以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜図22は本発明をスロットマシンに採用した第1の実施形態を例示する。このスロットマシンは、図1〜図4に示すように、矩形箱状の筐体1と、この筐体1の前側に配置され且つ左右一端側のヒンジを介して筐体1に開閉自在に枢着された前面パネル2とを備えている。筐体1は遊技機本体枠の一例を、前面パネル2は前面開閉扉の一例を夫々示している。
筐体1内には、図4に示すように、その上下方向の略中央部に図柄表示手段3が配置され、この図柄表示手段3の下側にメダルホッパー4、メダル払い出し手段5、補助タンク6及び電源ユニット7が配置され、また図柄表示手段3の上側に主制御基板8、確率設定基板9が配置されている。
図柄表示手段3は横軸廻りに個別に回転・停止可能な回転リール10a〜10cを左右方向に3個(複数個)備えたものであって、筐体1内に固定された棚板11上に取り付けられている。各回転リール10a〜10cには、周方向に複数駒の遊技図柄が付されている。なお、遊技図柄にはBB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)等の文字図柄や、各種のフルーツ図柄、リプレイ図柄等がある。
メダルホッパー4、メダル払い出し手段5は筐体1の底板12上に上下に配置され、その左右両側に電源ユニット7と補助タンク6とが配置されている。メダルホッパー4は投入メダルを含む払い出し用のメダルを貯留するためのものであり、メダル払い出し手段5上に設けられている。
メダル払い出し手段5はメダルホッパー4内のメダルを遊技者に対して払い出すためのものであり、筐体1の底板12上に配置された払い出しケース13と、傾斜軸廻りに回転してメダルホッパー4内のメダルを払い出し口14から前側に払い出す回転板15と、払い出しケース13内に設けられ回転板15を傾斜軸廻りに駆動する払い出しモータ16とを備えている。なお、払い出しケース13内には、図5に示す払い出し接続基板17、払い出し基板18、払い出しセンサ19等が収納されている。
電源ユニット7は電源コード等を介して外部電源に接続された電源基板20(図5参照)を有する。補助タンク6はメダルホッパー4のオーバーフロー部4aからオーバーフローしたメダルを受けるものである。
主制御基板8は後述するように遊技動作の制御を司るもので、主制御基板ケース等を介して筐体1の後壁21の内面等に着脱自在に装着されている。確率設定基板9は図柄表示手段3の表示結果が入賞態様となる確率設定を行うもので、確率設定基板ケース等を介して筐体1の後壁21の内面等に着脱自在に装着されている。
前面パネル2には、図柄表示手段3に対応する表示窓23が上下方向の略中央部に設けられ、この表示窓23の上側に液晶表示窓24及び液晶表示手段25が前後に対応して配置され、また表示窓23の下側に操作パネル26、装飾パネル27、メダル受け皿28が夫々配置されている。
表示窓23は図柄表示手段3の3個の回転リール10a〜10cに付された遊技図柄を視認可能であり、各回転リール10a〜10cが停止したときに、上下方向に3個(複数)の遊技図柄を視認可能な大きさになっている。表示窓23には各回転リール10a〜10cにより停止表示される各3個の遊技図柄に対応する水平方向に2本又は3本、対角線方向の二本の仮想的な停止ライン(図示省略)が付されている。
液晶表示手段25は、回転リール10a〜10c等による遊技状態を盛り上げるためのキャラクタ等の演出画像を表示するようになっている。回転リール10a〜10cの内部には、各回転リール10a〜10cの停止時に表示窓23側に対応する3個の遊技図柄を発光させるように、リールLED基板30a〜30c(図5参照)に装着されたリールLEDが配置されている。なお、リールLEDは各回転リール10a〜10cの回転状態や停止状態、或いは各種演出に応じて点灯・消灯されるようになっている。
操作パネル26は、図1、図6に示すように、上向きに傾斜する上パネル部31と、この上パネル部31の前端から下方に屈曲する前パネル部32とを有する。上パネル部31には、メダルを投入するメダル投入口34を有する投入口部材35と、クレジット状態のメダルを擬似的に3枚投入するマックスベットボタン37とが配置されている。メダル投入口34は後述のように投入口部材35に設けられている。
前パネル部32には、スタートレバー38と停止ボタン39a〜39cと返却ボタン40とクレジット精算ボタン41とが設けられている。スタートレバー38は回転リール10a〜10cを回転させるためのものであり、このスタートレバー38を操作したときに各回転リール10a〜10cが正方向に回転を開始するようになっている。
停止ボタン39a〜39cは回転リール10a〜10cを停止させるためのものであり、各回転リール10a〜10cに対応して個別に設けられており、この停止ボタン39a〜39cを操作したときに回転中の回転リール10a〜10cが個別に停止するようになっている。
なお、回転リール10a〜10cは、内部当選状態を予告するリール演出を行う場合には、その一部又は全部が変則的に回転(いわゆる「演出回転」)した上で正方向の回転を開始することもある。
返却ボタン40はメダル選別手段43に詰まったメダルの返却用であり、この返却ボタン40を操作したときにメダル選別手段43内のメダルがメダル排出口44を経てメダル受け皿28へと返却されるようになっている。クレジット精算ボタン41はクレジット状態のメダル(クレジットとして貯留中のメダル)を払い出すためのものであり、このクレジット精算ボタン41を操作したときに貯留中のメダルがメダル払い出し手段5により払い出されるようになっている。なお、返却ボタン40の右側には、専用のキーを差し込むための鍵穴45が設けられている。
スロットマシンでは、一般にメダル投入口34からのメダルの投入、又はマックスベットボタン37の操作により賭数の設定が可能である。そして、図柄表示手段3の3個の回転リール10a〜10cの数と同数の「3」のメダル数を設定する等、1ゲームに対して所定数のメダルの賭数を設定することにより、ゲームを開始可能である。
メダルの賭数を設定した後にスタートレバー38を操作すれば、図柄表示手段3の3個の回転リール10a〜10cが回転し、図柄表示手段3によるユニット図柄の図柄変動が開始する。その後、各停止ボタン39a〜39cを操作すると、各回転リール10a〜10cが停止して表示窓23に所定の停止図柄が表示されてゲームが終了する。
なお、図柄表示手段3の停止図柄が所定の入賞役の組み合わせを構成すれば、その遊技成果としてメダル払い出し手段5によりメダルホッパー4内の所定数のメダルがメダル受け皿28へと払い出される。
前面パネル2には、図1に示すように、メダル投入口34から投入されたメダルの枚数を表示する投入枚数表示LED46と、再遊技状態を示す再遊技表示LED47と、回転リール10a〜10cの回転準備の完了を示す回転準備表示LED48(1ゲームの開始に要する所定枚数のメダルの投入が完了したことを示すLED:所謂スタートランプ)と、メダルの投入を受付可能な状態を示す受付可能表示LED49と、メダルの払い出し数を表示する払い出し数表示部50と、メダルの貯留数を表示する貯留数表示部51とが表示窓23と操作パネル26との間に配置されている。
払い出し数表示部50は遊技成果としてメダル払い出し手段5により払い出されるメダル数を表示するものであって、7セグメントLEDを2個連設して構成されており、メダル数を表示する他、何等かの異常事態が発生したときには、その異常内容を表示するエラー表示器としても機能する。貯留数表示部51はクレジットとして貯留されているメダル数を表示するものである。
前面パネル2には表示窓23の左右両側及び上側にLED演出部53a〜53cが設けられている。このLED演出部53a〜53cは、例えばBBやRBに当選時の演出、AT(アシストタイム)やART(アシストリプレイタイム)等の状態を示す演出、AT中やART中のアシスト演出等の演出を行うものであり、所定の絵柄、意匠等が施された発光部を前面側に備え、背後のLEDからの光によって発光部が発光して所定の演出を実行するように構成されている。
前面パネル2の裏側は、図3に示すように、表示窓23の下側にメダル選別手段43とメダル返却通路54とメダル案内シュート55とが設けられ、また四隅部分にスピーカ56が配置され、表示窓23の上側で左右のスピーカ56間に基板ケース57が配置されている。
メダル選別手段43はメダル投入口34から投入されたメダルから不正メダルを選別するためのものである。メダル返却通路54はメダル選別手段43により選別された不正メダルをメダル排出口44を経てメダル受け皿28へと返却するためのものであり、メダル選別手段43の下側からメダル排出口44へと縦方向に設けられている。このメダル返却通路54には、メダル払い出し手段5の払い出し口14から払い出されたメダルを受け入れるためのメダル受入れ口58が設けられている。メダル案内シュート55は後述のようにメダル選別手段43により適正と判別されたメダルをメダルホッパー4へと案内するものである。
基板ケース57には、図5に示す演出制御基板59、演出インターフェース基板60、液晶制御基板61、液晶インターフェース基板62等が収容されている。またメダル選別手段43の側方には、図1に示す各種の遊技部材と主制御基板8との間の信号を中継する遊技中継基板63(図5参照)が設けられている。
回転リール10a〜10cによるリール演出としては、例えば次のような第1〜第7等の演出が用意されている。その第1のリール演出は、回転リール10a〜10cが極めてゆっくり正方向に回転(正回転)して静止するスロー演出であり、第2のリール演出は、回転リール10a〜10cが正回転と逆回転を繰り返した後に、所定時間だけ逆回転して静止する逆回転演出である。
また第3のリール演出は、回転リール10a〜10cが第1の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第1の揺動演出であり、第4のリール演出は、回転リール10a〜10cが所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する揺動演出である。
第5のリール演出は、回転リール10a〜10cが所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、更に極めてゆっくり正回転した後に静止するスロー揺動演出であり、第6のリール演出は、回転リール10a〜10cが所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、更に所定時間だけ逆回転した後に静止する揺動逆回転演出である。また第7のリール演出は、回転リール10a〜10cが所定速度で正回転又は逆回転した後に所定の図柄に揃えて静止する演出である。
なお、この回転リール10a〜10cによるリール演出に際しては、液晶表示手段25の画像によるキャラクタ演出、LEDランプの点滅によるランプ演出、スピーカ56の音声による音声演出の全部又は一部を適宜に選択して実行するのが望ましい。
メダル投入口34を含む投入口部材35は、図6〜図10に示すように構成されている。投入口部材35はステンレス鋼等の金属製で、別体に形成された第1部材65と第2部材66とを前後に組み合わせて構成され、その第1部材65側と第2部材66側との間に断面横長状のメダル投入口34が下向きに形成されており、図7,図8に示すように、その下部側を操作パネル26の上パネル部31の装着孔67に挿入してネジ等の固定具により前面パネル2に着脱自在に固定されている。
第1部材65は、上パネル部31の上側に配置される上配置部68と、この上配置部68から下側に垂下して形成され且つ装着孔33内に上側から挿入される前壁部69とを一体に備えている。
上配置部68には、複数枚のメダルを厚み方向に重ねた状態で載置可能なメダル受け部70が前後方向に設けられている。メダル受け部70は左右方向の中央部が左右両側よりも下側へと凹入する円弧状であって、前下りに傾斜状に設けられている。
第2部材66は、上パネル部31の上側に配置され且つメダル受け部70の後端側に対応してメダルが当接可能な当接部71と、この当接部71から下側に垂下して形成され且つ装着孔67内に上側から挿入される後壁部72とを一体に備えている。第1部材65と第2部材66は左右両側部が前後に当接しており、位置決め凹部73aと位置決め突部73bとにより位置決めされ、第2部材66の後側から通孔74aに挿通され且つ第1部材65のネジ孔74bに螺合するネジにより着脱自在に結合されている。
メダル投入口34は、メダル受け部70の後端側で第1部材65の前壁部69と第2部材66の後壁部72との間に上下方向に設けられている。そして、このメダル投入口34は、図10に示すように、上端側の入口34aの前後幅aが広く、下端側の出口34b側の前後幅bが入口34aよりも狭くなるテーパー状に形成されている。
即ち、メダル投入口34は左右幅に対して前後幅が小さい偏平状であって、その上端側の入口34aの前後幅aはメダル1枚の厚みよりも大でありメダル2枚の厚みよりも小であって、下端側の出口34b側の前後幅bはメダル1枚の厚みよりも若干大きい程度である。
メダル投入口34の前後両側に前壁面69aと後壁面72aとがあり、その前壁面69aが第1部材65の前壁部69に形成され、後壁面72aが第2部材66の後壁部72に形成されている。後壁面72aにはメダルの投入方向の突条72bがその投入方向と略直角に交差する左右方向に複数設けられている。従って、投入されたメダルに対する後壁面72aの接触抵抗を少なくできる。なお、突条72bは前壁面69aと後壁面72aとの少なくとも一方にあればよい。
前壁面69a、後壁面72aは共に逆方向に傾斜する傾斜状であって、全体としてメダル投入口34の入口34aに対して出口34bがメダルの厚み方向に小さくなるテーパー状になっている。前壁面69aと後壁面72aは、後壁面72aが略鉛直状であるのに対して、前壁面69a側の上端がメダル受け部70側へと前側に傾斜する傾斜状となっている。これはメダル受け部70上のメダルがメダル投入口34の入口34aに入り易くし、また当接部71に当接したメダルが略垂直に落下し易くするためである。また逆に前壁面69aを鉛直状にし、後壁面72aを傾斜状に構成してもよいし、前壁面69aと後壁面72aとの両方を傾斜状に構成してもよい。
メダル投入口34の下端側、即ち出口34b側の一部の範囲cには、前壁面69aと後壁面72aとが略平行な平行部34c、又は鉛直線と略平行な平行部34cが設けられている。これはメダルによる前壁面69a、後壁面72aの摩耗を少なくするためである。なお、前壁面69aと後壁面72aとの一方に鉛直線と略平行な平行部34cを設けてもよい。
メダル選別手段43は、図6、図9〜図13に示すように構成されている。即ち、メダル選別手段43は、前面パネル2側に固定された支持板75と、この支持板75の後側に配置され且つ上端側の支軸76により開閉自在に枢着された第1開閉板77と、支持板75と第1開閉板77との間に設けられた流入通路78及び選別通路79と、支持板75の後側に配置され且つ上端側の支軸76により開閉自在に枢着された第2開閉板90と、流入通路78内に投入されたメダルを検出する投入センサ80と、選別通路79の出口79aよりも上手側に出退自在に配置され且つ選別通路79のメダルを停止させるメダルストッパ81と、選別通路79の出口79a側でメダルストッパ81の上側に通路方向に配置された第1センサ82及び第2センサ83と、第2開閉板90及びメダルストッパ81を駆動する駆動手段84とを備え、メダル投入口34から投入されたメダルが適正か否かを選別して、適正メダルをメダル案内シュート55へと通過させて、不正メダル又は返却メダルをメダル返却通路54へと排出するようになっている。
支持板75、開閉板77,90は選別通路79のメダルをメダル返却通路54へと排除し易くなるように上側が後側に傾斜した状態で配置され、その支持板75が前面パネル2の裏側の支持枠86等に固定されている。第1開閉板77は選別通路79上のメダルの下部側を保持・解除するためのものであって、支持板75の後側の支軸76により枢支され、選別通路79上のメダルの下部側を保持するようにバネ87により閉方向に付勢されている。第1開閉板77には、不正メダルを排出するメダル排出口77aが選別通路79に対応して設けられており、不正メダルをそのメダル排出口77aからメダル返却通路54の受入れ口54a側へと排除するようになっている。
第2開閉板90は選別通路79上のメダルの上部側を保持・解除するためのものであって、支持板75の前側の支軸76により枢支され、選別通路79上のメダルの上部側の保持を解除するようにバネにより開方向に付勢されている。メダルストッパ81は支軸76廻りに第2開閉板90と一体に回動可能に設けられている。
流入通路78はメダル投入口34から投入されて流入するメダルを受け入れて下方へと案内するもので、メダルを厚み方向に挟む支持板75と第1開閉板77との間に設けられており、投入口部材35のメダル投入口34の下端側に連通している。流入通路78の途中にはメダルの通過を感知する感知部材88が設けられ、この感知部材88を介して投入センサ80がメダルを検出するようになっている。感知部材88は支軸89を介して支持板75に枢支され、バネ89aにより流入通路78に突出する方向に付勢されている。
選別通路79は流入通路78から流下したメダルを出口79a側へと案内するものであって、支持板75と第1開閉板77との間に、流入通路78の下端側から略L字状に屈曲して傾斜状に設けられている。この選別通路79の途中には、メダルが適正か否かを判別するための第1センサ82、第2センサ83等が設けられている。
選別通路79はメダルを下側から受ける受けレール部75aと、受けレール部75a上のメダルの下部側を支持板75との間で保持する下保持レール部77bと、受けレール部75a上のメダルの上部側を支持板75との間で保持する上保持レール部90aとを備えている。
受けレール部75aは支持板75の後側に設けられ、下保持レール部77bは受けレール部75aから上側に突出するように第1開閉板77のメダル排出口77aの下縁側に設けられている。第1開閉板77は通常はメダルの下部側を保持する閉状態にあり、返却ボタン40を操作したときにバネ87に抗して支軸76廻りに後側に回動し、受けレール部75a上のメダルを支持板75と下保持レール部77bとの間からメダル返却通路54の受入れ口54a側へと落下させるようになっている。
第1開閉板77と返却ボタン40との間には、支軸94に枢支された押圧部材93が介在され、返却ボタン40を操作したときに押圧部材93を介して第1開閉板77が支軸76廻りに開方向に回動し、受けレール部75a上に詰まった不正メダル等をメダル返却通路54の受入れ口54a側へと落下させるようになっている。なお、第1開閉板77には、選別通路79から排出されたメダルをメダル返却通路54の受入れ口54aへと案内する案内板91が設けられている。
上保持レール部90aは第2開閉板90の下端側に設けられている。第2開閉板90、メダルストッパ81は支軸76廻りに回動自在であり、バネ95により選別通路79から後退する方向に付勢されている。第2開閉板90が閉状態の場合には、その上保持レール部90aの上流端と支持板75との間隔が適正なメダルの厚み分となっており、正規のメダルよりも厚い不正メダルが投入されたときに、この上保持レール部90aの上流端側で規制して通過を阻止するようになっている。なお、その場合には、投入センサ80が不正メダルを検出してから所定時間の経過を以てメダルエラーと判断して、後述のようにメダル排出口77aからメダル返却通路54へと排出することになる。
駆動手段84は支持板75の前側に固定された駆動ソレノイド96を備え、この駆動ソレノイド96が励磁したときに連動板97を吸引して第2開閉板90をバネ95に抗して支軸76廻りに閉方向に回動させるようになっている。そのため駆動手段84は、稼動中は駆動ソレノイド96の励磁により、第2開閉板90を閉状態に、メダルストッパ81を後退状態に夫々保持している。
駆動ソレノイド96が消磁すれば、第2開閉板90がバネ87により戻って選別通路79のメダルの上部側の保持を解除するため、メダルは後側に倒れてメダル排出口77aからメダル返却通路54へと落下する。また第2開閉板90の開放に連動してメダルストッパ81が選別通路79へと突出するため、選別通路79のメダルがメダル案内シュート55側に通過することはない。連動板97は下端側を支点に前後方向に揺動自在に支持板75に支持され、上端側が第2開閉板90に当接可能になっている。連動板97はバネ98により第2開閉板90から離れる方向に付勢されている。
第1センサ82、第2センサ83は選別通路79を挟んで配置された投光部と受光部とを有する光学式であって、コの字状のセンサユニット99に組み込まれている。センサユニット99は、第1センサ82、第2センサ83が円板状のメダルの上部側を検出するように通路方向に所定の間隔をおいて支持板75に装着されている。
第1センサ82、第2センサ83は選別通路79を通過中のメダルを別々に検出可能であると共に同時に検出可能である。従って、第1センサ82、第2センサ83は適正なメダルが選別通路79を通過するときには、第1センサ82のみによるメダルの検出から、第1センサ82及び第2センサ83の両者によるメダルの検出、第2センサ83のみによるメダルの検出へと順次検出状態が遷移する。
また第1センサ82、第2センサ83は、メダル投入口34にメダルを連続投入した場合には、第2センサ83が1枚目のメダルの検出を終了した後に、第1センサ82が後続のメダルを検出するような間隔に設定されており、第1センサ82と第2センサ83とが連続投入されたメダルを同時に検出しないようになっている。従って、メダル投入口34に複数枚のメダルを連続投入した場合にも、個々のメダルを確実に検出することが可能であり、連続投入が原因で適正なメダルを不正メダルと誤認して、そのメダルがメダル排出口77aからメダル返却通路54へと排出されるようなことを防止できる。
メダル案内シュート55はメダル選別手段43により適正と判別されたメダルをメダルホッパー4へと案内するものであって、図14、図15に示すように、上側に開放する樋状部材により構成され、メダル選別手段43の出口79a側からメダルホッパー4上へと平面視円弧状に湾曲して配置されている。
メダル案内シュート55の上流端側は、メダル選別手段43の出口79aと連通するようにメダル選別手段43の側面にネジ止めにより固定され、出口79a側からメダルホッパー4上の放出部100へと徐々に下り方向に傾斜しながら平面視円弧状に形成され、出口79aからのメダルをメダルホッパー4へと後方に案内するようになっている。
このメダル案内シュート55は上側が開放する断面略J字状の樋状であって、メダルの直径よりも高い湾曲外側壁101と、この湾曲外側壁101よりも低い湾曲内側壁102とを底部103の両側に備えている。
このメダル案内シュート55には、図17(A)(B)に示すように、糸状物Ma付きの不正メダルMがメダル投入口34から投入された場合に、その不正メダルMを湾曲内側壁102の途中から内側へと落下させる落下部124が設けられ、また不正メダルMが落下部124又は終端の放出部100から落下したときに、その不正メダルMが再度メダル案内シュート55内に戻らないように糸状物Maを引っ掛ける第1引っ掛け部104と第2引っ掛け部106とが設けられている。
湾曲内側壁102は上手側に設けられた上手壁部102aと、下手側に設けられた下手壁部102bとを段差状に備え、その段差部分に第1引っ掛け部104と、不正メダルMが落下部124から落下するときに糸状物Maを第1引っ掛け部104へと案内する案内部125とが設けられている。
下手壁部102bはメダルの直径の1/3未満の高さであり、この下手壁部102bの上側が不正メダルMの落下部124となっている。落下部124は、糸状物Maの操作等により、不正メダルMが湾曲内側壁102側へと内側に倒れたときに、その不正メダルMが乗り越えて下方へと落下するようになっている。
即ち、不正メダルMは、図17(C)に実線で示すように、通常、湾曲外側壁101側に倒れた状態でメダル案内シュート55により案内される。しかし、糸状物Maを出口79a側へと上手側に引っ張るか、出口79aと不正メダルMとの間で糸状物Maが張り状態になれば、その糸状物Maを介して不正メダルMに外力が加わる。そして、不正メダルMは、その外力により図17(C)に二点鎖線で示すように下手壁部102b側に起立して、その重心が下手壁部102bとの接触点よりも外側に越えるため、下手壁部102b上の落下部124を経てメダル案内シュート55から下方に落下する。
第1引っ掛け部104は、糸状物Maが外れないようにスリット状に切り込んで形成されており、不正メダルMがメダル案内シュート55の落下部124から落下したときに、案内部125により下方へと案内される糸状物Maを引っ掛けて、その不正メダルMがメダル案内シュート55に戻らないようにする。
なお、メダル選別手段43の出口79aが支持板75と同様に傾斜しているため、メダル案内シュート55上の不正メダルMとの間で糸状物Maが弛み状態から張り状態になるときに、その糸状物Maは出口79aの上端側に移動する。従って、案内部125は糸状物Maが出口79aの上端側に移動した場合にも、その糸状物Maを案内できる高さとする必要がある。なお、上手壁部102aの下手側に案内部125を形成しているが、案内部125の高さを上手壁部102aよりも高くしてもよい。
メダル案内シュート55の放出部100側には、メダルの通過を検出する通過センサ105と、メダル案内シュート55を通過した不正メダルMの糸状物Maを引っ掛ける第2引っ掛け部106とが設けられている。通過センサ105は円板状のメダルの上部側を検出するように投光部と受光部とを備えた光学式であって、センサホルダ107に組み込まれている。センサホルダ107は投光部と受光部とがメダル案内シュート55の両側に位置するように、メダル案内シュート55の放出部100側で湾曲外側壁101の取り付け部108にネジ等の固定具109により着脱自在に固定されている。
第2引っ掛け部106は糸状物Ma付きの不正メダルMがメダル案内シュート55を通過したときにその糸状物Maを引っ掛けて、不正メダルMがメダル案内シュート55に戻らないようにするためのものであり、メダル案内シュート55の湾曲内側壁102の基部に配置されており、メダル案内シュート55の終端から上手側に凹入する入口部106aと、この入口部106aの内端側から湾曲内側壁102の基部へとV又はU字状に屈曲する外れ止め部106bとを含むスリット状に形成されている。
スロットマシンの制御系は図5に示す通りである。図5において、主制御基板8はスロットマシンの遊技動作全般の制御を司るためのもので、CPU、ROM、RAMを含むマイクロコンピュータ等が設けられている。図柄表示手段3には、リールLED中継基板110とリール中継基板111とが設けられ、また図柄表示手段3の近傍に外部集中端子板112が配置されている。
主制御基板8は、電源基板20、演出インターフェース基板60、遊技中継基板63、外部集中端子板52、確率設定基板9、払い出し接続基板17、リール中継基板111に接続されている。
電源基板20はAC24Vを直流電圧に整流し平滑した後、主制御基板8に必要な主制御電源電圧V1を、演出インターフェース基板60に必要な演出制御電源電圧V2を生成する等、各部に必要な電源電圧を生成する。なお、電源基板20には電源遮断状態を検出する電源監視回路(図示省略)、主制御基板8にバックアップ電源電圧を供給するバックアップ電源回路(図示省略)等が設けられている。
演出制御基板59はスロットマシンの演出動作に関する制御を行うもので、主制御基板8から演出インターフェース基板60を介して送られる制御コマンドを受け取り、その制御コマンドに応じて、各スピーカ56による音演出、LEDランプ等によるランプ演出、液晶表示手段25による図柄演出等の演出制御処理を行う。
また演出制御基板59は、主制御基板8から内部抽選結果を特定する制御コマンド(遊技開始コマンド)を受け取り、その内部抽選結果に対応してアシストタイム当選状態とするか否かのAT抽選を実行する。
なお、演出制御基板59においてAT抽選に当選した後の所定回数のゲーム中(AT中)は、小役当選状態において、各回転リール10a〜10cの遊技図柄を停止ライン上に整列できるように、各回転リール10a〜10cの停止順序を遊技者に報知する。また演出制御基板59は、主制御基板8からのリール演出実行を示す制御コマンドを受け取ったときに、主制御基板8で実行するリール演出に対応する演出動作を開始する。演出制御基板59は、この各演出動作を実行するために演出インターフェース基板60を通して各部の制御対象との間で必要な通信を行う。
演出制御基板59は、演出インターフェース基板60及び液晶インターフェース基板62を介して液晶制御基板61に接続されている。液晶制御基板61は液晶表示手段25による画像表示の演出制御を行う。この液晶制御基板61にはVDP、画像ROM、VRAM、液晶制御CPU、液晶制御ROM、液晶制御RAM等が搭載されている。
VDPは、画像展開処理や画像の描画等の映像出力処理全般の制御を行うものである。画像ROMには、VDPが画像展開処理を行うための画像データ(演出画像データ)が格納されている。VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域である。液晶制御CPUは、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力するものである。液晶制御ROMには、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムや、その表示制御に必要な種々のデータが格納されている。液晶制御RAMは、ワークエリアやバッファメモリとして機能するものである。
このような液晶制御基板61は、演出制御基板59からの表示演出コマンドを受け付けて所定の表示駆動信号を生成し、その表示駆動信号を液晶インターフェース基板62を介して液晶表示手段25に送って画像表示を実行させるものである。
演出制御基板59は、演出インターフェース基板60を介してスピーカ中継基板113を制御し、スピーカ56を用いた音演出を実行させるものである。また演出制御基板59は、演出インターフェース基板60を介してLED基板114を制御し、更に演出インターフェース基板60からリールLED中継基板110を介してリールLED基板30a〜30cを制御している。LED基板114には、例えば図1のLED演出部53a〜53cを構成するLEDが配置されている。
主制御基板8は、遊技中継基板63を介して各基板115〜119に接続されている。遊技表示基板115には投入枚数表示LED46、再遊技表示LED47、回転準備表示LED48、受付可能表示LED49、払い出し数表示部50、貯留数表示部51等が設けられている。
始動スイッチ基板116には、スタートレバー38の操作を検出する始動スイッチ(図示省略)が設けられている。停止スイッチ基板117には停止ボタン39a〜39cの操作を検出する停止スイッチ(図示省略)、各停止ボタン39a〜39cを発光させるための停止ボタンLED(図示省略)等が設けられている。
貯留メダルスイッチ基板118には、マックスベットボタン37の操作を検出する投入スイッチ(図示省略)、マックスベットボタン37を発光させるためのマックスベットLED(図示省略)が設けられている。精算スイッチ基板119にはクレジット清算ボタン41の操作を検出する清算スイッチ(図示省略)が設けられている。なお、主制御基板8は、各基板からの検出信号を遊技中継基板63を介して受信する。
主制御基板8には遊技中継基板63を介してメダル選別手段43等の投入センサ80、第1センサ82、第2センサ83、通過センサ105が接続され、各センサ80、82,83,105からの検出信号を受信する。なお、主制御基板8は各センサ80、82,83,105からの検出信号により、メダルの投入時間や通過方向が所定の基準に合致した場合にのみ投入メダルとして受け付け、それ以外の場合には投入メダルエラーとして処理する。
主制御基板8には不正メダルMの通過を阻止する駆動手段84の駆動ソレノイド96が遊技中継基板63を介して接続され、その駆動ソレノイド96の励磁・消磁を制御する。また主制御基板8は、リール中継基板111を経由して、各回転リール10a〜10cの回転駆動用のステッピングモータ120a〜120cと、各回転リール10a〜10cの原点位置検出用のインデックスセンサ121a〜121cとが接続されている。
主制御基板8は、各ステッピングモータ120a〜120cの駆動・停止によって、各回転リール10a〜10cの回転動作と目的位置での停止動作とを実行し、また各インデックスセンサ121a〜121cからの検出信号により各回転リール10a〜10cの原点位置での停止動作を実行する。
主制御基板8は、払い出し接続基板17、払い出し基板18を介して払い出しモータ16に接続されると共に、払い出し接続基板17を介して払い出しセンサ19に接続されている。払い出し基板18はメダル払い出し手段5の払い出し制御を行うためのもので、主制御基板8からの制御コマンドに基づいて所定数のメダルを払い出すように払い出しモータ16を回転・停止を制御する。
払い出しセンサ19はメダル払い出し手段5により払い出されたメダルを検出するものであり、メダルの払い出し枚数の不足、払い出し動作の動作不良等の払い出し異常があれば、この払い出しセンサ19からの検出信号に基づいて主制御基板8が払い出し異常を判断する。
また主制御基板8は、確率設定基板9、外部集中端子板112に接続されている。外部集中端子板112はホールコンピュータに接続されており、主制御基板8から送られるメダルの投入枚数や払い出し枚数をホールコンピュータに出力する。確率設定基板9は設定キーによりオンオフ操作される設定キースイッチ122と、リセットボタンによりオンオフ操作されるリセットスイッチ123とが設けられている。
確率設定基板9は、係員が設定キーやリセットボタンを用いて設定した設定値vdを出力する。設定値vdは、スロットマシンで実行される抽選処理の当選確率、換言すれば遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率の段階を表す値であり、遊技ホールの営業戦略に基づいて適宜に設定可能である。
例えば当選確率の段階が6段階の場合には、設定値vdとしては設定「1」〜設定「6」までの6段階の内、任意の段階を表す値を設定キーの操作等により設定可能である。この場合、設定値vd自体の値としては、「0」〜「5」が割り当てられる。また設定「1」〜設定「6」の順で当選確率が高くなっている。
ホールの係員等は、所定の操作により設定値vdの変更を行うことができる。この設定値vdの変更を行うに当たっては、先ず前面パネル2を開放し、設定キーを右に回して設定キースイッチ122をオンにしたままで電源をオンにする。すると確率設定基板9の表示器に現段階の設定値(「1」〜「6」の何れか)が表示されるので、その状態でリセットボタンを押してリセットスイッチ123がオンする毎に、その表示値に+1が加算される。なお、表示値は「6」の次に「1」に戻る。
リセットボタンによる設定値の選択後、スタートレバー38を操作することにより、設定値vdがその設定値に確定される。その後、設定キーを左に回して設定キースイッチ122をオフすることにより、設定値vdの変更が終了する。
メダル投入口34からメダルを投入する際には、例えば複数枚のメダルを厚み方向に重ね合わせた状態でメダル受け部70上に前後方向に載せた後、その複数枚のメダルをメダル受け部70の傾斜に沿って後方側へと軽く押す。すると複数枚のメダルの内、後端側のメダルがメダル投入口34の入口34a側に対応する毎に、各メダルが自重により下方に落下し、メダル投入口34の前壁面69a、後壁面72aに沿って流下する。これによってメダル受け部70上のメダルを順次メダル投入口34へと投入することができる。
このメダル投入口34からのメダルの投入に当たって、メダル投入口34はその入口34a側を広くしているので、各メダルをメダル投入口34へと容易に投入することができる。しかも入口34aは適正なメダル1枚の厚みよりも大でメダル2枚の厚みよりも小であるため、メダルを1枚ずつ確実に投入することができる。
またメダル投入口34の出口34b側を入口34aよりも狭くして、適正なメダル1枚の厚みよりも大でメダル1枚の厚みに近い寸法にしているので、適正なメダルよりも厚みのある不正メダルM又は不正部材の投入を極力防止することができる。そのため出口34bよりも厚い不正メダルM又は不正部材の場合には、入口34aを通過しても、メダル投入口34の途中で詰まるため、その後の不正なゲームの継続を防止することができる。
また図17に示すように、適正なメダルに近い寸法の不正メダルMに糸状物Maを連結して、その不正メダルMをメダル投入口34から投入するような不正行為があっても、その不正メダルMに対する糸状物Maの取り付け部分の嵩張り等により、不正メダルMのメダル選別手段43側への通過を極力防止することができる。
スロットマシンの電源の投入中は、メダル選別手段43の駆動ソレノイド96が励磁して連動板97を吸引するので、図13に実線で示すように第2開閉板90がバネ95に抗して閉状態にあり、その上保持レール部90aが選別通路79のメダルを保持可能な状態にある。
そこで、メダル投入口34からメダルを投入すると、そのメダルは図16(A)に示すようにメダル選別手段43の流入通路78に入り、感知部材88を介して投入センサ80により検出された後、選別通路79の受けレール部75a、下保持レール部77b、上保持レール部90aにより保持されながら、その受けレール部75aの傾斜に沿ってメダル案内シュート55へと案内されて行く。
メダルの上部が上保持レール部90aに届かない小径の不正メダルの場合には、上保持レール部90aによる上部側の保持がないので、後方に倒れて第1開閉板77のメダル排出口77aから下方に落下する。これによって小径の不正メダルを排除することができる。なお、メダル排出口77aから落下したメダルは、メダル返却通路54を経てメダル受け皿28へと返却される。
正規のメダルよりも厚い不正メダルは、上保持レール部90aの上流端側で規制して通過を阻止する。そして、投入センサ80のメダルの検出から所定の判別時間が経過すれば、メダルエラーの判断により駆動ソレノイド96が消磁して、図16(B)に示すように第2開閉板90が開方向に回動しメダルストッパ81が突出する。これによって不正メダルが第1開閉板77のメダル排出口77aからメダル返却通路54へと落下することになり、不正メダルのメダル案内シュート55への通過を阻止することができる。
またメダル投入口34から投入されたメダルは投入センサ80の出力をカウントしており、所定の最大枚数までクレジット可能であるが、最大類数を超えた場合には、駆動ソレノイド96が消磁して第2開閉板90を開放することにより、メダル選別手段43からメダル返却通路54へと返却する。
メダル選別手段43を通過したメダルはメダル案内シュート55を経てメダルホッパー4へと案内され、メダルホッパー4に貯留されて行く。このときメダルはメダル案内シュート55の湾曲外側壁101に倒れた状態で底部103上を転がりながら案内される。従って、湾曲内側壁102の上手壁部102aがメダルの半径よりも低く、下手壁部102bが上手壁部102aよりも更に低くなっているが、この湾曲内側壁102の高さに関係なくメダルを案内することができる。メダル案内シュート55を通過したメダルは通過センサ105により検出してカウントする。
不正行為は投入センサ80、第1センサ82、第2センサ83、通過センサ105等において、各センサ80,82,83,105相互間でのメダルの移動時間の長短、各センサ80,82,83,105のメダルの検出順序の違い、通過センサ105の検出タイミング等により監視する。なお、不正行為があった場合には、適宜手段により警報し、またゲームを中断するようにしてもよい。
しかし、糸状物Maを付けた不正メダルMをメダル投入口34から投入して、その糸状物Maを適宜タイミングで引っ張ったり弛めたりしながら、各センサ80,82,83,105が適正なタイミングで順次不正メダルMを検出するように操作して、不正にクレジット加算を行う不正行為が懸念されている。
このような不正行為に対しては、不正メダルMをメダル案内シュート55から落下又は通過させて、その糸状物Maを引っ掛け部104,106に引っ掛けることにより、図17(A)(B)に示すように、その後の不正行為の継続を防止することができる。
例えば、メダル案内シュート55の湾曲内側壁102の下手壁部102bまで不正メダルMが到達した後に、糸状物Maを引っ張れば、図17(A)に示すように、出口79aと不正メダルMとの間で糸状物Maが張り状態になる。そのため不正メダルMに対して湾曲内側壁102の下手壁部102b側へと倒れる方向の外力が加わり、不正メダルMが下手壁部102b上の落下部124を越えてメダル案内シュート55から落下する。
そして、図17(B)に示すように、不正メダルMが湾曲内側壁102の落下部124から落下すれば、糸状物Maが第1引っ掛け部104に引っ掛かるため、その糸状物Maを引っ張っても不正メダルMがメダル案内シュート55上に戻ることはない。
また不正メダルMがメダル案内シュート55の終端を通過した後に糸状物Maを引っ張った場合も、同様に第2引っ掛け部106に糸状物Maが引っ掛かるため、不正メダルMがメダル案内シュート55上に戻ることはない。
従って、不正メダルMがメダル案内シュート55から落下した後に、その糸状物Maを引っ掛け部104,106で引っ掛けることにより、不正メダルMがメダル案内シュート55上に戻ることはないので、それ以上の不正行為の継続を防止することができる。
メダル投入処理は、図18及び図19に示すフローチャートに従って行う。このメダル投入処理は、メダル投入口34からのメダルの投入、マックスベットボタン37の操作による投入枚数に応じてクレジット値を更新する処理であり、主制御基板8により行われる。
図18において、主制御基板8は先ず遷移及び滞留チェック処理を実行する(ステップS1101)。遷移及び滞留チェック処理は、メダル投入に係る不正検知のための処理であり、メダル選別手段43の投入センサ80、第1センサ82、第2センサ83、通過センサ105に対するメダルの通過態様が予め定められた異常通過態様に該当するか否かを判定し、異常があれば投入エラー監視フラグをセットする処理である。
メダルエラー検知は図18のタイミングチャートに従って行う。図20(A)は、メダル投入口34から1枚のメダルが正常に投入された場合の投入センサ80、第1センサ82、第2センサ83、通過センサ105の検出信号の遷移を示している。
メダルが正常に投入された場合、投入センサ80、第1センサ82、第2センサ83、通過センサ105はその順番でメダルを検出して次々にオンする。このとき投入センサ80、第1センサ82、第2センサ83、通過センサ105の配置間隔は、投入センサ80がオンからオフに転じた後に第1センサ82がオンとなるように設定されている。また第1センサ82と第2センサ83との配置間隔は、第1センサ82のオン中に第2センサ83がオンとなり、第2センサ83のオン中に第1センサ82がオフするように設定されている。更に第2センサ83と通過センサ105との配置間隔は、第2センサ83のオフタイミングの後に通過センサ105がオンとなるように設定されている。
ここで、図20(A)のように投入センサ80がオン時点を時点t1、オフ時点を時点t2、第1センサ82のオン時点を時点t3、第2センサ83のオン時点を時点t4、第1センサ82のオフ時点を時点t5、第2センサ83のオフ時点を時点t6、通過センサ105のオン時点を時点t7、オフ時点を時点t8とする。
投入メダルのエラー検知は、第1センサ82、第2センサ83をメダルが通過する順番が適正であるか否かという観点と、各センサの検出信号のエッジ間の間隔が夫々所定の時間内であるか否かという観点とに基づいて行う。
図20(B)は、メダルが正常に投入された場合における第1センサ82、第2センサ83のオン/オフ状態の変化の順番を示す。正常なメダルを投入した場合には、「第1センサ82=オフ、第2センサ83=オフ」の順番「0」の状態から、「第1センサ82=オン、第2センサ83=オフ」の順番「1」の状態、「第1センサ82=オン、第2センサ83=オン」の順番「2」の状態、「第1センサ82=オフ、第2センサ83=オン」の順番「3」の状態を経て第1センサ82、第2センサ83のオン/オフ状態が遷移する。従って、第1センサ82、第2センサ83のオン/オフ状態の変化の順番が、このような「0」→「1」→「2」→「3」の順番に合致しない場合には、投入メダルエラーとして扱う。
但し、投入されたメダルが図16(B)に示すようにメダル返却通路54側へと排出される場合には、投入されたメダルが第1センサ82で検出された後に、メダル返却通路54側へと落下する。従って、この場合、第1センサ82、第2センサ83がオン/オフ状態に変化する順番が合致せず、投入メダルエラーとして検知されることになる。
即ち、この場合には第1センサ82、第2センサ83のオン/オフ状態の変化の順番は、図21に示すように「第1センサ82、第2センサ83共にオフ」から、「第1センサ82=オン、第2センサ83=オフ」、「第1センサ82、第2センサ83が共にオフ」の順番で変化するため、投入メダルエラーとなってしまう。
そこで、第1センサ82、第2センサ83のオン/オフ状態が「0」→「1」→「0」の順番で変化する場合には、例外的に投入メダルエラーとして検知しないようにしている。
また投入センサ80、第1センサ82、第2センサ83、通過センサ105の検出信号のエッジ間の時間に基づいて投入メダルエラーを検知するためには、図20(A)に示すように、第1監視タイマ、第2監視タイマ、第3監視タイマ、第4監視タイマ、メダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタ及び通過センサオンタイマを用いる。
これら各タイマやカウンタを用いた投入メダルエラーの検知は、図20(A)に示す各時点tに照らすと、以下のようになる。なお、各タイマは、タイマ割込みごとに減算(−1)される。
[時点t1]
・第1監視タイマに所定値(例えば402ms相当のタイマ割込み数)をセット。
第1監視タイマが0になったら投入メダルエラーとする(投入センサ80の連続オン 時間が過大であるためエラーとする)。
[時点t2]
・メダル通過第1カウンタを0にクリアする。。
・第2監視タイマに所定値(例えば250ms相当のタイマ割込み数)をセット。
第2監視タイマが0になったら投入メダルエラーとする(投入センサ80の通過から 第1センサ82がオンするまでの時間が過大であるためエラーとする)。
[時点t3〜t5の各時点]
・第3監視タイマに所定値(例えば101ms相当のタイマ割込み数)をセット。
第3監視タイマが0になったら投入メダルエラーとする(第1センサ82又は第2セ ンサ83の連続オン時間が過大であるためエラーとする)。
[時点t4〜t6の各時点]
・第1センサ82と第2センサ83との検出信号の入力順序が適正に遷移していない場 合はエラー(メダル逆行)。
・第1センサ82と第2センサ83の両者又は何れか一方について、前回のセンサ遷移 から今回のセンサ遷移までの時間が2.98ms(2割込み)未満であればエラー(前 回と今回のセンサ検出の間隔が短すぎる)。
[時点t6]
・第4監視タイマに所定値(例えば150ms相当のタイマ割込み数)をセット。
第4監視タイマが0となったら投入メダルエラーとする(第2センサ83の通過から 通過センサ105の通過までの時間が過大であるためエラーとする)。
・メダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタをそれぞれ+1する。
メダル通過第1カウンタが「5」となったら投入メダルエラーとする(投入センサ8 0、第1センサ82及び第2センサ83の通過メダル枚数と、通過センサ105の通過 メダル枚数との差が5枚に達したらエラー)。この5枚は、メダルを連続投入したとき に、メダル案内シュート55上で第2センサ83と通過センサ105との間に直列状に 並び得るメダルの最大数が4枚であることに起因する。
これら通過メダル枚数に基づくエラー検知は、メダルが連続投入された場合を想定し ている。なお、投入センサ80及び通過センサ105はメダルが連続投入された場合に は検出信号が連続オンするのに対し、第1センサ82、第2センサ83はメダルが連続 投入されても各メダルを個別に検出できるように構成されている。
[時点t7]
・通過センサ105がオンである間は通過センサオンタイマを+1する。
通過センサオンタイマが所定値(例えば101ms相当のタイマ割込み数)に達した ら投入メダルエラーとする(通過センサ105の連続オン時間が過大であるためエラー とする)。
[時点t8]
・メダル通過第2カウンタが0でなければ0にクリアする。
・メダル通過第2カウンタが0で且つ監視タイマ4が0であれば投入メダルエラーとす る(メダルが第1センサ82, 第2センサ83を通過することなく通過センサ105の みオンとなる異常)。
図22を参照して遷移及び滞留チェック処理(S1101)を説明する。図20において、主制御基板8のCPUは、先ずステップS1201で全レジスタの値をRAMにおけるレジスタ退避領域に退避させる処理を実行し、ステップS1202で投入エラー監視フラグをクリアする処理を実行する。この遷移及び滞留チェック処理は、不正行為への対策を講じるための処理であり、この遷移及び滞留チェック処理を実現するためのプログラム及びデータは、第2のメモリ領域に格納されている。
主制御基板8のCPUがアクセス可能なメモリには、第1のメモリ領域と第2のメモリ領域とがある。第1のメモリ領域は、CPUが遊技動作(ゲーム)を制御するに当たって用いる所定のプログラム及びデータを配置するためのものである。また第2のメモリ領域は、第1のメモリ領域外に配置することが許可されたプログラム及びデータを配置するためのものであり、例えば、メダルの不正な投入やメダル払い出し等の不正行為を検知するためのプログラム及びデータ、設定値vd、乱数の異常を検知するためのプログラム及びデータ等が配置されている。
第1のメモリ領域、第2のメモリ領域には、プログラムを格納する制御領域、プログラムにより使用するデータを格納するデータ領域、及びプログラムによる処理の過程で生成される各種のフラグやタイマ値等を書き替え可能に格納するR/W領域が設定されている。
次にステップS1202で投入エラー監視フラグをクリアする。この投入エラー監視フラグは、遷移及び滞留チェック処理により更新されるべきフラグ(データ)であるため、第2のメモリ領域に記憶されている。なお第1監視タイマ、第2監視タイマ、第3監視タイマ、第4監視タイマ、メダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタ及び通過センサオンタイマも、遷移及び滞留チェック処理で更新されるべきデータであるため、第2のメモリ領域に記憶される。
投入エラー監視フラグをクリアすると、CPUはステップS1203で各センサの時間監視処理を実行し、ステップS1204で監視処理の結果に基づきエラーであるか否かを判定する。
即ち、ステップS1203で第1監視タイマ、第2監視タイマ、第3監視タイマ、第4監視タイマ、及び通過センサオンタイマの夫々の値について、所定値に達したか否かを判定する。そして、ステップS1204でその監視処理の結果に基づいてエラーであるか否かを判定する。エラーと判定した場合、CPUはステップS1205で投入エラー監視フラグをセットし、ステップS1206に処理を進める。またエラーでないと判定した場合、CPUはステップS1205をパスしてステップS1206に処理を進める。
ステップS1206〜S1209では、第1センサ82、第2センサ83のオン/オフ状態変化の順番に基づいて投入メダルエラー検知のための処理が行われる。CPUはステップS1206で第1センサ82、第2センサ83から入力される検出信号に変化があったか否かを判定する。即ち、第1センサ82、第2センサ83の何れかの検出信号にオンエッジ又はオフエッジが検出されたか否かを判定する。第1センサ82、第2センサ83の検出信号に変化がなければ、CPUはステップS1210に処理を進める。
一方、第1センサ82、第2センサ83の検出信号に変化があれば、CPUはステップS1207で変化の順番が正常であるか否かを判定する。具体的には、これまでの第1センサ82、第2センサ83のオン/オフ状態変化の順番が「0」→「1」→「2」→「3」の順番に合致しているか否かを判定する。変化の順番が正常であれば、CPUはステップS1209のフラグセット処理をパスしてステップS1210に処理を進める。
一方、変化の順番が正常でなければ、CPUはステップS1208で変化の順番が「1」→「0」(「0」→「1」→「0」)が例外に該当するか否かを判定する。変化の順番が「1」→「0」に該当すれば、CPUはステップS1209のフラグセット処理をパスしてステップS1210に処理を進める。これにより、メダルの排出が誤って投入メダルエラーとして検知されることがなく、投入メダルエラー検知の適正性を担保できる。変化の順番が「1」→「0」に該当すれば、CPUはステップS1209で投入エラー監視フラグをセットし、ステップS1210に処理を進める。
なお、不正メダルMが図16(B)に示すようにメダルストッパ81に当接して流下が阻止された状態のときには、第1センサ82と第2センサ83とが共にメダルを検出しないように構成してもよい。その場合には、例外の順番に該当するか否かを判定することなくステップS1209に進み、投入エラー監視フラグをセットする。また第1センサ82、第2センサ83の両者又は何れか一方について、前回のセンサ遷移から今回のセンサ遷移までの時間が2.98ms(2割込み)未満であれば、前回と今回のセンサ検出の間隔が短かすぎるとして投入エラー監視フラグをセットするように制御してもよい。
CPUに1.49ms(ミリ秒)の時間間隔でタイマ割込みがかけられている。そのタイマ割込みによって実行されるタイマ割込み処理中の1つのルーチンのメダル投入処理(図18)が含まれている。上記2.98ms(2割込み)未満としたのは、第1センサ82又は第2センサ83がメダルを検出していないにも拘わらず、ノイズの影響を受けて第1センサ82又は第2センサ83の信号を誤検出する不都合を回避し、また1.49ms(1割込み)としたのは、そのノイズによる誤検出であるにも拘わらず、第1センサ82又は第2センサ83がメダルを検出したと誤判定してしまう不都合を回避するためである。
CPUはステップS1210〜S1218でメダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタの値に基づくメダルエラー検知のための処理を行う。先ずステップS1210では、投入センサ80の検出信号がオフエッジであるか否かを判定し、オフエッジであれば、ステップS1211でメダル通過第1カウンタの値を0にクリアしてステップS1212に進み、オフエッジでなければ、ステップS1211をパスしてステップS1212に進む。
ステップS1212では、メダルが第1センサ82、第2センサ83を正常に通過したか否かを判定する。具体的には、先のステップS1203で監視される時間の要素、及びステップS1207で監視される順番の要素の双方の面でメダルが第1センサ82、第2センサ83を正常に通過したか否かを判定する。なお、メダルが第2センサ83を通過したタイミングは、この第2センサ83の検出信号がオフに転じたときであるため、ステップS1212で「正常に通過」と判定されるのは、第2センサ83の検出信号がオフに転じた(オフエッジが検知された)タイミングで実行されたタイマ割込み処理においてのみとなる。
ステップS1212において、メダルが第1センサ82、第2センサ83を正常に通過したと判定した場合には、ステップS1213でメダル通過第1カウンタ、メダル通過第2カウンタの夫々の値をインクリメント(+1)してステップS1214に進む。メダルが第1センサ82、第2センサ83を正常に通過していないと判定した場合には、ステップS1213をパスしてステップS1214に進む。
ステップS1214では、メダル通過第1カウンタの値が5以上であるか否かを判定し、5以上でなければ(4以下であれば)ステップS1215でメダル通過第2カウンタの値が5以上であるか否かを判定する。
ステップS1214、S1215において、メダル通過第1カウンタの値、メダル通過第2カウンタの値が5以上であれば、CPUはステップS1216で投入エラー監視フラグをセットし、ステップS1217に処理を進める。メダル通過第2カウンタの値が5以上でなければ、ステップS1216をパスしてステップS1217に処理を進める。
ステップS1217では、通過センサ105の検出信号がオフエッジであるか否かを判定する。そして、通過センサ105の検出信号がオフエッジであれば、ステップS1220でメダル通過第2カウンタが0であるか否かを判定し、0でない場合にはステップS1218でメダル通過第2カウンタの値を0にクリアして、ステップS1219で全レジスタの復帰処理を実行した上で遷移及び滞留チェック処理を終える。また通過センサ105の検出信号がオフエッジでなければ、ステップS1218をパスしてステップS1219で全レジスタの復帰処理を実行し、遷移及び滞留チェック処理を終える。
ステップS1220でメダル通過第2カウンタが0と判定された場合には、CPUはS1221で第4監視タイマが0であるか否かを判定し、0でなければS1219に進むが、0の場合にはS1222により投入エラー監視フラグをセットした後S1219へ進む。これにより、メダルが第1センサ82、第2センサ83を通過することなく通過センサ105のみを通過してオンとなる異常を検出できる。
図18、図19のメダル投入処理(ステップS813)に当たっては、ステップS1101の遷移及び滞留チェック処理を終えると、CPUはステップS1102で投入エラー監視フラグの状態(オン/オフ状態)をチェックする。投入エラー監視フラグがオンであれば、ステップS1123で投入エラーフラグをセットする(オンとする)。そして、投入メダルエラーの場合には、ステップS1124で駆動手段84の駆動ソレノイド96、受付可能表示LED49を夫々オフとする処理を実行し、メダル投入処理を終える。
メダル投入処理では、遷移及び滞留チェック処理(第2のメモリ領域におけるプログラム)でセットされた投入エラー監視フラグに基づき、新たに投入エラーフラグをセットする。このメダル投入処理における「遷移及び滞留チェック処理」を除く処理は、不正行為への対策を講じるためのプログラムには該当しない。従って、これらの処理を実現するためのプログラムは第1のメモリ領域に格納されている。
第1のメモリ領域におけるプログラムは、第1のメモリ領域におけるR/W領域のデータを参照及び更新することができるが、第2のメモリ領域のR/W領域に記憶されたデータについては参照のみが可能で更新は不許可とされている。即ち、メダル投入処理(遷移及び滞留チェック処理は除く)では、第2のメモリ領域のR/W領域に記憶された投入エラー監視フラグの参照のみは可能であるが、更新することまでは許可されない。
そこで、第2のメモリ領域のR/W領域に記憶された投入エラー監視フラグをステップS1102で参照した結果に基づき、ステップS1123で投入エラーフラグを第1のメモリ領域のR/W領域においてセットするようにしている。即ち、第1のメモリ領域のプログラムが自ら更新可能なフラグとして改めてセットしている。
投入エラーフラグは、例えばエラー表示制御を行うか否かの判定やエラー解除判定処理等、第1のメモリ領域のプログラムによりエラー中であるか否かの判定において参照される。これからも判るように、不正検知に係るエラーフラグは、第1のメモリ領域のプログラムが更新可能であることが必要であり、ステップS1102、S1123の処理は、その第1のメモリ領域のプログラムが更新可能であることから実現している。
領域内用のエラーフラグ(投入エラーフラグ)は、領域内プログラムによってセットされた(ステップS1123)後は、同じく領域内プログラムによるエラー解除処理においてエラー解除の検知に応じてクリアされるように構成されている。しかし、領域外用のエラー監視フラグ(投入エラー監視フラグ)は、エラー解除の検知に応じてクリアする処理は存在しない。そのため領域外プログラムによる遷移及び滞留チェック処理(図20)では、処理の開始にあたってエラー監視フラグを毎回クリアするようにしている(ステップS1202)。これによりエラー検知の適正性を確保することができる。
なお、不正対策に係るエラーフラグの例として投入エラーに係るエラーフラグを例示したが、他のエラーフラグ、例えば主基板エラー、RWMエラー、投入メダルエラー、メダル払い出しメダル無しエラー、メダル払い出しセンサエラー、不当入賞エラー、オーバーフローエラー、ドア開放エラーに係るエラーフラグに関しても、同様に第2のメモリ領域のプログラムがエラー検知に応じて第2のメモリ領域のR/W領域にエラー監視フラグをセットし、第1のメモリ領域のプログラムが該エラー監視フラグを参照した結果に基づき対応するエラーフラグを第1のメモリ領域のR/W領域にセットすることもできる。
図18のステップS1102で投入エラー監視フラグがオフであった場合には、ステップS1103以降の処理により、正常なメダル投入に応じた投入枚数(賭数)やクレジットの値の更新、マックスベットボタン37の操作に応じた投入枚数(賭数)やクレジットの値の更新等を行う。この際、マックスベットボタン37の操作に応じた投入処理(マックスベット処理)では、ベットカウンタとベットタイマとが用いられる。
このマックスベット処理では、マックスベットボタン37のオンによりベットタイマに所定値(本例では50ms相当のタイマ割込み数)がセットされる。そして、ベットタイマの値が消費されて「0」になると、賭数を設定するための投入処理(+1)が実行される。ベットカウンタはベットタイマ=0となって投入処理を実行する回数を規定するためのものである。即ち、マックスベットボタン37がオンすると、クレジット値の許容範囲内において、ベットカウンタの値がセットされる。例えば、クレジットの値が「3」以上であれば「3」がセットされ、クレジットの値が「2」以下である場合にはクレジットの値と同値がセットされる。
マックスベットボタン37は投入枚数が「1」以上の状況においてもオン操作可能であるが、その場合には、クレジット値の許容範囲分を越える投入処理を行うべきでない(賭数の上限=「3」であるため)。そのためメダル投入処理では、マックスベット処理による投入枚数が賭数の上限値を超えないようにしている。
図18において、CPUはステップS1103でメダル投入中であるか否か、即ち、メダルが第1センサ82又は第2センサ83の何れかを通過中であるか否かを判定する。そして、メダル投入中であれば、ステップS1111に処理を進める。
メダル投入中でなければ、CPUはステップS1104でベットカウンタの値が「0」か否かを判定する。このベットカウンタの値は、後述のステップS1128でマックスベットボタン37のオンエッジを検出することにより、ステップS1129でセットされる。従って、ステップS1104でベットカウンタの値が「0」でないと判断した場合は、マックスベット処理中であり、ベットカウンタの値が「0」と判断した場合は、マックスベット処理中ではないことを意味する。
ステップS1104において、ベットカウンタの値が「0」と判断した場合には、マックスベット処理中でないため、CPUはステップS1111に処理を進める。一方、ベットカウンタの値が「0」でないと判断した場合には、マックスベット処理中であるため、ステップS1105でベットタイマの値をデクリメント(−1)し、ステップS1106でベットタイマの値が「0」であるか否かを判定する。これはベットタイマ=「0」に応じて投入処理(+1)を実行すべきか否かを判定していることに相当する。
ベットタイマの値が「0」であれば、CPUはステップS1107に処理を進めて、投入処理に係る処理を実行し、ベットカウンタの値をデクリメントする(つまり投入回数を1消費する)。
そして、CPUは続くステップS1108で投入枚数が「3」であるか否かを判定する。これは、マックスベットボタン37による投入処理が不要であるか否かを判定していることに相当する。即ち、メダル投入口34から投入されたメダルがあれば、マックスベットボタン37による投入処理回数が「3」未満の状態で投入枚数=「3」に達することがあるため、マックスベットボタン37による投入処理が不要であるか否かを判定する。この判定処理があるため、ベットカウンタの値としてクレジットの値のみに基づいた値(投入枚数は考慮しない値)を設定することが可能でる。
投入枚数が「3」であれば、CPUはステップS1111に処理を進め、ステップS1110でのマックスベットによる投入処理は実行しない。投入枚数が「3」でなければ、CPUはステップS1109でベットタイマをセットし、続くステップS1110でクレジットの値のデクリメント(−1)、投入枚数のインクリメント、投入音コマンドのセットを行い、ステップS1111に処理を進める。なお、投入音コマンドは、演出制御基板59側にメダルの投入時に出力すべき効果音の出力指示を行うためのコマンドである。
CPUのステップS1111〜S1118の処理は、各種の条件判定を行った結果に基づき駆動ソレノイド96と受付可能表示LED49のオン/オフを制御するための処理である。ステップS1111では、エラー中か否か(各種エラーの少なくとも1つが生じているか否か)を判定し、エラー中であれば、ステップS1118で駆動ソレノイド96及び受付可能表示LED49をオフとするための処理(RAM82cのワークにおける対応値を更新する処理)を実行する。
即ち、エラー中は、駆動ソレノイド96のオフによりメダル投入口34から投入されたメダルがメダル排出口77aから排出される状態となること、受付可能表示LED49のオフにより遊技者にメダル投入が不許可の状態であることが報知される(メダル投入が不許可の状態)。
一方、エラー中でなければ、CPUはステップS1112で投入可能フラグFaiを確認(オン/オフの確認)する。投入可能フラグFaiは、メイン処理側でメダルの受付を開始すべきタイミングでオンされ、スタートレバー38の操作に基づきオフされるフラグである。この投入可能フラグFaiがオフであれば、CPUはステップS1118の処理を実行する。即ち、投入可能フラグFaiがオフであれば、メダル投入が不許可の状態となる。また投入可能フラグFaiがオンであれば、CPUはステップS1113でメダル払い出し中であるか否かを判定する。
メダル払い出し中であるか否かは、例えばメダル払い出し要求、又は精算要求の何れかがオンであるか否かにより判定できる。メダル払い出し中であれば、CPUはステップS1118の処理を実行してメダル投入が不許可の状態とし、メダル払い出し中でなければステップS1114に処理を進める。
CPUはステップS1114でベット3枚(投入枚数=「3」)且つクレジット50枚の状態であるか否かを判定する。ベット3枚且つクレジット50枚の状態であれば、CPUはステップS1118の処理を実行してメダル投入が不許可の状態とし、メダル払い出し中でなければステップS1115に処理を進める。
CPUはステップS1115で通過中のメダルを加味してベット3枚且つクレジット50枚の状態となるか否かを判定する。即ち、現在がベット2枚且つクレジット50枚の状態であって、ステップS1103でメダル投入中(第1センサ82又は第2センサ83の何れかを通過中)と判定されたか否かを判定する。これは、メダルが後1枚投入されると、メダルの受付を禁止する受付禁止前状態において、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中であるか否かを判定していることに相当する。
ステップS1115において、通過中のメダルを加味してベット3枚且つクレジット50枚の状態とならない場合には、CPUはステップS1116に進み、駆動ソレノイド96及び受付可能表示LED49をオンとするための処理を実行する。これによってメダルの投入が可能になる。
通過中のメダルを加味してベット3枚且つクレジット50枚の状態となる場合には、CPUはステップS1117に進み、駆動ソレノイド96をオフ、受付可能表示LED49をオンとする処理を実行する。即ち、メダルの受付禁止前の状態において、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中の場合には、メダル投入口34から投入されたメダルがメダル排出口77aから排出される状態となり、遊技者に対しては受付可能表示LED49によりメダルが投入可能であることを報知する。
この実施形態では、駆動ソレノイド96のオフとマックスベットボタン37の受付の無効化とを連動させる処理が組まれている。即ち、タイマ割込み処理における貯留メダルの精算処理において駆動ソレノイド96がオフであれば、マックスベットLEDをオフにする処理が実行される。そして、マックスベットLEDがオフであれば、ステップS1125の処理(図19)により、マックスベットボタン37の受付が無効化される。何故なら、マックスベットボタン37のオンエッジ検知確認のための処理(ステップS1128)がパスされるため、マックスベットボタン37の操作受付が無効化される。この結果、メダルの受付禁止前の状態において、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中である場合には、駆動ソレノイド96のオフに連動して、マックスベットボタン37の操作受付が無効化される。
またステップS1103、S1115〜S1117の処理によると、メダルの受付禁止前状態以外の状態(ベット2枚且つクレジット50枚の状態以外の状態)の場合には、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中であるか否かに拘わらず、駆動ソレノイド96がオフとならず、マックスベットボタン37の操作受付が無効化されない。但し、エラー中(ステップS1111)、投入可能フラグ=オフ(ステップS1112)、メダル払い出し中(ステップS1113)、メダル受付禁止状態(ステップS1114)は除く。換言すれば、メダルの受付禁止前状態以外の状態においては、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中であっても、マックスベットボタン37の操作受付が無効化されることはない。
メダルを後1枚投入するとメダルの受付が禁止される受付禁止前状態において、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中である場合には、マックスベットボタン37の操作受付を無効とする。しかし、受付禁止前状態以外の状態においては、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中であっても、マックスベットボタン37の操作受付を無効としないように処理をする。
メダルの受付禁止前状態において、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中である場合に、マックスベットボタン37の操作受付を有効としてしまうと、いわゆるメダルの飲み込み(メダルが検出もされず返却もされずに取り込まれてしまうこと)を誘発するので、メダルの飲み込みを防止している。
図18において、CPUはステップS1116、S1117又はS1118の処理を実行してから、図19のステップS1119に処理を進める。
図19のステップS1119〜S1129は、主に正常なメダルの通過に応じて投入枚数又はクレジットの値をインクリメントし、またマックスベットボタン37の操作に応じてベットカウンタやベットタイマの値をセットする処理となる。
先ずCPUはステップS1119でメダルが第1センサ82、第2センサ83を正常に通過したか否かを判定する。このステップS1119の処理はステップS1212(図18)と同様である。このステップS1119において、「正常に通過」との判定は、第2センサ83の検出信号がオフに転じたタイミングで実行されるタイマ割込み処理においてのみであり、「正常に通過」していないとの判定は、メダルが第1センサ82、第2センサ83の何れかを通過中である場合も含まれるものである。
ステップS1119において、第1センサ82、第2センサ83をメダルが正常に通過したと判定した場合、CPUはステップS1120に進み、受付可能表示LED49のオン/オフを確認し、受付可能表示LED49がオフであれば、ステップS1123(図18)の処理に進む。即ち、ステップS1119で第1センサ82、第2センサ83を正常に通過したと判定されたにも拘わらず、ステップS1119において、受付可能表示LED49がオフでメダルの投入許可中ではないと判定された場合には、投入エラーフラグをセットした上で(S1123)、メダル投入が不許可の状態とされる(S1124)。
受付可能表示LED49がオンであれば、CPUはステップS1121でメダルの投入枚数又はクレジットの値をインクリメントし、投入音コマンドをセットする処理を実行する。ステップS1121での投入枚数の値のインクリメントは、投入枚数の値が「2」以下である場合に行い、クレジットの値のインクリメントは投入枚数の値が「3」の場合に行う。
CPUはステップS1122で投入枚数表示LEDのデータの更新処理を実行する。即ち、ステップS1121での投入枚数又はクレジットの値のインクリメントに応じて、RAM82cの投入枚数表示LEDデータを更新する。例えば、投入枚数のインクリメントであれば、コモン4(投入枚数表示1〜3)として設定されるべきデータを更新し、クレジットのインクリメントであれば、コモン2、3として設定されるべきデータを更新する。そして、ステップS1122の更新処理を実行すると、CPUはステップS813のメダル投入処理を終える。
また、CPUはステップS1119で第1センサ82、第2センサ83を正常に通過していないと判定した場合には、ステップS1125に処理を進める。ステップS1125では、マックスベットLEDのオン/オフを確認し、マックスベットLEDがオフであれば、メダル投入処理を終える。そのためマックスベットLEDのオフに連動して、マックスベットボタン37のオンエッジ検知確認のための処理(ステップS1128)が実行されないこととなり、マックスベットボタン37の操作受付が無効化される。
マックスベットLEDがオンであれば、CPUはステップS1126に進み、投入枚数の値が「3」であるか否かを判定する。投入枚数の値が「3」であれば、CPUはメダル投入処理を終える。これはマックスベット処理が不要なためである。
投入枚数の値が「3」でなければ、CPUはステップS1127に進み、ベットカウンタが「0」であるか否かを判定し、ベットカウンタが「0」でなければ、メダル投入処理を終える。ベットカウンタが「0」でない場合には、マックスベット処理中であることを意味するので、マックスベットボタン37のオンエッジ検知確認(ステップS1128)、ベットカウンタ及びベットタイマをセット(ステップS1129)する処理は不要であり、これらの処理をパスしてメダル投入処理を終える。
ベットカウンタが「0」の場合には、CPUはステップS1128でマックスベットボタン37のオンエッジが検出されているか否かを判定する。マックスベットボタン37のオンエッジが検出されていなければ、CPUはメダル投入処理を終える。
マックスベットボタン37のオンエッジが検出されていれば、CPUはステップS1129に進み、クレジットからの投入が可能ならベットカウンタ及びベットタイマをセットする処理を実行する。そして、クレジットの値が「2」以下の場合には、ベットカウンタにクレジットの値と同値をセットすると共にベットタイマをセットし、クレジットの値が「3」以上の場合にはベットカウンタに「3」をセットすると共にベットタイマをセットする。CPUはステップS1129の処理を実行した後、メダル投入処理を終える。
なお、マックスベットボタン37のオン操作に応じてベットカウンタ及びベットタイマがセットされると、その後に実行されるタイマ割込み処理におけるメダル投入処理では、ステップS1104(図18)でベットカウンタが「0」でないと判定されて、ステップS1105でベットタイマが消費される。そして、ベットタイマが「0」となったことに応じて(S1106)、ステップS1107以降の処理が実行されて、クレジットからの投入(S1110:クレジットを−1、投入枚数を+1)が実現される。
なお、図18及び図19のメダル投入処理では、マックスベット処理中においても、メダル投入口34からメダルの投入が可能である。これは、ステップS1104でベットカウンタが「0」でないと判定された場合にも、ステップS1121による投入枚数又はクレジットのインクリメントが行われ得ることからも明らかである。
このようにマックスベット処理中においてメダルの投入が行われた場合には、第1センサ82、第2センサ83の何れかがメダルを検出中のときにはマックスベット処理を中断し、メダルが正常に投入されたと判定した場合にマックスベット処理を再開する。更にマックスベット処理の中断中に投入枚数が「3」(所定数)になった場合は、マックスベット処理を終了する。
図23、図24は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態の投入口部材35は、メダル受け部70の後端側で第1部材65と第2部材66との間にメダル投入口34が上下方向に設けられており、メダル投入口34は上端側の入口34aが広く、下端側の出口34b側が入口34aよりも狭くなるテーパー状に形成されているが、第2部材66側の構成が若干相違している。
第2部材66には、当接部71の下側にメダル投入口34の後壁面72aがあり、その後壁面72aは左右方向の略中央側が第1部材65の前壁面69aに突出する平面視円弧状の湾曲面72bとなっている。そして、湾曲面72bの上端側と前壁面69aとの間隔は、メダルの厚みよりも大でメダルの厚みの2倍未満となり、湾曲面72bの下端側と前壁面69aとの間隔よりも大となっている。また湾曲面72bの下端側と前壁面69aとの間隔は、メダルの厚みよりも大となっている。湾曲面72bはメダル投入口34の入口34aよりも上側の当接部71に跨がって設けてもよい。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このようにメダル投入口34の入口を広く、下端側の出口34b側を入口34aよりも狭くすることにより、厚みの厚い不正メダルMの投入を防止することが可能である。その場合、メダル投入口34の前壁面69a、後壁面72aの何れか一方、又は両方に、相手側に接近する湾曲面72bを設けてもよい。また湾曲面72bに代えて上下方向に長い突条を左右方向に1本又は複数本設けてもよい。この場合には、メダルと湾曲面72b又は突条との接触面積を小さくすることができる。
図25は本発明の第3の実施形態を例示する。第1部材65側にメダル受け部70を設けるに当たっては、図25(A)に示すように、前下がりに傾斜するメダル受け部70とメダル投入口34の入口34aとの間に、入口34a側に傾斜するメダル案内面70aを設けてもよいし、図25(B)に示すように、メダル受け部70をメダル投入口34の入口34a側へと後下がりに傾斜する傾斜状に形成して、そのメダル受け部70がメダル案内面70aを兼用するようにしてもよい。
図26は本発明の第4の実施形態を例示する。第1部材65の前壁部69、第2部材66の後壁面72aには、図26(A)(B)に示すように、上下方向の突条69c,72cが左右方向に複数設けられており、この前後の突条69c,72c間がメダル投入口34となっている。他の構成は各実施形態と同様である。
このようにすれば、前後の突条69c,72c間でメダルを案内することになる。この場合には、メダル投入口34の前後両側に対するメダルの接触面積が少なくなるので、投入時の抵抗を少なくすることができる。
図27は本発明の第5の実施形態を例示する。この実施形態は、メダル投入用ホッパー部130と、メダル投入用ホッパー部130から斜め方向(投入方向)に傾斜状に形成されたメダル投入口34とを有し、メダル投入用ホッパー部130内のメダルを、メダル投入用ホッパー部130からメダル投入口34に跨がって設けられた下傾斜面131に沿って滑りながらメダル投入口34に入るようになっている。
図27(A)(B)の何れの場合にも、下傾斜壁132と上傾斜壁133との間に設けられている。図27(A)の上傾斜壁133は、入口34a側に対して出口34b側が下傾斜壁132に接近して配置されており、その入口34aはメダル1枚の厚みよりも大で、メダル2枚の厚み未満となっている。出口34bは入口34a側よりも小であり、メダル1枚の厚みよりも大になっている。
図27(B)の上傾斜壁133は下傾斜壁132と略平行であり、その上傾斜壁133には入口34aの隙間を制限する入口制限部材134と、出口34bの隙間を制限する出口制限部材135とが設けられている。入口制限部材134と下傾斜壁132との間隔、即ち、メダル投入口34の入口34a側は、メダル1枚の厚みよりも大で、メダル2枚の厚み未満となっている。また出口制限部材135と下傾斜壁132との間隔は入口34b側よりも小であり、メダル1枚の厚みよりも大になっている。
各制限部材134,135は上傾斜壁133に対して一体又はネジ等の固定手段で着脱自在に設けられている。なお、制限部材134,135にはその上手側部分にメダルの案内部134a,135aを設けることが望ましい。
このようにメダル投入口34の下傾斜面131に沿ってメダルを滑らせながら投入するメダル投入口34の場合にも、同様に実施可能である。従って、略鉛直方向にメダルが落下するメダル投入口34、下傾斜面131に沿ってメダルが斜め方向に滑落するメダル投入口34の何れの場合にも同様に実施可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、メダル投入口34は、メダルが投入可能な構成であれば十分であり、その投入方向は上下方向でもよいし、斜め方向でもよい。
またメダル投入口34は、メダルの厚み方向の入口34a側の寸法を出口34b側よりも大にし、しかも入口34a側の寸法はメダル1枚の厚みよりも大でメダル2枚の厚み未満とし、出口34b側の寸法はよりもメダル1枚の厚みよりも大にしているが、入口34a側はメダル2枚の厚み未満で極力メダル2枚の厚みに近い寸法にし、出口34b側はメダルの通過速度を制限しない範囲内でメダル1枚に極力近い寸法にすることが望ましい。
更にメダル投入口34は、メダルの厚み方向に対向する二つの平滑な対向面間に形成することが望ましいが、二つの対向面の一方又は両方が平滑面以外の凹凸面、湾曲面等であってもよい。
メダル投入口34から投入又は挿入され不正部材は、不正メダルMの他に、線材、帯板材その他のものがあるが、メダル投入口34はその何れの不正部材に対しても対応できることが望ましい。メダル投入口34は厚み方向を左右に向けた状態でメダルを投入するように設けたものでもよい。
メダル案内シュート55の湾曲内側壁102に高さの異なる上手壁部102aと下手壁部102bとを設ける場合、上手壁部102aは不正メダルMと出口34bとの間で糸状物Maが張り状態になったときに、その糸状物Maと接触しない程度の高さがあることが望ましく、また下手壁部102bは湾曲外側壁101に沿って倒れた状態で案内されるメダルが底部103上から外れない程度であればよい。
糸状物Maが連結された不正メダルMを対象とする場合、湾曲内側壁102は湾曲外側壁101と略同高さ程度でもよいし、湾曲外側壁101よりも若干低い程度でもよい。その場合には、不正メダルMがメダル案内シュート55の終端から落下した後に、糸状物Maを引っ張れば、第2引っ掛け部106に引っ掛かるので、それ以上の不正行為を防止できる。
また湾曲内側壁102の終端側の放出部100から不正メダルMを落下させる場合には、その放出部100の上手側の第1引っ掛け部104のみとして、第2引っ掛け部106を省くことも可能である。
また遊技機は、メダル投入口34を備えたものであれば、スロットマシン、パチンコ機、アレンジボール機等の何れの遊技機であってもよい。
なお、この実施形態のスロットマシンは、メダル選別手段43に設けられた投入センサ80、第1センサ82、第2センサ83によるメダルの検出態様に基づいて、投入メダルのエラー判定を行うエラー判定手段(主制御基板8のCPU)を備えている。
このエラー判定手段は、第1センサ82及び第2センサ83がメダルを検出しない第1状態(順番「0」)、第1センサ82がメダルを検出し第2センサ83がメダルを検出しない第2状態(順番「1」)、第1センサ82及び第2センサ83がメダルを検出する第3状態(順番「2」)、第1センサ82がメダルを検出せず第2センサ83がメダルを検出する第4状態(順番「3」)の順番でメダルの検出態様が遷移する場合に正メダルの通過と判定し、前記順番とは異なる検出態様で遷移する場合に不正メダルMと判定する検出順序判定手段を含んでいる。この検出順序判定手段は第2状態の次に第1状態に遷移した場合にエラーではないと判定する。これにより投入メダルのエラー判定の適正を担保できる。
またこのスロットマシンは、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となり、図柄表示手段3の変動後の表示結果がでたときに1ゲームが終了し、図柄表示手段3の表示結果に応じて入賞が発生可能であって、メダル投入口34から投入されてクレジットとして貯留状態にあるメダルを賭数の設定に指示するためのベット操作手段(マックスベットボタン37)と、このベット操作手段の操作受付を有効又は無効に制御する操作受付制御手段(主制御基板8のCPU)とを備えている。
操作受付制御手段は、メダルが後1枚取り込まれるとメダルの受付が禁止される受付禁止前状態において、第1センサ82又は第2センサ83の何れかがメダルを検出中である場合にベット操作手段の操作受付を無効とし、受付禁止前状態以外の状態においては、第1センサ82又は第2センサ83の何れかがメダルを検出中であっても、ベット操作手段の操作受付を無効としないように構成されている。これにより、メダルの飲み込み防止を図ることができる。
更にこのスロットマシンは、第1センサ82と第2センサ83によるメダルの検出態様が正常である場合にメダル投入と判定する投入判定手段(主制御基板8のCPU)と、賭数が所定数に満たない状態において投入判定手段がメダル投入と判定した場合に賭数を増加させる処理を行う投入メダルベット処理手段(主制御基板8のCPU)と、クレジットとして貯留状態にあるメダルを所定数の賭数の設定に指示するためのマックスベット操作手段と、マックスベット操作手段に対する操作に基づき、クレジットとして貯留状態のメダル数の範囲内において、所定数に達するまで賭数を増加させるためのマックスベット処理を行うマックスベット処理手段(主制御基板8のCPU)とを備えている。
このスロットマシンは、マックスベット処理を行うマックスベット処理手段の他に、クレジットとして貯留状態のメダルの精算を指示するためのメダル精算操作手段と、メダル精算操作手段に対する操作に基づき、メダルの精算のための処理を行う精算処理手段とを備えている。
投入メダルベット処理手段は、マックスベット処理手段がマックスベット処理を実行中のときにもメダル投入口34からのメダルの投入受け付けを有効とし、マックスベット処理手段は、複数の第1選別手段、第2選別手段の何れかがメダルを検出中の場合にマックスベット処理を中断し、投入判定手段がメダルの投入と判定した場合にマックスベット処理を再開し、中断中に賭数が所定数に至った場合はマックスベット処理を終了する(図15及び図16等を参照)。これにより、メダルの飲み込み防止を図ることができる。
このスロットマシンは、周方向に複数の図柄が表示された複数の回転リール10a〜10cと、各回転リール10a〜10cを駆動するステッピングモータ等の回転駆動手段と、遊技動作を進行させるための処理を実行する制御手段(CPU)とを備えている。
なお、制御手段は、回転リール10a〜10cの回転開始命令に応じて回転リール10a〜10cを徐々に加速させながら起動させる起動処理を行う回転リール起動手段と、起動処理後の回転リール10a〜10cを定常回転させる定常回転手段と、定常回転中に回転リール10a〜10cの回転停止操作が行われた場合に、その回転停止操作が行われたときの図柄位置に基づいて所定の最大滑りコマ範囲内で停止位置を決定する停止位置決定手段と、停止位置決定手段が決定した停止位置に対応する図柄の特定の停止ステップ位置に達した場合に回転リール10a〜10cを停止させるための停止制御を開始する停止手段とを含むようにしてもよい。
またスロットマシンは、タイマ割込み処理においてエラーの有無に応じたエラーフラグをセットするエラー監視手段と、タイマ割込み処理においてエラーフラグに応じてエラー報知のための処理を実行するエラー報知手段とを含むようにしてもよい。