JP2005336398A - 難燃粉体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 無機難燃粉体を下記平均組成式(1)で表されるフェニル基含有オルガノポリシロキサンにより表面処理してなることを特徴とする難燃粉体。
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)、R3は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、m、n、p、qは0.4≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.2、0≦q≦0.3、0.9≦m+n+p+q≦2.8の要件を満たす数である。)
【効果】 本発明の難燃粉体は、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂等の極性基を有する樹脂に対する分散性が優れ、これらの樹脂に配合されて優れた難燃性を付与する。
【選択図】 なし
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)、R3は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、m、n、p、qは0.4≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.2、0≦q≦0.3、0.9≦m+n+p+q≦2.8の要件を満たす数である。)
【効果】 本発明の難燃粉体は、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂等の極性基を有する樹脂に対する分散性が優れ、これらの樹脂に配合されて優れた難燃性を付与する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、特に極性基を有する樹脂中への分散性、難燃性に優れた無機粉体及びその製造方法に関する。
樹脂に粉体を配合したコンパウンドが使用されるケースは多く、粉体の配合により、補強効果、難燃性、導電性、熱伝導性等の特性が付与されている。しかし、粉体を大量配合するような場合では、樹脂本来の引張強度や伸びといった特性が低下することがある。粉体を大量に使用する用途として、ノンハロゲン難燃剤としての用途が挙げられる。特に、電線やケーブルの絶縁体又はシースとして使用されるポリオレフィン系樹脂の難燃処方に対しては、近年、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物粉体を用いた様々な技術が提案されており、金属水酸化物とオルガノポリシロキサンを併用添加した場合に難燃性が大きく向上する(特許文献1〜8:特公昭59−30178号公報、特公昭58−55181号公報、特公平01−13730号公報、特公平01−20652号公報、特公平06−76524号公報、特公平05−64656号公報、特開昭62−81435号公報、特開昭62−236838号公報)。しかしながら、従来行われている通常の混練方法(樹脂とシリコーンガムのマスターペレットを作製したり、粉体と樹脂ペレットを2軸押出機で混練後成形する方法)では、オルガノポリシロキサンが均一に分散しきれていないため、成形性が悪く、難燃効果も十分ではない。
このような問題を解決するものとして、側鎖の全てがメチル基であるジメチルポリシロキサンで表面処理した粉体を使用することが有効であり(特許文献9:特開2004−51990号公報)、上記のような電線やケーブルの絶縁体又はシースとして使用されるポリオレフィン系樹脂に対しては、粉体に処理するオルガノポリシロキサンとして、側鎖の全てがメチル基であるジメチルポリシロキサンであることが好ましい。しかし、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂等の極性基を有する樹脂に対しては、ジメチルポリシロキサン処理水酸化マグネシウムを添加した場合、分散不良が原因となり、シロキサン無添加の組成よりも難燃性、流動性が低下してしまう場合がある。
従って、本発明の目的は、特に極性基を有する樹脂に対して分散性及び難燃性の改善された難燃粉体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、無機難燃粉体に対して各種オルガノポリシロキサンを分散あるいは表面処理を行い、極性基を有する樹脂に対する難燃性、流動性の検討を進めた結果、無機難燃粉体に平均組成式(1)で表されるフェニル基含有オルガノポリシロキサンを分散もしくは表面処理してなる粉体に優れた効果を見出し、本発明を完成させるに至った。
従って、本発明は、無機難燃粉体を下記平均組成式(1)で表されるフェニル基含有オルガノポリシロキサンにより表面処理してなることを特徴とする難燃粉体、及び無機難燃粉体と下記平均組成式(1)で表されるフェニル基含有オルガノポリシロキサンとを加圧下に混練することを特徴とする難燃粉体の製造方法を提供する。
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)、R3は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、m、n、p、qは0.4≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.2、0≦q≦0.3、0.9≦m+n+p+q≦2.8の要件を満たす数である。)
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)、R3は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、m、n、p、qは0.4≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.2、0≦q≦0.3、0.9≦m+n+p+q≦2.8の要件を満たす数である。)
本発明の難燃粉体は、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂等の極性基を有する樹脂に対する分散性が優れ、これらの樹脂に配合されて優れた難燃性を付与する。
本発明の難燃粉体は、無機難燃粉体をフェニル基含有オルガノポリシロキサンで表面処理してなるものである。
本発明で使用する無機難燃粉体としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、四酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、ジルコニウム化合物、モリブデン化合物、炭酸カルシウム、シリカ、シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、タルク、アクリルシリコーンパウダー、酸化チタン、ろう石、石英、けいそう土、硫化鉱、硫化焼鉱、黒鉛、ベントナイト、カオリナイト、活性炭、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、大理石、澱粉、木粉、綿じん、革粉、コルク粉、ベークライト、ポートランドセメント、SiOパウダー、窒化ホウ素、合成マイカ、ガラスビーズ、マイカ、セリサイト、各種プラスチック粉砕物、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、各種リン系難燃剤、膨脹性黒鉛、シアヌール酸メラミン、スルファミン酸グアニジン、光酸化チタン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
特に、難燃材料用粉体としては金属水酸化物が優れており、好ましいが、中でも水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムが好ましい。また、上記した各種粉体は、未処理のものであっても、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、チタネートカップリング剤、シランカップリング剤、熱可塑性樹脂等の表面処理剤で処理されているものであってもよい。
本発明で使用する粉体は、コールターマルチサイザーIIによる電気抵抗法における平均粒子径が0.01〜10μmのものが分散の面において好ましく、特に0.01〜5μm、最も好ましい平均粒子径は0.01〜2μmである。また、現状では粒子径が0.01μm未満の粉体は知られていない。
本発明で使用するオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で表されるフェニル基含有オルガノポリシロキサンである。
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)、R3は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、m、n、p、qは0.4≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.2、0≦q≦0.3、0.9≦m+n+p+q≦2.8の要件を満たす数である。)
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)、R3は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、m、n、p、qは0.4≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.2、0≦q≦0.3、0.9≦m+n+p+q≦2.8の要件を満たす数である。)
更に、フェニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、その分子中に分岐構造を有するフェニル基含有シリコーンレジンが好ましいが、ここで言う分岐構造とは、オルガノポリシロキサンの構造を示すシロキサン単位として、後述するT単位及び/又はQ単位を含有するものとして定義される。
T単位:(CH3)SiO3/2、(C3H7)SiO3/2、(C6H5)SiO3/2、(CH2=CH)SiO3/2等の3官能性シロキサン単位
Q単位:SiO2で示される4官能性シロキサン単位
T単位:(CH3)SiO3/2、(C3H7)SiO3/2、(C6H5)SiO3/2、(CH2=CH)SiO3/2等の3官能性シロキサン単位
Q単位:SiO2で示される4官能性シロキサン単位
このオルガノポリシロキサンは、極性基を含有する樹脂への分散性、難燃化効果から、分子中にケイ素原子に結合するフェニル基を有するものであり、この特性付与の観点から、ケイ素原子1モルに対するフェニル基(R1)の置換モル数に相当するmは0.4≦m≦2.0の範囲、好ましくは0.4≦m≦1.4の範囲である。
一方、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)であり、この置換基を適量含有させることで、嵩高いフェニル基を含有するオルガノポリシロキサン分子の立体障害を緩和して空間的な自由度を向上させ、フェニル基同士の重なりを容易にして難燃化効果を高める効果がある。従って、このR2としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。特にメチル基及びビニル基が、立体障害緩和の点からも工業的にも好ましい。上記したような効果を得るためには、R2の含有量を上記式(1)中のnの値で0.1≦n≦2.3の範囲、好ましくは0.5≦n≦2.0の範囲である。
また、上記式(1)のアルコキシ基中のR3は、炭素数1〜4の1価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が例示される。また、アルコキシ基含有量に相当するpの値は0.2以下とすることが好ましい。
更に、上記式(1)の(OH)で表されるシラノール基は、製造方法上の理由から残存することがあり、反応性が低く、難燃性に寄与することは殆どないが、保存安定性や極性基を含有する樹脂と溶融加工する際の安定性、成形性の点から、その含有量を上記式(1)中のqの値で0.3以下とすることが好ましい。
このようなフェニル基含有シリコーンレジンの分子量は、特に限定されるものではないが、分子量が大きすぎても小さすぎても極性基を含有する樹脂への分散性や難燃化効果が不十分となるため、上記式(1)において0.9≦m+n+p+q≦2.8の範囲、好ましくは1.1≦m+n+p+q≦2.4の範囲である。更には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は2,000以上が好ましく、2,000〜50,000の範囲とすることがより好ましく、3,000〜15,000の範囲とすることが特に好ましい。
このようなフェニル基含有シリコーンレジンは、従来公知の方法によって製造することができる。例えば、目的とするオルガノポリシロキサンの構造に従い、相当するオルガノクロロシラン類を、場合により炭素数1〜4のアルコールの存在下に共加水分解し、副生する塩酸や低沸分を除去することによって、目的物を得ることができる。また、分子中にフェニル基、メチル基等の有機残基を有するアルコキシシラン類、シリコーンオイルや環状シロキサンを出発原料とする場合には、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸等の酸触媒を使用し、場合によっては加水分解のための水を添加して、重合反応を進行させた後、使用した酸触媒や低沸分を同様に除去することによって、目的とするオルガノポリシロキサンを得ることができる。なお、シラノール基含有量を上記した範囲とするために、加水分解後に残存するシラノール基を、ヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシラン等のシリル化剤と反応させて封鎖することも可能である。
本発明で使用するフェニル基含有オルガノポリシロキサンは、これを分散もしくは表面処理してなる難燃粉体が取り扱い上でべたつきが少なく、ハンドリング性が容易であるものとするため、室温において固体状であることが好ましく、フェニル基含有オルガノポリシロキサンの融点が35℃以上であることが好ましい。
本発明のフェニル基含有オルガノポリシロキサンを分散もしくは表面処理してなる難燃粉体には、粉体形状を保持できる範囲内であれば、熱可塑性樹脂粉体やオイル状オルガノポリシロキサンあるいは高重合度オルガノポリシロキサンを添加したり混合することも可能である。熱可塑性樹脂粉体として具体的には、低密度ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、エチレン−酢酸ビニル共重合体パウダー、エチレン−アクリル酸共重合体パウダー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体パウダー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体パウダー、エチレン−ビニルアルコール共重合体パウダー、エチレン−メタクリル酸共重合体パウダー、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体パウダー、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体パウダー、エチレン−無水マレイン酸共重合体パウダー、ABS樹脂パウダー、ポリスチレンパウダー、アイオノマー等の熱可塑性エラストマー粉砕物、エチレンプロピレンゴム粉砕物、ブチルゴム粉砕物、SBR粉砕物、NBR粉砕物、アクリルゴム粉砕物、シリコーンゴムパウダー等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のフェニル基含有オルガノポリシロキサンを分散もしくは表面処理してなる難燃粉体の製造方法としては、加圧条件下で混練を行うことができる加圧型ミキサー、加圧ニーダー等を用いて混合分散する方法が挙げられる。圧力は0.1MPa以上であることが好ましく、0.5MPa以上であることが更に好ましい。加圧できないタイプの混練機では、1時間以上混練を行ってもオルガノポリシロキサンの塊が残るだけでなく、平均粒子径も核粉体の平均粒子径の10倍以下にすることが困難である。従って、このようにして得られた粉体を樹脂に添加しても、得られた成形物の難燃性は十分ではない。なお、圧力の上限は適宜選定されるが、通常10MPa以下である。また、処理時間は30分未満である。更に、処理温度は、0〜80℃、特に10〜50℃であり、通常室温でよい。
本発明において、フェニル基含有オルガノポリシロキサンの使用量は、難燃無機粉体100質量部に対して0.1〜50質量部、特に1〜20質量部であることが好ましく、少なすぎる場合は、表面処理が十分に行われないため、極性基を含有する樹脂への分散性が悪くなり、難燃化効果が低下する。多すぎる場合は、樹脂組成物の物性、特に引張強度や伸びを低下させるので好ましくない。
なお、本発明の難燃粉体の平均粒子径は、後述する実施例に示した測定法において0.01〜30μm、特に0.05〜10μmであることが好ましい。平均粒子径が大きすぎると、樹脂組成物の引張強度や伸びの物性を低下させ、難燃性が劣る場合がある。
本発明のフェニル基含有オルガノポリシロキサンを分散もしくは表面処理してなる難燃粉体には、その特性を阻害しない範囲で、その目的に応じて添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、光安定剤、相溶化剤、接着助剤、流動性改質剤、滑剤、充填剤等を挙げることができる。
本発明において使用可能な酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4−チオビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチルメチルフェノール)、4,4−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルデシル)クロマン−2−オール、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、テトラキス(メチレン)−3−(ドデシルチオプロピオネート)メタン等が挙げられる。
本発明において使用可能な安定剤としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛等の各種金属せっけん系安定剤、ラウレート系、マレート系及びメルカプト系の各種有機錫系安定剤、ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の各種鉛系安定剤、エポキシ化植物油等のエポキシ化合物、アルキルアリルホスファイト、トリアルキルホスファイト等のホスファイト化合物、ジベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸等のβ−ジケトン化合物、ソルビトール、マンニトール、ペンタエリスリトール等のポリオール、ハイドロタルサイト類やゼオライト類などを挙げることができる。
本発明において使用可能な光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
本発明において使用可能な相溶化剤としては、アクリル−オルガノポリシロキサン共重合体、シリカとオルガノポリシロキサンの部分架橋物、シリコーンパウダー、MQレジン、無水マレイン化グラフト変性ポリオレフィン、カルボン酸化グラフト変性ポリオレフィン、ポリオレフィングラフト変性オルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
また、本発明において使用可能な接着助剤としては、各種アルコキシシラン等を挙げることができる。
流動性改質剤としては、ケイ酸、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、カオリンクレー、焼成クレー、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム等を挙げることができる。
本発明の難燃粉体は、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂等の極性基を有する樹脂に対し、難燃性を付与する充填剤として有効に用いられる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において部はいずれも質量部である。
[実施例1,2、比較例1〜7]
<オルガノポリシロキサン処理粉体(難燃粉体)の調製及び評価>
表1及び表2に示した各原料を加圧型のラボプラストミルR200ミキサー(東洋精機(株)製の商品名)に入れ、0.5MPaの加圧下及び室温下において撹拌速度60rpmで5分間混合し、粉体とオルガノポリシロキサンを混合処理してマスターバッチであるオルガノポリシロキサン処理粉体を調製した。得られた粉体について、コールターマルチサイザーII(コールター(株)製)を用いて平均粒子径及び10μm以上の塊の有無を測定し、分散状態を評価した。結果は表1に示した通りである。
平均粒子径:
粉体0.1部に対してノニオン界面活性剤0.6部と水20部を加え、超音波振動機等を用いて粉体を分散した後、コールターマルチサイザーIIを用いて測定を行った。
10μm以上の塊の有無:
上記のコールターマルチサイザーIIの測定結果より判断した。
<オルガノポリシロキサン処理粉体(難燃粉体)の調製及び評価>
表1及び表2に示した各原料を加圧型のラボプラストミルR200ミキサー(東洋精機(株)製の商品名)に入れ、0.5MPaの加圧下及び室温下において撹拌速度60rpmで5分間混合し、粉体とオルガノポリシロキサンを混合処理してマスターバッチであるオルガノポリシロキサン処理粉体を調製した。得られた粉体について、コールターマルチサイザーII(コールター(株)製)を用いて平均粒子径及び10μm以上の塊の有無を測定し、分散状態を評価した。結果は表1に示した通りである。
平均粒子径:
粉体0.1部に対してノニオン界面活性剤0.6部と水20部を加え、超音波振動機等を用いて粉体を分散した後、コールターマルチサイザーIIを用いて測定を行った。
10μm以上の塊の有無:
上記のコールターマルチサイザーIIの測定結果より判断した。
(1)キスマ5A:脂肪酸処理水酸化マグネシウム(協和化学(株)製の商品名、平均粒子径1.3μm)
(2)フェニル基含有シリコーンレジン:平均組成式
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
で示されるフェニル基、メチル基を置換基として持ち、分岐構造を有するシリコーンレジン(上記平均組成式(1)において、R1=フェニル基、R2=メチル基、m=0.96、n=0.68、p=0、q=0.02であり、重量平均分子量9,000、融点が92℃であるもの)を使用した。
(3)フェニル基含有シリコーンレジン:
フェニル基、メチル基、ビニル基を置換基として持ち、分岐構造を有するシリコーンレジン(上記平均組成式(1)において、R1=フェニル基、R2=メチル基及びビニル基、m=0.7、n=1.1(メチル基含有R2=0.8、ビニル基含有R2=0.3)、p=0.1(R3=CH3)、q=0.1であり、重量平均分子量6,500、融点が55℃であるもの)を使用した。
(4)高重合度ジメチルポリシロキサン:
重合度7,000の高重合度ジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製)
(5)シリコーンレジン:
上記平均組成式(1)においてR1=フェニル基、R2=メチル基、m=0、n=1.05、p=0.1(R3=CH3)、q=0.1であり、重量平均分子量5,000、融点が75℃であるもの)を使用した。
(2)フェニル基含有シリコーンレジン:平均組成式
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
で示されるフェニル基、メチル基を置換基として持ち、分岐構造を有するシリコーンレジン(上記平均組成式(1)において、R1=フェニル基、R2=メチル基、m=0.96、n=0.68、p=0、q=0.02であり、重量平均分子量9,000、融点が92℃であるもの)を使用した。
(3)フェニル基含有シリコーンレジン:
フェニル基、メチル基、ビニル基を置換基として持ち、分岐構造を有するシリコーンレジン(上記平均組成式(1)において、R1=フェニル基、R2=メチル基及びビニル基、m=0.7、n=1.1(メチル基含有R2=0.8、ビニル基含有R2=0.3)、p=0.1(R3=CH3)、q=0.1であり、重量平均分子量6,500、融点が55℃であるもの)を使用した。
(4)高重合度ジメチルポリシロキサン:
重合度7,000の高重合度ジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製)
(5)シリコーンレジン:
上記平均組成式(1)においてR1=フェニル基、R2=メチル基、m=0、n=1.05、p=0.1(R3=CH3)、q=0.1であり、重量平均分子量5,000、融点が75℃であるもの)を使用した。
次に、上記で得られたオルガノポリシロキサン処理粉体(難燃粉体)の難燃性を下記のようにして評価した。
HIPS400(ハイインパクトポリスチレン);(PSジャパン(株)製)100部に対し、前記マスターバッチを120部添加し、前記ラボプラストミルにて、140℃,2分,30rpmの条件下で混合した後、プレス成形によりサンプル片を作製し、UL−94垂直燃焼試験を実施し、難燃性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
HIPS400(ハイインパクトポリスチレン);(PSジャパン(株)製)100部に対し、前記マスターバッチを120部添加し、前記ラボプラストミルにて、140℃,2分,30rpmの条件下で混合した後、プレス成形によりサンプル片を作製し、UL−94垂直燃焼試験を実施し、難燃性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
Claims (5)
- 無機難燃粉体を下記平均組成式(1)で表されるフェニル基含有オルガノポリシロキサンにより表面処理してなることを特徴とする難燃粉体。
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)、R3は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、m、n、p、qは0.4≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.2、0≦q≦0.3、0.9≦m+n+p+q≦2.8の要件を満たす数である。) - 上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンの重量平均分子量が2,000〜50,000であることを特徴とする請求項1に記載の難燃粉体。
- 上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンの融点が35℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃粉体。
- 無機難燃粉体が金属水酸化物からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の難燃粉体。
- 無機難燃粉体と下記平均組成式(1)で表されるフェニル基含有オルガノポリシロキサンとを加圧下に混練することを特徴とする難燃粉体の製造方法。
R1 mR2 n(OR3)p(OH)qSiO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)、R3は炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、m、n、p、qは0.4≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.2、0≦q≦0.3、0.9≦m+n+p+q≦2.8の要件を満たす数である。)
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-
2004
- 2004-05-28 JP JP2004159603A patent/JP2005336398A/ja active Pending
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