JP2005307929A - 送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる送風機を提供する。
【解決手段】 円形状の回転基板10aと、当該回転基板10aの周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼15と、これら多数の翼15の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート10bとを有する遠心ファン10と、上記遠心ファン10が収納され、当該遠心ファン10の軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口11が形成されるとともに、上記遠心ファン10の吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファン10の接線方向へ案内するケース13とを有する送風機において、各上記翼15、15間に、上記遠心ファン10のファン回転方向X2に向けて傾斜して延設され、且つそれぞれ略平行となるように整流片17を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は送風機に関し、さらに詳しくは、車両用空調装置などに用いられるブロワーファンの低騒音化技術に関する。
従来、車両用空調装置などに用いられる送風機としては、図4に示すように、図示省略する回転軸方向(すなわち、紙面に対する直交方向)から吸入した空気を径外側方向へ吹き出す遠心ファン1を備えており、この遠心ファン1の矢印X1方向の回転に伴って空気を導入する吸入口2を有するとともに、前記遠心ファン1が吸入した空気を吹き出すために流通させる空気流路3を内壁に沿って形成してなる円筒容器状のケース4に、前記遠心ファン1を収納している。
このケース4には、ケース外周の接線方向に向けて空気流路3を外側に延在した筒状の吐出口5が形成されており、空気流路3が吐出口5に向けて略渦巻き状となっている(例えば特許文献1参照)。
そして、この場合、遠心ファン1の駆動源に連結される図示省略の円盤状の主板(後述する図6における主板1a参照)と、この主板の外周部に対向するリング状の側板(後述する図6における側板1b参照)との間における遠心ファン1の翼6の出口角度を、それぞれ所定の角度θ1、θ2に設定し、前記翼6の形状を最適化することによって、送風機の低騒音化を図っている。
また、他の送風機としては、図4との対応部分に同一符号を付した図5に示すように、ケース4の吐出口5近傍で遠心ファン1の外周とケース4の内周面との隙間が狭くなっている舌状の境界部(以下、これを舌部と称する)7近傍における遠心ファン1の内周部側に乱流を低減させる乱流抑制板8を配置することによって、舌部7近傍における逆流を低減させる構造(例えば特許文献2参照)や、図4との対応部分に同一符号を付した図6に示すように、遠心ファン1の主板1aと当該主板1aに対して平行に且つ同軸上に配置される側板1bとの間に、周方向に所定間隔を隔てて放射状に設けられた翼6、6間の隙間を狭くする(例えば特許文献3参照)、または図4との対応部分に同一符号を付した図7に示すように、前記主板1aと側板1bとの間に、これら主板1aおよび側板1bと平行に且つ同軸上に所定間隔を隔てて積層して設けられた翼6、6間の隙間を狭くする(例えば特許文献4参照)ことによって、騒音の原因と考えられる乱流を層流に変え、前記乱流に起因する騒音を低減させる構造などが提案されている。
特開平9−195988号公報(第3頁および第4頁、図2および図4) 特開平8−284894号公報(第3頁および第4頁、図1〜図3) 特開平8−284886号公報(第2頁、図1) 特開平7−310694号公報(第3頁および第4頁、図1および図2)
しかしながら、上述した技術では、いずれの場合でも送風機における騒音発生箇所が特定されていないことから、前記騒音を充分に抑制するには至らない未だ不十分な問題がある。
特に、特許文献1記載に係る送風機では、吐出口5へ送風する空気の流れを制御することは可能であるものの、吸入口2から前記回転軸方向へ吸い込む空気流に起因する騒音を抑制することが困難である。
また、前記特許文献2においては、乱流制御板8をケース4の吸入口2から内側へ突設しているため、この乱流制御板8と対向する遠心ファン1で実質的に空気の吸い込みに寄与しておらず、遠心ファン1の吸気効率が低下するという問題点がある。
さらに、特許文献3および4においては、流路を広く確保することが困難となることによって、風量が不足してしまうため、吸い込み障害で流量が低下したり、流れが偏流したり、吸い込み面積の減少に伴う流速の増加によって、逆に騒音の増大が起こるという不具合も懸念されている。
今回、本発明者は鋭意研究の結果、図8に示すように、翼間流入部6a、翼6、6間および翼間流出部6bにおいて発生する剥離渦等が、ファン回転方向X1に対して直交する翼幅方向Y1に乱れることが前記騒音を発生させる主原因であることを確認している。
また、上述のような遠心ファン1を用いた送風機では、流路の閉め切り部分となる舌部7をすり抜けて再循環する空気の流れが、翼6、6間の流れに作用して騒音を発生させていることもわかっている。
そして、遠心ファン1における騒音の発生は、前記翼6、6間における空気の流れ(翼間流れ)と、前記舌部7をすり抜けて再循環する空気の流れ(ユニット流れ)とが相互作用し、複雑な流れを形成することによって生じていることを知見した。
従って、前記翼6、6間の流路における前記翼幅方向Y1の剥離渦の乱れを制御することによって翼6、6間の乱れの絶対値を下げることが可能となれば、前記騒音を全体として低減させることができると考えられる。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる送風機を提供するものである。
上記目的を達成する請求項1の発明は、円形状の回転基板と、当該回転基板の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼と、これら多数の翼の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレートとを有する遠心ファンと、上記遠心ファンが収納され、当該遠心ファンの軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口が形成されるとともに、上記遠心ファンの吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファンの接線方向へ案内するケースとを有する送風機において、各上記翼間に、上記遠心ファンのファン回転方向に向けて傾斜して延設され、且つそれぞれ略平行となるように、複数の整流片17を設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の送風機であって、上記整流片は、各上記翼間における翼幅方向に、2枚以上、10枚以内の枚数で設定して設けたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の送風機であって、上記整流片によって区画された上記翼幅方向の寸法は、隣り合う上記翼間の寸法の6倍未満としたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載された送風機であって、上記ファン回転方向に隣接する整流片同士が、それぞれ上記翼幅方向にオフセットされ、或いは傾斜角度を変更したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、各翼間に、遠心ファンのファン回転方向に向けて傾斜して延設された整流片を、それぞれ略平行となるように設けたことにより、各翼間の流路を翼幅方向に区画して、空気の流入時に回転基板側に発生する揺動の増幅を抑えることができ、これに連動増幅していた翼間の流路に生じる剥離渦の翼幅方向における乱れをセグメンテーション化(分裂)することができる。従って、この翼間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を下げることが可能となるため、送風機の騒音を全体として低減させることが可能となる。
しかも、各翼間に整流片を設けていることから、この整流片が翼の補強板としても作用するため、遠心ファンとしての剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼の厚みを限界まで薄くすることができる。従って、各翼間の流路を広げることができるとともに、多翼化にも対応することができるため、風量性能を格段と向上させることができる。
また、整流片を設けた際に、その板厚によって翼間の流路が狭められ、風量が低下するような場合においても、整流片の板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単に遠心ファンの径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本発明の送風機では、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる。
請求項2記載の発明によれば、整流片は、各翼間における翼幅方向に、2枚以上、10枚以内の枚数で設定して設けたことにより、各翼間の流路における翼の板厚による空気吸入の妨げを最小限に抑え、吸入される空気の流量を確保しつつ、空気の流入時に回転基板側に発生する揺動の増幅を効果的に抑えることができる。
請求項3記載の発明によれば、整流片によって区画された翼幅方向の寸法は、隣り合う翼間の寸法の6倍未満としたことにより、それぞれの整流片における整流効果を十分に発揮することができる。
請求項4に記載の発明によれば、ファン回転方向に隣接する整流片の位置が、それぞれ翼幅方向にオフセットされ、或いは整流片の傾斜角度を変更したことにより、整流片を不等間隔に設けることによって、対象性を崩し、騒音のピークレベルを分散させることができる。
以下、本発明に係る送風機の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、ここで説明する送風機は、例えば、車両用空調装置に用いられる。
図1〜図3は、本発明に係る送風機の一実施の形態を示しており、図1は本実施の形態の送風機を部分的に断面を用いて示す斜視図、図2は図1の遠心ファンの一部を拡大して示す斜視図、図3は本実施の形態による送風機の騒音抑制効果を示すグラフである。
図1および図2に示すように、本実施の形態の送風機は、円筒形状の遠心ファン10と、略円筒形状のケース13と、遠心ファン10を回転駆動する図示省略するモータとを備えて大略構成されている。
遠心ファン10は、ほぼ中央に略円錐状に盛り上がった凸部16を有する平面円形状の回転基板10aと、この回転基板10aの周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼15と、これら多数の翼15の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート10bとからなる遠心式の多翼ファンである。なお、回転基板10aにおける凸部16のほぼ中心部には、ケース13側に固定されたモータの駆動シャフト(図示省略する)が挿入固定されるシャフト挿入口16Aが形成されている。
ケース13には、遠心ファン10が収納され、遠心ファン10の図示省略する回転軸の一方側の側面に円形の吸入口11が形成されている。また、ケース13には、収納された遠心ファン10を取り囲むように狭い流路から漸次広い流路となる渦巻き状に1周回し、遠心ファン10の接線方向へ突出する空気流路12が形成されている。そして、このケース13は、前記空気流路12の端部から空気を吐出するための筒状の吐出口14が形成されており、空気流路12が吐出口14に向けて略渦巻き状となっている。
かかる構成に加えて、本実施の形態の場合、各翼15、15間には、遠心ファン10のファン回転方向X2で、且つ吸入口11に向けて傾斜して延設され、隣同士がそれぞれ略平行(同一線上)となるように、整流片17が設けられている。また、各翼15、15間で隣接する整流片17、17同士は連続して螺旋状に設けられているため、それぞれファン回転方向X2に対して直交する翼幅方向Y2に略均一の間隔で略水平をなしている。
これを別の見方をすると、翼15の翼長とほぼ同一或いは短い幅とされた円弧状のディスク板を整流片17とし、この整流片17に各翼15を挿入させるスリットを形成し、そのスリットに各翼15を取り付けることで遠心ファン10に装着し、これら円弧状をなす複数枚の整流片17を、吸込口11に向けて斜め上方に配置されるようにすると共に全体として螺旋形状となるように取り付け位置をずらして(オフセットさせて)翼15に取り付けた構成とされている。
さらに、整流片17によって区画された翼幅方向Y2の寸法(整流片17間距離)L1は、それぞれの整流片17における整流効果を十分に発揮させるために、隣り合う翼15、15間の寸法L2の6倍未満としている。
本実施の形態の場合、翼幅約80〔mm〕の送風機に、板厚2〔mm〕程度の整流片17を、各翼15、15間の流路において送風性能が低下しない様、翼幅方向Y2に等間隔に4枚螺旋状をなすように配設した。
この整流片17は、図2に示すように、各翼15、15間の流路を前記翼幅方向Y2に区画(分割)し、前記吸入口11から回転軸方向に向けて吸い込まれる空気によって、各翼15、15間、翼間流入部15aおよび翼間流出部15bにおいて発生する剥離渦(図2中太い矢印で示す)等が、前記翼幅方向Y2に乱れるのを阻止する(すなわち、翼幅方向Y2に対する隔壁として作用する)ことができるとともに、空気の流入時に回転基板10a側に発生する揺動の増幅を抑えることができる。
従って、整流片17は、この揺動の増幅に連動して増幅していた各翼15、15間の流路に生じる剥離渦の翼幅方向Y2における乱れをセグメンテーション化(分裂)して阻止することにより、この翼15、15間の乱れを適宜制御することができ、この乱れの絶対値を下げることを可能とするのである。
特に、この実施の形態の場合、整流片17が傾斜していることから、遠心ファン10の回転に伴ってその吸入力(いわば、螺旋状整流片17による軸流吸入力)を強制的に向上させるため、遠心ファン10としての風量をアップさせることができるとともに、前記隔壁としての作用と相俟って、空気の流入時に回転基板10a側に発生する揺動の増幅を確実に抑えることができる。
つまり、整流片17を翼15に対して傾斜して設けたことにより、空気を斜めに吸入して流入部分での整流片17による吸い込み剥離を低減させるとともに、負圧面側に吸入した空気の主流を押し込むので、負圧面側の吸い込み剥離も低減させることができる。結果として、整流片17を各翼15、15間に水平に設ける場合と比較して、より一層の風量の増加と騒音の抑制効果を期待することができる。
ここで、本発明を適用した送風機における騒音抑制実験について説明する。図3は各翼15、15間に板厚2〔mm〕の整流片17を翼幅方向Y2に等間隔に吸入口11に向けて傾斜させて配設した場合の送風機における騒音抑制効果を示すグラフであり、遠心ファン10の回転条件は、無負荷時に2000〔rpm〕程度の定回転数となるように設定した。
このグラフから見てわかるように、騒音レベルにおける揺動音(Lin特性レベル)に関しては、整流片17が設けられていない場合を100〔%〕とすると、整流片17を設けることによって80〔%〕にまで騒音レベルを低減させる(すなわち、騒音レベルを20〔%〕減衰させる)ことが可能であり、騒音レベルにおける聴感(A特性レベル)に関しては、整流片17が設けられていない場合を100〔%〕とすると、整流片17を設けることによって45〔%〕にまで騒音レベルを低減させる(すなわち、騒音レベルを55〔%〕減衰させる)ことが可能であることがわかる。
また、このときの風量は9〔%〕未満の低下に止まっており、別の実験から、低下分だけ翼15を翼幅方向Y2に延伸させれば、騒音を低減させたまま風量を元に戻すことができることを確認した。
但し、遠心ファン10における空気の吸い込み面積(例えば、吸入口11の直径をD1とした場合、π×(D1/2))のほぼ3倍以内の翼幅からなる遠心ファン10を有する送風機が損失の少ない送風機として成立することから、翼幅をむやみに延伸させても翼15、15間の乱流が偏流等の影響を受け、翼幅を延伸させることによるメリットを効果的に利用できなくなってしまう。
従って、各翼15、15間の流路の占める総面積、つまり、遠心ファン10の外周側面の総面積(例えば、翼幅をhとした場合、h×(πD1))は、遠心ファン10における空気の吸い込み面積(π×(D1/2))の4倍未満となる程度が限界とみられ、吸入口11の直径D1が138〔mm〕の場合、h<D1となるため、翼幅hは138〔mm〕が限界で、従来適正が翼幅80〔mm〕でも板厚2〔mm〕の整流片17を最大で10枚、50〔mm〕程度が延伸の限界であることがわかった。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15、15間に、遠心ファン10のファン回転方向X2に向けて延設された整流片17を、それぞれ略平行となるように、吸入口11に向けて螺旋状に設けたことにより、各翼15、15間の流路を翼幅方向Y2に区画して、空気の流入時に回転基板10a側に発生する揺動の増幅を抑えることができ、これに連動増幅していた翼15、15間の流路に生じる剥離渦の翼幅方向Y2における乱れをセグメンテーション化(分裂)することができる。
特に、この場合、整流片17が傾斜していることから、遠心ファン10の回転に伴ってその吸入力(螺旋状整流片17による軸流吸入力)を強制的に向上させるため、遠心ファン10としての風量をアップさせることができるとともに、前記隔壁としての作用と相俟って、空気の流入時に回転基板10a側に発生する揺動の増幅を確実に抑えることができる。
従って、この翼15、15間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値をより一層下げることが可能となるため、送風機の騒音を全体として低減させることが可能となる。
しかも、各翼15、15間に整流片17を設けていることから、この整流片17が翼15の補強板としても作用するため、遠心ファン10としての剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼15の厚みを限界まで薄くすることができる。従って、各翼15、15間の流路を広げることができるとともに、多翼化にも対応することができるため、風量性能を格段と向上させることができる。
また、整流片17を設けた際に、その板厚によって翼15、15間の流路が狭められ、風量が低下するような場合においても、整流片17の板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単に遠心ファン10の径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本実施の形態の送風機では、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる。
また、本実施の形態によれば、整流片17は、各翼15、15間における翼幅方向に、2枚以上、10枚以内の枚数で設定して設けたことにより、各翼15、15間の流路における翼15の板厚による空気吸入の妨げを最小限に抑え、吸入される空気の流量を確保しつつ、空気の流入時に回転基板10a側に発生する揺動の増幅を効果的に抑えることができる。
さらに、本実施の形態によれば、整流片17によって区画された翼幅方向Y2の寸法L1は、隣り合う翼15、15間の寸法L2の6倍未満としたことにより、それぞれの整流片17における整流効果を十分に発揮することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施の形態においては、各翼15、15間で隣接する整流片17、17同士は、それぞれ翼幅方向Y2に略均一の間隔で連続して設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、ファン回転方向X2に隣接する整流片17、17同士が、それぞれ翼幅方向Y2にオフセットされ、或いは傾斜角度を適宜変更されてあってもよい(すなわち、ファン回転方向X2に隣接する整流片17、17の位置がオフセットされていたり、整流片17、17同士の傾斜角度が不均一である場合にも適用可能である)。
この場合、整流片は不等間隔に設けられることによって、対象性を崩し、騒音のピークレベルを分散させることが可能となる利点を得ることができる。
本発明に係る送風機の一実施形態を示す斜視図である。 図1における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本実施形態に係る送風機における整流片の騒音抑制効果を示すグラフである。 従来の送風機の形態を示す正面図である。 従来の他の送風機の形態を示す正面図である。 従来の他の送風機の形態を示す要部斜視図である。 従来の他の送風機の形態を示す断面図である。 従来の送風機における空気流れの説明に供する要部拡大斜視図である。
符号の説明
10…遠心ファン
10a…回転基板
10b…翼連結プレート
11…吸入口
12…空気流路
13…ケース
15…翼
17…整流片
X2…ファン回転方向
Y2…翼幅方向

Claims (4)

  1. 円形状の回転基板(10a)と、当該回転基板(10a)の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼(15)と、これら多数の翼(15)の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート(10b)とを有する遠心ファン(10)と、
    上記遠心ファン(10)が収納され、当該遠心ファン(10)の軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口(11)が形成されるとともに、上記遠心ファン(10)の吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファン(10)の接線方向へ案内するケース(13)と
    を有する送風機において、
    各上記翼(15)、(15)間に、上記遠心ファン(10)のファン回転方向(X2)に向けて傾斜して延設され、且つそれぞれ略平行となるように整流片(17)を設けた
    ことを特徴とする送風機。
  2. 請求項1に記載の送風機であって、
    上記整流片(17)は、各上記翼(15)、(15)間における翼幅方向(Y2)に、2枚以上、10枚以内の枚数で設定して設けた
    ことを特徴とする送風機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の送風機であって、
    上記整流片(17)によって区画された上記翼幅方向(Y2)の寸法(L1)は、隣り合う上記翼(15)、(15)間の寸法(L2)の6倍未満とした
    ことを特徴とする送風機。
  4. 少なくとも請求項1から請求項3の何れか一つに記載の送風機であって、
    上記ファン回転方向(X2)に隣接する整流片(17)、(17)同士が、それぞれ上記翼幅方向(Y2)にオフセットされ、或いは傾斜角度を変更した
    ことを特徴とする送風機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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