JP2008196010A - コネクタ端子用めっき材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車用の電気・電子コネクタ等の耐熱電気部品に好適な、従来よりも優れた耐熱・耐久性および挿抜性を有するコネクタ端子用めっき材料を提供する。
【解決手段】自動車用の電気・電子コネクタ等の耐熱電気部品に好適な本発明のコネクタ端子用めっき材料は、銅または銅合金からなる基材の表面にコバルトとニッケルが所定の質量比率を有する合金からなる下地めっき層が形成され、かつ前記下地めっき層の上に錫または錫合金からなる表面めっき層が形成されており、前記下地めっき層中のコバルト(Co)とニッケル(Ni)の質量比率を1.5≦Co/Ni≦4とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コネクタ端子用めっき材料に関し、特に、自動車用の電気・電子コネクタ等の耐熱電気部品に好適な、優れた耐熱・耐久性および挿抜性を有するコネクタ端子用めっき材料に関するものである。
近年、様々な機器類で電子制御化や伝送データの多様化が進展し、電極端子の多極化が進行するのに伴って、嵌合型の電気・電子コネクタが広く利用されるようになっている。
コネクタ端子の材料としては、銅(Cu)または銅合金(以下、単に「銅」という)からなる導電性基材の上に、錫(Sn)や錫合金(以下、単に「錫」という)からなるめっき層を形成しためっき材料が一般的に用いられている。このめっき材料は、基材の優れた導電性や機械的強度と、めっき層の良好な電気的接触性、耐食性、はんだ濡れ性を兼ね備えた特長を有する。
例えば、特許文献1(特開平4−329891号公報)では、銅合金材の表面に、銅下地めっき層、ニッケル(Ni)中間めっき層を施し、さらにその上に錫めっき層を施した後、該錫めっき層を溶融(リフロー)させることによって、銅下地めっき層と錫めっき層との中間にNiSn金属間化合物からなる中間層を設けた錫めっき銅合金材が開示されている。これにより、優れた半田付け性、熱的に安定な接触抵抗値を有する錫めっき銅合金材が得られるとしている。
また、特許文献2(特許第3727069号公報)では、銅または銅合金の基質上に、25〜40質量%のニッケルを含有する銅合金からなるバリア層を形成し、さらにその上に錫または錫合金からなる被覆層を形成した錫被覆電気コネクタが開示されている。銅ベース基質と錫ベース被覆の間にバリア層を介在させることにより、銅/錫金属間化合物の生成速度を低下させることができ、高温露出後でも複合材の表面に十分な厚さの遊離錫が残留することから、低い接触抵抗を達成できるとしている。
一方、多極化したコネクタに対し、アッセンブリ工程における作業性の観点から、良好な挿抜性(例えば、挿入力の低減)が強く要望されている。このような要望に応える材料として、例えば特許文献3(特開平10−302864号公報)では、銅の母材表面にニッケルめっきを施し、さらにその上に錫めっきを行った嵌合型接続端子部品において、摺動部分の錫めっき厚さを規定した嵌合型接続端子が開示されている。これにより、接続端子の見かけの硬度が高くなることによって、錫めっきの凝着が抑制され、端子挿入力を低減できるとしている。
また、特許文献4(特開2005−344188号公報)では、銅または銅合金の基材上に、Ni,Co(コバルト),Fe(鉄)等の金属またはその合金からなる下地めっき層を形成し、その上に銅または銅合金からなる中間めっき層を形成し、さらにその上に錫または錫合金からなる表面めっき層を形成した後、加熱処理(例えば、リフロー処理)により中間めっき層を消失させて、Cu−Sn金属間化合物からなる層を形成しためっき材料が開示されている。これにより、表面めっき層と、基材や下地めっき層との間の拡散反応が遅くなり、良好な耐熱性と良好な挿抜性を有するめっき材料が得られるとしている。
特開平4−329891号公報 特許第3727069号公報 特開平10−302864号公報 特開2005−344188号公報
しかしながら、近年、自動車の電気・電子制御化およびメンテナンスフリー化が進展するのに伴って、電気・電子コネクタ等の部品には従来よりも更なる耐熱・耐久性への要求が益々高まっている。特に、高温環境によりめっき材料中の拡散反応が進行すると、経時的に表面の錫めっき層が消失し、金属間化合物化することが懸念される。表層の金属間化合物化はコネクタ端子間の電気的接触抵抗の増大を招き、コネクタとしての機能の喪失につながる。
一方、端子の多極化から良好な挿抜性が要求されているが、挿抜性の制御には表面錫めっき層の厚さ制御が必要不可欠である。過剰の表面錫めっき層を有するコネクタ端子は、コネクタの挿抜性の劣化(例えば、挿入力の増大)を招く。
従って、本発明の目的は、自動車用の電気・電子コネクタ等の耐熱電気部品に好適な、従来よりも優れた耐熱・耐久性および挿抜性を有するコネクタ端子用めっき材料を提供することにある。
本発明者らは、優れた耐熱・耐久性が要求される端子用めっき材料において、銅基材に対する密着性が高くかつ銅原子に対する拡散障壁効果(バリア効果)が高い下地めっき層を詳細に検討したところ、特定の質量比率を有するCo−Ni合金が特に高いバリア効果を有することを見出したことに基づき、本発明を完成した。
本発明は、上記目的を達成するため、銅または銅合金からなる基材の表面にコバルトとニッケルが所定の質量比率を有する合金からなる下地めっき層が形成され、かつ前記下地めっき層の上に錫または錫合金からなる表面めっき層が形成されたコネクタ端子用めっき材料において、前記下地めっき層中のコバルト(Co)とニッケル(Ni)の質量比率が1.5≦Co/Ni≦4であることを特徴とするコネクタ端子用めっき材料を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係るコネクタ端子用めっき材料であって、前記下地めっき層と前記表面めっき層が直接接していることを特徴とするコネクタ端子用めっき材料を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係るコネクタ端子用めっき材料であって、前記下地めっき層と前記表面めっき層の間に金属間化合物からなる中間層が介在していることを特徴とするコネクタ端子用めっき材料を提供する。
本発明によれば、自動車用の電気・電子コネクタ等の耐熱電気部品に適しており、従来よりも優れた耐熱・耐久性および挿抜性を有するコネクタ端子用めっき材料を提供することができる。
〔本発明の第1の実施の形態〕
本実施の形態におけるコネクタ端子用めっき材料は、銅または銅合金からなる基材の表面にコバルトとニッケルが所定の質量比率を有する合金からなる下地めっき層が形成され、かつ前記下地めっき層の上に錫または錫合金からなる表面めっき層が形成されたコネクタ端子用めっき材料において、前記下地めっき層中のコバルト(Co)とニッケル(Ni)の質量比率が「1.5≦Co/Ni≦4」であり、かつ前記下地めっき層と前記表面めっき層が直接接していることを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコネクタ端子用めっき材料の構造の1例を示す断面模式図である。コネクタ端子用めっき材料10は、銅または銅合金からなる基材1の表面に、コバルト−ニッケル合金からなる下地めっき層2を形成し、さらに錫または錫合金からなる表面めっき層3を形成した積層構造となっている。なお、図示は省略したが、防錆(耐食、耐酸化)や耐久性の観点から、基材1の裏面側にも下地めっき層2、表面めっき層3を形成することが望ましい。
自動車用途のコネクタ端子用めっき材料の場合、使用する基材1は、打抜き加工性や折曲げ加工性に優れるという理由から圧延銅材を使用することが好ましい。また、基材1の材質としては、コネクタ端子に要求される導電性、機械的強度、耐応力緩和性(耐熱性)などに応じて適宜選択すればよく、例えば、リン青銅、コルソン合金等が挙げられる。
このような基材1に対し、コバルト−ニッケル合金めっきを施す。所定の質量比率を有するコバルト−ニッケル合金からなる下地めっき層を形成することで、基材1からの銅原子の拡散バリア効果や基材1の耐酸化効果を得ることが出来る。このとき、該合金めっき層(下地めっき層2)中のコバルトとニッケルの質量比率は「1.5≦Co/Ni≦4」であることが好ましい。より好ましくは「1.9≦Co/Ni≦4」であり、さらに好ましくは「2.1≦Co/Ni≦3.6」である。コバルトとニッケルの質量比率が「Co/Ni<1.5」では、従来よりも優れた拡散バリア効果が得られない。一方、コバルトとニッケルの質量比率が「4<Co/Ni」の場合も、従来よりも優れた拡散バリア効果が得られない。
また、下地めっき層2の厚さは、0.05〜2μmであることが望ましい。該めっき層の厚さが0.05μm未満では、空孔の存在確率が高く、空孔を経由した拡散が優勢となるため、期待される拡散バリア効果が得られない。一方、該めっき層の厚さを2μmより厚くすると、コネクタ端子製造のための折曲げ加工などの際に、基材1から剥離する場合があることから好ましくない。また、下地めっき層2の形成方法に特段の制約は無いが、量産コスト的な観点から湿式めっき法にて形成する方が好ましい。
次に、上記の下地めっき層2の上に錫または錫合金からなる表面めっきを施す。錫を主成分とする表面めっき層を形成することで、コネクタ端子間の電気的接触抵抗を低減することができる。このとき、コネクタにおける良好な挿抜性の観点から、表面めっき層3の厚さを0.3〜5μmとすることが望ましい。
本実施の形態においては、表面めっき層3に対するリフロー処理を行っても、行わなくてもよい。コネクタ端子として使用される環境(すなわち、コネクタ端子用めっき材料に要求される仕様)に応じて適宜選択すればよい。
〔本発明の第2の実施の形態〕
本実施の形態におけるコネクタ端子用めっき材料は、銅または銅合金からなる基材の表面にコバルトとニッケルが所定の質量比率を有する合金からなる下地めっき層が形成され、かつ前記下地めっき層の上に錫または錫合金からなる表面めっき層が形成されたコネクタ端子用めっき材料において、前記下地めっき層中のコバルト(Co)とニッケル(Ni)の質量比率が「1.5≦Co/Ni≦4」であり、かつ前記下地めっき層と前記表面めっき層の間に金属間化合物からなる中間層が介在していることを特徴とする。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るコネクタ端子用めっき材料の構造の1例を示す断面模式図である。コネクタ端子用めっき材料20は、銅または銅合金からなる基材1の表面に、コバルト−ニッケル合金からなる下地めっき層2を形成し、その上に金属間化合物からなる中間層4を介して錫または錫合金からなる表面めっき層3が形成された積層構造となっている。なお、図示は省略したが、防錆(耐食、耐酸化)や耐久性の観点から、基材1の裏面側にも下地めっき層2、中間層4、表面めっき層3を形成することが望ましい。
なお、第1の実施の形態と同じ記号に関する詳細な説明は、重複を避けるために省略する。
第1の実施の形態と同様に、基材1に対し、所定の質量比率を有するコバルト−ニッケル合金めっきを施す。このとき、該合金めっき層(下地めっき層2)中のコバルトとニッケルの質量比率は「1.5≦Co/Ni≦4」であることが好ましい。より好ましくは「1.9≦Co/Ni≦4」であり、さらに好ましくは「2.1≦Co/Ni≦3.6」である。また、下地めっき層2の厚さは、0.05〜2μmであることが望ましい。
次に、上記の下地めっき層2の上に銅または銅合金からなる中間めっきを施す。銅を主成分とする中間めっき層は、後工程での熱処理により金属間化合物からなる中間層4を形成するための素地となる。このとき、金属間化合物からなる中間層4を形成するのに都合のよい元素(例えば、Sn)を添加した銅合金をめっきすることは好ましい。また、中間めっき層の厚さは、0.1〜2μmとすることが望ましい。また、中間めっき層の形成方法に特段の制約は無いが、量産コスト的な観点から湿式めっき法にて形成する方が好ましい。
次に、上記の中間めっき層の上に錫または錫合金からなる表面めっきを施す。このときのめっき厚さは、後工程の熱処理後に残存する表面めっき層3の厚さが0.1〜4μmとなるように、0.3〜5μmとすることが望ましい。
次に、金属間化合物からなる中間層4を形成するための熱処理を行う。このときの熱処理条件としては、非酸化性環境(例えば、窒素ガス)中、550〜650℃で1〜10秒間保持した後水冷するのが好ましい(リフロー処理)。該熱処理により、厚さ0.3〜3μmの中間層4と厚さ0.1〜4μmの表面めっき層3が形成される。
〔実施の形態の効果〕
上記の本発明の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)コバルトとニッケルが所定の質量比率を有する合金からなる下地めっき層の高いバリア効果により、自動車用途のような高温環境においても、めっき材料中の拡散反応を効果的に抑制でき、従来よりも優れた耐熱・耐久性を有するコネクタ端子用めっき材料が得られる。
(2)高温環境においてもめっき材料中の拡散反応を効果的に抑制できることから、錫または錫合金からなる表面めっき層の厚さ制御(設計)が容易となり、優れた挿抜性を有するコネクタ端子用めっき材料が得られる。
(3)錫または錫合金からなる表面めっき層の厚さ制御(設計)が容易となることから、製造歩留まりが向上し、結果として高性能なコネクタ端子用めっき材料を低コストで製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜2および比較例1〜4の作製)
基材として厚さ0.2mmのコルソン合金材(公称組成:Cu−2.5mass%Ni−0.5mass%Si−1.7mass%Zn)を用意した。この基材に対し、水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、品番:194−02135、分子式:NaOH)が40g/L、炭酸ナトリウム(純正化学株式会社製、品番:43350−1250、分子式:Na2CO3)が20g/Lの水溶液において、温度40℃、電流密度5A/dm、処理時間10秒で陰極電解にて電解脱脂処理を行った。その後、硫酸(純正化学株式会社製、品番:83010−0330、分子式:H2SO4)50g/Lの水溶液において温度25℃、処理時間10秒で浸漬することにより酸洗処理を施した。
上記基材に対して、表1に示すようなめっき液組成・めっき処理条件でコバルト−ニッケル合金めっきを施し、厚さ0.5μmの下地めっき層を形成した。なお、めっき液組成の数値は薬品投入濃度であり、それぞれ薬品として、硫酸コバルト(純正化学株式会社製、品番:83240−0401、分子式:CoSO4・7H2O)、硫酸ニッケル(和光純薬工業株式会社製、品番:148−01175、分子式:NiSO4・6H2O)、クエン酸(純正化学株式会社製、品番:26040−1201、分子式:C6H8O7・H2O)、ほう酸(和光純薬工業株式会社、品番:021−02195、分子式:H3BO3)を用いた。
また、pHの調整において、pHを上昇させるためには水酸化ニッケル(和光純薬工業株式会社製、品番:148−05575、分子式:Ni(OH)2)の投入を行い、pHを下降させるためには硫酸(純正化学株式会社製、品番:83010−0330、分子式:H2SO4)を投入した。
Figure 2008196010
次に、上記の各試料に対して、表2に示すようなめっき液組成・めっき処理条件で錫めっきを施して、厚さ0.3μmの表面めっき層を形成し、実施例1〜2および比較例1〜4のめっき材料を作製した。なお、めっき液組成の数値は薬品投入濃度であり、それぞれ薬品として、硫酸第一錫(純正化学株式会社製、品番:83360−1201、分子式:SnSO4)、硫酸(純正化学株式会社製、品番:83010−0330、分子式:H2SO4)、クレゾールスルホン酸(純正化学株式会社製、品番:90703−1601、分子式:C7H8O4S)を用いた。
Figure 2008196010
各試料(実施例1〜2および比較例1〜4)における下地めっき層中のコバルトとニッケルの質量比率は、誘導プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES)を用いて次のように評価した。まず、下地めっきを施した各基材を40mm×100mm程度の大きさに切り出し、片方の全面と試料片外周にポリイミド粘着テープをよく密着させた。これは酸溶解時に測定面のみを溶解させるためである。酸溶解には、体積比として硝酸1(純正化学株式会社製、品番:37335−1230、分子式:HNO3)に対して純水9を混合させた硝酸水溶液を用いた。該硝酸水溶液30mLを用いて下地めっき層を溶解し、基材を取り出した。次に、該溶解液に純水を加えて100mLとし、この溶解液の金属濃度をICP-AESにより測定し、質量比率を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2008196010
(実施例3〜4の作製)
表1における実施例1、2と同様の条件で下地めっき層を形成した基材に対して、表4に示すようなめっき液組成・めっき処理条件で銅めっきを施して、厚さ0.1μmの中間めっき層を形成した後、該中間めっき層の上に、表2に示すめっき液組成・めっき処理条件で錫めっきを施して、厚さ0.4μmの表面めっき層を形成した。その後、窒素雰囲気中において600℃で3秒間保持し直後に水冷(急冷)するリフロー処理を行い、実施例3、4のめっき材料を作製した。なお、めっき液組成の数値は薬品投入濃度であり、それぞれ薬品として、硫酸銅(純正化学株式会社製、品番:83435−1201、分子式:CuSO4・5H2O)、硫酸(純正化学株式会社製、品番:83010−0330、分子式:H2SO4)を用いた。
Figure 2008196010
(耐熱・耐久性試験)
以上のようにして作製した各試料(実施例1〜4および比較例1〜4)に対し、耐熱・耐久性評価の加速試験を行った。試験は、大気雰囲気中において150℃で168時間保持した後、試験片を切断し、断面における下地めっき層と表面めっき層の間に生成する金属間化合物(中間層)の厚さと表面めっき層の残存厚さを観察した。断面観察は、走査透過電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置(STEM-EDX)を用い、表面めっき層の残存厚さが0.1μm以上あるものを○、表面めっき層の残存厚さが0.1μm未満であるものを×として評価した。結果を表5に示す。
Figure 2008196010
表3、5の結果から明らかなように、コバルトとニッケルの質量比率が1.5≦Co/Ni≦4である下地めっき層(実施例1〜4)は、非常に高いバリア効果を示し、優れた耐熱・耐久性を有するめっき材料であることが判る。これに対し、コバルトとニッケルの質量比率が規定の範囲から外れた試料(比較例1〜4)では、下地めっき層のバリア効果が不十分であったことから錫の表面めっき層がほとんど残存せず、耐熱・耐久性に劣ることが判る。
(動摩擦係数測定)
優れた耐熱・耐久性を有する本発明のめっき材料(耐熱・耐久性試験後の実施例1〜4)に対し、動摩擦係数の測定を行った。測定には、摩擦係数試験機(株式会社オリエンテック製、型式:EFM−4)を用いた。測定の結果、0.17〜0.2という低い動摩擦係数を示し、本発明のめっき材料が良好な挿抜性を有することが確認された。これは、表面めっき層が適度な厚さで残存していたことに起因すると考えられる。さらに、本発明の下地めっき層が高いバリア性を有することから、表面めっき層および中間めっき層の厚さ制御(設計)が容易となったことに起因すると考えられる。
本発明の第1の実施の形態に係るコネクタ端子用めっき材料の構造の1例を示す断面模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係るコネクタ端子用めっき材料の構造の1例を示す断面模式図である。
符号の説明
1…基材、2…下地めっき層、3…表面めっき層、4…中間層、10…コネクタ端子用めっき材料、20…コネクタ端子用めっき材料。

Claims (3)

  1. 銅または銅合金からなる基材の表面にコバルトとニッケルが所定の質量比率を有する合金からなる下地めっき層が形成され、かつ前記下地めっき層の上に錫または錫合金からなる表面めっき層が形成されたコネクタ端子用めっき材料において、前記下地めっき層中のコバルト(Co)とニッケル(Ni)の質量比率が「1.5≦Co/Ni≦4」であることを特徴とするコネクタ端子用めっき材料。
  2. 請求項1に記載のコネクタ端子用めっき材料であって、前記下地めっき層と前記表面めっき層が直接接していることを特徴とするコネクタ端子用めっき材料。
  3. 請求項1に記載のコネクタ端子用めっき材料であって、前記下地めっき層と前記表面めっき層の間に金属間化合物からなる中間層が介在していることを特徴とするコネクタ端子用めっき材料。
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