間めっき層を消失させるためには、具体的には、後述する加熱処理が施される。
そして、図2における各層の構成材料や厚みは、前記した耐熱性の向上や、耐熱性と挿抜性を同時に向上させることとの関係で後述するように設計される。
図2のめっき材料に加熱処理を施すと、加熱処理の前後において、基材1と下地めっき層2は基本的には変化しないが、中間めっき層3のCu成分と表面めっき層4のSn成分との間で相互拡散が起こり、その結果として、図1で示した層構造の本発明のめっき材料に転化する。
最初に、図2のめっき材料の各層について説明する。
まず、導電性基材1の材料は格別限定されるものではなく、例えば接続コネクタとしての用途を考慮し、要求される機械的強度、耐熱性、導電性に応じて、例えば、純銅;リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム銅、コルソン合金のような銅合金;純鉄、ステンレス鋼のような鉄合金;各種のニッケル合金;Cu被覆Fe材やNi被覆Fe材のような複合材料などから適宜に選定すればよい。
これらの材料のうち、CuまたはCu合金が好適である。
なお、導電性基材1がCu系材料でない場合は、その表面にCuまたはCu合金のめっきを施してから実使用に供すると、めっき膜の密着性や耐食性が更に向上する。
この導電性基材1の上に形成されている下地めっき層2は、基材1と表面めっき層との密着強度を確保するために設けられるとともに、基材の成分が表層側に熱拡散することを防止するバリア層としても機能する。具体的には、周期律表4族元素(Ti,Zr,Hf)、5族元素(V,Nb,Ta)、6族元素(Cr,Mo,W)、7族元素(Mn,Tc,Re)、8族元素(Fe,Ru,Os)、9族元素(Co,Rh,Ir)、10族元素(Ni,Pd,Pt)のいずれか、またはそれを主成分とする合金で形成されている。
これらの金属はいずれも融点が1000℃以上の高融点金属である。そして、例えば接続コネクタの使用環境温度は一般に200℃以下であるため、このような使用環境下では、この下地めっき層2は熱拡散を起こしにくいことはもち論のこと、基材成分の表層側への熱拡散を有効に防止する。
上記した金属のうち、価格の点、めっき処理が行いやすい点などから、Ni,Co,Feが好適である。そして、それらを主成分とする合金としては、例えば、Ni−P,Ni−Sn,Co−P,Ni−Co,Ni−Co−P,Ni−Cu,Ni−Cr,Ni−Zn,Ni−Feなどをあげることができる。
なお、上記した下地めっき層は例えばPVD法のようなめっき法によっても形成することができるが、湿式めっき法を適用することの方が好ましい。
ここで、めっき材料の耐熱性の向上を主たる目的とする場合、下地めっき層2の厚みは0.05〜2μmの範囲内に設定されていることが好ましい。
この下地めっき層2の厚みが薄すぎると上記した効果は充分に発揮されなくなり、また厚すぎるとめっき歪みが大きくなって基材1から剥離しやくすくなるからである。
また、めっき材料の耐熱性の向上とともに、挿抜性の向上を意図する場合には表面めっき層4の厚みを薄くすることが有効であるが、その場合には、下地めっき層2はより大きな拡散防止効果を発揮することが必要になる。そのため、下地めっき層2の厚みは、格別限定されるものではないが、0.25μm以上であればよい。しかし、あまり厚くしても無意味であるばかりではなく、端子への加工時に加工割れを起こす場合もあるので、加工性を考慮して、その厚みの上限は概ね0.5〜2μmの範囲内に設定すればよい。
次に、この下地めっき層2の上に形成される中間めっき層3は、CuまたはCu合金から成る。そして、この中間めっき層3は、後述する態様で下地めっき層2の成分と表面めっき層4のSn成分とが相互拡散することを防止する層として機能する。
中間めっき層3のCu成分と下地めっき層2の成分(前記した金属またはその合金)との反応速度よりも、上記Cu成分と表面めっき層4のSn成分との反応速度の方が大きい。したがって、このめっき材料が高温環境下に曝されると、表面めっき層4のSn成分の中間めっき層3への熱拡散が進行し、結果として、中間めっき層3は、図1で示したように、Sn−Cu金属間化合物から成る層3’に転化していく。同時に、めっき材料の表面めっき層4のSn成分は、中間めっき層3との界面を起点として中間めっき層3の方へ拡散移動して上記金属間化合物に転化していく。その結果、Sn(またはSn合金)が残存している層であるめっき層4’の厚みは薄くなる。そして、中間めっき層3のCu成分が上層側から拡散してくるSnやSn合金を受容し終わった時点で、SnやSn合金とCuやCu合金間の相互拡散は停止する。
その結果、図1で示したように、図2の中間めっき層3と表面めっき層4の一部は、金属間化合物から成る層3’になる。また図2の表面めっき層4は、その厚みが薄くなっているが、SnやSn合金から成る層4’として残ることになる。
このように、下地めっき層2とSnやSn合金から成る層4’の間に金属間化合物の層3’が介在していることにより、層4’と下地めっき層2の間の反応は抑制されることになる。
したがって、本発明方法で製造されためっき材料の場合、高温環境下にあっては図1で示した層構造の状態、すなわち、実質的にSn−Cu金属間化合物の層3’が形成されていて、SnやSn合金とCuやCu合金の相互拡散は抑制された状態で使用されることになる。そのため、SnやSn合金から成る表面めっき層が使用過程で消失してしまうことはなくなる。
Sn−Cu金属間化合物としては、Cu6Sn5やCu3Snがよく知られている。そして、Cu6Sn5の場合、Cuの1体積に対しSnの1.9体積が反応して生成した化合物である。またCu3Snの場合は、Cuの1体積に対しSnの0.8体積が反応して生成した化合物である。
したがって、表面めっき層4の厚みが中間めっき層3の厚みの1.9倍以上になっていれば、上記した相互拡散により、中間めっき層3のCu成分が全て上記したSn−Cu金属間化合物に転化してしまったとしても、いまだ、SnまたはSn合金から成る表面めっき層4’は残存する。そして、中間めっき層3のCu成分は、Sn−Cu金属間化合物として固定され、その熱拡散が抑制されている。
このようなことから、本発明のめっき材料の製造方法においては、加熱処理前において、表面めっき層4の厚みを中間めっき層3の厚みの1.9倍以上の値に設計することが好ましい。
このようにすることにより、そのめっき材料は、加熱処理を受けたり、高温環境下にあっても、表面めっき層4' は必ずSnまたはSn合金のままであるため、その接触信頼性は確保される。
その場合、中間めっき層3の厚みを薄くしすぎると、例えば中間めっき層3がCuから成る場合には、その層には多数の微細孔が存在している。そのため、下地めっき層2のNi成分やCu成分などがこの微細孔を通って中間めっき層に拡散してくるようになる。
また、中間めっき層3の厚みを厚くしすぎると、表面めっき層4の厚みを可成り厚くしない限り、そのSnやSn合金が上記した相互拡散で全て消費されてしまい、結局、表面にはSnまたはSn合金が残存しなくなってしまう。このことを避けるために、表面めっき層4を厚くすると、それは、その材料を嵌合型コネクタと使用したときに、その挿入抵抗が大きくなってしまう。
このようなことから、中間めっき層3の厚みは0.01〜1.0μmの範囲内に設定することが好ましい。
中間めっき層3の形成に用いるCu合金としては、例えば、Cu−Zn、Cu−Sn、Cu−Ni,Ni−Snなどをあげることができる。その場合、Cu成分の量は、上記したCu−Sn系金属間化合物の生成を阻害しない量であることが必要であるが、例えば50質量%以上の値であればよい。
なお、本発明のめっき材料の場合、中間めっき層3と表面めっき層4の厚みに関して、上記した関係、すなわち、後者の厚みを前者の厚みの1.9倍以上に設定するという関係を維持した状態で表面めっき層4の厚みを薄くすることができる。その結果、挿抜性を高めることができる。
例えば、中間めっき層3の厚みを0.47μm以下とすれば、めっき材料における表面めっき層の厚みを1μm以下にしても、充分な耐熱性を確保した状態で良好な挿抜性を発揮させることができる。また、中間めっき層3の厚みを0.26μm以下とすれば、表面めっき層4の厚みを更に薄い0.6μm程度に設定することができて好適である。
ところで、表面めっき層4にリフロー処理のような加熱処理が施された場合、加熱処理後のめっき材料は、初期状態において、相手材との摩擦が小さいこと(挿抜性が良好であること)が重要である。また同時に、高温環境下に長時間曝されていても、低い接触抵抗を保持していること(耐熱性が良好であること)が重要である。
これらの問題は、前記したように、製造されためっき材料が上記したような熱環境下に置かれても、既に形成されている中間めっき層(CuまたはCu合金層)3が実質的にSn−Cu金属間化合物から成る層3’に転化し、かつその上に、適正な厚みの表面めっき層(SnまたはSn合金層)4が残存していることによって達成することができる。
そのためには、めっき時に、中間めっき層3の厚み(これをXμmとする)と表面めっき層4の厚み(これをYμmとする)をそれぞれ適正に設定することが必要になる。
本発明のめっき材料においては、上記したX値とY値を、後述する実験の結果に基づいて、次のように設定する。
その場合、このX値とY値は以下の条件を満たす数値として設定される。
条件A:これは、加熱処理によって中間めっき層3のCu成分と表面めっき層4のSn成分が反応してSn−Cu金属間化合物を生成した場合であっても、表面めっき層4のSn成分が残存することを満たすための条件である。
この場合、Sn−Cu金属間化合物の生成につれて表面めっき層4は消費されてY値は減少していく。そして、Sn−Cu金属間化合物がCu6Sn5である場合には、消費される表面めっき層4の厚みは、中間めっき層3の厚み(X)の約1.9倍である。
したがって、確実に表面めっき層を残存させて条件Aを成立させるためには、表面めっき層4の厚みは1.9Xより厚くしておくことが好適である。具体的には、仮に中間めっき層3が全て消失した場合であっても、表面めっき層4の残存厚みが0.1μm以上であれば、低い接触抵抗を保持することができるので、X値とY値の間では、次式: Y≧1.9X+0.1 の関係を満足させることが好ましい。
しかし、中間めっき層3が全て消失した場合において、表面めっき層4の厚みの残存厚みが0.5μmよりも厚くなっていると、挿抜時における摩擦が非常に大きくなり、実用に耐えなくなる。
このようなことから、条件Aを満たすためには、X値とY値の間で次式:
1.9X+0.1≦Y≦1.9X+0.5 ……(1)
の関係を成立させる。
条件B:これは、本発明のめっき材料の実使用時の環境を想定して設定される条件であって、高温環境下で長時間曝されても表面めっき層4が消失しないことを満たすための条件である。
めっき材料の使用中に表面めっき層4が消失するか否かは中間めっき層3の厚み(X)の影響を受ける。
例えば、中間めっき層3の厚み(X)が薄い場合には、加熱処理によって既に形成されているSn−Cu金属間化合物の層3’も薄くなっている。そのため、下地めっき層2のNi成分がこの層3’を通過して表面めっき層4のSn成分と反応する。その結果、表面めっき層4は更に減肉する。
したがって、中間めっき層3の厚み(X)が薄い場合は、上記した下地めっき層のNi成分の拡散問題も考慮して表面めっき層4の厚みは更に厚くすることが必要になってくる。
この条件Bを見出すために以下の実験(1)を行った。
Cu:70質量%、Zn:30質量%の黄銅母材に、電解脱脂、酸洗、Niめっき、Cuめっき、Snめっきを順次行った。このときのめっき条件は表1で示したとおりである。
Figure 2005344188
得られためっき材料に、温度700℃で4秒間のリフロー処理を行ったのち、温度140℃の大気中に120時間放置する加熱処理を施した。
上記した加熱処理後のめっき材料につき、表面のSnめっき層の厚みを測定した。その結果を、加熱処理前のCuめっき層の厚み(X)との関係図として図3に示した。
図3から明らかなように、Cuめっき層を形成しなかった場合(X=0)には、厚みが2μmであったSnめっき層は厚み0.43μmにまで減肉している。すなわち、1.57μmはNiめっき層との相互拡散で消費されている。
また、図3からは、Cuめっき層の厚み(X)が増加するにつれて、加熱処理後に残存している表面Snめっき層の厚みも直線的に増加していることがわかる。そして、この直線の勾配は6.67である。すなわち、加熱処理前に、ある厚み(X)のCuめっき層が存在している場合、その上に形成されるSnめっき層のうち、6.67Xに相当する厚みの部分は、相互拡散にとって不要になる。
以上の実験結果から、実使用時においても表面のSnめっき層を残存させようとする場合、Snめっき層の厚みは、仮にCuめっき層を形成しない場合は最低で1.57μmであればよく、Cuめっき層を形成した場合は、その厚み(X)の6.67倍の厚みが不要となるのであるから、結局、Snめっき層の厚み(Y)は、次式:
Y≧−6.67X+1.57 ……(2)
の関係を満たすようにすればよいことになる。
条件C:この条件は、Cuめっき層がリフロー処理時に全てSn−Cu金属間化合物の生成のために消費されるための条件である。
これは、リフロー処理後にあってもCuめっき層が残存していると、次のような問題が発生するので、それを解消するための条件である。
第1の問題は、リフロー処理後にCuめっき層が残存していると、例えば高温環境下における実使用時にSn成分とCu成分の拡散が進んで表面のSnめっき層の減肉が進行することである。その減肉を防ぐためには、Snめっき層の厚み(Y)を厚くすることが必要になるが、そのような処置は、めっき材料としての挿抜性(摺動性)を劣化させることになる。
第2の問題は、Sn成分中へのCu成分の拡散によって内部応力が発生し、ウィスカーが成長しやすくなるということである。
このようなことから、リフロー処理時に、Cu成分をSn−Cu金属間化合物として完全に消費しておくことが好ましいことになる。
この条件を見出すために次のような実験(2)を行った。
Snめっき層のめっき厚(Y)が0.7μmであり、Cuめっき層のめっき厚(X)が0.2〜0.5μmと変化させたことを除いては、前記した実験(1)と同様にしてめっき材料を製造した。
各めっき材料に、温度700℃で4秒間のリフロー処理を行ったのち、表面Snめっき層の厚みを測定した。その結果をCuめっき層の厚み(X)の関係図として図4に示した。
図4から明らかなように、リフロー処理前のCuめっき層の厚み(X)が0.28μm以下の場合には、このX値とリフロー処理後のSnめっき層の厚みとの間には直線関係が成立しており、その勾配は−1.9である。
これは、リフロー処理時にSn成分とCu成分の間で金属間化合物Sn6Cu5が生成していて、Cu成分もSn成分も消費されていることを示している。
また、リフロー処理前のCuめっき層の厚み(X)が0.28μmより厚い場合には、リフロー処理後におけるSnめっき層の厚みは一定になっている。これは、リフロー処理時にSn成分は全て消費され、Cu成分は残存していることを示している。
このようなことから、条件Cを満たすためには、次式:
X≦0.28 …… (3)
であることが必要になる。
既に説明したように、表面めっき層4はSnまたはSn合金で形成され、めっき材料としての電気接触特性、耐食性、はんだ付け性を確保するために設けられる。とくにSn合金で形成すると、挿抜性を更に向上させることができるので好適である。
その場合のSn合金としては、例えば、SnにAg,Bi,Cu,In,Pb,Sbの1種または2種以上が含有されているものを好適例とする。これらのSn合金は、いずれも、はんだ付け性が良好で、また、表面めっき層の形成後のウイスカの発生が抑制されるからである。
なお、Pbは環境への流出が問題となっているので、できるだけ、Pbを含むSn合金の使用は避けた方がよい。
このSn合金めっき層は所定の合金めっき浴を用いて形成することができるが、次のような方法で形成すると製造コストを大幅に低減することができて好適である。
すなわち、基材上に、下地めっき層、中間めっき層を形成したのち、更に、Snめっき層、およびAg,Bi,Cu,In,Pb,Sbの1種または2種以上の金属のめっき層をこの順序で積層する。なお、上記したSnめっき層はSn合金めっき層であってもよい。
ついで、この積層体全体に対し、リフロー処理または熱拡散処理を施して、上記した金属めっき層の金属とSnめっき層(またはSn合金めっき層)のSn成分との間で選択的な熱拡散を行って、両者を合金化する。例えば、リフロー処理の場合、実体温度230〜300℃で5秒以下のリフロー処理を行い、また熱拡散処理の場合は、温度100〜120℃で数時間行えばよい。この程度の温度であれば、他の層間での熱拡散はほとんど起こらないからである。
なお、本発明のめっき材料においては、基材と下地めっき層の間、下地めっき層と中間めっき層の間、または中間めっき層と表面めっき層の間に、各めっき層の厚みよりも薄い異種材料のめっき層を介在させてもよい。また、素材形状としては、条材、丸線材、角線材などの形状のいずれであってもよい。
実施例1〜11,比較例1〜9
黄銅条に、電解脱脂、酸洗を順次行ったのち、下地めっき層、中間めっき層、表面めっき層を順次形成して、表3、表4で示した各種のめっき材料を製造した。
なお、各層形成時のめっき条件は表2に示したとおりである。
Figure 2005344188
製造した各めっき材料を表3、表4で示した温度に加熱し、そのときの表面めっき層の残存厚みを下記の仕様で測定した。また、初期時における動摩擦係数を下記の仕様で測定した。
残存厚み:めっき材料を温度100〜160℃のエアバスの中に120時間放置したのち、定電流溶解法で測定。
動摩擦係数:バウデン型摩擦試験器を用い、荷重294mN、摺動距離10mm、摺動速度100M/min、摺動回数1回の条件下で測定。なお、相手材としては、板厚0.25mmの黄銅条にリフローSnめっきを1μm施したのち、0.5mmRに張り出し加工を行ったものを用いた。
以下の結果を一括して表3および表4に示す。
Figure 2005344188
Figure 2005344188
表3および表4から次のことから明らかである。
(1)実施例と比較例を対比すると、実施例は、全体として、環境温度が高温になっても、表面めっき層(Sn)が残存しており、しかも動摩擦係数が小さくなっている。そして、形成した表面めっき層の厚みが厚い実施例のものほど加熱後における表面めっき層(Sn)の残存厚みは厚くなっていて耐熱性を保持している。しかし、他方では、動摩擦係数は、表面めっき層の厚みが薄い実施例の方が小さくなっている。このようなことから、表面めっき層の厚みが薄いものの方が挿抜性の点で有利である。
(2)実施例6〜9のように、下地めっき層がNi層以外であっても、それが基体成分(CuやZnなどの合金成分)の表層側の拡散を防止するものであれば同様の効果が得られている。また、実施例6〜9のように、中間めっき層がCuから成り、下地めっき層がNiでない場合であっても、中間めっき層が下地めっき層に対する反応速度よりも、表面めっき層に対する反応速度の方が大きければ同様の効果が得られている。
実施例12〜20、比較例10〜25
実施例3、実施例4、実施例8、実施例11、比較例5、および比較例6のそれぞれの試料から、タブ幅が2.3mmであるオス端子とメス端子を製作した。
これらオス端子とメス端子を、表5で示したように組み合わせて嵌合し、ついで嵌合した部材に対し温度160℃で120時間の熱処理を施したのち、各部材における端子間の接触抵抗を測定した。
なお、嵌合時の挿入は挿入力の速度2mm/secで行い、挿入時のピーク強度を挿入力として測定した。n=5の平均値を求め、結果を表5に示した。
また、接触抵抗は、端子にリードをはんだ付けし、電流10mAを流して測定した。n=10の平均値を求め、結果を表5に示した。
Figure 2005344188
表5から次のことが明らかである。
(1)実施例と比較例を対比すると、実施例の場合、全体として嵌合時の挿入力は低く、しかも熱処理後の接触抵抗が低くなっている。
また、各実施例と各比較例における嵌合時の挿入力は概ね5.3〜6.5Nと低い値になっている。そして、オス端子に実施例のものを用いた方が、メス端子に用いた場合よりも挿入力が低くなっている。これは、嵌合時においては、メス端子側は点接触状態となって削れる箇所が1点になるが、オス端子側では線状に接触していくので削れる箇所が線状になるためであると考えられる。
したがって、低い挿入力を目的とする場合には、オス端子側の表面めっき層(Sn)の厚みを薄くすることが有効であると考えられる。
また、実施例において、熱処理後の接触抵抗が低い理由は、熱処理後にあっても本発明の実施例端子は表面めっき層(Sn)が残存していることにより接触信頼性が向上しているためであると考えられる。他方、比較例端子を用いた場合は、熱処理により表面めっき層(Sn)が消滅して接触抵抗が高くなってしまう。
実施例21〜34、比較例26〜35
7/3黄銅条に、実施例1〜11と同様にして各種のめっき材料を製造し、温度700℃で4秒間のリフロー処理を行った。
ただし、全ての材料において下地めっき層2は厚み0.5μmのNiめっき層である。また、中間Cuめっき層3の厚み(X)、表面Snめっき層4の厚み(Y)は、表6に示したとおりである。
これらの材料につき、実施例1〜24の場合と同じ仕様で動摩擦係数を測定した。
また、各材料につき、その1枚をオス端子に見立てて切り出したままの平板とし、他の1枚をメス端子に見立てて半径0.5mmの張出し加工を行い、オス端子とメス端子のいずれに対しても温度120℃の大気中で3000時間の加熱処理を施し、平板と張出し加工部を荷重980mNで接触させながら電流10mAを通電して、接触部における接触抵抗を測定した。
また、リフロー処理後の各めっき材料から、タブ幅2.3mmのオス端子とメス端子を製作し、両者を嵌合して挿入時のピーク強度を挿入時抵抗力として測定した。また、上記したオス端子とメス端子に、温度120℃の大気中で3000時間の加熱処理を施したのち嵌合し、各部材における端子間の接触抵抗を測定した。
なお、いずれの場合も、嵌合時の挿入は2mm/secの条件で行った。
以上の結果を、5回の測定結果の平均値として表6と表7に示した。
Figure 2005344188
Figure 2005344188
表6、表7から次のことが明らかである。
(1)実施例と比較例を対比すると、実施例の場合、全体として嵌合時の抵抗力は小さく、しかも加熱処理後の接触抵抗は低くなっている。
他方、比較例の場合は、嵌合時の抵抗力が大きくなったり加熱処理後の接触抵抗が高くなったりしている。
(2)また、実施例22と実施例25と対比すると、加熱処理後における接触抵抗は同程度の値であるが、加熱処理前の動摩擦係数と挿入時の抵抗力は実施例22の方が大きい。
これは、実施例22の方がCuめっき層の厚み(X)が厚いため、リフロー処理後にCuめっき層が残存し、その残存量に対応してSnめっき層の厚み(Y)を厚くしているからである。このようなことは、実施例23と実施例26、実施例27と実施例30、実施例28と実施例31の場合についてもあてはまる。
すなわち、リフロー処理後に残存するような厚みのCuめっき層をすることは、それだけ厚いSnめっき層を形成することが必要になり、結局、めっき材料としての摺動性(挿抜性)を劣化させることになっている。
実施例35、比較例36,37
実施例1〜11で用いた黄銅母材を、30mm×20mmに切断し、電解脱脂、酸洗を行い、以下の条件でNiめっき、Cuめっき、Snめっきを順次行ってめっき材料を製造した。
Niめっき: 浴組成、 スルファン酸ニッケル 500g/L、塩化ニッケル
30g/L、ホウ酸 30g/L、浴温 50℃、電流密度20A
/dm2、めっき厚は実施例、比較例のいずれについても0.5μ

Cuめっき: 浴組成、 硫酸銅5水和物 250g/L、食塩 20g/L、
浴温 40℃、電流密度 5〜20A/dm2、めっき厚、実施例は
0.24μm、比較例は0.31μm
Snめっき: 浴組成、 酸化すず(II) 50g/L、メタンスルホン酸 11
0g/L、FH50A 10mL/L、FH50B 10mL/L、
FH50C 10mL/L(いずれも石原薬品社製)、めっき厚、
実施例、比較例のいずれも0.7μm。
ついで、表8で示した加熱処理を施し、得られた試料の断面を走査電顕で観察して、Snめっき層と反応していないCuめっき層の厚みをそれぞれ測定した。
また、試料を温度50℃の大気中で240時間加熱し、表面を光学顕微鏡(倍率20倍)で観察して、長さ20μm以上のウィスカーの発生本数を測定した。
以上の結果を一括して表8に示した。
Figure 2005344188
表8から明らかなように、実施例の場合はリフロー処理によってCuめっき層は完全に消失し、ウィスカーも発生していない。しかし、比較例の場合は、加熱処理によってもCuめっき層は残存しており、そしてウィスカーも発生している。
このことから、Cuめっき層の残存をウィスカーの発生との間には相関があるものと認められる。
以上の説明で明らかなように、本発明方法で製造されためっき材料は、下地めっき層と表面めっき層の間に介在させたCuまたはCu合金から成る中間めっき層は実質的に消失しており、そして表面めっき層と中間めっき層の厚みを、加熱処理を行っても表面めっき層のSnまたはSn合金が残存するように設計されている。
したがって、このめっき材料は、耐熱性が良好であり、また良好な耐熱性と挿抜性を兼ね備えていて、例えば自動車エンジンルーム内のような高温環境下に配置されるコネクタ、また嵌合型コネクタ、接触子などの各種電気・電子部品用の材料として有用である。
本発明方法で製造しためっき材料の1例を示す断面図である。 本発明を行なうめっき材料の層構造を示す断面図である。 実験(1)において、加熱処理前のCuめっき層の厚み(X)と加熱処理後のSnめっき層の厚みとの関係を示すグラフである。 実験(2)において、リフロー処理前のCuめっき層の厚み(X)とリフロー処理後のSnめっき層の厚みとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 基材
2 下地めっき層
3 中間めっき層
3’ Sn−Cu金属間化合物の層
4 SnまたはSn合金から成る表面めっき層

Claims (8)

  1. 周期律表4族、5族、6族、7族、8族、9族、もしくは10族に含まれるいずれか1種の金属またはそれを主成分とする合金から成る下地めっき層と、CuまたはCu合金から成る中間めっき層と、SnまたはSn合金から成る表面めっき層とを、この順序で、導電性基体の表面の上に形成し、ついで、
    前記中間めっき層を消失させて、実質的にSn−Cu金属間化合物から成る層を形成することを特徴とするめっき材料の製造方法。
  2. 加熱処理により前記中間めっき層を消失させて、実質的にSn−Cu金属間化合物から成る層を形成する。請求項1のめっき材料の製造方法。
  3. リフロー処理により、前記中間めっき層を消失させて、実質的にSn−Cu金属間化合物から成る層を形成する請求項1のめっき材料の製造方法。
  4. 前記下地めっき層が実質的にNiから成る請求項1〜3のいずれかのめっき材料の製造方法。
  5. 前記中間めっき層の厚みをX(μm)、前記表面めっき層の厚みをY(μm)としたときに、X,Yの間では、次式:
    1.9X+0.1≦Y≦1.9X+0.5
    の関係が成立している請求項1〜4のいずれかのめっき材料の製造方法。
  6. 前記中間めっき層の厚みをX(μm)、前記表面めっき層の厚みをY(μm)としたときに、X,Yの間では、次式:
    1.9X+0.1≦Y≦1.9X+0.5
    −6.67X+1.57≦Y、および X≦0.28
    の関係が成立している請求項1〜4のいずれかのめっき材料の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかの方法で製造されためっき材料を用いた電気・電子部品。
  8. 請求項7の電気・電子部品が嵌合型コネクタまたは接触端子である。
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