JP2006002691A - 送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる送風機を提供する。
【解決手段】 円形状の回転基板10aの周縁部に等間隔に多数枚の翼15が立設され、これら多数の翼15の上端部に環状の翼連結プレート10bが一体に形成されたブロワーユニット10と、このブロワーユニット10が収納され、当該ブロワーユニット10の吸入した空気を内壁面に沿って、その接線方向へ案内するケース13とを有する送風機において、各翼15の負圧面における空気の流入部15a側または流出部15b側の少なくとも一方に、当該翼15に沿って流入する空気の流れ方向Z2と直交する方向に突出した突出部17a、17bを翼幅方向Y2に沿って所定の間隔で複数設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は送風機に関し、さらに詳しくは、車両用空調装置などに用いられるブロワーファンの低騒音化技術に関する。
一般に、自動車用空調装置は、ダクトの上流端に、電動モータにより回転駆動される送風機としての遠心ファンを備えている。自動車用空調装置の運転時には、この遠心ファンを回転させて、自動車室内または自動車室外から空気を吸入し、この空気を前記ダクト内に送り込んでいる。このようにしてダクト内に送り込まれた空気は、このダクト内に配設されたエバポレータやヒータコアなどを通過することにより所望の温度に調整されてから、前記ダクトの下流端に設けた吹き出し口より、自動車室内に吹き出すようになっている。
このような自動車用空調装置に組み込む遠心ファンとしては、例えば図9に示すように、図示省略する回転軸方向(すなわち、紙面に対する直交方向)から吸入した空気を径外側方向へ吹き出すブロワーユニット1を備えており、このブロワーユニット1の矢印X1方向の回転に伴って空気を導入する吸入口2を有するとともに、前記ブロワーユニット1が吸入した空気を吹き出すために流通させる空気流路3を内壁に沿って形成してなる円筒容器状のケース4に、前記ブロワーユニット1を収納しているものが知られている。
このケース4には、ケース外周の接線方向に向けて空気流路3を外側に延在した筒状の吐出口5が形成されており、空気流路3が吐出口5に向けて略渦巻き状となっている(例えば特許文献1参照)。
そして、この場合、ブロワーユニット1の駆動源に連結される図示省略の円盤状の主板(後述する図11における主板1a参照)と、この主板の外周部に対向するリング状の側板(後述する図11における側板1b参照)との間におけるブロワーユニット1の翼6の出口角度を、それぞれ所定の角度θ1、θ2に設定し、前記翼6の形状を最適化することによって、送風機の低騒音化を図っている。
また、他の送風機としては、図9との対応部分に同一符号を付した図10に示すように、ケース4の吐出口5近傍でブロワーユニット1の外周とケース4の内周面との隙間が狭くなっている舌状の境界部(以下、これを舌部と称する)7近傍におけるブロワーユニット1の内周部側に乱流を低減させる乱流抑制板8を配置することによって、舌部7近傍における逆流を低減させる構造(例えば特許文献2参照)や、図9との対応部分に同一符号を付した図11に示すように、ブロワーユニット1の主板1aと当該主板1aに対して平行に且つ同軸上に配置される側板1bとの間に、周方向に所定間隔を隔てて放射状に設けられた翼6、6間の隙間を狭くする(例えば特許文献3参照)、または図9との対応部分に同一符号を付した図12に示すように、前記主板1aと側板1bとの間に、これら主板1aおよび側板1bと平行に且つ同軸上に所定間隔を隔てて積層して設けられた翼6、6間の隙間を狭くする(例えば特許文献4参照)ことによって、騒音の原因と考えられる乱流を層流に変え、前記乱流に起因する騒音を低減させる構造などが提案されている。
特開平9−195988号公報(第3頁および第4頁、図2および図4) 特開平8−284894号公報(第3頁および第4頁、図1〜図3) 特開平8−284886号公報(第2頁、図1) 特開平7−310694号公報(第3頁および第4頁、図1および図2)
しかしながら、上述した技術では、いずれの場合でも送風機における騒音発生箇所が特定されていないことから、前記騒音を充分に抑制するには至らない未だ不十分な問題がある。
特に、特許文献1記載に係る送風機では、吐出口5へ送風する空気の流れを制御することは可能であるものの、吸入口2から前記回転軸方向へ吸い込む空気流に起因する騒音を抑制することが困難である。
また、前記特許文献2においては、乱流制御板8をケース4の吸入口2から内側へ突設しているため、この乱流制御板8と対向するブロワーユニット1で実質的に空気の吸い込みに寄与しておらず、ブロワーユニット1の吸気効率が低下するという問題点がある。
さらに、特許文献3および4においては、流路を広く確保することが困難となることによって、風量が不足してしまうため、吸い込み障害で流量が低下したり、流れが偏流したり、吸い込み面積の減少に伴う流速の増加によって、逆に騒音の増大が起こるという不具合も懸念されている。
今回、本発明者は鋭意研究の結果、図13に示すように、翼間流入部6a、翼6、6間および翼間流出部6bにおいて、空気の流れ方向Z1に沿って流入した空気の2次流れによって発生する剥離渦等が、ファン回転方向X1に対して直交する翼幅方向Y1に乱れることによって騒音を発生させていることを確認した。
つまり、空気の翼間流れは、翼におけるファン回転方向X1の後方側となる裏面(以下、これを負圧面と称す)側で剥離するため、翼間流出部6bにおいて翼のファン回転方向X1の前方側となる表面(以下、これを圧力面と称す)側の流れと負圧面側の流れとが急激に混合することとなり、このことが前記騒音を発生させる主原因であることが判った。
また、上述のようなブロワーユニット1を用いた送風機では、流路の閉め切り部分となる舌部7をすり抜けて再循環する空気の流れが、翼6、6間の流れに作用して騒音を発生させていることもわかっている。
そして、ブロワーユニット1における騒音の発生は、前記翼6、6間における空気の流れ(翼間流れ)と、前記舌部7をすり抜けて再循環する空気の流れ(ユニット流れ)とが相互作用し、複雑な流れを形成することによって生じていることを知見した。
従って、前記翼6、6間の流路における前記翼幅方向Y1の剥離渦の乱れを制御することによって翼6、6間の乱れの絶対値を下げることが可能となれば、前記騒音を全体として低減させることができると考えられる。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる送風機を提供するものである。
上記目的を達成する請求項1の発明は、円形状の回転基板と、当該回転基板の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼と、これら多数の翼の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレートとを有する遠心ファンと、上記遠心ファンが収納され、当該遠心ファンの軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口が形成されるとともに、上記遠心ファンの吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファンの接線方向へ案内するケースとを有する送風機において、各上記翼の負圧面における上記空気の流入部側または流出部側の少なくとも一方に、当該翼に沿って流入する上記空気の流れ方向と直交する方向に突出した突出部を翼幅方向に沿って所定の間隔で複数設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の送風機であって、上記突出部を、上記翼の負圧面における上記空気の流入部側および流出部側の両方に設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の送風機であって、各上記翼のうち、隣り合う一方の翼の上記突出部と、他方の翼の上記突出部とが、上記翼幅方向に半ピッチずれて配設されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の送風機であって、上記突出部を、各上記翼の圧力面にも上記負圧面と同様に設けたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の送風機であって、上記突出部を、各上記翼の圧力面にも設け、この際、各上記翼の負圧面に形成される上記突出部と、各上記翼の圧力面に形成される上記突出部とを、上記翼幅方向に半ピッチずらして配設したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の送風機であって、上記突出部が設けられた各上記翼における上記空気の流入部側端部およびまたは流出部側端部に、上記空気の流れ方向に凹凸するセレーションを、上記翼幅方向に沿って設けたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の送風機であって、上記突出部の寸法は、翼弦長を「L」、突出幅を「W」、突出量を「t」、隣り合う突出部間のピッチを「P」、翼(15)の最大厚みを「D」としたとき、「5〔mm〕≦L≦50〔mm〕」、「0.5〔mm〕<W<3〔mm〕」、「1〔mm〕<t<3〔mm〕」、「3〔mm〕<P<15〔mm〕」および「0.5〔mm〕<D<3〔mm〕」となる範囲の値で設定されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、各翼の負圧面における空気の流入部側または流出部側の少なくとも一方に、突出部を翼幅方向に沿って所定の間隔で複数設けたことにより、空気の流入部側の突出部では、各翼間の流路に流入する空気を翼幅方向に分散させて、剥離することなく翼に沿って翼間の流路の奥へと導くことができる。このため、空気の流入時に生じていた翼間の流路の剥離渦を抑制することができ、当該剥離渦の翼幅方向における乱れをセグメンテーション(分裂)化することができる。
従って、翼間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、翼間流路を通過する空気よる騒音を十分に低減させることができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
また、空気の流出部側の突出部では、翼間の流路に流入した空気が翼幅方向に突設された突出部を通過することにより、剥離することなく空気の流出部側端部から吐出されるとともに、翼の圧力面(表面)側の空気の流れと負圧面(裏面)側の空気の流れとを、それぞれ分散させて段階的に混合させるため、これら空気の圧力差を予め十分に緩和させておく(ぼかす)ことができる。従って、翼間の流路から吐出される空気を十分に分散させ、翼の表裏両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を拡散させることができ、これら衝突や混合時に生じる騒音を低減させることが可能となる。
さらに、突出部を設けることによって、その板厚分、翼間の流路が狭められ、風量が低下するような場合においても、突出部の板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単に遠心ファンの径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本発明の送風機では、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、突出部を、翼の負圧面における空気の流入部側および流出部側の両方に設けたことにより、これら流入部および流出部の双方において空気を分散させることができる。従って、翼間流路を通過する空気に起因した騒音と、翼の表裏両面を流れる空気の主流同士の衝突や混合に起因する騒音を、それぞれ低減させることができ、送風機全体としてより一層の低騒音化を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、各翼のうち、隣り合う一方の翼の突出部と、他方の翼の突出部とが、翼幅方向に半ピッチずれて配設されたことにより、翼間の流路から吐出される空気の流れが隣接する流路毎に半ピッチ分ずつずれるため、これら空気の流れを更に分散させることができる。従って、翼の表裏両面を流れて吐出される空気同士の衝突や混合する際の強度を一段と拡散させることができ、これら衝突や混合時に生じる騒音をより一層低減させることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、隣り合う翼毎に半ピッチずれた突出部を、各翼の圧力面と負圧面とに、それぞれ同様に設けたことにより、各翼間の流路における空気の更なる分散化を確保することができ、しかも、各翼に形成する突出部の位置合わせを容易にすることができる上、送風機を構成する部品点数の増加を防止できるので、製造コストを抑えることもできる。
請求項5に記載の発明によれば、突出部を、各翼の圧力面にも設け、この際、各翼の負圧面に形成される突出部と、各翼の圧力面に形成される上記突出部とを、上記翼幅方向に半ピッチずらして配設したことにより、一つの送風機を構成するための突出部を形成した翼の形状としては、全てを統一することができるため、構成部品の管理が容易で、且つ、コストも抑えることができる。勿論、翼間の流路を流れる空気の分散作用については、各翼間の流路が、半ピッチずれて設けられた突出部によって、より細かく分散されるため、低騒音化効果を一段と向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、各翼における突出部が設けられた空気の流入部側端部およびまたは流出部側端部に、空気の流れ方向に凹凸する翼幅方向に沿ったセレーションを設けたことにより、空気の流入部側では、翼間の流路へと流入する空気を、予め分散させておくことができるため、翼における空気の流入部側端部にて主流1本にまとまり易い空気の流れを、より一層分散させ、翼に沿って翼間の流路の奥まで流入させることができ、この流入した空気の2次流れによる剥離渦の発生を格段と減少させることができる。
これと同時に、翼の負圧面(裏面)側において生じ易い剥離流もより一層分散させる(すなわち、翼の表裏面における圧力差をぼかす)ことができるため、この負圧面における空気の剥離を一段と減少させ、当該剥離に伴う流路の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大を格段と抑制することができる。
従って、翼間の乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、翼間の流路を通過する空気に起因した騒音の低減作用を十分に発揮することができ、送風機の騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
一方、空気の流出部側では、翼間の流路から吐出される空気を拡散させ、つまり、ブロワーユニットの外径を翼幅方向に複数に分割することができるため、等価的に仕事量を増加させることができる。
また、ブロワーユニットを収納するケースにおける空気の吐出口近傍で、ブロワーユニットの外周とケースの内周面との隙間が狭くなっている舌部近傍における翼との干渉がセレーションによって拡散されるため、この舌部に対して遠心ファンを近づけても干渉が弱められ、遠心ファンの外径を大きくしても干渉が強まらない。つまり、結果として等価的にケースに対して遠心ファンを大きくすることができ、この大きくした分、風量を増加させることができる。もしくは、風量が同じであれば、ファン回転数を上げることが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、突出部の寸法は、翼弦長を「L」、突出幅を「W」、突出量を「t」、隣り合う突出部間のピッチを「P」、翼の最大厚みを「D」としたとき、「5〔mm〕≦L≦50〔mm〕」、「0.5〔mm〕<W<3〔mm〕」、「1〔mm〕<t<3〔mm〕」、「3〔mm〕<P<15〔mm〕」および「0.5〔mm〕<D<3〔mm〕」となる範囲の値で設定されることにより、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる送風機を、理想的な状態で実現することができる。
以下、本発明に係る送風機の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、ここで説明する送風機としての遠心ファンは、例えば、車両用空調装置に用いられる。
〔第1の実施の形態〕
図1〜図3は、本発明に係る遠心ファンの第1の実施の形態を示しており、図1は本実施の形態の遠心ファンを部分的に断面を用いて示す斜視図、図2は図1における遠心ファンの要部(ブロワーユニット)を示す断面図、図3は図2のブロワーユニットの一部を拡大して示す斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の送風機は、円筒形状のブロワーユニット10と、略円筒形状のケース13と、ブロワーユニット10を回転駆動する図示省略するモータとを備えて大略構成されている。
ブロワーユニット10は、ほぼ中央に略円錐状に盛り上がった凸部16を有する平面円形状の回転基板10aと、この回転基板10aの周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼15と、これら多数の翼15の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート10bとからなる遠心式の多翼ファンである。なお、回転基板10aにおける凸部16のほぼ中心部には、ケース13側に固定されたモータの駆動シャフト(図示省略する)が挿入固定されるシャフト挿入口16Aが形成されている。
ケース13には、ブロワーユニット10が収納され、ブロワーユニット10の図示省略する回転軸の一方側の側面に円形の吸入口11が形成されている。また、ケース13には、収納されたブロワーユニット10を取り囲むように狭い流路から漸次広い流路となる渦巻き状に1周回し、ブロワーユニット10の接線方向へ突出する空気流路12が形成されている。そして、このケース13は、前記空気流路12の端部から空気を吐出するための筒状の吐出口14が形成されており、空気流路12が吐出口14に向けて略渦巻き状となっている。
かかる構成に加えて、本実施の形態の場合、図3に示すように、各翼15の負圧面における空気の流入部15a側に、当該翼15に沿って流入する空気の流れ方向Z2と直交する方向(別の見方をすれば翼15の厚み方向)に突出した突出部17aが、翼幅方向Y2に沿って所定の間隔で複数設けられている。
具体的に、この突出部17aは、翼弦長を「L」、突出幅(突出部17aの長手方向の長さ)を「W」、突出量(突出部17aの高さ)を「t」、翼幅方向Y2において隣り合う突出部17a、17a間のピッチを「P」、翼15の最大厚みを「D」としたとき、「5〔mm〕≦L≦50〔mm〕」、「0.5〔mm〕<W<3〔mm〕」、「1〔mm〕<t<3〔mm〕」、「3〔mm〕<P<15〔mm〕」および「0.5〔mm〕<D<3〔mm〕」となる範囲の値で設定されている。
これは、翼弦長「L」が5〔mm〕未満の場合、圧力性能が上がらず、50〔mm〕より大きくなる場合、各翼15、15間の流路L2の入口が狭くなって風量が稼げないこと、突出幅「W」が0.5〔mm〕以下の場合、突出部17aの幅が小さすぎて強度を確保するのが困難となり、3〔mm〕以上の場合、突出部17aの幅が広すぎて翼15、15間の流路L2において空気の整流が困難になること、突出量「t」が1〔mm〕以下の場合、突出部17aの突出量が低すぎて前記整流が困難となり、3〔mm〕以上の場合、突出量が高すぎて前記流路L2において妨げになってしまうこと、ピッチ「P」が3〔mm〕以下の場合、翼幅方向Y2において隣り合う突出部17a、17a同士が接近しすぎて前記整流が困難となり、15〔mm〕以上の場合、突出部17aの配置が粗すぎて前記整流が困難になってしまうこと、翼15の最大厚み「D」が0.5〔mm〕以下の場合、翼15の強度を確保するのが困難になり、3〔mm〕以上の場合、翼15の厚みが厚すぎて風量を確保するのが困難になってしまうことから設定されている。
そして、この突出部17aは、空気の流入部15a側において、各翼15、15間の流路L2に流れ方向Z2から流入する空気を翼幅方向Y2に分散させて、剥離することなく翼15に沿って翼15、15間の流路L2の奥に導く(図3中、矢印Z3で示す)ことができる。
このため、空気の流入時に生じていた翼15、15間の流路L2の剥離渦を抑制することができ、当該剥離渦の翼幅方向Y2における乱れをセグメンテーション(分裂)化することができる。
従って、翼15、15間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、翼15、15間の流路L2を通過する空気よる騒音を十分に低減させることができる。
なお、本実施の形態の場合、このように、空気の流入部15a側の突出部17aによって、翼15に対する空気の流れZ2の剥離を防止できるため、翼15における最大厚み「D」(最大反り位置)付近への突出部17aの配設は必要ないと判断した。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15の負圧面における空気の流入部15a側に、当該翼15に沿って流入する空気の流れ方向Z2と直交する方向に突出した突出部17aを、翼幅方向Y2に沿って所定の間隔で複数設けたことにより、各翼15、15間の流路に流入する空気を翼幅方向Y2に分散させて、剥離することなく翼15に沿って翼15、15間の流路L2の奥へと導くことができる。このため、空気の流入時に生じていた翼15、15間の流路の剥離渦を抑制することができ、当該剥離渦の翼幅方向Y2における乱れをセグメンテーション(分裂)化することができる。
従って、翼15、15間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、翼15、15間の流路L2を通過する空気よる騒音を十分に低減させることができ、遠心ファンの騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
さらに、突出部17aを設けることによって、その板厚分、翼15、15間の流路L2が狭められ、風量が低下するような場合においても、突出部17aの板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単にブロワーユニット10の径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、遠心ファンの用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本発明の遠心ファンでは、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる。
しかも、突出部17aの寸法は、翼弦長を「L」、突出幅を「W」、突出量を「t」、隣り合う突出部間のピッチを「P」、翼の最大厚みを「D」としたとき、「5〔mm〕≦L≦50〔mm〕」、「0.5〔mm〕<W<3〔mm〕」、「1〔mm〕<t<3〔mm〕」、「3〔mm〕<P<15〔mm〕」および「0.5〔mm〕<D<3〔mm〕」となる範囲の値で設定されることにより、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる遠心ファンを、理想的な状態で実現することができる。
〔第2の実施の形態〕
図3との対応部分に同一符号を付して示す図4は、本発明にかかる遠心ファンの第2の実施の形態を示し、各翼15における空気の流入部15a側に設けられた突出部17aに代わって、各翼15における空気の流出部15b側に突出部17bが設けられている点を除いて、上述した第1の実施の形態における遠心ファンとほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態の遠心ファンと重複する部分の説明を省略する。
図4に示すように、本実施の形態の遠心ファンは、各翼15における空気の流出部15b側に、当該翼15に沿って流入する空気の流れ方向Z2と直交する方向に突出した突出部17bが、翼幅方向Y2に沿って所定の間隔で複数設けられている。なお、この突出部17bの寸法等の規定は、上述した第1の実施の形態と同様に設定されているものとする。
そして、この突出部17bは、空気の流出部15b側において、翼15、15間の流路L2に流入した空気を通過させることにより、当該空気の流れZ3を翼15から剥離させることなく空気の流出部15b側端部から吐出させる。
これととともに、突出部17bは、翼15の圧力面(表面)側の空気の流れと負圧面(裏面)側の空気の流れとを、それぞれ分散させて段階的に混合させるため、これら空気の圧力差を予め十分に緩和させておく(ぼかす)ことができる。
従って、翼15、15間の流路L2から吐出される空気を十分に分散させ、翼15の圧力面、負圧面両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を拡散させることができ、これら衝突や混合時に生じる騒音を低減させることが可能となる。
なお、本実施の形態の場合、このように、空気の流出部15b側の突出部17bによって、翼15に対する空気の流れZ3の剥離を防止できるため、翼15における最大厚み「D」(最大反り位置)付近への突出部17bの配設は必要ないと判断した。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15、15の負圧面における空気の流出部15b側に、当該翼15に沿って流入する空気の流れ方向Z2と直交する方向に突出した突出部17bを翼幅方向Y2に沿って所定の間隔で複数設けたことにより、翼15、15間の流路L2に流入した空気が当該突出部17bを通過することによって、翼15から剥離することなく空気の流出部15b側端部から吐出されるとともに、翼15の圧力面側の空気の流れと負圧面側の空気の流れとを、それぞれ分散させて段階的に混合させるため、これら空気の圧力差を予め十分に緩和させておく(ぼかす)ことができる。
従って、翼15、15間の流路L2から吐出される空気を十分に分散させ、翼15の圧力面、負圧面両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を拡散させることができ、これら衝突や混合時に生じる騒音を低減させることが可能となる。
さらに、突出部17bを設けることによって、その板厚分、翼15、15間の流路L2が狭められ、風量が低下するような場合においても、突出部17bの板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単にブロワーユニットの径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、遠心ファンの用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本発明の遠心ファンでは、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる。
〔第3の実施の形態〕
図3および図4との対応部分に同一符号を付して示す図5は、本発明にかかる遠心ファンの第3の実施の形態を示し、各翼15に対して、空気の流入部15a側と流出部15b側の双方に前記突出部17a、17bが設けられている点を除いて、上述した第1および第2の実施の形態における遠心ファンとほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第1および第2の実施の形態の遠心ファンと重複する部分の説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態の遠心ファンは、各翼15における空気の流入部15a側と流出部15b側の双方に当該翼15に沿って流入する空気の流れ方向Z2と直交する方向に突出した突出部17a、17bが、翼幅方向Y2に沿って、それぞれ所定の間隔で複数設けられている。なお、この突出部17a、17bの寸法等の規定は、上述した第1および第2の実施の形態と同様に設定されているものとする。
そして、この空気の流入部15a側の突出部17aでは、各翼15、15間の流路L2に流れ方向Z2から流入する空気を翼幅方向Y2に分散させて、剥離することなく翼15に沿って翼15、15間の流路L2の奥に導く(図3中、矢印Z3で示す)ことができる。
このため、空気の流入時に生じていた翼15、15間の流路L2の剥離渦を抑制することができ、当該剥離渦の翼幅方向Y2における乱れをセグメンテーション(分裂)化することができる。
従って、翼15、15間の乱れを適宜制御することにより、この乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、翼15、15間の流路L2を通過する空気よる騒音を十分に低減させることができる。
一方、空気の流出部15b側の突出部17bでは、翼15、15間の流路L2に流入した空気を通過させることにより、当該空気の流れZ3を翼15から剥離させることなく空気の流出部15b側端部から吐出させる。
これととともに、突出部17bは、翼15の圧力面(表面)側の空気の流れと負圧面(裏面)側の空気の流れとを、それぞれ分散させて段階的に混合させるため、これら空気の圧力差を予め十分に緩和させておく(ぼかす)ことができる。
従って、翼15、15間の流路L2から吐出される空気を十分に分散させ、翼15の圧力面、負圧面両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を拡散させることができ、これら衝突や混合時に生じる騒音を低減させることが可能となる。
なお、本実施の形態の場合、このように、空気の流入部15a側および流出部15b側の突出部17a、17bによって、翼15に対する空気の流れZ2、Z3の剥離を防止できるため、翼15における最大厚み「D」(最大反り位置)付近への突出部17a、17bの配設は必要ないと判断した。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15の負圧面における空気の流入部15a側および流出部15b側の双方に、突出部17a、17bを翼幅方向Y2に沿って所定の間隔で複数設けたことにより、これら流入部15aおよび流出部15bの双方において空気を分散させることができる。従って、翼15、15間の流路L2を通過する空気に起因した騒音と、翼15の圧力面、負圧面両面を流れる空気の主流同士の衝突や混合に起因する騒音を、それぞれ低減させることができ、遠心ファン全体として、より一層の低騒音化を図ることができる。
また、突出部17a、17bを設けることによって、その板厚分、翼15、15間の流路L2が狭められ、風量が低下するような場合においても、突出部17a、17bの板厚の合計より僅かに長く翼幅を設定することにより、その風量の低下をカバーすることができる。しかるに、この性質を利用して翼幅を限界まで伸長すれば、従来と同じ投影面積で従来以上の風量と大幅な騒音低減を図ることが可能となる。
これは、単に遠心ファンの径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
かくして、本発明の遠心ファンでは、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を確実に達成することができる。
〔第4の実施の形態〕
図4との対応部分に同一符号を付して示す図6は、本発明にかかる遠心ファンの第4の実施の形態を示し、各翼15における空気の流出部15b側に設けられた前記突出部17bが、各翼15、15のうち、隣り合う一方の翼15の突出部17bと、他方の翼15の突出部17bとにおいて、翼幅方向Y2に半ピッチずれて配設された点を除いて、上述した第2の実施の形態における遠心ファンとほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第2の実施の形態の遠心ファンと重複する部分の説明を省略する。
図6に示すように、本実施の形態の遠心ファンは、各翼15、15のうち、隣り合う一方の翼15に形成された突出部17bと、他方の翼15に形成された突出部17bとが、翼幅方向Y2に半ピッチずれて配設されている。なお、本実施の形態では、これら半ピッチずれた突出部17bが、翼15における空気の流出部15b側に設けられる場合について述べるが、勿論、本発明はこの限りではなく、各翼15における空気の流入部15a側に設けられる突出部17aにおいても適用可能である。また、これら突出部17a、17bは、いずれか一方または両方のどちらでも適用可能であることは言うまでもない。
そして、このように、各翼15、15のうち、隣り合う一方の翼15の突出部17bと、他方の翼15の突出部17bとが、翼幅方向Y2に半ピッチずれて配設されたことにより、翼15、15間の流路L2から吐出される空気の流れが隣接する流路L2毎に半ピッチ分ずつずれるため、これら空気の流れを更に分散させることができる。
従って、翼15の圧力面、負圧面両面を流れて吐出される空気同士の衝突や混合する際の強度を一段と拡散させることができ、これら衝突や混合時に生じる騒音をより一層低減させることが可能となる。
以上、説明したように、本発明によれば、各翼15、15のうち、隣り合う一方の翼15の突出部17bと、他方の翼15の突出部17bとが、翼幅方向Y2に半ピッチずれて配設されたことにより、翼15、15間の流路L2から吐出される空気の流れが隣接する流路L2毎に半ピッチ分ずつずれるため、これら空気の流れを更に分散させることができる。
従って、翼15の圧力面、負圧面両面を流れて吐出される空気同士の衝突や混合する際の強度を一段と拡散させることができ、これら衝突や混合時に生じる騒音をより一層低減させることが可能となる。
〔第5の実施の形態〕
図3との対応部分に同一符号を付して示す図7は、本発明にかかる遠心ファンの第5の実施の形態を示し、各翼15における突出部17aを設けた空気の流入部15a側端部に、空気の流れ方向Z2に凹凸するセレーションが、翼幅方向Y2に沿って設けられている点を除いて、上述した第1の実施の形態における遠心ファンとほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態の遠心ファンと重複する部分の説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態の遠心ファンは、各翼15における突出部17aを設けた空気の流入部15a側端部に、空気の流れ方向Z2に鋸歯形状をなすセレーション19が、翼幅方向Y2に沿って設けられている。
これにより、この遠心ファンでは、空気の流入部15a側において、翼15、15間の流路L2へと流入する空気を、このセレーションによって予め分散させておくことができるため、翼15における空気の流入部15a側端部にて主流1本にまとまり易い空気の流れZ2を、より一層分散させ、翼15に沿って翼15、15間の流路L2の奥まで流入させることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15、15における突出部17aが設けられた空気の流入部15a側端部に、空気の流れ方向Z2に凹凸する翼幅方向Y2に沿ったセレーション19を設けたことにより、空気の流入部15a側で、翼15、15間の流路L2へと流入する空気を、予め分散させておくことができるため、翼15における空気の流入部15a側端部にて主流1本にまとまり易い空気の流れZ2を、より一層分散させ、翼15に沿って翼15、15間の流路L2の奥まで流入させることができ、この流入した空気の2次流れによる剥離渦の発生を格段と減少させることができる。
これと同時に、翼15の負圧面(裏面)側において生じ易い剥離流もより一層分散させる(すなわち、翼15の圧力面と、負圧面とにおける圧力差をぼかす)ことができるため、この負圧面における空気の剥離を一段と減少させ、当該剥離に伴う流路L2の狭路化(ブロッキング)に起因した性能低下、騒音増大を格段と抑制することができる。
従って、翼15、15間の乱れの絶対値を確実に下げることが可能となるため、翼15、15間の流路L2を通過する空気に起因した騒音の低減作用を十分に発揮することができ、遠心ファンの騒音を全体として格段と低減させることが可能となる。
〔第6の実施の形態〕
図4との対応部分に同一符号を付して示す図8は、本発明にかかる遠心ファンの第6の実施の形態を示し、各翼15における突出部17bを設けた空気の流出部15b側端部に、空気の流れ方向Z3に凹凸するセレーション19が、翼幅方向Y2に沿って設けられている点を除いて、上述した第2の実施の形態における遠心ファンとほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第2の実施の形態の遠心ファンと重複する部分の説明を省略する。
図8に示すように、本実施の形態の遠心ファンは、各翼15における突出部17bを設けた空気の流出部15b側端部に、空気の流れ方向Z3に凹凸するセレーション19が、翼幅方向Y2に沿って設けられている。
これにより、この遠心ファンでは、空気の流出部15b側において、翼15、15間の流路L2から吐出される空気を拡散させ、つまり、ブロワーユニット10の外径を翼幅方向Y2に複数に分割することができるため、等価的に仕事量を増加させることができる。
また、ブロワーユニット10を収納するケース13における空気の吐出口14近傍(図1参照)で、ブロワーユニット10の外周とケース13の内周面との隙間が狭くなっている舌部18近傍における翼15との干渉がセレーション19によって拡散されるため、この舌部18に対して遠心ファンを近づけても干渉が弱められ、遠心ファンの外径を大きくしても干渉が強まるのを回避することができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15、15における突出部17bが設けられた空気の流出部15b側端部に、空気の流れ方向Z3に凹凸する翼幅方向Y2に沿ったセレーション19を設けたことにより、空気の流出部15b側において、翼15、15間の流路L2から吐出される空気を拡散させ、つまり、ブロワーユニット10の外径を翼幅方向Y2に複数に分割することができるため、等価的に仕事量を増加させることができる。
また、ブロワーユニット10を収納するケース13における空気の吐出口14近傍(図1参照)で、ブロワーユニット10の外周とケース13の内周面との隙間が狭くなっている舌部18近傍における翼15との干渉がセレーション19によって拡散されるため、この舌部18に対して遠心ファンを近づけても干渉が弱められ、遠心ファンの外径を大きくしても干渉が強まるのを回避することができる。つまり、結果として等価的にケース13に対して遠心ファンを大きくすることができ、この大きくした分、風量を増加させることができる。もしくは、風量が同じであれば、ファン回転数を上げることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した第4の実施の形態においては、各翼15、15のうち、隣り合う一方の翼15の負圧面に形成された突出部17bと、他方の翼15の負圧面に形成された突出部17bとが、翼幅方向Y2に半ピッチずれて配設されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、突出部17bを各翼15の圧力面にも負圧面と同様に設けるようにしてもよい(図示省略する)。
この場合、隣り合う翼15、15毎に半ピッチずれた突出部17bを、各翼15の圧力面と負圧面とに、それぞれ同様に設けたことにより、各翼15、15間の流路L2における空気の更なる分散化を確保することができ、しかも、各翼15に形成する突出部17bの位置合わせを容易にすることができる上、遠心ファンを構成する部品点数の増加を防止できるので、製造コストを抑えることもできる。勿論、この場合も言うまでもなく、突出部17bは、翼15の流入部15a側に設けられる突出部17aであってもよい。
また、このように半ピッチずらして形成する突出部17b(17a)のバリエーションとしては、この他、例えば突出部17b(17a)を、各翼15の圧力面と負圧面とに設け、この際、各翼15の負圧面に形成される突出部17b(17a)と、各翼15の圧力面に形成される突出部17b(17a)とを、翼幅方向Y2に半ピッチずらして配設するようにしてもよい。
これを別の見方をすると、隣り合う翼15、15における各圧力面側の突出部17b(17a)同士、および各負圧面側の突出部17b(17a)同士は、翼幅方向Y2においてピッチずれは無く、隣接する翼15、15の対向する圧力面と負圧面とに設けられる突出部17b(17a)同士が、翼幅方向Y2に半ピッチずれて形成されるようにしてもよい。
この場合、突出部17b(17a)を、各翼15の圧力面にも設け、この際、各翼15の負圧面に形成される突出部17b(17a)と、各翼15の圧力面に形成される突出部17b(17a)とを、翼幅方向Y2に半ピッチずらして配設したことにより、一つの遠心ファンを構成するための突出部17b(17a)を形成した翼15の形状としては、全てを統一することができるため、構成部品の管理が容易で、且つ、コストも抑えることができる。勿論、翼15、15間の流路L2を流れる空気の分散作用については、各翼15、15間の流路L2が、半ピッチずれて設けられた突出部17b(17a)によって、より細かく分散されるため、低騒音化効果を一段と向上させることができる。
さらに、上述した第5、第6の実施の形態においては、翼15における突出部17a、17bが設けられた空気の流入部15a側または流出部15b側のいずれか一方にセレーション19を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限ることなく、例えば、翼15における空気の流入部15a側および流出部15b側のそれぞれに突出部17a、17bが設けられる場合において、これら突出部17a、17b近傍の翼15における空気の流入部15a側端部および流出部15b側端部のそれぞれに、空気の流れ方向Z2、Z3に凹凸する翼幅方向Y2に沿ったセレーション19を設けるようにしてもよい。
この場合、空気の流入部15a側で、翼15、15間の流路L2へと流入する空気を、予め分散させておくことができるため、翼15における空気の流入部15a側端部にて主流1本にまとまり易い空気の流れZ2を、より一層分散させ、翼15に沿って翼15、15間の流路L2の奥まで流入させることができ、この流入した空気の2次流れによる剥離渦の発生を格段と減少させることができるとともに、空気の流出部15b側において、翼15、15間の流路L2から吐出される空気を拡散させ、つまり、ブロワーユニット10の外径を翼幅方向Y2に複数に分割することができるため、等価的に仕事量を増加させることができる。
かくして、吸気効率を向上させることができるとともに、低騒音化を確実に達成することができる遠心ファンを実現することができる。
本発明に係る送風機の第1の実施の形態を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る送風機のブロワーユニットを示す部分的断面図である。 図2におけるブロワーユニットの一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る第2の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る第3の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る第4の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る第5の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 従来の送風機の形態を示す正面図である。 従来の他の送風機の形態を示す正面図である。 従来の他の送風機の形態を示す要部斜視図である。 従来の他の送風機の形態を示す断面図である。 従来の送風機における空気流れの説明に供する要部拡大斜視図である。
符号の説明
10…遠心ファン
10a…回転基板
10b…翼連結プレート
11…吸入口
12…空気流路
13…ケース
15…翼
15a…空気の流入口
15b…空気の流出口
17a、17b…突出部(リブ)
18…舌部
19…セレーション
X2…ファン回転方向
Y2…翼幅方向
Z2…空気の流れ方向

Claims (7)

  1. 円形状の回転基板(10a)と、当該回転基板(10a)の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼(15)と、これら多数の翼(15)の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート(10b)とを有する遠心ファン(10)と、上記遠心ファン(10)が収納され、当該遠心ファン(10)の軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口(11)が形成されるとともに、上記遠心ファン(10)の吸入した空気を内壁面に沿って、上記遠心ファン(10)の接線方向へ案内するケース(13)とを有する送風機において、
    各上記翼(15)の負圧面における上記空気の流入部(15a)側または流出部(15b)側の少なくとも一方に、当該翼(15)に沿って流入する上記空気の流れ方向(Z2)と直交する方向に突出した突出部(17a、17b)を翼幅方向(Y2)に沿って所定の間隔で複数設けた
    ことを特徴とする送風機。
  2. 請求項1に記載の送風機であって、
    上記突出部(17a、17b)を、上記翼(15)の負圧面における上記空気の流入部(15a)側および流出部(15b)側の両方に設けた
    ことを特徴とする送風機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の送風機であって、
    各上記翼(15)、(15)のうち、隣り合う一方の翼(15)の上記突出部(17a、17b)と、他方の翼(15)の上記突出部(17a、17b)とが、上記翼幅方向(Y2)に半ピッチずれて配設された
    ことを特徴とする送風機。
  4. 請求項3に記載の送風機であって、
    上記突出部(17a、17b)を、各上記翼(15)の圧力面にも上記負圧面と同様に設けた
    ことを特徴とする送風機。
  5. 請求項3に記載の送風機であって、
    上記突出部(17a、17b)を、各上記翼(15)の圧力面にも設け、この際、各上記翼(15)の負圧面に形成される上記突出部(17a、17b)と、各上記翼(15)の圧力面に形成される上記突出部(17a、17b)とを、上記翼幅方向(Y2)に半ピッチずらして配設した
    ことを特徴とする送風機。
  6. 少なくとも請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の送風機であって、
    上記突出部(17a、17b)が設けられた各上記翼(15)における上記空気の流入部(15a)側端部およびまたは流出部(15b)側端部に、上記空気の流れ方向(Z2)に凹凸するセレーション(19)を、上記翼幅方向(Y2)に沿って設けた
    ことを特徴とする送風機。
  7. 少なくとも請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の送風機であって、
    上記突出部(17a、17b)の寸法は、翼弦長を「L」、突出幅を「W」、突出量を「t」、隣り合う突出部(17a、17b)間のピッチを「P」、翼(15)の最大厚みを「D」としたとき、「5〔mm〕≦L≦50〔mm〕」、「0.5〔mm〕<W<3〔mm〕」、「1〔mm〕<t<3〔mm〕」、「3〔mm〕<P<15〔mm〕」および「0.5〔mm〕<D<3〔mm〕」となる範囲の値で設定される
    ことを特徴とする送風機。
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