以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態の送風機10は、例えば、車室内の空調を行う車両用空調ユニットに採用されるものである。図1および図2に示すように、送風機10は、ケース12と、電動モータ14と、羽根車であるファン16と、ガイド部24とを備えている。
図2および図3に示すように、ファン16は、ファン軸心CLまわりに回転する遠心ファン(詳細には、ターボファン)である。従って、本実施形態の送風機10は遠心送風機である。
ファン16は、ファン軸心CLまわりに回転することで、そのファン軸心CLの軸方向Daの一方側から矢印A1のように空気を吸い込むと共に、その吸い込んだ空気を矢印A2のようにファン軸心CLの径方向Drの外側へ吹き出す。そのファン軸心CLの軸方向Daは言い換えればファン16の軸方向Daでもあり、ファン軸心CLの径方向Drは言い換えればファン16の径方向Drでもあり、ファン軸心CLを中心とした周方向Dc(図1参照)は言い換えればファン16の周方向Dcでもある。なお、本実施形態の説明では、ファン軸心CLの軸方向Daをファン軸方向Daとも称し、ファン軸心CLの径方向Drをファン径方向Drとも称し、ファン軸心CLを中心とした周方向Dcをファン周方向Dcとも称する。
図1および図2に示すように、ケース12は、回転しない非回転部材である。ケース12は、例えば樹脂製であり、複数の樹脂成形部材が組み合わされることによって構成されている。ケース12は、そのケース12内にファン16を収容すると共に、電動モータ14を保持している。
電動モータ14は、電力供給を受けることによりファン16を回転させる。電動モータ14は、回転しないモータ本体141と、モータ本体141からファン軸方向Daの一方側へ突き出たモータ回転軸142とを有している。
このモータ回転軸142は、ファン軸心CLまわりに回転する。その一方で、モータ本体141は、ケース12の一部に嵌め入れられケース12に対して固定されている。
ファン16は例えば樹脂製であり、複数枚の翼18と、側板20と、主板22とを備えている。複数枚の翼18は、相互間隔を空けながらファン周方向Dcに並んで配置されている。複数枚の翼18の相互間には、ファン16の回転に伴って、ファン径方向Drの内側から外側へと空気が流通させられる。なお、本実施形態では、後述の吸込口24aを通過して翼18の相互間に流通する空気流れを主流と称する場合がある。図4では、矢印Fmがその主流を表している。
図2〜図4に示すように、複数枚の翼18はそれぞれ、空気流れ方向の上流側に設けられた上流端部である翼前縁181と、空気流れ方向の下流側に設けられた下流端部である翼後縁182とを有している。また、複数枚の翼18はそれぞれ、ファン軸方向Daの一方側に設けられた翼一端183と、ファン軸方向Daの他方側に設けられた翼他端184とを有している。
ファン16の主板22は、ファン軸心CLを中心とした円盤状を成し、中央部分にてモータ回転軸142に固定されている。これにより、ファン16の全体がモータ回転軸142と共に一体回転する。
また、主板22は、ファン径方向Drの外側ほどファン軸方向Daの他方側に位置するように、ファン軸心CLに対し傾斜しつつファン径方向Drに拡がっている。ファン軸方向Daの他方側向きの空気流れがファン径方向Drの外側向きなるように、その空気流れを案内するためである。
また、主板22は、複数枚の翼18のそれぞれに対し側板20側とは反対側に連結されている。要するに、複数枚の翼18の翼他端184がそれぞれ、主板22に連結されている。
ファン16の側板20は、ファン軸心CLを中心とした円環形状を成している。その側板20は、複数枚の翼18に対してファン軸方向Daの一方側に設けられ、その複数枚の翼18のそれぞれに連結されている。要するに、複数枚の翼18の翼一端183がそれぞれ、側板20に連結されている。
側板20の内側には、ファン軸方向Daの一方側からの空気が吸い込まれる吸気孔20aが形成されている。
また、側板20は、ファンリング部201と下流拡径部202とを含んで構成されている。そのファンリング部201は、下流拡径部202に対しファン軸方向Daの一方側で且つファン径方向Drの内側に配置されている。すなわち、ファンリング部201は、下流拡径部202に対し主流の流れ方向の上流側に配置されている。
そして、ファンリング部201は、側板20のうちファン軸方向Daの一方側の端に位置する側板一端20bを、ファンリング部201の一端として有している。その側板一端20bと複数枚の翼18との位置関係について言うと、翼18は、側板一端20bからファン軸方向Daの他方側へ間隔を空けて配置されている。
また、ファンリング部201は吸気孔20aをその全周にわたって囲んでおり、ファン軸心CLを中心とした筒状を成している。すなわち、吸気孔20aは、側板20のうちファンリング部201の内側に形成されている。例えば、本実施形態のファンリング部201は、円筒形状または略円筒形状を成している。
図3および図4に示すように、側板20の下流拡径部202は、ファンリング部201がファン軸方向Daの他方側に有する他端から延設されている。下流拡径部202は、そのファンリング部201の他端からファン径方向Drの外側へ拡がるように形成されている。詳細には、下流拡径部202は、ファン径方向Drの外側ほどファン軸方向Daの他方側に位置するように、ファン軸心CLに対し傾斜しつつファン径方向Drに拡がっている。
このように構成されたファン16は、ファン軸心CLまわりに回転することにより、ファンリング部201に対するファン軸方向Daの一方側からファンリング部201の内側を通して複数枚の翼18の相互間へ空気を吸い込む。それと共に、ファン16は、その複数枚の翼18の相互間へ吸い込んだ空気をファン径方向Drの外側へ吹き出す。
図4に示すように、ケース12は、側板対向部121とガイド外側配置部122と吸込角部123と導風部124とを有している。上述したようにケース12は回転しないので、側板対向部121、ガイド外側配置部122、吸込角部123、および導風部124も回転しない。
ケース12の側板対向部121は、側板20に対し翼18側とは反対側に配置され、側板20との間に隙間121aを空けると共に側板20に沿って拡がるように形成されている。そのため、側板対向部121は、その側板20と側板対向部121との隙間121aに面すると共に側板20に対向する側板対向面121bを有している。
ケース12のガイド外側配置部122は、側板20のファンリング部201に対するファン軸方向Daの一方側に設けられ、そのファンリング部201よりもファン径方向Drの外側に配置されている。ガイド外側配置部122は、側板対向部121に対しファン軸方向Daの一方側に設けられている。
また、ガイド外側配置部122は、ファン軸心CLまわりの全周にわたってファン軸心CLを囲むように形成されている。そのため、ガイド外側配置部122は、ファン径方向Drの内側を向いた内向面122bを有している。
そのガイド外側配置部122の内向面122bは、ファン軸心CLを中心としファン軸方向Daへ延びた円筒内面形状を成している。この内向面122bは、ファン径方向Drの内側を向いていればテーパ面であってもよいが、本実施形態では、ファン径方向Drを法線方向とした円筒内面となっている。また、内向面122bは、側板対向面121bに連結し、その側板対向面121bから折れ曲がることなく連続的につながっている。
ケース12の導風部124は、ガイド外側配置部122に対しファン軸方向Daの一方側に設けられている。また、その導風部124は、ガイド外側配置部122の内向面122bよりもファン径方向Drの外側でファン径方向Drに拡がるように形成されている。そのため、導風部124は、ファン軸方向Daの一方側に向いた導風面124bを有している。この導風面124bは、ファン軸方向Daの一方側に向いていればファン軸心CLに対して傾斜していてもよいが、本実施形態では、ファン軸方向Daを法線方向とした平面状になっている。
ケース12の吸込角部123は、ガイド外側配置部122と導風部124との間に配置され、そのガイド外側配置部122と導風部124とを連結している。吸込角部123は、導風面124bと内向面122bとの間でその導風面124bと内向面122bとを連結するベルマウス面としての面連結部123bを、吸込角部123の表面部分として有している。すなわち、吸込角部123は、そのベルマウス面が形成されたベルマウス部として構成されている。
このベルマウス面として形成された面連結部123bは、ファン径方向Drの外側へ拡がるように曲がりながら、ファン軸方向Daの他方側から一方側へと延びている。すなわち、面連結部123bは、ファン軸心CLを含む平面でケース12を切断して得られる縦断面(すなわち、図4の縦断面)において凸状に湾曲した湾曲凸面になっている。また、図4の縦断面において、面連結部123bは、内向面122bと導風面124bとに対し曲率半径が局所的に小さくなる部位として設けられている。
また、面連結部123bは、内向面122bと導風面124bとのそれぞれに連結し、その内向面122bと導風面124bとのそれぞれから折れ曲がることなく連続的につながっている。
ガイド部24は環状に形成され、側板20のファンリング部201と比較してファン軸方向Daの一方側に配置されている。ガイド部24は、そのガイド部24の内側に、ファン16へ吸い込まれる空気が通過する吸込口24aを形成している。
ファン径方向Drにおけるガイド部24の外側には、連通路24bが形成されている。ガイド部24はケース12のガイド外側配置部122に対するファン径方向Drの内側に設けられているので、ガイド部24とガイド外側配置部122との間の隙間が連通路24bになっている。この連通路24bは、ガイド部24よりもファン軸方向Daの一方側にある上流空間12aを、ファンリング部201とガイド部24との間の隙間201a(別言すれば、隙間流路201a)へ連通させている。その上流空間12aにはケース12の導風面124bが面している。
また、図4の縦断面に表われるガイド部24の断面形状、すなわち、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daに延びた板状である。従って、図1および図4に示すように、ガイド部24は、ファン軸方向Daに延びた環形状(例えば、円環形状)を成している。
詳細に言うと、図4に示すように、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daに延びた翼形になっている。そして、そのガイド部24の翼形は、ファン軸方向Daの一方側をその翼形の前縁として、ファン径方向Drの外側に配置された正圧面24cと、ファン径方向Drの内側に配置された負圧面24dとを有している。従って、本実施形態のガイド部24は、ファン軸心CLまわりに回転する複数枚の翼18に対し主流の流れ方向の上流側に配置された静翼部として機能する。
また、ガイド部24は、ケース12の導風面124bよりもファン軸方向Daの他方側に配置されている。詳細には、ガイド部24は、ファン軸方向Daの一方側に一方端241を有し、その一方端241は、ケース12の導風面124bよりもファン軸方向Daの他方側に位置している。この導風面124bは、吸込口24aへ空気を導くものである。
また、ガイド部24は、そのガイド部24のうちファン径方向Drの最も内側に位置する最内周部242を有している。側板20のファンリング部201は、その最内周部242よりもファン径方向Drの外側に位置している。それと共に、そのファンリング部201は、ケース12の側板対向面121bとの比較では、その側板対向面121bよりもファン径方向Drの内側に位置している。
また、図1に示すように、ガイド部24とガイド外側配置部122との間の連通路24bは、ファン軸心CLまわりの全周にわたって設けられている。ガイド部24は、例えばケース12とは別の部品として成形され、ガイド部24とケース12とをつなぐ複数のガイド支持部125を介して、ケース12に連結固定されている。従って、ガイド部24も、ケース12と同様に非回転部材である。
なお、連通路24bは、複数のガイド支持部125によってファン周方向Dcに分割されているが、ファン軸心CLまわりの全周にわたって設けられていることに変わりはない。また、ガイド支持部125は、ケース12のうち例えば吸込角部123(図4参照)に連結している。
図4に示すように、ガイド部24は、相互に連続して段差無くつながった重複部243と延設部244とを有している。その重複部243は、側板20のファンリング部201に対しファン径方向Drの内側に重なるように設けられ、ファンリング部201に対し径方向隙間をあけて対向するように配置されている。また、延設部244は、重複部243からファン軸方向Daの一方側へ延設され、ファンリング部201よりもファン軸方向Daの一方側に設けられている。
上述したように、本実施形態によれば、図4に示すように、ファン径方向Drにおけるガイド部24の外側には、上流空間12aをファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aへ連通させる連通路24bが形成されている。そして、側板20のファンリング部201は、ガイド部24の最内周部242よりもファン径方向Drの外側に位置している。
ここで、ファン16が回転すると、そのファン16の回転に伴って、矢印Fmのように主流が生じると共に、側板20の外側にある隙間121aを矢印F1r、F2rのように通りファン16の出口側から入口側へ向かって逆流する逆流空気流れも生じる。更に、本実施形態では連通路24bが設けられているので、その連通路24bに、矢印Fsのように上流空間12aからファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aへ向かう空気流れも生じる。
そのため、矢印F2rで示された逆流空気流れは、矢印Fsで示された連通路24bの空気流れと合流してから、矢印Foのようにファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aを通って主流に合流することになる。本実施形態では、この矢印F2r、Fsで示された2つの空気流れの合流により、逆流空気が主流に合流する逆流出口部分において、逆流空気流れの向きと主流の向きとの交差角度を特許文献1の遠心送風機に比して小さくすることができる。その結果、ファン16の騒音を低減すると共にファン16の効率を向上させることが可能である。
詳しく説明すると、特許文献1の遠心送風機では、逆流空気流れがファン周方向Dcの速度成分を有し、そのファン周方向Dcの速度成分の低減が不十分であるため、その逆流空気流れと主流との交差により騒音を発する。これに対し、本実施形態の送風機10では、図4の矢印F1r、F2rのように側板20と側板対向部121との隙間121aを通過してきた逆流空気が、図4の矢印Fsのように連通路24bを通過してきた空気と衝突する。これにより、本実施形態の送風機10では、特許文献1の遠心送風機と比較して、逆流空気が有するファン周方向Dcの速度成分を低減をすることができる。
そして、本実施形態の送風機10では、そのファン周方向Dcの速度成分が小さくなった逆流空気が、翼18の空気流れ上流側の負圧によってファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aから、矢印Fmで示された主流に合流する。そのため、その合流する際の逆流空気の流れ方向と主流の流れ方向とが概ね一致し、騒音を低減することができる。
また、本実施形態によれば、図4に示すように、ガイド部24は、重複部243と、その重複部243からファン軸方向Daの一方側へ延設された延設部244とを有している。その重複部243は、ファンリング部201に対しファン径方向Drの内側に重なるように設けられている。そして、延設部244は、ファンリング部201よりもファン軸方向Daの一方側に設けられている。
従って、連通路24bを通る空気流れと側板20の外側を通って逆流する逆流空気流れとの合流後の空気流れを、重複部243とファンリング部201との間の隙間201aで、矢印Fmで示された主流の向きに沿わせるように案内することが可能である。
また、本実施形態によれば、ガイド部24が有する重複部243は、ファンリング部201に対し隙間をあけて対向するように配置されている。従って、重複部243とファンリング部201との間の隙間201aを通過する空気流れをファン軸方向Daに沿うように案内しやすい。
また、本実施形態によれば、図1および図4に示すように、連通路24bは、ファン軸心CLまわりの全周にわたって設けられている。従って、連通路24bを通る空気流れと矢印F1r、F2rのように逆流する逆流空気流れとの合流をファン軸心CLまわりの全周にわたって満遍なく生じさせることができる。そのため、例えば、連通路24bを通る空気流れと逆流空気流れとの合流のムラに起因して生じうる騒音等を抑制することが可能である。
また、本実施形態によれば、図4に示すように、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は、ファン径方向Drの外側に配置された正圧面24cとファン径方向Drの内側に配置された負圧面24dとを有する翼形になっている。従って、その正圧面24cの作用により、連通路24bを矢印Fsのように通る空気の圧力(言い換えると、気圧)が高くなる。そして、矢印F1r、F2rで示される逆流空気流れの下流側の気圧も、その連通路24bを通る空気流れと上記逆流空気流れとの合流によって高められる。
その結果、上記逆流空気流れの上流側の気圧(別言すると、逆流入口の気圧)と下流側の気圧(別言すると、逆流出口の気圧)との圧力差が小さくなるので、上記逆流空気流れの空気流量を低減することが可能である。なお、本実施形態では、側板20と側板対向部121との隙間121aのうちファン径方向Drの外側端が逆流入口に相当し、その隙間121aのうちファン軸方向Daの一方側の端が逆流出口に相当する。また、ここで言う気圧とは、詳しく言えば空気の静圧である。
更に、逆流空気流れの空気流量を低減できることで、送風機10が同一作動点で作動する場合に翼18の相互間に流れる空気流量を小さくすること可能である。その結果、翼18の相互間の空気流れが側板20から剥離する現象を小さく抑えることができ、延いては、ファン16の騒音低減およびファン16の効率向上につながる。
また、本実施形態によれば、図4に示すように、送風機10はガイド外側配置部122を備え、そのガイド外側配置部122は、ファンリング部201に対するファン軸方向Daの一方側で且つガイド部24に対するファン径方向Drの外側に設けられている。そして、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状(すなわち、図4に示されたガイド部24の断面形状)は、ファン軸方向Daに延びた板状であり、ガイド部24とガイド外側配置部122との間の隙間が連通路24bになっている。従って、主流が通過する吸込口24aの開口面積を最大限大きく確保しつつ、例えばガイド外側配置部122にガイド部24を付加する形で連通路24bを設けることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図5に示すように本実施形態では、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は翼形にはなっていない。そのガイド部24の断面形状は、ファン軸心CLに沿ってファン軸方向Daに延びた板状である。すなわち、ガイド部24は、ファン軸方向Daに沿って延びた円筒形状を成している。
また、ガイド外側配置部122の内向面122bは、第1実施形態と同様に、ファン軸心CLを中心としファン軸方向Daへ延びた円筒内面形状を成している。しかし、その内向面122bは、側板対向面121bに連続的にはつながっておらず、側板対向面121bとの間に段差を挟んで側板対向面121bに連結している。そして、その内向面122bは、側板対向面121bよりもファン径方向Drの内側に配置されている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図6に示すように本実施形態では、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は翼形にはなっていない。そのガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daに延びると共にファン軸心CLに対して傾斜した板状である。具体的には、そのガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daの一方側ほどファン径方向Drの外側に位置する板状である。
すなわち、ガイド部24は、ファン軸方向Daに延びた筒形状を成しており、ファン軸方向Daの一方側ほど直径が拡大するテーパ状になっている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図7に示すように本実施形態では、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は翼形にはなっていない。そのガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daに延びると共にファン軸心CLに対して傾斜した板状である。具体的には、そのガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daの他方側ほどファン径方向Drの外側に位置する板状である。
すなわち、ガイド部24は、ファン軸方向Daに延びた筒形状を成しており、ファン軸方向Daの他方側ほど直径が拡大するテーパ状になっている。
また、本実施形態では、ガイド部24の全体がファンリング部201よりもファン軸方向Daの一方側に配置されている。従って、ガイド部24は、重複部243(図4参照)を有していない。そして、ファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aは、ガイド部24に対しファン軸方向Daの他方側に位置することになる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図8に示すように本実施形態では、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は翼形にはなっていない。そのガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daに延びると共にファン軸心CLに対して部分的に傾斜した板状である。具体的に、そのガイド部24の断面形状は、折れ曲がった板状であり、ガイド部24のうち重複部243の断面形状は、ファン軸心CLに沿ってファン軸方向Daに延びた板状である。すなわち、その重複部243は、ファン軸方向Daに沿って延びた円筒形状を成している。
そして、延設部244の少なくとも一部を構成しガイド部24の一方端241を含む部分である傾斜部分の断面形状は、ファン軸方向Daの一方側ほどファン径方向Drの外側に位置する板状である。すなわち、その延設部244に含まれる傾斜部分は、ファン軸方向Daの一方側ほど直径が拡大するテーパ状の筒形状になっている。
このようなガイド部24の形状により、本実施形態においてガイド部24の最内周部242は、上記傾斜部分に対しファン軸方向Daの他方側に位置する。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第5実施形態と異なる点を主として説明する。
図9に示すように本実施形態では、第5実施形態に対し、延設部244に含まれる傾斜部分のテーパの向きが逆になっている。すなわち、その延設部244に含まれる傾斜部分は、ファン軸方向Daの一方側ほど直径が縮小するテーパ状の筒形状になっている。
このようなガイド部24の形状により、本実施形態においてガイド部24の最内周部242は、延設部244のうち上記傾斜部分に含まれる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第5実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第5実施形態と共通の構成から奏される効果を第5実施形態と同様に得ることができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
図10に示すように本実施形態では、ガイド部24の一方端241は、ケース12の面連結部123bよりもファン軸方向Daの一方側に位置している。従って、ガイド部24の一方端241と面連結部123bとの位置関係がそうなっていない場合と比較して、導風面124bに沿いながら吸込口24aへ向かって流れる空気の一部を、ガイド部24によって連通路24bへと導きやすい。
そして、このようなガイド部24の一方端241とケース12の面連結部123bとの位置関係は、熱交換器またはフィルタなど空気流れを整流する整流体として機能する機器が送風機10よりも空気流れ上流側に設けられている場合に特に有効である。
また、ケース12の導風面124bは、ファン軸心CLに直交する平面状になっているので、ガイド部24の一方端241は、ケース12の導風面124bよりもファン軸方向Daの一方側に位置している。
また、本実施形態では、ガイド部24の全体がファンリング部201よりもファン軸方向Daの一方側に配置されている。従って、ガイド部24は、重複部243(図5参照)を有していない。
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第2実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第3〜6実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第7実施形態と異なる点を主として説明する。
図11に示すように本実施形態では、ケース12の導風面124bは、ファン軸方向Daの一方側に向いた面ではあるが、ファン軸方向Daに対し法線方向が僅かに傾いた傾斜面になっている。具体的に、その導風面124bは、ファン径方向Drの外側ほどファン軸方向Daの一方側に位置するようにファン軸心CLに対し傾いている。
従って、本実施形態では、ガイド部24の一方端241がケース12の導風面124bよりもファン軸方向Daの一方側に位置しているとは言えない。但し、第7実施形態と同様に本実施形態でも、ガイド部24の一方端241は、ケース12の面連結部123bよりもファン軸方向Daの一方側に位置している。
また、ファン軸心CLを含む平面でケース12を切断して得られる縦断面(すなわち、図11の縦断面)において、ケース12の面連結部123bの曲率半径は零または略零になっている。従って、その面連結部123bは、ベルマウス面として形成されていない。なお、図11の縦断面において、面連結部123bの曲率半径は零または略零であるので、面連結部123bは、内向面122bと導風面124bとに対し上記縦断面での曲率半径が局所的に小さくなる部位として設けられていると言える。
以上説明したことを除き、本実施形態は第7実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第7実施形態と共通の構成から奏される効果を第7実施形態と同様に得ることができる。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図12に示すように本実施形態では、ガイド部24の一方端241は、ケース12の面連結部123bよりもファン軸方向Daの一方側に位置している。また、ケース12の導風面124bは、ファン軸心CLに直交する平面状になっているので、ガイド部24の一方端241は、ケース12の導風面124bよりもファン軸方向Daの一方側に位置している。
また、本実施形態では、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は翼形にはなっていない。そのガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daに延びると共に湾曲した板状である。
詳細には、ガイド部24は、ファン軸方向Daの一方側が拡がった筒状である。すなわち、ガイド部24は、ファン径方向Drの外側へ拡がるように曲がりながら、ファン軸方向Daの他方側から一方側へと延びている。そして、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は、曲率半径がファン軸方向Daの一方側ほど小さくなるように湾曲した形状になっている。
これにより、例えばガイド部24の一方端241側がファン軸方向Daに平行になっている場合と比較して、ケース12の導風面124bに沿いながら吸込口24aへ向かって流れる空気の一部を、ガイド部24によって円滑に連通路24bへ導くことが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図13に示すように本実施形態の送風機10は、遠心送風機ではなく軸流送風機である。従って、本実施形態のファン16は軸流ファンである。
そのため、ファン16は、主板22(図2参照)を有さず、その替わりに、ファンボス23を有している。そのファンボス23は、モータ回転軸142(図2参照)に固定されている。なお、本実施形態の送風機10は、第1実施形態と同様に電動モータ14を有しているが、図13では、その電動モータ14の図示が省略されている。また、図13では、送風機10のうち、おおよそ紙面左側半分の図示が省略されている。
また、ファン16の複数枚の翼18はそれぞれ、ファン径方向Drの外側に設けられた翼一端185と、ファン径方向Drの内側に設けられた翼他端186とを有している。その翼一端185は側板20に連結され、翼他端186はファンボス23に連結されている。
従って、ファン16は、ファン軸心CLまわりに、モータ回転軸142と共に一体回転する。そして、ファン16は、ファン軸心CLまわりに回転することにより、ファンリング部201に対するファン軸方向Daの一方側からファンリング部201の内側を通して複数枚の翼18の相互間へ空気を吸い込む。それと共に、ファン16は、その複数枚の翼18の相互間へ吸い込んだ空気をファン軸方向Daの他方側へ吹き出す。
また、ファン軸心CLを含む平面でケース12を切断して得られる縦断面(すなわち、図13の縦断面)において、ケース12の面連結部123bの曲率半径は零または略零になっている。従って、その面連結部123bは、ベルマウス面として形成されていない。なお、図13の縦断面において、面連結部123bの曲率半径は零または略零であるので、面連結部123bは、内向面122bと導風面124bとに対し上記縦断面での曲率半径が局所的に小さくなる部位として設けられていると言える。
上記したように本実施形態のファン16は軸流ファンであるので、側板20は、ファンリング部201を有しているが、下流拡径部202(図4参照)を有していない。すなわち、側板20の全体がファンリング部201で構成されている。
例えば、本実施形態のファンリング部201は、円筒形状または略円筒形状を成している。また、ファンリング部201は、翼一端185の位置に対しファン軸方向Daの一方側へ突き出た部分を有している。すなわち、側板一端20bは、側板20に連結する翼一端185よりもファン軸方向Daの一方側に設けられている。
ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は翼形にはなっていない。そのガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daに延びると共にファン軸心CLに対して傾斜した板状である。具体的には、そのガイド部24の断面形状は、ファン軸方向Daの一方側ほどファン径方向Drの外側に位置する板状である。すなわち、ガイド部24は、ファン軸方向Daの一方側が拡がった筒状である。
なお、本実施形態でも第1実施形態と同様に、ファン径方向Drにおけるガイド部24の外側には、連通路24bが形成されている。そして、その連通路24bは、上流空間12aを、ファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aへ連通させている。また、側板20のファンリング部201は、ガイド部24の最内周部242よりもファン径方向Drの外側に位置している。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2〜9実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図14および図15に示すように本実施形態では、ガイド部24がケース12の一部分として構成されている。例えば、ガイド部24は、導風部124から連続する形状を成している。
本実施形態でも第1実施形態と同様に、ファン径方向Drにおけるガイド部24の外側には、連通路24bが形成されている。但し、その連通路24bは、ケース12をファン軸方向Daに貫通した複数の貫通孔として設けられている。そして、その複数の連通路24bは、ファン周方向Dcに所定間隔を空けて並んでおり、ファン軸心CLまわりの全周にわたって設けられている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図16および図17に示すように本実施形態では、送風機10は、ガイド部24に加え、ファン軸心CLを中心として形成された環状の内側環状部26を備えている。この内側環状部26は、ガイド部24と同心の環状を成すので、ガイド部24を外側ガイド部と称し、内側環状部26を内側ガイド部と称してもよい。なお、第1実施形態のファン16と同様に、本実施形態のファン16も、ファン軸心CLまわりに回転するターボファンである。
具体的に、内側環状部26は、ガイド部24に対しファン径方向Drの内側に配置され、ガイド部24に対してファン径方向Drに離れている。従って、内側環状部26は、ファン軸方向Daに貫通し空気が流れるガイド内側流路27を、ガイド部24との間に形成している。このガイド内側流路27は、内側環状部26まわりの全周にわたって設けられている。
また、内側環状部26は、ファン軸方向Daの一方側が他方側に対し拡径した形状を成している。
内側環状部26のファン軸方向Daの長さは、ガイド部24のファン軸方向Daの長さよりも短い。そして、ファン軸方向Daにおいて内側環状部26は、ガイド部24がファン軸方向Daに占める範囲Wg内に収まるように配置されている。
内側環状部26は、テーパ状環状部内面262を、内側環状部26のうちファン軸方向Daの一方側に有している。そのテーパ状環状部内面262は、ファン径方向Drの内側へ向いており、ファン軸方向Daの一方側ほどファン径方向Drの外側へ拡がるテーパ状になっている。テーパ状環状部内面262は、図17の断面において直線状になる面であっても、多少湾曲した曲線状になる面であってもよい。
これと同様に、ガイド部24は、テーパ状ガイド内面246を、ガイド部24のうちファン軸方向Daの一方側に有している。そのテーパ状ガイド内面246は、ファン径方向Drの内側へ向いており、ファン軸方向Daの一方側ほどファン径方向Drの外側へ拡がるテーパ状になっている。テーパ状ガイド内面246は、図17の断面において直線状になる面であっても、多少湾曲した曲線状になる面であってもよい。
そして、テーパ状ガイド内面246の方がテーパ状環状部内面262よりも、ファン軸方向Daの一方側へ向かってファン径方向Drに開いたテーパ状になっている。すなわち、テーパ状ガイド内面246のテーパ角度A3は、テーパ状環状部内面262のテーパ角度B3よりも大きい。そのテーパ状ガイド内面246のテーパ角度A3とは、詳細に言えば、テーパ状ガイド内面246のうちファン軸方向Daの一方側の端部246aにおけるテーパ状ガイド内面246のテーパ角度である。そして、テーパ状環状部内面262のテーパ角度B3とは、詳細に言えば、テーパ状環状部内面262のうちファン軸方向Daの一方側の端部262aにおけるテーパ状環状部内面262のテーパ角度である。なお、テーパ状ガイド内面246およびテーパ状環状部内面262には、面と面とをつなぎ局所的に小さい曲率半径を有するコーナRの面は含まれない。
図16〜図18に示すように、送風機10は、ガイド部24と内側環状部26との間に設けられた仕切部28を備えている。その仕切部28は、ガイド内側流路27を複数の分割流路271に仕切っている。仕切部28は、例えば、ファン軸方向Daに垂直な方向を厚み方向とした複数の薄板状のリブで構成されている。また、仕切部28は、ガイド部24と内側環状部26とを相互に連結している。なお、図18では、見やすい図示とするために、ガイド部24と内側環状部26とにそれぞれドット状のハッチングが付されている。また、図18では、面連結部123bは二点鎖線で表されている。
本実施形態では第1実施形態とは異なり、吸込口24aよりも空気流れ上流側において、吸込口24aへ流れる空気の流量分布が、ファン軸心CLに対して、ファン径方向Drのうちの一方向である偏在方向D1rの一方側へ偏っている。例えば、吸込口24aに対するファン軸方向Daの一方側に設けられたフィルタまたは熱交換器がファン軸心CLに対し偏在方向D1rの一方側へずれて配置されることで、このような空気の流量分布に偏りが生じている。
従って、本実施形態では、図16の矢印FL1および図18の矢印FL2で示されるように、吸込口24aへ向かう空気流れの主流は、ファン軸心CLに対し偏在方向D1rの一方側へずれた位置から吸込口24aへ向かう。
これに対し、仕切部28は、ファン軸心CLに対する偏在方向D1rの一方側では、その一方側とは逆側の他方側に比して、ガイド内側流路27を細かく仕切っている。
本実施形態でも第1実施形態と同様に、図17の縦断面に表われるガイド部24の断面形状、別言すれば、ファン軸心CLを含む平面で切断して得られるガイド部24の断面形状は、正圧面24cと負圧面24dとを有しファン軸方向Daに延びた翼形になっている。すなわち、ガイド部24は、正圧面24cを、ファン径方向Drの外側に設けられたガイド外周面として有している。そして、ガイド部24は、負圧面24dを、ファン径方向Drの内側に設けられたガイド内周面として有している。この負圧面24dには、上記のテーパ状ガイド内面246が含まれる。
ガイド部24の正圧面24cと負圧面24dはそれぞれ、ファン軸心CLを含む断面である図17の縦断面において、ファン軸方向Daの一方側がファン径方向Drの外側へ拡がるように湾曲した形状を成している。また、図17の縦断面において、負圧面24dの曲率半径の最小値Rnは正圧面24cの曲率半径の最小値Rpよりも大きい。
また、ガイド部24の正圧面24cと面連結部123bとを比較すると、その正圧面24cは、ベルマウス面としての面連結部123bに対向する対向部24eを有している。そして、図17の縦断面において、対向部24eは、面連結部123bの曲率半径の最小値Rbよりも更に小さい曲率半径を有する部位(具体的には、曲率半径Rpを有する部位)を含んでいる。すなわち、面連結部123bの曲率半径の最小値Rbと正圧面24cの曲率半径の最小値Rpは、「Rb>Rp」の関係にある。
ガイド部24の負圧面24dは、ファン軸方向Daにおいてその負圧面24dの一方側の端から他方側へ向かうほど縮径し他方側の端に至るまでの途中で最小径になるように形成されている。本実施形態の負圧面24dは、図17の途中位置Pcで最小径になっており、その途中位置Pcに対するファン軸方向Daの他方側では、負圧面24dの他方側の端まで最小径のまま変わらない。
図17の縦断面において、ガイド部24の負圧面24dの全体を見れば、その負圧面24dは、負圧面24dの曲率半径がファン軸方向Daの一方側ほど小さくなるように形成されている。
図19に示すように、ファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aは、上記縦断面においてファン軸方向Daの他方側ほど拡幅するように形成されている。言い換えると、上記隙間201aはファン軸方向Daの一方側に一端201bを有し、ファン軸方向Daの他方側に他端201cを有している。そして、その隙間201aの一端201bがファン径方向Drに有する一端幅Waは、その隙間201aの他端201cがファン径方向Drに有する他端幅Wbよりも小さい。
図16および図17に示すように、ガイド部24の一方端241は、ケース12の面連結部123bよりもファン軸方向Daの一方側に位置している。また、ケース12の導風面124bは、ファン軸心CLに直交する平面状になっているので、ガイド部24の一方端241は、ケース12の導風面124bよりもファン軸方向Daの一方側に位置している。
連通路24bは、上流空間12aへ連結する上流端部24fを有している。そして、連通路24bは、その連通路24bのうち上流端部24fにて通路断面積が最小になるように形成されている。別言すると、連通路24bは、その連通路24bのうち上流端部24fにて最も狭まった通路として形成されている。
なお、本実施形態では、ケース12のうち面連結部123bを含む部分とガイド部24は、一体成形されていてもよいし、別々の成形部品として成形されていてもよい。
上述したように、本実施形態によれば、図16および図17に示すように、送風機10は、ガイド部24に対しファン径方向Drの内側に配置された環状の内側環状部26を備えている。そして、その内側環状部26は、ファン軸方向Daに貫通し空気が流れるガイド内側流路27を、ガイド部24との間に形成している。従って、内側環状部26が無い場合に比してガイド内側流路27での空気の流通抵抗が増すので、吸込口24aの空気流れがガイド部24の負圧面24dに集中するのが抑制される。これにより、ガイド部24の負圧面24d上で生じる空気流れの剥離を低減することができ、延いては、送風機10の騒音悪化を抑制することが可能である。
また、本実施形態によれば、内側環状部26は、ファン軸方向Daの一方側が他方側に対し拡径した形状を成している。従って、例えば逆に内側環状部26のファン軸方向Daの他方側が一方側に対し拡径している場合に比して、内側環状部26の径方向内側へ流入した空気流れが、その内側環状部26の表面から剥離することを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、内側環状部26はテーパ状環状部内面262を、内側環状部26のうちファン軸方向Daの一方側に有し、ガイド部24はテーパ状ガイド内面246を、ガイド部24のうちファン軸方向Daの一方側に有する。そして、テーパ状ガイド内面246のテーパ角度A3は、テーパ状環状部内面262のテーパ角度B3よりも大きい。従って、テーパ状ガイド内面246に沿う空気流れを内側環状部26で或る程度規制することができ、それにより、テーパ状ガイド内面246上またはその近傍において、空気流れがガイド部24の負圧面24dから剥離することを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、図17および図18に示すように、仕切部28は、ガイド部24と内側環状部26との間に設けられ、ガイド内側流路27を複数の分割流路271に仕切っている。
また、吸込口24aよりも空気流れ上流側において、吸込口24aへ流れる空気の流量分布が、ファン軸心CLに対して、ファン径方向Drのうちの一方向である偏在方向D1rの一方側へ偏っている。これに対し、仕切部28は、ファン軸心CLに対する偏在方向D1rの一方側では、その一方側とは逆側の他方側に比して、ガイド内側流路27を細かく仕切っている。
別言すると、吸込口24aよりも空気流れ上流側で吸込口24aへ流れる空気の流量分布において、吸込口24aへ流れる空気の流量が、ファン周方向Dcにおける或る周方向範囲Rc(図18参照)では、その或る周方向範囲Rcの周辺に比して大きくなっている。これに対し、仕切部28は、ファン周方向Dcにおける上記の或る周方向範囲Rcでは、その或る周方向範囲Rcの周辺に比してガイド内側流路27を細かく仕切っている。
そのため、仕切部28は、ガイド内側流路27において空気の流通抵抗差をファン周方向Dcに付けることができる。従って、仕切部28が設けられていない場合に比して、吸込口24aよりも空気流れ上流側における空気の流量分布のムラが、ガイド内側流路27では小さくなる。その結果、ガイド内側流路27に流れる空気の流速分布でファン周方向Dcに生じる流速ムラが小さくなり、延いては、送風機10の騒音悪化を抑制することが可能である。なお、ここで言う空気の流量分布における空気流量の大小とは、詳細に言えば、単位空間当たり(言い換えると、単位領域当たり)の空気流量の大小である。
また、本実施形態によれば、図17は、ファン軸心CLを含む縦断面を示している。ガイド部24のガイド外周面としての正圧面24cと、ガイド内周面としての負圧面24dはそれぞれ、その図17の縦断面において、ファン軸方向Daの一方側がファン径方向Drの外側へ拡がるように湾曲した形状を成している。また、図17の縦断面において、負圧面24dの曲率半径の最小値Rnは正圧面24cの曲率半径の最小値Rpよりも大きい。従って、例えば「Rn=Rp」の場合と比較して、負圧面24dに沿う空気流れが緩やかに曲がるので、その空気流れが負圧面24dから剥離することを抑制することが可能である。
また、本実施形態によれば、図17に示すように、ガイド部24の正圧面24cは、ベルマウス面としての面連結部123bに対向する対向部24eを有している。そして、図17の縦断面において、対向部24eは、面連結部123bの曲率半径の最小値Rbよりも更に小さい曲率半径を有する部位(具体的には、曲率半径Rpを有する部位)を含んでいる。
従って、例えば図20のように対向部24eがそうなっていない場合と比べて、対向部24eと面連結部123bとの間で対向部24eに沿う空気の流速を下げることが可能である。そして、その空気の流速が下がれば連通路24bの空気の流速も下がるので、その分、連通路24bの空気の静圧を上昇させることが可能である。そのように連通路24bの空気の静圧が上昇すれば、翼後縁182辺りと連通路24bとの間の静圧差が縮小し、側板20と側板対向部121との隙間121aを通って逆流する逆流空気流れの空気流量を低減することが可能である。
また、本実施形態によれば、図17に示すように、ガイド部24の負圧面24dは、ファン軸方向Daにおいてその負圧面24dの一方側の端から他方側へ向かうほど縮径し他方側の端に至るまでの途中で最小径になるように形成されている。従って、径方向内側向きの速度成分を有して吸込口24aへ流入する空気を負圧面24dに沿わせながらその空気の流れ方向を滑らかに修正しつつ、ファン軸方向Daに沿った向きに向けさせることが可能である。
また、本実施形態によれば、図17および図19に示すように、ファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aは、ファン軸方向Daの他方側ほど拡幅するように形成されている。従って、矢印AR1で示すように隙間201aの一端201bを通過する空気の流速に対し、矢印AR2で示すように隙間201aの他端201cから流出する空気の流速を低くすることが可能である。これにより、その隙間201aの他端201cから流出する空気とガイド部24の負圧面24dに沿って矢印ARmで示すように流れる空気とが合流する際にそれらの空気の流速差が縮小されるので、空気流れの乱れを低減することが可能である。
また、本実施形態によれば、図17に示すように、ガイド部24の一方端241は、ケース12の面連結部123bよりもファン軸方向Daの一方側に位置している。従って、ガイド部24の一方端241と面連結部123bとの位置関係がそうなっていない場合と比較して、導風面124bに沿いながら吸込口24aへ向かって流れる空気の一部を、ガイド部24によって連通路24bへと導きやすい。
また、本実施形態によれば、連通路24bは、上流空間12aへ連結する上流端部24fを有している。そして、連通路24bは、その連通路24bのうち上流端部24fにて通路断面積が最小になるように形成されている。
従って、例えば連通路24bの通路断面積が均一である場合に比して、連通路24bのうち上流端部24fよりも空気流れ下流側で空気の流速を下げることが可能である。そして、その空気の流速低下に伴って、連通路24bのうち上記逆流空気流れと合流する箇所における空気の静圧を上昇させることが可能である。そのように連通路24bの空気の静圧が上昇すれば、翼後縁182辺りと連通路24bとの間の静圧差が縮小し、上記逆流空気流れの空気流量を低減することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第12実施形態と異なる点を主として説明する。
図21に示すように、本実施形態でも第12実施形態と同様に、ガイド部24の負圧面24dは、ファン軸方向Daにおいてその負圧面24dの一方側の端から他方側へ向かうほど縮径し他方側の端に至るまでの途中で最小径になるように形成されている。そして、本実施形態の負圧面24dは、図21の途中位置Pcで最小径になっている。
但し、第12実施形態とは異なり、本実施形態の負圧面24dは、その途中位置Pcに対するファン軸方向Daの他方側では、ファン軸方向Daの他方側ほど拡径している。また、負圧面24dにおいてファン軸方向Daの一方側の端における直径は、ファン軸方向Daの他方側の端における直径よりも大きい。このように、本実施形態の負圧面24dは、図21の途中位置Pcを頂点位置としてファン径方向Drの内側へ膨らんだ湾曲面になっている。
従って、ガイド部24の負圧面24dに沿う空気流れに矢印FL3で示すようにファン径方向Drの外側向きの速度成分を与えることができるので、吸込口24aを通過する空気流れを複数枚の翼18の相互間へ流し込みやすくなる。
なお、本実施形態でも送風機10は内側環状部26と仕切部28とを備えているが、図21では、その内側環状部26と仕切部28との図示が省略されている。また、図21の矢印FL3はガイド部24の負圧面24dに沿う空気流れを表し、矢印FL4は上流空間12aから連通路24bへ流入する空気流れを表している。
以上説明したことを除き、本実施形態は第12実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第12実施形態と共通の構成から奏される効果を第12実施形態と同様に得ることができる。
(第14実施形態)
次に、第14実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第12実施形態と異なる点を主として説明する。
図22に示すように、本実施形態では、仕切部28(図16参照)が設けられていない。この点において、本実施形態は第12実施形態と異なっている。
従って、仕切部28が設けられている場合と比較して、ガイド内側流路27での空気の流通抵抗を下げることができ、送風機10の効率向上を図ることができる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第12実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第12実施形態と共通の構成から奏される効果を第12実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第12実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第13実施形態と組み合わせることも可能である。
(第15実施形態)
次に、第15実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第12実施形態と異なる点を主として説明する。
図23〜図25に示すように、本実施形態では、内側環状部26と仕切部28(図16参照)とが設けられていない。また、本実施形態のガイド部24は、ファン軸方向Daの他方側の端に設けられた凹凸端縁部247を有している。これらの点において、本実施形態は第12実施形態と異なっている。
具体的には図25に示すように、その凹凸端縁部247は、ファン周方向Dcに延びながらファン軸方向Daに凹凸する凹凸形状を成している。例えば、その凹凸形状は、V字状の溝247aがファン周方向Dcに連なった形状である。本実施形態では、その凹凸形状は、ファン軸心CLまわりの全周にわたって形成されている。
従って、図23〜図25に示すように、矢印FL3で示される空気流れに対し、矢印FL5のようにガイド部24の径方向外側の空気流れを凹凸端縁部247の溝247aを介して誘引することができる。すなわち、ガイド部24の負圧面24dに沿う空気流れに対し、その空気流れが負圧面24dをファン軸方向Daの他方側へと通り過ぎる手前で、ガイド部24の径方向外側の空気流れを凹凸端縁部247の溝247aを介して誘引することができる。
これにより、ガイド部24の負圧面24dからの空気流れの剥離に起因して生じる空気の渦UZを凹凸端縁部247の近傍で小さくすることができる。つまり、複数枚の翼18の相互間へ吸い込まれる空気の渦UZを小さくすることができ、騒音を低減することが可能である。
例えば、図26に示すように凹凸端縁部247が設けられていない比較例では、ファンリング部201とガイド部24との間の隙間201aを矢印FL6のように流れる空気は負圧面24d側へ誘引されない。そのため、ガイド部24の負圧面24dからの空気流れの剥離に起因して生じる空気の渦UZを小さくする作用は生じないので、本実施形態よりも送風機10の騒音が大きくなりやすい。
以上説明したことを除き、本実施形態は第12実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第12実施形態と共通の構成から奏される効果を第12実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第12実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第13実施形態または第14実施形態と組み合わせることも可能である。
(第16実施形態)
次に、第16実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第12実施形態と異なる点を主として説明する。
図27に示すように、ガイド部24の全体は、ケース12のベルマウス面である面連結部123bよりもファン径方向Drの内側に配置されている。別言すれば、ガイド部24は、面連結部123bに対しファン軸方向Daに重ねて設けられた部位を含んでいない。また、ガイド部24の正圧面24cは、ファン軸心CLを含む断面である図27の縦断面において、ファン軸方向Daの一方側がファン径方向Drの外側へ拡がるように湾曲した形状を成している。これにより、その正圧面24cは、ファン軸方向Daに垂直な平面である他方向き面24gを、ファン軸方向Daの一方側の端部に有している。この他方向き面24gは、ファン軸方向Daの他方側を向いている。これらの点では、本実施形態は、図17に示される第12実施形態と同様である。
但し、本実施形態のケース12のうち面連結部123bを含む部分とガイド部24は、例えば射出成形などにより一体成形された単一の成形品となっている。
また、ガイド部24は、他方向き面24gに対するファン軸方向Daの一方側で且つガイド部24のうちファン径方向Drの最も外側に設けられた径外向き面24hを有している。この径外向き面24hは、ファン軸方向Daに沿った面であり、ファン径方向Drの外側を向いている。
また、径外向き面24hは、その径外向き面24hのファン軸方向Daの他方側で他方向き面24gに連結しており、その他方向き面24gと径外向き面24hとの間にコーナRは設けられていない。すなわち、径外向き面24hは、ファン軸方向Daに沿った面のまま他方向き面24gに連結している。
このようなガイド部24およびケース12の構成により、金型の型抜き性を悪化させるのを回避しつつ、ケース12のうち少なくとも面連結部123bとガイド部24とを一体成形することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第12実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第12実施形態と共通の構成から奏される効果を第12実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第12実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第13〜第15実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、送風機10は、例えば車両用空調ユニットに採用されるものであるが、その送風機10の用途に限定はない。
(2)上述の第1実施形態では、図3に示すように、側板20のファンリング部201は円筒形状または略円筒形状を成しているが、ファンリング部201の形状は、これに限らない。例えば、ファンリング部201は、ファン軸方向Daの位置に応じて直径が異なるテーパ状の筒形状を成していても差し支えない。
(3)上述の第1実施形態では、図1および図4に示すように、ガイド部24は、例えばケース12とは別の部品として成形され、複数のガイド支持部125を介してケース12に連結固定されているが、これは一例である。例えば、ガイド部24と複数のガイド支持部125とケース12とが一体成形されて一部品として構成されていても差し支えない。
(4)上述の各実施形態では、例えば図1に示すようにファン軸方向Daの一方側から他方側へ向かう方向視で、連通路24bは、均一な径方向幅を有して、ファン軸心CLまわりの全周にわたって設けられているが、これは一例である。例えば、その方向視で、連通路24bの径方向幅は不均一になっていても差し支えない。
(5)上述の各実施形態では、例えば図1に示すように、連通路24bは、ファン軸心CLまわりの全周にわたって設けられているが、全周にわたってではなくファン周方向Dcの限られた範囲にだけ設けられていることも考え得る。
(6)上述の第15実施形態では図25に示すように、凹凸端縁部247の凹凸形状は、V字状の溝247aがファン周方向Dcに連なった形状であるが、これは一例である。例えば、その凹凸端縁部247の凹凸形状は、図28に示すように、矩形状の溝247bがファン周方向Dcに連なった形状であっても差し支えない。また、凹凸端縁部247の凹凸形状は、図29に示すように、ファン軸方向Daに凹むように湾曲した凹形状247cとファン軸方向Daに膨らむように湾曲した凸形状247dとが連続してファン周方向Dcに交互に連なった形状であっても差し支えない。
(7)上述の第15実施形態では図23に示すように、送風機10は、内側環状部26と仕切部28(図16参照)とを備えていないが、その内側環状部26と仕切部28とを備えていても差し支えない。
(8)上述の第12実施形態では図18に示すように、ファン周方向Dcにおける或る周方向範囲Rcは1箇所であるが、ファン軸心CLまわりに複数あっても差し支えない。
(9)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、ファン軸心の径方向におけるガイド部の外側には、ガイド部よりも軸方向の一方側にある上流空間をファンリング部とガイド部との間の隙間へ連通させる連通路が形成されている。そして、ファンリング部は、ガイド部のうち径方向の最も内側に位置する最内周部よりも径方向の外側に位置している。
また、第2の観点によれば、ガイド部は、ファンリング部に対し径方向の内側に重なるように設けられた重複部と、その重複部から軸方向の一方側へ延設されファンリング部よりも軸方向の一方側に設けられた延設部とを有している。従って、連通路を通る空気流れと側板の外側を通って逆流する逆流空気流れとの合流後の空気流れを、重複部とファンリング部との間の隙間で、吸込口を通過した主流の向きに沿わせるように案内することが可能である。
また、第3の観点によれば、重複部は、ファンリング部に対し隙間をあけて対向するように配置されている。従って、重複部とファンリング部との間の隙間を通過する空気流れを軸方向に沿うように案内しやすい。
また、第4の観点によれば、連通路は、ファン軸心まわりの全周にわたって設けられている。従って、連通路を通る空気流れと側板の外側を通って逆流する逆流空気流れとの合流をファン軸心まわりの全周にわたって満遍なく生じさせることができる。そのため、例えば、連通路を通る空気流れと逆流空気流れとの合流のムラに起因して生じうる騒音等を抑制することが可能である。
また、第5の観点によれば、ファン軸心を含む平面で切断して得られるガイド部の断面形状は、径方向の外側に配置された正圧面と径方向の内側に配置された負圧面とを有する翼形になっている。従って、その正圧面の作用により、連通路を通る空気の圧力(言い換えると、気圧)が高くなる。そして、上記逆流空気流れの下流側の気圧も、その連通路を通る空気流れと上記逆流空気流れとの合流によって高められる。その結果、上記逆流空気流れの上流側の気圧と下流側の気圧との圧力差が小さくなるので、上記逆流空気流れの空気流量を低減することが可能である。
また、第6の観点によれば、ファン軸心を含む平面で切断して得られるガイド部の断面形状は板状である。そして、ガイド部は、径方向の外側へ拡がるように曲がりながら、軸方向の一方側とは逆側の他方側からその一方側へと延びている。従って、例えばガイド部の一方端側が軸方向に平行になっている場合と比較して、導風面に沿いながら吸込口へ向かって流れる空気の一部を、ガイド部によって円滑に連通路へ導くことが可能である。
また、第7の観点によれば、送風機はガイド外側配置部を備え、そのガイド外側配置部は、ファンリング部に対する軸方向の一方側で且つガイド部に対する径方向の外側に設けられている。そして、ファン軸心を含む平面で切断して得られるガイド部の断面形状は、軸方向に延びた板状であり、ガイド部とガイド外側配置部との間の隙間が連通路になっている。従って、主流が通過する吸込口の開口面積を最大限大きく確保しつつ、例えばガイド外側配置部にガイド部を付加する形で連通路を設けることが可能である。
また、第8の観点によれば、送風機は、ガイド外側配置部を含むケースを備え、そのガイド外側配置部は、径方向の内側を向いた内向面を有する。ケースは、軸方向の一方側に向いており吸込口へ空気を導く導風面と、その導風面と内向面との間でその導風面と内向面とを連結する面連結部とを有する。そして、ガイド部は、軸方向の一方側に一方端を有し、その一方端は、面連結部よりも軸方向の一方側に位置している。従って、ガイド部の一方端と面連結部との位置関係がそうなっていない場合と比較して、導風面に沿いながら吸込口へ向かって流れる空気の一部を、ガイド部によって連通路へと導きやすい。
また、第9の観点によれば、送風機は、ファン軸心を中心として形成された環状の内側環状部を備える。ファンはターボファンであり、内側環状部は、ガイド部に対し径方向の内側に配置され、軸方向に貫通し空気が流れるガイド内側流路をガイド部との間に形成している。従って、内側環状部が無い場合に比してガイド内側流路での空気の流通抵抗が増すので、吸込口の空気流れがガイド部の表面に集中するのが抑制される。これにより、ガイド部の径方向内側の表面で生じる空気流れの剥離を低減することができ、延いては、送風機の騒音悪化を抑制することが可能である。
また、第10の観点によれば、内側環状部は、軸方向の一方側が他方側に対し拡径した形状を成している。従って、例えば逆に内側環状部の軸方向の他方側が一方側に対し拡径している場合に比して、内側環状部の径方向内側へ流入した空気流れが、その内側環状部の表面から剥離することを抑制することができる。
また、第11の観点によれば、内側環状部は、径方向の内側へ向いており軸方向の一方側ほど径方向の外側へ拡がるテーパ状のテーパ状環状部内面を、内側環状部のうち軸方向の一方側に有する。ガイド部は、径方向の内側へ向いており軸方向の一方側ほど径方向の外側へ拡がるテーパ状のテーパ状ガイド内面を、ガイド部のうち軸方向の一方側に有する。そして、テーパ状ガイド内面のうち軸方向の一方側の端部におけるそのテーパ状ガイド内面のテーパ角度は、テーパ状環状部内面のうち軸方向の一方側の端部におけるそのテーパ状環状部内面のテーパ角度よりも大きい。従って、テーパ状ガイド内面に沿う空気流れを内側環状部で或る程度規制することができ、それにより、テーパ状ガイド内面上またはその近傍において、空気流れがガイド部の表面から剥離することを抑制することができる。
また、第12の観点によれば、送風機は仕切部を備え、その仕切部は、ガイド部と内側環状部との間に設けられ、ガイド内側流路を複数の流路に仕切る。また、吸込口よりも空気流れ上流側で吸込口へ流れる空気の流量分布において、吸込口へ流れる空気の流量が、周方向における或る周方向範囲では、その或る周方向範囲の周辺に比して大きい。仕切部は、周方向における上記或る周方向範囲では、その或る周方向範囲の周辺に比してガイド内側流路を細かく仕切っている。そのため、仕切部は、ガイド内側流路において空気の流通抵抗差を周方向に付けることができる。従って、仕切部が設けられていない場合に比して、吸込口よりも空気流れ上流側における空気の流量分布のムラが、ガイド内側流路では小さくなる。その結果、ガイド内側流路に流れる空気の流速分布で周方向に生じる流速ムラが小さくなり、延いては、送風機の騒音悪化を抑制することが可能である。
また、第13の観点によれば、軸方向において内側環状部は、ガイド部が軸方向に占める範囲内に収まる。
また、第14の観点によれば、ガイド部は、軸方向の一方側とは逆側の他方側の端に設けられた凹凸端縁部を有し、その凹凸端縁部は、周方向に延びながら軸方向に凹凸する凹凸形状を成している。従って、ガイド部の径方向内側の表面に沿う空気流れに対し、その空気流れがそのガイド部の表面を軸方向の他方側へと通り過ぎる手前で、ガイド部の径方向外側の空気流れを凹凸端縁部の凹部分を介して誘引することができる。これにより、ガイド部の径方向内側の表面からの空気流れの剥離に起因して生じる空気の渦を凹凸端縁部の近傍で小さくすることができる。つまり、複数枚の翼の相互間へ吸い込まれる空気の渦を小さくすることができ、騒音を低減することが可能である。
また、第15の観点によれば、凹凸形状は、V字状の溝が周方向に連なった形状、矩形状の溝が周方向に連なった形状、または、軸方向に凹むように湾曲した凹形状と軸方向に膨らむように湾曲した凸形状とが連続して周方向に交互に連なった形状である。
また、第16の観点によれば、ガイド部は、径方向の内側に設けられたガイド内周面と、径方向の外側に設けられたガイド外周面とを有する。そのガイド内周面とガイド外周面はそれぞれ、ファン軸心を含む断面において、軸方向の一方側が径方向の外側へ拡がるように湾曲した形状を成している。そして、ファン軸心を含む断面において、ガイド内周面の曲率半径の最小値はガイド外周面の曲率半径の最小値よりも大きい。従って、ガイド内周面に沿う空気流れが緩やかに曲がるので、その空気流れがガイド内周面から剥離することを抑制することが可能である。
また、第17の観点によれば、送風機のケースは、ガイド部に対し径方向の外側に設けられ径方向の内側を向いておりガイド部との間に連通路を形成する内向面と、軸方向の一方側に向いており吸込口へ空気を導く導風面とを有する。また、ケースは、その導風面と内向面との間でその導風面と内向面とを連結する面連結部を有する。その面連結部は、ファン軸心を含む断面において導風面と内向面とを連続的につなぐように湾曲したベルマウス面として形成されており、ガイド外周面はベルマウス面に対向する対向部を有する。そして、ファン軸心を含む断面において、対向部は、ベルマウス面の曲率半径の最小値よりも更に小さい曲率半径を有する部位を含む。従って、対向部がそうなっていない場合と比べて、対向部とベルマウス面との間で対向部に沿う空気の流速を下げることが可能である。そして、その空気の流速が下がれば連通路の空気の流速も下がるので、その分、連通路の空気の静圧を上昇させることが可能である。そのように連通路の空気の静圧が上昇すれば、翼の後縁辺りと連通路との間の静圧差が縮小し、側板の外側を通って逆流する逆流空気流れの空気流量を低減することが可能である。
また、第18の観点によれば、ガイド内周面は、軸方向においてそのガイド内周面の一方側の端から他方側へ向かうほど縮径しその他方側の端に至るまでの途中で最小径になるように形成されている。従って、径方向内側向きの速度成分を有して吸込口へ流入する空気をガイド内周面に沿わせながらその空気の流れ方向を滑らかに修正しつつ、軸方向に沿った向きに向けさせることが可能である。なお、第19の観点は、この第18の観点と同様である。
また、第20の観点によれば、ファン軸心を含む断面において、ガイド内周面の曲率半径は、軸方向の一方側ほど小さくなる。
また、第21の観点によれば、ファンリング部とガイド部との間の隙間は、軸方向の一方側とは逆側の他方側ほど拡幅するように形成されている。従って、その隙間を流れる空気の流速を軸方向の他方側ほど低下させることが可能である。これにより、その隙間から流出する空気とガイド部の径方向内側を流れる空気とが合流する際にそれらの空気の流速差が縮小されるので、空気流れの乱れを低減することが可能である。
また、第22の観点によれば、ガイド部は、軸方向の一方側に一方端を有し、その一方端は、ケースの面連結部よりも軸方向の一方側に位置している。従って、ガイド部の一方端と面連結部との位置関係がそうなっていない場合と比較して、導風面に沿いながら吸込口へ向かって流れる空気の一部を、ガイド部によって連通路へと導きやすい。
また、第23の観点によれば、連通路は、上流空間へ連結する上流端部を有する。そして、連通路は、その連通路のうち上流端部にて通路断面積が最小になるように形成されている。従って、例えば連通路の通路断面積が均一である場合に比して、連通路のうち上流端部よりも空気流れ下流側で空気の流速を下げることが可能である。そして、その空気の流速低下に伴って、連通路のうち上記逆流空気流れと合流する箇所における空気の静圧を上昇させることが可能である。そのように連通路の空気の静圧が上昇すれば、翼の後縁辺りと連通路との間の静圧差が縮小し、上記逆流空気流れの空気流量を低減することが可能である。
また、第24の観点によれば、ガイド部の全体は、面連結部よりも径方向の内側に配置され、そのガイド部は、径方向の外側に設けられたガイド外周面を有する。そのガイド外周面は、ファン軸心を含む断面において、軸方向の一方側が径方向の外側へ拡がるように湾曲した形状を成している。そして、ガイド外周面は、軸方向に垂直な面を軸方向の一方側の端部に有している。従って、金型の型抜き性を悪化させるのを回避しつつ、ケースのうち少なくとも面連結部とガイド部とを一体成形することが可能である。