JP2005351142A - 送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる送風機を提供する。
【解決手段】 円形状の回転基板10aの周縁部に等間隔に多数枚の翼15が立設され、これら多数の翼15の上端部に環状の翼連結プレート10bが一体に形成されたブロワーユニット10と、このブロワーユニット10が収納され、当該ブロワーユニット10の吸入した空気を内壁面に沿って、その接線方向へ案内するケース13とを有する送風機において、各翼15における空気の流入部15a側端部と流出部15b側端部との間の長さを翼弦長Lとすると、流出部15b側端部から当該翼弦長Lの3分の1以内の部分に、ブロワーユニット10のファン回転方向X2に貫通する貫通部17を翼幅方向Y2に沿って穿設した。
【選択図】 図1

Description

本発明は送風機に関し、さらに詳しくは、車両用空調装置などに用いられるブロワーファンの低騒音化技術に関する。
一般に、自動車用空調装置は、ダクトの上流端に、電動モータにより回転駆動される送風機としての遠心ファンを備えている。自動車用空調装置の運転時には、この遠心ファンを回転させて、自動車室内または自動車室外から空気を吸入し、この空気を前記ダクト内に送り込んでいる。このようにしてダクト内に送り込まれた空気は、このダクト内に配設されたエバポレータやヒータコアなどを通過することにより所望の温度に調整されてから、前記ダクトの下流端に設けた吹き出し口より、自動車室内に吹き出すようになっている。
このような自動車用空調装置に組み込む遠心ファンとしては、例えば図13に示すように、図示省略する回転軸方向(すなわち、紙面に対する直交方向)から吸入した空気を径外側方向へ吹き出すブロワーユニット1を備えており、このブロワーユニット1の矢印X1方向の回転に伴って空気を導入する吸入口2を有するとともに、前記ブロワーユニット1が吸入した空気を吹き出すために流通させる空気流路3を内壁に沿って形成してなる円筒容器状のケース4に、前記ブロワーユニット1を収納しているものが知られている。
このケース4には、ケース外周の接線方向に向けて空気流路3を外側に延在した筒状の吐出口5が形成されており、空気流路3が吐出口5に向けて略渦巻き状となっている(例えば特許文献1参照)。
そして、この場合、ブロワーユニット1の駆動源に連結される図示省略の円盤状の主板(後述する図15における主板1a参照)と、この主板の外周部に対向するリング状の側板(後述する図15における側板1b参照)との間におけるブロワーユニット1の翼6の出口角度を、それぞれ所定の角度θ1、θ2に設定し、前記翼6の形状を最適化することによって、送風機の低騒音化を図っている。
また、他の送風機としては、図13との対応部分に同一符号を付した図14に示すように、ケース4の吐出口5近傍でブロワーユニット1の外周とケース4の内周面との隙間が狭くなっている舌状の境界部(以下、これを舌部と称する)7近傍におけるブロワーユニット1の内周部側に乱流を低減させる乱流抑制板8を配置することによって、舌部7近傍における逆流を低減させる構造(例えば特許文献2参照)や、図13との対応部分に同一符号を付した図15に示すように、ブロワーユニット1の主板1aと当該主板1aに対して平行に且つ同軸上に配置される側板1bとの間に、周方向に所定間隔を隔てて放射状に設けられた翼6、6間の隙間を狭くする(例えば特許文献3参照)、または図13との対応部分に同一符号を付した図16に示すように、前記主板1aと側板1bとの間に、これら主板1aおよび側板1bと平行に且つ同軸上に所定間隔を隔てて積層して設けられた翼6、6間の隙間を狭くする(例えば特許文献4参照)ことによって、騒音の原因と考えられる乱流を層流に変え、前記乱流に起因する騒音を低減させる構造などが提案されている。
特開平9−195988号公報(第3頁および第4頁、図2および図4) 特開平8−284894号公報(第3頁および第4頁、図1〜図3) 特開平8−284886号公報(第2頁、図1) 特開平7−310694号公報(第3頁および第4頁、図1および図2)
しかしながら、上述した技術では、いずれの場合でも送風機における騒音発生箇所が特定されていないことから、前記騒音を充分に抑制するには至らない未だ不十分な問題がある。
特に、特許文献1記載に係る送風機では、吐出口5へ送風する空気の流れを制御することは可能であるものの、吸入口2から前記回転軸方向へ吸い込む空気流に起因する騒音を抑制することが困難である。
また、前記特許文献2においては、乱流制御板8をケース4の吸入口2から内側へ突設しているため、この乱流制御板8と対向するブロワーユニット1で実質的に空気の吸い込みに寄与しておらず、ブロワーユニット1の吸気効率が低下するという問題点がある。
さらに、特許文献3および4においては、流路を広く確保することが困難となることによって、風量が不足してしまうため、吸い込み障害で流量が低下したり、流れが偏流したり、吸い込み面積の減少に伴う流速の増加によって、逆に騒音の増大が起こるという不具合も懸念されている。
今回、本発明者は鋭意研究の結果、図17に示すように、翼間流入部6a、翼6、6間および翼間流出部6bにおいて、空気の流れ方向Z1に沿って流入した空気の2次流れによって発生する剥離渦等が、ファン回転方向X1に対して直交する翼幅方向Y1に乱れることによって騒音を発生させていることを確認した。
つまり、空気の翼間流れは、翼におけるファン回転方向X1の後方側となる裏面(以下、これを負圧面と称す)側で剥離するため、翼間流出部6bにおいて翼のファン回転方向X1の前方側となる表面(以下、これを圧力面と称す)側の流れと負圧面側の流れとが急激に混合することとなり、このことが前記騒音を発生させる主原因であることが判った。
また、上述のようなブロワーユニット1を用いた送風機では、流路の閉め切り部分となる舌部7をすり抜けて再循環する空気の流れが、翼6、6間の流れに作用して騒音を発生させていることもわかっている。
そして、ブロワーユニット1における騒音の発生は、前記翼6、6間における空気の流れ(翼間流れ)と、前記舌部7をすり抜けて再循環する空気の流れ(ユニット流れ)とが相互作用し、複雑な流れを形成することによって生じていることを知見した。
従って、前記翼6、6間の流路における前記翼幅方向Y1の剥離渦の乱れを制御することによって翼6、6間の乱れの絶対値を下げることが可能となれば、前記騒音を全体として低減させることができると考えられる。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる送風機を提供するものである。
上記目的を達成する請求項1の発明は、円形状の回転基板と、当該回転基板の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼と、これら多数の翼の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレートとを有するブロワーユニットと、上記ブロワーユニットが収納され、当該ブロワーユニットの軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口が形成されるとともに、上記ブロワーユニットの吸入した空気を内壁面に沿って、上記ブロワーユニットの接線方向へ案内するケースとを有する送風機において、各上記翼における上記空気の流入部側端部と流出部側端部との間の長さを翼弦長とすると、上記流出部側端部から当該翼弦長の3分の1以内の部分に、上記ブロワーユニットのファン回転方向に貫通する貫通部を翼幅方向に沿って穿設したを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の送風機であって、上記貫通部が、上記翼幅方向に沿って延設された貫通溝からなり、この溝の幅は上記翼弦長の5分の1以内であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の送風機であって、上記貫通部が、上記翼幅方向に沿って複数設けられた貫通孔からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の送風機であって、上記貫通部が、上記翼幅方向に向かって延設された複数の列からなり、当該各列の隣り合う列間にて上記翼幅方向に半ピッチずれた格子状で構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の送風機であって、上記貫通部近傍の各上記翼における上記空気の流出部側端部に、上記空気の吐出方向に凹凸したセレーションが上記翼幅方向に延設されたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、各翼における空気の流出部側端部から翼弦長の3分の1以内の部分に貫通部を穿設するようにしたことにより、翼における空気の流出部側上流で、この貫通部を介して(貫通部を通して)翼の圧力面側から負圧面側(すなわち、圧力が高い方から低い方)へと空気を流出させておき、当該負圧面での空気の剥離を緩和すると同時に、これら空気の圧力差を予め緩和(ぼかす)させておくことによって翼間流路から流出する空気を分散させ、各翼における空気の流出部側端部で段階的に圧力面側と負圧面側の空気の流れを混合させ、圧力緩和する。従って、各翼における空気の流出部側端部において翼間の流路から流出する空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができるため、これら衝突や混合の際に生じていた騒音を低減させることができる。
しかも、この場合、翼の負圧面側の空気の流れを負圧面に沿って流れるように整流することができるため、翼間流路における空気の流量の増大を期待することができる。
かくして、本発明の送風機では、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる。
また、本発明は、単に遠心ファンの径を増やし、回転数を落として低騒音化したり、流路の抵抗を減らしファンの負荷を減らして低騒音化する従来の大型化による対処法とは異なり、同じ大きさのファンのまま本質的に騒音を抑制することができるため、従来品との入れ替えが可能(すなわち、大きな設備投資が不要)であり、望ましい風量を持ちながら騒音問題が影響し、これまで使用してこれなかった電子製品などへも採用することができ、送風機の用途範囲の拡大にも寄与することができる。
請求項2に記載の発明によれば、貫通部が翼幅方向に沿って延設された貫通溝からなり、この溝の幅は翼弦長の5分の1以内であることから、翼の剛性(強度)を確保しつつ、圧力面側の空気と負圧面側の空気との圧力差を満遍なく緩和させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、貫通部が翼幅方向に設けられた複数の貫通孔からなることにより、翼幅方向に繋がった溝状の貫通部を設ける場合と比較して、更に翼の剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼における空気の流出部側端部での騒音を限界まで低減させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、貫通部が、翼幅方向に向かって延設された複数の列からなり、当該各列の隣り合う列間にて、翼幅方向に半ピッチずれた格子状で構成されていることから、圧力の高い空気が貫通孔を通過することによって圧力の低い空気側へと流出し、翼における圧力面、負圧面両面の圧力差を一段と緩和させ易くできる。従って、翼間流路から流出する空気をより一層分散させ、翼の圧力・負圧両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を一段と確実に分散させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、各翼における上記空気の流出部側端部に、空気の吐出方向に凹凸したセレーションが上記翼幅方向に延設されたことにより、翼間流路から吐出される空気をより一層細かく拡散させ、つまり、ブロワーユニットの外径を翼幅方向に複数に分割することができるため、等価的に仕事量を増加させることができる。
また、ブロワーユニットを収納するケースにおける空気の吐出口近傍で、ブロワーユニットの外周とケースの内周面との隙間が狭くなっている舌部近傍における翼との干渉がセレーションによって拡散されるため、この舌部に対してブロワーユニットを近づけても干渉が弱められ、ブロワーユニットの外径を大きくしても干渉が強まらない。つまり、結果として等価的にケースに対してブロワーユニットを大きくすることができ、この大きくした分、風量を増加させることができる。もしくは、風量が同じであれば、ファン回転数を上げることが可能となる。
以下、本発明に係る送風機の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、ここで説明する送風機としての遠心ファンは、例えば、車両用空調装置に用いられる。
〔第1の実施の形態〕
図1〜図3は、本発明に係る遠心ファンの第1の実施の形態を示しており、図1は本実施の形態の送風機を部分的に断面を用いて示す斜視図、図2は図1における送風機の要部(ブロワーユニット)を示す断面図、図3は図2のブロワーユニットの一部を拡大して示す斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の遠心ファンは、円筒形状のブロワーユニット10と、略円筒形状のケース13と、ブロワーユニット10を回転駆動する図示省略するモータとを備えて大略構成されている。
ブロワーユニット10は、ほぼ中央に略円錐状に盛り上がった凸部16を有する平面円形状の回転基板10aと、この回転基板10aの周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼15と、これら多数の翼15の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート10bとからなる遠心式の多翼ファンである。なお、回転基板10aにおける凸部16のほぼ中心部には、ケース13側に固定されたモータの駆動シャフト(図示省略する)が挿入固定されるシャフト挿入口16Aが形成されている。
ケース13には、ブロワーユニット10が収納され、ブロワーユニット10の図示省略する回転軸の一方側の側面に円形の吸入口11が形成されている。また、ケース13には、収納されたブロワーユニット10を取り囲むように狭い流路から漸次広い流路となる渦巻き状に1周回し、ブロワーユニット10の接線方向へ突出する空気流路12が形成されている。そして、このケース13は、前記空気流路12の端部から空気を吐出するための筒状の吐出口14が形成されており、空気流路12が吐出口14に向けて略渦巻き状となっている。
かかる構成に加えて、本実施の形態の場合、各翼15における空気の流出部15b側端部、より詳細には、図3および図4に示すように、翼15における空気の流入部15a側端部と流出部15b側端部との間の長さを翼弦長Lとすると、前記流出部15b側端部から当該翼弦長Lの3分の1以内の部分に、ブロワーユニット10のファン回転方向X2に貫通する(翼15の厚み方向に貫通する)貫通部17が翼幅方向Y2に沿って穿設されている。
本実施の形態の場合、ファン内径(つまり、対向する翼15、15における空気の流入部15a側端部間の長さ)φ130〔mm〕程度、ファン外径(つまり、対向する翼15、15における空気の流出部15b側端部間の長さ)φ164〔mm〕程度のブロワーファン10の翼15に、翼弦長Lの5分の1以内である1〔mm〕程度の幅で負圧面側から圧力面側に向けて断面ハの字状をなす溝状の貫通部17を、翼幅方向Y2に沿って延設している。本実施の形態では、貫通部17は、例えば翼幅方向Y2に沿って略直線をなすスリットとして下端部近傍から上端部近傍に亘り形成されている。
そして、翼15における空気の流出部15b側上流において、貫通部17を介して(貫通部17を通して)翼15の圧力面側から負圧面側(すなわち、圧力が高い方から低い方)へと空気を流出させることによって、翼15における負圧面側で前記空気の流入部15a側端部から流入した空気の流れZ2が剥離するのを緩和すると同時に、これら空気の圧力差を予め緩和(ぼかす)させる。
これにより、翼15、15間流路L2から流出する空気を分散させ、各翼15における空気の流出部15b側端部で段階的に圧力面側と負圧面側の空気の流れを混合させて圧力緩和させることができる。
このようにして本実施の形態では、各翼15における空気の流出部15b側端部において、翼15、15間の流路L2から流出する空気の流れを予め緩和させて混合させることにより、この空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができるため、これら衝突や混合の際に生じていた騒音を低減させることができる。
しかも、貫通部17の溝の幅は翼弦長Lの5分の1以内であることから、翼15の剛性(強度)を確保しつつ、圧力面側の空気と負圧面側の空気との圧力差を満遍なく緩和させることができる。
また、この場合、貫通部17を設けることによって、翼15の負圧面側の空気の流れを負圧面に沿って流れるように整流させることができるため、翼15、15間の流路L2における空気の流量の増大をも期待することができる。
なお、本発明者の実験によれば、騒音レベルにおける聴感(A特性レベル)に関しては、1〔dB〕〜1.5〔dB〕程度低減することができ、翼通過基本周波数成分(NZ音)に関しては、3〔dB〕以上低減することができた。また、風量に関しては、約8〔%〕の増量を認められた。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各翼15における空気の流出部15b側端部から翼弦長Lの3分の1以内の部分に貫通部17を穿設するようにしたことにより、翼15における空気の流出部15b側上流で、この貫通部17を介して翼15の圧力面側から負圧面側へと空気を流出させておき、当該負圧面での空気の剥離を緩和すると同時に、これら空気の圧力差を予め緩和(ぼかす)させておくことによって翼15、15間の流路L2から流出する空気を分散させ、各翼15における空気の流出部15b側端部で段階的に圧力面側と負圧面側の空気の流れを混合させ、圧力緩和する。従って、各翼15における空気の流出部15b側端部において翼間の流路から流出する空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を分散させることができるため、これら衝突や混合の際に生じていた騒音を低減させることができる。
しかも、貫通部17の溝の幅は翼弦長Lの5分の1以内であることから、翼15の剛性(強度)を確保しつつ、圧力面側の空気と負圧面側の空気との圧力差を満遍なく緩和させることができる。また、この場合、翼15の負圧面側の空気の流れを負圧面に沿って流れるように整流することができるため、翼15、15間の流路L2における空気の流量の増大を期待することができる。
かくして、本実施の形態の遠心ファンでは、吸気効率を大きく低下させることなく、低騒音化を達成することができる。
〔第2の実施の形態〕
図1との対応部分に同一符号を付して示す図5は、本発明にかかる遠心ファンの第2の実施の形態を示し、各翼15に設けられる貫通部19が前記溝状の貫通部17に代わって、翼幅方向Y2に沿った複数の貫通孔からなる点を除いて、上述した第1の実施の形態における遠心ファンとほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態の遠心ファンと重複する部分の説明を省略する。
この図5に加え、図2との対応部分に同一符号を付した図6および図3との対応部分に同一符号を付した図7に示すように、本実施の形態の遠心ファンは、翼15における空気の流出部15b側端部に設けられる貫通部19が、翼幅方向Y2に沿って複数穿設された貫通孔からなる。本実施の形態では、貫通部19は、例えば矩形状をなす小さな貫通孔を所定ピッチで翼幅方向Y2に沿って略直線となるように配列形成している。
これにより、貫通部19を翼幅方向Y2に繋がった溝状で設ける場合と比較して、更に翼15の剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼15における空気の流出部15b側端部での騒音を限界まで低減することができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態の遠心ファンにおける騒音低減効果に加えて、貫通部19が翼幅方向Y2に設けられた複数の貫通孔からなることにより、翼幅方向Y2に繋がった溝状の貫通部17を設ける場合と比較して、更に翼15の剛性を確保し、構造体としての変形強度、振動強度を向上させつつ、各翼における空気の流出部側端部での騒音を限界まで低減させることができる。
〔第3の実施の形態〕
図1および図5との対応部分に同一符号を付して示す図8は、本発明にかかる遠心ファンの第3の実施の形態を示し、前記貫通部17、19に代えて複数の貫通孔が翼幅方向Y2に向かって延設された複数の列からなり、当該各列の隣り合う列間にて、翼幅方向Y2に半ピッチずれた格子状で構成される貫通部20が、各翼15に設けられている点を除いて、上述した第1および第2の実施の形態における遠心ファンとほぼ同様に構成されている。なお、本実施の形態においては、上述した第1および第2の実施の形態の遠心ファンと重複する部分の説明を省略する。
この図8に加え、図2との対応部分に同一符号を付した図9および図3との対応部分に同一符号を付した図10に示すように、本実施の形態の遠心ファンは、翼15における空気の流出部15b側端部に設けられる貫通部20が、翼幅方向Y2に向かって延設された複数の貫通孔が、前記ファン回転方向X2に対して複数の列からなり、当該各列の隣り合う列間にて前記翼幅方向Y2に半ピッチずれた格子状で構成されている。
これにより、圧力の高い空気が貫通部20を通過することによって圧力の低い空気側へと流出し、翼15における圧力面、負圧面両面の圧力差を一段と緩和させ易くすることができる。
従って、翼15、15間の流路L2から流出する空気をより一層分散させ、翼15の圧力・負圧両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を一段と確実に分散させることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、貫通部20が、翼幅方向Y2に向かって延設された複数の列からなり、当該各列の隣り合う列間にて、翼幅方向Y2に半ピッチずれた格子状で構成されていることから、圧力の高い空気が貫通部20を通過することによって圧力の低い空気側へと流出し、翼15における圧力面、負圧面両面の圧力差を一段と緩和させ易くすることができる。従って、翼15、15間の流路L2から流出する空気をより一層分散させ、翼15の圧力・負圧両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度を一段と確実に分散させることができる。このことから、これら衝突や混合の際に生じていた騒音を格段と低減させることができ、更なる騒音の低減化を期待することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、図2との対応部分に同一符号を付した図11や、図3との対応部分に同一符号を付した図12に示すように、各翼15の貫通部17の近傍となる前記空気の流出部15b側端部に、空気の吐出方向に凹凸する翼幅方向Y2に向けた鋸歯形状の突起、いわゆるセレーション21を設けるようにしてもよい。この場合、翼15、15間の流路L2から吐出される空気を拡散させ、つまり、ブロワーユニット10の外径を翼幅方向Y2に複数に分割することができるため、等価的に仕事量を増加させることができる利点を得ることができる。
また、ブロワーユニット10を収納するケース13(図1参照)における空気の吐出口14近傍で、ブロワーユニット10の外周とケース13の内周面との隙間が狭くなっている舌部18近傍における翼15との干渉がセレーション21によって拡散されるため、この舌部18に対してブロワーユニット10を近づけても干渉が弱められ、ブロワーユニット10の外径を大きくしても干渉が強まらない。つまり、結果として等価的にケース13に対してブロワーユニット10を大きくすることが可能となる。そして、このようにブロワーユニット10を大きくした分、風量を増加させることができる。もしくは、風量が同じであれば、ファン回転数を上げることが可能となる利点を得ることができる。
また、上述した第1および第2の実施の形態においては、各翼15に貫通部17、19が翼幅方向Y2に沿って略直線となるように1列で設けられるようにした場合について述べたが、本発明は勿論、これに限ることはなく、同様の貫通部17、19の列を、ファン回転方向X2方向に対して複数列で設けるようにしてもよい。この場合、貫通部17、19をより多く穿設することができる分、翼15の圧力面、負圧面両面の空気の圧力差を一段と緩和させ易くなり、これら両面を流れる空気の主流同士が衝突したり、混合したりする際の強度の更なる分散化を期待することができる。
本発明に係る送風機の第1の実施の形態を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る送風機のブロワーユニットを示す部分的断面図である。 図1における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 図1における翼の説明に供する要部拡大断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 第2の実施の形態に係る送風機のブロワーユニットを示す部分的断面図である。 図5における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る第3の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 第3の実施の形態に係る送風機のブロワーユニットを示す部分的断面図である。 図8における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す部分的断面図である。 本発明に係る他の実施の形態における送風機の一部を拡大して示す斜視図である。 従来の送風機の形態を示す正面図である。 従来の他の送風機の形態を示す正面図である。 従来の他の送風機の形態を示す要部斜視図である。 従来の他の送風機の形態を示す断面図である。 従来の送風機における空気流れの説明に供する要部拡大斜視図である。
符号の説明
10…遠心ファン
10a…回転基板
10b…翼連結プレート
11…吸入口
12…空気流路
13…ケース
15…翼
15a…空気の流入口
15b…空気の流出口
17、19、20…貫通部
18…舌部
21…セレーション
X2…ファン回転方向
Y2…翼幅方向
Z2…空気の流れ方向

Claims (5)

  1. 円形状の回転基板(10a)と、当該回転基板(10a)の周縁部に等間隔に立設された多数枚の翼(15)と、これら多数の翼(15)の上端部に一体に形成された環状の翼連結プレート(10b)とを有するブロワーユニット(10)と、上記ブロワーユニット(10)が収納され、当該ブロワーユニット(10)の軸方向における一方側から空気を吸入する吸入口(11)が形成されるとともに、上記ブロワーユニット(10)の吸入した空気を内壁面に沿って、上記ブロワーユニット(10)の接線方向へ案内するケース(13)とを有する送風機において、
    各上記翼(15)における上記空気の流入部(15a)側端部と流出部(15b)側端部との間の長さを翼弦長(L)とすると、上記流出部(15b)側端部から当該翼弦長(L)の3分の1以内の部分に、上記ブロワーユニット(10)のファン回転方向(X2)に貫通する貫通部(17)、(19)、(20)を翼幅方向(Y2)に沿って穿設した
    ことを特徴とする送風機。
  2. 請求項1に記載の送風機であって、
    上記貫通部(17)が、上記翼幅方向(Y2)に沿って延設された貫通溝からなり、この溝の幅は上記翼弦長(L)の5分の1以内である
    ことを特徴とする送風機。
  3. 請求項1に記載の送風機であって、
    上記貫通部(19)、(20)が、上記翼幅方向(Y2)に沿って複数設けられた貫通孔からなる
    ことを特徴とする送風機。
  4. 請求項3に記載の送風機であって、
    上記貫通部(20)が、上記翼幅方向(Y2)に向かって延設された複数の列からなり、当該各列の隣り合う列間にて上記翼幅方向(Y2)に半ピッチずれた格子状で構成されている
    ことを特徴とする送風機。
  5. 少なくとも請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の送風機であって、
    上記貫通部(17)、(19)、(20)近傍の各上記翼(15)における上記空気の流出部(15b)側端部に、上記空気の吐出方向に凹凸したセレーション(21)が上記翼幅方向(Y2)に延設された
    ことを特徴とする送風機。
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