JP2005334077A - メダル投入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技機等のメダル投入装置において、ガイド孔の入口付近でのメダル詰まりをなくす。
【解決手段】 被取付体2の前面に設けられた、前後方向を向くガイド凹溝31と、このガイド凹溝31の後方に立設された後壁24と、ガイド凹溝31の後端と後壁24の前面との間に形成されたスリット状の投入口25cとを有し、ガイド凹溝31に円板状のメダル33を直径方向が左右方向を向くように起立させた状態で、後方へ押し込むことにより、投入口25cから下向きのガイド通路25を通って被取付体2の内部へメダルを投入させるようにしたメダル投入装置において、後壁24の前面24aを垂直面とし、かつ前面24aから連続するガイド通路25の後壁面25bに対向する前壁面25aを、ガイド通路25の上端開口部である投入口25cが広がるように、前方に傾斜する傾斜面とする。
【選択図】 図13

Description

本発明は、遊技機等において、メダルを被取付体の内部へ投入させるためのメダル投入装置に関する。
一般に、遊技媒体としてメダルを使用する遊技機(スロットマシン)においては、遊技機本体の前面にメダル投入装置を設けてあり、遊技者は、このメダル投入装置に複数メダルを載せてガイド孔に誘導し、このガイド孔から1枚ずつ遊技機内に投入するようになっている。
従来、この種のメダル投入装置として、上面に上広がりの誘導溝を設け、この誘導溝の後部に下向きのガイド孔を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。このガイド孔は、最後部の立設板の前部に形成される後壁面と、この後壁面に対向して平行に垂下する前壁面とで囲まれたスリット状のものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−117069公報
しかしながら、特許文献1に記載されたメダル投入装置においては、ガイド孔の後壁面が垂直面で、後壁面に対向する前壁面が、この後壁面に対して平行に垂下する形状であるため、メダルがガイド孔に正確に平行状態を保った姿勢でガイド孔に投入されないと、ガイド孔に円滑に入り込めず、ガイド孔の入口の付近で、メダル詰まりが発生しやすい。メダル詰まりを防ぐには、ガイド孔の奥行方向の幅を、メダルの厚さより広く(特許文献1ではメダルの厚さの1.6倍程度)することが考えられるが、そのようにすると、2枚のメダルが重なった状態でガイド孔に入り込みやすくなり、やはりメダル詰まりが生じることが避けられない。
本発明は、上述のような従来の課題を解決するためになされたもので、その目的は、ガイド孔の入口付近でのメダル詰まりを防止したメダル投入装置を提供することにある。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)被取付体の前面に設けられた、前後方向を向くガイド凹溝と、このガイド凹溝の後方に立設された後壁と、前記ガイド凹溝の後端と前記後壁の前面との間に形成された投入口とを有し、前記ガイド凹溝に円板状のメダルを直径方向が左右方向を向くように起立させた状態で、後方へ押し込むことにより、前記投入口から下向きのガイド通路を通って前記被取付体の内部へ前記メダルを投入させるようにしたメダル投入装置において、前記後壁の前面を垂直面とし、かつ前記前記後壁の前面から連続する前記ガイド通路の後壁面に対向する前壁面を、前記ガイド通路の上端開口部である前記投入口が広がるように、前方に傾斜する傾斜面とする。
(2)上記(1)項において、ガイド凹溝を、前部が後部より被取付体の中央寄りになるように、左右いずれかの方向に傾けるとともに、前記ガイド凹溝の相対する両側面にそれぞれ設けられている側部ガイド面を、前記ガイド凹溝の左右方向の開口幅が上広がりになるように傾斜させ、かつ前記側部ガイド面のうち、前記ガイド凹溝を傾けた側に位置する一方の側部ガイド面の水平面に対する傾斜角度を、他方の側部ガイド面の水平面に対する傾斜角度よりも大とすることにより、前記ガイド凹溝にメダルを起立させた状態で、メダルの外周が、前記両側部ガイド面に接触するようにする。
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によると、ガイド凹溝の後端に設けられた後壁の前面を垂直面とし、ガイド通路の前壁面を投入口が広がるように前方に傾斜させてあるから、後壁の前面に押し付けられたメダルは、投入口で引っ掛かることなく円滑に入り込み、メダル詰まりを起こすことなく、ガイド通路に沿って落下する。
(b)請求項2記載の発明によると、請求項1に係わる発明の効果に加えて、ガイド凹溝を、前部が後部より被取付体の中央寄りになるように、左右いずれかの方向に傾けるとともに、ガイド凹溝の両側面に設けられている側部ガイド面を、ガイド凹溝を傾けた側に位置する一方の側部ガイド面の水平面に対する傾斜角度を、他方の側部ガイド面の水平面に対する傾斜角度よりも大としてあるから、メダルをガイド凹溝の両側部ガイド面で保持しつつ、一定の姿勢でガイド孔に移動させることができ、ガイド孔でのメダル詰まりをより確実に防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のメダル投入装置の一実施形態を適用した遊技機(スロットマシン)の正面図である。なお、以下の説明では、図1における紙面の手前方向を遊技機の前方、紙面の奥方向を同じく後方、紙面左方を同じく左側、紙面右方を同じく右側とする。
遊技機(1)は、遊技媒体を円板状のメダル(コインを含む)とし、このメダルを、被取付体をなす筐体(2)の前面に設けた前扉(2a)の右側に設けられた後述のメダル投入装置(6)に投入することにより、所定のゲームが行われるものである。筐体(2)内には、外周面に複数種類の図柄が付記された3個の回胴体(3a)を内蔵した図柄表示装置(3)、各装置を制御するための制御基板、照明装置、及び音響装置、並びにその他の装置等が収容されている。
また、前扉(2a)の前面側には、上方から、図柄表示装置(3)の図柄を視認可能な表示窓(2b)、図柄表示装置(3)の入賞有効ラインを表示する表示ランプ(4)、入賞有効ライン上に並ぶ図柄が予め定められた組み合わせになったときに発生する入賞時のメダルの払い出し枚数等を表示する表示器(5)、メダルを1枚ずつ筐体(2)内に投入可能な、本発明に係わるメダル投入装置(6)、各種操作スイッチが配置されたスイッチ配置部(7)、払出されるメダル及び返却されるメダルの払出口(8)、払出口(8)から出てくるメダルを受け入れる受け皿(9)が設けられている。
スイッチ配置部(7)には、クレジット状態のメダルを精算するときに操作される精算スイッチボタン(10)、クレジット状態のメダルを1枚ずつゲームに投資するときに操作される1枚投入スイッチボタン(11)、最大数の3枚をゲームに投資するときに操作されるMAXベットスイッチボタン(12)、図柄表示装置(3)における各回胴体(3a)の回転を開始させるときに操作されるスタートレバー(13)、及び各回胴体(3a)の回転を停止させるときに操作されるストップスイッチボタン(14)等が配置されている。
スロットマシンにおけるゲームは、メダル投入装置(6)に投入されたメダルを遊技機(1)の内部に取り込ませてクレジット状態とし、1枚投入スイッチボタン(11)またはMAXベッドスイッチボタン(12)を操作して、スタートレバー(13)を操作することによって開始される。
メダル投入装置(6)により投入されたメダルは、筐体(2)の内部に設けられ、かつメダル投入装置(6)の真下に配置されたメダルセレクター(15)(図6,図7に示す)に送出されて、メダルの真偽及び投入が検知された後、メダルセレクター(15)の下方に配置されたメダル払出ホッパ(図示略)に送出される。
メダルが遊技機(1)の内部に取り込まれた後、スタートレバー(13)を操作すると、3個の回胴体(3a)が一斉に回転して、ゲームが開始される。所定時間が経過した後、各回胴体(3a)に対応するストップスイッチボタン(14)を順次操作して、各回胴体(3a)の回転を個別に停止させることによって、入賞有効ライン上に並ぶ図柄の組み合わせにより、入賞の有無、及び賞の大小に応じたメダルの配当枚数が決定される。入賞した場合には、メダルが、メダル払出ホッパにより、配当枚数分だけ払出口(8)から受け皿(9)に払い出される。
次に、メダル投入装置(6)について、各図に基づいて詳細に説明する。
図2は、メダル投入装置(6)の正面図、図3は、メダル投入装置(6)の平面図、図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図、図5は、ガイド凹溝の構成を示す説明図である。なお、図2における紙面の手前方向及び図3における下方をメダル投入装置(6)の前方とし、図2における紙面の奥方向及び図3における上方をメダル投入装置(6)の後方とする。
図2に示すように、メダル投入装置(6)は、スイッチ配置部(7)の上面(20)の右側に取付けるとともに、投入装置本体(21)と、投入装置本体(21)を上面(20)に固定するための取付部材(22)(図6〜図12参照)とを有する。
投入装置本体(21)は、前扉(2a)の上面(20)上に前後方向に向けて配置されたガイド部(23)と、このガイド部(23)の後方に上方向を向くように形成された半円板状の後壁(24)とを有している。ガイド部(23)は、中央部上面に、縦断面略U字状をなすガイド凹溝(31)を形成し、かつガイド凹溝(31)の左右両側及び前側に、外向きに下り傾斜する側壁部(32)を設けたものである。
図4に示すように、投入装置本体(21)の底部には、案内筒(27)が、下向きに突出されている。ガイド凹溝(31)の最後部で、かつ後壁(24)の直前には、上端開口部である投入口(25c)から案内筒(27)内に通ずるガイド通路(25)が形成されている。ガイド通路(25)の下端部には、奥行幅が若干拡大した拡幅部(25d)が形成されており、拡幅部(25d)の下端は、遊技メダルセレクター(15)に設けられた受入口(15a)(図6参照)に通じている。
ガイド凹溝(31)は、主に図3に示すように、前部が後部より左寄りになるように、すなわち、筐体(2)の前扉(2a)の前面に直角の直線(L4)に対して水平方向へ所定の角度(θ3)だけ傾斜し、かつ、前扉(2a)の上面(20)上に、前部側から後部のガイド通路(25)側に登り傾斜の状態で設けられるとともに、主に図4に示すように、正面視において、下部を形成する底面(31a)と、この底面(31a)から両側に、上広がりに傾斜して立上る側部を有する側部ガイド面(31b)(31c)とを備える断面略U字状のものである。
なお、本実施形態において、図3の左側は、メダル投入装置(6)が筐体(2)の前面右部に設けられるため、筐体(2)の中央寄り側となる。
図13に示すように、後壁(24)の前面(24a)は、ガイド通路(25)の後壁面(25b)に連続している。投入装置本体(21)を遊技機(1)に取付けた状態において、後壁(24)の前面(24a)を垂直面とし、後壁(24)の前面(24a)から連続するガイド通路(25)の後壁面(25b)に対向する前壁面(25a)を、後壁面(25b)及び前面(24a)に対して前方向に微少角度(θ4)だけ傾斜した形状、すなわち、ガイド通路(25)の入口、すなわち、投入口(25c)が僅かに前方向に広がった傾斜面としている。なお、微少角度(θ4) は約2°前後が好ましい。ガイド凹溝(31)からガイド通路(25)に至る角部は、面取り加工することにより、丸み(r)が付されている。
図5は、ガイド凹溝(31)を正面から見て輪郭線で示す説明図である。同図において、底面(31a)は(01)を中心とする円弧状をなし、この底面(31a)の両終端点を(A1)(A2)とし、両終端点(A1)(A2)間の中点を(A0)で示してある。なお、円弧状の底面(31a)の半径は、メダル(33)の半径より小さい。
ガイド凹溝(31)の相対する両側面にそれぞれ設けられている側部ガイド面(31b)(31c)は、両終端点(A1)(A2)、すなわち底面(31a)における曲線の両終端点(A1)(A2)から接線方向に延びる直線(平面から見ると平坦面)となっている。ガイド凹溝(31)にメダル(33)を直径方向が左右方向に向くように起立させて載せたときのメダル(33)の中心を(O)とすると、中点(A0)と中心(O)を通る直線(L0)は、 中心(O)を通る鉛直線(L)に対して微少角度(θ0)だけ左側に傾いている。
したがって、側部ガイド面(31b)(31c)は、直線(L0)に対しては対称的な角度となっており、鉛直線(L)に対しては非対称的な角度となっている。すなわち、左側の側部ガイド面(31b)(ガイド凹溝(31)の前後方向を水平方向へ傾けた側に位置する方の側部ガイド面)の水平面に対する傾斜角度(θb)は、右側の側部ガイド面(31a)の水平面に対する傾斜角度(θa)より大きくなる。
このような構成であるため、図5に示すように、メダル(33)を直径方向が左右方向へ向くように起立させた状態で、ガイド凹溝(31)上に載せたとき、メダル(33)の外周は、正面視で直線をなす側部ガイド面(31b)(31c)の2か所の点(P1)(P2)において点接触する(以下、この点を接触点と呼ぶ)。
ここで、メダル(33)の中心(O)と各接触点(P1)(P2)を通る直線を、それぞれ(L1)(L2)とし、鉛直線(L)と直線(L1)及び(L2) のそれぞれのなす角度を(θ1)及び(θ2)とすると、θ2>θ1となり、左側の接触点(P2)と右側の接触点(P1)とを結ぶ直線(L3)は、右下り傾斜した状態となる。そのため、メダル(33)は、高低差のある接触点(P1)と(P2)の2点に接触して保持されている。
上述ののように、筐体(2)の正面中央に向き合った遊技者が、右手で複数枚のメダル(33)をガイド凹溝(31)に載せて後方に押し込むと、メダル(33)は、ガイド凹溝(31)の側部ガイド面(31b)(31c)の接触点(P1)(P2)の2点接触しつつ誘導される。
次に、図6〜図13を参照して、メダル投入装置の取付構造を説明する。図6は、遊技機内部の要部とメダル投入装置を後斜め上からみた分解斜視図、図7は、遊技機内部の要部とメダル投入装置を斜め下からみた分解斜視図、図8、図9及び図10は、それぞれ、図3のVIII−VIII線、IX−IX線及びX−X線に沿う断面図、図11は、図8のA方向から見た要部の拡大断面図、図12は、取付部材の斜視図、図13は、図8におけるXIII部の拡大図である。
図7に示すように、投入装置本体(21)の前部底面には、ねじ孔(28)(図8参照)付きの下方に突出するボス(29)が形成され、このボス(29)の前部には、一体的に形成された翼片(30)が突設されている。このボス(29)の下面には、翼片(30)より前方に突出するように、金属板により形成されたほぼ水平方向を向く係止板(50)が、上方を向くねじ(51)により固着されている。なお、翼片(30)の下面には、突部(29a)が突出されており、この突部(29a)に係合板(50)を係止させることにより、係止板(50)をねじ止めした際、係止板(50)を回り止めするようにしている。
案内筒(27)の後面下部には、後方に突出する左右1対の突起(35)が形成され、同じく、下端縁の中央には、切欠き(36)が形成されている。突起(35)の上面は、後方に向かう下り傾斜のテーパ面(35a)となっている。
図6及び図7に示すように、前扉(2a)におけるスイッチ配置部(7)の上面(20)には、方形の窓孔(44)が形成され、この窓孔(44)の前縁には、切欠溝(45)が形成されている。この切欠溝(45)の下側の面には、1対のリブ(45a)が形成されている。上面(20)の内部下方における窓孔(44)の両側には、ねじ孔(47)付きの後方に突出する左右1対のボス(48)が、一体に形成されている。投入装置本体(21)は、案内筒(27)を窓孔(44)から、また、係止片(50)を切欠溝(45)から、それぞれ前扉(2a)の内側に挿入することにより、上面(20)上にセットされる。
図11及び図12に示すように、取付部材(22)は、左右方向(図11及び図12における上下方向)を向く基部(22a)の両端に長さの異なる折曲部(38a)(38b)を介してフランジ部(40)を有し、基部(22a)の前面(図11において左側の面)の下部には、後向きの段落ち部(41)が形成され、この段落ち部(41)には、前向きの係止ピン(42)が突設されている。フランジ部(40)の前面には、凹部(40a)が形成され、凹部(40a)には前後方向に貫通する取付孔(39)が形成されている。
図8〜図10に示すように、投入装置本体(21)を前扉(2a)における上面(20)上に載置するとともに、翼片(30)を切欠溝(45)に係合させ、かつ係止板(50)を切欠溝(45)の下面のリブ(45a)の下側に係合させる。次いで、取付部材(22)の段落ち部(41)を、案内筒(27)の突起(35)に係合させるとともに、係止ピン(42)を案内筒(27)の切欠き(36)に係合させた状態で、取付部材(22)のフランジ部(40)の凹部(40a)をボス(48)の後端に嵌合させる(図11参照)。この状態で、フランジ部(40)の取付孔(39)に挿入した前方を向くねじ(52)を、ボス(48)のねじ孔(47)にねじ込む。このとき、段落ち部(41)の上面と突起(35)のテーパ面(35a)とがくさび作用で係合し、段落ち部(41)の上面と係止ピン(42)との間で、突起(35)は強く挾持される。
ねじ(52)をボス(48)のねじ孔(47)にねじ込むことにより、投入装置本体(21)は、取付部材(22)を介して前方に押され、ボス(29)の前部に形成された翼片(30)は、切欠溝(45)に嵌合し、切欠溝(45)の後面に強く当たる。また、切欠溝(45)の下面のリブ(45a)に係止板(50)が係合するので、投入装置本体(21)は、前部において浮き上がりが止められる。
また、取付部材(22)と突起(35)との係合により、投入装置本体(21)の後部において、浮き上がりが止められ、かつ前後の動きも止められ、投入装置本体(21)は、がたつきが完全に防止される。さらに、係止ピン(42)と切欠き(36)の係合により、投入装置本体(21)の位置決めがなされ、正確な位置に取付けできる。
次に、メダル投入の動作について説明する。
遊技機(1)の前面中央に向き合って座っている遊技者は、遊技者の右側にあるガイド凹溝(31)上に、複数枚のメダル(33)を前後方向に重ねて載せた状態で、右手親指で後方へ押し込む。
この場合、メダル(33)は、図5における左側の側部ガイド面(31b)の接触点(P2)と、右側の側部ガイド面(31c)の接触点(P1)の2点に接触した状態となるとともに、ガイド凹溝(31)が前下がりに傾斜しているので、メダル(33)には、重力により手前にずり落ちようとする力が働く。
この状態で、メダル(33)を右手親指でガイド通路(25)の方向、すなわち後方に押し込んで移動させると、親指で押す方向は遊技機(1)の前面に対して直交する直線(L4)にほぼ平行の矢印Y方向(図3参照)となる。また、ガイド凹溝(31)が、遊技機(1)の前面に直角な直線に(L4)対して左方向に若干傾斜しているので、メダル(33)には、遊技者寄り側、具体的には、傾きが大きい方の左側の側部ガイド面(31b)の面に押し付けられるような力が働く。
したがって、メダルを後方へ押し込むと、メダル(33)の外周が、高い位置にある接触点(P2)に強く接触しつつ投入口(25)へ向けて誘導される。
また、ガイド凹溝(31)の底面が、メダル(33)の半径より小さい半径をもって、円弧状に形成されているので、メダル(33)は、底面(31a)に接触することなく、接触点(P1)(P2)の2点に接触して保持されることとなり、移動時の摩擦抵抗が小さく、軽快に投入口(25)に向けて移動させることができる。
図13に示すように、投入口(25c)に移動してきたメダル(33)は、正確な姿勢に保たれており、この状態で、メダル(33)は後壁(24)の前面(24a)に当たり、垂直な姿勢となって投入口(25c)から1枚ずつ落下する。この際、ガイド通路(25)の前壁面(25a)は、前方向に微少角度(θ)だけ傾斜し、ガイド通路(25)の上端開口部である投入口(25c)が僅かに前方向に広がった形状となっているので、後壁(24)の前面(24a)に当たったメダル(33)と、ガイド通路(25)の前壁面(25a)との間に若干の隙間(G)が生じ、これにより、メダル(33)は前壁面(25a)に当たって詰まることがなく、ガイド通路(25)にスムーズに入り込み、ガイド通路(25)に沿って落下する。
仮に、前壁面(25a)が後壁(24)の前面(24a)と平行をなす垂直面であると、メダル(33)は前壁面(25a)に引っ掛かってガイド通路(25)に円滑に入り込めず、メダル詰まりが発生しやすい。もし、これを防ぐために、ガイド通路(25)の奥行幅を広くすると、従来のように複数のメダルが噛み合うメダル噛みが発生しやすくなる。本実施形態の構造では、メダル詰まり及びメダル噛みの両者を有効に防止することができる。
投入口(25c)に落下したメダル(33)は、ガイド通路(25)を通って、遊技メダルセレクター(15)の受入口(15a)に受け入れられ、遊技メダルセレクター(15)によりメダルの真偽が判別され、真のメダル(33)のみが遊技メダルホッパに投入される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(i)被取付体を、遊技機(1)の筐体(2)に代えて、他の筐体とする。例えば、自動販売機、自動券売機等の筐体とする。
(ii)メダル投入装置(6)を、被取付体の左側に設ける。この場合には、メダル投入装置(6)は、本実施形態の取付態様に対して、左右反転するように、被取付体に取り付けられる。
(iii) 側部ガイド面(31b)(31c)は完全な平坦面でなく、多少弧状に湾曲した形状に形成する。
(iv)ガイド凹溝(31)の 底面(31a)は、メダル(33)の外周に対して完全な非接触でなく、メダルが浮き上がらない程度に軽く接触している構造にする。
(v)底面(31a)は、円弧状のほか、U字状、V字状、平坦面等とする。
本発明のメダル投入装置の一実施形態を適用した遊技機の正面図である。 メダル投入装置の正面図である。 メダル投入装置の平面図である。 図3のIV-IV線に沿う縦断面図である。 ガイド凹溝の構成を示す説明図である。 遊技機内部の要部とメダル投入装置を後斜め上からみた分解斜視図である。 遊技機内部の要部とメダル投入装置を後斜め下からみた分解斜視図である。 図3におけるVIII-VIII線縦断面図である。 図3におけるIX-IX線に沿う縦断面図である。 図3におけるX-X線に沿う縦断面図である。 図8のA方向から見た要部の拡大底面図である。 取付部材の斜視図である。 図8におけるXIII部の拡大図である。
符号の説明
(1)遊技機
(2)筐体(被取付体)
(2a)前扉
(2b)表示窓
(3)図柄表示装置
(3a)回胴体
(4)表示ランプ
(5)表示器
(6)メダル投入装置
(7)スイッチ配置部
(8)払出口
(9)受け皿
(10)精算スイッチボタン
(11)1枚投入スイッチボタン
(12)MAXベッドスイッチボタン
(13)スタートレバー
(14)ストップスイッチボタン
(15)遊技メダルセレクター
(15a)受入口
(20)上面
(21)投入装置本体
(22)取付部材
(22a)基部
(23)ガイド部
(24)後壁
(24a)前面
(25)ガイド孔
(25a)前壁面
(25c)投入口
(25d)拡幅部
(25b)後壁面
(27)案内筒
(28)ねじ孔
(29)ボス
(29a)突部
(30)翼片
(31)ガイド凹溝
(31a)底面
(31b)(31c)側部ガイド面
(32)側壁部
(33)メダル
(35)突起
(35a)テーパ面
(36)切欠き
(37)取付片
(38a)(38b)折曲部
(39)取付孔
(40)フランジ部
(40a)凹部
(41)段落ち部
(42)係止ピン
(44)窓孔
(45)切欠溝
(47)ねじ孔
(48)ボス
(50)係止板
(51)ねじ
(52)突部
(53)ねじ
(P1)(P2)点
(O)(O1)中心
(L)鉛直線
(L1)(L2)(L3)直線
(θ0) (θ1) (θ2) (θ3)角度
(θ4)微少角度
(G)間隙

Claims (2)

  1. 被取付体の前面に設けられた、前後方向を向くガイド凹溝と、このガイド凹溝の後方に立設された後壁と、前記ガイド凹溝の後端と前記後壁の前面との間に形成された投入口とを有し、前記ガイド凹溝に円板状のメダルを直径方向が左右方向を向くように起立させた状態で、後方へ押し込むことにより、前記投入口から下向きのガイド通路を通って前記被取付体の内部へ前記メダルを投入させるようにしたメダル投入装置において、
    前記後壁の前面を垂直面とし、かつ前記後壁の前面から連続する前記ガイド通路の後壁面に対向する前壁面を、前記ガイド通路の上端開口部である前記投入口が広がるように、前方に傾斜する傾斜面としたことを特徴とするメダル投入装置。
  2. ガイド凹溝を、前部が後部より被取付体の中央寄りになるように、左右いずれかの方向に傾けるとともに、前記ガイド凹溝の相対する両側面にそれぞれ設けられている側部ガイド面を、前記ガイド凹溝の左右方向の開口幅が上広がりになるように傾斜させ、かつ前記側部ガイド面のうち、前記ガイド凹溝を傾けた側に位置する一方の側部ガイド面の水平面に対する傾斜角度を、他方の側部ガイド面の水平面に対する傾斜角度よりも大とすることにより、前記ガイド凹溝にメダルを起立させた状態で、メダルの外周が、前記両側部ガイド面に接触するようにしたことを特徴とする請求項1記載のメダル投入装置。

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