JP2016094943A - 遠心式ファン - Google Patents

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Abstract

【課題】風の流れに適した羽根形状を有する羽根車を備えた遠心式ファンを提供する。【解決手段】遠心式ファンは、羽根車と、羽根車を格納するケーシングとを備える。羽根車は、主板と、シュラウドと、主板とシュラウドとの間に設けられる、円周上に配列される複数の羽根とを有し、回転軸を中心に回転することが可能である。複数の羽根は、圧力面2aと負圧面2bとを有し、複数の羽根の各々は、回転軸から遠ざかるにつれ、その厚さが次第に薄くなる形状を有する。回転軸の伸びる方向から見て、圧力面2aは、3つの円弧R1,R2,R3を繋げた形状を有する。3つの円弧R1,R2,R3のそれぞれは、その中心となる基点が、回転軸の伸びる方向から見て負圧面2b側の互いに異なる座標に位置するものであり、互いに異なる半径を有し、それに隣接する円弧に、正接関係となるようにして接続されている。【選択図】図9

Description

本発明は、遠心式ファンに関し、より特定的には、騒音の低減と風量特性の向上を図った遠心式ファンに関する。
遠心式ファン(遠心送風機)は、複数の羽根(翼、インペラともいう。)を有する羽根車を回転させることで、遠心方向に送風を行うファンである。この種のファンである遠心式多翼ファンは、モータの回転軸周りに多数の羽根を配置した羽根車を、吸込み口と吐出し口とを有するケーシング内に格納した構成からなる。遠心式多翼ファンは、吸込み口から吸入された空気を羽根車の中心から羽根の間に流入させ、羽根車の回転に伴う遠心作用によって羽根車の径外方に向けて噴出させる。羽根車の外周外側から噴出された空気は、ケーシング内部を通過し、高圧の空気となって吐出し口から吹き出される。
遠心式多翼ファンは、家電機器、OA機器、産業機器の冷却、換気、空調や、車両用の送風機などに広く用いられている。遠心式多翼ファンの送風性能と騒音は、羽根車の羽根形状とケーシング形状に大きく影響される。
図14は、従来の遠心式ファンの斜視図であり、図15は、図14の遠心式ファンのケーシング下板を取り除いた状態を示す平面図である。
この遠心式ファン1では、中央の羽根車3’が回転することにより送風が行われる。羽根車3’は、21枚の羽根2’を有し、遠心式ファン1に内蔵されるファンモータにより回転軸を中心として回転する。その回転方向は、図15における反時計回りである。
羽根車3’は、ケーシング4に収納される。ケーシング4は、それぞれが板状の上ケーシング5と下ケーシング6とからなっており、両者を等間隔に保持するために支柱7がケーシング4の四つの角部分に設けられている。遠心式ファン1の上部に空気の吸込み口8が設けられる。空気の吹出し口9は、ケーシング4の支柱7と支柱7との間に設けられることになる。すなわち、ケーシング4の4辺4方向がそれぞれ空気の吹出し口9となる(開放ケーシング型)。なおケーシング4は、羽根車3’から吹出された空気を1方向に集約する吹出し口を設けることとしてもよい(スクロールケーシング型)。
図14および15に示されるように、1枚の羽根2’は、円弧形状を有しており、移動により空気を押し出す側の面(圧力面)と、その逆側の面(負圧面)とはそれぞれ同一の円弧形状をなしていることが一般的である。また図15に示されるように、羽根2’の厚さは、羽根車3’の内周側から外周側に向かって一定である。
従来技術のファンにおける羽根の形状の工夫として、以下のような先行技術が存在する。
下記特許文献1には、空気流れ方向における径方向内端から径方向中間部までのブレード(羽根)前半部の少なくとも一部の負圧面の断面形状を、多角直線で形成した多翼送風ファンが開示されている。
下記特許文献2には、ブレードの前縁を、曲率半径が0.2mm以下の急峻な角形状に形成した遠心式多翼ファンが開示されている。
下記特許文献3には、羽根車の羽根出口が回転方向へ傾くように湾曲している前向き羽根によって構成されている多翼遠心送風機が開示されている。羽根は、翼前部から翼後部にかけて、翼厚を徐々に薄くした翼形をなす形状となっている。羽根は、コーン部に沿って流入する空気の角度、即ち、コーン部の傾斜角を考慮して流入角が設定されている。また、滑り率を考慮して流出角が設定されている。
下記特許文献4には、所定形状のファンハウジング内に、周方向に所定のピッチで並設された多数枚の羽根よりなる羽根車を備えてなる多翼送風機が開示されている。各羽根の羽根車外周側の反り線半径は、羽根車内周側の反り線半径よりも大きくされている。
下記特許文献5には、複数枚の羽根板を円周上に配置して設けて形成されるシロッコファンの羽根車が開示されている。羽根板の先端部の断面の外形線と、基端部の断面の外形線は、特定の範囲の二次元曲線で形成され、羽根板の取り付け角度が特定の範囲で設定される。
特開2005−155579号公報 特開2007−278268号公報 特開2001−329994号公報 特開2001−280288号公報 特開平11−148495号公報
機器の小型化、薄型化、高密度実装化、そして省エネ化が進む中、市場からはそれに搭載されるファンモータに対しての高静圧化、高効率化が強く要望されている。
しかしながら、図15のように羽根2’の圧力面が1つの円弧から成る形状は、風の流れに適していないという問題があった。すなわち、図15の羽根2’の圧力面および負圧面は、いずれもある径を有する1つの円弧の形状に一致する。このような羽根形状では、空気の流量や、静圧が低下する。また、騒音レベルの悪化につながるという問題がある。
特に図14、図15で示した遠心式ファンでは、離散周波数騒音(狭帯域騒音)および広帯域騒音のレベルが共に高く、機器に搭載した時の騒音レベルが高いという問題がある。
ここで「離散周波数騒音」とは、羽根通過周波数に依拠する騒音であり、NZ騒音とも呼ばれる。離散周波数騒音は、狭い周波数帯域の特定周波数に特徴的なピークを有する騒音である。その周波数は、fnz=〔回転周波数:n〕×〔羽根の枚数:z〕の式で表わされる。離散周波数騒音は、1次成分以外に、2次、3次・・が発生するため、実聴においても大きな問題となる。すなわち、遠心式ファンを機器に搭載した時に、雑音が明瞭な音として発生するリスクがある。広帯域騒音の要因は乱流が支配的であり、トータル騒音レベルを決めるため、広帯域騒音を低減することも求められる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、風の流れに適した羽根形状を有する羽根車を備えた遠心式ファンを提供することである。
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、羽根車と、羽根車を格納するケーシングとを備え、吸込み口から吸入した空気を、羽根車の回転に伴う遠心力によって羽根車の径の外方に向けて吹き出すターボ型の遠心式ファンは、羽根車は、主板と、シュラウドと、主板とシュラウドとの間に設けられる、円周上に配列される複数の羽根とを有し、回転軸を中心に回転することが可能であり、複数の羽根は、圧力面と負圧面とを有し、複数の羽根の各々は、回転軸から遠ざかるにつれ、その厚さが次第に薄くなる形状を有し、回転軸の伸びる方向から見て、圧力面は、3つの円弧を繋げた形状を有し、3つの円弧のそれぞれは、その中心となる基点が、回転軸の伸びる方向から見て負圧面側の互いに異なる座標に位置するものであり、互いに異なる半径を有し、それに隣接する円弧に、正接関係となるようにして接続されている。
好ましくは、3つの円弧のうちの中央の円弧は、3つの円弧のうち両端部に位置する円弧よりも小さい半径を有する。
好ましくは、ケーシングは、それぞれが矩形板状の上ケーシング及び下ケーシングと、上ケーシングと下ケーシングとを等間隔に保持するようにケーシングの四つの角部分に配置されている支柱とを有し、ケーシングの4辺4方向のそれぞれで支柱同士の間が空気の吹出し口となる開放ケーシング型に構成されている。
好ましくは、負圧面は、回転軸の伸びる方向から見て、回転軸から遠ざかるにつれて曲率半径が小さくなっていく形状を有する。
本発明によれば、風の流れに適した羽根形状を有する羽根車を備えた遠心式ファンを提供することができる。
本発明の実施の形態の1つにおける遠心式ファンの斜視図である。 図1の遠心式ファンの中央縦断面図である。 図1の遠心式ファンの羽根形状を、上ケーシング5側から透過させて見た状態で示す図である。 図3の羽根車3の構造を説明するための図である。 羽根車3の羽根形状を説明するための第1の図である。 羽根車3の羽根形状を説明するための第2の図である。 羽根車3の羽根形状を説明するための第3の図である。 羽根車3の羽根形状を説明するための第4の図である。 羽根車3の羽根形状を説明するための第5の図である。 羽根車3の羽根形状の変形例を説明するための図である。 図1〜9で説明した遠心式ファンと、従来の遠心式ファンとの静圧−風量特性を示した図である。 図1〜9で説明した遠心式ファンにおける風量のシュミレーション結果を示した図である。 従来の遠心式ファンにおける風量のシュミレーション結果を示した図である。 従来の遠心式ファンの斜視図である。 図14の遠心式ファンの羽根形状を、下ケーシング6側から見た状態で示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける遠心式ファンの斜視図であり、図2は、図1の遠心式ファンの中央縦断面図である。また図3は、図1の遠心式ファンの羽根形状を、上ケーシング5側から透過させて見た状態で示す図である。
図1〜3を参照して、遠心式ファン1では、中央の羽根車3が回転することにより送風が行われる。羽根車3は、それぞれが等間隔に配置される7枚の羽根2を有し、遠心式ファン1に内蔵されるファンモータ13により回転軸11を中心として回転する。その回転方向は、図3における時計回りである。
羽根車3は、ケーシング4に収納される。ケーシング4は、それぞれが板状の上ケーシング5と下ケーシング6とからなっており、両者を等間隔に保持するために支柱7がケーシング4の四つの角部分に設けられている。遠心式ファン1の上部に空気の吸込み口8が設けられる。空気の吹出し口9は、ケーシング4の支柱7と支柱7との間に設けられることになる。すなわち、ケーシング4の4辺4方向がそれぞれ空気の吹出し口9となる(開放ケーシング型)。なおケーシング4は、羽根車3から吹出された空気を1方向に集約する吹出し口を設けることとしてもよい(スクロールケーシング型)。
図2に示されるように羽根車3は、円板状の主板21と、環状のシュラウド23と、主板21とシュラウド23との間に設けられる、円周上に配列される複数の羽根2とを備えた構造を有し、回転軸11を中心に回転することが可能である。
図4は、図3の羽根車3の構造を説明するための図である。
図に示されるように、複数の羽根2の各々は、中心Oを矢印“A”方向(時計回り方向)に回転する。各羽根2は、回転方向の前側を向いている圧力面2aと、その逆側を向いている負圧面2bとを有する。圧力面2aは、回転時に空気を押す側の面である。
中心OからD1の半径を有する内径部分(内周縁)に、各羽根2の一端部が形成されており、中心OからD2の半径を有する外径部分(外周縁)に各羽根2の他端部が位置する。
図4では、羽根車3の回転軸の伸びる方向から羽根2を見たときの形状が示されている。このため図4では、圧力面2a、負圧面2b、外周縁、および内周縁のいずれもが曲線で表わされている。羽根2の入口角αは45°であり、出口角βは30°である。
ここに入口角αとは、図4に示される圧力面2aを示す曲線と内周縁とが接する点における内周縁の接線と、その点における、圧力面2aを示す曲線の接線とが交わる角であり、90°以下となる側の角を示す。出口角βとは、図4に示される圧力面2aを示す曲線と外周縁とが接する点における外周縁の接線と、その点における、圧力面2aを示す曲線の接線とが交わる角であり、90°以下となる側の角を示す。
図4に示される圧力面2aを示す曲線の形は、少なくとも3種類の円弧を繋げた形状、または3点を通る複数の高次関数を組み合わせた形状で表現することが可能である。
図5〜図8は、羽根車3の羽根形状を説明するための図である。
上述の圧力面2aの断面形状は、以下のようにして決定される。図5に示されるように、外周縁を直径120mmの円、内周縁を直径70mmの円とし、その2つを同心円C1,C4として記載する。なお、内周縁および外周縁は、設計仕様やモータのサイズによって決定されるものであり、このサイズに限定されるものではない。
次に、外周縁を示す円C1に対して3/4のサイズ(直径90mm)を有する円C2を、外周縁および内周縁を示す円の同心円として描く。また、内周縁を示す円C4と上記外周縁に対して3/4のサイズを有する円C2との中間に円C3(直径80mm)を、外周縁および内周縁を示す円の同心円として描く。
図6に示されるように、入口角α(45°)、出口角(30°)、および反り角(55°)を決定する。入口角は騒音値に影響し、45°にすることでNZ音が大幅に低下する。出口角は静圧に影響し、設計目標によって異なる。反り角も静圧に影響し、設計目標によって異なる。入口角αを測定する位置を点Dで示し、出口角βを測定する位置を点Aで示す。点AとOとを通る直線を線分L1と称し、点DとOとを通る直線を線分L2と称する。反り角は、円の中心Oを通る2つの直線L1,L2によって規定される角度である。点Aは、円の中心Oを通り、反り角を規定する1つの直線L1と外周縁C1との交点である。点Dは、円の中心Oを通り、反り角を規定するもう1つの直線L2と内周縁C4との交点である。
図7に示されるように、反り角を規定する直線L1,L2の間に、円の中心Oを通り、直線L2と反り角の3/10の角度(16.5°)をなす直線を引き、その直線と円C2との交点を点Bとする。さらに、反り角を規定する直線L1,L2の間に、円の中心Oを通り、直線L2と反り角の3/20の角度(8.25°)をなす直線を引き、その直線と円C3との交点を点Cとする。
図8に示すように、点A、B、CおよびDを結ぶ3つの円弧R3,R2,R1が描かれる。このとき、円弧R3およびR2の組、ならびに円弧R2およびR1の組のそれぞれの組の円弧は、正接関係となるように描かれる。ここに正接関係とは、2つの円弧の接続点における2つの円弧の接線同士が重なる関係をいう。
図9は、羽根車3の羽根形状を説明するための図であり、円弧R1〜R3の特徴を示す図である。
入口角αを測定する位置である点Dを原点とし、X(図面横)方向の右方向を正とし、Y(図面縦)方向上方向を正とする座標系を考えると、
・R1は、基点(中心の座標)が(X,Y)=(−34.2mm,35.8mm)であり、半径が50mmであり、点CとDとを端部とする円弧となり、
・R2は、基点(中心の座標)が(X,Y)=(−10.1mm,15.7mm)であり、半径が18mmであり、点BとCとを端部とする円弧となり、
・R3は、基点(中心の座標)が(X,Y)=(−42.8mm,20.8mm)であり、半径が51mmであり、点AとBとを端部とする円弧となる。
円弧の半径を示すと、R3の半径とR1の半径とはほぼ等しく(差が3%以内であり)、その間にある円弧R2の半径は、円弧R1,R3の半径それぞれの35〜40%程度である。なお、3円弧の基点の位置は一例であり、これに限定されるものではない。
負圧面に関しては、点Dを通り点Aに向かって羽根の厚さが薄くなるように、かつ圧力面の形状に沿った形状のカーブとなるようにすることで、翼形状の羽根の外形を得ることができる。例えば、点Aにおける負圧面の曲率半径を定め、点Dに向かうにつれてその曲率半径が小さくなってゆくカーブを得ることとで、図9のような形状を得ることができる。
上記のように構成される本実施の形態におけるファンは、以下の特徴を有している。すなわち、羽根の圧力面の形状が、3つの円弧(R1、R2、R3)により構成される。また、羽根の圧力面の形状は、以下の複数の高次関数の組合せにより表現することが可能である(なお高次関数とは、2次関数以上の高次な関数をいうものとする)。
y=0.108x−0.375x+0.767x
y=−2.56x+30.0x−119.3x+174.9
(羽根の先端を原点とする。上記数式それぞれの所定の数値範囲を羽根の圧力面の形状とする。式は一例であり、これに限定されるものではない。)
このようにして羽根の形状を決定することで、空気の流れに沿った効率の良いファンの作製が可能となり、高流量・高静圧化・低騒音化を達成することができるという効果がある。
また、本実施の形態におけるファンは、ターボ型、多翼型、ラジアル型等のあらゆる遠心式ファンに適応することができる。ファンを搭載する装置としては、主に吸込み冷却を要する製品(家電、PC、OA機器、車載機器等)などに適用が可能である。
図10は、羽根車3の羽根形状の変形例を説明するための図である。
上記のような円弧の組合せや数式により、羽根の形状を決定することができる。また図10に示されるように、翼端の厚みを自由に調整することができる。例えば図10のように羽根の先端部分を所定の厚みを下回らないようにする(図9よりも、外縁部の羽根の厚みを厚くする)ことで、羽根の剛性を上げることができる。すなわち、回転軸から所定の距離以上離れた羽根の部分については、その厚さを所定範囲内に保つ(所定の厚さ以下とはしない)ことで、羽根の剛性を高めることができる。
図11は、図1〜9で説明した遠心式ファンと、従来の遠心式ファンとの静圧−風量特性を示した図である。
図中グラフの横軸は風量を示し、縦軸は静圧を示している。グラフ中に点線で、従来の遠心式ファンの特性を記載し、実線で図1〜9で説明した遠心式ファンの特性を示している。
図に示されるように、従来技術と比較して、本実施の形態のファンではいずれの風量においても高い静圧を得ることができる。
図12は、図1〜9で説明した遠心式ファンにおける風量のシミュレーション結果を示した図であり、図13は、従来の遠心式ファンにおける風量のシミュレーション結果を示した図である。
図中において、羽根2、2’の周辺の空気の流れを矢印で示しており、線の濃淡により空気の速さを示している。色の濃い矢印は、薄い矢印よりも早い流れを意味する。図12および13に示されるように、本実施の形態における羽根の形状によると、全般的に風速を増すことができ、これにより高流量を達成することができる。また本実施の形態によると、羽根の付根部分から羽根の先端部分までの羽根形状によって、空気を加速させることができるという効果がある。
また図1〜9で説明した遠心式ファンによると、離散周波数騒音の発生が抑制されるという効果がある。具体的には、従来のファンと比較して1.5dB(A)の低減効果が有る。また、NZ騒音1次ピークレベルが低減すると共に、NZ騒音2次のピークの発生も大幅に抑制することが可能である。実聴で最も課題となる(明瞭な音として聞こえる)1〜4kHzの周波数範囲において、広帯域騒音から突出した顕著なピークが無くなり、工業的価値が大きいファンを提供できるという効果がある。
なお、ファンの圧力面の形状は3円弧に限らず、3以上の円弧を組み合わせた形状としてもよい。また、上記実施の形態で示した数値は理想的な数値であり、±10%程度の誤差を含んでいても発明の目的を達成できるレベルでファンを製造することができる。例えば図9における弧R1の半径は、50mmに±10%程度の誤差を含む、45mm〜55mmの範囲であってもよい。同様に、上述の座標値、角度、直径等の数値に関しても、±10%程度の誤差を含むことが許容される。
[実施の形態における効果]
以上のように、ファンの羽根形状を3以上の円弧の組合せ、または高次間数曲線とすることで、空気の流れに沿った効率の良い羽根形状の作成が可能となり、高流量・高静圧化・低騒音化につながるという効果がある。また、羽根形状を3円弧または滑らかな曲線(2次、3次などの高次関数)とすることで、翼端の厚みを自由に調整でき、羽根の剛性アップが可能となる。さらに空力騒音が低減することで、低騒音化につながるという効果がある。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 遠心式ファン
2 羽根
2a 圧力面
2b 負圧面
3 羽根車
4 ケーシング
5 上ケーシング
6 下ケーシング
7 支柱
8 吸込み口
9 吹出し口
11 回転軸
13 ファンモータ
21 主板
23 シュラウド
α 入口角
β 出口角

Claims (4)

  1. 羽根車と、
    前記羽根車を格納するケーシングとを備え、
    吸込み口から吸入した空気を、前記羽根車の回転に伴う遠心力によって羽根車の径の外方に向けて吹き出すターボ型の遠心式ファンであって、
    前記羽根車は、
    主板と、
    シュラウドと、
    前記主板と前記シュラウドとの間に設けられる、円周上に配列される複数の羽根とを有し、
    回転軸を中心に回転することが可能であり、
    前記複数の羽根は、圧力面と負圧面とを有し、
    前記複数の羽根の各々は、前記回転軸から遠ざかるにつれ、その厚さが次第に薄くなる形状を有し、
    前記回転軸の伸びる方向から見て、前記圧力面は、3つの円弧を繋げた形状を有し、
    前記3つの円弧のそれぞれは、
    その中心となる基点が、前記回転軸の伸びる方向から見て前記負圧面側の互いに異なる座標に位置するものであり、
    互いに異なる半径を有し、
    それに隣接する円弧に、正接関係となるようにして接続されている、遠心式ファン。
  2. 前記3つの円弧のうちの中央の円弧は、前記3つの円弧のうち両端部に位置する円弧よりも小さい半径を有する、請求項1に記載の遠心式ファン。
  3. 前記ケーシングは、
    それぞれが矩形板状の上ケーシング及び下ケーシングと、
    前記上ケーシングと前記下ケーシングとを等間隔に保持するように前記ケーシングの四つの角部分に配置されている支柱とを有し、
    前記ケーシングの4辺4方向のそれぞれで前記支柱同士の間が空気の吹出し口となる開放ケーシング型に構成されている、請求項1又は2に記載の遠心式ファン。
  4. 前記負圧面は、前記回転軸の伸びる方向から見て、前記回転軸から遠ざかるにつれて曲率半径が小さくなっていく形状を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心式ファン。
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