JP2010090835A - 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機 - Google Patents

多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機 Download PDF

Info

Publication number
JP2010090835A
JP2010090835A JP2008262769A JP2008262769A JP2010090835A JP 2010090835 A JP2010090835 A JP 2010090835A JP 2008262769 A JP2008262769 A JP 2008262769A JP 2008262769 A JP2008262769 A JP 2008262769A JP 2010090835 A JP2010090835 A JP 2010090835A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hub
blade
impeller
shroud
centrifugal fan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008262769A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5145188B2 (ja
Inventor
Seiji Sato
誠司 佐藤
Takeshi Eguchi
剛 江口
Atsushi Suzuki
敦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2008262769A priority Critical patent/JP5145188B2/ja
Publication of JP2010090835A publication Critical patent/JP2010090835A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5145188B2 publication Critical patent/JP5145188B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Air-Conditioning Room Units, And Self-Contained Units In General (AREA)

Abstract

【課題】ハブおよびブレードの形状の工夫により、簡単な構成で高性能化、高効率化および低騒音化を可能とした多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機を提供することを目的とする。
【解決手段】ハブ13、ブレード12、およびシュラウド14を有する羽根車11と、該羽根車11を軸支するケーシング2とを備えた多翼遠心ファン1において、羽根車11の子午面断面におけるハブ13の外周部側の断面が、ブレード12のシュラウド14側端部の後縁付近を中心Φ1とする円弧を含む曲面形状13Bとされているとともに、複数枚のブレード12列のハブ13付近の内径がシュラウド14付近の内径よりも小さく、かつブレード12の前縁がハブ13に滑らかに接するようにシュラウド14側からハブ13との接続箇所に向って滑らかな凹状曲線12Aとされ、その接続箇所の接線が回転中心Φ2に向って吸い込み側に傾斜された形状とされている。
【選択図】図4

Description

本発明は、建物、自動車等の空気調和機に好適に適用できる多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機に関するものである。
シロッコファンと称されている多翼遠心ファンは、ハブと、該ハブの外周部に放射状に配列された複数枚のブレード(翼または羽根とも称される。)と、このブレードの前記ハブと対向する端部側に設けられた環状のシュラウドとを有する羽根車を備えている。ブレードの軸方向に直交する方向の横断面形状は、軸方向にほぼ一様とされている、いわゆる2次元形状が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
一方、多翼遠心ファンとしてファン性能を重視したものの中には、高性能化、高効率化あるいは低騒音化のために、ブレードを回転方向にスキューさせるように構成した多翼遠心ファンや、ブレードにインジューサを設けることによって、ブレードの翼弦長を軸方向に変化させるように構成した多翼遠心ファン(例えば、特許文献2,3参照)等が提案されている。
特許第3843893号公報 特開2000−240590号公報 特開2005−30349号公報
多翼遠心ファンの場合、軸方向に吸い込んだ空気を遠心方向に向きを変えるため、特に吸い込み口の外縁付近から吸い込まれた気流は、慣性力によって曲がりきれず、羽根車内部では、ややハブ側に偏った流れとなり易い。その結果、ブレードの吸い込み口に近いシュラウド側の端部は有効に機能せず、送風効率の低下をもたらすとともに、羽根車の吹き出し側では気流が偏った高速噴流となるため、二次流れによる騒音増大の要因になるという問題があった。
また、上記した問題の解決手段として、ブレードを軸方向に向けて回転方向にスキューさせた構成の採用が考えられているが、羽根車を樹脂材によって射出成形することが困難となるため、製造コストが増大するという難点があった。さらに、ハブ側でのブレード内径を小さくして翼弦長を長くするように構成したファンも提案されているが、単にハブ側のブレード内径を小さくして翼弦長を長くしも、羽根車中央のハブ面付近に気流が到達し難いという問題は改善できず、このため、ブレード全体が有効に利用されず無駄な領域が生じ、その分羽根車が重くなることで効率の低下を招くという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ハブおよびブレードの形状の工夫により、簡単な構成で高性能化、高効率化および低騒音化を可能とした多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる多翼遠心ファンは、中央部が吸い込み側に凸形状とされたハブ、該ハブの外周部に放射状に配列された複数枚のブレード、および前記ブレードの前記ハブと対向する端部側に設けられた環状のシュラウドを有する羽根車と、該羽根車を軸支し、側面に設けられている吸い込み口から吸い込んだ空気を円周方向に吹き出すケーシングとを備えた多翼遠心ファンにおいて、前記羽根車の子午面断面における前記ハブの外周部側の断面が、前記ブレードのシュラウド側端部の後縁付近を中心とする円弧を含む曲面形状とされているとともに、前記複数枚のブレード列の前記ハブ付近の内径が前記シュラウド付近の内径よりも小さく、かつ前記ブレードの前縁が前記ハブに滑らかに接するように前記シュラウド側から前記ハブとの接続箇所に向って滑らかな凹状曲線とされ、前記接続箇所の接線が回転中心に向って吸い込み側に傾斜された形状とされていることを特徴とする。
多翼遠心ファンでは、軸方向に吸い込まれた空気流が羽根車により遠心方向に向きが変えられるため、吸い込み口付近では気流が慣性力により曲がりきれず、また、ハブ面付近には気流が到達し難いという傾向があった。その結果、羽根車内部では、気流が軸方向中央部よりもややハブ側に偏った流れとなり易く、ブレード全体が有効に利用されず、送風効率が低下されるとともに、羽根車から吹き出される気流が偏った位置において高速噴流となり、二次流れによる騒音増大の要因となっていた。しかるに、本発明によれば、羽根車の子午面断面におけるハブの外周部側の断面が、ブレードのシュラウド側端部の後縁付近を中心とする円弧を含む曲面形状とされているとともに、複数枚のブレード列のハブ付近の内径がシュラウド付近の内径よりも小さく、かつブレードの前縁がハブに滑らかに接するようにシュラウド側からハブとの接続箇所に向って滑らかな凹状曲線とされ、接続箇所の接線が回転中心に向って吸い込み側に傾斜された形状とされているため、流線に直角な断面の流路面積を羽根車の入り口側から出口側にかけて滑らかに増大させることによって、静圧を安定的に回復させることができる。また、ハブが吸い込み気流の方向を軸方向から遠心方向へと滑らかに偏向させるガイドとして機能されることにより、羽根車内部での気流の流動損失を低減することができる。更に、ブレードのハブ付近での軸方向高さが回転中心に向って漸次小さくされることにより、気流をスムーズにブレード間へと流入させることができ、ハブ面付近での速度欠損を抑制することができる。加えて、ブレードの翼弦長がハブ側において長くされることによって、ハブ側付近でのブレード間圧力が増大され、ブレード間においてハブ側からシュラウド側に向い軸方向に圧力勾配が形成されるため、シュラウド側での気流が増大しブレード全体を有効に機能させ、吹き出し気流をブレードの軸方向において均一化することができる。これらによって、多翼遠心ファンの高性能化、高効率化および低騒音化を図ることができる。
さらに、本発明の多翼遠心ファンは、上記の多翼遠心ファンにおいて、前記ブレードの前縁は、前記ハブに接続される前記接続箇所付近において、前記前縁が後縁側に向って反回転方向側に位置されるように後退されていることを特徴とする。
本発明によれば、ブレードの前縁は、ハブに接続される接続箇所付近において、前縁が後縁側に向って反回転方向側に位置されるように後退されているため、吸い込み気流を所謂後退翼とされている部分に沿って滑らかにブレード間へと流入させることができるとともに、この後退翼とされている部分では遠心方向成分が大きいことから、ブレード自身により静圧を増大させることができる。これにより、ハブ側付近でのブレード間圧力が更に増大され、ブレード間においてハブ側からシュラウド側に向って軸方向に形成される圧力勾配をより大きくすることができる。この結果、吹き出し気流をブレードの軸方向で更に均一化することができ、多翼遠心ファンを一段と高効率化、低騒音化することができる。
さらに、本発明の多翼遠心ファンは、上述のいずれかの多翼遠心ファンにおいて、前記羽根車の円形状をなす吸い込み流路から円筒状をなす吹き出し流路に至る流路断面積が、吸い込み流路側から吹き出し流路側にかけて漸次増大されているとともに、前記吹き出し流路の面積が前記吸い込み流路の面積の略1.5倍ないし4倍とされていることを特徴とする。
本発明によれば、羽根車の円形状をなす吸い込み流路から円筒状をなす吹き出し流路に至る流路断面積が、吸い込み流路側から吹き出し流路側にかけて漸次増大されているとともに、前記吹き出し流路の面積が前記吸い込み流路の面積の略1.5倍ないし4倍とされているため、羽根車内の流路断面積が、吸い込み側から吹き出し側にかけて急拡大されることがなく、緩やかに漸増されるようになる。これにより、羽根車内で気流の速度を徐々に落としながら速度エネルギー(動圧)を静圧に変換し、緩やかに静圧を回復させることができ、従って、送風性能を向上することができる。
さらに、本発明の多翼遠心ファンは、上述のいずれかの多翼遠心ファンにおいて、前記羽根車の子午面断面において、前記ブレードのシュラウド側端部の後縁を通る直線上の前記シュラウド側端部からファン回転軸あるいは前記ハブに至る線分の長さLは、前記線分Lが前記ファン回転軸に対して直角な状態をΘ=0°、前記ファン回転軸に対して平行な状態をΘ=90°としたとき、下記式を満たしていることを特徴とする。
L=LΘ=0*(1+n*Θ/90)
ただし、n=−0.3〜+0.5であり、LΘ=0は、Θ=0°におけるLである。
本発明によれば、羽根車の子午面断面において、ブレードのシュラウド側端部の後縁を通る直線上のシュラウド側端部からファン回転軸あるいはハブに至る線分の長さLは、その線分Lがファン回転軸に対して直角な状態をΘ=0°、ファン回転軸に対して平行な状態をΘ=90°としたとき、
L=LΘ=0*(1+n*Θ/90)
ただし、n=−0.3〜+0.5であり、LΘ=0は、Θ=0°におけるLである。
の式を満たしているため、羽根車内の流路断面積が、吸い込み側から吹き出し側にかけて急拡大されることがなく、緩やかに漸増されるようになる。これにより、羽根車内で気流の速度を徐々に落としながら速度エネルギー(動圧)を静圧に変換し、緩やかに静圧を回復させることが可能となる。従って、送風性能の向上を図ることができる。
さらに、本発明にかかる空気調和機は、空気送風用ファンとして、上述のいずれかに記載された多翼遠心ファンが搭載されていることを特徴とする。
本発明によれば、空気調和機に搭載される空気送風用のファンが、上述のいずれかに記載された多翼遠心ファンとされているため、上述の如く高性能化、高効率化および低騒音化された多翼遠心ファンを搭載することにより、該多翼遠心ファンが搭載された空気調和機を同様に高性能化、高効率化および低騒音化することができる。
本発明の多翼遠心ファンによると、流線に直角な断面の流路面積を羽根車の入り口側から出口側にかけて滑らかに増大させることによって、静圧を安定的に回復させることができる。また、ハブが吸い込み気流の方向を軸方向から遠心方向へと滑らかに偏向させるガイドとして機能されることにより、羽根車内部での気流の流動損失を低減することができる。更に、ブレードのハブ付近での軸方向高さが回転中心に向って漸次小さくされることにより、気流をスムーズにブレード間へと流入させることができ、ハブ面付近での速度欠損を抑制することができる。加えて、ブレードの翼弦長がハブ側において長くされることによって、ハブ側付近でのブレード間圧力が増大され、ブレード間においてハブ側からシュラウド側に向い軸方向に圧力勾配が形成されるため、シュラウド側での気流が増大しブレード全体を有効に機能させ、吹き出し気流をブレードの軸方向において均一化することができることから、多翼遠心ファンの高性能化、高効率化および低騒音化を図ることができる。
また、本発明の空気調和機によると、上述の如く高性能化、高効率化および低騒音化された多翼遠心ファンを搭載することにより、該多翼遠心ファンが搭載された空気調和機を同様に高性能化、高効率化および低騒音化することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る多翼遠心ファンの斜視図が示され、図2には、その縦断面図、図3には、その羽根車の平面視図、図4には、羽根車の子午面断面図(回転軸線を通る縦断面図)が示され、さらに図5には、ブレードの軸方向に直交する方向の横断面図が示されている。
多翼遠心ファン1は、スクロール形状の樹脂材製ケーシング2を備えている。
ケーシング2は、上側面3、下側面4、および外周面5から構成され、舌部6を基点として渦巻き形状に形成されている。ケーシング2の上側面3には、ベルマウス7を有する空気吸い込み口8が設けられており、また、舌部6の上流側から接線方向に向け吹き出し口9が延長されている。このケーシング2の内部には、多数のブレード12を備えた羽根車11が、下側面4側に設置されているモータ10の回転軸10Aを介して回転自在に支持されている。
羽根車11は、中央部が吸い込み口8側に凸形状とされたお椀形のハブ13と、このハブ13の外周部に放射状に配列された複数枚のブレード12と、該ブレード12のハブ13と対向する端部側に設けられた環状のシュラウド14とから構成されており、ハブ13の中心部に設けられているボス部13Aが、モータ10の回転軸10Aに取り付けられることにより、該モータ10を介して矢印N方向(図3参照)に回転駆動されるようになっている。
羽根車11のシュラウド14は、吸い込み口8の外縁に設けられているベルマウス7と所定の隙間を有して対向するように配設され、軸方向の断面形状が吸い込み口8から径外方向に向けて転向する空気流Fに沿うような形状とされている。また、ハブ13は、中央部が吸い込み口8側に凸形状とされたお椀形構成とされている。このハブ13の少なくとも外周部側の断面は、図4に示されるように、羽根車11の子午面断面において、ブレード12のシュラウド側端部の後縁付近を中心Φ1とする半径Rの円弧を含む曲面形状13Bとされている。
さらに、ブレード12は、軸方向の中央部よりもシュラウド14側のほぼ半分が、前縁と後縁とが略平行なブレード形状とされている。また、軸方向の中央部よりもハブ13側のほぼ半分は、前縁が羽根車11の内径側に徐々に張出されることにより、複数枚のブレード12列のハブ13側付近の内径がシュラウド14側付近の内径よりも小さくされ、かつブレード12の前縁が、ハブ13側の半径Rの円弧を含む曲面に対して滑らかに接続されるように、シュラウド14側からハブ13との接続箇所に向って滑らかな凹状曲線12Aとされており、これによって、接続箇所の接線が回転中心Φ2に向って吸い込み口8側に傾斜されたブレード形状とされている。
また、ブレード12は、図3および図5に示されるように、軸方向に直交する方向の横断面において、軸方向の中央部よりも外周側(後縁側)は、後縁が内周側に向い回転方向Nの前方側に位置されるように構成された、一般的な前進翼部12Bとされている。これに対して、軸方向の中央部よりも内周側(前縁側)は、ハブ13に接続された接続箇所付近において、前縁が外周側(後縁側)に向って回転方向Nの後方側に位置されるように後退された、いわゆる後退翼部12Cとされ、両者間が滑らかな接続部12Dによって接続された構成とされている。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
モータ10の駆動により羽根車11が回転されると、吸い込み口8から軸方向に吸い込まれる空気流Fは、羽根車11内で遠心方向に向きを変えられながら昇圧され、各ブレード12の後縁から羽根車11の接線方向に向けて渦巻き形状のケーシング2内へと吹き出される。この吹き出し空気流Fは、ケーシング2の内面に沿って昇圧されながら吹き出し口9側へと導かれ、吹き出し口9から外部へと送風される。
ここで、本実施形態の係る多翼遠心ファン1では、羽根車11の子午面断面におけるハブ13の外周部側の断面が、ブレード12のシュラウド14側端部の後縁付近を中心Φ1とする円弧を含む曲面形状13Bとされているため、空気流Fの流線に直角な断面の流路面積を羽根車11の入り口側から出口側にかけて滑らかに増大させることができ、これによって、静圧を安定的に回復させることができる。また、外周部側が円弧を含む曲面形状13Bとされたハブ13を、吸い込み空気流Fを軸方向から遠心方向へと滑らかに偏向させるガイドとして機能されることができるため、羽根車11内での空気流Fの流動損失を低減することができる。
また、ハブ13が上記の如く曲面形状13Bを有する形状とされるとともに、複数枚のブレード12列のハブ13付近の内径がシュラウド14付近の内径よりも小さく、かつブレード12の前縁がハブ13に滑らかに接するようにシュラウド14側からハブ13との接続箇所に向って滑らかな凹状曲線12Aとされ、接続箇所の接線が回転中心Φ2に向って吸い込み側に傾斜された形状とされているため、ブレード12のハブ13付近での軸方向高さが、回転中心Φ2に向って漸次小さくされるようになる。これによって、ブレード12の前縁が羽根車11の内径側に張出すことによりブレード12列の内径部が詰まった状態となっても、空気流Fをスムーズにブレード12間へと流入させることができ、ハブ13面付近での速度欠損を抑制することができる。
加えて、ブレード12の翼弦長がハブ13側において長くされた構成とされることによって、ブレード12上での等圧線Tは、図6に示されるように、ハブ13側付近でのブレード12間圧力が増大され、軸方向に対して湾曲された状態となる。このため、軸方向に見たとき、ブレード12間においてハブ13側からシュラウド14側に向って軸方向に圧力勾配が形成されることになり、慣性力Vによりハブ13側に偏って流れていた空気流Fを矢印Wのようにシュラウド14側へと移行させることができる。これにより、吹き出し気流Fをブレード12の軸方向において均一化することができ、ブレード12全体を有効に機能させることが可能となる。
さらに、本実施形態では、ブレード12の内周側(前縁側)は、ハブ13に接続された接続箇所付近において、前縁が外周側(後縁側)に向って回転方向Nの後方側に位置されるように後退された、いわゆる後退翼部12Cとされているので、吸い込み気流Fを後退翼部12Cに沿って滑らかにブレード12間へと流入させることができるとともに、この後退翼とされている部分12Cでは遠心方向成分が大きいことから、ブレード12自身によって静圧を増大させることができる。このため、ハブ13側付近でのブレード12間圧力が更に増大され、ブレード12間においてハブ13側からシュラウド14側に向って軸方向に形成される圧力勾配をより大きくすることができる。この結果、吹き出し気流Fをブレード12の軸方向において更に均一化することができ、多翼遠心ファン1を一段と高効率化することができる。
以上により、多翼遠心ファン1の高性能化、高効率化ならびに低騒音化を図ることができる。なお、上記した多翼遠心ファン1は、建物や自動車等の室内空気を吸い込み、熱交換器を通して循環し室内を空調する空気調和機において、室内空気循環用の送風装置として適用することにより、空気調和機を同様に高性能化、高効率化および低騒音化することができることから、極めて有益である。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、羽根車11の吸い込み流路と吹き出し流路の面積比を特定している点が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図7(A),(B)に示されるように、羽根車11の円形状をなす吸い込み流路21から円筒状をなす吹き出し流路22に至る空気流路の断面積が、吸い込み流路21側から吹き出し流路22側にかけて漸増されるように構成され、その際、吹き出し流路22の面積22Aが、吸い込み流路21の面積21Aに対して、概ね1.5倍ないし4倍とされている。
上記のように、羽根車11の円筒状をなす吹き出し流路22の面積22Aを、円形状をなす吸い込み流路21の面積21Aの概ね1.5倍ないし4倍とすることにより、羽根車11の吸い込み流路21から吹き出し流路22に至る空気流路の断面積を、吸い込み流路21側から吹き出し流路22側にかけて増大させる場合において、該空気流路の断面積を急拡大させることなく漸次緩やかに増大させることが可能となる。
このため、羽根車11内を通過する空気流Fに対して、羽根車11内で空気流Fの速度を徐々に落としながら速度エネルギー(動圧)を静圧に変換し、緩やかに静圧を回復させることができ、これによって、多翼遠心ファン1における送風性能の向上を図ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図8および図9を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1および第2実施形態に対して、吸い込み流路21から吹き出し流路22にかけて漸増される羽根車11内の流路断面積23を特定している点が異なっている。その他の点については、第1および第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態においては、図8に示されるように、羽根車11の子午面断面(回転軸10Aを通る縦断面)において、ブレード12のシュラウド14側端部の後縁を通る直線上のシュラウド14側端部からファン回転軸10Aあるいはハブ13に至る線分の長さをLと定義し、この線分Lがファンの回転軸10Aに対して直角な状態をΘ=0°、ファンの回転軸10Aに対して平行な状態をΘ=90°としたとき、下記式を満たすように構成されている。
L=LΘ=0*(1+n*Θ/90)
ただし、n=−0.3〜+0.5であり、LΘ=0は、Θ=0°におけるLである。
上記式は、図7(B)に示す吸い込み流路21から吹き出し流路22にかけて漸増されている羽根車11内の流路断面積23(図9(B)を参照)の大きさを、線分Lによって特定するものであり、図8に示されている線分LΘ=0から線分LΘ=90に至る間の流路断面積23を表わしている。因みに、nをn=−0.3とすると、LΘ=90=LΘ=0*0.7となり、また、nをn=+1.5とすると、LΘ=90=LΘ=0*1.5となり、これは、吹き出し流路22の面積22Aが、吸い込み流路21の面積に21A対して、概ね1.5倍ないし4倍になることを表わしている。
上記のように、羽根車11の子午面断面において、ブレード12のシュラウド14側端部の後縁を通る直線上のシュラウド14側端部からファン回転軸10Aあるいはハブ13に至る線分の長さをLとし、この線分Lがファン回転軸10Aに対して直角な状態をΘ=0°、ファン回転軸10Aに対して平行な状態をΘ=90°としたとき、L=LΘ=0*(1+n*Θ/90)、ただし、n=−0.3〜+0.5であり、LΘ=0は、Θ=0°におけるLである。との式を満たす構成とすることにより、羽根車11の吸い込み側から吹き出し側にかけての流路断面積23が急拡大されることがなく、漸次緩やかに増大されるようになる。このため、羽根車11内で気流の速度を徐々に落として速度エネルギー(動圧)を静圧に変換し、緩やかに静圧を回復させることが可能となる。これによって、多翼遠心ファン1の送風性能を向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、本発明にかかる多翼遠心ファン1は、上記した空気調和機に限らず、他の機器の送風装置として広範に適用できることは云うまでもない。また、上記実施形態では、ケーシング2および羽根車11を樹脂製とした例について説明したが、必ずしも両者が樹脂製である必要はなく、他の材料としてもよいことはもちろんである。
本発明の第1実施形態に係る多翼遠心ファンの斜視図である。 図1に示す多翼遠心ファンの縦断面図である。 図1に示す多翼遠心ファンの羽根車の平面視図である。 図1に示す多翼遠心ファンの羽根車の子午面断面図である。 図1に示す多翼遠心ファンのブレードの軸方向に直交する方向の横断面図である。 図1に示す多翼遠心ファンの各ブレード間における圧力勾配を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る多翼遠心ファンの羽根車の斜視図(A)とその吸い込み流路と吹き出し流路の面積を表す模式図(B)である。 本発明の第3実施形態に係る多翼遠心ファンの縦断面図である。 図8に示す多翼遠心ファンの羽根車の斜視図(A)とその角度Θ位置での流路断面積を表す模式図(B)である。
符号の説明
1 多翼遠心ファン
2 ケーシング
8 吸い込み口
9 吹き出し口
10A 回転軸
11 羽根車
12 ブレード
12A 凹状曲線
12C 後退翼部
13 ハブ
13B 曲面形状
14 シュラウド
21 吸い込み流路
21A 吸い込み流路の面積
22 吹き出し流路
22A 吹き出し流路の面積
23 流路断面積
Φ1 円弧の中心
Φ2 回転中心
L 線分

Claims (5)

  1. 中央部が吸い込み側に凸形状とされたハブ、該ハブの外周部に放射状に配列された複数枚のブレード、および前記ブレードの前記ハブと対向する端部側に設けられた環状のシュラウドを有する羽根車と、該羽根車を軸支し、側面に設けられている吸い込み口から吸い込んだ空気を円周方向に吹き出すケーシングとを備えた多翼遠心ファンにおいて、
    前記羽根車の子午面断面における前記ハブの外周部側の断面が、前記ブレードのシュラウド側端部の後縁付近を中心とする円弧を含む曲面形状とされているとともに、
    前記複数枚のブレード列の前記ハブ付近の内径が前記シュラウド付近の内径よりも小さく、かつ前記ブレードの前縁が前記ハブに滑らかに接するように前記シュラウド側から前記ハブとの接続箇所に向って滑らかな凹状曲線とされ、前記接続箇所の接線が回転中心に向って吸い込み側に傾斜された形状とされていることを特徴とする多翼遠心ファン。
  2. 前記ブレードの前縁は、前記ハブに接続される前記接続箇所付近において、前記前縁が後縁側に向って反回転方向側に位置されるように後退されていることを特徴とする請求項1に記載の多翼遠心ファン。
  3. 前記羽根車の円形状をなす吸い込み流路から円筒状をなす吹き出し流路に至る流路断面積が、吸い込み流路側から吹き出し流路側にかけて漸次増大されているとともに、前記吹き出し流路の面積が前記吸い込み流路の面積の略1.5倍ないし4倍とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の多翼遠心ファン。
  4. 前記羽根車の子午面断面において、前記ブレードのシュラウド側端部の後縁を通る直線上の前記シュラウド側端部からファン回転軸あるいは前記ハブに至る線分の長さLは、前記線分Lが前記ファン回転軸に対して直角な状態をΘ=0°、前記ファン回転軸に対して平行な状態をΘ=90°としたとき、下記式を満たしていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の多翼遠心ファン。
    L=LΘ=0*(1+n*Θ/90)
    ただし、n=−0.3〜+0.5であり、LΘ=0は、Θ=0°におけるLである。
  5. 空気送風用ファンとして、請求項1ないし4のいずれかに記載の多翼遠心ファンが搭載されていることを特徴とする空気調和機。

JP2008262769A 2008-10-09 2008-10-09 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機 Expired - Fee Related JP5145188B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008262769A JP5145188B2 (ja) 2008-10-09 2008-10-09 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008262769A JP5145188B2 (ja) 2008-10-09 2008-10-09 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010090835A true JP2010090835A (ja) 2010-04-22
JP5145188B2 JP5145188B2 (ja) 2013-02-13

Family

ID=42253794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008262769A Expired - Fee Related JP5145188B2 (ja) 2008-10-09 2008-10-09 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5145188B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014015849A (ja) * 2012-07-05 2014-01-30 Minebea Co Ltd 遠心式ファン
CN104564805A (zh) * 2013-10-29 2015-04-29 海尔集团公司 一种离心风机的扇叶结构、离心风机及嵌入式空调内机
CN108843620A (zh) * 2018-06-06 2018-11-20 广州陈扬枝科技有限责任公司 一种回流器叶片及其设计方法
WO2020121729A1 (ja) * 2018-12-14 2020-06-18 株式会社デンソー 遠心ファン、遠心送風機
WO2021250800A1 (ja) 2020-06-10 2021-12-16 三菱電機株式会社 遠心ファンおよび回転電機
CN114198324A (zh) * 2021-12-10 2022-03-18 西安交通大学 一种多元耦合离心风机集流器、离心风机及其制备方法
CN114514381A (zh) * 2019-09-30 2022-05-17 大金工业株式会社 涡轮风扇
CN114658685A (zh) * 2022-04-30 2022-06-24 重庆长安汽车股份有限公司 一种汽车用多翼离心机叶轮

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014015849A (ja) * 2012-07-05 2014-01-30 Minebea Co Ltd 遠心式ファン
US9885367B2 (en) 2012-07-05 2018-02-06 Minebea Co., Ltd. Centrifugal fan
CN104564805A (zh) * 2013-10-29 2015-04-29 海尔集团公司 一种离心风机的扇叶结构、离心风机及嵌入式空调内机
CN108843620A (zh) * 2018-06-06 2018-11-20 广州陈扬枝科技有限责任公司 一种回流器叶片及其设计方法
CN108843620B (zh) * 2018-06-06 2023-09-19 广州陈扬枝科技有限责任公司 一种回流器叶片及其设计方法
JP7003902B2 (ja) 2018-12-14 2022-02-04 株式会社デンソー 遠心ファン、遠心送風機
CN113167295A (zh) * 2018-12-14 2021-07-23 株式会社电装 离心风扇、离心送风机
JP2020094571A (ja) * 2018-12-14 2020-06-18 株式会社デンソー 遠心ファン、遠心送風機
US11499568B2 (en) 2018-12-14 2022-11-15 Denso Corporation Centrifugal fan and centrifugal blower
WO2020121729A1 (ja) * 2018-12-14 2020-06-18 株式会社デンソー 遠心ファン、遠心送風機
CN114514381A (zh) * 2019-09-30 2022-05-17 大金工业株式会社 涡轮风扇
EP4023890A4 (en) * 2019-09-30 2022-11-02 Daikin Industries, Ltd. DOUBLE-FLOW TURBOJET
US11953020B2 (en) 2019-09-30 2024-04-09 Daikin Industries, Ltd. Turbofan
WO2021250800A1 (ja) 2020-06-10 2021-12-16 三菱電機株式会社 遠心ファンおよび回転電機
CN114198324A (zh) * 2021-12-10 2022-03-18 西安交通大学 一种多元耦合离心风机集流器、离心风机及其制备方法
CN114658685A (zh) * 2022-04-30 2022-06-24 重庆长安汽车股份有限公司 一种汽车用多翼离心机叶轮

Also Published As

Publication number Publication date
JP5145188B2 (ja) 2013-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5145188B2 (ja) 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機
US8870541B2 (en) Centrifugal multiblade fan
US20080253897A1 (en) Axial Flow Fan
WO2004099625A1 (ja) 遠心送風機
JP2007146709A (ja) 多翼遠心送風機
JP2001501284A (ja) 軸流ファン
JP5473497B2 (ja) 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機
JP4818310B2 (ja) 軸流送風機
JP2008223741A (ja) 遠心送風機
JP6634929B2 (ja) 遠心送風機
JP6844526B2 (ja) 多翼遠心ファン
JP5008386B2 (ja) 遠心式多翼送風機
JP7466683B2 (ja) 多翼遠心送風機
JP5111582B2 (ja) 遠心ファンとこれを備えた空気調和装置及び遠心ファンの金型
JP6250145B2 (ja) 遠心送風機及び電気掃除機
JP2008232049A (ja) 遠心羽根車と遠心送風機
JP2001032794A (ja) 遠心ファン
JP4910809B2 (ja) 遠心式送風機
JP7529708B2 (ja) プロペラファンおよび冷凍装置
JP2006077631A (ja) 遠心型送風機の羽根車
JP5862541B2 (ja) 低騒音送風機
JP2010242597A (ja) 軸流送風機及び空気調和機
JP2006125229A (ja) シロッコファン
JP2007092671A (ja) 送風機
JP6265843B2 (ja) 換気送風機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121030

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121126

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151130

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5145188

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees