JP7035973B2 - 遠心ファン - Google Patents

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Description

本発明は、遠心送風機に用いられる遠心ファンに関するものである。
従来、遠心送風機に用いられる遠心ファンが知られている。
特許文献1に記載の遠心ファンは、翼の後縁に複数の凹凸形状(以下、セレーションという)を有している。これにより、この遠心ファンは、翼同士の間に形成される流路(以下、翼間流路という)の出口において、翼の後縁の正圧面側から吹き出される空気と、その翼の後縁の負圧面側から吹き出される空気との境界における圧力差を小さくし、騒音を低減している。
特開4432474号公報
しかしながら、特許文献1に記載の遠心ファンは、翼の後縁にセレーションを設けていることで、翼の後縁付近において空気を吹き出す仕事をするための面積が減少する。そのため、この遠心ファンは、送風効率が低下するという課題がある。なお、送風効率とは、ファンの回転に必要なエネルギに対するファンの送風量をいう。
本発明は上記点に鑑みて、騒音を低減すると共に、翼の面積の減少に伴う送風効率の低下を抑制し、または送風効率を向上することの可能な遠心ファンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
遠心送風機に用いられる遠心ファンにおいて、
空気の吸込口(5)を有する環状の側板(2)と、
側板に対向して設けられる主板(3)と、
側板と主板との間に回転方向に所定間隔で配置される複数の翼(4)と、を備え、
翼は、負圧面(8)と正圧面(9)とを貫通し、且つ、後縁(7)に開口していない複数の貫通孔(10)を有している。そして、請求項1に係る発明は、貫通孔のうち前縁側の内壁から前縁までの距離(D1)と、貫通孔のうち後縁側の内壁から前縁までの距離(D2)との差分(ΔD)を孔幅と定義したとき、複数の貫通孔のうち、所定の貫通孔の孔幅は、その所定の貫通孔の側板側に隣接する他の貫通孔の孔幅に対し大きいものとされている。
請求項2に係る発明は、
遠心送風機に用いられる遠心ファンにおいて、
空気の吸込口(5)を有する環状の側板(2)と、
側板に対向して設けられる主板(3)と、
側板と主板との間に回転方向に所定間隔で配置される複数の翼(4)と、を備え、
翼は、負圧面(8)と正圧面(9)とを貫通し、且つ、後縁(7)に開口していない複数の貫通孔(10)を有している。そして、請求項2に係る発明は翼において側板側と主板側との途中の位置から主板側に配置される複数の貫通孔は、主板側に配置されるものほど、貫通孔の中心が前縁側となるように配置されており、遠心ファンの回転軸(Ax)と平行に配置されていない
これによれば、翼同士の間に形成される所定の翼間流路の中で正圧面の近傍を流れる空気が貫通孔を通り、その所定の翼間流路より回転方向後側に位置する他の翼間流路に流れる。そのため、他の翼間流路の中で負圧面の近傍を流れる流速の速い空気の流れが、貫通孔から流入した空気によって回転方向後側に押し出され、流速の遅い正圧面側へ拡がることで、翼間流路の出口の流速偏差が均一に近づく。したがって、翼の後縁付近で形成される渦が小さくなるので、騒音を低減することができる。なお、流速偏差とは、翼間流路の出口における流速の不均一さをいう。
ところで、翼の面積が貫通孔によって減少すると、送風効率が低下することが懸念される。これに対し、請求項1に係る発明では、貫通孔は後縁に開口していないので、翼のうち貫通孔と後縁との間の壁面により、翼間流路の出口の外側へ空気を押し出す仕事をすることが可能である。したがって、この遠心ファンは、翼のうち貫通孔と後縁との間に壁面を有することで、翼の面積の貫通孔によって減少することによる送風効率の低下を抑制し、または、送風効率を向上することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る遠心ファンの斜視図である。 第1実施形態に係る遠心ファンの一部を示す側面図である。 遠心ファンの回転軸に垂直な断面において、翼が有する孔幅を説明するための説明図である。 第2実施形態に係る遠心ファンの一部を示す側面図である。 第3実施形態に係る遠心ファンの一部を示す側面図である。 第4実施形態に係る遠心ファンの一部を示す側面図である。 第5実施形態に係る遠心ファンの一部を示す側面図である。 第6実施形態に係る遠心ファンの一部を示す側面図である。 第7実施形態に係る遠心ファンの一部を示す側面図である。 図9のX-X線における翼の後縁付近の断面図である。 Powellの渦音理論を説明するための説明図である。 比較例として、翼の後縁にセレーションを設けた場合における翼間流路の流速分布を示した解析図である。 第1比較例として、翼の後縁にセレーションを設けた場合の模式図である。 第2比較例として、翼の後縁にセレーションを設けた場合の模式図である。 第3比較例として、翼の後縁にセレーションを設けた場合の模式図である。 第4比較例として、翼の後縁にセレーションを設けた場合の模式図である。 貫通孔の形状の一例を示す模式図である。 貫通孔の形状の別の一例を示す模式図である。 貫通孔の形状の別の一例を示す模式図である。 遠心ファンの斜視図において、翼間流路の出口を示した図である。 図20で示した翼間流路の出口において、翼にセレーションを設けた場合の流速分布を示す解析図である。 図20で示した翼間流路の出口において、翼に貫通孔を設けた場合の流速分布を示す解析図である。 図20で示した翼間流路の出口のうち、翼の上部、中部、下部について、ベース形状の場合、翼にセレーションを設けた場合、翼に貫通孔を設けた場合それぞれの流速偏差を示すグラフである。 図20で示した翼間流路の出口のうち、翼の上部、中部、下部について、ベース形状の場合、貫通孔の孔径を変えた場合それぞれの流速偏差を示すグラフである。 図20で示した翼間流路の出口のうち、翼の上部、中部、下部について、ベース形状の場合、遠心ファンの径方向に貫通孔の位置を変えた場合それぞれの流速偏差を示すグラフである。 ベース形状の場合、翼にセレーションを設けた場合、第1実施形態の貫通孔の場合、第2実施形態の貫通孔の場合それぞれの比騒音とファン効率を示すグラフである。 ベース形状の場合において、翼の正圧面を流れる空気の全圧分布を示す解析図である。 翼に第2実施形態の貫通孔を設けた場合において、翼の正圧面を流れる空気の全圧分布を示す解析図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の遠心ファンは、空調装置または換気装置などが備える遠心送風機に用いられるものである。
図1および図2に示すように、遠心ファン1は、側板2と主板3と複数の翼4を備えている。側板2は、円環状に形成され、その中央部に、空気を吸い込むための吸込口5を有している。側板2は、その中央部の吸込口5から外周側に向かうにつれて主板3側に近づくようなベルマウス形状となっている。なお、側板2の外周部は、遠心ファン1の回転軸Axに垂直な円環状としてもよい。
主板3は、円盤状に形成され、側板2に対向するように設けられている。主板3は、その中央部が吸込口5側に向かって突出するような形状となっている。主板3の中心に設けられたモータ締結部31は、図示しない電動モータのシャフトに固定される。
複数の翼4は、主板3と側板2との間に回転方向に所定間隔で配置されている。本実施形態では、複数の翼4は、回転軸Ax方向の一方の側が主板3に固定され、回転軸Ax方向の他方の側が側板2に固定されている。すなわち、主板3と側板2と複数の翼4とは、一体に形成されている。複数の翼4は、前縁6から後縁7に向かって回転方向後ろ向きに延びている。したがって、この遠心ファン1は、ターボファンである。なお、図では、遠心ファン1の回転方向を矢印Rにて示している。
遠心ファン1は、電動モータのシャフトと共に回転する。遠心ファン1が回転すると、吸込口5から吸い込まれた空気は、複数の翼4同士の間の流路(以下、翼間流路という)を、翼4の前縁6側から後縁7側に向けて流れる。そして、翼間流路を流れた空気は、翼4の後縁7と側板2と主板3との間に形成される空気出口から径方向外側に吹き出される。
複数の翼4はそれぞれ、負圧面8と正圧面9とを貫通する貫通孔10を少なくとも1つ有している。なお、負圧面8とは、翼4のうち回転方向後側の面である。正圧面9とは、翼4のうち回転方向前側の面であり、圧力面とも呼ばれる。本実施形態では、複数の翼4はそれぞれ、複数の貫通孔10を有している。なお、図2では、複数の貫通孔10をそれぞれ区別するために、数字符号の末尾にアルファベットを付している。以下の説明では、必要に応じて、貫通孔10の数字符号の末尾にアルファベットを付すこととする。
翼4が有する貫通孔10は、次の(A)、(B)、(C)の要件を満たすように設けられている。なお、複数の貫通孔10は、少なくともその一部が(A)、(B)、(C)の要件を満たしていればよい。
(A)複数の貫通孔10は、翼4のうち最大そり位置よりも後縁7側に設けられている。
図3では、翼4のうち前縁6と後縁7との間に形成される最大そり位置を一点鎖線Wで示している。複数の貫通孔10は、翼4のうち、最大そり位置と後縁7との間の部位に設けられている。なお、貫通孔10は、後縁7から離れた位置に設けられており、後縁7に開口していない。そのため、後縁7と貫通孔10との間には、翼4の壁面41が存在している。
(B)複数の貫通孔10は、所定の貫通孔10の孔幅が、その所定の貫通孔10の側板2側に隣接する他の貫通孔10の孔幅に対し、同一または大きい。
ここで、図3に示すように、本明細書では、貫通孔10のうち前縁6側の内壁から前縁6までの距離D1と、貫通孔10のうち後縁7側の内壁からから前縁6までの距離D2との差分ΔDを、孔幅と定義する。なお、貫通孔10の孔幅とは、正圧面9で測定した差分と負圧面8で測定した差分のうち、小さい方を指すものとする。小さい方の孔幅が空気流れの律速となるためである。
図2に示すように、第1実施形態では、翼4のうち側板2側の部位(以下、上部という)から中間部(以下、中部という)に配置される複数の貫通孔10a~gの孔幅は、同一の大きさである。そして、貫通孔10hの孔幅は、その貫通孔10hの側板2側に隣接する貫通孔10gの孔幅より大きい。また、翼4のうち主板3側の部位(以下、下部という)に配置される複数の貫通孔10h~jの孔幅は、同一の大きさである。
第1実施形態では、複数の貫通孔10の形状が円形である。そのため、第1実施形態では、複数の貫通孔10は、所定の貫通孔10の孔径が、その所定の貫通孔10の側板2側に隣接する他の貫通孔10の孔径に対し、同一または大きい、と言うこともできる。なお、貫通孔10の形状は、円形に限られるものでなく、例えば長穴、多角形、またはD形状など、任意に設定することが可能である。
(C)複数の貫通孔10は、所定の貫通孔10が、その所定の貫通孔10の側板2側に隣接する他の貫通孔10に対し、遠心ファン1の回転軸Axと平行または前縁6側に設けられている。
図2に示すように、第1実施形態では、複数の貫通孔10a~jは、各貫通孔10の中心位置が、遠心ファン1の回転軸Axと平行に並ぶように設けられている。
以上説明した第1実施形態に関し、貫通孔10の技術的意義については、後述する第2~第7実施形態の構成を説明した後に説明する。
(第2~第7実施形態)
第2~第7実施形態について説明する。第2~第7実施形態は、第1実施形態に対して貫通孔10の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、第2~第7実施形態の貫通孔10も、少なくともその一部が、第1実施形態で説明した(A)、(B)、(C)の要件を満たすように設けられている。
(第2実施形態)
図4に示すように、第2実施形態では、翼4の中部に配置される貫通孔10a~eは、孔幅が同一の大きさである。そして、貫通孔10fの孔幅は、その側板2側に隣接する貫通孔10eの孔幅より大きい。また、翼4の下部に配置される貫通孔10f~hは、孔幅が同一の大きさである。
また、第2実施形態では、翼4の中部に配置される貫通孔10a~eは、各貫通孔10の中心位置が、遠心ファン1の回転軸Axと平行に並ぶように設けられている。そして、翼4の下部に配置される貫通孔10g、hは、所定の貫通孔10が、その所定の貫通孔10の側板2側に隣接する他の貫通孔10に対し前縁6側に設けられている。
さらに、第2実施形態では、翼4の上部(すなわち、翼4のうち貫通孔10aより側板2側の部位)に貫通孔10が設けられていない。このことは、後述する実験およびシミュレーション(以下、実験等という)に基づくものであり、翼4のうち側板2側の所定の領域では、貫通孔10による騒音低減効果が生じないためである。なお、その所定の領域は、遠心ファン1の形状に応じて、実験等により適宜設定されるものである。
(第3実施形態)
図5に示すように、第3実施形態では、翼4の中部に配置される貫通孔10a~eは、孔幅が同一の大きさである。そして、貫通孔10fの孔幅は、その側板2側に隣接する貫通孔10eの孔幅より大きい。また、翼4の下部に配置される貫通孔10f~hは、孔幅が同一の大きさである。
また、第3実施形態では、翼4の中部から下部に配置される貫通孔10a~hは、各貫通孔10の中心位置が、遠心ファン1の回転軸Axと平行に並ぶように設けられている。
さらに、第3実施形態では、翼4の上部に貫通孔10が設けられていない。
(第4実施形態)
図6に示すように、第4実施形態では、翼4の上部から下部に亘って配置される貫通孔10b~jはいずれも、所定の貫通孔10の孔幅が、その側板2側に隣接する貫通孔10の孔幅より大きい。
また、第4実施形態では、貫通孔10a~jは、各貫通孔10の中心位置が、遠心ファン1の回転軸Axと平行に並ぶように設けられている。
(第5実施形態)
図7に示すように、第5実施形態では、貫通孔10a、bは、長穴とされている。この場合も、所定の貫通孔10bの孔幅は、その側板2側に隣接する貫通孔10aの孔幅より大きい。
また、第5実施形態では、貫通孔10a、bは、各貫通孔10の中心位置が、遠心ファン1の回転軸Axと平行に並ぶように設けられている。
(第6実施形態)
図8に示すように、第6実施形態でも、貫通孔10a、bは、長穴とされている。この場合も、所定の貫通孔10bの孔幅は、その側板2側に隣接する貫通孔10aの孔幅より大きい。
また、第6実施形態では、貫通孔10a、bは、所定の貫通孔10bの中心位置が、その所定の貫通孔10bの側板2側に隣接する他の貫通孔10aの中心位置に対し、前縁6側に設けられている。具体的には、翼4の下部に配置される貫通孔10bは、側板2側から主板3側に向かって遠心ファン1の回転軸Axに近づくように傾斜している。
なお、第6実施形態では、翼4の上部に貫通孔10が設けられていない。
(第7実施形態)
図9および図10に示すように、第7実施形態では、貫通孔10は、翼4の負圧面8における開口面積S1よりも翼4の正圧面9における開口面積S2の方が大きい形状とされている。貫通孔10は、このような形状としても、上述した第1~第6実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
具体的には、第7実施形態では、翼4の貫通孔10の内壁のうち後縁7側の壁11の形状は、その翼4の回転方向前側に位置する翼4の負圧面8に対応した形状とされている。これにより、複数の翼4を射出成形する場合、翼4同士の間に配置される金型の型抜き方向と、貫通孔10の内壁の方向とを同一にすることが可能である。なお、図10の矢印Mで示すように、射出成形の際に翼間流路に配置される金型の型抜き方向は、翼4の負圧面8に沿うような方向である。したがって、第7実施形態では、翼4と貫通孔10とを一つの金型で形成することが可能となり、製造上のコストを低減することができる。
(貫通孔の技術的意義)
次に、貫通孔10の技術的意義について説明する。
第1~第7実施形態の貫通孔10は、遠心ファン1の回転によって生じる騒音を低減するものである。また、第1~第7実施形態の貫通孔10は、翼4の面積が貫通孔10によって減少することによる送風効率の低下を抑制し、または送風効率を向上するものである。
まず、遠心ファン1の回転によって騒音が生じる理由について、図11を参照しつつ説明する。
図11では、翼間流路の出口を流れる主流の速度を矢印vで示し、騒音源となる渦の軸を矢印ωで示している。ここで、Powellの渦音理論によれば、音源項は、div(v×ω)にて表され、この値が大きいほど騒音が大きくなることを示す。divは発散を意味し、微小体積における湧き出しや吸い込み時に大きくなる。また、vは主流速度を意味し、ωは渦度を意味する。すなわち、騒音は、主流速度vと渦度ωとの外積である。そのため、大きい渦が主流と直交し、発生または消滅している箇所が音になる。したがって、翼間流路の出口で発生する渦を小さくすれば、騒音を低減することが可能である。翼間流路の出口で発生する渦を小さくするには、翼間流路の出口での流速のばらつき(すなわち、流速偏差)を小さくすればよい。
図12は、翼4の後縁7にセレーションを設けた場合における翼間流路の流速の偏りを示したものである。翼間流路では、負圧面8の近傍の流速が速く、正圧面9の近傍の流速が遅いものとなっている。そこで、翼4の後縁7にセレーションを設けた場合、矢印Fに示すように、所定の翼間流路の中で正圧面9の近傍を流れる空気がセレーションの切欠部を通り、その所定の翼間流路より回転方向後側に位置する他の翼間流路に流れる。そのため、他の翼間流路では、負圧面8の近傍を流れる流速の速い空気が回転方向後側に押し出され、翼間流路の出口の流速が均一に近づく。したがって、翼4の後縁7付近で形成される渦が小さくなり、騒音が低減する。なお、このことは、発明者らの研究により発見されたものである。
図13~図16は、本発明の比較例として、翼4の後縁7にセレーションを設けた場合の模式図を示したものである。
図13は、一般的なセレーション20の形状を示している。図14は、セレーション20の切欠部を前縁6側へ深く切り込んだ形状である。図15は、セレーション20の凹凸を矩形状にして、流速を部分的に下げるようにした形状である。図16は、セレーション20を遠心ファン1の回転軸Ax方向に大きくした形状である。セレーション20をこのような形状にすれば、回転方向前側の翼間流路から回転方向後側の翼間流路へ流入する空気の流量を増やすことが可能である。しかしながら、図13~図16に示したセレーション20はいずれも、翼4の面積が減少することで、送風効率が低下するといった問題がある。また、図13~図16に示したセレーション20はいずれも、切欠部から翼間流路へ流入した空気が翼間流路の外側へすぐに吹き出されてしまうので、翼間流路で負圧面8の近傍を流れる流速の速い空気を正圧面9側に押し出す効果が弱いものと考えられる。
そこで、発明者らは、図17~図19に示すように、翼4に貫通孔10を設ける構造を発明したのである。これにより、翼4の後縁7よりも上流側の位置から貫通孔10を経由して回転方向後側の翼間流路へ流入した空気が、その翼間流路の中で負圧面8の近傍を流れる流速の速い空気を正圧面9側に押し出す効果を向上することができる。なお、貫通孔10の形状は、三角形、四角形、円形など、任意の形状とすることが可能であるが、円形にすれば翼4面積の減少を最小にすることができる。
図20~図22は、翼4にセレーション20を設けた場合と、翼4に貫通孔10を設けた場合とで、翼間流路の出口の流速分布を示したものである。図20は、図21および図22に記載されている翼間流路の出口の位置を示したものである。すなわち、図21および図22は、所定の翼間流路の出口において、回転方向前側の翼4の後縁7から回転方向後側の翼4の後縁7までの流速分布を示したCFD(computational fluid dynamics)による数値解析図である。具体的には、図21は、翼4にセレーション20を設けた場合における翼間流路の出口の速度分布を示している。図22は、翼4に貫通孔10を設けた場合における翼間流路の出口の速度分布を示している。
翼4にセレーション20を設けた場合における翼間流路の出口の速度分布(図21参照)に比べて、翼4に貫通孔10を設けた場合における翼間流路の出口の速度分布(図22参照)は、全体的に見て流速のばらつきが小さくなっている。特に、図21および図22の右下の部分、すなわち、翼4の負圧面8の近傍かつ主板3の近傍の部位を比較すると、翼4にセレーション20を設けた場合では、流速の速い流れがあるが、翼4に貫通孔10を設けた場合では、その部位の流速が遅くなり、他の部位と均一化されている。
このように、翼4に貫通孔10を設けた場合では、翼4にセレーション20を設けた場合と比べて、全体的に流速が均一化されている。このことは、翼4に貫通孔10を設けた場合、翼4の後縁7よりも上流側から貫通孔10を通じて翼間流路へ空気が流入するため、その翼間流路の中で負圧面8の近傍を流れる流速の速い空気の流れを正圧面9側に押し出す効果が向上することによるものと考えられる。
次に、図23は、翼4にセレーション20または貫通孔10等を設けていない形状(以下、ベース形状という)の場合と、翼4にセレーション20を設けた場合と、翼4に貫通孔10を設けた場合とで、翼間流路の出口の流速偏差を示したものである。なお、翼間流路の出口の流速偏差とは、翼間流路の出口の流速を周方向に視た場合の流速の不均一さをいう。
図23に示すように、翼4の上部では、ベース形状に比べて、翼4にセレーション20や貫通孔10を設けた場合の方が、流速偏差が大きくなっている。しかし、翼4の上部は、翼間流路の出口を流れる主流の流量が少ないので、騒音に関する影響は小さい。ただし、図4、図5、図8に示した第2、第3、第6実施形態のように、翼4の上部には貫通孔10を設けないことが好ましい。
一方、翼4の中部と下部では、ベース形状に比べて、翼4にセレーション20を設けた場合に流速偏差が小さくなっている。さらに、翼4に貫通孔10を設けた場合に流速偏差がより小さくなっている。このことから、翼4にセレーション20を設けるよりも、翼4に貫通孔10を設けることで、騒音をより低減することが可能であると言える。
続いて、図24は、ベース形状の場合と、翼4に内径の異なる貫通孔10を設けた場合とで、翼間流路の出口の流速偏差を示したものである。具体的には、複数の貫通孔10が遠心ファン1の回転軸Axと平行に並ぶように設けた場合において、複数の貫通孔10の内径を1mmとしたものと、その内径を2mmとしたものと、その内径を2.5mmとしたものについてそれぞれ調べた。
翼4の上部では、ベース形状に比べて、翼4に貫通孔10を設けた場合の方が、流速偏差が大きくなっている。しかし、翼4の上部は、翼間流路の出口を流れる主流の流量が少ないので、騒音に関する影響は小さい。ただし、図4、図5、図8に示した第2、第3、第6実施形態のように、翼4の上部に貫通孔10を設けないことが好ましい。
一方、翼4の中部と下部では、翼4に内径の小さい貫通孔10を設けた場合に比べて、内径の大きい貫通孔10を設けた場合に流速偏差がより小さくなっている。このことから、翼4に内径の大きい貫通孔10を設けることで、騒音をより低減することが可能であると言える。
詳細には、翼4の中部よりも、翼4の下部の方が、貫通孔10の内径を大きくすることで流速偏差がより小さくなっている。このことから、翼4の中部に配置する貫通孔10の内径よりも、翼4の下部に配置する貫通孔10の内径を大きくすることで、騒音をより低減することが可能であると言える。したがって、上述した要件(B)に示したように、複数の貫通孔10は、所定の貫通孔10の孔幅が、その所定の貫通孔10の側板2側に隣接する他の貫通孔10の孔幅に対し、同一または大きいことで、騒音をより低減することが可能である。
次に、図25は、ベース形状の場合と、貫通孔10の位置を遠心ファン1の径方向に変えた場合とで、翼間流路の出口の流速偏差を示したものである。具体的には、複数の貫通孔10が遠心ファン1の回転軸Axと平行に並ぶように設けた場合において、複数の貫通孔10の中心位置と翼4の後縁7との距離を4mmとしたものと、その距離を14mmとしたものについてそれぞれ調べた。
翼4の上部では、ベース形状に比べて、翼4に貫通孔10を設けた場合の方が、流速偏差が大きくなっている。しかし、翼4の上部は、翼間流路の出口を流れる主流の流量が少ないので、騒音に関する影響は小さい。ただし、図4、図5、図8に示した第2、第3、第6実施形態のように、翼4の上部に貫通孔10を設けないことが好ましい。
翼4の中部では、ベース形状に比べて、翼4の後縁7に近い位置に貫通孔10を設けた場合の方が、流速偏差が小さくなっている。一方、翼4の後縁7に近い位置に貫通孔10を設けた場合に比べて、翼4の後縁7から遠い位置に貫通孔10を設けた場合の方が、流速偏差が大きくなっている。
これに対し、翼4の下部では、ベース形状に比べて、翼4の後縁7に近い位置に貫通孔10を設けた場合の方が、流速偏差が小さくなっている。さらに、翼4の後縁7に近い位置に貫通孔10を設けた場合に比べて、翼4の後縁7から遠い位置に貫通孔10を設けた場合の方が、流速偏差が小さくなっている。
このことから、翼4の中部では、翼4の後縁7に近い位置に貫通孔10を設けることで、騒音をより低減することが可能であると言える。これに対し、翼4の下部では、翼4の後縁7から遠い位置に貫通孔10を設けることで、騒音をより低減することが可能であると言える。したがって、上述した要件(C)に示したように、複数の貫通孔10は、所定の貫通孔10が、その所定の貫通孔10の側板2側に隣接する他の貫通孔10に対し、遠心ファン1の回転軸Axと平行または前縁6側に配置されることで、騒音をより低減することが可能である。
次に、図26は、ベース形状の場合と、翼4にセレーション20を設けた場合と、図2および図4に示した第1実施形態および第2実施形態のように貫通孔10を設けた場合とで、遠心ファン1の比騒音と、ファン効率(すなわち送風効率)を示したものである。なお、図26では、ベース形状における遠心ファン1の比騒音と送風効率をそれぞれ基準値0として、その基準値に対する各形態の差分を示している。
遠心ファン1の比騒音に関してみると、ベース形状に比べて、翼4にセレーション20を設けた場合の方が小さくなっている。そして、翼4にセレーション20を設けた場合に比べて、第1実施形態のように貫通孔10を設けた場合の方が比騒音は小さくなっている。さらに、第1実施形態のように貫通孔10を設けた場合に比べて、第2実施形態のように貫通孔10を設けた場合の方が比騒音はより小さくなっている。
したがって、第1実施形態のように、翼4に貫通孔10を設けることで、セレーション20よりも騒音を低減することが可能である。さらに、第2実施形態のように、翼4の上部に貫通孔10を設けることなく、また、翼4の下部の貫通孔10を前縁6側に配置することで、騒音をより低減することが可能である。
遠心ファン1の送風効率に関してみると、ベース形状に比べて、翼4にセレーション20を設けた場合の方が低下している。これに対し、翼4にセレーション20を設けた場合に比べて、第1実施形態のように貫通孔10を設けた場合の方が、送風効率の低下が抑制されている。さらに、第2実施形態のように貫通孔10を設けた場合、ベース形状よりも送風効率が向上している。
したがって、第1実施形態のように、翼4に貫通孔10を設けることで、セレーション20よりも送風効率の低下を抑制することが可能である。また、第2実施形態のように、翼4の上部に貫通孔10を設けることなく、さらに、翼4の下部の貫通孔10を前縁6側に配置することで、ベース形状よりも送風効率を向上することが可能である。
次に、第2実施形態のように貫通孔10を設けた場合、ベース形状よりも送風効率が向上する理由について説明する。
図27は、ベース形状において、翼4の正圧面9を流れる空気の全圧分布を示したものである。一方、図28は、第2実施形態のように貫通孔10を設けた場合において、翼4の正圧面9を流れる空気の全圧分布を示したものである。
ベース形状における正圧面9の全圧分布(図27参照)に比べて、第2実施形態における正圧面9の全圧分布(図22参照)は、翼4の後縁7付近の圧力が、翼4の上下方向(すなわち、回転軸Ax方向)に亘って大きくなっている。さらに、ベース形状における正圧面9の全圧分布(図27参照)に比べて、第2実施形態における正圧面9の全圧分布(図22参照)は、翼4の後縁7かつ主板3付近の圧力が大きくなっている。このことは、翼4に貫通孔10を設けた場合、翼4の後縁7よりも上流側の位置から貫通孔10を通じて翼間流路へ空気が流入し、その翼間流路の中で空気の流れが正圧面9側に寄ることで、翼4の後縁7かつ主板3付近の圧力が大きくなることによるものと考えられる。
そして、図4に示した第2実施形態のように貫通孔10を設けた場合では、翼4の下部に配置される貫通孔10g、hは、側板2側に隣接する他の貫通孔10に対し前縁6側に設けられている。そのため、翼4のうち貫通孔10g、hと後縁7との間の壁面41の面積が大きくなり、その壁面41により、翼間流路の出口の外側へ空気を押し出す仕事をすることが可能である。
さらに、翼4の後縁7よりも上流側の位置から貫通孔10を通じて翼間流路へ空気が流入し、その翼間流路の中で空気の流れが正圧面9側に寄ることで、翼4の後縁7かつ主板3付近の圧力が大きくなるので、翼4のうち貫通孔10g、hと後縁7との間の壁面41での仕事量が増える。したがって、第2実施形態のように貫通孔10を設けた場合、ベース形状よりも送風効率が向上する。なお、このことは、図8および図9に示した第6および第7実施形態でも同様に、ベース形状よりも送風効率が向上するといえる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上記各実施形態では、遠心ファン1としてターボファンを例にして説明したが、これに限らず、遠心ファン1はラジアルファンまたはシロッコファン等であってもよい。
(2)また、翼4が有する複数の貫通孔10は全て同じ孔幅としてもよい。
(3)また、翼4が有する複数の貫通孔10は、その一部に(A)、(B)、(C)の要件を満たさない部分が混在していてもよい。
(4)また、複数の翼4はそれぞれが1つの貫通孔10を有する構成としてもよい。
(5)上記各実施形態では、主板3と側板2と複数の翼4とが一体に回転する構成として説明したが、これに限らず、主板3と複数の翼4のみが回転する構成としてもよく、複数の翼4のみが回転する構成としてもよく、複数の翼4のみが回転する構成としてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、遠心ファンは、遠心送風機に用いられる。遠心ファンは、空気の吸込口を有する環状の側板と、その側板に対向して設けられる主板と、側板と主板との間に回転方向に所定間隔で配置される複数の翼とを備える。そして、翼は、負圧面と正圧面とを貫通し、且つ、後縁に開口していない貫通孔を有している。
第2の観点によれば、貫通孔は、翼のうち前縁と後縁との間に形成される最大そり位置よりも後縁側に設けられている。
これによれば、翼の最大そり位置よりも後縁側で、所定の翼間流路の空気が貫通孔を通り、回転方向後側に位置する他の翼間流路に流入する。そのため、他の翼間流路の中で負圧面の近傍を流れる流速の速い空気の流れが、貫通孔から流入した空気によって回転方向後側に押し出され、流速の遅い正圧面側へ拡がることで、翼間流路の出口の流速偏差を均一に近づけることが可能である。したがって、翼の後縁付近で形成される渦が弱くなるので、騒音を低減することができる。
また、翼のうち貫通孔と後縁との間の壁面が、翼間流路の出口の外側へ空気を押し出す仕事をすることで、送風効率の低下を抑制し、または、送風効率を向上することができる。
第3の観点によれば、複数の翼はそれぞれ、複数の貫通孔を有している。
これによれば、翼の剛性を保ちつつ、貫通孔の位置および開口面積を任意に調整することができる。
第4の観点によれば、貫通孔のうち前縁側の内壁から前縁までの距離と、貫通孔のうち後縁側の内壁から前縁までの距離との差分を孔幅と定義する。このとき、複数の貫通孔のうち、所定の貫通孔の孔幅は、その所定の貫通孔の側板側に隣接する他の貫通孔の孔幅に対し、同一または大きいものとされている。
これによれば、発明者らの実験等により、翼のうち主板側の部位と、翼の主板と側板との中間付近の部位と、翼の側板側の部位とで、貫通孔による騒音低減効果が異なることが判った。具体的には、翼のうち主板側の部位で貫通孔による騒音低減効果が大きく、翼の主板と側板との中間付近の部位で貫通孔による騒音低減効果が小さくなり、翼の側板側の部位で貫通孔による騒音低減効果が殆ど無いことが判った。
そこで、第4の観点では、複数の貫通孔のうち、所定の貫通孔の孔幅は、その所定の貫通孔の側板側に隣接する他の貫通孔の孔幅に対し、同一または大きいものとしている。これにより、貫通孔による翼の面積の減少を抑制しつつ、騒音低減効果をより高めることができる。また、貫通孔による翼の面積の減少が抑制されるので、送風効率の低下を抑制することができる。
第5の観点によれば、複数の貫通孔のうち、所定の貫通孔は、その所定の貫通孔の側板側に隣接する他の貫通孔に対し、遠心ファンの回転軸と平行または前縁側に設けられている。
これによれば、発明者らの実験等により、翼のうち貫通孔と後縁との間の壁面により、翼間流路の出口の外側へ空気を押し出す仕事をすることが判った。また、その仕事量は、翼のうち側板側の部位よりも主板側の部位で大きくなることが判った。
そこで、第5の観点では、複数の貫通孔のうち、所定の貫通孔を、その所定の貫通孔の側板側に隣接する他の貫通孔に対し、遠心ファンの回転軸と平行または前縁側に設けている。これにより、翼のうち貫通孔と後縁との間の壁面の中で、特に主板側に位置する壁面により、翼間流路の出口の外側へ空気を押し出す仕事量を大きくすることが可能である。したがって、この遠心ファンは、送風効率の低下をより抑制し、または、送風効率をより向上することができる。
第6の観点によれば、複数の貫通孔のうち、所定の貫通孔は、その所定の貫通孔の側板側に隣接する他の貫通孔に対し、遠心ファンの回転軸と平行または前縁側に設けられている。そして、所定の貫通孔の孔幅は、その所定の貫通孔の側板側に隣接する他の貫通孔の孔幅に対し、同一または大きいものとされている。
これによれば、翼のうち貫通孔と後縁との間の壁面の中で、特に主板側に位置する壁面により、翼間流路の出口の外側へ空気を押し出す仕事量を大きくすることが可能である。また、貫通孔による翼の面積の減少を抑制しつつ、騒音低減効果をより高めることができる。したがって、この遠心ファンは、騒音を低減すると共に、送風効率の低下を抑制し、または送風効率を向上することができる。
第7の観点によれば、貫通孔は、翼の負圧面における開口面積よりも翼の正圧面における開口面積の方が大きい。
これによれば、貫通孔をこのような形状としても、上述の第1~第6の観点と同様に、騒音を低減すると共に送風効率の低下を抑制し、または送風効率を向上することができる。
また、所定の翼の貫通孔の内壁のうち後縁側の形状を、その翼の回転方向前側に位置する翼の負圧面に対応した形状とすれば、複数の翼を射出成形する場合、翼同士の間に配置される金型の型抜き方向と貫通孔の内壁の方向とが同一となる。なお、射出成形の際に翼間流路に配置される金型の型抜き方向は、翼の負圧面に沿った径外方向となる。したがって、翼と貫通孔とを一つの金型で形成することが可能となり、製造上のコストを低減することができる。
1 遠心ファン
2 側板
3 主板
4 翼
5 吸込口
7 後縁
8 負圧面
9 正圧面
10 貫通孔

Claims (5)

  1. 遠心送風機に用いられる遠心ファンにおいて、
    空気の吸込口(5)を有する環状の側板(2)と、
    前記側板に対向して設けられる主板(3)と、
    前記側板と前記主板との間に回転方向に所定間隔で配置される複数の翼(4)と、を備え、
    前記翼は、負圧面(8)と正圧面(9)とを貫通し、且つ、後縁(7)に開口していない複数の貫通孔(10)を有しており、
    前記貫通孔のうち前記前縁側の内壁から前記前縁までの距離(D1)と、前記貫通孔のうち後縁側の内壁から前記前縁までの距離(D2)との差分(ΔD)を孔幅と定義したとき、
    複数の前記貫通孔のうち、所定の前記貫通孔の孔幅は、その所定の前記貫通孔の前記側板側に隣接する他の前記貫通孔の孔幅に対し大きいものとされている、遠心ファン。
  2. 遠心送風機に用いられる遠心ファンにおいて、
    空気の吸込口(5)を有する環状の側板(2)と、
    前記側板に対向して設けられる主板(3)と、
    前記側板と前記主板との間に回転方向に所定間隔で配置される複数の翼(4)と、を備え、
    前記翼は、負圧面(8)と正圧面(9)とを貫通し、且つ、後縁(7)に開口していない複数の貫通孔(10)を有しており、
    前記翼において前記側板側と前記主板側との途中の位置から前記主板側に配置される複数の前記貫通孔は、前記主板側に配置されるものほど、前記貫通孔の中心が前縁側となるように配置されており、前記遠心ファンの回転軸(Ax)と平行に配置されていない、遠心ファン。
  3. 前記貫通孔は、前記翼のうち前縁と前記後縁との間に形成される最大そり位置(W)よりも前記後縁側に設けられている、請求項1または2に記載の遠心ファン。
  4. 複数の前記貫通孔のうち、所定の前記貫通孔は、その所定の前記貫通孔の前記側板側に隣接する他の前記貫通孔に対し前記前縁側に設けられており、
    所定の前記貫通孔の孔幅は、その所定の前記貫通孔の前記側板側に隣接する他の前記貫通孔の孔幅に対し大きいものとされている、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の遠心ファン。
  5. 前記貫通孔は、前記翼の前記負圧面における開口面積(S1)よりも前記翼の前記正圧面における開口面積(S2)の方が大きい、請求項1ないしのいずれか1つに記載の遠心ファン。
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