JP2012028139A - 接続用端子 - Google Patents

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Abstract

【課題】総挿入力の低減が図れ、更には安定した電気的な接続信頼性を備えることが可能な接続用端子を提供する。
【解決手段】接続用端子10は、Cu又はCu合金からなる母材11の表面に、In又はInを主体とする合金からなる表面めっき層14が設けられ、表面めっき層14の下地に、表面めっき層14よりも硬い硬質めっき層13が形成されているので、総挿入力の低減が図れ、更には安定した電気的な接続信頼性を備えることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として自動車や家電製品(民生)に使用される端子やコネクタ等の接続用端子に関する。
自動車等の電線の接続に用いられるコネクタには、通常、銅合金にSnめっきを施したオス端子とメス端子の組み合わせからなる嵌合型端子が使用されている。この嵌合型端子が複数個集合したコネクタを、多極端子コネクタという。
自動車の電装化が進む中にあっては、このようなコネクタの極数、即ち、コネクタ中の端子の極数が増加する傾向にある。この端子の極数が増加するに伴って挿入力が大きくなるため、実装に際しては、道具が必要となったり、また人が挿入させる場合でも大きな力を必要とするようになり、組み立て作業の効率を低下させてしまう問題がある。
そのため、極数が増加しても、挿入力が従来よりも大きくならないような低挿入力端子が要求されている。
また、自動車には、エンジンの点火時期、燃料噴射の時期、及びスロットル開度等を、自動的に制御し、燃焼効率や燃費を適正化するための電子部品として、エンジンコントロールユニット(以下、ECUともいう)が搭載されている。このECUには、そのプリント基板上に上記した目的に合わせた多数のLSI等の電子部品が配置され、接続用端子であるPCB(Printed Circuit Board)コネクタ用端子(以下、単にPCB端子ともいう)が接続されて、電気信号の入出力を行っている。
なお、PCB端子は、多極の端子より構成され、導電性、めっき性、曲げ加工性、機械的強度等の特性を必要とすることから、PCB端子に銅又は銅合金からなる母材を用いることが多い。また、表面には、耐食性等の問題から通常Snめっきが施されている。
このPCB端子は、一方側にオス端子としてコネクタのメス端子に挿入され、ECUへの電気信号の入出力回路を構成する端子嵌合部が、また他方側に、ECUのプリント基板のスルーホールに挿入され、はんだ付けや、プレスフィット等の機械的接続がなされる基板接続部が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
この場合においても、端子嵌合部の低挿入力化は求められている。
例えば、このPCB端子の端子嵌合部をメス端子に挿入するに際しては、例えば、1端子あたり5N程度の挿入力が必要であるが、前記したように、PCB端子は多極の端子を有するため、例えば、20極の場合だと100N(10kg)程度の挿入力が必要となる。
このように、挿入力が高くなると組立て時における作業性等が悪くなる。そこで、摩擦係数を20%程度低減させ、総挿入力を80N以下にできる端子、具体的には、母材の表面に、Ni(ニッケル)めっき、Cu(銅)めっき、及びSnめっきを順次行い、更にリフロー処理により形成された表面被覆層を有する端子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−287942号公報 特開2008−274364号公報
しかしながら、特許文献2に記載されたPCB端子であっても、端子の数(極数)が更に多くなれば、PCB端子の総挿入力が大きくなるため、総挿入力の更なる低減(即ち、1端子あたりの挿入力の低減)が求められていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、総挿入力の低減が図れ、更には安定した電気的な接続信頼性を備えることが可能な接続用端子を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る接続用端子は、Cu又はCu合金からなる母材の表面に、In又はInを主体とする合金からなる表面めっき層が設けられ、該表面めっき層の下地に、該表面めっき層よりも硬い硬質めっき層が形成されている。
本発明に係る接続用端子において、前記表面めっき層の平均厚みは0.05〜10μmであることが好ましい。
本発明に係る接続用端子において、前記硬質めっき層は、1)CuとInの金属間化合物、もしくは、2)Cu及びInに、更にNi、Co、Sn、Zn、P、及びBのいずれか1種又は2種以上を含む金属間化合物からなってもよい。
ここで、前記硬質めっき層の平均厚みは0.05〜10μmであることが望ましい。
本発明に係る接続用端子において、前記硬質めっき層の下地に、Ni又はNi合金からなる下地めっき層を設けることが好ましい。
ここで、前記下地めっき層の平均厚みは10μm以下であることが好ましい。
本発明に係る接続用端子において、前記表面めっき層は、電気めっき処理して、又は該電気めっき処理後にリフロー処理して形成されるのがよい。
本発明に係る接続用端子において、摩擦係数が0.1〜0.45であることが好ましい。
本発明に係る接続用端子は、母材の表面に、In又はInを主体とする合金からなる表面めっき層が設けられ、この表面めっき層の下地に、この表面めっき層よりも硬い硬質めっき層が形成されているので、この相乗効果で摩擦係数を低減できる。即ち、端子の挿入力の低減が可能となる。
従って、総挿入力の低減を図ることが可能な接続用端子を提供できる。
ここで、表面めっき層の平均厚みを0.05〜10μmにする場合、表面めっき層の厚みを、表面めっき層による摩擦係数の低減効果が十分に得られる厚みに調整できる。
また、硬質めっき層を、1)CuとInの金属間化合物、もしくは、2)Cu及びInに、更にNi、Co、Sn、Zn、P、及びBのいずれか1種又は2種以上を含む金属間化合物で構成する場合、これらのめっき層は熱的に安定しているので、例えば、高温環境下において、母材元素の最表面への拡散を抑制でき、表面めっき層でのInとの合金化も抑制できる。更に、硬質めっき層の下地に下地めっき層を設ける場合も、高温環境下において、下地めっきの元素の拡散を抑制できる。
従って、安定した電気的な接続信頼性を備えることができる。
そして、硬質めっき層の下地に、Ni又はNi合金からなる下地めっき層を設ける場合、硬質めっき層と下地めっき層により、経時による母材元素の拡散抑制が可能となり、長期に渡って接触抵抗の上昇を防止できる。また、CuとNiは相互に拡散し難いため、下地めっき層がバリア層となり、母材元素、特にCu元素が、硬質めっき層、表面めっき層、更には最表面へ拡散することを抑制でき、表面めっき層でのInとの合金化や、最表面での母材元素の酸化も抑制できる。
従って、下地めっき層を設けることで、製品の信頼性への効果がより大きくなる。
また、表面めっき層は、電気めっき処理して、又は電気めっき処理後にリフロー処理して形成されるのがよい。
上記した硬質めっき層と表面めっき層は、リフロー処理を施さない場合においても、In及びCuの相互拡散により常温域で自然に形成できる。しかし、例えば、下地めっき層の表面に、CuもしくはCu合金めっき層と、InもしくはIn合金めっき層を形成した後、リフロー処理することで、硬質めっき層と表面めっき層を容易に形成できる。ここで、硬質めっき層となるCu−In合金層は、金属間化合物となっているため、十分な硬さを有している。このため、硬い硬質めっき層の上面に軟らかい表面めっき層を設けた相乗効果で、摩擦係数の低減が十分可能となる。
(A)本発明の一実施の形態に係る接続用端子の部分側断面図、(B)は変形例に係る接続用端子の部分側断面図である。 本発明の一実施の形態に係る接続用端子の製造方法の説明図である。 接続用端子のInめっき厚さと摩擦係数との関係を示す説明図である。 接続用端子の表面めっき層であるIn厚さと摩擦係数との関係を示す説明図である。 接続用端子の表面EDX組成分析によるIn/Cuの質量比と摩擦係数との関係を示す説明図である。 接続用端子の接触信頼性を評価した結果の説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ接続用端子の微摺動磨耗特性を評価した結果の説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る接続用端子10は、母材11の端子嵌合部の表面に、下地めっき層12と、硬質めっき層13と、表面めっき層14とを順次設けたものであり、例えば、工場等で使用される電子機器、航空機、船舶、自動車等の各種電子機器、特に自動車の電子制御装置(ECU)への使用に適したPCBコネクタ用端子や中継用端子等である。以下、詳しく説明する。
母材11は、Cu(銅)又はCu合金からなる板材(図示しない)を、接続用端子10と同一形状にプレス加工することにより得られる接続用端子材である。
この母材11の端子嵌合部の表面には、Ni(ニッケル)又はNi合金(例えば、Ni−P(ニッケル/リン)、Ni−B(ニッケル/ホウ素)、Ni−Co(ニッケル/コバルト)等)からなる下地めっき層12が設けられている。なお、Niめっきには、無光沢めっきや半光沢めっき、更には、緻密な光沢めっきを使用することができるが、リフロー処理を施す場合は、半光沢めっきもしくは無光沢めっきを施すことが好ましい。
この下地めっき層12は、母材11中のCu、及びその他のCu合金中元素の拡散を抑制するためのもの(バリア層)であり、その平均厚みは、10μm以下(好ましくは、下限を0.05μm)とするのがよい。ここで、下地めっき層の厚みに上限を設けたのは、厚みの増加に伴う拡散抑制効果が小さいことによる。なお、生産性の観点から、好ましくは、5μm以下、更には3μm以下とするのがよい。また、下地めっき層は形成しなくてもよい。
下地めっき層12の表面には、Cu−In(銅/インジウム)の金属間化合物を主体とする硬質めっき層13と、表面めっき層14とが、順次設けられている。
なお、硬質めっき層は、Cu−In合金の代わりに、例えば、Cu−Sn(銅/錫)合金、In−Zn(インジウム/亜鉛)合金、In−Ni(インジウム/ニッケル)合金、In−Fe(インジウム/鉄)合金等の金属間化合物(合金層)等で構成することもできる。
ここで、硬質めっき層中の金属間化合物の含有量は、90質量%以上100質量%未満であればよい。
更に、硬質めっきにCu−Inの金属間化合物からなるCu−In合金層(金属間化合物の含有量:100質量%)を用いる場合、Cu−In合金層中に下地めっき元素や素材元素であるNi、Co、Sn、Zn(亜鉛)、P(リン)、及びB(ホウ素)のいずれか1種又は2種以上を含むこともできる。
上記した硬質めっきの平均厚みは、0.05〜10μmであることが好ましい。
硬質めっきの平均厚みが0.05μm未満であると、下地めっきであるNi及び母材元素の拡散抑制効果が小さくなる。従って、望ましくは、0.1μm以上とするのがよい。
一方、硬質めっきの平均厚みが10μmを超えると、生産性を阻害させる。従って、望ましくは5μm以下とするのが良い。
表面めっき層は、In(インジウム及び不可避的不純物)で構成されることが好ましいが、表面めっき層中に、母材元素や下地めっきの元素、更には硬質めっきの元素が拡散して含まれる場合もある。
また、表面めっき層は、Inの代わりに、Inを主体とする合金めっきで構成することもできる。このIn合金めっきは、In含有量が40質量%以上(好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上)、100質量%未満であり、他は、Inの軟らかさを損なわない範囲で、添加元素及び不可避的不純物を含んでいる。
このように、接続用端子10は、下地めっき層12と表面めっき層14との間に、表面めっき層14よりも硬い硬質めっき層13が設けられている。このため、硬い硬質めっき層13の表面が、軟らかい表面めっき層14で覆われ、この表面めっき層14が接続用端子10の表面に露出した構成となり、硬質めっき層13と表面めっき層14の相乗効果で、接続用端子10の挿入力の低下が図れる。
ここで、表面めっき層をInで構成した場合に、Inのめっき厚さが摩擦係数μに及ぼす影響について、図3を参照しながら説明する。この図3で説明した接続用端子の試験片は、厚さ1μmのNiの下地めっき層(無光沢Niめっき)の上に、厚みの異なるCuのめっき層(0.1μm:◆、0.18μm:■、0.26μm:▲)と、Inのめっき層を順次形成し、これをリフロー処理して、Inの表面めっき層を形成したものである。なお、図3の横軸は、リフロー処理前のInのめっき厚みを示している。
図3に示すように、Inのめっき厚み(表面めっき層であるIn厚さとCu−In合金中のInの見かけの厚さの合計、以下同様)が厚くなると共に、試験片の摩擦係数が低下する傾向にあることが分かる。なお、前記した従来のSnめっき(リフロー処理済み)が設けられた端子の摩擦係数は、例えば0.5〜0.6程度であり、また、母材の表面に、Niめっき、Cuめっき、及びSnめっきを順次設けてリフロー処理した端子の摩擦係数は、例えば、0.4〜0.5程度である。
これら従来の端子の摩擦係数を考慮(目標値:摩擦係数0.4以下)すれば、Inの平均めっき厚みを0.4μm以上、更には0.45〜10μm(上限は、好ましくは5μm、更に好ましくは1.5μm)にすることが好ましい。ここで、Inのめっき厚みに上限を設けたのは、Inの使用量増加に伴う摩擦係数の低減効果が小さいことによる。
次に、表面めっき層であるIn厚さと摩擦係数の関係を、図4に示す。なお、図4の横軸は、リフロー処理後の最表層のIn厚さである(Cu−In合金層中の見かけのIn厚さは含まない)。
図4より、表面めっき層であるIn厚さは、0μmで摩擦係数が0.4〜0.5程度であるのに対し、In厚さを0.05μmとすることで、摩擦係数を0.38〜0.45まで低減できる。更に、摩擦係数の目標値0.4以下を考慮すると、表面めっき層であるIn厚さは、0.15μm以上が望ましい。なお、摩擦係数の目標値は、端子使用時の表面めっき層とその接触部との接触性等を考慮すれば、現実的には0.1以上であるのがよい。
続いて、硬質めっき層をCu−In合金で構成した場合に、端子材表面のEDX組成分析によるIn/Cuの質量比が摩擦係数μに及ぼす影響について、図5を参照しながら説明する。この図5は、図3の各試験片について、表面のIn/Cuの質量比を、EDX(エネルギー分散型X線分析法、加速電圧:10kV)を用いて分析し、摩擦係数とIn/Cuの質量比との関係に整理し直したものである。
図5に示すように、表面EDX組成分析で検出されるIn量が増加すると共に、摩擦係数が低下する傾向にあることが分かる。なお、上記した従来の端子の摩擦係数を考慮(目標値:摩擦係数0.4以下)すれば、Inの質量がCuの質量の0.8倍以上、更には1倍以上にすることが好ましい。
以上に示した構成の接続用端子を用い、その接触信頼性を評価した結果について、図6を参照しながら説明する。ここでは、160℃の大気雰囲気下において、1000時間までの所定時間の加熱を行い、その後、接続用端子の試験片に5Nの荷重をかけながら試験片を1Hzの摺動周波数(周期)で往復摺動させ、時間経過と接触抵抗との関係について評価した。
なお、使用した実施例1〜3の試験片は、0.9μmのNi下地めっき層の上に、0.18μmのCuめっき層と、厚みの異なるInのめっき層(0.7μm:◆、0.9μm:■、1.1μm:▲)を順次形成し、これをリフロー処理して、Cu−In合金の硬質めっき層の上にInの表面めっき層を形成したものである。また、図6には、前記した従来のSnめっき(リフロー処理済み)が設けられた比較例1の試験片(○)と、母材の表面に、Niめっき、Cuめっき、及びSnめっきを順次設けてリフロー処理した比較例2の試験片(●)の各接触抵抗も示している。
図6から明らかなように、実施例1〜3の各試験片は、160℃の雰囲気下において、いずれも1000時間まで、ほぼ一定(0.5mΩ)の接触抵抗を示しており、接触抵抗の上昇はみられなかった。
一方、比較例1の試験片は、時間の経過と共に、接触抵抗が増加する傾向にあった。これは、時間の経過と共に、母材元素であるCuがSnめっき中に拡散し、更にめっき表面にも拡散してCu−O酸化物を形成し、このCu−O酸化物が接触抵抗の増加をもたらしたことによる。
また、比較例2の試験片の接触抵抗は、比較例1よりは優れるものの、接触抵抗の大きさは実施例1〜3の試験片の1〜2倍程度であった。
以上のことから、実施例1〜3の試験片は、安定した電気的な接続信頼性を備えることが分かった。
そして、接続用端子を、例えば、メス端子に挿入した後、微摺動磨耗特性を評価した結果について、図7(A)、(B)を参照しながら説明する。ここでは、接続用端子の試験片に3Nの荷重をかけながら、試験片を摺動距離が50μm、摺動周波数が1Hzで往復摺動させ、摺動回数と接触抵抗との関係について評価した。
なお、使用した実施例の試験片は、0.9μmのNi下地めっき層の上に、0.18μmのCuめっき層と、0.9μmのInのめっき層を順次形成し、これをリフロー処理して、Cu−In合金の硬質めっき層の上にInの表面めっき層を形成したものである。また、図7(A)は、メス端子側に、前記した従来のSnめっき(リフロー処理済み)を設け、図7(B)は、メス端子側に、Niめっき、Cuめっき、及びSnめっきを順次設けてリフロー処理したものを使用した。
図7(A)では、同一種類の試験片を用いて3回試験を行い、図7(B)では、同一種類の試験片を用いて2回試験を行ったが、いずれも同様の挙動を示した。具体的には、摺動回数が30回を超えたあたりから接触抵抗の最初の増大が現れ、その後低下し、摺動回数が500回を超えたあたりから接触抵抗の次の増大が現れた。ここで、接触抵抗の最初の増大は最表層のめっき層の酸化の影響によるものであり、次の接触抵抗の増大は、めっきが剥がれて母材が露出し、母材であるCuが酸化したことによるものである。
上記した接触抵抗の挙動は、試験片に従来のSnめっき(リフロー処理済み)を設け、メス端子側に、Niめっき、Cuめっき、及びSnめっきを順次設けてリフロー処理したものを用いて、微摺動磨耗試験を行った場合と同様の挙動を示した。
以上のことから、実施例の試験片は、Snと同程度の微摺動磨耗特性を備えることが分かった。
続いて、本発明の一実施の形態に係る接続用端子10の製造方法について説明する。
まず、Cu又はCu合金からなる板材(素材)を、接続用端子10と同一形状にプレス加工することにより、母材11を形成する(以上、準備工程)。
次に、図2に示すように、母材11の端子嵌合部の表面に、Niめっきによる下地めっきを行い、Niめっき層15を形成する。なお、Niめっき層15の平均厚みは、10μm以下である(以上、Niめっき工程)。
そして、このNiめっき層15の表面にCuめっきを行い、Cuめっき層16を形成する。なお、Cuめっき層16の平均厚みは、例えば、0.03〜5μm程度である。ここで、Cuめっき層の厚みが0.03μm未満(特に、0.02μm程度)であり、下地めっき層にNiめっきを施した場合、Niの拡散により、合金層が急成長してしまい、更に加熱経時後の接触信頼性に悪影響を及ぼす。一方、Cuめっき層の厚みは、生産性の観点より5μm以下とするのがよい。
また、Niめっきを施さない場合は、Cuめっきを省略することもできる(以上、Cuめっき工程)。
更に、Cuめっき層16の表面に、InによるInめっきを行い、Inめっき層17を形成する。なお、Inめっき層17の平均厚みは、例えば、0.1〜10μm程度である(以上、Inめっき工程)。
以上に示した、各めっきは、電解めっきが好ましいが、無電解めっきや溶融めっきでもよい。
そして、上記したNiめっき層15、Cuめっき層16、及びInめっき層17が形成された母材11をリフロー処理する。この加熱方法には、例えば、熱風等による直接加熱、雰囲気加熱、又は高周波加熱等のいずれかの方法がある。
これにより、図1(A)、図2に示すように、母材11の端子嵌合部の表面に、Niの下地めっき層12、Cu−In合金の硬質めっき層13、及びInの表面めっき層14が順次設けられた接続用端子10を製造できる。なお、本端子をPCB端子として使用する場合、母材11の基盤接続部については、特に限定されるものではなく、例えば、Snめっき(はんだ付け時)やCu−Snの硬質めっき(プレスフィット時)がなされている。
ここで、めっき処理された母材11をリフロー処理する場合の加熱温度と加熱時間は、母材11の表面に、Niの下地めっき層12、Cu−In合金の硬質めっき層13、及びInの表面めっき層14が形成されれば、特に限定されるものではない(Cu−In合金の硬質めっき層を短時間で形成させるため、Inの融点156℃よりも高い加熱温度、例えば、220〜280℃程度で加熱するのがよい)。
以上のように、Niめっき層15の上に、Cuめっき層16とInめっき層17を形成し、これらを加熱して、Cu−In合金の硬質めっき層13を形成しているので、比較的簡便に、端子嵌合部に硬質めっき層13とInの表面めっき層14を形成できる。
なお、硬質めっき層と表面めっき層は、上記したように、めっき処理された母材を加熱して生成させるものに限定されるものではなく、例えば、図1(B)に示す接続用端子18のように、下地めっき層12の表面に合金の硬質めっき層19を形成させた後、表面めっき層20を形成させてもよい。また、リフロー処理等の加熱処理を施さない場合においても、常温域にて、Inめっき層中のInと、Cuめっき層中のCuは相互拡散して、金属間化合物層、即ち硬質めっき層を形成できる。
これにより、総挿入力の低減が図れ、更には安定した電気的な接続信頼性を備えることが可能な接続用端子を製造できる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の接続用端子を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
10:接続用端子、11:母材、12:下地めっき層、13:硬質めっき層、14:表面めっき層、15:Niめっき層、16:Cuめっき層、17:Inめっき層、18:接続用端子、19:硬質めっき層、20:表面めっき層

Claims (8)

  1. Cu又はCu合金からなる母材の表面に、In又はInを主体とする合金からなる表面めっき層が設けられ、該表面めっき層の下地に、該表面めっき層よりも硬い硬質めっき層が形成されていることを特徴とする接続用端子。
  2. 請求項1記載の接続用端子において、前記表面めっき層の平均厚みは0.05〜10μmであることを特徴とする接続用端子。
  3. 請求項1又は2記載の接続用端子において、前記硬質めっき層は、1)CuとInの金属間化合物、もしくは、2)Cu及びInに、更にNi、Co、Sn、Zn、P、及びBのいずれか1種又は2種以上を含む金属間化合物からなることを特徴とする接続用端子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続用端子において、前記硬質めっき層の平均厚みは0.05〜10μmであることを特徴とする接続用端子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続用端子において、前記硬質めっき層の下地に、Ni又はNi合金からなる下地めっき層を設けたことを特徴とする接続用端子。
  6. 請求項5記載の接続用端子において、前記下地めっき層の平均厚みは10μm以下であることを特徴とする接続用端子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の接続用端子において、前記表面めっき層は、電気めっき処理して、又は該電気めっき処理後にリフロー処理して形成されていることを特徴とする接続用端子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の接続用端子において、摩擦係数が0.1〜0.45であることを特徴とする接続用端子。
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