JP2005337052A - 送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる送風機を提供する。
【解決手段】 円形状の回転基板10aと、その周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼15と、これら翼15の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート10bとを有する遠心ファン10と、遠心ファン10が収納され、その軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口11が形成されるとともに、遠心ファン10の吸入した空気を内壁面に沿って、遠心ファン10の接線方向へ案内するケース13とを有する送風機において、各翼15、15間に、ファン回転方向X2に向けた複数の整流片17を、それぞれ翼幅方向Y2に略平行となるように設けるとともに、これら整流片17における空気の吐出口17b側に、空気の流入口17a側に向けた窪み部18を設けるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は送風機に関し、さらに詳しくは、車両用空調装置などに用いられるブロワーファンの低騒音化技術に関する。
従来、車両用空調装置などに用いられる送風機としては、図12に示すように、図示省略する回転軸方向(すなわち、紙面に対する直交方向)から吸入した空気を径外側方向へ吹き出す遠心ファン1を備えており、この遠心ファン1の矢印X1方向の回転に伴って空気を導入する吸入口2を有するとともに、前記遠心ファン1が吸入した空気を吹き出すために流通させる空気流路3を内壁に沿って形成してなる円筒容器状のケース4に、前記遠心ファン1を収納しているものが知られている。
このケース4には、ケース外周の接線方向に向けて空気流路3を外側に延在した筒状の吐出口5が形成されており、空気流路3が吐出口5に向けて略渦巻き状となっている(例えば特許文献1参照)。
そして、この場合、遠心ファン1の駆動源に連結される図示省略の円盤状の主板(後述する図14における主板1a参照)と、この主板の外周部に対向するリング状の側板(後述する図14における側板1b参照)との間における遠心ファン1の翼6の出口角度を、それぞれ所定の角度θ1、θ2に設定し、前記翼6の形状を最適化することによって、送風機の低騒音化を図っている。
また、他の送風機としては、図12との対応部分に同一符号を付した図13に示すように、ケース4の吐出口5近傍で遠心ファン1の外周とケース4の内周面との隙間が狭くなっている舌状の境界部(以下、これを舌部と称する)7近傍における遠心ファン1の内周部側に乱流を低減させる乱流抑制板8を配置することによって、舌部7近傍における逆流を低減させる構造(例えば特許文献2参照)や、図12との対応部分に同一符号を付した図14に示すように、遠心ファン1の主板1aと当該主板1aに対して平行に且つ同軸上に配置される側板1bとの間に、周方向に所定間隔を隔てて放射状に設けられた翼6、6間の隙間を狭くする(例えば特許文献3参照)、または図12との対応部分に同一符号を付した図15に示すように、前記主板1aと側板1bとの間に、これら主板1aおよび側板1bと平行に且つ同軸上に所定間隔を隔てて積層して設けられた翼6、6間の隙間を狭くする(例えば特許文献4参照)ことによって、騒音の原因と考えられる乱流を層流に変え、前記乱流に起因する騒音を低減させる構造などが提案されている。
特開平9−195988号公報(第3頁および第4頁、図2および図4) 特開平8−284894号公報(第3頁および第4頁、図1〜図3) 特開平8−284886号公報(第2頁、図1) 特開平7−310694号公報(第3頁および第4頁、図1および図2)
しかしながら、上述した技術では、いずれの場合でも送風機における騒音発生箇所が特定されていないことから、前記騒音を充分に抑制するには至らない未だ不十分な問題がある。
特に、特許文献1記載に係る送風機では、吐出口5へ送風する空気の流れを制御することは可能であるものの、吸入口2から前記回転軸方向へ吸い込む空気流に起因する騒音を抑制することが困難である。
また、前記特許文献2においては、乱流制御板8をケース4の吸入口2から内側へ突設しているため、この乱流制御板8と対向する遠心ファン1で実質的に空気の吸い込みに寄与しておらず、遠心ファン1の吸気効率が低下するという問題点がある。
さらに、特許文献3および4においては、流路を広く確保することが困難となることによって、風量が不足してしまうため、吸い込み障害で流量が低下したり、流れが偏流したり、吸い込み面積の減少に伴う流速の増加によって、逆に騒音の増大が起こるという不具合も懸念されている。
今回、本発明者は鋭意研究の結果、図16に示すように、翼間流入部6a、翼6、6間および翼間流出部6bにおいて、空気の流れ方向Z1に沿って流入した空気の2次流れによって発生する剥離渦等が、ファン回転方向X1に対して直交する翼幅方向Y1に乱れることが前記騒音を発生させる主原因であることを確認している。
また、上述のような遠心ファン1を用いた送風機では、流路の閉め切り部分となる舌部7をすり抜けて再循環する空気の流れが、翼6、6間の流れに作用して騒音を発生させていることもわかっている。
そして、遠心ファン1における騒音の発生は、前記翼6、6間における空気の流れ(翼間流れ)と、前記舌部7をすり抜けて再循環する空気の流れ(ユニット流れ)とが相互作用し、複雑な流れを形成することによって生じていることを知見した。
従って、前記翼6、6間の流路における前記翼幅方向Y1の剥離渦の乱れを制御することによって翼6、6間の乱れの絶対値を下げることが可能となれば、前記騒音を全体として低減させることができると考えられる。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる送風機を提供するものである。
上記目的を達成する請求項1の発明は、円形状の回転基板と、当該回転基板の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼と、これら多数の翼の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレートとを有する遠心ファンと、上記遠心ファンが収納され、当該遠心ファンの軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口が形成されるとともに、上記遠心ファンの吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファンの接線方向へ案内するケースとを有する送風機において、各上記翼間に、上記遠心ファンのファン回転方向に向けた複数の整流片を、それぞれ翼幅方向に略平行となるように設けるとともに、これら整流片における上記空気の吐出口側に、当該整流片における上記空気の流入口側に向けた窪み部を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の送風機であって、上記整流片の上記窪み部が、上記遠心ファンのファン回転方向に向けた凹凸部を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の送風機であって、上記整流片における上記空気の流入口側が、上記空気の流入方向に向けて傾斜したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の送風機であって、上記整流片における上記窪み部近傍に、上記翼幅方向に貫通した貫通孔が複数穿設されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の送風機であって、上記整流片における上記空気の流入口側に、上記翼幅方向に向けて貫通した貫通孔が複数穿設されたことを特徴とする。
上記目的を達成する請求項6の発明は、円形状の回転基板と、当該回転基板の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼と、これら多数の翼の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレートとを有する遠心ファンと、上記遠心ファンが収納され、当該遠心ファンの軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口が形成されるとともに、上記遠心ファンの吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファンの接線方向へ案内するケースとを有する送風機において、各上記翼間に、上記遠心ファンのファン回転方向に向けた複数の整流片を、それぞれ翼幅方向に略平行となるように設けるとともに、これら整流片における上記空気の吐出口側に、上記翼幅方向に向けて貫通した貫通孔が穿設されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、少なくとも請求項4から請求項6のいずれか1つに記載の送風機であって、上記複数の貫通孔が、それぞれ隣接する貫通孔同士連通した上記遠心ファンのファン回転方向に延長するスリットを形成したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の送風機であって、各上記翼の上記整流片における上記空気の吐出口側端部に、上記翼幅方向に向けたセレーションを設けたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の送風機であって、各上記翼の上記整流片における上記空気の流入口側端部に、上記翼幅方向に向けたセレーションを設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、各翼間に、それぞれ略平行となるように遠心ファンのファン回転方向に向けて延設された複数の整流片を設けたことにより、各翼間の流路を翼幅方向に区画して、空気の流入時に回転基板側に発生する揺動の増幅を抑えることができ、これに連動増幅していた翼間の流路に生じる剥離渦
の翼幅方向における乱れをセグメンテーション(分裂)化することができる。
従って、翼間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
また、これら整流片における空気の吐出口側に、空気の流入口側に向けた窪み部を設けたことにより、整流片の表側を流れる空気と裏側を流れる空気とにおいて、圧力が高い方から低い方へと空気を漏らし、これら空気の圧力差を予め緩和させておく(ぼかす)ことによって、翼間流路から流出する空気を分散させ、整流片の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができる。
しかも、各翼間に整流片を設けていることから、この整流片が翼の補強板としても作用するため、遠心ファンとしての剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼の厚みを限界まで薄くすることができる。従って、各翼間の流路を広げることができるとともに、多翼化にも対応することができるため、風量性能を格段と向上させることができる。
また、窪み部によって整流片の占有面積が減る分、材料費を抑えることもできる。
さらに、整流片を設けた際に、その板厚によって翼間の流路が狭められ、風量が低下するような場合においても、整流片の板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単に遠心ファンの径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本発明の送風機では、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、整流片に設けた窪み部が、遠心ファンのファン回転方向に向けた凹凸部を有することにより、当該窪み部における空気の流れをより一層細かく分散させ、整流片の表側を流れる空気と裏側を流れる空気との圧力差を効果的に緩和させておく(ぼかす)ことによって、翼間流路から流出する空気を十分に分散させ、整流片の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を確実に分散させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、整流片における空気の流入口側が、上記空気の流入方向に向けて傾斜したことにより、空気が整流片に対してより自然に斜め流入するため、流入した空気の2次流れによる剥離渦を確実に減少させることができ、整流片における整流効果を十分に発揮して騒音を抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、整流片における窪み部近傍に、翼幅方向に貫通した貫通孔が複数穿設されたことにより、圧力の高い空気が貫通孔を通過することによって圧力の低い空気側へと流出し、整流片表裏両面の圧力差を一段と緩和させ易くできる。従って、翼間流路から流出する空気をより一層分散させ、整流片の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を一段と確実に分散させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、整流片における空気の流入口側に、翼幅方向に向けて貫通した貫通孔が複数穿設されたことにより、翼幅方向における剥離渦のセグメンテーション化(隔壁作用)を確保しつつ、翼間の流路を拡げることができる。つまり、整流片における空気の流入口側端部にて溜まり易い翼間を流れる空気の主流を、整流片に設けられた貫通孔によって分散させ、翼に沿って翼間の奥まで流入させることができるため、この流入した空気の2次流れによる剥離渦の発生を減少させることができる。
これと同時に、整流片の裏面(翼幅方向における下方)側において生じ易い剥離流も分散させる(すなわち、整流片の表裏面における圧力差をぼかす)ことができるため、この裏面における空気の剥離を軽減し、当該剥離に伴う流路の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大を抑制することができる。
従って、翼間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、各翼間に、それぞれ略平行となるように遠心ファンのファン回転方向に向けて延設された複数の整流片を設けたことにより、各翼間の流路を翼幅方向に区画して、空気の流入時に回転基板側に発生する揺動の増幅を抑えることができ、これに連動増幅していた翼間の流路に生じる剥離渦の翼幅方向における乱れをセグメンテーション(分裂)化することができる。
従って、翼間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
また、これら整流片における空気の吐出口側に、翼幅方向に向けた貫通孔を穿設したことにより、整流片の表側を流れる空気と裏側を流れる空気とにおいて、圧力が高い方から低い方へと空気を漏らし、これら空気の圧力差を予め緩和させておく(ぼかす)ことによって、翼間流路から流出する空気を分散させ、整流片の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができる。
しかも、各翼間に整流片を設けていることから、この整流片が翼の補強板としても作用するため、遠心ファンとしての剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼の厚みを限界まで薄くすることができる。従って、各翼間の流路を広げることができるとともに、多翼化にも対応することができるため、風量性能を格段と向上させることができる。
また、窪み部によって整流片の占有面積が減る分、材料費を抑えることもできる。
さらに、整流片を設けた際に、その板厚によって翼間の流路が狭められ、風量が低下するような場合においても、整流片の板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単に遠心ファンの径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本発明の送風機では、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる。
請求項7に記載の発明によれば、複数の貫通孔が、それぞれ隣接する貫通孔同士連通した遠心ファンのファン回転方向に延長するスリットを形成したことにより、空気の流入口側スリットでは、空気が整流片における翼間いっぱいに穿設されたスリットを通過することによって、整流片表面の余分な空気を満遍なく整流片裏面へと流出させ、当該裏面において不足しがちな空気の流量を十分に補充することができる。従って、整流片裏面において生じ易い空気の2次流れによる剥離流も格段と分散され、貫通孔を複数穿設する場合に比べて、整流片の表裏両面を流れる空気の圧力差を、より一層緩和することができる。このため、整流片の裏面における空気の剥離を一段と軽減し、当該剥離に伴う流路の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大をより一層抑制することができる。
また、空気の吐出口側スリットでは、空気が整流片における翼間いっぱいに穿設されたスリットを通過することにより、整流片の表側と裏側とを流れるそれぞれの空気において、圧力が高い方から低い方へとスリットを介して空気を満遍なく漏らし、これら空気の圧力差を予め十分に緩和させておく(ぼかす)ことができる。従って、翼間の流路から流出する空気を十分に分散させ、整流片の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度をより一段と分散させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、各翼の整流片における空気の吐出口側端部に、翼幅方向に向けたセレーションを設けたことにより、翼間流路から吐出される空気を拡散させ、つまり、遠心ファンの外径を翼幅方向に複数に分割することができるため、等価的に仕事量を増加させることができる。
また、遠心ファンを収納するケースにおける空気の吐出口近傍で、遠心ファンの外周とケースの内周面との隙間が狭くなっている舌部近傍における翼との干渉がセレーションによって拡散されるため、この舌部に対して遠心ファンを近づけても干渉が弱められ、遠心ファンの外径を大きくしても干渉が強まらない。つまり、結果として等価的にケースに対して遠心ファンを大きくすることができ、この大きくした分、風量を増加させることができる。もしくは、風量が同じであれば、ファン回転数を上げることが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、各翼の整流片における空気の流入口側端部に、翼幅方向に向けたセレーションを設けたことにより、整流片へと流入する空気を、予め分散させておくことができるため、整流片における空気の流入口側端部にて主流1本にまとまり易い空気の流れを、より一層分散させ、翼に沿って翼間の奥まで流入させることができ、この流入した空気の2次流れによる剥離渦の発生を格段と減少させることができる。
これと同時に、整流片の裏面(翼幅方向における下方)側において生じ易い剥離流もより一層分散させる(すなわち、整流片の表裏面における圧力差をぼかす)ことができるため、この裏面における空気の剥離を一段と減少させ、当該剥離に伴う流路の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大を格段と抑制することができる。
従って、翼間の乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
以下、本発明に係る送風機の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、ここで説明する送風機は、例えば、車両用空調装置に用いられる。
〔第1の実施の形態〕
図1〜図3は、本発明に係る送風機の第1の実施の形態を示しており、図1は本実施の形態の送風機を部分的に断面を用いて示す斜視図、図2は図1における送風機の要部(遠心ファン)を示す断面図、図3は図2の遠心ファンの一部を拡大して示す斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の送風機は、円筒形状の遠心ファン10と、略円筒形状のケース13と、遠心ファン10を回転駆動する図示省略するモータとを備えて大略構成されている。
遠心ファン10は、ほぼ中央に略円錐状に盛り上がった凸部16を有する平面円形状の回転基板10aと、この回転基板10aの周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼15と、これら多数の翼15の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート10bとからなる遠心式の多翼ファンである。なお、回転基板10aにおける凸部16のほぼ中心部には、ケース13側に固定されたモータの駆動シャフト(図示省略する)が挿入固定されるシャフト挿入口16Aが形成されている。
ケース13には、遠心ファン10が収納され、遠心ファン10の図示省略する回転軸の一方側の側面に円形の吸入口11が形成されている。また、ケース13には、収納された遠心ファン10を取り囲むように狭い流路から漸次広い流路となる渦巻き状に1周回し、遠心ファン10の接線方向へ突出する空気流路12が形成されている。そして、このケース13は、前記空気流路12の端部から空気を吐出するための筒状の吐出口14が形成されており、空気流路12が吐出口14に向けて略渦巻き状となっている。
かかる構成に加えて、本実施の形態の場合、各翼15、15間には、遠心ファン10のファン回転方向X2(後述する図3参照)に向けて延設され、且つ隣同士がそれぞれ略平行(同一線上)となるように、複数の整流片17が設けられている。また、各翼15、15間で翼幅方向Y2(後述する図3参照)に隣接する整流片17、17同士は、それぞれファン回転方向X2に対して直交する翼幅方向Y2に略均一の間隔で略水平に設けられている。
これを別の見方をすると、翼15の翼長とほぼ同一或いは短い幅とされた円環状のディスク板を整流片17とし、この整流片17に各翼15を挿入させるスリットを形成し、そのスリットに各翼15を取り付けることで遠心ファン10に装着し、これら円環状をなす複数枚の整流片17を等間隔で翼幅方向に平行に取り付けた構成とされている。
さらに、整流片17は図3に示すように、各翼15、15間の流路を前記翼幅方向Y2に区画(分割)しており、その寸法(整流片17間距離)L1は、それぞれの整流片17における整流効果を十分に発揮させるために、隣り合う翼15、15間の寸法L2の6倍未満としている。
本実施の形態の場合、翼幅約80〔mm〕の送風機に、板厚2〔mm〕程度の整流片17を、各翼15、15間の流路において送風性能が低下しない様、翼幅方向Y2に等間隔に4枚配設した。なお、図1では、本実施の形態の遠心ファン10の構成を易くするために、ディスク板とした整流片17を3枚等間隔に配置した図としている。
そして、整流片17は、前記吸入口11から回転軸方向に向けて吸い込まれる(すなわち、整流片17における前記空気の流入口17aから空気の流入方向Z2に沿って吸い込まれる)空気によって、各翼15、15間と、翼間流入部である翼15の整流片17における空気の流入口17a側端部15a(以下、これを翼間流入部15aと称す)と、翼間流出部である翼15の整流片17における空気の吐出口17b側端部15b(以下、これを翼間流出部15bと称す)とにおいて発生する剥離渦(図3中空気の流入方向Z2の内側に太い矢印で示す)等が、前記翼幅方向Y2に乱れるのを阻止する隔壁作用を有するとともに、前記空気の流入時に回転基板10a側に発生する揺動の増幅を抑える。
従って、整流片17は、この揺動の増幅に連動して増幅していた各翼15、15間の流路に生じる剥離渦の翼幅方向Y2における乱れをセグメンテーション化(分裂)して阻止することにより、この翼15、15間の乱れを適宜制御することができ、この乱れの絶対値を下げることを可能とするのである。
かかる構成に加えて、本実施の形態の場合、整流片17における前記空気の吐出口17b側に、当該整流片17における空気の流入口17a側に向けた窪み部18が設けられている。この窪み部18は、例えば台形形状で形成され、整流片17の表側を流れる空気と裏側を流れる空気とにおいて、圧力が高い方から低い方へと空気を漏らす。これにより、これら空気の圧力差を予め緩和させておく(ぼかす)ことができるため、翼15、15間流路から流出する空気を分散させ、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができるようになっている。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15、15間に、遠心ファン10のファン回転方向X2に向けて延設された整流片17を、それぞれ略平行となるように複数設けたことにより、各翼15、15間の流路を翼幅方向Y2に区画して、空気の流入時に回転基板10a側に発生する揺動の増幅を抑えることができ、これに連動増幅していた翼15、15間の流路に生じる剥離渦の翼幅方向Y2における乱れをセグメンテーション化(分裂)することができる。
従って、翼15、15間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向Y2の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
また、これら整流片17における空気の吐出口17b側に、空気の流入口17a側に向けた窪み部18を設けたことにより、整流片17の表側を流れる空気と裏側を流れる空気とにおいて、圧力が高い方から低い方へと空気を漏らし、これら空気の圧力差を予め緩和させておく(ぼかす)ことによって、翼15、15間流路から流出する空気を分散させることができるため、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができる。
しかも、各翼15、15間に整流片17を設けていることから、この整流片17が翼15の補強板としても作用するため、遠心ファン10としての剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼15の厚みを限界まで薄くすることができる。従って、各翼15、15間の流路を広げることができるとともに、多翼化にも対応することができるため、風量性能を格段と向上させることができる。
また、窪み部18によって整流片17の占有面積が減る分、材料費を抑える(低コスト化を図る)こともできる。
さらに、整流片17を設けた際に、その板厚によって翼15、15間の流路が狭められ、風量が低下するような場合においても、整流片17の板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単に遠心ファン10の径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本実施の形態の送風機では、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる。
〔第2の実施の形態〕
図3との対応部分に同一符号を付して示す図4は、本発明にかかる送風機の第2の実施の形態を示し、整流片17における空気の吐出口17a側に、窪み部18に代わって翼幅方向Y2に貫通した貫通孔19Bが円周方向に複数穿設されている点を除いて、上述した第1の実施の形態における送風機とほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態の送風機と重複する部分の説明を省略する。
図4に示すように、本実施の形態の送風機は、整流片17における空気の吐出口17a側に、翼幅方向Y2に貫通した貫通孔19Bが円周方向に複数穿設されている。これにより、上述した第1の実施の形態と同様に整流片17の表側を流れる空気と裏側を流れる空気とにおいて、圧力が高い方から低い方へと空気を漏らす。これにより、これら空気の圧力差を予め緩和させておく(ぼかす)ことができるため、翼15、15間流路から流出する空気を分散させ、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができるようになっている。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15、15間に、遠心ファン10のファン回転方向X2に向けて延設された整流片17を、それぞれ略平行となるように複数設けたことにより、各翼15、15間の流路を翼幅方向Y2に区画して、空気の流入時に回転基板10a側に発生する揺動の増幅を抑えることができ、これに連動増幅していた翼15、15間の流路に生じる剥離渦(図4中空気の流入方向Z2の内側に太い矢印で示す)の翼幅方向Y2における乱れをセグメンテーション化(分裂)することができる。
従って、翼15、15間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向Y2の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
また、これら整流片17における空気の吐出口17b側に、翼幅方向Y2に貫通した貫通孔19Bを穿設したことにより、整流片17の表側を流れる空気と裏側を流れる空気とにおいて、貫通孔19Bを介して圧力が高い方から低い方へと空気を漏らし、これら空気の圧力差を予め緩和させておく(ぼかす)ことによって、翼15、15間流路から流出する空気を分散させることができるため、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができる。
しかも、各翼15、15間に整流片17を設けていることから、この整流片17が翼15の補強板としても作用するため、遠心ファン10としての剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼15の厚みを限界まで薄くすることができる。従って、各翼15、15間の流路を広げることができるとともに、多翼化にも対応することができるため、風量性能を格段と向上させることができる。
また、窪み部18によって整流片17の占有面積が減る分、材料費を抑える(低コスト化を図る)こともできる。
さらに、整流片17を設けた際に、その板厚によって翼15、15間の流路が狭められ、風量が低下するような場合においても、整流片17の板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単に遠心ファン10の径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本実施の形態の送風機では、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる。
なお、本実施の形態では、複数の貫通孔19Bを、整流片17に対し、ファン回転方向X2方向に沿って略直線となるように1列で設ける場合について図示し説明したが、本発明は勿論、これに限ることはなく、同様の貫通孔19Bの列をファン回転方向X2方向に沿って複数列で設けたり、貫通孔19Bを格子状に設けたりするようにしてもよい。この場合、貫通孔19Bをより多く穿設することができる分、整流片17の表裏両面の空気の圧力差を一段と緩和させ易くなり、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度の更なる分散化を期待することができる。
〔第3の実施の形態〕
図3との対応部分に同一符号を付して示す図5は、本発明にかかる送風機の第3の実施の形態を示し、整流片17における空気の吐出口17b側における窪み部18近傍に、翼幅方向Y2に貫通した貫通孔19Bが複数穿設されている点を除いて、上述した第1の実施の形態における送風機とほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態の送風機と重複する部分の説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態の送風機は、整流片17の窪み部18近傍に、翼幅方向Y2に貫通した貫通孔19Bが複数穿設されている。これにより、整流片17の表側を流れる空気と裏側を流れる空気とにおいて、窪み部18に加えて貫通孔19Bを介して圧力が高い方から低い方へと空気を漏らし、これら空気の圧力差を予め十分に緩和させておく(ぼかす)ことによって、翼15、15間流路から流出する空気をより一段と分散させることができるため、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を格段と分散させることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、整流片17における窪み部18近傍に、翼幅方向Y2に貫通した貫通孔19Bが複数穿設されたことにより、整流片17の表側を流れる空気と裏側を流れる空気とにおいて、窪み部18に加えて貫通孔19Bを介して圧力が高い方から低い方へと空気を漏らし、これら空気の圧力差を予め十分に緩和させておく(ぼかす)ことによって、翼15、15間流路から流出する空気をより一段と分散させることができるため、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を格段と分散させることができる。
勿論、本実施の形態においても、整流片17における空気の流入口17a側に、翼幅方向Y2に向けて貫通した貫通孔19Aを複数穿設するようにしてもよい。
この場合、上述した効果に加えて、翼幅方向Y2における剥離渦(図5中空気の流入方向Z2の内側に太い矢印で示す)のセグメンテーション化(隔壁作用)を確保しつつ、翼15、15間の流路を物理的・理論的に拡げることができる。
つまり、整流片17における空気の流入口17a側の端部に溜まり易い翼15、15間を流れる空気の主流を、整流片17に設けられた貫通孔19Aによって分散させ、翼15、15間の奥まで流入させることができるため、この流入した空気の2次流れによる剥離渦を減少させることができる。
これと同時に、空気の流入方向Z2に沿って流入する空気が貫通孔19Aを通過することによって、整流片17の表面の余分な空気が整流片17の裏面(翼幅方向Y2における下方)側へと流れ出て、当該裏面において不足しがちな空気の流量を補充することができる。
これにより、整流片17の裏面において生じ易い空気の2次流れによる剥離流も分散させる(すなわち、整流片17の表裏面における圧力差をぼかす)ことができるため、この裏面における空気の剥離を軽減し、当該剥離に伴う流路の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大を抑制することができる。
従って、翼15、15間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向Y2の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した各実施の形態においては、各翼15、15間で隣接する整流片17、17同士は、それぞれ翼幅方向Y2に略均一の間隔で略水平に設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、ファン回転方向X2に隣接する整流片17、17の位置や、翼幅方向Y2に隣接する整流片17、17の間隔は、適宜変更してもよい(すなわち、ファン回転方向X2に隣接する整流片17、17の位置がオフセットされていたり、翼幅方向Y2に隣接する整流片17、17の間隔が不均一である場合にも適用可能である)。
また、上述した第2および第3の実施の形態においては、整流片17に複数の貫通孔19Aまたは19Bが穿設される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、図5との対応部分に同一符号を付した図6に示すように、複数の貫通孔19A、19B(図5参照)が、それぞれ隣接する貫通孔同士連通した遠心ファン10のファン回転方向X2に延長するスリット20A、20Bを形成するようにしてもよい。
このように、整流片17にスリット20Aを設けた場合、空気が整流片17における翼15、15間いっぱいに穿設されたスリット20Aを通過することによって、整流片17の表面の余分な空気を満遍なく整流片17の裏面へと流出させ、当該裏面において不足しがちな空気の流量を十分に補充することができる。また、整流片17にスリット20Bを設けた場合、空気が整流片17における翼15、15間いっぱいに穿設されたスリット20Bを通過することにより、整流片17の表側と裏側とを流れるそれぞれの空気において、圧力が高い方から低い方へと貫通孔19Bを介して空気を満遍なく漏らし、これら空気の圧力差を予め十分に緩和させておく(ぼかす)ことができる。
従って、前者(スリット20A)では、整流片17の裏面において生じ易い空気の2次流れによる剥離流(図6中空気の流入方向Z2の内側に太い矢印で示す)も格段と分散され、貫通孔19Aを複数穿設する場合に比べて、整流片17の表裏両面を流れる空気の圧力差を、より一層緩和することができる。このため、整流片17の裏面における空気の剥離を一段と軽減し、当該剥離に伴う流路の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大をより一層抑制することができる。
また、後者(スリット20B)では、翼15、15間の流路から流出する空気を十分に分散させ、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度をより一段と分散させることができる。
さらに、上述した第1の実施の形態においては、単に整流片17における空気の吐出口17b側に窪み部18を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、図3との対応部分に同一符号を付した図7に示すように、前記窪み部18が設けられた整流片17における空気の流入口17a側に、翼幅方向Y2に貫通した貫通孔19Aを、前記ファン回転方向X2に沿って直線的に複数穿設するようにしてもよい。
この場合、上述した第1の実施の形態の効果に加えて、翼幅方向Y2における剥離渦(図7中空気の流入方向Z2の内側に太い矢印で示す)のセグメンテーション化(隔壁作用)を確保しつつ、翼15、15間の流路を物理的・理論的に拡げることができる。つまり、整流片17における空気の流入口17a側の端部に溜まり易い翼15、15間を流れる空気の主流を、整流片17に設けられた貫通孔19Aによって分散させ、翼15、15間の奥まで流入させることができるため、この流入した空気の2次流れによる剥離渦を減少させることができる。
これと同時に、空気の流入方向Z2に沿って流入する空気が貫通孔19Aを通過することによって、整流片17の表面の余分な空気が整流片17の裏面(翼幅方向Y2における下方)側へと流れ出て、当該裏面において不足しがちな空気の流量を補充することができる。
これにより、整流片17の裏面において生じ易い空気の2次流れによる剥離流も分散させる(すなわち、整流片17の表裏面における圧力差をぼかす)ことができるため、この裏面における空気の剥離を軽減し、当該剥離に伴う流路の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大を抑制することができる。
従って、翼15、15間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向Y2の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
さらに、上述した第1および第3の実施の形態においては、整流片17に設けられた窪み部18が台形形状で形成される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、窪み部18の形状としては、この他様々な形状を適用することができる。例えば、図3との対応部分に同一符号を付した図8に示すように、窪み部18として、遠心ファン10のファン回転方向X2に向けた波型形状からなる凹凸部21を有する形状を適用するようにしてもよい。この場合、窪み部18における空気の流れ、すなわち、翼15、15間の流路から吐出する空気の流れを凹凸部21によってより一層細かく拡散させ、整流片17の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度の更なる分散効果を期待することができる。
さらに、この他、例えば図3との対応部分に同一符号を付した図9に示すように、整流片17における空気の流入口17a側を、空気の流入方向Z2に向けて傾斜させるようにしてもよい。これにより、空気が整流片17に対してより自然に斜め流入するため、流入した空気の2次流れによる剥離渦(図9中空気の流入方向Z2の内側に太い矢印で示す)を確実に減少させることができ、整流片における整流効果を十分に発揮して騒音を抑制することができる。なお、この場合、勿論、整流片17の空気の吐出口17b側に窪み部18に代えて貫通孔19Bが設けられる上述の第2の実施の形態や、窪み部18と貫通孔19Bとがともに設けられる上述の第3の実施の形態についても同様に適用可能である。
さらに、上述した各実施の形態に加えて、図3との対応部分に同一符号を付した図10に示すように、各翼15の翼間流出部15bに、翼幅方向Y2に向けたセレーション(翼端縁に形成した鋸歯形状の突起)23を設けたことにより、翼15、15間の流路から吐出される空気を拡散させ、つまり、遠心ファン10の外径を翼幅方向Y2に複数に分割することができるため、等価的に仕事量を増加させることができる。
また、遠心ファン10を収納するケース13(図1参照)における空気の吐出口14近傍で、遠心ファン10の外周とケース13の内周面との隙間が狭くなっている舌部近傍における翼15との干渉がセレーション23によって拡散されるため、この舌部に対して遠心ファン10を近づけても干渉が弱められ、遠心ファン10の外径を大きくしても干渉が強まらない。つまり、結果として等価的にケース13に対して遠心ファン10を大きくすることができ、この大きくした分、風量を増加させることができる。もしくは、風量が同じであれば、ファン回転数を上げることが可能となる利点を得ることができる。
さらに、上述した各実施の形態に加えて、図3との対応部分に同一符号を付した図11に示すように、各翼15の翼間流入部15aに、翼幅方向Y2に向けたセレーション22を設けるようにしてもよい。これにより、整流片17へと流入する空気を、予め分散させておくことができるため、整流片17における空気の流入口17a側の端部にて主流1本にまとまり易い空気の流れを、より一層分散させ、翼15に沿って翼15、15間の奥まで流入させることができ、この流入した空気の2次流れによる剥離渦(図11中空気の流入方向Z2の内側に太い矢印で示す)の発生を格段と減少させることができる。
これと同時に、整流片17の裏面(翼幅方向Y2における下方)側において生じ易い剥離流もより一層分散させる(すなわち、整流片17の表裏面における圧力差をぼかす)ことができるため、この裏面における空気の剥離を一段と減少させ、当該剥離に伴う流路の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大を格段と抑制することができる。
従って、翼15、15間の乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、整流片本来の機能である翼幅方向の揺動抑止による騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
本発明に係る送風機の第1の実施の形態を示す斜視図である。 本実施の形態に係る送風機の遠心ファンを示す部分的断面図である。 図1における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る第2の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る第3の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 従来の送風機の形態を示す正面図である。 従来の他の送風機の形態を示す正面図である。 従来の他の送風機の形態を示す要部斜視図である。 従来の他の送風機の形態を示す断面図である。 従来の送風機における空気流れの説明に供する要部拡大斜視図である。
符号の説明
10…遠心ファン
10a…回転基板
10b…翼連結プレート
11…吸入口
12…空気流路
13…ケース
15…翼
15a…翼間流入部(空気の流入口側端部)
15b…翼間流出部(空気の吐出口側端部)
17…整流片
17a…空気の流入口
17b…空気の吐出口
17c…貫通孔
18…窪み部
19A、19B…貫通孔
20A、20B…スリット
21…凹凸部
22、23…セレーション
X2…ファン回転方向
Y2…翼幅方向
Z2…空気の流入方向

Claims (9)

  1. 円形状の回転基板(10a)と、当該回転基板(10a)の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼(15)と、これら多数の翼(15)の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート(10b)とを有する遠心ファン(10)と、
    上記遠心ファン(10)が収納され、当該遠心ファン(10)の軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口(11)が形成されるとともに、上記遠心ファン(10)の吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファン(10)の接線方向へ案内するケース(13)とを有する送風機において、
    各上記翼(15),(15)間に、上記遠心ファン(10)のファン回転方向(X2)に向けた複数の整流片(17)を、それぞれ翼幅方向(Y2)に略平行となるように設けるとともに、これら整流片(17)における上記空気の吐出口(17b)側に、当該整流片(17)における上記空気の流入口(17a)側に向けた窪み部(18)を設けた
    ことを特徴とする送風機。
  2. 請求項1に記載の送風機であって、
    上記整流片(17)の上記窪み部(18)が、上記遠心ファン(10)のファン回転方向(X2)に向けた凹凸部(21)を有する
    ことを特徴とする送風機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の送風機であって、
    上記整流片(17)における上記空気の流入口(17a)側が、上記空気の流入方向(Z2)に向けて傾斜した
    ことを特徴とする送風機。
  4. 少なくとも請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の送風機であって、
    上記整流片(17)における上記窪み部(18)近傍に、上記翼幅方向(Y2)に貫通した貫通孔(19B)が複数穿設された
    ことを特徴とする送風機。
  5. 少なくとも請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の送風機であって、
    上記整流片(17)における上記空気の流入口(17a)側に、上記翼幅方向(Y2)に向けて貫通した貫通孔(19A)が複数穿設された
    ことを特徴とする送風機。
  6. 円形状の回転基板(10a)と、当該回転基板(10a)の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼(15)と、これら多数の翼(15)の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート(10b)とを有する遠心ファン(10)と、
    上記遠心ファン(10)が収納され、当該遠心ファン(10)の軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口(11)が形成されるとともに、上記遠心ファン(10)の吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファン(10)の接線方向へ案内するケース(13)とを有する送風機において、
    各上記翼(15),(15)間に、上記遠心ファン(10)のファン回転方向(X2)に向けた複数の整流片(17)を、それぞれ翼幅方向(Y2)に略平行となるように設けるとともに、これら整流片(17)における上記空気の吐出口(17b)側に、上記翼幅方向(Y2)に向けて貫通した貫通孔(19B)が穿設された
    ことを特徴とする送風機。
  7. 少なくとも請求項4から請求項6のいずれか1つに記載の送風機であって、
    上記複数の貫通孔(19A)、(19B)が、それぞれ隣接する貫通孔(19A),(19A)、(19B),(19B)同士連通した上記遠心ファン(10)のファン回転方向(X2)に延長するスリット(20A)、(20B)を形成した
    ことを特徴とする送風機。
  8. 少なくとも請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の送風機であって、
    各上記翼(15)の上記整流片(17)における上記空気の吐出口(17b)側端部(15b)に、上記翼幅方向(Y2)に向けたセレーション(23)を設けた
    ことを特徴とする送風機。
  9. 少なくとも請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の送風機であって、
    各上記翼(15)の上記整流片(17)における上記空気の流入口(17a)側端部(15a)に、上記翼幅方向(Y2)に向けたセレーション(22)を設けた
    ことを特徴とする送風機。
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